(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-533942(P2018-533942A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】喫煙物品用の濾過媒体のプラズマ処理
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20181026BHJP
【FI】
A24D3/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-520186(P2018-520186)
(86)(22)【出願日】2016年10月24日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】IB2016056385
(87)【国際公開番号】WO2017072648
(87)【国際公開日】20170504
(31)【優先権主張番号】15192047.7
(32)【優先日】2015年10月29日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BA02
4B045BA05
4B045BA08
4B045BB03
4B045BB05
4B045BC13
4B045BC16
(57)【要約】
喫煙物品は、喫煙可能材料と、喫煙可能材料の下流にあるフィルターと、破壊可能なカプセルと、を含む。フィルターは、プラズマ処理されるか、あるいは、標準フィルター材料に対して増大した表面エネルギーを有する。破壊可能なカプセルは、壊れやすいシェルで囲まれたコアを含む。コアは、感覚促進剤を含む液体組成物を含む。破壊可能なカプセルは、シェルが破裂したときに液体組成物をフィルター材料と接触させるように位置付けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙可能材料と、
前記喫煙可能材料の下流にあり、プラズマ処理されたフィルター材料を含む、フィルターと、
壊れやすいシェルによって囲まれたコアを含む破壊可能なカプセルであって、前記コアは感覚促進剤を含有する液体組成物を含む、破壊可能なカプセルと、を備え、
前記破壊可能なカプセルは、前記シェルが破裂したときに前記液体組成物を前記フィルター材料と接触させるように位置付けられる、喫煙物品。
【請求項2】
前記プラズマ処理されたフィルター材料は、未処理のフィルター材料よりも少なくとも約20%大きい表面エネルギーを有する、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記液体組成物が1つ以上の脂質を含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記フィルター材料は、少なくとも30W/min/m2の放電用量の無線周波数放電によってプラズマで処理される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記フィルター材料中の前記液体組成物の分布は、前記シェルが破裂したときに、未処理のフィルター材料に対して少なくとも10%増大する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記喫煙物品がISO 3308(2012)喫煙手順を受けるときに、前記カプセル破壊の2分以内において煙中に送達される感覚促進剤の累積量が、未処理のフィルター材料を有する実質的に類似の喫煙物品の感覚促進剤の累積量よりも少なくとも10%多い、請求項1〜5のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記喫煙物品がISO 3308(2012)喫煙手順を受けるときに、前記カプセル破壊の2分以内において煙中に送達される感覚促進剤の累積量が、未処理のフィルター材料を有する実質的に類似の喫煙物品の感覚促進剤の累積量よりも少なくとも10%多い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記フィルター材料が酢酸セルロースを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
酢酸セルロースを含む前記プラズマ処理されたフィルター材料は、50mN/m以上の表面エネルギーを有する、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項10】
酢酸セルロースを含む前記プラズマ処理されたフィルター材料は、フィラメント当たり1.5〜8.0デニールの範囲の厚さを有する繊維を含む、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記フィルター材料がポリ乳酸を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記喫煙可能材料は、たばこを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項13】
カプセルからの感覚促進剤の送達を強化するための喫煙物品の形成方法であって、前記方法が、
フィルター材料をプラズマで処理することと、
前記プラズマ処理されたフィルター材料を前記喫煙物品のマウスピースに組み込むことと、
前記マウスピースに前記カプセルを組み込むことであって、前記カプセルは、壊れやすいシェルによって囲まれたコアを含み、前記コアは、前記感覚促進剤を含む液体組成物を含み、前記カプセルは、前記シェルの破裂時に前記液体組成物が前記プラズマ処理されたフィルター材料と接触するように前記マウスピース内に組み込まれる、組み込むことと、
前記マウスピースを喫煙物品内に組み込むことと、を含む、方法。
【請求項14】
前記フィルター材料を前記プラズマ処理することは、前記材料の前記表面エネルギーが未処理のフィルター材料に対して少なくとも5%増大するという条件下でプラズマ処理することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記フィルター材料は酢酸セルローストウを含み、前記フィルター材料をプラズマ処理することは、前記酢酸セルローストウのバンドの形成中に前記酢酸セルローストウをプラズマで処理することを含む、請求項13または請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルター材料と感覚促進剤を含む液体組成物を放出するよう構成された構成要素とを含む、喫煙物品に関する。液体組成物はフィルター材料を湿らせ、感覚促進剤がフィルター材料を通る主流煙中に混入される。フィルター材料は、主流煙中の感覚促進剤の取り込み率または取り込み量を増大させるために処理されてもよい。
【背景技術】
【0002】
紙巻たばこなどの喫煙物品は、主流煙内に風味剤を放出するよう構成された風味カプセルを含んでもよい。風味カプセルの例には、風味剤と液体キャリアが配置される内部容積を画定する、粉砕可能なシェルを含む、粉砕可能なカプセルが挙げられる。カプセルが破裂すると(例えば、シェルを粉砕することによって)、風味剤と液体キャリアが放出され、そして、風味剤が主流煙中と喫煙者の口内に運ばれて、煙の風味が強化されうる。
【0003】
粉砕可能な風味カプセルは喫煙物品のマウスピース内に配置されることが多く、フィルター材料と接触して置かれることが多い。カプセルのシェルが粉砕されると、液体キャリアと風味剤がフィルター材料を湿らせうる。フィルター材料を通って、またはこれの周りを通過する主流煙は、風味剤を混入しうる。
【0004】
粉砕可能なカプセルはオンデマンドで風味を送達する。ただし、主流煙中に運ばれる、粉砕可能なカプセルから放出される風味剤の量は、時間とともに増大することが分かっている。例えば、メンソールを含む風味カプセルが標準ISO喫煙手順下で粉砕された後に、煙中のメンソールレベルが時間とともに増大することが観察されている。例えば、カプセル粉砕5分後の煙中のメンソールの量は、カプセル粉砕2分後の煙中のメンソールの量よりも大きいことが分かっている。
【0005】
本発明の1つの目的は、感覚促進剤を含む構成要素を有する喫煙物品を製造することであり、この喫煙物品では、構成要素が破壊されると、現在入手可能なカプセル含有喫煙物品に対して、フィルターにおける感覚促進剤の分布が増大する。分布が増大することで、現在入手可能なカプセル含有喫煙物品に対して、主流煙中の感覚促進剤の取り込み率、取り込み量、または取り込み率および取り込み量が増大することが好ましい。本発明のその他の目的は、下記の特許請求の範囲および添付図面を含む本開示を読んで理解することで当業者にとって明らかとなろう。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様では、フィルター材料の表面エネルギーが強化されて、濾過材料の湿潤性が増大する。湿潤性が強化されると、液体キャリアと感覚促進剤の分布が広がり、これは、感覚促進剤の主流煙中のより大きくより高速な伝達を許容しうる。濾過材料の表面エネルギーは、プラズマ処理によって増大させることができる。好ましい実施形態において、濾過材料の個々の繊維またはトウバンドが処理される。
【0007】
本発明の一態様では、喫煙物品は、喫煙可能材料、喫煙可能材料の下流にあるフィルター、および感覚促進剤を含む液体組成物を放出するよう構成された構成要素(破壊可能なカプセルなど)を含む。フィルターは、プラズマ処理されたフィルター材料を含む。破壊可能なカプセルは、壊れやすいシェルで囲まれたコアを含む。コアは、感覚促進剤を含む液体組成物を含む。破壊可能なカプセルは、シェルが破裂したときに液体組成物をフィルター材料と接触させるように位置付けられる。
【0008】
本発明の別の態様では、喫煙物品は、喫煙可能材料、喫煙材料の下流にあるフィルター材料、および壊れやすいシェルによって囲まれたコアを含む破壊可能なカプセル、を含む。コアは、感覚促進剤を含む液体組成物を含む。破壊可能なカプセルは、シェルが破裂したときに液体組成物をフィルター材料と接触させるように位置付けられる。フィルター材料の表面エネルギーは、標準フィルター材料よりも少なくとも10%大きい。一実施形態では、標準フィルター材料が、非プラズマ処理された酢酸セルロースのフィルターロッドの形態で提供されて試験されうるが、このフィルター材料は、以下の特性:長さ108mm(それぞれ27mmの4つのフィルターを作成するのに通常使用される)、水引き込み抵抗370mm、直径7.6mm、そして2.7Y35,000(Y断面、フィラメント当たりのデニール2.7、総デニール35,000)を有する。別の実施形態では、標準フィルター材料が、フィルターロッドを形成するための、非プラズマ処理されたポリ乳酸(PLA)の繊維またはトウバンドの形態で提供されて試験されうるが、このフィルター材料は、以下の特性:長さ108mm(それぞれ27mmの4つのフィルターを作成するのに通常使用される)、水引き込み抵抗370mm、直径7.6mm、そして3.2Y50,000(Y断面、フィラメント当たりのデニール3.2、総デニール50,000)を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施形態の喫煙物品は、未処理の、または標準フィルター材料を有する喫煙物品中に送達される累積量よりも多い、1つ以上の感覚促進剤の累積量を煙中に送達する。例えば、本発明の喫煙物品は、紙巻たばこ喫煙分析機械によるルーティン試験(例えば、ISO 3308(2012)に従う)を受けるが、カプセル破壊の2分以内において煙に送達される感覚促進剤の累積量は、未処理の、または標準フィルター材料を有する実質的に類似の喫煙物品の感覚促進剤の累積量よりも少なくとも10%多い。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、カプセルからの感覚促進剤の送達を強化するための喫煙物品を形成する方法は、フィルター材料のプラズマ処理を含む。本方法は、プラズマ処理されたフィルター材料を喫煙物品のマウスピースに組み込むことをさらに含む。また、本方法は、マウスピースにカプセルを組み込むことを含む。カプセルは、壊れやすいシェルで囲まれたコアを含む。コアは、感覚促進剤を含む液体組成物を含む。カプセルがマウスピースに組み込まれるため、シェルが破裂すると、液体組成物がプラズマ処理されたフィルター材料と接触する。本方法は、マウスピースを喫煙物品内に組み込むことをさらに含む。
【0011】
本発明の様々な態様は、破壊時に、感覚促進剤が濾過材料と接触するよう感覚促進剤を放出する感覚促進カプセルを有する、現在入手可能な喫煙物品または前述の喫煙物品に対して1つ以上の利点を有しうる。例えば、本明細書に記述する喫煙物品は、感覚促進剤の送達率または送達量が増大するため、感覚促進剤のより良好なオンデマンドの送達を提供するものとして知覚されうる。また、フィルター材料の増大した表面エネルギーは、可塑剤のより良好な分布を許容しうる。こうして、少ない可塑剤が使用されうるか、あるいは、所与の量の可塑剤によって増大されたフィルター硬度が達成されうる。本発明の様々な態様のこれらおよびその他の利点は、本明細書の開示を読んで理解することにより当業者には明白であろう。
【0012】
本発明は、フィルターと感覚促進剤を含むカプセルとを含む、任意の適切な喫煙物品に適用可能であり、この喫煙物品では、カプセルの破裂時に、感覚促進剤がフィルター材料と接触する。
【0013】
フィルターとカプセルを備える喫煙物品の例には、紙巻たばこ、葉巻たばこ、シガリロ、また喫煙可能材料(たばこなど)が点火されて燃焼されて煙を生成するその他の物品が挙げられる。本発明のフィルターとカプセルとを含みうる喫煙物品の他の例には、直接的または間接的に喫煙用組成物を加熱する喫煙物品、または熱源の有無にかかわらず、気流または化学反応を使用して、喫煙可能材料からニコチンまたはその他の材料を送達する喫煙物品など(しかしこれらに限定されない)、喫煙可能材料が燃焼しない物品も含む。
【0014】
「煙」という用語は本明細書で使用される場合、喫煙物品によって生成されるエアロゾルを説明するために使用される。喫煙物品によって生成されるエアロゾルは、例えば、紙巻たばこなどの可燃性の喫煙物品によって生成される煙、または加熱式喫煙物品もしくは非加熱式喫煙物品などの不燃性の喫煙物品によって生成されるエアロゾルでもよい。
【0015】
一部の好ましい実施形態において、本発明の喫煙物品は、喫煙可能材料が燃焼される、喫煙物品である。紙巻たばこなどの可燃性喫煙物品は典型的に、たばこロッドを形成する紙ラッパーによって囲まれた細かく切られたたばこ(通常はカットフィラーの形態)を有する。紙巻たばこは、紙巻たばこの一方の端に点火し、たばこロッドを燃焼することによって、喫煙者によって使用される。次に喫煙者は、典型的にフィルターを収容する紙巻たばこの反対の端または口側の端で吸い込むことによって、主流煙を受け入れる。紙巻たばこなどの可燃性喫煙物品のフィルターは、主流煙が喫煙者に送達される前に主流煙の一部の成分を取り込むように位置してもよい。
【0016】
別の好ましい実施形態では、喫煙物品は、燃焼されないエアロゾル発生基体を含む。本発明の不燃性喫煙物品は、ニコチン含有エアロゾルが、たばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン源から、燃焼することなく、また一部の場合には加熱することなく、例えば化学反応によって生成される、物品を含むことが好ましい。加熱式喫煙物品には例えば、エアロゾルが電気的加熱によるか、または可燃性燃料要素または熱源からエアロゾル発生基体へ熱を移動することによって生成される喫煙物品が含まれることが好ましい。喫煙中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によりエアロゾル発生基体から放出され、喫煙物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。こうした不燃性の喫煙物品は、加熱式でも非加熱式であっても、煙がユーザーに送達される前に、煙成分を吸収するように位置付けられたフィルターを含んでもよい。
【0017】
喫煙物品におけるフィルターは、可燃性であっても不燃性であっても、喫煙可能材料の下流に配置されうる。「下流」という用語は、喫煙可能材料からユーザーの口へと引き出される際の主流煙の方向に関連して説明された、喫煙物品の複数の要素の相対的位置を意味する。
【0018】
1つ以上の感覚促進剤を含む液体組成物を放出するよう構成された構成要素(破壊可能なカプセルなど)は、破壊時など、この構成要素が、1つ以上の感覚促進剤または1つ以上の感覚促進剤を含む液体組成物を放出するよう構成される場合に、フィルター材料と接触するように、本発明の喫煙物品内に位置付けられる。1つ以上のこうした構成要素(破壊可能なカプセルなど)は、フィルター材料内に埋め込まれ、フィルター材料に隣接して置かれてもよく、あるいは、破壊時に、1つ以上の感覚促進剤または1つ以上の感覚促進剤を含む液体組成物が放出されて、取り巻くフィルター材料に接触するように位置付けされてもよい。
【0019】
好ましい実施形態において、喫煙物品はフィルターと破壊可能なカプセルとを含むマウスピースを含む。一部の実施形態において、マウスピースは、フィルターの周りに配置されたプラグラップを追加的に含んでもよい。一部の好ましい実施形態において、喫煙物品は、マウスピースを喫煙可能材料のロッドに固定するチッピングラッパーを含む。
【0020】
任意の適切な壊れやすいカプセルは、本明細書で説明の通り、喫煙物品に採用されてもよい。破壊可能なカプセルは、風味剤またはその他の感覚剤などの1つ以上の感覚促進剤を含むコアを含み、コアを取り巻くシェルを含む。シェルの破損に伴い、コアの内容物は放出されうる。
【0021】
壊れやすいカプセルは、適切な任意のシェルを持ちうる。例えば、壊れやすいカプセルのシェルは、ペクチンまたはアルギネート、ゼラチン、パラフィンろう、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アルギン、またはその他任意の適切な材料またはその組み合わせなどといった、多糖類ベースの材料としうる。壊れやすいカプセルの製造には多数の工程が存在することが理解されうる。従って、カプセルは、カプセルを破壊するまたは破裂させるための動力学的な力または熱的な力に対する抵抗が異なる様々なサイズおよび形状を持つことができ、また代替的なカプセル組成物およびカプセル成分を含むことができる。
【0022】
適切な任意の感覚促進剤が、破壊可能なカプセルのコア内に含まれうる。適切な感覚促進剤の例には、風味剤および感覚剤が挙げられる。適切な風味剤は、風味組成物または香料組成物の処方に従来的に使用されている芳香族分子または香料分子を含む。風味剤は、芳香族、テルペン系、またはセスキテルペン系の炭化水素であることが好ましい。風味剤は、精油、アルコール、アルデヒド、フェノール系分子、様々な形態のカルボン酸、芳香族アセタールおよびエーテル、窒素性複素環、ケトン、スルフィド、ジスルフィド、メルカプタン(芳香族または非芳香族のどちらでもよい)であってもよい。風味剤の例には、天然または合成の芳香剤または香料が挙げられる。適切な香料の例には、フルーティ系、お菓子系、フローラル系、スイート系、ウッディ系の香料がある。適切な芳香の例には、ココナッツ、バニラ、コーヒー、チョコレート、シナモン、ミント、またはロースト系もしくはトースト系の芳香がある。
【0023】
適切な感覚剤の例には、清涼剤、冷却剤、または高温効果剤が挙げられ、それらは口内でそれぞれ清涼効果、冷却効果、または高温効果を提供する。適切な清涼剤は、コハク酸メンチルおよびその誘導体であってもよいが、これに限定されない。適切な高温効果剤は、バニリルエチルエーテルであってもよいが、これに限定されない。
【0024】
一部の好ましい実施形態では、破壊可能なカプセルは、感覚促進剤としてメンソールを含む。
【0025】
破壊可能なカプセル中の感覚促進剤の濃度を調節または変更して、望ましい量の感覚促進剤を提供することができる。
【0026】
コアまたはシェルは、1つ以上の甘味料を含み得るが、これは、エタノール中の溶液または懸濁液の形態で提供されうる。適切な甘味料の例は、ソルビトール、アスパルテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NHDC)、スクラロース、アセスルファム、ネオテーム、またはこれに類するものでありうるが、これに限定されない。
【0027】
コアは、例えば、ダンマルゴム、エステルゴムタイプの木材用樹脂、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)または臭素化植物油など、芳香乳剤で使用されるような1つ以上の充填剤を含みうる。これらの薬剤は、流体コアの密度を調節する役目をしうる。
【0028】
コアは、感覚促進剤と液体キャリアとを含む。液体キャリアは、1つ以上の脂質を含むことが好ましい。例えば、コアは、中鎖トリグリセライド、植物油、またはその混合物を含みうる。コアはココナッツオイルを含むことが好ましい。
【0029】
本発明の喫煙物品で使用されうる破壊可能なカプセルの例には、粉砕可能なカプセル、熱により壊れやすいカプセル、直径が0.3mm〜1.0mmのマイクロカプセル、または直径が1.0mm〜7.0mmのマイクロカプセル、およびこれに類するものなど、機械的に破壊可能なカプセルが含まれる。壊れやすいカプセルは、粉砕可能なカプセルであることが好ましい。本明細書で使用されるように、粉砕可能なカプセルは、約0.01kp〜5kpの粉砕強度を持つカプセルであり、約0.5kp〜約2.5kpの粉砕強度を持つカプセルであることが好ましく、約0.6kp〜約2kpの粉砕強度を持つカプセルであることがより好ましく、約0.8kp〜約1.2kpの粉砕強度を持つカプセルであることがさらにより好ましい。
【0030】
カプセルの粉砕強度を、1つのカプセルに対して破裂するまで垂直方向に連続的に負荷をかけることによって測定することができる。カプセルの粉砕強度は、容量25kg、最小変位0.02kg、精度+/−0.15%のLLOYD−CHATILLON Digital Force Gauge、Model DFIS 50を使用して測定することができる。フォースゲージはスタンドに取り付けることができ、カプセルは、手動のスレッドねじ装置を用いて上方に移動させるプレートの中央に位置付けることができる。その後、手動で圧力をかけることができる。ゲージは、カプセルが破裂する瞬間にかけられた最大の力を記録する(例えば、kgまたはLbの単位で測定)。カプセルの破裂によって、コアの内容物が放出される。
【0031】
カプセルを特徴付けるためのさらなる方法には、破壊の前にカプセルが耐えることのできる、例えば、ニュートンの単位で測定される最大圧縮力である粉砕力が含まれ、また破壊時の圧縮によるカプセルの寸法の変化(すなわち変形)である破壊時の距離が含まれる。また、例えば、カプセルの寸法(例えば、カプセルの直径)と、破壊点まで圧縮された時に圧縮力の方向で測定されたカプセルの寸法との間の比で表現することもできる。圧縮は一般的に、自動または手動の圧縮試験機の圧縮プレートによって、床に向かってかけられる。こうした機械は当業界で周知であり、また市販されている。
【0032】
カプセルの粉砕力の値は約10.0N〜約20.0Nであることが好ましく、約11N〜約18Nがより好ましく、約12.0N〜約16.0Nの範囲であることがさらにより好ましい。
【0033】
一部の実施形態では、粉砕可能なカプセルは、「壊れやすいカプセルを組み込む喫煙装置、壊れやすいカプセル、および前記カプセルを製造するための工程」という題名の公表済みの欧州特許出願第EP1906775A2号に記載があるか、第US2004/0261807号で開示されているカプセルである。
【0034】
粉砕可能なカプセルは、選択された親水コロイドを、カプセルの外側シェル内、水分バリア層による外側シェルの被覆内、または外側シェルおよび被覆の両方内に組み込むことが好ましい。例えば、シェル、被覆、またはシェルおよび被覆は、ゼラチンゴム、寒天、アルギネート、カラゲナン、ペクチン、アラビアゴム、ガッティゴム、プルランゴム、マンナンゴムまたは化工デンプンから選択される1つ以上の親水コロイドを単独で、またはそれらの混合物として、またはゼラチンとの組み合わせで独立的に含みうる。
【0035】
シェルは、シェルの総乾燥質量の約1.5重量%〜約95重量%、好ましくは約4重量%〜約75重量%、なおより好ましくは約20重量%〜約50重量%などの、任意の適切な量の1つ以上の親水コロイドを含有してもよい。
【0036】
シェルは1つ以上の充填剤をさらに含んでもよい。本明細書で使用される場合、「充填剤」は、シェル内の乾燥材料のパーセント数を増やしうる適切な任意の材料である。シェル内の乾燥材料の量を増やすことで、シェルを硬化し、シェルを変形に対して物理的により抵抗力のあるものにすることができる。充填剤は、デンプン誘導体(デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン(アルファ、ベータ、もしくはガンマ)など)、またはセルロース誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)など)、ポリビニルアルコール、ポリオール、またはそれらの混合物から成る群から選択されることが好ましい。デキストリンは好ましい充填剤である。シェル内の充填剤の量は一般的に、シェルの総乾燥質量の98.5重量%以下、好ましくは約25重量%〜約95重量%、より好ましくは約40重量%〜約80重量%、さらにより好ましくは約50重量%〜約60重量%である。
【0037】
カプセルのシェルはゼラチンを含むことが好ましい。シェルは、シェル内に存在している場合のある任意の充填剤の重量を除き、重量で50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上のゼラチンを含むことが好ましい。
【0038】
粉砕可能なカプセルのシェルは、任意の適切な厚さとしてもよい。一部の実施形態では、カプセルのシェルの厚さは、約10ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約30ミクロン〜約150ミクロン、より好ましくは約50ミクロン〜約80ミクロンである。
【0039】
本明細書で提示されている教示に従って喫煙物品に組み込むカプセルは、カプセルの重量とシェルの重量の任意の適切な比を有してもよい。例えば、カプセルの重量に対するシェルの重量の比(重量/カプセルの全重量)は、約8%〜約50%、好ましくは約8%〜約20%、より好ましくは約8%〜約15%である。
【0040】
本発明の喫煙物品内に含まれるカプセルのコアは、親水性であるか、またはエタノールに部分的に溶解性の材料または生成物の、または油/水/油乳濁液として調製された分子の混合物を含みうる。
【0041】
コアは、カプセルの任意の適切な重量パーセントを占めてもよい。例えば、壊れやすいカプセルのコアは、カプセルの約50%〜約92%、好ましくは約80%〜約92重量%、より好ましくは約85重量%〜約92重量%の重量を占める。
【0042】
カプセルのコアは、食品業界、医薬品業界または化粧品業界で従来的に使用される1つ以上の親油性溶媒を含みうる。好ましい実施形態で、これらの親油性溶媒は、トリグリセリド、特に中鎖トリグリセリド、また特にカプリル酸およびカプリン酸のトリグリセリド、または植物油、オリーブ油、ひまわり油、コーン油、ラッカセイ油、グレープシード油、小麦胚種油、鉱油およびシリコーン油などのトリグリセリドの混合物としうる。コアは、適切な任意の量の親油性溶媒を含みうる。例えば、カプセルのコア内の親油性溶媒の量は、カプセルの全重量のほぼ0.01〜90%程度、好ましくは25〜75重量パーセントである。
【0043】
コアはまた、上述した通り1つ以上の感覚促進剤、充填剤、甘味料、またはその組み合わせを含みうる。
【0044】
カプセルは任意の適切な総重量を有してもよい。例えば、カプセルの全重量は、約5mg〜約60mg、好ましくは約10mg〜約50mg、より好ましくは約20mg〜約40mgとしうる。
【0045】
本明細書で提示した教示による喫煙物品の中に組み込むカプセルは、任意の適切な外径寸法を有してもよい。一部の実施形態では、カプセルの外径は、約0.5mm〜約8mm、好ましくは約1mm〜約5mm、より好ましくは約1.5mm〜約4.5mm、さらに好ましくは約2.5mm〜約4mmの範囲である。
【0046】
一部の実施形態において、本発明の喫煙物品で使用するカプセルは、同時押出成形プロセスによって得られる継ぎ目のないカプセルである。同時押出成形プロセスは、外側の親水性の液体相および内側の親油性の液体相の、2つの液体の同時的な押出とすることができる。同時押出成形プロセスは、化合物の液滴形成、シェル固化、およびカプセルの収集という、3つの主な段階を含むことが好ましい。化合物の液滴は、シェル相の内側の液体充填物相の球体である。液体充填物相はコアを構成する。シェル相はシェルを構成する。本発明のカプセルは、例えば欧州特許第EP1906775A2号または同第EP 513603号に記載されている任意の適切な同時押出成形プロセスによって作製されてもよい。
【0047】
1つ以上の破壊可能なカプセルは、カプセルのコアの内容物がカプセルが破壊された後にフィルター材料を湿らせるようフィルター材料に十分に近接して、喫煙物品内に組み込まれる。
【0048】
本発明の喫煙物品のフィルターは、任意の適切なフィルター材料を含みうる。適切なフィルター材料の例には、セルロースエステル(酢酸セルロースなど)、ポリ乳酸(PLA)、セルロース系材料、ポリプロピレン、綿、亜麻、麻、または任意の分解性濾過媒体、または任意の2つ以上のフィルター材料の組み合わせまたは混合物が挙げられる。好ましい実施形態において、フィルター材料は、ポリ乳酸、セルロースエステル、およびその混合物などの高分子ィルター材料を含む。フィルター材料はセルロースエステルを含むのが好ましい。フィルター材料を形成するのに使用しうるセルロースエステルの例には、置換度が異なる、酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、およびセルロースブチレート、ならびに、その混合エステルが挙げられる。こうした混合エステルの例には、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸セルロースブチレート、および酢酸セルロースプロピオネートブチレートが挙げられる。フィルター材料は酢酸セルロースを含むのが好ましい。
【0049】
フィルター材料は繊維を含むのが好ましい。フィルター材料は高分子繊維フィルター材料を含むことが好ましい。好ましい実施形態において、フィルター材料は酢酸セルロース繊維またはポリ乳酸繊維を含む。フィルター材料の特徴は、フィラメント当たり1.5〜8.0デニール、Y断面、および15,000〜50,000の総デニールの範囲としうる。
【0050】
フィルター材料は材料の湿潤性を強化するよう処理されてもよい。湿潤とは、個体の基体上に付着した液体の広がり方の現象を指す。感覚促進剤またはこの感覚促進剤を含む液体組成物に対する材料の湿潤性が増大すると、フィルター材料中で感覚促進剤がより高速かつより大きく分布し、これは、主流煙が感覚促進剤を取り込んでこれを消費者に運ぶことができる、材料上の表面積の増大を提供しうる。
【0051】
フィルター材料を、液体(例えば、感覚促進剤および破壊可能なカプセルのコアの液体キャリア)の表面張力とフィルター材料の表面エネルギーとの間の差異を増大させるように処理して、液体によるフィルター材料の湿潤性を大きくしてもよい。湿潤性が大きくなると、カプセルが感覚促進剤を放出する場所からの、フィルター材料内およびフィルター材料に沿った拡散率が大きくなって、煙中の感覚促進剤の送達濃度および送達率の増大につながる。処理されたフィルター材料の表面エネルギーは、液体の表面エネルギーよりも約2mN/m〜約10mN/mだけ大きいことが好ましい。
【0052】
フィルター材料は、感覚促進剤を含むカプセルの破壊後の、主流煙中の感覚促進剤の取り込みを強化する、任意の適切な方法で処理されてもよい。好ましい実施形態において、フィルター材料の少なくとも一部はプラズマ処理されて、主流煙中の感覚促進剤の取り込みを強化する。
【0053】
プラズマ処理は、フィルター材料の表面エネルギーを増大させうるが、これは、フィルター材料の湿潤性を増大させうる。フィルター材料は任意の適切な方法でプラズマ処理されてもよい。例えば、フィルター材料は、コロナプラズマ処理、大気圧プラズマ処理、またはフレームプラズマ処理されてもよい。任意の適切なガスをプラズマ処理に使用してもよい。適切なガスの例には、酸素、窒素、水蒸気、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガス、不活性ガスと酸素の混合物、窒素と酸素の混合物、ヘリウムと酸素の混合物、およびアルゴンと酸素の混合物が挙げられる。プラズマ処理の強度または期間は、望ましい湿潤性の強化を提供するよう調整されうる。本明細書に記述するプラズマは、連続的(CW)またはパルスのいずれかで動作するDCグロー放電、容量結合無線周波数(RF)放電、誘導結合無線周波数(RF)放電、ヘリコン放電、およびマイクロ波放電を含む、電界を使用することで生成されうる。
【0054】
好ましい実施形態において、フィルター材料は、トウバンドの形態の繊維または繊維の束を含むが、繊維またはトウバンドはコロナ放電によってプラズマで処理される。繊維またはトウバンドは、製造ラインにおける連続工程によってプラズマで処理される。好ましい実施形態において、繊維またはトウバンドは、20W/min/m
2以上〜最大約60W/min/m
2(少なくとも約30W/min/m
2など)の放電用量で、連続工程においてプラズマ処理される。処理強度は、連続工程中の繊維またはトウバンドの移動速度に応じて調整されうる。処理された材料の処理電力と表面エネルギーとの間には通常、正の相関がある。これに限定されないが、Me.ro SpA(イタリア、ルッカ)のコロナ処理システムなどの多くの処理システムが当業界で周知であり、フィルター材料を処理するのに使用されうる。一般的に、コロナ処理システムは、一対の電極(1つは高電位、1つは接地電位において材料の支持体に接続される)を介してエアギャップを通して電力をかける、処理装置を備える。
【0055】
フィルター材料は、感覚促進剤または感覚促進剤を含む液体キャリアによって繊維の湿潤性を強化するための任意の適切な表面エネルギーを達成するよう処理されうる。一部の実施形態において、フィルター材料は表面エネルギーが50mN/m以上となるよう、より好ましくは60mN/m以上、さらにより好ましくは65mN/m〜75mN/mとなるよう処理される。一部の実施形態において、フィルター材料の表面エネルギーは、標準実験室条件下で6週間保管した後も、約48mN/m以上で高いままである。
【0056】
当業界で周知の様々な方法が、プラズマ処理されたフィルター材料の湿潤性を測定するのに利用可能である(Zisman 1964, in Contact Angle, Wettability and Adhesion: Fowkes F; Advances in Chemistry, American Chemical Society, Washington D.C., pp 1-51; K.L. Mittal, 1993, “Contact Angle, Wettability and Adhesion, American Chemical Society, Division of Colloid Surface Chemistry, VSP, Utrecht, The Netherland)。例えば、1つの方法は、液体の滴下、好ましくは破壊可能なカプセルのコアからの液体の滴下を、フィルター材料の処理された表面上に置き、通常は光学技術を介して、滴下の接触角を測定することを含む。滴下の接触角が小さくなるほど、湿潤性が良好となる。使用した、または使用する、処理されたフィルター材料を有する、破壊可能なカプセルのコアからの液体の接触角は、滴下と未処理の表面との間に形成される角度よりも小さいことが好ましい。別の適用可能な方法(J.M. van Hazendonk et al. Colloids and Surfaces A: Physiochemical and Engineering Aspects 81 (1993) pp251-261)は、浮遊試験によって、フィルター材料片を20℃で様々な周知の表面張力の液体の表面上に置いて、繊維状材料がちょうど浮遊する表面張力(mN/m)を判定することを含む。液体の表面張力は、溶剤(極性または非極性)の混合物、例えば、23〜72mN/mの範囲の水とメタノールなどの極性溶剤、または非極性溶剤である、22〜38mN/mの範囲の1−メチルナフタレンおよびオクテンを用いることで調整されうる。繊維の測定された表面張力は、繊維の50%が表面上に浮遊する、液体の表面張力である。
【0057】
フィルターは、処理されたフィルター材料と1つ以上の随意の結合剤とを含んでもよい。結合剤を含むフィルターが、高分子繊維を含むことが好ましい。結合剤は、高分子繊維を共に結合させることができる。含まれる場合、結合剤は可塑剤であることが好ましい。本明細書で使用されるように、「可塑剤」とは、高分子繊維に適用されると、繊維を共に溶剤接着する溶剤である。可塑剤の例には、トリアセチン(グリセロールトリアセチンとしても知られる)、ジエチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート、トリプロピオン、クエン酸アセチルトリエチル、トリエチルシトレート、およびその1つ以上の混合物が挙げられる。1つ以上の可塑剤は、例えば、ポリエチレングリコールと混合され、高分子繊維と接触して共に繊維を溶剤接着してもよい。繊維は、任意の適切な方法で結合剤と接触してもよい。結合剤を含む組成物が、高分子繊維上にスプレーされることが好ましい。
【0058】
1つ以上の結合剤がフィルター材料に添加される前後に、処理されたフィルター材料の表面エネルギーまたは接触角の測定値が判定されてもよい。一部の実施形態において、喫煙物品から取り外された、1つ以上の結合剤を含みうるフィルター材料の接触角の表面エネルギーが測定されうる。こうしたフィルター材料の表面エネルギーは50mN/m以上が好ましく、60mN/m以上がより好ましく、65mN/m〜75mN/mがさらにより好ましい。こうした表面エネルギーの範囲は、30W/min/m
2を生成することができる電源を使用することで提供されうる。例えば、酢酸セルロースの表面エネルギーは、20℃の水とグリセリンに対して約38mN/mに等しく、ここで接触角は54.4°であり、処理後、表面エネルギーは、約38mN/m〜最大約70nM/mに増大しうる。処理後の材料の表面エネルギーは、約42mN/m、約45mN/m、約47mN/m、約50mM/m、約57mN/m、約63nM/m、約66mN/m、または約70nM/mとしうる。未処理のセルロース系繊維(44mN/m)、麻(32.8mN/m)、および亜麻(36mN/m)などの、フィルターにおいて使用しうる他の繊維は、同一の範囲内にある。ポリエチレン繊維は、30W/min/m
2の処理電力で32mN/m〜69mN/mに増大したその表面エネルギーを有しうる。当業者であれば、異なる測定方法が適用される場合にはわずかに異なる絶対値が取得される場合があり、従って、未処理のサンプルと処理されたサンプル(結合剤有りまたはなしで)との間の相対的な差異を測定するためには、同一の技法を用いて処理された材料の試験を実行しうることを理解するであろう。従って、フィルター材料の処理後、フィルター材料の表面エネルギーは、未処理の材料に対して、約10%、約20%、約25%、約33%、約50%、約66%、約75%、または約100%だけ増大しうる。
【0059】
処理されたフィルター材料の表面エネルギーに関係なく、本発明の喫煙物品のフィルター材料は、感覚促進剤を含むカプセルが破裂して感覚促進剤がフィルター材料と接触するときに、現在入手可能な喫煙物品に対して、標準ISO喫煙手順(ISO3308:2012など)下の主流煙における感覚促進剤の混入率または混入量を増大させる。本発明の喫煙物品が、主流煙中の感覚促進剤の送達率または送達量を増大している否かを判定するために、主流煙中の感覚促進剤の量を、標準フィルター材料を有する類似の喫煙物品と比較してもよい。本発明の喫煙物品と、標準フィルター材料を有する喫煙物品とは、使用するフィルター材料以外では実質的に同一であることが好ましい。例えば、破壊可能なカプセル、喫煙可能材料、および喫煙物品の構造は、可能な限り類似していることが好ましい。本発明の喫煙物品、およびこれに比較される、標準フィルターを有する喫煙物品において使用されるフィルター材料の重量は、実質的に同一(例えば、測定誤差内または約5%内)であることが好ましい。一実施形態では、標準フィルター材料が、非プラズマ処理された酢酸セルロースのフィルターロッドの形態で提供されて試験されうるが、このフィルター材料は、以下の特性:長さ108mm(それぞれ27mmの4つのフィルターを作成するのに通常使用される)、水引き込み抵抗370mm、直径7.6mm、そして2.7Y35,000(Y断面、フィラメント当たりのデニール2.7、総デニール35,000)を有する。別の実施形態では、標準フィルター材料が、フィルターロッドを形成するための、非プラズマ処理された酢酸セルロースの繊維またはトウバンドの形態で提供されて試験されうるが、このフィルター材料は、以下の特性:長さ108mm(それぞれ27mmの4つのフィルターを作成するのに通常使用される)、水引き込み抵抗370mm、直径7.6mm、そして2.7Y35,000(Y断面、フィラメント当たりのデニール2.7、総デニール35,000)を有する。
【0060】
好ましい実施形態において、喫煙物品が標準ISO喫煙手順を受ける場合、感覚促進剤を含むカプセルの破壊から2分内の、主流煙における感覚促進剤の累積量は、標準フィルター材料を有する実質的に類似の喫煙物品より、本発明の喫煙物品において多い。感覚促進剤を含むカプセルの破壊から2分内の、本発明の喫煙物品における、主流煙中の感覚促進剤の累積量は、標準フィルター材料を有する実質的に類似の喫煙物品よりも、10%以上多く、15%以上多いことがより好ましく、20%以上多いことがさらにより好ましい。一部のケースにおいて、感覚促進剤を含むカプセルの破壊から2分内の、主流煙中の感覚促進剤の累積量は、標準フィルター材料を有する喫煙物品の煙における累積量の2倍以上、または3倍以上である。
【0061】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0062】
単数形(「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」)は本明細書で使用される場合、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0063】
「または」は一般的に、本明細書で使用される場合、「および/または」を含めた意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の1つまたはすべて、または列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0064】
「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは本明細書で使用される場合、制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「から本質的に成る」、「から成る」、およびこれに類するものは、「含む」およびこれに類するものに包摂されることが理解されるであろう。
【0065】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定のメリットをもたらし得る本発明の実施形態を指す。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗に意味するものではなく、請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外するものではない。
【0066】
ここで本発明の一部の態様が図示されている図面を参照する。図面に描かれていないその他の態様が本発明の範囲および精神に則るものと理解されよう。図面は略図であり、縮尺は必ずしも正確なものではない。図内で使用されている類似した番号は、類似した構成要素、工程、およびこれに類するものに言及する。ただし、所定の図で一つの構成要素に言及するために一つの番号を使用することは、別の図で同じ番号が付けられたその構成要素を制限するものではないことが理解される。さらに、異なる図面において構成要素を指すために異なる番号を使用することは、その異なる番号の付いた構成要素が他の番号の付いた構成要素と同一または類似したものであり得ないことを示すことを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】
図1は、フィルター材料のプラズマ処理を図示する概略図である。
【
図2】
図2は部分的に広げられた紙巻たばこの概略的な斜視図である。
【
図3】
図3は、処理されたフィルター材料および破壊可能なカプセルを含む喫煙物品用のマウスピースの実施形態の概略的な長手方向の断面図である。
【
図4】
図4は、処理されたフィルター材料および破壊可能なカプセルを含む喫煙物品用のマウスピースの実施形態の概略的な長手方向の断面図である。
【
図5A】
図5Aは、油性組成物がフィルター材料と接触したときの、未処理の基準フィルターとアルゴンプラズマ処理されたフィルターとの間の差異を示す写真である。
【
図5B】
図5Bは、油性組成物がフィルター材料と接触したときの、未処理の基準フィルターとアルゴンプラズマ処理されたフィルターとの間の差異を示す写真である。
【0068】
次に
図1を参照すると、プラズマ発生器100を用いて、フィルター材料32をプラズマ110で処理して、フィルター材料の実効表面積と湿潤性を増大させることができる。図示された実施形態において、フィルター材料32が矢印で示す方向に動かされることで、未処理のフィルター材料32がプラズマ放電110下を通り、処理されたフィルター材料32となる。フィルター材料は、材料のウエブの形態としてもよく、繊維トウのバンドの形態であることが好ましい。図示された実施形態において、フィルター材料は連続したオンライン工程において処理されてもよい。フィルター材料の1つの表面が、図示されるようにプラズマ処理されてもよい。また、ウエブまたはトウバンドの反対の主面も処理されてもよい。
【0069】
ここで
図2を参照すると、部分的に広げられた喫煙物品10(この場合では、紙巻たばこ)の実施形態の概略的な斜視図が図示されている。喫煙物品10は、たばこロッドなどの喫煙可能材料20のロッドと、喫煙可能材料の下流にあるマウスピース30とを含む。図示された喫煙物品10には、プラグラップ60、紙巻たばこ用紙40、およびチッピングペーパー50が含まれる。図示された実施形態において、プラグラップ60はプラズマ処理されたフィルター材料32’の少なくとも一部分を囲む。紙巻たばこ用紙40はロッド20の少なくとも一部分を囲む。チッピングペーパー50またはその他の適切なラッパーは、当業界で一般的に周知のように、プラグラップ60および紙巻たばこ用紙40の一部分を囲む。マウスピース30は破壊可能なカプセル(
図2に図示しない)を含み、これは、例えば
図3および
図4に図示される向きとしてもよい。
【0070】
次に
図3を参照すると、図示されるマウスピース30は、破壊可能なカプセル80を取り囲む、処理されたフィルター材料32を囲むプラグラップ60を含む。
【0071】
次に
図4を参照すると、図示されるマウスピースは、プラグ−空間−プラグ構成の向きの、処理されたフィルターセグメント32’を囲むプラグラップ60を含む。壊れやすいカプセル80は、空間33内に配置される。
【0072】
プラズマ処理されたフィルター材料による、風味または香料を運ぶことができる組成物の、強化された取り込みの一実施例について以下に記載する。
【0073】
2つのタイプの通常の紙巻たばこフィルター(1802および0540と称される)を本実験において使用する。同一の円周(24.3mm)と長さ(108mm)を有するフィルターを、チッピングペーパーとプラグラップを通って長手方向に一度で切断し、フィルター材料をあらわにした。0540フィルターに使用される材料は、デニールフィラメントおよび総デニールが2.7Y35,000の酢酸セルローストウを含む。1802フィルターに使用される材料は、デニールフィラメントおよび総デニールが3.2Y50,000のポリ乳酸トウを含む。フィラメントの両セットはY形状の断面を有する。切断されたフィルターを、表面活性のために、Plasma Etch Inc.(米国ネバダ州)製のチャンバー内でプラズマに晒した。プラズマ処理の設定は、アルゴンガス下の200mbrの低圧力、50Wの電力設定、13.56MHzの周波数、そして2分間の処理とした。
【0074】
プラズマ処理されたフィルター材料の表面特性を、ココナッツオイル30ml、インジゴカルミンとしても周知の食用色素E132を含む液体組成物の分布によって評価した。香料および風味剤などの感覚促進剤は通常、ココナッツオイルなどの油性液体組成物中に溶解される、および/またはこれによって担持される。20マイクロリットルの同一の容積の液体組成物を、露出したフィルター材料上に置く。組成物による青色着色の領域の増大は、組成物の浸透及び吸収が向上したことを示す。滴下をフィルター上に置いた後約5秒に撮影された、
図5Aの写真は、油性組成物がフィルター材料と接触したときの、未処理の基準1802フィルターとアルゴンプラズマ処理された1802フィルターとの間の差異を示しており、
図5Bの写真は、油性組成物がフィルター材料と接触したときの、未処理の基準0504フィルターとアルゴンプラズマ処理された0504フィルターとの間の差異を示している。濾過材料の両タイプにおいて、プラズマ処理されたサンプルでは、基準サンプルよりも約20%〜40%より多く着色が広がっている。結論として、酢酸セルロースまたはポリ乳酸などの典型的な基体で製造されたフィルター材料のプラズマ処理は、フィルターにおける感覚促進剤の分布を増大させうる。例えば、フィルターにおける感覚促進剤の浸透、吸収、または浸透および吸収が増大しうる。
【0075】
従って、アルゴン下でプラズマによって処理される紙巻たばこのフィルターによる油性液体組成物における感覚促進剤の分布は、未処理のフィルターに対して、上述の実施例と類似の方法でフィルターにおける薬剤の浸透および吸収領域によって測定されるように、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、または少なくとも40%、または10%〜20%、10%〜30%、20%〜40%、30%〜40%だけ増大しうることが分かる。
【0076】
こうして、喫煙物品用の濾過媒体のプラズマ処理のための方法、システム、装置、化合物、および組成物が説明されている。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して記述してきたが、当然のことながら、本発明は主張の通り、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、紙巻たばこ製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記述された方法の様々な改良は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2018年5月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙可能材料と、
前記喫煙可能材料の下流にあり、プラズマ処理されたフィルター材料を含む、フィルターと、
壊れやすいシェルによって囲まれたコアを含む破壊可能なカプセルであって、前記コアは感覚促進剤を含有する液体組成物を含む、破壊可能なカプセルと、を備え、
前記破壊可能なカプセルは、前記シェルが破裂したときに前記液体組成物を前記フィルター材料と接触させるように位置付けられ、また、
前記フィルター材料における前記感覚促進剤の分布がプラズマ処理未処理のフィルター材料に対して少なくとも10%増大する、喫煙物品。
【請求項2】
前記プラズマ処理されたフィルター材料は、未処理のフィルター材料よりも少なくとも約20%大きい表面エネルギーを有する、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記液体組成物が1つ以上の脂質を含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記フィルター材料は、少なくとも30W/min/m2の放電用量の無線周波数放電によってプラズマで処理される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記フィルター材料中の前記液体組成物の分布は、前記シェルが破裂したときに、未処理のフィルター材料に対して少なくとも10%増大する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記喫煙物品がISO 3308(2012)喫煙手順を受けるときに、前記カプセル破壊の2分以内において煙中に送達される感覚促進剤の累積量が、未処理のフィルター材料を有する実質的に類似の喫煙物品の感覚促進剤の累積量よりも少なくとも10%多い、請求項1〜5のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記喫煙物品がISO 3308(2012)喫煙手順を受けるときに、前記カプセル破壊の2分以内において煙中に送達される感覚促進剤の累積量が、未処理のフィルター材料を有する実質的に類似の喫煙物品の感覚促進剤の累積量よりも少なくとも10%多い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記フィルター材料が酢酸セルロースを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
酢酸セルロースを含む前記プラズマ処理されたフィルター材料は、50mN/m以上の表面エネルギーを有する、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項10】
酢酸セルロースを含む前記プラズマ処理されたフィルター材料は、フィラメント当たり1.5〜8.0デニールの範囲の厚さを有する繊維を含む、請求項8に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記フィルター材料がポリ乳酸を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記喫煙可能材料は、たばこを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項13】
カプセルからの感覚促進剤の送達を強化するための喫煙物品の形成方法であって、前記方法が、
フィルター材料をプラズマで処理することと、
前記プラズマ処理されたフィルター材料を前記喫煙物品のマウスピースに組み込むことと、
前記マウスピースに前記カプセルを組み込むことであって、前記カプセルは、壊れやすいシェルによって囲まれたコアを含み、前記コアは、前記感覚促進剤を含む液体組成物を含み、前記カプセルは、前記シェルの破裂時に前記液体組成物が前記プラズマ処理されたフィルター材料と接触するように前記マウスピース内に組み込まれ、前記フィルターの前記プラズマ処理は、前記カプセルが破裂するとき、前記フィルター材料における前記感覚促進剤の分布を非処理のフィルター材料に対して少なくとも10%増大させる、組み込むことと、
前記マウスピースを喫煙物品内に組み込むことと、を含む、方法。
【請求項14】
前記フィルター材料を前記プラズマ処理することは、前記材料の前記表面エネルギーが未処理のフィルター材料に対して少なくとも5%増大するという条件下でプラズマ処理することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記フィルター材料は酢酸セルローストウを含み、前記フィルター材料をプラズマ処理することは、前記酢酸セルローストウのバンドの形成中に前記酢酸セルローストウをプラズマで処理することを含む、請求項13または請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】