(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
本発明は、オキサスピロ誘導体、その製造方法、及び医薬におけるその適用に関する。具体的には、本発明は、式(I)で表されるオキサスピロ誘導体、その製造方法、及び該誘導体を含有する医薬組成物、MOR受容体アゴニストとしてのその適用、及び疼痛及び疼痛関連疾患の治療及び/または予防薬の製造における適用に関する。式(I)における置換基は明細書における定義と同じである。
MORアゴニスト受容体介在性及び関連疾患の予防及び/または治療薬の製造における請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、または請求項10に記載の医薬組成物の使用。
MORアゴニスト受容体介在性及び関連疾患が疼痛、免疫不全、炎症、食道逆流、神経及び精神疾患、尿及び生殖疾患、循環器疾患及び呼吸器疾患から成る群;好ましくは疼痛から選択される、請求項11に記載の使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
オピオイド薬の長期間使用は、耐性、呼吸抑制及び便秘症等の副作用を生じる。そして、これらの副作用がβ-アレスチンの機能に密接に関連していることが示されている。オピオイド薬の副作用を減らすために、薬物はMORネガティブβ-アレスチンにバイアスされたリガンドに基づいてデザインし、それによってβ-アレスチン媒介性の副作用を減らして治療効果を高めることができる。選択的MOR薬として使用する本発明のオキサスピロ誘導体の研究において、Trevena Inc.は、置換基がアリールのベンジル位にあると活性は低いことを見い出した(非特許文献6)が、一連の研究後、本発明者は、ベンジル位を環化するとオキサスピロ誘導体が高い活性を持つことが判り、Emaxも著しく改善して、hERGも著しく改善し、そして更なる研究で、ただ一つの立体配置を持つ化合物がMORに対して高い選択性を持つことが判った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩に関する:
【化1】
(式中:
環Aは、シクロアルキル及びヘテロシクリルから成る群から選択され;
Rは、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択され、該アリール及びヘテロアリールは、それぞれアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
3、-C(O)R
3、-C(O)OR
3、-S(O)
mR
3及び-NR
4R
5から成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
各R
1は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
3、-C(O)R
3、-C(O)OR
3、-S(O)
mR
3及び-NR
4R
5から成る群から選択され、該アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
各R
2は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
3、-C(O)R
3、-C(O)OR
3、-S(O)
mR
3及び-NR
4R
5から成る群から選択され、該アルキル、アルコキシ、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールルは、それぞれ重水素、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
または2つのR
2が一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成し、該シクロアルキル及びヘテロシクリルは、それぞれアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
R
3は、水素、アルキル、重水素化アルキル、アミノ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
R
4及びR
5は、それぞれ独立して水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
p及びqは、それぞれ独立して0,1,2,3または4であり;そして
mは、0,1または2である)、
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩。
【0010】
本発明の好ましい実施態様において、式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(I)の化合物:
【化2】
(式中、A, R, R
1, R
2, p及びq は、式( I-A )で定義した通りである)、
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である。
本発明の好ましい実施態様において、式(I)または式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、環Aは5〜6員ヘテロシクリル及び5〜6員シクロアルキルから成る群から選択される。
【0011】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)または式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、Rはピリジルである。
【0012】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)または式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、各R
1は、同一または異なって、それぞれ水素及びハロゲンから成る群から独立して選択される。
【0013】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)または式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、各R
2は、同一または異なって、それぞれ水素、アルキル、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及び-OR
3から成る群から独立して選択され、該アルキル及びアルコキシは、それぞれ重水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;R
3は、水素、アルキル及びシクロアルキルから成る群から選択され、該アルキルはハロゲンまたはシクロアルキルで任意に置換されていてもよい。
【0014】
本発明の好ましい実施態様において、式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(II-A)の化合物、
【化3】
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である、
式中:
Gは、結合、CR
aR
b、C=O、NR
4及び酸素から成る群から選択され;
R
a及びR
bは、それぞれ独立して水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
3、-C(O)R
3、-C(O)OR
3、-S(O)
mR
3及び-NR
4R
5から成る群から選択され、該アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、それぞれアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から、好ましくはヒドロキシまたは-OR
3から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
またはR
a及びR
bは一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成し、該シクロアルキル及びヘテロシクリルは、それぞれアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよく;
R
1〜R
5、p、m及びqは、式(I-A)で定義した通りである。
【0015】
本発明の好ましい実施態様において、式(II-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(II-B)の化合物:
【化4】
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である、
式中:
Gは、結合、CR
aR
b、C=O、NR
4及び酸素から成る群から選択され;
R
1、R
2、R
4、R
a、R
b、p及びqは、式(II-A)で定義した通りである。
【0016】
本発明の好ましい実施態様において、式(II-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(II)の化合物:
【化5】
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である、
式中:
Gは、結合、CR
aR
b、C=O、NR
4及び酸素から成る群から選択され;
R
a、R
b、R
1、R
2、R
4、p及びqは、式(II-A)で定義した通りである。
【0017】
本発明の好ましい実施態様において、式(II-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(IV-A)の化合物:
【化6】
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である、
式中:
R
1、R
2及びpは、式(II-A)で定義した通りである。
【0018】
本発明の好ましい実施態様において、式(II)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(IV)の化合物:
【化7】
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である、
式中:
R
1、R
2及びpは、式(II)で定義した通りである。
【0019】
式(I-A)の代表的化合物としては、これらに限定されないが:
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩が挙げられる。
【0020】
他の態様において、本発明は、また:
【化8】
(式中、環A、R、R
1、R
2、p及びqは、式(I-A)で定義した通りである。)
式(VA)の化合物またはその塩酸塩を式(VIA)の化合物と還元的アミノ化を経て反応させ、式(I-A)の化合物を得るステップを含む、式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を製造する方法にも関する。
【0021】
他の態様において、本発明は、また:
【化9】
(式中、環A、R、R
1、R
2、p及びqは、式(I-A)で定義した通りである。)
式(VB-A)の化合物を式(VIB-A)の化合物またはその塩酸塩と還元的アミノ化を経て反応させ、式(I-A)の化合物を得るステップを含む、式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を製造する方法にも関する。
【0022】
他の態様において、本発明は、また:
【化10】
(式中、環A、R、R
1、R
2、p及びqは、式(I)で定義した通りである。)
式(VB)の化合物を式(VIB)の化合物またはその塩酸塩と還元的アミノ化を経て反応させ、式(I)の化合物を得るステップを含む、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を製造する方法にも関する。
【0023】
他の態様において、本発明は、また、前述の各式の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩の治療有効量、及び1以上の薬剤的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含有する医薬組成物に関する。本発明は、また、各式で表される化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を1以上の薬剤的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合するステップを含む前述の組成物の製造方法にも関する。
【0024】
本発明は、さらに、MOR受容体を刺激または拮抗するための薬物の製造における、各式、特に式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0025】
本発明は、さらに、疾患が疼痛、免疫不全、炎症、食道逆流、神経及び精神疾患、尿及び生殖疾患、循環器疾患及び呼吸器疾患から成る群から選択される、MORアゴニスト受容体介在性及び関連疾患の予防及び/または治療薬の製造における、各式、特に式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0026】
本発明は、さらに、疼痛が術後疼痛、癌誘発疼痛、神経因性疼痛、外傷性疼痛及び炎症性疼痛等であり、該癌が乳癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、皮膚癌、前立腺癌、卵巣癌、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、血友病及び白血病から成る群から選択される、哺乳動物における疼痛及び疼痛関連疾患の予防または治療薬の製造における、各式、特に式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0027】
本発明は、また、各式、特に式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量をそれを必要とする患者に投与するステップを含む、MORアゴニスト受容体介在性及び関連疾患の予防または治療方法に関する。この方法は、顕著な効力と少ない副作用を示す。該疾患は、疼痛、免疫不全、炎症、食道逆流、神経及び精神疾患、尿及び生殖疾患、循環器疾患及び呼吸器疾患から成る群;好ましくは疼痛から選択される。
【0028】
他の態様において、本発明は、各式、特に式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩の治療有効量をそれを必要とする患者に投与するステップを含む、哺乳動物における疼痛及び疼痛関連疾患の予防または治療方法に関する。この方法は、顕著な効力と少ない副作用を示す。該疼痛は術後疼痛、癌誘発疼痛、神経因性疼痛、外傷性疼痛及び炎症性疼痛であり;該癌は乳癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、皮膚癌、前立腺癌、卵巣癌、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、血友病及び白血病から成る群から選択される。
【0029】
本発明は、免疫不全、炎症、食道逆流、神経及び精神疾患、尿及び生殖疾患、薬物及びアルコール乱用、胃炎及び下痢症、循環器疾患、呼吸器疾患及び咳の治療薬として使用するための、各式、特に式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0030】
活性成分を含有する医薬組成物は、経口投与に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ錠、水性または油性懸濁剤、分散性粉末または顆粒剤、乳剤、ハードまたはソフトカプセル剤、またはシロップ剤またはエリキシル剤であってもよい。経口用組成物は、技術分野で公知の医薬組成物の製造方法に従って製造することができる。そのような組成物は、気持ちがよくて美味な医薬製剤を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤及び保存剤から成る群から選択される1以上の添加剤を含んでいてもよい。錠剤は活性成分を、錠剤の製造に適した非毒性の薬剤的に許容される賦形剤と混合して含有する。
【0031】
経口製剤は、活性成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン等の不活性な固体希釈剤と混合されたハードゼラチンカプセルとして、または活性成分がポリエチレングリコール等の水溶性担体またはピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油等のオイル媒体と混合されたソフトゼラチンカプセルとして提供してもよい。
【0032】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合して活性成分を含有する。
【0033】
分散または湿潤剤、懸濁剤または1以上の保存剤と混合した活性成分は、水を加えることによって水性懸濁剤の製造に適した分散性粉末または顆粒として調製してもよい。適切な分散または湿潤剤及び懸濁剤としては、既に上述したもので例示される。甘味料、香味料及び着色剤等の更なる賦形剤も添加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤を添加することにより保存できる。
【0034】
本発明の医薬組成物は、また、水中油型乳剤の形態であってもよい。
【0035】
本発明の医薬組成物は、無菌の水溶液の形態であってもよい。使用することができる許容される溶剤または溶媒は、水、リンゲル液及び等張の塩化ナトリウム溶液である。
【0036】
医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与用の無菌の注射用水性または油性懸濁液の形態であってもよい。
【0037】
薬物の用量は、限定されないが、次の因子:特定化合物の活性、患者の年齢、患者の体重、患者の一般的な健康、患者の挙動、患者の食事、投与時間、投与ルート、排泄速度、併用薬剤等の種々の因子に依存することが当業者によく知られている。さらに、治療様式、式(I)の化合物の1日用量またはその薬学的に許容される塩のタイプ等のベストの治療が、従来の治療計画によって証明できる。
【0038】
特に言及しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いた用語は以下に述べる意味を有する。
「アルキル」とは、C
1 〜 C
20の直鎖または分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素基をいう。好ましくは1〜12個の炭素原子を持つ、また、より好ましくは1〜6個の炭素原子を持つものである。代表例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、n-ノニル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、n-デシル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル及びそれらの種々の分岐鎖異性体が含まれる。より好ましくは、アルキル基は1〜6個の炭素原子を持つ低級アルキルである。代表例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル及び2,3-ジメチルブチル等が含まれる。アルキル基は置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合には、置換基は任意な結合可能なポイントで置換してもよい。置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0039】
「アルケニル」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を持つ上記で定義したアルキルをいう。例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-、2-または3-ブテニル等。アルケニル基は置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合には、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ及び複素環式アルキルチオから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0040】
「シクロアルキル」とは、3〜20個の炭素原子を持つ飽和または部分的に非飽和の単環式または多環式の炭化水素基をいう。好ましくは3〜12個の炭素原子を持つ、より好ましくは3〜6個の炭素原子を持つ、最も好ましくは5〜6個の炭素原子を持つものである。単環式シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル及びシクロオクチル等が含まれる。多環式シクロアルキルにはスピロ環、縮合環または架橋環を持つシクロアルキルが含まれる。
【0041】
「スピロシクロアルキル」とは、1つの共通の炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じてつながっている環を持つ5〜20員の多環式基であって、1つまたはそれ以上の環は1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。好ましくはスピロシクロアルキルは6〜14員、より好ましくは7〜10員である。共通のスピロ原子の数によって、スピロシクロアルキルは単環式スピロ環、双環式スピロ環または多環式スピロ環のものに分けられるが、好ましくは単環式スピロ環または双環式スピロ環のものである。より好ましいスピロシクロアルキルは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員または5員/6員の単環式スピロ環である。スピロシクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化11】
【0042】
「縮合シクロアルキル」とは、5〜20員の全炭素多環式基であって、系内の各環が隣接した一対の炭素原子を他の環と共有していて、1つまたはそれ以上の環が1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。縮合シクロアルキル基は、好ましくは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、縮合シクロアルキルは二環式、三環式、四環式及び多環式縮合シクロアルキルに分けられるが、好ましくは二環式または三環式縮合シクロアルキルである。より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式縮合シクロアルキルである。縮合シクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化12】
【0043】
「架橋シクロアルキル」とは、5〜20員の全炭素多環式基であって、系内のそれぞれ二つの環が2つの連結していない炭素原子を共有していて、これらの環は1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。好ましくは、架橋シクロアルキルは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、架橋シクロアルキルは二環式、三環式、四環式及び多環式架橋シクロアルキルに分けられるが、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋シクロアルキル、より好ましくは二環式または三環式架橋シクロアルキルである。架橋シクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化13】
【0044】
シクロアルキルの環はアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの環に縮合していてもよく、ここで親構造と結合する環はシクロアルキルである。代表例としては、これらに限定されないが、インダニル、テトラヒドロナフチル及びベンゾシクロヘプチル等が含まれる。好ましくはベンゾシクロペンチル及びテトラヒドロナフチルである。シクロアルキルは任意に置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0045】
「ヘテロシクリル」とは、3〜20員の飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式炭化水素基であって、環原子としてN、O及びS(O)m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有するが、環内に−O−O−、−O−S−または−S−S−はなく、残りの環原子が炭素原子であるものをいう。ヘテロシクリルは、好ましくは3〜12個の原子を有し、うち1〜4個の原子がヘテロ原子であるもの;より好ましくは3〜8個の原子を有し、うち1〜3個の原子がヘテロ原子であるもの;最も好ましくは5〜6個の原子を有し、うち1〜2個または1〜3個の原子がヘテロ原子であるものである。単環式ヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル等が含まれる。好ましくはテトラヒドロピラニル、ピペリジルまたはピロリジニルである。多環式ヘテロシクリルには、スピロ環、縮合環または架橋環を持つヘテロシクリルが含まれる。
【0046】
「スピロヘテロシクリル」とは、1つの共通原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じて結合している環を持つ5〜20員の多環式ヘテロシクリルであって、該環は環原子としてN、O及びS(O)m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子は炭素原子であって、1つまたはそれ以上の環は1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。好ましくは、スピロヘテロシクリルは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。環で共通のスピロ原子の数により、スピロヘテロシクリルは単環式スピロヘテロシクリル、双環式スピロヘテロシクリルまたは多環式スピロヘテロシクリルに分けられるが、好ましくは単環式スピロヘテロシクリルまたは双環式スピロヘテロシクリルである。より好ましくは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員または5員/6員の単環式スピロヘテロシクリルである。スピロヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化14】
【0047】
「縮合ヘテロシクリル」とは、5〜20員の多環式ヘテロシクリル基であって、系内の各環が隣接した一対の原子を他の環と共有していて、1つまたはそれ以上の環が1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たず、該環は環原子としてN、O及びS(O)m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子は炭素原子であるものをいう。縮合ヘテロシクリルは、好ましくは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、縮合ヘテロシクリルは二環式、三環式、四環式及び多環式縮合ヘテロシクリルに分けられるが、好ましくは二環式または三環式縮合ヘテロシクリルである。より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式縮合ヘテロシクリルである。縮合ヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化15】
【0048】
「架橋ヘテロシクリル」とは、5〜14員の多環式ヘテロシクリル基であって、系内のそれぞれ二つの環が2つの連結していない原子を共有していて、これらの環は1つまたはそれ以上の二重結合を持っていてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系は持たず、そしてこれらの環は環原子としてN、O及びS(O)m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子は炭素原子であるものをいう。架橋ヘテロシクリルは、好ましくは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、架橋ヘテロシクリルは二環式、三環式、四環式または多環式架橋ヘテロシクリルに分けられるが、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋ヘテロシクリル、より好ましくは二環式または三環式架橋ヘテロシクリルである。架橋ヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化16】
【0049】
ヘテロシクリル環はアリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルの環に縮合していてもよいが、親構造と結合する環はヘテロシクリルである。代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化17】
【0050】
ヘテロシクリルは置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0051】
「アリール」とは、6〜14員の全て炭素の単環式環または多環式縮合環(即ち、系内の各環が隣り合った炭素原子対を系内の他の環と共有している)であって、完全に共役したπ電子系を持っているものをいう。アリールは、好ましくは6〜10員、より好ましくは5〜6員のものである。例えば、フェニル及びナフチルである。アリール環は、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合していてもよく、ここでは親構造に結合した環がアリール環である。代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化18】
【0052】
アリール基は任意に置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0053】
「ヘテロアリール」とは、酸素、硫黄及び窒素から成る群から選択される1〜4個のヘテロ原子を環原子として持つ、5〜14員のヘテロ芳香族系をいう。ヘテロアリールは、好ましくは1〜3のヘテロ原子を持つ、5〜10員のものであり;より好ましくは1〜2のヘテロ原子を持つ、5員または6員のものである。例えば、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ピロリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラジニル等。好ましくはイミダゾリル、ピラゾリル、ピミジニルまたはチアゾリルである。より好ましくはピラゾリルである。ヘテロアリール環は、アリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合してもよく、ここでは親構造に結合する環がヘテロアリール環である。代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【化19】
ヘテロアリールは任意に置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0054】
「アルコキシ」とは、−O−(アルキル)または−O−(無置換のシクロアルキル)をいい、ここでアルキルは上記で定義した通りである。代表例としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が含まれる。アルコキシは任意に置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0055】
「重水素化アルキル」とは、重水素原子で置換されたアルキルをいい、ここでアルキルは上記で定義した通りである。
「ヒドロキシアルキル」とは、ヒドロキシで置換されたアルキルをいい、ここでアルキルは上記で定義した通りである。
「ヒドロキシ」とは、−OH基をいう。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
「アミノ」とは、−NH2基をいう。
「シアノ」とは、−CN基をいう。
「ニトロ」とは、−NO2基をいう。
「カルボキシル」とは、−C(O)OH基をいう。
「アルコキシカルボニル」とは、“−C(O)O(アルキル)または−C(O)O(シクロアルキル)基をいい、ここでアルキル及びシクロアルキルは上記で定義した通りである。
「アシルハライド」とは、−C(O)−ハロゲン基を含む化合物をいう。
【0056】
「XはA、BまたはCから成る群から選択される。」、「XはA、B及びCから成る群から選択される。」、「XはA、BまたはCである。」及び「XはA、B及びCである。」等は全て同様な意味を有し、XはA、BまたはCの中の任意の1つまたはそれ以上のものであることを意味する。「任意の」または「任意に」は、続いて記載した出来事や状況が必ずしも生じなくてもよいことを意味する。その記載は出来事や状況の事例が生じても、生じなくてもよいことを含んでいる。例えば、「アルキルで任意に置換された複素環式基」は、アルキル基が存在しても、必ずしも存在しなくてもよいことを意味し、そのような表現は複素環式基がアルキルで置換されている場合と複素環式基がアルキルで置換されていない場合を含んでいる。
【0057】
「置換された」は、基内の1つまたはそれ以上の水素原子、好ましくは5個まで、より好ましくは1〜3個の水素原子が、対応する数の置換基でそれぞれ独立して置換されていることをいう。置換基はそれらの化学的に可能な位置にのみ存在することは言うまでもない。当業者は過剰な努力を払うことなく経験や理論により置換が可能かどうか判断することができる。例えば、フリーの水素を持つアミノまたはヒドロキシル基が不飽和結合を持つ炭素原子(例、オレフィン)と結合する場合は不安定となりうる。
【0058】
「医薬組成物」は、本発明の1つまたはそれ以上の化合物またはそれらの生理学的/薬学的に許容される塩またはプロドラッグ及び生理学的/薬学的に許容される担体や賦形剤等の他の化学成分の混合物をいう。医薬組成物の目的は、生体への化合物の投与を容易にすることであり、これにより活性成分の吸収を助け、生物活性を実現できる。
【0059】
「薬学的に許容される塩」とは、哺乳類において安全で有効であり、期待の生物学的活性を有する、本発明の化合物の塩をいう。
【0060】
本発明の目的を達成するため、本発明は以下の技術方案を採用する:
本発明の式(I-A)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を製造する方法は、次の工程を含む:
スキムー1
式(VA)の化合物またはその塩酸塩と式(VIA)の化合物のアミノ化還元反応により、式(I-A)の化合物を得る;
ここで、環A、R、R
1、R
2、p 及びq は式(I-A)で定義した通りである。
本発明の式(I-A)の化合物は次の方法でも製造できる:
スキムー2
式(VB-A)の化合物と式(VIB-A)の化合物またはその塩酸塩のアミノ化還元反応により、式(I-A)の化合物を得る;
ここで、環A、R、R
1、R
2、p 及びq は式(I-A)で定義した通りである。
一方、本発明は、次の工程を含む、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の製造方法にも関連する:
スキムー1
式(VB)の化合物と式(VIB)の化合物またはその塩酸塩のアミノ化還元反応により、式(I)の化合物を得る;
ここで、環A、R、R
1、R
2、p 及びq は式(I)で定義した通りである。
【0061】
以下の実施例に基づいて本発明を更に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0062】
実施例
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)及び/またはマススペクトル(MS)で同定した。NMRケミカルシフト(δ)は10
-6(ppm)で示した。NMRはBruker AVANCE-400装置で測定した。測定に用いた溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d
6)、重水素化クロロホルム(CDCl
3)及び重水素化メタノール(CD
3OD)であり、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。
MSはFINNIGAN LCQAd(ESI)質量分析計(メーカー:Thermo、型式:Finnigan LCQ advantage MAX)で測定した。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)はAgilent 1200DAD 高圧液体クロマトグラフィー装置(Sunfire C18 150×4.6 mm クロマトグラフィーカラム)及びWaters 2695-2996高圧液体クロマトグラフィー装置(Gimini C18 150×4.6 mmクロマトグラフィーカラム)で測定した。
平均酵素阻害率及びIC
50値はNovoStar ELISA(BMG Co., Germany)で測定した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)には、Yantai Huanghai HSGF254 またはQingdao GF254シリカゲルプレートを使用した。TLCに使用したシリカゲルプレートの寸法は0.15 mm〜0.2 mmであり、生成物の精製に使用したシリカゲルプレートの寸法は0.4 mm〜0.5 mmである。
カラムクロマトグラフィー用の担体として、Yantai Huanghai 200〜300メッシュのシリカゲルを用いた。
【0063】
本発明の公知の原料は、当業における従来の合成法により調製でき、または、ABCR GmbH & Co. KG、Acros Organics、Aldrich Chemical Company、Accela ChemBio Inc.またはDari Chemical Company等から購入できる。
特に明記しない限り、反応は窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で行った。
用語「窒素雰囲気」または「アルゴン雰囲気」は、反応フラスコが1Lの窒素またはアルゴン風船を備えていることを意味する。
用語「水素雰囲気」は、反応フラスコが1Lの水素風船を備えていることを意味する。
高圧水素化反応は、Parr 3916EKX型水素化装置及びQL-500型水素発生器またはHC2-SS型水素化装置で行った。
水素化反応では、反応系を通常真空にして水素で満たし、この操作を3回繰り返して行った。
マイクロ波反応には、CEM Discover-S 908860型マイクロ波反応器を用いた。
特に明記しない限り、反応に用いる溶液とは、水溶液をいう。
特に明記しない限り、反応における反応温度とは、20℃〜30℃の範囲内の室温をいう。
反応の進行は薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターし、展開の溶出系としては、A:ジクロロメタンとメタノール系、B:n−ヘキサンと酢酸エチル系及びC:ジクロロメタンとアセトン系が含まれる。溶媒の容積比は化合物の極性に応じて調節することができる。
化合物の精製に用いるカラムクロマトグラフィー及び薄層クロマトグラフィーの溶出系としては、A:ジクロロメタンとメタノール系、B:n−ヘキサンと酢酸エチル系及びC:ジクロロメタンとアセトン系が含まれる。溶媒の容積比は化合物の極性に応じて調節することができ、また時には、少量のアルカリ性試薬、例えば、トリエチルアミン、または酸性試薬、例えば、酢酸を添加することもできる。
【0064】
実施例1及び実施例2
(S)-1-エチル-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-アミン 1
(R)-1-エチル-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-アミン 2
【化20】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 1a (294 mg, 1.135 mmol, 特許出願“WO2012129495”に開示された方法で調製)及び1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-アミン 1b (200 mg, 1.135 mmol, 特許出願“WO2014078454”に開示された方法で調製)を15 mLのジクロロメタンに溶解し、混合物を1時間撹拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.203 g, 5.675 mmol)を加え、生成した混合物を16時間撹拌した。20 mLの水を加え、反応溶液をジクロロメタン(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を高速液体クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 1-エチル-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-アミンを得た。そして、これをキラル分離(分離条件:キラル調製カラム Superchiral S-AD (Chiralway), 2 cm I.D. *25 cm, 5 μm; 移動相:CO
2:メタノール:ジエタノールアミン=75:25:0.05, 流速: 50 g/min)した。関連の分画を収集し、減圧下で濃縮した後、標記化合物 1 (98 mg, 褐色油)及び 2 (95 mg, 黄色固体)を得た。
実施例1:
MS m/z (ESI): 420.3 [M+1];
キラルHPLC分析: 保持時間 4.028 分, キラル純度: 99.7% (クロマトグラフィー用カラム: Superchiral S-AD (Chiralway), 0.46 cm I.D.*15 cm, 5 μm; 移動相:CO
2:メタノール:ジエタノールアミン=75:25:0.05 (v/v/v))
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.54 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.78 (d, 1H), 6.52 (d, 1H), 6.37 (s, 1H), 3.60 (br, 2H), 3.18-3.43 (m, 3H), 2.99 (m, 1H), 2.33-2.45 (m, 3H), 1.77-1.99 (m, 3H), 1.19-1.60 (m, 12H), 1.00-1.06 (m, 4 H), 0.63 (m, 1H).
実施例2:
MS m/z (ESI): 420.3 [M+1];
キラルHPLC分析: 保持時間 3.725分, キラル純度: 99.8% (クロマトグラフィー用カラム: Superchiral S-AD (Chiralway), 0.46 cm I.D.*15 cm, 5 μm; 移動相:CO
2:メタノール:ジエタノールアミン=75:25:0.05 (v/v/v))
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.53 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.85 (d, 1H), 6.54 (d, 1H), 6.40 (s, 1H), 3.61 (br, 2H), 3.17-3.25 (m, 3H), 3.00-3.01 (m, 1H), 2.33-2.46 (m, 3H), 1.78-1.97 (m, 3H), 1.24-1.65 (m, 12H), 1.01-1.06 (m, 4 H), 0.61 (m, 1H).
【0065】
実施例3
(1R,2R)-1-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-オール 3
【化21】
1a (50 mg, 0.193 mmol)及び(1R,2R)-1-アミノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-オール 3a (31.6 mg, 0.212 mmol,特許出願“WO2010148191”に開示された方法で調製)を15 mLのジクロロメタンに溶解し、溶解度を改善するために適量のメタノールを加えた。生成した混合物を室温で1時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(200 mg, 0.965 mmol)を加えた。16時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 3 (50 mg, 収率 66%)を得た。
MS m/z (ESI): 393.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.51 (d, 1H), 7.73-7.66 (m, 1H), 7.37 (d, 1H), 7.28-7.20 (m, 3H), 7.19-7.12 (m, 2H), 4.75 (d, 1H), 4.61 (d, 1H), 3.82-3.71 (m, 4H), 3.41-3.31 (m, 2H), 2.30-2.89 (m, 2H), 2.41-2.25 (m, 2H), 1.96-1.90 (m, 2H), 1.85-1.61 (m, 4H), 1.61-1.25 (m, 6H).
【0066】
実施例4
(1R,2R)-2-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン 4
【化22】
工程1
tert-ブチル((1R,2R)-2-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)カルバメート 4b
tert-ブチル((1R,2R)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)カルバメート 4a (350 mg, 1.34 mmol, “Angewandte Chemie-International Edition, 2012, 51(34), 8495-8499”に開示された周知の方法で調製)を15 mLのジクロロメタンに溶解した後、酸化銀(930 mg, 4.02 mmol)、ヨードメタン(0.25 mL, 4.02 mmol)及び少量の活性4Å分子ふるいを加えた。生成した混合物を室温で16時間撹拌し、濾過した後、濾液を減圧下で濃縮した。生成した残渣を溶出系Bの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 4b (200 mg, 収率 57%) を得た。
MS m/z (ESI): 208.2 [M-56+1]
工程2
(1R,2R)-2-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩 4c
4b (60 mg, 0.228 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、0.5 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物 4c の粗製品(66 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 164.2 [M+1]
工程3
(1R,2R)-2-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン 4
1a (50 mg, 0.193 mmol)及び 4c 粗製品(66 mg, 0.228 mmol)を15 mLのジクロロメタンに溶解した。生成した混合物を室温で30分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(200 mg, 0.965 mmol)を加えた。16時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 4 (25 mg, 収率 32%) を淡い黄色の油として得た。
MS m/z (ESI): 407.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.55 (d, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.25-7.10 (m, 3H), 4.39 (d, 1H), 4.26 (d, 1H), 3.82-3.70 (m, 5H), 3.30 (s, 3H), 2.88-2.30 (m, 2H), 2.40-2.26 (m, 2H), 1.96-1.91 (m, 2H), 1.85-1.62 (m, 4H), 1.61-1.24 (m, 6H).
【0067】
実施例5
N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)クロマン-4-アミン
【化23】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (20 mg, 0.08 mmol, 特許出願“WO2012129495”に開示された方法で調製)及びクロマン-4-アミン5b(23 mg, 0.15 mmol, “Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2011, 21(5), 1338-1341”に開示された方法で調製)を10 mLのジクロロメタンに溶解し、混合物を2時間撹拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(65 mg, 0.31 mmol)を加え、生成した混合物を12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 5 (6 mg, 収率 20%)を得た。
MS m/z (ESI): 393.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.55 (s, 1H), 7.78 (t, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.01-7.12 (m, 2H), 6.66-6.85 (m, 2H), 4.05-4.23 (m, 2H), 3.71-3.86 (m, 2H), 3.59-3.69 (m, 1H), 2.51-2.65 (m, 2H), 2.37-2.47 (m, 1H), 1.98-2.17 (m, 2H), 1.84-1.96 (m, 2H), 1.37-1.83 (m, 9H), 1.24-1.35 (m, 1H), 1.05-1.17 (m, 1H), 0.65-0.71 (m, 1H).
【0068】
実施例6
(S)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)クロマン-4-アミン
【化24】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (80 mg, 0.31 mmol)及び(S)-クロマン-4-アミン塩酸塩 6a (86 mg, 0.46 mmol, “ACS Catalysis, 3(4), 555-559; 2013”に開示された方法で調製)を10 mLのジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、混合物を1時間撹拌した。その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(263 mg, 1.24 mmol)を加え、生成した混合物を12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 6 (36 mg, 収率 32.1%)を白色の粘稠な固体として得た。
MS m/z (ESI): 393.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.55 (d, 1H), 7.80-7.76 (m, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.26-7.25 (m, 1H), 7.05-7.01 (m, 2H), 6.78-6.70 (m, 2H), 4.17-4.10 (m, 2H), 3.79-3.63 (m, 3H), 2.56-2.42 (m, 3H), 2.19-2.10 (m, 2H), 1.92-1.82 (m, 2H), 1.80-1.44 (m, 12H).
【0069】
実施例7
(R)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)クロマン-4-アミン
【化25】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (80 mg, 0.31 mmol, 特許出願“WO2012129495”に開示された方法で調製)、(R)-クロマン-4-アミン塩酸塩 7a (115 mg, 0.62 mmol, “European Journal of Organic Chemistry, 2014(31), 7034-7038, 2014”に開示された方法で調製)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(197 mg, 0.93 mmol)を10 mLのジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、混合物を12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 7 (30 mg, 収率 24.8%)を淡い黄色の油として得た。
MS m/z (ESI): 393.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.63 (d, 1H), 7.93 (t, 1H), 7.64 (d, 1H), 7.39 (t, 1H), 7.29 (t, 1H), 7.19 (d, 1H), 6.81-6.97 (m, 2H), 4.25-4.35 (m, 1H), 4.14-4.24 (m, 1H), 3.79 (d, 2H), 2.47-2.65 (m, 3H), 2.13-2.32 (m, 3H), 1.87-2.03 (m, 2H), 1.72-1.85 (m, 2H), 1.40-1.71 (m, 5H), 1.25-1.35 (m, 2H), 1.06-1.15 (m, 1H), 0.66-0.75 (m, 1H).
【0070】
実施例8
6-フルオロ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)クロマン-4-アミン
【化26】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (30 mg, 0.12 mmol, 特許出願“WO2012129495”に開示された方法で調製)及び6-フルオロクロマン-4-アミン 8a (39 mg, 0.23 mmol, “Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2011, 21(5), 1338-1341”に開示された方法で調製)を20 mLのジクロロメタンに溶解した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(74 mg, 0.35 mmol)を加えた。12時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 8 (10 mg, 収率 20.4%)を淡い黄色の固体として得た。
MS m/z (ESI): 411.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.56 (d, 1H), 7.67-7.64 (m, 1H), 7.34-7.31 (m, 1H), 7.16-7.14 (m, 1H), 6.84-6.74 (m, 2H), 6.73-6.7 (m, 1H), 4.02-4.08 (m, 2H), 3.78-3.75 (m, 3H), 2.66-2.12 (m, 6H), 2.1-1.59 (m, 9H), 1.35-1.18 (m, 4H).
【0071】
実施例9
(R)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン
【化27】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (35 mg, 0.14 mmol, 特許出願“WO2012129495”に開示された方法で調製)及び(R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 9a (40 mg, 0.27 mmol, “Angewandte Chemie-International Edition, 45(28), 4641-4644, 2006”に開示された方法で調製)を5 mLのジクロロメタンに溶解した。生成した混合物を1時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(144 mg, 0.68 mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色固体の標記化合物 9 (15 mg, 収率 27.5%)を得た。
MS m/z (ESI): 391.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.57 (d, 1H), 7.65 (t, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.16 (d, 1H), 7.11-7.07 (m, 3H), 7.05 (d, 1H), 3.77 (d, 2H), 3.60-3.57 (br, 1H), 2.73-2.70 (m, 3H), 2.45 (d, 1H), 2.34 (d, 1H), 2.15-2.08 (m, 1H), 2.05-2.02 (m, 1H), 1.91 (d, 1H), 1.75 -1.70 (m, 12H), 1.50-1.44 (m, 3H).
【0072】
実施例10
(S)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン
【化28】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (20 mg, 0.14 mmol, 特許出願“WO2012129495”に開示された方法で調製)及び(S)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 10a (50 mg, 0.272 mmol, “Angewandte Chemie-International Edition, 45(28), 4641-4644, 2006”に開示された方法で調製)を20 mLのジクロロメタンに溶解した。生成した混合物を1時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(144 mg, 0.68 mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色固体の標記化合物 10 (15 mg, 収率 28.3%)を得た。
MS m/z (ESI): 391.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.77 (d, 1H), 8.28 (t, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.71 (t, 1H), 7.33-7.19 (m, 4H), 4.38 (t, 1H), 3.80-3.74 (m, 2H), 3.23-3.11 (m, 1H), 3.08-2.98 (m, 1H), 2.87-2.82 (m, 2H), 2.56-2.48 (m, 3H), 2.26-2.0 4(m, 5H), 1.85-1.81 (m, 3H), 1.56-1.32 (m, 5H), 1.34-1.31 (m, 1H), 0.82-0.79 (m, 1H).
【0073】
実施例11
(S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン
【化29】
工程1
(S)-tert-ブチル(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 11a
(S)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 10a (3 g, 20.41 mmol, “Angewandte Chemie-International Edition, 45(28), 4641-4644, 2006”に開示された方法で調製)を100 mLのジクロロメタンに溶解した後、トリエチルアミン(5.7 mL, 40.82 mmol)及びジ-tert-ジカルボン酸ブチル(4.9 g, 22.45 mmol)を加えた。12時間撹拌した後、反応溶液を水(100 mL)及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で順次に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、化合物 11a の粗製品(5.6 g)を淡い黄色の油として得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 248.3 [M+1]
工程2
(S)-tert-ブチル(4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 11b
(S)-tert-ブチル(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 11a の粗製品(5.6 g, 20.41 mmol)を90 mLのアセトンと水の混合物(V/V=2:1)に溶解した後、硫酸マグネシウム(5.5 g, 45.66 mmol)を加え、撹拌しながら過マンガン酸カリウム(7.22 g, 45.66 mmol)をゆっくり加えた。反応系を12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Bのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物 11b (3.1 g, 収率 52%)を灰色がかった白色の固体として得た。
MS m/z (ESI): 262.3 [M+1]
工程3
(S)-4-アミノ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン 11c
(S)-tert-ブチル(4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 11b (1 g, 3.83 mmol)を20 mLのジクロロメタンに溶解した後、8 mLの4 M塩化水素の1,4-ジオキサン溶液を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、10 mLのエタノールを加え、残渣を生成した。30%アンモニア水を滴下し、pHを8に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 11c (400 mg, 収率 64.8%)を緑色の粘稠な物質として得た。
MS m/z (ESI): 162.3 [M+1]
工程4
(S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン 11
(S)-4-アミノ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン 11c (200 mg, 1.24 mmol) 及び(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (268 mg, 1.04 mmol, 特許出願“WO2012129495”に開示された方法で調製)を20 mLのジクロロメタンに溶解し、混合物を1時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.1 g, 5.18 mmol)を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 11 (136 mg, 収率 32.4%)を得た。
MS m/z (ESI): 405.6 [M+1]
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.73 (d, 1H), 8.15-8.09 (m, 2H), 7.83 (d, 1H), 7.81-7.69 (m, 3H), 7.47 (d, 1H), 4.45 (t, 1H), 3.77-3.74 (m, 2H), 3.03-2.98 (m, 1H), 2.75-2.68 (m, 3H), 2.51-2.44 (m, 5H), 2.05-2.01 (m, 2H), 1.57-1.48 (m, 7H), 1.20-1.05 (m, 1H), 0.80-0.77 (m, 1H).
【0074】
実施例12及び実施例13
(1S,4S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-オール 12
(1R,4S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-オール 13
【化30】
(S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン 11 (50 mg, 0.12 mmol)を10 mLのジクロロメタンに溶解し、-78
oCで0.29 mLの1 M水酸化ジイソブチルアルミニウム溶液を滴下した。混合物を-78
oCで2時間撹拌した。5 mLのメタノールを加え、反応を急冷させた。反応溶液を室温まで加熱し、減圧下で濃縮した。生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 12 (18 mg, 収率 35.3%、灰色がかった白色の粘稠な固体)及び化合物 13 (20 mg, 収率 39.2%、灰色がかった白色の粘稠な固体)を得た。
12: MS m/z (ESI): 407.6 [M+1],
1H NMR(400MHz, CDCl
3) δ 8.51(d, 1H), 7.50(t, 1H), 7.36(d, 1H), 7.33-7.30(m, 3H), 7.21-7.18 (m, 2H), 4.83(t, 1H), 4.25(t, 1H), 3.81-3.75(m, 2H), 2.85-2.83(m, 1H), 2.36-2.30(m, 5H), 1.98-1.80(m, 2H) , 1.78-1.60(m, 9H), 1.48-1.25(m, 5H).
13: MS m/z (ESI): 407.6 [M+1],
1H NMR(400MHz, CDCl
3) δ 8.51(d, 1H), 7.50(t, 1H), 7.36(d, 1H), 7.33-7.30(m, 3H), 7.21-7.18 (m, 2H), 4.83(t, 1H), 4.25(t, 1H), 3.81-3.75(m, 2H), 2.85-2.83(m, 1H), 2.36-2.30(m, 5H), 1.98-1.80(m, 2H) , 1.78-1.60(m, 9H), 1.48-1.25(m, 5H).
【0075】
実施例14
(1S,4S)-4-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン
【化31】
14
工程1
tert-ブチル((1S、4S)-4-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 14a
(S)-tert-ブチル(4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 11b (100 mg, 0.883 mmol)を5 mLのトルエンに溶解し、反応を0
oCまで冷却し、(R)-2-メチル-CBS-オキサザボロリジン(0.1 ml, 0.076 mmol)を加え、5分間撹拌した。そして、ボランメチルスルフィド(0.88 ml, 0.76 mmol)を加え、反応を2時間撹拌した。50 mLの塩化ナトリウムの飽和溶液を加え、反応を急冷させ、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(30 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 14a (60 mg, 収率 60%)を得た。
MS m/z (ESI): 208.3 [M-55]
工程2
tert-ブチル((1S,4S)-4-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 14b
化合物14aの粗製品(30 mg, 0.11 mmol)を4 mLのジクロロメタンに溶解した後、酸化銀(76 mg, 0.33 mmol)及びヨウ化メチル(62 mg, 0.44 mmol)を加えた。48時間撹拌した後、反応溶液を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物14bの粗製品(30 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 278.4 [M+1].
工程3
(1S,4S)-4-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン塩酸塩 14c
化合物14bの粗製品(30 mg, 0.11 mmol)を0.5 mLのジクロロメタンに溶解した後、1 mLの4 M塩化水素の1,4-ジオキサン溶液を加えた。反応を2.5時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物 14c の粗製品(24 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 178.4 [M+1].
工程4
(1S,4S)-4-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 14
化合物 5a (29 mg, 0.11 mmol)、化合物 14c の粗製品(24 mg, 0.11 mmol)及び硫酸ナトリウムを4 mLのメタノールに溶解し、混合物を12時間撹拌した。その後、水素化ホウ素ナトリウム(8 mg, 0.22 mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 14 (4 mg, 収率 8.7%)を得た。
MS m/z (ESI): 407.6 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.56 (d, 1H), 7.66 (t, 1H), 7.33 (d, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.08-7.06 (m, 3H), 7.04 (d, 1H), 3.76 (d, 2H), 3.61-3.58 (br, 1H), 3.41 (s, 3H), 2.74-2.72 (m, 3H), 2.46 (d, 1H), 2.32 (d, 1H), 2.13-2.08 (m, 1H), 2.03-2.00 (m, 1H), 1.90 (d, 1H), 1.75 -1.72 (m, 11H), 1.51-1.46 (m, 3H).
【0076】
実施例15
(R)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン
【化32】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (20 mg, 0.08 mmol)及び(R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン塩酸塩 5a (27 mg, 0.16 mmol, “Synthesis, (14), 2283-2287, 2008”に開示された方法で調製)を10 mLのジクロロメタンに溶解し、混合物を2時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(51 mg, 0.24 mmol)を加えた。12時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 15 (5 mg, 収率 16.7%)を得た。
MS m/z (ESI): 377.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.62 (d, 1H), 7.91 (t, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.37 (s, 4H), 7.35 (d, 1H), 4.64-4.70 (m, 1H), 3.76 (d, 2H), 2.91-3.15 (m, 2H), 2.41-2.60 (m, 4H), 1.85-2.11 (m, 4H), 1.70-1.81 (m, 2H), 1.41-1.69 (m, 5H), 1.31-1.39 (m, 1H), 1.10-1.20 (m, 1H), 0.71-0.80 (m, 1H).
【0077】
実施例16
(S)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン
【化33】
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド5a(20 mg, 0.08 mmol)及び(S)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン塩酸塩 16a (26 mg, 0.15 mmol, “Tetrahedron Asymmetry, 14(22), 3479-3485; 2003”に開示された方法で調製)を10 mLのジクロロメタンに溶解し、混合物を2時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(49 mg, 0.23 mmol)を加えた。12時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 16 (5 mg, 収率 17%)を得た。
MS m/z (ESI): 377.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.63 (d, 1H), 7.90 (t, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.38 (s, 4H), 7.35 (d, 1H), 4.65-4.70 (m, 1H), 3.76 (d, 2H), 2.90-3.16 (m, 2H), 2.40-2.60 (m, 4H), 1.85-2.10 (m, 4H), 1.70-1.80 (m, 2H), 1.40-1.69 (m, 5H), 1.30-1.39 (m, 1H), 1.10-1.20 (m, 1H), 0.70-0.80 (m, 1H).
【0078】
実施例17
(1S,2S)-2-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン
【化34】
工程1
(1S,2S)-2-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩 17b
tert-ブチル((1S,2S)-2-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)カルバメート 17a (110 mg, 0.42 mmol, 特許出願“WO2008080015”に開示された方法で調製)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、1 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 17b の粗製品(70 mg, 収率 60.3%)を得た。
MS m/z (ESI): 164.1 [M+1].
工程2
(1S,2S)-2-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン 17
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (25 mg, 0.96 mmol)及び(1S,2S)-2-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩 17b (54 mg, 0.19 mmol)を10 mLのジクロロメタンに溶解した後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(61 mg, 0.29 mmol)を加えた。12時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 17 (10 mg, 収率 25.5%)を得た。
MS m/z (ESI): 407.6 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.58 (d, 1H), 7.71 (t, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.16-7.24 (m, 3H), 3.77 (d, 3H), 3.31 (s, 3H), 2.87-3.05 (m, 2H), 2.24-2.50 (m, 4H), 2.14-2.24 (m, 1H), 1.61-1.84 (m, 4H), 1.35-1.51 (m, 5H), 1.24-1.35 (m, 2H), 1.11-1.20 (m, 1H), 0.65-0.75 (m, 1H).
【0079】
実施例18
(1S,2S)-1-((2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-オール
【化35】
工程1
2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 18b
2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトニトリル 18a (500 mg, 1.95 mmol,特許出願“WO2012129495”に開示の方法で調製)を20 mLのトルエンに溶解し、-78℃で4.2 mLの1 Mジイソブチルアルミニウムヒドリド溶液を徐々に滴下し、反応を1.5時間撹拌した。その後、18 mLの2 M塩酸を加え、混合物を3分間撹拌した。反応溶液のpHが9〜10になるまで5 M 水酸化ナトリウム溶液を滴下した。混合物を室温まで加熱し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(30 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 18b (270 mg, 収率 53.4%)を得た。
MS m/z (ESI): 260.5 [M+1].
工程2
(1S,2S)-1-((2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-オール 18
化合物 18b (20 mg, 0.08 mmol)及び(1S,2S)-1-アミノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-オール 18c (23 mg, 0.15 mmol, “Advanced Synthesis & Catalysis, 350(14+15), 2250-2260; 2008”に開示された方法で調製)を15 mLのジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、混合物を2時間撹拌した後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(49 mg, 0.23 mmol)を加えた。12時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 18 (10 mg, 収率 33%)を得た。
MS m/z (ESI): 393.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.50 (d, 1H), 7.70 (t, 1H), 7.37 (d, 1H), 7.20-7.26 (m, 3H), 7.11-7.19 (m, 2H), 3.76 (d, 3H), 3.36 (d, 1H), 2.88-3.05 (m, 2H), 2.25-2.50 (m, 4H), 2.15-2.24 (m, 1H), 1.60-1.84 (m, 4H), 1.36-1.51 (m, 5H), 1.25-1.35 (m, 2H), 1.10-1.20 (m, 1H), 0.65-0.75 (m, 1H).
【0080】
実施例19
(1S,4S)-4-エトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン
【化36】
工程2
tert-ブチル((1S、4S)-4-エトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 19a
化合物tert-ブチル((1S)-4-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート14aの粗製品(850 mg, 3.23 mmol)、酸化銀(76 mg, 0.33 mmol)及びヨードエタン(1.3 mL, 16.15 mmol)を30 mLのジクロロメタンに溶解し、混合物を48時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、黄色油の 19a の粗製品(800 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 236.1 [M-55].
工程3
(1S,4S)-4-エトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 19b
化合物 19a の粗製品(698 mg, 2.4 mmol)を4 mLのジクロロメタンに溶解した後、8 mLの4 M塩化水素の1,4-ジオキサン溶液を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(30 mL)で粉砕し、濾過した。濾過ケーキを20 mLのジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解した。炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加え、反応溶液のpHを7〜8に調整した。反応溶液を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で洗浄(30 mL×2)し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色液体の標記化合物 19b の粗製品(310 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 191.1 [M+1].
工程4
(1S,4S)-4-エトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 19
(R)-2-(9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)アセトアルデヒド 5a (500 mg, 1.85 mmol)及び化合物 19b の粗製品(310 mg, 1.85 mmol)を30 mLのジクロロメタンに溶解し、混合物を40分間撹拌した後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(980 mg, 4.63 mmol)を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液 (30 mL×3)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(30 mL×3)で順次に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 19 (280 mg, 収率 35%)を黄色の粘稠な固体として得た。
MS m/z (ESI): 435.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.74 (d, 1H), 9.58 (d, 1H), 8.94 (d, 1H), 8.37 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.67 (d, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.47 (t, 1H), 4.46-4.49 (m, 1H), 4.30-4.33 (m, 1H), 3.84-3.87 (m, 1H), 3.66-3.70 (m, 2H), 3.53-3.56 (m, 2H), 2.82-2.85 (d, 2H), 2.67 (s, 2H), 2.39-2.41 (m, 4H), 2.30-2.33 (m, 4H), 1.85 (s, 2H), 1.48-1.52 (m, 6H), 1.27 (m, 3H).
【0081】
実施例20
(1S,4S)-4-(シクロプロピルメトキシ)-N-(2-((R))-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン
【化37】
工程1
tert-ブチル((S)-4-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)カルバメート 20a
化合物 11 (220 mg, 0.54 mmol)、ジ-tert-ジカルボン酸ブチル(173 mg, 0.82 mmol)及びトリエチルアミン(0.15 mL, 1.08 mmol)を20 mLのジクロロメタンに溶解した。12時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 20a (100 mg, 収率 37%)を淡い黄色の粘稠な固体として得た。
MS m/z (ESI): 505.3 [M+1].
工程2
tert-ブチル((1S,4S)-4-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)カルバメート 20b
化合物 20a (100 mg, 0.2 mmol)及び1 M(R)-2-メチル-CBS-オキサザボロリジン(0.04 mL, 0.4 mmol)を10 mLのトルエンに溶解し、反応を0℃に冷却した後、2 Mボランメチルスルフィド(0.02 mL, 0.4 mmol)を加えた。反応を室温まで加熱し、3時間撹拌した。10 mLの塩化ナトリウムの飽和溶液を加え、反応を急冷させ、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(10 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 20b (10 mg, 収率 10%)を得た。
MS m/z (ESI): 507.3 [M+1].
工程3
tert-ブチル((1S,4S)-4-(シクロプロピルメトキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)カルバメート 20c
化合物 20b (10 mg, 0.02 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、水素化ナトリウム(2.2 mg, 0.06 mmol)を加えた。混合物を30分間撹拌した後、臭化シクロプロピルメチル(6.7 mg, 0.05 mmol)を加えた。3時間撹拌した後、20 mLの水を加え、反応を急冷させ、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(10 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物 20c の粗製品(5 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 561.0 [M+1].
工程4
(1S,4S)-4-(シクロプロピルメトキシ)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 20d
化合物 20c の粗製品(5 mg, 0.0089 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、0.1 mLの4 M塩酸の1,4-ジオキサン溶液を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 20d (3 mg, 収率 73.2%)を得た。
MS m/z (ESI): 461.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.59 (d, 1H), 7.84-7.81 (m, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.47-7.40 (m, 1H), 7.39-7.29 (m, 2H), 7.25 (d, 1H), 4.48-4.46 (m, 1H), 4.28-4.25 (m, 1H), 3.77-3.75 (m, 2H), 3.45-3.43 (m, 2H), 3.35-3.30 (m, 2H), 2.93-2.92 (m, 1H), 2.53-2.50 (m, 2H), 2.49-2.48 (m, 1H), 2.25-2.13 (m, 2H), 1.95-1.31 (m, 11H), 1.10-1.08 (m, 2H), 0.76-0.73 (m, 1H), 0.55-0.53 (m,2H),0.25-0.23 (m,2H).
【0082】
実施例21
(1S,4S)-4-(2-フルオロエトキシ)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン
【化38】
工程1
tert-ブチル((1S、4S)-4-(2-フルオロエトキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)カルバメート 21a
20b (45 mg, 0.088 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、水素化ナトリウム(20 mg, 0.44 mmol)を加えた。混合物を20分間撹拌した後、1-ブロモ-2-フルオロエタン(23 mg, 0.176 mmol)を加えた。16時間撹拌した後、5 mLの水を加え、反応を急冷させ、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(30 mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。 濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、黄色油の標記化合物 21a (30 mg, 収率 61.1%)を得た。
MS m/z (ESI): 553.4 [M+1].
工程2
(1S,4S)-4-(2-フルオロエトキシ)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 21
化合物 21a (30 mg, 0.543 mmol)を10 mLのジクロロメタンに溶解した後、0.3 mLの4 M塩酸の1,4-ジオキサン溶液を加えた。混合物を1時間撹拌した後、10 mgの炭酸ナトリウムを加えた。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 21 (10 mg, 収率 40.7%)を白色の粘稠な物質として得た。
MS m/z (ESI): 453.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.76 (d, 1H), 9.61 (d, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.34 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.69 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.44 (t, 1H), 4.43-4.49 (m, 2H), 4.28-4.33 (m, 2H), 3.81-3.87 (m, 1H), 3.61-3.71 (m, 2H), 3.51-3.56 (m, 2H), 2.81-2.89 (d, 2H), 2.67 (s, 2H), 2.39-2.43 (m, 4H), 2.30-2.36 (m, 4H), 1.85 (s, 2H), 1.48-1.61 (m, 6H).
【0083】
実施例22及び実施例23
(1S,4S)-4-(メトキシメチル)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 22
(1S,4R)-4-(メトキシメチル)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 23
【化39】
工程1
(S)-tert-ブチル(4-メチレン-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 22a
臭化エチルトリフェニルホスホニウム(2.95 g, 11.5 mmol)を20 mLのテトラヒドロフランに溶解した。反応を0℃に冷却し、カリウムtert-ブトキシド(1.29 g, 11.5 mmol)を加え、30分間撹拌した。その後、11b (1g, 7.66 mmol)を加え、反応を室温まで加熱し、12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、メタノールに溶解した。生成した残渣を溶出系Bの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 22a (200 mg, 収率 22.2%)を得た。
MS m/z (ESI): 204.2 [M-55].
工程2
tert-ブチル((1S)-4-(ヒドロキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 22b
22a (780 mg, 3 mmol)を20 mLのテトラヒドロフランに溶解した。反応を0℃に冷却した後、6 mLの1 Mボランのテトラヒドロフラン溶液を加えた。反応溶液を5時間撹拌した。12 mLの3 M水酸化ナトリウム溶液を加え、混合物を30分間撹拌した。12 mLの30%過酸化水素を加え、反応溶液を室温まで加熱し、12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 22b (740 mg, 収率 89.2%)を得た。
MS m/z (ESI): 222.1 [M-55].
工程3
tert-ブチル((1S)-4-(メトキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 22c
22b (200 mg, 0.72 mmol)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、水素化ナトリウム(60 mg, 1.4 mmol)を加え、反応を1時間撹拌した。その後、ヨードメタン(123 mg, 0.86 mmol)を加え、反応を12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、メタノールに溶解した。生成した残渣を溶出系Bの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 22c (20 mg, 収率 9.5%)を得た。
MS m/z (ESI): 236.2 [M-55].
工程4
(1S)-4-(メトキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン22d
化合物 22c の粗製品(20 mg, 0.07 mmol)を10 mLのジクロロメタンに溶解した後、10 mLの4 M塩酸の1,4-ジオキサン溶液を加えた。2時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物 22d の粗製品(13 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 192.2 [M-55].
工程5
(1S,4S)-4-(メトキシメチル)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 22
5a (30 mg, 0.116 mmol)及び化合物 22d の粗製品(22 mg, 0.116 mmol)を20 mLのジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=1:1)に溶解した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(15 mg, 0.23 mmol)を加えた。12時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 22 (10 mg, 収率 20%)及び白色固体の標記化合物 23 (8 mg, 収率 16%)を得た。
MS m/z (ESI): 435.3 [M+1]
実施例22
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) d 8.26-8.25 (d, 1H), 7.76-7.72 (t, 1H), 7.42-7.40 (d, 1H), 7.34-7.29 (m, 3H), 7.29-7.27 (m, 1H), 7.18-7.16 (m, 1H), 4.16 (s, 1H), 3.75-3.70 (m, 2H), 3.47-3.45 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.35-3.33 (m, 1H), 3.18-3.17 (m, 1H), 2.80-2.70 (m, 1H), 2.4-2.33 (m, 1H), 2.28-1.95 (m, 7H), 1.81-1.62 (m, 5H), 1.59-1.51 (m, 1H), 1.46-1.20 (m, 4H), 1.22-1.1 (m,1H).
実施例23
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) d 8.47-8.46 (d, 1H), 7.72-7.68 (t, 1H), 7.39-7.37 (d, 1H), 7.37-7.33 (m, 1H), 7.24-7.21 (m, 1H), 7.15-7.05 (m, 2H), 6.93-6.91 (d, 1H),,3.94 (s, 1H), 3.68-3.60 (m, 2H), 3.59-3.57 (m, 2H), 3.22 (s, 3H), 3.22-3.19 (m, 1H), 2.71-2.70 (m, 1H), 2.34-2.30 (m, 5H), 2.28-2.25 (m, 1H), 1.84-1.81(m, 1H), 1.81-1.71 (m, 5H), 1.69-1.51 (m, 2H), 1.45-1.4 (m, 2H), 1.32-1.26 (m,2H), 1.23-1.15 (m, 1H), 1.1-0.95 (m, 1H).
【0084】
実施例24
(S)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-3',4'-ジヒドロ-2'H-スピロ[1,3]ジチオラン-2,1'-ナフタレン]-4'-アミン 24
【化40】
11 (35 mg, 0.0865 mmol)、エタン-1,2-ジチオール 24a (82 mg, 0.865 mmol)及びピリジニウムp-トルエンスルホネート(240 mg, 0.952 mmol)を15 mLのトルエンに溶解し、反応を110℃に加熱し、12時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 24 (40 mg, 収率 96%)を淡い黄色の固体として得た。
MS m/z (ESI): 481.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ 8.60 (d, 1H), 7.60 (t, 1H), 7.25-7.31 (m, 2H), 7.15-7.20 (m, 4H), 4.26-4.30 (m, 1H), 3.76 (d, 2H), 2.81-3.01 (m, 4H), 2.41-2.60 (m, 2H), 2.21-2.30 (m, 2H), 1.86-2.13 (m, 4H), 1.70-1.81 (m, 2H), 1.41-1.69 (m, 5H), 1.31-1.39 (m, 2H), 1.10-1.20 (m, 2H), 0.71-0.80 (m, 2H).
【0085】
実施例25
(1S,4R)-4-エトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 25
【化41】
工程1
tert-ブチル((1S,4R)-4-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 25a
(S)-2-メチル-CBS-オキサザボロリジン(221.8 mg, 0.8 mmol)を140 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、アルゴン雰囲気下でボランメチルスルフィド (2.4 ml, 48 mmol)を加えた。反応を30
oCに加熱した後、30分間かけて80 mLの用時調製された11b (10.5 g, 40 mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。反応混合物を30℃で1時間撹拌した。15℃で100 mLのメタノールを加え、1時間撹拌し、反応を急冷させた。反応溶液を減圧下で濃縮した。200 mLの酢酸エチル及び5 gの活性炭を加えた。混合物を微弱な沸騰下で30分間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを酢酸エチル(100 mL×3)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、無色油の標記化合物 25a の粗製品(10.5 g)を得た。
MS m/z (ESI): 264.4 [M+1].
工程2〜工程4
(1S,4R)-4-エトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 25
実施例19の合成経路に従い、原料 14a の代わりに25a,を用いた。その結果、淡い赤色油の標記化合物 25 (7 g)を調製した。
MS m/z (ESI): 435.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.62 (dt, 1H), 0.92 - 1.03 (m, 1H), 1.12 (t, 3H), 1.34 (td, 2H), 1.41-1.69 (m, 9H), 1.79 (d, 1H), 1.82-1.92 (m, 2H), 2.02 (td, 1H), 2.26-2.38 (m, 2H), 2.43 (d, 1H), 3.37-3.48 (m, 2H), 3.52-3.66 (m, 3H), 4.25 (t, 1H), 7.11-7.16 (m, 2H), 7.16-7.20 (m, 1H), 7.21-7.28 (m, 2H), 7.45 (d, 1H), 7.71 (td, 1H), 8.52 (dd, 1H).
【0086】
実施例26
(1S,4S)-4-(エトキシ-d
5)-N-(2-((R))-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカ-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 26
【化42】
工程1
tert-ブチル((1S、4S)-4-(エトキシ-d
5)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 26a
14a (3.3 g, 12.5 mmol)を50 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、活性分子ふるいを加えた。反応溶液を0℃に冷却した後、アルゴン雰囲気下で水酸化ナトリウム(0.75 g, 18.75 mmol)を加えた。反応を0℃で0.5時間撹拌した。その後、重水素化ヨードエタン-d
5 (0.8 mL, 10 mmol)を加え、反応を0℃で16時間密封した。反応終了後、反応溶液を50 mLの水、50 mLのn-ヘキサン及び5 mLの酢酸エチルの混合物に注ぎ入れ、10分間撹拌し、濾過した。不溶物を除去した。濾液を2層に分離し、水層をn-ヘキサンと酢酸エチルの混合物(V: V=10: 1) (33 mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄(30 mL×2)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系BのCombiFlashフラッシュ調製装置で精製し、白色固体の標記化合物 26a (1.89 g, 収率 64%)を得た。
MS m/z (ESI): 241.4 [M-56+1].
工程2
(1S,4S)-4-(エトキシ-d
5)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 26b
8 mLの4 M塩化水素の1,4-ジオキサン溶液を 26a (1.89 g, 6.38 mmol)に加えた。反応溶液を1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。30 mLの酢酸エチルを加え、混合物を減圧下で濃縮した。生成した残渣に1 mLの炭酸ナトリウムの飽和溶液を加え、混合物を5分間撹拌した。30 mLの酢酸エチル、2 gの炭酸ナトリウム固体及び10 gの硫酸ナトリウムを加えた。溶液が濁らなくなるまでに反応溶液を30分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、標記化合物 26b の粗製品(1.21 g, 淡い褐色の液体)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m/z (ESI): 197.4 [M+1].
工程3
(1S,4S)-4-(エトキシ-d
5)-N-(2-((R))-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカ-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 26
1a (1.37 g, 5.31 mmol)及び26bの粗製品(1.21 g, 6.16 mmol)を50 mLのジクロロエタンに溶解し、一滴の酢酸を加え、反応を1時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.81 g, 13.27 mmol)を加え、反応を16時間撹拌した。反応溶液に10 mLの炭酸ナトリウムの飽和溶液を加え、5分間撹拌した。10 mLの15%水酸化ナトリウム溶液、30 mLの水及び30 mLのジクロロメタンを順次に加え、混合物を5分間撹拌した。2層に分離し、水層をジクロロメタン(50 mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物 26 (1.7 g, 収率 73%)を淡い黄色の液体として得た。
MS m/z (ESI): 440.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 0.70 (dt, 1H), 1.09 - 1.16 (m, 1H), 1.45 - 1.55 (m, 4H), 1.62 - 1.84 (m, 6H), 1.86 - 2.04 (m, 4H), 2.23 (td, 1H) 2.34 (dd, 1H), 2.44 (dd, 1H), 2.53 (td, 1H), 3.68 (br. s., 1H), 3.72 - 3.81 (m, 2H), 4.34 (t, 1H), 7.11 (ddd, 1 H), 7.17 (t, 2H), 7.18 - 7.23 (m, 1 H), 7.31 (t, 2 H), 7.62 (td, 1 H), 8.55 (dd, 1H).
【0087】
実施例27
(S)-4-エチル-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2-ジヒドロナフタレン-1-アミン 27
【化43】
工程1
(S,E)-tert-ブチル(4-エチリデン-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 27a
臭化エチルトリフェニルホスホニウム(2.1 g, 5.75 mmol)を20 mLのテトラヒドロフランに溶解した。氷―水浴中でカリウムtert-ブトキシド(643 mg, 5.75 mmol)を加え、氷―水浴中で反応を30分間撹拌した。用時調製した11bのテトラヒドロフラン溶液(1 g, 3.83 mmol)を滴下し、混合物を25℃で16時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Bの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 27a (530 mg, 収率 51 %)を淡い黄色の油として得た。
工程2
(S)-4-エチル-1,2-ジヒドロナフタレン-1-アミン塩酸塩 27b
27a (273 mg, 1 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、2 mLの4 M塩化水素の1,4-ジオキサン溶液を加えた。1時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、褐色油の標記化合物 27b の粗製品(173 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
工程3
(S)-4-エチル-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2-ジヒドロナフタレン-1-アミン 27
1a (150 mg, 0.58 mmol)及び化合物 27b の粗製品(158 mg, 0.58 mmol)を30 mLのジクロロエタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)に溶解した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(369 mg, 1.74 mmol)を加えた。16時間撹拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 27 (40 mg, 収率 17%)を淡い黄色の固体として得た。
MS m/z (ESI): 417.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.58 (d, 1H), 7.83-7.78 (m, 1H), 7.53-7.48 (m, 3H), 7.33-7.29 (m, 2H), 7.21 (d, 1H), 5.84 (t, 1H), 4.25 (t, 1H), 3.73-3.72 (m, 3H), 3.41-3.31 (m, 2H), 2.81-2.80 (m, 2H), 2.41-2.25 (m, 3H), 1.96-1.90 (m, 3H), 1.85-1.61 (m, 8H), 1.25 (t, 3H), 1.23-1.21 (m, 1H), 0.68-0.65 (m, 1H).
【0088】
実施例28
(S)-4-メチレン-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 28
【化44】
実施例17の合成経路に従い、原料 17a の代わりに22a,を用いた。その結果、褐色固体の標記化合物 28 (20 mg)を調製した。
MS m/z (ESI): 403.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.50 (d, 1H), 7.72 (t, 1H), 7.68-7.21 (m, 6H), 5.95 (d, 1H), 4.09 (d, 1H), 3.71-3.69 (m, 3H), 3.01-2.80 (m, 2H), 2.67-2.63 (m, 2H), 2.11 (d, 1H), 1.74-1.21 (m, 14H), 0.99-0.98 (m, 1H), 0.45-0.42 (m, 1H).
【0089】
実施例29
2-(((1S,4S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)オキシ)アセトニトリル 29
【化45】
工程1
tert-ブチル((1S、4S)-4-(シアノメトキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)カルバメート 29a
20b (40 mg, 0.08 mmol)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、カリウムtert-ブトキシド(45 mg, 0.4 mmol)及びブロモアセトニトリル(20 mg, 0.16 mmol)を順次に加え、反応を16時間撹拌した。20 mLの水及び20 mLの酢酸エチルを加え、撹拌した。混合物を放置して分離させ、酢酸エチル(30 mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、標記化合物 29a の粗製品(50 mg)を油として得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
工程2
2-(((1S,4S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)オキシ)アセトニトリル 29
化合物 29a の粗製品(50 mg, 0.1 mmol)を10 mLのジクロロメタンに溶解した後、0.1 mLの4 M塩酸のジオキサン溶液を加えた。反応を0.5時間撹拌した。反応溶液がアルカリ性になるまでアンモニア水を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色ワックスの標記化合物 29 (10 mg, 収率 8%)を得た。
MS m/z (ESI): 446.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.54 (d, 1H), 7.75-7.72 (m, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.37-7.32 (m, 2H), 7.28-7.15 (m, 3H), 4.67 (d, 1H), 4.40 (d, 2H), 4.31 (d, 1H), 3.97 (d, 1H), 3.63-3.51 (m, 2H), 2.41-2.25 (m, 2H), 2.16-2.06 (m, 2H), 2.04-1.87 (m, 2H), 1.86-1.72 (m, 4H), 1.62-1.21 (m, 8H), 1.04-0.94 (m, 1H), 0.68-0.61 (m, 1H).
【0090】
実施例30
(1S,4R)-4-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 30
【化46】
工程1
tert-ブチル((1S,4R)-4-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)(2-((R))-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)カルバメート 30a
化合物 13 (46 mg, 0.11 mmol)、ジ-tert-ジカルボン酸ブチル(27 mg, 0.121 mmol)及びトリエチルアミン(23 mg, 0.22 mmol)を15 mLのジクロロメタンに溶解し、反応を16時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物 30a (46 mg, 収率 82%)を得た。
MS m/z (ESI): 507.3 [M+1].
工程2
tert-ブチル((1S,4R)-4-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)カルバメート 30b
化合物 30a (46 mg, 0.091 mmol)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、水素化ナトリウム(8 mg, 0.182 mmol)を加えた。反応を室温で30分間撹拌した。ヨードメタン(16 mg, 0.11 mmol)を加え、反応を室温で16時間撹拌した。50 mLの水及び50 mLの酢酸エチルを加え、2層に分離した。有機層を減圧下で濃縮し、褐色固体の標記化合物 30b の粗製品(47 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
MS m /z (ESI): 521.3 [M+1].
工程4
(1S,4R)-4-メトキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン30
化合物 30b の粗製品(47 mg, 0.091 mmol)を10 mLのジクロロメタンに溶解した後、0.1 mLの4 M塩化水素の1,4-ジオキサン溶液を加え、反応を1時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣にエタノールを加え、アンモニア水でpHを8に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 30 (36 mg, 収率 95%)を黄色の粘稠な物質として得た。
MS m/z (ESI): 421.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.55 (d, 1H), 7.75-7.72 (m, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.37-7.32 (m, 2H), 7.28-7.15 (m, 3H), 4.67 (d, 1H), 4.30 (d, 1H), 3.97 (d, 1H), 3.64-3.50 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 2.41-2.26 (m, 2H), 2.16-2.06 (m, 2H), 2.04-1.87 (m, 2H), 1.86-1.72 (m, 4H), 1.62-1.21 (m, 8H), 1.04-0.94 (m, 1H), 0.68-0.61 (m, 1H).
【0091】
実施例31
2-((S,E)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-イリデン)アセトニトリル 31
【化47】
工程1
(S,E)-tert-ブチル(4-(シアノメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)カルバメート 31a
ジエチルシアノメチルホスホネート(200 mg, 0.76 mmol)を20 mLのテトラヒドロフランに溶解した。氷―水浴中で水素化ナトリウム(61 mg, 1.52 mmol)を加え、反応を30分間撹拌した。用時調製した11bのテトラヒドロフラン溶液(200 mg, 0.76 mmol)を滴下し、混合物を25℃で16時間撹拌した。反応溶液を氷―水に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Bの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 31a (150 mg, 収率 69 %)を無色の粘稠な物質として得た。
MS m/z (ESI): 285.1 [M+1].
工程2
(S,E)-2-(4-アミノ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-イリデン)アセトニトリル塩酸塩 31b
31a (150 mg, 0.52 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、2 mLの1 M塩酸の1,4-ジオキサン溶液を加えた。反応を3時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物 31b の粗製品(110 mg)を得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
工程3
2-((S,E)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-イリデン)アセトニトリル31
5a (100 mg, 0.39 mmol)及び化合物 31b の粗製品(85 mg, 0.39 mmol)を10 mLのジクロロエタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)に溶解した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(165 mg, 0.78 mmol)を加え、反応を16時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 31 (30 mg, 収率 18%)を淡い黄色の粘稠な物質として得た。
MS m/z (ESI): 428.0 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.57 (d, 1H), 7.86-7.78 (m, 1H), 7.76-7.74 (m, 1H), 7.39-7.22 (m, 3H), 7.26-7.23 (m, 2H), 6.36-6.35 (m,1H), 3.65-3.54 (m, 3H), 2.90-2.60 (m, 2H), 2.42-2.37 (m, 3H), 2.03-1.90 (m, 4H), 1.82-1.78 (m, 2H), 1.51-1.24 (m, 10H).
【0092】
実施例32
2-((4S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)アセトニトリル32
【化48】
工程1
2-((4S)-4-アミノ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)アセトニトリル塩酸塩 32a
31b (50 mg, 0.227 mmol)を5 mLのエタノールに溶解した後、5 mgのPd/Cを加え、反応系を水素で3回パージした。水素雰囲気下で反応を室温で16時間撹拌した。不溶物を濾過して除去し、濾液を減圧下で濃縮し、標記化合物 32a の粗製品(45 mg)を無色の粘稠な物質として得た。これを更に精製せず、次の工程に直接用いた。
工程2
2-((4S)-4-((2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)アミノ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)アセトニトリル32
5a (53 mg, 0.2 mmol)及び化合物32bの粗製品(25 mg, 0.2 mmol)を10 mLのジクロロエタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)に溶解した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(80 mg, 0.4 mmol)を加え、反応を16時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、生成した残渣を溶出系Aの薄層クロマトグラフィーで精製し、標記化合物 32 (5 mg, 収率 5.8%)を淡い黄色の粘稠な物質として得た。
MS m/z (ESI): 430.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.55 (d, 1H), 7.85-7.78 (m, 1H), 7.75-7.72 (m, 1H), 7.35-7.20 (m, 3H), 7.25-7.21 (m, 2H), 3.75-3.60 (m, 3H), 2.95-2.80 (m, 2H), 2.70-2.65 (m, 4H), 2.41-2.30 (m, 4H), 1.95-1.89 (m, 4H), 1.85-1.60 (m, 4H), 1.55-1.21 (m, 6H).
【0093】
実施例33
(S)-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-3,4-ジヒドロ-4H-スピロ[ナフタレン-1,2'-[1,3]ジオキソラン]-4-アミン 33
【化49】
実施例27の合成経路に従い、原料2の代わりに11を用いた。その結果、黄色油の標記化合物 33 (5 mg)を調製した。
MS m/z (ESI): 449.0[M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) : δ 8.58 (d, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.77-7.70 (m, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.27-7.11 (m, 4H), 3.85 (s, 1H), 3.66-3.50 (m, 5H), 3.51-3.42 (m, 1H), 3.42-3.33 (m, 1H), 2.48-2.35 (m, 2H), 2.38-2.32 (m, 1H), 2.20-2.08 (m, 2H), 2.01-1.88 (m, 2H), 1.85-1.75 (m, 3H), 1.71-1.31 (m, 8H), 1.00-0.96 (m, 1H), 0.70-0.62 (m, 1H).
【0094】
実施例34
(1S,4S)-4-プロポキシ-N-(2-((R)-9-(ピリジン-2-イル)-6-オキサスピロ[4.5]デカン-9-イル)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-アミン 34
【化50】
実施例21の合成経路に従い、原料1-ブロモ-2-フルオロエタンの代わりにヨードプロパンを用いた。その結果、黄色固体の標記化合物 34 (8 mg)を調製した。
MS m/z (ESI): 449.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.53 (d, 1H), 7.75-7.70 (m, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.37-7.33 (m, 2H), 7.28-7.17 (m, 3H), 4.65 (d, 1H), 4.32 (d, 1H), 3.98 (d, 1H), 3.64-3.52 (m, 3H), 3.49-3.40 (m, 1H), 2.62-2.52 (m, 1H), 2.41-2.27 (m, 2H), 2.16-2.06 (m, 1H), 2.04-1.87 (m, 2H), 1.86-1.71 (m, 5H), 1.67 (d, 1H), 1.60-1.20 (m, 8H), 1.13 (t, 3H), 1.03-0.95 (m, 1H), 0.68-0.60 (m, 1H).
【0095】
本発明を、以下の試験例を参照して更に説明するが、これらの試験例は本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0096】
1.試験目的
この試験の目的は、MOR、KOR、DORに対する本発明化合物のアゴニスト効果を測定し、EC
50及びEmax値により化合物のin vitro活性を評価することである。
2.MOR活性試験
2.1 試験目的
本発明化合物は、μ-オピオイド受容体(MOR)を活性化することができる。活性化したMORは細胞内cAMPレベルを制御することができ、cAMPが核に入って、レポーター遺伝子ルシフェラーゼのCRE領域に結合し、それによりレポーター遺伝子の発現を開始する。ルシフェラーゼはその基質と反応して蛍光を発し、測定した蛍光シグナルが化合物のアゴニスト効果を反映する。
2.2 試験方法
MORの刺激と下流のcAMPレベルへの影響について試験例化合物の活性を以下の方法により試験した。
2.2.1 試験材料
2.2.2試験方法
1)HEK293/MOR/CREモノクローナル細胞株の獲得
MOR/pcDNA3.1 (+)とCRE/pGL4.29をHEK293細胞中に導入した。G418とハイグロマイシンを培地に添加して、HEK293/MOR/CREモノクローナル細胞株を96穴細胞培養プレートでスクリーンした。
2)MORに対する実施例化合物のアゴニスト効果
HEK293/MOR/CREモノクローナル細胞をDMEM/高グルコース培地(10% FBS、1 mg/ml G418、200 μg/mlハイグロマイシン、均一に混合)で培養して、3日毎に継代した。試験日に、細胞懸濁液を新鮮な細胞培地で調製して、20,000細胞/ウェルで96穴プレート(BD, #356692)に添加し、37℃、5%CO
2中で培養した。2日目に、化合物を20mMの濃度で純粋なDMSOに溶解し、次いで最初の濃度4 mMにDMSOで処方し、そして6つの濃度に10倍濃度勾配で希釈した。DMSO 90 μlをブランクとコントロールウェルに添加した;次いで勾配濃度でDMSO中で調製した化合物溶液2.5μlを、5μMのフォルスコリンを含有する新鮮な細胞培養培地97.5μlに添加した;処方した化合物の10μlを細胞培養プレートに添加し、化合物の最終濃度を10000, 1000, 100, 10, 1, 0.1, 0.01 nMにして、プレートを37℃で、5%CO
2中、5時間培養した。96穴細胞培養プレートに、100μlのルシフェラーゼ試験溶液(Promega, # E6110)を各ウェルに添加した。プレートは室温で暗所に10-15分間置き、10回ブロウと吸引をして、100μlを96穴白色プレートにピペットで移した。化学ルミネッセンスシグナル値をマイクロプレートリーダー(PE, Victor3)で読み取り、読み取りデータはソフトウェアを用いて処理した。
2.3 試験結果
MORの刺激と下流のcAMPレベルへの影響について本発明化合物の活性を上記試験によって測定した。EC
50値を表1.1に示す。Emaxは、MORの活性化とcAMPシグナル経路への影響に対する実施例化合物の最大効果である(TRV-130の最大効果が100%である)。
【0097】
3.KOR及びDOR活性試験
3.1 試験目的
試験目的は、KOR受容体とDOR受容体の刺激及び下流のcAMPレベルへの影響に対する本発明化合物の活性を測定することである。
3.2 試験方法
90μlのHEK293/KOR/CREまたはHEK293/DOR/CRE(Promegaから購入したCRE cDNA、製品番号E8471、KOR cDNA及びDOR cDNA は自社で作成)細胞を1×10
4細胞/ウェルの密度で96穴プレートに播種し、次いで細胞は37℃で、5%CO
2中、終夜培養した。薬物は20 mMストック溶液として調製し、後に100% DMSOで200×濃度勾配に希釈して、次いで20倍DMEM/高グルコース (SH30243.01B, Hyclone) 培地で希釈した。初日に播種した細胞培養プレートを取り出して、10μlの希釈した薬物またはコントロール(0.5% DMSO)を各ウェルに添加した。プレートは穏やかに振とうして、37℃、5%CO
2で4時間インキュベーターに入れた。最後に、100μlの検出試薬ONE-Glo (E6120, Promega)を各ウェルに加えて、プレートを5分間室温に置いた。吸光度値は、マイクロプレートリーダーの冷光モデル(PE, Victor3)により測定した。化合物のEC
50値は、化合物の各濃度と対応するシグナル値に従ってGraphpad Prismソフトウェアにより計算した。Emaxは、cAMPレベル変化についての化合物の最大の効果である。
3.3 試験結果
KOR受容体またはDOR受容体の刺激及び下流のcAMPレベルへの影響に対する本発明化合物の活性を上記試験によって測定した。EC
50値を表1.2に示す。Emaxは、cAMPレベルへの影響に対する実施例化合物の最大効果である(モルヒネの最大効果が100%である)。
表1.1 MOR受容体刺激とcAMPレベルへの影響に対する本発明化合物のEC
50及びEmax値
表1.2 KOR受容体とDOR受容体の刺激及び下流のcAMPレベルへの影響に対する本発明化合物のEC
50及びEmax値
結論:KOR受容体またはDOR受容体に対する本発明化合物のアゴニスト活性は明らかに弱い;そして本発明化合物はMOR受容体に高い選択性を有している。
【0098】
1.試験目的
試験の目的は、MOR受容体のβ-アレスチンシグナル経路の活性化に対する本発明化合物の活性を測定することである。
2.試験方法
2.1 試験手順
90μlのCHO-K1 OPRM1 β-アレスチン(93-0213C2, DiscoveRX)細胞を1×10
4細胞/ウェルの密度で96穴プレートに播種し、次いで細胞は37℃、5%CO
2中で、終夜培養した。薬物は20 mMストック溶液として調製し、後に100% DMSOで200×濃度勾配に希釈して、次いで20倍AssayComplete(登録商標) Cell Plating 2 Reagent(93-0563R2B, DiscoveRX)培地で希釈した。初日に播種した細胞培養プレートを取り出して、10μlの希釈した薬物またはコントロール(0.5% DMSO)を各ウェルに添加した。プレートは穏やかに振とうして、37℃、5%CO
2で90分間インキュベーターに入れた。最後に、50μlの検出試薬(93-0001, DiscoveRX)を各ウェルに加えて、プレートを60分間室温に置いた。吸光度値は、マイクロプレートリーダーの冷光モデル(PE, Victor3)により測定した。化合物のEC
50値は、化合物の各濃度と対応するシグナル値に従ってGraphpad Prismソフトウェアにより計算した。
2.2 試験結果
β-アレスチンシグナル経路の活性化に対する本発明化合物の活性を上記試験により測定した。EC
50値を表2に示す。Emaxはβ-アレスチンシグナル経路への影響に対する化合物の最大効果である(モルヒネの最大効果が100%である)。
表2 β-アレスチンシグナル経路に対する本発明化合物のEC
50値
結論:本発明化合物はβ-アレスチンシグナル経路に対する活性化効果を殆んど有しない。
【0099】
1.試験目的
hERGカリウム電流についての本発明化合物と陽性化合物TRV-130(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, Volume 344, Issue 3, Pages 708-717, 2013)の遮断効果を、自動パッチクランプを用いてhERGカリウムチャンネルを形質移入した安定な細胞株で試験した。
2.試験方法
2.1 試験材料及び機器
2.1.1試験材料
2.1.2機器
2.2 自動パッチクランプの試験方法
HEK293-hERGを安定化した細胞を48-72時間、MEM/EBSS培地(10% FBS, 400μg/ml G418, 1% MEM非必須アミノ酸溶液(100×), 1%ピルビン酸ナトリウム溶液)中で1:4の密度で継代培養し、次いで自動パッチクランプの試験を行った。細胞は試験日に0.25%トリプシンで消化し、次いで細胞を遠心分離で収集し、細胞外液(140 mM NaCl, 4 mM KCl, 1 mM MgCl
2, 2 mM CaCl
2, 5 mM D-グルコース一水和物, 10 mM Hepes, pH 7.4, 298 mOsmol)で細胞懸濁液に再懸濁した。細胞懸濁液をPatchlinerのcell bankに置いて、細胞をPatchlinerの陰圧コントローラーによってチップ(NPC-16)に添加し、陰圧がチップの小さな穴に個々の細胞を引きつけた。全体の細胞モデルが形成された後、装置がプリセットしたhERG電流及び電圧プログラムに従ってhERG電流を発生し、次いで装置が自動的に化合物を低濃度から高濃度へ潅流する。HEAK Patchmaster、HEAK EPC10パッチクランプ増幅器(Nanion)、Pathlinersoftware、及びPathcontrol HTsoftwareから提供されたデータ解析ソフトウェアを使用して異なる濃度での化合物の電流とブランクコントロールの電流を解析した。
2.3 試験結果
hERGカリウム電流についての本発明化合物の遮断効果を上記試験により測定した。IC
50値を表3に示す。
表3 hERGカリウム電流の遮断に対する本発明化合物のIC
50
結論:本発明化合物は陽性コントロールよりもhERGについて弱い抑制効果を有し、有意な差がある。