特表2018-534400(P2018-534400A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-534400シラザン−シロキサンコポリマーを製造する方法、およびそのコポリマーの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-534400(P2018-534400A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】シラザン−シロキサンコポリマーを製造する方法、およびそのコポリマーの使用
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/54 20060101AFI20181026BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20181026BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20181026BHJP
【FI】
   C08G77/54
   H01L33/56
   H01L33/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-521903(P2018-521903)
(86)(22)【出願日】2016年10月4日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月12日
(86)【国際出願番号】EP2016001635
(87)【国際公開番号】WO2017071788
(87)【国際公開日】20170504
(31)【優先権主張番号】15192355.4
(32)【優先日】2015年10月30日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16000814.0
(32)【優先日】2016年4月11日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】511293803
【氏名又は名称】アーゼッド・エレクトロニック・マテリアルズ(ルクセンブルグ)ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ、グロッテンミュラー
(72)【発明者】
【氏名】アブラハム、カサス、ガルシア−ミングイラン
(72)【発明者】
【氏名】北 文雄
(72)【発明者】
【氏名】ディーター、ワーグナー
【テーマコード(参考)】
4J246
5F142
【Fターム(参考)】
4J246AA03
4J246AA10
4J246AA11
4J246BA020
4J246BA02X
4J246BB020
4J246BB021
4J246BB022
4J246BB02X
4J246BB080
4J246BB082
4J246BB08X
4J246CA120
4J246CA12E
4J246CA12X
4J246CA240
4J246CA24X
4J246FA151
4J246FA431
4J246FB213
4J246GB03
4J246GC12
4J246HA29
5F142AA63
5F142AA75
5F142AA76
5F142CG05
5F142CG13
5F142CG16
5F142DA12
5F142DA14
5F142FA14
5F142FA18
(57)【要約】
本発明は、シラザン−シロキサンコポリマーを製造する方法、およびそのコポリマーを、特にLEDにおける、使用に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノシラン、アミン、およびオルガノシロキサンを反応させることによって、シラザン−シロキサンコポリマーを得る工程を含んでなる方法であって、前記有機シランが2つのハロゲン末端基を含んでなり、かつ前記オルガノシロキサンが2つのハロゲン末端基またはヒドロキシ末端基を含んでなる、方法。
【請求項2】
前記オルガノシランが式(I)のものである、請求項1に記載の方法。
【化1】
(式中、
およびXは、出現毎に独立に、Cl、Br、Iからなる群から選択され;かつ
およびRは、出現毎に独立に、Hまたはカルビル基である)
【請求項3】
およびRは、出現毎に独立に、Hまたは少なくとも1かつ最大で20の炭素原子を有するアルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オルガノシロキサンが式(II)のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【化2】
(式中、
およびXは、同一であり、かつ出現毎に独立に、OH、Cl、Br、Iからなる群から選択され;
およびRは、出現毎に独立に、Hまたはカルビル基であり;かつ
aは、少なくとも4かつ最大10,000の整数である)
【請求項5】
およびRが、出現毎に独立に、少なくとも1かつ最大40の炭素原子を有するアルキルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
およびRがメチルである、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
aが少なくとも4かつ最大500の整数である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アミンが式(III)のものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【化3】
(式中、Rは、出現毎に独立に、Hまたはカルビルである)
【請求項9】
前記アミンがアンモニアである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、得られたシラザン−シロキサンコポリマーを含んでなる組成物を提供し、続いて前記組成物を基板に堆積させる工程をさらに含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
電子素子がLEDチップであり、前記シラザン−シロキサンコポリマーが前記LEDチップに直接堆積される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が発光材料をさらに含んでなる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記発光材料が蛍光体である、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シラザン−シロキサンコポリマーを製造する方法、およびそのようなコポリマーの、特にLEDにおける使用に関する。
【背景および従来技術の説明】
【0002】
近年、電子産業においては、主要な改善をすることなく、数十年間使用されてきた従来の技術の急速な置き換えが見られる。
【0003】
その一例は、発光ダイオード(LED)に置き換えられつつある従来の白熱電球である。白熱電球の寿命は、一般に数千時間のオーダーであり、しかるにLEDは、数万時間の寿命を要求する。これらの長い寿命は、LEDにおける発光材料が酸素や水分などの環境要因による分解から効果的に保護されうる場合にのみ可能となる。これは、ポリマー中にLEDをカプセル化することによって再三行われている。しかし、そのようなカプセル化するポリマーは、さらに多くの要件を満たす必要がある:
−このポリマーは、機械的および/または光学的特性を劣化させることなく高温に耐えなければならない;
−光学的透明性および高い使用温度に加えて、このポリマーは高屈折率を有する必要がある;
−このポリマーは、高強度の放射線に対して高い耐性を有することが要求される;かつ
−非常に柔らかいから硬いまで、弾性率を変化させることができるポリマーが必要とされている。
【0004】
最近、US2015/0188006A1にポリシラザン/ポリシロキサンコポリマーがカプセル化ポリマーとして提案されている。
【0005】
このようなコポリマーは、例えば、WO02/068535A1に開示されている。
【0006】
しかし、そのようなポリシラザン/ポリシロキサンコポリマーを製造する公知の方法は、実施することが困難であり、そして、特定の一連の要件を有する特定の用途のためのコポリマーのオーダーメイドを可能にするような、異なった構成および/または組成を有するコポリマーを製造する際の高度な柔軟性に欠けることが判明した。
【0007】
従って、本出願の目的は、改良された製造プロセス、特にそのようなポリマーのオーダーメイドに適した製造プロセスを提供することである。
【0008】
本出願の更なる目的は、工業的規模にスケールアップすることができるシラザン−シロキサンコポリマーを製造する方法を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明者らは、驚くべきことに、上記目的は、本出願のプロセスにより、個々にまたは任意の組み合わせにより達成することができることを見出した。
【0010】
本出願は、従って、オルガノシラン、アミン、およびオルガノシロキサンを反応させることによって、シラザン−シロキサンコポリマーを得る工程を含んでなる方法であって、前記オルガノシランが2つのハロゲン末端基を含んでなり、かつ前記オルガノシロキサンが2つのハロゲン末端基またはヒドロキシ末端基を含んでなる、方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【0011】
本出願の目的のために、用語「オルガノシラン」は、シランのオルガニル誘導体、すなわち、1つ以上の水素が対応する数のオルガニル基によって置き換えられているシランを示すために使用される。
【0012】
本出願の目的のために、用語「オルガノシロキサン」とは、シロキサンのオルガニル誘導体、すなわち、1つ以上の水素が対応する数のオルガニル基によって置き換えられているシロキサンを示すために使用される。
【0013】
本出願の目的のために、用語「オルガニル」は、官能性の種類とは関係なく、炭素原子に1つの自由原子価を有する、任意の有機置換基を示すために使用される。
【0014】
本出願の目的のために、用語「オルガノヘテリル」は、炭素を含み、従って、有機ではあるが、炭素以外の原子に遊離原子価を有する、任意の1価の基を示すために使用される。
【0015】
本出願の目的のために、用語「カルビル基」は、オルガニル基およびオルガノヘテリル基の両者を含む。本明細書で使用されるように、用語「カルビル基」は、非炭素原子を有しない(例えば、−C≡C−のように)か、場合により1個以上のヘテロ原子を含む(例えば、カルボニル等)かのいずれかであり、少なくとも1個の炭素原子を含んでなる、任意の1価または多価の有機残基を意味するものと理解される。
【0016】
用語「ヒドロカルビル基」は、さらに1個以上のH原子を含み、かつ任意に1個以上のヘテロ原子を含む、カルビル基を意味するものと理解される。
【0017】
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロ原子」は、H−もしくはC−原子ではない、有機化合物中の原子を意味するものと理解され、そして、好ましくはN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeを意味するものと理解される。
【0018】
3個以上のC原子の鎖を含んでなる、カルビルもしくはヒドロカルビル基は、直鎖、分枝および/または環状であってもよく、スピロおよび/または縮合環を含む。
【0019】
好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ(これらの各々は、必要に応じて置換されており、かつ1〜40個、好ましくは1〜25個、非常に好ましくは1〜18個のC原子を有する)、更に、アリールもしくはアリールオキシ(必要に応じて置換されており、かつ6〜40個、好ましくは7〜40個のC原子を有する)、更に、アルキルアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシ(これらの各々は、必要に応じて置換されており、6〜40個、好ましくは7〜40個のC原子を有する)であり、これらの基の全ては、好ましくはN、O、S、P、Si、Se、As、TeおよびGeから選択される、1つ以上のヘテロ原子を任意で含む。
【0020】
カルビルもしくはヒドロカルビル基は、飽和もしくは不飽和の、非環式基、または飽和もしくは不飽和の、環式基であってもよい。不飽和の、非環式もしくは環式基は、特にアリール、アルケニルおよびアルキニル基(特に、エチニル)が好ましい。ここで、C−C40カルビルもしくはヒドロカルビル基は、非環式であり、この基は、直鎖状もしくは分枝状であってもよい。C−C40カルビルもしくはヒドロカルビル基としては、例えば:C−C40アルキル基、C−C40フルオロアルキル基、C−C40アルコキシもしくはオキサアルキル基、C−C40アルケニル基、C−C40アルキニル基、C−C40アリル基、C−C40アルキルジエニル基、C−C40ポリエニル基、C−C40ケトン基、C−C40エステル基、C−C18アリール基、C−C40アルキルアリール基、C−C40アリールアルキル基、C−C40シクロアルキル基、C−C40シクロアルケニル基等が挙げられる。前述の基のうち、好ましいのは、それぞれ、C−C20アルキル基、C−C20フルオロアルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、C−C20アリル基、C−C20アルキルジエニル基、C−C20ケトン基、C−C20エステル基、C−C12アリール基、およびC−C20ポリエニル基である。また、例えば、シリル基、好ましくはトリアルキルシリル基で置換されている、アルキニル基、好ましくはエチニル基のような、炭素原子を有する基とヘテロ原子を有する基の組み合わせが含まれる。
【0021】
本明細書で使用される、用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、好ましくは、縮合環を含んでもよく、また1個以上の基Lで任意に置換された、4〜30個の環C原子を有する、単環式、二環式もしくは三環式の、芳香族もしくはヘテロ芳香族基を意味し、ここで、Lは、ハロゲン、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−SOH、−SO、−OH、−NO、−CF、−SF、P−Sp−、必要に応じて置換されたシリル、または必要に応じて置換され、かつ必要に応じて1個以上のヘテロ原子を含んでなる、1〜40個のC原子を有する、カルビルもしくはヒドロカルビルから選択され、そして、好ましくは、任意にフッ素化された、1〜20個のC原子を有する、アルキル、アルコキシ、チアアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシであり、そして、R、R00、X、PおよびSpは、上記および下記の意味を有する。
【0022】
非常に好ましい置換基Lは、ハロゲン、最も好ましくはF、または1〜12個のC原子を有する、アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、チオアルキル、フルオロアルキルおよびフルオロアルコキシ、または2〜12個のC原子を有する、アルキニルおよびアルケニルから選択される。
【0023】
特に好ましいアリールおよびヘテロアリール基は、フェニル、1個以上のCH基がNにより置き換えられたフェニル、ナフタレン、チオフェン、セレノフェン、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、フルオレンおよびオキサゾールであり、これらの全ては、非置換であるか、上記で定義されたLにより、モノ−もしくは多−置換されていることができる。非常に好ましい環は、ピロール、好ましくは、N−ピロール、フラン、ピリジン、好ましくは2−もしくは3−ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チオフェン、好ましくは2−チオフェン、セレノフェン、好ましくは2−セレノフェン、チエノ[3,2−b]チオフェン、チエノ[2,3−b]チオフェン、フロ[3,2−b]フラン、フロ[2,3−b]フラン、セレノ[3,2−b]セレノフェン、セレノ[2,3−b]セレノフェン、チエノ[3,2−b]セレノフェン、チエノ[3,2−b]フラン、インドール、イソインドール、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]チオフェン、ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン、キノール、2−メチルキノール、イソキノール、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアジアゾールから選択され、これらの全ては、非置換であるか、上記で定義されたLにより、モノ−もしくは多−置換されていることができる。アリールおよびヘテロアリール基の更なる例は、以下に示す基から選択されるものである。
【0024】
アルキルもしくはアルコキシラジカル(すなわち、そこでは末端CH基が−O−で置き換えられている)は、直鎖状または分岐状であることができる。それは、好ましくは、直鎖状(または線形)である。そのようなアルキルおよびアルコキシラジカルの好適な例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。好ましいアルキルおよびアルコキシラジカルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する。このような好ましいアルキルおよびアルコキシラジカルの好適な例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシおよびデコキシからなる群から選択されることができる。
【0025】
1個以上のCH基が−CH=CH−で置き換えられているアルケニル基は、直鎖状または分枝状であることができる。この基は、好ましくは、直鎖状で、2〜10個のC原子を有しており、従って、好ましくは、ビニル、プロパ−1−エニルもしくはプロパ−2−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニルもしくはブタ−3−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−2−エニル、ペンタ−3−エニルもしくはペンタ−4−エニル、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニルもしくはヘキサ−5−エニル、ヘプタ−1−エニル、ヘプタ−2−エニル、ヘプタ−3−エニル、ヘプタ−4−エニル、ヘプタ−5−エニルもしくはヘプタ−6−エニル、オクタ−1−エニル、オクタ−2−エニル、オクタ−3−エニル、オクタ−4−エニル、オクタ−5−エニル、オクタ−6−エニルもしくはオクタ−7−エニル、ノナ−1−エニル、ノナ−2−エニル、ノナ−3−エニル、ノナ−4−エニル、ノナ−5−エニル、ノナ−6−エニル、ノナ−7−エニルもしくはノナ−8−エニル、デカ−1−エニル、デカ−2−エニル、デカ−3−エニル、デカ−4−エニル、デカ−5−エニル、デカ−6−エニル、デカ−7−エニル、デカ−8−エニルもしくはデカ−9−エニルである。
【0026】
特に好ましいアルケニル基は、C−C−1E−アルケニル、C−C−3E−アルケニル、C−C−4−アルケニル、C−C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特にC−C−1E−アルケニル、C−C−3E−アルケニルおよびC−C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル等である。5個までのC原子を有するアルケニル基が一般に好ましい。
【0027】
オキサアルキル(すなわち、そこでは1個のCH基が−O−で置き換えられている)基は、好ましくは、例えば、直鎖状の、2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニル、または2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。オキサアルキル(すなわち、そこでは1つのCH基が−O−で置き換えられている)は好ましくは、例えば、直鎖状の、2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニル、または2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
【0028】
CH基の1個が−O−により、そして1個が−C(O)−で置き換えられているアルキル基において、これらのラジカルは、好ましくは隣接している。従って、これらの基は一緒になってカルボニルオキシ基−C(O)−O−、またはオキシカルボニル基−O−C(O)−を形成する。好ましくは、この基は、直鎖状であり、かつ2〜6個のC原子を有する。それは、従って、好ましくは、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピルおよび4−(メトキシカルボニル)ブチルからなる群から選択される。
【0029】
2つ以上のCH基が−O−および/または−C(O)O−で置き換えられているアルキル基は、直鎖状または分枝状であることができる。好ましくは、この基は、直鎖状であり、そして3〜12個のC原子を有する。この基は、従って、好ましくは、ビスカルボキシメチル、2,2−ビスカルボキシエチル、3,3−ビスカルボキシプロピル、4,4−ビスカルボキシブチル、5,5−ビスカルボキシペンチル、6,6−ビスカルボキシヘキシル、7,7−ビスカルボキシヘプチル、8,8−ビスカルボキシオクチル、9,9−ビスカルボキシノニル、10,10−ビスカルボキシデシル、ビス(メトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス(メトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(メトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(メトキシカルボニル)ブチル、5,5−ビス(メトキシカルボニル)ペンチル、6,6−ビス(メトキシカルボニル)−ヘキシル、7,7−ビス−(メトキシカルボニル)ヘプチル、8,8−ビス(メトキシカルボニル)オクチル、ビス(エトキシカルボニル)メチル、2,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(エトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(エトキシカルボニル)ブチルおよび5,5−ビス(エトキシカルボニル)ヘキシルからなる群から選択される。
【0030】
チオアルキル基(すなわち、そこでは1個のCH基が−S−で置き換えられている)は、好ましくは、直鎖状の、チオメチル(−SCH)、1−チオエチル(−SCHCH)、1−チオプロピル(=−SCHCHCH)、1−(チオブチル)、1−(チオペンチル)、1−(チオヘキシル)、1−(チオヘプチル)、1−(チオオクチル)、1−(チオノニル)、1−(チオデシル)、1−(チオウンデシル)または1−(チオドデシル)であり、これらにおいて、好ましくは、sp混成ビニル炭素原子に隣接するCH基が置き換えられている。
【0031】
フルオロアルキル基は、好ましくパーフルオロアルキル、C2i+1(ここで、iは1〜15の整数である)、特に、CF、C、C、C、C11、C13、C15もしくはC17、非常に好ましくはC13であるか、または部分的にフッ素化されたアルキル、特に、1,1−ジフルオロアルキルであり、これらのすべては直鎖状もしくは分枝状である。
【0032】
アルキル、アルコキシ、アルケニル、オキサアルキル、チオアルキル、カルボニルおよびカルボニル基は、アキラルもしくはキラル基であることができる。特に好ましいキラル基は、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に、2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メタ−オキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。非常に好ましいのは、2−ヘキシル、2−オクチル、2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシである。
【0033】
好ましいアキラルな分枝状の基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、tert−ブチル、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシおよび3−メチルブトキシである。
【0034】
好ましい実施形態において、ヒドロカルビル基は、互いに独立に、第1級、第2級もしくは第3級の、1〜30個のC原子を有する、アルキルもしくはアルコキシ(その中で、1個以上のH原子は、必要に応じてFで置き換えられている)、または、任意にアルキル化またはアルコキシル化されていて、4〜30個の環原子を有する、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールから選択される。このタイプの非常に好ましい基は、下記の式からなる群から選択される:
【化1】
【0035】
式中、「ALK」は、必要に応じてフッ素化されていて、好ましくは直鎖の、1〜20個、好ましくは1〜12個(第3級基の場合は、非常に好ましくは1〜9個)のC原子を有する、アルキルもしくはアルコキシを表わし、そして、破線は、これらの基が接続する環への連結を表わす。これらの基の中で特に好ましいのは、全ての下位基ALKが同一のものである。
【0036】
−CY=CY−は、好ましくは、−CH=CH−、−CF=CF−または−CH=C(CN)−である。
【0037】
本明細書で使用されるように、「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはI、好ましくはF、ClまたはBrを含む。
【0038】
本出願の目的のために、「置換された」という用語は、存在する1個以上の水素が、本明細書において定義される基Rで置き換えられていることを示すために使用される。
【0039】
は、出現毎に独立に、本明細書において定義される任意の基R;1〜40個の炭素原子を有するヒドロカルビルであって、そのヒドロカルビルが1個以上の基Rで更に置換されていてもよいもの;および1〜40個の炭素原子を有し、N、O、S、P、Si、Se、As、TeもしくはGeからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子(N、OおよびSが好ましいヘテロ原子である)を含んでなるヒドロカルビルであって、そのヒドロカルビルが1個以上の基Rで更に置換されていてもよいもの、からなる群から選択される。
【0040】
として好適なヒドロカルビルの好ましい例は、出現毎に独立に、フェニル、1個以上の基Rで置換されたフェニル、アルキルおよび1個以上の基Rで置換されたアルキル(ここで、アルキルは、少なくとも1個、好ましくは少なくとも5個、より好ましくは少なくとも10個、そして最も好ましくは少なくとも15個の炭素原子を有し、および/または、最大40個、より好ましくは最大30個、さらにより好ましくは最大25個、そして最も好ましくは最大20個の炭素原子を有する)から選択される。例えば、Rとして好適なアルキルはまた、フッ素化アルキル(すなわち、1つ以上の水素がフッ素で置き換えられているアルキル)、および過フッ素化アルキル(すなわち、水素のすべてがフッ素で置き換えられているアルキル)を含むことが留意される。
【0041】
は、出現毎に独立に、F、Br、Cl、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(O)NR00、−C(O)X、−C(O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−SOH、−SO、−OH、−OR、−NO、−SFおよび−SiR00000からなる群から選択される。好ましいRは、F、Br、Cl、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(O)NR00、−C(O)X、−C(O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−OH、−ORおよび−SiR00000からなる群から選択される。
【0042】
、R00およびR000は、出現毎に互いに独立に、H、F、1〜40個の炭素原子を有するヒドロカルビルからなる群より選択される。前記のヒドロカルビルは、好ましくは、少なくとも5個、より好ましくは少なくとも10個、そして最も好ましくは少なくとも15個の炭素原子を有する。前記のヒドロカルビルは、好ましくは、最大30個、さらにより好ましくは最大25個、そして最も好ましくは最大20個の炭素原子を有する。好ましくは、R、R00およびR000は、出現毎に互いに独立に、H、F、アルキル、フッ素化アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルおよびフッ素化フェニルからなる群から選択される。より好ましくは、R、R00およびR000は、出現毎に互いに独立に、H、F、アルキル、フッ素化された、好ましくは過フッ素化されたアルキル、フェニル、および、フッ素化された、好ましくは過フッ素化されたフェニルからなる群から選択される。
【0043】
例えば、R、R00およびR000として好適なアルキルはまた、過フッ素化アルキル(すなわち、そこでは全ての水素がフッ素で置き換えられている)を含むことが留意される。アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル(または「t−ブチル」)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシル(−C2041)からなる群から選択される。
【0044】
は、ハロゲンである。好ましくは、Xは、F、ClおよびBrからなる群から選択される。
【0045】
本出願は、オルガノシラン、アミンおよびオルガノシロキサンを反応させることにより、シラザン−シロキサンコポリマーを得る方法に関するものである。
【0046】
オルガノシランは、2つのハロゲン末端基を含んでなる。末端基は、同一であるかまたは異なっていてもよいが、好ましくは、それらは同じである。好ましくは、2つのハロゲン末端基は両方Clである。
【0047】
好ましくは、前記のオルガノシランは、式(I)のものである:
【化2】
【0048】
式中、X、X、RおよびRは、本明細書で定義される通りである。
【0049】
およびXは、出現毎に互いに独立に、Cl、Br、Iからなる群から選択される。好ましくは、XおよびXは、Clである。
【0050】
およびRは、出現毎に独立に、Hまたはカルビル基であり、好ましくは、Hまたは上記で定義したカルビル基である。
【0051】
およびRに関して、好ましいカルビル基は、出現毎に独立に、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルカジエニル、置換されたアルカジエニル、アリールおよび置換されたアリールからなる群から選択することができる。
【0052】
およびRに関して、より好ましいカルビル基は、出現毎に独立に、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルカジエニルおよび置換されたアルカジエニルからなる群から選択することができる。
【0053】
およびRに関して、さらにより好ましいカルビル基は、出現毎に独立に、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルカジエニルおよび置換されたアルカジエニルからなる群から選択することができる。
【0054】
およびRに関して、なおさらにより好ましいカルビル基は、出現毎に独立に、アルキルおよび置換されたアルキルからなる群から選択することができる。
【0055】
およびRに関して、最も好ましいカルビル基は、出現毎に独立に、アルキルからなる群から選択することができる。
【0056】
およびRに関して、好ましいアルキル基は、少なくとも1個の炭素原子、かつ最大40個の炭素原子、好ましくは最大30個または20個の炭素原子、より好ましくは最大15個の炭素原子、さらにより好ましくは最大10個の炭素原子、そして最も好ましくは最大5個の炭素原子を有するアルキルから選択される。
【0057】
およびRに関して、少なくとも1個の炭素原子、かつ最大5個の炭素原子を有するアルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ぺンチル、イソペンチル(2,2−メチルブチル)およびネオ−ペンチル(2,2−ジメチルプロピル)からなる群から選択することができ;好ましくは、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルからなる群から選択することができ;より好ましくは、メチルまたはエチルであり;そして、最も好ましくはメチルである。
【0058】
およびRに関して、好ましいシクロアルキルは、少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、そして最も好ましくは少なくとも5個の炭素原子を有するシクロアルキルから選択することができる。RおよびRに関して、好ましいシクロアルキルは、最大30個、好ましくは最大25個、より好ましくは最大20個、さらにより好ましくは最大15個、そして最も好ましくは最大10個の炭素原子を有するシクロアルキルから選択することができる。
【0059】
およびRに関して、シクロアルキルの好ましい例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルからなる群から選択することができる。
【0060】
およびRに関して、好ましいアルケニルは、少なくとも2個の炭素原子、かつ最大20個、より好ましくは15個、さらにより好ましくは最大10個、そして最も好ましくは最大6個の炭素原子を有するアルケニルから選択することができる。前記のアルケニルは、分子内の任意の位置にC=C二重結合を含んでいてもよく;例えば、そのC=C二重結合は、末端または非末端であってもよい。
【0061】
およびRに関して、少なくとも2個、かつ最大10個の炭素原子を有するアルケニルは、ビニルまたはアリル、好ましくはビニルであってもよい。
【0062】
およびRに関して、好ましいアルカジエニルは、少なくとも4個、かつ最大20個、より好ましくは最大15個、さらにより好ましくは最大10個、そして最も好ましくは最大6個の炭素原子を有するアルカジエニルから選択することができる。前記のアルケニルは、分子内の任意の位置に2つのC=C二重結合を含んでもいてもよいが、但し、その2つのC=C二重結合は互いに隣接していないことを条件とする;例えば、そのC=C二重結合は、末端または非末端であってもよい。
【0063】
およびRに関して、少なくとも4個、かつ最大6個の炭素原子を有するアルカジエニルは、例えば、ブタジエンまたはヘキサジエンであってもよい。
【0064】
およびRに関して、好ましいアリールは、少なくとも6個の炭素原子、かつ最大30個、好ましくは最大24個の炭素原子を有するアリールから選択することができる。
【0065】
およびRに関して、アリールの好ましい例は、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、テトラセニル、ベンズ[a]アントラセニル、ペンタセニル、クリセニル、ベンゾ[a]ピレニル、アズレニル、ペリレニル、インデニル、フルオレニル、およびこれらの中で1つ以上(例えば、2、3または4)のCH基がNで置き換えられている任意のものからなる群から選択することができる。これらのフェニル、ナフチル、およびこれらの中で1つ以上(例えば、2、3または4)のCH基がNで置き換えられている任意のものの。フェニルが最も好ましい。
【0066】
オルガノシロキサンは、2つのハロゲン末端基、好ましくは2つのCl末端基、または2つのヒドロキシ(−OH)末端基を含んでなる。
【0067】
好ましくは、前記のオルガノシロキサンは、式(II)のものである:
【化3】
【0068】
式中、a、X、X、RおよびRは、本明細書で定義した通りである。
【0069】
aは、少なくとも4、かつ最大10,000の整数である。
【0070】
およびXは、同一であり、かつ出現毎に独立に、好ましくは、Cl、Br、IおよびOHからなる群から選択され、さらに好ましくは、ClまたはOHである。
【0071】
およびRは、RおよびRに対する上記定義の通りである。
【0072】
好ましくは、前記のアミンは、式(III)のものである:
【化4】
【0073】
式中、Rは、本明細書で定義した通りである。前記アミンは、異なる基Rを有するアミンのブレンドであってもよいことが留意される。
【0074】
は、RおよびRに対する上記定義の通りである。好ましくは、Rは、Hおよびアルキルから選択される。最も好ましくは、Rは、Hである、すなわち、そのアミンはアンモニアである。
【0075】
に関して、好ましいアルキルは、少なくとも1個の炭素原子、かつ最大40個の炭素原子、好ましくは最大30個または20個の炭素原子、より好ましくは最大15個の炭素原子、さらにより好ましくは最大10個の炭素原子、そして最も好ましくは最大5個の炭素原子を有するアルキルから選択することができる。
【0076】
、R、R、RおよびRに関して、少なくとも1個の炭素原子、かつ最大5個の炭素原子を有するアルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル(2,2−メチルブチル)およびネオペンチル(2,2−ジメチルプロピル)からなる群から選択することができ;好ましくは、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルからなる群から選択でき;より好ましくは、メチルまたはエチルであり;そして最も好ましくはメチルである。
【0077】
本出願に従う、シラザン−シロキサンコポリマーを得るための好ましい方法は、例えば、以下の経路(A)および(B)で表わすことができる:
【化5】
【0078】
好ましくは、本件のシラザン−シロキサンコポリマーは、少なくとも1,000g/モルの、より好ましくは少なくとも2,000g/モルの、さらにより好ましくは少なくとも3,000g/モルの、なお一層好ましくは少なくとも4,000g/モルの、そして最も好ましくは最大5,000g/モルの、GPCで測定した分子量Mを有する。
【0079】
オルガノシラン、オルガノシロキサンおよびアミンを反応させるための条件は、特に限定されない。しかしながら、例えば、温度および溶媒に関しては、特定範囲内の条件で反応を行うことが好ましい。好ましくは、この溶媒は、炭化水素、芳香族化合物、エステルまたはエーテルのような非プロトン性有機溶媒である。このような溶媒の例は、n−ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、ピリジン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸メチルまたは酢酸エチルである。
【0080】
好ましくは、本件の反応は、少なくとも−30℃、かつ最高120℃の、より好ましくは少なくとも−20℃、かつ最高110℃の、そして最も好ましくは少なくとも−10℃、かつ最高100℃の温度で行われる。
【0081】
別の好ましい合成方法は、液体アミン中、例えば、液体アンモニア中で反応を行うことである。その際、このアミン、例えばアンモニア、は溶媒であり、かつ同時に反応物の一つである。液体アンモニアを使用する場合、好ましい反応条件は、少なくとも−20℃の、かつ最大40℃の温度および最大20バールの圧力である。
【0082】
本出願はまた、オルガノシラン、アミンおよびオルガノシラザンを反応させ、それによりシラザン−シロキサンコポリマーを得る工程に加えて、そのようにして得られたシラザン−シロキサンコポリマーを含んでなる組成物を提供し、そしてそれを電子素子の基板に適用する工程を含んでなる電子素子を製造する方法、そのプロセスを対象とする。
【0083】
好ましくは、電子素子の製造方法は、従って、次の工程を含んでなる:
(a)オルガノシラン、アミンおよびオルガノシロキサンを反応させることにより、シラザン−シロキサンコポリマーを得る工程、
(b)工程(a)で得られたシラザン−シロキサンコポリマーを含んでなる組成物を提供する工程、および
(c)続いて、前記組成物を基板に堆積させる工程。
【0084】
好ましくは、シラザン−シロキサンコポリマーに加えて、前記組成物は、発光材料、粘度調整剤、界面活性剤、膜形成に影響を及ぼす添加剤、蒸発挙動に影響を及ぼす添加剤、架橋剤および溶剤からなる群から選択された1つ以上をさらに含んでなる。最も好ましくは、前記組成物は、発光材料をさらに含んでなる。
【0085】
好ましくは、前記発光材料は、蛍光体、すなわち発光特性を有する物質である。用語「発光」は、燐光ならびに蛍光の両方を含むことを意図している。
【0086】
本出願の目的のために、蛍光体の種類は特に限定されない。好適な蛍光体は、当業者に周知であり、容易に商業的供給源から得ることができる。本出願の目的のために、用語「蛍光体」は、電磁スペクトルの1つの波長で吸収し、かつ異なる波長で発光する物質を含むことを意図している。
【0087】
好適な蛍光体の例は、1つ以上の発光中心を含んでなる粒子状の無機蛍光材料である。そのような発光中心は、例えば、好ましくは、希土類元素、遷移金属元素、主族元素およびこれらのいずれかの任意の組み合わせからなる群から選択される、原子またはイオンである、いわゆる活性剤の使用によって形成することができる。好適な希土類元素の例は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群から選択することができる。好適な遷移金属元素の例は、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、AuおよびZnからなる群から選択することができる。好適な主族元素の例は、Na、Tl、Sn、SbおよびBiからなる群から選択することができる。好適な蛍光体の例は、ガーネット、ケイ酸塩、オルトケイ酸塩、チオガリウム酸塩、硫化物、窒化物、シリコン系酸窒化物、ニトリドシリケート、ニトリドアルミニウムシリケート、オキソニトリドシリケート、オキソニトリドアルミニウムシリケートおよび希土類をドープしたサイアロンをベースとする蛍光体を含む。
【0088】
好適な黄色蛍光体は、例えば、市販の、セリウムをドープしたイットリウムアルミニウムガーネット(しばしば、「Ce:YAG」もしくは「YAG:Ce」と略記される)等の、Ceをドープした(Gd,Y)(Al、Ga)12;またはY、Gd、LaおよびLuからなる群から選択されるMをドープした、Th3−x12:Ce(TAG);またはSr2−x−yBaCaSiO:Euを含んでなるかもしくはこれらをベースとしている。
【0089】
緑色蛍光体の例は、SrGa:Eu;Sr2−yBaSiO:Euおよび/またはSrSi:Euの群から選択することができる。
【0090】
好適な蛍光体の例は、以下のものから選択することができる:BaSiO:Eu2+、BaSi:Pb2+、BaSr1−x:Eu2+、BaSrMgSi:Eu2+、BaTiP、(Ba,Ti):Ti、BaWO:U、BaY:Er3+,Yb、BeSiO:Mn2+、BiGe12、CaAl:Ce3+、CaLa:Ce3+、CaAl:Eu2+
CaAl:Mn2+、CaAl:Pb2+、Mn2+、CaAl:Tb3+、CaAlSi12:Ce3+、CaAlSiOi:Ce3+、CaAlSi:Eu2+、CaBr:Eu2+、CaCl:Eu2+、CaCl:Pb2+、CaB:Mn2+、Ca:Mn2+、CaB:Pb2+、CaB:Eu2+、CaSiO10:Eu3+、Ca0.5Ba0.5Al1219:Ce3+,Mn2+、CaBa(POCl:Eu2+、CaBr:Eu2+ in SiO、CaCl:Eu2+ in SiO、CaCl:Eu2+,Mn2+ in SiO、CaF:Ce3+、CaF:Ce3+,Mn2+、CaF:Ce3+,Tb3+、CaF:Eu2+、CaF:Mn2+、CaF:U、CaGa:Mn2+、CaGa:Mn2+、CaGa:Ce3+、CaGa:Eu2+、CaGa:Mn2+、CaGa:Pb2+、CaGeO:Mn2+、CaI:Eu2+ in SiO、CaI:Eu2+,Mn2+ in SiO、CaLaBO:Eu3+、CaLaB:Ce3+,Mn2+、CaLaBO6.5:Pb2+、CaMgSi、CaMgSi:Ce3+、CaMgSi:Eu2+、CaMgSi:Eu2+、CaMgSi:Eu2+、CaMgSi:Eu2+,Mn2+、CaMgSi:Eu2+,Mn2+、CaMoO、CaMoO:Eu3+、CaO:Bi3+、CaO:Cd2+、CaO:Cu、CaO:Eu3+、CaO:Eu3+、Na、CaO:Mn2+、CaO:Pb2+、CaO:Sb3+、CaO:Sm3+、CaO:Tb3+、CaO:Tl、CaO:Zn2+、Ca:Ce3+、α-Ca(PO:Ce3+、β-Ca(PO:Ce3+、Ca(POCl:Eu2+、Ca(POCl:Mn2+、Ca(POCl:Sb3+、Ca(POCl:Sn2+、β-Ca(PO:Eu2+,Mn2+、Ca(POF:Mn2+、Ca(POF:Sb3+、Ca(POF:Sn2+、α−Ca
PO:Eu2+、β−Ca(PO:Eu2+、Ca:Eu2+、Ca:Eu2+,Mn2+、CaP:Mn2+、α−Ca(PO:Pb2+、α−Ca(PO:Sn2+、β−Ca(PO:Sn2+、β−Ca:Sn,Mn、α−Ca(PO:Tr、CaS:Bi3+、CaS:Bi3+,Na、CaS:Ce3+、CaS:Eu2+、CaS:Cu,Na、CaS:La3+、CaS:Mn2+、CaSO:Bi、CaSO:Ce3+、CaSO:Ce3+,Mn2+、CaSO:Eu2+、CaSO:Eu2+,Mn2+、CaSO:Pb2+、CaS:Pb2+、CaS:Pb2+,Cl、CaS:Pb2+,Mn2+、CaS:Pr3+,Pb2+,Cl、CaS:Sb3+、CaS:Sb3+,Na、CaS:Sm3+、CaS:Sn2+、CaS:Sn2+,F、CaS:Tb3+、CaS:Tb3+,Cl、CaS:Y3+、CaS:Yb2+、CaS:Yb2+,Cl、CaSiO:Ce3+、CaSiOCl:Eu2+、CaSiOCl:Pb2+、CaSiO:Eu2+、CaSiO:Mn2+,Pb、CaSiO:Pb2+、CaSiO:Pb2+,Mn2+、CaSiO:Ti4+、CaSr(PO:Bi3+、β−(Ca,Sr)(PO:Sn2+Mn2+、CaTi0.9Al0.1:Bi3+、CaTiO:Eu3+、CaTiO:Pr3+、Ca(VOCl、CaWO、CaWO:Pb2+、CaWO:W、CaWO:U、CaYAlO:Eu3+、CaYBO:Bi3+、CaYBO:Eu3+、CaYB0.83.7:Eu3+、CaYZrO:Eu3+、(Ca,Zn,Mg)(PO:Sn、CeF、(Ce,Mg)BaAl1118:Ce、(Ce,Mg)SrAl1118:Ce、CeMgAl1119:Ce:Tb、Cd11:Mn2+、CdS:Ag,Cr、CdS:In、CdS:In、CdS:In,Te、CdS:Te、CdWO、CsF、Csl、CsI:Na、CsI:Tl、(ErCl0.25(BaCl0.75、GaN:Zn、GdGa12:Cr3+、GdGa12:Cr,Ce、GdNbO:Bi3+、GdS:Eu3+、GdPr3+、GdS:Pr,Ce,F、GdS:Tb3+、GdSiO:Ce3+、KAI1117:Tl、KGa1117:Mn2+、KLaTi10:Eu、KMgF:Eu2+、KMgF:Mn2+、KSiF:Mn4+、LaAl12:Eu3+、LaAlB:Eu3+、LaAlO:Eu3+、LaAlO:Sm3+、LaAsO:Eu3+、LaBr:Ce3+、LaBO:Eu3+、(La,Ce,Tb)PO:Ce:Tb、LaCl:Ce3+、La:Bi3+、LaOBr:Tb3+、LaOBr:Tm3+、LaOCl:Bi3+、LaOCl:Eu3+、LaOF:Eu3+、La:Eu3+、La:Pr3+、LaS:Tb3+、LaPO:Ce3+、LaPO:Eu3+、LaSiOCl:Ce3+、LaSiOCl:Ce3+,Tb3+、LaVO:Eu3+、La12:Eu3+、LiAlF:Mn2+、LiAl:Fe3+、LiAlO:Fe3+、LiAlO:Mn2+、LiAl:Mn2+、LiCaP:Ce3+,Mn2+、LiCeBaSi14:Mn2+、LiCeSrBaSi14:Mn2+、LiInO:Eu3+、LiInO:Sm3+、LiLaO:Eu3+、LuAlO:Ce3+、(Lu,Gd)Si0:Ce3+、LuSiO:Ce3+、LuSi:Ce3+、LuTaO:Nb5+、Lu1−xAlO:Ce3+、MgAl:Mn2+、MgSrAl1017:Ce、MgB:Mn2+、MgBa(PO:Sn2+、MgBa(PO:U、MgBaP:Eu2+、MgBaP:Eu2+,Mn2+、MgBaSi:Eu2+、MgBa(SO:Eu2+、MgCa(PO:Eu2+、MgCaP:Mn2+、MgCa(SO:Eu2+、MgCa(SO:Eu2+,Mn、MgCeAl19:Tb3+、Mg(F)GeO:Mn2+、Mg(F)(Ge,Sn)O:Mn2+、MgF:Mn2+、MgGa:Mn2+、MgGe11:Mn4+、MgS:Eu2+、MgSiO:Mn
2+、MgSiO:Mn2+、MgSiO:Ti4+、MgSO:Eu2+、MgSO:Pb2+、MgSrBaSi:Eu2+、MgSrP:Eu2+、MgSr(PO:Sn2+、MgSrSi:Eu2+,Mn2+、MgSr(SO:Eu2+、MgTiO:Mn4+、MgWO、MgYBO:Eu3+、NaCe(PO:Tb3+、NaI:Tl、Na1.23O.42Eu0.12TiSi11:Eu3+、Na1.230.42Eu0.12TiSi13・xHO:Eu3+、Na1.290.46Er0.08TiSi11:Eu3+、NaMgAlSi10:Tb、Na(Mg2−xMn)LiSi10:Mn、NaYF:Er3+、Yb3+、NaYO:Eu3+、P46(70%)+P47(30%)、SrAl1219:Ce3+、Mn2+、SrAl:Eu2+、SrAl:Eu3+、SrAl1219:Eu2+、SrAl:Eu2+、SrCl:Eu2+、SrB:Eu2+(F,Cl,Br)、SrB:Pb2+、SrB:Pb2+、Mn2+、SrB13:Sm2+、SrBaClAl4−z/2:Mn2+、Ce3+、SrBaSiO:Eu2+、Sr(Cl,Br,I):Eu2+ in SiO、SrCl:Eu2+ in SiO、SrCl(PO:Eu、Sr6.5:Eu2+、Sr:Eu2+,Sm2+、SrF:Eu2+、SrGa1219:Mn2+、SrGa:Ce3+、SrGa:Eu2+、SrGa:Pb2+、SrIn:Pr3+、Al3+、(Sr,Mg)(PO:Sn、SrMgSi:Eu2+、SrMgSi:Eu2+、SrMgSi:Eu2+、SrMoO:U、SrO・3B:Eu2+,Cl、 β−SrO・3B:Pb2+、β-SrO・3B:Pb2+,Mn2+、α-SrO・3B:Sm2+、SrBO20:Eu、Sr(POCl:Eu2+、Sr(POCl:Eu2+,Pr3+、Sr(POCl:Mn2+、Sr(POCl:Sb3+、Sr
Eu2+、β-Sr(PO:Eu2+、Sr(POF:Mn2+、Sr(POF:Sb3+、Sr(POF:Sb3+,Mn2+、Sr(POF:Sn2+、Sr:Sn2+、β-Sr(PO:Sn2+、β-Sr(PO:Sn2+,Mn2+(Al)、SrS:Ce3+、SrS:Eu2+、SrS:Mn2+、SrS:Cu,Na、SrSO:Bi、SrSO:Ce3+、SrSO:Eu2+、SrSO:Eu2+,Mn2+、SrSi10Cl:Eu2+、SrSiO:Eu2+、SrTiO:Pr3+、SrTiO:Pr3+,Al3+、SrWO:U、SrY:Eu3+、ThO:Eu3+、ThO:Pr3+、ThO:Tb3+、YAl12:Bi3+、YAl12:Ce3+、YAl12:Ce3+,Mn、YAl12:Ce3+,Tb3+、YAl12:Eu3+、YAl12:Eu3+,Cr3+、YAl12:Th4+,Ce3+,Mn2+、YAlO:Ce3+、YAl12:Ce3+、YAl12:Cr3+、YAlO:Eu3+、YAl12:Eu3r、YAl:Eu3+、YAl12:Mn4+、YAlO:Sm3+、YAlO:Tb3+、YAl12:Tb3+、YAsO:Eu3+、YBO:Ce3+、YBO:Eu3+、YF:Er3+,Yb3+、YF:Mn2+、YF:Mn2+,Th4+、YF:Tm3+,Yb3+、(Y,Gd)BO:Eu、(Y,Gd)BO:Tb、(Y,Gd):Eu3+、Y1.34Gd0.60(Eu,Pr)、Y:Bi3+、YOBr:Eu3+、Y:Ce、Y:Er3+、Y:Eu3+(YOE)、Y:Ce3+,Tb3+、YOCl:Ce3+、YOCl:Eu3+、YOF:Eu3+、YOF:Tb3+、Y:Ho3+、YS:Eu3+、YS:Pr3+、YS:Tb3+、Y:Tb3+、YPO:Ce3+、YPO:Ce3+,Tb3+、YPO:Eu3+、YPO:Mn2+,Th4+、YPO:V5+、Y(P,V)O:Eu、YSiO:Ce3+、YTaO、YTaO:Nb5+
、YVO:Dy3+、YVO:Eu3+、ZnAl:Mn2+、ZnB:Mn2+、ZnBa:Mn2+、(Zn,Be)SiO:Mn2+、Zn0.4Cd0.6S:Ag、Zn0.6Cd0.4S:Ag、(Zn,Cd)S:Ag,Cl、(Zn,Cd)S:Cu、ZnF:Mn2+、ZnGa、ZnGa:Mn2+、ZnGa:Mn2+、ZnGeO:Mn2+、(Zn,Mg)F:Mn2+、ZnMg(PO:Mn2+、(Zn,Mg)(PO:Mn2+、ZnO:Al3+,Ga3+、ZnO:Bi3+、ZnO:Ga3+、ZnO:Ga、ZnO-CdO:Ga、ZnO:S、ZnO:Se、ZnO:Zn、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Cu,Cl、ZnS:Ag,Ni、ZnS:Au,In、ZnS−CdS(25−75)、ZnS−CdS(50−50)、ZnS-CdS(75-25)、ZnS−CdS:Ag,Br,Ni、ZnS−CdS:Ag,Cl、ZnS-CdS:Cu,Br、ZnS−CdS:Cu,I、ZnS:Cl、ZnS:Eu2+、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Al3+、ZnS:Cu,Cl、ZnS:Cu,Sn、ZnS:Eu2+、ZnS:Mn2+、ZnS:Mn,Cu、ZnS:Mn2+,Te2+、ZnS:P、ZnS:P3−,Cl、ZnS:Pb2+、ZnS:Pb2+,Cl、ZnS:Pb,Cu、Zn(PO:Mn2+、ZnSiO:Mn2+、ZnSiO:Mn2+,As5+、ZnSiO:Mn,Sb、ZnSiO:Mn2+,P、ZnSiO:Ti4+、ZnS:Sn2+、ZnS:Sn,Ag、ZnS:Sn2+,Li、ZnS:Te,Mn、ZnS−ZnTe:Mn2+、ZnSe:Cu,ClまたはZnWO
【0091】
シラザン−シロキサンコポリマーを含んでなる前記組成物に含まれる溶媒は、前記組成物の成分がその中に一定の溶解度を有していれば特に限定されない。好ましくは、前記溶媒は、非極性もしくは極性であって、非プロトン性の、好ましくは有機の溶媒であることができる。
【0092】
好適な溶媒の好ましい例は、エーテル類、環状エーテル類、エステル類、炭化水素類、芳香族溶剤およびこれらのいずれかの任意の混合物からなる群から選択することができる。
【0093】
エーテル類の好ましい例は、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジ−n−ブチルエーテルである。
【0094】
環状エーテルの好ましい例は、テトラヒドロフラン(THF)である。
【0095】
エステル類の好ましい例は、酢酸エチルと酢酸n−ブチルである。
【0096】
炭化水素類の好ましい例は、n−ヘプタンおよびシクロヘキサンである。
【0097】
芳香族溶剤の好ましい例は、トルエン、オルソ−キシレン、メタ−キシレン、パラ−キシレンおよびこれらのいずれかの任意の混合物からなる群から選択することができる。
【0098】
前記基板は、上記で定義された、本出願の組成物を堆積することができる、任意の層または材料であればよい。好適な基板は、材料や形状の点で特に限定されるものではない。代表的な基板は、LEDチップである、すなわち、本発明の組成物は、直接LEDチップ上に塗布される。
【0099】
前記シラザン−シロキサンコポリマーを含んでなる組成物は、任意の適切な方法、例えば、工業的供給システムによって基板上に堆積させることができる。
【0100】
基板がLEDチップである場合、この組成物は、好ましくは、シラザン−シロキサンコポリマーと発光材料を、前記組成物の全重量に対する重量%で、少なくとも90重量%もしくは95重量%もしくは99重量%含んでなるか、またはこれらからなり、そしてLEDチップに直接適用される。好適な組成物は、好ましくは、「試験方法」に記載されているように測定して、少なくともは100mPa・s、かつ最大100,000mPa・sの粘度を有する。基板への組成物の堆積中に、組成物の粘度は、必要に応じて組成物が堆積される温度を、例えば、10℃〜60℃の間で、変化させることによって加減することができる。
【0101】
LEDチップに直接シラザン−シロキサンコポリマーおよび発光材料を塗布する別の可能性は、スプレーコーティングによるものである。典型的なスプレーコーティング配合物は、2〜10重量%のシラザン−シロキサンコポリマー、10〜25重量%の発光材料、63〜88重量%の溶媒、および0〜2重量%のその他の添加剤からなり、スプレーコーティング配合物の成分のそれぞれの重量%の合計が100重量%である。溶媒は、純粋な溶媒またはいくつかの溶媒の混合物のいずれかであり、通常は、少なくとも、1つの高沸点と1つの低沸点の溶媒の混合物である。
【0102】
あるいは、シラザン−シロキサンコポリマーと発光材料は、スクリーン印刷やインクジェット印刷のようなその他の任意の適切な方法によって適用することができる。
【0103】
LEDに適用した後、シラザン−シロキサンコポリマーを、好ましくは加熱工程に供するが、そこでは、その材料は、2〜48時間、好ましくは4〜48時間、100℃〜250℃、好ましくは 150℃〜220℃の温度に加熱される。
【0104】
あるいは、LEDに適用した後、シラザン−シロキサンコポリマーを、人工気候室で加水分解工程に供することもできる。人口気候室における好ましい加水分解条件は、70〜90℃と70〜90%の相対湿度で4〜24時間である。
【0105】
本件の方法は、広い範囲の電子素子に適用することができる。好ましくは、電子素子は、電界効果トランジスタ(FET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、論理回路、キャパシタ、RFIDタグ(無線周波数識別タグ)、発光ダイオード(OLED)、光電池(PV)、光検出器、レーザーダイオード、光伝導体、電子写真装置、有機メモリ素子、センサー素子、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、導電性基板および導電性パターンからなる群から選択することができる。最も好ましくは、前記電子素子は、発光ダイオードである。
【0106】
このような発光ダイオードは、例えば、少数の非限定的な例のみを挙げると、液晶ディスプレイ、交通信号灯、屋外ディスプレイ、広告板用のバックライトに使用することができる。
【0107】
本発明による典型的なLEDパッケージは、LEDチップ、および/またはリードフレームおよび/または金線および/または半田(フリップチップ)および/または充填材、コンバータ、本件のシラザン−シロキサンコポリマーを含んでなるカプセル化する材料、並びに一次および二次の光学系を含んでなる。カプセル化する材料は、外部環境の影響に対する表面保護材の機能を有し、そして長期信頼性、特に経時安定性を保証する。例えば、本発明に従い、発光ダイオードは、US6,274,924および6,204,523に記載のものと同様に構成される。
【0108】
実施例
試験方法
ポリマーの分子量は、ポリスチレン標準に対するGPCにより測定した。溶離剤として、テトラヒドロフランおよび1.45重量%(溶離液の全重量に対して)のヘキサメチルジシラザンの混合物を使用した。カラムは、ショウデックス(Shodex)KS−804および2xKS−802およびKS−801を用いた。検出器は、アジレント(Agilent)1260屈折率検出器を用いた。
【0109】
粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)コーン型スピンドルRC3−50−1を備えたブルックフィールドレオメーターR/Sプラスを用いて、回転速度3rpmおよび温度25℃で測定した。
【0110】
実施例1
窒素雰囲気下で、2lのフラスコに、1,000gのn−ヘプタン、50gのジクロロメチルシラン(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)社から入手可能)および30gのシラノール末端ポリジメチルシロキサン(分子量M:550g/モル;シグマ−アルドリッチ社から入手可能)を充填した。温度0℃で、この溶液を通して、アンモニアを6時間ゆっくりとバブリングした。塩化アンモニウムの沈殿が観察された。固体の塩化アンモニウムを濾過により除去し、透明な濾液を得、それから溶媒を減圧下で蒸発させて除去した。49gの無色低粘性液体を得た。
【0111】
実施例2
LED素子に対する、その有用性を示すため、実施例1で得られたポリマーを蛍光体の光変換粒子(メルク社(Merck KGaA)から入手可能)と1:1〜1:3の範囲の重量比でブレンドし、そして、その後そのブレンドを、LEDパッケージ(エクセリタス(Excelitas)社から入手可能)にマウントされたLEDチップ上に、40〜80マイクロメーターの厚い層として塗布した。その後、ポリマーを硬化させるため、LEDを150℃で8時間ホットプレート上に載置した。
【0112】
完成したLEDを最初に、始動電流0.5Aで24時間作動させた。LEDの塗膜でのクラックの形成が顕微鏡によって検出することができなかった場合、0.1A刻みに電流を上昇させ、そのLEDをさらに24時間作動させ、そしてクラックの形成が観察される電流まで、顕微鏡で検査した。LED電流は、チップの温度に関連するため、この方法は、これらの製造されたLEDの耐熱性および寿命に対する指標を与える。
【0113】
実施例2のLEDに対して、クラックを形成しない最高電流は1.8Aであることが判明した。比較のため、コーティング材料としてフェニルシリコンを有する参考LEDは、1.5Aの値を有し、またデュラザン(Durazane)1033(メルク社から入手可能なオルガノポリシラザン)を有する参考LEDは、1.0Aの値を有することが判明した。
【0114】
本結果は、本出願のポリマーは、一般に、例えばフェニルシリコンまたはオルガノポリシラザンのような現在使用されている材料よりも耐熱性および/または寿命に優れていることを明らかに示している。
【国際調査報告】