特表2018-534466(P2018-534466A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-534466高圧燃料ポンプおよび内燃機関、特に自動車の内燃機関用の燃料供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-534466(P2018-534466A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】高圧燃料ポンプおよび内燃機関、特に自動車の内燃機関用の燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 59/44 20060101AFI20181026BHJP
   F02M 59/02 20060101ALI20181026BHJP
【FI】
   F02M59/44 C
   F02M59/44 U
   F02M59/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-518453(P2018-518453)
(86)(22)【出願日】2016年9月20日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月9日
(86)【国際出願番号】EP2016072283
(87)【国際公開番号】WO2017060074
(87)【国際公開日】20170413
(31)【優先権主張番号】102015219415.9
(32)【優先日】2015年10月7日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヤヴズ クアト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル マウアー
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ ツァービヒ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス イェズィオロヴスキ
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AB02
3G066AD01
3G066CA35
(57)【要約】
本発明は、内燃機関、特に自動車の内燃機関の第1の噴射装置(14)に燃料を供給するための高圧燃料ポンプ(10)に関し、少なくとも1つの第1の低圧ポート(30)であって、第1の低圧ポート(30)を介して、高圧燃料ポンプ(10)に低圧燃料ポンプ(28)からの燃料が供給可能である少なくとも1つの第1の低圧ポート(30)と、高圧燃料ポンプ(10)に第1の低圧ポート(30)を介して供給された燃料の少なくとも一部が供給可能である少なくとも1つの低圧チャンバ(40)と、低圧燃料ポンプ(28)を用いて吐出されかつ高圧燃料ポンプ(10)に供給された燃料を、高圧燃料ポンプ(10)から、第1の噴射装置(14)に対して付加的に設けられた第2の噴射装置(20)に案内するための少なくとも1つの第2の低圧ポート(36)と、ポンプハウジング(42)であって、ポンプハウジング(42)に対して相対的に移動可能でかつ第1の噴射装置(14)に燃料を吐出するための少なくとも1つの吐出要素(44)が内部に配置されているポンプハウジング(42)と、圧縮チャンバ(52)であって、その容積が吐出要素の移動によって可変である、圧縮チャンバ(52)と、吐出要素(44)の圧縮チャンバ(52)とは反対側に配置されかつその容積が吐出要素(44)の移動によって可変でありかつ圧縮チャンバ(52)からの燃料を収集するための収集チャンバ(62)と、を備え、収集チャンバ(62)は、低圧チャンバ(40)と流体連通している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関、特に自動車の内燃機関の第1の噴射装置(14)に燃料を供給するための高圧燃料ポンプ(10)であって、
少なくとも1つの第1の低圧ポート(30)であって、該第1の低圧ポート(30)を介して、前記高圧燃料ポンプ(10)に低圧燃料ポンプ(28)からの燃料を供給可能である少なくとも1つの第1の低圧ポート(30)と、
前記高圧燃料ポンプ(10)に前記第1の低圧ポート(30)を介して供給された燃料の少なくとも一部を供給可能である少なくとも1つの低圧チャンバ(40)と、
前記低圧燃料ポンプ(28)を用いて吐出されかつ前記高圧燃料ポンプ(10)に供給された燃料を、該高圧燃料ポンプ(10)から、前記第1の噴射装置(14)に対して付加的に設けられた第2の噴射装置(20)に案内するための少なくとも1つの第2の低圧ポート(36)と、
ポンプハウジング(42)であって、該ポンプハウジング(42)に対して相対的に移動可能でありかつ前記第1の噴射装置(14)に燃料を吐出するための少なくとも1つの吐出要素(44)が内部に配置されているポンプハウジング(42)と、
圧縮チャンバ(52)であって、その容積が前記吐出要素の移動によって可変である、圧縮チャンバ(52)と、
前記吐出要素(44)の前記圧縮チャンバ(52)とは反対側に配置されかつその容積が前記吐出要素(44)の移動によって可変でありかつ前記圧縮チャンバ(52)からの燃料を収集するための収集チャンバ(62)と、
を備え、
前記収集チャンバ(62)は、前記低圧チャンバ(40)と流体連通している、高圧燃料ポンプ(10)において、
前記第1の低圧ポート(30)を通流する燃料の少なくとも一部が、前記第1の低圧ポート(30)から前記収集チャンバ(62)を迂回して前記第2の低圧ポート(36)に流れ、当該第2の低圧ポート(36)を通流していることを特徴とする高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項2】
前記ポンプハウジング(42)は、該ポンプハウジング(42)とは別個に構成されかつ前記ポンプハウジング(42)に保持された第2の構成要素を備えている前記高圧燃料ポンプ(10)の第1の構成要素であり、前記2つの低圧ポート(30,36)は、前記複数の構成要素のうちの1つに配置されている、請求項1記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項3】
前記低圧ポート(30,36)は、前記複数の構成要素のうちの1つの内側に配置された接続領域(64)を介して相互に流体連通している、請求項2記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項4】
前記第1の低圧ポート(30)を通流する燃料を第1の部分流(68)と第2の部分流(70)とに分割することができる少なくとも1つの分流要素(66)が設けられており、前記複数の部分流(68,70)のうちの少なくとも1つは、前記第1の低圧ポート(30)から前記収集チャンバ(62)を迂回して前記第2の低圧ポート(36)に流れ、該第2の低圧ポート(36)を通流している、請求項1から3までのいずれか1項記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項5】
前記第1の部分流(68)は、前記第1の低圧ポート(30)から前記収集チャンバ(62)を迂回して前記第2の低圧ポート(36)に流れ、該第2の低圧ポート(36)を通流しており、前記第2の部分流(70)は、前記第1の低圧ポート(30)から前記収集チャンバ(62)に流れ、該収集チャンバ(62)を通って引き続き前記第2の低圧ポート(36)に流れ、該第2の低圧ポート(36)を通流している、請求項4記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項6】
前記分流要素(66)は、少なくとも部分的に前記複数の構成要素の外側に配置されており、さらに燃料を前記複数の構成要素の外側に配置された少なくとも1つの箇所(72)において前記部分流(68,70)に分割するように構成されている、請求項2または3を引用する請求項4または5記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項7】
前記第1の低圧ポート(30)および/または前記第2の低圧ポート(36)は、前記1つの構成要素と一体的に構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項8】
前記第1の低圧ポート(30)および/または前記第2の低圧ポート(36)は、前記1つの構成要素とは別個に構成されかつ前記1つの構成要素に配置された構成部品によって形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項9】
前記低圧ポート(30,36)は、相互に一体的に構成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項10】
前記低圧ポート(30,36)は、相互に別個に構成されかつ少なくとも相互に間接的に接続された複数の構成部品によって形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項11】
前記低圧ポート(30,36)は、各通流方向に沿って燃料が通流可能であり、前記通流方向は、相互に平行にまたは斜めに延びている、請求項1から10までのいずれか1項記載の高圧燃料ポンプ(10)。
【請求項12】
内燃機関、特に自動車の内燃機関に燃料を供給するための燃料供給装置(12)であって、
燃料直接噴射を生じさせるための第1の噴射装置(14)と、
前記第1の噴射装置(14)に対して付加的に設けられかつ燃料吸気管噴射を生じさせるための第2の噴射装置(20)と、
前記第1の噴射装置(14)に燃料を供給するための高圧燃料ポンプ(10)と、
前記高圧燃料ポンプ(10)に燃料を吐出するための低圧燃料ポンプ(28)と、
を備え、
前記高圧燃料ポンプ(10)は、
少なくとも1つの第1の低圧ポート(30)であって、該第1の低圧ポート(30)を介して、前記高圧燃料ポンプ(10)に前記低圧燃料ポンプ(28)からの燃料を供給可能である少なくとも1つの第1の低圧ポート(30)と、
前記高圧燃料ポンプ(10)に前記第1の低圧ポート(30)を介して供給された燃料の少なくとも一部を供給可能である少なくとも1つの低圧チャンバ(40)と、
前記低圧燃料ポンプ(28)を用いて吐出されかつ前記高圧燃料ポンプ(10)に供給された燃料を、該高圧燃料ポンプ(10)から、前記第2の噴射装置(20)に案内するための少なくとも1つの第2の低圧ポート(36)と、
ポンプハウジング(42)であって、該ポンプハウジング(42)に対して相対的に移動可能でありかつ前記第1の噴射装置(14)に燃料を吐出するための少なくとも1つの吐出要素(44)が内部に配置されているポンプハウジング(42)と、
圧縮チャンバ(52)であって、その容積が前記吐出要素の移動によって可変である、圧縮チャンバ(52)と、
前記吐出要素(44)の前記圧縮チャンバ(52)とは反対側に配置されかつその容積が前記吐出要素(44)の移動によって可変でありかつ前記圧縮チャンバ(52)からの燃料を収集するための収集チャンバ(62)と、
を有し、
前記収集チャンバ(62)は、前記低圧チャンバ(40)と流体連通している、燃料供給装置(12)において、
前記第1の低圧ポート(30)を通流する燃料の少なくとも一部が、前記第1の低圧ポート(30)から前記収集チャンバ(62)を迂回して前記第2の低圧ポート(36)に流れ、該第2の低圧ポート(36)を通流していることを特徴とする燃料供給装置(12)。
【請求項13】
前記高圧燃料ポンプ(10)は、請求項2から11までのいずれか1項記載のように構成されている、請求項12記載の燃料供給装置(12)。
【請求項14】
請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つの高圧燃料ポンプ(10)、および/または、請求項12または13記載の燃料供給装置(12)を備えている車両、特に自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念による内燃機関用の高圧燃料ポンプ、および請求項12の上位概念による燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような高圧燃料ポンプおよびそのような内燃機関、特に自動車の内燃機関用の燃料供給装置は、例えば米国特許出願公開第2012/0312278号明細書から既に公知である。燃料供給装置は、内燃機関に燃料を、特に液体燃料を供給するのに用いられている。燃料供給装置は、燃料直接噴射を生じさせるための第1の噴射装置を備える。このことは、内燃機関が少なくとも1つの燃焼室を有し、この燃焼室内に第1の噴射装置を用いて燃料を直接噴射できることを意味する。
【0003】
燃料供給装置は、第1の噴射装置に対してさらに付加的に設けられた、燃料吸気管噴射を生じさせるための第2の噴射装置を備える。吸気管噴射とも称される燃料吸気管噴射の枠内では、燃料は、燃焼室の上流側に配置された箇所において内燃機関にもたらされ、特に噴射される。この箇所は、例えば、空気が通流可能である内燃機関の吸気管内に配置され、ここでは内燃機関の吸気バルブの上流側に配置される。
【0004】
燃料供給装置は、さらに、第1の噴射装置に燃料が供給可能である前述の高圧燃料ポンプを備える。さらに、燃料供給装置は、高圧燃料ポンプに燃料を吐出するための低圧燃料ポンプを備える。この低圧燃料ポンプを用いることにより、燃料は、例えば第1の圧力で吐出される。換言すれば、低圧燃料ポンプを用いて吐出される燃料の第1の圧力は、低圧燃料ポンプを用いて生じている。
【0005】
高圧燃料ポンプを用いることにより、燃料は、例えば第1の圧力よりも高い第2の圧力で吐出される。換言すれば、高圧燃料ポンプを用いて、例えば、第1の圧力よりも高い、燃料の第2の圧力が生じている。これにより例えば、第1の噴射装置に、第1の圧力よりも高い第2の圧力で供給することが可能となり、この場合は第2の噴射装置に第1の圧力で供給することが可能である。
【0006】
高圧燃料ポンプは、少なくとも1つの第1の低圧ポートを備えており、第1の低圧ポートを介して、高圧燃料ポンプに低圧燃料ポンプからの燃料が供給可能である。換言すれば、低圧燃料ポンプを用いて吐出された燃料は、第1の低圧ポートを介して高圧燃料ポンプに供給される。
【0007】
高圧燃料ポンプはさらに、低圧燃料ポンプを用いて吐出された燃料を高圧燃料ポンプから第2の噴射装置に案内するための少なくとも1つの第2の低圧ポートを備えている。このことは、低圧燃料ポンプを用いて吐出された燃料が、第1の低圧ポートを介して高圧燃料ポンプに案内されることを、特に高圧燃料ポンプに供給されることを意味する。この場合は、低圧燃料ポンプを用いて吐出され高圧燃料ポンプの第1の低圧ポートを介して供給された燃料が、第2の低圧ポートを介して高圧燃料ポンプから第2の噴射装置の方向に、または第2の噴射装置に吐出される。
【0008】
その他に高圧燃料ポンプは、ポンプハウジングを備えている。さらに、高圧燃料ポンプは、ポンプハウジング内に少なくとも部分的に配置されかつポンプハウジングに対して相対的に移動可能な、高圧燃料ポンプからの燃料を第1の噴射装置に吐出するための少なくとも1つの吐出要素を備えている。この吐出要素は、例えば、ポンプハウジングに対して並進移動可能なピストンとして構成されている。
【0009】
さらに、高圧燃料ポンプは、圧縮チャンバを備えており、圧縮チャンバの容積は、吐出要素の移動によって可変である。例えば、圧縮チャンバはポンプハウジング内に配置されている。吐出要素を用いて圧縮チャンバ内の燃料は圧縮または圧力をかけられる。
【0010】
さらに、高圧燃料ポンプは、少なくとも1つの低圧チャンバを備えており、この低圧チャンバには、高圧燃料ポンプに第1の低圧ポートを介して供給された燃料の少なくとも一部を供給可能である。換言すれば、第1の低圧ポートに通流する燃料の少なくとも一部は、低圧チャンバ内に流入可能である。
【0011】
その他に、高圧燃料ポンプは、吐出要素の圧縮チャンバとは反対側に配置されかつその容積が吐出要素の移動によって可変でありかつ圧縮チャンバからの燃料を収集するための収集チャンバを備えている。例えば、漏れに基づいた圧縮チャンバからの燃料は、収集チャンバ内に流入し、収集チャンバを用いて収集することが可能である。この収集チャンバの容積は、吐出要素の移動によって可変である。その際収集チャンバは、低圧チャンバと流体連通する。
【0012】
さらに、国際公開第2012/004084号には、少なくとも1つの低圧噴射装置に対して少なくとも間接的に吐出する低圧吐出装置を備えた内燃機関用の燃料システムが開示されている。この燃料システムはさらに、駆動領域と吐出領域とを有し、少なくとも1つの高圧噴射装置に対して少なくとも間接的に吐出する、燃料用の高圧吐出装置を備えている。ここでは、まず燃料が、低圧吐出装置から高圧吐出装置の駆動領域に吐出され、そこからさらに低圧噴射装置および/または高圧吐出装置の吐出領域に吐出されることが想定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、冒頭に述べたような形式の高圧燃料ポンプおよび燃料供給装置を、内燃機関への燃料のとりわけ好ましい供給が実現可能となるようにさらに開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、請求項1の特徴を有する高圧燃料ポンプと、請求項12の特徴を有する燃料供給装置とによって解決される。本発明の合目的な発展形態を有する好ましい実施形態は、残りの請求項に記載されている。
【0015】
請求項1の上位概念に記載された形式の高圧燃料ポンプを、内燃機関への燃料、特に液体燃料のとりわけ好ましい供給が実現できるようにさらに開発するために、本発明によれば、特に燃料が低圧燃料ポンプおよび/または高圧燃料ポンプを用いて吐出される間に、第1の低圧ポートを通流する燃料の少なくとも一部が、第1の低圧ポートから収集チャンバを迂回して第2の低圧ポートに流れ、第2の低圧ポートを通流する。この迂回はバイパスとも称され、これによって燃料の少なくとも一部が、第1の低圧ポートから第2の低圧ポートへ流れ、その際に収集チャンバをバイパスする。
【0016】
迂回するまたはバイパスするとは、燃料の少なくとも一部が第1の低圧ポートから第2の低圧ポートに通流するが、ただしその際には収集チャンバを通流するのではなく、少なくとも一部は収集チャンバのそばを通過して第1の低圧ポートから第2の低圧ポートに通流することを意味するものと理解されたい。好ましくは、第1の低圧ポートから第2の低圧ポートに通流する燃料の少なくとも大半は、収集チャンバを迂回することが想定される。第1の低圧ポートから第2の低圧ポートに通流し、その際には収集チャンバを迂回する燃料は例えば低圧チャンバを通流する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、ポンプハウジングは高圧燃料ポンプの第1の構成要素であり、この場合高圧燃料ポンプは、ポンプハウジングとは別個に構成されかつポンプハウジングに保持された第2の構成要素を含んでおり、この第2の構成要素は、例えば高圧燃料ポンプのカバーとして構成されている。2つの低圧ポートは、この場合複数の構成要素のうちの1つに配置されている。これにより、内燃機関への燃料、特に液体燃料のとりわけ好ましい供給を実現することができる。なぜなら高圧燃料ポンプを通る燃料の好適通流案内を示すことができるからである。換言すれば、高圧燃料ポンプによって吐出された燃料は、高圧燃料ポンプをとりわけ好適に通流することができ、すなわち第1の低圧ポートから第2の低圧ポートに、そしてさらに第2の噴射装置に流れる。
【0018】
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、低圧ポートが接続領域を介して相互に流体連通しており、この場合この接続領域は、複数の構成要素のうちの1つの内側に配置されている。これにより、高圧燃料ポンプの所要構造空間を低く抑えることができる。代替的に、接続領域を複数の構成要素の外側に配置することも考えられ、これによって燃料を好適な通流で案内することを示すことができる。複数の構成要素のうちの1つの内側に接続領域を配置構成することにより、例えば、燃料が第1の低圧ポートから第2の低圧ポートに、そして引き続き第2の噴射装置に流れる経路を、とりわけ少なく抑えることが可能になる。これによって、内燃機関への燃料の特に好ましい供給を示すことができる。
【0019】
さらに別の実施形態は、第1の低圧ポートを通流する燃料を第1の部分流と第2の部分流とに分割することができる少なくとも1つの分流要素が設けられていることによって優れている。この場合複数の部分流のうちの少なくとも1つは、第1の低圧ポートから収集チャンバを迂回して第2の低圧ポートに流れ、当該第2の低圧ポートを通流している。これにより、内燃機関、特に第2の噴射装置は、少なくとも実質的に直接的な経路で、またはとりわけ短い経路で、高圧燃料ポンプによって吐出された燃料を供給することができる。
【0020】
ここでは、第1の部分流が、第1の低圧ポートから収集チャンバを迂回して第2の低圧ポートに流れ、当該第2の低圧ポートを通流し、第2の部分流は、第1の低圧ポートから収集チャンバに流れ、当該収集チャンバを通って引き続き第2の低圧ポートに流れ、当該第2の低圧ポートを通流する場合がとりわけ好ましいものとして示された。これにより一方では、内燃機関、特に第2の噴射装置に、第1の部分流をとりわけ好ましく供給することが可能になる。第2の部分流を用いることで、高圧燃料ポンプのとりわけ効果的でかつ効率的な冷却を実現することができ、これによって高圧燃料ポンプの過熱を回避することができるようになる。これにより、内燃機関への燃料の供給を保証することができる。なぜなら、高圧燃料ポンプの故障のリスクをとりわけ低く抑えることができるからである。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態では、分流要素は、少なくとも部分的に複数の構成要素の外側に配置されており、さらに燃料を複数の構成要素の外側に配置された少なくとも1つの箇所において複数の部分流に分割するように構成されている。このことは、燃料が複数の構成要素の上流側で既に分割されていることを意味し、そのため一方では内燃機関への燃料の効果的な供給を示すことができ、他方では高圧燃料ポンプの効果的な冷却を示すことができる。これにより、全体として、内燃機関への燃料の好ましい供給を保証することができる。
【0022】
さらに別の実施形態は、第1の低圧ポートおよび/または第2の低圧ポートは、2つの低圧ポートが配置されている、1つの構成要素と一体的に構成されていることによって優れている。これにより、部品数と共に高圧燃料ポンプのコストを低く抑えることができる。さらに、内燃機関への燃料の好ましい供給を保証することができる。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態では、第1の低圧ポートおよび/または第2の低圧ポートは、1つの構成要素とは別個に構成されかつ1つの構成要素に配置された構成部品によって形成されていることが想定される。これにより、高圧燃料ポンプの簡単でかつ低コストの製造または取り付けを実現することができる。さらに、燃料をとりわけ好適な通流で案内することができる。
【0024】
高圧燃料ポンプの部品数をとりわけ低く抑え、ならびに燃料を好適な通流で特に高圧燃料ポンプを通って案内するために、本発明のさらに別の実施形態では、低圧ポートは、相互に一体的に構成されることが想定される。
【0025】
さらに別の実施形態では、低圧ポートは、相互に別個に構成されかつ相互に少なくとも間接的に、特に直接的に、接続された構成部品によって形成されることが想定される。これにより、特に高圧燃料ポンプを通る燃料のとりわけ好ましい好適な通流で案内することを示すことができる。
【0026】
最後に、低圧ポートを各通流方向に沿って燃料が通流可能であり、この場合これらの通流方向は相互に平行にまたは斜めに延びている場合にとりわけ有利であることが示された。これにより、燃料の、特にその通流の過度に強い偏向が回避でき、これによって通流損失をとりわけ低く抑えることができる。
【0027】
請求項12の上位概念に記載された形式の燃料供給装置を、内燃機関への燃料のとりわけ好ましい供給が実現可能となるようにさらに開発するために、本発明によれば、第1の低圧ポートを通流する燃料の少なくとも一部が、第1の低圧ポートから収集チャンバを迂回して第2の低圧ポートに流れ、当該第2の低圧ポートを通流することが想定される。本発明による高圧燃料ポンプの利点および好ましい実施形態は、本発明による燃料供給装置の利点および好ましい実施形態と見なすことができ、その逆も成り立つ。
【0028】
この場合好ましくは、本発明による燃料供給装置の高圧燃料ポンプが、本発明による高圧燃料ポンプであることが想定される。
【0029】
本発明には車両、特に自動車、例えば乗用車なども含まれ、この場合この車両は、少なくとも1つの本発明による高圧燃料ポンプおよび/または少なくとも1つの本発明による燃料供給装置を有する。本発明による高圧燃料ポンプおよび本発明による燃料供給装置の利点および好ましい実施形態は、本発明による車両の利点および好ましい実施形態と見なすことができ、その逆も成り立つ。
【0030】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、好ましい実施例および図面に基づく以下の説明から明らかになる。本明細書において前述した特徴および特徴の組み合わせならびに以下の図面の説明において述べられかつ/または図中に単独で示される特徴および特徴の組み合わせは、それぞれ示された組み合わせにおいてのみではなく、所定の組み合わせにおいてもまたは単独においても、本発明の権利範囲を逸脱することなく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】高圧燃料ポンプの第1の低圧ポートを通流する燃料の少なくとも一部が第1の低圧ポートから収集チャンバを迂回して高圧燃料ポンプの第2の低圧ポートに流れ、当該第2の低圧ポートを通流する、内燃機関用の第1の実施形態による高圧燃料ポンプの概略断面図
図2】第2の実施形態による高圧燃料ポンプの概略断面図
図3】第3の実施形態による高圧燃料ポンプの概略断面図
図4】第4の実施形態による高圧燃料ポンプの概略断面図
図5】第5の実施形態による高圧燃料ポンプの概略断面図
図6】第6の実施形態による高圧燃料ポンプの概略断面図
図7】第7の実施形態による高圧燃料ポンプの概略断面図
図8】第1の実施形態による高圧燃料ポンプを備える、自動車の内燃機関に燃料を供給するための燃料供給装置の概略図
【発明を実施するための形態】
【0032】
これらの図面において、同一の要素または機能的に同じ要素には同じ参照番号が付されている。
【0033】
図1は、第1の実施形態による、全体として符号10が付された高圧燃料ポンプ10の概略的断面図を示す。図8と合わせて見ると、この高圧燃料ポンプ10は、内燃機関に燃料、特に液体燃料を供給可能であるかまたは供給する、全体として符号12が付された燃料供給装置の構成部品であることが認識できる。この燃料は、例えばディーゼル燃料またはガソリンであってもよい。内燃機関は、例えば自動車、特に乗用車を駆動するのに使用され、内燃機関は往復動内燃機関として構成されていてもよい。
【0034】
内燃機関は、シリンダ形状の複数の燃焼室を有し、これらの燃焼室に燃料が供給される。さらに、これらの燃焼室には空気が供給され、これによって各燃焼室では空気と燃料とから燃料空気混合気が生じる。この燃料空気混合気が燃焼され、その結果として内燃機関の排気ガスが生じる。
【0035】
各燃焼室には少なくとも1つの排気管路が対応付けられており、排気管路を介して排気ガスを燃焼室から排出することができる。排気管路には、排気バルブの形態の少なくとも1つのガス交換バルブが対応付けられており、排気バルブは、閉鎖位置と少なくとも1つの開放位置との間で移動可能である。閉鎖位置では、排気管路は、排気バルブを用いて流体遮断され、これによって排気ガスは、燃焼室から排気管路に通流することができなくなる。開放位置では、排気バルブが排気管路を開放し、これによって排気ガスが燃焼室から排気通路に通流することができる。
【0036】
さらに、各燃焼室には少なくとも1つの吸気管路が対応付けられており、吸気管路を介して空気を燃焼室に供給することができる。吸気管路には、吸気バルブの形態の少なくとも1つのガス交換バルブが対応付けられており、吸気バルブは、閉鎖位置と少なくとも1つの開放位置との間で調節可能である。閉鎖位置では、吸気管路は、吸気バルブを用いて流体遮断され、これによって空気は、吸気管路から燃焼室に通流することができなくなる。開放位置では、吸気バルブが吸気管路を開放し、これによって空気が吸気管路を貫流して、吸気管路から燃焼室内に通流することができる。
【0037】
燃料供給装置12は第1の噴射装置14を備えており、第1の噴射装置14は、例えば高圧噴射装置として構成されている。各燃焼室には、第1の噴射装置14の噴射弁16が対応付けられている。第1の噴射装置14は、燃料直接噴射を生じさせるように構成されている。燃料直接噴射は直接噴射とも称される。この直接噴射の枠内では、燃料が各噴射弁16を用いて各燃焼室に、特にシリンダ内に直接噴射される。第1の噴射装置14は、噴射弁16に共通の燃料分配要素18を備えており、噴射弁16は、燃料分配要素18を介して燃料を供給可能である。燃料分配要素18はレールとも称され、燃料分配要素18は、第1の噴射装置14が高圧噴射装置として構成されている場合、高圧レールと称される。第1の噴射装置14を用いて、燃料は、例えば第1の圧力で燃焼室に噴射され、例えばこの第1の圧力を有する燃料が燃料分配要素18に収容可能であり、第1の圧力で噴射弁16に供給可能である。
【0038】
燃料供給装置12は、第1の噴射装置14に対してさらに付加的に設けられた第2の噴射装置20を備えており、第2の噴射装置20は、例えば低圧噴射装置として構成されている。第2の噴射装置20はここでは燃料吸気管噴射を生じさせるように構成されている。燃料吸気管噴射は、吸気管噴射とも称される。ここでは、各燃焼室に、第2の噴射装置20の少なくとも1つの噴射弁22が対応付けられている。
【0039】
燃焼室には空気が例えば内燃機関の吸気系を介して供給され、これによって吸気系は空気が通流可能である。吸気系は、例えば吸気管を備えており、吸気管は、吸気モジュールまたは空気分配器とも称される。さらに、吸気系は、吸気管路を備えることができる。
【0040】
吸気管噴射では、燃料が各噴射弁22を用いて各燃焼の上流側に配置された箇所において、内燃機関に、特に吸気系にもたらされ、特に噴射される。換言すれば、燃料が各噴射弁22を用いて噴射される箇所は、燃焼室の上流側に、特に吸気系に配置される。この箇所は、例えば吸気管または吸気管路に配置されてもよい。特に、燃料が各噴射弁22を用いて噴射可能である各箇所は、各吸気バルブの上流側に配置される。
【0041】
第2の噴射装置20も、噴射弁22に共通の燃料分配要素24を備えており、燃料分配要素24を介して噴射弁22には燃料が供給可能である。ここでは、燃料分配要素24もレールと称される。第2の噴射装置20は、例えば低圧噴射装置として構成されているので、燃料分配要素24は低圧レールとも称される。第2の噴射装置20を用いて、燃料は、例えば第1の圧力よりも低い第2の圧力で噴射可能である。ここでは、第2の圧力を有する燃料を、例えば燃料分配要素24に収容または蓄積可能であり、第2の圧力で噴射弁22に供給可能である。燃料供給装置12はさらに、内部に特に液体燃料が収容可能であるタンク26を備えている。
【0042】
図8からは、第1の噴射装置14に燃料を供給するのに高圧燃料ポンプ10が使用されることが認識可能である。換言すれば、第1の噴射装置14は、高圧燃料ポンプ10を用いて燃料を供給する。この燃料は、例えば高圧燃料ポンプ10を用いて圧縮されまたは圧力をかけられ、これによって例えば高圧燃料ポンプ10を用いて前述した燃料の第1の圧力が生じ得るまたは生じる。換言すれば、燃料は高圧燃料ポンプ10を用いて第1の圧力で第1の噴射装置14に吐出される。
【0043】
燃料供給装置12は、高圧燃料ポンプ10に対してさらに付加的に設けられた、タンク26から高圧燃料ポンプ10に燃料を吐出するための低圧燃料ポンプ28を備えている。換言すれば、燃料は低圧燃料ポンプ28を用いてタンク26から高圧燃料ポンプ10に吐出される。例えば燃料は、低圧燃料ポンプ28を用いて第3の圧力で吐出される。すなわち、例えば低圧燃料ポンプ28を用いて燃料の第3の圧力が生じる。この場合、燃料は、低圧燃料ポンプ28を用いて第3の圧力で高圧燃料ポンプ10に吐出される。ここでは、この第3の圧力は、第2の圧力に相応し得る。そのため、例えば燃料の第2の圧力は、低圧燃料ポンプを用いて生じ得る。換言すれば、低圧燃料ポンプ28は、例えば燃料を、第2の圧力で吐出することができる。
【0044】
図1および図8からは、高圧燃料ポンプ10が第1の低圧ポート30を備えていることが認識可能であり、この第1の低圧ポート30は、燃料が通流可能な第1の管路32を有している。第1の低圧ポート30を介して高圧燃料ポンプ10は、低圧燃料ポンプ28と流体連通されており、これによって高圧燃料ポンプ10は、第1の低圧ポート30を介して、特に第1の管路32を介して、低圧燃料ポンプ28を用いて吐出された燃料が、特に第2または第3の圧力で、低圧燃料ポンプ28から供給可能でありまたは供給される。この供給は、図1中に方向矢印34によって示されている。燃料は、高圧燃料ポンプ10の第1の低圧ポート30または第1の管路32を介して供給されるので、第1の低圧ポート30は入口とも称される。
【0045】
高圧燃料ポンプ10はさらに、少なくとも1つの第2の低圧ポート36を備えており、第2の低圧ポート36は、燃料が通流可能な第2の管路38を有している。第2の低圧ポート36または第2の管路38は、低圧燃料ポンプ28を用いて吐出され入口(第1の低圧ポート30)を介して高圧燃料ポンプ10に案内された燃料を、特に第2または第3の圧力で、高圧燃料ポンプから第2の噴射装置20に、特に燃料分配要素24に案内するために使用される。これにより、燃料を第2または第3の圧力で、燃料分配要素24に収容または蓄積可能になる。
【0046】
図8からは、第2の噴射装置20、特に燃料分配要素24が、第2の低圧ポート36を介して高圧燃料ポンプ10と流体連通していることが認識可能であり、これによって、まず高圧燃料ポンプ10の入口を介して供給された燃料が、第2の低圧ポート36を介して燃料分配要素24に供給可能であるかまたは供給される。これにより、第3の圧力または第2の圧力を有する燃料が第1の低圧ポート30または第1の管路32に通流する。換言すれば、第1の低圧ポートまたは第1の管路32内の燃料は、例えば低圧燃料ポンプ28を用いて生じた第3の圧力を有しており、この第3の圧力は第2の圧力に相応し得る。さらに、第2の圧力を有する燃料は、第2の低圧ポート36または第2の管路38を通流する。換言すれば、第2の低圧ポート36または第2の管路38内の燃料は、第2の圧力を有する。
【0047】
高圧燃料ポンプ10は低圧チャンバ40を有しており、低圧チャンバ40は、入口(第1の低圧ポート30)を介して高圧燃料ポンプ10に供給された燃料の少なくとも一部が通流可能である。
【0048】
さらに、高圧燃料ポンプ10は、ポンプハウジング42の形態の第1の構成要素を備えている。その他に、高圧燃料ポンプ10は、入口を介して高圧燃料ポンプ10に供給された燃料の少なくとも一部を吐出するための吐出要素を備えており、この吐出要素は本明細書ではピストン44として構成されている。ピストン44は、吐出ピストンとも称され、ピストン44は、本明細書では第1の長さ領域46と、それに接続する第2の長さ領域48とを有している。長さ領域46は第1の外周面を有し、長さ領域48は、第1の外周面よりも小さい第2の外周面を有している。これらの長さ領域46および48は、好ましくは相互に一体的に構成されている。これらの長さ領域は、異なる外周面を有しているので、ピストン44は段差を有する。これにより、ピストン44は段差ボルトとして構成される。
【0049】
それに対して代替的に、これらの長さ領域46および48が同じ外周面を有し、そのためピストン44は段差を有さないことも考えられる。
【0050】
ピストン44は、少なくとも部分的にポンプハウジング42内に配置され、その際ポンプハウジング42に対して相対的に移動可能である。ピストン44は、本明細書ではポンプハウジング42に対して並進移動可能である。ポンプハウジング42に対して相対的なピストン44の並進移動性は、図1中に双方向矢印50によって示されている。ピストン44の第1の側には、図1中にとりわけ概略的に示された高圧燃料ポンプ10の圧縮チャンバ52が示されており、圧縮チャンバ52は、例えばポンプハウジング42内に配置されている。ポンプハウジング42に対して相対的でかつひいては圧縮チャンバ52に対して相対的なピストン44の並進移動により、圧縮チャンバ52の容積を変更することができる。
【0051】
高圧燃料ポンプ10は、さらにカバー54の形態の第2の構成要素を備え、カバー54は、ポンプハウジング42とは別個に構成されかつポンプハウジング42と接続され、またはポンプハウジング42に保持される。
【0052】
さらに、図1にとりわけ概略的に示されているカム56の形態の駆動要素が設けられており、駆動要素56を用いてピストン44がポンプハウジング42に対して相対的に、本明細書ではカバー54の方向に移動可能である。ここでは高圧燃料ポンプ10は、図1には示されていない少なくとも1つのばね要素を備えており、このばね要素は、カバー54方向へのピストン44の移動によって負荷をかけられる。ばね要素を用いて、ピストン44は、カバー54からカム56の方向に戻されるように移動し、特にばね要素の緩和によってカム56によって支持された接触状態に保持される。カバー54方向へのピストン44の移動によって、圧縮チャンバ52の容積が減少し、これによって圧縮チャンバ52内に収容された燃料が圧縮または圧搾され、すなわち圧力をかけられる。
【0053】
ピストン44がカバー54から離れる移動により、圧縮チャンバ52の容積が増大し、これによって燃料が圧縮チャンバ52内に吸入される。ここでは特に、圧縮チャンバ52が低圧チャンバ40と流体連通可能かまたは流体連通されることが想定され、これによってピストン44を用いて燃料が低圧チャンバ40から圧縮チャンバ52内に吸入可能であるかまたは吸入される。
【0054】
低圧チャンバ40から圧縮チャンバ52への吸入に伴い通流する燃料は、高圧燃料ポンプ10の入口を介して供給された燃料の少なくとも一部である。なぜなら、高圧燃料ポンプ10の入口を介して供給された燃料の少なくとも一部は低圧チャンバ40に流入するからであり、そこからピストン44を用いて圧縮チャンバ52内に吸入することができる。
【0055】
燃料を圧搾または圧縮することにより、高圧燃料ポンプ10を用いて燃料の第4の圧力を生じさせ、または設定することができる。第4の圧力は、第2および第3の圧力よりも高い。例えば、第4の圧力は第1の圧力に相応し、そのため第1の噴射装置14、特に燃料分配要素18は、高圧燃料ポンプ10を用いて第1の圧力または第4の圧力で供給することができる。
【0056】
図8からは、高圧燃料ポンプ10が、図1には示されていない高圧ポート58を備え、高圧ポート58を介してピストン44を用いて圧縮または圧力をかけられた燃料が、圧縮チャンバ52から、第1の噴射装置14に、特に燃料分配要素18に供給可能であることが認識できる。このことは、第1の噴射装置14、特に燃料分配要素18が、高圧ポート58を介して高圧燃料ポンプ10と流体連通していることを意味する。ここでは燃料は、第4の圧力で高圧ポート58を通流する。換言すれば、高圧ポート58内の燃料は、第2および第3の圧力よりも実質的に高い第4の圧力を有している。
【0057】
図1には点線が示されており、これに基づいて、第1の低圧ポート30から第2の低圧ポート36までの管路32およびしたがって第1の低圧ポート30を通流する燃料の少なくとも一部の可能な第1の通流が示されている。この第1の通流の枠内では、燃料は、少なくとも実質的には第1の低圧ポート30から第2の低圧ポート36へ直接通流し、そして第2の低圧ポート36または第2の管路38を通って通流する。ここでは、第1の通流は、ポンプハウジング42を迂回している。換言すれば、第1の通流は、ポンプハウジング42を通流しない。
【0058】
この点線に基づいて、次のことが認識できる。すなわち、入口を介して低圧チャンバ40内に流入した燃料の少なくとも一部が再び低圧チャンバ40から流出して第2の低圧ポート36に流れ、第2の低圧ポート36を介して高圧燃料ポンプ10から第2の噴射装置20まで燃料を通流または案内できることが認識できる。第2の低圧ポート36を通る第2の噴射装置20への燃料の通流は、図1中に方向矢印60で示されている。
【0059】
各燃焼室には第2の噴射装置20の噴射弁22が対応付けられているので、燃焼室の上流側に配置される複数の箇所が設けられ、それらの箇所に燃料が第2の噴射装置20を用いて噴射される。吸気管噴射のこの形式は、マルチ・ポート・インジェクション(MPI)とも称され、そのため第2の低圧ポート36はMPIポートとも称される。
【0060】
ここでは例えば、噴射装置14および20のうちの少なくとも1つ、特に第1の噴射装置14を、必要に応じて作動および作動停止させることが可能である。噴射装置14の作動状態では、燃料は噴射装置14を用いて直接燃焼室に噴射される。噴射装置14の作動停止状態では、噴射装置14によって生じさせる燃焼室内への燃料直接噴射は中断されたままである。ここでは、高圧燃料ポンプ10にも、噴射装置14の作動停止状態において入口を介して燃料が供給され、この燃料は、第4の圧力または第1の圧力よりも低い第3の圧力または第2の圧力を有している。入口を通流した燃料は、高圧燃料ポンプ10を用いて圧縮されないかまたはまだ高圧燃料ポンプ10を用いて圧縮されていないので、入口を通流した燃料は僅かな温度を有している。そのため、高圧燃料ポンプ10は、例えば、噴射装置14が作動停止している場合には、入口を介して高圧燃料ポンプ10に供給された燃料をその後用いても冷却される。この目的のために、燃料は、高圧燃料ポンプ10を通流し、これによってこの高圧燃料ポンプ10は冷却される。
【0061】
ピストン44の圧縮チャンバ52とは反対の側には、例えば収集チャンバとして機能するチャンバ62が設けられている。ピストン44は、例えば図1中では認識できないガイドを用いて案内される。漏れに基づいた圧縮チャンバ52からの燃料は、ピストンとガイドとの間を通って通流する可能性がある。この燃料は漏れ燃料とも称される。この漏れ燃料は、チャンバ62内に流入し、したがってこのチャンバ62を用いて収集される。好ましくは、チャンバ62が、少なくとも1つの接続管路を介して低圧チャンバ40と流体連通することが想定される。チャンバ62は、ポンプハウジング42に対する相対的なピストン44の移動によって可変である容積を有している。ピストン44が、特にばね要素を用いてカバー54から離れて移動すると、圧縮チャンバ52の容積は増加し、これによってチャンバ62の容積は減少する。これにより、例えば、チャンバ62内に収容された燃料は、当該チャンバ62から吐出され、特に、前述した流体連通部を介して低圧チャンバ40内に吐出される。
【0062】
ピストン44が、特にカム56を用いてカバー54の方向に移動すると、これにより圧縮チャンバ52の容積は減少し、したがってチャンバ62の容積が増加する。これにより、例えば、前述の流体連通部を介して燃料が、低圧チャンバ40からチャンバ62内に吸入される。既に前述したように、入口を介して高圧燃料ポンプ10に供給された燃料の少なくとも一部は、低圧チャンバ40内に通流可能である。なぜなら、入口は、特に第1の管路32は、低圧チャンバ40と流体連通されているからである。
【0063】
したがって、燃料は、チャンバ62と低圧チャンバ40との間のピストン44の移動により、往復するように吐出される。圧縮チャンバ52および/またはチャンバ62内への燃料の吸入によって、および圧縮チャンバ52および/またはチャンバ62からの燃料の吐出によって、燃料の脈動が生じ得る。ここでは、カバー54内に、少なくとも部分的に、前述した燃料の脈動を減衰させることができる減衰装置を配置することが考えられる。そのためカバー54は、例えばダンパーカバーとも称される。
【0064】
もちろん、入口とMPIポートとが入れ替わっていてもよいことが考えられるため、例えば低圧ポート36を入口として構成し、低圧ポート30をMPIポートとして構成することも考えられる。したがって、これによれば、例えば方向矢印34,60によって示される燃料の通流方向が逆になる。
【0065】
高圧燃料ポンプ10のコストと、ひいては燃料供給装置12のコストとを全体的にとりわけ低く抑えることができるようにするために、2つの低圧ポート30および36は複数の構成要素の1つに配置される。図1からは、2つの低圧ポート30および36がカバー54に配置されることが第1の実施形態において想定されていることが認識可能である。このことは、2つの低圧ポート30および36が、同じ構成要素に、特に直接保持されることを意味する。これらの低圧ポート30および36、特に管路32および38は、接続領域64を介して相互に流体連通されており、この接続領域64は、複数の構成要素のうちの1つの内側に配置されている。接続領域64を介して、燃料は、管路32から管路38に通流することができる。
【0066】
第1の低圧ポート30は、カバー54と一体的に構成することが可能である。代替的または付加的に、第2の低圧ポート36をカバー54と一体的に構成することが可能である。さらに、第1の低圧ポート30は、カバー54とは別個に構成されかつカバー54に配置された、特に保持された構成部品によって形成されることが可能である。代替的または付加的に、第2の低圧ポート36は、カバー54とは別個に構成されかつカバー54に配置された、特に保持された構成部品によって形成されることが可能である。その上、これらの低圧ポート30および36は、相互に一体的に構成されることも可能である。さらに、これらの低圧ポート30および36は、相互に別個に構成されかつ少なくとも間接的に、特に直接的に、相互に接続された構成部品によって形成されることが考えられる。
【0067】
低圧ポート30は、方向矢印34によって示される通流方向に沿って燃料が通流可能である。さらに、低圧ポート36は、方向矢印60によって示される第2の通流方向に沿って燃料が通流可能である。これらの通流方向は、相互に斜めに、平行にまたは垂直に延びることが可能である。
【0068】
内燃機関への燃料のとりわけ好ましい供給を実現するために、図1中で点線に基づいて認識可能であるように、第1の低圧ポート30、特に第1の管路32を通流する燃料の少なくとも一部は、第1の低圧ポート30、特に第1の管路32から、収集チャンバ(チャンバ62)を迂回して第2の低圧ポート36、特に第2の管路38に流れ、第2の低圧ポート36、特に第2の管路38を通流する。
【0069】
図1からは、収集チャンバ(チャンバ62)を迂回するとは、チャンバ62を迂回する燃料の一部が、チャンバ62を通って流れるのではなく、燃料の一部が少なくとも実質的に第1の低圧ポート30から低圧チャンバ40を通って低圧ポート36に流れ、その後でさらに第2の噴射装置20に直接流れることを意味するものと解されることが認識できる。
【0070】
換言すれば、第1の低圧ポート30を通流する燃料の少なくとも1つの流れが設けられ、この少なくとも1つの流れは、低圧ポート30から低圧チャンバ40を通って低圧ポート36に流れ、その際にはチャンバ62を迂回する、すなわちバイパスする。
【0071】
図1に示す第1の実施形態では、第1の管路32を通流する燃料の少なくとも大半が、第1の低圧ポート30から低圧チャンバ40を通って第2の低圧ポート36に流れ、その際にはチャンバ62を迂回することが想定される。さらに、この第1の実施形態では、2つの低圧ポートがカバー54に配置されている。
【0072】
第1の実施形態ではさらに、方向矢印34および60に基づいて認識できるように、管路32および38を通流する燃料の通流方向は、少なくとも実質的に相互に垂直に延び、または少なくとも実質的に90度の角度を囲むことが想定される。
【0073】
図2は、高圧燃料ポンプ10の第2の実施形態を示している。第2の実施形態は、特に、管路32および38を通流する燃料の通流方向が実質的に相互に平行に延び、ここでは一致している点で、第1の実施形態とは異なっている。
【0074】
図3は、高圧燃料ポンプ10の第3の実施形態を示している。第2の実施形態では、管路32および38を通流する燃料の通流方向は、ピストン44の移動方向に対して少なくとも実質的に垂直に延びており、ピストン44は、ポンプハウジング42に対して相対的なそれらの移動方向に沿って並進移動可能である。これに対して、第3の実施形態では、管路32および38を通流する燃料の各通流方向が、少なくとも実質的にピストン44の移動方向に対して平行に延びることが想定されている。この場合、第3の実施形態でも、2つの低圧ポート30および36はカバー54に配置されている。
【0075】
図4は、高圧燃料ポンプ10の第4の実施形態を示している。第4の実施形態でも、2つの低圧ポート30および36はカバー54に配置されている。第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態とは対照的に、管路32および38を通流する燃料の通流方向は、相互に垂直にも平行にも延びているのではなく、相互に斜めに延びている。その上、高圧燃料ポンプ10では、低圧ポート30および36が、すなわち管路32および38が接続領域64を解して相互に流体連通していることが想定される。この接続領域64は、2つの構成要素のうちの1つに、本明細書ではカバー54に配置されている。
【0076】
図5は、高圧燃料ポンプ10の第5の実施形態を示している。第5の実施形態は、特に、第1の低圧ポート30が複数の構成要素のうちの第1の構成要素に、本明細書ではカバー54に配置され、第2の低圧ポート36は複数の構成要素のうちの第2の構成要素に、本明細書ではポンプハウジング42に配置されている点で、第1、第2、第3および第4の実施形態とは異なっている。第5の実施形態でも、燃料の少なくとも一部は、低圧ポート30から低圧チャンバ40を通って低圧ポート36に流れ、その際には収集チャンバ62を迂回することが想定されている。
【0077】
図6は、高圧燃料ポンプ10の第6の実施形態を示している。第6の実施形態では、点線によって示す第1の通流が発生する可能性がある。図6からは、この第1の通流が、第1の低圧ポート30から第2の低圧ポート36に延び、その際にはチャンバ62を迂回し、カバー54によって形成された低圧チャンバ40を通って延びていることが認識できる。図6には示されていない接続領域64は、ここではポンプハウジング42の外側で、カバー54内に、特に低圧チャンバ40内に配置されている。
【0078】
第1の通流に対して代替的に、実線によって示す燃料の第2の通流が発生する可能性がある。この第2の通流は、第1の低圧ポート30から第2の低圧ポート36に流れ、その際には低圧チャンバ40もチャンバ62も迂回する。これにより、第2の通流は、少なくとも実質的に直接、そしてその際には低圧チャンバ40もチャンバ62も迂回して、低圧ポート30から低圧ポート36に流れる。この場合、接続領域64は、例えばポンプハウジング42内にそしてカバー54の外側に配置される。
【0079】
最後に図7は、高圧燃料ポンプ10の第7の実施形態を示している。第7の実施形態では、少なくとも1つの分流要素66が設けられており、分流要素66を用いて、第1の低圧ポート30、特に第1の管路32を通流する燃料が、第1の部分流68と第2の部分流70とに分割可能または分割される。さらに、第7の実施形態では、第1の低圧ポート30が、複数の構成要素とは別個に構成されかつ本明細書ではポンプハウジング42に配置される構成部品によって形成されることが想定される。この場合、第1の部分流68は、第1の低圧ポート30から、チャンバ62を迂回して、低圧チャンバ40を通って第2の低圧ポート36に流れ、第2の低圧ポート36を通流する。これに対して、第2の部分流70は、第1の低圧ポート30からチャンバ62に流れ、収集チャンバ62を通り、それに続いて低圧チャンバ40を通り、最後に第2の低圧ポート36に流れ、第2の低圧ポート36を通流する。
【0080】
ここでは、低圧チャンバ40の上流または外側で、分流要素66を用いて相互に分離された部分流68および70が、第2の管路38の上流の低圧チャンバ40内で混合されることを想定してもよい。図7に示されている、低圧チャンバ40内で行われる部分流68および70の混合に対して代替的に、部分流68および70が、例えばポンプハウジング42内で、特にMPIポートの直前で混合されることを想定してもよい。
【0081】
分流要素66は、この場合複数の構成要素の外側に配置され、複数の構成要素の外側に配置された少なくとも1つの箇所72において、燃料を複数の部分流68および70に分割するように構成されている。このことは、燃料が、複数の構成要素の外側に配置された箇所72において分流要素66を用いて複数の部分流68および70に分割されることを意味する。したがって、複数の部分流68および70への燃料の分割は、既に複数の構成要素の上流側で、特にポンプハウジング42の上流側で、すなわち燃料がポンプハウジング42内およびカバー54内に流入する前に行われる。これにより、例えば体積流量として構成される複数の部分流68および70への燃料の分離は、ポンプハウジング42内ではなく、ポンプハウジング42の外側で行われ、この場合、複数の部分流68および70への燃料の分離は、本明細書では第1の低圧ポート30内または第1の低圧ポート30を形成する構成部品内で行われる。
図1
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図5
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図7
図8
【国際調査報告】