(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-534782(P2018-534782A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】イメージセンシングチップパッケージ構造および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20181026BHJP
H01L 25/065 20060101ALI20181026BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20181026BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20181026BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20181026BHJP
【FI】
H01L23/12 501B
H01L25/08 Z
H01L31/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-523467(P2018-523467)
(86)(22)【出願日】2016年11月22日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月8日
(86)【国際出願番号】CN2016106768
(87)【国際公開番号】WO2017088729
(87)【国際公開日】20170601
(31)【優先権主張番号】201510845832.8
(32)【優先日】2015年11月27日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520964409.5
(32)【優先日】2015年11月27日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518140391
【氏名又は名称】チャイナ ウェーハ レベル シーエスピー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジチィ
(72)【発明者】
【氏名】シェン ジジエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジィアウエイ
【テーマコード(参考)】
5F849
【Fターム(参考)】
5F849AA15
5F849BA25
5F849BA28
5F849BB03
5F849JA09
5F849JA10
5F849XB02
(57)【要約】
イメージセンシングチップパッケージ構造および方法。イメージセンシングチップパッケージ構造(1)はイメージセンシングチップ(10)と、イメージセンシングチップ制御用の制御チップ(20)と、第1の基板(11)と、第2の基板(21)を備えている。イメージセンシングチップは第1の基板に電気的に接続されている。制御チップは第2の基板に電気的に接続されている。第1の基板は第2の基板の上方に設けられ、第2の基板に電気的に接続されている。イメージセンシングチップのパッケージングに積層パッケージング技術を応用することで、イメージセンシングチップのパッケージ構造の小サイズ化、およびイメージセンシングチップの集積度の向上が図れる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサチップと、
前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップと、
前記イメージセンサチップに電気的に接続されている第1の基板と、
前記制御チップに電気的に接続されている第2の基板とを備え、
前記第1の基板は、前記第2の基板の上方に積み重ねられるとともに、前記第2の基板に電気的に接続されているイメージセンサチップパッケージ。
【請求項2】
前記イメージセンサチップと前記制御チップとの両方が、前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられている、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項3】
前記イメージセンサチップの一方の面に感光領域と、この感光領域以外の領域に接触パッドとが設けられており、この接触パッドは前記第1の基板に電気的に接続されており、前記第1の基板は前記第1の基板を貫通する開口を有し、前記感光領域がこの開口から露出している、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項4】
前記イメージセンサチップの他方の面に黒色の接着剤層が設けられている、請求項3に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項5】
前記開口を覆う保護カバープレートをさらに備え、前記開口が前記保護カバープレートと前記イメージセンサチップとの間に配置されている、請求項3に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項6】
前記制御チップが糸はんだを介して前記第2の基板に電気的に接続されている、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項7】
前記第1の基板が第1のはんだバンプブロックを介して前記第2の基板に電気的に接続されている、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項8】
前記第2の基板の、前記第1の基板に電気的に接続されていない面に、第2のはんだバンプブロックが設けられている、請求項1に記載のイメージセンサチップパッケージ。
【請求項9】
イメージセンサチップと、前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップとを準備する工程と、
第1の基板を準備し、前記イメージセンサチップを前記第1の基板に電気的に接続する工程と、
第2の基板を準備し、前記制御チップを前記第2の基板に電気的に接続する工程と、
前記第2の基板の上方に前記第1の基板を積み重ね、前記第1の基板を前記第2の基板に電気的に接続する工程を含む、
イメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項10】
前記第1の基板を前記第2の基板の上方に積み重ねる際、前記イメージセンサチップと前記制御チップとの両方を、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置する、請求項9に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項11】
前記イメージセンサチップを前記第1の基板に電気的に接続する前に、前記第1の基板を貫通する開口を前記第1の基板に設ける工程をさらに含み、前記イメージセンサチップの一方の面には感光領域と、この感光領域以外の領域に接触パッドとが設けられており、前記イメージセンサチップを前記第1の基板に電気的に接続すると、前記感光領域が前記開口から露出する、請求項9に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項12】
前記開口を保護カバープレートで覆う工程をさらに含み、前記開口が前記保護カバープレートと前記イメージセンサチップとの間に設けられている、請求項11に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項13】
黒色の接着剤層を、コーティング法により、前記イメージセンサチップの他方の面にコーティングする工程をさらに含む、請求項11に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項14】
前記イメージセンサチップがフリップフロップ法により、前記第1の基板に電気的に接続されている、請求項9に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項15】
前記制御チップが、ワイヤボンディングにより前記第2の基板に電気的に接続されている、請求項9に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項16】
前記第1の基板または前記第2の基板に、第1のはんだバンプブロックが設けられており、前記第1の基板が、リフローはんだ付け法で前記第1のはんだバンプブロックを介して前記第2の基板に電気的に接続されている、請求項9に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【請求項17】
前記制御チップを前記第2の基板に電気的に接続する前に、第2のはんだバンプブロックを、前記第2の基板の、前記第1の基板に電気的に接続されていない面に設ける工程をさらに含む、請求項9に記載のイメージセンサチップのパッケージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2015年11月27日に中華人民共和国国家知的財産局に提出された「イメージセンシングチップパッケージ構造および方法」(IMAGE SENSING CHIP PACKAGING STRUCTURE AND METHOD)と題する中国特許出願No. 201510845832.8、および2015年11月27日に中華人民共和国国家知的財産局に提出された「イメージセンシングチップパッケージ構造」(IMAGE SENSING CHIP PACKAGING STRUCTURE)と題する中国特許出願No. 201520964409.5の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、半導体チップのパッケージ技術、特にイメージセンサチップのパッケージ技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
画像取得用の機能チップとしてのイメージセンサは、電子機器のカメラに通常用いられている。カメラフォンの急速および継続的な技術革新に伴い、イメージセンサチップに対する市場の需要は今後も増大し続けることが見込まれる。また、スカイプ(Skype)などのリアルタイムのコミュニケーションサービスの流行や、セキュリティ監視市場の成長や、地球規模の自動車エレクトロニクスの急速な技術革新なども、イメージセンサチップの大規模な発展を後押ししている。同時に、イメージセンサチップのパッケージ技術も急速に成長している。
【0004】
パッケージ・オン・パッケージ(POP)技術は、スマートフォンやタブレットコンピュータなどのモバイル機器のICパッケージ用に開発され、システムインテグレーションに応用可能な、よく用いられている三次元スタッキング技術の一つである。2007年にアップルがアイフォン(iPhone)を発表した際、iPhoneの中身が公開され、POP技術も公開された。それ以降POP技術中の極薄パッケージ技術は現在のパッケージ技術のホットスポットとなり、また市場の高集積化の要求にも合致するものである。
【0005】
このパッケージ・オン・パッケージ技術を、市場の要求を満たすようにイメージセンサチップのパッケージングにどのように応用するかが、当業者の技術的課題となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、パッケージ・オン・パッケージ技術をイメージセンサチップのパッケージングに応用した、新規なイメージセンサチップパッケージおよび新規なイメージセンサチップのパッケージ方法を提供する。本発明により、イメージセンサチップパッケージの小サイズ化およびイメージセンサチップの集積度の向上が図れる。
【0007】
本発明はイメージセンサチップパッケージを提供する。イメージセンサチップパッケージはイメージセンサチップと、前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップと、第1の基板と、第2の基板とを備えている。前記第1の基板は前記イメージセンサチップに電気的に接続され、前記第2の基板は前記制御チップに電気的に接続され、前記第1の基板は前記第2の基板の上方に設けられるとともに、前記第2の基板に電気的に接続されている。
【0008】
前記イメージセンサチップと前記制御チップの両方が、前記第1の基板と前記第2の基板の間に設けられている構成とすることができる。
【0009】
前記イメージセンサチップの一方の面に感光領域と、この感光領域以外の領域に接触パッドが設けられており、この接触パッドは前記第1の基板に電気的に接続されており、前記第1の基板は前記第1の基板を貫通する開口を有し、前記感光領域がこの開口から露出している構成を採用することができる。
【0010】
前記イメージセンサチップの他方の面に黒色の接着剤層が設けられている構成とすることができる。
【0011】
前記開口を覆う保護カバープレートをさらに備え、前記開口が前記保護カバープレートと前記イメージセンサチップの間に設けられている構成を採用することができる。
【0012】
前記制御チップが糸はんだを介して前記第2の基板に電気的に接続されている構成とすることができる。
【0013】
前記第1の基板が第1のはんだバンプブロックを介して前記第2の基板に電気的に接続されている構成を採用することができる。
【0014】
前記第2の基板の、第1の基板に電気的に接続されていない面に、第2のはんだバンプブロックが設けられている構成を採用することができる。
【0015】
本発明はさらにイメージセンサチップのパッケージ方法を提供する。この方法は、イメージセンサチップと、前記イメージセンサチップを制御するように構成されている制御チップとを準備する工程と;第1の基板を準備し、前記イメージセンサチップを前記第1の基板に電気的に接続する工程と;第2の基板を準備し、前記制御チップを前記第2の基板に電気的に接続する工程と;前記第2の基板の上方に前記第1の基板を積み重ね、前記第1の基板を前記第2の基板に電気的に接続する工程を含む。
【0016】
前記第1の基板を前記第2の基板の上方に積み重ねる際、前記イメージセンサチップと前記制御チップとの両方を、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置することができる。
【0017】
この方法は、前記イメージセンサチップを前記第1の基板に電気的に接続する前に、前記第1の基板を貫通する開口を前記第1の基板に設ける工程をさらに含んでいてもよい。その場合、イメージセンサチップの一方の面には感光領域と、この感光領域以外の領域に接触パッドとを設け、前記イメージセンサチップを前記第1の基板に電気的に接続したとき、前記感光領域が前記開口から露出するようにする。
【0018】
またこの方法は、前記開口を保護カバープレートで覆う工程をさらに含んでいてもよい。その場合、前記開口は前記保護カバープレートと前記イメージセンサチップとの間に配置される。
【0019】
この方法は、黒色の接着剤層を、コーティング法により、前記イメージセンサチップの前記他方の面にコーティングする工程をさらに含んでいてもよい。
【0020】
前記イメージセンサチップがフリップフロップ法により、前記第1の基板に電気的に接続される構成とすることができる。
【0021】
前記制御チップが、ワイヤボンディングにより前記第2の基板に電気的に接続されている構成とすることができる。
【0022】
前記第1の基板または前記第2の基板に、第1のはんだバンプブロックが設けられ、前記第1の基板が、リフローはんだ付け法で前記第1のはんだバンプブロックを介して前記第2の基板に電気的に接続される構成を採用することができる。
【0023】
この方法は、前記制御チップを前記第2の基板に電気的に接続する前に、第2のはんだバンプブロックを、前記第2の基板の、前記第1の基板に電気的に接続されていない面に設ける工程をさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0024】
パッケージ・オン・パッケージ技術をイメージセンサチップのパッケージングに応用した、本発明の実施例に係る新規なイメージセンサチップパッケージおよびイメージセンサチップのパッケージ方法によれば、イメージセンサチップパッケージの小サイズ化、およびイメージセンサチップの集積度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係るイメージセンサチップパッケージの概略図
【
図2(a)】本発明の実施形態に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
【
図2(b)】本発明の実施形態に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
【
図2(c)】本発明の実施形態に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
【
図2(d)】本発明の実施形態に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
【
図2(e)】本発明の実施形態に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
【
図2(f)】本発明の実施形態に係る、イメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。実施形態は本発明を限定することを意図したものではなく、実施形態に基づき当業者が行うことができる構造上、方法上、機能上の変形はすべて本発明の保護の範囲内と見なされる。
【0027】
また添付の図面は本発明の実施形態を理解しやすくすることのみを目的とするものであり、本発明を不当に限定するものと理解されるべきではない。より明確に発明を理解できるように、図面の縮尺比は実物とは異なっている。例えば部分的に拡大したり、縮小している場合がある。さらに、長さ、幅、及び深さを含む三次元のサイズは、実際の製品のものと理解すべきである。
【0028】
図1は、本発明の一の実施例のイメージセンサチップパッケージの概略図である。このイメージセンサチップパッケージ1は、イメージセンサチップ10と、制御チップ20と、第1の基板11と、第2の基板21とを備えている。イメージセンサチップ10は第1の基板11に電気的に接続されている。制御チップ20は第2の基板21に電気的に接続されている。第1の基板11は第2の基板21の上方に積み重ねられるとともに、第2の基板21に電気的に接続されている。このためイメージセンサチップのパッケージ・オン・パッケージ構造が形成される。
【0029】
このパッケージ・オン・パッケージ構造により、イメージセンサチップの集積度が向上し、パッケージのサイズを小さくすることができる。
【0030】
一つの実施形態では、イメージセンサチップ10は、少なくともイメージセンシングユニットを有する半導体チップである。前記イメージセンシングユニットとしてはCMOSセンサやCCDセンサを用いることができる。イメージセンサチップ10は、前記イメージセンシングユニットに接続される結合回路(associative circuit)をさらに備えていてもよい。
【0031】
制御チップ20はイメージセンサチップ10を制御する。制御チップ20は、電気信号を制御チップ20とイメージセンサチップ10との間で送信可能なものでさえあれば、すなわちここでいう「制御」が可能なものであれば、その機能は限定されない。
【0032】
実施形態のイメージセンサチップ10はCMOSセンサを備えた半導体チップであり、互いに反対側にある第1の面101と第2の面102とを有する。第1の面101には、感光領域103と、感光領域103以外の部分に接触パッド104とが設けられている。接触パッド104は、感光領域103に電気的に接続されている(接続部は
図1には示されていない)。
【0033】
イメージセンサチップ10は第1の基板11に電気的に接続されている。第1の基板11は第1のはんだ接合部を有し、はんだバンプスポット105が接触パッド104または前記第1のはんだ接合部に形成されている。はんだバンプスポット105は、金、スズ鉛合金、あるいは他の鉛フリー金属材料製とすることができる。接触パッド104はフリップチップ(flip-chip)法により、はんだバンプスポット105を介して前記第1のはんだ接合部に電気的に接続され、これによりイメージセンサチップ10は第1の基板11に電気的に接続されている。
【0034】
イメージセンサチップパッケージの厚みをさらに小さくし、集積度をさらに向上させるために、イメージセンサチップ10と制御チップ20との両方が、第1の基板11と第2の基板21との間に設けられている。
【0035】
実施形態では、イメージセンサチップ10の感光領域103と接触パッド104との両方が、イメージセンサチップ10の第1の面101上に設けられており、イメージセンサチップ10はフリップフロップ法により第1の基板11に電気的に接続されている。
感光領域103が外部の光線に反応するように、第1の基板11には開口106が形成されている。開口106は第1の基板11を貫通し、感光部103は開口106から露出している。
【0036】
光線との干渉を避けるために、黒色の接着剤層107が少なくともイメージセンサチップ10の第2の面102に設けられている。
図1に示すように、イメージセンサチップ10の第2の面102と側面とは、黒色の接着剤層107で被覆されている。
【0037】
開口106は、保護カバープレート108で覆われ、この保護カバープレート108とイメージセンサチップ10との間に位置している。このためイメージセンサチップ10は保護され、感光領域103がダストなどで汚染されるのを防いでいる。
【0038】
開口106は、シーリング材を介して保護カバープレート108によって覆われている。イメージセンサチップ10の第2の面102と側面とは、黒色の接着剤層107によって、密封状態で覆われており、これにより密封されたキャビティが保護カバープレート108と、開口106と、イメージセンサ10によって取り囲まれ、感光領域103がダストなどで汚染されるのを防いでいる。
【0039】
実施形態では、光線が感光領域103に届きやすいように、保護カバープレート108は透光性の高い光学ガラス製である。保護カバープレート108の光学性能をさらに向上させるために、光学フィルムを保護カバープレートの表面上に設けることは当業者なら容易に考えられるはずである。例えば反射防止フィルムを保護カバープレート108の表面上に設けることができる。
【0040】
制御チップ20は第2の基板21に電気的に接続されている。一つの実施形態では、制御チップ20は接着剤により第2の基板21に固定する。制御チップ20は接続端201を有し、第2の基板21は第1の接続パッドを有する。接続端201はワイヤボンディングにより、すなわち糸はんだ202を介して、前記第1の接続パッドに接続され、これにより制御チップ20が第2の基板21に電気的に接続される。糸はんだ201の素材としては、銅、タングステン、アルミニウム、金、銀などの金属が挙げられる。
【0041】
パッケージ203は、保護チップ20と糸はんだ202をパッケージして、制御チップ20と糸はんだ202を保護することで形成される。
【0042】
第1の基板11は第2の基板21の上方に積み重ねられ、第2の基板21に電気的に接続されている。一つの実施形態では、第1の基板11は第1の金属ワイヤ層110と、この第1の金属ワイヤ層110に電気的に接続された第1のはんだ接合部と、第1の金属ワイヤ層110に電気的に接続された第2のはんだ接合部とを有する。前記第1のはんだ接合部と前記第2のはんだ接合部とは、第1の基板11の第1の金属ワイヤ層110の露出部とすることができる。第2の基板21は第2の金属ワイヤ層210と、この第2の金属ワイヤ層210に電気的に接続された第1の接続パッドと、第2の金属ワイヤ層210に電気的に接続された第2の接続パッドとを有する。前記第1の接続パッドと前記第2の接続パッドは、第2の基板21の第2の金属ワイヤ層210の露出部とすることができる。前記第2のはんだ接合部または前記第2の接続パッドは第1のはんだバンプブロック31を備えている。前記第2のはんだ接合部は、第1のはんだバンプブロック31を介して前記第2の接続パッドに電気的に接続され、第1の基板11を第2の基板21に電気的に接続している。
【0043】
実施形態では、イメージセンサチップ10と制御チップ20との両方が、第1の基板11と第2の基板21の間に設けられており、これによりイメージセンサチップパッケージのサイズをさらに小さくすることができる。イメージセンサチップ10が制御チップ20または制御チップ20のパッケージ203と接触する状況を避けるために、第1のはんだバンプブロック31の大きさは、第1のはんだバンプブロック31が第1の基板11と第2の基板21との間に隙間ができる状態で両者を支持するように設定されている。このため、イメージセンサチップ10と制御チップ20または制御チップ20のパッケージ203との間に隙間が形成される。実施形態では、イメージセンサチップ10の厚さは約150μm、はんだバンプスポット105の厚さは約20μm、制御チップ20のパッケージ203の厚さは約250μm、第一のはんだバンプブロック31の厚さは約500μmである。
【0044】
制御チップ20は、第2の基板21の、第1の基板11に電気的に接続されていない面に設けてももちろん構わない。すなわち制御チップ20を第1の基板11と第2の基板21の間に設ける必要はない。
【0045】
イメージセンサチップパッケージを他の外部回路に電気的に接続するために、実施形態では第2のはんだバンプブロック32が、第2の基板21の、第1の基板11に電気的に接続されていない面に設けられており、この第2のはんだバンプブロック32が第2の金属ワイヤ層210に電気的に接続されており、第2の基板21が第2のはんだバンプブロック32を介して前記外部回路に電気的に接続されている。
【0046】
一つの実施形態では、熱応力の影響を小さくするために、第2のはんだバンプブロック32の大きさは第1のはんだバンプブロック31の大きさと同一に設定している。
【0047】
図2(a)〜2(f)は本発明の一つの実施例のイメージセンサチップのパッケージ方法を示す概略図である。
【0048】
図2(a)に示すように、イメージセンサチップ10と第1の基板11を準備し、イメージセンサチップ10を第1の基板11に電気的に接続する。イメージセンサチップ10は互いに反対側に位置する第1の面101と第2の面102とを有する。第1の面101に、感光領域103と、感光領域103以外の領域に位置する接触パッド104とを設ける。接触パッド104を感光領域103に電気的に接続する。第1の基板11は第1の金属ワイヤ層110と、第1の金属ワイヤ層110に電気的に接続された第1のはんだ接合部と、第1の金属ワイヤ層110に電気的に接続された第2のはんだ接合部とを有する。はんだバンプスポット105を接触パッド104または第1のはんだ接合部に形成する。接触パッド104をフリップフロップ法によりはんだバンプスポット105を介して前記第1のはんだ接合部に電気的に接続することにより、イメージセンサチップ10を第1の基板11に電気的に接続する。第1の基板11には第1の基板11を貫通する開口106を、この開口106から感光領域103が露出するように設ける。
【0049】
図2(b)に示すように、光線からの干渉を避けるために、黒色の接着剤層107を少なくともイメージセンサチップ10の第2の面102に設ける。実施例では、イメージセンサチップ10の第2の面102と側面を、ディスペンシング(dispensing)法により、黒色の接着剤層107で被覆する。
【0050】
図2(c)に示すように、開口106は保護カバープレート108で覆われ、保護カバープレート108とイメージセンサチップ10との間に設けられている。これにより、イメージセンサチップ10を保護するとともに、ダストなどによる感光領域103の汚染を防いでいる。実施形態では、保護カバー板108は接着剤で第1の基板11に固定する。
【0051】
図2(d)に示すように、制御チップ20と第2の基板21を準備し、制御チップ20を第2の基板21に電気的に接続する。制御チップは接着剤で第2の基板21に固定する。制御チップ20は接続端201を有する。第2の基板21は、第2の金属ワイヤ層210と、第2の金属ワイヤ層210に電気的に接続された第1の接続パッドと、第2の金属ワイヤ層210に電気的に接続された第2の接続パッドとを有する。接続端201はワイヤボンディングにより糸はんだ202を介して前記第1の接続パッドに電気的に接続することにより、制御チップ20を第2の基板21に電気的に接続する。
【0052】
図2(e)に示すように、パッケージ203を、保護チップ20と糸はんだ202をパッケージして形成し、制御チップ20と糸はんだ202を保護する。
【0053】
図2(f)に示すように、第1の基板11を第2の基板21の上方に積み重ね、第2の基板21に電気的に接続する。イメージセンサチップ10と制御チップ20との両方を、第1の基板11と第2の基板21との間に配置する。前記第2のはんだ接合部または第2の接続パッドに第1のはんだバンプブロック31を設ける。第2のはんだ接合部をリフロー(reflow)はんだ付け法で第1のはんだバンプブロック31を介して第2の接続パッドに接続し、第一の基板11を第二の基板21に電気的に接続する。
【0054】
上記実施形態は、本発明に係る新規なイメージセンサチップパッケージと、新規なイメージセンサチップのパッケージ方法を提供する。ここではイメージセンサチップパッケージングにパッケージ・オン・パッケージ技術を用いており、これによりイメージセンサチップパッケージの小サイズ化と、イメージセンサチップの集積度の向上が図れる。
【0055】
ここで開示した各実施形態は一つの独立した技術的課題の解決手段と理解すべきである。上記の説明は発明を明確に開示することが唯一の目的であり、当業者は明細書を全体としてみるべきであり、当業者が本明細書から理解できる他の実施例は、これらの実施例の技術的解決手段を適切に組み合わせることで形成されるかもしれない。
【0056】
上記の発明の詳細な説明は、本発明の実施形態の説明に過ぎず、本発明の保護の範囲を限定することを意図したものではない。本発明の主旨から外れない均等な実施形態や変更は、本発明の保護の範囲内であると解釈されなければならない。
【国際調査報告】