特表2018-534814(P2018-534814A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-534814(P2018-534814A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】メディアフィード同期
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/92 20060101AFI20181026BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20181026BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20181026BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20181026BHJP
【FI】
   H04N5/92 010
   H04N21/433
   H04N21/436
   H04N5/232 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-514291(P2018-514291)
(86)(22)【出願日】2015年9月22日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月23日
(86)【国際出願番号】FI2015050631
(87)【国際公開番号】WO2017051061
(87)【国際公開日】20170330
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】レウナマキ ユッカ
(72)【発明者】
【氏名】サロカンネル ユッハ
(72)【発明者】
【氏名】パリン アルト
【テーマコード(参考)】
5C053
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
5C053FA27
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA01
5C053LA11
5C053LA14
5C122DA03
5C122DA44
5C122EA63
5C122GA01
5C122GA21
5C122GA31
5C122GC37
5C122GC64
5C122GC75
5C122HA02
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB02
5C122HB09
5C164MC06S
5C164UA42S
5C164UB10S
5C164UB36P
5C164UB71P
(57)【要約】
好適な実施形態の一例は、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、タイムスタンプ値およびメディアフィードを記憶することとを含む。好適な実施形態の別の一例は、第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスのそれぞれからメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信することと、第1レコーディングデバイスから受信したメディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信したメディアフィードとを同期するために、第1レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値と、第2レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値とを整列させることとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、
前記レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、
前記受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを記憶することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを、他のメディアフィードとの同期のためにリモート装置にアップロードすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
メッセージ間のインターバルがランダムまたは擬似ランダムに変更される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
各メッセージは、粗同期値を含み、前記方法は、各タイムスタンプ値に関係する前記粗同期値を前記リモート装置に送ることをさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記粗同期値は、ランダムまたは擬似ランダム変数である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記粗同期値は、前記受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれた線形フィードバックシフトレジスタ値から決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記粗同期値は、前記受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれたカウンタ値から得られる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
各タイムスタンプ値と、前記メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けることをさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
各タイムスタンプ値と、前記メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けることは、メディアファイル内のメタデータとしてタイムスタンプデータを前記メディアフィードに付与することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
タイムスタンプデータをメディアファイルと別のファイルに格納することをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
レコーディングを開始せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを開始することをさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
受信したメッセージに含まれたリモートデバイスの識別子を記憶することと、前記識別子を有する前記リモートデバイスからのさらなるアドバタイジングパケットがないかスキャンすることとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レコーディングを停止せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを停止することをさらに含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記受信したメッセージの到来角を計算することと、前記計算された到来角をリモート装置に出力することとをさらに含む、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々の前記レコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信すること、ただし、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが前記個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、前記受信することと、
第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを同期するために、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値とを整列させることと、
を含む方法。
【請求項16】
前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一連のタイムスタンプ値と、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを関連付けることと、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一連のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを関連付けることとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
個々の前記フィードを粗同期するために粗同期値を使用するべく、前記レコーディングデバイスそれぞれから前記粗同期値を受信することをさらに含む、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
コンピューティング装置により実行されると前記コンピューティング装置に請求項1から17のいずれかの方法を実行させる命令を備えたコンピュータプログラム。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ可読命令が記憶された少なくとも1つのメモリと
を備える装置であって、前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記装置に少なくとも、
レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、
前記レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、
前記受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを記憶することと、
をさせる、装置。
【請求項20】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを、他のメディアフィードとの同期のためにリモート装置にアップロードさせる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
メッセージ間のインターバルがランダムまたは擬似ランダムに変更される、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
各メッセージは、粗同期値を含み、前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、各タイムスタンプ値に関係する前記粗同期値を前記リモート装置に送らせる、請求項19〜21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記粗同期値は、ランダムまたは擬似ランダム変数である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記粗同期値は、前記受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれた線形フィードバックシフトレジスタ値から決定される、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記粗同期値は、前記受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれたカウンタ値から得られる、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、各タイムスタンプ値と前記メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けさせる、請求項19〜25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
各タイムスタンプ値と、前記メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けることは、メディアファイル内のメタデータとしてタイムスタンプデータを前記メディアフィードに付与することを含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、タイムスタンプデータをメディアファイルと別のファイルに格納させる、請求項19〜26のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、レコーディングを開始せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを開始させる、請求項19〜28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、受信したメッセージに含まれたリモートデバイスの識別子を記憶することと、前記識別子を有する前記リモートデバイスからのさらなるアドバタイジングパケットがないかスキャンすることとをさせる、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、レコーディングを停止せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを停止させる、請求項19〜30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、前記受信したメッセージの到来角を計算することと、前記計算された到来角をリモート装置に出力することとをさせる、請求項19〜31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータ可読命令が記憶された少なくとも1つのメモリと
を備える装置であって、前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記装置に少なくとも、
第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々の前記レコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信すること、ただし、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが前記個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、前記受信することと、
第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを同期するために、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値とを整列させることと、
をさせる、装置。
【請求項34】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一連のタイムスタンプ値と、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを関連付けることと、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一連のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを関連付けることとをさせる、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記コンピュータ可読命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると前記装置に少なくとも、個々の前記フィードを粗同期するために粗同期値を使用するべく、前記レコーディングデバイスそれぞれから前記粗同期値を受信させる、請求項33または34に記載の装置。
【請求項36】
コンピュータ可読コードが記憶されたコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読コードは、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、
レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、
前記レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、
前記受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを記憶することと、
の実行を生じさせる、コンピュータ可読媒体。
【請求項37】
コンピュータ可読コードが記憶されたコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読コードは、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、
第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々の前記レコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信すること、ただし、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが前記個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、前記受信することと、
第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを同期するために、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値とを整列させることと、
の実行を生じさせる、コンピュータ可読媒体。
【請求項38】
レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングする手段と、
前記レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信する手段と、
前記受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録する手段と、
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを記憶する手段と、
を備える装置。
【請求項39】
第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々の前記レコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信する手段であって、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが前記個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、前記受信する手段と、
第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを同期するために、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値とを整列させる手段と、
を備える装置。
【請求項40】
請求項19〜32のいずれかに記載の装置を複数個と、請求項33〜35のいずれかに記載の装置を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本明細書は、メディアフィードの同期に関する。
【背景】
【0002】
多くの人がメディアコンテンツのレコーディングが可能なモバイルデバイスを携帯するなか、複数のデバイスにより同じ瞬間のメディアレコーディングが行われることは今や一般的である。同じイベントに関係するいくつかのビデオおよび/またはオーディオフィードが使用され得る場面は多数あるが、その一方で大変な課題は、異なるレコーディングデバイス間で効率的にビデオおよび/またはオーディオ同期をすることである。
【摘要】
【0003】
第1の側面において、本明細書は、レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、タイムスタンプ値およびメディアフィードを記憶することと、を含む方法を記載する。
【0004】
本方法は、タイムスタンプ値およびメディアフィードを、他のメディアフィードとの同期のためにリモート装置にアップロードすることをさらに含んでもよい。
【0005】
メッセージとメッセージとの間のインターバルが、ランダムまたは擬似ランダムに変更されてもよい。
【0006】
各メッセージは、粗同期値を含んでもよく、本方法は、各タイムスタンプ値に関係する粗同期値をリモート装置に送ることをさらに含んでもよい。
【0007】
粗同期値は、ランダムまたは擬似ランダム変数であってもよい。
【0008】
粗同期値は、受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれた線形フィードバックシフトレジスタ値から決定されてもよい。
【0009】
粗同期値は、受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれたカウンタ値から得られてもよい。
【0010】
本方法は、各タイムスタンプ値と、メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けることをさらに含んでもよい。
【0011】
各タイムスタンプ値と、メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けることは、メディアファイル内のメタデータとしてタイムスタンプデータをメディアフィードに付与することを含んでもよい。
【0012】
本方法は、タイムスタンプデータをメディアファイルと別のファイルに格納することをさらに含んでもよい。
【0013】
本方法は、レコーディングを開始せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを開始することをさらに含んでもよい。
【0014】
本方法は、受信したメッセージに含まれたリモートデバイスの識別子を記憶することと、この識別子を有するリモートデバイスからのさらなるアドバタイジングパケットがないかスキャンすることとをさらに含んでもよい。
【0015】
本方法は、レコーディングを停止せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを停止することをさらに含んでもよい。
【0016】
本方法は、受信したメッセージの到来角を計算することと、計算された到来角をリモート装置に出力することとをさらに含んでもよい。
【0017】
第2の側面において、本明細書は、第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々のレコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信すること、ただし、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、受信することと、第1レコーディングデバイスから受信したメディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信したメディアフィードとを同期するために、第1レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値と、第2レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値とを整列させることと、を含む方法を記載する。
【0018】
本方法は、第1レコーディングデバイスから受信した一連のタイムスタンプ値と、第1レコーディングデバイスから受信したメディアフィードとを関連付けることと、第2レコーディングデバイスから受信した一連のタイムスタンプ値と、第2レコーディングデバイスから受信したメディアフィードとを関連付けることとをさらに含んでもよい。
【0019】
本方法は、個々のフィードを粗同期するために粗同期値を使用するべく、レコーディングデバイスそれぞれから粗同期値を受信することをさらに含んでもよい。
【0020】
第3の側面において、本明細書は、コンピューティング装置により実行されるとコンピューティング装置に第1側面または第2側面の方法を実行させる命令を備えたコンピュータプログラムを記載する。
【0021】
第4の側面において、本明細書は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ可読命令が記憶された少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、コンピュータ可読命令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、装置に少なくとも、レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、タイムスタンプ値およびメディアフィードを記憶することと、をさせる、装置を記載する。
【0022】
第5の側面において、本明細書は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ可読命令が記憶された少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、コンピュータ可読命令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、装置に少なくとも、第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々のレコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信すること、ただし、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、受信することと、第1レコーディングデバイスから受信したメディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信したメディアフィードとを同期するために、第1レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値と、第2レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値とを整列させることと、をさせる、装置を記載する。
【0023】
第6の側面において、本明細書は、コンピュータ可読コードが記憶されたコンピュータ可読媒体であって、コンピュータ可読コードは、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、タイムスタンプ値およびメディアフィードを記憶することと、の実行を生じさせる、コンピュータ可読媒体を記載する。
【0024】
第7の側面において、本明細書は、コンピュータ可読コードが記憶されたコンピュータ可読媒体であって、コンピュータ可読コードは、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々のレコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信すること、ただし、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、受信することと、第1レコーディングデバイスから受信したメディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信したメディアフィードとを同期するために、第1レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値と、第2レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値とを整列させることと、の実行を生じさせる、コンピュータ可読媒体を記載する。
【0025】
第8の側面において、本明細書は、レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングする手段と、レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信する手段と、受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録する手段と、タイムスタンプ値およびメディアフィードを記憶する手段と、を備える装置を記載する。
【0026】
第9の側面において、本明細書は、第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々のレコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信する手段であって、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、受信する手段と、第1レコーディングデバイスから受信したメディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信したメディアフィードとを同期するために、第1レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値と、第2レコーディングデバイスから受信した一組のタイムスタンプ値とを整列させる手段と、を備える装置を記載する。
【0027】
第10の側面において、本明細書は、第4、第6、または第8側面による複数の装置と、第5、第7、または第9側面による1つの装置とを備えるシステムを記載する。
【0028】
本明細書に記載される方法、装置、およびコンピュータ可読命令がより包括的に理解されるよう、以下、添付の図面と関連して解釈される下記説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】様々な実施形態によるレコーディング環境の概略図である。
図2】様々な実施形態による一連のアドバタイジングイベントを示す。
図3】様々な実施形態によるパケット構造を示す。
図4】一連のアドバタイジングパケットおよびビデオフィードのタグ付けを示す。
図5】レコーディングデバイスに対する命令を含むアドバタイジングパケットを示す。
図6】様々な実施形態による、レコーディングデバイスにより実行されるステップを示すフローチャートである。
図7-8】図7は、様々な実施形態による、制御デバイスにより実行されるステップを示すフローチャートである。図8は、代わりの実施形態による、レコーディングデバイスにより実行されるステップを示すフローチャートである。
図9】制御デバイスを示す概略ブロック図である。
図10】レコーディングデバイスを示す概略ブロック図である。
図11】記憶手段を示す。
【詳細説明】
【0030】
本明細書に記載の実施形態は、複数のレコーディングデバイスによりレコーディングされたビデオおよび/またはオーディオフィードをワイヤレスで同期するためのメカニズムを提供する。これは、レコーディングデバイス間の有線接続なしで行われてもよく、制御デバイスにより送信されるBluetooth Low Energy(BLE)アドバタイズメントメッセージなどの順次受信される複数のワイヤレス同期メッセージの受信時間を利用する。以下の説明では、パケットおよびメッセージという用語は区別なく使用されることもある。
【0031】
図1は、制御デバイス10および複数のレコーディングデバイス20を備えるシステム100を示す。制御デバイス10は、レコーディングデバイス20の制御を可能にする一連のBLEアドバタイジングパケットを送信するよう構成される。なお、レコーディングデバイス20の1つ以上が、制御デバイス10に取って代わってもよいことに留意されたい。言い換えると、レコーディングデバイス20の1つ以上が、BLEモジュールを備えてもよく、イベントをレコーディングするのに加えてアドバタイズメントメッセージを送ってもよい。図1に示された例では、レコーディングはワイヤレス送信に基づいて同期可能である。この例では、1つのデバイスが送信し3つのデバイスが受信しているが、例えばすべてのデバイスがその信号を送信しかつ他のデバイスから信号を受信してもよい。
【0032】
図1に示された例では、3つのカメラそれぞれが激しいスポーツイベント25のビデオをレコーディングしている。ビデオ間の時間同期は、レコーディングされたビデオおよび/またはオーディオストリームを、BLEメッセージの受信に対応するオーディオ/ビデオフィードの時間でタグ付けすることにより手配される。制御デバイス10は、BLEプロトコルで特定の情報をアドバタイズしているBLEモジュールを有する。制御デバイスは、スマートフォンまたは他のコンピューティングデバイスであってもよい。逐次のBLEメッセージに含まれる情報は、レコーディングの段階に応じて変化してもよい。例えば、最初のBLEメッセージは、レコーディングデバイス20に対するレコーディングを開始せよとの命令を含んでもよい。後のBLEメッセージは、レコーディングを停止せよとの命令を含んでもよい。
【0033】
各レコーディングデバイス20は、BLEアドバタイズメントメッセージがないかスキャンを行うよう構成されてもよいBLEモジュールを備える。例えば、メディアレコーディングアプリケーションに対応する特定のUUIDおよび制御デバイス10に対応する特定のカメラIDが探索されてもよい。
【0034】
各レコーディングデバイス20は、例えば特定のUUIDを備えるアドバタイズメントが受信したインスタントなどのタイムインスタントを記録するよう構成される。あるいは、各レコーディングデバイス20は、任意のアドバタイズメントメッセージが受信されるタイムインスタントを記録するよう構成される。正しい制御デバイス10からの当該アドバタイズメントのみが同期プロセスにおいて使用されるように、UUIDが監視されてもよい。あるいは、特定の制御デバイス10から受信されレコーディングを開始または停止せよとの命令を含むメッセージのみがレコーディングデバイス20にレコーディングを開始、一時停止、または停止させるように、メディアレコーディングの制御に使用される制御パケットのみをフィルタで取り出すべく、メッセージに含まれるUUID情報が使用されてもよい。
【0035】
図2に示されるように、制御デバイス10は、アドバタイジングイベントにおいてBLEアドバタイズメントメッセージを送る。各アドバタイジングイベントは、使用されるアドバタイジングチャネルインデックス上で送られる1つ以上のBLEアドバタイズメントメッセージからなる。アドバタイジングイベントは、使用されるアドバタイジングチャネルインデックスそれぞれで1つのBLEアドバタイズメントメッセージが送られた後にクローズされてもよく、または制御デバイス10が、他の機能性に対応するためにより早期にアドバタイジングイベントをクローズしてもよい。
【0036】
アドバタイジングイベントは、Bluetooth(登録商標)規格v4.2において定義された以下のタイプのうちの1つとすることができる。
・ 接続可能不特定イベント
・ 接続可能特定イベント
・ 接続不可能不特定イベント
・ スキャン可能不特定イベント
【0037】
低デューティサイクルモードで使用される不特定アドバタイジングイベントまたは接続可能特定アドバタイジングイベントすべてに対して、連続した2つのアドバタイジングイベントの開始の合間の時間(T_advEvent)は、各アドバタイジングイベントについて以下のように計算されてもよい。
T_advEvent=advInterval+advDelay
advIntervalは、0.625msの整数倍数であって、20ms〜10.24sの範囲であってもよい。アドバタイジングイベントタイプがスキャン可能不特定イベントタイプまたは接続不可能不特定イベントタイプであれば、advIntervalは少なくとも100msであってもよい。低デューティサイクルモードで使用されるアドバタイジングイベントタイプが接続可能不特定イベントタイプまたは接続可能特定イベントタイプであれば、advIntervalは20ms以上であってもよい。
【0038】
advDelayは、各アドバタイジングイベントに対しデータリンクレイヤにより生成される0ms〜10msの範囲の擬似ランダム値である。advDelayは、アドバタイズメントジッタとも呼ばれてもよい。
【0039】
アドバタイジングデータおよびスキャンレスポンスデータのフォーマットが図3に示されている。データは有意な部分および有意でない部分を備える。有意な部分はAD構造のシーケンスを含む。各AD構造は、Length(長さ)値を含む1オクテットの長さフィールドと、Lengthオクテットのデータフィールドとを有してもよい。データフィールドの第1オクテットは、ADタイプフィールドを含む。データフィールド中の残りのLength−1オクテットのコンテンツは、ADタイプフィールドの値によって決まり、ADデータと呼ばれる。有意でない部分はアドバタイジングおよびスキャンレスポンスデータを31オクテットまで延長し、オールゼロのオクテットを含んでもよい。アドバタイジングまたはスキャンレスポンスデータのうち、送信される必要があるのは有意な部分のみである。アドバタイジングおよびスキャンレスポンスデータは、アドバタイジングイベントにおいて送られる。アドバタイジングデータは、ADV_IND、ADV_NONCONN_IND、およびADV_SCAN_INDパケットのAdvDataフィールドに配置される。スキャンレスポンスデータは、SCAN_RSPパケットのScanRspDataフィールドにおいて送られる。これは、Bluetooth規格v4.0による。
【0040】
図3に示されるデータ構造は送信されるパケットの一部のみであり、パケットは、プリアンブル、アクセスアドレス、PDU、およびCRCフィールドを含む。PDU自体は、ヘッダおよびペイロードを備える。PDUのペイロードは、AdvDataを備える。AdvDataフィールドは、BLEアドバタイズメントメッセージ200のアドバタイジングデータ構造を備える。
【0041】
同期に使用されてもよいBLEアドバタイズメントメッセージ200の具体的なアドバタイジングデータ構造の例が、図3に示されている。BLEアドバタイズメントメッセージ200は、アドバタイジングデータタイプフィールド201「0x16」を含み、これは、特定の16ビットUUIDのサービスデータが続くことを識別するために使用される「サービスデータ − 16ビットUUID」であってもよい。データ構造200は、UUIDフィールド202を含む。例示のUUIDは、0xFFFFであってもよい。カメラIDフィールド203は、送信デバイス10の識別子を含み、randフィールド204は、定期的に変更されるランダムまたは擬似ランダム数であってもよく、したがって同じエリアで同じ時にレコーディングされたレコーディングを後で発見するために使用可能である。より詳しくは後述されるとおり、ランダムまたは擬似ランダム値の存在が、複数のビデオまたはオーディオフィードの整列および同期を可能にする。アドバタイズメントメッセージはさらに、例えば、送信機ステータス(例えば「アイドル」または「レコーディング中」)または粗タイムスタンプを含んでもよい。粗タイムスタンプは、パケットが送信されるときに制御デバイス10によりパケット構造200に含められる送信タイムスタンプであってもよい。
【0042】
データ構造200は、制御データフィールド205を含んでもよい。制御データフィールド205は、例えば1オクテット長であってもよい。16進法のエントリ0x00は、「レコーディング開始」を意味してもよく、16進法のエントリ0x01は、「レコーディング停止/一時停止」命令を表現してもよい。したがって、制御デバイス10により初期に送信されるメッセージは、レコーディングを開始するための制御データフィールド205値0x00を有してもよい。後のほうのメッセージが、レコーディングを停止するための制御データフィールド205値0x01を含んでもよい。
【0043】
アドバタイズメントメッセージはさらに、例えば到来角(AoA:angle of arrival)および放射角(AoD:angle of departure)法を使用して制御デバイス10に対するレコーディングデバイス20の相対的向きを推定するために使用可能なデータを含んでもよい。AoAおよび/またはAoDは、レコーディングデバイス20の相対位置を推定するために使用可能であり、例えば、時間同期に加えてメディアを空間中で位置決めするためにオーディオ/ビデオ編集段階で使用されてもよい。
【0044】
図3に示されたBLEアドバタイズメントメッセージ構造は、例えばデータを後から処理するときなどに、受信済みデータパケットを処理するのを支援する。粗同期時間はより簡単に探索でき、その次にアドバタイズメントパケットの記録済みタイムスタンプを用いた微調整が実行されてもよい。受信したパケットそれぞれのrandフィールド204のコンテンツを使用して、様々なレコーディングデバイス20によりレコーディングされたメディアフィードの粗タイミング同期を実行することができる。各レコーディングから同じrandフィールド値が見つかった後、個々のフィードを粗整列できる。
【0045】
次に微調整が、図3に示された、各レコーディングデバイスにて受信したアドバタイズメントメッセージに付与された受信(RX)タイムスタンプを比較することにより実行されてもよい。一連のアドバタイズメントメッセージの送信に適用されるジッタが、様々なレコーディングデバイスにてレコーディングされたメディアフィードの精密な整列を可能にする。よって、フィードは、様々なレコーディングデバイス20のRXタイムスタンプを整列させることにより同期されてもよい。
【0046】
レコーディングデバイス20は、BLEアドバタイズメントパケットを制御デバイス10から受信し、アドバタイズメントパケットの受信時間のタイムスタンプを付す。一部の実施形態において、タイムスタンプは、レコーディングデバイス20によりレコーディングされているビデオおよび/またはオーディオフィードファイルにタグとして付与される。他の実施形態では、タイムスタンプは別に記憶される。
【0047】
図4A〜Dは、アドバタイズメントメッセージのタイムラインを示す。これらの図面それぞれにおいて、時間はx軸に沿って進む。
【0048】
図4Aは、制御デバイス10により送信される一連のBLEアドバタイズメントメッセージを7つ表現する。BLEアドバタイズメントメッセージは、インターバルにより分離されている。第1メッセージと第2メッセージとの間のBLEアドバタイズメントインターバルは、例えばaミリ秒であってもよい。第2メッセージと第3メッセージとの間のインターバルは、例えばa−1ミリ秒であってもよい。第3メッセージと第4メッセージとの間のインターバルは、例えばa+2ミリ秒であってもよく、以下同様である。インターバルの変動は、制御デバイス10により生成された、図2に示すランダムまたは擬似ランダムadvDelay値の導入に対応するジッタによる。
【0049】
インターバルに導入されるジッタは、randフィールド204においてパケット自体に含まれてもよい。連続したBLEアドバタイズメントメッセージ間のインターバルの変動が、オーディオ/ビデオフィードの同期を可能にする。仮にBLEアドバタイズメントメッセージ間のインターバルが一定であれば、連続したBLEアドバタイズメントメッセージ間のインターバルを区別できないと考えられる。その結果、考えられるメディアファイル整列のあり得る並べ替えが多くなり、ビデオ同期は不可能となるであろう。
【0050】
図4B、4C、および4Dは、個々のビデオフィード300a、300b、および300cが、BLEアドバタイズメントメッセージに時間が対応するタグを用いて、図1に示された各レコーディングデバイス20a、20b、20cによりタグ付けされているのを示す。受信したBLEメッセージのRXタイムスタンプに対応するタイミング値の付与は、個々のレコーディングデバイス20a、20b、20cにより実行されてもよい。次に、タグ付けされたフィードは、同期のためにビデオ編集用コンピュータまたはサーバなどのリモート装置に送られてもよい。
【0051】
あるいは、フィードのタグ付けがリモートで実行されるよう、レコーディングされたメディアフィードが、別ファイルとして記憶された受信済みBLEアドバタイズメントメッセージに関係するRXタイムスタンプとともにリモートサーバへ出力されてもよい。レコーディングデバイス20からリモートでタグ付けされたフィードは、次にビデオ編集用コンピュータなどのリモート装置にて同期されてもよい。
【0052】
レコーディングデバイス20は、受信したメッセージが制御デバイス10から送信されたBLEアドバタイズメントメッセージであることをUUIDフィールド202から識別してもよい。このコンテンツは、レコーディングデバイス20がビデオフィードにスタンプを付すためにBLEアドバタイズメントメッセージを探索するのに使用されてもよい。レコーディングデバイス20は、例えば、受信されるすべてのパケットのタイムスタンプおよびBLE識別子のみを記録してもよい。
【0053】
各レコーディングデバイス20は、レコーディングされるビデオフィードおよびタイムスタンプデータを、例えばメモリカード上など、ローカルに記憶してもよい。ビデオフィードおよびタイムスタンプデータは、ユーザがイベントのビデオをレコーディングした後、例えばリモートサーバ30などにアップロードされてもよい。あるいは、ビデオフィードおよびタイムスタンプデータは、ネットワークアタッチトストレージ(NAS:network attached storage)デバイスに記憶されてもよい。図1に示されたレコーディングデバイス20は、メディアフィードがワイヤレスでリモートサーバ30にアップロードされることを可能にするために、ワイヤレストランシーバおよびアンテナを備える。リモートサーバ30は、編集用装置40によりアクセスされてもよい。編集用装置は、単一コンピュータであってもよく、またはオーディオおよび/またはビデオフィードの同期および編集を実行するよう構成された編集用スイートであってもよい。
【0054】
編集用装置40は、プロセッサ41、記憶デバイス42(不揮発性メモリ43および揮発性メモリ44を有する)、およびユーザ入出力45を備えるコンピュータであってもよい。不揮発性メモリ43には、オペレーティングシステムおよびソフトウェアの形態のコード43Aが記憶されていてもよい。ユーザ入出力45は、モニタ、スピーカ、キーボード、マウスなどの入力ユニットおよび出力ユニットを備える。入力および出力の機能は、タッチスクリーンの形態で組み合わされてもよい。
【0055】
編集用装置40は、図5に表すように、オーディオ/ビデオフィードにタイムスタンプを付与してもよい。あるいは、タイムスタンプは、個々のレコーディングデバイス20によってビデオフィードに付与されてもよい。
【0056】
一部の実施形態において、同期プロセスは以下のとおりであってもよい。ビデオ編集用ソフトウェア(編集用装置40の不揮発性メモリ43に記憶される)は、第1レコーディングデバイス20aから、図4Bのレコーディングされたビデオフィードに対応するビデオを得る。ビデオタイムライン中のBLEアドバタイズメントタグの時間位置が記録される。レコーディングタグの開始が最初に処理されてもよい。第2ビデオにおいて同じ位置が探索されて、2つのビデオフィードが同期される。同じように第3ビデオフィードが最初の2つのフィードと同期され、以下同様である。この後、複数のBLEアドバタイズメントタグ位置が第1ビデオから記録され、次のビデオの中で対応するタグ位置が探索され、ビデオがそれぞれ同期/整列される。
【0057】
表1は、第1レコーディングデバイス20aにて収集された情報を示す。第1レコーディングデバイス20aは、ビデオをレコーディングしていてもよい。一連のBLEアドバタイズメントメッセージが9つ受信される。第1メッセージは、ビデオタイムライン中の00:00:134に対応する時間に受信される。メッセージは、MACアドレス87:23:11:09:23:14を有するデバイス10から受信される。第1メッセージはデータA22を含む。後のメッセージが、MACアドレス87:23:11:09:23:14を有するデバイス10から受信される。レコーディングされたメディアフィードにおけるタイムインスタントに対応するタイミング値も記録される。
【0058】
【0059】
【0060】
同様に、メッセージが第2レコーディングデバイス20bにおいても受信される。表2に示されるように、タイミング情報、送信元デバイス10のMACアドレス、および追加データも同じく記録される。
【0061】
同期アプリケーションは、各レコーディングデバイス20から取得される粗同期データから、同期され得る受信済みメッセージのパターンを識別する。ボールドで強調された表1および2の粗同期データエントリは、同期され得る、個々のレコーディングデバイス20でのBLEメッセージの受信に関係すると識別される。次に、オーディオ/ビデオフィードの精密な同期が実行されてもよい。
【0062】
【0063】
レコーディングされたフィードの個々のメディアタイムラインにおける、一連のBLEアドバタイズメントメッセージの受信に対応するタイミング値が比較される。表3に示されるように、第1メディアフィードと第2メディアフィードとの受信時間の差は、一連のBLEアドバタイズメントメッセージに対して一定である。これは、2つのメディアフィードが同期していることを示す。第1デバイス20aが第5BLEアドバタイズメントメッセージを受信できなかったにもかかわらず、同期は依然として完了され得る。
【0064】
別の実施形態では、BLEアドバタイズメントメッセージの比較を、まずレコーディングが得られるタイムラインを作成することで実行でき、このタイムラインに基づいて1つの編集ビデオを生成するための複数ビデオが選択される。サーバ30には複数のビデオがあってもよく、編集用装置40のユーザは特定の時刻の特定のエリアからのビデオを選択してもよい。例えば、「タンペレシティセンター(Tampere city centre)で昨日の18:00〜20:00に行われたコンサートのビデオ」などである。
【0065】
別の実施形態において、BLEアドバタイズメントメッセージは、レコーディングの前にもレコーディングデバイスによって受信および記録可能である。この場合、BLEアドバタイズメントメッセージに対応するタイムスタンプが記録されて、レコーディングが停止された後にビデオまたはオーディオファイルのタイムラインと比較される。
【0066】
別の実施形態において、BLEアドバタイズメントメッセージは、レコーディングの後にもレコーディングデバイスによって受信および記録可能である。この場合、BLEアドバタイズメントメッセージに対応するタイムスタンプは、最後のBLEアドバタイズメントメッセージが受信した後にビデオまたはオーディオファイルに付与されてもよい。最後に受信したBLEアドバタイズメントメッセージは、BLEアドバタイズメントメッセージが確かに最後のものであると示す指示を含んでもよい。次に、レコーディングデバイス20またはリモートデバイスは、ビデオまたはオーディオファイルのタイムラインにタグを付与してもよい。
【0067】
上記説明のとおり、BLE送信機は、リモート制御デバイス10内、またはカメラなどのレコーディングデバイス20内に位置することができる。あるいはBLE送信機は、他の点ではレコーディングプロセスに関与しないがそのBLEアドバタイズメントメッセージが同期に使用され得る、BLEビーコンタグであってもよい。
【0068】
レコーディング中に受信されるデータは、例えばビデオファイルまたはオーディオファイル内のメタデータとしてメディアレコーディングに含められてもよい。あるいは、受信されるタイミングデータは別ファイルに含まれてもよい。
【0069】
図6は、イベント25をレコーディングしている各レコーディングデバイス20により実行されるステップを示す動作のフローチャートである。レコーディングデバイス20は、トランシーバを備えるので、アドバタイズメントメッセージを受信することができる。図1に示された各レコーディングデバイス20が、以下の各ステップを互いに独立して実行する。
【0070】
ステップ6.1にて、レコーディングデバイス20は、イベント25のレコーディングを開始するためのユーザ入力を受信する。これは、ユーザがレコーディングデバイス20の物理的なまたは画像のレコーディングボタンを押すことで生じてもよい。ステップ6.2にて、レコーディングデバイスはイベント25をレコーディングする。レコーディングは、ビデオレコーディング、オーディオレコーディング、またはビデオおよびオーディオレコーディングであってもよい。ステップ6.3にて、レコーディングデバイス20はBLEアドバタイズメントメッセージを受信する。レコーディングデバイス20は、受信したメッセージにタイムスタンプを付与し、タイムスタンプ値をステップ6.4にて記憶してもよい。さらに、粗同期データがこのステップで記憶されてもよい。ステップ6.2、6.3、および6.4は、レコーディングデバイス20がステップ6.5にてレコーディングを停止すべきであると検出するまで繰り返される。これは、レコーディングを停止するためのユーザ入力への応答であってもよい。これは、ユーザがレコーディングデバイス20の物理的なまたは画像の停止ボタンを押すことで生じてもよい。レコーディングデバイス20は、ステップ6.6にてレコーディングを停止する。ステップ6.7にて、タグ付けされたビデオ/オーディオファイルが、例えばレコーディングデバイス20のメモリカード上に記憶される。任意選択で、記憶されたビデオ/オーディオファイルおよびBLEアドバタイズメントデータが、ステップ6.8においてサーバ30にアップロードされてもよい。
【0071】
図6に示された上記の例では、タグは、制御デバイス10などのリモートソースから受信したBLEアドバタイズメントメッセージの受信に応答して付与される。ただし、レコーディングおよび停止命令は、レコーディングデバイス20のユーザにより入力される。
【0072】
他の実施形態では、レコーディングおよび停止命令はBLEアドバタイズメントメッセージ自体に含まれる。図7は、そのような例において制御デバイス10により実行されるステップを示すフローチャートである。図8は、レコーディングデバイス20のうちの1つにより取られる対応するステップを示すフローチャートである。
【0073】
図7を参照する。ステップ7.1にて、制御デバイス10のスイッチがオンにされ、マルチカメラモードが選択される。ステップ7.2にて、図2に示されたタイプのBLEアドバタイズメントメッセージがレコーディングデバイス20に送信される。ステップ7.3にて、制御デバイス10の物理的なまたは画像のレコーディングボタンが押されたかどうかが判断される。ステップ7.4にて、制御デバイス10にてレコーディング入力が受信されるのに応答して「レコーディング」命令が1つ以上のBLEアドバタイズメントメッセージに含められ、このメッセージが、BLEアドバタイズメントメッセージを受信するレコーディングデバイスにレコーディングの開始を命令する役割を果たす。ステップ7.5にて、停止ボタンが押される。あるいは、レコーディングボタンの2度目の押下がされて、これがレコーディングを停止せよとの命令を示す。その結果、ステップ7.6にて、「停止」命令が後のBLEアドバタイズメントメッセージ1つ以上に含められる。
【0074】
図8を参照する。ステップ8.1にて、ユーザ入力によりレコーディングデバイス20のスイッチがオンにされる。ステップ8.2にて、レコーディングデバイス20はBLEアドバタイズメントメッセージがないかスキャンする。ステップ8.3にて、レコーディングデバイス20はBLEアドバタイズメントメッセージが受信したかどうかを判断する。レコーディングデバイス20はさらに、受信したBLEアドバタイズメントメッセージの受信信号強度指示(RSSI:received signal strength indication)値を測定することができる。レコーディングデバイス20は、各受信メッセージのタイムスタンプを判断して記録してもよい。RSSI値が最小閾値を上回れば、プロセスはステップ8.4に進む。ステップ8.4にて、制御デバイス10のカメラID203など、受信したBLEアドバタイズメントメッセージ内に含まれた情報がレコーディングデバイス20に記憶される。ステップ8.5にて、レコーディングデバイス20は、制御デバイス10により送信された、UUIDを含むアドバタイズメントメッセージがないかスキャンする。後のBLEアドバタイズメントメッセージがレコーディングデバイス20にて受信される。ステップ8.6にてレコーディング命令を含むBLEアドバタイズメントメッセージが制御デバイス10から受信されれば、レコーディングデバイスはステップ8.7にてイベント25のレコーディングを開始する。レコーディングはビデオおよび/またはオーディオレコーディングであってもよい。ステップ8.8にて、さらなるBLEアドバタイズメントメッセージが制御デバイス10から送信されて、レコーディングデバイス20により受信されタイムスタンプを付される。粗同期データも記憶されてもよい。ステップ8.9にてBLEアドバタイズメントメッセージが「停止」命令を含むと判断されれば、レコーディングはステップ8.10にて停止される。停止命令が受信されると、プロセスはステップ8.10からステップ8.11へ進み、フィードおよびタイムスタンプデータが、例えばメモリカードなどに記憶される。フィードおよびタイムスタンプデータは、後にステップ8.12にてサーバ30にアップロードされてもよい。
【0075】
本発明の一実施形態において、線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR:Linear Feedback Shift Register)に基づく擬似ランダムアドバタイジングが使用される。制御デバイス10は、そのLFSR状態値をアドバタイジングパケット内でレポートし、これにより、レコーディングデバイス20(類似のLFSRを有する)は同じ制御デバイス10から次のアドバタイジングパケットがいつ来るのか計算できる。LFSR値(またはこの場合もやはり、受信したアドバタイズメントのタイミング)が、ビデオを同期するために記憶および比較されることが可能である。アドバタイズメントジッタの生成に使用されるLFSR値は、前および後のアドバタイズメントインスタントを推定するために使用されてもよい。
【0076】
ジッタ(advDelay)値は、真の乱数ではなく擬似乱数であってもよいので、LFSRを使用して生成されてもよい。この値が少なくとも1つのアドバタイズメントにおいて受信されれば、アドバタイズメントインターバル(図2のadvInterval)に加えて前および次のアドバタイズメント送信時間をすべて計算可能である。期間が長くなると、大きなドリフトがある場合があり、これはBLEでは例えば1秒あたり0.5msとなることもあり比較的大きいので、これは主として粗同期に使用されてもよい。
【0077】
さらにLFSR値は、例えば受信されなかったパケットのパケット受信時間を推定するため、またはレコーディング時間外のパケット受信時間を推定するために使用可能である。ジッタがLFSRにより定義されることから、場合によってはこれをアドバタイズメントジッタの代わりに使用可能であろう。
【0078】
別の実施形態において、カウンタがアドバタイジングパケットペイロードに追加される。カウンタ値は、アドバタイジングイベントごとに1増加される。カウンタ値は、レコーディングデバイス20により記憶されて、ビデオの同期/整列に使用されることが可能である。パケット受信時間が記録されてメディアフィードタイムラインと比較され、カウンタ値もアドバタイズメントデータファイルに格納される。
【0079】
この実施形態において、カウンタ値はrandフィールド204に取って代わる。カウンタは、無線トランシーバによってパケットごとに増加され、rand204は、パケットの実際の送信については知識も制御権もない上位SWレイヤにより更新され、したがって例えば30sに一度などより低い頻度で更新される。
【0080】
タグ付けされたメディアファイルが各レコーディングデバイス20によりサーバ30にアップロードされた後、ビデオ編集用コンピュータ40は次に、複数のレコーディングにタグ付けされたアドバタイズメントを相関させることにより個々のレコーディングデバイス20からのフィードを整列させて、複数のレコーディングデバイスからのレコーディングを同期してもよい。さらに、地理位置情報および粗タイミング情報が使用されてもよい。地理位置情報は、例えばGPSを使用してレコーディングデバイス20により記録された座標に基づいてもよい。位置はさらに、アドバタイズメントデバイスのMACアドレスまたはカメラID203に基づいてもよい。
【0081】
BLEアドバタイズメントメッセージは、制御デバイス10およびレコーディングデバイス20によって、到来角(AoA)または放射角(AoD)情報を判断するために使用されてもよい。各レコーディングデバイス20には、この機能性を提供するためのアンテナアレイおよびコードが提供されてもよい。
【0082】
制御デバイス10により送信されたBLEアドバタイズメントメッセージが、AoAパケットとしての役割も果たしてもよく、レコーディングデバイス20は、パケットの受信中、アンテナ切り替えを実行する。レコーディングデバイス20は、BLEアドバタイズメントメッセージがないかスキャンして、これらパケットの受信中、振幅および位相サンプリングを実行する。レコーディングデバイス20は次に、それ自体のアンテナアレイ情報とともに振幅および位相サンプルを利用して、制御デバイス10からのパケットのAoAを推定する。この情報は、タイムスタンプ情報およびオーディオ/ビデオフィードとともに記憶されて後にアップロードされてもよい。
【0083】
AoDを使用する実施形態において、制御デバイス10はアンテナのアレイを備える。制御デバイス10は、AoDパケットとしても機能するBLEアドバタイズメントメッセージを送信するポジションビーコンデバイスとして機能する。制御デバイス10は、パケットの送信中にアンテナ切り替えを実行する。レコーディングデバイス20は、トラッカーデバイスとして機能して、AoDパケットがないかスキャンし、これらパケットの受信中、振幅および位相サンプリングを実行する。レコーディングデバイス20は次に、振幅および位相サンプルをアンテナアレイパラメータ情報とともに利用して、制御デバイス10からのパケットのAoDを推定してもよい。
【0084】
図9は、制御デバイス10の概略ブロック図である。制御デバイス10は、プロセッサ100、記憶デバイス101(揮発性メモリ102および不揮発性メモリ103を備える)、およびアンテナ104を備える。制御デバイス10がAoDの計算を実行するよう構成されている実施形態では、制御デバイスはアンテナのアレイを備える。制御デバイス10はさらに、トランシーバ105を備える。不揮発性メモリ103には、制御デバイス10がその機能性を実行できるように、コンピュータコード103AおよびBluetoothモジュール103Bが記憶されている。プログラミング命令103Aは、本発明の実施形態における制御デバイス10の特定の機能性に関係する。プログラミング命令103Aは、例えばhttp://www.in−location−alliance.comに記載されているように、送られたパケットが屋内高精度測位(HAIP:High Accuracy Indoor Positioning)ソリューションに従って処理されることを可能にする。Bluetoothモジュール103Bは、制御デバイス10に、BLE標準に従ってパケット信号/測位パケットを送信させるコンピュータ可読命令を含む。プロセッサは、一連のBLEアドバタイズメントメッセージを送信するようBLEモジュール103Bを制御する。上述のとおり、制御デバイス10は、スマートフォン、またはワイヤレス通信ができる他のタイプのコンピューティングデバイスであってもよい。よって、制御デバイス10はユーザ入出力107を備えてもよい。ユーザ入出力107は、上述した制御デバイス10の機能性のユーザ制御を可能にするスマートフォンのタッチスクリーンであってもよい。
【0085】
図10は、1つのレコーディングデバイス20の概略ブロック図である。レコーディングデバイス20は、プロセッサ200、記憶デバイス201、カメラモジュール202、マイクロフォン203、トランシーバ205、アンテナ206のアレイを備える。記憶デバイス201は、コンピュータ可読コード207AおよびBluetoothモジュール207Bが記憶された不揮発性メモリ207(ROMなど)、および揮発性メモリ208(RAMなど)を備えてもよい。プログラミング命令207Aは、本発明の実施形態におけるレコーディングデバイス20の特定の機能性に関係する。プログラミング命令207Aは、受信したパケットが屋内高精度測位(HAIP)ソリューションに従って処理されることを可能にする。レコーディングデバイス20はさらに、ユーザ入出力209を備える。入出力209は、1つ以上の物理的なボタンおよび画面を備えてもよい。あるいは、入出力209はタッチスクリーンであってもよい。レコーディングデバイスは、メモリカード(図示せず)を備えてもよい。レコーディングデバイス20は、クロック210を備える。クロック210は、受信したパケットにタイムスタンプを付すために使用される。レコーディングデバイス20は、アンテナ切り替えを実行するためにRFスイッチ211を備える。レコーディングデバイス20はさらに、バッテリまたは主電源への接続などの電源212を備える。
【0086】
カメラモジュール202は、当該技術分野で既知のとおり静止画および動画をレコーディングするのに必要なハードウェアおよびソフトウェアのコンポーネントを備える。例えばカメラモジュール202は、イメージセンシングなどのために、レンズ、CMOSセンサ、またはCCDイメージセンサを備える。
【0087】
ビデオおよびオーディオプロセッサは別々のプロセッサであってもよく、1つのマルチメディアプロセッサに組み合わされてもよく、または図10に示されるようにカメラ202およびマイクロフォン203の処理機能性がメインプロセッサ200によって実行されてもよい。
【0088】
コンピュータ可読命令は、装置10、20、および40にあらかじめプログラムされてもよい。あるいはコンピュータ可読命令は、電磁キャリア信号を介して装置10、20、40に到達してもよく、またはコンピュータプログラム製品、メモリデバイス、もしくはCD−ROMもしくはDVDなどの記録媒体などの物理エンティティ1200(図11参照)からコピーされてもよい。コンピュータ可読命令は、デバイス/装置10、20、40が上述の機能性を実行できるようにする論理およびルーチンを提供してもよい。
【0089】
BLEメッセージを使用して各実施形態について説明したが、IEEE802.15.4または802.11など別の低電力無線技術が使用されてもよい。
【0090】
「メモリ」という用語は、本明細書において使用される場合、文脈が別段のことを示唆しない限り、主として不揮発性メモリおよび揮発性メモリの両方を備えたメモリに関するものと意図される。しかし、この用語はさらに、1つ以上の揮発性メモリのみ、1つ以上の不揮発性メモリのみ、または1つ以上の揮発性メモリおよび1つ以上の不揮発性メモリを対象とすることもある。揮発性メモリの例としては、RAM、DRAM、SDRAMなどが挙げられる。不揮発性メモリの例としては、ROM、PROM、EEPROM、フラッシュメモリ、光学記憶、磁気記憶などが挙げられる。
【0091】
本開示の実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーション論理、またはソフトウェア、ハードウェア、およびアプリケーション論理の組み合わせにおいて実装されてもよい。ソフトウェア、アプリケーション論理、および/またはハードウェアは、メモリまたは任意のコンピュータ媒体上に存在してもよい。例示の実施形態では、アプリケーション論理、ソフトウェア、または命令セットは、様々な従来のコンピュータ可読媒体のうちの任意のものにおいて維持される。本文書の文脈では、「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータなどの命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用される命令を含むこと、記憶すること、伝達すること、伝播させること、または搬送することができる任意の媒体または手段であってもよい。
【0092】
コンピュータ可読媒体は、先に定義された、コンピュータなどの命令実行システム、装置、もしくはデバイスによってもしくはそれに関連して使用される命令を含むこと、または記憶することができる任意の有形媒体または手段とされてもよいコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。
【0093】
本開示の先の側面の様々な実施形態によれば、上記の側面のいずれかによるコンピュータプログラムが、具現化されたコンピュータプログラムコードを保持する有形のコンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品に実装されてもよく、これをプロセッサとともに使用して上述の機能を実装することができる。
【0094】
「コンピュータ可読記憶媒体」、「コンピュータプログラム製品」、「有形に具現化されたコンピュータプログラム」など、または「プロセッサ」もしくは「処理ユニット」などへの言及は、単一/マルチプロセッサアーキテクチャおよびシーケンサ/並列アーキテクチャなどの種々のアーキテクチャを有するコンピュータのみでなく、フィールドプログラマブルゲートアレイFPGA(field−programmable gate array)、特定用途向け集積回路ASIC(application specific integrated circuit)、信号処理デバイス、およびその他のデバイスなどの特殊回路も含むと理解されるべきである。コンピュータプログラム、命令、コードなどへの言及は、プログラム可能プロセッサのソフトウェア、プロセッサのための命令としてのハードウェアデバイスのプログラム可能コンテンツなどのファームウェア、または固定機能デバイス、ゲートアレイ、プログラム可能論理デバイスなどの構成済み設定もしくは構成設定を表現すると理解されるべきである。
【0095】
限定ではなく例として、かかる「コンピュータ可読記憶媒体」は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくはその他の光学ディスク記憶、磁気ディスク記憶、またはその他磁気記憶デバイス、フラッシュメモリ、または命令もしくはデータ構造の形で所望のプログラムコードを記憶するために使用できコンピュータによりアクセスすることができるその他任意の媒体を備えることができる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を意味してもよい。なお、当然のことながら、「コンピュータ可読記憶媒体」およびデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号、またはその他一時的な媒体を含まず、代わりに非一時的な有形記憶媒体を対象とする。本願明細書で使用するディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD:compact disc)、レーザディスク(disc)、光学ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再現し、ディスク(disc)はデータをレーザを用いて光学的に再現する。上記のものの組み合わせも、「コンピュータ可読媒体」の範囲内に含められるべきである。
【0096】
命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他等価な集積型もしくはディスクリートの論理回路など、1つ以上のプロセッサにより実行されてもよい。よって、本願明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、前述の構造のいずれか、または本願明細書に記載された手法の実装に適したその他任意の構造を指してもよい。さらに、一部の側面において、本願明細書に記載された機能性は、専用ハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール内に提供されてもよい。さらに、各手法が1つ以上の回路または論理要素に完全に実装されることが可能であろう。
【0097】
必要に応じて、本願明細書で説明された種々のステップは、異なる順序で実行されること、および/または互いに同時に実行されることが可能である。さらに、必要に応じて、上記のステップのうちの1つ以上を任意選択とすることも組み合わせることもできる。
【0098】
本開示の様々な側面が独立クレームに記載されているが、本開示の他の側面は、特許請求の範囲に明示的に記載された組み合わせのみではなく、その他、記載された実施形態および/または従属クレームからの特徴と、独立クレームの特徴との組み合わせを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-8】
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2018年4月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングすることと、
前記レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信することと、
前記受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録することと、
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを記憶することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを、他のメディアフィードとの同期のためにリモート装置にアップロードすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
メッセージ間のインターバルがランダムまたは擬似ランダムに変更される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
各メッセージは、粗同期値を含み、前記方法は、各タイムスタンプ値に関係する前記粗同期値を前記リモート装置に送ることをさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記粗同期値は、ランダムまたは擬似ランダム変数である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記粗同期値は、前記受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれた線形フィードバックシフトレジスタ値から決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記粗同期値は、前記受信したメッセージのうちの1つ以上に含まれたカウンタ値から得られる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
各タイムスタンプ値と、前記メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けることをさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
各タイムスタンプ値と、前記メディアフィードのタイミングインスタントとを関連付けることは、メディアファイル内のメタデータとしてタイムスタンプデータを前記メディアフィードに付与することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
タイムスタンプデータをメディアファイルと別のファイルに格納することをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
レコーディングを開始せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを開始することをさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
受信したメッセージに含まれたリモートデバイスの識別子を記憶することと、前記識別子を有する前記リモートデバイスからのさらなるアドバタイジングパケットがないかスキャンすることとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レコーディングを停止せよとの命令を含むメッセージを受信するのに応答してレコーディングを停止することをさらに含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記受信したメッセージの到来角を計算することと、前記計算された到来角をリモート装置に出力することとをさらに含む、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々の前記レコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信すること、ただし、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが前記個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、前記受信することと、
第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを同期するために、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値とを整列させることと、
を含む方法。
【請求項16】
前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一連のタイムスタンプ値と、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを関連付けることと、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一連のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを関連付けることとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
個々の前記フィードを粗同期するために粗同期値を使用するべく、前記レコーディングデバイスそれぞれから前記粗同期値を受信することをさらに含む、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1から14の何れかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項19】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項15から17の何れかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項20】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1から14の何れかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項21】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項15から17の何れかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項22】
レコーディングデバイスにて、シーンに関係するメディアフィードをレコーディングする手段と、
前記レコーディングデバイスにて、一連のワイヤレス同期メッセージを受信する手段と、
前記受信されるメッセージそれぞれに関して受信時間を示すタイムスタンプ値を記録する手段と、
前記タイムスタンプ値および前記メディアフィードを記憶する手段と、
を備える装置。
【請求項23】
第1レコーディングデバイスおよび第2レコーディングデバイスそれぞれから、個々の前記レコーディングデバイスによりレコーディングされたメディアフィードおよび一連のタイムスタンプ値を受信する手段であって、各タイムスタンプ値は、一連のワイヤレス同期メッセージのうちの1つが前記個々のレコーディングデバイスにて受信した時間を示す、前記受信する手段と、
第1レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードと、第2レコーディングデバイスから受信した前記メディアフィードとを同期するために、前記第1レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値と、前記第2レコーディングデバイスから受信した前記一組のタイムスタンプ値とを整列させる手段と、
を備える装置。
【請求項24】
請求項18または22に記載の装置を複数個と、請求項19または23に記載の装置を備えるシステム。
【国際調査報告】