(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-535895(P2018-535895A)
(43)【公表日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】飲料充填設備内に清浄空気を提供するための装置
(51)【国際特許分類】
B67C 3/00 20060101AFI20181109BHJP
F24F 3/044 20060101ALI20181109BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20181109BHJP
F24F 3/16 20060101ALI20181109BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20181109BHJP
F24F 13/24 20060101ALI20181109BHJP
B01D 46/00 20060101ALI20181109BHJP
【FI】
B67C3/00 Z
F24F3/044
F24F13/28
F24F3/16
F24F7/06 C
F24F13/24
B01D46/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-563013(P2017-563013)
(86)(22)【出願日】2016年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】EP2016071392
(87)【国際公開番号】WO2017042376
(87)【国際公開日】20170316
(31)【優先権主張番号】202015104817.3
(32)【優先日】2015年9月11日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,フランツ
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー,ホルガ―
(72)【発明者】
【氏名】ゼルナー,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ブリクマン,マックス
【テーマコード(参考)】
3E079
3L053
3L058
4D058
【Fターム(参考)】
3E079AA10
3E079AB01
3E079BB05
3E079GG10
3L053BB02
3L053BB04
3L058BF05
4D058JA01
4D058JB50
4D058KB02
4D058KB11
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA13
4D058QA21
4D058SA04
4D058UA18
4D058UA25
(57)【要約】
飲料充填設備内の清浄空気を提供するための装置(1)であって、給気供給路(20)を介して吸い込まれた空気を前処理するための少なくとも1つのフィルタ(21,23,24)を有する流入路(2)を備え、流入路(2)が、飲料充填設備の充填クリーンルーム内に供給するための、流入路(2)内で前処理される空気を処理するための少なくとも1のフィルタ(33)を有する第1の流出路(3)と隣接し、流入路(2)が、プラスチック容器を吹き込み成形するための吹込クリーンルーム内に供給するための、流入路(2)内で前処理された空気を処理するための第2の流出路(4)と隣接し、第2の流出路(4)内に前処理空気を除湿するための除湿装置(41,42)が配置される装置(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料充填設備内に清浄空気を提供する装置(1)において、給気供給路(20)を介して吸い込まれる空気を前処理するための少なくとも1つのフィルタ(21,23,24)を有する流入路(2)を有し、前記流入路(2)が、前記飲料充填設備の充填クリーンルーム内に供給するための、前記流入路(2)内で前処理される空気を処理するための少なくとも1のフィルタ(33)を有する第1の流出路(3)と隣接する装置(1)であって、
前記流入路(2)が、プラスチック容器を吹込成形するための吹込クリーンルーム内に供給するための、前記流入路(2)内で前処理される空気を処理するための第2の流出路(4)と隣接し、前記第2の流出路(4)内に、前記前処理される空気を除湿するための除湿装置(41,42)が配置された装置(1)。
【請求項2】
前記流入路(2)が、中央ファン(25)を備え、前記中央ファン(25)が、前記給気供給路(20)を介して供給された空気を前記流入路(2)と、前記第1の流出路(3)および前記第2の流出路(4)とを通して送る、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記流入路(2)が、少なくとも1つの粗塵フィルタ(21)及び/又は少なくとも1つの細塵フィルタ(23,24)とを有する、請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記粗塵フィルタ(21)が、フィルタクラスG3又はG4のフィルタであり、前記細塵フィルタ(23,24)が、フィルタクラスM5〜F9のフィルタである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
フィルタクラスM5又はM6の第1の細塵フィルタ(23)が提供され、前記第1の細塵フィルタ(23)の下流に、フィルタクラスF7〜F9の第2の細塵フィルタ(24)が提供された、請求項3又は4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記流入路(2)が、音を減衰させる消音器(22)を有し、前記消音器が、好ましくは粗塵フィルタ(21)の下流に配置される、請求項1〜5のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記第1の流出路(3)が、熱交換器(31)を含む、請求項1〜6のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項8】
前記第1の流出路(3)が、浮遊物フィルタ(33)を有し、前記浮遊物フィルタ(33)が、好ましくはフィルタクラスE10〜U16、特に好ましくはフィルタクラスH13又はH14のフィルタである、請求項1〜7のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項9】
前記第1の流出路(3)が、殺菌装置(32)を有し、前記殺菌装置(32)の下流にある前記第1の流出路(3)の領域を殺菌するため、好ましくは前記殺菌装置(32)の下流に配置された浮遊物フィルタ(33)を殺菌するためのものであり、前記殺菌装置が、好ましくはH2O2インゼクタである、請求項1〜8のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記第2の流出路(4)が、前記除湿装置(41,42)の後に配置された熱交換器(43)を有する、請求項1〜9のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記第2の流出路(4)が、殺菌装置(44)を有し、前記殺菌装置の下流にある前記第2の流出路(4)の領域を殺菌するため、好ましくは前記殺菌装置(44)の下流に配置された浮遊物フィルタ(45)を殺菌するためのものであり、前記殺菌装置が、好ましくはH2O2インゼクタである、請求項1〜10のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項12】
前記第2の流出路(4)が、浮遊物フィルタ(45)を含み、前記浮遊物フィルタ(45)が、好ましくはフィルタクラスE10〜U16、特に好ましくはフィルタクラスH13又はH14のフィルタである、請求項1〜11のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項13】
前記除湿装置が、空気冷却器(41)と液滴分離器(42)を有する、請求項1〜12のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項14】
前記流入路(2)、前記第1の流出路(3)及び前記第2の流出路(4)が、共通ハウジング(5)内に収容された、請求項1〜13のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項15】
前記第1の流出路(3)と前記第2の流出路(4)が、前記流入路(2)から互いに平行に出る、請求項1〜14のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【請求項16】
吹込クリーンルーム又は充填クリーンルームから空気を放出するための排気ファン(6)が提供され、前記排気ファン(6)が、好ましくは前記装置(1)の共通ハウジング(5)内に配置された、請求項1〜15のいずれかの1つに記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料充填設備内に清浄空気を提供するための装置に関するものであって、清浄空気は、典型的には、充填クリーンルーム内に供給され、充填される容器に飲料が充填される。
【背景技術】
【0002】
飲料充填設備の様々な領域内に清浄空気を供給することは既知であり、充填クリーンルーム内に清浄空気を供給することが知られており、充填クリーンルーム内には、少なくとも1つの充填要素と、充填される容器を供給するための装置とが配置される。これにより、クリーンルーム内の衛生状態を改善でき、詳細には、充填される容器及び充填される飲料に異物及び微生物が入るのを減少させ、充填の衛生品質全体が改善されうる。
【0003】
充填クリーンルーム内の清浄空気は、通常、わずかな正圧で提供され、それにより、外部からの粒子及び微生物の侵入を減少させるか防止し(特にエアロック領域内でも)、エアロック領域を通って、充填される容器が供給されるか、充填済み容器がクリーンルームから運び出される。換言すると、充填クリーンルーム内への清浄空気の一定の流れが提供され、清浄空気は、次に、クリーンルームからその開口部を通って流れ出て、それにより衛生シールが提供される。このようにして、充填プロセスの間の衛生が改善されうる。
【0004】
様々なクラスのクリーンルームが知られている。それらのクラスのクリーンルームは、通常、様々なフィルタ装置によって、クリーンルームクラスに応じて浮遊微小粒子を減少させ、空気が、クリーンルーム内に供給される。
【0005】
飲料充填設備では、清浄空気を供給するための装置を提供することが知られており、その装置によって、清浄空気を準備し飲料充填設備のクリーンルーム内に導入できる。そのような装置は、例えば、KRONES AGによって「空気処理ユニット」として飲料充填設備内に取り付けられ、フィルタによって、空気処理ユニットは、クリーンルーム内に給送するのに適した品質の空気を提供する。
【0006】
更に、プラスチックを処理する(例えば、プラスチック容器を吹込成形する)飲料充填設備内の領域に清浄空気を供給可能なことが知られている。この場合、清浄空気は、その他の用途の中でも特に、加熱プレフォームからプラスチック容器を吹込成形する際のブロワ空気として使用される。
【0007】
更に、プラスチック処理の衛生に関連する部分を収容する吹込クリーンルームは、微粒子と微生物の侵入を防ぎ、それにより充填されるプラスチック容器を衛生的に供給可能にするために、清浄空気を充填して濯ぐ。しかしながら、プラスチックの処理では、水蒸気の生成と水の凝縮を防ぐために、乾燥空気が提供されなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
既知の最新技術から、本発明の目的は、飲料充填設備のより効率的な設計を可能にする、飲料充填設備内に清浄空気を提供するための装置を提供することである。
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を有する飲料充填設備内に清浄空気を提供するための装置によって達成される。有利な更なる発展が従属クレームから生じる。
【0010】
従って、給気供給路を介して吸き込まれた空気を前処理するための少なくとも1つのフィルタを有する流入路を含む、飲料充填設備内に清浄空気を提供するための装置が提案され、流入路は、飲料充填設備の充填クリーンルーム内に供給するために、流入路内で前処理された空気を処理するための少なくとも1つのフィルタを有する第1の流出路と隣接する。本発明によれば、流入路は、プラスチック容器を吹き込み成形するための吹込クリーンルーム内に供給するために、流入路内で前処理された空気を処理するための第2の流出路が隣接し、第2の流出路内に、前処理された空気を除湿するための除湿装置が配置される。
【0011】
流入路が、プラスチック容器を吹込成形するための吹込クリーンルーム内に供給する空気を処理するための第2の流出路と隣接することにより、第2の流出路が、空気を除湿するための除湿装置を備え、第1の流出路を介して、飲料を衛生的に充填するための充填クリーンルームに充填するために提供された清浄空気を供給し、更に、第2の流出路を介して、飲料充填設備の吹込クリーンルーム内で使用するために提供された乾燥清浄空気を供給するコンパクトな装置を提供できる。
【0012】
特に効率的な設計は、他の要因の中でも特に、流入路が、そのフィルタ又は複数のフィルタと共に、第1及び第2の流出路によって共有されうることに起因する。その結果、2つの異なるタイプの空気を供給するために単一の流入路しか必要なく、したがって、流入路内に配置されたフィルタによって空気の前処理を1回だけ行なえばよい。したがって、流入路及びその中のユニット(好ましくは流入路内に提供され、前処理された空気を第1及び第2の流出路の両方に運ぶ、例えばフィルタ及び中央ファンなど)は、1回だけ提供されればよく、従って両方のタイプの空気に効率的に使用されうる。
【0013】
これにより、付加的な構成要素だけでなく取り付けスペースも節約でき、その結果、提案された装置は、空気を処理するための2つの別個の装置(充填クリーンルーム用に1つと吹込クリーンルーム用に1つ)を提供する最新技術で知られた構成よりも少ない全体取り付けスペース要件を有する。
【0014】
従って、流入路は、給気供給路を介して供給された空気を、流入路及びまた第1の流出路と第2の流出路で送る中央ファンを備えることが好ましい。したがって、単一の中央ファンによって、2つの異なるタイプの空気が供給され送られ、その結果、取り付け効率が向上しスペース要件が低くなる。
【0015】
流入路内に空気の十分な前処理を達成するために、流入路は、少なくとも1つの粗塵フィルタ及び/又は少なくとも1つの細塵フィルタを備えることが好ましい。特に好ましくは、粗塵フィルタは、フィルタクラスG3又はG4のフィルタでよく、細塵フィルタは、フィルタクラスM5〜F9のフィルタでよい。このフィルタリング技術によって、流入路内の空気の前処理を達成できる。
【0016】
特に好ましくは、流入路内にフィルタクラスM5又はM6の第1の細塵フィルタが提供され、第1の細塵フィルタの下流にフィルタクラスF7〜F9の第2の細塵フィルタが提供される。したがって段階的フィルタリングによって、吸い込まれる周囲空気の十分な前処理が効率的に行われうる。
【0017】
騒音を出す構成要素は、流入路内の音を減衰させる消音器の提供によって減衰でき、消音器は、粗塵粒子よる消音器の汚れを防ぐために粗塵フィルタの下流に配置されることが好ましい。
【0018】
第1の流出路内に、熱交換器が提供されることが好ましく、熱交換器によって、第1の流出路内で処理される空気を、充填クリーンルーム内で必要温度を達成可能な温度にできる。
【0019】
空気の清浄濾過を達成するために、好ましくは第1の流出路内に浮遊物フィルタが提供され、浮遊物フィルタは、好ましくはフィルタクラスE10〜U16、特に好ましくはフィルタクラスH13又はH14のフィルタである。
【0020】
更に、殺菌装置の下流にある第1の流出路の領域を殺菌するため、特に好ましくは殺菌装置の下流に配置された浮遊物フィルタを殺菌するために、第1の流出路内に殺菌装置が提供されることが好ましく、殺菌装置は、好ましくはH
2O
2インゼクタである。この手段によって、飲料充填設備の洗浄又は殺菌が行われるとき、殺菌媒体に晒される全ての領域を殺菌できる。
【0021】
第2の流出路は、また、除湿ユニットの後に配置された熱交換器を備えることが好ましく、これにより、吹込クリーンルームに供給された乾燥清浄空気を、吹込クリーンルーム内で必要温度を提供する温度にする。
【0022】
第2の流出路は、また、好ましくは、殺菌装置の下流の第2の流出路の領域を殺菌するため、特に好ましくは殺菌装置の下流に配置された浮遊物フィルタを殺菌するための殺菌装置を備え、殺菌装置は、好ましくはH
2O
2インゼクタである。
【0023】
最終的に空気の清浄濾過を達成するために、第2の流出路は、浮遊物フィルタを備えることが好ましく、浮遊物フィルタ、好ましくはフィルタクラスE10〜U16、特に好ましくはフィルタクラスH13又はH14のフィルタである。
【0024】
除湿装置の特に単純な設計は、空気冷却器と液滴分離器を含みうる。
【0025】
効率的な空気流を達成するために、第1の流出路と第2の流出路は、好ましくは流入路から互いに平行に出る。
【0026】
流入路、第1の流出路及び第2の流出路が共通ハウジング内に収容されるので、飲料充填設備内の単純化された集積を達成し保守を単純化するコンパクト設計が達成されうる。
【0027】
特に好ましくは、全てのユニット、フィルタ、流入路、及び2つの流出路が、単一ハウジング内に提供され、それにより飲料充填設備の設計における付加的な構造及び手段を省略できるので、必要な取り付けスペース全体を小さくでき、装置のコンパクト設計を達成できる。
【0028】
吹込クリーンルーム又は充填クリーンルームからの空気を排出するための排気空気ファンが提供された場合、飲料充填設備内の空気流入及び流出技術の設計がさらにコンパクトになり、排気ファンは、装置の共通ハウジング内に配置されることが好ましい。
【0029】
本発明のさらに好ましい実施形態は、図の以下の説明によってより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1の側から見た清浄空気を提供するための装置の概略斜視図であり、側壁が透明で示される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
好ましい実施形態の例は、図を用いて説明される。図では、同一若しくは類似の要素又は同一効果を有する要素は、同一の参照符号によって示される。冗長さを防ぐため、以下の記述では、それらの要素の繰り返し記述が部分的に省略される。
【0032】
図1は、飲料充填設備内に清浄空気を提供するための装置1を概略的に示し、第1の表現では、装置の外壁は、透明であるかのように、概略的にのみ示されている。
図2では、この装置1は外側から示され、この場合も側壁は、透明であるかのように表される。
【0033】
給気供給路20を介して周囲空気を吸い込む流入路2が提供される。次に、周囲空気は、第1の粗塵フィルタ21によってプレフィルタリングされる。粗塵フィルタ21内でプレフィルタリングされた空気は、次に、流れで生じた騒音と下流中央ファン25からの騒音が給気供給路20を介して周囲に広がるのを防ぐために、消音器22に通される。中央ファン25は、流入路2内に配置される。
【0034】
粗塵フィルタ21は、周囲にある10μmを超える微粒子のフィルタリングを可能にするために、フィルタクラスG3又はG4のフィルタであることが好ましい。
【0035】
次に、空気は、更に第1の細塵フィルタ23と第2の細塵フィルタによって前処理され、その後で中央ファン25に通される。第1の細塵フィルタ23は、フィルタクラスM5又はM6のフィルタとして提供されることが好ましく、第2の細塵フィルタ24(第1の細塵フィルタ23の下流に配置される)は、フィルタクラスF7〜F9のフィルタであることが好ましい。このようにして、空気が中央ファン25に供給される前に、前処理された空気から1〜10μmの粒子をフィルタリングできる。
【0036】
従って、周囲空気を給気供給路20からフィルタ21、23及び24を介して中央ファン25に供給できる。中央ファン25の下流で、フィルタ21、23及び24によって前もって清浄にされた空気を後の処理のために供給できる。
【0037】
流入路2は、第1の流出路3及び第2の流出路4と隣接する。第1の流出路3は、特に
図1で容易に確認でき、第2の流出路4は、特に
図2で容易に確認できる。
【0038】
示された例示的実施形態では、流入路2は、第1の流出路3及び第2の流出路4内に直接通る。第1の流出路3と第2の流出路4は、流入路2から実質的に互いに平行に出て、それにより効率的な気流が得られる。したがって、フィルタ21、23及び24によって前処理された空気は、中央ファン25によって第1の流出路3と第2の流出路4に供給される。
【0039】
第1の流出路3は、中央ファン25によって送られ流入路2から供給された前処理された空気を受け取り、その空気を最初に熱交換器31に導く。熱交換器31は、前処理された空気を、飲料充填設備の充填クリーンルーム内の所望温度を達成可能にする温度にする働きをする。従って、熱交換器31内で、前処理された空気は、充填クリーンルームに達したときにそこで必要とされる温度を提供できるように冷却又は加熱される。この点で、様々な導管によって追加又は除去される熱量も、温度の決定に考慮される。また、流入路2内に提供されたユニット(詳細には中央ファン25)が、前処理された空気を加熱することも考慮され、この熱量が後で除去されなければならないことがある。
【0040】
熱交換器31の下流に、殺菌装置32(ここではH
2O
2インゼクタの形)で提供される。殺菌装置32は、例えば、ガスH
2O
2の導入によって、殺菌装置32の下流にある流出路3の全ての部分と、充填クリーンルームまで延在する全ての導管を殺菌媒体に晒すことを可能にする。このようにして、例えば、飲料充填設備が清浄又は殺菌モードで操作されるときに、これらの領域を確実に殺菌できる。
【0041】
更に、殺菌装置32からのガスH
2O
2の適切な注入によって、充填クリーンルーム全体に殺菌媒体を充填でき、それにより清浄空気を提供するための装置1の関連領域だけでなく、飲料充填設備自体の充填クリーンルームも総合的に殺菌できる。
【0042】
殺菌装置32は、浮遊物フィルタ33と隣接し、浮遊物フィルタ33は、好ましくはフィルタクラスE10〜E16のフィルタ、特に好ましくはフィルタクラスH13又はH14のフィルタである。充填クリーンルームに清浄空気を供給するための最終フィルタとして働く浮遊物フィルタによって、適切に処理された清浄空気を充填クリーンルームに供給できる。
【0043】
次に、適切に処理された清浄空気は、流出口34を介して、第1の流出路3内で浄化された清浄空気を飲料充填設備の充填クリーンルームに供給する管路系に渡される。
【0044】
図2は、流入路2に隣接する第2の流出路4を示しており、第2の流出路4内には、流入路2を介して中央ファン25によって導かれる前処理された空気が供給される。流入路2が、第2の流出路4内で空気冷却器41と隣接し、空気冷却器41は、液滴分離器42と隣接する。空気冷却器41と液滴分離器42は一緒に、前処理された空気を除湿するための除湿装置を構成する。したがって、空気冷却器41及び液滴分離器42によって、空気の乾燥が可能であり、それにより、流入路2を介して供給された空気は、除湿装置の下流の流出路4内にある空気より多くの水分を含む。実際に達成される乾燥効果は、空気冷却器41の冷却性能と液滴分離器42の分離性能に依存する。
【0045】
空気冷却器41と液滴分離器42は、第2の流出路4内で熱交換器43と隣接し、熱交換器43によって、最終的に吹込クリーンルームに供給される空気が、そこで必要な温度にされる。
【0046】
ここでまた、熱交換器43は、殺菌装置44と隣接し、殺菌装置44によって、例えば、ガスH
2O
2を乾燥空気に導入でき、飲料充填設備の洗浄及び/又は殺菌操作において、少なくとも殺菌装置44の下流の第2の流出路4の領域と、好ましくは更に下流の管路とクリーンルーム領域の殺菌を達成する。
【0047】
浮遊物フィルタ45は、好ましくは殺菌装置44に隣接し、浮遊物フィルタ45は、好ましくはフィルタクラスE10〜U16、特に好ましくはフィルタクラスH13又はH14のフィルタである。浮遊物フィルタ45によって、乾燥空気の超高純度フィルタレーションを達成でき、それにより、吹込クリーンルームのための清浄度を達成できる。
【0048】
次に、乾燥清浄空気が、流出口46を介して適切な管路系に渡され、この管路系は、乾燥清浄空気を吹込クリーンルーム内に導き、そこで乾燥清浄空気が、例えば吹込成形のためかつ/又は吹込領域の上に流すために使用され、この領域内の適切な衛生要件も満たしうる。
【0049】
図1と
図2に示されたように、単一ハウジング5内に全てのユニットが提供されることが好ましい。従って、2つの異なるタイプの清浄空気を両方とも装置1によって供給でき、少なくとも2つの異なる装置を含む従来の構成と比べて装置1のサイズを大幅に縮小できる。
【0050】
ハウジング5内に排気ファン6も提供でき、この排気ファン6によって、例えば、空気を吹込クリーンルーム又は充填クリーンルームから抽出でき、次に適切な後処理後に周囲に戻してもよい。これは、特に、殺菌手段(例えばH
2O
2ガス)が、殺菌装置を介して吹込クリーンルーム又は充填クリーンルームに導入され、次にびん詰工場内のスタッフに対する危険可能性を排除するように抽出されなければならない場合に重要である。
【0051】
この形態でも、詳細には共通ハウジング5内に配置された排気ファン6と併せて、特にコンパクトな設計を達成できる。
【0052】
妥当な範囲内で、個々の例示的実施形態に示された個々の特徴は、本発明の分野から逸脱することなく互いに組み合わされかつ/又は交換されうる。
【符号の説明】
【0053】
1 清浄空気を提供する装置
2 流入路
3 第1の流出路
4 第2の流出路
5 ハウジング
6 排気ファン
20 給気供給路
21 粗塵フィルタ
22 消音器
23 細塵フィルタ
24 細塵フィルタ
25 中央ファン
31 熱交換器
32 殺菌装置
33 浮遊物フィルタ
34 流出口
41 空気冷却器
42 液滴分離器
43 熱交換器
44 殺菌装置
45 浮遊物フィルタ
46 流出口
【国際調査報告】