(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537078(P2018-537078A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】豆の剥皮装置とその方法
(51)【国際特許分類】
A23N 5/08 20060101AFI20181122BHJP
A23N 15/08 20060101ALI20181122BHJP
A47J 17/16 20060101ALI20181122BHJP
A47J 43/046 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
A23N5/08 Z
A23N15/08 Z
A47J17/16
A47J43/046
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-521283(P2018-521283)
(86)(22)【出願日】2015年10月19日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】IB2015058009
(87)【国際公開番号】WO2017068390
(87)【国際公開日】20170427
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】518138859
【氏名又は名称】アルコ,オランレヴァジュ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アルコ,オランレヴァジュ
【テーマコード(参考)】
4B053
4B061
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA20
4B053BB02
4B053BE20
4B053BL01
4B061AA02
4B061BA10
4B061CB02
4B061CB04
4B061CB27
(57)【要約】
本発明は、豆を剥皮し剥皮豆から外皮を分離するための装置と方法を開示している。豆の剥皮装置は、ボウル(2)内の水中で豆に研磨衝突を与えるため、電動モーター(1)により駆動される粗ディスク(3)を有する。障壁リング(4)は、豆から外皮を分離し、特殊フィルタ(5)は混合物から外皮を収集することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル(2)の内部で障壁リング(4)により拘束された剥皮領域内の水中で豆と研磨衝突する粗ディスク(3)を備え、障壁リング(4)は豆を防止するが、外皮が収集領域に通過することを許容し、外皮は特殊フィルタ(5)によってトラップされ、電動モーター(1)が粗ディスク(3)を駆動することを特徴とする、豆を剥皮し剥皮豆から外皮を分離する装置。
【請求項2】
剥皮豆と外皮の分離のため、等間隔に配置され得る複数のリングを備える障壁リング(4)を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
外皮を収集しトラップするため、複数の漏斗を備えた特別なフィルタ(5)を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記特殊フィルタは、前記外皮をトラップする大きさのメッシュをさらに備える、請求項1または3に記載の装置。
【請求項5】
前記剥皮領域における前記ボウルの壁が、粗面を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する方法であって、粗ディスクを駆動して拘束領域内の水中で豆と研磨衝突し、二段濾過プロセスにより豆から外皮を分離することを特徴とする方法であって、剥皮用の区画は、剥皮豆を外皮と分離するための第1段フィルターである障壁によって制限され、残りの混合物は第2段フィルターに収集され外皮をトラップされる方法。
【請求項7】
豆を剥皮し混合物を攪拌するための研磨面を提供するため、少なくとも2つの翼を有する粗ディスク(3)を含み、その表面粗さは1mm以上で、任意の形状を持つ(a)の隆起部である、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、豆を剥皮し、剥皮した豆から外皮を分離する装置とその方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
剥皮豆、特にレンズ豆およびササゲ(大角豆)から造られた食品は、珍味と良好なタンパク質の供給源を提供し、多くの健康上の長点を有する。しかし、手で豆を剥がすのは非常な面倒を伴なうので、大多数の人は、剥皮豆から造られる様々の食事を楽しむことを忘れてしまったようである。
【0003】
現在の剥皮方法には、豆を水に浸し、浸漬された豆を手の平の間で擦って剥がした後、複数回上水流しを行い、剥皮豆から外皮を分離するプロセスが含まれている。この方法は時間と非常な手間がかかる。
【0004】
また、一部方法では、豆の剥皮に、プロセス中の豆が混ざる可能性を有する混合装置を使用している。通常、剥皮豆から外皮を分離するために多回の上水流しが行われている。この方法は、意図しない混合に失われた豆の浪費と、時間と、水との消費から見て好ましくない。
【0005】
様々な豆の剥皮機械が知られている。一部機械は、水に浸した豆を撹拌し、豆と外皮を含む混合物を造る複数のロッドを含んでいる。以下の文献を参照してください:
文献1 DE 342441C (TALLGREN H) 1921年10月18日 (1921-10-18)
文献2 PCT/IB2011/055390 (KONINKLIJKE PHILIPS ELECTRONICS N.V) 2011年11月30日 (2011-11-30)
文献1に開示された、前処理ずみの豆、エンドウ豆および他のマメ科穀物の剥皮装置は、ビートロッドと、複数のスクリーニング領域と、脈動水流による剥皮豆の洗い流しプロセスとを含んでいる。
【0006】
また、文献2も剥皮装置を開示している。文献2では、豆の剥皮装置と、第2ユニットの使用を記載している。第2ユニットは、主装置に固定または取り外し可能な真空装置として、または外皮を吸い取ることができる別個の真空装置として使用することができる。さらに、第2ユニットは、主駆動モーターまたは独立した別個の駆動手段によって駆動され得ることが開示されている。
【0007】
文献1および文献2に記載された方法および装置は、前記装置のサイズのため国内出願には提示されていない。
【0008】
一般的に、乾燥または湿潤豆を剥皮する既存の方法および装置が、国内や家庭の用途に適しないのは、剥皮装置の大きな容積特性のため、広汎な消費者用の食事や料理を剥皮豆から造るのに、即時に利用することができないからである。
【0009】
現在、国内または家庭の用途には、豆を剥皮し、剥皮した豆から外皮を分離する適切な方法や装置は存在しない。したがって、豆を剥皮し、外皮から豆を分離することは、慎重に取り扱う必要がある。処理時間を短縮し、豆の浪費を減らし、剥皮時に必要な水の使用量を最小限に抑え、家庭用にコンパクトにする必要がある。
【0010】
〔発明の概要〕
上記の現状に鑑みて、豆の剥皮に伴う激しい労力を排除し、時間の短縮、および水の使用の最適化を実質的に改善するための新しい解決策を提示し、家庭および産業用途に使用することができる多くの進歩性を有する装置および方法を提供した。
【0011】
本明細書において、豆の殻または外皮の定義は、剥皮または脱皮されたものと呼び、外皮の除去後に残るものを剥皮または脱皮された豆と呼ぶ。この定義は、当該技術分野において周知であり、一般的な用語である。
【0012】
本発明の第1の態様では、剥皮装置であって、駆動モーターとボウルとを含み、水中の豆がボウル内の制限された区画内で粗ディスクと研磨衝突して、外皮と剥皮豆を含む混合物を生成する。
【0013】
本発明の一実施形態では、豆の浸漬と研磨衝突が水中で同時に起こるため、事前に豆を浸漬しなくても直ちに剥がすことができる。場合によっては、豆の種類に応じて、剥皮を開始する3〜5分前に浸してもよい。
【0014】
本発明の他の実施形態では、ボウル内に設置された障壁によって豆を制限して、豆が第1区画に越えて流れるのを防止し、それらを剥皮領域内に収容して、ゲートを開いて外皮をボウル内の第2区画に進ませている。
【0015】
本発明のさらなる実施形態では、水から外皮を収集するため、ボウルの第2区画内に特別なフィルタが設けている。
【0016】
本発明の第2の態様では、ボウル内の制限された区画内の水中で豆が研磨衝突して、外皮および剥皮豆を含む混合物を生成するための駆動ユニットを有する豆の剥皮方法が提供されている。
【0017】
本発明の一実施形態では、豆の浸漬と研磨衝突が水中で同時に起こるため、事前に豆を浸漬しなくても直ちに剥がすことができる。場合によっては、豆の種類に応じて、剥皮を開始する3〜5分前に浸してもよい。
【0018】
本発明の他の実施形態では、混合物の剛性化中に外皮を別個の区画に通過させる方法が提供されている。
【0019】
本発明のさらなる実施形態では、混合物の撹拌中に水から外皮を回収する方法が提供されている。
【0020】
本発明では、制限された区画内の水中で粗ディスクと豆が研磨衝突するボールと駆動モーターを含む豆の剥皮装置と方法が提供されている。制限は、剥皮領域に豆を保持する障壁によって提供される。また、障壁は水から外皮を収集する特別なフィルタへの外皮通過を可能にするゲートでもある。したがって、剥皮豆は1つの区画に残こり、外皮は単一プロセスでボウル内の別個の区画に収集される。
【0021】
〔図面の簡単な説明〕
本発明を以下に詳細に説明する。
[
図1]は、本発明の第1の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の正面図である。
[
図2]は、本発明の第1の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の分解図である。
[
図3]は、本発明の第1の態様により、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の主要な構成要素配列の平面図である。
[
図4]は、本発明の第1の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の展開した組み立て図である。
【0022】
[
図5]は、本発明の第2の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する方法を図式的に示すフローチャートである。
[
図6]は、使用中に豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置のフローパターンである。
【0023】
〔実施形態の説明〕
図1、
図2、
図3および
図4は、本発明の一実施形態に従い豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置のアーキテクチャの様々な態様を示している。
【0024】
図1に示すように、本発明は、粗表面を有する粗ディスク(3)を駆動するためのシャフトを有するボウル(2)に結合された電動モーター(1)を備えている。粗ディスク(3)は水中で豆と研磨衝突し、水、豆、および外皮の渦流を造り出す。
【0025】
本発明の一実施形態では、豆の浸漬と研磨衝突が水中で同時に起こるので、豆を事前に浸漬しなくても直ちに剥皮を開始することができる。粗ディスク(3)は、小さな壊れた小片で豆の外皮を剥ぎ取ることを意図しているが、剥皮豆は、混合物内で壊れずに比較的大きなままである。
【0026】
場合によっては、豆の種類に応じて、剥皮を開始する3〜5分前に浸してもよく、またはボウル(2)に導入される前に前処理されてもよい。
【0027】
本発明の他の実施形態では、混合物の剛性化中に渦流が生成され、遠心力が混合物をボウルの壁に沿って上方に押し上げる傾向があるので、豆は障壁リング(4)により制限を受け、第1区画へ越える豆の流れが防止され、剥皮領域内に豆が収容される。
【0028】
本発明のさらなる実施形態では、障壁リング(4)が持つリング間のギャップは、ボウル内での第2区画に外皮を通過させることができる大きさになっている。得られた混合物は障壁リング(4)の下側に押し上げられ、外皮と剥皮豆の意図した分離を可能にする。
【0029】
本発明のさらなる他の実施形態では、水と外皮の混合物を収集するため、複数の側部漏斗を有するボウル(2)の第2の区画内に特別なフィルタ(5)が設けられている。水はボウル(2)の第1区画に回流するが、外皮は特殊フィルタ(5)内に残る。
【0030】
蓋(6)は、収容および安全のためにボウル(2)に設けられたものであり、剥皮操作中に特殊フィルタ(5)を保持するための装置をさらに備えていてもよい。また、必要に応じて、使用中に水を追加するためのフードを備えていてもよい。
【0031】
図5の第2の参照は、本発明の他の実施形態による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する方法のフローチャートを図式的に示している。
【0032】
図5のステップ100に示すように、水中の豆は、制限された区画内の粗ディスクと研磨衝突して、外皮と剥皮豆の混合物を生成する。
【0033】
ステップ200では、混合物中の粒子の大きさが障壁リング(4)で確認される。生成された外皮の大きさが、障壁リング(4)のリング間の特定のギャップの大きさ、例えば3mmよりも小さい場合、外皮はステップ300に進み、そうでなければステップ100が継続する。
【0034】
ステップ300において、ステップ100で生成された外皮の一部が、障壁リング(4)を通過してボウル(2)の第2区画に到達し、その流れは、電動モーター(1)によって駆動される粗ディスク(3)の回転による遠心力により発生する。
【0035】
ステップ400では、水中の外皮のサイズが確認される。外皮サイズが指定されたメッシュのギャップが、例えば0.5mmを超える場合、それらはフィルタによってトラップされる。
【0036】
ステップ500では、ステップ400での確認後に、外皮がトラップされる。トラップ装置は、混合物をボウル(2)の壁から中心に集めるための複数の側部漏斗を有する特殊なフィルタ(5)である。
【0037】
ステップ600において、特別なフィルタ(5)によって収集された混合物中の水は、特別なフィルタ(5)のメッシュを通過してボウル(2)の第1区画に回流する。
【0038】
ステップ100-600において、実質的にすべての豆の種子が剥皮され、それが第1区画に残るまで継続する一方、大部分の外皮がボウル(2)の第2区画の特別なフィルタ(5)によりトラップされる。
【0039】
図6の第3の参照は、使用中に豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置のフローパターンを示している。
【0040】
図6に示すように、粗ディスク(3)の回転中にU字形のフローパターンが形成され、障壁リング(4)は混合物内の豆の流れ程度を制限する一方、外皮が第2区画に到達すると、複数の漏斗を備えた特別なフィルタ(5)が混合物をボウルの壁から収集し、外皮をトラップするため、それを中心に送る。
【0041】
本発明は、開示された実施形態によって限定されるものではない。本発明は、開示された特徴と、または装置の変更および等価な構成と、または開示されたようなステップ、方法、またはプロセスの任意の新規な組み合わせとを包括する。
【0042】
〔産業上の利用可能性〕
多大な健康上の利点を有する多様な種類の食事を造るため、豆類の消費、特に加工した豆と特殊な剥皮豆の需要傾向が高まっている。
【0043】
本発明は、剥皮豆を所望の味にさらに加工する前に、すべての家庭、レストラン、ホテル、食品加工プラントおよび同様の産業に、便利な剥皮装置、および外皮の分離装置を提供するものである。
【0044】
家庭用および産業用のためのコンパクトで効率的で効果的な豆の剥皮方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の第1の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の正面図である。
【
図2】本発明の第1の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の分解図である。
【
図3】本発明の第1の態様により、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の主要な構成要素配列の平面図である。
【
図4】本発明の第1の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置の展開した組み立て図である。
【
図5】本発明の第2の態様による、豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する方法を図式的に示すフローチャートである。
【
図6】使用中に豆を剥皮し、剥皮豆から外皮を分離する装置のフローパターンである。
【国際調査報告】