特表2018-537345(P2018-537345A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537345(P2018-537345A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】コンテナ用輸送車両
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/02 20060101AFI20181122BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   B60P1/02 Z
   B60P3/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-528013(P2018-528013)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月12日
(86)【国際出願番号】EP2016081035
(87)【国際公開番号】WO2017102862
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】102015121804.6
(32)【優先日】2015年12月15日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】516083449
【氏名又は名称】コネクレーンズ グローバル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Konecranes Global Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ヘーゲヴァルト、ミケ
(72)【発明者】
【氏名】モウトソカパス、ヤニス
(57)【要約】
本発明は、コンテナ(5)を載置することができる第1載置面(2a)と、輸送車両(1)上への載置中にコンテナ(5)を第1載置面(2a)の方にガイドするために、第1載置面(2a)の方向に互いに向かって延びる2つの対向するガイド面(2c)と、を含み、第1載置面(2a)は、両ガイド面(2c)の間に設けられている、コンテナ(5)用の輸送車両(1)に関する。改良された輸送車両(1)を実現するために、待機位置と動作位置との間で移動可能なアダプタ(6)を設け、アダプタ(6)が待機位置にある際は、輸送車両(1)上への載置中に、コンテナ(5)が、第1載置面(2a)上に誘導される一方、アダプタ(6)が輸送車両(1)上における動作位置に配置されている際は、コンテナは、両ガイド面(2c)間においてアダプタ(6)によって形成された第2載置面(6a)上に誘導される、ことが提案されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ(5)を載置することができる第1載置面(2a)と、輸送車両(1)上への載置中にコンテナ(5)を前記第1載置面(2a)の方にガイドするために、前記第1載置面(2a)の方向に互いに向かって延びる2つの対向するガイド面(2c)と、を含み、前記第1載置面(2a)は、前記両ガイド面(2c)の間に設けられている、コンテナ(5)用の輸送車両(1)であって、
待機位置と動作位置との間で移動可能なアダプタ(6)が設けられており、前記アダプタ(6)が前記待機位置にある際は、前記輸送車両(1)上への載置中に、コンテナ(5)が、前記第1載置面(2a)上に誘導される一方、前記アダプタ(6)が前記輸送車両(1)上における前記動作位置に配置されている際は、コンテナは、前記両ガイド面(2c)間において前記アダプタ(6)によって形成される第2載置面(6a)上に誘導され、前記アダプタ(6)は、前記動作位置では、前記輸送車両(1)上の支持面上に配置され、前記待機位置では、当該支持面から解放されることを特徴とする、輸送車両。
【請求項2】
前記アダプタ(6)は、前記待機位置と前記動作位置との間で移動可能に、前記輸送車両(1)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の輸送車両(1)。
【請求項3】
前記アダプタ(6)は、前記アダプタ(6)が前記動作位置にある際に水平面内に延びることにより前記第2載置面(6a)を形成する平坦な上面(6c)、を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の輸送車両(1)。
【請求項4】
前記第1載置面(2a)と前記第2載置面(6a)との相対的位置関係は、前記第1載置面(2a)上に載置されたコンテナ(5)の下面、特に下側のコーナフィッティング(5a)が、前記両ガイド面(2c)の間の好ましくは水平な第1平面(E1)内に位置する状態で配置されるとともに、前記第2載置面(6a)上に載置されたコンテナ(5)の下面、特に下側のコーナフィッティング(5a)が、前記両ガイド面(2c)の間の好ましくは水平な第2平面(E2)内に位置する状態で配置されるように設定されており、前記第2平面(E2)は、前記第1平面(E1)の上方に位置しており、前記第2平面(E2)内において、前記両ガイド面(2c)は、前記第1平面(E1)内においてよりも、大きな距離(d2)離間していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の輸送車両(1)。
【請求項5】
前記支持面は、前記第1載置面(2a)に形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の輸送車両(1)。
【請求項6】
前記支持面は、前記第1載置面(2a)の領域外において、特に、前記第1載置面に隣接してそれよりも下方に形成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の輸送車両(1)。
【請求項7】
前記アダプタ(6)を、位置決め駆動装置(7b)を有する位置決め装置(7)によって、前記待機位置と前記動作位置との間で移動させることができ、前記位置決め駆動装置(7b)は、好ましくは、リニア駆動装置として設計されており、特に、昇降シリンダ、好ましくは電動シリンダもしくは油圧シリンダ、または、ベルト駆動装置、チェーン駆動装置、もしくはピニオンラック駆動装置を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の輸送車両(1)。
【請求項8】
前記アダプタ(6)は、前記位置決め装置(7)の位置決めアーム(7a)に設けられており、前記位置決めアーム(7a)は、移動可能、特に枢動可能に、前記輸送車両(1)に取り付けられており、前記アダプタ(6)を前記待機位置と前記動作位置との間で移動させるために、前記位置決め駆動装置(7b)に駆動連結されていることを特徴とする、請求項7に記載の輸送車両(1)。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の輸送車両(1)を、ワイドボディーコンテナとして設計されたコンテナ(5)の搬送に利用する使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ用の輸送車両に関し、当該輸送車両は、コンテナを載置することができる第1載置面と、輸送車両上への載置中にコンテナを第1載置面の方にガイドするために、第1載置面の方向に互いに向かって延びる2つの対向するガイド面と、を有しており、第1載置面は、両ガイド面の間に設けられている。
【背景技術】
【0002】
このような輸送車両は、典型的には、コンテナを積んだり降ろしたりする設備において用いられるものであり、ここでは、具体的には海上港や内陸港のコンテナターミナル内や、道路‐レール間の複合輸送のためのコンテナターミナル内でのコンテナの輸送に用いられるものである。
【0003】
この点に関し、コンテナは、大容量のISOコンテナ又は海上コンテナであり、商品の国際輸送に用いられる貨物ピックアップ手段用に標準化されたピックアップポイント又はコーナフィッティング(corner fittings)を有するものを指す。最も広く用いられているのは、8フィートすなわち2438mmの標準幅、及び、20、40、又は45フィートの長さを有するISOコンテナである。
【0004】
さらに、パレットワイド(pallet-wide)又はワイドボディーコンテナと称されるコンテナも含まれるものとし、これらは、2438mm以上の幅、特に約2500〜2550mmの幅を有する一方で、ISOコンテナの上述した長さ及び標準化されたコーナフィッティングを有するものである。
【0005】
これらに対応する輸送車両は、少なくとも20tのペイロード用に構成されており、従って、大型輸送車両として設計されている。上述のコンテナは、積載状態で、最大45tの重量となる可能性がある。少なくとも20tのペイロードを輸送可能なものであれば、空荷状態で走行している車両、あるいは空荷のコンテナを輸送している車両も対象に含まれる。
【0006】
このような輸送車両は、通常、例えば空気入りゴムタイヤなどのタイヤ付きホイールを備え、レール走行式ではなく地上走行式に設計されており、従って、自由に走行することができる。従って、本件の輸送車両は、鉄道車両、特に鉄道ワゴンとは区別されるものである。また、輸送車両は、運転室内の随伴運転手の手作業により、半自動で操作することができ、あるいは、運転室を有する必要の無いいわゆる無人搬送車(AGV)の場合は、完全に自動で、従って無人で操作することができる。これらの輸送車両は、従来、ディーゼル・エレクトリック方式やディーゼル油圧方式により、あるいは、完全に電気的な手段、特にバッテリにより、駆動される。
【0007】
上述の種類のうちの1つに対応する輸送車両は、ドイツ特許公開第102007039778A1号公報、及び、ドイツ特許公開第102009025051A1号公報より既知である。
【0008】
既知の輸送車両においては、特に、いわゆる位置アダプタによって形成された複数のガイド面が、標準幅のISOコンテナの搬送用に設けられている。ここで、これらのガイド面は、最小の、特に変更不可能な相互間距離を有しており、当該距離は、2438mmの標準幅よりは幾分大きいが、ワイドボディーコンテナの幅より小さい。従って、特にワイドボディーコンテナは、ガイド面間の最小距離の領域内に設けられた載置面に、安定して載置することはできない。しかしながら、このような輸送車両の場合、通常、コンテナは、ツイストロックによってコーナ領域でロックされないため、このような安定した載置は、安全な搬送のために必要である。また、相互の離間幅が十分に広いが、通常傾斜しているガイド面の領域に、コンテナを安全且つ安定して載置することは可能でない。なぜなら、傾斜ガイド面上で滑りが発生し、コンテナが不安定な傾斜姿勢となる可能性があるからである。従って、このようなワイドボディーコンテナは、以前は、上述した輸送車両で搬送されることは無く、特にこのような輸送車両に自動で積載されることはなく、例えばリーチスタッカーのような手動操作の輸送車両を用いて、取扱い及び搬送がなされていた。
【発明の概要】
【0009】
これに基づき、本発明の目的は、自動化されたコンテナターミナルにおいてでも、設計の異なるコンテナを安全且つ安定して搬送できるように容易に適合させることができる、改良されたコンテナ用輸送車両を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1の特徴を有する輸送車両によって、達成される。請求項2〜9は、本発明の有利な実施形態を提示し、請求項10は、本発明の有利な用途を提示するものである。
【0011】
コンテナを載置することができる第1載置面と、輸送車両上への載置中にコンテナを前記第1載置面の方にガイドするために、前記第1載置面の方向に互いに向かって延びる2つの対向するガイド面と、を含み、前記第1載置面は、前記両ガイド面の間に設けられている、コンテナ用の輸送車両は、待機位置と動作位置との間で移動可能なアダプタが設けられており、前記アダプタが前記待機位置にある際は、前記輸送車両上への載置中に、コンテナが、前記第1載置面上に誘導される一方、前記アダプタが前記輸送車両上の前記動作位置に配置されている場合、コンテナは、前記両ガイド面間において前記アダプタによって形成された第2載置面上に誘導されるように改良されている。
【0012】
このように、ガイド面の構成を変更したりガイド面の幅を増大させたりすることなく、異なる設計のコンテナを安全に受け取り且つ搬送することができるように、アダプタを一時的に配置し、これに関連して、ガイド面間に第2載置面を一時的に形成することによって、特に容易且つフレキシブルな方法で、既存の輸送車両を必要に応じて変更することができる。アダプタを動作位置に配置することによって、これにより形成される第2載置面は、載置されるコンテナの降下方向に見て、動作的に第1載置面より上方に位置しており、これにより、第1載置面は、非稼働又は無効状態となり、載置されるコンテナの下面、具体的には下側のコーナフィッティングが、第1載置面上に到達して当該第1載置面上に載置されることはない。従って、降下中において、コンテナは、第1載置面ではなく第2載置面上に不可避的に載置され、これに関連して、2つのガイド面のうちの少なくとも一方によって、コンテナを適切に誘導及び配向することができる。一方、アダプタが待機位置にある際は、第1載置面が稼働及び有効状態となり、従って、降下中に、コンテナは、不可避的に第1載置面上に載置され、これに関連して、2つのガイド面のうちの少なくとも一方によって、コンテナを適切に誘導及び配向することができる。待機位置では、第2載置面は、対応して非稼働又は無効状態となる。このように設計された輸送車両によれば、異なる設計のコンテナを安全且つ安定して搬送することができ、特に、当該輸送車両が、全自動で誘導され、従って、AGVのように無人の輸送車両として設計及び操作される場合でも、これが可能である。これに関連して、アダプタは、待機位置と動作位置との間において、手動で移動させることができる。この場合、アダプタを輸送車両に永久的に連結又は誘導する必要は無い。
【0013】
好適な態様において、前記アダプタは、前記待機位置と前記動作位置との間で変位可能となるように、前記輸送車両に取り付けられている。この場合、アダプタは、適当なベアリングを介して、輸送車両に連結される。このようにして、第2載置面が稼働状態となり、且つ第1載置面が無効状態となるように、又はその反対となるように、例えば変位及び/又は枢動によって、アダプタを容易に移動及び誘導することができる。
【0014】
好適な態様において、前記アダプタは、前記アダプタが前記動作位置にある際に水平面内に延びることにより前記第2載置面を形成する平坦な上面、を有する。このためには、アダプタは、構造的にシンプルに設計され、好ましくは、板状又はフレーム状とされ、鋼材によって製造される。
【0015】
好適な態様において、前記第1載置面と前記第2載置面との配置関係は、前記第1載置面上に載置されたコンテナの下面、特に下側のコーナフィッティングが、前記両ガイド面の間の好ましくは水平な第1平面内に位置する状態で配置されるとともに、前記第2載置面上に載置されたコンテナの下面、特に下側のコーナフィッティングが、前記両ガイド面の間の好ましくは水平な第2平面内に位置する状態で配置されるように設定されており、前記第2平面は、前記第1平面の上方に位置しており、前記第2平面内において、前記両ガイド面は、前記第1平面内においてよりも、大きな距離離間している。このようにして、異なる幅のコンテナ、特にその水平配向の下面を両ガイド面間に位置させて、安定して第1載置面上に載置できないワイドボディーコンテナを、一時的に形成された第2載置面上に、両ガイド面間において水平な配向で、安定及び安全な方法で、載置することができる。次に標準幅のコンテナを搬送する場合は、アダプタを簡単に待機位置に移動させることができる。このようにして、第2載置面を除去又は非稼働とし、第1載置面を稼働状態とすることができる。これによれば、ワイドボディーコンテナよりも狭い標準幅のコンテナの場合には、より低い第1平面の領域内のガイド面間距離が、より小さい最小距離であるために、コンテナの配向及び位置が改善され、有利である。
【0016】
構造的にシンプルな態様として、前記アダプタは、前記動作位置では、前記輸送車両の支持面に配置され、前記待機位置では、当該支持面から解放される。従って、アダプタは、シンプル、受動的、且つ、特に自己支持型の要素として設計することができ、両ガイド面間にある垂直位置では、その下面が、ガイド面に対して固定された、好ましくは固定の支持面に、面接触で載置又は配置されることのみによって保持され、当該垂直位置に保持するための能動的な保持駆動装置を必要とすることはない。アダプタは、それ自体が、コンテナが載置された場合でも、第2載置面を適切な寸法に維持することができる寸法及び許容支持荷重を有してさえいればよい。
【0017】
構造的にシンプルな態様において、前記支持面は、第1載置面に形成される。従って、アダプタは、動作位置では、第1載置面上に載置され、待機位置では、上記載置面から解放される。このようにして、第2載置面を、特に簡単な方法で稼働状態とすることができ、第1載置面よりも上方に位置させることにより、第1載置面を非稼働状態とすることができる。
【0018】
代替の実施形態において、前記支持面は、前記第1載置面の外部に、特に、前記第1載置面に隣接してその下方に形成される。これは、アダプタが、待機位置において、当該位置から動作位置に移動した際に第1載置面上に位置することができないように配置されている場合に、有利であろう。さらに、降下されたアダプタによって、第1載置面が負荷を受けて損傷するといったことがない。
【0019】
構造的にシンプルな態様において、前記アダプタを、位置決め駆動装置を有する位置決め装置によって、前記待機位置と前記動作位置との間で移動させることができ、前記位置決め駆動装置は、好ましくは、リニア駆動装置として設計されており、特に、昇降シリンダ、好ましくは電動シリンダもしくは油圧シリンダ、または、ベルト駆動装置、チェーン駆動装置、もしくはピニオンラック駆動装置を含む。
【0020】
構造的にシンプルな態様において、前記アダプタは、前記位置決め装置の位置決めアームに設けられており、前記位置決めアームは、移動可能、具体的には枢動可能に、前記輸送車両に取り付けられており、前記アダプタを前記待機位置と前記動作位置との間で移動させるために、前記位置決め駆動装置に駆動連結されている。
【0021】
上述したように設計された輸送車両の特に好適な使用は、ワイドボディーコンテナとして設計されたコンテナのピックアップ及び搬送に関して実現される。
【0022】
本発明の例示的な実施形態は、以下の記載によってより詳細に説明される。図において:
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】昇降AGVとして設計された輸送車両の斜視図である。
図2図2aは、図1による輸送車両の前側の概略断面図であり、図2bはアダプタが待機位置にある状態の、図1による輸送車両の長手側部の一部の概略断面図である。
図3図3aは、2つのアダプタが動作位置にある状態の、図2aに対応する断面図であり、図3bは、動作位置にある1つのアダプタが示されている、図2bに対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、コンテナ5用、具体的にはISOコンテナ及びワイドボディーコンテナ用の地上走行式輸送車両1の斜視図である。当該輸送車両は、AGVの形態に設計されており、全自動の無人状態で操作することができ、特に運転室を有しないものである。ただし、輸送車両1は、手動又は半自動で操作することもでき、そのために運転室を有することもできる。輸送車両1は、四輪車として設計されており、車両フレーム2を含んでおり、当該車両フレーム上の共通の前車軸3aに2つの前ホイール4aが、共通の後車軸3bに2つの後ろホイール4bが取り付けられている。4つのホイール4a、4bにはタイヤユニット、好ましくは、空気入りゴムタイヤユニットが設けられている。ホイール4aによって、地上走行式輸送車両1は、自由に、すなわちレール拘束のない状態にて走行することができる。
【0025】
また、輸送車両1は、走行駆動装置を含み、当該走行駆動装置は、実質的に、前方電気モータ、前方パワー伝動ギア、後方電気モータ、及び、後方パワー伝動ギアによって構成されている。前方電気モータは、搬送車1の長手方向Lにおける、車両フレーム2の下方中央部分の、前車軸3a近傍に取り付けられている。後方電気モータは、搬送車1の長手方向Lにおける、車両フレーム2の下方中央部分の、後車軸3b近傍に取り付けられている。前方電気モータは、前方パワー伝動ギアを介して2つの前ホイール4aを駆動し、後方電気モータは、後方パワー伝動ギアを介して2つの後ろホイール4bを駆動する。従って、輸送車両1は、全輪駆動方式である。駆動装置は、ディーゼル・エレクトリック方式か、バッテリ、具体的には鉛蓄電池、を用いた完全に電気的な方式に設計することができる。
【0026】
輸送車両1は、車両フレーム2の上面2d側に、水平面内に延びる第1載置面2aを有しており、当該載置面上に、ISOコンテナとして設計された長さ45フィートのコンテナ5が載置される。この長さのコンテナの場合、各コンテナの長手方向Lの両端に、コーナフィッティング5aが、互いに離れた45フィート位置に設けられており、加えて、これらの端部の其々からコンテナの中央に向かって2.5フィート位置ずれした40フィート位置にも、コーナフィッティングが設けられている。従って、第1載置面2aは、2つの45フィート位置の間で長手方向Lに延びている。従って、第1載置面2aの上には、具体的には下側のコーナフィッティング5aを介して、ISOコンテナとして設計された、1つの長さ40フィートのコンテナ5、あるいは、長さ20フィートの2つのコンテナ5を載置することができ、2つの場合は、長手方向Lに見て前後に載置することができる。長手方向Lの中央寄りに載置された40フィートコンテナ5の場合、そのコーナフィッティング5aは、40フィート位置に配置されている。長さ20フィートのコンテナ5の場合は、輸送車両1の長手方向Lの両端部に面するコーナフィッティング5aが45フィート位置にくるように、配置される。従って、長手方向Lに見て車両の中央部に面するコーナフィッティング5aは、第1載置面2aから20フィート位置に配置される。
【0027】
また、輸送車両1の車両フレーム2には、互いに対向する2つのガイド面2cが設けられており、第1載置面2aは、これらのガイド面の間に設けられている。ここで、第1載置面2aは、ガイド面2cに対する固定位置に配置されている。好ましくは平面状とされるこれらのガイド面2cは、2つの外側45フィート位置の間で、其々、長手方向Lに延びている。また、ガイド面2cは、第1載置面2aの方向に、互いに向かって、漏斗状に延びているが、互いに最小距離d1だけ離間する位置で終結している(図2a参照)。換言すれば、これらのガイド面2cは、第1載置面2aに面する其々の下端同士が最小距離d1だけ離間しており、この位置から、其々が第1載置面2aから離間し且つ互いに離間するように上方に延びている。このような伸張により、ガイド面2cは、上方に向かうにつれて互いの離間距離が増している。従って、最小距離d1は、長手方向Lに対して垂直な方向における、第1載置面2aの最大幅に対応している。ガイド面2cのこのような設計により、コンテナ5又はその下側のコーナフィッティング5aを、輸送車両1上への載置のための降下中に、ガイド面2cによって第1載置面2aへと誘導することができ、第1載置面2aに対して、横方向の配向の調整を行うことができる。また、ガイド面2cは、輸送車両1に載置されたコンテナ5が滑らないように固定する役割を果たす。これは、上述したすべての長さのコンテナに当てはまる。
【0028】
図1に示すように、第1載置面2a及び各ガイド面2cは、別個の相互に離間する複数の部分面によって構成されており、各部分面は、位置アダプタとも称されるガイド要素2bによって形成されている。このため、車両フレーム2において、長手方向Lに見て前後に並ぶ2つの概念上の矩形の各角部の近傍に、1つのガイド要素2bが設けられている。従って、輸送車両1における、長手方向Lにおける反対の2つの端部の其々に、2つの外側ガイド要素2bが設けられており、これらのガイド要素は、第1載置面2a及びこれに関連するガイド面2cによって45フィート位置及び40フィート位置をカバーしており、従って、これらの位置の間に延びている。これらの外側ガイド要素2bの間の、車両の中央付近に、さらに2組の内側ガイド要素2bが設けられており、これらの其々は、その部分面が20フィート位置のうちの1つをカバーしている。各長手側部に設けられた内側ガイド要素2b同士を組み合わせて1つのガイド要素2bとすることもでき、この場合、これによって2つの20フィート位置がカバーされる。
【0029】
さらに、図1に示すように、車両フレーム2上には、第1昇降プラットフォーム8a及び第2昇降プラットフォーム8bが、輸送車両1の長手方向Lに見て、前後に設けられている。従って、輸送車両1は、いわゆる昇降AGVとして設計されている。
【0030】
昇降プラットフォーム8a、8bは、具体的には両ガイド面2cの間に設けられており、第1載置面2aが、各昇降プラットフォーム8a、8bと各ガイド面2cとの間に延びている(図2a参照)。各第1載置面2aは、対応するガイド面2cを始点として、好ましくは、当該載置面の上にコーナフィッティング5aを全面が接触する状態で載置できる十分な距離あたりまで、昇降プラットフォーム8a、8bに向かって延びている。昇降プラットフォーム8a、8bは、其々、直方体状に形成されており、其々の昇降駆動装置によって、ガイド面2cに対して、互いに独立してあるいは同期して、両ガイド面2cの間及びこれに隣接する両第1載置面2aの間で、昇降させることができる。これにより、昇降プラットフォーム8a、8bによって、コンテナ5を、第1載置面2a上に載置したり、当該載置面から上昇させたりすることができる。
【0031】
これに関連して、昇降プラットフォーム8a、8bの下面8dが車両フレーム2の上面2dから離間している上昇位置と搬送位置との間で、昇降が可能である。上昇位置において、昇降プラットフォーム8a、8bは、その上面8c上にあるコンテナ5を支持する。昇降プラットフォーム8a、8bは、コンテナ5を第1載置面2a上に載置するために、搬送位置まで降下される。図1は、いずれも降下搬送位置にある2つの昇降プラットフォーム8a及び8bを示している。搬送位置では、各下面8dが上面2d上に降下され、これにより、車両フレーム2と対応する昇降プラットフォーム8a、8bとの間に設けられた昇降駆動装置は、関連する昇降プラットフォーム8a、8bと車両フレーム2との間の力の伝達経路からバイパスされる。これに代えて又はこれに加えて、車両フレーム2上に載置するにあたり、搬送位置における昇降プラットフォーム8a、8bの上面8cが、載置コンテナ5の下面から追加的に離間し、従って当該下面に接触しない状態とすることもできる。これにより、載置コンテナ5によるすべての負荷及びこれに対応する力の流れは、第1載置面2aを介して、車両フレーム2内に消散又は伝達されるため、少なくとも昇降駆動装置及び昇降プラットフォーム8a、8bは、載置コンテナ5による荷重を受けない。このように、昇降プラットフォーム8a、8bは、コンテナ5の搬送中は、搬送位置に位置する。
【0032】
また、個々の各昇降プラットフォーム8a、8bの長さは、昇降プラットフォーム8a、8bの上面8cに、其々、図示しない長さ20フィートのコンテナ5を載せることができるように選択される。また、第1昇降プラットフォーム8a及び第2昇降プラットフォーム8bは、同期して昇降される場合は、互いに補完し合うことにより大きな昇降プラットフォームを形成することができ、この上に、図1に示した長さ40フィートのコンテナ又は長さ45フィートのコンテナを載せることができる。このように、輸送車両1は、冒頭で説明した大荷重用輸送車両として設計されており、ペイロードに応じてアレンジされる。
【0033】
輸送車両1は、合計4個の板状のアダプタ6を有しており、外側ガイド要素2bの其々に、1つのアダプタ6が割り当てられている。従って、図1は、輸送車両1の図示された長手側部に設けられた、2つのアダプタ6を示している。各アダプタ6は、いずれも同じように待機位置と動作位置との間で移動可能である。このために、これらのアダプタ6は、例えば位置決め装置7を介して、対応移動可能に輸送車両1に取り付けられている。特に、アダプタ6は、其々の待機位置と動作位置との間で、同期して自動で移動することができる。アダプタ6が待機位置にある際は、コンテナ5は、輸送車両1への載置中に、不可避的に第1載置面2a上に誘導され、当該載置面上に載置される。この状態が、図1及び後述する図2a及び図2bに示されている。アダプタ6が輸送車両1上における動作位置にある場合、コンテナ5は、輸送車両1への載置中に、両ガイド面2c間においてアダプタ6によって形成される第2載置面6a上に不可避的に誘導され、当該載置面上に載置される。この状態は、後述する図3a及び図3bに図示している。
【0034】
図2aは、図1による輸送車両1の前側の概略断面図である。前側の第1昇降プラットフォーム8aは、車両フレーム2上に降下された搬送位置にある状態で示されている。また、前側の2つの外側ガイド要素2bも図示されている。図1に示した、後側の2つの外側ガイド要素2bは、図1に示した内側ガイド要素2bと同様に、図2aにおいては隠れており、従って図示されていない。
【0035】
図2aに示した、第1載置面2a上に載置されたコンテナ5は、その幅b1が、ISOコンテナの標準幅に対応する2438mmであり、ガイド面2c間の最小距離d1の部分に収容することができるものである。ここで、コンテナ5は、第1載置面2a上、特に外側ガイド要素2bによって形成された部分面である第1載置面上に、下側コーナフィッティング5aが位置する状態で、載置される。コーナーキャスティングとも称され、コンテナ5の下面に設けられている下側コーナフィッティング5aは、このように、水平な第1載置面2aに平行に延び、特に当該載置面によって形成された水平面E1内に配置される。コンテナ5の下面も、水平且つ第1平面E1に平行な配向とされる。
【0036】
図2bは、アダプタ6が待機位置にある状態の、図1による輸送車両1における長手方向Lに延びる長手側部の一部を示す概略断面図である。当該断面は、図2aに示された輸送車両1の前側にある端部を示しており、2つの外側ガイド要素2bのうちの1つが、当該端部に設けられている。反対側の長手側部は、図示しないが、これと同様に設計されている。同様に、これに対応する2つのガイド要素2b及び2つのアダプタ6が、輸送車両1における前側の反対となる後側にも、待機位置の状態で配置されており、当該ガイド要素及びアダプタは、対応する位置決め装置7を介して、当該位置から動作位置まで移動可能である。対称性の理由から、図1図2b、図3a及び図3bに示したアダプタ6及び位置決め装置7に関して述べる説明は、図示しないすべてのアダプタ6及び位置決め装置7にも当てはまる。
【0037】
図2bは、位置決めアーム7aを備えるアダプタ6用の位置決め装置7も示しており、当該アームは、枢動アームとして設計されており、車両フレーム2の長手側部に回転可能に取り付けられている。ここで、位置決めアーム7aは、長手方向Lに対して垂直な回転軸を中心として回転可能である。板状のアダプタ6は、位置決めアーム7aの上端部に、当該位置決めアーム7aに実質的に垂直に配置されており、反対側の下端部には、好ましくは電動シリンダ又は油圧シリンダとして設計された昇降シリンダの形態の位置決め駆動装置7bが係合しており、待機位置と動作位置(図3b参照)との間で、好ましくは長手方向L及び車両フレーム2の方向に、アダプタ6を移動させる。ベルト駆動装置、チェーン駆動装置、またはピニオンラック駆動装置などの他のリニア駆動装置も、位置決め駆動装置7bとして使用することができる。
【0038】
ワイドボディーコンテナは、最小距離d1より幅が広く、約2500〜2550mmの幅b2を有しており、その下面又はコーナフィッティング5aを水平に配向させた状態で、安定して第1載置面2a上に載置することができない。これは、ガイド面2c上で滑りが発生してコンテナ5が傾斜状態となる可能性があるためであり、このような事態は回避すべきである(図3a参照)。ワイドボディーコンテナとして設計されたコンテナ5を安全に且つ安定させて載置するためには、輸送車両1に設けられたアダプタ6を、動作位置に移動させなければならない。これにより、第1載置面2aは、非稼働又は無効状態とされ、第2載置面2bが稼働又は有効状態とされる。
【0039】
図3aは、2つのアダプタ6が動作位置にある状態の、図2aに対応する図である。図示していないが、輸送車両1の後側にも2つのアダプタ6が同じように設けられており、これらも同様に動作位置にある。動作位置では、各アダプタ6は、その下面6bが第1載置面2a上に位置する状態に配置され、従って、当該第1載置面が輸送車両1の支持面としての役割を果たす。この支持面は、待機位置にもたらされたアダプタ6とは再び離れる(図2a及び図2b参照)。第2載置面6aは、非稼働状態とされた第1載置面2aの上方に位置し、アダプタ6の平坦な上面6cによって形成されており、これらの上面は、アダプタ6が動作位置にある際に、共通の水平面内で、好ましくは下面6bと平行に延びる。このように、第2載置面6aは、第1載置面2aと同様に、部分面によって構成されており、これらの部分面は各アダプタ6によって形成されている。このため、アダプタ6、特にアダプタによって形成される部分面である第2載置面6aは、其々、動作位置にある際には、その全体が対応する部分面たる第1載置面2a上に位置し、その移動範囲において、当該第1載置面を超えて昇降プラットフォーム8a、8bの方向に突出することがないように、寸法設定されている。
【0040】
ワイドボディーコンテナとして設計されたコンテナ5は、有効状態となった第2載置面6a上に載置される。このため、図2aと似た状態にて、両方の昇降プラットフォーム8a、8bは、搬送位置に降下されている。同じく図からわかるように、第2載置面上に載置されたコンテナ5は、その下面、特に下側のコーナフィッティング5aが、両ガイド要素2bの間の水平な第2平面E2内に位置する状態で配置される。第2平面E2は、第1平面E1の上方に設けられている。同一に形成されるアダプタ6の厚み又は高さを適切に寸法設定することによって、両ガイド面2cが最小距離d1だけ離間して互いに平行に延びるのではなく、第1平面E1内よりも大きい距離d2離間する高さ領域内における、両ガイド面2cの間に、第2平面E2が位置することになる。このようにして、下側のコーナフィッティング5aが傾斜ガイド面2c上で滑るおそれを排除しつつ、ワイドボディーコンテナを、アダプタ6によって形成された第2載置面6a上に、安全且つ安定した水平配向で載置することができる。
【0041】
図3bは、動作位置にある2つのアダプタ6のうちの1つを示している、図2bに対応する側面図である。ここで、位置決めアーム7aは、位置決め駆動装置7bの作動によって、支持面としての役割を果たす第1載置面2a上にアダプタ6が配置されるように、枢動されている。ここで、2つの載置面2a、6aは、互いに平行な水平面内に延びている。位置決めアーム7aは、これらの水平面に対して実質的に垂直に延びている。
【0042】
標準幅b1のコンテナ5を輸送車両1に載置する際には、第2載置面6aを非稼働状態とするために、アダプタ6を待機位置に戻すことができる。すると、コンテナ5は、このようにして有効状態となった第1載置面2a上に不可避的に誘導され、当該載置面上に確実に載置される。
【0043】
輸送車両1の2つの長手側部に沿った、特に車両フレーム2の上方における、アダプタ6、特にこれに関連する位置決め装置7の図示及び上述した構成によって、具体的にはワイドボディーコンテナの自動搬送に使用できるように、輸送車両1を、特に簡単に変更することができる。アダプタ6は、待機位置にある際も動作位置にある際も、両アダプタ間に延びる昇降プラットフォーム8a、8bの移動領域の外側に配置されているため、昇降プラットフォーム8a、8bの昇降動作が妨げられることはない。このように、上記アダプタ6を例えばドイツ特許公開第102007039778A1号公報に記載されたような昇降AGVに装備することにより、パッシブトランスファーステーションにコンテナ5を搬送したり、パッシブトランスファーステーションからコンテナをピックアップしたりすることができる。
【0044】
好ましくは、上述した輸送車両1において、載置される各コンテナ5に対して4個の板状アダプタ6を設けて、各アダプタを、ガイド面2cの近傍且つこれに隣接する動作位置に配置設定することにより、下側のコーナフィッティング5aを、対応するアダプタ6又はこれによって形成される部分面である第2載置面6a上に誘導して、当該面上に載置することができる。従って、長さ20フィートの2つのコンテナ5を、長手方向Lに前後に並べて輸送車両1上に載置する際には、好ましくは、8個のアダプタを設けることにより、各コンテナ5の4個のコーナフィッティング5aを、対応する載置面6a上に載置することができる。また、各長手側部に内側ガイド要素2bを1つだけ設けることもできるので、20フィート位置については、それに対応して長くしたアダプタ6を、各長手側部に1つだけ設けることができ、従って、対応する位置決め装置7を備えたアダプタ6が、合計で6個あれば足りる。
【0045】
例示の実施形態では、位置決め装置7を備えたアダプタ6は、40フィート位置のみに設けられている。しかしながら、これに加えて、各20フィート位置及び各45フィート位置にも、対応するアダプタ6を設けることにより、合計で12個のアダプタ6を設けることもできる。このように、各コンテナ長さについて、上述した位置の其々の各下側コーナフィッティング5aに対してアダプタ6を設けることができ、アダプタ6が動作位置において其々の支持面上に配置された際に、当該アダプタ上にコーナフィッティング5aを支持させることができる。
【0046】
ただし、原則的には、板状又はフレーム状のアダプタ6を1つだけ設けて、昇降プラットフォーム8a、8bが車両フレーム2上の搬送位置に降下されている際には、動作位置では、これらアダプタが、輸送車両1上における、例えば降下した昇降プラットフォームの上面8cに配置されるように構成することも可能である。この場合、動作位置のアダプタ6が輸送車両1に配置及び支持される際に介在する支持面は、第1載置面2aの領域外に形成される。すなわち、車両フレーム2上に降下された昇降プラットフォーム8a、8bの上面8cによって、第1載置面よりも下方且つ第1載置面の隣接位置に、支持面が形成される。アダプタ6を待機位置に移動させるためには、アダプタ6を上面8cから離間させることができ、これにより、上面8cによって形成されていた支持面は解放される。
【0047】
また、輸送車両1が昇降AGVとして設計されておらず、従って昇降プラットフォーム8a、8bを含まないという点で、上記図面に示した例示的な実施形態とは実質的に異なる、別の例示的な実施形態も、実現可能である。この場合、載置面2a、6aへのコンテナ5の載置は、輸送車両1自体によって行うことはできない。
【0048】
参照符号のリスト
1 輸送車両
2 車両フレーム
2a 第1載置面
2b ガイド要素
2c ガイド面
2d 上面
3a 前車軸
3b 後車軸
4a 前ホイール
4b 後ろホイール
5 コンテナ
5a コーナフィッティング
6 アダプタ
6a 第2載置面
6b 下面
6c 上面
7 位置決め装置
7a 位置決めアーム
7b 位置決め駆動装置
8a 第1昇降プラットフォーム
8b 第2昇降プラットフォーム
8c 上面
8d 下面
b1 幅
b2 幅
d1 距離
d2 距離
E1 第1平面
E2 第2平面
L 長手方向
図1
図2
図3
【国際調査報告】