特表2018-537395(P2018-537395A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-537395粒子膜開始薄肉レーザ溶接部を有する封止デバイスハウジングおよび関連の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537395(P2018-537395A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】粒子膜開始薄肉レーザ溶接部を有する封止デバイスハウジングおよび関連の方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/10 20060101AFI20181122BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20181122BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20181122BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20181122BHJP
   C04B 41/87 20060101ALI20181122BHJP
   C04B 37/00 20060101ALI20181122BHJP
   H01L 23/15 20060101ALI20181122BHJP
   H01L 23/08 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   C03C27/10 A
   H05B33/14 A
   H05B33/04
   H05B33/02
   C04B41/87 A
   C04B37/00 A
   H01L23/14 C
   H01L23/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-545575(P2018-545575)
(86)(22)【出願日】2016年11月22日
(85)【翻訳文提出日】2018年7月18日
(86)【国際出願番号】US2016063221
(87)【国際公開番号】WO2017091527
(87)【国際公開日】20170601
(31)【優先権主張番号】62/259,433
(32)【優先日】2015年11月24日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ボーク,ヘザー デブラ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,テレサ
(72)【発明者】
【氏名】ダビチ,レオナード チャールズ ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,マーク アラン
(72)【発明者】
【氏名】ログノフ,スティーヴン ルヴォヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ケサダ,マーク アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】セナラトネ,ワギーシャ
(72)【発明者】
【氏名】ストレリツォフ,アレクサンダー ミハイロヴィッチ
【テーマコード(参考)】
3K107
4G026
4G061
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC23
3K107CC43
3K107DD12
3K107DD13
3K107EE43
3K107EE55
3K107FF05
3K107FF06
3K107FF15
3K107GG26
3K107GG37
4G026BA02
4G026BB02
4G026BB33
4G026BC01
4G026BD14
4G026BF02
4G026BG13
4G026BH06
4G061AA33
4G061BA03
4G061CA02
4G061CB04
4G061CB13
4G061CD02
4G061CD14
(57)【要約】
レーザ溶接可能なデバイスハウジング基板、デバイスハウジングおよび関連の方法が提供される。当該基板は、第一の表面と、当該第一の表面とは反対側の第二の表面と、前記第一の表面によって支持される薄い無機粒子層とを含む。当該無機粒子層は、前記第一の表面上に層状に配置される複数の粒子を含む。当該粒子は、1.0μm以下の平均直径を有し、前記無機粒子層は、5μm以下の平均厚みを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ溶接可能なデバイスハウジング基板であって、
第一の表面と、
該第一の表面とは反対側の第二の表面と、
前記第一の表面によって支持される薄い無機粒子層であって、該無機粒子層が、該第一の表面上に層状に配置される複数の粒子を含み、該粒子が1.0μm以下の平均直径を有し、該無機粒子層が5μm以下の平均厚みを有する無機粒子層と、
を備えた、レーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【請求項2】
該基板は、第一の熱膨張係数を有するガラス材料およびガラスセラミック材料のうちの少なくとも一方から作られ、前記無機粒子層の前記粒子が、ガラス粒子および無機粒子のうちの少なくとも一方であり、該無機粒子層が第二の熱膨張係数を有し、該第二の熱膨張係数が前記第一の熱膨張係数よりも大きい、請求項1記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【請求項3】
前記第二の熱膨張係数と前記第一の熱膨張係数の差が1%よりも大きく、前記無機粒子層の前記粒子の前記平均直径が1nm以上であり、該無機粒子層が、さらに、該粒子と会合する界面活性剤材料を含み、該界面活性剤材料が、前記第一の表面上での堆積前の分散系において前記粒子を支持する、請求項2記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【請求項4】
前記無機粒子層は、前記第一の表面上に位置する前記粒子の単層から形成され、該無機粒子層の該粒子の少なくとも一部が、該第一の表面上で六方最密充填配置に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【請求項5】
前記無機粒子層の前記粒子の少なくとも一部が凝集形態を有し、該粒子が、5μm未満の厚みを有する層を形成する凝集体を形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【請求項6】
前記無機粒子層が前記第一の表面と第二の基板の表面の間にレーザ溶接部を形成することができるように、該無機粒子層の前記粒子が、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルのうちの少なくとも一つにおいて入射レーザエネルギーの15%よりも多くを吸収する、請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【請求項7】
前記無機粒子層の前記粒子は、600℃未満のTgを有する低融点ガラス(LMG)、ボロシリケートガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、ZnO、TiO、SnO、および二ホウ酸塩(bi−borate)材料のうちの少なくとも一つから形成され、該基板が、ソーダ石灰ガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、ボロシリケートガラス材料、リン酸塩ガラス材料、およびアルミナのうちの少なくとも一つ、または窒化アルミニウムガラスセラミック材料であるガラス材料またはガラスセラミック材料から作られる、請求項6記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【請求項8】
封止電子デバイスハウジングであって、
第一の表面を有する第一の基板と、
前記第一の表面に対向する第二の表面を有する第二の基板と、
前記第二の表面に前記第一の表面を接合する無機粒子開始レーザ溶接部であって、前記第一の基板と前記第二の基板と該レーザ溶接部との間に画定されるチャンバを包囲し、5μm未満の最大厚みを有し、互いに接合された前記第一の基板の材料および前記第二の基板の材料から形成されるレーザ溶接部と、
を備えた、封止電子デバイスハウジング。
【請求項9】
前記第一および第二の基板はガラスまたはガラスセラミック基板であり、前記無機粒子開始レーザ溶接部は、前記第一の基板および前記第二の基板のうちの少なくとも一方の前記材料とは異なるガラスまたは無機粒子材料を含むレーザ吸収無機粒子層から形成される、請求項8記載の封止電子デバイスハウジング。
【請求項10】
前記無機粒子層の前記材料は、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルのうちの少なくとも一つにおいて入射光の15%よりも多くを吸収し、前記第一および第二の基板の前記材料は、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルのうちの少なくとも一つにおいて入射光の5%未満を吸収する、請求項9記載の封止電子デバイスハウジング。
【請求項11】
前記無機粒子層の前記材料は、600℃未満のTgを有する低融点ガラス(LMG)、ボロシリケートガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、ZnO、TiO、SnO、および二ホウ酸塩(bi−borate)材料のうちの少なくとも一つであり、該無機粒子層の該材料は、前記レーザ溶接部内の前記第一および第二の基板の前記材料によって包囲される、請求項10記載の封止電子デバイスハウジング。
【請求項12】
前記第一および第二の基板は、それぞれ、ソーダ石灰ガラス材料、アルミナシリケートガラス材料、ボロシリケートガラス材料、およびアルミナのうちの少なくとも一つ、または窒化アルミニウムガラスセラミック材料であるガラスまたはガラスセラミック材料から作られる、請求項11記載の封止電子デバイスハウジング。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2015年11月24日に出願された米国仮出願第62/259、433号の合衆国法典第35巻第119条による優先権を主張し、当該出願の内容に依拠し、そのまま参照によって本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、封止電子デバイスハウジングに関し、特に、有機LED(OLED)、量子ドットデバイスなどの電子デバイス用の密閉封止ガラスまたはガラスセラミック構造に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、OLED表示デバイスなどの一部のデバイスの密閉封止は、水および酸素などの物質に対する遮断壁を提供するために必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的なフリット封止は、電子デバイスの周囲で二つの基板を接着結合するために使用されるが、かかるフリット封止部は、典型的には比較的厚みが大きい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、レーザ溶接可能なデバイスハウジング基板に関する。当該基板は、第一の表面と、当該第一の表面とは反対側の第二の表面と、前記第一の表面によって支持される薄い無機粒子層とを含む。前記無機粒子層は、前記第一の表面上に層状に配置される複数の粒子を含む。前記粒子は、1.0μm以下の平均直径を有し、前記無機粒子層は、5μm以下の平均厚みを有する。
【0006】
本開示のさらなる一実施形態は、封止電子デバイスハウジングに関する。当該封止電子デバイスハウジングは、第一の表面を有する第一の基板と、当該第一の表面に対向する第二の表面を有する第二の基板と、前記第一の表面を前記第二の表面に接合する無機粒子開始レーザ溶接部とを含む。前記レーザ溶接部は、前記第一の基板と前記第二の基板と前記レーザ溶接部の間に画定されるチャンバを包囲する。前記レーザ溶接部は、5μm未満の最大厚みを有し、互いに接合された前記第一の基板の材料および前記第二の基板の材料から形成される。
【0007】
本開示のさらなる一実施形態は、密閉的にレーザ封止可能なデバイスハウジングを形成する方法に関する。当該方法は、第一の表面を有する第一の基板を提供するステップと、前記第一の表面に無機粒子層を塗布するステップとを含む。前記無機粒子層は、前記第一の表面上に層状に配置される複数の粒子を含む。前記粒子は、1.5μm未満の平均直径を有し、前記無機粒子層は、5μm未満の平均厚みを有する。前記粒子は、ガラス材料および無機材料のうちの少なくとも一方である。
【0008】
さらなる特徴および利点は、下記の詳細な説明において述べられることになり、部分的には、当該説明から当業者には直ぐに明らかになり、または本開示の明細書および請求項、および添付の図面に記載のような実施形態を実施することによって認識されるだろう。
【0009】
上記の概要および下記の詳細な説明は一例にすぎず、請求項の性質および特徴を理解するための概観または骨格を提供することを意図していると理解すべきである。
【0010】
添付の図面は、さらなる理解をもたらすために含まれるものであり、本明細書に援用され、本明細書の一部を構成する。当該図面は、一つまたは複数の実施形態を示し、当該説明とともに、原理および様々な実施形態の作用を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な一実施形態に係る薄い粒子層を含む封止可能なデバイスハウジングの縦断面図を示す。
図2A】例示的な一実施形態に係る実質的に六方最密充填された粒子層の画像を示す。
図2B】例示的な一実施形態に係る凝集粒子層の異なる倍率の一連の画像を示す。
図3】例示的な一実施形態に係る薄い粒子開始レーザ溶接部を含む封止デバイスハウジングの縦断面図を示す。
図4】例示的な一実施形態に係る粒子溶液を形成する工程を示す。
図5】例示的な一実施形態に係る薄い粒子層を形成するディップコーティング工程を示す。
図6】例示的な一実施形態に係る薄い粒子層を形成するディップコーティング工程を示す。
図7】例示的な一実施形態に係る薄い粒子層を形成するペン塗布工程を示す。
図8】例示的な一実施形態に係る薄い粒子層を形成するペン塗布工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を全体的に参照し、封止OLEDデバイスなどの封止電子デバイスの様々な実施形態および関連の方法を示して説明する。一般に、本明細書で議論される封止電子デバイスは、二つの基板間に形成されるチャンバ、凹部またはセル内の二つの対向する基板、例えば、ガラスシート基板と、当該チャンバ内に位置するOLED、量子ドットなどの能動部品または能動デバイスとを含む。粒子開始溶接部がチャンバを包囲し、当該チャンバ内の能動部品を密閉封止する。特定の実施形態では、粒子開始溶接部は、レーザエネルギーを用いて接合される第一の基板の一部と第二の基板の一部によって形成されるレーザ溶接部である。薄く、粒径が小さな粒子層が、溶接部の所望の箇所にて基板に塗布され、粒子層の材料がレーザエネルギーを吸収することにより、基板の材料が、例えば基板材料の一斉の粘弾性膨張によって互いに凝集結合し、粒子開始溶接部を形成する。一般に、本明細書で議論される粒子開始レーザ溶接部は、チャンバの周囲に強固かつ密閉された封止部を形成する凝集構造である。
【0013】
さらに、本明細書で議論するように、本出願人は、溶接部を形成するのに望ましいパターンで基板に対して粒子材料を堆積するために印刷技術またはその他の塗布技術を用いて粒子層の形成を可能にする小粒子溶液を調製する様々な方法を開発した。後に理解されるように、従来のフリットに基づく封止を利用する従来の電子デバイスの封止は、フリットとそれに隣接する基板材料との間の接着結合に基づいており、かかる従来の工程は、典型的には、少なくとも5μmの厚みと10MPa未満の引張強度を有する接着溶接部を形成する。従来のフリット封止デバイスとは対照的に、本明細書で議論されるレーザ溶接電子デバイスは、従来のフリット封止デバイスと比べて薄い厚みと高い溶接強度を有する凝集性の粒子開始レーザ溶接部を提供する。さらに、従来のフリット封止技術とは対照的に、本開示のデバイスおよび方法は、形成される溶接結合部の凝集性および非常に薄い粒子層の厚みにより、粒子材料と基板の間の熱膨張係数の一致を必要としない。また、本明細書で議論される厚みの薄い粒子層を調製および塗布する方法は、真空に基づく薄膜堆積技術と比べて、例えば効率性、印刷精度などの利益をもたらすと考えられる。
【0014】
図1を全体的に参照すると、粒子開始溶接部の形成前のデバイス10などの電子デバイスおよびハウジングが示されている。一般に、デバイス10は、底部基板12および上部基板14として示す第一および第二の基板を含む。底部基板12は、上部基板14の下面18として示す第二の表面に対向する上面16として示す第一の表面を含む。一般に、基板12および14は、ガラス材料のシート、例えば、ソーダ石灰ガラス、コーニング社から販売されているGorilla(登録商標)ガラスシート材料、コーニング社から販売されているEagle XG(登録商標)ガラスシート材料などである。図示の配置では、上面16および下面18は、これらの基板の主表面である。
【0015】
図1に示すように、上部基板14が下部基板12上に位置するとき、上部基板14の下面18の一部と下部基板12の上面16の一部の間にチャンバ20が画定される。チャンバ20は、能動デバイス22などの能動部品が位置する空間を含む。図1は、断面形状が実質的に矩形のものとしてチャンバ20を示しているが、チャンバ20は、様々な湾曲形状またはドーム形状を含む能動デバイス22を含有するための任意の適した形状でよい。
【0016】
様々な実施形態において、能動デバイス22は、有機電子デバイス、有機無機ハイブリッド電子デバイス、および無機電子デバイスなどの様々な電子デバイスでよい。様々な実施形態において、能動デバイス22は、様々な半導体デバイス、光起電デバイス、LED、有機LED、MEM、蛍光団、アルカリ金属電極、透明導電性酸化物および量子ドットでもよい。かかる実施形態では、デバイス10は、かかる電子部品を利用する多種多様なデバイスのうちのいずれでもよい。様々な実施形態において、デバイス10は、照明デバイス、TVディスプレイ、モニタ、モバイルデバイスのディスプレイ、エレクトロクロミック窓、真空断熱ガラスデバイスなどでもよい。様々な実施形態において、ここで開示した材料および方法を用いる能動部品の密閉カプセル封じにより、そうでなければ酸素および/または水分によって劣化しやすいデバイスであっても動作の長寿命化を促すことができる。
【0017】
図1に示すように、溶接部または封止部の形成前に、デバイス10は、薄い粒子層24を含んでいる。粒子層24は、基板12の一部と基板14の一部の間に位置し、レーザ溶接部を形成すべき位置に位置している。特に、粒子層24は、後に形成されるレーザ溶接部もチャンバ20を包囲および封止するように粒子層24がチャンバ20を包囲するような方法で、基板12の表面16と基板14の表面18のうちの少なくとも一方に塗布され、その一方によって支持されてもよい。
【0018】
粒子層24は、粒子26として示す小径粒子が構造化および配列化された層から形成される。以下により詳細に説明するように、粒子26は、紫外線UVエネルギーなどのレーザエネルギーを吸収する層を形成することができる任意の有機材料粒子でよい。特定の実施形態において、粒子層24は、粒子26の単層から形成され、他の実施形態では、粒子層24は、粒子26の複層を含む。例えば、他の実施形態では、粒子層24は、粒子26から形成される凝集層でもよい(例えば、図2Bを参照)。
【0019】
従来のフリット封止形成に用いられる標準的なフリット層とは対照的に、本出願人は、非常に小径の粒子を厚みの薄い粒子層状に形成および塗布する工程を開発した。特定の実施形態において、この粒子層はレーザ吸収粒子層であり、特に紫外線吸収層である。本明細書で議論される粒子層は、例えば薄膜堆積技術ではなく印刷技術を用いて塗布されてもよいため、この粒子層は、迅速かつ効率的に塗布される可能性がある。粒径が小さくかつ層厚が薄いと、粒子層が溶接時にレーザエネルギーを吸収する能力を促進すると考えられ、特定の実施形態において、このレーザエネルギーの吸収により、今度は、基板材料が互いに対して粘弾的に膨出し、基板同士の間に、より厚い従来のフリット封止部によく見られる概してより脆弱な接着結合ではなく凝集結合部を形成する。
【0020】
様々な実施形態において、粒子層24の粒子26は、1.5μm以下、特に1.0μm以下のD1で示す平均粒径(すなわち平均最大幅寸法)を有する。特定の実施形態において、D1は、1.0nmと1.5μmの間であってその両端を含み、特に、3.0nmと1.5μmの間であってその両端を含み、さらには、3.0nmと1.0μmの間であってその両端を含む。粒子層24内における粒径が小さくかつ組織化された粒子の配置により、T1として示す粒子層24の平均厚みも、図1に示す単層形態において薄い。特定の実施形態において、T1は、5μm以下であり、特に1.5μm未満である。特定の実施形態において、T1は、1.5nmと5μmの間であってその両端を含み、特に、3nmと1.5μmの間であってその両端を含み、さらには、50nmと1.5μmの間であってその両端を含む。例えば図2Bに示す凝集形態では、より小さい粒子凝集体ほど、それ自体でより大きな凝集体を形成することができ、結果的にレーザ溶接に適したより厚い高密度の膜になる。
【0021】
さらに、特定の実施形態において、かつ標準的なフリット材料とは対照的に、粒子層24の材料は、基板材料の熱膨張係数(CTE)とは実質的に異なるCTEを有する。この構造では、粒子層24の薄い厚みおよび形成される溶接結合部の凝集性により、CTEの不一致は事実上重要ではなく、粒子層24は、CTEにおける差にもかかわらず非常に強固な溶接部を形成する。特に、特定の実施形態において、粒子層24は、標準的なフリット溶接において必要であると従来考えられているように、粒子層の材料と基板の材料の間のCTEの一致をもたらすための負のCTE材料の添加を利用しない。特定の実施形態において、基板12および14の材料は、第一のCTEすなわちCTE1を有し、粒子層24の材料は、第二のCTEすなわちCTE2を有する。様々な実施形態において、CTE2とCTE1の間の差は、少なくとも0.001%、特に1%、さらには少なくとも5%である。様々な実施形態において、CTE1は、0.3×10−6/℃と20×10−6/℃の間であり、CTE2は、0.3×10−6/℃と20×10−6/℃の間である。他の例示的な実施形態において、粒子層24と基板のCTEは、CTE2とCTE1の間の差が5%未満であるときなど、同一または実質的に同一である可能性がある。
【0022】
以下により詳細に議論するように、様々な実施形態において、粒子層24は、粒子26に結合または会合した界面活性剤材料を含む。界面活性剤材料は、印刷法、ディップコーティング法、スピンコーティング法などによる基板12および/または基板14への塗布に適した粒子懸濁液または粒子分散液の形成を促進する。特定の(「単層形態」)実施形態において、界面活性剤材料は、粒子層24内の秩序ある粒子配置の形成を促進する。特定の実施形態において、粒子26は、基板上に実質的に六方最密充填した配置を形成し、その一例を図2Aに示す。特定の実施形態において、図2Aに示す単層における粒子の充填密度は、約74.048%の充填密度である球体に関する最大可能充填密度、すなわち、格子充填に関連して定義することができる。したがって、粒子層内の充填密度は、74%未満の充填密度、特に60%未満の充填密度、さらには55%未満の充填密度などの充填密度として、この完全な2D平面充填からの偏差によって定義されてもよい。特定の実施形態において、粒子層内の充填密度は、40%から74%の間の充填密度、特に50%から74%の充填密度、さらには60%から74%の充填密度でもよい。様々な実施形態において、界面活性剤は、陰イオン、陽イオン、両性イオンまたは非イオンの界面活性剤材料である。特定の一実施形態において、界面活性剤は、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)であるが、その他の適した界面活性剤が用いられてもよい。
【0023】
様々な実施形態において、粒子層24は間隙を有してもよく、必ずしも稠密充填配置である必要はない。様々な実施形態において、層24は、放射面積において十分なレーザエネルギーが吸収されるのであれば間隙を有してもよい。例えば、一実施形態において、200μmから20μmの直径の円形のビームレーザは、15%から20%よりも大きな吸収率を有し、これは、封止部を形成するのに十分な吸収レベルであると考えられる。様々な実施形態において、層24内の間隙は、粒径の1倍から10倍の間、または放射面積の80%から90%の間が可能であり、それでも十分なレーザ吸収をもたらす。
【0024】
図2Bを参照すると、粒子26は、凝集粒子膜層27を形成する可能性がある。凝集形態では、より小さい粒子の凝集体ほど、それ自体がより大きな凝集体を形成し、結果としてレーザ溶接に適したより厚い高密度の膜となる(図2Bを参照)。
【0025】
粒子26は、以下で議論するように、その結合によって基板間に溶接部を発生させるために、入射するレーザエネルギー、例えば、紫外線UVレーザエネルギーを吸収可能な任意の無機材料または無機材料の組み合わせから形成される。特定の実施形態において、粒子26は、粒子層24が紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルの少なくとも一つにおいて入射レーザエネルギーの少なくとも15%を吸収するように、一つ以上のガラス材料または無機材料から形成してもよい。特定の実施形態において、粒子層24は、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルの少なくとも一つにおいて入射レーザエネルギーの少なくとも50%を吸収する。特定の実施形態において、粒子26は、600℃未満のTgを有する低融点ガラス(LMG)、ボロシリケートガラス材料、およびアルミノシリケートガラス材料のうちの少なくとも一つから形成される。様々な実施形態において、粒子26は、その粒子膜層が溶接部を形成するためにレーザエネルギーを吸収できる様々な材料、例えば、ZnO、TiO、SnO、二ホウ酸塩(bi−borates)などでもよい。
【0026】
様々な実施形態において、粒子26は、紫外スペクトルレーザエネルギー、赤外スペクトルレーザエネルギー、近赤外スペクトルレーザエネルギーおよび可視スペクトルレーザエネルギーを含むレーザエネルギーの任意の適した波長を吸収する材料を含む。特定の実施形態において、粒子26は200nmから410nmの波長範囲において吸収する材料を含み、他の実施形態では、粒子26は、800nmから1900nmの波長範囲において吸収する材料を含む。一部の実施形態では、粒子26は、可視光に対して透明/半透明である一方、レーザ30の不可視スペクトルでは吸収する。特定の一実施形態において、粒子26の材料と基板12および14の材料は、420nmから750nmの波長範囲内の光に対して透明である。一部のその他の実施形態では、粒子26は、可視光に対して不透明である一方、レーザ30の不可視スペクトルでは吸収する。
【0027】
後に理解されるように、従来のフリット封止電子デバイスは、フリットと対向する基板の両方との間に接着結合部が形成されるように対向する基板間で溶融するLMG粒子と負のCTE粒子の組み合わせである比較的厚い、例えば、典型的には5μmと20μmの間のフリットビードを含み、この種類の配置では、基板間に接着結合したフリット材料は、OLEDなどの電子デバイスの周囲に密閉封止部を形成するように作用する。これらの典型的なフリット封止デバイスとは対照的に、図3は、凝集性の粒子開始レーザ溶接領域28が例示的な一実施形態に従って示されているレーザ溶接部形成後のデバイス10を示す。図3に示すように、溶接領域28はチャンバ20を包囲しており、粒子層24の箇所にレーザ30を当てることによって直接接合された基板12の部分と基板14の部分から形成されている。様々な実施形態において、本明細書で議論する溶接構造は、ほぼ完全に基板12および14の材料から形成されており、溶接領域28内の材料組成は、溶接領域28の外側の基板12および14の材料組成と実質的に同一である。特定の実施形態において、溶接領域28内の材料組成は、溶接部の外側の基板12および14の組成と少なくとも1%同一であり、特に少なくとも90%同一である。かかる実施形態では、粒子26の比較的少量の材料が、レーザ30との相互作用によって効果的に希釈され、溶接領域28が形成されるときに基板12および14の材料によって分散すなわち包囲される。
【0028】
様々な実施形態において、基板12と基板14の接合は、粒子層24によるレーザエネルギーの吸収によって発生する溶融によって達成される。他の実施形態では、基板12と基板14は、基板の一方または両方が上昇温度、例えば、レーザ誘起温度から粘弾性流を獲得し、互いに熱圧縮されることによって形成される溶接部によって互いに接合される。他の実施形態では、溶接領域28は、拡散溶接部および/または基板の一方または両方の融点を超えたところで形成される溶接部であってもよい。様々な実施形態において、レーザ溶接領域28内では、基板12および14の材料の仮想温度は、レーザ溶接領域28の外側の基板12および14の材料の仮想温度に対して変化している。特定の実施形態において、レーザ溶接領域28内では、基板12および14の材料の仮想温度は、レーザ溶接領域28の外側の基板12および14の材料の仮想温度よりも高い。特定の実施形態において、レーザ溶接部28内では、基板12および14の材料の局所密度は、レーザ溶接部28の外側の基板12および14の材料の密度未満である。特定の実施形態において、レーザ溶接部28内では、基板12および14の材料の弾性係数は、レーザ溶接部28の外側の基板12および14の材料の弾性係数と実質的に異なる。一実施形態において、レーザ溶接領域28は、能動部品22を包囲する外周封止部によって補強することができる。
【0029】
様々な実施形態において、基板12および14は、溶接領域28の形成を可能にする様々なガラス材料またはガラスセラミック材料を含む任意の適した材料から形成してよい。特定の実施形態において、基板12および14は、ソーダ石灰ガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、リン酸塩ガラス材料、ボロシリケートガラス材料、およびアルミナのうちの少なくとも一つ、または窒化アルミニウムのガラスセラミック材料から形成される。特定の実施形態において、基板12および14は、半透明/透明、例えば、60%、70%、80%、90%の透過率であって、レーザ30が基板のうちの少なくとも一方を通過しかつ粒子層24と相互作用することを可能にする。特定の一実施形態において、第一および第二の基板の材料は、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルの少なくとも一つにおいて入射光の5%未満を吸収する。
【0030】
様々な実施形態において、レーザ溶接領域28の凝集性の溶接構造は、従来の厚いフリット封止電子デバイスの接着剤に基づく結合構造と比べ、より薄い全厚でより強固な結合をもたらすと考えられる。様々な実施形態において、本明細書で議論するレーザ溶接部の引張強度は、10MPaよりも高く、特に、15MPaよりも高く、さらには、30MPaよりも高い。特定の一実施形態において、本明細書で議論するレーザ溶接部の引張強度は、15MPaと150MPaの間であり、特に、100MPaと150MPaの間であり、さらには、約120MPa、例えば、120MPaプラスマイナス10%である。本出願人は、かかるレーザ溶接部は、典型的には10MPa以下の引張強度を有する従来のフリットに基づく封止部よりも実質的に強固であると考える。
【0031】
様々な実施形態において、溶接領域28の厚みは、従来のフリット封止部の厚みよりも実質的に薄いと考えられる。図3に示すように、溶接領域28は厚みT2を有し、様々な実施形態において、T2は1.5μm以下である。様々な実施形態において、レーザ溶接領域28の寸法、例えば、この溶接部の幅および/または厚みは、溶接領域28の近傍における、局所密度分布、仮想温度分布、応力プロファイル、弾性率などの調査によって特定することができる。
【0032】
一例として、一部の実施形態では、レーザ30は、0.1Wと1.0Wの間、特に0.1Wと0.5Wの間の出力を有する355nmレーザである。特定の一実施形態において、レーザ30は、0.6Wの出力と、10mm/sと50mm/sの間の走査速度、特に25mm/sの走査速度とを有する355nmレーザであり、粒子層24はLMG粒子層である。様々な特定の実施形態において、レーザ、工程および材料は、米国特許出願公開第2015/0027168号(2014年5月7日に出願された米国出願第14/271、797号)明細書に開示されたもののいずれでもよく、当該出願はそのまま参照によって本明細書に援用する。
【0033】
本明細書で用いるように、密閉封止部および/または密閉封止デバイスは、実際の用途において、実質的に気密でありかつ水分および/または酸素を実質的に通さないとみなされるものである。一例として、本明細書で議論するレーザ溶接部は、酸素の発散(拡散)を約10−2cm/m/day未満、例えば、約10−3cm/m/day未満に制限し、かつ水の発散(拡散)を約10−2g/m/day、例えば、約10−3、10−4、10−5または10−6g/m/day未満に制限するように構成することができる。かかる実施形態では、密閉封止は、空気および水が、能動デバイス22などの被保護能動要素に接触することを実質的に阻止する。
【0034】
図4を参照すると、上記で議論したように、粒子層24を形成するために使用される可能性のある粒子材料または溶液を調製する工程50が、例示的な一実施形態に従って示されている。ステップ52にて、粒子材料は、上記で議論した粒子26などの小径粒子を有する粉体に粉砕またはその他の方法で形成される。一実施形態において、小径粒子は、2015年2月11日に出願された国際公開第2015/123254号に記載の方法を用いて形成してもよく、当該出願は、そのまま参照によって本明細書に援用する。ステップ54にて、ステップ52にて形成された粒子は、1μm以下の直径を有する粒子を選抜または分離するように処理、選別、濾過などが行われる。
【0035】
ステップ56にて、選抜された小径粒子を界面活性剤溶液で滴定することによって粒子水溶液が調製される。一実施形態において、界面活性剤溶液はCTACの水溶液であり、特定の実施形態において、5重量%の粒子水溶液が、1重量%のCTAC水溶液での滴定によって調製される。他の実施形態において、粒子溶液はイソプロパノール系溶液でもよい。ステップ58にて、完全に分散すなわち脱凝集した無機粒子溶液は、完全に分散した溶液がいつ形成されるかを特定するためにゼータ電位によって特定される正確なpHを監視しながら、CTAC溶液での滴定を続けることによって形成される。なお、ゼータ電位の最初の使用は、粒子と分散剤の相互作用を最適化するために正確なpHが使用できるように粒子の等電点を特定するためである。ステップ58にて示すように、CTAC界面活性剤は、図4に概略的に示す溶液内に粒子が完全に懸濁するように各粒子の周囲に構造を形成する。ステップ60にて、粒子溶液または粒子インクは、次に、上記で議論したように、粒子層24を形成するために基板12または14などの基板に塗布される。
【0036】
一例として、CTACを用いる水溶液またはイソプロパノール溶液内の小径粒子は、ゼータ電位を監視しながら230mLの5重量%LMG粒子水溶液を1重量%のCTAC水溶液で滴定することによって試験した。ゼータ電位は、CTAC濃度の適切な調整によって完全分散粒子溶液を得る補助となる有用な指標として役立つ。例えば、−10mVの最初のゼータ電位は、水性環境におけるリン酸塩ガラスを示す。この粒子溶液にCTAC界面活性剤のアリコートを添加し続けると、図4におけるステップ58に概略的に示す形状のコロイド分散系が徐々に形成される。ステップ58にて示すように、各粒子は、その負に帯電した表面を装飾するCTACのアンモニウム部分の単一の単層によって特徴付けられる。なお、シリカを分散させるために使用することができるいくつかのその他の高分子材料も存在する。一例において、20mV付近の効果的なゼータ電位を有する溶液が調製され、その結果、図2に示す充填配置などの稠密充填粒子の単層または複層を印刷するのに適した形状の完全分散粒子「インク」となる。安定した粒子とCTACの分散系は、典型的には、±20mVよりも大きいゼータ電位範囲にあると考えられる。
【0037】
図5および図6を参照すると、基板12などの基板上に粒子層24などの粒子層を形成する工程が、例示的な一実施形態に従って示されている。例示的な一実施形態において、図5および図6に示す工程は、稠密充填小径粒子の単層を形成する。この実施形態では、粒子層24を形成するために、粒子溶液70として示す、図4の方法によって形成されるコロイド粒子分散系などのコロイド粒子分散系に浸漬または挿入される。基板12は、次に、Vとして図6に示す一定の低速で垂直方向に引き抜かれる。様々な実施形態において、Vは、25mm/分と500mm/分の間である。
【0038】
図6に示すように、界面活性剤でコーティングされた粒子26は、乾燥前線72にて核生成して、本明細書で議論される粒子層24のための秩序ある粒子配列を形成する。このようにして、基板12が引き続き溶液70から取り除かれるので、粒子層24の成長はVとは反対方向である。粒子層24を形成するこの方法は、引き抜き時の液膜の高さが界面活性剤でコーティングされた粒子の直径よりも低くなると、形成した層の方に粒子を向かわせる毛細管引力によって推進されると考えられる。後に理解されるように、図5および図6に示す粒子塗布法は、典型的には薄膜堆積技術の場合のように、真空環境で基板に粒子層を塗布する必要がない。
【0039】
図7および図8を参照すると、基板12などの基板上に粒子層24などの粒子層を形成する工程が、別の例示的な実施形態に従って示されている。この実施形態では、付けペン80として示すなどの塗布器具が、粒子溶液82として示す粒子懸濁液源から引き出すように構成されている。一般に、付けペン80は、基板12上に粒子溶液の層を堆積する。ペン先84と基板12の間の相対移動はVで示す。図5および図6における引き抜き速度と同様に、Vは、堆積した粒子溶液からの水が蒸発するにつれて界面活性剤でコーティングされた粒子26が基板12上で稠密充填パターンに集合することができるように選択される。この方法により、単層または複層のいずれかの粒子層24の形成は、図8における例示的な一実施形態に従って示される。
【0040】
様々な実施形態において、図6に示す方法と類似の方法で、ペン先84と基板12の間には液体メニスカスが形成される。このメニスカスの大きさは、相対湿度によって制御されるが、二次元コロイド集合速度、効果的な先端と基板の接触面積、および塗布粒子層の溶解に影響する。他の実施形態において、粒子層24は、スピンコーティング法、対流集合法、電着集合法、電気泳動集合法などを含む任意の適した溶液またはインク堆積装置または工程から形成してよい。
【0041】
特に明記しない限り、本明細書で述べたいずれの方法も、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとみなされることは決して意図していない。したがって、方法の請求項が、そのステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、またはそれ以外に、そのステップは特定の順序に限定すべきであるということが請求項または説明にて特に述べられていない場合は、特定の順序を示唆することは決して意図していない。また、本明細書で用いられるように、「a」という冠詞は、一つ以上の部品または要素を含むことを意図しており、一つだけを意味しているものとみなされることは意図していない。
【0042】
開示された実施形態の精神または範囲から逸脱することなく様々な修正および変形が可能であることが当業者には明らかになるだろう。開示された実施形態の精神および趣旨を組み込む当該実施形態の修正、組み合わせ、部分的な組み合わせおよび変形は当業者が想到する可能性があるため、開示された実施形態は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内のものは全て含むとみなすべきである。
【0043】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0044】
実施形態1
レーザ溶接可能なデバイスハウジング基板であって、
第一の表面と、
当該第一の表面とは反対側の第二の表面と、
前記第一の表面によって支持される薄い無機粒子層であって、当該無機粒子層が、当該第一の表面上に層状に配置される複数の粒子を含み、当該粒子が1.0μm以下の平均直径を有し、当該無機粒子層が5μm以下の平均厚みを有する無機粒子層と、
を備えた、レーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0045】
実施形態2
当該基板は、第一の熱膨張係数を有するガラス材料およびガラスセラミック材料のうちの少なくとも一方から作られ、前記無機粒子層の前記粒子が、ガラス粒子および無機粒子のうちの少なくとも一方であり、当該無機粒子層が第二の熱膨張係数を有し、当該第二の熱膨張係数が前記第一の熱膨張係数よりも大きい、実施形態1記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0046】
実施形態3
前記第二の熱膨張係数と前記第一の熱膨張係数の差が1%よりも大きく、前記無機粒子層の前記粒子の前記平均直径が1nm以上である、実施形態2記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0047】
実施形態4
前記無機粒子層が、さらに、前記粒子と会合する界面活性剤材料を含み、当該界面活性剤材料が、前記第一の表面上での堆積前の分散系において前記粒子を支持する、実施形態3記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0048】
実施形態5
前記無機粒子層は、前記第一の表面上に位置する前記粒子の単層から形成される、実施形態1記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0049】
実施形態6
前記無機粒子層の前記粒子の少なくとも一部が、前記第一の表面上で六方最密充填配置に配置される、実施形態5記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0050】
実施形態7
前記無機粒子層の前記粒子の少なくとも一部が凝集形態を有し、当該粒子が、5μm未満の厚みを有する層を形成する凝集体を形成する、実施形態1記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0051】
実施形態8
前記無機粒子層が前記第一の表面と第二の基板の表面の間にレーザ溶接部を形成することができるように、該無機粒子層の前記粒子が、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルのうちの少なくとも一つにおいて入射レーザエネルギーの15%よりも多くを吸収する、実施形態1記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0052】
実施形態9
前記無機粒子層の前記粒子は、600℃未満のTgを有する低融点ガラス(LMG)、ボロシリケートガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、ZnO、TiO、SnO、および二ホウ酸塩(bi−borate)材料のうちの少なくとも一つから形成され、当該基板が、ソーダ石灰ガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、ボロシリケートガラス材料、リン酸塩ガラス材料、およびアルミナのうちの少なくとも一つ、または窒化アルミニウムガラスセラミック材料であるガラス材料またはガラスセラミック材料から作られる、実施形態8記載のレーザ溶接可能なデバイスハウジング基板。
【0053】
実施形態10
封止電子デバイスハウジングであって、
第一の表面を有する第一の基板と、
前記第一の表面に対向する第二の表面を有する第二の基板と、
前記第二の表面に前記第一の表面を接合する無機粒子開始レーザ溶接部であって、前記第一の基板と前記第二の基板と当該レーザ溶接部との間に画定されるチャンバを包囲し、5μm未満の最大厚みを有し、互いに接合された前記第一の基板の材料および前記第二の基板の材料から形成されるレーザ溶接部と、
を備えた、封止電子デバイスハウジング。
【0054】
実施形態11
前記第一および第二の基板はガラスまたはガラスセラミック基板であり、前記無機粒子開始レーザ溶接部は、前記第一の基板および前記第二の基板のうちの少なくとも一方の前記材料とは異なるガラスまたは無機粒子材料を含むレーザ吸収無機粒子層から形成される、実施形態10記載の封止電子デバイスハウジング。
【0055】
実施形態12
前記無機粒子層の前記材料は、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルのうちの少なくとも一つにおいて入射光の15%よりも多くを吸収し、前記第一および第二の基板の前記材料は、紫外スペクトル、赤外スペクトルまたは可視スペクトルのうちの少なくとも一つにおいて入射光の5%未満を吸収する、実施形態11記載の封止電子デバイスハウジング。
【0056】
実施形態13
前記無機粒子層の前記材料は、600℃未満のTgを有する低融点ガラス(LMG)、ボロシリケートガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、ZnO、TiO、SnO、および二ホウ酸塩(bi−borate)材料のうちの少なくとも一つであり、当該無機粒子層の当該材料は、前記レーザ溶接部内の前記第一および第二の基板の前記材料によって包囲される、実施形態12記載の封止電子デバイスハウジング。
【0057】
実施形態14
前記第一および第二の基板は、それぞれ、ソーダ石灰ガラス材料、アルミナシリケートガラス材料、ボロシリケートガラス材料、およびアルミナのうちの少なくとも一つ、または窒化アルミニウムガラスセラミック材料であるガラスまたはガラスセラミック材料から作られる、実施形態13記載の封止電子デバイスハウジング。
【0058】
実施形態15
前記レーザ溶接内の材料の組成は、前記第一の基板および前記第二の基板の少なくとも一方の材料組成と少なくとも90%同一である、実施形態10記載の封止電子デバイスハウジング。
【0059】
実施形態16
前記無機粒子開始レーザ溶接部は、前記チャンバを包囲する前記第一の基板と前記第二の基板の間に密閉封止部を形成し、能動デバイスが該チャンバ内に位置する、実施形態10記載の封止電子デバイスハウジング。
【0060】
実施形態17
密閉的にレーザ封止可能なデバイスハウジングを形成する方法において、
第一の表面を有する第一の基板を提供するステップと、
前記第一の表面に無機粒子層を塗布するステップであって、当該無機粒子層が、前記第一の表面に層状に配置される複数の粒子を含み、当該粒子が、1.5μm未満の平均直径を有し、かつ当該無機粒子層が5μm未満の平均厚みを有し、当該粒子は、ガラス材料および無機材料のうちの少なくとも一方であるステップと、
を有してなる、方法。
【0061】
実施形態18
前記第一の表面上に前記無機粒子層を塗布するステップが、前記第一の表面上に無機粒子溶液を塗布するステップを含む、実施形態17記載の方法。
【0062】
実施形態19
前記無機粒子層を塗布するステップが、無機粒子水溶液に前記第一の基板をディップコーティングするステップおよび前記第一の表面に無機粒子水溶液を印刷するステップのうちの少なくとも一方を含む、実施形態17記載の方法。
【0063】
実施形態20
前記粒子が前記水溶液内で分散系を形成するように、前記無機粒子水溶液が該粒子に結合する界面活性剤材料を含む、実施形態19記載の方法。
【0064】
実施形態21
第二の表面を有する第二の基板を提供するステップと、
前記第一の基板の前記第一の表面が前記第二の表面に対向し、かつ当該第二の表面が前記無機粒子層と接触するように前記第二の基板を位置決めするステップと、
前記無機粒子層にレーザを当てるステップであって、当該無機粒子層が当該レーザからエネルギーを吸収し、前記第一の表面と前記第二の表面の間に凝集性溶接部を形成するものであるステップと、
をさらに備え、
前記凝集溶接部が、前記第一の表面と前記第二の表面の対向部分によって画定されるチャンバを包囲し、
前記無機粒子層の前記粒子の前記ガラス材料が、600℃未満のTgを有する低融点ガラス(LMG)、ボロシリケートガラス材料、アルミノシリケートガラス材料、ZnO、TiO、SnO、および二ホウ酸塩(bi−borate)材料のうちの少なくとも一つであり、前記レーザが、紫外スペクトルレーザ、赤外スペクトルレーザおよび可視スペクトルレーザのうちの少なくとも一つであり、前記無機粒子層の前記粒子が、当該無機粒子層に当てられた前記レーザの前記エネルギーの15%よりも多くを吸収する、実施形態17記載の方法。
【符号の説明】
【0065】
10 デバイス
12 底部基板(下部基板)
14 上部基板
16 上面
18 下面
20 チャンバ
22 能動デバイス
24 粒子層
26 粒子
27 凝集粒子膜層
28 溶接領域
30 レーザ
50 工程
52、54、56、58、60 ステップ
70、82 粒子溶液
72 乾燥前線
80 付けペン
84 ペン先
D1 平均粒径
T1 平均厚み
速度
相対移動
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】