(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537550(P2018-537550A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】湿式作動摩擦クラッチ用ディスクパックの製造方法および摩擦クラッチ
(51)【国際特許分類】
C09K 3/14 20060101AFI20181122BHJP
F16D 13/62 20060101ALI20181122BHJP
F16D 13/52 20060101ALI20181122BHJP
F16D 69/00 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
C09K3/14 520Z
F16D13/62 Z
F16D13/52 Z
F16D69/00 M
C09K3/14 530J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-520552(P2018-520552)
(86)(22)【出願日】2016年10月7日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月20日
(86)【国際出願番号】DE2016200466
(87)【国際公開番号】WO2017067550
(87)【国際公開日】20170427
(31)【優先権主張番号】102015220463.4
(32)【優先日】2015年10月21日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン シュタインメッツ
【テーマコード(参考)】
3J056
3J058
【Fターム(参考)】
3J056AA60
3J056AA63
3J056BA02
3J056BE17
3J056CA07
3J056EA17
3J056FA09
3J056FA11
3J056GA05
3J058BA73
3J058GA84
3J058GA93
3J058GA94
(57)【要約】
圧力負荷下で層方向に摩擦結合を形成する重ねられたディスクを複数備えた湿式作動摩擦クラッチ用ディスクパックの製造方法、すなわち両面に摩擦ライニングを備えた摩擦板および鋼板の製造方法であって、ディスクパックは、湿潤状態で作動流体の存在下で作動されるものとする方法、およびディスクパック。ディスクパックの摩擦特性を向上させるために、ディスクの少なくとも一部を、ディスクパックの運転開始前に少なくとも1種の添加剤で処理し、この少なくとも1種の添加剤は、ディスクに結合する極性基と、作動流体に結合する非極性基とから形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力負荷下で層方向に摩擦結合を形成する重ねられたディスクを複数備えた湿式作動摩擦クラッチ用ディスクパックの製造方法、すなわち両面に摩擦ライニングを備えた摩擦板および鋼板の製造方法であって、前記ディスクパックは、湿潤状態で作動流体の存在下で作動されるものとする方法において、前記ディスクの少なくとも一部を、前記ディスクパックの運転開始前に少なくとも1種の添加剤で処理し、その際、前記少なくとも1種の添加剤は、前記ディスクに結合する極性基と、作動流体に結合する非極性基とから形成されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ディスクの前記処理を、前記ディスクパックの組立て前に行うことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種の添加剤を、前記ディスクの表面に、特に吹付法、ロールコート法または浸漬法により施与することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
支持体ディスクの両面に施与した摩擦ライニングを接着させた後に、前記少なくとも1種の添加剤を前記摩擦板に施与することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1種の添加剤の施与前に、前記鋼板を化学的に活性化させることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1種の添加剤を施与する前、その間および/またはその後に、前記ディスクを温度処理に供することを特徴とする、請求項3から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1種の添加剤を、液体の形態で、または溶液として前記ディスクに施与することを特徴とする、請求項3から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
圧力負荷下で層方向に摩擦結合を形成する重ねられたディスクを複数備えた湿式作動摩擦クラッチ用ディスクパック、すなわち両面に摩擦ライニングを備えた摩擦板および鋼板であって、前記ディスクパックの新たな状態では、前記ディスクの少なくとも一部が少なくとも1種の添加剤で処理されており、前記少なくとも1種の添加剤は、前記ディスクに結合する極性基と、作動流体に結合する非極性基とから形成されていることを特徴とする、ディスクパック。
【請求項9】
前記少なくとも1種の添加剤の前記極性基は、官能性エーテル基、官能性エステル基、官能性アミン基、官能性アミド基および/または官能性チオール基を含むことを特徴とする、請求項8記載のディスクパック。
【請求項10】
前記少なくとも1種の添加剤は、以下の物質群のうちの1種を少なくともある割合で有することを特徴とする、請求項8または9記載のディスクパック:
・脂肪酸、特に長鎖脂肪酸、特に分岐状有機基を有する脂肪酸、
・脂肪酸エステル、
・脂肪酸アミン、
・脂肪酸アミド、
・脂肪酸イミド、
・リン酸エステル、
・チオリン酸エステル、
・硫黄含有脂肪酸、特にチオールまたはチオエーテルおよび/またはチオエステル、
・有機チオリン酸金属塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力負荷下で層方向に摩擦結合を形成する重ねられたディスクを複数備えた湿式作動摩擦クラッチ用ディスクパックの製造方法、すなわち、両面に摩擦ライニングを備えた摩擦板および鋼板の製造方法であって、ディスクパックは、湿潤状態で作動流体の存在下で作動されるものとする方法、およびこのディスクパックに関する。
【0002】
湿式作動摩擦クラッチは、例えば自動変速機、デュアルクラッチ、ディファレンシャル、プーリーなどの多くの用途で知られている。独国特許出願公開第102012220892号明細書には、例えば2つの摩擦クラッチを備えた湿式作動デュアルクラッチであって、それぞれ入力側および出力側で交互に重ねられたディスクを有するディスクパックを備え、これらのディスクが、圧力下でディスクパックの圧縮によって入力側と出力側との間に摩擦結合を生じさせる湿式作動デュアルクラッチが示されている。圧力が負荷されていない状態では、入力側のディスクと出力側のディスクとが滑り、これによって摩擦結合が解除され、摩擦クラッチが開放される。ディスクの種類は、摩擦板と鋼板とに分類される。摩擦板は、例えば繊維状物質製の摩擦ライニングを両面に有し、例えば紙(例えばアラミド繊維などの補強用添加物を含む)製の摩擦ライニングを両面に有している。これらの摩擦板と鋼板とが一緒になって摩擦面を形成しており、これらの鋼板は、摩擦板の摩擦面に対向する摩擦面を両面に有する。対応して交互に重ねられた摩擦板および鋼板から形成されるディスクパックは、閉鎖した状態で摩擦クラッチに接したトルクを伝達する役割を果たす。湿式作動摩擦クラッチでは、トルクは、これらのディスクの間に存在する例えば油などの作動流体を通じて伝達される。この作動流体の膜厚によって、摩擦クラッチの摩擦係数および快適性が決まる。ディスクパックの摩擦挙動を向上させるために、例えば米国特許出願公開第2014/0087982号明細書では、作動流体への添加剤の混合が行われている。
【0003】
本発明の課題は、使用される作動流体とは少なくとも部分的に無関係に摩擦特性の向上を示すディスクパックのさらなる発展形態を提供することである。特に、ディスクパックの動摩擦係数および/または静摩擦係数を高めることが望ましい。特に、摩擦係数の勾配を最適化することが望ましい。特に、全寿命中および/または高負荷時に摩擦係数および/または摩擦係数の勾配が改善されることが望ましい。
【0004】
上記課題は、請求項1記載の方法および請求項8記載の装置によって解決される。請求項1および請求項8の従属請求項は、請求項1および請求項8の対象の有利な実施形態を示す。
【0005】
本明細書で提案する方法は、圧力負荷下で層方向に摩擦結合を形成する重ねられたディスクを複数備えた湿式作動摩擦クラッチ用ディスクパックの製造に利用される。これらのディスクは例えば、両面に摩擦ライニングを有する摩擦板および鋼板から形成され、好ましくは、これらの摩擦板と鋼板とは、ディスクパック内で交互に重ねられている。摩擦板は、ディスクパック内で、出力側に配置されていてもよいし、入力側に配置されていてもよい。鋼板は、ディスクパック内で、入力側に配置されていてもよいし、出力側に配置されていてもよい。ディスクパックは、作動流体の存在下で湿潤状態で作動される。作動流体は油であってよく、例えばATM(オートマチックトランスミッションフルード)であってよい。この作動流体には、摩擦クラッチの摩擦特性を向上させるための添加剤が混入されていてよい。これらの添加剤は、ディスクに施与された少なくとも1種の添加剤の少なくともある割合分であってよい。本明細書で提案する方法および本明細書で提案するディスクパックによれば、ディスクの少なくとも一部を、ディスクパックの運転開始前に少なくとも1種の添加剤で処理し、その際、この少なくとも1種の添加剤は、ディスクに結合する極性基と、作動流体に結合する非極性基とから形成されている。このことは、すでにディスクパックのこの新たな状態では、プレコンディショニング処理されたディスク表面が形成され、このディスク表面によって、作動流体の組成とは十分に無関係に摩擦係数を向上させることができることを意味しており、その際、この作動流体は、少なくとも1種の添加剤によってディスクに固定され、これによって、この処理済みのディスクの表面上に、この少なくとも1種の添加剤の特性によって与えられた所定の作動流体膜を得ることができる。
【0006】
ディスクのこうした処理を、ディスクパックの組立て前に行うことができ、これによって、摩擦結合を形成するディスク表面を狙い通りに処理することができる。少なくとも1種の添加剤を、ディスク表面に、例えば吹付法、ロールコート法、浸漬法などによって施与することができる。
【0007】
摩擦板の処理に際しては、支持体ディスクの両面に施与した摩擦ライニングを接着させた後に、少なくとも1種の添加剤を摩擦板に施与することができる。特別な用途では、少なくとも1種の添加剤の導入を、例えばセルロース繊維やアラミド繊維といった繊維や充填剤や樹脂から紙製ライニングを製造する時点ですでに行うことができる。例えば、少なくとも1種の添加剤を、摩擦ライニングの製造の間またはその後にマイクロカプセルを用いて摩擦ライニングに配置することができ、この配置の後にこれよりも後の時点で、少なくとも1種の添加剤の活性化を、例えば機械的負荷または高めた温度によるマイクロカプセルの破壊または溶解によって行う。
【0008】
鋼板の処理に際しては、少なくとも1種の添加剤を施与する前に、例えば鋼板の対向する摩擦面などの少なくとも1つの表面を活性化させることによって、少なくとも1種の添加剤の密着性をより良好なものとすることができる。例えば、粗さ深さのような表面粗さを、ダイによる打抜きの際に、または後で行われる加工の際に調節することによって、少なくとも1種の添加剤の密着性を向上させることができる。あるいは、またはそれに加えてさらに、表面を、例えばプラズマ処理、レーザ処理などによって前処理してもよい。あるいは、またはそれに加えてさらに、表面を、例えば酸エッチング法、アルカリエッチング法などによって化学的に活性化させてもよい。
【0009】
ディスクへの施与を改善するため、摩擦板および/または鋼板に少なくとも1種の添加剤を施与する前、その間および/またはその後に、これらのディスクを温度処理に供してもよい。例えば、少なくとも1種の添加剤を施与している間に、例えば室温などの低温の温度プログラムを用いることができる。添加剤を施与した後に、例えばコンディショニングや結合形成などのために、例えばディスクパックの作業温度以上の温度に高めることができる。
【0010】
少なくとも1種の添加剤を、ディスクに液体の形態で施与してもよいし溶液として施与してもよい。少なくとも1種の添加剤を溶液状で施与する場合には、室内条件下で、高めた温度でおよび/または低めた圧力で溶媒を蒸発させることによって溶媒を除去することができる。
【0011】
少なくとも1種の添加剤を、単一の化合物として使用してもよいし、添加剤として有効な複数の化合物の添加剤混合物として使用してもよい。例えば少なくとも1種の添加剤を安定化させるための添加物質の添加も、少なくとも1種の添加剤と解釈されるべきである。
【0012】
このディスクパックは、湿式作動摩擦クラッチ向けに予定されたものであり、例えば、内燃機関と変速機との間に設けられた単純な摩擦クラッチ、デュアルクラッチ変速機用に摩擦クラッチを2つ備えたデュアルクラッチ、自動変速機内の変速クラッチ、四輪駆動車の車軸間の同期クラッチ、ディファレンシャルクラッチ、ロッキングトルクコンバータークラッチ、内燃機関とモータとの間のハイブリッドクラッチなどに向けて予定されたものである。このディスクパックは、圧力負荷下で層方向に摩擦結合を形成する重ねられたディスクを複数有し、すなわち両面に摩擦ライニングを備えた複数の摩擦板および鋼板を有する。このディスクパックのこの新たな状態では、ディスクの少なくとも一部が少なくとも1種の添加剤で処理されており、この少なくとも1種の添加剤は、ディスクに結合する極性基と、作動流体に結合する非極性基とから形成されている。
【0013】
少なくとも1種の添加剤の極性基は、官能性エーテル基、官能性エステル基、官能性アミン基、官能性アミド基および/または官能性チオール基を含むことができる。少なくとも1種の添加剤の非極性基は、有機アルキル基および/または有機アリール基を有しうる。例えば、作動流体との非極性の相互作用を形成する、長鎖であって場合により分岐状である有機基を予定することができる。
【0014】
少なくとも1種の添加剤は、以下の物質群のうちの1種を少なくともある割合で有しうる:
・脂肪酸、特に長鎖脂肪酸、特に分岐状有機基を有する脂肪酸、
・脂肪酸エステル、
・脂肪酸アミン(aminische Fettsaeure)、
・脂肪酸アミド(amidische Fettsaeure)、
・脂肪酸イミド(imidische Fettsaeure)、
・リン酸エステル、
・チオリン酸エステル、
・硫黄含有脂肪酸、特にチオールまたはチオエーテルおよび/またはチオエステル、
・有機チオリン酸金属塩。
【0015】
換言すれば、添加剤を適切に選択することによって、すでに新たな状態では、摩擦板および/または鋼板の表面が覆われている。このことは、摩擦板および/または鋼板を対応して処理することによって、1種以上の添加剤の機能特性を有するそれぞれの表面を、吸着または吸収によってコンディショニングすることができることを意味する。その際、添加剤は、基のような極性の分子部分が摩擦板のそれぞれの摩擦ライニング面または鋼板表面に付着し、非極性の長鎖部分によって一種の「分子ブラシ」をその上に形成するという課題を有する。これは、例えば油膜厚のような作動流体の厚みがわずかである場合であっても、ディスク同士の固体接触を防ぐという作用を有する。非極性基の分岐によって、作動流体との相互作用を生じさせることができ、また分岐が比較的高度である「分子ブラシ」によって、より多量の作動流体に例えばファンデルワールス力によって結合することができる。そうすることで作動流体剤の膜厚を高めることができ、ひいてはディスクパックの摩擦係数を高めることができる。摩擦板に関しては、支持体ディスクに摩擦ライニングを接着させる処理を行った後に、吹付法、ロールコート法または浸漬法によって、摩擦ライニング材の上またはその中に添加剤を導入することができる。1種以上の添加剤の施与前に、例えば温度処理によって、摩擦板の表面、すなわちそのライニング表面の添加剤吸収性を変化させることができる。
【0016】
鋼板にも、添加剤を同様に上記の方法によって施与または導入することができる。例えば、添加剤で湿潤させる前に、例えば酸エッチング工程による鋼板表面の活性化を予定することができる。
【0017】
同様に、添加剤を施与した後に、これに引き続いて鋼板または摩擦板の温度処理を行うことが有利であることが判明した。これによって、添加剤と各表面とのより強力な反応を達成することができる。実質的に、これらの物質群は、極性部分と非極性部分とからなり、この極性部分は、摩擦板および/または鋼板の表面への「ドッキング作用」を担うことができる。長鎖の非極性部分は、「分子ブラシ」を生成しうるとともに、ディスクパックの作動流体あるいはトランスミッションオイルなどとの相互作用を生じうる。こうした作用を高めるために、それ自体は非極性である、つまり、ディスク表面との結合が予定されていない基であって、例えば長鎖の直鎖状または分岐状の有機基の形態の基に、エーテル官能基、アミン官能基、アミド官能基および/またはメルカプタン官能基の導入によって、より高い極性をもたせることが合理的でありうる。
【0018】
添加剤を、ディスクに液体の形態で施与してよく、また適切な溶媒系を用いて施与してもよい。
【0019】
好ましい一変形例では、添加剤をある材料に封入し、この材料を摩擦ライニング製造の原材料またはその紙前駆体として使用して、例えば表面温度が高まった際にこの材料が有効となるようにすることができることが予定されていてよい。
【国際調査報告】