特表2018-537594(P2018-537594A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-537594付加製造するための方法、付加製造によって製造されたコンポーネント、及び付加製造のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537594(P2018-537594A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】付加製造するための方法、付加製造によって製造されたコンポーネント、及び付加製造のための装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/16 20060101AFI20181122BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   B22F3/16
   B22F3/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-531480(P2018-531480)
(86)(22)【出願日】2016年11月25日
(85)【翻訳文提出日】2018年8月14日
(86)【国際出願番号】EP2016078840
(87)【国際公開番号】WO2017102286
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】102015225652.9
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ハーバーラント
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・クロイツァー
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ・ランマース
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ロレンツ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・レーゲナー
(72)【発明者】
【氏名】カトリン・シュパーリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ダニー・トムシャット
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA09
4K018AA10
4K018BA04
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
4K018KA12
(57)【要約】
本発明は、コンポーネント(100)を付加製造するための方法であって、開口部(2)を具備するコンポーネント台(1)の上にコンポーネント(100)を付加構成として形成するステップを備えている方法において、コンポーネント(100)の付加構成の第1の部分を構成する際に、補助構造体(101)がコンポーネント台(1)の開口部(2)の周囲に付加的に製造される、方法に関する。当該方法は、開口部(2)を通じて補助構造体(101)によって形成されているキャビティ(20)の内部にデバイス(10)を導入するステップと、付加構成の第1の部分を構成した後に付加構成の第2の部分を構成する際に、デバイス(10)によって製造されるコンポーネント(100)の特性に影響を及ぼすか、又はコンポーネント(100)の特性を検出するステップとを備えている。さらに、本発明は、上述の方法によって製造されるコンポーネントと、開口部を具備するコンポーネント台とクロージャ(3)とを有するコンポーネント(100)を付加製造するための装置とに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネント(100)を付加製造するための方法において、
開口部(2)を具備するコンポーネント台(1)の上に前記コンポーネント(100)を付加構成として形成するステップであって、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の第1の部分を形成する際に、補助構造体(101)が、前記コンポーネント台(1)の前記開口部(2)の周囲に付加製造される、前記ステップと、
前記開口部(2)を通じて、前記補助構造体(101)によって形成されているキャビティ(20)の内部に、デバイス(10)を導入するステップと、
前記付加構成の前記第1の部分を形成した後に前記付加構成の第2の部分を形成する際に、前記デバイス(10)によって製造される前記コンポーネント(100)の特性に影響を及ぼすか、又は前記コンポーネント(100)の特性を検出するステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記開口部(2)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の形成を開始する際に、クロージャ(3)によって閉じられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンポーネント台(1)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の前記第1の部分を形成する際に、前記クロージャ(3)に対して相対的に降下され、
前記クロージャ(3)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の前記第1の部分を形成した後に取り除かれることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記付加構成の前記第2の部分を形成する際に、前記デバイス(10)によって加熱又は冷却されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンポーネント台(1)から離隔配置されている製造すべき部分(100a,100b)の温度が、前記デバイス(10)によって計測され、及び/又は前記デバイス(10)による加熱又は冷却によって設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コンポーネント(100)には、付加構成として形成される際に、突起(110)が設けられ、
前記突起(110)が、前記キャビティ(20)を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記コンポーネント(100)が少なくとも2:1のアスペクト比を有するように、付加的に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記補助構造体(101)によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、例えば選択的レーザ溶融法のような粉体層を基礎とする製造方法とされることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって製造されるか又は製造可能とされるコンポーネント(100)において、
従来技術に基づいて付加製造されたコンポーネントと比較して、構造的欠陥、構造的不完全性、及び/又は粒子境界の密度が小さいことを特徴とするコンポーネント(100)。
【請求項11】
コンポーネント(100)を付加製造するための装置(200)であって、
開口部(2)を具備するコンポーネント台(1)と、
前記開口部(2)を閉じるように構成されているクロージャ(3)と、
を備えている前記装置(200)において、
前記コンポーネント台(1)が、前記クロージャ(3)に対して相対的に降下可能とされるように構成されていることを特徴とする装置(200)。
【請求項12】
前記装置(200)が、デバイス(10)を備えており、
前記開口部(2)及び/又は前記デバイス(10)が、前記デバイス(10)が前記開口部(2)を通じて押されるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の装置(200)。
【請求項13】
前記デバイス(10)が、ボアスコープであることを特徴とする請求項12に記載の装置(200)。
【請求項14】
前記デバイス(10)が、例えば温度又は振動を計測するための計測装置であることを特徴とする請求項12又は13に記載の装置(200)。
【請求項15】
前記デバイス(10)が、加熱装置及び/又は冷却装置を備えていることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造するための方法、当該方法によって製造されるか又は製造可能とされるコンポーネント、及び当該コンポーネントを付加製造するための装置に関する。コンポーネントとしては、例えばガスタービンのニッケル基超合金又はコバルト基超合金から部分的に形成されているタービンの構成部品が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
ワークピースの付加製造又は生成製造は、例えば粉体層を基礎とする製造方法のような原始的な成型プロセスによって実施される場合がほとんどである。既知の方法としては、特に選択的レーザ溶融法(SLM)、選択的レーザ焼結法(SLS)や電子ビーム溶融法(EBM)が挙げられる。上述の方法の場合には、コンポーネントは、例えば電子ビームやレーザビームのような励起ビームにより粉体層を形成している粒子を溶融することによって、粉体層に層状に重ねられた状態で構成される。
【0003】
上述のタイプの方法は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
付加製造方法は、レイヤー要素又はボリューム要素を垂直方向又は水平方向に相互に結合させることができるので、三次元オブジェクトを製造するために利用され、試作の分野に、及びコンポーネントの、特に個々に成形されたコンポーネントの製造に適用される。粉状若しくは粒状の形態で又は例えば懸濁液のような液状の形態で存在し得る多数の異なる材料が、原材料として利用可能とされる。付加製造又は生成製造の場合には、三次元オブジェクトは、降下可能なコンポーネント台に連続的に堆積された後に局所的な選択的固化プロセスによって処理される、多数の材料層によって形成されている。
【0005】
SLMプロセスの場合には、例えばレーザによって導入される熱は、コンポーネントによってのみ、場合によってはサポート構造体によって及びベースプレート又はコンポーネント台によって発散される。これと比較して、周囲の粉体層は、実質的に低い熱伝導性を有しており、ほぼ熱的に分離されているとみなされる。特にコンポーネントが突出構造を有している場合には、これにより、温度が局所的に高くなるので、コンポーネントひいては製造設備又は製造装置が損傷する可能性がある。最悪の場合には、例えば撓みやシステムのコーティング装置のうち一のコーティング装置との衝突が発生する。
【0006】
現在において、特にタービンブレードの製造の際に、例えば鋳造方法によって製造されるコンポーネントの材料品質は、依然として付加製造方法によっては実現することができていない。特に付加製造されたコンポーネントの構造は、鋳造、結晶成長法、又は標的固化のための他の方法によって製造されるか又は製造可能とされる構造と比較して、撓み、粒度、及び/又は構造的欠陥の観点において優位性を有していない。
【0007】
現在、高温付加方法は、1000℃より高い温度を実用温度とするので、例えばコンポーネントの材料構造の観点から問題となる溶融金属の急速冷却が防止され、これにより、品質の観点において鋳造方法によって製造された微細構造に匹敵する微細構造が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1355760号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、例えば微細構造の観点から、製造すべきコンポーネントの少なくとも一部分の特性に積極的に影響を及ぼすか、又は当該特性を改善するための手段を特定することである。
【0010】
当該目的は、独立請求項の主題によって達成される。優位な構成を有する実施例は、独立特許請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の実施態様は、コンポーネントを付加製造するための方法であって、好ましくは閉じることができる開口部を具備するコンポーネント台の上にコンポーネントを付加構成として形成するステップを備えている方法に関する。開口部は、クロージャによって閉じることができる。コンポーネントの付加構成の第1の部分を構成する際に、すなわち“その場で”、補助構造体が、コンポーネント台の開口部の周囲に付加製造される。好ましくは、補助構造体は、全体的に、又はコンポーネント台の開口部の周囲全体に沿って製造されている。
【0012】
好ましくは、補助構造体は、付加製造すべきコンポーネントの側方に直接、又は付加製造すべきコンポーネントから若干離隔して構成される。補助構造体の製造プロセスは、好ましくは完全に同一であるので、補助構造体は、コンポーネントと同一の材料から構成されている。
【0013】
当該方法は、開口部を通じて、補助構造体によって形成されているキャビティの内部に、デバイスを導入するステップを備えている。
【0014】
当該方法は、付加構成の第1の部分を構成した後に付加構成の第2の部分を構成する際に、デバイスによって製造されるコンポーネントの特性に影響を及ぼすか、又はコンポーネントの特性を検出し、特にコンポーネントの特性を計測するステップを備えている。
【0015】
上述の影響は、例えば製造すべきコンポーネントを温めること若しくは加熱すること、又は製造すべきコンポーネントを冷却すること若しくは冷凍することである。
【0016】
上述の検出は、好ましくは、例えばコンポーネントの温度を計測するための計測装置、又はコンポーネントの振動を計測するための計測装置に関連する。
【0017】
上述の特性は、製造すべきコンポーネントに、コンポーネント台から離隔配置されているコンポーネントの部分に、又はコンポーネント台から離隔配置されている製造される若しくは製造すべきコンポーネントの部分に関連する。
【0018】
コンポーネントの付加構成の第1の部分は、好ましくは、補助構造体と共に同時に構成されるコンポーネントの構成段階に関連する。
【0019】
付加構成の第2の部分は、好ましくは、補助構造体が既に完成又は構成されているコンポーネントの構成段階に関連する。
【0020】
上述の方法によって、優位には例えば製造すべきコンポーネントの微細構造の状態又は特性を構成する際に、デバイスによって影響が及ぼされる。
【0021】
本発明のさらなる実施態様は、コンポーネントを付加製造するための装置であって、開口部を具備するコンポーネント台とクロージャとを備えている装置に関する。クロージャは、開口部を閉じるように構成されている。さらに、装置のコンポーネント台は、好ましくは、クロージャに対して相対的に降下可能とされるように構成されている。
【0022】
一の実施態様では、装置が上述のデバイスを備えており、開口部及び/又はデバイスが、デバイスが例えば下方から開口部を通じて装置の製造空間に押し込まれるか又は導入されるように構成されている。
【0023】
一の実施態様では、デバイスは、ボアスコープとされるか、又はボアスコープを備えている。当該実施態様は、特に小さいコンポーネントを付加製造する場合に特に優位である。デバイスを導入するための空間も小さくて良いからである。この場合には、当該実施態様の開口部は、対応する態様の寸法とされる。
【0024】
一の実施態様では、デバイスは、例えば、温度を計測するための計測装置又は振動を計測するための計測装置とされる。
【0025】
一の実施態様では、デバイスは、コンポーネントの温度を計測するための温度計測装置、又はコンポーネントの部分の温度を計測するための温度計測装置とされる。従って、デバイスは、例えば熱素子、パイロメータ、又はさらなるセンサを備えている。
【0026】
一の実施態様では、デバイスは、コンポーネントの振動を計測するための振動計測装置、又はコンポーネントの部分の振動を計測するための振動計測装置とされる。従って、デバイスは、例えば圧電センサを備えている。
【0027】
一の実施態様では、デバイスは、コンポーネント若しくはコンポーネントの部分を加熱若しくは冷却するための加熱装置及び/若しくは冷却装置とされるか、又はコンポーネント若しくはコンポーネントの部分を加熱若しくは冷却するための加熱装置及び/若しくは冷却装置を備えている。
【0028】
一の実施態様では、コンポーネントの付加構成の開始時点における開口部は、クロージャによって閉じられるか又は閉じられようとしている。この状態のクロージャは、コンポーネント台と共に、好ましくは共通の構成すなわち突起領域を形成している。クロージャは、閉塞ピストン、ストッパ、又は例えばスライドとされる。
【0029】
一の実施態様では、コンポーネント台は、少なくともコンポーネントの付加構成の第1の部分を形成する際に、クロージャに対して相対的に降下される。このために、粉体層を基礎とする付加製造方法の場合には、キャビティ又は中空空間が補助構造体の内部に確立される。補助構造体によって形成される空間には、当該実施態様では粉体が存在しないか、又は実質的に存在しないからである。
【0030】
一の実施態様では、クロージャは、その後に、すなわち好ましくはコンポーネントの付加製造の第1の部分を形成した後に又は補助構造体が完成した後に、開口部から取り除かれるからである。
【0031】
一の実施態様では、製造すべきコンポーネント、又はコンポーネント台から離隔(離隔配置)された態様の製造すべきコンポーネントの部分のみが、付加構成の第2の部分の際に、デバイスによって加熱及び/又は冷却される。
【0032】
上述のように、加熱は、コンポーネントの急速冷却又は冷却を防止するのに有効であるので、例えば欠陥が少ない又はコンポーネントを適用するのに優位とされるコンポーネントの特に優位な微細構造を構成又は実現することができる。
【0033】
対照的に、製造すべきコンポーネント、又は製造すべきコンポーネントの部分を冷却することは、レーザビームの放熱ひいては溶融した粉体の合理的な固化が可能となると共に同様に製造が最適化される点において優位とされる。
【0034】
一の実施態様では、コンポーネント台から離隔配置された態様で製造すべきコンポーネントの部分の温度又はコンポーネント全体の温度が、デバイスによる加熱又は冷却によって計測及び設定される。従って、上述のデバイスは、好ましくは温度を計測するように且つ対応して温度を調節するように構成されている。
【0035】
一の実施態様では、付加構成の際における、例えば付加構成の第2の部分すなわち最終部分を形成する際におけるコンポーネントは、突起又はアンダーカットを備えている。当該実施態様では、上述の突起は、好ましくはキャビティを上面に形成している。上面は、好ましくはコンポーネントの積層方向において上に載置されたキャビティ及び/又は補助構造体の側面を参照している。当該実施態様では、補助構造体が、好ましくはキャビティの側壁又は棚面を形成している。従って、補助構造体自体が、上面に向かって開口しており、コンポーネントの突出部分によって閉じられているか又は閉じられ得る。言い換えれば、例えばコンポーネント台の平面図で見ると、突起又は付加製造すべきコンポーネントの突起部分若しくは突出部分が、開口部を越えて延在している。
【0036】
一の実施態様では、コンポーネントが、好ましくはコンポーネントの積層方向に対して、少なくとも2:1のアスペクト比を有しているように、製造すべきコンポーネントは、付加構成される。好ましくは、アスペクト比は、例えばコンポーネント台の表面と平行とされる寸法のような横方向寸法に対する、積層方向における製造すべきコンポーネントの高さすなわち深さの比を記述している。当該実施態様では、閉じた上面を有している補助構造体は、好ましくは既に製造されており、コンポーネントの突出部分によって閉じられている必要は必ずしもない。
【0037】
一の実施態様では、製造すべきコンポーネントは、補助構造体によって少なくとも部分的に形成される。同様に、製造すべきコンポーネントは、補助構造体によって完全に形成されているか又は完全に形成可能とされる。当該実施態様は、それ自体すなわち自身の所定の形状によって中空構造又はキャビティを有している製造すべきコンポーネント又は付加製造すべきコンポーネントに関連する。装置及び/又はコンポーネント台の対応する実施形態によって、当該中空構造又はキャビティは、上述のようにデバイスを介して例えばコンポーネントの特性に影響を及ぼすか、又はコンポーネントの特性を検出するために、特に利用可能とされる。
【0038】
一の実施態様では、当該方法は、例えば選択的レーザ溶融法や電子ビーム溶融法のような粉体層を基礎とする製造方法とされるか、又は当該粉体層を基礎とする製造方法を備えている。
【0039】
本発明のさらなる実施態様は、上述の方法によって製造されるか又は製造可能とされるコンポーネントに関連する。本発明は、コンポーネントの冷却時に局所的に加熱することによって確実に温度勾配を小さくする一方、局所的に加熱及び/又は冷却するための装置を利用することによって、コンポーネントの温度分布を確実に一様にすることができる。コンポーネントと、さらには従来手法で付加製造されるコンポーネントと比較して、構造的欠陥の密度、不完全性、及び/又は粒子境界が低減され、好ましくは、特にコンポーネント台とコンポーネントとの間における残留応力ひいては撓み及び付着欠陥がほとんど解消される。
【0040】
付加製造するための方法及び/又はコンポーネントに関連する実施形態及び/又は利点は、同様に装置に関連し、その逆も然りである。
【0041】
本発明のさらなる詳細については、添付図面を用いて以下に説明する。図面中の同一の又は等価な要素には、図面それぞれにおいて同一の参照符号が付されており、図面間の相違点が存在する場合に限り、当該要素について繰り返し説明する。
【0042】
図1図7は、コンポーネントを付加製造するための装置の単純化された概略的な断面図である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図2】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図3】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図4】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図5】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図6】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図7図5及び図6に表わす方法ステップの代替的な実施例における、コンポーネントを付加製造するための方法の一部を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、コンポーネント100を付加製造するための装置200の少なくとも一部分を概略的に表わす(図2図7参照)。好ましくは、コンポーネント100は、複雑な構造若しくは輪郭を有しているコンポーネント、又は杆体状の及び/若しくは湾曲したコンポーネントとされる。
【0045】
好ましくは、装置200は、例えば選択的レーザ積層造形法(SLM)や電子ビーム積層造形法(EBM)のような粉体層を基礎とした製造方法によって付加製造するための装置又はシステムとされる。
【0046】
装置200は、コンポーネント台1を備えている。コンポーネント台1は、基材であって、ワークピース又はコンポーネントは、付加製造に関連する積層体として当該基材の上に構成される。従来技術に基づく装置のコンポーネント台は、通常、装置のさらなるコンポーネント、例えば露光装置やレーザ装置に対して降下可能とされることが望まれていた。コンポーネント台1は、開口部2を有している。例示的な態様では、開口部2は、コンポーネント台1の中央に配設されている。コンポーネント台1に関する平面図で見た場合に、開口部2は、例えば正方形状や矩形状のような多様な形状とすることができるが、好ましくは円状とされる。
【0047】
クロージャ3は、開口部2の内部に配置されている。好ましくは、クロージャ3は、開口部2を密封状態ですなわち粉体の出入りを防止する態様で閉じるように構成されている。例えば、クロージャ3は、ピストン(明確には図示しない)を備えている。さらに、クロージャ3は、クロージャ3を好ましくは垂直にすなわち積層方向(方向Dを参照)に沿って配置させるためのピストンロッド4を備えている。さらに、クロージャ3は、ピストン、プラグ、閉塞ピストン、又はスライダーとされる場合がある。
【0048】
さらに、図1に表わすように、粉体6は、コンポーネント台1及びクロージャ3の上に載置されている。好ましくは、粉体6は、SLM法に関連するコンポーネントの構成の基礎となる金属粉体とされる。本発明における粉体は、通常、スライダー又はスクレーパを介して、コンポーネント台の上に層状に重ねられた状態すなわち積層状態で配置されている。例えば図1に表わすように、第1の固化ステップで構成又は製造される連続的な粉体層は、コンポーネント台1の上に載置されている。図1に表わす配置の代替として、クロージャ3は、コンポーネント台1とクロージャ3とがコンポーネントを製造するための平坦な基本領域を形成するように、積層方向Dに沿って配置されている場合がある。
【0049】
好ましくは、コンポーネント台1の上方の空間は、製造空間(明確には図示しない)とされる。
【0050】
図1に表わす構成に加えて、図2は、最初に粒状且つ積層された粉体をコンポーネント台1及び/又はクロージャ3の上で利用した後に、製造すべきコンポーネントそれぞれのために粉体を固化させることができる、レーザ50又はレーザ装置それぞれを表わす。コンポーネントを製造するために、各図面に表わすレーザ50又はレーザビームは、補助構造体101に向かって位置合わせされるか、又は補助構造体101に焦点を合わせられている。好ましくは、補助構造体101は、開口部2の周囲に付加製造される。
【0051】
コンポーネント100(図2の右側周辺部を参照)は、好ましくは同一の方法によって、補助構造体101と同時に連続的に積層状態で製造される。従って、補助構造体101とコンポーネント100とは、好ましくは同一の材料から作られている。例えば、当該材料は、ガスタービンの高温ガス流路の内部に配置されるコンポーネントを製造するための、ニッケル基超合金又はコバルト基超合金から成る一次材とされる。
【0052】
好ましくは、同義的に、参照符号100は、製造された又は部分的に製造されたコンポーネント100と同様に製造すべきコンポーネントを示すものである。
【0053】
特に図2に表わすように、コンポーネント100の第1の層と補助構造体101の第1の層との両方が、レーザビームによって既に露呈されており、且つ固化されている。
【0054】
図2とは逆に、図3は、コンポーネント台1が例えば単一層の層厚だけクロージャ3に対して相対的に降下している状態を表わす。従って、装置200は、コンポーネント台1と共にクロージャ3を降下させないための拘束機構を備えている。当該降下は、コンポーネント台1の両側において、2つの矢印Aによって示されている。同様に、図2に表わす状態に関連して、さらなる粉体層が、例えば従来技術に基づくSLM法によって付加されるか、又は付加されている。クロージャ3がコンポーネント台1と共に降下されていないので、図示の如く、コンポーネント台1に堆積された粉体に対して突出している過剰な粉体がクロージャ3の上に蓄積可能とされる。
【0055】
現在、SLM法のみに言及しているが、本発明の技術的思想は、例えばEBM法のようなさらなる方法にも同様に適用可能である。
【0056】
図4は、図3に関連して、さらなる粉体層が、例えば上述のスクレーバ又はコーティング装置によって付加及び/又は平滑化された後に、粉体層が露出され、レーザ50によって固化される(図2参照)ことを表わす。
【0057】
個別に形成されたコンポーネント100を構築するために、特に図2図4を介して説明した方法ステップは、連続的に繰り返すことができる。
【0058】
図5に表わすコンポーネント100の付加構成及び補助構造体101の付加構成は、既に十分に進行しているか、又は既に完成している。特に図示の如く、コンポーネント100は、コンポーネント台1から離隔配置されている部分100a及び/又は突起110を有しており、部分100a及び/又は突起110は、上側において、補助構造体101の上方に配置されているか、又は補助構造体101を終端させている。
【0059】
(粉体状の材料から成る一の層が付加及び固化される)構成ステップそれぞれにおいてクロージャ3が一体となってコンポーネント台1に対して相対的に降下されないので、キャビティ20は、少なくともクロージャ3のピストンの下方に形成される。
【0060】
従って、上述の領域100a又は突起110は、少なくとも上側にキャビティ20を形成している。さらに、キャビティ20又はその境界が、例えば補助構造体101の側面又は殻面に形成されている。
【0061】
さらに、図5から理解されるように、材料が固化されていない製造空間の領域が、粉体6で充填されている。
【0062】
付加製造するための上述の方法のさらなる方法ステップとして、図5の矢印Bは、好ましくはキャビティ20を完全に形成した後におけるクロージャ3が、キャビティ20又は開口部2から取り外されることを示している。このことは、好ましくはクロージャ3のピストンに残っている粉体を含むように実施される。
【0063】
例えば補助構造体101及びコンポーネント100の部分100aによる構成の開始から、キャビティ20が形成又は完成されるまでの期間は、好ましくはコンポーネント100の付加構成の第1の部分を形成するための期間とされる。
【0064】
例えば補助構造体101及びコンポーネント100の部分100aによってキャビティ20が完成された時点からの期間であって、コンポーネント100が補助構造体101を構成することなく構築され続ける期間は、好ましくはコンポーネント100の付加構成の第2の部分を形成するための期間とされる。
【0065】
図6に表わすように、クロージャ3はキャビティ20から取り外され、同様に、粉体がキャビティ20から除去される。矢印Cは、デバイス10が完全に空のキャビティの内部に導入されることを示す。優位には、この点について説明した方法は、特に補助構造体101の付加構成によって、コンポーネント100の所定の側面、領域、又は表面が、例えばコンポーネント100の特性に影響を及ぼすために、又はコンポーネント100の特性を検出するためにアクセス可能とされることを実現する。
【0066】
コンポーネント100が参照される場合には、コンポーネント台1から離隔配置しているコンポーネント100の部分100a及び/又は突起110若しくは突出部分は、同様に参照可能とされるが、その逆も可能である。
【0067】
デバイス10は、例えば振動を計測するための装置とされ、例えば圧電センサを備えている。
【0068】
代替的又は付加的には、デバイス10は、温度を計測するためのデバイスとされ、突起110の温度を計測するための熱素子又はパイロメータを備えている。さらに、デバイス10は、加熱装置及び/又は冷却装置を備えている。さらに、デバイス10は、例えばコンポーネント100を所定の温度で維持するための温度調節器を備えている。このことは、コンポーネント100の又はコンポーネントの部分それぞれの特に優位な微細構造を構成するのに特に優位である。
【0069】
代替的又は付加的には、デバイスは、さらなる効果を発揮させることができる。
【0070】
図6に表わすように、コンポーネント100の突起110を加熱又は温めるための熱抵抗器11が、デバイス10に設けられている。上述のように、このような加熱によって、コンポーネントを構成する材料が急速冷却されること、ひいてはコンポーネントを構成する材料に欠陥又は亀裂が発生することが防止又は制限される。さらに、デバイス10は、場所を取らずにデバイス10をキャビティ20の内部に導入するためのボアスコープ12を備えている。
【0071】
図6に表わすように、コンポーネント100は、好ましくは依然として十分には構成及び/又は製造されていない。
【0072】
構成途中のキャビティが完全に閉じられるか、又は継続的に構成されるとすぐに、デバイス10は、所望のコンポーネント100ひいてはコンポーネント100の構造となるように、コンポーネント100の特性に影響を及ぼすか、又はコンポーネント100の特性を検出することができる。
【0073】
図7は、上述の方法及び/又は構成の代替的な且つ図6に表わす方法に類似する態様の方法及び/又は構成の実施形態を表わす概略図である。図6に表わす方法とは対照的に、図7に表わす実施態様におけるキャビティ20又はその境界が、補助構造体101によって形成されている。
【0074】
言い換えると、当該方法の当該実施態様では、補助構造体101の上面が、補助的な態様で構成されているにすぎない。
【0075】
粉体層を基礎とする製造方法の代替として、例えば粉体状の初期材料の代わりに液状の初期材料を利用する付加製造方法が、本発明のために利用可能とされる。
【0076】
当該実施態様は、理想的な幾何学的パラメータ又は目的のために実質的に突起を有しないコンポーネントを付加製造するのに特に優位である。図示のデバイス10は、図6に関する説明に基づいて構成又は選定される。それにも関わらず、例えばコンポーネントの温度計測又は加熱は、図6に表わす実施態様と比較して効果的ではない。デバイス10が直接物理的にではなく間接的にコンポーネント100と接触しているにすぎないからである。しかしながら、上述の方法によって、同様に、現時点で処理中のコンポーネントの部分に良好にアクセスすることができる。これにより、例えば製造方法が簡略化され、及び/又は、コンポーネントの微細構造が改善される。さらに、好ましくは、当該実施態様は、アスペクト比が高い、例えば2:1以上であるコンポーネントの場合に優位である。本発明における方法すなわち上述の装置200の効果は、コンポーネント台からの間隔が大きい程に大きくなる点において優位であるからである。
【0077】
図面で明確に特定されていない方法及び/又はコンポーネントのさらなる実施例は、補助構造体によって少なくとも部分的に又は全体的に形成されている製造すべきコンポーネントに関連する。当該実施態様では、すなわち当該コンポーネントの所定の形態によって付加的に構成されるコンポーネント自体が、中空構造又はキャビティを有している。装置及び/又はコンポーネント台の実施態様それぞれによって、当該中空構造及び/又はキャビティは、例えば上述のデバイスによってコンポーネントの特性に影響を及ぼすために、又は上述のデバイスによってコンポーネントの特性を検出するために特に利用可能とされる。
【0078】
本発明は、典型的な実施例に関する説明によって当該実施例に限定される訳ではないが、新しい特徴それぞれ及び当該特徴の任意の組み合わせを有している。このことは、当該特徴又はその組み合わせが特許請求の範囲又は典型的な実施例で明確に特定されていない場合であっても、特に特許請求の範囲に規定される特徴の任意の組み合わせを含んでいる。
【符号の説明】
【0079】
1 コンポーネント台
2 開口部
3 クロージャ
4 ピストンロッド
6 粉体
10 デバイス
12 ボアスコープ
50 レーザ(レーザ装置)
100 構成要素
100a 部分(領域)
101 補助構造体
110 突起
200 装置
D 積層方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2018年8月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造するための方法、当該方法によって製造されるか又は製造可能とされるコンポーネント、及び当該コンポーネントを付加製造するための装置に関する。コンポーネントとしては、例えばガスタービンのニッケル基超合金又はコバルト基超合金から部分的に形成されているタービンの構成部品が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
ワークピースの新しい因子の付加又は生成のための製造は、例えば粉体層を基礎とする製造方法のような原始的な成型プロセスによって実施される場合がほとんどである。既知の方法としては、特に選択的レーザ溶融法(SLM)、選択的レーザ焼結法(SLS)や電子ビーム溶融法(EBM)が挙げられる。上述の方法の場合には、コンポーネントは、例えば電子ビームやレーザビームのような励起ビームにより粉体層を形成している粒子を溶融することによって、粉体層に層状に重ねられた状態で構成される。
【0003】
上述のタイプの方法は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
付加製造方法は、レイヤー要素又はボリューム要素を垂直方向又は水平方向に相互に結合させることができるので、三次元オブジェクトを製造するために利用され、試作の分野に、及びコンポーネントの、特に個々に成形されたコンポーネントの製造に適用される。粉状若しくは粒状の形態で又は例えば懸濁液のような液状の形態で存在し得る多数の異なる材料が、原材料として利用可能とされる。付加製造又は生成製造の場合には、三次元オブジェクトは、降下可能なコンポーネント台に連続的に堆積された後に局所的な選択的固化プロセスによって処理される、多数の材料層によって形成されている。
【0005】
SLMプロセスの場合には、例えばレーザによって導入される熱は、コンポーネントによってのみ、場合によってはサポート構造体によって及びベースプレート又はコンポーネント台によって発散される。これと比較して、周囲の粉体層は、実質的に低い熱伝導性を有しており、ほぼ熱的に分離されているとみなされる。特にコンポーネントが突出構造を有している場合には、これにより、温度が局所的に高くなるので、コンポーネントひいては製造設備又は製造装置が損傷する可能性がある。最悪の場合には、例えば撓みやシステムのコーティング装置のうち一のコーティング装置との衝突が発生する。
【0006】
現在において、特にタービンブレードの製造の際に、例えば鋳造方法によって製造されるコンポーネントの材料品質は、依然として付加製造方法によっては実現することができていない。特に付加製造されたコンポーネントの構造は、鋳造、結晶成長法、又は標的固化のための他の方法によって製造されるか又は製造可能とされる構造と比較して、撓み、粒度、及び/又は構造的欠陥の観点において優位性を有していない。
【0007】
現在、高温付加方法は、1000℃より高い温度を実用温度とするので、例えばコンポーネントの材料構造の観点から問題となる溶融金属の急速冷却が防止され、これにより、品質の観点において鋳造方法によって製造された微細構造に匹敵する微細構造が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1355760号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、例えば微細構造の観点から、製造すべきコンポーネントの少なくとも一部分の特性に積極的に影響を及ぼすか、又は当該特性を改善するための手段を特定することである。
【0010】
当該目的は、独立請求項の主題によって達成される。優位な構成を有する実施例は、独立特許請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の実施態様は、コンポーネントを付加製造するための方法であって、好ましくは閉じることができる開口部を具備するコンポーネント台の上にコンポーネントを付加構成として形成するステップを備えている方法に関する。開口部は、クロージャによって閉じることができる。コンポーネントの付加構成の第1の部分を構成する際に、すなわち“その場で”、補助構造体が、コンポーネント台の開口部の周囲に付加製造される。好ましくは、補助構造体は、全体的に、又はコンポーネント台の開口部の周囲全体に沿って製造されている。
【0012】
好ましくは、補助構造体は、付加製造すべきコンポーネントの側方に直接、又は付加製造すべきコンポーネントから若干離隔して構成される。補助構造体の製造プロセスは、好ましくは完全に同一であるので、補助構造体は、コンポーネントと同一の材料から構成されている。
【0013】
当該方法は、開口部を通じて、補助構造体によって形成されているキャビティの内部に、デバイスを導入するステップを備えている。
【0014】
当該方法は、付加構成の第1の部分を構成した後に付加構成の第2の部分を構成する際に、デバイスによって製造されるコンポーネントの特性に影響を及ぼすか、又はコンポーネントの特性を検出し、特にコンポーネントの特性を計測するステップを備えている。
【0015】
上述の影響は、例えば製造すべきコンポーネントを温めること若しくは加熱すること、又は製造すべきコンポーネントを冷却すること若しくは冷凍することである。
【0016】
上述の検出は、好ましくは、例えばコンポーネントの温度を計測するための計測装置、又はコンポーネントの振動を計測するための計測装置に関連する。
【0017】
上述の特性は、製造すべきコンポーネントに、コンポーネント台から離隔配置されているコンポーネントの部分に、又はコンポーネント台から離隔配置されている製造される若しくは製造すべきコンポーネントの部分に関連する。
【0018】
コンポーネントの付加構成の第1の部分は、好ましくは、補助構造体と共に同時に構成されるコンポーネントの構成段階に関連する。
【0019】
付加構成の第2の部分は、好ましくは、補助構造体が既に完成又は構成されているコンポーネントの構成段階に関連する。
【0020】
上述の方法によって、優位には例えば製造すべきコンポーネントの微細構造の状態又は特性を構成する際に、デバイスによって影響が及ぼされる。
【0021】
本発明のさらなる実施態様は、コンポーネントを付加製造するための装置であって、開口部を具備するコンポーネント台とクロージャとを備えている装置に関する。クロージャは、開口部を閉じるように構成されている。さらに、装置のコンポーネント台は、好ましくは、クロージャに対して相対的に降下可能とされるように構成されている。
【0022】
一の実施態様では、装置が上述のデバイスを備えており、開口部及び/又はデバイスが、デバイスが例えば下方から開口部を通じて装置の製造空間に押し込まれるか又は導入されるように構成されている。
【0023】
一の実施態様では、デバイスは、ボアスコープとされるか、又はボアスコープを備えている。当該実施態様は、特に小さいコンポーネントを付加製造する場合に特に優位である。デバイスを導入するための空間も小さくて良いからである。この場合には、当該実施態様の開口部は、対応する態様の寸法とされる。
【0024】
一の実施態様では、デバイスは、例えば、温度を計測するための計測装置又は振動を計測するための計測装置とされる。
【0025】
一の実施態様では、デバイスは、コンポーネントの温度を計測するための温度計測装置、又はコンポーネントの部分の温度を計測するための温度計測装置とされる。従って、デバイスは、例えば熱素子、パイロメータ、又はさらなるセンサを備えている。
【0026】
一の実施態様では、デバイスは、コンポーネントの振動を計測するための振動計測装置、又はコンポーネントの部分の振動を計測するための振動計測装置とされる。従って、デバイスは、例えば圧電センサを備えている。
【0027】
一の実施態様では、デバイスは、コンポーネント若しくはコンポーネントの部分を加熱若しくは冷却するための加熱装置及び/若しくは冷却装置とされるか、又はコンポーネント若しくはコンポーネントの部分を加熱若しくは冷却するための加熱装置及び/若しくは冷却装置を備えている。
【0028】
一の実施態様では、コンポーネントの付加構成の開始時点における開口部は、クロージャによって閉じられるか又は閉じられようとしている。この状態のクロージャは、コンポーネント台と共に、好ましくは共通の構成すなわち突起領域を形成している。クロージャは、閉塞ピストン、ストッパ、又は例えばスライドとされる。
【0029】
一の実施態様では、コンポーネント台は、少なくともコンポーネントの付加構成の第1の部分を形成する際に、クロージャに対して相対的に降下される。このために、粉体層を基礎とする付加製造方法の場合には、キャビティ又は中空空間が補助構造体の内部に確立される。補助構造体によって形成される空間には、当該実施態様では粉体が存在しないか、又は実質的に存在しないからである。
【0030】
一の実施態様では、クロージャは、その後に、すなわち好ましくはコンポーネントの付加製造の第1の部分を形成した後に又は補助構造体が完成した後に、開口部から取り除かれるからである。
【0031】
一の実施態様では、製造すべきコンポーネント、又はコンポーネント台から離隔(離隔配置)された態様の製造すべきコンポーネントの部分のみが、付加構成の第2の部分の際に、デバイスによって加熱及び/又は冷却される。
【0032】
上述のように、加熱は、コンポーネントの急速冷却又は冷却を防止するのに有効であるので、例えば欠陥が少ない又はコンポーネントを適用するのに優位とされるコンポーネントの特に優位な微細構造を構成又は実現することができる。
【0033】
対照的に、製造すべきコンポーネント、又は製造すべきコンポーネントの部分を冷却することは、レーザビームの放熱ひいては溶融した粉体の合理的な固化が可能となると共に同様に製造が最適化される点において優位とされる。
【0034】
一の実施態様では、コンポーネント台から離隔配置された態様で製造すべきコンポーネントの部分の温度又はコンポーネント全体の温度が、デバイスによる加熱又は冷却によって計測及び設定される。従って、上述のデバイスは、好ましくは温度を計測するように且つ対応して温度を調節するように構成されている。
【0035】
一の実施態様では、付加構成の際における、例えば付加構成の第2の部分すなわち最終部分を形成する際におけるコンポーネントは、突起又はアンダーカットを備えている。当該実施態様では、上述の突起は、好ましくはキャビティを上面に形成している。上面は、好ましくはコンポーネントの積層方向において上に載置されたキャビティ及び/又は補助構造体の側面を参照している。当該実施態様では、補助構造体が、好ましくはキャビティの側壁又は棚面を形成している。従って、補助構造体自体が、上面に向かって開口しており、コンポーネントの突出部分によって閉じられているか又は閉じられ得る。言い換えれば、例えばコンポーネント台の平面図で見ると、突起又は付加製造すべきコンポーネントの突起部分若しくは突出部分が、開口部を越えて延在している。
【0036】
一の実施態様では、コンポーネントが、好ましくはコンポーネントの積層方向に対して、少なくとも2:1のアスペクト比を有しているように、製造すべきコンポーネントは、付加構成される。好ましくは、アスペクト比は、例えばコンポーネント台の表面と平行とされる寸法のような横方向寸法に対する、積層方向における製造すべきコンポーネントの高さすなわち深さの比を記述している。当該実施態様では、閉じた上面を有している補助構造体は、好ましくは既に製造されており、コンポーネントの突出部分によって閉じられている必要は必ずしもない。
【0037】
一の実施態様では、製造すべきコンポーネントは、補助構造体によって少なくとも部分的に形成される。同様に、製造すべきコンポーネントは、補助構造体によって完全に形成されているか又は完全に形成可能とされる。当該実施態様は、それ自体すなわち自身の所定の形状によって中空構造又はキャビティを有している製造すべきコンポーネント又は付加製造すべきコンポーネントに関連する。装置及び/又はコンポーネント台の対応する実施形態によって、当該中空構造又はキャビティは、上述のようにデバイスを介して例えばコンポーネントの特性に影響を及ぼすか、又はコンポーネントの特性を検出するために、特に利用可能とされる。
【0038】
一の実施態様では、当該方法は、例えば選択的レーザ溶融法や電子ビーム溶融法のような粉体層を基礎とする製造方法とされるか、又は当該粉体層を基礎とする製造方法を備えている。
【0039】
本発明のさらなる実施態様は、上述の方法によって製造されるか又は製造可能とされるコンポーネントに関連する。本発明は、コンポーネントの冷却時に局所的に加熱することによって確実に温度勾配を小さくする一方、局所的に加熱及び/又は冷却するための装置を利用することによって、コンポーネントの温度分布を確実に一様にすることができる。さらに、コンポーネントは、従来手法で付加製造されるコンポーネントと比較して、構造的欠陥の密度、不完全性、及び/又は粒子境界が低減され、好ましくは、特にコンポーネント台とコンポーネントとの間における残留応力ひいては撓み及び付着欠陥がほとんど解消される。
【0040】
付加製造するための方法及び/又はコンポーネントに関連する実施形態及び/又は利点は、同様に装置に関連し、その逆も然りである。
【0041】
本発明のさらなる詳細については、添付図面を用いて以下に説明する。図面中の同一の又は等価な要素には、図面それぞれにおいて同一の参照符号が付されており、図面間の相違点が存在する場合に限り、当該要素について繰り返し説明する。
【0042】
図1図7は、コンポーネントを付加製造するための装置の単純化された概略的な断面図である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図2】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図3】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図4】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図5】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図6】特に第1の実施例におけるコンポーネントを付加製造するための方法の様々な方法ステップのうち一の方法ステップを表わす。
図7図5及び図6に表わす方法ステップの代替的な実施例における、コンポーネントを付加製造するための方法の一部を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、コンポーネント100を付加製造するための装置200の少なくとも一部分を概略的に表わす(図2図7参照)。好ましくは、コンポーネント100は、複雑な構造若しくは輪郭を有しているコンポーネント、又は杆体状の及び/若しくは湾曲したコンポーネントとされる。
【0045】
好ましくは、装置200は、例えば選択的レーザ積層造形法(SLM)や電子ビーム積層造形法(EBM)のような粉体層を基礎とした製造方法によって付加製造するための装置又はシステムとされる。
【0046】
装置200は、コンポーネント台1を備えている。コンポーネント台1は、基材であって、ワークピース又はコンポーネントは、付加製造に関連する積層体として当該基材の上に構成される。従来技術に基づく装置のコンポーネント台は、通常、装置のさらなるコンポーネント、例えば露光装置やレーザ装置に対して降下可能とされることが望まれていた。コンポーネント台1は、開口部2を有している。例示的な態様では、開口部2は、コンポーネント台1の中央に配設されている。コンポーネント台1に関する平面図で見た場合に、開口部2は、例えば正方形状や矩形状のような多様な形状とすることができるが、好ましくは円状とされる。
【0047】
クロージャ3は、開口部2の内部に配置されている。好ましくは、クロージャ3は、開口部2を密封状態ですなわち粉体の出入りを防止する態様で閉じるように構成されている。例えば、クロージャ3は、ピストン(明確には図示しない)を備えている。さらに、クロージャ3は、クロージャ3を好ましくは垂直にすなわち積層方向(方向Dを参照)に沿って配置させるためのピストンロッド4を備えている。さらに、クロージャ3は、ピストン、プラグ、閉塞ピストン、又はスライダーとされる場合がある。
【0048】
さらに、図1に表わすように、粉体6は、コンポーネント台1及びクロージャ3の上に載置されている。好ましくは、粉体6は、SLM法に関連するコンポーネントの構成の基礎となる金属粉体とされる。本発明における粉体は、通常、スライダー又はスクレーパを介して、コンポーネント台の上に層状に重ねられた状態すなわち積層状態で配置されている。例えば図1に表わすように、第1の固化ステップで構成又は製造される連続的な粉体層は、コンポーネント台1の上に載置されている。図1に表わす配置の代替として、クロージャ3は、コンポーネント台1とクロージャ3とがコンポーネントを製造するための平坦な基本領域を形成するように、積層方向Dに沿って配置されている場合がある。
【0049】
好ましくは、コンポーネント台1の上方の空間は、製造空間(明確には図示しない)とされる。
【0050】
図1に表わす構成に加えて、図2は、最初に粒状且つ積層された粉体をコンポーネント台1及び/又はクロージャ3の上で利用した後に、製造すべきコンポーネントそれぞれのために粉体を固化させることができる、レーザ50又はレーザ装置それぞれを表わす。コンポーネントを製造するために、各図面に表わすレーザ50又はレーザビームは、補助構造体101に向かって位置合わせされるか、又は補助構造体101に焦点を合わせられている。好ましくは、補助構造体101は、開口部2の周囲に付加製造される。
【0051】
コンポーネント100(図2の右側周辺部を参照)は、好ましくは同一の方法によって、補助構造体101と同時に連続的に積層状態で製造される。従って、補助構造体101とコンポーネント100とは、好ましくは同一の材料から作られている。例えば、当該材料は、ガスタービンの高温ガス流路の内部に配置されるコンポーネントを製造するための、ニッケル基超合金又はコバルト基超合金から成る一次材とされる。
【0052】
特に図2に表わすように、コンポーネント100の第1の層と補助構造体101の第1の層との両方が、レーザビームによって既に露呈されており、且つ固化されている。
【0053】
好ましくは、同義的に、参照符号100は、製造された又は部分的に製造されたコンポーネント100と同様に製造すべきコンポーネントを示すものである。
【0054】
図2とは逆に、図3は、コンポーネント台1が例えば単一層の層厚だけクロージャ3に対して相対的に降下している状態を表わす。従って、装置200は、コンポーネント台1と共にクロージャ3を降下させないための拘束機構を備えている。当該降下は、コンポーネント台1の両側において、2つの矢印Aによって示されている。同様に、図2に表わす状態に関連して、さらなる粉体層が、例えば従来技術に基づくSLM法によって付加されるか、又は付加されている。クロージャ3がコンポーネント台1と共に降下されていないので、図示の如く、コンポーネント台1に堆積された粉体に対して突出している過剰な粉体がクロージャ3の上に蓄積可能とされる。
【0055】
現在、SLM法のみに言及しているが、本発明の技術的思想は、例えばEBM法のようなさらなる方法にも同様に適用可能である。
【0056】
図4は、図3に関連して、さらなる粉体層が、例えば上述のスクレーバ又はコーティング装置によって付加及び/又は平滑化された後に、粉体層が露出され、レーザ50によって固化される(図2参照)ことを表わす。
【0057】
個別に形成されたコンポーネント100を構築するために、特に図2図4を介して説明した方法ステップは、連続的に繰り返すことができる。
【0058】
図5に表わすコンポーネント100の付加構成及び補助構造体101の付加構成は、既に十分に進行しているか、又は既に完成している。特に図示の如く、コンポーネント100は、コンポーネント台1から離隔配置されている部分100a及び/又は突起110を有しており、部分100a及び/又は突起110は、上側において、補助構造体101の上方に配置されているか、又は補助構造体101を終端させている。
【0059】
(粉体状の材料から成る一の層が付加及び固化される)構成ステップそれぞれにおいてクロージャ3が一体となってコンポーネント台1に対して相対的に降下されないので、キャビティ20は、少なくともクロージャ3のピストンの下方に形成される。
【0060】
従って、上述の領域100a又は突起110は、少なくとも上側にキャビティ20を形成している。さらに、キャビティ20又はその境界が、例えば補助構造体101の側面又は殻面に形成されている。
【0061】
さらに、図5から理解されるように、材料が固化されていない製造空間の領域が、粉体6で充填されている。
【0062】
付加製造するための上述の方法のさらなる方法ステップとして、図5の矢印Bは、好ましくはキャビティ20を完全に形成した後におけるクロージャ3が、キャビティ20又は開口部2から取り外されることを示している。このことは、好ましくはクロージャ3のピストンに残っている粉体を含むように実施される。
【0063】
例えば補助構造体101及びコンポーネント100の部分100aによる構成の開始から、キャビティ20が形成又は完成されるまでの期間は、好ましくはコンポーネント100の付加構成の第1の部分を形成するための期間とされる。
【0064】
例えば補助構造体101及びコンポーネント100の部分100aによってキャビティ20が完成された時点からの期間であって、コンポーネント100が補助構造体101を構成することなく構築され続ける期間は、好ましくはコンポーネント100の付加構成の第2の部分を形成するための期間とされる。
【0065】
図6に表わすように、クロージャ3はキャビティ20から取り外され、同様に、粉体がキャビティ20から除去される。矢印Cは、デバイス10が完全に空のキャビティの内部に導入されることを示す。優位には、この点について説明した方法は、特に補助構造体101の付加構成によって、コンポーネント100の所定の側面、領域、又は表面が、例えばコンポーネント100の特性に影響を及ぼすために、又はコンポーネント100の特性を検出するためにアクセス可能とされることを実現する。
【0066】
コンポーネント100が参照される場合には、コンポーネント台1から離隔配置しているコンポーネント100の部分100a及び/又は突起110若しくは突出部分は、同様に参照可能とされるが、その逆も可能である。
【0067】
デバイス10は、例えば振動を計測するための装置とされ、例えば圧電センサを備えている。
【0068】
代替的又は付加的には、デバイス10は、温度を計測するためのデバイスとされ、突起110の温度を計測するための熱素子又はパイロメータを備えている。さらに、デバイス10は、加熱装置及び/又は冷却装置を備えている。さらに、デバイス10は、例えばコンポーネント100を所定の温度で維持するための温度調節器を備えている。このことは、コンポーネント100の又はコンポーネントの部分それぞれの特に優位な微細構造を構成するのに特に優位である。
【0069】
代替的又は付加的には、デバイスは、さらなる効果を発揮させることができる。
【0070】
図6に表わすように、コンポーネント100の突起110を加熱又は温めるための熱抵抗器11が、デバイス10に設けられている。上述のように、このような加熱によって、コンポーネントを構成する材料が急速冷却されること、ひいてはコンポーネントを構成する材料に欠陥又は亀裂が発生することが防止又は制限される。さらに、デバイス10は、場所を取らずにデバイス10をキャビティ20の内部に導入するためのボアスコープ12を備えている。
【0071】
図6に表わすように、コンポーネント100は、好ましくは依然として十分には構成及び/又は製造されていない。
【0072】
構成途中のキャビティが完全に閉じられるか、又は継続的に構成されるとすぐに、デバイス10は、所望のコンポーネント100ひいてはコンポーネント100の構造となるように、コンポーネント100の特性に影響を及ぼすか、又はコンポーネント100の特性を検出することができる。
【0073】
図7は、上述の方法及び/又は構成の代替的な且つ図6に表わす方法に類似する態様の方法及び/又は構成の実施形態を表わす概略図である。図6に表わす方法とは対照的に、図7に表わす実施態様におけるキャビティ20又はその境界が、補助構造体101によって形成されている。
【0074】
言い換えると、当該方法の当該実施態様では、補助構造体101の上面が、補助的な態様で構成されているにすぎない。
【0075】
粉体層を基礎とする製造方法の代替として、例えば粉体状の初期材料の代わりに液状の初期材料を利用する付加製造方法が、本発明のために利用可能とされる。
【0076】
当該実施態様は、理想的な幾何学的パラメータ又は目的のために実質的に突起を有しないコンポーネントを付加製造するのに特に優位である。図示のデバイス10は、図6に関する説明に基づいて構成又は選定される。それにも関わらず、例えばコンポーネントの温度計測又は加熱は、図6に表わす実施態様と比較して効果的ではない。デバイス10が直接物理的にではなく間接的にコンポーネント100と接触しているにすぎないからである。しかしながら、上述の方法によって、同様に、現時点で処理中のコンポーネントの部分に良好にアクセスすることができる。これにより、例えば製造方法が簡略化され、及び/又は、コンポーネントの微細構造が改善される。さらに、好ましくは、当該実施態様は、アスペクト比が高い、例えば2:1以上であるコンポーネントの場合に優位である。本発明における方法すなわち上述の装置200の効果は、コンポーネント台からの間隔が大きい程に大きくなる点において優位であるからである。
【0077】
図面で明確に特定されていない方法及び/又はコンポーネントのさらなる実施例は、補助構造体によって少なくとも部分的に又は全体的に形成されている製造すべきコンポーネントに関連する。当該実施態様では、すなわち当該コンポーネントの所定の形態によって付加的に構成されるコンポーネント自体が、中空構造又はキャビティを有している。装置及び/又はコンポーネント台の実施態様それぞれによって、当該中空構造及び/又はキャビティは、例えば上述のデバイスによってコンポーネントの特性に影響を及ぼすために、又は上述のデバイスによってコンポーネントの特性を検出するために特に利用可能とされる。
【0078】
本発明は、典型的な実施例に関する説明によって当該実施例に限定される訳ではないが、新しい特徴それぞれ及び当該特徴の任意の組み合わせを有している。このことは、当該特徴又はその組み合わせが特許請求の範囲又は典型的な実施例で明確に特定されていない場合であっても、特に特許請求の範囲に規定される特徴の任意の組み合わせを含んでいる。
【符号の説明】
【0079】
1 コンポーネント台
2 開口部
3 クロージャ
4 ピストンロッド
6 粉体
10 デバイス
12 ボアスコープ
50 レーザ(レーザ装置)
100 構成要素
100a 部分(領域)
101 補助構造体
110 突起
200 装置
D 積層方向
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネント(100)を付加製造するための方法において、
開口部(2)を具備するコンポーネント台(1)の上に前記コンポーネント(100)を付加構成として形成するステップであって、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の第1の部分を形成する際に、補助構造体(101)が、前記コンポーネント台(1)の前記開口部(2)の周囲に付加製造される、前記ステップと、
前記開口部(2)を通じて、前記補助構造体(101)によって形成されているキャビティ(20)の内部に、デバイス(10)を導入するステップと、
前記付加構成の前記第1の部分を形成した後に前記付加構成の第2の部分を形成する際に、前記デバイス(10)によって製造される前記コンポーネント(100)の特性に影響を及ぼすか、又は前記コンポーネント(100)の特性を検出するステップと、
を備えており、
前記コンポーネント台(1)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の前記第1の部分を形成する際に、クロージャ(3)に対して相対的に降下され、
前記クロージャ(3)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の前記第1の部分を形成した後に取り除かれることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記開口部(2)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の形成を開始する際に、クロージャ(3)によって閉じられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記付加構成の前記第2の部分を形成する際に、前記デバイス(10)によって加熱又は冷却されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記コンポーネント台(1)から離隔配置されている製造すべき部分(100a,100b)の温度が、前記デバイス(10)によって計測され、及び/又は前記デバイス(10)による加熱又は冷却によって設定されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンポーネント(100)には、付加構成として形成される際に、突起(110)が設けられ、
前記突起(110)が、前記キャビティ(20)を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記コンポーネント(100)が少なくとも2:1のアスペクト比を有するように、付加的に形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記補助構造体(101)によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、例えば選択的レーザ溶融法のような粉体層を基礎とする製造方法とされることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法によって製造されるか又は製造可能とされるコンポーネント(100)において、
従来技術に基づいて付加製造されたコンポーネントと比較して、構造的欠陥、構造的不完全性、及び/又は粒子境界の密度が小さいことを特徴とするコンポーネント(100)。
【請求項10】
コンポーネント(100)を付加製造するための装置(200)であって、
開口部(2)を具備するコンポーネント台(1)と、
前記開口部(2)を閉じるように構成されているクロージャ(3)と、
を備えている前記装置(200)において、
前記コンポーネント台(1)が、前記クロージャ(3)に対して相対的に降下可能とされるように構成されていることを特徴とする装置(200)。
【請求項11】
前記装置(200)が、デバイス(10)を備えており、
前記開口部(2)及び/又は前記デバイス(10)が、前記デバイス(10)が前記開口部(2)を通じて押されるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置(200)。
【請求項12】
前記デバイス(10)が、ボアスコープであることを特徴とする請求項11に記載の装置(200)。
【請求項13】
前記デバイス(10)が、例えば温度又は振動を計測するための計測装置であることを特徴とする請求項11又は12に記載の装置(200)。
【請求項14】
前記デバイス(10)が、加熱装置及び/又は冷却装置を備えていることを特徴とする請求項1113のいずれか一項に記載の装置(200)。
【手続補正書】
【提出日】2018年9月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンポーネント(100)を付加製造するための方法において、
開口部(2)を具備するコンポーネント台(1)の上に前記コンポーネント(100)を付加構成として形成するステップであって、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の第1の部分を形成する際に、補助構造体(101)が、前記コンポーネント台(1)の前記開口部(2)の周囲に付加製造される、前記ステップと、
前記開口部(2)を通じて、前記補助構造体(101)によって形成されているキャビティ(20)の内部に、デバイス(10)を導入するステップと、
前記付加構成の前記第1の部分を形成した後に前記付加構成の第2の部分を形成する際に、前記デバイス(10)によって製造される前記コンポーネント(100)の特性に影響を及ぼすこと、及び前記コンポーネント(100)の特性を検出することのうち少なくとも1つを実施するステップと、
を備えており、
前記コンポーネント台(1)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の前記第1の部分を形成する際に、クロージャ(3)に対して相対的に降下され、
前記クロージャ(3)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の前記第1の部分を形成した後に取り除かれることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記開口部(2)が、前記コンポーネント(100)の前記付加構成の形成を開始する際に、クロージャ(3)によって閉じられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記付加構成の前記第2の部分を形成する際に、前記デバイス(10)によって加熱又は冷却されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コンポーネント台(1)から離隔配置されている製造すべき部分(100a,100b)の温度が、前記デバイス(10)によって計測され、且つ前記デバイス(10)による加熱若しくは冷却によって設定されるか、前記デバイス(10)によって計測されるか、又は前記デバイス(10)による加熱若しくは冷却によって設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンポーネント(100)には、付加構成として形成される際に、突起(110)が設けられ、
前記突起(110)が、前記キャビティ(20)を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記コンポーネント(100)が少なくとも2:1のアスペクト比を有するように、付加的に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
製造すべき前記コンポーネント(100)が、前記補助構造体(101)によって少なくとも部分的に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、選択的レーザ溶融法とされることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
コンポーネント(100)を付加製造するための装置(200)であって、
開口部(2)を具備するコンポーネント台(1)と、
前記開口部(2)を閉じるように構成されているクロージャ(3)と、
を備えている前記装置(200)において、
前記コンポーネント台(1)が、前記クロージャ(3)に対して相対的に降下可能とされるように構成されていることを特徴とする装置(200)。
【請求項10】
前記装置(200)が、デバイス(10)を備えており、
前記開口部(2)及び前記デバイス(10)のうち少なくとも1つが、前記デバイス(10)が前記開口部(2)を通じて押されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の装置(200)。
【請求項11】
前記デバイス(10)が、ボアスコープであることを特徴とする請求項10に記載の装置(200)。
【請求項12】
前記デバイス(10)が、温度又は振動を計測するための計測装置であることを特徴とする請求項10又は11に記載の装置(200)。
【請求項13】
前記デバイス(10)が、加熱装置及び冷却装置のうち少なくとも1つを備えていることを特徴とする請求項1012のいずれか一項に記載の装置(200)。
【国際調査報告】