特表2018-537597(P2018-537597A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-537597織機の部品の動作パラメータを監視するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537597(P2018-537597A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】織機の部品の動作パラメータを監視するシステム
(51)【国際特許分類】
   D03D 51/00 20060101AFI20181122BHJP
   D03J 1/00 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   D03D51/00 G
   D03D51/00 Z
   D03J1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-520189(P2018-520189)
(86)(22)【出願日】2016年11月8日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】IB2016056714
(87)【国際公開番号】WO2017081605
(87)【国際公開日】20170518
(31)【優先権主張番号】102015000071820
(32)【優先日】2015年11月12日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】517010242
【氏名又は名称】カモッツィ・デジタル・エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】CAMOZZI DIGITAL S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロカテッリ,クリスチャン
【テーマコード(参考)】
4L043
4L050
【Fターム(参考)】
4L043BA01
4L050AA11
4L050AB07
4L050AB08
4L050AB10
4L050CC21
4L050EA15
4L050EB08
4L050EC14
4L050EE11
(57)【要約】
織機の包括的監視システムは、織布工場(500)内に配置され、各織機(1)に関連した局所的監視システム(400)と、局所的監視システム(400)に接続した主通信手段(670)と、織布工場(500)に対して遠隔的に配置される主ストレージ手段と、織布工場(500)に対して遠隔的に配置され、大容量のパラメータの処理に適し、基準動作からの織機(1)の動作のバラツキを識別する主処理手段を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織機(1)の動作の故障又は劣化を識別する方法であって、
少なくとも一つの織機(1)と、前記織機(1)に適用され、前記織機の部品の動作パラメータおよび前記織機の状態パラメータを収集するための局所的監視システム(400)と、前記パラメータを通信するための通信手段(130)とを織布工場(500)内に提供するステップと、
前記局所的監視システム(400)の前記通信手段(130)に動作可能なように接続した主通信手段(670)を提供するステップと、
前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置され、前記主通信手段(670)に動作可能なように接続され、大容量の局所的監視システム(400)のパラメータの記憶に適した主ストレージ手段(660)を提供するステップと、
前記主通信手段(670)、および/または前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置された前記主ストレージ手段(660)に動作可能なように接続され、大容量のパラメータの処理に適した主処理手段(680)を提供するステップと、
別の汎用パラメータ(X)に基づいて汎用パラメータ(P1、P2)の傾向を識別し、前記傾向を周波数領域に変換し、相関関数を用いて互いにそれらの相関をとり、膨大な量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、基準動作からの前記織機(1)の動作のバラツキを識別するステップとを備える、方法。
【請求項2】
織機(1)の動作の故障または劣化を識別する方法であって、
工場あたり少なくとも一つの織機(1)と、前記織機(1)に適用され、前記織機の部品の動作パラメータおよび前記織機の状態パラメータを収集するための局所的監視システム(400)と、前記パラメータを通信するための通信手段(130)とを複数の織布工場(500)内に提供するステップと、
前記局所的監視システム(400)の前記通信手段(130)に動作可能なように接続した主通信手段(670)を提供するステップと、
前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置され、前記主通信手段(670)に動作可能なように接続され、大容量の局所的監視システム(400)のパラメータの記憶に適した主ストレージ手段(660)を提供するステップと、
前記主通信手段(670)、および/または前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置された前記主ストレージ手段(660)に動作可能なように接続され、大容量のパラメータの処理に適した主処理手段(680)を提供するステップと、
別の汎用パラメータ(X)に基づいて各織機(1)の汎用パラメータ(P1、P2)の傾向を識別し、前記傾向を周波数領域に変換し、相関関数を用いて互いにそれらの相関をとり、膨大な量のデータ(ビッグデータ)に基づいて、基準動作からの前記織機(1)の動作のバラツキを識別するステップとを備える、方法。
【請求項3】
織機の包括的監視システムであって、
織布工場(500)内に配置され、各織機(1)に関連し、前記織機の部品の動作パラメータを測定するセンサと、前記織機(1)の状態パラメータを提供する局所的管理装置(120)と、前記パラメータの遠隔通信手段(130)とを備える、少なくとも一つの局所的監視システム(400)と、
前記局所的監視システム(400)の前記通信手段(130)に動作可能なように接続した主通信手段(670)と、
前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置され、前記主通信手段(670)に動作可能なように接続され、大容量の局所的監視システム(400)のパラメータの記憶に適した主ストレージ手段(660)と、
前記主通信手段(670)、および/または前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置された前記主ストレージ手段(660)に動作可能なように接続され、大容量のパラメータの処理に適し、基準動作からの前記織機(1)の動作のバラツキを識別する主処理手段(680)とを備える、システム。
【請求項4】
前記主通信手段(670)はインターネット接続用の部品を備える、請求項3に記載の包括的監視システム。
【請求項5】
前記センサは少なくとも一つの温度センサ(12、39、28、36、83、87)を備え、電気モータ(10、37、26、34、81、85)の温度、または前記織機の回転機関の支持軸受けの温度、または潤滑油の温度を測定する、請求項3または4に記載の包括的監視システム。
【請求項6】
前記センサは少なくとも一つの圧力変換器を備え、圧力プレナム内、または加圧油分配回路内の圧力を測定する、請求項3から5のいずれか一項に記載の包括的監視システム。
【請求項7】
前記センサは少なくとも一つの負荷セル(15、27、31)を備え、巻戻しローラ(2)から巻き戻されている縦糸の張力(S2)、または引張りローラ(24)によって引っ張られた織物の張力(S24)、または巻取りローラ(32)に巻き付けた織物の張力(S32)を測定する、請求項3から6のいずれか一項に記載の包括的監視システム。
【請求項8】
前記センサは少なくとも一つの振動センサ(104)を備え、前記織機(1)の支持構造(100)の振動(V100)を測定する、請求項3から7のいずれか一項に記載の包括的監視システム。
【請求項9】
画像捕捉手段(110)を備え、全体またはその機関として前記織機(1)に関連した画像(W110)を捕捉する、請求項3から8のいずれか一項に記載の包括的監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織機の部品の動作パラメータを監視するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、織機等の高コストの機械の場合、投資を価値あるものにするために、故障による中断なしで連続的に動作させることが必須である。
【0003】
しかし、織機の動作の復元に必要な修理は、所定の期間の生産休止期間をもたらすことが多く、その期間は、故障の範囲および介入回数に依存して様々である。
【0004】
従って、機械に適宜介入し、破損または故障が発生する前に、定期的な保守または監視システムによって導かれる保守を実行することが極めて重要である。保守管理に対するこの方式は「予測保守」として知られている。
【0005】
しかし、どれに介入を行うかということに基づいて破壊または故障を予測することは、多数のケースから、つまり、多数の機械、多くの動作時間、および用途と動作条件の多くの保存記録による教訓に基づく場合にだけ頼りになり得るため、予測保守システムを効率的に実行することは極めて複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、織機の部品の動作パラメータを監視し、通常の最適動作からの機械動作のバラツキを適宜検出する確実なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、請求項1に従って作製されたシステムによって実現される。
【0008】
本発明による監視デバイスの特徴および利点は、添付の図面に従って、非限定的な例によって以下に与えられた説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に従って局所的監視システムを適用した織機のいくつかの部品を概略的に示す図である。
図2】横糸の空気搬送機構を示す図である。
図3】横糸の発射体搬送機構を示す図である。
図4】横糸の挟み搬送機構を示す図である。
図5】織機の支持構造を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による局所的監視システムを示す図である。
図7】本発明による包括的システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
織機1は、織布工場500内に設置される。用語「織布工場」は、編み糸を織物に変換するために必要な動作のシーケンスからなる処理が発生する工場を意味する。好ましくは、複数の織機1が織布工場内に設置される。
【0011】
織機1は、織物8の縦糸6を形成することになっている編み糸の巻糸からなるビーム4を保持する巻戻しローラ2と、巻戻しローラ2に接続され、操作に応じてそれを回転状態にする巻戻しローラ電気モータ10を備える。
【0012】
本発明による局所的監視システム400は、好ましくは、巻戻しローラモータ10に動作可能なように結合した温度センサ12を備え、モータの温度T10を測定し、加えて、巻戻しローラモータ10に対して、吸収される電流値I10等の少なくとも一つの状態パラメータを利用可能である。
【0013】
加えて、巻戻しローラ2は、巻戻しローラ軸受けによって回転状態で支持され、局所的監視システム400は前記軸受けの温度T2を検出する温度センサ13を備える。
【0014】
局所的監視システム400は更に、巻戻しローラ2から巻き戻している縦糸の張力S2を測定する負荷セル15を備える。
【0015】
加えて、織機1は、適切に偏向させるように縦糸6を通過させるバックレストロール14、縦糸の破断を検出するドロップワイヤストップ16、へドルを設けたシャフト18、および折曲げ部22によって移動させるリード20を備える。
【0016】
リード20の下流には、縦糸6の前進方向に対して横方向に横糸50を挿入し、織物8の編込みを作製するために移動する。
【0017】
折曲げ部22は往復回転運動を備え、一般に前記往復回転運動内での連続的な回転運動の変換に適した変換機構(例えば、接続ロッドクランク機構またはカム機構)によって、折曲げシャフトによって駆動される。
【0018】
折曲げシャフトは、折曲げシャフト軸受けによって回転状態で支持され、局所的監視システム400は前記軸受けの温度T22を検出する温度センサ23を備える。
【0019】
加えて、織機は、電流I37によって動作させる電気折曲げ駆動シャフト37を備え、前記モータの温度T37を測定する温度センサ39を設ける。
【0020】
加えて、好ましくは、変換機構は箱内の油浴に収容し、局所的監視システム400は、前記箱内の油の温度T25を測定する温度センサを備える。
【0021】
織物8は、電気引張りローラモータ26によって回転状態で配置した引張りローラ24によって引っ張られ、電気引張りローラモータ26は温度T26を測定する温度センサ28に結合され、電流値I26を生成する電流を吸収する。
【0022】
加えて、引張りローラ24は、ローラ軸受けを引っ張ることによって回転状態で支持され、局所的監視システム400は、前記軸受けの温度T24を検出する温度センサ29を備える。
【0023】
加えて、監視システムは、引張りシリンダ24によって引っ張られる織物の張力S24を測定する負荷セル27を備える。
【0024】
複数の戻りローラによって、織物8は、巻取りローラ32上に配置したビーム30上に最後に巻き取られ、巻取りローラ32は、電気巻取りローラモータ34によって回転状態で配置される。前記モータ34は、温度T34を測定する温度センサ36に結合され、電流値I34を生成する電流を吸収する。
【0025】
加えて、巻取りローラ32は、巻取りローラ軸受けによって回転状態で支持され、局所的監視システム400は、前記軸受けの温度T32を検出する温度センサ33を備える。
【0026】
加えて、監視システムは、巻取りローラ32上に巻き取った織物の張力S32を測定する負荷セル31を備える。
【0027】
織機1には更に、縦糸の間の横糸の挿入用の横糸の搬送、および機械の一方の側から他方への搬送用の機構を設ける。
【0028】
第一実施形態(図2)によると、横糸の搬送機構は空気ジェットである。
【0029】
本実施形態によると、リード20内に横方向に作製したチャネルを横切る圧縮空気の流れを用いて、縦糸の一方の側から他方へ横糸を搬送する。
【0030】
空気は、リール52に最初に巻き付けた横糸を挿入する主ノズル39と、特に同期化させたシーケンスおよび時間に従って吹き出すランナーと呼ばれる複数の二次ノズル41の両方から吹き出される。
【0031】
ノズル39、41には、圧縮空気のタンクに接続したソレノイドバルブを介して圧縮空気を供給する。
【0032】
好ましくは、局所的監視システム400は、圧縮空気の前記タンクに結合した圧力変換器40を備え、前記タンク内の圧力値p40を測定する。
【0033】
別の実施形態によると、横糸の搬送機構はウォータジェットである。
【0034】
本実施形態によると、横糸の搬送は、ノズルによって発せられた高圧ウォータジェットによる。
【0035】
更に別の実施形態によると、搬送機構は「発射体」と呼ばれる(図3)。
【0036】
この実施形態によると、リール52に巻き付けた横糸50は、発射体54の尾部に配置した挟みによって、前記発射体に締め付けられる。
【0037】
搬送機構は更に、ねじり棒58に適合させた機械的発射デバイス56を備え、それは、ねじり棒58内に蓄積した機械的位置エネルギを発射体54に向かって解放するのに適し、リール52の側から機械の他方の側にそれを発射し、位置決めフック60から形成した経路に沿って移動させる。
【0038】
一方の端部で固定したねじり棒58は、棒軸受けによって回転状態で支持され、局所的監視システム400は、前記軸受けの温度T58を測定する温度センサ62を備える。
【0039】
加えて、ねじり棒58は、固定端部と逆方向の端部において、一般に歯付き溝によって棒負荷シャフトと回転するように係合させ、更に回転状態で移動させ、トグルおよびカム機構によって棒58をツイストさせる。
【0040】
負荷シャフト棒は、負荷シャフト軸受けによって回転状態で支持され、局所的監視システム400は、前記軸受けの温度T64を測定する温度センサ64を備える。
【0041】
加えて、トグルおよびカム機構は油ダンパを備え、局所的監視システム400は、前記油ダンパの温度T66を測定する温度センサ66を備える。
【0042】
搬送機構は更に、機械の他方の側に配置され、発射体と係合し制動する制動デバイス62と、発射体54をリール側に戻す鎖等の復帰機構を備える。
【0043】
更に別の実施形態によると、搬送機構は挟み機構(図4)を備える。
【0044】
本実施形態では、リール52に巻き付けた横糸50は、コンベヤ72によって織機1の中央に移動させる第一挟み70のクランプによって結合させる。反対側からくる第二挟み74は、第二コンベヤ76によって織機の中央に移動させ、第一挟み70によって保持した横糸を取り、反対側まで持って行き、挿入を完了する。
【0045】
コンベヤ72、76は、デンタレラ(dentarella)と呼ばれ、デンタレラシャフト上に設置され、デンタレラ軸受けによって回転状態で支持した各コグホイール78によって移動させる。局所的監視システム400は、前記軸受けの温度T78を測定する温度センサ80を備える。
【0046】
このような実施形態の第一変形によると、搬送システムは負の挟みシステムであり、つまり、挟みの間の横糸の通過は、積極的には制御されないが、第二挟みは第一挟みと共に貫通し、第一挟みから横糸の端部のフックを外す。
【0047】
このような実施形態の別の変形によると、搬送システムは「正の挟み」システムであり、つまり、第一挟みから第二挟みまでの横糸の通過は、クランプの開閉を制御することによって行われる。
【0048】
織機1は更に、圧力下の油を備えた潤滑システムを備え、上記のもの等の主要部品の潤滑用の油ポンプ、油タンクおよび分配回路を備える。
【0049】
局所的監視システム400は、潤滑油の温度T90を測定する温度センサ90を備える。
【0050】
その上、局所的監視システム400は、油分配回路内の油の圧力値P92を測定する圧力変換器92を備える。
【0051】
本発明の好ましい実施形態によると、織機1は、所定のパターンに従ってシャフトの上昇を制御するドビーを備える。前記ドビーは、軸受けによって回転状態で支持したドビーシャフトによって移動させる。局所的監視システム400は、前記軸受けの温度T97を測定する温度センサ97を備える。
【0052】
加えて、織機1は、ドビーシャフトを移動させる電気モータ81を備える。局所的監視システム400は、前記モータの温度T81を測定する温度センサ83を備える。ドビーモータ81は、電流I81によって駆動される。
【0053】
別の実施形態によると、織機1はジャカード(Jacquard)型(機械的または電子的)である。機械的ジャカード織機の場合、織機1は、軸受けによって回転状態で支持したジャカードシャフトによって移動させるシャフトの操作用の複数のフックを備える。局所的監視システム400は、前記軸受けの温度T99を測定する温度センサ99を備える。
【0054】
加えて、織機1は、ジャカードシャフトを移動させる電気ジャカードモータ85を備える。局所的監視システム400は、前記モータの温度T85を測定する温度センサ87を備える。ジャカードモータ85は、電流I85によって駆動される。
【0055】
加えて、織機1は支持構造100を備え(図5)、それは鋳鉄から通常作製され、横方向に間隙を介し、機械部品の支持に適した一対の肩部102a、102bを一般に備える。
【0056】
局所的監視システム400は好ましくは、支持構造100の振動V100を測定する振動センサ104を備える。
【0057】
最後に、好ましくは、局所的監視システム400は、全体またはその機関として、織機に関連した画像W110の捕捉用のウェブカム等の画像捕捉手段110を備える。
【0058】
また、織機1は、機械の管理用の、例えば、電子カード、PLCまたはマイクロプロセッサ等の局所的管理デバイス120を備え、それ自体で、例えば、一つ以上の機関の速度、吸収される電力、モータによって吸収される電流、所定の機関の温度等の、織機の状態データを測定する(可能であれば記憶する)。
【0059】
局所的監視システム400は更に、織布工場の外部の織機1の測定されたパラメータ値および状態パラメータの通信に適した、例えば、無線技術(Wi−Fi型)によって動作する通信手段130を備える。
【0060】
好ましくは、局所的監視システム400は更に、局所的ストレージ140の手段を備え、局所的ストレージ手段140は、通信手段130、および/または測定パラメータのストレージ用の機械部品、および/または状態パラメータを記憶する局所的管理デバイス120に接続される。
【0061】
好ましくは、その上、局所的監視システム400は処理および局所的表示手段150を備え、例えば、通信手段130、および/または測定パラメータを記憶する機械部品、および/または局所的管理デバイス120および/または局所的ストレージ140の手段に動作可能なように接続したコンピュータを備え、測定パラメータおよび状態パラメータを処理し、処理結果を表示する。
【0062】
本発明によると、包括的監視システムは、各織機1の局所的監視システム400、各織機1の測定パラメータおよび状態パラメータを記憶するストレージ660の主手段、および局所的監視システム400の通信手段130に動作可能なように接続した、例えば、インターネット接続用の部品からなる主通信手段670を備える。
【0063】
ストレージ660の主手段は、織布工場500に対して離れた制御室700内に配置される。
【0064】
好ましくは、局所的に収集される情報および捕捉可能な画像は、時間的に連続的に離れたストレージ660の主手段に通信され(「実時間」モード)、別の実施形態によると、このような情報は、毎日または毎週等、所定の頻度で通信され(バッチモード)、更に別の実施形態によると、このような情報は、機械休止時間、または計画的介入の接近の場合等、所定のイベントの発生時に通信される(「イベントベース」モード)。
【0065】
加えて、包括的監視システムは、インターネットおよび/または主ストレージ手段660に動作可能なように接続したPC等の処理手段680を備え、各織布工場500からの情報を処理する。
【0066】
革新的なことに、特別な計算アルゴリズムを介して、最適と考えられる基準機能からの織機の機能のバラツキを操作者に警告するため、本発明による包括的監視システムは効率的な保守の実行を可能にする。
【0067】
前記包括的監視システムは、特に、予防保守を実行する必要性を信号で伝えることができるが、それは、一つ以上の織布工場内の多数の機械からくる大量のデータ(ビッグデータ、つまり、容量、速度および多様性の観点で非常に広範囲であり、値の抽出に特定の技術および解析方法を要求するデータの集まり)の収集、記憶および解析を可能にするためである。
【0068】
好ましくは、その上、本発明によるシステムは、非常に長い期間に対して、大量のデータの収集および記憶を可能にし、それによって、バラツキ現象または統計的現象の検出を可能にし、それらは、通常は認識または識別不可能な、故障の兆候または動作条件のゆるやかな劣化であることが多い。
【0069】
別の好ましい形態によると、本発明によるシステムは、機械の異なるパラメータを収集し記憶する能力を有し、例えば、速度、電力消費量および温度等の間で、これらの間の相互関係を識別する。加えて、システムは、周波数領域で収集されたデータを解析し、単一のパラメータ上、または前述の相関関係の結果上で周期的現象を識別できる。
【0070】
パラメータの間の相関関係を解析することは、例えば、別の汎用パラメータXの関数として汎用パラメータP1とP2の傾向を識別し、相関関数Φ{P1,P2(X)(X)}または時間tの関数として汎用パラメータP1の傾向を介して、互いにそれらの相関をとることを意味する。
【0071】
こうして識別され、フレキシビリティを与えられたアーキテクチャ、大量の情報およびデータ(ビッグデータ)を蓄積し、処理を展開する能力、および織機の動作パラメータの履歴上の傾向を有する単一の中央システム上の計算機能は、相関関数および予測アルゴリズムの累進的および連続的識別、展開および発展を可能にする。
【0072】
例えば、本発明によるシステムは、振動センサによって織機の支持構造の振動を測定し、周波数領域の解析を実行し、(例えば、破損、技術的問題、機械的故障による)織機の停止の発現と所定の周波数の相関をとることができる。従って、どの周波数が動作問題に関連するかを定義し、予測保守動作を計画することができる。
【0073】
好ましくは、その上、製造中の織物がない場合の織機の動作および状態パラメータを測定し、空運転の状態を定義し、所定の瞬間の空運転と基準状態の空運転を比較し、バラツキを検出できる。
【0074】
加えて、好ましくは、本発明による監視システムは、異常動作、量のバラツキまたは任意の他の異常性の遠隔検出によるオンラインサポートデバイスを実現する。
【0075】
別の好ましい形態によると、本発明による監視システムは、機械管理ソフトウェアを遠隔的に更新可能であり、局所的介入の必要はない。
【0076】
当業者は、上記の監視システムに修正を行い、添付の請求項の保護範囲内に留まらせたまま、付随する要件を満たすこともできることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2017年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織機(1)の動作の故障又は劣化を識別する方法であって、
少なくとも一つの織機(1)と、前記織機(1)に適用され、前記織機の部品の動作パラメータおよび前記織機の状態パラメータを収集するための局所的監視システム(400)と、前記パラメータを通信するための通信手段(130)とを織布工場(500)内に提供するステップと、
前記局所的監視システム(400)の前記通信手段(130)に動作可能なように接続した主通信手段(670)を提供するステップと、
前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置され、前記主通信手段(670)に動作可能なように接続され、大容量の局所的監視システム(400)のパラメータの記憶に適した主ストレージ手段(660)を提供するステップと、
前記主通信手段(670)、および/または前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置された前記主ストレージ手段(660)に動作可能なように接続され、大容量のパラメータの処理に適した主処理手段(680)を提供するステップと、
別の汎用パラメータ(X)に基づいて汎用パラメータ(P1、P2)の傾向を識別し、前記傾向を周波数領域に変換し、相関関数を用いて互いにそれらの相関をとり、膨大な量のデータに基づいて、基準動作からの前記織機(1)の動作のバラツキを識別するステップと、
製造中の織物が存在しないときの前記織機の動作および状態パラメータを測定し、空運転の状態を基準動作として定義し、その空運転の基準動作を、所定の瞬間の空運転と比較してバラツキを識別するステップとを備える、方法。
【請求項2】
振動センサによって前記織機の支持構造の振動を測定し、その振動の周波数領域における解析を実行し、所定の周波数をその織機の停止の発現と相関させ、予測保守動作を計画する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
織機(1)の動作の故障又は劣化を識別する方法であって、
工場あたり少なくとも一つの織機(1)と、前記織機(1)に適用され、前記織機の部品の動作パラメータおよび前記織機の状態パラメータを収集するための局所的監視システム(400)と、前記パラメータを通信するための通信手段(130)とを複数の織布工場(500)内に提供するステップと、
前記局所的監視システム(400)の前記通信手段(130)に動作可能なように接続した主通信手段(670)を提供するステップと、
前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置され、前記主通信手段(670)に動作可能なように接続され、大容量の局所的監視システム(400)のパラメータの記憶に適した主ストレージ手段(660)を提供するステップと、
前記主通信手段(670)、および/または前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置された前記主ストレージ手段(660)に動作可能なように接続され、大容量のパラメータの処理に適した主処理手段(680)を提供するステップと、
別の汎用パラメータ(X)に基づいて各織機(1)の汎用パラメータ(P1、P2)の傾向を識別し、前記傾向を周波数領域に変換し、相関関数を用いて互いにそれらの相関をとり、膨大な量のデータに基づいて、基準動作からの前記織機(1)の動作のバラツキを識別するステップと、
製造中の織物が存在しないときの前記織機の動作および状態パラメータを測定し、空運転の状態を基準動作として定義し、その空運転の基準動作を、所定の瞬間の空運転と比較してバラツキを識別するステップとを備える、方法。
【請求項4】
織機の包括的監視システムであって、
織布工場(500)内に配置され、各織機(1)に関連し、前記織機の部品の動作パラメータを測定するセンサと、前記織機(1)の状態パラメータを提供する局所的管理装置(120)と、前記パラメータの遠隔通信手段(130)とを備える、少なくとも一つの局所的監視システム(400)と、
前記局所的監視システム(400)の前記通信手段(130)に動作可能なように接続した主通信手段(670)と、
前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置され、前記主通信手段(670)に動作可能なように接続され、大容量の局所監視システム(400)のパラメータの記憶に適した主ストレージ手段(600)と、
前記主通信手段(670)、および/または前記織布工場(500)に対して遠隔的に配置された前記主ストレージ手段(660)に動作可能なように接続され、大容量のパラメータの処理に適し、基準動作からの前記織機(1)の動作のバラツキを識別する主処理手段(680)とを備えており、
前記基準動作は、製造中の織物が存在しないときの前記織機の動作および状態パラメータを測定することにより得られた前記織機の空運転の状態であり、前記主処理手段(680)は、バラツキを識別するために、その空運転の基準動作を所定の瞬間の空運転と比較するのに適している、システム。
【請求項5】
前記主通信手段(670)はインターネット接続用の部品を備える、請求項に記載の包括的監視システム。
【請求項6】
前記センサは少なくとも一つの温度センサ(12、39、28、36、83、87)を備え、電気モータ(10、37、26、34、81、85)の温度、または前記織機の回転機関の支持軸受けの温度、または潤滑油の温度を測定する、請求項4または5に記載の包括的監視システム。
【請求項7】
前記センサは少なくとも一つの圧力変換器を備え、圧力プレナム内、または加圧油分配回路内の圧力を測定する、請求項4または5に記載の包括的監視システム。
【請求項8】
前記センサは少なくとも一つの負荷セル(15、27、31)を備え、巻戻しローラ(2)から巻き戻されている縦糸の張力(S2)、または引張りローラ(24)によって引っ張られた織物の張力(S24)、または巻取りローラ(32)に巻き付けた織物の張力(S32)を測定する、請求項4から7のいずれか一項に記載の包括的監視システム。
【請求項9】
前記センサは少なくとも一つの振動センサ(104)を備え、前記織機(1)の支持構造(100)の振動(V100)を測定する、請求項4から8のいずれか一項に記載の包括的監視システム。
【請求項10】
画像捕捉手段(110)を備え、全体またはその機関として前記織機(1)に関連した画像(W110)を捕捉する、請求項4から9のいずれか一項に記載の包括的監視システム。
【国際調査報告】