特表2018-537666(P2018-537666A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2018-537666到来角度によってビーコンの位置を特定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537666(P2018-537666A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】到来角度によってビーコンの位置を特定する方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/04 20060101AFI20181122BHJP
【FI】
   G01S5/04
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-523013(P2018-523013)
(86)(22)【出願日】2016年10月21日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月7日
(86)【国際出願番号】EP2016075444
(87)【国際公開番号】WO2017084834
(87)【国際公開日】20170526
(31)【優先権主張番号】15195139.9
(32)【優先日】2015年11月18日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】カサグランデ,アルノー
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062CC14
5J062CC15
5J062EE01
(57)【要約】
ビーコン(X)の位置を特定する方法であって、第1のアンテナ網(A1)及び第2のアンテナ網(A2)によってビーコン(X)から発せられた信号を受信し、第1のアンテナ網(A1)への信号の到来角度に対する第1の推定関数及び第2のアンテナ網(A2)への信号の到来角度に対する第2の推定関数を計算するシーケンスをR回実行する手順を実行し、ここで、Rが2以上の整数であり、R回のシーケンスの前記信号どうしが互いに異なる波長を有しており、当該方法は、さらに、前記ビーコン(X)と第1のアンテナ網(A1)の間の第1の角度(φ1)及び前記ビーコン(X)と第2のアンテナ網(A2)の間の第2の角度(φ2)をそれぞれ決めるために、R個の第1の推定関数とR個の第2の推定関数の相関を用いる手順を実行する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーコン(X)の位置を特定する方法(METH)であって、
第1のアンテナ網(A1)及び第2のアンテナ網(A2)によってビーコン(X)から発せられた信号(Sgi)を受信し(Rec_Sgi)、第1のアンテナ網(A1)への信号(Sgi)の到来角度に対する第1の推定関数(g1i)及び第2のアンテナ網(A2)への信号(Sgi)の到来角度に対する第2の推定関数(g2i)を計算する(Cal_g1i_g2i)シーケンス((Seqi)i=1..R)をR回実行する手順を実行し、
ここで、Rが2以上の整数であり、R回のシーケンス((Seqi)i=1..R)の前記信号((Sgi)i=1..R)どうしが互いに異なる波長((λi)i=1..R)を有しており、
当該方法は、さらに、前記ビーコン(X)と第1のアンテナ網(A1)の間の第1の角度(φ1)及び前記ビーコン(X)と第2のアンテナ網(A2)の間の第2の角度(φ2)をそれぞれ決めるために、R個の第1の推定関数((g1i)i=1..R)とR個の第2の推定関数((g2i)i=1..R)の相関を用いる手順(Corr_g1i_g2i)を実行する
ことを特徴とする方法(METH)。
【請求項2】
1つのシーケンス(Seqi)は、前記第1のアンテナ網(A1)の第1のセンサー((C1j)j=1..M)に接続された前記第1のレシーバー((R1p)p=1..S)の各レシーバー(R1p)によって信号(Sgi)を取得するステップ(Acq_Sgi)を有し、
1つの第1のレシーバー(R1p)によって実行される少なくとも1つの取得は、1対の第1のセンサーにおけるセンサーの1つによって捕捉された信号(Sgi)を取得する第1の取得段階(Ph1)と、
その後の、前記対の他方のセンサーによって捕捉された信号(Sgi)を取得する第2の取得段階(Ph2)とによって行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の方法(METH)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のセンサー(C1j)によって捕捉された信号(Sgi)は、第1の取得段階(Ph1)と第2の取得段階(Ph2)の間に取得される
ことを特徴とする請求項2に記載の方法(METH)。
【請求項4】
R個の推定関数((g1i)i=1..R、(g2i)i=1..R)どうしの相関の利用には、複数の角度の各角度に対して、前記R個の推定関数((g1i)i=1..R、(g2i)i=1..R)によって当該角度に関連づけられた確率の平均を計算することを伴い、これにおいて、平均が最も大きい角度が、ビーコン(X)と関心事の網(A1、A2)の間の角度である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法(METH)。
【請求項5】
1つの第1のレシーバー(R1p)による取得は、
その第1のレシーバー(R1p)と前記ビーコン(X)の間の周波数ずれを推定するステップと、
推定されたずれを用いて、前記第1のレシーバー(R1p)に接続された第1のセンサー(C1j)によって受信された信号(Sgi)の位相及び振幅によって構成しているベクトルを生成するステップと
を有し、
前記ベクトルを前記推定関数の計算のために用いる
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の方法(METH)。
【請求項6】
第1の角度(φ1)と第2の角度(φ2)からビーコン(X)の位置特定をするステップを有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法(METH)。
【請求項7】
ビーコン(X)の位置を特定するデバイス(DISP)であって、
前記ビーコン(X)から発せられた、別個の搬送周波数((fi)i=1..R)のR個の信号((Sgi)i=1..R)を受信するように構成している第1のアンテナ網(A1)及び第2のアンテナ網(A2)と、
前記第1のアンテナ網(A1)及び前記第2のアンテナ網(A2)への信号((Sgi)i=1..R)の到来角度(φ1i、φ2i)に対する推定関数((g1i)i=1..R、(g2i)i=1..R)を計算し、
前記ビーコン(X)と前記第1のアンテナ網(A1)の間の第1の角度(φ1)及び前記ビーコン(X)と前記第2のアンテナ網(A2)の間の第2の角度(φ2)を決めるために、前記推定関数((g1i)i=1..R、(g2i)i=1..R)どうしの相関を用いる
ように構成している取得及び計算手段(UT1)と
を有することを特徴とする位置を特定するデバイス(DISP)。
【請求項8】
前記取得及び計算手段(UT1)は、
当該第1のレシーバー((R1p)p=1..S)に接続された第1のセンサー((C1j)j=1..M)によって捕捉された信号((Sgi)i=1..R)を取得するように構成している、第1のアンテナ網(A1)への第1のセンサー((C1j)j=1..M)に接続された第1のレシーバー((R1p)p=1..S)と、及び
信号(Sgi)の第1の取得段階の間の第1のセンサーの対の一方のセンサー(C1j)及びこの信号(Sgi)の第2の取得段階の間の前記対の他方のセンサーへの第1のレシーバー(R1p)の接続のための少なくとも1つのスイッチ(Sp)と
を有することを特徴とする請求項7に記載のデバイス(DISP)。
【請求項9】
前記取得及び計算手段(UT1)は、複数の角度の各角度に対して、推定関数((g1i)i=1..R、(g2i)i=1..R)によって当該角度に関連づけられた確率の平均を計算し、平均が最も大きい角度を選択するように構成している
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のデバイス(DISP)。
【請求項10】
前記取得及び計算手段(UT1)は、第1のレシーバー(R1p)とビーコン(X)の間の周波数ずれを推定し、推定されたずれを用いて、前記第1のレシーバー(R1p)に接続された第1のセンサー(C1j)によって受信した信号(Sgi)の位相及び振幅をそれぞれが有するベクトルを生成するように構成している
ことを特徴とする請求項7に記載のデバイス(DISP)。
【請求項11】
前記取得及び計算手段(UT1)は、第1の角度(φ1)と第2の角度(φ2)からビーコン(X)の位置特定をするように構成している
ことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のデバイス(DISP)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーコンの位置を特定するデバイス及び方法の技術分野に関する。位置特定のために用いられ、適切な手段によって位置特定ができて識別可能であるようなデバイスをいずれも、ビーコンと呼ぶことができる。
【背景技術】
【0002】
ビーコンから発されて少なくとも2つのアンテナ網に到来する無線周波数信号がどの方向から伝搬するのかを計算することによってビーコンの位置を特定することは知られている。この技術は、到来角度による位置特定方法として知られている。これに関連して、アンテナ網における到来角度を推定するためにいくつものアルゴリズムが開発されている。より正確には、これらのアルゴリズムによって、アンテナ網における信号の到来角度に確率を関連づける関数を計算することができる。
【0003】
例えば、「MUSIC」(「Multiple Signal Classification(多重信号分類)」の略語)アルゴリズムは、R. O. Schmidtによる論文、"Multiple emitter location and signal parameter estimation", IEEE Trans. Antennas & Propagation, vol. 34, no. 3, March 1986.によって知られている。このアルゴリズムは、高度な空間分解能を可能にしデプロイが比較的容易であるが、計算が特に複雑である。また、Barry D. Van VeenとKevin M. Buckleyによる論文、"Beamforming: A Versatile Approach to Spatial Filtering", IEEE ASSP magazine April 1988に記載された「ビーム形成空間フィルタリング」アルゴリズムが知られている。このアルゴリズムは、MUSICアルゴリズムよりも分解能が相当に低い度合いであるが、計算が複雑ではない。
【0004】
到来角度による位置特定の技術は、信号が主としてビーコンとアンテナ網の間の直接経路を追従するような開かれた環境において特に適している。しかし、この技術は、内側位置内に制限され、この位置においては、特に周囲の妨害要素に対する反射に起因して波が複数の経路を経る。このようにして、到来角の推定関数には、複数のスパイクが組み入れられる。このようなスパイクが、直接経路か反射によって経られた経路のどちらなのかを決めることは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、多くの反射性要素がある環境において有効な、到来角度による位置特定方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ビーコンの位置を特定する方法を提案するものであり、当該方法は、
第1のアンテナ網及び第2のアンテナ網によってビーコンから発せられた信号を受信し、第1のアンテナ網への信号の到来角度に対する第1の推定関数及び第2のアンテナ網への信号の到来角度に対する第2の推定関数を計算するシーケンスをR回実行する手順を実行し、
Rが2以上の整数であり、R回のシーケンスの前記信号どうしが互いに異なる波長を有しており、
当該方法は、さらに、前記ビーコンと第1のアンテナ網の間の第1の角度及び前記ビーコンと第2のアンテナ網の間の第2の角度をそれぞれ決めるために、R個の第1の推定関数とR個の第2の推定関数の相関を用いる手順を実行する。
【0007】
本発明は、以下の観察結果を利用している。反射性要素への入射信号の反射されたパワーは、その信号の波長とその反射性要素の寸法の間の相違に依存する。特に、反射性要素の寸法が入射信号の波長に近いほど、反射されるパワーが大きくなる。このように、反射性要素は、入射信号を再び送る第2のアンテナの役割を引き受ける。したがって、当該方法がデプロイされる環境における反射性要素の典型的な寸法に近いように、ビーコンによって発せられる信号の波長を選択することによって、反射性要素からの様々な信号の反射が強いことを確実にすることができる。すなわち、ビーコンによって発せられる信号は、様々な反射体におけるようには強く反射しない。
【0008】
また、アンテナ網への信号の到来角度の推定関数、すなわち、そのアンテナ網への信号の到来角度に確率を関連づける関数は、ビーコンとそのアンテナ網の間の送るための直接経路に対応する角度のための確率スパイクを組み入れるだけではなく、当該ビーコンが位置している環境において反射性要素からの反射によって発生する経路に対応する角度の確率スパイクをも組み入れる。したがって、R個の第1の推定関数にはすべて、波長の関数として、特定の角度 − 第1の角度として記載される、送信用の直接経路に対応する角度 − に対する確率スパイク、及び異なる角度に対する確率スパイクが組み入れられている。したがって、R個の第1の推定関数の相関によって、送信用の直接経路に対応する角度を区別することが可能になる。また、R個の第2の推定関数にはすべて、波長の関数として、特定の角度 − 第2の角度と呼ばれる送信用の直接経路に対応する角度 − に対する確率スパイク、及び異なる角度に対する確率スパイクが組み入れられている。したがって、R個の第2の推定関数の相関によって、送信用の直接経路に対応する角度を区別することが可能になる。
【0009】
前記特徴に加えて、本発明に係る方法は、個々に又は任意の技術的に実現可能な組み合わせにて考慮される、以下の相補的な特徴の一又は複数を組み入れることができる。
【0010】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、1つのシーケンスは、前記第1のアンテナ網の第1のセンサーに接続された前記第1のレシーバーの各レシーバーによって信号を取得するステップを有する。また、1つの第1のレシーバーによって実行される少なくとも1つの取得は、1対の第1のセンサーにおけるセンサーの1つによって捕捉された信号を取得する第1の取得段階と、その後の、前記対の他方のセンサーによって捕捉された信号を取得する第2の取得段階とによって行われる。
【0011】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、1つのシーケンスは、前記第2のアンテナ網の第2のセンサーに接続された前記第2のレシーバーの各レシーバーによって信号を取得するステップを有する。また、1つの第2のレシーバーによって実行される少なくとも1つの取得は、1対の第2のセンサーにおけるセンサーの1つによって捕捉された信号を取得する第1の取得段階と、その後の、前記対の他方のセンサーによって捕捉された信号を取得する第2の取得段階とによって行われる。
【0012】
これらの2つの実施形態において、少なくとも1つのレシーバーが、1対のセンサーに関連づけられている。第1の取得段階において、レシーバーは、前記1対のセンサーの一方のセンサーによって捕捉された信号を取得する。第2の取得段階において、レシーバーは、前記1対のセンサーの他方のセンサーによって捕捉された信号を取得する。これらの2つの取得が、互いの時間間隔が非常に短いようにして完了すると、ビーコンの位置が2つの取得の間で実質的に一定であると想定することができる。このように、レシーバーは交互動作し、したがって、ビーコンの位置特定に必要なレシーバーの総数を減らすことができる。実際に、従来技術によると、1つのセンサー当たり1つのレシーバーが用いられる。このようにして、本発明によると、少なくなった数のレシーバーが取得を同時に実行し、これによって、取得段階において必要な瞬時パワーが削減される。当然、交互動作するレシーバーの数が大きいほど、必要な瞬時パワーが小さくなる。
【0013】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記少なくとも1つの第2のセンサーによって捕捉された信号は、第1の取得段階と第2の取得段階の間に取得される。
【0014】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記少なくとも1つの第1のセンサーによって捕捉された信号は、第1の取得段階と第2の取得段階の間に取得される。
【0015】
このようにして、少なくとも1つのセンサーへの入射信号は、第1の取得段階及び第2の取得段階において同時に取得される。また、好ましいことに、同じレシーバーによって信号が取得される。このことによって、第1の取得段階において実行される取得と、第2の取得段階において実行される取得の正確な相関が可能になる。
【0016】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、R個の第1の推定関数どうしの相関の利用には、複数の角度の各角度に対して、前記R個の第1の推定関数によって当該角度に関連づけられた確率の平均を計算することを伴う。これにおいて、平均が最も大きい角度が、ビーコンと第1のアンテナ網の間の角度、すなわち、第1の角度である。
【0017】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、R個の第2の推定関数どうしの相関の利用には、複数の角度の各角度に対して、前記R個の第2の推定関数によって当該角度に関連づけられた確率の平均を計算することを伴う。これにおいて、平均が最も大きい角度が、ビーコンと第2のアンテナ網の間の角度、すなわち、第2の角度である。
【0018】
このようにして、以下のような送信用の直接経路に対応する角度を計算する単純な手段が設けられる。すなわち、送信用の直接経路に対応する角度は、当該角度に対して推定関数に確率スパイクが存在することを前提として、平均確率が高い唯一の角度である。
【0019】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、
1つの第1のレシーバーによる取得は、
− その第1のレシーバーと前記ビーコンの間の周波数ずれを推定するステップと、
− 推定されたずれを用いて、前記第1のレシーバーに接続された第1のセンサーによって受信された信号の位相及び振幅によって構成しているベクトルを生成するステップと
を有し、
前記ベクトルを前記推定関数の計算のために用いる。
【0020】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、
1つの第2のレシーバーによる取得は、
− その第2のレシーバーと前記ビーコンの間の周波数ずれを推定するステップと、
− 推定されたずれを用いて、前記第2のレシーバーに接続された第2のセンサーによって受信された信号の位相及び振幅によって構成しているベクトルを生成するステップと
を有し、
前記ベクトルを前記推定関数の計算のために用いる。
【0021】
これらの2つの実施形態は、到来角度の推定関数を計算するためにビームフォーミング空間フィルタータイプのアルゴリズムがデプロイされいるような場合に特に有利である。このアルゴリズムが必要とするパラメーターは、実際、アンテナ網のセンサーへの入射信号の位相と振幅のベクトルである。位相と振幅は、例えば、受信した信号の位相と振幅に対する周波数スペクトルを用いて、計算される。また、これらの周波数スペクトルにおいてノイズから信号を区別することは重要であり、これによって、ビーコンによって発せられた信号の特徴線を識別する。レシーバーとビーコン(信号のエミッター)の間の周波数ずれを識別することによって、これらの射線の正確な識別が可能になる。また、周波数ずれの識別によって、受信した信号からノイズをフィルタリングして除去することができる。これは、受信した信号に適切な狭帯域フィルターを適用することによって行われる。また、この情報は、上記のようなMUSICアルゴリズムが用いられ、ビーコンによって送信される信号が変調されていない(純粋な搬送波信号である場合)場合にも非常に有用である。狭帯域フィルタリングによって、いずれの広帯域ノイズ(相関しておらず計算エラーの原因となる)をも除去することができ、有益な情報(アンテナにて得られた純粋な搬送波信号のバージョンの様々な位相と振幅)のみを保持することができる。
【0022】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、当該方法は、第1の角度と第2の角度からビーコンの位置特定をするステップを有する。
【0023】
本発明は、さらに、ビーコンの位置を特定するデバイスに関し、
− 前記ビーコンから発せられた、別個の搬送周波数のR個の信号を受信するように構成している第1のアンテナ網及び第2のアンテナ網と、
− 前記第1のアンテナ網及び前記第2のアンテナ網への信号の到来角度に対する推定関数を計算し、
前記ビーコンと前記第1のアンテナ網の間の第1の角度及び前記ビーコンと前記第2のアンテナ網の間の第2の角度を決めるために、前記推定関数どうしの相関を用いる
ように構成している取得及び計算手段とを有する。
【0024】
前記特徴に加えて、本発明に係るデバイスは、個々に又は任意の技術的に実現可能な組み合わせにて考慮される、以下の相補的な特徴の一又は複数を組み入れることができる。
【0025】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記取得及び計算手段は、
− 当該第1のレシーバーに接続された第1のセンサーによって捕捉された信号を取得するように構成している、第1のアンテナ網への第1のセンサーに接続された第1のレシーバーと、及び
− 信号の第1の取得段階の間の第1のセンサーの対の一方のセンサー及びこの信号の第2の取得段階の間の前記対の他方のセンサーへの第1のレシーバーの接続のための少なくとも1つのスイッチとを有する。
【0026】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記取得及び計算手段は、
− 当該第2のレシーバーに接続された第2のセンサーによって捕捉された信号を取得するように構成している、第2のアンテナ網への第2のセンサーに接続された第2のレシーバーと、及び
− 信号の第1の取得段階の間の第2のセンサーの対の一方のセンサー及びこの信号の第2の取得段階の間の前記対の他方のセンサーへの第2のレシーバーの接続のための少なくとも1つのスイッチとを有する。
【0027】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記取得及び計算手段は、複数の角度の各角度に対して、推定関数によって当該角度に関連づけられた確率の平均を計算し、平均が最も大きい角度を選択するように構成している。
【0028】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記取得及び計算手段は、第1のレシーバーとビーコンの間の周波数ずれを推定し、その前記第1のレシーバーと前記ビーコンの間の推定されたずれを用いて、前記第1のレシーバーに接続された第1のセンサーによって受信した信号の位相及び振幅をそれぞれが有するベクトルを生成するように構成している。
【0029】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記取得及び計算手段は、第2のレシーバーとビーコンの間の周波数ずれを推定し、その前記第2のレシーバーと前記ビーコンの間の推定されたずれを用いて、前記第2のレシーバーに接続された第2のセンサーによって受信した信号の位相及び振幅をそれぞれが有するベクトルを生成するように構成している。
【0030】
実施形態の1つ(これに限定されない)において、前記取得及び計算手段は、第1の角度と第2の角度からビーコンの位置特定をするように構成している。
【0031】
下記の詳細な説明を読み、添付の図面を検討することによって、本発明及びその様々な適用例について、明確に理解することができるであろう。
【0032】
このようなビーコンの位置を特定する方法及びデバイスの目的、利点及び特徴は、図面に示した実施形態(これに限定されない)に基づく以下の説明によって明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1及び第2のアンテナ網を有する本発明の1つの実施形態に係るビーコンの位置を特定するデバイスの概略図である。
図2】ビーコンによって発せられ第1のアンテナ網に到来する信号の到来角のための2つの第1の推定関数のグラフである。
図3】ビーコンによって発せられ第2のアンテナ網に到来する信号の到来角のための2つの第2の推定関数のグラフである。
図4】第1のアンテナ網及びこの第1のアンテナ網に接続された取得及び計算ユニットの概略図である。
図5】第1の取得段階及び第2の取得段階の間の第1のアンテナ網の概略図である。
図6】本発明の1つの実施形態に係るビーコンの位置を特定する方法におけるいくつかのステップのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の目的は、複数の反射性要素があるという特徴がある環境においてビーコンXの位置を特定することである。4つの反射性要素を例示のために図示しており、参照符号P11、P12、P21及びP22によって表している。任意の環境において、図1に示すように、反射性要素は異なる寸法を有することができる。
【0035】
ビーコンXは、別個の波長(λi)i=1..RのR個の信号(Sgi)i=1..Rを発するように構成している。ここで、Rは、2以上の整数である。簡明性のために、図1には、波長λ1及びλ2の2つの信号Sg1及びSg2のみを示している。ビーコンXによって放射される信号(Sgi)i=1..Rは、それらの波長に応じて変動する角度の方向へと反射性要素から反射する。所与の信号の波長に近い寸法の妨害要素は、実際に特にその信号を反射するが、妨害要素の寸法とは相当に異なる波長の信号については限定された程度しか反射しない。当然、ここで記載した要素の寸法は、信号が到来する要素の面の寸法に対応している。
【0036】
したがって、図1に示す例は、以下の特徴を有する。
− 反射性要素P11及びP12は、第1の信号Sg1を強く反射するが、第2の信号Sg2については弱くしか反射しない。したがって、反射性要素P11及びP12からの第2の信号Sg2の反射は無視される。
− 反射性要素P21及びP22は、第2の信号Sg2を強く反射するが、第1の信号Sg1については弱くしか反射しない。したがって、反射性要素P21及びP22からの第1の信号Sg1の反射は無視される。
【0037】
本発明に係るデバイスDISPは、ビーコンXの位置特定を可能にする。デバイスDISPは、特に、以下のものを有する。
− M個のセンサー(C1j)j=1..Mを有する第1のアンテナ網A1
ここで、Mは2以上の整数である。
− N個のセンサー(C2k)k=1..Nを有する第2のアンテナ網A2
ここで、Nは2以上の整数である。
【0038】
第1の信号Sg1及び第2の信号Sg2は、これらがビーコンXと第1のアンテナ網A1の間の直接経路において伝搬する場合、第1の角度φ1を形成して第1のアンテナ網A1に到来する。第1の信号Sg1及び第2の信号Sg2は、これらがビーコンXと第2のアンテナ網A2の間の直接経路を伝搬する場合、第2の角度φ2を形成して第2のアンテナ網A2に到来する。直接経路は、障害がない経路として理解される。
【0039】
さらに、以下のことがいえる。
− 第1の信号Sg1は、反射性要素P11から反射されて第1のアンテナ網A1に角度aを形成して到来する。
− 第2の信号Sg2は、反射性要素P21から反射されて第1のアンテナ網A1に角度bを形成して到来する。
− 第1の信号Sg1は、反射性要素P12から反射されて第2のアンテナ網A2に角度cを形成して到来する。
− 第2の信号Sg2は、反射性要素P22から反射されて第2のアンテナ網A2に角度dを形成して到来する。
【0040】
また、デバイスDISPは、さらに、それぞれアンテナ網A1、A2に接続している2つのユニットを有する取得及び計算手段(図1に図示せず)を有する。取得及び計算ユニットは、所与の信号に対して、当該取得及び計算ユニットが接続しているアンテナ網に到来する信号の到来角度の確率を計算することを可能にする。当然、反射現象の結果、いくつかの数の角度は、到来の確率が高くなる。
【0041】
図2及び3は、到来角度の推定関数を示している。図2の上側において、第1のアンテナ網A1への第1の信号Sg1の到来角度に対する推定関数g11が示されている。推定関数g11には以下の2つのスパイクがあることがわかる。すなわち、反射性要素P11からの第1の信号Sg1の反射経路に対応する角度aに対応する第1のスパイクと、ビーコンXと第1のアンテナ網A1の間の第1の信号Sg1の直接経路に対応する第1の角度φ1に対応する第2のスパイクである。
【0042】
図2の下側部分において、第1のアンテナ網A1への第2の信号Sg2の到来角度に対する推定関数g12が示されている。推定関数g12に以下の2つのスパイクがあることがわかる。すなわち、ビーコンXと第1のアンテナ網A1の間の第2の信号Sg2の直接経路に対応する第1の角度φ1に対応する第1のスパイクと、反射性要素P21からの第2の信号Sg2の反射経路に対応する角度bに対応する第2のピークである。
【0043】
図3の上側において、第2のアンテナ網A2への第1の信号Sg1の到来角度に対する推定関数g21が示されている。推定関数g21に以下の2つのスパイクがあることがわかる。すなわち、ビーコンXと第2のアンテナ網A2の間の第1の信号Sg1の直接経路に対応する第2の角度φ2に対応する第1のスパイクと、反射性要素P12からの第1の信号Sg1の反射経路に対応する角度cに対応する第2のスパイクである。
【0044】
図3の下側部分において、第2のアンテナ網A2への第2の信号Sg2の到来角度に対する推定関数g22が示されている。推定関数g22に以下の2つのスパイクがあることがわかる。すなわち、ビーコンXと第2のアンテナ網A2の間の第2の信号Sg2の直接経路に対応する第2の角度φ2に対応する第1のスパイクと、反射性要素P22からの第2の信号Sg2の反射経路に対応する角度dに対応する第2のスパイクである。
【0045】
したがって、推定関数g11及びg12には両方とも、第1の角度φ1に対応するスパイクがあり、推定関数g21及びg22には両方とも、第2の角度φ2に対応するスパイクがある。したがって、推定関数g11及びg12と、推定関数g21及びg22とのそれぞれの相関を用いることによって、第1の角度φ1及び第2の角度φ2をそれぞれ決めることができる。
【0046】
図4は、第1のアンテナ網A1と、及びその第1のアンテナ網A1に接続された第1の取得及び計算ユニットUT1とを示している。図4に示す例において、第1のアンテナ網A1は、15個の第1センサー(C1j)j=1..15を有し、第1のユニットUT1は、8つの第1のレシーバー(R1p)p=1..8を有する。より一般的には、第1のユニットUT1は、S個の第1のレシーバー(R1p)p=1..Sを有する。ここで、Sは2以上の整数である。これによって、M=2S−1となる。
【0047】
アンテナ網A1は、センサーC1j当たり1つのコネクターを有する。例えば、SMAタイプのものである。ユニットUT1は、さらに、1つのレシーバー(図4に示した例において8番目のレシーバーR18)が単一のコネクターのみに関連づけられていることを例外として、レシーバーR1p当たり2つのコネクターと1つのスイッチSpを有する。したがって、1つのレシーバーR18を例外として、レシーバーR1pはそれぞれ、その関連づけられたスイッチSpを介して交互の形態で2つの異なるセンサーC1jに接続されることができる。図4から、以下のように3つの有線リンクのみが示されていることがわかる。1番目のレシーバーR11のコネクターは、3番目のセンサーC13のコネクター及び5番目のセンサーC15のコネクターに接続されているように示されている。8番目のレシーバーR18のコネクターは、4番目のセンサーC14のコネクターに接続されているように示されている。
【0048】
図5は、2つの取得段階における図4における15個の第1のセンサー(C1j)j=1..15の状態を示している。第1の取得段階Ph1において、スイッチ(Sp)p=1..7は、図3に示した状態となっており、したがって、レシーバーに接続されたセンサーは、センサー4〜11である。第2の取得段階Ph2において、スイッチ(Sp)p=1..7の位置が変更され、このようにして、レシーバーに接続されたセンサーは、センサー1〜4及び12〜15である。両方の取得段階Ph1、Ph2の間に4番目のセンサーC14が8番目のレシーバーR18に接続されることがわかる。
【0049】
ユニットUT1は、さらに、第1のレシーバー(R1p)p=1..8に周波数fpを運ぶことができる局部発振器LOを有する。実際に、センサーC1jがビーコンXを源とする周波数fiの信号Sgiを捕捉すると、信号Sgiは、センサーC1jに接続されたレシーバーR1pにおいて以下の処理の対象となる。第1に、信号Sgiは、周波数fpの2つの直交位相信号と並列に混合されて、周波数fi、fp及びfi+fpの成分及び「中間」周波数|fi−fp|の成分を得る。そして、多相フィルタは、信号Sgiの初期周波数fiよりも低い中間周波数の成分のみの通過を可能にする。最後に、この低周波成分は、アナログ/デジタル変換を経る。
【0050】
また、ユニットUT1は、第1のレシーバー(R1p)p=1..8によって生成されたサンプルを記憶するためのメモリーMEM1、MEM2と、及びメモリーMEM1、MEM2に格納されたサンプルを取り出すための、例えば、USBタイプのものである、ポートPOとを組み入れている。また、ユニットUT1は、様々なレシーバー(R1p)p=1..8によって実行される取得を標準化するために、取得チャネルのための較正手段CBを有する。
【0051】
また、ユニットUT1は、並外れてエネルギーを多く消費する構成であるように連続的ではなく、ビーコンXを源とする信号(Sgi)i=1..RのみをそのビーコンXによるその信号の送信のときにレシーバー(R1p)p=1..8が取得するように、ビーコンXと通信することができるエミッター−レシーバーEMRを有する。ビーコンXは、例えば、エミッター−レシーバーEMRからの問い合わせに応じて信号(Sgi)i=1..Rを送信し、又は自発性を持ってこれが実行されるようにエミッター−レシーバーEMRに通知する。
【0052】
また、ユニットUT1は、ユニットUT1の他の部品の制御のために、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)タイプの、プログラマブルロジック回路PLCを有する。
【0053】
当然、実施形態の1つ(これに限定されない)において、第1のアンテナ網A1について言及しながら説明した前記要素はすべて、第2のアンテナ網A2に転換することができる。第2の取得及び計算ユニット(図示せず)は、第2のアンテナ網A2に接続され、これにおいては、第2のユニットは、T個の第2のレシーバー(R2q)p=1..Tを有する。ここで、Tは2以上の整数である。これによって、N=2T−1となる。単一の第2のセンサーに接続している第2のレシーバーの1つを例外として、第2のレシーバーR2qはそれぞれ、関連づけられたスイッチを介して交互の形態で2つの異なるセンサーC2kに接続されることができる。
【0054】
図6は、本発明の実施形態の1つ(これに限定されない)に係る、ビーコンXの位置を特定する方法METHのいくつかのステップを示している。当該方法は、一連のR回分のシーケンス(Seqi)i=1..Rを有する。ここで、シーケンスSeqiはそれぞれ、以下に説明するステップを有する。
【0055】
シーケンスSeqiにおけるステップEm_Sgiによると、ビーコンXは、波長λiの信号Sgiを発する。R回分のシーケンス(Seqi)i=1..RにおけるR個の信号(Sgi)i=1..Rの波長(λi)i=1..Rは、すべて異なる。波長(λi)i=1..Rは、有利なことに、ビーコンXが位置している環境における反射性要素の伝統的な寸法と同じオーダーの大きさから選ばれる。内側の環境において、例えば、周波数2.4GHzの信号Sgiは適切である。なぜなら、その波長12.5cmがこの環境における特定の物の寸法に対応する可能性が高いからである。信号(Sgi)i=1..Rは、例えば、持続波パルスであり、これは、変調されていたり変調されていなかったりする。
【0056】
シーケンスSeqiにおけるステップRec_Sgiによると、第1のアンテナ網A1の第1のセンサー(C1j)j=1..Mによって、そして、第2のアンテナ網A2の第2のセンサー(C1k)j=1..Nによって、信号Sgiが捕捉される。
【0057】
シーケンスSeqiにおけるステップAcq_Sgiによると、第1のアンテナ網A1及び第2のアンテナ網A2にそれぞれ接続された第1のレシーバー(R1p)p=1..S及び第2のレシーバー(R2q)q=1..Tによって信号Sgiが取得される。初期には、第1のレシーバー(R1p)p=1..Sに関連づけられたスイッチは、S個の第1のレシーバー(R1p)p=1..SがM個の第1のセンサー(C1j)j=1..MのS個の第1のセンサー(C1v)v=1..Sに接続されるように構成している。また、当初は、第2のレシーバー(R2q)q=1..Tに関連づけられたスイッチは、T個の第2のレシーバー(R2q)q=1..TがN個の第2のセンサー(C2k)k=1..NのT個の第2のセンサー(C2v)v=1..Tに接続されるように構成している。
【0058】
取得ステップAcq_Sgiは、第1の取得段階Ph1を有する。これにおいては、第1のレシーバーR1pがそれぞれ、それが接続している第1のレシーバーC1vによって捕捉された信号Sgiを取得し、第2のレシーバーR2qがそれぞれ、それが接続している第2のレシーバーC2vによって捕捉された信号Sgiを取得する。
【0059】
その後に、第1のレシーバー(R1p)p=1..Sに関連づけられたスイッチと第2のレシーバー(R2q)q=1..Tに関連づけられたスイッチの位置が変更される。このようにして、第1のレシーバー(R1p)p=1..Sは、M個の第1のセンサー(C1j)j=1..MのS個の他の第1のセンサー(C1w)w=1..Sに接続され、このようにして、第2のレシーバー(R2q)q=1..Tは、N個の第2のセンサー(C2k)k=1..NのT個の他の第2のセンサー(C2w)w=1..Tに接続される。1つの第1のセンサーのみが同じ第1のレシーバーに接続され続け、1つの第2のセンサーが同じ第2のレシーバーに接続され続ける。
【0060】
そして、取得ステップAcq_Sgiは、第2の取得段階Ph2を有する。これにおいて、第1のレシーバーR1pはそれぞれ、それが接続された第1のレシーバーC1wによって捕捉された信号Sgiを取得し、第2のレシーバーR2qはそれぞれ、それが接続された第2のレシーバーC2wによって捕捉された信号Sgiを取得する。
【0061】
第1の取得段階及び第2の取得段階の間に用いられないいずれのセンサーも、50Ωの抵抗に接続されなければならず、これによって、そのセンサーが反射体としてふるまって他のセンサーの放射パターンをゆがめることを防ぐ。
【0062】
上で説明したように、ビーコンXを源とする周波数fiの信号Sgiの取得はそれぞれ、以下を伴う。
− 周波数fpの2つの直交位相信号と信号Sgiを並列ミキシングして、周波数fi、fp及びfi+fpの成分及び「中間」周波数|fi−fp|の1つの成分を得る。
− 周波数fi、fp及びfi+fpの成分を取り除き、信号Sgiの初期周波数fiよりも低い中間周波数の成分のみを保持するように、多相フィルタによって成分をフィルタリングする。
− 一連のサンプルを生成するように、中間周波数の成分のアナログデジタル変換をする。
【0063】
シーケンスSeqiにおけるステップCal_g1i_g2iによると、第1のアンテナ網A1への信号Sgiの到来角度のための第1の推定関数g1i及び第2のアンテナ網A2への信号Sgiの到来角度のための第2の推定関数g2iが計算される。これらの機能は、生成されたサンプルから生成され、例えば、前記MUSICアルゴリズム又はビームフォーミング空間フィルタリングアルゴリズムによって、生成される。
【0064】
ビームフォーミング空間フィルターアルゴリズムには、パラメーターとして、アンテナ網のセンサーによって捕捉された各信号の位相と振幅からなるベクトルが必要であるということがわかる。1つの実施形態において、推定関数の計算のためにビームフォーミング空間フィルターアルゴリズムが用いられており、したがって、信号Sgiの各取得には、受信した信号Sgiの位相と振幅によって構成しているベクトルを生成するステップを伴う。
【0065】
1つの実施形態において、受信信号Sgiの位相及び振幅は、一連のサンプルにフーリエ変換を適用することによって計算される。実際に、フーリエ変換によって、信号の位相に対応する周波数スペクトル及び信号の振幅に対応する周波数スペクトルの取得が可能になる。当然、これらの周波数スペクトルにおいて、信号Sgiに対応する射線をノイズと識別しなければならない。しかし、レシーバーの局部発振器及びビーコンの局部発振器の安定性が高くなければ、これらの周波数が互いにずれる可能性が高い。このようにして、レシーバーによる信号Sgiの取得は、前記位相と振幅ベクトルを生成するステップの前に、このレシーバーとビーコンXの間の周波数ずれを推定するステップを伴う。このずれを識別することによって、位相と振幅に対する周波数スペクトルにおける信号に対応する射線の正確な位置特定が可能になる。
【0066】
その後で、当該方法METHは、R回分のシーケンス(Seqi)i=1..Rに加えて、R個の第1の推定関数(g1i)i=1..Rとの相関を用い、R個の第2の推定関数(g2i)i=1..Rとの相関を用いるステップCorr_g1i_g2iを有する。R個の第1の推定関数(g1i)i=1..Rの相関を用いることによって、ビーコンXと第1のアンテナ網A1の間の第1の角度φ1を決めることが可能になり、また、R個の第2の推定関数(g2i)i=1..Rの相関を用いることによって、ビーコンXと第2のアンテナ網A2の間の第2の角度φ2を決めることが可能になる。相関は、例えば、複数の角度の各角度に対して、推定関数によって当該角度に関連づけられた確率の平均を計算することによって用いられる。このようにして、平均が最も大きい角度が、ビーコンXと関心事のアンテナ網の間の角度となる。実際に、第1の推定関数(g1i)i=1..Rすべてに第1の角度φ1に対応するスパイクがあり、また、第2の推定関数(g2i)i=1..Rすべてに第2の角度φ2に対応するスパイクがある。
【0067】
最後に、当該方法は、第1の角度φ1及び第2の角度φ2からビーコンXの位置を特定するステップLoc_Xを有する。
【0068】
上記の説明から、当業者であれば、請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、ビーコンの位置を特定する方法及びデバイスの多くの変種を思いつくことができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2018年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーコン(X)の位置を特定する方法(METH)であって、
第1のアンテナ網(A1)及び第2のアンテナ網(A2)によってビーコン(X)から発せられた信号(Sgi)を受信し(Rec_Sgi)、第1のアンテナ網(A1)への信号(Sgi)の到来角度に対する第1の推定関数(g1i)及び第2のアンテナ網(A2)への信号(Sgi)の到来角度に対する第2の推定関数(g2i)を計算する(Cal_g1i_g2i)シーケンス((Seqi)i=1..R)をR回実行する手順を実行し、
ここで、Rが2以上の整数であり、R回のシーケンス((Seqi)i=1..R)の前記信号((Sgi)i=1..R)どうしが互いに異なる波長((λi)i=1..R)を有しており、
当該方法は、さらに、前記ビーコン(X)と第1のアンテナ網(A1)の間の第1の角度(φ1)及び前記ビーコン(X)と第2のアンテナ網(A2)の間の第2の角度(φ2)をそれぞれ決めるために、R個の第1の推定関数((g1i)i=1..R)とR個の第2の推定関数((g2i)i=1..R)の相関を用いる手順(Corr_g1i_g2i)を実行し、
1つのシーケンス(Seqi)は、前記第1のアンテナ網(A1)の第1のセンサー((C1j)j=1..M)に接続された前記第1のレシーバー((R1p)p=1..S)の各レシーバー(R1p)によって信号(Sgi)を取得するステップ(Acq_Sgi)を有し、
1つの第1のレシーバー(R1p)によって実行される少なくとも1つの取得は、1対の第1のセンサーにおけるセンサーの1つによって捕捉された信号(Sgi)を取得する第1の取得段階(Ph1)と、
その後の、前記対の他方のセンサーによって捕捉された信号(Sgi)を取得する第2の取得段階(Ph2)とによって行われ、
前記少なくとも1つの第1のセンサー(C1j)によって捕捉された信号(Sgi)は、第1の取得段階(Ph1)と第2の取得段階(Ph2)の間に取得される
ことを特徴とする方法(METH)。
【請求項2】
1つの第1のレシーバー(R1p)による取得は、
その第1のレシーバー(R1p)と前記ビーコン(X)の間の周波数ずれを推定するステップと、
推定されたずれを用いて、前記第1のレシーバー(R1p)に接続された第1のセンサー(C1j)によって受信された信号(Sgi)の位相及び振幅によって構成しているベクトルを生成するステップと
を有し、
前記ベクトルを前記推定関数の計算のために用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の方法(METH)。
【請求項3】
ビーコン(X)の位置を特定するデバイス(DISP)であって、
前記ビーコン(X)から発せられた、別個の搬送周波数((fi)i=1..R)のR個の信号((Sgi)i=1..R)を受信するように構成している第1のアンテナ網(A1)及び第2のアンテナ網(A2)と、
前記第1のアンテナ網(A1)及び前記第2のアンテナ網(A2)への信号((Sgi)i=1..R)の到来角度(φ1i、φ2i)に対する推定関数((g1i)i=1..R、(g2i)i=1..R)を計算し、
前記ビーコン(X)と前記第1のアンテナ網(A1)の間の第1の角度(φ1)及び前記ビーコン(X)と前記第2のアンテナ網(A2)の間の第2の角度(φ2)を決めるために、前記推定関数((g1i)i=1..R、(g2i)i=1..R)どうしの相関を用いる
ように構成している取得及び計算手段(UT1)とを有し、
前記取得及び計算手段(UT1)は、
当該第1のレシーバー((R1p)p=1..S)に接続された第1のセンサー((C1j)j=1..M)によって捕捉された信号((Sgi)i=1..R)を取得するように構成している、第1のアンテナ網(A1)への第1のセンサー((C1j)j=1..M)に接続された第1のレシーバー((R1p)p=1..S)と、及び
信号(Sgi)の第1の取得段階の間の第1のセンサーの対の一方のセンサー(C1j)及びこの信号(Sgi)の第2の取得段階の間の前記対の他方のセンサーへの第1のレシーバー(R1p)の接続のための少なくとも1つのスイッチ(Sp)と
を有し、
前記スイッチ(Sp)は、少なくとも1つの第1のセンサー(C1j)によって捕捉された信号(Sgi)が第1の取得段階(Ph1)の間及び第2の取得段階(Ph2)の間に取得されるように構成している
ことを特徴とする位置を特定するデバイス(DISP)。
【請求項4】
前記取得及び計算手段(UT1)は、第1のレシーバー(R1p)とビーコン(X)の間の周波数ずれを推定し、推定されたずれを用いて、前記第1のレシーバー(R1p)に接続された第1のセンサー(C1j)によって受信した信号(Sgi)の位相及び振幅をそれぞれが有するベクトルを生成するように構成している
ことを特徴とする請求項3に記載のデバイス(DISP)。
【国際調査報告】