(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537937(P2018-537937A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】電力供給制御システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20181122BHJP
【FI】
H02J13/00 311T
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-522114(P2018-522114)
(86)(22)【出願日】2016年10月28日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月29日
(86)【国際出願番号】EP2016076097
(87)【国際公開番号】WO2017072305
(87)【国際公開日】20170504
(31)【優先権主張番号】15192392.7
(32)【優先日】2015年10月30日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518144908
【氏名又は名称】エーベロース、インベスト、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】OEVERAAS INVEST AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100206243
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貴士
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、サンダール
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB21
(57)【要約】
負荷および供給源のうちの少なくとも一方を電気網に接続するための電力供給制御システムおよび方法が開示されている。システムは、種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた、少なくとも二つの電力計器と、各電力計器を個別に接続および切断するためのスイッチングユニットと、スイッチングユニットと運用接続状態である制御ユニットと、を備える。制御ユニットは、前述のパラメータのうちの少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを取得するための通信回路を備え、取得されたリアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、さらに構成される。これにより、より動的な電力供給制御システムが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷および供給源のうちの少なくとも一方を電気網に接続するための電力供給制御システムであって、前記システムは、
種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた少なくとも二つの電力計器と、
前記電気網と前記負荷/前記供給源との間の前記少なくとも二つの電力計器のうちの各電力計器を個別に接続するように構成されたスイッチングユニットと、
前記スイッチングユニットと運用接続状態であって、各電力計器を接続または切断するために、前記スイッチングユニットを制御するように構成された制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記パラメータのうちの少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを取得するために、遠隔データレポジトリと通信するための通信回路を備え、
前記制御ユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、構成される
電力供給制御システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、任意の所与の時点において、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、さらに構成される
請求項1に記載の電力供給制御システム。
【請求項3】
前記制御ユニットは、シームレスな切換えを達成するために、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを、他の電力計器を切断する前に接続するように、さらに構成される
請求項1または2に記載の電力供給制御システム。
【請求項4】
前記少なくとも二つの電力計器は、単一のユニットに統合されている
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電力供給制御システム。
【請求項5】
前記種々のパラメータは異なる料金率であり、前記少なくとも一つの所定条件のうちの一つは最低値を選択することである
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電力供給制御システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、異なる種類のエネルギー供給源に関連付けられた排出値を含むデータベースを備えたメモリユニットを備え、前記種々のパラメータは、エネルギー供給源の種類であり、前記少なくとも一つの所定条件のうちの一つは、前記データベースから取り出された最低排出値でエネルギー供給源を選択することである
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電力供給制御システム。
【請求項7】
種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた少なくとも二つの電力計器と、電力網と負荷/供給源との間の前記少なくとも二つの電力計器のうちの各電力計器を個別に接続するように構成されたスイッチングユニットと、を備える電力供給制御システムにおける、前記負荷および前記供給源のうちの少なくとも一方を電気網に接続するための方法であって、前記方法は、
前記パラメータのうちの前記少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを遠隔データレポジトリから取り出すステップと、
前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、一つの電力計器を接続して他の電力計器を切断するために、前記スイッチングユニットを動作させるステップと、
を備える方法。
【請求項8】
前記スイッチングユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、任意の所与の時点において、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、操作される
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
シームレスな切換えを達成するために、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを、他の電力計器を切断する前に接続するステップ
をさらに備える請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記種々のパラメータは異なる料金率であり、前記少なくとも一つの所定条件のうちの一つは最低値を選択することである
請求項7ないし9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御システム、および電力供給の選択のための方法に関しており、より具体的には、コンピュータ実施システム、および電力供給の自動選択のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力の料金率は、特にエネルギー市場が自由化(すなわち、民営化または規制撤廃)され、ある意味、競争が可能となるように市場開放されたので、需要家にとってしばしば複雑で分かりにくい。この幾分の革新的な変化は、需要家にとって、実用上、非常に有益であるものと理解されるべきであるが、それにもかかわらず、いくつかの新たな問題および争点を平均的な需要家にもたらす。現在の複数のサプライヤーによって提供される膨大な数の契約(サブスクリプション)とともに絶えず変化する率(料金)は、結果的に多くの混乱および懸念を容易にその需要家にもたらす。経済的に最も有益な選択をするために適切なときに適切なサプライヤーからの適切なサブスクリプション(すなわち、適切な持続時間)を選択するというプレッシャーは、時に圧倒的となり得るし、さらに環境に配慮した選択も提供するという最近の試みによって、一層そのようになり得る。
【0003】
概して、サプライヤーの選択が行われた後、需要家の苦境は、変動率(契約期間一切なし)か定率(所定の契約期間を有する)かのいずれかを判断することからなる。主として専門知識および適切な物資の不足により、需要家がインフォームドチョイスを行うのが困難になるのはしばしばこの段階においてである。しかし、適切な専門知識および無制限の物資があっても、特に、より長期間例えば3年よりも長い期間にわたって、電力の将来の価格を予測することは単純に不可能であることがある。したがって、需要家には何度も彼らの財務に大きな影響を及ぼす選択を行うことが残され、その影響は一般に電力消費に比例し、そのことは、電力を消費すればするほど「適切な」選択を行うことがより重要となることを意味する。
【0004】
これを目的に、上記の懸念に悩まされる判断から需要家を解放する解決策を提供するシステムはない。現在、利用可能な料金率アグリゲータはあるが、これらは需要家が賢い判断をするのをとりわけ上手くは助けない。エコノミー7またはエコノミー10の差別料金を実施するシステムもあるが、しかし、これらは、あまり柔軟ではなく、また、任意の家庭用デバイスを日中いつでも利用することができる快適さを進んで犠牲にすればいくらかの金を節約するという手段を提供すること以外の問題を全く解決しない。
【0005】
上述の争点のうちのいくつかを救済するための別の先行公知の試みが、ユーティリティ計器と、少なくとも一つのユーティリティプロバイダーと、の間の中間デバイスとして配置された少なくとも一つのデータコンセントレータプロキシを備える通信ネットワーク内における、ユーティリティ計器によって計量されたユーティリティ消費量の価格決定のための計量報告通信方法を説明しているEP2565586内にて開示されている。データコンセントレータは、請求書発行を手助けするために、また各ユーティリティプロバイダーが管理する必要がある情報の量を低減するために、各ユーティリティプロバイダーとのセキュアな通信を確立し、料金表を受け取り、この情報に基づいて最良のオファーを選択し、適切なプロバイダーに通常の消費報告書を送るのに使用される。しかし、この方法およびシステムは、スマートグリッドおよびスマートメーターの存在に依存し、今日の電力網の大半には適用可能ではない。
【0006】
したがって、これらの難しい判断から需要家を解放し、需要家が今現在最も費用効率の良い料金を常に選択できることを可能にし、それによって、随分前にとられた誤った判断が、今日の個人財務に対して、著しくより少ない影響しか有せず、また、それによって、エネルギー市場を支配する巨大企業から需要家に電力の幾分かを戻すことができる、需要家への電力の供給を制御するための改良されたシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
その理由から、電力供給を制御するための、また特に、需要家への電力フィードを選択するための、システムおよび方法を提供することが本発明の目的であり、それにより、現在周知のシステムの上記の欠点の全部または少なくとも一部が軽減される。
【0008】
この目的は、添付の特許請求の範囲に定義されている電力供給制御システムおよび方法を用いることにより達成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、負荷および供給源のうちの少なくとも一方を電気網に接続するための電力供給制御システムが提供され、前記システムは、
種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた少なくとも二つの電力計器と、
電気網と負荷/供給源との間の前記少なくとも二つの電力計器のうちの各電力計器を個別に接続するように構成されたスイッチングユニットと、
各電力計器を接続または切断するためにスイッチングユニットを制御するための制御ユニットと、
を備え、
制御ユニットは、前記パラメータのうちの少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを取得するために遠隔データレポジトリと通信するための通信回路を備え、
制御ユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続し、他の電力計器を切断するように構成される。これによって、需要家は、電力消費に対する自身の設定についてのより大きな制御が認められ、サービスプロバイダーを選択する意思決定プロセスが大幅に容易になる。
【0010】
第1の態様によるシステムは、第1のシナリオにおいて、負荷を電気網に接続するのに使用されてもよく、その場合、負荷は、例えば、需要家(例えば、家庭、営利事業など)でもよく、異なる供給体制は、エネルギープロバイダー、例えば、様々な発電所の所有者/オペレーターに関連していることを理解されたい。しかし、システムは、第2のシナリオにおいて、供給源を電気網に接続するのに使用されてもよく、その場合、供給源は、例えば、小規模のエネルギープロバイダー(例えば、風車または住宅用ソーラーパネルを有する農場など)でもよく、異なる供給体制は、異なるエネルギー購入者、例えば、エネルギーを例えば地方供給源から買い取るエネルギー企業、に関連している。この第2のシナリオにおいて、種々のパラメータは、異なるエネルギー購入者が提供するその時にふさわしい価格でよく、例えば、一つの電力計器は、現在の需要/ニーズに基づく変動購入価格と関連付けられてよく、別の電力計器は、その時にふさわしい、固定契約期間での固定購入価格と関連付けられてよい。したがって、電力計器は、二つのシナリオのそれぞれ向けの、少なくとも二つの別々の一方向電力計器でよいし、または、少なくとも二つの電力計器が当技術分野で周知の双方向電力計器でもよい。以下において、本発明は、概して、第1のシナリオに関連して説明されるが、しかし、当業者は、第2のシナリオに係る発明のコンセプトを適用するために後続箇所の解釈の仕方を容易に理解する。
【0011】
「リアルタイムデータ」という用語は、本文脈において、取り出しの際に更新されるデータと解釈されるものとし、すなわち、取り出された値またはデータは、パラメータの現在の値に対応する。すなわち、言い換えれば、リアルタイムデータは、収集後直ちに届けられる情報であり、つまり、提供された情報のタイミングの良さに遅延はない。さらに、データは、意図された利用に応じて、定期的に、およびしばしば、例えば毎秒または例えば1時間/日ごとに1回などといったよりまれに、取り出されてもよい。したがって、データは、ストリーミングデータ、動的データ、または静的データであり得る。
【0012】
さらに、「電力網」(または電気網)という用語は、電力をサプライヤーから需要家に届けるための相互接続ネットワークと理解されるものとする。それは、一般に、電力を遠隔供給源から需要中心地に搬送する高圧送電線と、個々の顧客を接続する配電線とからなる。
【0013】
本発明は、両方とも同じ電力/電気網(および同じ負荷/供給源)に接続されているが、異なる供給体制に関連付けられている、少なくとも二つの電力計器を有するシステムを提供することによって、以前に知られた他のいずれのシステムよりも、現在の需要家のニーズに対してはるかにより動的でより適合されているエネルギー配給システムを実現することができるという理解に基づく。異なる供給体制は、種々のパラメータ、例えば、異なるエネルギーサプライヤー、異なる種類の発電所、異なる料金率、排出レベル/値、購入率などに、順に関連付けられる。本発明は、環境に優しい解決策に対する、絶えず増大する世界的なニーズを考慮するときに、特に有用である。例えば、多くの需要家、すなわち、家庭用住宅、企業などは、「グリーン電力」を購入するために、より環境に優しくない選択肢、例えば、化石燃料から、または核(核分裂)反応から生み出された電力を比較して、少し余分に支払うことを恐らく考慮するであろう。
【0014】
しかし、多くの需要家は、エネルギー価格の変動のため、およびこの単一の選択が将来もたらすことがある財務的影響のため、そうすることを控える。言い換えれば、需要家が環境に良いもののために少し多く支払うことを考慮する場合でも、需要家は、判断が彼らの財務にもたらすかもしれない、将来のおよび潜在的な破壊的影響を予測することができない。本文脈における需要家は、私人または商業的存在として理解されるものとする。したがって、環境に優しい選択肢を選択するであろう多くの需要家は、代わりに環境に有害である電力プロバイダーを選択するように強制される。したがって、供給体制をむしろ楽々と切り換えることを可能にする、より動的な電力供給制御システムを、需要家が持つことを可能にする解決策を提供することによって、電力供給は、需要家の現在のニーズおよび全能力のほとんどに、より適合され得る。これによって需要家は、例えば、料金率の差が或る所定のレベルより高くない限りは、「グリーンエネルギー」に関連付けられた電力計器を接続するなどといった、どの電力供給が使用されるべきかという少なくとも一つの所定条件を提示することが可能になり、したがって、需要家は、彼らの現在のニーズおよび能力に、より大きく一致している給電を選択することが可能になる。言い換えれば、少なくとも一つの所定条件の一つは、所望のまたは最適なパラメータ値を有する供給体制に関連付けられた電力計器を選択するというものである。
【0015】
一つの例示的な実施形態によれば、制御ユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、任意の所与の時点において、少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、さらに構成される。これは、少なくとも一つの所定条件が満たされとした場合、任意の時点において、異なる電力計器間の、およびそれによって異なる供給体制間の切換えが起こり得ることを意味する。例えば、需要家が二つの電力計器、すなわち、二つの供給体制を有していて、種々のパラメータがそれらのそれぞれの料金率である場合、そのうちの一方がいわゆる変動料金率(すなわち、絶えず変化する)であり、他方が既定のサブスクリプション期間での固定料金率である。所定条件は、最も低い率に関連付けられている、二つの電力計器のうちのいずれかと接続することであってもよい。したがって、料金率のうちの少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを収集/取得するように制御ユニットが構成されるので、変動率が定率を下回るまたはその逆というこことをそれが検知したときに、それは瞬時に切り換えることができ、したがって、需要家には、常に最も費用効率の高い電気が提供され得る。したがって、需要家は、切り換えるために契約の期末まで待つことを強いられず、代わりに、それらは、常に最低の料金率に接続され得る。制御ユニットは、変動料金率に関連するリアルタイムデータだけを取得する/取り出すように(例えば、電力のスポット/プール価格を取得するように)構成され得るが、一方、定率は、制御ユニットによって備えられたメモリユニット内に局所的に提供されて記憶されてもよく、したがって、局所データレポジトリ(すなわち、メモリユニット)から取得され得る。同様に、例えば、排出率、エネルギー供給源の種類など、供給体制に関連し、時間とともに急速に変化しにくい、他のパラメータは局所的に提供されて記憶され得る。
【0016】
別の例示的な実施形態によれば、制御ユニットは、シームレスな切換えを達成するために、少なくとも二つの電力計器のうちの一つを、他の電力計器を切断する前に接続するように、さらに構成される。これは、ある構成要素または器具を場合により損傷させるかもしれないスイッチングのイベント間において、電力遮断がないことを確実にする。
【0017】
別の例示的な実施形態によれば、少なくとも二つの電力計器は、単一のユニットに統合されている。これは、コンパクトでユーザーフレンドリーな解決策を可能にする。そして、電気技師/サービスプロバイダーは、電力計器ごとに一つの設置をしなければならない代わりに、この単一のユニットを単純に設置して適切なケーブルをそのユニットに接続してもよい。例えば、それは、一つの携帯電話に二つ以上のSIMカードを有することになぞらえることができ、その場合、どの「料金率」がその時点で最低であるかに応じて、その電話は通話中にSIMカード間を切り換えることができる。さらに、スイッチングユニットおよび制御ユニットは、単一のユニットに統合することができる。
【0018】
さらに別の例示的な実施形態によれば、制御ユニットは、異なる種類のエネルギー供給源に関連付けられた排出値を含むデータベースを備えたメモリユニットを備え、前記種々のパラメータは、エネルギー供給源の種類であり、前記少なくとも一つの所定条件のうちの一つは、前記データベースから取り出された最低排出値でエネルギー供給源を選択することである。これにより、本発明の環境的なポテンシャルがさらに強調される。この実施形態において、需要家には、常に最も環境に優しい電力源が提供され得る。データベースは、制御ユニットがアクセスすることができる内蔵データベースまたは遠隔データベース(例えば「クラウド」内)でもよい。さらに、追加の所定条件、すなわち、リアルタイムデータとして遠隔データレポジトリから取り出され得る料金率に関する偶発事象と、取り出された排出値と、を組み合わせることがあるかもしれない。例えば、料金率が所定の値を超えない場合は、制御ユニットは、今回は最低排出値に関連付けられた供給体制に関連付けられた電力計器を接続するように構成され得るし、さもなければ、その料金率が今度は所定の値を超えない場合は、二番目に低い排出値を選択するなどとする。これによって、需要家は、彼または彼女が現在経済的に負担できる、最も環境に優しいサービスプロバイダーを選択することが可能になる。さらに、需要家の優先度が変化した場合、彼または彼女は、システムを現在の優先度に合わせるために、単純に所定条件を設定することができ、したがって、システムは、極めて動的であり、リアルタイムな条件に従って動作する。
【0019】
本発明の別の態様によれば、種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた少なくとも二つの電力計器と、電力網と負荷/供給源との間の前記少なくとも二つの電力計器のうちの各電力計器を個別に接続するように構成されたスイッチングユニットと、を備える電力供給制御システムにおける、負荷および供給源のうちの少なくとも一方を電気網に接続するための方法が提供され、前記方法は、
前記パラメータのうちの少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを遠隔データレポジトリから取り出すステップと、
前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、一つの電力計器を接続して他の電力計器を切断するために、前記スイッチングユニットを動作させるステップと、
を備える。
【0020】
スイッチングユニットは、手動で、例えば、スイッチの組を手動でフリッピングすることによって動作されてもよく、または、それは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、一つの電力計器を接続して他の電力計器を切断するために、制御信号をスイッチングユニットに供給することによって動作されてもよい。
【0021】
本発明のこの態様により、同様の利点、例示的な実施形態、および好ましい特徴が、以前に説明された本発明の第1の態様として存在する。
【0022】
本発明のこれらのおよび他の特徴は、以下において、以下に説明される実施形態を参照してさらに明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
例示する目的で、本発明は、以下において、添付の図面に示されるその実施形態を参照してより詳細に説明される。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に応じた電力供給制御システムのブロック図表示を示す。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施形態に応じた電力供給制御システムのブロック図表示を示す。
【
図3】
図3は、
図1の構成に関する一実施形態に応じた、処理のフローチャートを示す。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態に応じたフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明において、本発明のいくつかの実施形態が説明される。しかし、異なる実施形態の特徴は、他のものが特に指示されていない限り、実施形態間で互換可能であり、異なるやり方で組み合わせてもよいことを理解されるべきである。以下の説明において、本発明のより完全な理解をもたらすために、数多くの具体的な詳細が記載されていても、これらの具体的な詳細なしで、本発明を実施され得ることが当業者にとっては明らかである。他の場合では、よく知られた構成または機能は、本発明をあいまいにしないように、詳細に説明されない。
【0025】
図1は、以下において、より詳細に説明される、本発明の一実施形態のブロック図を示す。図には、電力網を介して需要家に電力を供給する、いくつかの異なる電力供給体制101のブロック表示がある。電力網は、送電線と配電線、すなわち電力の伝送システムによって接続されているシンクロナイズされた電力(電気)プロバイダーおよび需要家、に対するネットワークである電気網として理解されるものとする。すなわち、言い換えれば、電力網(電気網)は、電力をサプライヤーから需要家に届けるための相互接続ネットワークである。それは、一般に、電力を遠隔供給源から需要中心地に搬送する高圧送電線と、個々の顧客を接続する配電線からなる。
【0026】
電力網は、しばしば、一つ以上の管理センターによって運用される。需要家は、通常、電力の伝送に責任を有する一つの存在に限定される。しかし、規制が撤廃されたエネルギー市場では、需要家は、しばしば、様々な、電力のサプライヤーまたはプロバイダーの中から自由に選択することができる。したがって、ブロック101は、複数のサプライヤーと見ることができる。しかし、該当する場合、ブロック101は、異なる種類の供給体制を提供する単一のサプライヤーと見ることができる。この文脈における供給体制とは、例えば料金率(電力の請求単位当たりの価格)、発電所/エネルギー供給源の種類、ロケーション、稼働状態などといったものに関連付けられた具体的なパラメータの組を有する電力サプライヤーとして理解されるものとする。
【0027】
さらに、システム100は、ときには供給計器と呼ばれることもある、複数のN(Nは任意の適切な整数である)個の電力計器103.1から103.Nを備えており、それは需要家(または負荷)104によって消費された電気エネルギーの量を計測する。その場合、電力計器103.1から103.Nのそれぞれは、種々のパラメータ、例えば、異なる料金率(最も一般的にはキロワット時[kWh]当たりの価格)または発電所の種類(例えば、原子力、風力、太陽光、水力、石炭など)を有する異なる供給体制に関連付けられる。さらに、システム100は、固定システムである必要はなく、例えば、電気自動車、船舶などに設けられた可動システムでもよい。例えば、電気自動車を直接電力網から充電するときに、または電気自動車に貯蔵された電力をまた電力網に売り戻すときに、最も有益な電力の価格を提供するのに使用されてもよい。
【0028】
さらに、システム100は、電力網と負荷との間の電力計器103.1から103.Nのそれぞれを個別に接続するように構成されたスイッチングユニット102をさらに備える。したがって、スイッチングユニットは、電力計器103.1から103.Nのそれぞれと、運用接続状態であってもよい。スイッチングユニット102は、任意の特定の供給体制101からの任意の特定の電力フィード(矢印107で示される)を作動または停止させるために、例えば制御信号によって制御されてもよい。これは、例えば、負荷104と電力網との間の任意の特定の電力計器103.1から103.Nを接続または切断することにより、行われる。なお、スイッチングユニット102は、この特定の例において、電力網と電力計器103.1から103.Nとの間に示されているが、しかし、それは負荷104と電力計器103.1から103.Nとの間に位置されてもよいことに留意されたい。言い換えれば、電力供給制御システム100は、電気網(例えば、サプライヤー101とスイッチングユニット(102)との間の矢印で表される)と負荷との間に配置される。
【0029】
スイッチングユニット102は、本発明の例示的な実施形態に応じて、一つが電力計器のそれぞれに対応する、複数のスイッチング素子(
図2の102.1から102.N)を備える単一のスイッチングユニットであってもよい。さらに、電力計器103.1から103.Nは、単一のユニットに統合されてもよい。そして、単一の電力計器ユニットは、複数の異なる供給体制101に対し、消費された電気エネルギーを計測するのにふさわしい回路を備えていてもよい。言い換えれば、単一の電力計器ユニットは、複数の入力部(複数の供給体制101の各供給体制に対して一つ)と、負荷104に対する一つの出力部とを備えていてもよい。
【0030】
二つの供給体制間の切換えは、切換えのイベントの間において需要家に対する電力フィードの遮断がないことを確実にするために、二つの電力計器103.1、103.2に関連付けられた二つの供給体制が短い持続時間において電力を同時に提供しているように、行われ得る。これは、
図2に示される実施形態に従い、例えば、意図された申請に依存した短い持続時間、例えば、1から5秒以内(ミリ秒領域で)における導通状態において、二つの電力計器103.1、103.2に関連付けられたスイッチング素子102.1から102.Nの両方を有することによって、行われてよい。それは、スイッチングイベントの間の中間供給として機能するコンデンサをスイッチングユニット102内に有することによっても、行われてよい。
【0031】
システム100は、制御ユニット105、例えば、IOT(Internet of Things)制御ボックスをさらに備えており、それは、スイッチングユニット102を制御するように、すなわち、電気網と負荷104との間の各電力計器103.1から103.Nを効果的に接続または切断するように構成される。制御ユニット105は、システムにおける供給体制101のそれぞれに関連付けられているパラメータに関連するリアルタイムデータを取り出すために、遠隔データレポジトリ106と通信するための通信回路(矢印108で示される)も有する。これは、例えば、供給体制101のうちの一つまたは全部に対する現在の料金率のリアルタイム値を取得することを可能にする。
【0032】
制御ユニット105は、取得されたデータを比較するために、そして、結果および所定条件に基づきスイッチングユニット102を制御するため、例えば、複数の電力計器102.1から102.Nのうちの、最低または最高値を有するパラメータを有する供給体制101に関連付けられている電力計器を接続すること、の適切なソフトウェアまたはハードウェアをさらに含んでいてもよい。
【0033】
同様に、電力計器103.1から103.Nは、本出願において先に説明された第2のシナリオにより、供給源104(例えば、風車または住居用ソーラーパネルを有する農場)によって電力網101へ供給された電気エネルギーの量を計測してもよい。それから、矢印107は、単に逆方向を向いていてもよい。簡潔にするために、当業者は、第2のシナリオにおいて本発明概念がどのように適用されるのかを容易に理解し、これらの具体的な詳細なしで必要な情報を明細書から引き出すことができるものと想定する。
【0034】
次に、本発明の例示的な実施形態が、本発明概念をさらに明瞭にするために説明される。電力計器103.1から103.Nに関連付けられた種々のパラメータは、料金率として選ばれる。しかし、これは、本発明の範囲を限定するのではなく、代わりに、いくつかの実行可能なパラメータ、例えば、発電所の種類、発電所のロケーション、排出率、稼働状態などの単なる例と、解釈されるべきである。便宜上、各供給体制に関連付けられたパラメータの数は、この例においては、一つだけになるように選択される。そして、さらに、電力計器の接続または切断が基づいている所定条件は、最低の率であるように適切に選択される、すなわち、取り出されたリアルタイムデータの最低値に関連付けられた電力計器は、接続されるように選択され、他の電力計器は切断される。
【0035】
さらに、システムが動作可能であるとき、制御ユニットは、任意の所与の時点で最低料金率を判定するためにリアルタイムデータを解析するように構成されることができる。例えば、第1の電力計器103.1は変動料金率に関連付けられてよく、そして、電力の請求単位ごとの価格が、例えば、時間単位、日にち単位、週単位など、時間とともに変化することを意味する。第2の電力計器103.2は、固定料金率に関連付けられてよい。この例示的な実施形態において、システムにおける電力計器103.1から103.Nの数は、簡潔にするために、二つだけ、すなわち、N=2、になるように選択される。
【0036】
ここで、制御ユニット105は、これらの二つのパラメータ(料金率)のリアルタイム値を取得するために、または、少なくとも、変動料金率において、任意の所与の時点でどの値が最低である(すなわち、どの料金率が最廉価である)のかを判定するために二つの値を比較するために、無線通信リンク108を通じて、遠隔データレポジトリ106と通信する。固定率は、代替として、例えばユーザーインタフェースを介して、直接制御ユニットに提供されてもよく、制御ユニットのメモリユニット内に記憶されてもよい。そして、制御ユニットは、現在のより高いほうの料金率を有するサプライヤーからの供給を切断するために、かつ、現在のより低いほうの料金率を有するサプライヤーからの供給を接続するために、スイッチングユニット102を制御するように、さらに構成されてもよく、それによって、より高いほうの料金率を有する供給が現在有効な供給であった場合でも、需要家(負荷104)が最も費用効率の高い電力を受け取ることを保証する。負荷104は、家庭用住宅、オフィスビル、または任意の産業施設でよい。
【0037】
当業者によって容易に理解されるように、本発明概念は、二つだけの電力計器103.1、103.2を有するシステムと、各電力計器103.1、103.2に関連付けられた一つのスイッチング素子102.1、102.2と、を用いて実施可能である。しかし、二つよりも多い電力計器を有することもでき、その場合、例えば、一つは変動料金率を有し、他は異なる契約期間、例えば、2、3、5または10年の固定料金率を有する。さらに、それぞれ変動料金率に関連付けられているが、それぞれ異なる電力サプライヤーからの複数の電力計器を有することができる。例えば、請求単位ごとの価格が様々なサプライヤーからの変動料金率間で異なる場合、例えば、数ヶ月(または週、日、時間)の間はサプライヤーAが最低変動料金率を有するが、他の期間の間はサプライヤーBが最低変動料金率を有し、別の期間の間はサプライヤーCが最低変動料金率を有するなどである。
【0038】
本発明の理解を容易にするために、詳細な例が
図3を参照して提供される。
図3に示されるプロセス300は、種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた二つの電力計器を備える電力供給システムの例において適用可能である。供給体制Aと呼ばれる第1の供給体制は、電気が、排出値A1、既定の契約またはサブスクリプション期間による固定料金率A2を有する発電所において発生される場合における、電気サプライヤーである。第2の供給体制Bは、電気が、排出値B1、および時間ごとに変化する変動料金率B2を有する発電所において発生される場合における、電気サプライヤーである。そして、システムの制御ユニット105には、所定条件301が提供され、それは、最低排出値を有する供給体制の料金率が他の供給体制の料金率よりも1.3倍より大きくない限り、最低排出値を有する供給体制に関連付けられた電力計器を有効化する(または接続する)ものとする。制御ユニット105には、例えば、制御ユニット上、または制御ユニット105に接続されたウェブサイト上、に設けられたユーザーインタフェースによって、矢印310で示されるように、この、需要家により予め規定された条件が提供され得る。さらに、制御ユニット105は、矢印311によって示されるように、二つの供給体制AおよびBに関連付けられたパラメータに関連するリアルタイムデータを遠隔データレポジトリ106から取り出す。
【0039】
次に、制御ユニット105は、所定条件301に従って、どちらの値が最低値であるかを判定するために、異なる排出値A1およびB1を比較する302。これは制御ユニット105内の適宜に設計されたハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せによって実施されることができ、簡潔にするために、より詳細には説明されないが、しかし、具体的な詳細のうちの一つ以上もなしに、本発明が実施され得ることを当業者は容易に認識するであろう。
【0040】
第1の可能なシナリオにおいて、A1はB1よりも低いとみなされ、そして、制御ユニットは所定条件301に従って二つの料金率を比較する303、すなわち、供給体制Aの料金率A2を供給体制Bの料金率B2と比較するが、供給体制Bの料金率B2には1.3の倍率が乗算されている。したがって、サプライヤーAの料金率A2が供給体制Bの料金率B2の1.3倍未満(または等しい)ならば、制御ユニット105は、供給体制Aに関連付けられた電力計器を有効化すべき、すなわち、電力網と負荷との間に接続されるべきと判定する。
【0041】
二つの供給体制(AまたはB)のうちのいずれの一方が現在有効化しているものであるか、すなわち、二つの電力計器のうちのいずれの一方が電力網と負荷との間に現在接続されているのかということに基づき、制御ユニットは、切換えを実施する(Bが現在有効である場合)ために制御信号を供給するか、または何もしない(Aが現在有効である場合)かのいずれかを行ってもよい。
【0042】
しかし、料金率の比較303が別の結果をもたらした場合、すなわち、料金率A2倍が料金率B2の1.3倍よりも大きく、A2がより低い排出率に関連付けられていることは重要ではない場合、制御ユニットは供給体制Bが有効化しているべき、すなわち、供給体制Bに関連付けられた電力計器が所定条件301に従って接続されるべきと判定するであろう。
【0043】
同様に、供給体制Bが二つの排出値A1、B1のうちの最低排出値B1を有すると判定された場合、制御ユニットは、所定条件301に従って、二つの取り出された料金率A2、B2に対する比較304に基づき、二つの電力計器のうちのいずれの一つが接続されるべきかを判定してもよい。したがって、環境に配慮している需要家には、それらの電力供給についての操作に関する非常に動的な選択肢が提供され、それは、各特定な需要家向けに容易に設定可能である。しかし、これは、本発明がどのように利用され得るかの単に一つの例示的な実施形態に過ぎない。プロセス300における一つのステップを省略するために、排出率A1、A2を、例えば、ユーザーインタフェースを介して制御ユニットに直に提供するなどといったような、明らかな代替事項および変更は、本発明の範囲内に含まれるとみなされなければならない。さらに、等しい排出値を有するシナリオは、簡潔にするために省略されたが、しかし、当業者が容易に理解するように、所定条件がそのようなシナリオを補償するように、例えば、等しい排出値を有する供給体制の料金率をその時に直接比較するように、容易に適合され得る。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態における方法を示すために、フローチャート400を示す。まず、種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた、少なくとも二つの電力計器が設けられる401。次に、スイッチングユニットが少なくとも二つの電力計器に接続される401。スイッチングユニットは、電力網と負荷との間の少なくとも二つの電力計器のそれぞれを個別に接続するように構成される。したがって、スイッチングユニットは、少なくとも二つのスイッチでよく、その場合、各スイッチが少なくとも二つの電力計器のそれぞれと電力網との間に配置されるか、または、少なくとも二つの電力計器のそれぞれと負荷との間に配置される。スイッチングユニットは、代替として、当技術分野で周知の継電器でもよい。
【0045】
さらに、所定条件が、例えば、ユーザーまたはオペレーターによって設定される403。条件は、例えば、電力の最大出力を有する供給体制を選択することでもよく、異なる供給体制間において、その時に異なる一つのパラメータであり、このパラメータのリアルタイム値が、供給体制のそれぞれに対して取り出されてもよい。他の実行可能なパラメータは、以前に説明されたように、料金率、排出率などでよい。
【0046】
次に進むと、遠隔データレポジトリからのリアルタイムデータが取り出される404。そして、リアルタイムデータは、結果的に、異なる供給体制のそれぞれに対する電力出力を表す定量値でよい。これは、例えば、複数の供給体制に対して、負荷を均一に分配するために用いられてもよい。次に、このリアルタイムデータおよび所定条件に基づき、制御信号が、適切な電力計器を接続し他の電力計器を切断するようにスイッチングユニットを制御するために、供給される405。制御信号が供給された404とき、正しい電力計器がすでに接続されていた場合、これは単に、スイッチングユニットの構成が維持されたという結果となり、代わって適切な電力計器が接続されなかった場合は、スイッチングイベントが有効になるということが、容易に理解される。
【0047】
本発明は、ここでは、具体的な実施形態を参照して説明されている。しかし、電気モータ制御システムのいくつかのバリエーションが実現可能である。例えば、制御ユニットには、すでに例示されたように、パラメータのうちのいくつかに対して、時間とともに変化しない固定値が設定されてもよい。さらに、制御器は、例えば、ウェブインタフェースから遠隔で設定されてもよい。そのような、および他の明らかな変更は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内にあるとみなされなければならない。上述の実施形態は、本発明を限定するのではなく、当業者が添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替実施形態を設計することができることを示していることに留意されたい。特許請求の範囲において、かっこの間に配置された任意の参照符号は、当該請求項を限定するものと解釈してはならない。「備える(comprising)」という単語は、当該請求項に列記されたもの以外の要素またはステップの存在を除外しない。要素に先行する「一つの(a)」または[一つの(an)]という単語は、複数のそのような要素の存在を除外しない。
【手続補正書】
【提出日】2018年6月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷および供給源のうちの少なくとも一方を電気網に接続するための電力供給制御システムであって、前記システムは、
種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた少なくとも二つの電力計器と、
前記電気網と前記負荷/前記供給源との間の前記少なくとも二つの電力計器のうちの各電力計器を個別に接続するように構成されたスイッチングユニットと、
前記スイッチングユニットと運用接続状態であって、各電力計器を接続または切断するために、前記スイッチングユニットを制御するように構成された制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記パラメータのうちの少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを取得するために、遠隔データレポジトリと通信するための通信回路を備え、
前記制御ユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、構成される
電力供給制御システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、任意の所与の時点において、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、さらに構成される
請求項1に記載の電力供給制御システム。
【請求項3】
前記制御ユニットは、シームレスな切換えを達成するために、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを、他の電力計器を切断する前に接続するように、さらに構成される
請求項1または2に記載の電力供給制御システム。
【請求項4】
前記少なくとも二つの電力計器は、単一のユニットに統合されている
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電力供給制御システム。
【請求項5】
前記種々のパラメータは異なる料金率であり、前記少なくとも一つの所定条件のうちの一つは最低値を選択することである
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電力供給制御システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、異なる種類のエネルギー供給源に関連付けられた排出値を含むデータベースを備えたメモリユニットを備え、前記種々のパラメータは、エネルギー供給源の種類であり、前記少なくとも一つの所定条件のうちの一つは、前記データベースから取り出された最低排出値でエネルギー供給源を選択することである
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電力供給制御システム。
【請求項7】
種々のパラメータを有する異なる供給体制にそれぞれ関連付けられた少なくとも二つの電力計器と、電気網と負荷/供給源との間の前記少なくとも二つの電力計器のうちの各電力計器を個別に接続するように構成されたスイッチングユニットと、を備える電力供給制御システムにおける、前記負荷および前記供給源のうちの少なくとも一方を前記電気網に接続するための方法であって、前記方法は、
前記パラメータのうちの少なくとも一つに関連するリアルタイムデータを遠隔データレポジトリから取り出すステップと、
前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、一つの電力計器を接続して他の電力計器を切断するために、前記スイッチングユニットを動作させるステップと、
を備える方法。
【請求項8】
前記スイッチングユニットは、前記リアルタイムデータおよび少なくとも一つの所定条件に基づき、任意の所与の時点において、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを接続して他の電力計器を切断するように、操作される
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
シームレスな切換えを達成するために、前記少なくとも二つの電力計器のうちの一つを、他の電力計器を切断する前に接続するステップ
をさらに備える請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記種々のパラメータは異なる料金率であり、前記少なくとも一つの所定条件のうちの一つは最低値を選択することである
請求項7ないし9のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】