特表2018-537957(P2018-537957A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-537957エアロゾル発生物品およびこうしたエアロゾル発生物品を製造するための方法、エアロゾル発生装置およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537957(P2018-537957A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品およびこうしたエアロゾル発生物品を製造するための方法、エアロゾル発生装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20181130BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A61M15/06 A
   A61M15/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-518639(P2018-518639)
(86)(22)【出願日】2016年10月21日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月10日
(86)【国際出願番号】EP2016075315
(87)【国際公開番号】WO2017068099
(87)【国際公開日】20170427
(31)【優先権主張番号】15190942.1
(32)【優先日】2015年10月22日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】ロホ−カルデロン ノエリア
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC06
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC32
4B162AC41
4B162AE02
(57)【要約】
エアロゾル発生物品(10)は長軸方向の延長部を持ち、長軸方向の延長部に沿って延びるエアロゾル発生基体(20、21)および長軸方向の延長部に沿って延びるサセプタ材料(30、31)を含む。エアロゾル形成基体(20、21)およびサセプタ材料(30、31)は、押出成形物の長さに沿って同一の断面形状を持つ押出成形物を形成する。また、装置ハウジング(70)の近位端から延びる支持要素(8)を備えた装置ハウジング(70)を備えるエアロゾル発生装置が開示されている。支持要素(8)は、エアロゾル形成基体(20、21)およびサセプタ材料(30、31)を含むエアロゾル発生物品(10、12)を受けるように適合される。装置のマウスピース(71)は、支持要素(8)に取り付けられたエアロゾル発生物品(10、12)を含む支持要素(8)を収容するくぼみを備える。インダクタ(703)は、使用時にエアロゾル発生物品(10、12)のサセプタ材料(30、31)に誘導結合されうる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長軸方向の延長部を持つエアロゾル発生物品であって、前記物品が前記長軸方向の延長部に沿って延びるエアロゾル発生基体と、前記長軸方向の延長部に沿って延びるサセプタ材料とを備え、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料が、前記押出成形物の長さに沿って同一の断面形状を持つ押出成形物を形成する、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品の前記長軸方向の延長部に沿って配置されたひも要素を備える、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記ひも要素が、前記ひも要素の伸びが20ニュートンの荷重下で1ミリメートル毎メートル未満となるような引張強さを持つ、請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記エアロゾル形成基体および前記サセプタ材料が中空形状で、中空の押出成形物を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記エアロゾル形成基体が、前記中空形状のサセプタ材料の内側、または前記中空形状のサセプタ材料の外側、または前記中空形状のサセプタ材料の前記内側および前記外側を覆う、請求項4に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記サセプタ材料が少なくとも2つのサセプタセグメントの形態であり、また前記少なくとも2つのサセプタセグメントが、前記エアロゾル発生物品の前記長軸方向の延長部に沿って、長軸方向に相互に離れて配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記押出成形物の壁厚が1ミリメートル〜7ミリメートルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
カバー材料をさらに含み、前記カバー材料が前記エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に覆う、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記カバー材料が前記エアロゾル発生物品の外側を覆う多孔性材料層であるか、または前記エアロゾル発生物品の外側を包む多孔性のエンベロープである、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
エアロゾル発生装置であって、
−装置ハウジングの近位端から延びる支持要素を備えた前記装置ハウジングであって、前記支持要素がエアロゾル形成基体およびサセプタ材料を含むエアロゾル発生物品を受けるように適合されているものと、
−前記支持要素に取り付けられたエアロゾル発生物品を含めて、前記支持要素を収容するような形状の内部表面を持つくぼみを備えるマウスピースと、
−使用時に前記エアロゾル発生物品の前記サセプタ材料と誘導結合された負荷ネットワークのインダクタとを備える、エアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記支持要素が前記装置の長軸方向軸に対して回転対称形状を持つ、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記マウスピースが前記マウスピース内の気流経路内に配置された気流変更要素を含む、請求項10〜11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
エアロゾル発生物品を製造する方法であって、前記方法が押出装置のダイ開口部を通してエアロゾル形成基体およびサセプタ材料を同軸的に押し出し、前記エアロゾル形成基体および前記サセプタ材料を含む押出成形物を形成する工程を含む、方法。
【請求項14】
連続的なひも材料を前記エアロゾル形成基体および前記サセプタ材料と一緒に同軸的に押し出す工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
エアロゾル発生システムであって、
−請求項10〜12のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置と、
−前記エアロゾル発生装置の支持要素に取り付けられたエアロゾル形成基体およびサセプタ材料を含むエアロゾル発生物品と、
−負荷ネットワークに接続された電源であって、前記負荷ネットワークが前記エアロゾル発生物品の前記サセプタ材料に誘導結合されるためのインダクタを備えるものとを備えた、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品およびこうしたエアロゾル発生物品を製造するための方法に関連する。本発明はまた、エアロゾル発生物品を使用したエアロゾル発生装置およびシステムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
電子加熱装置で使用するための様々なエアロゾル発生物品が周知である。エアロゾル発生物品は、装置内の発熱体によって加熱されるエアロゾル形成基体を備える。通常プラグを加熱するためにたばこプラグの中へと加熱用ブレードが挿入される。加熱用ブレードはプラグの周辺部分上では限られた加熱効果しか持たず、一方で中央部分は過熱状態になる傾向がある。それゆえ、エアロゾル発生物品の廃棄の際も依然として未使用のたばこ基体を含んでいる場合がある。加えて、発熱体とエアロゾル形成基体の間の接触は不十分であることが多いため、エネルギー効率は低い。
【0003】
従って、材料の浪費を低減することが可能なエアロゾル発生物品の必要性がある。加えて、物品が使用されるエアロゾル発生装置およびシステムのエネルギー効率を改善できる、エアロゾル発生物品を効率的に製造するための方法があれば望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によれば、長軸方向の延長部を持つエアロゾル発生物品が提供されている。物品は、長軸方向の延長部に沿って延びるエアロゾル発生基体および長軸方向の延長部に沿って延びるサセプタ材料を含む。エアロゾル形成基体およびサセプタ材料は、押出成形物の長さに沿って同一の断面形状を持つ押出成形物を形成する。
【0005】
エアロゾル発生基体およびサセプタ材料は、実質的にエアロゾル発生物品の長軸方向の延長部全体に沿って延びる。これらは、エアロゾル発生物品の長軸方向の延長部の少なくとも75パーセントに沿って延びることが好ましく、長軸方向の延長部の少なくとも80パーセントに沿って延びることがより好ましい。エアロゾル発生基体およびサセプタ材料は、エアロゾル発生物品の長軸方向の延長部全体に沿って延びうる。従って、共押出されたエアロゾル形成基体およびサセプタ材料によって形成された押出成形物の長さは、エアロゾル発生物品の長軸方向の延長部の少なくとも75パーセントに対応することが好ましく、エアロゾル発生物品の長軸方向の延長部全体の少なくとも80パーセントに対応することがより好ましく、またはエアロゾル発生物品の長軸方向の延長部全体に対応する。
【0006】
エアロゾル発生物品、または少なくともエアロゾル発生に関連する物品の部分―すわなち、エアロゾル形成基体で覆われるサセプタ材料―は、共押出プロセスによって製造される。一般に押出プロセスでは、材料は、材料を適切な形状のダイ開口部を強制的に通すことで、例えば繊維、シート、パイプまたはこれに類するものなど、連続的な形態(「押出成形物」)に成形される。押出成形物の特性は、押出成形物の断面形状がダイの形態全体で一定であることである。従って、本発明では、外部の形態、例えば外径、および中空の押出成形物の場合の内部の形態、例えば内径は、押出成形物の長さに沿って一定かつ同一である。
【0007】
断面が押出成形物の長さに沿って同一であることも好ましい。ところが、断面はまたエアロゾル発生物品内のサセプタ材料の配置に応じて押出成形物の長さに沿って変化することがあるが、これについては下記に詳細に説明する。
【0008】
押出は、エアロゾル形成物品の大量生産を可能にする信頼性および一貫性のある製造工程である。例えば、連続的なエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体およびサセプタ材料の共押出によって形成されうる。次に、連続的な物品は、望ましい長さの個々の物品に切断されうる。加えて、押出プロセスにより、多種多様の断面形状を持つ押出成形物の製造が許容される。
【0009】
押出プロセスにより、非常に均質でありかつ非常に低い製作許容差を持つエアロゾル発生物品の製造が許容される。特に、本発明によるエアロゾル発生物品の製造に使用されることが好ましい冷間押出により、非常に精密な許容差、押出成形物の良好な表面仕上げおよび高速の押出速度が許容される。
【0010】
サセプタ材料およびエアロゾル形成基体の同軸押出は、基体とサセプタの間の非常に接近しかつ直接的な物理的接触を提供する。従って、サセプタから基体への熱伝達が最適化される。密接な接点は、エアロゾル形成基体全体において非常に均一な温度プロフィールにつながりうる。こうして、基体の効率的な使用により基体の総量が減少されうる。結果として、材料およびコストの浪費が減少されうる。なおさらに、エアロゾル形成基体の過熱を防ぐことができるので、基体の燃焼および形成される燃焼生成物が減少または防止されうる。加熱エネルギーの量が減少されうるので、それは特に、装置の長い動作時間の観点から、または電子加熱装置の電池容量または電池サイズの観点から有利でありうる。熱伝達の改善および大きい接触面積は、エアロゾル形成基体のより早い加熱にもつながる場合があり、それゆえ使用する準備が整うまでの装置に必要な始動時間をより短くし、エネルギーを少なくすることにもつながる。
【0011】
サセプタのデザインおよび配置に応じて、またエアロゾル形成基体の組成物および量に応じて、用量の計画は、例えば、特定の消費体験を達成するためなどユーザーのニーズに従い選択および変化しうる。特定の消費体験は、例えば、サセプタの配置を変化させることにより、加えてまたはその代わりに、例えばエアロゾル形成基体の量または組成物を変化させることにより、変化しうる。用量の計画は、例えば、例えば1回以上の消費体験について、所定数の吸煙に相当する分を発生するように選択されうる。従って、消費は最適化され、浪費が回避または低減されうる。
【0012】
誘導加熱可能なエアロゾル形成物品のこの変動性および融通性により、広範囲かつ排他的な消費体験のカスタム化が許容される。
【0013】
押出は、非常に一貫性がありかつ再現可能な様式で実施されうるため、サセプタ材料およびエアロゾル形成基体の押出成形物を含む、またはそれらから成るエアロゾル発生物品は、非常に均一なエアロゾル送達プロフィール、加えてまたはその代わりに、再現可能なエアロゾル送達プロフィールを持ちうる。従って、消費体験中の吸煙間でのエアロゾル形成の一貫性と、消費体験間での再現性とを改善することが可能である。加えて、またエアロゾル発生物品の異なる個々の部分のみを加熱する時(セグメント化された加熱)、すなわち、サセプタ材料のセグメントのみを加熱する時に、均質または一貫したエアロゾル発生が提供されうる。
【0014】
本発明によるエアロゾル発生物品と共に使用するためのエアロゾル発生装置は、誘導加熱をするよう適合されうる。例えば、装置には、インダクタを含む電子装置および負荷ネットワークが提供されうる。したがって、例えば、加熱ブレードを備える従来のように加熱される装置よりも必要な電力が少なくて済み、かつ、無接触式加熱の全ての利点(例えば、加熱ブレードが壊れることがなく、発熱体の残留物がなく、発熱体およびエアロゾル形成物質から電子装置が分離されており、また装置の掃除が容易である)を与えうる、そのような装置が製造されうる。特に、本発明によるエアロゾル発生物品と組み合わせて使用する装置の性能は、各々の新しいエアロゾル発生物品と共に提供される「新鮮な」発熱体により向上されうる。発熱体上には、消費体験の品質および一貫性にマイナスの影響を与える可能性のある残留物は蓄積しえない。
【0015】
本発明によるエアロゾル発生物品は、ひも要素を備えうる。ひも要素は、エアロゾル発生物品の長軸方向の延長部に沿って配置される。ひも要素は、有利なことにサセプタ材料とエアロゾル形成基体の間に配置されたサセプタ材料の外側に放射状に配置されることが好ましい。ひも要素は、エアロゾル形成基体内に包埋されうる。ひも要素は、押出成形物の全長に沿って延びることが好ましい。
【0016】
ひも要素は、押出プロセスを保持および制御するために提供されうる。ひも要素は、エアロゾル発生物品の製造中および製造後の押出成形物の伸びを最小化または回避しうる。
【0017】
ひも要素は、押出プロセスのための連続的なひも材料として提供されることが好ましい。ひも要素は、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料と共に共押出される。
【0018】
ひも要素は、ひも要素の伸びが20ニュートンの荷重下で1ミリメートル毎メートル未満である、好ましくは0.5ミリメートル毎メートル未満であるように、引張強さを持つことが好ましい。
【0019】
ひも要素は、110Mpaを越える、好ましくは200Mpaを越える引張強さを持つことが好ましい。
【0020】
ひも要素は、例えば、丸いまたは平坦な断面を持ちうる。丸い断面は、例えば、0.1mm〜1.1mmの直径、好ましく0.2mm〜0.5mmの直径を持ちうる。平坦な断面は、例えば、1:2〜1:10の辺の比を有しうるが、大きい方の寸法が0.5mm〜2.3mmであることが好ましく、0.5mm〜1.2mmが好ましい。
【0021】
原則として、本明細書を通して値が述べられる時はいつでも、その値が明示的に開示されることが理解される。しかし、値は技術的考慮のために厳密に特定の値ではなくてもよいことも理解される。値は、例えば、厳密な値±20パーセントに対応する値の範囲を、含んでいてもよい。
【0022】
ひも要素は、例えば、フィラメントまたは糸としうる。
【0023】
ひも要素は、例えばセルロース、綿、ラインまたは竹などの天然繊維を備えるか、またはそれらにより作製されうる。
【0024】
ひも要素は、例えば、ステンレス鋼繊維などの金属繊維を備えるか、またはそれらにより作製されうる。
【0025】
ひも要素は、グラフェン繊維または上記で言及した繊維材料の任意の組み合わせを含む炭素繊維を備えるか、またはそれらにより作製されうる。
【0026】
繊維は、5μm〜250μmの範囲、好ましくは20μm〜80μmの範囲の厚さを持ちうる。繊維は、天然繊維について0.3g/cm3〜9g/cm3の範囲、好ましくは0.3g/cm3〜1g/cm3の範囲の繊維密度を持ちうる。金属がひも要素用に使用される場合、ひも要素は、単一のワイヤー、例えばステンレス鋼ワイヤーで作製されうる。金属ひも要素は、例えば複数のワイヤーのひもでもよく、例えば、引張強さを向上させつつ、好ましくは上記で指定された低い範囲に伸びを保つ任意の標準パターンで編組みまたは製織しうる。
【0027】
エアロゾル形成基体およびサセプタ材料、およびこれらの材料により形成された押出成形物は、基本的に共押出プロセスで製造されうる任意の形状を持ちうる。形状は、広い表面積を提供するように選択されることが好ましい。形状は、単純なダイ形状を提供する単純な形状であることが好ましい。押出成形物の形状は、押出成形物の長軸方向軸に対して回転対称であることが好ましい。
【0028】
エアロゾル形成基体およびサセプタ材料は、中空の、好ましくは管状の押出成形物を形成する、中空の、好ましくは管状の形状を持ちうる。中空の形状は、広い表面積と、サセプタ材料およびエアロゾル形成基体の間の広い界面とを提供する。特に、中空の形状は、エアロゾル形成基体によって形成される内側および外側が提供しうる。例えば、中空形状のサセプタ材料は、中空形状のサセプタ材料の外側で、内側で、または外側および内側の両方で、エアロゾル形成基体で覆われうる。
【0029】
押出成形物は円筒形状を持つことが好ましい。
【0030】
「円筒形」という用語は、本明細書では「実質的に円筒形」も含めて使用される。「円筒形」は、円形、長円形または楕円形または実質的に円形、実質的に長円形または実質的に楕円形の断面の円筒の形状を持つ形態を含むことが理解される。これらの異なる形状の押出成形物の様々な組み合わせおよび配置が可能である一方、好ましい実施形態では、押出成形物は円形断面を持つ円筒の形状を持つ。円筒形状の押出成形物ではまた、サセプタ材料およびエアロゾル形成基体は円形断面の円筒形状を持つことが好ましい。
【0031】
サセプタ材料は、押出成形物の長さに沿って配置された連続的または不連続的な材料としうる。
【0032】
サセプタ材料は、サセプタ材料の間にギャップが提供されている連続材料としうる。ギャップは、サセプタ材料内に、かつ押出成形物の長さに沿って、好ましくは等距離で配置されうる。ギャップが提供された連続的なサセプタ材料は、例えば、押出成形物に沿って配置されたらせん状のサセプタ材料としうる。
【0033】
不連続的なサセプタ材料は、例えば、個々のサセプタセグメントの形態としうる。少なくとも2つのサセプタセグメントは、エアロゾル発生物品の長軸方向の延長部に沿って、長軸方向に相互に距離をおいて配置されうる。すなわち、サセプタセグメントは隣接するサセプタセグメントとの間にギャップを含む。
【0034】
異なるサセプタセグメントおよびサセプタ材料の間に配置されたギャップにより、エアロゾル形成基体のセグメント化された加熱が許容される。セグメント化により、限定的な領域が加熱されるように画定でき、周辺の要素および材料との干渉が制限される。サセプタ材料内のギャップにより、隣接する2つのサセプタセグメントの間の領域でのエアロゾル形成基体の過熱が阻止されうる。異なるサセプタセグメントは、相互に電気的に絶縁される。
【0035】
ギャップのサイズは、消費体験の品質および関連するエアロゾルの送達がマイナスの影響を及ぼさないように、かつエアロゾル形成基体の浪費が最小化または回避されるように選択されることが好ましい。
【0036】
1つ以上のサセプタセグメントは、同時に加熱されうる。セグメントは、所定時間の間、および望ましい順序に従い、連続的に加熱されうる。
【0037】
サセプタ材料は、例えば、誘導コイルのセットによって加熱されうる。誘導コイルのセットは、エアロゾル発生物品内に含まれているサセプタセグメント数と、あるいは加熱されることになるエアロゾル形成基体の部分数と、同一数の誘導コイルを備えることが好ましい。そして、それぞれの誘導コイルは、1つのサセプタセグメントを加熱するように提供されることが好ましい。
【0038】
セグメント化された加熱がエアロゾル発生装置内で利用できる場合、サセプタ材料、特に本発明によるエアロゾル発生物品の個々のサセプタセグメントは、区分された様式で加熱されうる。これは、例えば、ある一定の消費体験を達成するように、または加えてまたはその代わりに、1回、2回またはそれを越える吸煙に従い一貫したエアロゾル形成を達成するように、連続的に実施されうる。
【0039】
一般に、サセプタは、電磁エネルギーを吸収し、それを熱に変換することができる材料である。交流電磁場内に位置する時、典型的にはサセプタ内で渦電流が誘導され、かつ、ヒステリシス損失が生じ、これがサセプタの加熱の原因となる。1つまたはいくつかのインダクタ、例えば、誘導加熱装置の誘導コイルによって発生した電磁場を変化させることで、サセプタを加熱する。次に、加熱サセプタは、エアロゾルが形成されるように、周囲のエアロゾル形成基体に、主に熱伝達によって熱を伝達する。こうした熱の伝達は、サセプタが、例えば、エアロゾル形成基体のたばこ材料およびエアロゾル形成体と密接な熱的接触状態にある、好ましくは直に物理的に接触している場合に最適である。押出プロセスによって、サセプタとエアロゾル形成基体の間の密接な界面が形成される。
【0040】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されうるあらゆる材料から形成されうる。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含んでよく、またはその強磁性材料からなってよい。適切なサセプタはアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでよい。好ましいサセプタは250℃を超える温度に加熱されうる。
【0041】
好ましいサセプタは、金属サセプタ、例えばステンレス鋼である。ただし、サセプタ材料には、グラファイト、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケル−クロム基超合金)、金属化フィルム、例えばジルコニアなどのセラミック、例えば、Fe、Co、Niなどの遷移金属、例えばB、C、Si、P、Alなどの半金属元素も含まれうる。
【0042】
サセプタはまた、多材料サセプタであってよく、かつ、第1サセプタ材料と第2サセプタ材料を含んでよい。第1サセプタ材料は第2サセプタ材料と物理的に密着した状態で積層される。第2サセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点よりも下であることが好ましい。第1サセプタ材料は、主に、揺動電磁場にサセプタが配置される時にサセプタを加熱するために使用されることが好ましい。あらゆる適切な材料を使用してよい。例えば、第1サセプタ材料はアルミニウムであってよく、またはステンレス鋼などの鉄材料であってよい。その第2サセプタ材料は、主に、特定の温度であって、その第2サセプタ材料のキュリー温度であるその温度にサセプタが達した時を示すために使用されることが好ましい。その第2サセプタ材料のキュリー温度を使用して操作中にサセプタ全体の温度を調節することができる。第2サセプタ材料の適切な材料にはニッケルおよびある特定のニッケル合金が含まれうる。
【0043】
少なくとも第一および第二のサセプタ材料を持つサセプタを提供することにより、エアロゾル形成基体の加熱および加熱の温度制御が分離されうる。第2サセプタ材料は所望の最大加熱温度と実質的に同じである第2キュリー温度を有する磁性材料であることが好ましい。すなわち、その第2キュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。
【0044】
エアロゾル発生物品内のサセプタの長軸方向の延長部または長さは、例えば4mm〜20mm、好ましくは4mm〜14mmとしうる。サセプタ材料の横方向の延長部または直径は、例えば、4mm〜9mm、好ましくは4mm〜7mmとしうる。
【0045】
サセプタ材料が、エアロゾル発生物品のセグメント化された加熱のために2つ以上のセグメントを備える場合、セグメントの長さは0.7mm〜10mmの範囲としうる。隣接するサセプタセグメントの間のギャップは、セグメントの長さの最高3倍までとしうる。
【0046】
サセプタ材料は、シート様の材料、例えば、箔、メッシュまたはウェブなどとしうる。箔は、例えば、固体金属箔としうる。メッシュまたはウェブは、例えば、製織、不織布または編組みの繊維、例えば強磁性繊維から作製された材料としうる。
【0047】
不織布シート材料は、例えば、医療用ステンレス鋼繊維(例えばグレード316および430)から作製されうる。有利なことに、不織布材料の繊維直径は、20μm〜0.7mmである。不織布シート材料は、30g/m2〜220g/m2、好ましくは50g/m2〜100g/m2の重量、および有利なことに0.06mm〜1.1mm、好ましくは0.06mm〜0.5mm、より好ましくは0.075mm〜0.25mmの厚さを持つことが好ましい。
【0048】
シート材料の編組みに編組みワイヤー、例えば、ステンレス鋼ワイヤーを使用する時は、不織布シート材料について説明したものと類似した密度を得るために基本的に任意の編組みパターンを適用しうる。編組みシート材料では、20μm〜0.75mm、より好ましくは80μm〜0.3mmの直径を持つ繊維が使用されることが好ましい。
【0049】
本発明によるエアロゾル発生物品で物品の押出時に使用されるサセプタ材料としての製織、不織布または編組みの繊維、メッシュおよびウェブは、押出中および押出後に、エアロゾル形成基体が隙間に、特にサセプタ材料の周辺の繊維に貫通できるようにする。従って、サセプタ材料はエアロゾル形成基体内に包埋され、広くかつ強力な界面および良好な熱接触が提供される。
【0050】
小さなまたは大きな隙間を持つメッシュまたはウェブなどの多孔性のサセプタ材料は一般に、エアロゾル形成基体内へのサセプタ材料の包埋を促進する。
【0051】
「エアロゾル形成基体」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱または燃焼によって放出されてもよい。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合では、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体であってもよい。エアロゾル形成基体は例えば均質化した植物由来材料などの植物由来材料を含んでもよい。植物由来材料は例えば均質化したたばこ材料などのたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも1つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンならびにその他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこ含有基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、スラリーの形態で提供されうる。
【0052】
たばこ含有スラリーおよびたばこ含有スラリーから作られるエアロゾル形成基体は、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤、および例えばさらに風味を含む。基体は、たばこ含有スラリーから形成される再構成たばこの一形態であることが好ましい。
【0053】
たばこ粒子は、望ましい被覆厚さに応じて、30μm〜250μm程度、好ましくは30μm〜80μm程度、または100μm〜250μm程度の粒子を持つたばこダストの形態のものであってよい。
【0054】
繊維粒子にはたばこ茎材料、葉柄または他のたばこ植物材料、および低リグニン含量を有する木質繊維などの他のセルロース系繊維が含まれうる。繊維粒子は、低含有率、例えば、約2%〜15%の間の含有率に対して十分な引張強さを押し出された基体にもたらすという要求に基づいて選択されうる。あるいは、植物繊維などの繊維を上記の繊維粒子と共に使用してもよいし、または別法で使用してもよいが、これには大麻および竹が含まれる。
【0055】
エアロゾル形成基体を形成するためのスラリーに含まれるエアロゾル形成体は、1つ以上の特徴に基づいて選ばれてもよい。機能的には、エアロゾル形成体は、そのエアロゾル形成体の特定の気化温度を超えて加熱された時、そのエアロゾル形成体を気化させ、かつ、ニコチンまたは風味剤または両方をエアロゾルの状態で運ぶメカニズムを提供する。異なるエアロゾル形成体は通常、異なる温度で気化する。エアロゾル形成体は、例えば室温またはその付近で安定性を保つが、高めの温度、例えば40℃〜450℃などで気化できるその能力に基づき選択されうる。エアロゾル形成体はまた、基体がたばこ粒子を含むたばこ由来の製品で構成されている時にエアロゾル形成基体内に望ましいレベルの水分を維持するのに役立つ、湿潤剤タイプの属性を持ちうる。特に、一部のエアロゾル形成体は、湿潤剤として機能する吸水性材料、すなわち、基体が湿潤剤を含んだ状態に保つのに役立つ材料である。
【0056】
エアロゾル形成基体を含むたばこ中の湿潤剤の含有量は、15パーセント〜35パーセントの範囲であることが好ましい。
【0057】
1つ以上のエアロゾル形成体を組み合わせてそれらの組み合わせたエアロゾル形成体の1つ以上の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの保湿性を利用するためにトリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせてもよい。
【0058】
エアロゾル発生基体は、乾燥質量基準で約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体含有量を持っていてもよい。好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は乾燥質量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体の含有量を持つ。
【0059】
エアロゾル形成体はポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、および脂肪酸から選択されてよく、かつ、次の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ−エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリル酸、ミリスチン酸、およびプロピレングリコールのうちの1つ以上を含んでよい。
【0060】
エアロゾル形成基体を含有するたばこのためのスラリーを生成する典型的なプロセスは、たばこを調整する工程を含む。このために、たばこは細かく切られる。細かく切られたたばこは次に、その他の種類のたばこと混合され粉砕される。通常、その他の種類のたばこは、バージニア種またはバーレー種などその他のタイプのたばこであり、または例えば違う方法で処理したたばこでもよい。混合および粉砕の工程は切り替えうる。繊維は別個に準備され、溶液の形態のスラリー用に使用されるなどが好ましい。繊維は主に、基体に安定性を提供するためにスラリー内に存在するので、繊維量は減少されてもよく、あるいは繊維は、エアロゾル形成基体がサセプタによって安定化されるのでむしろ省かれてもよい。
【0061】
存在する場合、繊維溶液および準備したたばこが次に混合される。次に、スラリーが押出装置に移動される。押出装置のそれぞれのダイを通して押し出された後で、押出成形物は、好ましくは熱によって乾燥され、乾燥後に冷却される。
【0062】
たばこ含有スラリーは均質化たばこ材料を含み、エアロゾル形成体としてグリセリンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体の被覆は、上述の通りたばこ含有スラリーで作製されることが好ましい。
【0063】
エアロゾル形成基体は、たばこ材料およびエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0064】
有利なことに、エアロゾル形成基体は、多孔性であり、揮発した物質が基体を離れることができる。サセプタとエアロゾル形成基体の間の広い接触面積のため、例えば、加熱用ブレードによって加熱されるエアロゾル形成基体と比較して、少量の基体のみがサセプタによって加熱されなければならないように基体は薄い厚さを持ちうる。従って、空隙率を全く持たない、またはほんのわずかしか持たない基体も使用されうる。薄い厚さを持つ基体は、例えば、厚い厚さを持つ基体よりも少ない空隙率を持つように選択されうる。
【0065】
エアロゾル形成基体の厚さは、0.1mm〜4mm、好ましくは0.2mm〜2mmとしうる。
【0066】
エアロゾル形成基体の、例えば、組成物、密度、空隙率または厚さは変化しうる。エアロゾル形成基体を変化させることにより、エアロゾル化は、所定の誘導加熱装置について変化および制御されうる。また、例えば、ニコチンまたは風味などの異なる物質の送達も、所定の誘導加熱装置について変化および制御されうる。特に、性能がカスタマイズされたエアロゾル発生システムが提供されうる。
【0067】
エアロゾル形成基体は、少なくとも1つの保護層をさらに備えうる。保護層は、例えば、エアロゾル発生物品の有効期限を保証または向上させうる。加えてまたはその代わりに、保護層は、エアロゾル発生物品の使用および蒸発挙動を最適化しうる。
【0068】
保護層は、環境の影響に対してエアロゾル形成基体を保護する外側保護層としうる。外側保護層は、水分保護層であることが好ましい。
【0069】
保護層はまた、例えば、外側保護層に色を追加することにより、マーキングの目的でも使用されうる。
【0070】
本発明によるエアロゾル発生物品では、押出成形物の壁厚は、1ミリメートル〜7ミリメートル、好ましくは2ミリメートル〜4ミリメートルとしうる。押出成形物の壁は、平坦なサセプタ材料の両側に提供されたエアロゾル形成基体を持つ平坦なサセプタ材料を含みうる。従って、エアロゾル形成基体層の厚さは、例えば、0.5ミリメートル〜2ミリメートルほどに薄くしうる。こうした薄い基体層は、未使用の基体材料から離れることなく、非常に効率がよくかつ均一な様式で加熱されうる。
【0071】
押出成形物の長さは、4ミリメートル〜20ミリメートル、好ましくは4ミリメートル〜14ミリメートルとしうる。押出成形物の外径は、例えば、5ミリメートル〜10ミリメートル、好ましくは5ミリメートル〜7ミリメートルとしうる。押出成形物は、所定範囲の外径を持つ円筒形の押出成形物としうる。外径はまた、非円筒形の押出成形物の最大の横方向または半径方向の寸法に対応しうるが、ここで、横方向または半径方向の寸法は、長軸方向の延長部または押出成形物の長さと直角をなす。
【0072】
押出成形物は、平坦または構造化された壁を備えうる。
【0073】
平坦な壁は、それぞれの形状の押出成形物のうち最小の壁面積を表す。構造化された壁があることで、壁の合計表面積は増大されうる。これにより、エアロゾル形成および蒸発のための表面積および蒸発が増大されうる。また、サセプタ材料とエアロゾル発生基体の間の合計接触面積も増大されうる。こうした構造による接触面積の増大は、例えば、それぞれ押出成形物またはエアロゾル発生物品の高さを変化させることなく達成されうる。
【0074】
また構造化された壁があることで、基体の厚さを増やすこともなく、物品1つ当たりのエアロゾル形成物質の量を増やしうる。これにより、消費体験の延長が可能となり、または、加えてまたはその代わりに、消費中のエアロゾル送達の増大が可能となる。
【0075】
壁の構造は、規則正しい構造であることが好ましい。構造は、押出成形物のサイズに適合されることが好ましい。構造は、押出成形物の壁の配置の上にあってもよい。
【0076】
構造化された壁は、例えば、管状の押出成形物の円形の壁の代わりに波状の壁でもよい。押出成形物の形状の周囲が、こうして波状の線を描く。
【0077】
本発明によるエアロゾル発生物品はカバー材料を含みうる。カバー材料は、少なくとも部分的にエアロゾル発生物品を覆う。カバー材料は、少なくとも部分的にそれぞれエアロゾル発生物品の外側またはエアロゾル発生物品の押出成形物の外側を包むことが好ましい。有利なことに、カバー材料は押出成形物の外側全体を覆う。カバー材料は、押出成形物の外側のみを覆いうる。カバー材料はまた、押出成形物の内側を覆うかまたは部分的に覆いうる。
【0078】
カバー材料は、エアロゾル発生物品と装置部品またはユーザーの間の界面、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と装置部品またはユーザーの間の界面としての役目を果たしうる。
【0079】
これにより、装置部品は、装置の連続した使用後でも清潔に保たれうる。使用済みのエアロゾル発生物品の除去も促進される場合があり、装置部品上の残留物への使用済みの物品の付着が回避または制限される。加えて、エアロゾル発生物品を取り扱っている時に押出成形物がユーザーの指と直に接触することが回避されうる。
【0080】
カバー材料は、エアロゾル形成物品の機械強度を向上させうる。
【0081】
カバー材料は、基本的に電子加熱装置で使用するために適切な任意の種類の材料としうる。カバー材料は、装置の使用中、加熱プロセスの間に溶解またはその主な物理的特徴が変化しない材料であり、かつ水または液体中に溶解しないことが好ましい。
【0082】
カバー材料は、薄いシート様材料が好ましい。
【0083】
カバー材料は多孔性であることが好ましい。空隙率は、加熱されたエアロゾル形成基体から気化するエアロゾルが自由に放出できるように選択される。
【0084】
カバー材料は、密着して貼り付けられる材料層でもよく、またはゆるめに貼り付けられたラッピングでもよい。
【0085】
例えば、カバー材料は、例えば押出成形物の外側を覆う、好ましくは押出成形物の外側に配置されたエアロゾル形成基体を覆う、多孔性材料層の形態としうる。多孔性材料層は、例えば、押出の後でエアロゾル形成基体が乾燥される前に、押出成形物に貼り付けられうる。
【0086】
カバー材料は、例えば、押出成形物の外側を包む、エンベロープの形態としうる。エンベロープは、中空の押出成形物の内部に延びうるが、例えばエアロゾル発生物品の反対側の端で中空の押出成形物の内部に折り畳まれうる。任意の種類のカバー材料を折り畳むことで、さらなる固定手段、例えば、接着剤または機械的な取付手段などを必要としないように、カバー材料を押出成形物に固定しうる。
【0087】
エンベロープの形態のカバー材料はまた、形状を与える要素として構成されてもよい。例えば、カバー材料は、異なる形状、例えば星形または三角形の押出成形物を包む円筒の形態を持ちうる。従って、カバー材料は、エアロゾル発生物品に円筒形状を与える。
【0088】
カバー材料は、例えば、飲食料品業界(例えば、FDA)の規制に適合する紙材料を含むセルロース系の材料であってもよい。カバー材料は、紙巻たばこ用紙、「ティーバッグ」紙、または医療等級もしくは飲食料品用に承認を受けた多孔性シート材料、例えば、こうした紙またはプラスチックシート材料であってもよい。本発明によるエアロゾル発生物品内でカバー材料として使用するために適切なティーバッグ紙は、密度が15g/m2〜25g/m2の範囲であってもよく、18g/m2〜22g/m2の範囲であることが好ましい(例えば、市販のタイプIMA 21、23、24、および27、非ヒートシールティーバッグペーパー)。
【0089】
カバー材料の厚さは、例えば、10マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲であってもよく、10マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲であることが好ましい。
【0090】
エアロゾル発生物品の長さは、押出成形物の長さと同一としうる。エアロゾル発生物品の長さはまた、特に物品にエンベロープの形態のカバー材料が提供されている場合、わずかに長くてもよい。エアロゾル発生物品の長さは、5ミリメートル〜25ミリメートル、好ましくは5ミリメートル〜17ミリメートルとしうる。
【0091】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、装置ハウジングの近位端から延びる支持要素を備えた装置ハウジングを備える。支持要素は、エアロゾル発生物品を受けるように、好ましくは中空のエアロゾル発生物品を受けるように適合されるが、物品は、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料を含み、本明細書に説明した通り、好ましくはエアロゾル形成基体およびサセプタ材料の押出成形物を含む。エアロゾル発生物品は、支持要素に取り付けられうる。
【0092】
本発明による、かつ本明細書に記載されたエアロゾル発生物品は、装置の支持要素に取り付けられることが好ましい。ところがまた、支持要素への取付に適切な異なるエアロゾル発生物品も本発明による装置と共に使用されうる。例えば、(中空の管状の)誘導加熱可能なエアロゾル発生物品が使用されてもよく、ここでエアロゾル形成基体およびサセプタ材料は、異なる方法で、例えば、サセプタ材料をエアロゾル形成基体で被覆することにより、またはサセプタ材料および基体を相互に折り畳むことにより、組み合わせられる。
【0093】
支持要素は、エアロゾル発生装置内へのエアロゾル発生物品の位置付けおよび自己中心合わせを支持するための中心合わせ要素であってもよい。支持要素はまた、物品の不適切な保管または取り扱いのために変型した物品の場合に、エアロゾル発生物品の形状の調節に対応しうる。
【0094】
支持要素はまた、装置の組立、例えば、マウスピースと装置ハウジングの整列に対応しうる。
【0095】
支持要素のサイズは、支持要素に取り付けられることになるエアロゾル発生物品の形態およびサイズに適合されることが好ましい。例えば、支持要素の横方向の寸法は、支持要素の外径とエアロゾル発生物品の間に隙間を残すように選択されうる。こうした隙間は、例えば0.4mm〜0.7mmの範囲としうる。このサイズ範囲の隙間により、エアロゾル発生基体の適切な嵌合が許容され、物品および装置の機能性が保証される。
【0096】
支持要素は、エアロゾル発生物品よりも同じかまたはわずかに長い長さを持つことが好ましい。例えば、支持要素の長さは、エアロゾル発生物品の長さよりも数ミリメートル長くてもよい。例えば、支持要素の長さは、エアロゾル発生物品の長さよりも1mm〜3mm長くてもよく、物品の合計長さは上記に示した長さの範囲である。
【0097】
支持要素は、装置ハウジングの近位端上を延びる。このことは、支持要素への妨害されないアクセスに有利であり、支持要素へのエアロゾル形成物品の取付けに対応する。支持要素は、装置ハウジングの近位端上に部分的にまたは全体的に延びうる。支持要素は、装置ハウジングの近位端上に全体的に延びることが好ましい。
【0098】
支持要素の長軸方向軸は、好ましくは、支持要素に取り付けられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸が装置ハウジングの長軸方向軸と整列するように、装置ハウジングの長軸方向軸と整列されることが好ましい。
【0099】
支持要素は、支持要素の長軸方向軸に対して回転対称の形状を持つことが好ましい。
【0100】
支持要素はピン形の要素であることが好ましい。
【0101】
ピン形の要素に取り付けられたエアロゾル発生物品は、中空の管状のエアロゾル発生物品であることが好ましい。中空の管状のエアロゾル発生物品は、本明細書で説明した通り、共押出されたエアロゾル形成基体およびサセプタ材料を含みうる。ところが、中空の管状のエアロゾル発生物品はまた、エアロゾル形成基体で被覆された管状のサセプタ材料を含みうる。
【0102】
支持要素の形状は、支持要素と支持要素に取り付けられたエアロゾル発生物品の間を長軸方向にエアロゾル形成物品の上流端から下流端へと気流を通過させることが好ましい。
【0103】
用語「上流」および「下流」は、ユーザーが装置を使用する間、エアロゾル発生物品で引き出す方向に関してエアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の要素または要素の部分の相対位置を記述するために使用される。従って、空気がエアロゾル発生物品の上流端から入り、下流端の下流に移動するように、ユーザーはエアロゾル発生物品の下流端から吸い込む。
【0104】
装置はさらに、少なくとも部分的にくぼみ内で支持要素に取り付けられたエアロゾル発生物品を備えた支持要素を収容する形状の内部表面を持つくぼみを備えたマウスピースを備える。
【0105】
マウスピースのくぼみの長さは、エアロゾル発生物品がマウスピースのくぼみ内に受けられた時に、エアロゾル発生物品がマウスピースのくぼみ内に完全に収容されるように、エアロゾル発生物品の長さと同じかまたは長いことが好ましい。
【0106】
従って、支持要素に取り付けられたエアロゾル発生物品は、装置のマウスピースによって完全に覆われることが好ましい。
【0107】
マウスピースのくぼみは実質的に円筒形であることが好ましい。マウスピースのくぼみの直径は、エアロゾル発生物品の直径と実質的に等しいかまたはわずかに大きいことが好ましい。
【0108】
マウスピースのくぼみの内部表面および支持要素は、装置の組み立てられた状態で、所定の距離にかつ相互に隣接して配置される。
【0109】
所定の距離は、エアロゾル発生物品がくぼみ内で支持要素上に配置されるように選択される。所定の距離は、エアロゾル発生物品の外側とマウスピースのくぼみの内側表面との間に所定の空気経路を残すように選択されることが好ましい。
【0110】
エアロゾル形成装置はさらに、負荷ネットワークのインダクタを備え、ここでインダクタは、使用時にエアロゾル発生物品のサセプタ材料に誘導結合される。インダクタは、1つまたはいくつかのコイルの形態としうる。誘導コイルは、例えばエアロゾル発生物品が収容されるくぼみの周りに配置されうる。コイルは、くぼみを取り巻くマウスピースの壁部分に包埋されることが好ましい。
【0111】
誘導コイルはまた、装置ハウジングの近位端に配置されうるが、例えば、支持要素がハウジングの凹部内に配置される場合に、例えば装置ハウジング壁に包埋される。次に凹部は、エアロゾル発生物品が凹部内に収容されるのに十分なスペースを提供する。
【0112】
マウスピースは、エアロゾル発生装置の最も下流の要素である。ユーザーは、エアロゾル発生物品によって発生したエアロゾルをユーザーへとマウスピースを通過させるために、マウスピースに接触する。マウスピースはフィルターセグメントを含んでもよい。フィルターセグメントは、低い粒子濾過効率または非常に低い粒子濾過効率を持っていてもよい。フィルターセグメントは、酢酸セルローストウでできている酢酸セルロースフィルタープラグであってもよい。
【0113】
マウスピースは、気流がマウスピースを離れる前にマウスピースを通過する気流を均質化するための混合チャンバーを備えてもよい。混合チャンバーは、くぼみの下流に配置される。エアロゾル発生物品を通過する気流は、気化したエアロゾルを捕らえ、かつ混合チャンバーを好ましくは乱流で通過してもよい。それゆえ、チャンバーは、エアロゾルの流れがマウスピースから離れる前にエアロゾルの流れを均質化する混合効果を持つ。
【0114】
マウスピースは、マウスピース内の空気経路内に配置された気流変更要素を備えうる。気流変更要素は、くぼみの下流かつ混合チャンバーの上流またはその中に配置される。気流変更要素は、気流が通過するための1つまたはいくつかの内部経路を備えうる。エアロゾル発生物品、例えば外側を通過する、また中空形状のエアロゾル発生物品の場合には物品の内部をも通過する気流は、気流変更要素の1つまたはいくつかの内部経路を通過することが好ましい。
【0115】
気流変更要素の内部経路および外部経路を通過する気流は、混合チャンバー内で混合されうる。
【0116】
気流変更要素は、加えて支持要素とマウスピースを整列させるための位置決め要素でもありうる。
【0117】
本発明の別の態様によると、エアロゾル発生物品を製造するための方法が提供される。方法は、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料を押出装置のダイ開口部を通して同軸的に押し出し、それによって一定の断面形状を持つ押出成形物を形成する工程を含む。押出成形物は、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料を含む。
【0118】
エアロゾル形成基体は、押出可能な一貫性で、例えばエアロゾル形成スラリーとして、提供される。
【0119】
本発明による方法は、連続的なひも材料をエアロゾル形成基体およびサセプタ材料と一緒に同軸的に押し出す工程をさらに備えうる。ひも材料、例えば、フィラメントまたは糸は、エアロゾル形成基体とサセプタ材料の間に配置され、かつエアロゾル形成基体およびサセプタ材料の押出プロセスを制御するように提供されることが好ましい。ひも材料は、押出中または押出後の押出成形物の長軸方向の伸びを回避または最小化するために、最小引張強さを持つことが好ましい。
【0120】
カバー材料、好ましくは多孔性のカバー材料で押出成形物を少なくとも部分的に覆うさらなる方法の工程では、押出成形物には、機械的および環境的な影響に対する保護のほか、機械的な安定性も提供されうる。エアロゾル発生物品には、押出後にカバー材料が提供されることが好ましい。
【0121】
カバー材料は、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料を押し出す工程を実施した後で、エアロゾル発生物品の内側もしくは外側のいずれか、または内側および外側に供給されうる。エアロゾル発生物品の実施形態に応じて、カバー材料は、前記押出成形物を望ましい長さの個々の押出成形物に切断する前に、連続的な押出成形物に提供されうる。カバー材料は、押し出されたエアロゾル形成基体の乾燥工程の前または後で提供されうる。
【0122】
カバー材料は、押出成形物を包装して、押出成形物をカバー材料内に包むことで押出成形物に適用されうる。
【0123】
本発明による方法のさらなる態様および利点については、本発明によるエアロゾル発生物品に関連してすでに説明してきたため、繰り返さない。
【0124】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生システムが提供されている。システムは、本発明により、かつ本明細書に記載されたエアロゾル発生装置を備える。システムはまた、エアロゾル形成基体およびサセプタ材料を含むエアロゾル発生物品も備えるが、ここでエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の支持要素に取り付けられる。本発明によるシステムで使用されるエアロゾル発生物品は、サセプタ材料およびエアロゾル形成基体の押出成形物であるか、またはそれを含むことが好ましい。システムは、負荷ネットワークに接続された電源をさらに備える。負荷ネットワークは、エアロゾル発生物品のサセプタ材料に誘導結合されるためのインダクタを備える。
【0125】
本発明によるシステムの態様および利点については、本発明によるエアロゾル発生物品および本発明によるエアロゾル発生装置に関連してすでに説明してきたため、繰り返さない。
【0126】
本発明についてはさらに、実施形態に関して説明するが、これを下記の図表によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1図1は、サセプタ箔を備えた管状のエアロゾル発生物品の第一の実施形態を示す。
図2図2は、多孔性のサセプタシートを備えた管状のエアロゾル発生物品の第二の実施形態を示す。
図3図3は、図1または図2の物品の断面を示す。
図4図4は、構造化された管状の押出成形物を製造するための押出ダイの形態を示す。
図5図5は、セグメント化された加熱のためのエアロゾル発生物品の第一の実施形態を示す。
図6図6は、セグメント化された加熱のためのエアロゾル発生物品の第二の実施形態を示す。
図7図7は、エアロゾル発生物品の3つの実施形態であって、そのままの状態を示す。
図8図8は、エアロゾル発生物品の3つの実施形態であって、カバー層付きを示す。
図9図9は、エアロゾル発生物品の3つの実施形態であって、エンベロープ付きを示す。
図10図10は、星形のエアロゾル発生物品(そのまま)を示す。
図11図11は、エンベロープ付きの図10の物品を示す。
図12図12は、支持要素および管状のエアロゾル発生物品を別個に示したものである。
図13図13は、支持要素および管状のエアロゾル発生物品を別個に示したものである。
図14図14は、支持要素および管状のエアロゾル発生物品を組み立てられた位置で示したものである。
図15図15は、エアロゾル発生システムの実施形態の分解図および組立図である。
図16図16は、動作時の図15のシステムを図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0128】
図1および図2では、中空管の形状のエアロゾル発生物品10が示されている。物品10は、エアロゾル形成基体20、21間にサセプタ材料30、31を含む押出成形物から成る。より適切な図解のために、物品10の内側構成要素は、外側構成要素の段階的な切取りによって示されている。実際の物品では、こうしたすべての切取り部分構成要素は、物品10の全長に沿って延びる。
【0129】
図1では、サセプタ材料30は、サセプタ箔、例えば金属箔である。箔は、押出中および押出後に内側21および外側20のエアロゾル形成基体間に物理的バリアを形成する。
【0130】
図2では、サセプタ材料31はサセプタメッシュまたはグリッドであり、例えばステンレス鋼繊維などの不織布金属繊維から作製される。メッシュにより、エアロゾル形成基体が物品の押出中および押出後に繊維を取り囲みうるようになる。
【0131】
糸の形態のひも要素4は、外側エアロゾル形成基体20とサセプタ材料30、31の間に配置される。ひも要素4は、長軸方向に押出成形物に沿って直線状に延びる。ひも要素4は、押出プロセス中の物品10の伸びを制限する最小引張強さを持つ。最小引張強さは、例えば110 MPaとしうる。
【0132】
両方のエアロゾル形成基体20、21はたばこ含有基体であることが好ましい。それらは、1つのたばこスラリーのみが物品10の製造用に準備されうるように同一としうる。
【0133】
図3では、図1および図2の物品10の断面が示されている。中空管の内径101は、4mm〜7mmの範囲である。中空管の外径102は5mm〜7mmの範囲である。よって、管の壁厚100は、1mm〜3mmの範囲である。内側および外側のエアロゾル形成基体21、20は同一の厚さを持ちえ、サセプタ30、31は半径方向にみて壁の中央に配置されうる。
【0134】
図4は、構造化された壁を持つエアロゾル発生物品を押し出すための押出ダイを示す。ダイは、波状の壁構造を持つ内側の管50と同軸的に配置された外側の円形の管51を備える。この実施形態では、それ以外には管状の押出ダイの形で平坦で丸い壁が、規則正しい周辺方向に走る波を形成している。押出ダイなどによって製造された中空管の形状の周囲が波状の線を描く。
【0135】
管状のエアロゾル発生物品の側壁は、例えば図1および図2に示すとおり平坦でもよく、または構造化されてもよい。サセプタ材料の形態は、対応する側壁の構造に適合されることが好ましい。
【0136】
構造は、管のサイズに適合されることが好ましい。
【0137】
図5および図6では、セグメント化された加熱に、例えば連続的に加熱されるために適合された管状のエアロゾル発生物品10が表示されている。
【0138】
図5では、サセプタ材料は、いくつかの管状のサセプタセグメント300の形態で提供されている。個々のセグメント300は、物品の長さに沿って等距離で配置され、ギャップ33によって分離されている。各セグメント300は、望ましい順序に従い所定の時間、別個に加熱されうる。ギャップ33は、周辺領域に熱が分散せずに、加熱サセプタセグメント300に隣接しそれに対応する物品の部分に限定されるようにする。ギャップ33はまた、消費体験の品質および関連するエアロゾルの送達にマイナスの影響を及ぼしかねないセグメント間の領域の過熱も防止しうる。同時に、望ましいエアロゾル形成に必要とされる部分のみを加熱することにより浪費が最小化されうる。図5の実施形態では、ひも要素4は、物品10の押出に伴い、明確なサセプタセグメント300の等距離の位置付けをサポートしうる。
【0139】
図6では、サセプタ材料は、物品10に沿って配置されたらせんの形態を持つ。サセプタ材料は、押出プロセス中、ボビンから連続的に巻き出され、押出軸(押し出された物品の長軸方向軸に対応)に沿ってらせん形に位置付けられうるサセプタ帯32である。巻かれたサセプタ帯32間に形成される連続的なギャップ34は、帯32の個々の巻線間にある一定の熱分離を提供する。帯に沿ったある程度の熱伝達はなおも可能であるが、この実施形態は押出プロセスを簡略化し、製品のコストを低減する。
【0140】
この実施形態では、ひも要素4は加えて、サセプタ帯32の規則正しい位置付けをサポートする。
【0141】
図7では、中空管であり、かつ共押出されたサセプタ材料およびエアロゾル形成基体の押出成形物から成るエアロゾル発生物品10が示されている。物品10の長さは、この場合には押出成形物の長さに対応するが、4mm〜14mmの範囲であることが好ましい。
【0142】
図8では、図7のエアロゾル発生物品には、カバー層60が提供されている。カバー層60は、それぞれ物品11または押出成形物の外側を覆う。カバー層の貼付プロセスによっては、カバー層60は、中空管の端側600を覆っても覆わなくてもよい。カバー層は、薄い多孔性材料、例えば「ティーバッグ」紙であることが好ましい。カバー層60は、押出成形物の外側の周りに密接して配置されることが好ましい。カバー層60は、押出プロセスの後でエアロゾル形成基体がまだ乾燥していない時に貼り付けられうる。
【0143】
図9では、図7のエアロゾル発生物品には、エンベロープ61が提供されている。エンベロープ61はゆるい包装であり、それぞれ物品または押出成形物の外側を覆う。エンベロープは、管のそれぞれの端で管の内側空間内に折り畳まれた多孔性材料のシートである。これにより、エンベロープ61は中空管の端側600を自動的に覆う。エンベロープ用のシート材料には、管のそれぞれの端部分に複数の内側に向いたフラップ610が提供されるように、切込みが提供される。エンベロープ61は、押出成形物の周りにゆるく配置され、エンベロープ61の折り畳みによって押出成形物に取り付けられることが好ましい。
【0144】
ゆるいエンベロープ61は、例えばブランド設定によって、インクを使用せず、例えばエンベロープ材料のエンボス加工により、マーク付けされうる。
【0145】
エンベロープを含む物品12の長さは、5mm〜17mmの範囲であることが好ましい。
【0146】
エンベロープ61は、薄い多孔性材料、例えば「ティーバッグ」紙であることが好ましい。
【0147】
押出によって製造されたエアロゾル発生物品は、必ずしも中空の管状である必要はない。
【0148】
図10および図11は、押出により製造され、星形の断面を持つエアロゾル発生物品13、14の例を示す。3つのサセプタ材料細片は、中央350および中央から放射状に延びる6つのサセプタフラップを持つ星形のサセプタ35を形成する。サセプタ細片は、両側がエアロゾル形成基体25で覆われる。
【0149】
図11では、上記および図9に関連して説明した通り、図10の星形のエアロゾル形成物品13に、エンベロープ61が提供されている。エンベロープ61は、物品14に円筒形の管状を与える。
【0150】
図12は、中空の管状のエアロゾル形成物品の保持および中心合わせのための支持要素8を示す。この例では、図13に断面図で示したエアロゾル形成物品に、エンベロープ61が提供されている。支持要素8は、物品12を支持要素上に保持し、物品12をエアロゾル発生装置内に位置付けるように設計されている。支持要素8は装置内に配置され、好ましくは装置ハウジングの近位端から延びる。
【0151】
支持要素8は、延長された中央セクション80を持つ基本的にピン形である。中央セクション80は、支持要素上へのエアロゾル発生物品12の滑らかな適用を許容する形状である。延びた中央セクションの断面は変動する半径を持ち、かつ4つの「葉部」を持つ葉様である。葉部は、支持要素8の長軸方向軸の周りに対称に配置される。
【0152】
支持要素8の形状、特に延びた中央セクション80は、支持要素8と物品12の間を通過する空気流を許容する。また、中央セクションの説明した機能を実行するために異なる数の葉部(例えば、3つのみまたは5つ以上の葉部)も提供されうることが明らかとなる。
【0153】
支持要素8は、尖った先端81および足部分81を持つ。先端81は、支持要素上への物品12の取付けおよび保持を促進する。先端81はまた、下記に詳細に説明するが、マウスピースを中央合わせする目的も果たす。図14は、組み立てられた状態での物品12および支持要素8を示す。物品12のエンベロープ61の折り畳まれたフラップ610は、先端81のアンダーカットの下を滑る。足部分82は円錐形状を持ち、支持要素8上をスライドする時、物品12のためのエンドストップを提供する。
【0154】
例えば図10および11に表示し説明したものなどの非中空のエアロゾル発生物品では、支持要素の設計はそれに従い適合されうる。例えば、支持要素には、エアロゾル発生物品のフラップ間またはその他の放射状に延びる要素間に延びる、長軸方向に延びるピンが提供されうる。
【0155】
図15は、図9および図13に図示したエアロゾル発生物品12を備えたエアロゾル発生システムの実施形態の分解図および組立図である。システムのエアロゾル発生装置は、一般的な管状形態を持ち、かつメインハウジング70およびマウスピース71を備える。メインハウジング70は、主として電池および電力管理システム(図示せず)を備える。
【0156】
装置ハウジング70は、装置ハウジング70の近位端から延びる支持要素8を備える。支持要素8は、図12および図14に関連して詳細に説明した。
【0157】
マウスピース71は、装置の近位要素または最下流要素を形成する。マウスピース71は、くぼみ701を形成しそれを囲む管状の中空の遠位部分710を含む。このくぼみ701は、システムが組み立てられた状態にある時、エアロゾル形成物品12を受けかつ覆うために提供される。
【0158】
マウスピース71は、支持要素8上に取り付けられたエアロゾル発生物品12内のサセプタ材料を誘導加熱するための、誘導コイル703の形態のインダクタを含みうる。誘導コイル703は、管状の遠位部分710の壁内に包埋される。
【0159】
例えば図5または6に示す通り、セグメント化された加熱のためのエアロゾル発生物品が提供される場合、誘導コイルは、図15の下図に示す通り、複数の誘導コイル73、74、75を含みうる。それから、それぞれの誘導コイルが、サセプタ材料の1つのセグメントを加熱するために提供されることが好ましい。
【0160】
マウスピース71は、明確な気流管理のための気流変更要素705を備える。気流変更要素705は、マウスピース71内に配置される。マウスピースに取り付けられた位置で、気流変更要素705は、支持要素8上でのマウスピース71の自己中心合わせおよび位置付けを保証する。気流変更要素は、遠位端で中央に配置されたくぼみ708を備え、これが支持要素の尖った先端81と連動する。それによって、マウスピース71および支持要素8、それに従いエアロゾル発生物品12は相互に保持され位置付けられる。
【0161】
気流変更要素705は、気流91およびマウスピース71の混合チャンバー704内での気流91の混合に影響を与える円錐である。気流変更要素705はフィン706によってマウスピースに取り付けられる。
【0162】
気流変更要素705は、気流変更要素を通る通路707を備える。
【0163】
マウスピース71にはさらに、環境からの空気90が装置に入り、エアロゾル発生物品12とマウスピース壁の間、またエアロゾル発生物品12内を通過するように、マウスピースの遠位端に放射状に配置された空気吸込み口チャネル702が提供されている。それによって、空気90は、物品12のエアロゾル形成基体を加熱することによって形成されたエアロゾルを捕らえる。エアロゾル含有空気91は、さらに下流に続く。エアロゾル発生物品12の内側を通過する空気流は、気流変更要素705の通路707を通過する。エアロゾル発生物品12の外側に沿って通過する気流は、気流変更要素705の外側に沿って通過する。混合チャンバー704では、物品12の内側を通過し気流変更要素705内の通路707を通過する気流の部分が、物品12の外側を通過し、気流変更要素705の外側を通過する気流の部分と混合される。完全に混合されたエアロゾル含有気流91はその後、マウスピースの近位端にある出口開口部711を通してマウスピース71を離れるが、この気流90、91は図16に図示されている。
【0164】
システムを使用するために準備するには、支持要素8への開いたアクセスを提供するように、ハウジング70からマウスピース71を取り外す。
【0165】
エアロゾル形成物品12を支持要素8の上に取り付けた後、装置の使用準備が整うように、以前に取り外したマウスピース71をハウジング70の上へ再び位置付けてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】