特表2018-538009(P2018-538009A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-538009プロバイオティクスを含む組成物、及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538009(P2018-538009A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】プロバイオティクスを含む組成物、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/135 20160101AFI20181130BHJP
   A61K 35/744 20150101ALI20181130BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20181130BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20181130BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20181130BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   A23L33/135
   A61K35/744
   A61P29/00
   A61K47/24
   A61K47/44
   A61K9/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】62
(21)【出願番号】特願2018-547873(P2018-547873)
(86)(22)【出願日】2016年11月30日
(85)【翻訳文提出日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】US2016064286
(87)【国際公開番号】WO2017095968
(87)【国際公開日】20170608
(31)【優先権主張番号】62/386,347
(32)【優先日】2015年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/072,308
(32)【優先日】2016年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518190271
【氏名又は名称】イマジリン テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジイ‐ジュ
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジョリンタ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB03
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB09
4B018LE02
4B018MD15
4B018MD46
4B018MD57
4B018MD58
4B018MD85
4B018ME07
4B018ME08
4B018ME11
4B018ME14
4B018MF02
4B018MF04
4B018MF06
4B018MF14
4C076AA06
4C076BB01
4C076CC04
4C076CC40
4C076DD63Q
4C076EE53Q
4C076FF63
4C076GG01
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC55
4C087MA05
4C087MA28
4C087MA55
4C087NA14
4C087ZB11
(57)【要約】
本発明は、プロバイオティクスを含む組成物を提供し、本組成物は、組成物が熱に供されるときに組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する有効量の両親媒性物質との混合物中にある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロバイオティクスを含む組成物であって、前記組成物が熱に供されるときに前記組成物中の前記プロバイオティクスの生存能力を強化する有効量の両親媒性物質との混合物中にある、組成物。
【請求項2】
前記プロバイオティクスが、前記両親媒性物質と、凍結乾燥した発酵培地として混合される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記両親媒性物質が、前記プロバイオティクスと、乾燥した粉末として混合される、請求項1〜2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
前記両親媒性物質及びプロバイオティクスと混合される油を更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記油が、落花生油、トウモロコシ油、植物油、大豆油、またはオリーブ油を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクス対前記油の割合(w/w)が、約1:10:0.1〜約10:1:25の範囲である、請求項4〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が脂質ペーストを形成し、前記両親媒性物質が前記プロバイオティクスのための担体として働く、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記プロバイオティクスがPediococcus acidilacticiである、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記プロバイオティクスがPediococcus acidilactici NRRL B−50517である、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
前記両親媒性物質が、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、またはクッキーバターを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記熱が乾熱である、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記乾熱が少なくとも50℃である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記乾熱が50℃〜100℃の範囲である、請求項11〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、即時に熱に供され、その直後に熱から除去される、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、少なくとも約10分間熱に供される、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が第1の温度の乾熱に供された後で、前記組成物を第2の温度の乾熱に供する、請求項1〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
前記第1の温度が約65℃であり、前記第2の温度が約85℃である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、少なくとも約1秒〜少なくとも一晩の間、前記第1の温度の熱に供され、少なくとも約1秒〜少なくとも約30分間、前記第2の温度の熱に供される、請求項16〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、約30分間、前記第1の温度の熱に供され、約10分間、前記第2の温度の熱に供される、請求項16〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、約30分間、前記第1の温度の熱に供され、約30分間、前記第2の温度の熱に供される、請求項16〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
前記熱が液体熱である、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
前記液体熱が少なくとも約65℃である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記液体熱が少なくとも約80℃である、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
前記液体熱が少なくとも約82℃である、請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、少なくとも約1秒間前記液体熱に供される、請求項21〜24のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、少なくとも約5分間前記熱に供される、請求項21〜24のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、少なくとも約10分間前記熱に供される、請求項21〜24のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
前記生存能力が、前記有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約2倍強化される、請求項1〜27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
前記生存能力が、前記有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約10倍強化される、請求項1〜27のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
前記両親媒性物質がヒマワリレシチンである、請求項1〜29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:10〜約25:1の範囲である、請求項1〜30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:1〜約10:1の範囲である、請求項1〜31のいずれかに記載の組成物。
【請求項33】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が約5:1である、請求項1〜32のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が約10:1である、請求項1〜32のいずれかに記載の組成物。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれかに記載の組成物を含む食品を収容するのに好適な容器。
【請求項36】
前記容器が、ガラス、プラスチック、紙/カートン、アルミニウム、または乾燥させた植物果実シェルを含む物質から作製される、請求項35に記載の容器。
【請求項37】
前記組成物が、前記容器の表面または一部にコーティングされる、請求項35〜36のいずれかに記載の容器。
【請求項38】
食品を更に含む、請求項35〜37のいずれかに記載の容器。
【請求項39】
前記食品が、油、酢、ヨーグルト、果実製品、アップルソース、乳製品、飲料、キャンディー、スナック菓子、ジュース、デザート用食品、例えば、クッキー、ケーキ、JELLO、フルーツバー、フルーツカスタード、またはティラミスを含む、請求項38に記載の容器。
【請求項40】
食品を収容するのに好適な容器であって、前記容器の一部または表面が、有効量のPediococcus acidilacticiでコーティングされる、容器。
【請求項41】
前記Pediococcus acidilacticiが、NRRL B−50517株である、請求項40に記載の容器。
【請求項42】
前記容器が、ガラス、プラスチック、紙/カートン、及びアルミニウムを含む物質から作製される、請求項40または41のいずれかに記載の容器。
【請求項43】
前記Pediococcus acidilacticiが、前記容器の内面にコーティングされる、請求項40〜43のいずれかに記載の容器。
【請求項44】
食品を更に含む、請求項40〜43のいずれかに記載の容器。
【請求項45】
前記食品が、油、酢、ヨーグルト、果実製品、アップルソース、乳製品、飲料、キャンディー、スナック菓子、及びジュースを含む、請求項44に記載の容器。
【請求項46】
熱に供される組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する方法であって、
i)有効量の両親媒性物質を、プロバイオティクスを含む組成物に添加することと、
ii)前記組成物を熱に供することと、を含み、
それにより、前記熱に供される前記組成物中の前記プロバイオティクスの前記生存能力が強化される、方法。
【請求項47】
前記両親媒性物質が、前記プロバイオティクスの凍結乾燥した発酵培地と混合される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記両親媒性物質が、乾燥した粉末の形態である、請求項46〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記両親媒性物質が、前記プロバイオティクス及び油と混合される、請求項46〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記油が、落花生油、トウモロコシ油、植物油、大豆油、またはオリーブ油を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクス対前記油の割合(w/w)が、約1:10:0.1〜約10:1:25の範囲である、請求項49〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記両親媒性物質が、脂質ペーストを形成し、担体として働く、請求項46〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記プロバイオティクスがPediococcus acidilacticiである、請求項46〜52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記プロバイオティクスがPediococcus acidilactici NRRL B−50517である、請求項46〜52のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記両親媒性物質が、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、またはクッキーバターを含む、請求項46〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記熱が乾熱である、請求項46〜55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記乾熱が少なくとも50℃である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記乾熱が50〜100℃の範囲である、請求項55〜56のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
前記組成物が、即時に熱に供され、その直後に熱から除去される、請求項46〜58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
前記組成物が、少なくとも約10分間熱に供される、請求項46〜59のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
前記組成物が第1の温度の乾熱に供された後で、前記組成物を第2の温度の乾熱に供する、請求項46〜60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
前記第1の温度が約65℃であり、前記第2の温度が約85℃である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記組成物が、少なくとも約1〜少なくとも約30分間、前記第1の温度の熱に供され、少なくとも約1〜少なくとも約30分間、前記第2の温度の熱に供される、請求項61〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
前記組成物が、約30分間、前記第1の温度の熱に供され、約10分間、前記第2の温度の熱に供される、請求項61〜63のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
前記組成物が、約30分間、前記第1の温度の熱に供され、約30分間、前記第2の温度の熱に供される、請求項61〜63のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
前記熱が液体熱である、請求項46〜55のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
前記液体熱が少なくとも約50℃である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記液体熱が少なくとも約80℃である、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記液体熱が少なくとも約82℃である、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記組成物が、即時に前記熱に供され、その直後に熱から除去される、請求項66〜69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記組成物が、少なくとも約5分間前記熱に供される、請求項66〜70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記組成物が、少なくとも約10分間前記熱に供される、請求項66〜70のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記生存能力が、前記有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約2倍強化される、請求項46〜72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記生存能力が、前記有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約10倍強化される、請求項46〜72のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
前記両親媒性物質がヒマワリレシチンである、請求項46〜74のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:10〜約25:1の範囲である、請求項46〜75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:1〜約10:1の範囲である、請求項46〜76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が約5:1である、請求項46〜77のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記両親媒性物質対前記プロバイオティクスの割合(w/w)が約10:1である、請求項46〜77のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記組成物が、食品と接触し、前記食品と共に熱に供される、請求項46〜79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記組成物をii)部の熱ステップに供することが、前記組成物を食品と接触させることを含み、前記食品が、前記組成物の接触の前に既に熱に供されている、請求項46〜79に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、Pediococcus acidilactici菌を含むプロバイオティクスの組成物及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロバイオティクスは、ヒト及び動物の消化(GI)管に天然に存在する有益な微生物である。2001年、世界保健機関は、プロバイオティクスを「十分な量で投与される場合に宿主に健康効果をもたらす生きた微生物(Live microorganisms,which,when administered in adequate amounts,confer a health benefit on the host)」と定義した(Joint FAO/WHO Expert Consultation Report,2001)。多くのプロバイオティクスに関連した健康効果、例えば、抗生物質誘導性下痢、急性下痢、旅行者下痢、アレルギー、気道及び尿路感染、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、結腸及び膀胱癌、ならびにリウマチ性関節炎由来の症状の減少が報告されている。これまで、Bifidobacterium及びLactobacillusが市販されているプロバイオティクスである。しかしながら、これらの細菌は、大気曝露、昇温、及び胃酸に敏感である。
【0003】
Pediococcus acidilacticiは、人間による消費のためのソーセージ調理、及び動物の健康を改善するための動物用飼料添加物として広く応用されている植物由来のプロバイオティクスである。更に、P.acidilacticiは、ブロイラー鶏コクシジウム症の寄生虫感染に対する抗体産生、及びオボアルブミンをワクチン接種したウマにおけるオボアルブミン抗体産生を刺激できることが報告された(Furr et al.,Journal of Equine Veterinary Science,34:1156−1163(2014))。T細胞とB細胞との両方の増殖が、P.acidilacticiとSacchromyces boulardiiとの混合物であるPediococcus系プロバイオティクスを給餌したラットにおいて検出された。
【0004】
対象に投与するための食物及び医薬/栄養補助製品中にプロバイオティクスを配合することの困難の1つは、製品、及び製品の作製プロセス、特に、熱などの過酷な条件下での殺菌または処理との不適合性である。これらの過酷な条件により、プロバイオティクスの生存能力の著しい損失が生じ得る。生存能力を著しく損失することなくプロバイオティクスの存在下で製品を効果的に殺菌できないことにより、製造プロセスに追加の加工ステップが生じ、これは、複雑性及び費用を増大させる。
【0005】
このため、Pediococcus acidilacticiなどのプロバイオティクスを含む新たな組成物及び方法、特に、熱に供されるときにプロバイオティクスの生存能力を強化するための方法が必要とされる。
【0006】
この予備知識は、情報提供のみを目的として提供される。前述の情報のいずれかが本発明に対する先行技術を構成するという承認は必ずしも意図されず、またそのように解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
実施形態の上述の概要と、以下の詳細な説明との両方は、例示的であり、よって、実施形態の範囲を限定しないことが理解される。
【0008】
非限定的な実施形態に従い、一態様において、本発明は、組成物が熱に供されるときに組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する有効量の両親媒性物質との混合物中にあるプロバイオティクスを含む組成物を提供する。
【0009】
別の態様において、本発明は、組成物が熱に供されるときに組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する有効量の両親媒性物質との混合物中にあるプロバイオティクスを含む組成物を含む食品を収容するのに好適な容器を提供する。
【0010】
別の態様において、本発明は、食品を収容するのに好適な容器を提供し、本容器の一部または表面は、有効量のPediococcus acidilacticiでコーティングされる。
【0011】
別の態様において、本発明は、熱に供される組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する方法を提供し、本方法は、
i)有効量の両親媒性物質を、プロバイオティクスを含む組成物に添加することと、
ii)組成物を熱に供することと、を含み、
それにより、熱に供される組成物中のプロバイオティクスの生存能力が強化される。
【0012】
別の態様において、本発明は、炎症を特徴とする疾患または病態の治療を、それを必要とする対象において行う方法を提供し、本方法は、有効量の本明細書に記載のPediococcus acidilacticiプロバイオティクス組成物を対象に投与することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与により、対象における抗炎症性M2マクロファージ細胞の数が増加し、それにより疾患または病態を治療する。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与により、対象におけるIL−10産生が増加し、それにより疾患または病態を治療する。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与により、対象におけるIL−6及び/またはIL−23のレベルが低下し、それにより疾患または病態を治療する。
【0014】
いくつかの実施形態において、炎症を特徴とする疾患または病態は、悪性腫瘍(癌)、関節炎、心血管疾患、肝炎、感染、創傷治癒、膵炎、胃食道逆流症、糖尿病、炎症性腸疾患、消化性潰瘍疾患、気管支炎、胆嚢炎、虫垂炎、滑液包炎、皮膚炎、喘息、自己免疫疾患、骨盤内炎症性疾患、痛風、外傷、異物感染、熱傷、歯科治療、腱炎、鼻炎、粘膜炎、ならびに化学物質及びアルコールなどの毒素への曝露からなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスはNRRL B−50517株である。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
【0016】
いくつかの実施形態において、対象は、1.0×10cfu超のプロバイオティクスを投与される。いくつかの実施形態において、対象は、4.0×10cfu超のプロバイオティクスを投与される。
【0017】
いくつかの実施形態において、対象は、1つ以上の追加の治療薬を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、1つ以上の化学療法(抗癌)剤及び/または放射線療法を、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスと組み合わせて投与される。
【0018】
いくつかの実施形態において、対象は、別の治療薬を投与されない。いくつかの実施形態において、対象は、別のプロバイオティクスを投与されない。
【0019】
別の態様において、本発明は、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiは、NRRL B−50517株である。いくつかの実施形態において、組成物は薬学的組成物である。
【0020】
上述の概要と、以下の詳細な説明との両方は、例示的であり、よって、本発明の範囲を限定しないことが理解される。本発明の他の目的、特徴、及び利点が、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、詳細な説明及び具体例は、本発明の特定の実施形態を示すものの、本発明の趣旨及び範囲内の様々な変更及び修正がこの詳細な説明から当業者には明らかとなるため、例証のみを目的として付与されることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
当業者であれば、以下に記載の図面が例証のみを目的としていることを理解するであろう。図面は、如何様にも本教示の範囲を限定するようには意図されない。
【0022】
図1】P.acidilactici 5051プロバイオティクスが体脂肪率に与える影響である。
図2】P.acidilactici 5051プロバイオティクスがIL−23活性に与える影響である。
図3】P.acidilactici 5051プロバイオティクスがIL−6活性に与える影響である。
図4】Pediococcus系プロバイオティクスが膵炎を患うイヌに与える影響である。膵炎を患う14歳の雌の避妊済みトイプードルを、ある時点(赤色の点)で1日2回、100mgのKAMOSTAAL100によって治療し、治療を約2カ月半後(赤色の四角)に停止した。Pediococcus系プロバイオティクスを適用し(緑色の点)、約1カ月後(緑色の四角)に停止した。再発後、Pediococcus系プロバイオティクスを再度適用し(緑色の丸)、ある期間(緑色の矢印)継続した。
図5】Pediococcus acdilactici NRRL B−50517製造プロセス概要の流れ図である。
図6】プロバイオティクス組成物を含む食品のための例示的な容器である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、Pediococcus acidilacticiなどのプロバイオティクスの生存能力が、組成物が熱に供されるときに有効量の両親媒性物質と組み合わされると、強化され得るという驚くべき発見に一部基づく。本発明は、有効量のPediococcus acidilacticiプロバイオティクスが、炎症を特徴とする疾患または病態を治療することができるという驚くべき発見にも一部基づく。
【0024】
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照し、これは、図面及び以下の実施例と併せて本発明の原理を説明する役割を果たす。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるようにするために十分に詳細に記載され、他の実施形態が利用されてもよいこと、ならびに構造的、生物学的、及び化学的変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解される。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
【0025】
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用され、適切である場合には、単数形で使用される用語は複数形も含み、逆もまた同様である。以下に示されるいずれかの定義が、参照により本明細書に組み込まれる任意の文書を含む任意の他の文書におけるその語の使用と矛盾する場合、以下に示される定義は、反対の意味が明確に意図されていない限り(例えば、その用語が元々使用されている文書において)、本明細書及びその関連する特許請求の範囲を解釈する目的で、常に支配するものとする。特許請求の範囲及び/または本明細書において「含む(comprising)」という用語と併用される場合、「a」または「an」という語の使用は「1つの」を意味し得るが、「1つ以上の」、「少なくとも1つの」、及び「1つまたは1つ超の」という意味とも矛盾しない。本特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すことを明確に示されない限り、または代替物が相互排他的でない限り、「及び/または」を意味して使用されるが、本開示は、代替物のみ及び「及び/または」を指す定義を支持する。本明細書及び特許請求の範囲(複数可)において使用される場合、「含む(comprising)」(ならびに「comprise」及び「comprises」などのcomprisingの任意の形態)という語は、「有する(having)」(ならびに「have」及び「has」などのhavingの任意の形態)、「含む(including)」(ならびに「includes」及び「include」などのincludingの任意の形態)、または「含有する(containing)」(ならびに「contains」及び「contain」などのcontainingの任意の形態)という語は、包含的であるかまたは制約がなく、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。更に、1つ以上の実施形態の説明に「含む(comprising)」という用語が使用される場合、当業者は、いくつかの特定の場合に、実施形態(複数または単数)が、代替的に「本質的に〜からなる」及び/または「からなる」という語句を使用して説明され得ることを理解し得る。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、それと共に使用される数の数値の最大±10%を意味する。
【0026】
当業者は、本明細書で考察される既知の技法または同等の技法の詳細な説明のために、一般的な参考文書を参照してもよい。これらの文書には、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et.al.,eds.John Wiley & Sons,N.Y.及びその付録)、Current Protocols in Immunology(Coligan et al.,eds.,John Wiley St Sons,N.Y.及びその付録)、Current Protocols in Pharmacology(Enna et al.,eds.John Wiley & Sons,N.Y.及びその付録)、ならびにRemington:The Science and Practice of Pharmacy(Lippincott Williams & Wilicins,2Vt edition(2005))が含まれる。
【0027】
耐熱性プロバイオティクス組成物及び作製方法
一実施形態において、本発明は、組成物が熱に供されるときに組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する有効量の両親媒性物質との混合物中にあるプロバイオティクスを含む組成物を提供する。本組成物は、対象への投与に好適である場合に、有効量のプロバイオティクスを含む。
【0028】
別の実施形態において、本発明は、熱に反応して生存能力が改善したプロバイオティクス組成物の作製方法を含み、本方法は、有効量の両親媒性物質を、プロバイオティクスを含む組成物に添加することを含む。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、熱に供される組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する方法を含み、本方法は、
i)有効量の両親媒性物質を、プロバイオティクスを含む組成物に添加することと、
ii)組成物を熱に供することと、を含み、
それにより、熱に供される組成物中のプロバイオティクスの生存能力が強化される。
【0030】
本プロバイオティクスは特に限定するものではない。いくつかの実施形態において、本プロバイオティクスは、両親媒性物質と、凍結乾燥した発酵培地として混合される。いくつかの実施形態において、本プロバイオティクスはPediococcus acidilacticiである。本発明に従って使用することができるPediococcus acidilacticiプロバイオティクスは限定するものではない。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiは、65℃超で生存可能であり、好気及び嫌気条件下及びpH1〜6.2で成長することができる株である。いくつかの実施形態において、本Pediococcus acidilacticiは、NRRL B−50517としてAgricultural Research Service(ARS)Patent Culture Collectionに寄託されている株である。NRRL B−50517株は、参照により本明細書に組み込まれる米国出願第13/676,579号に記載されている。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明で使用するためのPediococcus acidilacticiは、昇温、低いpH値、ならびに好気及び嫌気条件への耐性について選択され得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、本組成物は、約1.0×10cfu超のプロバイオティクスを含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、4.0×10cfu超のプロバイオティクスを含む。
【0033】
両親媒性分子は、それらの構造中に極性部分と非極性部分との両方を有する分子である。両親媒性分子は、概して、疎水性相に向く分子の疎水性部分と、水層に向く親水性部分とを有する。
【0034】
これらの分子を特徴とする化学化合物のいくつかは、生物学的及び産業的過程の受け入れに不可欠である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質は、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、またはクッキーバターを、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌などのプロバイオティクスの担体として含む。いくつかの実施形態において、過量の両親媒性物質が使用され、これはP.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌を過酷な乾熱または湿熱処理から保護し得る。レシチンは、ホスファチジルコリンであり、植物由来及び/または動物由来の中性脂肪と極性脂肪との天然の混合物を含み得る。これは、水溶性は低いが、優れた乳化剤である。水溶液中、そのリン脂質は、水和性及び温度に応じて、リポソーム、二層シート、ミセル、またはラメラ構造のいずれかを形成し得る。これにより、通常は両親媒性と分類される種類の界面活性剤が生じる。
【0035】
いくつかの実施形態において、両親媒性物質は脂質である。親水性という特徴は、極性基または荷電基、例えば、炭水化物、ホスファト、カルボン酸、スルファト、アミノ、スルフヒドリル、ニトロ、ヒドロキシ、及び他の同様の基の存在に由来する。疎水性は、無極基を含めることによって付与され得、無極基には、長鎖飽和及び不飽和脂肪族炭化水素基、ならびに1つ以上の芳香族、脂環式、または複素環式基(複数可)によって置換されたかかる基が挙げられるが、これらに限定されない。両親媒性化合物の例には、リン脂質、アミノ脂質、及びスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。リン脂質の代表例には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リソホスファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはジリノレオイルホスファチジルコリンが挙げられるが、これらに限定されない。スフィンゴ脂質、スピンゴ糖脂質ファミリー、ジアシルグリセロール、及びβ−アシルオキシ酸などのリンを欠く他の化合物も、両親媒性脂質と指定される群に入る。
【0036】
いくつかの実施形態において、両親媒性物質は、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、またはクッキーバターを含む。いくつかの実施形態において、両親媒性物質はヒマワリレシチンである。
【0037】
本明細書に記載される両親媒性物質の「有効量」は、両親媒性物質の非存在下におけるプロバイオティクスの生存能力と比較して、熱に反応してプロバイオティクスの生存能力を強化することができる量である。いくつかの実施形態において、プロバイオティクスの生存能力は、有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約2倍強化される。いくつかの実施形態において、生存能力は、少なくとも約25%、50%、75%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍強化される。いくつかの実施形態において、生存能力は、有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約10倍強化される。
【0038】
いくつかの実施形態において、両親媒性物質対プロバイオティクスの割合(w/w)は約1:10〜約25:1の範囲である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質対プロバイオティクスの割合(w/w)は約1:1〜約10:1の範囲である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質対プロバイオティクスの割合(w/w)は約5:1である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質対プロバイオティクスの割合(w/w)は約10:1である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質の割合は25:1より高くあり得る。例えば、いくつかの実施形態において、ピーナッツバター粉及び/またはレシチンは、糖担体として扱われ得る。いくつかの実施形態において、25部のレシチンまたはピーナッツバターに対して最大で1部のプロバイオティクスが産生され得るが、好きなだけプロバイオティクスを糖担体とブレンドすることができる。これは、1部のプロバイオティクスが100部(または更にはそれ以上)のレシチンまたはピーナッツバター粉と問題なく混合できることを意味する。
【0039】
いくつかの実施形態において、両親媒性物質は、プロバイオティクスと、乾燥した粉末として混合される。いくつかの実施形態において、両親媒性物質は、担体として働き、プロバイオティクス及び油と組み合わされて、プロバイオティクスを、熱、例えば、食物処理のための殺菌加工などの乾熱処理または液体熱処理に対してより耐性にする脂質ペーストを形成し得る。油は、特に限定するものではなく、食用油を含み得る。いくつかの実施形態において、油は、植物由来の油、例えば、オリーブ油、ヤシ油、大豆油、魚油、ヒマワリ油、キャノーラ油(菜種油)、トウモロコシ油、落花生油、及び他の植物油、ならびにバター及びラードなどの動物性油を含み得る。いくつかの実施形態において、油はオリーブ油である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質対プロバイオティクス対油の割合(w/w)は約1:10:0.1〜約10:1:25の範囲である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質対油の割合(w/w)は約1:0.5〜約0.5:1の範囲である。いくつかの実施形態において、両親媒性物質対油の割合(w/w)は約1:1である。
【0040】
熱の性質は、必ずしも限定するものではなく、乾熱、水蒸気、及び液体熱処理を含み得る。液体熱は、産生物が水などの温液に浸漬され、熱処理が液体と共に行われることを意味する。
【0041】
いくつかの実施形態において、本組成物は乾熱に供される。乾熱処理は、水及び水蒸気を用いずにオーブンまたはホットプレートを使用して達成され得る。いくつかの実施形態において、加熱は、第1の温度で開始され、第2の所望の温度で終了し得る。いくつかの実施形態において、本組成物は、加熱ステップなく所望の温度の乾熱に即座に供される。いくつかの実施形態において、乾熱の所望の温度は少なくとも50℃である。いくつかの実施形態において、乾熱は、少なくとも約50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、または100℃である。いくつかの実施形態において、乾熱は65〜100℃の範囲である。本組成物は、ある期間、第1の温度の乾熱に供された後、ある期間、1つ以上の異なる温度での1つ以上の熱処理に曝露され得る。
【0042】
熱への曝露期間は特に限定するものではない。いくつかの実施形態において、本組成物は、即時に熱に供され、その直後に熱から除去される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約1秒間、熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約1秒、2秒、秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、または少なくとも2時間、熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約10分間、熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、第1の温度の乾熱に供された後で、組成物を第2の温度の乾熱に供する。いくつかの実施形態において、第1の温度は約50〜65℃であり、第2の温度は約85℃以上である。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約1秒〜少なくとも約2時間、第1の温度の熱に供され、少なくとも約1秒〜少なくとも約2時間、第2の温度の熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、一晩、第1の温度に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、一晩、第2の温度に供される。いくつかの実施形態において、組成物は、約30分間、第1の温度の熱に供され、約10分間、第2の温度の熱に供される。いくつかの実施形態において、組成物は、約30分間、第1の温度の熱に供され、約30分間、第2の温度の熱に供される。いくつかの実施形態において、異なる温度での複数の熱処理の目的は、試料が第2の温度の処理に適切な温度であることを確実にするためであり、これは、材料が室温から例えば85℃に温まるまでに時間がかかり得ることに起因する。いくつかの実施形態において、本組成物は、30分から一晩の間、65℃で前処理を受けた後、適切な温度の熱処理を達成する処理時間の間、85℃に移行させられる。
【0043】
いくつかの実施形態において、本組成物は液体熱に供される。いくつかの実施形態において、液体熱は、少なくとも約50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、または95℃である。いくつかの実施形態において、液体熱は、少なくとも約50〜65℃である。いくつかの実施形態において、液体熱は、約65℃〜約95℃の範囲である。いくつかの実施形態において、液体熱は、少なくとも約70℃、75℃、または80℃である。いくつかの実施形態において、液体熱は、少なくとも約81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、または95℃である。
【0044】
いくつかの実施形態において、本組成物は、即時に液体熱に供され、その直後に熱から除去される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約1秒間、液体熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約1秒〜約1時間、液体熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約1秒、2秒、秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、または少なくとも1時間、液体熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約5分間、熱に供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、少なくとも約10分間、熱に供される。
【0045】
いくつかの実施形態において、本組成物は、食品、医薬品、または栄養補助食品と接触させられ、その製品と共に熱に供される。いくつかの実施形態において、加熱済みの食品、医薬品、または栄養補助食品は、本組成物を含む容器に分注されるか、さもなければ本組成物と組み合わされる。いくつかの実施形態において、加熱済みの食品、医薬品、または栄養補助食品は、製品をプロバイオティクス組成物と組み合わせる前に大きな冷却ステップを踏むことなく、熱処理の直後に接触させられる。このため、いくつかの実施形態において、本組成物をii)部の熱ステップに供することは、本組成物を食品、医薬品、または栄養補助食品と接触させることを含み、この食品、医薬品、または栄養補助食品は、本組成物の接触の前に既に熱に供されている。いくつかの実施形態において、本組成物は、加熱された食品、医薬品、または栄養補助食品が中に分注される容器内に存在することになる。
【0046】
容器
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載の組成物を含む食品、医薬品、または栄養補助食品を収容するのに好適な容器を更に提供する。いくつかの実施形態において、本容器は、ガラス、プラスチック、紙/カートン、アルミニウム、または乾燥させた植物果実シェルを含む物質から作製される。本容器の組成及び形状は、それらが、食品、医薬品、または栄養補助食品を収容するのに好適であることを条件に、限定するものではない。いくつかの実施形態において、本容器は、本明細書に記載のプロバイオティクス組成物でコーティングされる。
【0047】
いくつかの実施形態において、本容器は、有効量のPediococcus acidilacticiでコーティングされる。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiは、NRRL B−50517株である。いくつかの実施形態において、NRRL B−50517株を含むPediococcus acidilacticiなどのプロバイオティクスと、本明細書で提供されるヒマワリレシチンなどの両親媒性物質とを含む組成物が、本容器の表面または一部にコーティングされる。いくつかの実施形態において、本容器は、食品、栄養補助食品、または医薬品を更に含む。いくつかの実施形態において、食品は、油、酢、ヨーグルト、果実製品、アップルソース、乳製品、飲料、キャンディー、スナック菓子、ジュース、またはデザート用食品、例えば、クッキー、ケーキ、JELLO、フルーツバー、フルーツカスタード、もしくはティラミスを含む。いくつかの実施形態において、加熱された食品、栄養補助食品、または医薬品が、コーティングされた容器に分注された後、容器が密封される。
【0048】
治療方法
非限定的な例示的実施形態に従い、一態様において、本発明は、炎症を特徴とする疾患または病態の治療を、それを必要とする対象において行う方法を提供し、本方法は、有効量のPediococcus acidilacticiプロバイオティクスを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、本明細書に記載される組成物を投与される。いくつかの実施形態において、本組成物は、本明細書に記載されるプロバイオティクス及び両親媒性物質を含む。
【0049】
本明細書で使用される場合、「治療」及び全てのその形態及び時制(例えば、「treating」、「treated」、及び「treatment」を含む)は、治療処置を指す。本発明のある特定の態様において、治療と必要とする対象は、本発明の病的疾患または病態(例えば癌を含む)を既に患っている対象を含み、この場合、治療は、対象(例えば、治療を必要としているヒトまたは他の哺乳動物を含む)に治療有効量の組成物を投与し、その結果、対象が本発明の病的状態の兆候または症状における改善を有することを指す。この改善は、いずれの観察可能なまたは測定可能な改善であってもよい。このため、当業者は、治療が患者の状態を改善し得るが、疾患または病的状態の完全治癒でない場合があることを理解する。
【0050】
本明細書で治療される対象は、限定するものではい。いくつかの実施形態において、対象は、哺乳動物、鳥類、爬虫類、または魚類である。本発明に従って治療され得る哺乳動物には、炎症を特徴とする疾患または他の病的状態の対象となる、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、マウス、ラット、モルモット、ヒツジ、ウシ、ブタ、サル、類人猿などが挙げられるが、これらに限定されない。「患者」及び「対象」という用語は互換的に使用される。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
【0051】
Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスは、1日1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、または12回投与され得る。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスは、1日4回、1日2回、または1日1回投与される。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスは、2時間毎、4時間毎、6時間毎、8時間毎、10時間毎、12時間毎、または24時間毎に投与される。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスは1日1回投与される。
【0052】
Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与期間は、個々の事例及び治療される疾患または病態に応じて、治療/投与される各個体によって異なり得る。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスは、数日、数週、数カ月、または数年の治療期間で継続的に投与され得るか、あるいは間欠的に投与され得、後者の場合、個体は、ある期間にわたってPediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与を受けた後、ある期間治療を受けず、その後、必要に応じて治療を再開して、疾患または病態を治療する。例えば、いくつかの実施形態において、治療される個体は、本発明のPediococcus acidilacticiプロバイオティクスを、毎日、隔日、3日毎、4日毎、週に2日、週に3日、週に4日、週に5日、または週に7日、投与される。いくつかの実施形態において、個体は、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスを、1週間、2週間、3週間、4週間、1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、1年間、またはそれ以上の間、投与される。
【0053】
いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与により、対象における抗炎症性M2マクロファージ細胞の数が増加し、それにより疾患または病態を治療する。いくつかの実施形態において、抗炎症性M2マクロファージ細胞は、非治療レベルと比べて、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約125%、約150%、約175%、約200%、約250%、約300%、約350%、約400%、または約450%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、または約1000%以上、増加する。
【0054】
いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与により、対象におけるIL−10産生が増加し、それにより疾患または病態を治療する。いくつかの実施形態において、IL−10産生は、非治療レベルと比べて、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約125%、約150%、約175%、約200%、約250%、約300%、約350%、約400%、または約450%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、または約1000%以上、増大する。
【0055】
いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与により、対象におけるIL−6及び/またはIL−23のレベルが低下し、それにより疾患または病態を治療する。いくつかの実施形態において、IL−6及び/またはIL−23のレベルは、非治療レベルと比べて、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%、低下する。
【0056】
いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスの投与により、対象における抗炎症性M2マクロファージ細胞の数が増加し、併せて、IL−10産生が増加し、また任意選択で対象におけるIL−6及び/またはIL−23が減少する。
【0057】
いくつかの実施形態において、炎症を特徴とする疾患または病態は、悪性腫瘍(癌)、関節炎、心血管疾患、肝炎、感染、創傷治癒、膵炎、胃食道逆流症、糖尿病、炎症性腸疾患、消化性潰瘍疾患、気管支炎、胆嚢炎、虫垂炎、滑液包炎、皮膚炎、喘息、自己免疫疾患、骨盤内炎症性疾患、痛風、外傷、異物感染、熱傷、歯科治療、腱炎、鼻炎、粘膜炎、ならびに化学物質及びアルコールなどの毒素への曝露からなる群から選択される。
【0058】
本明細書で使用される場合、「癌」は、細胞が、無調節な及び/または増殖性の細胞成長ならびに該成長を誘発する能力を特徴とする、病態生理学的状態を指し、これには、上皮性悪性腫瘍及び非上皮性悪性腫瘍、例えば、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、星状細胞腫(例えば、小脳及び大脳を含む)、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳幹神経膠腫、脳腫瘍(例えば、上衣腫髄芽細胞腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉、視経路及び視床下部膠腫を含む)、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍(例えば、胃腸を含む)、原発部位不明の癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、大腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング腫瘍、肝外胆管癌、眼癌(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫を含む、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣を含む)、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、有毛細胞性白血病、頭頸部癌、頭頸部扁平上皮癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、島細胞癌(例えば、膵内分泌部を含む)、カポジ肉腫、喉頭癌、白血病、口唇及び口腔癌、肝臓癌、肺癌(例えば、非小細胞癌を含む)、リンパ腫、マクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄腫、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、口癌、口腔癌、骨肉腫、口腔咽頭癌、卵巣癌(例えば、卵巣、上皮性卵巣癌、胚細胞腫瘍を含む)、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽細胞腫及びテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体部腫瘍、形質細胞腫/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、妊娠及び乳癌、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、軟部組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、皮膚癌(例えば、非黒色腫または黒色腫を含む)、小腸癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、胸腺腫及び胸腺癌、甲状腺癌、腎盂及び尿管の移行細胞癌、絨毛性腫瘍(例えば、妊娠性を含む)、小児及び成人の稀な癌、尿道癌、子宮内膜性子宮癌、子宮肉腫、膣癌、ウイルス誘導性癌(例えば、HPV誘導性癌を含む)、外陰癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍、ならびに女性の癌などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本発明に従って使用することができるPediococcus acidilacticiプロバイオティクスは限定するものではない。いくつかの実施形態において、Pediococcus acidilacticiは、65℃超で生存可能であり、好気及び嫌気条件下及びpH1〜6.2で成長することができる株である。いくつかの実施形態において、本Pediococcus acidilacticiは、NRRL B−50517としてAgricultural Research Service(ARS)Patent Culture Collectionに寄託されている株である。NRRL B−50517株は、参照により本明細書に組み込まれる米国出願第13/676,579号に記載されている。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明で使用するためのPediococcus acidilacticiは、昇温、低いpH値、ならびに好気及び嫌気条件への耐性について選択され得る。
【0061】
本発明の治療方法に従い、「治療有効量」または「有効量」が対象に投与される。本明細書で使用される場合、「治療有効量」または「有効量」は、疾患または病態と関連付けられる1つ以上の症状を減少、抑制、または緩和するのに十分な量である。いくつかの実施形態において、対象は、1.0×10cfu超のプロバイオティクスを投与される。いくつかの実施形態において、対象は、4.0×10cfu超のプロバイオティクスを投与される。
【0062】
いくつかの実施形態において、対象は、1つ以上の追加の治療薬を投与される。いくつかの実施形態において、1つ以上の追加の治療薬は、炎症を特徴とする疾患または病態の治療に一般に使用されるものである。
【0063】
いくつかの実施形態において、対象は、抗炎症薬を併用投与される。いくつかの実施形態において、投与されたPediococcus acidilacticiと抗炎症薬は相乗的に作用する。いくつかの実施形態において、抗炎症薬は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。いくつかの実施形態において、抗炎症薬は、アンタゾリン、バルサラジド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、セレコキシブ、コルヒチン、デフラザコルト、デキサメタゾン、デキシブプロフェン、ジクロフェナク、エタネルセプト、エトドラク、フェルビナク、フェノプロフェン、フルメタゾン、フルオロメトロン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェン、フルチカゾン、ゲンタマイシン、ヒドロコルチゾン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ロテプレドノール、メフェナム酸、メロキシカム、メサラジン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、ナブメトン、ナプロキセン、ネパフェナク、オルサラジン、プレドニゾロン、リメキソロン、スルファサラジン、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸、トリアムシノロン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0064】
いくつかの実施形態において、対象は、対象において癌を治療するために、1つ以上の抗癌剤及び/または放射線療法をPediococcus acidilacticiプロバイオティクスと組み合わせて投与される。
【0065】
いくつかの実施形態において、抗癌剤は、酢酸アビラテロン、アビトレキサート(Abitrexate)(メトトレキサート)、アブラキサン(Abraxane)(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ABVD、ABVE、ABVE−PC、AC、AC−T、アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)、ADE、Ado−トラスツズマブエムタンシン、アドリアマイシン(塩酸ドキソルビシン)、アドルシル(フルオロウラシル)、ジマレイン酸アファチニブ、アフィニトール(エベロリムス)、アルダラ(イミキモド)、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリムタ(ペメトレキセド二ナトリウム)、アロキシ(パロノセトロン塩酸塩)、アンボクロリン(クロラムブシル)、アンボクロリン(クロラムブシル)、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタント、アレディア(パミドロン酸二ナトリウム)、アリミデックス(アナストロゾール)、アロマシン(エキセメスタン)、アラノン(ネララビン)、三酸化二ヒ素、アーゼラ(オファツムマブ)、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンチミー、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、アザシチジン、BEACOPP、ベスナム(Becenum)(カルムスチン)、ベレオダク(Beleodaq)(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、BEP、ベバシズマブ、ベキサロテン、ベキサール(トシツモマブ・ヨウ素131トシツモマブ)、ビカルタミド、BiCNU(カルムスチン)、ボレオマイシン、ブリナツモマブ、ブリンサイト(ブリナツモマブ)、ボルテゾミブ、ボスリフ(ボスチニブ)、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブスルファン、ブスルフェクス(ブスルファン)、カバジタキセル、カボザンチニブ−S−リンゴ酸塩、CAF、キャンパス(アレムツズマブ)、カンプトサル(Camptosar)(イリノテカン塩酸塩)、カペシタビン、CAPOX、カルボプラチン、CARBOPLATIN−TAXOL(カルボプラチン−タキソール)、カルフィルゾミブ、カルムブリス(カルムスチン)、カルムスチン、カルムスチンインプラント、カソデックス(ビカルタミド)、CeeNU(ロムスチン)セリチニブ、セルビジン(ダウノルビシン塩酸塩)、セルバリックス(遺伝子組換えHPV2価ワクチン)、セツキシマブ、クロラムブシル、CHLORAMBUCIL−PREDNISONE(クロラムブシル−プレドニゾン)、CHOP、シスプラチン、クラフェン(シクロホスファミド)、クロファラビン、クロファレックス(クロファラビン)、クロラール(クロファラビン)、CMF、コメトリック(カボザンチニブ−S−リンゴ酸塩)、COPP、COPP−ABV、コスメゲン(ダクチノマイシン)、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、サイフォス(Cyfos)(イホスファミド)、サイラムザ(ラムシルマブ)、シタラビン、シタラビン、リポソーム、シトサール−U(シタラビン)、シトキサン(シクロホスファミド)、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコゲン(デシタビン)、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デポサイト(シタラビンリポソーム)、デポフォーム(シタラビンリポソーム)、デクスラゾキサン塩酸塩、ドセタキセル、ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、Dox−SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC−Dome(ダカルバジン)、エフデクス(フルオロウラシル)、エリテック(Elitek)(ラスブリカーゼ)、エレンス(エピルビシン塩酸塩)、エロキサチン(オキサリプラチン)、エルトロンボパグオラミン、イメンド(アプレピタント)、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、アービタックス(セツキシマブ)、エリブリンメシル酸塩、エリベッジ(ビスモデギブ)、エルロチニブ塩酸塩、エルウィナーゼ(アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ)、エトポホス(Etopophos)(エトポシドリン酸塩)、エトポシド、エトポシドリン酸塩、エバセト(Evacet)(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、エベロリムス、エビスタ(ラロキシフェン塩酸塩)、エキセメスタン、フェアストン(トレミフェン)、ファソロデックス(フルベストラント)、FEC、フェマーラ(レトロゾール)、フィルグラスチム、フルダラ(フルダラビンリン酸エステル)、フルダラビンリン酸エステル、フルオロプレックス(フルオロウラシル)、フルオロウラシル、フォレックス(メトトレキサート)、フォレックスPFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI−BEVACIZUMAB、FOLFIRI−CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、フォロチン(プララトレキサート)、FU−LV、フルベストラント、ガーダシル(遺伝子組換えHPV4価ワクチン)、ガーダシル9(遺伝子組換えHPV9価ワクチン)、ガジーバ(オビヌツズマブ)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、GEMCITABINE−CISPLATIN(ゲムシタビン−シスプラチン)、GEMCITABINE−OXALIPLATIN(ゲムシタビン−オキサリプラチン)、ゲムツズマブオゾガマイシン、ジェムザール(ゲムシタビン塩酸塩)、ジオロトリフ(アファチニブ二マレイン酸塩)、グリベック(イマチニブメシル酸塩)、ギリアデル(カルムスチンインプラント)、グリアデルウェファー(カルムスチンインプラント)、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、ハラヴェン(エリブリンメシル酸塩)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、遺伝子組換えHPV2価ワクチン、遺伝子組換えHPV9価ワクチン、遺伝子組換えHPV4価ワクチン、ハイカムチン(トポテカン塩酸塩)、ハイパーCVAD、イブランス(パルボシクリブ)、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩)、イダマイシン(イダルビシン塩酸塩)、イダルビシン塩酸塩、イデラリシブ、アイフェックス(Ifex)(イホスファミド)、イホスファミド、イホスファミダム(Ifosfamidum)(イホスファミド)、イマチニブメシル酸塩、イムブルビカ(イブルチニブ)、イミキモド、インライタ(アキシチニブ)、イントロンA(遺伝子組換えインターフェロンα−2b)、ヨウ素131トシツモマブ及びトシツモマブ、イピリムマブ、イレッサ(ゲフィチニブ)、イリノテカン塩酸塩、イストダックス(ロミデプシン)、イキサベピロン、イキセンプラ(イキサベピロン)、ジャカフィ(ルキソリチニブリン酸塩)、ジェブタナ(カバジタキセル)、カドサイラ(Ado−トラスツズマブエムタンシン)、ケオキシフェン(ラロキシフェン塩酸塩)、ケピバンス(パリフェルミン)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、カイプロリス(カルフィルゾミブ)、ランレオチド酢酸塩、ラパチニブジトシル酸塩、レナリドミド、レンバチニブメシル酸塩、レンビマ(レンバチニブメシル酸塩)、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、ロイケラン(クロラムブシル)、ロイプロリド酢酸塩、レブラン(アミノレブリン酸)、リンフォリジン(Linfolizin)(クロラムブシル)、リポドックス(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、シタラビンリポソーム、ロムスチン、リュープロン(Lupron)(リュープロリド酢酸塩)、リュープロンデポ(Lupron Depot)(リュープロリド酢酸塩)、リュープロンデポ−ペド(Lupron Depot−Ped)(リュープロリド酢酸塩)、リュープロンデポ−3カ月(Lupron Depot−3 Month)(リュープロリド酢酸塩)、リュープロンデポ−4カ月(Lupron Depot−4 Month)(リュープロリド酢酸塩)、リンパルザ(オラパリブ)、マルキボ(Marqibo)(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、マツラン(Matulane)(プロカルバジン塩酸塩)、メクロレタミン塩酸塩、メゲース(メゲストロール酢酸エステル)、メゲストロール酢酸エステル、メキニスト(トラメチニブ)、メルカプトプリン、メスナ、メスネックス(メスナ)、メタゾラストン(テモゾロミド)、メトトレキサート、メトトレキサートLPF(メトトレキサート)、メキサート(メトトレキサート)、メキサート−AQ(メトトレキサート)、マイトマイシンC、ミトキサントロン塩酸塩、ミトザイトレックス(マイトマイシンC)、MOPP、モゾビル(プレリキサホル)、ムスタルゲン(メクロレタミン塩酸塩)、ミュータマイシン(マイトマイシンC)、ミレラン(ブスルファン)、マイロサル(Mylosar)(アザシチジン)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ナベルビン(ビノレルビン酒石酸塩)、ネララビン、ネオサル(シクロホスファミド)、ニューポジェン(フィルグラスチム)、ネクサバール(ソラフェニブトシル酸塩)、ニロチニブ、ニボルマブ、ノルバデックス(タモキシフェンクエン酸塩)、Nプレート(ロミプロスチム)、オビヌツズマブ、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オマセタキシンメペスクシナート、オンカスパル(Oncaspar)(ペガスパルガーゼ)、オンタック(デニロイキンディフティトックス)、オプジーボ(ニボルマブ)、OPPA、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パラプラット(カルボプラチン)、パラプラチン(カルボプラチン)、パゾパニブ塩酸塩、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンアルファ−2b、PEG−イントロン(ペグインターフェロンアルファ−2b)、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、パージェタ(ペルツズマブ)、ペルツズマブ、プラチノール(シスプラチン)、プラチノール−AQ(シスプラチン)、プレリキサホル、ポマリドミド、ポマリスト(ポマリドミド)、ポナチニブ塩酸塩、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、プロロイキン(アルデスロイキン)、プロリア(デノスマブ)、プロマクタ(エルトロンボパグオラミン)、プロベンジ(シプロイセル−T)、プリントール(メルカプトプリン)、プリキサン(Purixan)(メルカプトプリン)、二塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、R−CHOP、R−CVP、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)2価ワクチン、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)9価ワクチン、遺伝子組換えヒトパピローマウイルス(HPV)4価ワクチン、遺伝子組換えインターフェロンアルファ−2b、レゴラフェニブ、R−EPOCH、レブリミド(レナリドマイド)、リウマトレックス(メトトレキサート)、リツキサン(リツキシマブ)、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、ルキソリチニブリン酸塩、スクレロソル胸膜内エアロゾル(Sclerosol Intrapleural Aerosol)(タルク)、シルツキシマブ、シプリューセル−T、ソマチュリンデポ(ランレオチド酢酸塩)、ソラフェニブトシル酸塩、スプリセル(ダサチニブ)、STANFORD V、滅菌タルクパウダー(タルク)、ステリタルク(タルク)、スチバーガ(レゴラフェニブ)、スニチニブリンゴ酸塩、スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)、サイラトロン(Sylatron)(ペグインターフェロンアルファ−2b)、シルバント(シルツキシマブ)、シノビール(Synovir)(サリドマイド)、シンリボ(オマセタキシンメペスクシナート)、TAC、タフィンラー(ダブラフェニブ)、タルク、タモキシフェンクエン酸塩、タラビンPFS(シタラビン)、タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)、タルグレチン(ベキサロテン)、タシグナ(ニロチニブ)、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、テモダール(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシ
ロリムス、サリドマイド、サロミド(サリドマイド)、チオテパ、トポサール(エトポシド)、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トリセル(テムシロリムス)、トシツモマブ及びヨードI 131ヨウ素トシツモマブ、トテクト(デクスラゾキサン塩酸塩)、TPF、トラメチニブ、トラスツズマブ、トレアンダ(ベンダムスチン塩酸塩)、トリセノックス(亜ヒ酸)、タイカーブ(ラパチニブジトシル酸塩)、バンデタニブ、VAMP、ベクティビックス(パニツムマブ)、VeIP、ベルバン(ビンブラスチン硫酸塩)、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ベルサール(ビンブラスチン硫酸塩)、ベムラフェニブ、ベプシド(エトポシド)、ビアドゥール(Viadur)(リュープロリド酢酸塩)、ビダーザ(アザシチジン)、ビンブラスチン硫酸塩、ビンカサールPFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、VIP、ビスモデギブ、ボラキサーゼ(Voraxaze)(グルカルピダーゼ)、ボリノスタット、ボトリエント(パゾパニブ塩酸塩)、ウェルコボリン(ロイコボリンカルシウム)、ザーコリ(クリゾチニブ)、ゼローダ(カペシタビン)、XELIRI、イクスゲバ(Xgeva)(デノスマブ)、ゾーフィゴ(二塩化ラジウム223)、イクスタンジ(Xtandi)(エンザルタミド)、ヤーボイ(イピリムマブ)、ザルトラップ(Ziv−アフリベルセプト)、ゼルボラフ(ベムラフェニブ)、ゼバリン(イブリツモマブチウキセタン)、ザインカード(Zinecard)(デクスラゾキサン塩酸塩)、Ziv−アフリベルセプト、ゾラデックス(ゴセレリン酢酸塩)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)、ゾメタ(ゾレドロン酸)、ザイデリグ(イデラリシブ)、ジカディア(セリチニブ)、ならびにザイティガ(酢酸アビラテロン)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、薬物は、パクリタキセル、クルクミン、ドセタキセル、イキサベピロン、ビンブラスチン、コルヒチン、Y−27632ファスジル、SU6656ダサチニブ、HDAC阻害剤、ROCK阻害剤、パルテノライド、コスツノリド、及びML−7ジャズプラキノリド(Jazplakinolide)からなる群から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態において、対象は、別の治療薬を投与されず、任意選択で両親媒性物質及び/または食物と混合されたPediococcus acidilacticiプロバイオティクスからなる、または本質的にそれからなる組成物を投与される。
【0067】
いくつかの実施形態において、対象は、1つ以上の追加のプロバイオティクスを投与される。いくつかの実施形態において、対象は、別のプロバイオティクスを投与されない。
【0068】
組成物
いくつかの実施形態において、本発明は、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本組成物は、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517を含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517を含む、有効量のPediococcus acidilacticiを含む。いくつかの実施形態において、本発明は、有効量の両親媒性物質及び任意選択で本明細書に記載される油と混合されたPediococcus acidilacticiプロバイオティクスを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本組成物は、有効量の両親媒性物質及び任意選択で油と混合されたPediococcus acidilacticiプロバイオティクスと組み合わせた、食品、医薬品、または栄養補助食品を含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、本組成物は薬学的組成物である。いくつかの実施形態において、本組成物は、炎症を特徴とする1つ以上の疾患または病態を治療することができる、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517を含む有効量のPediococcus acidilacticiを含む薬学的組成物である。いくつかの実施形態において、本組成物は、炎症を特徴とする1つ以上の疾患または病態を治療することができる、有効量の両親媒性物質及び任意選択で油と混合されたPediococcus acidilactici NRRL B−50517を含む有効量のPediococcus acidilacticiを含む薬学的組成物である。
【0070】
いくつかの実施形態において、本薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体または添加物を含む。薬学的に許容される担体及び添加物は、製剤中の他の成分と適合性があり、生物学的に許容されるものである。Pediococcus acidilacticiは、薬学的に許容される担体、添加物、または希釈剤と組み合わせて提供され得る。好適な担体、添加物、及び/または希釈剤には、医薬品グレードのデンプン、マンニトール、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース(または他の糖)、炭酸マグネシウム、ゼラチン、油、アルコール、界面活性剤、乳化剤、または水(好ましくは滅菌)が挙げられるが、これらに限定されない。本組成物は、組成物の混合調製物であってもよく、あるいは同時使用、別使用、または連続使用(投与を含む)のための併用調製物であってもよい。本Pediococcus acidilacticiはまた、コップ1杯の水に添加した後で飲む必要があるサシェで投与され得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、本組成物は経口投与に好適である。いくつかの実施形態において、本組成物は、錠剤、カプセル、丸剤、糖衣錠、懸濁液、トローチ剤、エマルション、水溶液、液体、ゲル、またはシロップである。いくつかの実施形態において、本組成物は、機能性食品及び/または飲料の形態、ならびに様々なサプリメントの形態で送達され得る。
【0072】
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル、カシェー、または錠剤などの別個の単位として提示されてもよく、これらの別個の単位は、各々、所定量のPediococcus acidilacticiを、いくつかの実施形態においては、湿潤、噴霧乾燥、または凍結乾燥され得る、粉末または顆粒として;水性または非水性液中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型エマルションまたは油中水型液体エマルションとして含有する。
【0073】
いくつかの実施形態において、錠剤は、任意選択で1つ以上の副成分と共に圧縮または成形によって作製され得る。圧縮された錠剤は、粉末または顆粒などの自由流動形態にあり、任意選択で結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋されたポビドン、架橋されたカルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤、または分散剤と混合された活性成分を、好適な機械において圧縮することによって調製され得る。成形済み錠剤は、不活性希釈液で湿潤させた粉末状化合物の混合物を好適な機械において成形することによって作製され得る。錠剤は、任意選択で、コーティングされるか、または切れ目を入れられてもよく、所望の放出プロファイルを提供するように、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを異なる割合で使用して、中の活性成分の持続または制御放出を提供するように製剤化されてもよい。錠剤は、任意選択で、胃以外の消化管の部分における放出をもたらすように、腸溶性コーティングと共に提供されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、本組成物は、即時放出、遅延放出、調節放出、持続放出、脈動放出、または制御放出用途のための、香味剤または着色剤を含有し得る、錠剤、丸剤、カプセル、腔坐剤、溶液、または懸濁液のうちの1つ以上を含む。
【0075】
水性懸濁剤及び/またはエリキシルについては、本発明の組成物は、様々な甘味剤または香味剤、着色物質または色素、乳化剤及び/または懸濁剤、ならびに水、プロピレングリコール、及びグリセリンなどの希釈剤、ならびにそれらの組み合わせと組み合わされ得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、投与の容易性及び用量の均一性のための単位剤形で製剤化される。「単位剤形」という用語は、本明細書で使用される場合、治療される個体のための単一の服用量として適した物理的に別個の単位を指す。いくつかの実施形態において、本組成物は、必要とされる薬学的担体と併せて所望の効果を生むように計算された1つ以上の活性化合物の所定の「単位用量(unit dosage)」または「単位用量(unit dose)」を各々含有する、別個の用量単位に製剤化される。
【0077】
いくつかの実施形態において、本組成物はゼラチンカプセルを含む。いくつかの実施形態において、ゼラチンカプセルは、約1〜40億CFUの用量で、桃の果実粉末と共に有効量のP.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌を含む。
【0078】
本発明に従って単独でPediococcus acidilacticiを投与することは可能ではあるが、本Pediococcus acidilacticiは、典型的には、製品の一部として、特に、食品、栄養補助食品、または医薬製剤の構成要素として、支持体上でまたはその中で投与される。これらの製品は、典型的には、当業者に周知の追加の構成要素を含有する。一実施形態において、本組成物は、有効量の両親媒性物質及び任意選択で油と混合されたPediococcus acidilacticiプロバイオティクスを含む。
【0079】
一実施形態において、本Pediococcus acidilacticiは、補助食品、飲料、または牛乳を基にする粉末などの食品中で、本明細書に従って用いられる。本明細書では、「食物」という用語は、広義に使用され、ヒト用食物及び動物用食物(即ち、飼料)を網羅する。一実施形態において、食物はヒトによる消費のためのものである。
【0080】
食物は、使用及び/または適用形態及び/または投与形態に応じて、溶液の形態、または固体であってもよい。
【0081】
機能食品などの食物としてまたはその調製に使用される場合、本発明の組成物は、栄養的に許容される担体、栄養的に許容される希釈剤、栄養的に許容される添加物、栄養的に許容されるアジュバント、栄養的に活性な成分のうちの1つ以上と併用されてもよい。
【0082】
例として、本発明の組成物は、ソフトドリンク、フルーツジュースまたは乳清タンパク質を含む飲料、健康茶、ココア飲料、牛乳飲料、ヨーグルト及び飲むヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、水氷及びデザート、菓子類、ビスケット、ケーキ、及びケーキの素、スナック食品、バランス食品及び飲料、フルーツフィリング、ケアグレーズ(care glaze)、製パン用チョコレートフィリング、チーズケーキ味のフィリング、果実味のケーキフィリング、ケーキ及びドーナツ用砂糖衣、インスタントの製パン用フィリングクリーム、クッキー用フィリング、既製の製パン用フィリング、低カロリーフィリング、大人用栄養飲料、酸性大豆/ジュース飲料、無菌/レトルトチョコレート飲料、おつまみ用スナック、飲料粉末、カルシウム強化大豆/プレーン及びチョコレートミルク、カルシウム強化コーヒー飲料のための成分として使用することができる。
【0083】
本組成物は、更に、食品、例えば、アメリカンチーズソース、粉チーズ及び細切りチーズのための固結防止剤、チップディップ、クリームチーズ、乾燥ブレンドホイップトッピング無脂肪サワークリーム(dry blended whip topping fat free sour cream)、冷凍/解凍の生ホイップクリーム、冷凍/解凍の安定したホイップトッピング(stable whipped topping)、低脂肪及びライトナチュラルチェダーチーズ、低脂肪スイススタイルヨーグルト、含気冷凍デザート、固めたアイスクリーム、成分が分かりやすく経済的な嗜好品の固めたアイスクリームの、低脂肪アイスクリーム(ソフトクリーム)、バーベキューソース、チーズディップソース、カッテージチーズドレッシング、乾燥ミックスアルフレッドソース、ミックスチーズソース、乾燥ミックストマトソース、ならびに他のものにおける成分として使用され得る。
【0084】
「乳製品」という用語は、本明細書で使用される場合、動物及び/または植物由来のミルクで構成される媒体を含むことを意味する。動物由来のミルクとしては、ウシ、ヒツジ、ヤギ、またはスイギュウのミルクを挙げることができる。植物由来のミルクとしては、本発明に従って使用することができる任意の植物由来の発酵性物質、特に、大豆、米、または穀類に由来するものを挙げることができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、本発明に従って用いられる食品は、発酵乳またはヒト化乳である。
【0086】
いくつかの実施形態において、本組成物は、発酵ヨーグルト飲料、ヨーグルト、飲むヨーグルト、チーズ、発酵クリーム、ミルクを基にしたデザート、及び他のものなどのヨーグルト製造に関連して使用され得る。
【0087】
好適には、本組成物は、チーズ用途、肉用途、または保護菌を含む用途のうちの1つ以上における成分として更に使用され得る。
【0088】
本発明は、食物または食物成分の調製方法を提供し、本方法は、本発明に従う組成物を別の食物成分と混合することを含む。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明の組成物(及び任意選択で他の構成要素/成分)と接触させた製品に関し、ここでは、本組成物は、その製品の栄養素及び/または健康効果を改善することができる量で使用される。
【0090】
本明細書で使用される場合、「接触させた」という用語は、本発明の組成物を製品に直接的または間接的に適用することを指す。使用され得る適用方法の例には、本組成物を含む材料中で製品を処理すること、本組成物を製品と混合することによって直接的に適用すること、本組成物を製品表面に噴霧すること、または本組成物の調製物中に製品を浸すことが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
本発明の製品が食料品である場合、本発明の組成物は、好ましくは製品と混合される。あるいは、本組成物は、エマルションまたは食料品の原材料に含まれてもよい。更に代替的に、本組成物は、調味料、グレーズ、着色料混合物などとして適用されてもよい。
【0092】
いくつかの用途に対しては、本組成物が、作用される/処理される製品の表面上でまたは表面に対して利用可能となることが重要である。これにより、本組成物は、栄養素及び/または健康効果という好ましい特徴のうちの1つ以上を授けることができるようになる。
【0093】
本発明の組成物は、製品に、制御された量の生きた微生物を散在させる、それらでコーティングする、及び/またはそれらを含浸させるように適用されてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、本組成物は、ミルク、またはスクロース強化ミルク、またはスクロース及び/もしくはマルトースを有するミルク媒体の発酵に使用され、ここでは、本組成物の全構成要素を含有する結果として得られる媒体(即ち、本発明に従う既出の微生物)は、一成分として、好適な濃度で、例えば、10〜1010cfuの日用量を提供する最終製品中の濃度で、ヨーグルトに添加され得る。本発明に従う微生物は、ヨーグルトの発酵の前に使用しても、後に使用してもよい。
【0095】
いくつかの態様において、本発明に従う微生物は、家畜飼料などの動物飼料、特に、トリ(ニワトリなど)飼料、ペットフード、またはペット用おやつとして、またはその調製に使用される。
【0096】
製品が食品であるいくつかの実施形態において、本Pediococcus acidilacticiは、販売店による販売のために食品が提供される期間である通常の「販売期限」または「消費期限」にわたって効果を維持するべきである。好ましくは、有効期間は、食品の腐敗が明白になる通常の鮮度期間の終了まで、かかる日付を超えて延長するべきである。時間及び通常の保存可能期間の所望の長さは食料品ごとに異なり、当業者であれば、保存可能期間が、食料品の種類、食料品のサイズ、貯蔵温度、処理条件、梱包材料、及び梱包機器に応じて異なることを認識するであろう。
【0097】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、食物成分及び/または飼料成分として使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「食物成分」または「飼料成分」という用語は、機能食品または食料品に栄養補物として添加するまたは添加することができる配合物を含む。食物成分は、使用及び/または適用形態及び/または投与形態に応じて、溶液の形態、または固体であってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、補助食品(本明細書では栄養補助食品とも称される)であっても、それらに添加されてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、機能食品であっても、それらに添加されてもよい。本明細書で使用される場合、「機能食品」という用語は、栄養効果を提供するだけでなく、更なる有益な効果を消費者にもたらすこともできる食物を意味する。したがって、機能食品は、単なる栄養効果以外に、特定の機能的利益、例えば、医学的または生理学的利益を食物に授ける構成要素または成分(本明細書に記載されるものなど)が組み込まれた通常の食物である。機能食品の法的な定義は存在しないが、この領域に関心がある人々の大部分は、機能食品とは、基本的な栄養効果を超えて特定の健康効果を有するものとして売り出されている食物であることに同意する。いくつかの機能食品は栄養補給食品である。本明細書では、「栄養補給食品」という用語は、栄養効果及び/または味の満足度を提供することができるだけでなく、治療(または他の有益な)効果を消費者にもたらすこともできる食物を意味する。栄養補給食品は、食物と薬との伝統的な境界線を横断する。
【0100】
いくつかの実施形態において、本発明は、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517などのPediococcus acidilacticiと食用油とを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、食用油は、オリーブ油、トウモロコシ油、EVOO、LTOO、落花生油、及び植物油からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、組成物中の油対プロバイオティクスの割合(w/w)は1:1〜10:1の範囲である。いくつかの実施形態において、プロバイオティクスは、油組成物中で耐熱性を呈する。
【0101】
いくつかの実施形態において、本発明は、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517などのPediococcus acidilacticiと組み合わせた、スクロースまたはラクトースなどの糖を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、糖の濃度は溶液の0.1%〜50%の範囲である。
【0102】
いくつかの実施形態において、本発明は、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517などのPediococcus acidilacticiと組み合わせた、NaClなどの塩溶液を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、塩の濃度は溶液の0.1%〜20%の範囲である。
【0103】
いくつかの実施形態において、本発明は、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517などのPediococcus acidilacticiと組み合わせたピーナッツバターを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、ピーナッツバター対プロバイオティクスの割合(w/w)は1:1〜10:1の範囲である。
【0104】
試料実施形態
本節は、一連の段落として限定的でなく提示される例示的な本発明の組成物及び方法を説明し、その一部または全ては明瞭性及び効率のために英数字の順で指定され得る。これらの段落の各々は、1つ以上の他の段落、及び/または参照により組み込まれる資料を含む本出願の他箇所からの開示と、任意の好適な様式で組み合わされ得る。以下の段落のいくつかは、他の段落を明示的に参照し、それらを更に制限し、好適な組み合わせのうちのいくつかの例を限定的でなく提供する。
【0105】
1.有効量のプロバイオティクスを含む組成物であって、該組成物が熱に供されるときに該組成物中の該プロバイオティクスの生存能力を強化する有効量の両親媒性物質との混合物中にある、組成物。
【0106】
2.該プロバイオティクスが、該両親媒性物質と、凍結乾燥した発酵培地として混合される、段落1に記載の組成物。
【0107】
3.該両親媒性物質が、該プロバイオティクスと、乾燥した粉末として混合される、段落1〜2のいずれかに記載の組成物。
【0108】
4.該両親媒性物質及びプロバイオティクスと混合される油を更に含む、段落1〜3のいずれかに記載の組成物。
【0109】
5.該油がオリーブ油である、段落4に記載の組成物。
【0110】
6.該両親媒性物質対該プロバイオティクス対該油の割合(w/w)が、約1:10:0.1〜約10:1:25の範囲である、段落4〜6のいずれかに記載の組成物。
【0111】
7.該両親媒性物質が、脂質ペーストを形成し、担体として働く、段落1〜6のいずれかに記載の組成物。
【0112】
8.該プロバイオティクスがPediococcus acidilacticiである、段落1〜7のいずれかに記載の組成物。
【0113】
9.該プロバイオティクスがPediococcus acidilactici NRRL B−50517である、段落1〜8のいずれかに記載の組成物。
【0114】
10.該両親媒性物質が、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、またはクッキーバターを含む、段落1〜9のいずれかに記載の組成物。
【0115】
11.該熱が乾熱である、段落1〜10のいずれかに記載の組成物。
【0116】
12.該乾熱が少なくとも65℃である、段落11に記載の組成物。
【0117】
13.該乾熱が65℃〜95℃の範囲である、段落11〜12のいずれかに記載の組成物。
【0118】
14.該組成物が、少なくとも1秒間熱に供される、段落1〜13のいずれかに記載の組成物。
【0119】
15.該組成物が、少なくとも約10分間熱に供される、段落1〜14のいずれかに記載の組成物。
【0120】
16.該組成物が第1の温度の乾熱に供された後で、該組成物を第2の温度の乾熱に供する、段落1〜15のいずれかに記載の組成物。
【0121】
17.該第1の温度が約65℃であり、該第2の温度が約85℃である、段落16に記載の組成物。
【0122】
18.該組成物が、少なくとも約1秒〜少なくとも約30分間、該第1の温度の熱に供され、少なくとも約1秒〜少なくとも約30分間、該第2の温度の熱に供される、段落16〜17のいずれかに記載の組成物。
【0123】
19.該組成物が、約30分間、該第1の温度の熱に供され、約10分間、該第2の温度の熱に供される、段落16〜17のいずれかに記載の組成物。
【0124】
20.該組成物が、約30分間、該第1の温度の熱に供され、約30分間、該第2の温度の熱に供される、段落16〜17のいずれかに記載の組成物。
【0125】
21.該熱が液体熱である、段落1〜10のいずれかに記載の組成物。
【0126】
22.該液体熱が少なくとも約65℃である、段落21に記載の組成物。
【0127】
23.該液体熱が少なくとも約80℃である、段落21に記載の組成物。
【0128】
24.該液体熱が少なくとも約82℃である、段落21に記載の組成物。
【0129】
25.該組成物が、少なくとも約1秒間、該液体熱に供される、段落21〜24のいずれかに記載の組成物。
【0130】
26.該組成物が、少なくとも約5分間、該熱に供される、段落21〜24のいずれかに記載の組成物。
【0131】
27.該組成物が、少なくとも約10分間、該熱に供される、段落21〜24のいずれかに記載の組成物。
【0132】
28.該生存能力が、該有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約2倍強化される、段落1〜27のいずれかに記載の組成物。
【0133】
29.該生存能力が、該有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約10倍強化される、段落1〜27のいずれかに記載の組成物。
【0134】
30.該両親媒性物質がヒマワリレシチンである、段落1〜29のいずれかに記載の組成物。
【0135】
31.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:10〜約25:1の範囲である、段落1〜30のいずれかに記載の組成物。
【0136】
32.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:1〜約10:1の範囲である、段落1〜31のいずれかに記載の組成物。
【0137】
33.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が約5:1である、段落1〜32のいずれかに記載の組成物。
【0138】
34.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が約10:1である、段落1〜32のいずれかに記載の組成物。
【0139】
35.段落1〜34のいずれかに記載の組成物を含む食品を収容するのに好適な容器。
【0140】
36.該容器が、ガラス、プラスチック、紙/カートン、またはアルミニウムを含む物質から作製される、段落35に記載の容器。
【0141】
37.該組成物が、該容器の表面または一部にコーティングされる、段落35〜36のいずれかに記載の容器。
【0142】
38.食品を更に含む、段落35〜37のいずれかに記載の容器。
【0143】
39.該食品が、油、酢、ヨーグルト、果実製品、アップルソース、乳製品、飲料、キャンディー、スナック菓子、及びジュースを含む、段落38に記載の容器。
【0144】
40.食物を収容するのに好適な容器であって、該容器の一部または表面が、有効量のPediococcus acidilacticiでコーティングされる、容器。
【0145】
41.該Pediococcus acidilacticiが、NRRL B−50517株である、段落40に記載の容器。
【0146】
42.該容器が、ガラス、プラスチック、紙/カートン、及びアルミニウムを含む物質から作製される、段落40または41のいずれかに記載の容器。
【0147】
43.該Pediococcus acidilacticiが、該容器の内面にコーティングされる、段落40〜43のいずれかに記載の容器。
【0148】
44.食品を更に含む、段落40〜43のいずれかに記載の容器。
【0149】
45.該食品が、油、酢、ヨーグルト、果実製品、アップルソース、乳製品、飲料、キャンディー、スナック菓子、及びジュースを含む、段落44に記載の容器。
【0150】
46.熱に供される組成物中のプロバイオティクスの生存能力を強化する方法であって、
iii)有効量の両親媒性物質を、プロバイオティクスを含む組成物に添加することと、
iv)組成物を熱に供することと、を含み、
それにより、熱に供される組成物中のプロバイオティクスの生存能力が強化される、方法。
【0151】
47.該両親媒性物質が、該プロバイオティクスの凍結乾燥した発酵培地と混合される、段落46に記載の方法。
【0152】
48.該両親媒性物質が、乾燥した粉末の形態である、段落46〜47のいずれかに記載の方法。
【0153】
49.該両親媒性物質が、該プロバイオティクス及び油と混合される、段落46〜48のいずれかに記載の方法。
【0154】
50.該油がオリーブ油である、段落49に記載の方法。
【0155】
51.該両親媒性物質対該プロバイオティクス対該油の割合(w/w)が、約1:10:0.1〜約10:1:25の範囲である、段落49〜50のいずれかに記載の方法。
【0156】
52.該両親媒性物質が、脂質ペーストを形成し、担体として働く、段落46〜50のいずれかに記載の方法。
【0157】
53.該プロバイオティクスがPediococcus acidilacticiである、段落46〜52のいずれかに記載の方法。
【0158】
54.該プロバイオティクスがPediococcus acidilactici NRRL B−50517である、段落2に記載の方法。
【0159】
55.該両親媒性物質が、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、またはクッキーバターを含む、段落46〜54のいずれかに記載の方法。
【0160】
56.該熱が乾熱である、段落46〜55のいずれかに記載の方法。
【0161】
57.該乾熱が少なくとも50℃である、段落56に記載の方法。
【0162】
58.該乾熱が65〜95℃の範囲である、請求項55〜56のいずれかに記載の方法。
【0163】
59.該組成物が、少なくとも1秒間熱に供される、段落46〜58のいずれかに記載の方法。
【0164】
60.該組成物が、少なくとも約10分間熱に供される、段落46〜59のいずれかに記載の方法。
【0165】
61.該組成物が第1の温度の乾熱に供された後で、該組成物を第2の温度の乾熱に供する、段落46〜60のいずれかに記載の方法。
【0166】
62.該第1の温度が約65℃であり、該第2の温度が約85℃である、段落61に記載の方法。
【0167】
63.該組成物が、少なくとも約1〜少なくとも約30分間、該第1の温度の熱に供され、少なくとも約1〜少なくとも約30分間、該第2の温度の熱に供される、段落61〜62のいずれかに記載の方法。
【0168】
64.該組成物が、約30分間、該第1の温度の熱に供され、約10分間、該第2の温度の熱に供される、段落61〜63のいずれかに記載の方法。
【0169】
65.該組成物が、約30分間、該第1の温度の熱に供され、約30分間、該第2の温度の熱に供される、段落61〜63のいずれかに記載の方法。
【0170】
66.該熱が液体熱である、段落46〜55のいずれかに記載の方法。
【0171】
67.該液体熱が少なくとも約50℃である、段落66に記載の方法。
【0172】
68.該液体熱が少なくとも約80℃である、段落66に記載の方法。
【0173】
69.該液体熱が少なくとも約82℃である、段落66に記載の方法。
【0174】
70.該組成物が、少なくとも約1秒間、該熱に供される、段落66〜69のいずれかに記載の方法。
【0175】
71.該組成物が、少なくとも約5分間、該熱に供される、段落66〜70のいずれかに記載の方法。
【0176】
72.該組成物が、少なくとも約10分間、該熱に供される、段落66〜70のいずれかに記載の方法。
【0177】
73.該生存能力が、該有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約2倍強化される、段落46〜72のいずれかに記載の方法。
【0178】
74.該生存能力が、該有効量の両親媒性物質を欠く組成物と比較して少なくとも約10倍強化される、段落46〜72のいずれかに記載の方法。
【0179】
75.該両親媒性物質がヒマワリレシチンである、段落46〜74のいずれかに記載の方法。
【0180】
76.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:10〜約25:1の範囲である、段落46〜75のいずれかに記載の方法。
【0181】
77.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が、約1:1〜約10:1の範囲である、段落46〜76のいずれかに記載の方法。
【0182】
78.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が約5:1である、段落46〜77のいずれかに記載の方法。
【0183】
79.該両親媒性物質対該プロバイオティクスの割合(w/w)が約10:1である、段落46〜77のいずれかに記載の方法。
【0184】
80.該組成物が、食品と接触し、該食品と共に熱に供される、段落46〜79のいずれかに記載の方法。
【0185】
81.該組成物をii)部の熱ステップに供することが、該組成物を食品と接触させることを含み、該食品が、該組成物の接触の前に既に熱に供されている、段落46〜79に記載の方法。
【0186】
82.炎症を特徴とする疾患または病態の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、有効量のPediococcus acidilacticiプロバイオティクスを対象に投与することを含む、方法。
【0187】
83.該方法が、請求項1〜34のいずれかに記載の組成物を該対象に投与することを含む、段落82に記載の方法。
【0188】
84.該組成物が、食品、栄養補助食品、または医薬品を更に含む、段落83に記載の方法。
【0189】
85.該疾患または病態が、悪性腫瘍(癌)、関節炎、心血管疾患、肝炎、感染、創傷治癒、膵炎、胃食道逆流症、糖尿病、炎症性腸疾患、消化性潰瘍疾患、気管支炎、胆嚢炎、虫垂炎、滑液包炎、皮膚炎、喘息、自己免疫疾患、骨盤内炎症性疾患、痛風、外傷、異物感染、熱傷、歯科治療、腱炎、鼻炎、粘膜炎、ならびに化学物質及びアルコールなどの毒素への曝露からなる群から選択される、段落82〜84のいずれかに記載の方法。
【0190】
86.該Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスが、NRRL B−50517株である、段落82〜85のいずれかに記載の方法。
【0191】
87.該対象がヒトである、段落82〜86のいずれかに記載の方法。
【0192】
88.該対象が、1.0×10cfu超のプロバイオティクスを投与される、段落82〜87のいずれかに記載の方法。
【0193】
89.該対象が、4.0×10cfu超のプロバイオティクスを投与される、段落82〜88のいずれかに記載の方法。
【0194】
90.該対象が、1つ以上の追加の治療薬を投与される、段落82〜89のいずれかに記載の方法。
【0195】
91.該対象が、別の治療薬を投与されない、段落82〜89のいずれかに記載の方法。
【0196】
92.該Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスが、対象における抗炎症性M2マクロファージ細胞の数を増加させる、段落82〜91のいずれかに記載の方法。
【0197】
93.該対象が増大したIL−10産生を呈する、段落82〜92のいずれかに記載の方法。
【0198】
94.該対象が、IL−6及び/またはIL−23の低下したレベルを呈する、段落82〜93のいずれかに記載の方法。
【0199】
95.該疾患が癌である、段落82〜94のいずれかに記載の方法。
【0200】
96.該対象が、1つ以上の化学療法剤及び/または放射線療法を、Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスと組み合わせて投与される、段落95に記載の方法。
【0201】
97.該疾患が膵炎である、段落82〜94のいずれかに記載の方法。
【0202】
98.段落82〜97のいずれかに記載の方法において使用するための有効量のPediococcus acidilacticiプロバイオティクスを含む、組成物。
【0203】
99.該Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスが、錠剤として製剤化される、段落98に記載の組成物。
【0204】
100.該Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスが、カプセルとして製剤化される、段落98に記載の組成物。
【0205】
101.桃の果実粉末を風味剤として含む、段落98〜100のいずれかに記載の組成物。
【0206】
102.該Pediococcus acidilacticiプロバイオティクスが、NRRL B−50517株である、段落98〜101のいずれかに記載の組成物。
【0207】
本発明は、以下の実施例によって更に例解される。これらの実施例は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、その制限として解釈されるべきではない。
【実施例】
【0208】
実施例1−P.acidilactici投与により、動物における自然免疫応答が刺激される
この実施例は、P.acidilacticiの投与がラットにおける自然免疫応答に与える影響を説明する。
【表1】
*:Sprague Dawleyラット(9週)に、Harlan#7012ラット餌を不断給餌した。プロバイオティクスは、Pediococcus系プロバイオティクスであった(Imagilin,Frederick,MD)。群は、対照群(プロバイオティクスなし)、低用量(1×10cfu)、中用量(2×10)、及び高用量(10×10)の4つであった(n=10)。動物に、プロバイオティクスと混合した2グラムの食物を午前11時に与えた。その後、午後8時〜午前11時まで、餌を不断給餌した。水は24時間不断給餌した。尾血試料を全血球算定のために分析した。
【0209】
ラットに1日あたり2.0×10〜10×10cfuのPediococcus系プロバイオティクスを15日間投与したとき、マクロファージの量は、プロバイオティクスを投与していないラットのものと比較して150%〜180%増加した。マクロファージの増加は、Pediococcus系プロバイオティクスがラットの自然免疫応答を刺激し得ることを示す。興味深いことに、ラットに少量(1.0×10)のPediococcus系プロバイオティクスを給餌した場合、マクロファージの数は、対照由来のもののマクロファージの量と類似していた。これにより、十分な量のPediococcus系プロバイオティクスが、マクロファージ細胞の量の増加など、自然免疫応答の刺激に必要であることが示される。
【0210】
実施例2−P.acidilactici投与によりヒト対象におけるサイトカイン産生が刺激される。
この例は、P.acidilacticiの投与がヒト対象におけるサイトカイン産生に与える影響を説明する。
【0211】
自然免疫応答に関して、マクロファージは、炎症促進性M1マクロファージ及び抗炎症性M2マクロファージの2つの群に大まかに分けられる。M2マクロファージはまた、創傷治癒及び組織修復などの構築プロセスにおいて機能するマクロファージ、ならびにインターロイキン−10(IL−10)などの抗炎症性サイトカインの産生によって有害な免疫系活性化を無効にするマクロファージを指す。
【表2】
*:血清試料を、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517プロバイオティクスを投与する前と、1日あたり40億cfuのPediococcusプロバイオティクスを45日間投与した後とで5人の有志から収集した。血清試料を、炎症促進性IL−6及び抗炎症性IL−10と関連付けられるバイオマーカーを測定するように設計されたLuminex系多重アッセイ(EMD Millipore;Milliplex)を使用して分析した。
【0212】
5人全ての有志が、Pediococcusプロバイオティクスを45日間投与した後、顕著に増大した抗炎症性IL−10活性(158%〜422%の増大)を呈した。対照的に、炎症促進性IL−6に対する影響は、3人の有志においては減少した活性を、2人の有志においては増大した活性を呈するという、一貫性のない結果を示した。これらの結果は、ヒト対象におけるPediococcusプロバイオティクスの投与により、抗炎症性IL−10活性が2倍超強化され得ることを示す。これらの結果は、Pediococcus系プロバイオティクスによって治療したラットにおけるマクロファージの増加を示す結果と併せて、Pediococcus系プロバイオティクスにより、ヒト及び動物の自然免疫が強化され得ることを示す。Pediococcusで治療したヒト及び動物の自然免疫応答は、M2マクロファージ及び抗炎症性IL−10の増加を呈する。
【0213】
実施例3−体重管理に使用するためのP.acidilactici NRRL B−50517補充の効果:対象無作為化二重盲検
この体重管理研究は、対照無作為化二重盲検において30人の成人の参加者に対するPediococcus acidilactici NRRL B−50517プロバイオティクス株の12週の補充の効果を評定するものであった。生体電気インピーダンス分析(BIA)による試験の開始時及び終了時に体脂肪率を測定した。炎症促進性バイオマーカーであるインターロイキン−6(IL−6)及びインターロイキン−23(IL−23)のレベルを、試験開始前及び終了後に収集した血液試料を使用して決定した。食欲、活力レベル、排便、便の質、膨満、及びガスを、毎週の質問票を使用して、試験期間を通してモニタリングした。P.acidilacticiの特定の減量及び抗炎症効果が初めてここで説明される。40億CFUのP.acidilacticiの毎日の補充により、平均で、プロバイオティクス群では0.86±0.42%の体脂肪率の減少が生じ、対照群では0.28%±0.19の増加が生じた(p=0.0264)。炎症促進性IL−6の比率は、それぞれ、プロバイオティクス群及び対照群において、0.61±0.22及び3.06±0.87異なり(p=0.0295)、炎症促進性IL−23比率は、プロバイオティクス群において0.65±0.14であり、対照群において1.71±0.38であった(p=0.0068)。
【0214】
方法及び材料
本試験の参加者は有志ベースで選択し、年齢、性別、及びBMIは治療群にわたって均等であった。有志には、試験中、自身の通常の食事パターンまたは運動習慣を変えないように案内した。プロバイオティクスを、以下のように分けた対象群において試験した:正常な体重状態20%(18.5〜24.99)、47%太り過ぎ(25〜29.99)、及び33%肥満(30超)。
【0215】
補充期間開始の前に、参加者は、体脂肪率を決定するための生体電気インピーダンス分析、ならびにIL−6及びIL−23レベルを定量化するための血液検査を含む、大規模な身体検査を受けた。同じ検査手順を試験終了時に繰り返した。12週にわたって、30人の参加者に、40億CFUのPediococcusプロバイオティクス/日の用量に達する、桃の果実粉末と併せたP.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌の化合物を含む1日1回の2つのゼラチンカプセルか、桃の粉末のみを含む2つのカプセルのプラセボ治療かのいずれかを投与した。プロバイオティクスの安全性を、食欲、活力レベル、排便、便の質、膨満、及びガスに対する影響の観点から分析した。毎週の質問票の一部として、参加者に、1を最も軽症、5を最も重症として、1から5の任意の尺度でこれらの症状の体験を採点するように求めた。
【0216】
結果
本結果は、太り過ぎまたは肥満の個体の食生活に本プロバイオティクスPediococcus acidilactici NRRL B−50517を補充することで、体脂肪貯蔵が改変され、肥満の病理に関連する炎症バイオマーカーの濃度が影響を受けることを初めて示す。試験終了時のプラセボ群と5051治療群との間で観察された体脂肪率間ならびにIL−6及びIL−23レベル間の明確な差は、伝統的な食事の変更または運動を伴わずに減量を助けるプロバイオティクスの効果を示す。結果を図1〜3に示す。3つ全てのグラフのためのエラーバーは、プラセボ群及びプロバイオティクス治療群についての体脂肪率、IL−6、及びIL−23のそれぞれの値が、互いの1つの標準偏差の範囲内でないことを示し、よって2つの間の顕著な差を示唆する。
【0217】
P.acidilactici 5051プロバイオティクスが体脂肪率に与える影響を図1に示す。参加者に、40億CFUのPediococcusプロバイオティクス/日の用量に達する、桃の果実粉末と併せたP.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌の化合物を含む1日1回の2つのゼラチンカプセルか、桃の粉末のみを含む2つのカプセルかのいずれかを投与した。体脂肪率を生体電気インピーダンス分析(BIA)試験によって決定した。値は、3カ月の治療についての合計30人の有志に対するPediococcusプロバイオティクスの二重盲検実地評価に基づく。P=0.0264、t=2.4073、プラセボ群中央値=0.280±0.190(SEM);NutriLots(商標)中央値=−0.864±0.418(SEM)。3カ月の治療後にプラセボ群と比較してプロバイオティクス治療群(NutriLots)において観察された体脂肪率の著しく大きい差は、P.acidilactici NRRL B−50517補充により、食事または運動パターンを変えることなく減量の加速が生じ得ることがある。
【0218】
Pediococcusプロバイオティクス補充が炎症バイオマーカーであるIL−6及びIL−23に与える影響。
P.acidilactici 5051プロバイオティクスがIL−23に与える影響を図2に示す。血液試料を、試験開始前及び治療期間終了後に、プラセボまたはプロバイオティクスいずれかである各参加者から収集し、IL−6及びIL−23の存在における変化を決定した。IL−6とIL−23との両方における顕著な減少がPediococcusプロバイオティクス治療群において観察された。値は、3カ月の治療についての合計30人の有志に対するPediococcusプロバイオティクスの二重盲検実地評価に基づく。P=0.0295、t=2.4239、プラセボ中央値=3.058±0.867(SEM);NutriLots(商標)中央値=−0.612±0.221(SEM)。プロバイオティクス治療群(NutriLots)におけるIL−23のより低い比率により、5051が肥満関連性の炎症を減少させる能力を有することが示唆される。
【0219】
P.acidilactici 5051プロバイオティクスがIL−6に与える影響を図3に示す。値は、3カ月の治療についての合計30人の有志に対するPediococcusプロバイオティクスの二重盲検実地評価に基づく。P=0.0068、t=3.0194、プラセボ中央値=1.714±0.377(SEM);NutriLots(商標)中央値=−0.648±0.137(SEM)。プロバイオティクス治療群(NutriLots)におけるIL−6の減少した比率により、5051が肥満関連性の炎症を減少させる能力を有することが示される。
【0220】
考察
本試験において、12週のP.acidilactici NRRL B−50517プロバイオティクス治療により、様々なBMIの参加者に投与した場合、体脂肪率、インターロイキン6及び23の顕著な減少が生じた(図1、2、及び3)。ボードにわたって一貫した結果は、P.acidilactici作用の力が、肥満体重状態の個体に限ったものではなく、より低いBMIの個体についても同じであることを示す。これまでの研究の大部分は、肥満対象のみに対するLABプロバイオティクス治療の効能を示している。他のプロバイオティクス株が肥満関連性の炎症の存在を減少させることに有効でなかった場合、5051が、プラセボ群と比較して、インターロイキン6と23との両方のレベルを減少させた。
【0221】
本プロバイオティクスの安全性を、本研究と並行して実施した別に公開されている試験において確認した。食欲、排便、膨満、便の質、活力レベル、またはガスの参加者による採点における顕著な差は、プラセボ群でもプロバイオティクス治療群でも、試験期間の開始と終了との間で観察されなかった。
【0222】
これらの発見は、代謝性疾患の将来的な治療及び予防に多大な影響を有する。心血管疾患(CVD)及び2型糖尿病などの慢性病態の症例の大部分は肥満と並行して発症されるため、まさにこの疾患の管理を改善することは、公衆衛生に対するいくつかの他の著明な脅威の発生率を大きく低下させる可能性を有する。
【0223】
脂肪細胞は、これまで過剰な熱量をトリグリセリドの形態で貯蔵する容器としてしか機能しないと考えられてきたが、代謝、免疫、及び癌において複雑な役割を果たすことが発見された(Calabro P,Yeh ETH.2007.Obesity,Inflammation,and Vascular Disease:the role of the adipose tissue as an endocrine organ.Subcellular Biochemistry.42:63−91)。白色脂肪細胞は、サイトカイン、ならびにアディポネクチン、レプチン、及びレジスチンなどのホルモン様因子を含むタンパク質を分泌する。この現象は、これらの分子が血管合併症及び代謝性合併症に関与することから、特に関心を持たれている(Calabro P,Yeh ETH.2007.Obesity,Inflammation,and Vascular Disease:the role of the adipose tissue as an endocrine organ.Subcellular Biochemistry.42:63−91)。肥満患者の大部分において、自然免疫の慢性的な活性化から生じる白色脂肪組織(WAT)の低悪性度炎症は、インスリン抵抗性、耐糖能障害、及び糖尿病傾向の最終的な発現の増加した可能性をもたらす(Bastard JP,Maachi M,Lagathu C,Kim MJ,Caron M,Vidal H,Capeau J,Feve B.2006.Recent advances in the relationship between obesity,inflammation,and insulin resistance.Eur.Cyt.Net.17(1):4−12)。肥満WATのマクロファージ浸潤は、炎症促進性サイトカインのソースとして働き、インスリン抵抗性の原因に更に寄与する。一方で、WATにおいて高度に発現されるインスリン感知エフェクターであるアディポネクチンの循環レベルは、正常な体重の対象よりも肥満対象において低い。これらの個体におけるWATは、インスリン感受性の別の調節因子であるIL−6を含む増加したレベルの多数の炎症分子を過剰産生し分泌する。このため、肥満の炎症促進性原因及びインスリン抵抗性の全身性発現は、密接に関連し、WATの調節によって結び付いている。
【0224】
食品物質からの熱量抽出の調節は、本明細書に示す結果に対するプロバイオティクス作用の可能性のある機序とみなされ得る。ヒト腸内微生物叢の組成は、栄養素獲得ならびに熱力収集及び調節におけるその重要な役割の結果、体重の決定因子として一貫して関係があるとされている(Tennyson CA,Friedman G.2008.Microecology,obesity,and probiotics.Curr.Opin.Endocr.Diab.Obes.15(5):422−7、DiBaise JK,Zhang H,Crowell MD,Krajmalnik−Brown R,Decker GA,Rittmann BE.2008.Gut microbiota and its possible relationship with obesity.Mayo Clinic Proceedings.83(4):460−69.)。プロバイオティクスの導入による標的化した微生物群の適正化が代謝性疾患の治療における新規の治療薬としての可能性を有すると考えられていることには理由がある。微生物叢の意識的な編集は、肥満状態に起因する熱量摂取と消費との間の不均衡を調製するための鍵となり得る。
【0225】
プラセボ群とプロバイオティクス治療群との両方において食欲について報告されたスコアに変化がなかったことは、可能性のある食事パターンの変化または満腹ホルモンであるレプチンに対する影響がないことを示す。
【0226】
血清IL−6濃度を低下させると同時に体脂肪率を減少させることにおいて、P.acidilactici 5051は、インスリン感受性を増加させ、全体的な全身炎症を減少させることができるため、2型糖尿病のリスクを低下させることに寄与し得ると推定され得る。IL−6は肥満個体における血管損傷にも関係するため、サイトカインの低下した血清レベルはCVDのリスクを低減する可能性が高い(Calabro P,Yeh ETH.2007.Obesity,Inflammation,and Vascular Disease:the role of the adipose tissue as an endocrine organ.Subcellular Biochemistry.42:63−91)。WATマクロファージ浸潤に従って増大する肥満個体における炎症活性は、体脂肪の消失時に減少すると仮定され得る。
【0227】
ここに示す結果は、病的肥満個体における手術後の結果の分析において観察されたものを反映する。肥満手術後、患者は、BMIに相関する、IL−6、トリグリセリド、コレステロール、LDL、グルコース、及びインスリンの臨床的に意義のある低下を示し、これにより、体重と炎症プロファイルとの間の関係の存在が実証され、慢性代謝及び血管病態のBMIと生化学的パラメータとの間の関係が更に解明された(Illan−Gomez F,Gonzalvez−Ortega M,Orea−Soler I,Alcaraz−Tafalla MS,Aragon−Alonso A,Pascual−Diaz M,Perez−Paredes M,Lozano−Almela ML.2012.Obesity and inflammation:change in C−reactive protein, tumor necrosis factor−alpha and interleukin−6 after bariatric surgery.Obes.Surg.22:950−55)。
【0228】
プロバイオティクス治療群において観察されたIL−23濃度の顕著な低下も、疾患リスクの低下の強力な指標である。IL−23/IL−17は、腫瘍形成及び発癌経路に繋がるシグナル経路の活性化と強く関連している。IL−23/IL−17軸の刺激が、腹部脂肪、インスリン抵抗性、レプチン、またはMIFレベルの増加とは無関係の肥満女性において観察されたため、肥満状態自体ではなく、肥満の発現と関連付けられる食事及び行動パターンが原因であると仮定するのが妥当である(Sumarac−Dumanovic M,Stevanovic D,Ljubic A,Jorga J,Simic M,Stamenkovic−Pejkovic D,Starcevic V,Trajkovic V,Micic D.2009.Increased activity of interleukin−23/interleukin−17 proinflammatory axis in obese women.Int.J.Obes.33:151−56)。
【0229】
結論
要約すると、本プロバイオティクスP.acidilactici NRRL B−50517は、体脂肪率、IL−6、及びIL−23に対して低下効果を示し、体重管理及び代謝性疾患に対するその有益な影響を示唆する。本試験で示される証拠を踏まえると、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517は、減量を望んでいる個体において体脂肪及び炎症の低減に効果的であることが判明する。
【0230】
実施例4−Pediococcus系プロバイオティクスが膵炎を患うイヌ及びネコに与える影響
著しい腹痛、嘔吐、及び食欲減退を有する14歳の雌の避妊済みトイプードルを、膵炎を患っている可能性があると診断した。超音波画像により、胃から十二指腸にかけて高脂肪エコーを有することが示され、血清分析の結果により、432ug/Lのspec cPL(イヌ膵特異的リパーゼ)を有することが示された。このイヌは、すぐに、低脂肪食に切り替え、1日2回の100mgのKAMOSTAAL100で治療したが、spec cPLは、400超と高いままであり、それから約2.5カ月後には、下痢及び嘔吐を伴って610ug/Lに達した。その時点で、イヌを、低脂肪食及び1日2回の100mgのKAMOSTAAL100という現行治療と併せて、1日2回の200mgのPediococcus系プロバイオティクスで治療した。興味深いことに、下痢及び嘔吐が止まっただけでなく、spec cPLが、約6週以内に163ug/Lで正常に戻った。このため、Pediococcus系プロバイオティクスとKAMOSTAAL100との両方の治療を停止した。しかしながら、約3カ月後、このイヌは再発し、spec cPLが276ug/Lに増加した。この時点で、イヌを、1日2回のPediococcus系プロバイオティクス200mgのみで治療した。治療を、下痢、嘔吐、及び食欲減退を良好に制御しながら約7カ月間継続し、spec cPLは、108ug/Lで正常であることが示された(図4)。
【0231】
spec cPL(イヌ膵特異的リパーゼ)及びspec fPL(ネコ膵特異的リパーゼ)は、イヌの通常のspec cPLであり、イヌ及びネコにおける膵炎についての十分に確立されたアッセイである。健康なイヌ及びネコでは、spec cPLは200ug/L未満であり、spec fPLは0.7〜3.5ug/Lである。イヌ及びネコは、spec cPLが400ug/L超、ネコspec fPLが5.4ug/L超である場合に膵炎を有するとみなされる。この基準に基づいて、Pediococcus系プロバイオティクスを2頭のイヌ及び1匹のネコに適用し、そのうち両方のイヌは、spec cPLが600ug/L超であり、ネコは、spec fPLが50ug/Lであり、膵炎を患っていた。これらのイヌ及びネコ全て、嘔吐及び下痢が止まっただけでなく、spec cPL及びspec fPLが制御され、正常に戻った。更に、上昇したspec cPL(303ug/L及び205ug/L)を有したため膵炎を患っている可能性があった2頭のイヌも治療された。
【0232】
実施例5−Pediococcus系プロバイオティクスが化学療法を受けている癌を患うイヌに与える影響
様々な癌を有し、化学療法を受けている4頭のイヌを、Pediococcusプロバイオティクスの投薬によって治療した。Pediococcusプロバイオティクスによる短期間の治療の後、これらのイヌは症状の改善を経験した。
*:化学療法及びPediococcus系プロバイオティクス投与治療は、Daktari Animal Hospital Central,Torri及びYaizuにて行った。
【表3】
【0233】
実施例6−Pediococcus acdilactici NRRL B−50517の製造
まず、発酵プロセスに必要な株を、−70℃の冷凍庫で冷凍された細菌から選択した。滅菌培地ボトル中で培養菌を成長させる。成長させたら、試料を取り、清浄度及び基本的表現型純度(basic phenotypical purity)を確認した。清浄されており、細胞が最初のグラム染色塗抹と一致する場合、タンク用の培地(発酵ブロス)を作製する許可が下りる。植菌の前に、接種材料タンクを、苛性溶液及び酸性溶液でCIP(定位置クリーニング)する。放出し、混合し、滅菌されるブロス発酵成分を充填する前に、タンクを滅菌する。タンク培地は、タンクの体積に応じて30分〜1時間半、220°F〜250°Fで滅菌する。次に、温度を85〜95°Fに下げて、タンクに接種材料を播種する。植菌タンクが成長したら、タンクを55〜65°Fに冷却する。冷却したら、試料を度重なる純度チェックのために採取する。解放が承認される場合には、タンク準備及び植菌のためのステップを繰り返す。産生物が、成長し承認された接種材料ボトルによってタンクを植菌することになる。全ての所望のタンクを成長させた後、純度チェックを繰り返し、その後、遠心分離機を準備し、細胞を濃縮液体に濃縮する。濃縮液体培養物を滅菌貯蔵タンクに入れる。滅菌した液体の抗凍結剤溶液を遠心分離させた培養物に添加する。
【0234】
これを、撹拌器によって貯蔵タンク中で均質化する。均質化したら、培養物を滅菌ケトルにポンプで注入し(産物の凍結またはペレット化のための機能的なアリコート)、液体窒素バット中でペレット化する。完了したら、凍結したペレットを凍結乾燥(lyophilize)またはフリーズドライ(freeze dry)する。乾燥後、フリーズドライしたペレットを製粉して微粉にする。挽いた培養物を取り、均質化して均一性を確実にした後、培養物を、形態学的、生理学的、16S rRNA DNA配列、及び高温応力アッセイによって、品質保証のためにサンプリングする。産物を、材料を均質化するために使用したブレンダーから取り出した後、袋に入れ、室温の涼しい場所で保管する。
【0235】
実施例7−食物中のPediococcus acdilactici NRRL B−50517の製剤化及び試験
プロバイオティクスの健康効果の知識が広まり、プロバイオティクスを注入した食品に対する需要が高まり続けるにつれ、食品会社は、バイオテクノロジー企業との協力を始める際に、一連の新たな困難に直面する。まず、1つ以上のプロバイオティクス株を、大量の利用可能な選択肢から選択する必要がある。理想的には、選択される細菌は:1.高熱処理などのいずれの製造応力も生き延びる必要、2.所望の食物マトリックスの化学的及び物理的特性との互換性を保有する必要、3.組み込まれた後、製品の保存可能期間の間、食物中で生存能力を維持する必要、4.その健康効果を宿主に付与するために、消化機序による破壊に抵抗する必要がある。市販されているサプリメントにおいて一般的である多くのプロバイオティクス株(Lactobacillus及びBifidobacteriumなど)は、これらの要件を効果的に満たさないため、産業用食品製造には好適ではない。最近殺菌された食物中での生存に必要な臨界高熱抵抗性を欠くことで、これら2つの乳酸菌(LAB)の用途は本背景において非常に限定されている。室温でのこれらの株の不安定性は、食料品店及び見込まれる消費者に輸送及び貯蔵における更なる問題を提示し得る。通性嫌気性菌〜偏性嫌気性菌として、Lactobacillus及びBifidobacteriumは、酸素へのあらゆる曝露の際の生存能力の喪失に特に弱く、その食品への組込みの可能性を更に低下させる。より多用途であり確実な株が、効果的なプロバイオティクス注入食物の配合に求められる。
【0236】
Pediococcus acidilactici NRRL B−50517は、多岐にわたる温度、浸透圧、及び酸素曝露に耐えることができる細菌の株で構成される、独自に配合された粉末である。元来植物原料から単離された耐久性の微生物であるプロバイオティクスは、様々な環境条件及び熱処理手順下で幅広い食品において生存する能力が証明されている。
【0237】
10〜50%の濃度範囲のスクロース溶液におけるP.acidilactici NRRL B−50517の生存は、浸透圧に対するプロバイオティクスの抵抗性を示す(表3)。より弱い細菌は、浸透圧が比較的高い溶液中で生存能力を喪失する可能性が高い場合でも、P.acidilactici NRRL B−50517は、試験した最も高い濃度であっても際立って安定した細胞数を保持する。同様の結果が、9日間にわたって同じ濃度範囲内のラクトース溶液中でも得られた(表4)。滅菌水、0.1〜20%のNaCl、及びNaClとスクロースとを組み合わせた溶液の溶液中、P.acidilactici NRRL B−50517は、全てのアッセイした試料において、最大で1週間、顕著な細胞生存能力を維持し、プロバイオティクスが無数の化学環境に適合する能力を示した(表5)。
【表4】
*:0.2gの10億(1B)CFU/gのP.acidilactici NRRL B−50517を20mLの各スクロース溶液に添加し、室温で貯蔵した。生存能力試験を、0.1%の生理食塩水中のスクロース+P.acidilactici NRRL B−50517溶液を連続希釈し、MRS上にプレーティングし、一晩のインキュベーション後にプレートを数え上げることによって実施した。**プレートは3日目に汚染され、安定性についての試験の継続は妨げられた。
【0238】
結論:P.acidilactici NRRL B−50517は、10〜50%の濃度範囲のスクロース溶液中で生存能力を維持し、P.acidilactici NRRL B−50517の高浸透圧環境に対する抵抗性を示す。
【表5】
*:0.2gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を20mLの各ラクトース溶液に添加し、室温で貯蔵した。生存能力試験を、0.1%の生理食塩水中のスクロース+P.acidilactici NRRL B−50517溶液を連続希釈し、MRS上にプレーティングし、一晩のインキュベーション後にプレートを数え上げることによって実施した。
【0239】
結論:9日間にわたって、P.acidilactici NRRL B−50517は、10%〜50%のラクトース溶液中で極めて安定した生菌数を保持した。
【表6】
*:0.2gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を、20mLの異なる濃度のNaClまたはスクロース+NaCl溶液に添加し、室温で貯蔵した。生存能力試験を、0.1%の生理食塩水中のNaCl+P.acidilactici NRRL B−50517溶液を連続希釈し、MRS上にプレーティングし、一晩のインキュベーション後にプレートを数え上げることによって実施した。
【0240】
生存能力について大規模にアッセイすると、5051(登録商標)は、室温で貯蔵した場合に、ピーナッツバターに組み込んでから最大で113日間、生菌数(CFU/g)を維持し、高い保存安定性を示した(表6)。本プロバイオティクスは、ピーナッツバター中で85℃に加熱し、その後室温で貯蔵したときにも同様の好結果を示した。安定性は、プロバイオティクスを85℃に加熱したプリンに組み込んだ場合も同様に一定であり、菌数は、冷蔵庫で貯蔵した29日間にわたって対数1以内にとどまった(表7)。
【表7】
*:P.acidilactici NRRL B−50517及びピーナッツバターの試料を、6gの100B/gのP.acidilactici NRRL B−50517粉末を20gのピーナッツバターと混合した後、室温(23℃)または37℃のいずれかで貯蔵することによって調製した。安定性試験を、0.1gの混合物を5mLの0.1%の生理食塩水に添加し、MRS上でのプレーティングのために溶液を連続希釈し、45℃で一晩インキュベートした後でプレートを数え上げることによって実施した。生存率を、P.acidilactici NRRL B−50517+生理食塩水対照(0.2gの100B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を室温で10mLの0.1%の生理食塩水に添加したもの)の比率として計算した。
【0241】
結論:P.acidilactici NRRL B−50517は、113日間にわたって室温のピーナッツバター中で高い菌数(CFU/g)を示し、両方の成分を含有する製品が高い保存安定性を維持し得ることを示した。37℃で貯蔵したときであっても、ピーナッツバターとP.acidilactici NRRL B−50517との混合物は、22日間にわたって同様に高い生存能力を示し、22〜113日目の生存能力試験で下降した。
【表8】
*:P.acidilactici NRRL B−50517及びピーナッツバターの試料を、1.2gの100B/gのP.acidilactici NRRL B−50517粉末を3.8gのピーナッツバター中に混合することによって調製した。空の試験管を85℃に加熱した後、0.5gのピーナッツバターとP.acidilactici NRRL B−50517との混合物を添加し、5分間ホットプレート上に置いた。10分間の冷却期間の後、10mLの0.1%の生理食塩水を各試験管に添加した。生存能力試験を、生理食塩水中に連続希釈し、MRS上にプレーティングし、45℃で一晩インキュベートした後でプレートを数え上げることによって実施した。生存率を、P.acidilactici NRRL B−50517+生理食塩水対照(0.2gの100B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を室温で10mLの0.1%の生理食塩水に添加したもの)の比率として計算した。
【0242】
結論:高熱処理後2週間にわたって、P.acidilactici NRRL B−50517は、ナッツバター中で高い生存能力を維持し、P.acidilactici NRRL B−50517の商用製造されたナッツ製品との互換性を支持した。
PB1成分:煎った落花生、砂糖、分離防止用の硬化植物油(綿実油、大豆油、及び菜種油)、塩。
【0243】
ヘーゼルナッツスプレッド成分:砂糖、植物油(ヤシ油及び菜種油)、ヘーゼルナッツ、ココアパウダー、脱脂乳、乳清、ラクトース、ヒマワリレシチン(乳化剤)、天然バニラ味。
【0244】
5種類の高熱処理した油(トウモロコシ油、EVOO、LTOO、落花生油、及び植物油)中でP.acidilactici NRRL B−50517を試験することで、ピーナッツバター中で観察された結果と類似の結果が得られた。油のうちの2つ、EVOO及びトウモロコシ油(表8)は、30分間85℃に継続して曝露した後であっても優れた生存率を示した(表9及び表10)。油中のプロバイオティクスの明らかな耐久性は、熱を伴う伝統的な食物調製技法におけるその使用を特に促進する。
【表9】
*:900uLの油をホットプレート上で85℃に加熱した後、0.1gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を添加し、その後、一定期間そのままにした。次に、試験管を除去し、最低10分間冷却させた後、0.1%の生理食塩水中に連続希釈し、MRS上でプレーティングした。プレートを45℃で一晩インキュベートし、翌日数え上げた。生存率を、生理食塩水+P.acidilactici NRRL B−50517対照(0.2gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を室温で20mLの0.1%の生理食塩水に添加したもの)の比率として計算した。
【0245】
結論:P.acidilactici NRRL B−50517は、室温で、高温処理後、様々な市販油において高い生菌数(CFU/g)を維持する。
【表10】
*:900uLの油をホットプレート上で85℃に加熱した後、0.1gのP.acidilactici NRRL B−50517を添加し、その後、一定期間そのままにした。試験管を熱源から除去し、最低10分間冷却させた後、連続希釈し、MRS上でプレーティングした。プレートを45℃で一晩インキュベートし、翌日数え上げた。熱処理の各期間での生存率を、室温のEVOOにおける生存の比率として計算した。
【0246】
結論:P.acidilactici NRRL B−50517は、EVOOにおいて高熱処理を生き延び、85℃で30分経過した後であっても高い生菌数を生む。本プロバイオティクスは、加熱を伴う技法を含む様々な食物調製技法に適合性である可能性が高い。
【表11】
*:900uLの油をホットプレート上で85℃に加熱した後、0.1gのP.acidilactici NRRL B−50517を添加し、その後、一定期間そのままにした。試験管を熱源から除去し、最低10分間冷却させた後、連続希釈し、MRS上でプレーティングした。プレートを37℃で一晩インキュベートし、翌日数え上げた。熱処理の各期間での生存率を、室温のトウモロコシ油における生存の比率として計算した。
【0247】
結論:P.acidilactici NRRL B−50517は、トウモロコシ油において高熱処理を生き延び、85℃で30分経過した後であっても高い生菌数を生む。本プロバイオティクスは、加熱を伴う技法を含む様々な食物調製技法と適合性である可能性が高い。
【0248】
P.acidilactici NRRL B−50517は、食品業界で使用される滅菌手順を模倣して、85℃の熱処理を受けた異なる食品を、P.acidilactici NRRL B−50517と共に異なる容器に分注した後で生存することができ(表11及び表12)、何週間または何カ月も多様な生理化学的特性を有する製品中で生存能力を保持する。これにより、生プロバイオティクスを食物に導入するための新規のアプローチが提供される。
【表12】
*:100mLカップのShiny Spoon Puddingを、2つの50mLの試験管に空け、20分間85℃に加熱した。元の容器を石鹸及び水で洗浄し、乾燥させ、2gの10B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を充填した。次に、加熱したプリンを元の容器に戻し、20分間冷却した後、一晩冷蔵庫で貯蔵した。翌日、プリンを混合し、まず2gのプリンを5mLの生理食塩水中に希釈し、続いて、MRS上でのプレーティングのために連続希釈することによって、生存能力についてアッセイした。プレートを一晩インキュベートし、翌日数え上げた。
【0249】
結論:殺菌に類似した条件下で85℃に加熱したバニラプリンまたはチョコレートプリンのいずれかに組み込んだあと、P.acidilactici NRRL B−50517は、冷蔵庫の温度で貯蔵したときに約1カ月間極めて安定した菌数を維持する。
【表13】
*:試料を次のように調製した。
1.10mLのケチャップを20分間85℃で加熱し、続いて0.4gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517及び5mLの滅菌水と混合し、20分間冷却させた後、生存能力について試験した。
2.100gのフルーツカップ混合物を45分間85℃で加熱した後、元の容器中、1gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517上に注ぎ戻し、生存能力について試験した。
3.5mLのEVOO及びGreat Valueの油の試験管を20分間85℃で加熱した後、0.2gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517に添加し、生存能力について試験した。
4.5mLの2.5%のラクトースを含む試験管を20分間85℃で加熱した後、0.2gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を含む15mLの試験管に添加した。試験管を20分間冷却させた後、生存能力について試験した。
5.283gのシロップ中のイチゴの混合物をビーカーに注ぎ入れ、30分間85℃で加熱した後、元の容器中、2gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517の上に注ぎ戻した。20分間冷却した後、混合物を生存能力について試験した。
6.5mLのオレンジジュースを20分間85℃で加熱した後、0.1gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517に添加し、20分間冷却し、生存能力について試験した。
【0250】
**全ての生存能力試験は、P.acidilactici NRRL B−50517+熱処理した食物の混合物を0.1%の生理食塩水中に連続希釈し、MRS上にプレーティングし、一晩インキュベートした後でプレートを数え上げることによって実施した。生存率を、生理食塩水+P.acidilactici NRRL B−50517対照(0.2gの1B/gのP.acidilactici NRRL B−50517を室温で20mLの0.1%の生理食塩水に添加したもの)の比率として計算した。
【0251】
結論:P.acidilactici NRRL B−50517は、高熱処理の後で様々な液体及び固体のマトリックス中で生存能力を維持し、殺菌または他の類似した高熱滅菌手順の後で多くの異なる食物に組み込むことへの高い適合性を示す。
【0252】
実施例8−両親媒性製品を担体として適用することによる熱処理下でのプロバイオティクス生存能力の増大
両親媒性分子は、それらの構造中に極性部分と非極性部分との両方を有する分子である。これらの分子を特徴とする化学化合物は、生物学的及び産業的過程の受け入れに不可欠である。
【0253】
本試験では、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、及びクッキーバターなどの両親媒性製品を、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌の代替的な担体として適用する。過量の両親媒性製品は、P.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌を過酷な乾熱または湿熱処理から保護することができる。両親媒性製品の乾燥粉末及び細菌のフリーズドライ発酵培養菌を油と混合した後、両親媒性製品の固有の特性が脂質ペーストを形成し、P.acidilactici発酵培養菌の担体として機能して、食物処理のための殺菌と類似している乾熱処理または熱水処理に耐え得る。
【0254】
プロバイオティクスを殺菌された食物/試料製品に含めるためのアプローチはいくつかある。望ましいアプローチは、プロバイオティクスを食物/試料成分中に共に含めた後、熱水処理を含み得る殺菌プロセスを行うことである。あるいは、食物/試料成分をプロバイオティクス組成物中に分注し得る。これは、ジュース/液体が規定の殺菌温度に達した後に、熱水処理されたジュース/液体を取り出して、これをプロバイオティクスと両親媒性製品との混合物と即座に組み合わせることによって実践することができる。このため、以下の実験は、熱水/液体が望ましい温度に達し、直後に、5分間、及び10分間、熱水熱処理をプロバイオティクスと両親媒性製品とを合わせた混合物に適用し、その後、アッセイを行って、これらの熱処理後に生きているプロバイオティクスの数を決定した。これらの努力において、プロバイオティクスと合わせた両親媒性製品が殺菌プロセスなどの熱処理を受けられることを示すことができる。
【0255】
レシチンは、ホスファチジルコリンとして定義され、植物由来及び/または動物由来の中性脂肪と極性脂肪との天然の混合物を表す。これは、水溶性は低いが、優れた乳化剤である。水溶液中、そのリン脂質は、水和性及び温度に応じて、リポソーム、二層シート、ミセル、またはラメラ構造のいずれかを形成し得る。これにより、通常は両親媒性と分類される種類の界面活性剤が生じる。
【0256】
本試験では、レシチン、ピーナッツバター、アーモンドバター、大豆バター、及びクッキーバターなどの両親媒性製品を、Pediococcus acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌の代替的な担体として適用する。過量の両親媒性製品は、P.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌を過酷な乾熱または湿熱処理から保護することができる。両親媒性製品の乾燥粉末及び細菌のフリーズドライ発酵培養菌を油と混合した後、両親媒性製品の固有の特性が脂質ペーストを形成することができ、P.acidilactici発酵培養菌を担持して、熱水処理などの熱により抵抗性にする。
【表14】
*:マルトデキストリンを担体として有する0.2gのP.acidilactici NRRL B−50517フリーズドライ発酵培養菌(10億cfu/g)をこれらの試験に使用した。全ての加熱した試料。温度をデジタルプローブで確認した。試料を65℃で30分間予熱した後、適当な時間にわたって85℃の乾熱に加えた。粉末を熱から取り出し、室温で放置して10分間冷却した。乾燥粉末を、5mlの生理食塩水に添加し、生理食塩水中で5分間混合し固めた後、37℃のインキュベーターで一晩、MRSプレート上にプレーティングし、生存能力について採点した。
【0257】
1.75gのヒマワリレシチン及び1.75gのP.acidilactici NRRL B−50517(10億cfu/g)の0.2g(5億cfu/g)の粉末をウェイトペーパー上に移した。試料を65℃で30分間加熱した後、10分間冷却した。他の65℃で処理した試料を、10分間及び30分間85℃に移し、10分間冷却させた。温度をデジタルプローブで確認した。5mlの生理食塩水中に溶解させた後、望ましい希釈を行い、100ulをMRS寒天プレート上にプレーティングし、生存能力算定のために37℃で一晩インキュベートした。
【0258】
結果:
レシチンをP.acidilacticiフリーズドライ発酵培養菌の担体として適用することで、異なる熱処理下での細菌の生存は、熱処理されたP.acidilacticiフリーズドライ発酵培養菌のみと比較して5〜10倍改善した。
【表15】
*:0.5gの試料[1.4gのP.acidilactici NRRL B−50517フリーズドライ発酵培養菌(100億cfu/g)+8gのヒマワリレシチン+9mLのオリーブ油]を、1mlの蒸留水を含むエッペンドルフ型試験管に移し、異なる時間80℃または82℃の水槽でインキュベートし、試験管中の蒸留水が80℃または82℃に達した直後、80℃または82℃で5分または10分間、インキュベートを継続し、水槽から試験管を取り出した後、10分間冷却させ、望ましい希釈を行い、100ulをMRS寒天プレート上にプレーティングし、生存能力算定のために37℃で一晩インキュベートした。温度をデジタルプローブで確認した。
【0259】
結果:P.acidilactici NRRL B−50517とヒマワリレシチンとの混合物をペーストとしてオリーブ油と共に再懸濁し、80℃または82℃での熱処理のために水浸させた。加熱した細菌ペーストをそれが80℃に達したときに熱水温から取り出したら、処理した細菌ペースト製品を冷却プロセスのために室温に移すと、37%超の生菌が検出された。最大で82℃の類似した熱処理で、約8.0%の生菌が検出された。これらの熱処理プロセスは、プロバイオティクスを、製品が殺菌プロセスを受けた後で適用し、これらの熱い製品を、容器中で両親媒性製品と合わせたP.acidilactici発酵培養菌に直接分注することである。
【表16】
*:各試料は、7gのヒマワリレシチン粉末中に混合した1.4gの10B/gの5051を有した(1.67B cfu/g)。4つの試料を作製した。A及びBは室温、異なるA及びBは37℃のインキュベーションに配置した。乾燥材の小包に加えた。5mLの生理食塩水中の0.2gの粉末を使用する希釈によって試験した。30秒間のボルテックスによって均一に混合し、生理食塩水による連続希釈を行い、100ulの望ましい希釈物を一晩37℃でMRSプレート上にプレーティングし、個々のコロニーを計算した
【0260】
結果:レシチンとP.acidilacticiフリーズドライ発酵培養菌との混合物は、室温または37℃のいずれかで90日間を超えて貯蔵して、安定性であった。P.acidilacticiの生存能力は、室温と37℃との両方における貯蔵を通して類似した生菌量のままである。
【表17】
*:0.7グラムのP.acidilactici NNRL B−50517、100億cfu/g、3.5グラムのヒマワリレシチン、及び4.5mlのオリーブ油を含む、0.5グラムのペーストを、1mlの醤油を含むエッペンドルフ試験管に移し、80℃の水槽でインキュベートした。醤油の温度が80℃に達したら、1)直後に、2)80℃で5分間インキュベートした後に、3)80℃で10分間インキュベートした後に、試験管を水槽から取り出し、30秒間のボルテックスによって均一に混合し、生理食塩水による連続希釈を行い、100ulの望ましい希釈物を一晩37℃でMRSプレート上にプレーティングし、個々のコロニーを計算した。温度をデジタルプローブで確認した。
【表18】
*:0.5gのペースト(0.7gのP.acidilactici NRRL b−5051710B/gと4.5mLのオリーブ油との混合物と混合した3.5gのレシチン)を1mLのジュース液中に移し、指定の時間、80℃の水槽中で熱処理した。温度プローブを試験管中で使用して、内部温度が80℃に達したときを決定した。ジュースの温度が80℃に達したら、1)直後に、2)80℃で5分間インキュベートした後に、3)80℃で10分間インキュベートした後に、試験管を水槽から取り出し、30秒間のボルテックスによって均一に混合し、生理食塩水による連続希釈を行い、100ulの望ましい希釈物を一晩37℃でMRSプレート上にプレーティングし、個々のコロニーを計算した。温度をデジタルプローブで確認した。
【表19】
*:28gのオート麦を加圧滅菌したガラスボウル中に秤量した。1.4gの10B/gの5051を7gのNOWヒマワリレシチン及び9mLのオリーブ油と混合した。1.1gの10B/gの5051を10gのSkippyピーナッツバターと混合した。1gのレシチン(0.8B cfu)、PB(1B cfu)、または単独の1B/gの5051のいずれかを、オートミールの各ボウル(各3つ)に添加した。電子レンジで沸騰させた118mLの水を、82℃、88℃、及び93℃で各ボウルに添加した。温度をデジタルプローブで確認した。1gのオートミール混合物を、5mLの生理食塩水中で希釈し、希釈し、MRS上にプレーティングした。
【0261】
実施例9−熱処理に対するプロバイオティクスの担体としての異なる両親媒性製品の影響
この実施例では、異なる両親媒性製品の効果を、それがPediococcus acidilacticiの耐熱性を強化する能力について試験した。
【表20】
【0262】
ピーナッツバターとP.acidilactici NRRL B−50517との0.5g(10億cfu/g)の混合物を、エッペンドルフ型試験管に入れ、95℃に置いて、1分、2.5分、5分、及び10分時間を取るか、または85℃に置いて、1分、2.5分、5分、10分、及び20分時間を取った。温度をデジタルプローブで確認した。500ulの生理食塩水を添加し、ボルテックスし、希釈し、100ulの望ましい希釈物を、生存能力算定のために37℃で一晩、MRSプレート上にプレーティングした。生存率を、熱処理時の生菌の数を室温での(熱処理なし)生菌の数で割ることによって得た。
【表21】
【0263】
P.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌とピーナッツバターとの0.5g(10億cfu/g)の混合物を、1mlの蒸留水を含む1.5mlの試験管に入れた。1.5mlの試験管をヒートプレート上に置く。5分間または温度が80℃に達するまで時間を取った後、1分、2.5分、及び5分時間を取る。温度をデジタルプローブで確認した。熱処理後、試料をボルテックスし、希釈し、100ulの望ましい希釈物を、生存能力算定のために37℃で一晩、MRSプレート上にプレーティングした。生存率を、熱処理時の生菌の数を室温での(熱処理なし)生菌の数で割ることによって得た。
【表22】
*:空の試験管をホットプレート上で85℃に予熱した。温度をデジタルプローブで確認した。空の試験管が温まったら、0.5mL(約0.5gのピーナッツバターとP.acidilactici NRRL B−50517との混合物(10億cfu/g)を添加した。混合物を85℃のホットプレート上に5分間置いたままにした。加熱後、試験管を約10分間室温に置いて冷却させた。冷却後、混合物に10mLの生理食塩水を添加した。希釈を行い、100ulの望ましい希釈物を、生存能力算定のために37℃で一晩、MRSプレート上にプレーティングした。生存率を、熱処理時の生菌の数を室温での(熱処理なし)生菌の数で割ることによって得た。
【表23】
*: P.acidilactici NRRL B−50517発酵培養菌とレシチンとの0.5gの混合物[3.5gのレシチンを0.7gのP.acidilactici NRRL B−50517(100億cfu/g)及び4.5mLのオリーブ油と混合することによって調製]。0.5gの混合物を1mLの液体に秤量し、指定の時間、80℃の水槽において熱処理した。温度プローブを試験管中で使用して、内部温度が80℃に達したときを決定した。直後:温度到達直後に水槽から除去した。加熱後、試験管を約10分間室温に置いて冷却させた。冷却後、混合物に10mLの生理食塩水を添加した。希釈を行い、100ulの望ましい希釈物を、生存能力算定のために37℃で一晩、MRSプレート上にプレーティングした。生存率を、熱処理時の生菌の数を室温での(熱処理なし)生菌の数で割ることによって得た。
【0264】
本発明の好ましい実施形態であると現在考えられるものを示し説明してきたが、当業者であれば、他の及び更なる実施形態が、本出願に記載されている発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得、本明細書に示される特許請求の範囲の意図される範囲内である全てのかかる修正が本出願に含まれることを理解するであろう。本明細書で言及される及び/または引用される全ての特許及び出版物は、個々の出版物が各々、その全体が参照により組み込まれているものとして具体的かつ個々に示されるのと同程度に、参照により組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】