(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538113(P2018-538113A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】拡張型挿管組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20181130BHJP
A61M 25/14 20060101ALI20181130BHJP
A61F 2/82 20130101ALI20181130BHJP
【FI】
A61M25/10 520
A61M25/14 514
A61M25/10 540
A61F2/82
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-543081(P2018-543081)
(86)(22)【出願日】2017年5月15日
(85)【翻訳文提出日】2018年4月27日
(86)【国際出願番号】US2017032711
(87)【国際公開番号】WO2017200941
(87)【国際公開日】20171123
(31)【優先権主張番号】62/337,670
(32)【優先日】2016年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518150079
【氏名又は名称】アスピセーフ ソリューションズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】シャライハ タラル
【テーマコード(参考)】
4C167
【Fターム(参考)】
4C167AA09
4C167BB10
4C167BB28
4C167CC07
4C167HH30
(57)【要約】
拡張型挿管組立体ならびに拡張型挿管組立体の使用方法および製造方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿管組立体であって、
本体近位端部から本体遠位端部まで延びる本体構造体と、
前記本体構造体内でかつ近位挿管通路開口部から遠位挿管通路開口部まで前記本体構造体の長さの少なくとも挿管部分に沿って延びる挿管通路と、
前記本体構造体に結合されていて前記本体構造体との間に拡張器通路を定める拡張器組立部品と、
前記本体構造体の長さの少なくともインフレーション部分に沿って近位インフレーション通路開口部から遠位インフレーション通路開口部まで延びるインフレーション通路とを含み、
前記遠位インフレーション通路開口部は、前記インフレーション通路を前記拡張器通路に流体結合し、
前記拡張器組立部品は、
前記本体構造体の近位部分との間に前記拡張器通路の近位部分を構成する拡張器組立部品近位部分と、
前記本体構造体の遠位部分との間に前記拡張器通路の遠位部分を構成する拡張器組立部品遠位部分とを含み、
前記拡張器通路の前記近位部分は、前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合され、
ある量の流体が前記インフレーション通路と前記拡張器通路によって画定された空間全体内に保持されている場合、
前記ある量の流体の一部分は、外力が前記拡張器組立部品近位部分に加えられると、前記拡張器通路の前記近位部分から前記拡張器通路の前記遠位部分に移送され、
前記ある量の流体の前記一部分は、前記外力が前記拡張器組立部品近位部分から除かれると、前記拡張器通路の前記遠位部分から前記拡張器部分の前記近位部分に移送される、挿管組立体。
【請求項2】
前記拡張器組立部品は、前記本体構造体の中間部分との間に前記拡張器通路の中間部分を構成する拡張器組立部品中間部分を更に含む、請求項1記載の挿管組立体。
【請求項3】
前記拡張器通路の前記中間部分は、前記拡張器通路の前記近位部分を前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合している、請求項2記載の挿管組立体。
【請求項4】
前記インフレーション通路もまた、前記拡張器通路の前記近位部分を前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合している、請求項3記載の挿管組立体。
【請求項5】
前記インフレーション通路は、前記拡張器通路の前記近位部分を前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合していない、請求項3記載の挿管組立体。
【請求項6】
前記拡張器組立部品近位部分、前記拡張器組立部品中間部分、および前記拡張器組立部品遠位部分は全て、単一の拡張器コンポーネントによって提供されている、請求項2記載の挿管組立体。
【請求項7】
前記拡張器コンポーネントは、バルーンから成る、請求項6記載の挿管組立体。
【請求項8】
前記ある量の流体が前記インフレーション通路と前記拡張器通路とによって画定された前記空間全体内に保持されている場合、前記ある量の流体の別の部分は、前記外力が前記拡張器組立部品近位部分に加えられると、前記拡張器通路の前記中間部分内に維持される、請求項2記載の挿管組立体。
【請求項9】
前記ある量の流体が前記インフレーション通路と前記拡張器通路とによって画定された前記空間全体内に保持されている場合、前記ある量の流体の前記別の部分は、前記外力が前記拡張器組立部品近位部分に加えられないと、前記拡張器通路の前記中間部分内に維持される、請求項8記載の挿管組立体。
【請求項10】
前記拡張器組立部品中間部分の少なくとも一部分の周りに位置決めされていて前記拡張器組立部品中間部分がある量を超えて拡張するのを阻止するよう働く機構体を更に含む、請求項2記載の挿管組立体。
【請求項11】
前記インフレーション通路遠位開口部は、前記インフレーション通路を前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合し、
前記インフレーション通路は、前記インフレーション通路を前記拡張器通路の前記近位部分に流体結合しているインフレーション通路中間開口部を更に有する、請求項1記載の挿管組立体。
【請求項12】
前記拡張器通路の前記近位部分は、前記インフレーション通路だけを経て前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合されている、請求項11記載の挿管組立体。
【請求項13】
前記拡張器組立部品近位部分は、前記本体構造体の前記長さに沿う第1の位置のところで前記本体構造体周りに結合された第1の近位拡張器コンポーネント端部と前記本体構造体の前記長さに沿う第2の位置のところで前記本体構造体周りに結合された第2の近位拡張器コンポーネント端部との間に延びる近位拡張器コンポーネントを有し、
前記近位拡張器コンポーネントは、前記近位拡張器コンポーネントと前記本体構造体の前記近位部分との間に前記拡張器通路の前記近位部分を構成し、
前記遠位拡張器組立部品部分は、前記本体構造体の前記長さに沿う第3の位置のところで前記本体構造体周りに結合された第1の遠位拡張器コンポーネント端部と前記本体構造体の前記長さに沿う第4の位置のところで前記本体構造体周りに結合された第2の遠位拡張器コンポーネント端部との間に延びる遠位拡張器コンポーネントを有し、
前記遠位拡張器コンポーネントは、前記遠位拡張器コンポーネントと前記本体構造体の前記遠位部分との間に前記拡張器通路の前記遠位部分を構成している、請求項11記載の挿管組立体。
【請求項14】
前記近位拡張器コンポーネントは、第1のバルーンから成り、
前記遠位拡張器コンポーネントは、前記第1のバルーンとは異なる第2のバルーンから成る、請求項13記載の挿管組立体。
【請求項15】
前記拡張器通路の前記近位部分は、前記インフレーション通路だけを経て前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合されている、請求項14記載の挿管組立体。
【請求項16】
前記インフレーション通路の少なくとも一部分は、前記本体構造体内で延びている、請求項1記載の挿管組立体。
【請求項17】
患者に挿管組立体を挿管する方法であって、前記挿管組立体は、本体構造体と、前記本体構造体内でかつ近位挿管通路開口部から遠位挿管通路開口部まで前記本体構造体の長さの少なくとも挿管部分に沿って延びる挿管通路と、前記本体構造体に結合されていて前記本体構造体との間に拡張器通路を構成する拡張器組立部品と、前記本体構造体の長さの少なくともインフレーション部分に沿って近位インフレーション通路開口部から遠位インフレーション通路開口部まで延びるインフレーション通路とを含み、前記遠位インフレーション通路開口部は、前記インフレーション通路を前記拡張器通路に流体結合し、前記拡張器組立部品は、前記本体構造体の近位部分との間に前記拡張器通路の近位部分を構成する近位拡張器組立部品部分および前記本体構造体の遠位部分との間に前記拡張器通路の遠位部分を構成する遠位拡張器組立部品部分を含み、前記遠位インフレーション通路開口部は、前記インフレーション通路を前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合し、前記インフレーション通路は、前記インフレーション通路を前記拡張器通路の前記近位部分に流体結合している中間インフレーション通路開口部を更に有し、前記拡張器通路の前記近位部分は、前記インフレーション通路だけを経て前記拡張器通路の前記遠位部分に流体結合されている、方法において、前記方法は、
前記拡張器組立部品を前記患者の体内に位置決めするステップを含み、
前記拡張器組立部品が前記患者の体内に位置決めされている間、
ある量の流体を前記インフレーション通路と前記拡張器通路によって画定された空間全体内に提供するステップを含み、前記ある量の流体を提供するステップは、前記拡張器通路の前記近位部分および前記拡張器通路の前記遠位部分の各々を拡張させ、
前記ある量の流体を前記空間全体内に保持するステップを含み、
前記ある量の流体が前記空間全体内に保持されている間、前記患者を治療するために他の流体を前記挿管通路に通すステップを含む、方法。
【請求項18】
前記ある量の流体が前記空間全体内に保持されている間、
外力が前記近位拡張器組立部品部分に加えられると、前記ある量の流体の少なくとも一部分を外前記拡張器通路の前記近位部分から前記拡張器通路の前記遠位部分に移送するステップと、
前記外力が前記近位拡張器組立部品部分から除かれると、前記ある量の流体の前記少なくとも一部分を前記拡張器通路の前記遠位部分から前記拡張器通路の前記近位部分に移送するステップとを更に含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
挿管組立体であって、
本体近位端部から本体遠位端部まで延びる本体構造体と、
前記本体構造体内でかつ近位挿管通路開口部から遠位挿管通路開口部まで前記本体構造体の長さの少なくとも挿管部分に沿って延びる挿管通路と、
前記本体構造体に結合されていて前記本体構造体との間に拡張器通路を定める拡張器組立部品と、
前記本体構造体の長さの少なくともインフレーション部分に沿って近位インフレーション通路開口部から遠位インフレーション通路開口部まで延びるインフレーション通路と、
前記本体構造体の前記長さの少なくとも補助部分に沿って近位補助通路開口部から遠位補助通路開口部まで延びる補助通路とを含み、
前記遠位補助通路開口部は、前記本体構造体の前記長さに沿って前記拡張器組立部品に向かうか前記拡張器組立部品から遠ざかるかの少なくとも一方に差し向けられ、
前記遠位インフレーション通路開口部は、前記インフレーション通路を前記拡張器通路に流体結合し、
ある量の流体が前記インフレーション通路を前記拡張器通路によって画定された空間全体内に保持されている場合、前記拡張器組立部品は、拡張形態のままであるよう機能する、挿管組立体。
【請求項20】
前記遠位補助通路開口部は、前記本体構造体から遠ざかる方向には向けられていない、請求項19記載の挿管組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容、すなわち本発明は、拡張型組立体、特に拡張型挿管組立体ならびに拡張型挿管組立体の使用方法および製造方法に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2016年5月17日に出願された先の出願の米国特許仮出願第62/337,670号の権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技(例えば、挿管手技)では、チューブの遠位端部を患者の特定の術野中に挿入し、次にこのチューブを用いて物質を患者の体内に注入するとともに/あるいは物質を患者から取り出す必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、使用中、かかるチューブを患者の体内の特定の位置に安全に固定することは、実行不能であった。さらに、従来、使用中にある特定の物質がかかるチューブの外面に沿って伝わるのを安全に阻止することは、実行不能であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、拡張型組立体ならびに拡張型組立体の使用方法および製造方法を記載する。
【0006】
例えば、挿管組立体は、本体近位端部から本体遠位端部まで延びる本体構造体と、本体構造体内でかつ近位挿管通路開口部から遠位挿管通路開口部まで本体構造体の長さの少なくとも挿管部分に沿って延びる挿管通路と、本体構造体に結合されていて本体構造体との間に拡張器通路を定める拡張器組立部品と、本体構造体の長さの少なくともインフレーション部分に沿って近位インフレーション通路開口部から遠位インフレーション通路開口部まで延びるインフレーション通路とを含むのが良く、遠位インフレーション通路開口部は、インフレーション通路を拡張器通路に流体結合し、拡張器組立部品は、本体構造体の近位部分との間に拡張器通路の近位部分を構成する拡張器組立部品近位部分と、本体構造体の遠位部分との間に拡張器通路の遠位部分を構成する拡張器組立部品遠位部分とを含み、拡張器通路の近位部分は、拡張器通路の遠位部分に流体結合され、ある量の流体がインフレーション通路と拡張器通路によって画定された空間全体内に保持されている場合、ある量の流体の一部分は、外力が拡張器組立部品近位部分に加えられると、拡張器通路の近位部分から拡張器通路の遠位部分に移送され、ある量の流体の一部分は、外力が拡張器組立部品近位部分から除かれると、拡張器通路の遠位部分から拡張器部分の近位部分に移送される。
【0007】
別の実施例として、患者に挿管組立体を挿管する方法を提供することができ、この場合、挿管組立体は、本体構造体と、本体構造体内でかつ近位挿管通路開口部から遠位挿管通路開口部まで本体構造体の長さの少なくとも挿管部分に沿って延びる挿管通路と、本体構造体に結合されていて本体構造体との間に拡張器通路を構成する拡張器組立部品と、本体構造体の長さの少なくともインフレーション部分に沿って近位インフレーション通路開口部から遠位インフレーション通路開口部まで延びるインフレーション通路とを含み、遠位インフレーション通路開口部は、インフレーション通路を拡張器通路に流体結合し、拡張器組立部品は、本体構造体の近位部分との間に拡張器通路の近位部分を構成する近位拡張器組立部品部分および本体構造体の遠位部分との間に拡張器通路の遠位部分を構成する遠位拡張器組立部品部分を含み、遠位インフレーション通路開口部は、インフレーション通路を拡張器通路の遠位部分に流体結合し、インフレーション通路は、インフレーション通路を拡張器通路の近位部分に流体結合している中間インフレーション通路開口部を更に有し、拡張器通路の近位部分は、インフレーション通路だけを経て拡張器通路の遠位部分に流体結合され、この方法は、拡張器組立部品を患者の体内に位置決めするステップを含み、拡張器組立部品が患者の体内に位置決めされている間、ある量の流体をインフレーション通路と拡張器通路によって画定された空間全体内に提供するステップを含み、ある量の流体を提供するステップによって拡張器通路の近位部分および拡張器通路の遠位部分の各々が拡張し、ある量の流体を空間全体内に保持するステップを含み、ある量の流体が空間全体内に保持されている間、患者を治療するために他の流体を挿管通路に通すステップを含む。
【0008】
さらに別の実施例として、挿管組立体は、本体近位端部から本体遠位端部まで延びる本体構造体と、本体構造体内でかつ近位挿管通路開口部から遠位挿管通路開口部まで本体構造体の長さの少なくとも挿管部分に沿って延びる挿管通路と、本体構造体に結合されていて本体構造体との間に拡張器通路を定める拡張器組立部品と、本体構造体の長さの少なくともインフレーション部分に沿って近位インフレーション通路開口部から遠位インフレーション通路開口部まで延びるインフレーション通路と、本体構造体の長さの少なくとも補助部分に沿って近位補助通路開口部から遠位補助通路開口部まで延びる補助通路とを含むのが良く、遠位補助通路開口部は、本体構造体の長さに沿って拡張器組立部品に向かうか拡張器組立部品から遠ざかるかの少なくとも一方に差し向けられ、遠位インフレーション通路開口部は、インフレーション通路を拡張器通路に流体結合し、ある量の流体がインフレーション通路を拡張器通路によって画定された空間全体内に保持されている場合、拡張器組立部品は、拡張形態のままであるよう機能する。
【0009】
この発明の概要の項は、本明細書において記載される本発明の幾つかの観点の基本的な理解を提供するよう幾つかの例示の実施形態の概要を述べるために提供されているに過ぎない。したがって、この発明の概要の項に記載されている特徴は、例示であるに過ぎず、本明細書において説明する本発明の範囲または精神をいかなる意味においても狭めるものと解されてはならないことは理解されよう。別段の指定がなければ、一実施例の文脈で説明した特徴を1つまたは2つ以上の他の実施例の関連で説明した特徴と組み合わせることができまたはこれらと併用することができる。本明細書において説明する本発明の他の特徴、他の観点、および他の利点は、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲の記載から明らかになろう。
【0010】
以下の説明は、以下の図面を参照しており、図面全体を通じて、同一の参照符号は、同一の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】挿管組立体が挿入状態にある患者の断面図である。
【
図1A】
図1の挿管組立体が種々の例示の拡張状態にある
図1の患者の
図1と類似した断面図である。
【
図1B】
図1の挿管組立体が種々の例示の拡張状態にある
図1の患者の
図1と類似した断面図である。
【
図1C】
図1の挿管組立体が種々の例示の拡張状態にある
図1の患者の
図1と類似した断面図である。
【
図2A】
図2のIIA‐IIA線で取った
図2の挿管組立体の断面図である。
【
図2B】
図2のIIB‐IIB線で取った
図2の挿管組立体の断面図である。
【
図3】拡張状態の釣り合い幾何学的形態にある
図2〜
図2Bの挿管組立体の断面図である。
【
図4】患者の体内で挿入状態にある
図2〜
図3の挿管組立体の側面図である。
【
図5】患者の体内で拡張状態の釣り合い幾何学的形態にある
図2〜
図4の挿管組立体の側面図である。
【
図6】患者の体内で拡張状態の変形幾何学的形態にある
図2〜
図5の挿管組立体の側面図である。
【
図7】患者の体内で拡張状態の釣り合い幾何学的形態にある
図2〜
図6の挿管組立体の側面図である。
【
図8】挿入状態にある別の挿管組立体の側面図である。
【
図9】拡張状態の釣り合い幾何学的形態にある
図8の挿管組立体の断面図である。
【
図16】患者に挿管するための例示の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜
図1Dは、例示の組立体100を患者1に対して種々の使用形態または使用段階で示している。組立体100は、挿管組立体であるのが良いが、任意適当な患者1に対して任意適当な手技において使用可能な任意他の適当な組立体であっても良い。
図1〜
図1Dに示されているように、例えば、組立体100は、外側の断面寸法(例えば、直径)DPを有するのが良い近位または第1の組立体端部101と、外側の断面寸法(例えば、直径)DDを有するのが良い遠位または第2の組立体端部109との間に延びるのが良い。組立体100は、端部101,109相互間に延びるのが良い本体構造体112を提供する少なくとも1つのチューブまたはチューブ組立部品(サブアセンブリ)110を含むのが良い。チューブ組立部品110は、少なくとも1つのチューブ壁113を含むのが良く、かかる少なくとも1つのチューブ壁は、少なくとも、組立体100の一部分内でかつこれに沿って延びる少なくとも1つの内部または挿管通路115を画定するのが良い。壁113は、組立体100の端部101のところまたはその近くで通路115への接近(例えば、通路115と組立体100の周囲環境との流体連通)をもたらすことができる少なくとも1つの近位または第1のチューブ開口部102および組立体100の端部109のところまたはその近くで通路115への接近(例えば、通路115と組立体100の周囲環境との流体連通)をもたらすことができる少なくとも1つの遠位または第2のチューブ開口部108を更に有するのが良い。さらに、組立体100は、チューブ組立部品110の少なくとも一部分に沿って延びるのが良い拡張器または拡張器組立部品160を更に含むのが良く、拡張器組立部品160は、外面163を含むのが良い。また、
図1〜
図1Dに示されているように、例えば、患者1は、少なくとも1つの近位または第1の接近開口部11と遠位または第2の開口部19との間に延びるのが良い通路15を画定することができる通路壁13を有するのが良い。さらに、患者1は、標的空間95の少なくとも一部分を画定することができる標的壁93を有するのが良く、壁93の近位または第1の標的開口部91は、通路15の開口部19に結合されるのが良く、その結果、通路15を標的空間95に流体結合することができるようになっている。
図1〜
図1Dに示されているように、例えば、通路15の少なくとも一部分および/または開口部19と開口部91の結合は、断面寸法(例えば、直径)DOを有するのが良く、この断面直径DOは、組立体100の少なくとも一部分を挿通させることができまたは違った仕方で患者1の体内における任意の使用段階の際に挿通状態で存在させることができる患者1の最小寸法であるのが良い。
【0013】
挿入状態(例えば、
図1を参照されたい)にあるとき、組立体100を患者1の体内へ特定の位置まで挿入することができ、次に組立体100を患者1の体内に拡張状態(例えば、
図1Aおよび/または
図1Bおよび/または
図1C参照)に再構成することができ、その結果、組立体100を患者1の体内で安全に使用することができるようになっている。組立体100を患者1の体内でのその拡張状態での使用した後、組立体100を患者1からの組立体100の抜去のために患者1の体内で抜去状態(例えば、
図1D参照)に再構成することができる。例えば、
図1に示されているように、組立体100を最初に、挿入状態または形態に構成するのが良く、その結果、次に組立体100を患者1の体内へ少なくとも部分的に挿入することができるようになっている。幾つかの実施形態では、組立体100の端部109をその挿入状態で患者1の体内へ矢印Iの方向に開口部11を通り、通路15を通り、開口部19を通り、開口部91を通り、そして標的空間95中に挿入することができ、その結果、組立体100の少なくとも1つの開口部108が空間95内に位置することができるとともに/あるいは組立体100の少なくとも1つの開口部102が組立体100のオペレータO(例えば、医師もしくは看護師またはもしかしたら患者1自身の場合さえある)に接近可能であるようになっており、オペレータOは、患者1の少なくとも通路15の外部に位置するのが良い。組立体100は、挿入状態にある組立体100の端101と端109との間に延びるのが良い長さLIのものであるのが良く、この場合、かかる組立体100の挿入状態における組立体100により提供される長さは、患者1のサイズおよび実施されるべき手技に基づいて様々な場合がある。
図1に示されているように、組立体100がその挿入状態にあるとき、直径DIよりも大きな断面寸法(例えば、直径)を有する場合のある拡張器160の部分は存在しない。幾つかの実施形態では、組立体100の挿入状態における端部109の寸法DDおよび拡張器160の寸法DIは、壁13および/または患者1の壁93を損傷させないで組立体100をその挿入状態で患者1の体内へ安全に挿入することができるよう患者1の寸法DOよりも小さいのが良い。
【0014】
組立体100がその挿入状態にある状態で組立体100を患者1の体内へ挿入した後、組立体100を患者1の体内で拡張状態に再構成することができ、その結果、組立体100をしかる後に患者1の体内で安全に使用することができるようになっている。例えば、
図1A〜
図1Cの各々に示されているように、組立体100がその挿入状態でいったん患者1の体内の
図1のその挿入位置に挿入されると、組立体100を患者1の体内で拡張状態に再構成するのが良く、その結果、組立体100をしかる後に患者1の体内でその拡張状態で安全に使用することができるようになっている。
図1A〜
図1Cの各々に示されているように、組立体100がその拡張状態あるとき、拡張器160の少なくとも一部分は、患者1の寸法DOに少なくとも等しくまたはこれよりも大きいのが良い最大断面寸法(例えば、直径)DEを有するのが良く、その結果、拡張器160の壁163の少なくとも一部分は、拡張状態の組立体100を患者1の体内の特定の位置に安全に固定するとともに/あるいはある特定の物質が拡張器160の壁163と標的95の壁93の少なくとも一部分および/または通路15の壁13の少なくとも一部分との間で移動するのを安全に阻止するために標的95の壁93の少なくとも一部分とかつ/あるいは通路15の壁13の少なくとも一部分に接触しまたは該少なくとも一部分と相互作用することができるようになっている。寸法DE、DI、およびDRのうちの少なくとも1つまたは2つ以上(例えば、以下に説明する)は、拡張器160により定められる幅であるのが良く、この場合、かかる幅は、拡張器160の長さに垂直であるのが良い(例えば、Y軸に沿う拡張器160の端161,169相互間に延びる長さに垂直であるのが良いX軸に沿って)。
図1Aに示されているように、例えば、拡張器160全体は、組立体100がその挿入状態からその拡張状態に再構成されると、標的空間95内に位置決めされるのが良く、その結果、拡張器160の壁163の少なくとも一部分が標的95の壁93の少なくとも一部分に接触しまたは違ったやり方でこれと相互作用することができるようにするのが良い。変形例として、
図1Bに示されているように、例えば、拡張器160全体は、組立体100がその挿入状態からその拡張状態に再構成されると、通路15内に位置決めされても良く、その結果、拡張器160の壁163の少なくとも一部分が通路15の壁13の少なくとも一部分に接触しまたは違ったやり方でこれと相互作用することができるようになっていても良い。変形例として、
図1Cに示されているように、例えば、組立体100がその挿入状態からその拡張状態に再構成されると、拡張器160の第1の部分を通路15内に位置決めするとともに拡張器160の第2の部分を標的空間95内に位置決めしても良く、その結果、拡張器160の壁163の少なくとも第1の部分が通路15の壁13の少なくとも一部分に接触しまたは違ったやり方でこれと相互作用することができるとともに拡張器160の壁163の少なくとも第2の部分が標的95の壁93の少なくとも一部分に接触しまたは違ったやり方でこれと相互作用することができるようになっていても良い。
図1A〜
図1Cに示されているように、拡張器160の少なくとも一部分は、少なくともX軸に沿って拡張するのが良く、その結果、組立体100がその挿入状態からその拡張状態に再構成されると、拡張器160の最大断面寸法(例えば、直径)は、寸法DIから寸法DEに拡張することができるようになっている。
図1A〜
図1Cに示されているように、組立体100は、組立体100のその拡張状態における端101と端109との間に延びるのが良い長さLEのものであるのが良く、この場合、組立体100により提供されるかかる長さLEは、患者1のサイズに応じて様々であって良く、また、組立体100のその挿入状態における(例えば、
図1の状態)長さLIおよび/または組立体100のその抜去状態(例えば、以下に説明する
図1Dの状態)の長さLRよりも大きくても良く、該長さよりも小さくても良く、あるいは該長さに等しくても良い。
【0015】
組立体100を患者1の体内におけるその拡張状態にいったん拡張すると(例えば、
図1A〜
図1Cのうちの任意の1つまたは2つ以上に示されているように)、組立体100を患者1の体内で任意適当な仕方で、例えば任意適当な挿管プロセスにおいて安全に用いることができる。例えば、幾つかの実施形態では、拡張状態の組立体100は、開口部102を通って物質(例えば、治療用物質、例えば栄養素または薬物または酸素または空気)を通路115中に、そしてこれに通して注入し、次に開口部108を通って通路115から出して患者1の標的空間95内に注入するためにかつ/あるいは物質(例えば、治療物質、例えば老廃物)を標的空間95から開口部108を通って通路115中に、そしてこれを通り、次に開口部102を通って通路115から抜き出して患者1から抜き取るために患者1の体内で安全に使用できる。ある特定の実施形態では、標的空間95は、胃であるのが良く、開口部91は、下部食道括約筋であるのが良く、通路15は、食道、咽頭、のど、および/または鼻腔であるのが良く、開口部11は、患者1の外鼻孔または口であるのが良く、この場合、組立体100は、経鼻胃挿管プロセス中に使用されるのが良い。他の実施形態では、標的空間95は、膀胱であるのが良く、開口部91は、括約筋であるのが良く、通路15は、尿道であるのが良く、開口部11は、患者1の尿道口であるのが良く、この場合、組立体100は、仮にフォーレーカテーテル(Foley catheter)を使用する可能性のあるような任意適当なプロセスの際に使用できる。理解されるべきこととして、組立体100を任意適当なプロセスのために任意適当な患者1の任意適当な部分に対して使用することができ、この場合、拡張器160は、結果として以下のごとくなるよう拡張されるのが良く、すなわち、拡張器160の壁163の少なくとも一部分が患者1の体内の特定の位置に拡張状態の組立体100を固定するために(例えば組立体100をフォーレーカテーテルとして用いることができる場合、例えば、組立体100の開口部108および/または端部109が偶発的に標的空間95から取り出される(例えば、矢印Rの方向に)のを阻止するとともに/あるいは偶発的に空間95中に更に遠くまで(例えば、矢印Iの方向に)挿入されるのを阻止するために)かつ/あるいはある特定の物質が拡張器160の壁163と標的95の壁93の少なくとも一部分との間でかつ/あるいは拡張器160の壁163と通路15の壁13の少なくとも一部分との間で移動するのを安全に阻止するために(例えば組立体100を経鼻胃チューブとして用いることができる場合、例えば、胃標的95の内容物が通路15を通って拡張器160の壁163の外部周りにこれに沿って(すなわち組立体100を通らないで)、例えば拡張器160と通路15の端部11との間における患者1の気管または他の部分に向かって標的95から逃げ出る(こうなると、感染および/または炎症が引き起こされることがある)のを阻止するために)、標的95の壁93の少なくとも一部分および/または通路15の壁13の少なくとも一部分に接触しまたは違ったやり方でかかる一部分と相互作用することができるよう拡張されるのが良い。具体的に言えば、胃から食道に戻る内容物の逆流は、特に経鼻胃チューブが存在している場合には起こり続ける問題である。内容物は、多くの場合、胃からチューブ周りに上に戻ろうとし、それにより逆流性食道炎、誤嚥性肺炎、および/または肺炎が生じる。
【0016】
組立体100を患者1の体内においてその拡張状態で使用した後、組立体100を抜去状態に再構成することができ、その結果、組立体100をしかる後に患者1の体内から(例えば、矢印Rの方向に)安全に抜去することができる。例えば、
図1Dに示されているように、組立体100を患者1の体内で
図1A〜
図1Cの任意の図のその拡張状態でいったん使用すると、組立体100を患者1の体内で抜去状態に再構成することができ、その結果、組立体100をしかる後に、患者1の体内からその抜去状態で安全に抜去することができるようになっている。例えば、
図1Dに示されているように、組立体100がその抜去状態にあるとき、寸法DRよりも大きな半径方向寸法(例えば、直径)を有する拡張器160の部分は存在せず、この場合、組立体100により提供されるかかる寸法DRは、患者1のサイズに基づいて様々であって良く、しかも挿入状態の寸法DIよりも大きくても良く、これよりも小さくても良く、あるいはこれに等しくても良い。幾つかの実施啓太では、組立体100の抜去状態における端部109の寸法DDおよび拡張器160の寸法DRは、患者1の寸法DOよりも小さいのが良く、その結果、患者1の壁13および/または患者1の壁93を損傷させることなく組立体100をその抜去状態において患者1から安全に抜去することができるようになっている。幾つかの実施形態では、
図1Dに示されているように、拡張器160の少なくとも一部分は、少なくともX軸に沿って収縮することができ、その結果、拡張器160の最大断面寸法(例えば、直径)は、組立体100がその拡張状態からその抜去状態に再構成されると、寸法DEから寸法DRに小さくなることができる。
図1Dに示されているように、組立体100は、その抜去状態において組立体100の端101と端109との間に延びるのが良い長さLRのものであるのが良く、この場合、組立体100により提供される長さLRは、患者1のサイズに基づいて様々であって良くしかも組立体100のその挿入状態における長さLIおよび/または組立体100のその拡張状態における長さLEよりも大きくても良く、該長さよりも小さくても良く、または該長さに等しくても良い。注目されるべきこととして、「近位の」または「近い方の」という用語が、使用中における組立体100のオペレータOの最も近くに位置するのが良い(例えば、患者1の外部に位置する)組立体100の全体的方向または端部を意味するよう本明細書において用いられているとともに、「遠位の」または「遠くの方の」という用語は、使用中における組立体100のオペレータOから最も遠くに位置する場合のある(例えば、標的95内に位置する)組立体100の全体的方向または端部を意味するよう本明細書において用いられている場合があるが、かかる方向および向きを表わす用語は、本明細書においては便宜のためにのみ用いられている場合があり、しかも固定されまたは絶対的な方向または向きに関する限定がこれら用語の使用によって意図されている訳ではない。
【0017】
幾つかの実施形態では、拡張器組立部品160は、バルーン(例えば、大容積低圧のバルーン)または拡張器組立部品160の少なくとも一部分が拡張状態の組立体100を患者1の体内の特定の位置に固定するために患者1の壁に接触することができるようにする拡張器組立部品160の少なくとも一部分の拡張(例えば、寸法DIから寸法DEへの)を可能にするためにかつ/あるいはある特定の物質が拡張器組立部品160と患者1との壁との間で移動するのを阻止するために空気または任意他の適当な流体(例えば、気体または液体または拡張器機構体に流入するとともに/あるいは流出することができる任意適当な物質)によってインフレート可能であるのが良い任意他の適当な拡張器機構体またはコンポーネントを含むのが良い。
【0018】
図2〜
図7に示されているように、例えば、組立体100は、チューブ組立部品110およびかかる拡張器コンポーネント164を備えた拡張器組立部品160を含むのが良い。チューブ組立部品110は、チューブ壁113を含むのが良い本体構造体112を提供することができ、チューブ壁113は、少なくとも第1の通路115を構成することができる1つまたは2つ以上の表面111を提供することができ、第1の通路115は、組立体100の端部101のところまたはその近くで通路115への接近を可能にする少なくとも近位のまたは第1のチューブ開口部102と組立体100の端部109のところでまたはその近くで通路115への接近を提供することができる少なくとも1つの遠位のまたは第2のチューブ開口部108との間に延び、その結果、組立体100が患者1の体内で少なくとも部分的に適切に位置決めされると、物質を開口部102に通して通路115中に注入し、そしてこの通路115を通り、次に開口部108を通って通路115から出して患者1の標的空間95中に注入することができるとともに/あるいは物質を標的空間95から開口部108を通って通路115中に抜き出し、そして通路115を通り、次に開口部102を通って通路115から抜き出して患者1から遠ざけることができるようになっている。例えば、
図2および
図3に示されているように、通路115は、チューブ組立部品110の長手方向軸線(例えば、Y軸に沿って延びるのが良い軸線A)に沿って延びる単一の通路であるのが良く、ただし、他の実施形態では、通路115は、2本または3本以上の通路によって提供されても良く、これら通路のうちの少なくとも1本は、チューブ組立部品110の長手方向軸線に沿って少なくとも部分的には延びていないのが良い。幾つかの実施形態では、図示されていないが、開口部102は、組立体100の端部101のところに設けられないのが良く、その代わり、開口部102は、端部101の近位側に位置するチューブ壁113の側面に沿ってかつ/あるいはこれを貫通して提供されるのが良くかつ/あるいは開口部108は、組立体100の端部109のところには設けられないのが良く、その代わり、開口部108は、端部109の近位側に位置するチューブ壁113の側面に沿ってかつ/あるいはこれを貫通して設けられるのが良い。組立部品110のチューブ壁113はまた、端部101,109相互間でチューブ組立部品110の長さの少なくとも一部分に沿ってチューブ組立部品110の1つまたは2つ以上の外面118を提供するのが良い。
【0019】
拡張器160は、第1または近位拡張器端部161と第2または遠位拡張器端部169との間に延びる外面163および内面165を提供することができる任意適当な拡張器コンポーネント164を含むのが良い。拡張器コンポーネント164は、端部161のところまたはその近くに位置する少なくとも1つの近位または第1の拡張器開口部162および端部169のところまたはその近くに位置する少なくとも1つの遠位または第2の拡張器開口部168を有するのが良い。図示のように、拡張器組立部品160は、拡張器通路167を拡張器コンポーネント164の内面165と拡張器コンポーネント164の端部161,169相互間に位置するチューブ組立部品110の外面118に沿ってかつこの周りとの間に提供することができるようチューブ組立部品110に結合されるのが良い。例えば、第1の拡張器開口部162は、任意適当な結合技術(例えば、接着剤、成形(例えば、吹込成形)、圧着など)を用いてチューブ組立部品110の長さに沿う第1の位置103のところでチューブ組立部品110の外面118にかつこの周りに結合されるのが良く、第2の拡張器開口部168は、任意適当な結合技術(例えば、接着剤、成形(例えば、吹込成形)、圧着など)を用いてチューブ組立部品110の長さに沿う第2の位置107のところでチューブ組立部品110の外面118にかつこの周りに結合されるのが良く、その結果、拡張器通路167を拡張器コンポーネント164の内面165とチューブ組立部品110の外面118との間で端部161,169相互間の拡張器コンポーネント164の長さに沿って少なくとも部分的に提供することができるようになっている。拡張器コンポーネント164は、バルーン(例えば、大容量低圧バルーン)であるのが良くまたは任意適当な材料(例えば、ポリウレタン、シリコーン、ゴム、ポリエチレンテレフタレート(“PET”)、ナイロン、および/または同等の材料)で構成できるとともに/あるいは少なくとも半応従性であるのが良くかつ空気または他の適当な流体(例えば、気体または液体または拡張器機構体に流入することができるとともに/あるいは流出することができる任意他の適当な物質)によってインフレート可能であるのが良い空間を構成することができる任意他の適当な拡張器機構体またはコンポーネントであっても良く、その結果、この空間は、この空間内の圧力が変化した場合に形状を変化することができるようになっている。
【0020】
チューブ組立部品110のチューブ壁113はまた、チューブ組立部品110の1つまたは2つ以上の表面117を提供することができ、かかる1つまたは2つ以上の表面は、組立体100の端部101のところまたはその近くで通路119への接近(例えば、通路119と組立部品110の本体構造体112の周囲環境との流体連通)を提供することができる少なくとも1つの他の近位または第3のチューブまたはインフレーション開口部104と開口部104の遠位側に位置する組立体100の長さに沿う(例えば、組立部品110の長さに沿う位置103,107相互間の)位置ところで通路119への接近(例えば、通路119と組立部品110の本体構造体112の周囲環境との流体連通)を提供することができる少なくとも1つの遠位または第4のチューブまたはインフレーション開口部106との間に延びる少なくとも1つのインフレーション通路119を画定することができ、この場合、開口部106は、チューブ組立部品110の通路119を拡張器組立部品160の拡張器通路167に(例えば、組立部品110の長さに沿う位置103,107相互間で)流体結合するよう働くことができる。例えば、
図2および
図3に示されているように、通路119は、チューブ組立部品110の長手方向軸線(例えば、軸線A)周りに同心状にかつ/あるいは通路115周りに同心状に延びる単一の通路であるのが良く、ただし、他の実施形態では、チューブ119は、1つ、2つまたは3つ以上の別々の通路によって提供されても良く、これら通路の各々は、通路115に沿ってかつこれに隣接して延びるのが良いが、通路115周りに全体に延びなくても良い。幾つかの実施形態では、図示されていないが、少なくとも1つの開口部104は、組立体100の端部101のところに設けられなくても良く、これとは異なり、端部101の近位側で壁113の側面に沿ってかつ/あるいはこれを貫通して設けられるのが良い。
図2および
図3に示されているように、2つまたは3つ以上のチューブ開口部106がチューブ組立部品110のチューブ壁113を貫通して(例えば、表面117,118相互間で)設けられるのが良く、これら開口部の各々は、チューブ組立部品110の通路119を拡張器組立部品160の拡張器通路167に流体結合するよう働くのが良く(例えば、第1のチューブ開口部106は、拡張器組立部品160の端部161の近くに位置決めされるのが良く、第2のチューブ開口部106は、拡張器組立部品160の端部169の近くに位置決めされるのが良い)、他方、他の実施形態では、たった1つのチューブ開口部106が通路119,167を互いに結合するよう設けられても良い。
【0021】
任意適当な流体(例えば、空気または液体またはこれらの組み合わせ)が(例えば、オペレータOが任意適当な流体を送り出しシステム(図示せず)を用いることによって)、少なくとも1つの開口部104を通り、通路119中に注入され、そしてこれを通り、次に少なくとも1つの開口部106を通って通路119から出され、次に拡張器通路167中に注入されるのが良く、それによりチューブ組立部品110周りに拡張器コンポーネント164を少なくとも部分的にインフレートさせて拡張器組立部品160を自然なまたは弛緩したまたはインフレートされていない状態(例えば、組立体100の外力が拡張器コンポーネント164に加えられていない場合(例えば、
図2および
図4に示されているように))から不自然なまたは張力が加えられまたは少なくとも部分的にインフレートした状態(例えば、拡張器通路167内の注入された流体が力を拡張器コンポーネント164に加えている場合(例えば、
図3および
図5〜
図7に示されているように))に再構成するのが良く、それにより、組立体100を挿入状態(例えば、
図1、
図2および
図4に示されているように)から拡張状態(例えば、
図1A、
図3および
図5〜
図7に示されているように)に再構成することができる。任意適当な量のかかる注入された流体は、例えば開口部104に蓋付けすることによって、互いに流体結合された通路119,167によって画定された空間全体内に保持されるのが良い。通路119は、本体構造体112が通路119の形状の潰れを阻止するよう任意適当な剛性のものであるのが良い場合、固定された容積のものであるのが良く、通路167の容積は、互いに流体結合された通路119,167の空間全体内に保持された流体の量に基づいて変化するのが良い。追加的にまたは代替的に、任意適当な流体(例えば、空気または液体)は(例えば、オペレータOが任意適当な流体取り出しシステム(図示せず)を用いることによって)拡張器通路167から少なくとも1つのチューブ開口部106を通り、通路119中に取り出され、そしてこの通路119を通り、次に少なくとも1つの開口部104を通って通路119から取り出され、それによりチューブ組立部品110周りで拡張器コンポーネント164を少なくとも部分的にデフレートさせて拡張器組立部品160を不自然なまたは張力が加えられまたは少なくとも部分的にインフレートされた状態(抜き出されるべき拡張器通路167内の流体が力を拡張器コンポーネント164に加えている場合(例えば、
図3および
図5〜
図7に示されているように))から自然なまたは弛緩したまたはインフレートされていない状態(例えば、力を拡張器コンポーネント164に加える流体が拡張器通路167内に存在しない場合(例えば、
図2および
図4に示されているように))に再構成するのが良く、それにより、組立体100を拡張状態(例えば、
図1A、
図3および
図5〜
図7に示されているように)から抜去状態(例えば、
図1D、
図2および
図4に示されているように)からに再構成することができる。拡張器組立部品160は、チューブ組立部品110に結合されるのが良くかつ拡張器組立部品160(例えば、拡張器コンポーネント164)が特定の量(例えば、体積(例えば、30立方センチメートルまたは50立方センチメートルまたは任意他の適当な量の体積)の流体が開口部104を通って組立体100中に注入されて組立体100内に(例えば、通路119,167内に)保持されるが、拡張器組立部品160に加えることができる(例えば、患者1によって(例えば、患者通路15の狭くなっている壁13によって))外力が存在しない場合、
図3、
図5および
図7の特定の不自然なまたは張力が加えられていないまたは少なくとも部分的にインフレートした状態の釣り合い幾何学的形態に拡張可能であるよう構成されるのが良い。拡張器組立部品160の特定のインフレート状態は、任意適当な特定の釣り合い幾何学的形態の構造を定めることができる。例えば、
図3、
図5および
図7に示されているように、拡張器組立部品160の特定のインフレート状態の特定の釣り合い幾何学的形態は、近位または第1拡張器コンポーネント区分166a、中間または第2拡張器コンポーネント区分166b、および遠位または第3拡張器コンポーネント区分166cを含むのが良く、この場合、第1の拡張器コンポーネント区分166aは、最大断面寸法(例えば、直径)EDAを有するチューブ組立部品110の長さELAにわたって位置103と区分105との間に延びるのが良く、第2の拡張器コンポーネント区分166bは、最大断面寸法(例えば、直径)EDBを有するチューブ組立部品110の長さELBにわたって区分105に沿って延びるのが良く、第3の拡張器コンポーネント区分166cは、最大断面寸法(例えば、直径)EDCを有するチューブ組立部品110の長さELCに沿って区分105と位置107との間に延びるのが良い。拡張器組立部品160は、組立体100がその拡張状態にありかつ患者1の体内に適切に位置決めされているとき(例えば
図5参照)、拡張器組立部品160の特定のインフレート状態の釣り合い幾何学的形態が患者1の一部分を第1拡張器コンポーネント区分166aと第3拡張器コンポーネント区分166cとの間で(例えば、第2拡張器コンポーネント区分166bに沿って)標的空間95の開口部91のところに保持することができるよう製造できるとともに/あるいはチューブ組立部品110に結合できるとともに/あるいは任意適当な仕方でインフレートできる。幾つかの実施形態では、ELAは、約3〜7センチメートルであるのが良くかつ/あるいはELCは、約2〜4センチメートルであるのが良くかつ/あるいはELBは、約0.5〜5センチメートルであるのが良い。拡張器コンポーネント区分166aは、ELAに沿って(例えば、拡張時)歯の形をしているとともに/あるいは円筒形の形、円盤の形または任意他の適当な形のものであって良く、かつ/あるいは拡張器コンポーネント区分166cは、その容積を最小限にするために長さELCに沿って(例えば、拡張時)球または円盤の形または任意他の適当な形のものであって良く、この場合、EDCは、約5〜7センチメートルであるのが良く、ELCは、拡張器組立体160の釣り合い拡張状態では、約2〜4センチメートルであるのが良い。幾つかの実施形態では、図示のように、拡張器組立部品160の1つ、幾つかの、または各拡張器コンポーネント区分の特定のインフレート状態の幾何学的形態は、チューブ組立部品110の長手方向軸線Aに関して対称であっても良く非対称であっても良い。例えば、チューブ組立部品110の第1(例えば、頂部)側と拡張器コンポーネント164との間の第1拡張器コンポーネント区分166aの最大断面寸法(例えば、直径)EDA1は、チューブ組立部品110の第2(例えば、底部)側と拡張器コンポーネント164(例えば、長手方向軸線Aに対して互いに反対の側)との間の第1拡張器コンポーネント区分166aの最大断面寸法(例えば、直径)EDA2と同じであっても良くこれとは異なっていても良く、かつ/あるいはチューブ組立部品110の第1(例えば、頂部)側と拡張器コンポーネント164との間の第2拡張器コンポーネント区分166bの最大断面寸法(例えば、直径)EDB1は、チューブ組立部品110の第2(例えば、底部)側と拡張器コンポーネント164(例えば、長手方向軸線Aに対して互いに反対の側)との間の第2拡張器コンポーネント区分166bの最大断面寸法(例えば、直径)EDB2と同じであっても良くこれとは異なっていても良く、かつ/あるいはチューブ組立部品110の第1(例えば、頂部)側と拡張器コンポーネント164との間の第3拡張器コンポーネント区分166cの最大断面寸法(例えば、直径)EDC1は、チューブ組立部品110の第2(例えば、底部)側と拡張器コンポーネント164(例えば、長手方向軸線Aに対して互いに反対の側)との間の第3拡張器コンポーネント区分166cの最大断面寸法(例えば、直径)EDC2と同じであっても良くこれとは異なっていても良い。幾つかの実施形態では、第2拡張器コンポーネント区分166bは、拡張器コンポーネント164の構造的組成に起因してその釣り合い幾何学的形態の特定の断面寸法を超えて拡張するのが阻止されるのが良い(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aの少なくとも一部分および/または第3拡張器コンポーネント区分166cの少なくとも一部分がその釣り合い幾何学的形態の特定の断面寸法を超えて拡張することができるにもかかわらず(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cの
図5のその釣り合い幾何学的形態と
図6の変化した幾何学的形態との間における寸法の増大を参照されたい))。変形例として、任意適当な機構体159、例えば、材料の剛性バンドが第2拡張器コンポーネント区分166bの少なくとも一部分に沿って拡張器コンポーネント164周りに位置決めされても良く、それにより、第2拡張器コンポーネント区分166bが
図3および
図5の釣り合い幾何学的形態の最大断面寸法(例えば、直径)EDBを超えて拡張するのを阻止し、他方、拡張器通路167の一部分が拡張器コンポーネント164とチューブ組立部品110の表面118との間で第2拡張器コンポーネント区分166bを依然として貫通することができるようにし、この場合EDBは、拡張器組立体160の釣り合い拡張状態では約0.5〜1.5センチメートルであるのが良い。第1拡張器コンポーネント区分166aは、拡張器組立体160の釣り合い拡張状態にあるとき、任意適当な圧力(例えば、特定のサイズの患者について40mmHg以下)、例えば通路15の壁13が自然に収縮したり拡張したりすることができるようにした状態で(例えば、患者1が安全に呼吸することができるようにするため)組立体160を患者1の体内の所望の機能的位置に保持するよう働く圧力を有するのが良い。したがって、第1拡張器コンポーネント区分166aおよび第3拡張器コンポーネント区分166cは、第2拡張器コンポーネント区分166bによって構成された拡張器通路167の一部分によって流体結合されている場合であっても、拡張器通路167の別々の部分を構成することができる。
【0022】
組立体100が挿入状態にあるとき(例えば、
図1、
図2および
図4を参照されたい、なお、拡張器組立部品160は、自然なまたは弛緩したまたはインフレートされていない状態にあるのが良く、その結果、拡張器組立部品160の最大断面寸法(例えば、直径)DIが(例えば、少なくとも第3拡張器コンポーネント区分166cの断面寸法(例えば、直径))開口部91および/または患者1の通路15の断面寸法(例えば、直径)DO未満であるのが良いようになっている)、
図4に示されているように組立体100を患者1の体内の特定の位置(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cの少なくとも一部分を患者1の標的空間95内に位置決めすることができる位置および第1拡張器コンポーネント区分166aの少なくとも一部分を患者1の通路15内に位置決めすることができる位置および/または第2拡張器コンポーネント区分166bの少なくとも一部分を患者1の第1または近位開口部91内に位置決めすることができる位置)まで(例えば、矢印Iの方向に)挿入することができる。次に、組立体100を
図5に示されているように(例えば、特定の量(例えば、体積)の流体が開口部104を通って組立体100中に注入し(例えば、
図3および
図5の矢印FIの方向にオペレータOによって)そして組立体100内に保持する(例えば、通路119,167内に)場合、しかしながら、拡張器組立部品160に加えることができる外力が存在しない場合(例えば、患者1によって(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166a上での患者通路15の細まっていく壁によって))、患者1の体内で拡張状態に再構成することができる(例えば、
図1A、
図3、および
図5を参照されたい、なお、拡張器組立部品160は、特定の不自然なまたは張力が加えられまたは少なくとも部分的にインフレートされた状態にあるのが良く、その結果、拡張器組立部品160の最大断面寸法(例えば、直径)DE(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cの少なくとも寸法EDC)は、患者1の開口部91の断面寸法(例えば、直径)DOよりも大きいのが良い)。
図1A、
図3、および
図5のかかる特定の不自然なまたは張力が加えられまたは少なくとも部分的にインフレートされた状態では、拡張器組立部品160内の流体の量は、第1拡張器コンポーネント区分166aの圧力が40mmHg未満であるのが良い(例えば、拡張器組立部品160中に注入される流体の量および第1拡張器コンポーネント区分166aと第3拡張器コンポーネント区分166cとの量の差に基づいて)設定されるのが良く、あるいは組立体100を患者1の体内の
図1A、
図3、および
図5の機能的位置に少なくとも部分的に固定するよう働くことができる(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aの寸法EDAが開口部19/91の寸法DOよりも大きいのが良く、それによって標的空間95中への第1拡張器コンポーネント区分166aの挿入に抵抗するようになっているとともに/あるいは第1拡張器コンポーネント区分166aの寸法EDAが拡張状態の組立体100を患者1の体内の特定の位置に安全に固定するとともに/あるいはある特定の物質が第1拡張器コンポーネント区分166aの壁163と通路15の壁13の少なくとも一部分との間で移動するのを安全に阻止するために通路15の壁13の少なくとも一部分に接触しまたは違ったやり方でこれと相互作用することができるようになっている)が、通路15の収縮(例えば、
図5〜
図7の通路15の断面寸法DWの縮小(例えば、患者1が飲み込むことに起因して))を阻止しまたはこれに抵抗しないよう働くことの可能な任意他の適当な量に設定されても良い。したがって、第1拡張器コンポーネント区分166aの
図1A、
図3、および
図5の特定の不自然なまたは張力が加えられまたは少なくとも部分的にインフレートされた状態は、組立体の位置決めおよび組立体の機能ならびに患者の安全性を得るというこれらの目的を達成することができる圧力(例えば、40mmHg以下の圧力、したがって、患者の壁による40mmHg以上の圧力が第1拡張器コンポーネント区分166aを変形させるよう働くことができるようになっている)を提供するよう構成されるのが良い(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aの幾何学的形態およびかかる状態にある第1拡張器コンポーネント区分166a内の(例えば、かかる状態にある第1拡張器コンポーネント区分166aによって構成された通路167の部分内の)流体の量に基づいて)。第1拡張器コンポーネント区分166aの容積と第3拡張器コンポーネント区分166cの容積の比が大きければ大きいほど、第1拡張器コンポーネント区分166aについて存在するのが良い圧力がそれだけいっそう高い(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cの容積が第1拡張器コンポーネント区分166aの容積よりも非常に大きい場合、第1拡張器コンポーネント区分166aの圧力は、低いのが良い)。
図3および
図5に示されているように、組立体100がその拡張状態にあるとき、拡張器組立部品160の少なくとも一部分は、患者1の開口部19/91の寸法DOに少なくとも等しくまたはこれよりも大きいのが良い断面寸法を有するのが良く(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cの少なくとも一部分は、断面寸法を有するのが良く)、その結果、拡張器組立部品160の拡張器コンポーネント164の表面163の少なくとも一部分は、拡張器組立体100の少なくとも一部分を患者1の体内の特定の位置に安全に固定するため(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cの少なくとも一部分を標的95内に固定するとともに/あるいはこの一部分が矢印Rの方向に開口部19を通って通路15中に入るのに抵抗するとともに/あるいは阻止するために)かつ/あるいはある特定の物質が拡張器コンポーネント164の表面163と標的95の壁93の少なくとも一部分および/または通路15の壁13の少なくとも一部分との間で移動するのを安全に阻止するために通路15の壁13の少なくとも一部分に接触しまたはこれとは違ったやり方でこれと相互作用することができるようになっている(例えば、その結果、組立体100のその拡張状態における外部周りにおける標的空間95と通路15との間の何らかの物質の運動を制限しまたは阻止することができるようになっている)。追加的にまたは代替的に、
図3および
図5に示されているように、組立体100がその拡張状態にあるとき、拡張器組立部品160の少なくとも一部分は、患者1の開口部19/91の寸法DOに少なくとも等しくまたはこれよりも大きいのが良い断面寸法を有するのが良く(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aの少なくとも一部分が断面寸法を有するのが良く)、その結果、拡張器組立部品160の拡張器コンポーネント164の表面163の少なくとも一部分は、拡張器組立体100の少なくとも一部分を患者1の体内の特定の位置に安全に固定するため(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aの少なくとも一部分を標的95内に固定するとともに/あるいはこの一部分が矢印Iの方向に開口部91を通って標的空間95中に入るのに抵抗するとともに/あるいは阻止するために)かつ/あるいはある特定の物質が拡張器コンポーネント164の表面163と標的95の壁93の少なくとも一部分および/または通路15の壁13の少なくとも一部分との間で移動するのを安全に阻止するために標的95の壁93の少なくとも一部分に接触しまたはこれとは違ったやり方でこれと相互作用することができるようになっている(例えば、その結果、組立体100のその拡張状態における外部周りにおける標的空間95と通路15との間の何らかの物質の運動を制限しまたは阻止することができるようになっている)。幾つかの実施形態では、第3拡張器コンポーネント区分166cの最大断面寸法(例えば、直径)EDCは、特定のインフレート状態(例えば、
図3および
図5の状態)にある第1拡張器コンポーネント区分166aの最大断面寸法(例えば、直径)EDAよりも大きいのが良くかつ/あるいは第3拡張器コンポーネント区分166cおよび第1拡張器コンポーネント区分166aの各々の最大断面寸法は、第2拡張器コンポーネント区分166bの最大断面寸法EDBよりも大きいのが良い(例えば、標的空間95、開口部19/91および通路15のサイズに一致するために、それぞれの拡張器コンポーネント166c,166b,166aは、
図5の拡張状態の組立体100の機能的位置においてかかる標的空間、開口部および通路内に位置決めされるのが良い)。
図5の機能的位置にあるとき、物質を矢印Iの方向か矢印Rの方向かのいずれかの方向において標的空間95と通路15との間において拡張状態の組立部品160中に(例えば、チューブ組立部品110の通路115中に)通すことができる。
【0023】
組立体100が
図3および
図5の特定の拡張状態にあるときに組立体100の拡張器通路167中に注入し、次にこの中に保持することができる流体の量(例えば、体積)を固定しまたはあらかじめ決定することができるが、患者1の少なくとも一部分の寸法は、その状態における組立体100の使用中に変化する場合がある。例えば、通路15の断面寸法DWは、組立体100が患者1の体内に位置している間、例えば患者1が飲み込むことに起因してかつ/あるいは壁13の不随意的な収縮に起因して、拡張するとともに/あるいは収縮する場合がある。組立体100は、患者1のかかる変化と関連してその幾何学的形態を変更することができるよう構成されているのが良く、その結果、組立体100は、組立体100の位置を患者1の体内に保つことができるその能力を維持することができるようになっている(例えば、拡張器コンポーネント164の少なくとも一部分(例えば、開口部19/91の遠位側に位置する第3拡張器コンポーネント区分166cの少なくとも一部分)を標的空間95内に維持するとともに、拡張器コンポーネント164の少なくとも一部分(例えば、開口部19/91の近位側に位置する第1拡張器コンポーネント区分166aの少なくとも一部分)を通路15内に維持するため)。例えば、
図5と
図6の移り変わりに示されているように、拡張器組立部品160は、次のように構成されるのが良く、すなわち、特定のインフレート状態(例えば、
図3および
図5〜
図7のインフレート状態(例えば、通路167内に固定された特定の量の流体が入れられている状態))では、患者1の壁が収縮しまたは拡張器組立部品160に当たって潰れることができ、あるいは違ったやり方で通路15の断面寸法DWまたは任意他の適当な断面寸法を減少させることができる(例えば、
図6の矢印CIの方向に)場合、流体を第1拡張器コンポーネント区分166aの通路167の一部分内から第3拡張器コンポーネント区分166cの通路167の一部分内に(例えば、
図6の矢印FDの方向に(例えば、第2拡張器コンポーネント区分166bの通路167の一部分を経てかつ/あるいは通路119および2つまたは3つ以上の互いに異なる開口部106を経て))通すことによって、第1拡張器コンポーネント区分166aが少なくとも部分的にまたは完全にデフレートすることができ、それにより第3拡張器コンポーネント区分166cを更にインフレートさせる(例えば、そのインフレート容積を増大させ、それによりその断面寸法EDCおよびその長さELCを増大させることができる)ことができるよう構成されているのが良い。したがって、拡張器組立部品160は、特定の量の流体が組立体100の特定の拡張状態のために拡張器通路167内に保持されているとき(例えば、組立体100に加えられる外力が存在しない場合(例えば、患者1によって))
図3および
図5の釣り合い幾何学的形態を呈するよう構成されているのが良いが、拡張器組立部品160はまた、拡張器通路167内に保持されている流体の量が同一のままであるとき、しかしながら、外力が拡張器組立部品160を変形させて流体を通路167の一部分から通路167の別の部分に押し出すことができるので(例えば、流体を第1拡張器コンポーネント区分166aの通路167の一部分内から第3拡張器コンポーネント区分166cの通路167の一部分内に(例えば、
図6の矢印FDの方向に)移すことによって)かかる外力が組立体100に加えられているとき(例えば、患者1によって矢印CIの方向における収縮力によって)、その幾何学的形態を調整する(例えば、
図5の釣り合い幾何学的形態から
図6の調整後の幾何学的形態に)よう構成されていても良い。
図5の拡張状態と
図6の拡張状態との間における組立体100の特定の拡張状態の幾何学的形態のかかる調整により、組立体100を患者1の体内の機能的位置に維持するために組立体100と患者1との関係を維持することができる(例えば、組立体100の端部109が標的空間95から偶発的に取り出されるのを阻止するために開口部19/91の断面寸法よりも標的空間95内の第3拡張器コンポーネント区分166cの大きな断面寸法を維持するとともに/あるいは組立体100の端部109が標的空間95中に更に偶発的に挿入されて潜在的に壁93を傷つけるのを阻止するために開口部19/91の断面寸法よりも大きな通路19内の第1拡張器コンポーネント区分166aの大きな断面寸法を維持することができる)。第1拡張器コンポーネント区分166aのかかる圧縮性は、高い圧力に起因する壁13の損傷を回避するよう機能することができる(例えば、壁13が収縮するとともに第1拡張器コンポーネント区分166a内の圧力が圧縮なしで(例えば、流体が第1拡張器コンポーネント区分166aを出ることができない場合)上昇した場合、かかる非圧縮性の第1拡張器コンポーネント区分166aは、爆発的に大きくなる(例えば、ポンと弾けるように大きくなる)恐れがあり、または壁13内の血管を圧迫する恐れがあり、それにより血液供給を減少させる)。したがって、幾つかの実施形態では、拡張器組立部品160の特定のインフレート状態(例えば、
図5のインフレート状態)の特定の釣り合い幾何学的形態は、その釣り合い幾何学的形態における第1拡張器コンポーネント区分166a内の(例えば、その釣り合い幾何学的形態における第1拡張器コンポーネント区分166aにより構成される通路167の部分内の)流体の量の何割かまたはそれどころか全て(例えば、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または100%)を第3拡張器コンポーネント区分166cまたは拡張器組立部品160の任意他の部分をポンと弾けるよう大きくしまたは違ったやり方で破裂させないで、その特定のインフレート状態(例えば、
図6のインフレート状態)の変形幾何学的形態にあるとき、第3拡張器コンポーネント区分166cに移送してこの中に(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cにより構成された通路167の部分内に)保持することができるよう構成されているのが良い(例えば、釣り合い幾何学的形態における第3拡張器コンポーネント区分166c内(例えば、釣り合い幾何学的形態における第3拡張器コンポーネント区分166cにより構成された通路167の部分内)の流体の量を釣り合い幾何学的形態にある第1拡張器コンポーネント区分166a内(例えば、釣り合い幾何学的形態にある第1拡張器コンポーネント区分166aにより構成された通路167の部分内)の流体の量の何割かは、大部分、または全てと組み合わせた量を一緒に拡張器組立部品160を損傷させないで変形幾何学的形態にある第3拡張器コンポーネント区分166c内(例えば、第3拡張器コンポーネント区分166cにより構成された通路167の部分内)に保持することができる)。したがって、第3拡張器コンポーネント区分166cは、その釣り合い幾何学的形態では完全には拡張されない場合があるが、これとは異なり、更に拡張するよう(例えば、より大きな変形された幾何学的形態に拡張するよう流体で満たされる)よう構成されている場合があり、他方、第1拡張器コンポーネント区分166aは、その釣り合い幾何学的形態では完全に拡張される場合がありまたはそうではない場合があり(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aは、その釣り合い幾何学的形態では第1拡張器コンポーネント区分166a内(例えば、釣り合い幾何学的形態にある第1拡張器コンポーネント区分166aにより構成された通路167の部分内)の量よりも非常に多くの流体を受け入れることができない場合がある)。拡張器コンポーネント164の材料(例えば、半応従性または応従性として)は、より多くの量を受け入れることによって第3拡張器コンポーネント区分166cの拡張を可能にするよう働くことができる(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166a内の圧力の増大(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aから第3拡張器コンポーネント区分166c中への空気の排出をもたらす場合のある第1拡張器コンポーネント区分166aの圧縮に起因して)を阻止するため)。第1拡張器コンポーネント区分166aは、特定の最大圧力(例えば、40mmHg以下の圧力、したがって、患者の壁による(例えば、患者が呼吸している間における壁13による通路15の収縮中)40mm以上の圧力は、第1拡張器コンポーネント区分166aを変形させるよう働く場合がある)以下でそのインフレート状態まで拡張するよう構成されているのが良い。
【0024】
追加的にまたは代替的に、
図6と
図7の移り変わりに示されているように、拡張器組立部品160は、次のように構成されるのが良く、すなわち、特定のインフレート状態(例えば、
図3および
図5〜
図7のインフレート状態(例えば、通路167内に固定された特定の量の流体が入れられている状態))では、患者1の壁が拡張して拡張器組立部品160から遠ざかりあるいは違ったやり方で通路15の断面寸法DWまたは任意他の適当な断面寸法を増加させることができる(例えば、
図7の矢印CRの方向に)場合、流体を第3拡張器コンポーネント区分166cの通路167の一部分内から第1拡張器コンポーネント区分166aの通路167の一部分内に(例えば、
図7の矢印FRの方向に(例えば、第2拡張器コンポーネント区分166bの通路167の一部分を経てかつ/あるいは通路119および2つまたは3つ以上の互いに異なる開口部106を経て))受け入れることによって第1拡張器コンポーネント区分166aが少なくとも部分的にインフレート(例えば、再インフレート)することができ、それにより第1拡張器コンポーネント区分166aを再びインフレートさせるとともにその断面寸法EDAを増大させて
図3および
図5の組立体100の釣り合い状態の断面寸法に戻すことができるよう構成されているのが良い。したがって、拡張器組立部品160は、特定の量の流体が組立体100の特定の拡張状態のために拡張器通路167内に保持されているとき(例えば、組立体100に加えられる外力が存在しない場合(例えば、患者1によって))
図3、
図5および
図7の釣り合い幾何学的形態を呈するよう構成されているのが良いが、拡張器組立部品160はまた、拡張器通路167内に保持されている流体の量が同一のままであるとき、しかしながら、外力が組立体100から除かれたとき(例えば、組立体100に加えられているのが止められ)(例えば、患者1による矢印CRの方向における拡張力が患者1による第1拡張器コンポーネント区分166aに対する力の印加を除きまたは止めたとき)、流体を通路167の一部分から通路167の別の部分に押し出すことができるとき(例えば、流体が第3拡張器コンポーネント区分166cの通路167の一部分内から第1拡張器コンポーネント区分166aの通路167の一部分内に(例えば、
図7の矢印FRの方向に)押し出されることによって)その幾何学的形態を調整する(例えば、
図6の調整後の幾何学的形態から
図7の釣り合い幾何学的形態に)よう構成されていても良い。
図6の拡張状態と
図7の拡張状態との間における組立体100の特定の拡張状態の幾何学的形態のかかる調整により、組立体100を患者1の体内の機能的位置に維持するために組立体100と患者1との関係を維持する(例えば、組立体100の端部109が偶発的に標的空間95から取り出されるのを阻止するためにかつ/あるいは患者の壁の外傷(例えば、食道壁外傷)を阻止するために開口部19/91の断面寸法よりも標的空間95内の第3拡張器コンポーネント区分166cの大きな断面寸法を維持する)ことができる。患者1の寸法DWのかかる伸縮は、食道または組立体100を用いた任意適当な手技の間に慣例的に起こる場合のある患者1の任意他の適当な部分の蠕動に起因している場合がある。拡張器組立部品160の少なくとも一部分が拡張器組立部品160周りにおける患者1の対向した壁の伸縮力と並行して偏向しまたは収縮しまたは縮みまたは内方にデフレートするとともに外方にリバウンドするようこれを拡張器組立部品160の少なくとも一部分を構成することによって、拡張器組立部品160は、組立体100の使用中、患者1と安全に相互作用することができるようにされているのが良い。幾つかの実施形態では、第1拡張器コンポーネント区分166aの容積は、組立体100が特定の拡張状態(例えば、
図3、
図5、および
図7の拡張状態)のその釣り合い幾何学的形態にあるとき、第3拡張器コンポーネント区分166cの容積と同一であっても良くまたは容積以下であるのが良い。幾つかの特定の実施形態では、組立体100は、組立体100が特定の拡張状態のその釣り合い幾何学的形態にあるとき、第1拡張器コンポーネント区分166aの容積が第3拡張器コンポーネント区分166cの容積未満であるのが良いよう構成されているのが良い。追加的にまたは代替的に、組立体100は、結果として以下のごとくなるよう構成されても良く、すなわち、組立体100が特定の拡張状態のその釣り合い幾何学的形態にあるときに第1拡張器コンポーネント区分166aの拡張器通路167の一部分内の流体の量の全体、または実質的に全体、または少なくとも半分、または半分未満であるが、少なくとも何割かを、拡張器組立部品160が損傷を受ける(例えば、外力を除いたときに拡張器組立部品160がその釣り合い幾何学的形態に戻ることができないようにポンと弾けるようにまたは破裂しまたは変形する)ことなく、第3拡張器コンポーネント区分166cの拡張器通路167の一部分内または特定の拡張状態の釣り合い幾何学的形態を特定の拡張状態の変形後の幾何学的形態(例えば、
図6の変形幾何学的形態(例えば、外力が拡張器コンポーネント164に加えられたとき(例えば、患者1によって)))に変形させたとき、組立体100の任意他の部分内に移送することができるよう構成されても良い。したがって、組立体100が特定の拡張状態のその釣り合い幾何学的形態にあるときの第1拡張器コンポーネント区分166aの拡張器通路167の一部分内の流体の少なくとも何割かまたは全てを組立体100が特定の拡張状態のその釣り合い幾何学的形態にあるときの第3拡張器コンポーネント区分166cの拡張器通路167の一部分内の流体の全て安全に組み合わせて組立体100が特定の拡張状態の変形後幾何学的形態にあるときの第3拡張器コンポーネント区分166cの拡張器通路167の一部分内に保持することができる。幾つかの実施形態では、拡張器組立部品160を依然としてコンポーネント区分166a,166b,166cの各々が標的空間95内に少なくとも部分的に位置決めされている状態で
図5のその釣り合い拡張状態にインフレートさせることができ、次に、組立体100を矢印Rの方向に引くことができ、その結果、拡張器組立部品160を
図5に示されているように患者1に対して位置決めすることができる(例えば、組立体100を標的95内の組立部品160の釣り合い拡張状態から第1拡張器コンポーネント区分166aが標的空間95の外側に位置しているが通路15内に位置している状態の組立部品160の釣り合い拡張状態にこのように移動させるには、第1拡張器コンポーネント区分166aが開口部91を通過している間(例えば、
図5と
図6と
図7との移り変わりに示された変形と同様)変形後拡張状態に変形することが必要な場合がある。したがって、組立部品160は、少なくとも2つの拡張可能なリザーバを備えるのが良く、これら少なくとも2つの拡張可能なリザーバは、これら相互間で流体を導くよう働くことができ、その結果、第1のリザーバは、第2のリザーバから流体を受け入れることができ、次に流体を排出してこれを第2のリザーバ中に戻して、導かれた流体により第2のリザーバが第2のリザーバと接触状態にあるのが良い患者の壁と協調して収縮したり拡張したりする(例えば、呼吸する)ことができるようになっているのが良い。
【0025】
上述したように、
図2〜
図7の組立体100の第2拡張器コンポーネント区分166bは、拡張器コンポーネント164の構造的組成に起因するとともに/あるいは組立体100の任意適当な制限機構体159に起因して完全にまたは少なくともその釣り合い幾何学的形態の特定の寸法を超えて拡張するのが阻止されるのが良い。変形例として、
図8および
図9に示されているように、もしそのように構成されていなければ、
図2〜
図7の組立体100と類似しているのが良い組立体100′の拡張器組立部品160′は、拡張器コンポーネント164の一部分(例えば、第2拡張器コンポーネント区分166bの少なくとも一部分または全体)をチューブ組立部品110に沿う区分105の一部分に物理的に結合する(例えば、封着する)のが良い任意適当な制限機構体159′(例えば、接着剤、成形(例えば、吹込成形)、圧着など)を含むのが良く、それにより拡張器通路167を少なくとも2つの別々の拡張器副通路167a,167bに分割するのが良く、これら副通路167a,167bは、2つまたは3つ以上の開口部106および通路119により、しかしながら、通路167の別の副通路によってではなく(例えば、制限機構体159′を介してではなく)互いに流体結合されるのが良い。変形例として、制限機構体159′の1つまたは2つ以上の要素は、2つの別々の拡張器コンポーネント164の端部をチューブ組立部品110に沿う区分105の一部分に固定するよう働いても良い(例えば、通路167aは、第1拡張器コンポーネントによって構成されるのが良く、通路167bは、第1拡張器コンポーネントとは別体であるのがよい第2拡張器コンポーネントによって構成されるのが良い(例えば、2つの別々のバルーンがチューブ組立部品110の互いに異なる部分に結合されるとともにこれらの周りにかつこれらに沿って結合されるのが良い))。これにより、第2拡張器コンポーネント区分166bの寸法は、チューブ組立部品110に沿う区分105の寸法と同一または実質的に同一のままであることができる(例えば、開口部19/91が拡張可能な第2の拡張器コンポーネント区分166bからの甚だしい干渉なしにその自然の状態にあることができるようにするために)。同様に、組立体100の拡張器コンポーネント164は、2つまたは3つ以上の別々の拡張器コンポーネント164によって提供されるのが良い(例えば、第1拡張器コンポーネント区分166aは、第3拡張器コンポーネント区分166cとは別体であるのが良い)。
【0026】
幾つかの実施形態では、例えば
図2および
図3に示されているように、組立体100は、補足的チューブ通路195を更に含むのが良く、この補足的チューブ通路195は、組立体100が患者1の体内の機能的位置(例えば、
図5〜
図7の位置)においてその拡張状態にあるとき、標的95の近位側にかつ拡張器組立部品160の近位側に位置するのが良い患者1の補足的領域を治療する(例えば、かかる補足的領域から物質を取り出しかつ/あるいはこの補足的領域中に物質を注入する)よう設けられるのが良いチューブ組立部品110の1つまたは2つ以上の壁113の少なくとも一部分によって構成される。例えば、図示のように、補足的チューブ通路195は、近位端部191から少なくとも1つの遠位端部199まで延びるのが良い。通路195のための近位開口部192が近位端部191のところまたはその近くに設けられるのが良く、通路195のための遠位開口部198が遠位端部199のところまたはその近くに設けられるのが良い。流体が通路195を通って開口部192から開口部198まで患者1中に注入されるのが良く(例えば、オペレータOによって)かつ/あるいは流体が通路195を通って開口部198から開口部192まで患者1から取り出されるのが良い(例えば、オペレータOによって)。図示のように、通路195の少なくとも一部分は、通路119および/または通路115に隣接して設けられるのが良い。
図10〜
図12に示されているように(拡張器通路119なしで(
図10〜
図12を単純化するためであるに過ぎない))補足的チューブ通路195の少なくとも一部分を画定する壁の外面196は、表面118の一部分から突き出て端部199のところの開口部198を拡張器組立部品160の方向に向いた方向(例えば、患者の体内中への組立体100の挿入のための
図3の矢印Iの方向)に露出させるのが良く、この場合、表面196のかかる形態は、開口部198と患者1の壁13の直接的な接触を阻止することができる(例えば、患者組織の壁への直接的な吸引を阻止するため)が、これとは異なり、補足的チューブ通路195と患者1の通路15との流体連通のための開口部の実現を可能にしながら(例えば、組立体100の軸線に沿う方向に)患者1にある特定の使用状況で接触することができる。変形例として、
図13〜
図15に示されているように(拡張器通路119なしで(
図13〜
図15を単純化するためであるに過ぎない))補足的チューブ通路195′の少なくとも一部分を画定する壁の外面196′は、表面118の一部分から突き出て端部199のところの第1の開口部198aを拡張器組立部品160の方向に向いた方向に(例えば、
図10〜
図12の開口部198と同様、患者の体内への組立体100の挿入のための矢印Iの方向に)ならびに端部199のところの第2の開口部198bを第1の開口部198aの実質的に反対側の方向に(例えば、患者1からの組立体100の取り出しのための矢印Rの方向に)露出させるのが良く、この場合、表面196′のかかる形態は、開口部198と患者1の壁13の直接的な接触を阻止することができる(例えば、患者組織の壁への直接的な吸引を阻止するため)が、これとは異なり、表面196は、補足的チューブ通路195′と患者1の通路15との流体連通のための多数の開口部の実現を可能にしながら(例えば、組立体100の軸線に沿って上下に)患者1にある特定の使用状況で接触することができる。
【0027】
組立体100が用いられるべき手技および/または患者に基づいて様々な場合がある組立体100の種々の要素に種々の材料を用いることができる。ちょうど1つの例として、組立体100を経鼻胃挿管手技に用いることができる場合、チューブ組立部品110は、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、またはゴムで作られるのが良く、拡張器組立部品160は、成形部品および/または押し出し部品であるのが良くかつ/あるいはシリコーン、ポリウレタン、ゴム、熱可塑性エラストマーなどで作られるのが良くかつ/あるいは任意適当な形式の機構体または圧着部または結合部または接着剤(例えば、シアノアクリレート接着剤またはシリコーングルー)によりチューブ組立部品110に結合されるのが良い。組立体100の拡張器組立部品160およびチューブ組立部品110および/または同等物の任意または全ての部分のうちの1つまたは2つ以上は、その内壁および外壁のうちの一方またはこれら両方に施されたアルカリ性被膜を備えるのが良く、その結果、物質(例えば、食品または酸性胃内容物)がかかるコンポーネントを通って移動しているときに、物質の酸性は、中和状態となることができる。追加的にまたは代替的に、組立体100の拡張器組立部品160およびチューブ組立部品110、および/または同等物の任意または全ての部分のうちの1つまたは2つ以上は、少なくとも部分的にX線で見ることができ、その結果、オペレータは、これが特定の手技について患者1の体内に適正に配置されていることを確かめることができるようになっている。
【0028】
組立体100は、患者を任意適当な仕方で治療するために使用できる。幾つかの実施形態では、拡張器組立部品160が自然なまたは弛緩したまたはインフレートされていない状態にあるのが良い間(例えば、拡張器164の幾何学的形態が構造体112の表面118の幾何学的形態に類似しているのが良い間)、組立体100の遠位端部109を最初に患者1の体内に挿入して通路15を通り、開口部19/91を通り、そして標的空間95中に送り込むことができる。近位端部101がオペレータに対して接近可能である間、遠位端部109を空間95内に位置決めすることができるのに必要な組立体100の長さは、患者1のサイズに基づいて様々な場合がある。組立体100の特定の長さ(例えば、65センチメートル)を所与の患者について挿入して(例えば、矢印Iの方向に)、遠位端部109が空間95内にもしくはその近くに位置したとオペレータが考えることができるようになったときまたは任意他の時点で、オペレータは、空間95に対する拡張器164の存在場所を突き止めようとするのが良い。幾つかの実施形態では、通路167の一部分を拡張して拡張器164の少なくとも一部分の幾何学的形態を構造体112の幾何学的形態から両方に識別するために初期の量の流体を通路119経由で通路167中に挿入するのが良く、次に任意適当な技術を用いて患者1の体内の拡張器164の存在場所を検出するのが良い。例えば、拡張器組立部品160またはチューブ組立部品110の任意のまたは全ての部分のうちの1つまたは2つ以上は、少なくとも部分的にX線で見えるのが良く(例えば、拡張器164の一部分に対してバリウムマーカ色素を用いて)、その結果、これが特定の種類に介して患者1の体内に正しく配置されているかどうかをオペレータが確かめることができるようになっている。この技術は、拡張器組立部品160が自然なまたは弛緩したまたはインフレートされていない状態にある場合であっても使用できる。オペレータは、拡張器164の存在場所を検出することができ、更に組立体100を患者1の体内中に更に挿入することができ、ついには、拡張器164は、空間95内に少なくとも部分的に位置決めされるようになる。幾つかの実施形態では、オペレータは、拡張器164全体を空間95内に位置決めすることができる。拡張器が空間95内に少なくとも部分的にいったん位置決めされると、ある量の流体を通路119経由で通路167中に挿入して通路167の少なくとも一部分を拡張するのが良い。幾つかの実施形態では、第1拡張器コンポーネント区分166aによって構成された通路167の一部分を拡張するとともに第3拡張器コンポーネント区分166cによって構成された通路167の一部分を拡張するために(例えば、
図3の状態に)ある量の流体を通路119,167中に挿入してこれらの中に保持するのが良い。幾つかの実施形態では、このインフレーションは、拡張器コンポーネント区分166a〜166cの各々が空間95内に位置している間に起こるのが良い。次に、注入された流体が通路119,167内に維持されている間、開口部19/91を通って少なくとも第1拡張器コンポーネント区分166aを引いてそして通路15中に引き込むために(例えば、
図5の位置に)組立体100を矢印Rの方向に引っ込めるのが良い。開口部19/91を通ってインフレート状態の第1拡張器コンポーネント区分166aを引くというこのプロセスにより、流体を第1拡張器コンポーネント区分166aから通路167の別の部分、例えば第3拡張器コンポーネント区分166c中に一時的に除去することができ(例えば、
図6を参照して同様に上述したように)、その結果、第1拡張器コンポーネント区分166aの幾何学的形態は、開口部19/91を通って引っ込められたときに潰される場合がありまたは変形させられる場合がある。かくして、この流体は、開口部19/91に通されて通路15内に入れられたとき、第1拡張器コンポーネント区分166aに戻ることができる(例えば、
図7を参照して同様に上述したように)。開口部19/91を通る第1拡張器コンポーネント区分166aの引っ込みの完了をオペレータが感じ取ることができる。矢印Rの方向における開口部19/91を通るインフレート状態の拡張器164の一部分のこの引っ込みにより、近位拡張器コンポーネント区分166aおよび遠位拡張器コンポーネント区分166cが開口部19/91の互いの反対側の側部に適正に位置決めされる(例えば、それぞれ、通路15および空間95内に)ことを確かめることができる。組立体100を更に引っ込めようとしても開口部91周りの空間95壁93に当たるインフレート状態の第3拡張器コンポーネント区分166cからの抵抗を受ける場合がある(例えば、空間95内の遠位拡張器コンポーネント区分166cが食道胃接合部に当接することが分かる)。
【0029】
図16は、患者に挿管組立体を挿管する例示の方法1600の流れ図であり、挿管組立体は、本体構造体と、本体構造体内でかつ近位挿管通路開口部から遠位挿管通路開口部まで本体構造体の長さの少なくとも挿管部分に沿って延びる挿管通路と、本体構造体に結合されていて本体構造体との間に拡張器通路を構成する拡張器組立部品と、本体構造体の長さの少なくともインフレーション部分に沿って近位インフレーション通路開口部から遠位インフレーション通路開口部まで延びるインフレーション通路とを含み、遠位インフレーション通路開口部は、インフレーション通路を拡張器通路に流体結合し、拡張器組立部品は、本体構造体の近位部分との間に拡張器通路の近位部分を構成する近位拡張器組立部品部分および本体構造体の遠位部分との間に拡張器通路の遠位部分を構成する遠位拡張器組立部品部分を含み、遠位インフレーション通路開口部は、インフレーション通路を拡張器通路の遠位部分に流体結合し、インフレーション通路は、インフレーション通路を拡張器通路の近位部分に流体結合している中間インフレーション通路開口部を更に有し、拡張器通路の近位部分は、インフレーション通路だけを経て拡張器通路の遠位部分に流体結合されている。方法1600のステップ1602では、拡張器組立部品を患者の体内に位置決めするのが良い。例えば、上述するとともに
図1に示したように、
図2〜
図9の組立部品110に結合された拡張器160を含むのが良い組立体100を患者1の体内に位置決めするのが良い。方法1600のステップ1604では、拡張器組立部品が患者の体内に位置決めされている間、ある量の流体をインフレーション通路および拡張器通路によって画定された空間全体内に入れるのが良く、この場合、このように流体を入れることによって拡張器通路の近位部分および拡張器通路の遠位部分の各々を拡張させ、方法1600のステップ1606では、流体のかかる量を空間全体内に保持するのが良い。例えば、
図1A、
図3、および
図5を参照して上述したように、流体を通路119で通路167中に注入してこの中に保持し、それにより第1拡張器コンポーネント区分166aによって構成された通路167の一部分を拡張させるとともに第3拡張器コンポーネント区分166cによって構成された通路167の一部分を拡張させる。方法1600のステップ1608では、流体が空間全体内に保持されている間、他の流体を挿管通路中に通して患者を治療するのが良い。例えば、
図1A〜
図1Cを参照して説明したように、流体を患者1の治療のために通路115中に通すのが良い。
【0030】
理解されるように、
図16の方法1600に示されているステップは、例示に過ぎず、既存のステップを改造しまたは省くことができ、追加のステップを加えることができ、更にある特定のステップの順序を変更することができる。
【0031】
上述した拡張型組立体ならびにかかる拡張型組立体の使用方法を説明したが、理解されるべきこととして、本明細書において説明した本発明の精神および範囲から何ら逸脱することなく、本発明の多くの変更を行うことができる。当業者によって想到でき、今や知られまたは後で案出されるクレーム請求された本発明の本質的ではない変更は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内に均等例として明確に想定されている。したがって、当業者に現在知られまたは後で知られる明らかな置換は、特許請求の範囲に記載された要素の範囲内に含まれるものと認められる。また、理解されるべきこととして、本明細書で用いられる場合のある種々の方向および向きを表わす用語、例えば「近位」、「遠位」、「上」、「下」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「側部」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「直径」、「断面」、「長手方向」、「X」、「Y」、「Z」などは、本明細書において便宜上使用されているに過ぎず、かつ固定されたまたは絶対的な方向または向きを表わす限定がこれら用語の使用によって意図されているわけではない。例えば、組立体および患者は、任意所望の向きを有することができる。向きを変えられた場合、異なる方向または向きを表わす用語がこれらの説明で使用される必要のある場合があるが、本明細書において説明した本発明の範囲および精神に含まれるものとしてこれらの機能的性質を何ら変更するものではない。
【0032】
したがって、当業者であれば理解されるように、本発明は、限定ではなく例示目的で与えられている上述の実施形態以外の形態で実施できる。
【国際調査報告】