(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538119(P2018-538119A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】改良された自己調節可能な背もたれ装置
(51)【国際特許分類】
A47C 7/42 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
A47C7/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-545696(P2018-545696)
(86)(22)【出願日】2016年11月21日
(85)【翻訳文提出日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】ES2016070830
(87)【国際公開番号】WO2017089638
(87)【国際公開日】20170601
(31)【優先権主張番号】U201531301
(32)【優先日】2015年11月23日
(33)【優先権主張国】ES
(31)【優先権主張番号】U201631384
(32)【優先日】2016年11月21日
(33)【優先権主張国】ES
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】518179221
【氏名又は名称】ブラスコ アンドリュ,ラファエル
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ブラスコ アンドリュ,ラファエル
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084FA00
3B084FA06
(57)【要約】
本発明は、水平軸(3)に対して旋回する可動プレートから形成され、第1の組のハブによって互いに連結された自己調節可能な背もたれ装置に関する。水平軸はまた、既存の椅子の背もたれ又は装置の一部を形成する背もたれのいずれかであり得る支持部材に結合する第2の組のハブに接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面を補強するタイプの自己調節可能な背もたれ装置であって、
可動プレート(1)と、
前記可動プレートに接続された第1の組のハブ(2)と、
前記可動プレートが旋回する水平軸(3)と、
一方が前記水平軸と結合し、他方があらゆる手段によって支持体と結合する第2の組のハブ(4)と
を備え、
前記支持体は、既存の背もたれと呼ばれる自己調節可能な背もたれが用いられる椅子又は安楽椅子の背もたれ自体、又は装置の一部でありその場合前記装置の背もたれと呼ばれる固定された背もたれであることが可能で、
前記水平軸が座面(10)から12〜33cm、好ましくは18〜27cmの距離に位置する、自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項2】
前記可動プレートと前記水平軸とを結合させそれらの相対位置を決め、好ましくは緩衝され、静止位置において前記可動プレートがほぼ垂直位置にある回転バネをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項3】
前記水平軸の動きは、止め具により制限されることを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項4】
前記可動プレートと、前記第1及び第2の組のハブと、前記支持体とを含むアセンブリが、半剛性ケーシングに含まれることを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項5】
前記可動プレートの下部は、前記可動プレートと前記座面との間の空間を閉鎖する弾性要素を有することを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項6】
前記支持体は、前記装置の背もたれ(6)であり、固定されていることを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項7】
前記装置の前記背もたれ(6)は、ペグ(7)を有することを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項8】
前記装置の前記背もたれ(6)は、フラップ(9)を有することを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項9】
前記第1の組のハブと前記可動プレートとの接続は、移動ガイドを含み、
前記第1の組のハブの位置は、前記可動プレートに対して調節可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項10】
前記第2の組のハブと前記支持体との接続は、移動ガイドを含み、
前記第2の組のハブの位置は、前記可動プレートに対して調節可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【請求項11】
2つ以上のプレートを有することを特徴とする請求項1に記載の自己調節可能な背もたれ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己調節可能な背もたれ装置に関し、この装置は、ユーザが快適に位置合わせするための自動的手段を有する。この装置は、椅子、ソファ、安楽椅子、車椅子、自動車用シートなど、全ての種類のシートに適用でき、床に配置される独立の要素としても適用できる。
【背景技術】
【0002】
車両、オフィス又は他の種類のシートを製造する場合、背もたれがユーザの位置に適応するように多少複雑なシステムが適用される。
【0003】
したがって、例えば、特許ES2118081T3は、互いに接続されたシートと背もたれとを備えた椅子であって、背もたれが2つの水平軸に結合して特定の動きを示し、当該2つの水平軸の一方は背もたれが軸上を旋回し他方は背もたれの運動を制限することを特徴とする椅子を開示している。
【0004】
米国特許2005035636A1は、互いに接続されたシートと背もたれとを備えた椅子であって、自己調節可能であり、背部支持板によって形成され、支持体上に設けられた水平軸継手によって支持された背もたれを備え、そのような継手は背もたれの基部から一定の距離、好ましくは背もたれの平均高さの領域にあり、回転制限システムによって緩衝され制限される回転バネを有し、背部支持板が静止位置にあるとき略垂直位置にあることを特徴とするシート及び背もたれを含む種類の椅子を開示している。背部支持板、支持体及び継手は、半剛性ケーシングに含まれる。
【0005】
引用した特許文献はいずれも腰椎支持体を開示していない。
【0006】
特許WO9427472A1は、水平軸継手によって支持された背もたれ及び背もたれ支持板を備えていることを特徴とする互いに接続されたシートと背もたれとを備えた椅子を開示している。
【0007】
特許ES2255466A1は、背もたれ及びシートとして機能し、継手によって支持される連続した単一部品を備えることを特徴とする自己調節可能な椅子を開示している。
【0008】
特許US643561581は、背もたれが水平軸継手によって支持されていることを特徴とする、互いに結合されたシートと背もたれとを備える椅子を開示する。
【0009】
特許DE20113075U1は、シートと背もたれとを備えた椅子であって、背もたれは、シートと結合させる下側部とユーザが座るプレートの位置を規制する上側部との2つの軸を有するアームを備えることを特徴とする椅子を開示している。
【0010】
これらの特許文献のいずれも、異なる椅子、安楽椅子又は他のタイプのシートに結合することができる独立した背もたれを開示していない。
【0011】
特許US2005168044A1は、海岸等の地面に押し込まれるのに好適な下部延長部を有し、地面に座っているユーザのための背もたれとして役立つシート背もたれを開示している。
【0012】
特許WO0117398A1は、水平軸を備えていない適応システムによって地面に支持される自己調節可能なシートを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許ES2118081T3
【特許文献2】特許US2005035636A1
【特許文献3】特許WO9427472A1
【特許文献4】特許ES2255466A1
【特許文献5】特許US6435615B1
【特許文献6】特許DE20113075U1
【特許文献7】特許US2005168044A1
【特許文献8】特許WO0117398A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
引用された特許文献はいずれも、ユーザが取る姿勢にかかわらず腰部を保護し、その上の圧力を緩和するため臀部を持ち上げるあらゆる種類の椅子、安楽椅子、肘掛け椅子に、又は床自体の上にも設置するのに好適な独立した背もたれを開示していない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、腰部を保護し、臀部の圧力を緩和する自己調節可能な背もたれ装置に関する。
【0016】
背もたれは自己調節可能であり、これは、制御や命令が不要であることを意味する。
【0017】
上述した装置は、座面が元々存在する座面を補うものであり、本発明の目的に包含されるものは、背もたれを付加するか、又は既存のものを改良することである。
【0018】
自己調節可能な背もたれアセンブリは、ユーザが座る可動プレートを備え、該可動プレートは、該可動プレートに接続された第1の組のハブを通る水平軸上で旋回し、該水平軸は、支持体に接続された第2の組のハブと結合する。支持体は、自己調節可能な背もたれが使用される椅子又は安楽椅子の背もたれ自体(この場合には既存の背もたれと呼ばれる)であってもよく、又は装置の一部を形成する固定された背もたれ(この場合装置の背もたれと呼ばれる)であってもよい。
【0019】
ハブの組のうちの少なくとも1つは高さが調節可能であり、これにより、第1の組のハブの高さが変動すると、可動プレートがレバーを変化させて旋回する相対点が変化し、一方、第2の組のハブの高さが変動すると、可動プレートが位置する高さが変えられる。
【0020】
ハブは、水平軸の回転を可能にする水平軸の支持体として機能するあらゆる要素を指す。
【0021】
装置の背もたれは、とりわけ支持される面により異なる寸法を有することができる。
【0022】
可動プレートは、ユーザにより又はユーザの意志で付加される力がない場合には初期位置を有し、最大位置及び最小位置によって制限され得るバランス動作を有する。
【0023】
理想的な初期位置又は静止位置は、装置の背もたれが静止している既存の背もたれ又は支持体の角度により変化するが、垂直線に近いことが好ましい。
【0024】
この静止位置は、可動プレートが、回転バネがユーザが快適なように緩衝され得る略垂直位置にある静止位置にある回転バネの作用によって得られる。
【0025】
使用されていない間、可動プレートは、回転バネによって静止位置に押し込まれる。この回転バネは、可動プレートの重量を克服して該可動プレートを初期位置に戻すと共に、該可動プレートを該初期位置において保持することが可能であるが、ユーザが突出力を知覚せず座ったときに、ユーザによって加えられる圧力により押し戻されることを許容する。
【0026】
任意に、可動プレートの動きには限界があり得る。
【0027】
好ましくは、可動プレート、第1及び第2の組のハブ、シャフト及び支持体のアセンブリは、半剛性のケーシングに含まれるので、ユーザにはこれらの機械的要素は見えず、挟まれる危険性が低減される。
【0028】
上記に沿って、可動プレートの下部には、可動プレートとシート表面との間の空間を閉鎖する弾性要素を組み込むことができ、そこに挿入され得る物体又はユーザの身体部分を挟む危険性を低減する。この弾性要素は、通常、シート表面を可動プレートに接続し、さらに可動プレートを垂直位置に戻すのに役立つことができるゴム製の繊維で作製することができ、それにより単一要素で2つの利点が達成される。
【0029】
可動プレート、第1及び第2の組のハブ、シャフト及び支持体を含むアセンブリは、より複雑なカーシートを含みうる椅子、安楽椅子又はソファに結合するのに適している。
【0030】
自己調節可能な背もたれ装置が設置されると、ユーザは略水平で既存の座面に座り、自己調節可能な背もたれ装置で背中を支持する。
【0031】
好ましくは、水平軸の高さは調節可能であり、ユーザの座面の上12〜33cm、好ましくは18〜27cmに配置される。
【0032】
自動調節可能な背もたれが、その位置により椅子又は安楽椅子の既存の背もたれ上に支持されていない場合、自己調節可能な背もたれは、固定されたままでユーザの体重で動くのを防止するために様々な付属要素を組み込むことができる。
【0033】
したがって、例えば、可能な実施形態では、装置は、土又は砂等の柔らかい地面に埋め込むのに好適なペグを組み込むことができる。
【0034】
他の可能な実施形態では、滑り止め脚部を組み込んで滑らかな表面に取り付けることができる。
【0035】
第3の実施形態では、装置は、ユーザが支持体を自分の体重で固定するフラップを組み込むことができ、これは、例えば、ユーザがベッド上で読書したり装置にもたれたいときに有用である。
【0036】
シート装置は、本発明の性質を変更することなく、肘掛け又は任意の他の要素を有することができる。また、可動プレートは、曲率、緩衝性、可撓性、剛性、又はユーザの快適性を高めるための他の手段を有してもよい。
【0037】
最後に、材料は木材、合板、プラスチック、金属、布地、籐等である。
【0038】
可動プレートは、とりわけ、清掃、修理、又は調節の作業を容易にするために水平軸から分離されてもよい。
【0039】
本発明のより良い理解のために、以下の図が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】装置が固定された背もたれとして使用される椅子の背もたれ自体を使用する実施形態における本発明を示しており、したがって、可動プレート(1)、可動プレートに接続された第1の組のハブ(2)、水平軸(3)及び支持体(この場合には既存の背もたれ(5))に接続されている第2の組のハブ(4)を示す。座面(10)(この場合は椅子)も示す。
【
図2】可動プレート(1)、第1の組のハブ(2)、シャフト(3)、第2の組のハブ(4)及び装置の背もたれ(6)にこの場合には肘掛け椅子の背もたれにもたれるように作製された固定背もたれを組み合わせている自己調節可能な背もたれ装置を図解的に示す。
【
図3】三角形の断面を有する装置の背もたれ(6)が、背もたれを土又は砂等の柔らかく浸透しやすい地面に固定するためのペグ(7)を組み込んでいる実施形態を示す。
【
図4】装置の背もたれ(6)が、平滑な地面に装置を固定するのに好適なベース(8)を組み込んでいる実施形態を示す。
【
図5】装置の背もたれが、このようにユーザがユーザ自身の体重で装置が動くのを防ぐように、座面(10)(この場合は床)とユーザとの間にフラップ(9)を組み込む実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に簡単に説明する本発明の実施形態は実施例により示され、その範囲を限定するものではない。
【0042】
座面を補強する自己調節可能な背もたれ装置は、
尾骨から肩甲骨の領域までのユーザの背中を覆うのに十分なサイズを有する可動プレート(1)と、
前記可動プレートが旋回する水平軸(3)であって、前記水平軸は、前記可動プレートに接続された第1の組のハブ(2)と、前記装置の背もたれ(6)に接続された第2の組のハブ(4)とによって支持され、
前記可動プレートが静止位置にあるとき、すなわちその上に作用する外力がないとき、前記可動プレートを略垂直位置に保つ回転バネと
を備える。
【0043】
前記背もたれ装置は、ベッド又は床等の座面(10)上に静止している。
【0044】
高さを調節可能な第1の組のハブ(2)は、可動プレートに接続されている。第1の組のハブの相対的な高さを変化させるとき、つまり水平軸を可動プレートとの関係で変化させるとき、可動プレートが旋回する点は、可動プレートによって及ぼされるトルクの変化により変化する。
【0045】
水平軸(3)はまた、装置の背もたれ(6)に連結された第2の組のハブ(4)と結合している。
【0046】
この実施形態では、第2の組のハブがさらに高さ調節可能であり、その高さを変えることによって、可動プレート及び水平軸の高さが座面に対して変更される。
【0047】
可動プレートが旋回する水平軸は23cmの高さに位置し、通常の高さは座面から12〜33cm、好ましくは18〜27cmである。
【0048】
第1及び第2の組のハブ及びそれらを結合する水平軸の作用により、可動プレートが装置の背もたれ上を旋回することが可能になり、ユーザが可動プレートの上部に加える力が大きくなると、腰部への作用が大きくなり、持ち上げられる臀部への圧力が低下する。
【0049】
説明されているこの実施形態では、ユーザがもたれるときに加える水平方向の力により自己調節可能な背もたれ装置が移動することを防止するために、自己調節可能な背もたれ装置は、ユーザが座るフラップを締め具を介して備え、自分の体重でアセンブリが動くのを防止する。
【国際調査報告】