特表2018-538210(P2018-538210A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-538210フォイルパックとディスペンサーとを備えた組立品ならびにフォイルパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538210(P2018-538210A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】フォイルパックとディスペンサーとを備えた組立品ならびにフォイルパック
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/76 20060101AFI20181130BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B65D83/76
   B65D81/32 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-532113(P2018-532113)
(86)(22)【出願日】2016年12月13日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月23日
(86)【国際出願番号】EP2016080720
(87)【国際公開番号】WO2017102680
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】15201024.5
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ヴォルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ルードヴィッヒ
【テーマコード(参考)】
3E013
3E014
【Fターム(参考)】
3E013AB04
3E013AC01
3E013AC16
3E013AD14
3E013AE13
3E013AF08
3E013AF14
3E013AF38
3E014PC04
3E014PC07
3E014PC18
3E014PD12
3E014PE08
3E014PE14
3E014PE24
(57)【要約】
単一成分又は多成分化合物を保管するフォイルパック12と、フォイルパック12のディスペンサー14とを備える組立品10において、フォイルパック12は少なくとも1つの本質的に柔軟性を持つ長尺フォイルバッグ16、18と、フォイルバッグ16、18の一端24、28の少なくとも1つの留付け部22、26を有する本質的に剛直な頭部20と、該化合物を排出するための出口開口部34とを有し、ディスペンサー14は、少なくとも1つのフォイルバッグ16、18を押し入れるための少なくとも1つのレセプタクル36、38を有する。少なくとも1つのフォイルバッグ16、18は、留付け部22、26を起点としてその長手方向軸方向に直径が小さくなる円錐台の形状を有し、少なくとも1つのレセプタクル36、38は、特にフォイルバッグ16、18を補完するように形成された円錐台形状の内周壁40、42を有し、全体が押し入れられた状態で、レセプタクル36、38の内周壁40、42の壁面に対してフォイルバッグ16、18が面接触する。このような組立品10のフォイルパック12についても記載されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一成分又は多成分化合物の保管のためのフォイルパック(12)と、前記フォイルパック(12)のためのディスペンサー(14)とを備えた組立品であって、
前記フォイルパック(12)は、柔軟性を持つように構成された少なくとも1つの長尺なフォイルバッグ(16、18)と、前記フォイルバッグ(16、18)の一端(24、28)に設けられた少なくとも1つの留付け部(22、26)を有する1つの剛直な頭部(20)と、前記化合物を排出する出口開口部(34)とを有し、
前記ディスペンサー(14)は、前記少なくとも1つのフォイルバッグ(16、18)を押し入れるための少なくとも1つのレセプタクル(36、38)を有し、
少なくとも1つの前記フォイルバッグ(16、18)は、充填された状態で、前記留付け部(22、26)を起点に長手方向軸(L)の方向に向かって直径が小さくなる円錐台の形状を有し、
少なくとも1つの前記レセプタクル(36、38)は、特に前記フォイルバッグ(16、18)を補完するように形成された円錐台形状の内周壁(40、42)を有し、前記フォイルバッグ(16、18)は、全体が押し入れられた状態で、前記レセプタクル(36、38)の前記内周壁(40、42)に、全面的に表面接触するように当接する、
組立品。
【請求項2】
前記円錐台の円錐角(α、α)が0.1°から10°、特に2°から6°の範囲内に収まる、ことを特徴とする請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記フォイルパック(12)は、第1のフォイルバッグ(16)と、前記第1のフォイルバッグ(16)に並んで配置された、互いに分離して保管された多成分化合物の成分のための第2のフォイルバッグ(18)とを有し、両フォイルバッグ(16、18)は円錐台形である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の組立品。
【請求項4】
前記頭部(20)は、前記第1のフォイルバッグ(16)の一端(24)の第1の留付け部(22)と、その横に並んで配置された、前記第2のフォイルバッグ(18)の一端(28)の第2の留付け部(26)とを有し、各前記フォイルバッグ(16、18)から前記頭部(20)にかけて直通ダクト(30、32)が設けられ、前記頭部(20)の前記直通ダクト(30、32)は共通の出口開口部(34)へと導通する、ことを特徴とする請求項3に記載の組立品。
【請求項5】
前記ディスペンサー(14)は、前記第1のフォイルバッグ(16)のための第1のレセプタクル(36)と、その横に並んで配置された、前記第2のフォイルバッグ(18)のための第2のレセプタクル(38)とを有し、両前記レセプタクル(36、38)はその長手方向軸(L)の方向に円錐状に先細る内周壁(40,42)を有する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の組立品。
【請求項6】
前記2つのフォイルバッグ(16、18)が等しい円錐角(α、α)を有する、ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか1つに記載の組立品。
【請求項7】
前記2つのフォイルバッグ(16、18)が機械特性の異なるフォイルから製造されている、ことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1つに記載の組立品。
【請求項8】
前記第1のフォイルバッグ(16)の直径が、その長さ全体において、前記第2のフォイルバッグ(18)の直径より大きい、ことを特徴とする請求項3乃至7の何れか1つに記載の組立品。
【請求項9】
柔軟性を持つように構成された少なくとも1つのフォイルバッグ(16、18)と、前記フォイルバッグ(16、18)の一端(24、28)に設けられた少なくとも1つの留付け部(22、26)を有する剛直な頭部(20)と、を備えたフォイルパックであって、前記少なくとも1つのフォイルバッグ(16、18)は、充填された状態で、前記留付け部(22、26)を起点にその長手方向軸(L)の方向に向かって直径が小さくなる円錐台の形状を有する、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載の組立品(10)のフォイルパック。
【請求項10】
前記フォイルパック(12)は、第1のフォイルバッグ(16)と、前記第1のフォイルバッグ(16)に並んで配置され、互いに分離して保管された多成分化合物の成分のための第2のフォイルバッグ(18)とを有し、両前記フォイルバッグ(16、18)は円錐台形である、ことを特徴とする請求項9に記載のフォイルパック。
【請求項11】
前記頭部(20)は、前記第1のフォイルバッグ(16)の一端(24)の第1の留付け部(22)と、その横に並んで配置された、前記第2のフォイルバッグ(18)の一端(28)の第2の留付け部(26)とを有し、特に、各フォイルバッグ(16、18)から前記頭部(20)にかけて直通ダクト(30、32)が設けられ、前記頭部(20)の前記直通ダクト(30、32)が共通の出口開口部(34)へと導通する、ことを特徴とする請求項9又は10に記載のフォイルパック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一成分又は多成分化合物の保管のためのフォイルパックと、そのフォイルパックのためのディスペンサーとを備えた組立品に関し、そのフォイルパックは、本質的に柔軟性を持つように構成された少なくとも1つの長尺フォイルバッグと、そのフォイルバッグの一端に設けられた少なくとも1つの留付け部を有する1つの本質的に剛直な頭部と、化合物を排出する出口開口部とを有し、そのディスペンサーは少なくとも1つのフォイルバッグを押し入れるための少なくとも1つのレセプタクルを有する。さらに本発明は、かかる組立品のためのフォイルパックであって、本質的に柔軟性を持つように構成された少なくとも1つの長尺フォイルバッグと、フォイルバッグの一端に設けられた少なくとも1つの留付け部を有する1つの本質的に剛直な頭部と、を有するフォイルパックに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなフォイルパックは、例えばモルタル、フォーム、1つ又は複数の成分から成る、プラグ用又は密閉用の化合物等の化学組成物の収容のために有用であることが過去に証明されている。特にカートリッジと比較すると、これらは遥かに費用効果が高く、製造が容易であり、使用後に廃棄する資材量の割合も低い。
【0003】
化合物を塗布するため、通常フォイルパックは、絞出装置、例えばディスペンサーのレセプタクルに押し入れられる。分配機構により、単一又は多成分化合物は、頭部の出口開口部を通じて分配され、(少なくとも多成分化合物の場合)ミキサー要素を有する混合器取付具を通じて効率的に混合が行われるように次へ移送される。
【0004】
特許文献1は、前述した種類のフォイルパックを開示している。かかるフォイルパックは、お互いに横に並んで配置された2つのフォイルバッグを有し、2成分及び多成分化合物を受け入れることができ、お互いに並んで配置された2つのレセプタクルを有するディスペンサーに押し入れるのに適している。
【0005】
フォイルパックを問題なくレセプタクルへと軸方向に押し入れるには、フォイルの外壁とレセプタクルの内壁の間に間隙が必要となる。フォイルパックを空にする際、例えば、レセプタクルの変位を生じさせることができるプランジャーによりフォイルバッグ又はバッグのフォイルが引き伸ばされ、よってフォイルがレセプタクルの内壁に当接する。この過程において、フォイルの幅は拡大し、個々のバッグの別々の任意のフォイルに作用する応力は異なり、そのため圧力の緩和時にいろいろな部材が不均等に絞られる。このフォイルバッグの拡張及び復元は、特に起動時の混合比の相違を引き起こすポンピング現象としても知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008040738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故、本発明の目的は、フォイルの望ましくない拡張及び回復を防ぐフォイルパック、又はフォイルパックとディスペンサーとを備えた組立品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様において、前述の種類の組立品における少なくとも1つのフォイルバッグは、この目的のため、充填された状態で、留付け部を起点にその長手方向軸の方向に向かって直径が小さくなる円錐台の形状を有し、少なくとも1つのレセプタクルは、特にフォイルバッグを補完するように形成された円錐台形状の内周壁を有し、少なくとも1つのフォイルバッグは、全体が押し入れられた状態で、レセプタクルの内周壁に全面的に表面接触する。
【0009】
発明性のある構成において、少なくとも1つのフォイルバッグと関連のレセプタクルの両方が、若干傾いた周壁を有するため、接続のための間隙を設けなくてもフォイルバッグを関連のレセプタクルに押し入れることができる。フォイルバッグ全体が押し入れられた後には、フォイルの外壁がレセプタクルの内壁に全面的に表面接触し、よって空にする際のフォイルバッグの拡張及び復元を確実に防止する。全体が押し入れられた状態において、レセプタクルの内周壁はフォイルバッグを完全に支持することから、圧力の作用下での拡張の発生はあり得ず、したがって復元も発生しない。このように、望ましくないポンピング現象は回避される。さらに、傾斜があるため、単純な円筒構造のフォイルバッグと比較して、押し入れが遥かに容易である。
【0010】
本態様において、円錐台の円錐角度又開口角度は0.1°から10°、特に2°から6°の範囲内に収まる。フォイルバッグ又はバッグ及びレセプタクルの傾斜がわずかであることにより、導入が容易で、接続のための間隙を設けなくともよい。同時に、周壁の傾斜がほんのわずかであるため、レセプタクルに案内される(各)プランジャーにより、内容化合物の分配の信頼性が向上する。プランジャーが作用する端からフォイルバッグの留付け部に固定された他端までフォイルバッグの直径が若干増加するため、従来のプランジャーを使用した場合にもフォイルバッグは完全に空になる。
【0011】
本態様において、フォイルパックは、第1のフォイルバッグと、第1のフォイルバッグに並んで配置され、お互いに分離して保管された多成分化合物の成分の第2のフォイルバッグとを有し、両方のフォイルバッグが円錐台形である。このように、フォイルパックは、分配中のみ混ぜ合わせる2成分化合物の保管に適している。当然の如く、2つ以上の成分の保管のために複数のバッグを配置するか、複数の室を有する1つ又はそれ以上のフォイルバッグを形成すると、複数の異なる成分をお互いに分離して保管することができる。
【0012】
頭部は、第1のフォイルバッグの一端の第1の留付け部と、その横に並んで配置された、第2のフォイルバッグの一端の第2の留付け部とを有し、特に、各フォイルバッグから頭部にかけて直通ダクトが設けられ、頭部の直通ダクトが共通の出口開口部へと導通する、ことが好ましい。通常、混合器取付具が出口開口部にねじ止めされ、分配中に2つのフォイルバッグに保管された2つ又はそれ以上の成分がそのまま容易に混合されることが保証される。
【0013】
これに関連して、ディスペンサーは第1のフォイルバッグの第1のレセプタクルと、その横に並んで配置された、第2のフォイルバッグの第2のレセプタクルとを有し、両方のレセプタクルがその長手方向軸の方向に円錐状に先細る内周壁を有する、ことが好ましい。両方のフォイルバッグの外壁に対する全面的かつ信頼性の高い表面支持が保証される。
【0014】
本態様において、2つのフォイルバッグの円錐角は等しく、そのため長手方向軸に対する傾きは等しいことから、特に関連のレセプタクル等、製造の観点からより好ましい。
【0015】
代わりに、2つの円錐台フォイルバッグの円錐角は異なる値でもよい。関連の各レセプタクルの円錐角がフォイルバッグの円錐角と一致することが重要である。
【0016】
特に、2つのフォイルバッグは、機械特性の異なるフォイルから製造されている。各レセプタクルにおけるフォイルバッグの全面的な表面支持により、フォイルバッグの拡張及び復元が確実に防止され、発明性のある構成において様々なフォイルバッグの機械的特性の一致はもはや必要ではない。
【0017】
本発明の好ましい構成において、第1のフォイルバッグの直径は、その長さ全体において第2のフォイルバッグの直径より大きい。長さが等しい場合、第1のフォイルバッグの方が体積容量が大きいため、2つの成分の混合比が1:1とはならない。基本的に、バッグの直径に基づき、化合物の混合率は所望の値にすることができる。
【0018】
本発明の第2の態様では、上述の目的は、前述の種類のフォイルパックであって、少なくとも1つのレセプタクルは充填された状態で、留付け部を起点にその長手方向軸の方向に向かって直径が小さくなる円錐台の形状する、フォイルパックにより同様に達成される。このようなフォイルパックは接続のための間隙を設けなくてもディスペンサーのレセプタクルに問題なく押し入れることができ、また全体が押し入れられた状態でフォイルパックはレセプタクルの内周壁で全面的な表面接触に耐えることができるため、フォイルバッグから成分を分配する間にフォイルパックの望ましくない拡張及び復元は確実に防止される。
【0019】
本態様において、フォイルパックは、第1のフォイルバッグと、第1のフォイルバッグに並んで配置され、お互いに分離して保管された多成分化合物の成分の第2のフォイルバッグとを有し、両方のフォイルバッグが円錐台形である。これにより、多成分化合物の保管と作製が可能となる。
【0020】
頭部は、第1のフォイルバッグの一端の第1の留付け部と、その横に並んで配置された、第2のフォイルバッグの一端の第2の留付け部とを有し、特に、各フォイルバッグから頭部にかけて直通ダクトが設けられ、頭部の直通ダクトが共通の出口開口部へと導通する、ことが好ましい。よって、保管スペースの削減及び2成分化合物の混合の簡素化が実現した。
【0021】
以上に加え、発明性のある組立品に関するすべての改良点及び優位性は、発明性のあるフォイルパックでも有効となり、その逆も有効である。
【0022】
さらなる特徴と優位性は、添付の図面に基づく実施例に関する以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】フォイルパックをディスペンサーに押し入れる前の本発明の組立品の断面図である。
図2】ディスペンサーにフォイルパックを部分的に押し込んだ状態における図1の組立品の断面図である。
図3】ディスペンサーにフォイルパック全体を押し込んだ終端位置における発明性のある組立品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1乃至図3は、この場合2成分化合物の貯蔵のためのフォイルパック12と、フォイルパック12用のディスペンサー14とを備えた、本発明の組立品10を示す。
【0025】
フォイルパック12は、充填された第1のフォイルバッグ16と、第1のフォイルバッグ16の横に並んで配置される、充填された第2のフォイルバッグ18とを備え、これらのバッグは、お互いに分離された状態で保管された2成分化合物の各成分を収容するために用いる。フォイルバッグ16、18は、長尺形状になっており、本質的に柔軟性を持つよう(内容物無しで)に構成されている。
【0026】
さらに、フォイルパック12は、第1のフォイルバッグ16の一端24が固定された第1の留付け部22を有する本質的に剛直な頭部20を有する。第2のフォイルバッグ18の一端28の第2の留付け部26は、第1の留付け部22の横に並んで配置される。フォイルバッグ16、18の両方が、着脱不可能に頭部20に固定されている。これに加え、2つの直通ダクト(導管)30、32が頭部20に形成され、それぞれがフォイルバッグ16、18のどちらか1つを共通の出口開口部34と結合する。通常、混合器取付具(非表示)がこれにねじ止めされる。
【0027】
フォイルバッグ16、18は共に、留付け部22又は26を起点としてフォイルバッグ16、18の長手方向軸Lの方向において直径が小さくなる、円錐台の形状を有する。これに加えて、第1のフォイルバッグ16の円錐角αと第2のフォイルバッグ18の円錐角αの両方の角度は0.1°から10°、特に2°から6°の範囲内に収まる。実施例では、円錐角α、αの両方が約4°であることが図1から明らかであるが、紙面の制限により、実際の円錐角α、αの代わりに、各円錐角の丁度2分の1の角度であるα/2とα/2が用いられている。
【0028】
図面から推測できる通り、第1のフォイルバッグ16の直径は、その長さ全体において第2のフォイルバッグ18の直径より大きい。結果的に、第1のフォイルバッグ16の2成分化合物の体積の方が大きいため、この成分が最終な混合化合物において主要成分となる。基本的に、2成分化合物の混合率は、フォイルバッグ16、18の体積又は直径比で調節する。
【0029】
図面で部分的にしか示されていない(例えば1つ又はそれ以上のプランジャーの形態による、実際の分配機構は図示せず)ディスペンサー14は、第1のフォイルバッグ16のための第1のレセプタクル36と、その横に並んで配置された、第2のフォイルバッグ18のための第2のレセプタクル38とを有する。両レセプタクル36、38は、関連するフォイルバッグ16、18を補完するように形成された円錐台形状の内周壁40及び42を有し、それぞれ長手方向軸Lに円錐状に先細っている。これらの内周壁40、42の円錐角α、αは、関連するフォイルバッグ16、18の円錐角にそれぞれ対応する。
【0030】
図2は、フォイルパック12が部分的にディスペンサー14に約半分程押し入れられる、中央位置を示す。フォイルバッグ16、18とレセプタクル36、38の両方が円錐形であることにより、従来の平坦な円筒形フォイルバッグについて知られている、接続のための間隙をここでは設ける必要がない。さらに、間仕切壁の傾きにより、押し入れを容易に行うことができる。
【0031】
最後に、図3は、関連するレセプタクル36、38に両方のフォイルバッグの全体が押し入れられる、終端位置16、18を示す。このような全体が押し入れられた状況で、両方のフォイルバッグ16、18は、関連するレセプタクル36、38の内周壁40又は42に、全面的な表面接触により当接する。
【0032】
終端位置でのこの完全な支持又は全面的な表面接触により、実施例では、機械特性の一致は必要なく、そのため2つのフォイルバッグ16、18は機械特性が異なるフォイルからできていてもよい。
図1
図2
図3
【国際調査報告】