(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
ヘテロ環酸化性塩基と2−アミノ−5−エチルフェノールカプラーとを含有する、染毛用組成物。本発明は、特にはヘテロ環酸化性塩基と2−アミノ−5−エチルフェノールカプラーとを含有する、ケラチン繊維を染色するための組成物に関する。本発明は、この組成物を使用するケラチン繊維の染色方法にも関する。最後に、本発明は、ケラチン繊維、特には毛髪を染色するためのそのような組成物の使用にも関する。
(A)少なくとも1種の2−アミノ−5−エチルフェノールカプラー、又はその付加塩若しくは溶媒和物と、
(B)
A1)式(I)のピラゾロピリジン及びその付加塩、その溶媒和物、又はその塩の溶媒和物:
【化1】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、同じであっても異なってもよく、水素又はハロゲン原子;−NHSO
3H基;ヒドロキシル基;(C
1〜C
4)アルキル基;(C
1〜C
4)アルコキシ基;(C
1〜C
4)アルキルチオ基;モノ(C
1〜C
4)アルキルアミノ;ジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基(ここで、2つのアルキル基はこれらが結合している窒素原子と共に、1つ以上の窒素、酸素、又は硫黄原子で中断されていてもよい環を形成していてもよい);ヘテロ環;ニトロ基;フェニル基;カルボニル基;(C
1〜C
4)アルコキシカルボニル基;カルボキサミド基;シアノ基;アミノ基;スルホニル基;−CO
2H基、−SO
3H基;−PO
3H
2基;−PO
4H
2基;又は次の基:
【化2】
(式中、R’’’は酸素原子又は窒素原子を表し、Qは酸素原子、NH基又はNH(C
1〜C
4)アルキル基を表し、Yはヒドロキシル、アミノ、C
1〜C4アルキル、(C
1〜C
4)アルコキシ、(C
1〜C
4)アルキルアミノ、又はジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基を表す)を表す);
A2)式(II)のピラゾロピリジン酸化性塩基(oxidation bases):
【化3】
(式中:
Z
1及びZ
2は、独立に:
・共有単結合;
・以下から選択される二価の基:
・−O(CH
2)
p−基(pは0〜6の範囲の整数を表す);
・−NR’
6(CH
2)
q(C
6H
4)
t−基(qは0〜6の範囲の整数を表し、tは0又は1を表し、R’
6は水素原子又は任意選択的に1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよいC
1〜C
6アルキル基を表す);
を表し;
R’
1がメチル基の場合にはZ
1は二価の基である−S−、−SO−、又は−SO
2−を表していてもよく;
R’
1及びR’
2は、独立に:
・水素;
・任意選択的に置換されていてもよく任意選択的にO、N、Si、S、SO、及びSO
2から選択されるヘテロ原子又は基で中断されていてもよいC
1〜C
10アルキル基;
・ハロゲン;
・SO
3H基;
・任意選択的にN、O、S、SO
2及び、−CO−から選択されるヘテロ原子又は基を1つ以上含んでいてもよい、置換又は無置換の、飽和、不飽和、又は芳香族の5〜8員環(環はカチオンであってもよく及び/又はカチオン基で置換されていてもよい);
・基−N
+R
19R
18R
19(R
17、R
18、及びR
19は任意選択的に1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい直鎖又は分岐のC
1〜C
5アルキルである);
を表し、Z
1、それぞれZ
2が共有結合を表す場合には、R’
1、それぞれのR’
2は、
・任意選択的に置換されていてもよいC
1〜C
6アルキルカルボニル基;
・−O−CO−R、−CO−O−R、NR−CO−R’、又は−CO−NRR’ 基(R及びR’は、独立に、水素原子又は任意選択的に置換されていてもよいC
1〜C
6アルキル基を表す);
も表していてもよく、
R’
3、R’
4、及びR’
5は、同じでも異なっていてもよく、
・水素原子;
・ヒドロキシル基;
・C
1〜C
6アルコキシ基;
・C
1〜C
6アルキルチオ基;
・アミノ基;
・モノアルキルアミノ基;
・C
1〜C
6ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基はこれらが結合している窒素原子と共に、N、O、S、SO
2、及びCOから選択される1つ以上のヘテロ原子又は基を含んでいてもよい、飽和又は不飽和の、芳香族又は非芳香族の、5〜8員のヘテロ環を形成していてもよく、ヘテロ環はカチオンであってもよく及び/又はカチオン基で置換されていてもよい);
・任意選択的に置換されていてもよいC
1〜C
6アルキルカルボニル基;
・−O−CO−R、−CO−O−R、NR−CO−R’、又は−CO−NRR’基(R及びR’は上で定義した通りである);
・ハロゲン
・−NHSO
3H基;
・任意選択的に置換されていてもよいC
1〜C
4アルキル基;
・飽和、不飽和、又は芳香族の、任意選択的に置換されていてもよい炭素を主体とする環;
を表し、
R’
3、R’
4、及びR’
5は、2つ1組で部分的に飽和又は不飽和の環を形成していてもよく;
Xは式(II)の誘導体の電気陰性度を確保することを可能にするイオン又はイオン群を表すが;
基R’
1及びR’
2のうちの少なくとも1つはカチオン基を表すことを条件とする)、並びに
A3)式(III)のジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロン誘導体、及びその付加塩、その溶媒和物、又はその塩の溶媒和物:
【化4】
(式中、
R’’
3及びR’’
4は、同じであっても異なっていてもよく:
・水素原子;
・OR’’
5基、NR’’
6R’’
7基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキサミド基CONR’’
6R’’
7、スルホンアミド基SO
2NR’’
6R’’
7、ヘテロアリール、アリール(1つ以上の(C
1〜C
4)アルキル、ヒドロキシル、C
1〜C
2アルコキシ、アミノ、又は(ジ)アルキル(C
1〜C
2)アミノ基で任意選択的に置換されていてもよい)、で構成される群から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されていてもよい、直鎖又は分岐のC
1〜C
6アルキル基;
・1つ以上の(C
1〜C
4)アルキル、ヒドロキシル、C
1〜C
2アルコキシ、アミノ、又は(ジ)アルキル(C
1〜C
2)アミノで任意選択的に置換されていてもよいアリール基;
・(C
1〜C
4)アルキル及び(C
1〜C
2)アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されていてもよい5又は6員のヘテロアリール基;
を表し、
R’’
3及びR’’
4は、これらが結合している窒素原子と共に5又は7員のヘテロ環を形成していてもよく、その中の炭素原子は任意選択的に置換されていてもよい酸素原子又は窒素原子で置換されていてもよく、
R’’
5、R’’
6、及びR’’
7は、同じであっても異なっていてもよく:
・水素原子;
・ヒドロキシル、C
1〜C
2アルコキシ、カルボキサミドCONR’’
8R’’
9、スルホニルSO
2R’’
8、アリール((C
1〜C
4)アルキル、ヒドロキシル、C
1〜C
2アルコキシ、アミノ、又は(ジ)アルキル(C
1〜C
2)アミノ基で任意選択的に置換されていてもよい)、アリール((C
1〜C
4)アルキル、ヒドロキシル、C
1〜C
2アルコキシ、アミノ、又は(ジ)アルキル(C
1〜C
2)アミノ基で任意選択的に置換されていてもよい)、から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されていてもよい、直鎖又は分岐のC
1〜C
4アルキル基;
を表し、
R’’
6、及びR’’
7は、同じであっても異なっていてもよく、カルボキサミド基CONR’’
8R’’
9;スルホニル基SO
2R’’
8も表していてもよく;
R’’
8及びR’’
9は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子;1つ以上のヒドロキシル又はC
1〜C
2アルコキシで任意選択的に置換されていてもよい直鎖又は分岐のC
1〜C
4アルキル基を表し;
R’’
1及びR’’
2は、これらが結合している窒素原子(複数可)と共に、ハロゲン原子及びアミノ、(ジ)アルキル(C
1〜C
4)アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキサミド、及び(C
1〜C
2)アルコキシ基、C
1〜C
4アルキル基(1つ以上のヒドロキシル、アミノ、(ジ)アルキルアミノ、アルコキシ、カルボキシル、又はスルホニル基で任意選択的に置換されていてもよい)で構成される群から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されていてもよい飽和又は不飽和の5〜7員のヘテロ環を形成する)、
から選択される少なくとも1種のピラゾールヘテロ環酸化性塩基と、
を含有する、ケラチン繊維の染色用組成物。
酸化性塩基の合計量が、前記組成物の総重量に対して、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜10重量%、より優先的には0.01重量%〜6重量%であり、カプラーの合計量が、前記組成物の総重量に対して、0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%の範囲である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
好ましくは2つの区画を含む、ケラチン繊維染色用のマルチコンパートメントデバイスであって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の染料組成物を含む少なくとも1つの第1の区画、及び、1種以上の化学的酸化剤を含有する酸化性組成物(B)を含む少なくとも1つの第2の区画を含む、マルチコンパートメントデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以降において、特段の指示がない限り、特には「の間」及び「…〜…の範囲」という表現において、値の範囲の境界はこの範囲内に含まれる。
【0023】
本発明の文脈において、「少なくとも1つ」という表現は、「1つ以上」という表現と同等である。
【0024】
本発明は、本発明のための使用の様々な酸化性染料のメソメリー形態及び立体異性体も網羅する。
【0025】
以降の文では、特段の指示がない限り、値の範囲の境界はその範囲に含められることに留意すべきである。
【0026】
本発明の文脈において、特段の指示がない限り、アルキル基について及び同様にアルキル部分を含む基について使用される用語「アルキル」は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の炭素を主体とする鎖を意味し、これは、無置換であるか、1つ以上のヘテロ環で、又は1つ以上のフェニル基で、又はハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素、及びフッ素等)、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、カルボニル、カルボキサミド、スルホニル、−CO
2H、−SO
3H、−PO
3H
2、−PO
4H
2、−NHSO
3H、スルホンアミド、モノ(C
1〜C
4)アルキルアミノ、若しくはトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム基から選択される1つ以上の基で置換されており、あるいは、ジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基であってその中の2つのアルキル基がこれらが結合している前記ジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基の窒素原子と共に環(1つ以上の窒素、酸素、又は硫黄原子で中断されていてもよい)を形成していてもよいジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基で置換されている。
【0027】
同様に、本発明によれば、アルコキシ基について及び同様なアルコキシ部分を含む基について使用される用語「アルコキシ」は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐のO−炭素−を主体とする鎖を意味し、これは、無置換であるか、ヘテロ環;ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素、及びフッ素等);ヒドロキシル、アミノ、カルボニル、カルボキサミド、スルホニル、−CO
2H、−SO
3H、−PO
3H
2、−PO
4H
2、−NHSO
3H、スルホンアミド、モノ(C
1〜C
4)アルキルアミノ、若しくはトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム基から選択される1つ以上の基で置換されており、あるいは、ジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基であってその中の2つのアルキル基がこれらが結合している前記ジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基の窒素原子と共に環(1つ以上の窒素、酸素、又は硫黄原子で中断されていてもよい)を形成していてもよいジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基で置換されている。
【0028】
本発明によれば、用語「ヘテロ環」は、窒素、硫黄、及び酸素原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、芳香族又は非芳香族の5、6、7、又は8員環を意味することが意図されている。これらのヘテロ環は、他のヘテロ環又はフェニル基と縮合していてもよい。これらは、ハロゲン原子;(C
1〜C
4)アルキル基;(C
1〜C
4)アルコキシ基;ヒドロキシ基;アミノ基;(C
1〜C
4)アルキルアミノ基;ジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基(ここで、2つのアルキル基が、これらが結合している窒素原子と共に環(1つ以上の窒素、酸素、又は硫黄原子で中断されていてもよい)を形成していてもよい);で置換されていてもよい。これらのヘテロ環は、(C
1〜C
4)アルキル基で四級化されていてもよい。
【0029】
(a)2−アミノ−5−エチルフェノールカプラー
本発明の組成物は、1種以上の2−アミノ−5−エチルフェノールカプラーを、遊離形態、又はその付加塩、又はその溶媒和物として含有する。
【0030】
付加塩は、特には、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、及び酢酸塩などの、酸との付加塩;並びに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンなどの塩基との付加塩;から選択される。
【0031】
更に、溶媒和物は、より具体的には、2−アミノ−5−エチルフェノールカプラーの水和物、及び/又は、2−アミノ−5−エチルフェノールカプラーと直鎖若しくは分岐のC
1〜C
4アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はn−プロパノール等)との組み合わせを表す。好ましくは、溶媒和物は水和物である。
【0032】
本発明の組成物中に存在する2−アミノ−5−エチルフェノールカプラー又はその付加塩若しくはその溶媒和物の合計量は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜10重量%、より優先的には0.01重量%〜6重量%の範囲であってもよい。
【0033】
(b)ヘテロ環酸化性塩基
酸化性塩基A1、A2、及びA3は、水和物、溶媒和物、又は塩の形態であってもよい。
【0034】
これらの酸化性塩基は、任意選択的には、強い無機酸(例えばHCl、HBr、HI、H
2SO
4、又はH
3PO
4等)又は有機酸(例えば酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、ギ酸、又はメタンスルホン酸等)を用いて塩の形態にされていてもよい。
【0035】
これらが−CO
2H、−SO
3H、−PO
3H
2、又は−PO
4H
2基などのアニオン性基を含む場合、式(I)の化合物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を用いて、アンモニア水を用いて、又は有機アミンを用いて、塩の形態にされていてもよい。
【0036】
これらは、例えば水和物、又はエタノール若しくはイソプロパノールなどの直鎖若しくは分岐のアルコールの溶媒和物などの、溶媒和物の形態であってもよい。
【0037】
上の式(I)の酸化性塩基A1の中でも、下の式(I’)に対応する3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン、及びその付加塩、その溶媒和物、又はその塩の溶媒和物が優先される:
【化5】
(式中、
R
1、R
2、及びR
3は、同じであっても異なってもよく、水素又はハロゲン原子;ヒドロキシル基;(C
1〜C
4)アルキル基;(C
1〜C
4)アルキルチオ基;(C
1〜C
4)アルコキシ基;−NHSO
3H基;アミノ基;(C
1〜C
4)アルキルアミノ基;ジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基(ここで、2つのアルキル基が、これらが結合している窒素原子と共に環(1つ以上の窒素、酸素、又は硫黄原子で中断されていてもよい)を形成していてもよい);上で定義したヘテロ環;スルホンアミド基;カルボニル基;(C
1〜C
4)アルコキシカルボニル基;カルボキサミド基;又は次式:
【化6】
の基(式中、R’’’は酸素原子又は窒素原子を表し、Qは酸素原子、NH基又はNH(C
1〜C
4)アルキル基を表し、Yはヒドロキシル、アミノ、C
1〜C4アルキル、(C
1〜C
4)アルコキシ、(C
1〜C
4)アルキルアミノ、又はジ(C
1〜C
4)アルキルアミノ基を表す)を表す)。
【0038】
本発明の染料組成物中の酸化性塩基として使用され得る式(I)の3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジンの中でも、特に、
・ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;
・2−アセチルアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;
・2−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;
・3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸;
・2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミノ;
・(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)メタノール;
・2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)エタノール;
・2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)エタノール;
・(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)メタノール;
・3,6−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;
・3,4−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン;
・ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,7−ジアミン;
・7−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;
・ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,5−ジアミン;
・5−モルホリン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イルアミン;
・2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
・2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
・3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−オール;
・3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オール;
・3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール;
・3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−オール;
・2−メトキシ−6,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−アミン;
・2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)オキシ]エタノール;
・4−エチル−2−メトキシ−7−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−アミン塩酸塩;
・1−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ピロリジン−3−オール;
・2,2’−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)イミノ]ジエタノール;
・2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]エタノール;
・N2−(2−ピリジン−3−イルエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2,3−ジアミン;
、その付加塩、その溶媒和物、又はその塩の溶媒和物を挙げることができる。
【0039】
上述した塩基の中でも、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)オキシ]エタノール、その付加塩、その溶媒和物、又はその塩の溶媒和物が特に好ましい。
【0040】
式(I)の3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、大部分に関しては、医薬分野で公知の化合物であり、特には米国特許第5457200号明細書に記載されている。これらの化合物は、文献で周知の合成方法に従って、及び例えば米国特許第5457200号明細書に記載の通りに、調製することができる。
【0041】
用語「カチオン性環又はヘテロ環」は、1つ以上の四級アンモニウム基を含む環を意味することが意図されている。
【0042】
言及し得る−N
+R
17R
18R
19型の基の例としては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルメチルアンモニウム、ジエチルプロピルアンモニウム、β−ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム、ビス(β−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、及びトリス(β−ヒドロキシエチル)アンモニウム基が挙げられる。
【0043】
カチオン性ヘテロ環の例としては、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペラジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピリミジニウム、チアゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ベンゾチアゾリウム、オキサゾリウム、ベンゾトリアゾリウム、ピラゾリウム、トリアゾリウム、及びベンゾオキサゾリウムヘテロ環が挙げられる。
【0044】
言及し得るカチオン性ヘテロ環の例としては、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペラジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピリミジニウム、チアゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ベンゾチアゾリウム、オキサゾリウム、ベンゾトリアゾリウム、ピラゾリウム、トリアゾリウム、及びベンゾオキサゾリウムが挙げられる。
【0045】
式(II)の誘導体の例としては、次の化合物(X
−は上で定義した通りである)を挙げることができる:
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
【化7-4】
【化7-5】
【化7-6】
【化7-7】
【化7-8】
【化7-9】
【化7-10】
【化7-11】
【0046】
R’
1又はR’
2がヘテロ環を意味する場合には、このヘテロ環は、好ましくはカチオン性ヘテロ環、又はカチオン基で置換されているヘテロ環である。例として、四級アンモニウム基で置換されているイミダゾール若しくはイミダゾリウム、四級アンモニウム基で置換されているピペラジン若しくはピペラジニウム、四級アンモニウム基で置換されているピロリジン若しくはピロリジニウム、及び四級アンモニウム基で置換されているジアゼパン若しくはジアゼパニウムを挙げることができる。
【0047】
異なる実施形態によれば、R’
1又はR’
2は−N
+R
17R
18R
19基を表し、R
17、R
18、及びR
19は、トリアルキルアンモニウム、トリ(ヒドロキシアルキル)アンモニウム、ヒドロキシアルキルジアルキルアンモニウム、又はジ(ヒドロキシアルキル)アルキルアンモニウムなどの、1つ以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換されていてもよい直鎖又は分岐のC
1〜C
5アルキルである。
【0048】
基R’
3、R’
4、及びR’
5は、独立に、水素原子又は任意選択的に置換されていてもよいC
1〜C
4アルキル基であってもよい。例として、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、アミノエチル、プロピル、及びブチル基を挙げることができる。ある具体的な実施形態によれば、R’
3、R’
4、及びR’
5は、独立に、水素原子又はC
1〜C
4アルキル基を表す。
【0049】
ある具体的な実施形態によれば、R’
4及びR’
5は、一緒になって部分的に飽和又は不飽和の5員環又は8員環、特にはシクロペンテン又はシクロヘキセンを形成し、これは任意選択的に置換されていてもよい。
【0050】
ある具体的な実施形態によれば、式(II)の化合物は、下の式(II’)に対応する:
【化8】
(式中、Z
1、R’
1、R’
3、R’
4、及びR’
5は上で定義した通りである)。
【0051】
この式のある具体的な実施形態によれば、Z
1は共有結合、−NR’
6(CH
2)
q−基、又は−O(CH
2)
p−基を表し、R’
1はカチオン基である。
【0052】
式(II)のカチオン性酸化性塩基としては、次の塩基:
【化9】
4−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウム塩
【化10】
3−[2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イルアミノ)エチル]−1−メチル−3H−イミダゾール−1−イウム塩及びその付加塩、その溶媒和物、又はその塩の溶媒和物が最も好ましい。
【0053】
式(III)の酸化性塩基A3については、基R’’
1及びR’’
2は、これらが結合している窒素原子と共に、飽和又は不飽和の5員環又は6員環を形成し、これは任意選択的に置換されていてもよい。
【0054】
好ましくは、基R’’
1及びR’’
2は、これらが結合している窒素原子と共に、C
1〜C
4アルキル、ヒドロキシル、(C
1〜C
2)アルコキシ、カルボキシル、カルボキサミド、アミノ、又は(ジ)(C
1〜C
2)アルキルアミノ基のうちの1つ以上で任意選択的に置換されていてもよいピラゾリジン環又はピリダゾリジン環を形成する。
【0055】
更に有利には、基R’’
1及びR’’
2は、これらが結合している窒素原子と共に、ピラゾリジン環又はピリダゾリジン環を形成する。
【0056】
基R’’
3及びR’’
4に関しては、これらの基は、同じであっても異なっていてもよく、より具体的には水素原子;ヒドロキシル、(C
1〜C
2)アルコキシ、アミノ、又は(ジ)(C
1〜C
2)アルキルアミノのうちの1つ以上で任意選択的に置換されていてもよい直鎖又は分岐のC
1〜C
6及び好ましくはC
1〜C
4アルキル基;ヒドロキシル、アミノ、又は(C
1〜C
2)アルコキシ基のうちの1つ以上で任意選択的に置換されていてもよいフェニル基;から選択される。
【0057】
好ましくは、基R’’
3及びR’’
4は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、及びメチル、エチル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、及び2−カルボキシエチル基から選択される。ある特定の実施形態によれば、基R’’
3及びR’’
4は水素原子を表す。
【0058】
別の実施形態によれば、基R’’
3及びR’’
4は、これらが結合している窒素原子と共に、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジン、及びホモピペラジンヘテロ環から選択される5員環又は7員環を形成し、前記環は1つ以上のヒドロキシル、アミノ、(ジ)(C
1〜C
2)アルキルアミノ、カルボキシル、カルボキサミド、又はC
1〜C
4アルキル基(1つ以上のヒドロキシル、アミノ、又はC
1〜C
2(ジ)アルキルアミノ基で任意選択的に置換されていてもよい)で置換されている場合がある。
【0059】
より詳しくは、基R’’
3及びR’’
4は、これらが結合している窒素原子と共に、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、ピロリジン−2−カルボン酸、3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸、4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸、2,4−ジカルボキシピロリジン、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、2−カルボキサミドピロリジン、3−ヒドロキシ−2−カルボキサミドピロリジン、2−(ジエチルカルボキサミド)ピロリジン、2−ヒドロキシメチルピロリジン、3,4−ジヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、3,4−ジヒドロキシピロリジン、3−アミノピロリジン、3−メチルアミノピロリジン、3−ジメチルアミノピロリジン、4−アミノ−3−ヒドロキシピロリジン、3−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノピロリジン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2−カルボキシピペリジン、2−カルボキサミドピペリジン、2−ヒドロキシメチルピペリジン、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルピペリジン、3−ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、3−ヒドロキシメチルピペリジン、ホモピペリジン、2−カルボキシホモピペリジン、2−カルボキサミドホモピペリジン、ホモピペラジン、N−メチルホモピペラジン、及びN−(2−ヒドロキシエチル)ホモピペラジンから選択される5員環又は7員環を形成する。
【0060】
好ましくは、基R’’
3及びR’’
4は、これらが結合している窒素原子と共に、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、3−アミノピロリジン、3−ジメチルアミノピロリジン、ピロリジン−2−カルボン酸、3−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸、ピペリジン、ヒドロキシピペリジン、ホモピペリジン、ジアゼパン、N−メチルホモピペラジン、及びN−β−ヒドロキシエチルホモピペラジンから選択される5員環又は7員環を形成し、特には基R’’
3及びR’’
4は、これらが結合している窒素原子と共に、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、3−アミノピロリジン、又は3−ジメチルアミノピロリジンなどの5員環を形成する。
【0061】
式(III)の酸化性塩基の例としては、下の化合物、又はその付加塩、その溶媒和物、又はその塩の溶媒和物を挙げることができる:
2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−メチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−ジメチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−エチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−イソプロピルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−(ピロリジン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−(ピペリジン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−6−メチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H,6H−ピリダジノ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−5,8−ジヒドロ−1H,6H−ピリダジノ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;これらのいくつかは、化学構造により名称を例示するために以下に挙げられている:
【化11-1】
【化11-2】
【0062】
これらの化合物の中でも、式(III)のジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロン誘導体、又はその付加塩、その溶媒和物、及びその塩の溶媒和物は、特に:
2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−エチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−イソプロピルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−(ピロリジン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2−アミノ−3−ジメチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H,6H−ピリダジノ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オンである。
好ましくは、次の酸化性塩基:
2,3−ジアミノ−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
2,3−ジアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H,6H−ピリダジノ[1,2−a]ピラゾール−1−オン;
及びその付加塩、又はその溶媒和物、又はその塩の溶媒和物である。
【0063】
追加的なカプラー及び塩基
本発明の組成物は、他の追加的なカプラー及び酸化性塩基を含有していてもよい。本発明ための使用の2−アミノ−5−エチルフェノール以外のこれらのカプラーの中では、特にメタ−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−エチルフェノール以外のメタ−アミノフェノール、メタ−ジフェノール、ナフタレンカプラー、ヘテロ環カプラー、その付加塩、その溶媒和塩、及びその混合物を挙げることができる。
【0064】
本発明の組成物中で使用され得るカプラーの中でも、特に6−ヒドロキシベンゾモルホリン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1−ヒドロキシ−3−アミノベンゼン、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、5−アミノ−4−クロロ−o−クレゾール、5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾール、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1−β−ヒドロキシエチルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、2−アミノ4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、3−ウレイドアニリン、3−ウレイド−1−ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ナフタレンジオール、1−アセトキシ−2−メチルナフタレン、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシN−メチルインドール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、2,6−ジヒドロキシ−3−4−ジメチルピリジン、3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、1−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、3−メチル−1−フェニル5−ピラゾロン、酸とのその付加塩及びその溶媒和物を挙げることができる。
【0065】
好ましくは、本発明の組成物中に存在する追加的なカプラーは、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1−ヒドロキシ−3−アミノベンゼン、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、2−メチル−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−アミノ3−ヒドロキシピリジン、その付加塩、その溶媒和物、及びこれらの混合物から選択される。本発明の組成物中に存在するカプラーの合計量は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜10重量%、より優先的には0.01重量%〜6重量%の範囲であってもよい。
【0066】
追加的な酸化性塩基の中でも、パラ−フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ−アミノフェノール、ビス−パラ−アミノフェノール、オルト−アミノフェノール、及び上述したもの以外のヘテロ環塩基、並びにその付加塩及びその溶媒和物を挙げることができる。
【0067】
パラ−フェニレンジアミンの中でも、言及し得る例としては、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トリレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−γ−ヒドロキシプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−(エチル−β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノフェニルピロリジン、2−チエニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノトルエン、及び3−ヒドロキシ−1−(4’−アミノフェニル)ピロリジン、及び酸とのその付加塩及びその溶媒和物が挙げられる。
【0068】
ビス(フェニル)アルキレンジアミンの中でも、言及し得る例としては、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン、及び酸とのその付加塩及びその溶媒和物が挙げられる。
【0069】
パラ−アミノフェノールの中でも、言及し得る例としては、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチル−アミノメチル)フェノール、及び4−アミノ−2−フルオロフェノール、及び酸とのその付加塩、及びその溶媒和物が挙げられる。
【0070】
オルト−アミノフェノールの中でも、言及し得る例としては、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、及び5−アセトアミド−2−アミノフェノール、及び酸とのその付加塩及びその溶媒和物が挙げられる。
【0071】
ピリジン誘導体の中でも、例えば、2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、及び酸とのその付加塩及びその溶媒和物などの、英国特許第1026978号明細書及び英国特許第1153196号明細書に記載の化合物を挙げることができる。
【0072】
ピリミジン誘導体の中でも、例えば、独国特許第2359399号明細書;特公昭63−169571号公報;特公平17−63124号公報;欧州特許第0770375号明細書、又は国際公開第96/15765号パンフレットに記載されている化合物を挙げることができ、例えば、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、及び2,5,6−トリアミノピリミジンを挙げることができ、また、仏国特許出願公開第A−2750048号明細書に記載のものなどのピラゾロピリミジン誘導体、その中でも特にはピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン、2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オール、2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ)エタノール、2−(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミノ)エタノール、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2−[(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、5,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、2,5−N7,N7−テトラメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、及び3−アミノ−5−メチル−7−イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、及びその付加塩、及びその溶媒和物を挙げることができる。
【0073】
ピラゾール誘導体の中でも、特には4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−tert−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−tert−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、4−5−ジアミノ−1−(β−メトキシエチル)ピラゾール、及びその付加塩、及びその溶媒和物などの、独国特許第3843892号明細書、独国特許第4133957号明細書、及び特許出願である国際公開第94/08969号パンフレット、国際公開第94/08970号パンフレット、仏国特許出願公開第A−2733749号明細書、及び独国特許出願公開第19543988号明細書に記載されている化合物であるジアミノピラゾール塩基を挙げることができる。
【0074】
本発明の組成物中に存在する酸化性塩基の合計量は、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜10重量%、より優先的には0.01重量%〜6重量%の範囲であってもよい。
【0075】
界面活性剤
本発明の組成物は、任意選択的には1種以上の界面活性剤も含有していてもよい。
【0076】
本発明の組成物中で使用され得る界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性、両性、又は双性イオン性の界面活性剤から選択することができる。
【0077】
本発明の組成物は、1種以上の非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。
【0078】
使用され得る非イオン性界面活性剤は、例えばHandbook of Surfactants by M.R.Porter,published by Blackie&Son(Glasgow and London),1991,pp.116−178中に記載されている。
【0079】
言及し得る非イオン性界面活性剤の例としては、次の非イオン性界面活性剤が挙げられる:
− オキシアルキレン化(C
8〜C
24)アルキルフェノール;
− 1個又は2個の脂肪鎖を含む、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、オキシアルキレン化又はグリセロール化C
8〜C
40アルコール;
− 飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、オキシアルキレン化C
8〜C
30脂肪酸アミド;
− 飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のC
8〜C
30酸と、ポリエチレングリコールとのエステル;
− 好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のC
8〜C
30酸と、ソルビトールとのオキシエチレン化エステル;
− 脂肪酸とスクロースとのエステル;
− 任意選択的にオキシアルキレン化(0〜10個のオキシアルキレン単位)されていてもよく、1〜15個のグルコース単位を含む、(C
8〜C
30)アルキル(ポリ)グルコシド及び(C
8〜C
30)アルケニル(ポリ)グルコシド、(C
8〜C
30)アルキル(ポリ)グルコシドエステル;
− 飽和又は不飽和のオキシエチレン化植物油;
− エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物;
− N−(C
8〜C
30)アルキルグルカミン及びN−(C
8〜C
30)アシルメチルグルカミン誘導体;
− アルドビオンアミド(aldobionamide);
− アミンオキシド;
− オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化シリコーン;
− 及びこれらの混合物。
【0080】
オキシアルキレン単位は、より具体的にはオキシエチレン若しくはオキシプロピレン単位又はこれらの混合物であり、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0081】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのモル数は、好ましくは1〜250、より好ましくは2〜100であり、更には2〜50がより優れており;グリセロールのモル数は、特には1〜50の範囲であり、更には1〜10の範囲がより優れている。
【0082】
有利には、本発明の非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を全く含まない。
【0083】
グリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、1〜50molのグリセロール、好ましくは1〜10molのグリセロールを含むモノグリセロール化若しくはポリグリセロール化C
8〜C
40アルコールを好ましくは使用することができる。
【0084】
このタイプの化合物の例としては、4molのグリセロールを含むラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル−4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含むラウリルアルコール、4molのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル−4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル−2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むオレイル/セチルアルコール、及び6molのグリセロールを含むオクタデカノールを挙げることができる。
【0085】
グリセロール化アルコールの中でも、1molのグリセロールを含むC8/C10アルコール、1molのグリセロールを含むC10/C12アルコール、及び1.5molのグリセロールを含むC12アルコールを使用することが特に好ましい。
【0086】
本発明の組成物の中で使用され得る非イオン性界面活性剤は、優先的には:
− 1〜100molのエチレンオキシド、好ましくは2〜50、より好ましくは2〜40molのエチレンオキシドを含み、1個又は2個の脂肪鎖を含む、オキシエチレン化C
8〜C
40アルコール;
− 1〜100、好ましくは2〜50molのエチレンオキシドを含む飽和又は不飽和のオキシエチレン化植物油;
− 任意選択的にオキシアルキレン化(0〜10OE)されていてもよく1〜15個のグルコース単位を含む(C
8〜C
30)アルキル(ポリ)グルコシド;
− 1〜50molのグリセロール、好ましくは1〜10molのグリセロールを含むモノグリセロール化若しくはポリグリセロール化C
8〜C
40アルコール;
− 飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、オキシアルキレン化C
8〜C
30脂肪酸アミド;
− 飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐のC
8〜C
30の酸とポリエチレングリコールとのエステル;
− 並びにこれらの混合物;
から選択される。
【0087】
本発明の組成物は、1種以上のカチオン性界面活性剤を含有していてもよい。
【0088】
用語「カチオン性界面活性剤」は、本発明の組成物中に入れられた場合に正に帯電する界面活性剤を意味することが意図されている。この界面活性剤は、1つ以上の正の永久荷電を有していてもよく、あるいは本発明の組成物中でカチオン化可能な1つ以上の官能基を含んでいてもよい。
【0089】
カチオン性界面活性剤は、好ましくは、任意選択的にポリオキシアルキレン化されていてもよい一級、二級、若しくは三級の脂肪族アミン又はその塩、及び四級アンモニウム塩、並びにこれらの混合物から選択される。
【0090】
脂肪族アミンは、通常、少なくとも1つのC
8〜C
30炭化水素を主体とする鎖を含む。
【0091】
四級アンモニウム塩の例としては、特には、テトラアルキルアンモニウム塩(例えばアルキル基が約12〜22個の炭素原子を含むジアルキルジメチルアンモニウム又はアルキルトリメチルアンモニウム塩、特にはベヘニルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、又はベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩)、あるいはその他、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウム塩、又はVan Dyk社からCeraphyl(登録商標) 70という名称で販売されているステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウム塩、などの四級アンモニウム塩を挙げることができる。次の化合物;
− イミダゾリンの四級アンモニウム塩、例えばRewo社からRewoquat(登録商標) W75という名称で販売;
− ジ−若しくはトリ四級アンモニウム塩、例えばFinetex社から入手可能なFinquat CT−P(Quaternium 89)、及びFinetex社から入手可能なFinquat CT(Quaternium 75);
− ジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム、及びモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム塩などの、少なくとも1つのエステル官能基を含む四級アンモニウム塩(特には塩化物塩又はメチル硫酸塩);
の塩化物塩、並びにこれらの混合物を使用することが特に好ましい。アシル基は、好ましくは14〜18個の炭素原子を含み、より具体的にはパーム油又はひまわり油などの植物油から得られる。化合物が複数のアシル基を含む場合、これらの基は同じであっても異なっていてもよい。
【0092】
そのような化合物は、例えば、Henkel社からDehyquart(登録商標)という名称で、Stepan社からStepanquat(登録商標)という名称で、CECA社からNoxamium(登録商標)という名称で、又はRewo−Witco社からRewoquat(登録商標) WE18という名称で、販売されている。
【0093】
米国特許第A−4874554号明細書及び米国特許第A−4137180号明細書に記載の少なくとも1つのエステル官能基を含むアンモニウム塩も使用することができる。
【0094】
Quatarmin BTC131という名称で花王株式会社から販売されているベヘノイルヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを使用してもよい。
【0095】
好ましくは、少なくとも1つのエステル官能基を含むアンモニウム塩は、2つのエステル官能基を含む。
【0096】
使用され得る少なくとも1つのエステル官能基を含む四級アンモニウム塩の中でも、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩を使用することが好ましい。
【0097】
本発明の組成物は、1種以上のアニオン性界面活性剤を含有していてもよい。
【0098】
用語「アニオン性界面活性剤」は、イオン性基又はイオン化可能な基としてアニオン性基のみを含む界面活性剤を意味することが意図されている。これらのアニオン性基は、好ましくは−COOH、−COO
−、−SO
3H、−SO
3−、−OSO
3H、−OSO
3−、−PO
2H
2、−PO
2H
−、−PO
22−、−P(OH)
2、=P(O)OH、−P(OH)O
−、=P(O)O
−、=POH、=PO
−の群から選択され、アニオン部分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はアンモニウムのものなどのカチオン性の対イオンを含む。
【0099】
本発明の組成物中で使用され得るアニオン性界面活性剤の例としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アシルサルコシン塩、アシルグルタミン酸塩、アルキルスルホスクシンアミド酸塩、アシルイセチオン酸塩、及びN−アシルタウリン塩、ポリグルコシドポリカルボン酸及びアルキルモノエステル塩、アシル乳酸塩、D−ガラクトシドウロン酸の塩、アルキルエーテルカルボン酸の塩、アルキルアリールエーテルカルボン酸の塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸の塩;並びに全てのこれらの化合物の対応する塩ではない形態を挙げることができ;全てのこれらの化合物のアルキル基及びアシル基は6〜40個の炭素原子を含み、アリール基はフェニル基を表す。
【0100】
これらの化合物はオキシエチレン化されていてもよく、その場合好ましくは1〜50個のエチレンオキシド単位を含んでいてもよい。
【0101】
ポリグルコシド−ポリカルボン酸のC
6〜C
24アルキルモノエステルの塩は、C
6〜C
24アルキルポリグルコシド−クエン酸塩、C
6〜C
24アルキルポリグルコシド−酒石酸塩、及びC
6〜C
24アルキルポリグルコシド−スルホコハク酸塩から選択することができる。
【0102】
アニオン性界面活性剤が塩の形態である場合、これらはアルカリ金属塩(ナトリウム塩若しくはカリウム塩等、好ましくはナトリウム塩)、アンモニウム塩、アミン塩(特にはアミノアルコール塩)、又はアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)から選択することができる。
【0103】
特に言及し得るアミノアルコール塩の例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンの塩、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、又はトリイソプロパノールアミンの塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩が挙げられる。
【0104】
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩、特にはナトリウム若しくはマグネシウムの塩が好ましくは使用される。
【0105】
上述したアニオン性界面活性剤の中でも、2〜50個のエチレンオキシド単位を含む(C
6〜C
24)アルキル硫酸塩、(C
6〜C
24)アルキルエーテル硫酸塩、特にはアルカリ金属、アンモニウム、アミノアルコール、及びアルカリ土類金属の塩の形態、又はこれらの化合物の混合物、が好ましくは使用される。
【0106】
特に、2〜20個のエチレンオキシド単位を含む(C
12〜C
20)アルキル硫酸塩、(C
12〜C
20)アルキルエーテル硫酸塩、特にはアルカリ金属、アンモニウム、アミノアルコール、及びアルカリ土類金属の塩の形態、又はこれらの化合物の混合物、が好ましくは使用される。更に優れたものとしては、2.2molのエチレンオキシドを含むラウリルエーテル硫酸ナトリウムを使用することが好ましい。
【0107】
本発明の組成物は、1種以上の両性イオン性界面活性剤又は双性イオン性界面活性剤を含有していてもよい。
【0108】
具体的には、好ましくは非シリコーン系である本発明の組成物中で使用される得る両性イオン性界面活性剤又は双性イオン性界面活性剤は、特には任意選択的に四級化されていてもよい脂肪族二級又は三級アミンの誘導体であってもよく、この誘導体中の脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖であり、前記アミン誘導体は少なくとも1つのアニオン性基(例えばカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネート基)を含む。
【0109】
特には、(C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタイン、及び(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
6〜C
8)アルキルスルホベタインを挙げることができる。
【0110】
使用され得る任意選択的に四級化されていてもよい二級又は三級の脂肪族アミン誘導体の中でも、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸、及びココアンホジプロピオン酸の名称でCTFA dictionary,5th edition,1993の中に分類されている化合物を挙げることができる。
【0111】
例として、商品名Miranol(登録商標) C2M濃縮液としてRhodia社から販売されているココアンホ二酢酸塩を挙げることができる。
【0112】
CTFA dictionaryの中でジエチルアミノプロピルココアスパルタミドナトリウムという名前で分類されておりChimex社からChimexane HBという名称で販売されている化合物を挙げることができる。
【0113】
これらの化合物は単独で又は混合物として使用することができる。
【0114】
上述した両性又は双性イオン性界面活性剤の中でも、好ましくは、ココイルベタインなどの(C
8〜C
20)アルキルベタイン、コカミドプロピルベタインなどの(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタイン及びその混合物、並びにジエチルアミノプロピルラウリルアミノスクシンアマートのナトリウム塩(INCI名:ジエチルアミノプロピルココアスパルタミドナトリウム)などの式(VIII)の化合物が使用される。
【0115】
好ましくは、本発明の組成物は、1種以上の界面活性剤を含有する。より優先的には、本発明の組成物は、非イオン性、アニオン性、又は両性イオン性界面活性剤から選択される1種以上の界面活性剤、及びこれらの混合物を含有する。
【0116】
特に好ましくは、本発明の組成物は、1種以上の非イオン性界面活性剤を含有する。
【0117】
本発明の組成物中に存在する界面活性剤の合計量は、組成物の総重量に対して0.1重量%〜25重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲であってもよい。
【0118】
アルカリ剤
本発明の組成物は、任意選択的には1種以上のアルカリ剤も含有していてもよい。
【0119】
好ましくは、染料組成物は、1種以上の有機若しくは無機アルカリ剤を含有する。
【0120】
無機アルカリ剤は、好ましくはアンモニア水、アルカリ金属炭酸塩若しくは炭酸水素塩(炭酸ナトリウム若しくはカリウム、及び炭酸水素ナトリウム若しくはカリウム等)、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、又はこれらの混合物から選択される。
【0121】
有機アルカリ剤は、好ましくは25℃でのpKbが12未満、好ましくは10未満、更に有利には6未満の有機アミンから選択される。pKbは最も塩基性が高い官能基に関するものであることに留意すべきである。また、有機アミンは10個より多い炭素原子を含むアルキル若しくはアルケニルの脂肪鎖を全く含まない。
【0122】
有機アルカリ剤は、例えば、アルカノールアミン、オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化エチレンジアミン、アミノ酸、及び下記式(IX)の化合物から選択される:
【化12】
(式(IX)中、Wは、任意選択的に1つ以上のヒドロキシル基若しくはC
1〜C
6アルキル基で任意選択的に置換されていてもよい及び/又は任意選択的に1つ以上のヘテロ原子(O又はNR
u等)で中断されていてもよい二価のC
1〜C
6アルキレン基であり、R
x、R
y、R
z、R
t、及びR
uは、同じ又は異なり、水素原子、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル、又はC
1〜C
6アミノアルキル基を表す)。
【0123】
言及し得る式(IX)のアミンの例としては、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、スペルミン、及びスペルミジンが挙げられる。
【0124】
用語「アルカノールアミン」は、一級、二級、又は三級アミン官能基と、1つ以上のヒドロキシル基を有する1つ以上の直鎖又は分岐のC
1〜C
8アルキル基と、を含む有機アミンを意味することが意図されている。
【0125】
1〜3個の同じ又は異なるC
1〜C
4ヒドロキシアルキル基を含むモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、又はトリアルカノールアミンなどのアルカノールアミンから選択される有機アミンが、本発明の実施に特に好適である。
【0126】
このタイプの化合物の中でも、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを挙げることができる。
【0127】
より具体的には、使用され得るアミノ酸は、L体、D体、又はラセミ体の、天然由来又は合成由来のものであり、より具体的にはカルボン酸、スルホン酸、亜リン酸、及びリン酸官能基から選択される少なくとも1つの官能基を含む。アミノ酸は中性の形態であってもイオン形態であってもよい。
【0128】
本発明で使用し得るアミノ酸としては、特に、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、N−フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンを挙げることができる。
【0129】
有利には、アミノ酸は、任意選択的には環の中又はウレイド官能基の中に含まれていてもよい追加的なアミン官能基を含む塩基性アミノ酸である。
【0130】
そのような塩基性アミノ酸は、例えばヒスチジン、リシン、アルギニン、オルニチン、及びシトルリンである。
【0131】
有機アミンは、ヘテロ環タイプの有機アミンから選択されてもよい。アミノ酸の中で既に述べたヒスチジン以外に、特にはピリジン、ピペリジン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、及びベンズイミダゾールを挙げることができる。
【0132】
有機アミンは、アミノ酸ジペプチドからも選択されてもよい。本発明で使用され得るアミノ酸ジペプチドとしては、特にはカルノシン、アンセリン、及びバレニンを挙げることができる。
【0133】
有機アミンは、グアニジン官能基を含む化合物から選択されてもよい。本発明で使用され得るこのタイプのアミンとしては、アミノ酸として既に述べたアルギニンの他に、特にはクレアチン、クレアチニン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1−ジエチルグアニジン、グリコシアミン、メトホルミン、アグマチン、n−アミジノアラニン、3−グアニジノプロピオン酸、4−グアニジノ酪酸、及び2−([アミノ(イミノ)メチル]アミノ)エタン−1−スルホン酸を挙げることができる。
【0134】
言及し得るハイブリッド化合物としては、カルボン酸又は塩酸などの酸と前述したアミンとの塩が挙げられる。
【0135】
特にはグアニジン炭酸塩又はモノエタノールアミン塩酸塩を使用することができる。
【0136】
好ましくは、本発明の組成物中に存在するアルカリ剤は、アンモニア水、アルカノールアミン、及び中性若しくはイオン形態のアミノ酸、特には塩基性のアミノ酸から選択される。
【0137】
より優先的には、本発明の組成物中に存在するアルカリ剤は、アンモニア水、アルカノールアミン、及びこれらの混合物から選択される。ある具体的な実施形態によれば、アルカリ剤は有機試薬であり、好ましくはアルカノールアミンである。アルカリ剤がアルカノールアミンの場合、これはモノエタノールアミンから選択される。
【0138】
本発明の組成物中に存在するアルカリ剤の合計量は、使用の準備が整った組成物の総重量に対して0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.1重量%〜20重量%の範囲であってもよい。
【0139】
本発明の組成物は、任意選択的には1種以上の有機溶媒も含有していてもよい。
【0140】
有機溶媒の例としては、例えばエタノール及びイソプロパノールなどの直鎖又は分岐のC
2〜C
4アルカノール;グリセロール;2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びモノメチルエーテルなどのポリオール及びポリオールエーテル;並びにベンジルアルコール若しくはフェノキシエタノールなどの芳香族アルコール又はエーテル;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0141】
有機溶媒は、組成物の総重量に対して0.01重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜25重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0142】
本発明の組成物は、本発明の化合物とは異なる1種以上の添加剤も任意選択的に含有していてもよく、その中でも、カチオン性、アニオン性、非イオン性、又は両性のポリマー又はこれらの混合物、ふけ防止剤、抗脂漏薬、抜け毛防止及び/又は発毛促進剤、ビタミン及びプロビタミン(パンテノール等)、日焼け止め、無機又は有機顔料、隔離剤、可塑剤、可溶化剤、酸性化剤、無機又は有機増粘剤(特には高分子増粘剤)、乳白又は真珠光沢剤、酸化防止剤、ヒドロキシ酸、香料、保存料、顔料、並びにセラミドを挙げることができる。
【0143】
言うまでもないが、当業者であれば、想定される添加により本発明の組成物に本質的に関連する有利な特性が悪影響を受けないか実質的に悪影響を受けないように、この又はこれらの任意選択的な追加的な化合物を注意深く選択するであろう。
【0144】
上述の補助剤は、通常、これらのそれぞれについて、使用の準備が整った組成物の総重量に対して0重量%〜20重量%に含まれる量で存在していてもよい。
【0145】
化学的酸化剤
本発明のある具体的な実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくとも1種の化学的酸化剤を含有する。
【0146】
「化学的酸化剤」という表現は、大気酸素以外の酸化剤を意味することが意図されている。
【0147】
具体的には、化学的酸化剤は、例えば過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸化物塩(例えば過硫酸塩又は過ホウ酸塩等)、過酸及びその前駆体、並びにアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属過炭酸塩から選択される。有利には、酸化剤は過酸化水素である。
【0148】
化学的酸化剤は、組成物の総重量に対して0.5重量%〜20重量%、更に好ましくは1重量%〜15重量%の範囲の含有率で存在していてもよい。
【0149】
脂肪性物質
ある具体的な実施形態によれば、本発明の組成物は、塩の形態の脂肪酸とは異なる1種以上の脂肪性物質を含有する。
【0150】
用語「脂肪性物質」は、周囲温度(25℃)及び大気圧(1.013×10
5Pa)で水に不溶である(5%重量%未満、好ましくは1重量%未満、更に好ましくは0.1重量%未満の溶解度)の有機化合物を意味することが意図されている。これらはその構造中に、少なくとも6個の炭素原子及び/又は少なくとも2つのシロキサン基の配列を含む、炭化水素を主体とする鎖を少なくとも1つ有している。更に、脂肪性物質は、通常、同じ温度及び圧力条件で、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、エタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、液体ワセリン、又はデカメチルシクロペンタシロキサンなどの有機溶媒中に可溶性である。
【0151】
用語「オイル」は、周囲温度(25℃)及び大気圧(1.013×10
5Pa)で液体である「脂肪性物質」を意味することが意図されている。
【0152】
用語「非シリコーン系脂肪性物質」は、Si−O結合を全く含まない脂肪性物質を意味することが意図されており、用語「シリコーン系脂肪性物質」は、少なくとも1つのSi−O結合を含む脂肪性物質を意味することが意図されている。
【0153】
本発明の組成物中で使用される脂肪性物質は、塩の形態の脂肪酸とは異なる。すなわち、これらはフリーの脂肪酸の形態で組成物中に存在していてもよい。
【0154】
つまり、本発明の脂肪性物質は、塩の形態のカルボン酸基(−C(O)O−)を全く含まない。特に、本発明の脂肪性物質は、ポリオキシアルキレン化もポリグリセロール化もされていない。
【0155】
好ましくは、脂肪性物質は塩の形態の脂肪酸とは異なる。
【0156】
好ましくは、本発明の組成物は、塩の形態の脂肪酸とは異なる、周囲温度及び大気圧(1.013×10
5Pa)で液体である1種以上の脂肪性物質を含有する。
【0157】
より具体的には、本発明の液体脂肪性物質は、C
6〜C
16液体炭化水素、16個より多い炭素原子を含む液体炭化水素、動物由来の非シリコーン系オイル、植物及び合成由来のトリグリセリド型のオイル、含フッ素オイル、液体脂肪族アルコール、液体脂肪酸及び/又はトリグリセリド以外の脂肪族アルコールエステル、シリコーンオイル、並びにこれらの混合物から選択される。
【0158】
脂肪族アルコール及びエステルは、より具体的には、任意選択的には置換されていてもよい(特には1つ以上のヒドロキシル基で(特には1〜4個)置換されていてもよい)、6〜30個、更に好ましくは8〜30個の炭素原子を含む、少なくとも1つの飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、炭化水素を主体とする基を含むことが想起される。これらが不飽和の場合には、これらの化合物は1〜3個の共役又は非共役の炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
【0159】
C
6〜C
16液体炭化水素に関しては、これらは直鎖、分岐、又は任意選択的には環状であり、好ましくはアルカンである。言及し得る例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ウンデカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン、又はイソパラフィン(イソヘキサデカン又はイソデカン等)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0160】
16個より多い炭素原子を含有する液体炭化水素は、直鎖又は分岐であっても、また鉱物又は合成由来であってもよく、好ましくは液体パラフィン又は液体ワセリン、ポリデカン、水素化ポリイソブチレン(Parleam(登録商標)等)、及びこれらの混合物から選択される。
【0161】
言及し得る動物由来の炭化水素系オイルは、ペルヒドロスクワランである。
【0162】
植物又は合成由来のトリグリセリドオイルは、好ましくは6〜30個の炭素原子を含む液体脂肪酸トリグリセリド、例えばヘプタン酸若しくはオクタン酸のトリグリセリド、あるいは例えばひまわり油、コーン油、ダイズ油、マロー油、グレープシードオイル、ゴマ油、ヘーゼルナッツオイル、アンズ油、マカダミアオイル、アララ油、ヒマシ油、アボカドオイル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(例えばStearineries Dubois社から販売されているもの又はDynamit Nobel社からMiglyol(登録商標) 810、812、及び818という名称で販売されているもの)、ホホバオイル、及びシアバターオイル、並びにこれらの混合物から選択される。
【0163】
本発明での使用に好適な液体脂肪族アルコールは、より具体的には、6〜30個の炭素原子、好ましくは8〜30個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和の、好ましくは不飽和又は分岐のアルコールから選択される。言及し得る例としては、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ウンデシレニルアルコール、及びリノレイルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0164】
上述したトリグリセリド以外の脂肪酸及び/又は脂肪族アルコールの液体エステルに関しては、特には、飽和又は不飽和の、直鎖C
1〜C
26若しくは分岐のC
3〜C
26脂肪族一酸若しくはポリ酸と、飽和又は不飽和の、直鎖C
1〜C
26若しくは分岐のC
3〜C
26脂肪族モノアルコール若しくはポリアルコールとのエステルを挙げることができ、エステルの総炭素数は6以上、より有利には10以上である。
【0165】
好ましくは、モノアルコールのエステルについては、本発明のエステルが由来するアルコールと酸のうちの少なくとも1つは分岐である。
【0166】
モノエステルの中でも、ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル、乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸イソステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;アセチルリシノール酸メチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2−エチルヘキシル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチル;パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル(ミリスチン酸イソプロピル2−オクチルドデシル等)、ステアリン酸イソブチル;ラウリン酸2−ヘキシルデシル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0167】
好ましくは、一酸とモノアルコールとのモノエステルの中でも、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸アルキル(ミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル等)、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソデシル、及びネオペンタン酸イソステアリル、並びにこれらの混合物が使用される。
【0168】
更にこの変形形態の中では、C
4〜C
22ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸とC
1〜C
22アルコールとのエステル、及び、モノ−、ジ−、若しくはトリカルボン酸とC
2〜C
26ジ−、トリ−、テトラ−、若しくはペンタヒドロキシアルコールとのエステルも使用することができる。
【0169】
特には、セバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ−n−プロピル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ジオクチル;ウンデシル酸グリセリル;ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル;モノリシノール酸ペンタエリトリチル;テトライソノナン酸ペンタエリトリチル;テトラペラルゴン酸ペンタエリトリチル;テトライソステアリン酸ペンタエリトリチル;テトラオクタン酸ペンタエリトリチル;ジカプリル酸プロピレングリコール;ジカプリン酸プロピレングリコール;エルカ酸トリデシル;クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソステアリル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル;プロピレングリコールジオクタノエート;ネオペンチルグリコールジヘプタノエート;ジエチレングリコールジイソノナノエート;及びポリエチレングリコールジステアレート、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0170】
組成物は、脂肪酸エステルとして、C
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸の糖エステル及びジエステルも含有していてもよい。用語「糖」は、複数のアルコール官能基を含み、アルデヒド又はケトン官能基を有する又は有さない、少なくとも4個の炭素原子を含む酸素含有炭化水素を主体とする化合物の意味を意図していることが想起される。これらの糖は、単糖であっても、オリゴ糖であっても、多糖であってもよい。
【0171】
挙げられ得る好適な糖の例としては、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、及びラクトース、並びにこれらの誘導体、特にはアルキル誘導体(例えばメチルグルコースなどのメチル誘導体等)が挙げられる。
【0172】
脂肪酸の糖エステルは、特には、前述の糖と、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和の、C
6〜C
30、及び好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸とのエステル又はエステル混合物を含む群から選択することができる。これらの化合物は、不飽和である場合、1〜3個の共役又は非共役の炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
【0173】
この変形形態のエステルは、モノ−、ジ−、トリ−、及びテトラエステル、ポリエステル、並びにこれらの混合物から選択されてもよい。
【0174】
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ油脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル、アラキドン酸エステル、又はこれらの混合物(特にはオレオ−パルミチン酸エステル、オレオ−ステアリン酸エステル及びパルミト−ステアリン酸エステルの混合エステル等)から選択されてもよい。
【0175】
より具体的には、モノエステル及びジエステル、特にはスクロース、グルコース、又はメチルグルコースのモノ−又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、及びオレオステアリン酸エステル、並びにこれらの混合物が使用される。
【0176】
言及し得る例は、Glucate(登録商標)DOの名称でAmerchol社から販売されている製品であり、ジオレイン酸メチルグルコースである。
【0177】
好ましくは、一酸とモノアルコールとの液体エステルが使用されるであろう。
【0178】
液体脂肪性物質は、優先的には16個より多い炭素原子を含む液体炭化水素、植物油、液体脂肪族アルコール、及び液体脂肪族エステル、シリコーンオイル、及びこれらの混合物から選択される。
【0179】
優先的には、液体脂肪性物質は、16個より多い炭素原子を含む液体炭化水素、特には液体ワセリンから選択される。
【0180】
この具体的な実施形態においては、好ましくは、本発明の組成物中に存在する脂肪性物質の合計量は、組成物の総重量に対して20重量%以上、より優先的には30重量%以上、更に好ましくは35重量%以上である。
【0181】
より優先的には、この特定の実施形態においては、本発明の組成物中に存在する脂肪性物質の合計量は、組成物の総重量に対して30重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜70重量%の範囲である。
【0182】
更により優先的には、この特定の実施形態においては、本発明の組成物中に存在する液体脂肪性物質の合計量は、組成物の総重量に対して20重量%以上、より優先的には30重量%以上、更に好ましくは35重量%以上である。
【0183】
更に優れたものとしては、この具体的な実施形態においては、本発明の組成物中に存在する液体脂肪性物質の合計量は、組成物の総重量に対して30重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜70重量%の範囲である。
【0184】
本発明の組成物が少なくとも1種のアルカリ剤と少なくとも1種の酸化剤を含有する場合、組成物はそのまま使用することができる。これは、ケラチン繊維を染色できるようにするために毛髪に塗布することができる。
【0185】
本発明の組成物がアルカリ剤と酸化剤とを含む場合、これは好ましくは組成物の総重量に対して少なくとも20%の脂肪性物質、好ましくは液体脂肪性物質を含み、好ましくは少なくとも30重量%含む。好ましくは、このそのまま使用可能な組成物は、30%〜55%の脂肪性物質、好ましくは液体脂肪性物質を含み、好ましくは35%〜50%含む。
【0186】
本発明の方法
本発明のもう1つの主題は、本発明の組成物をケラチン繊維に塗布することを含む、ヒトのケラチン繊維、特には毛髪の染色方法である。
【0187】
ある好ましい実施形態によれば、組成物は少なくとも1種のアルカリ剤と少なくとも1種の酸化剤を含有する。その場合、組成物は、ケラチン繊維に塗布され、約3〜50分間、好ましくは約5〜40分間放置され、その後引き続いてすすぎ、シャンプーでの洗浄、再度のすすぎ、及び最終的に乾燥が行われる。
【0188】
本発明の組成物がアルカリ剤及び酸化剤の塗布の前に混合されていない場合、様々な組成物が、逐次的に、任意の順序で、中間のすすぎあり又はなしで、塗布され得る。
【0189】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、次の少なくとも2つの組成物の混合により得られる:
− 上述の式(I)、(II)、又は(III)のうちの少なくとも1種の酸化性塩基と、少なくとも1種の2−アミノ−5−エチルフェノールカプラーと、少なくとも1種のアルカリ剤とを含有する染料組成物;並びに、
− 1種以上の化学的酸化剤を含有する組成物。
【0190】
マルチコンパートメントデバイス
本発明のもう1つの主題は、好ましくは少なくとも2つの区画を含む、ケラチン繊維染色用のマルチコンパートメントデバイスであって、本発明の染料組成物(A)を含む少なくとも1つの第1の区画、及び、上述した酸化性組成物(B)を含む少なくとも1つの第2の区画を含む、ケラチン繊維染色用のマルチコンパートメントデバイスである。
【0191】
最後に、本発明は、ケラチン繊維の染色のための、特には毛髪の染色のための、上述した組成物の使用に関する。
【0192】
本発明において、用語「ケラチン繊維」は、ヒトのケラチン繊維、特には毛髪を意味する。
【0193】
以降の実施例は本発明を例示する役割を有するが、その本質を限定するものではない。
【実施例】
【0194】
以降の実施例では、全ての量は組成物の総重量に対する重量パーセントとして示されている。特段の指示がない限り、量は活性物質のg%で示されている(別段の記載がない限り)。
【0195】
【表1】
【0196】
【表2】
【0197】
染料の処方A、B、及びCは、比1+1.5に従って酸化処方Ox1と混合する。
【0198】
そのようにして得た混合物を、90%の白髪を含む地髪に塗布する。35分間の放置時間の後、頭髪を浄水ですすぎ、次いでシャンプーで洗浄する。最後に頭髪を乾燥させる。
【0199】
乾燥後、得られた着色をMinolta CM2600D分光比色計(光源D65,角度10°,反射鏡部品を含む)を使用してCIELab系で評価する。この系では、L
*は明度を表し、L
*の値が小さいほどより強い着色が得られる。C
*は色度を表し、次式によって得られる:C
*=(a
*2+b
*2)
1/2
【0200】
C
*の値が大きいほど、より着色された色が得られる。
【0201】
結果は下の表に報告されている。
【0202】
【表3】
【0203】
比較例
a)染色組成物
染色組成物A1及びA2は、その内容が活性物質のg%で下の表に示されている(別段の記載がない限り)成分から調製した。
【0204】
【表4】
【0205】
組成物A1及びA2は、1:1.5の重量比で酸化性組成物Ox1と混合する。
【0206】
そのようにして得た混合物A1+Ox1及びA2+Ox1を、90%の白髪を含む地髪の頭髪に塗布する。
【0207】
35分間の放置時間の後、頭髪を浄水ですすぎ、次いでシャンプーで洗浄する。最後に頭髪を乾燥させる。
【0208】
比色測定は、Minolta CM2006D分光比色計(光源D65,角度10°,反射鏡部品を含む)を使用してCIELab系で行う。この系では、L
*は明度を表し、L
*の値が小さいほどより強い着色が得られる。
【0209】
【表5】
【0210】
本発明の組成物A1+Ox1は、より小さいL
*の値を有しており、そのため比較組成物のA2+Ox1と比較してより強く着色する。