(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538316(P2018-538316A)
(43)【公表日】2018年12月27日
    (54)【発明の名称】2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造及び精製するための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C  17/386       20060101AFI20181130BHJP        
   C07C  21/18        20060101ALI20181130BHJP        
   C07C  19/03        20060101ALI20181130BHJP        
   C07C  17/25        20060101ALI20181130BHJP        
【FI】
   C07C17/386
   C07C21/18
   C07C19/03
   C07C17/25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】43
      (21)【出願番号】特願2018-532126(P2018-532126)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
    (85)【翻訳文提出日】2018年7月24日
      (86)【国際出願番号】EP2016080948
    
      (87)【国際公開番号】WO2017108522
(87)【国際公開日】20170629
    
      (31)【優先権主張番号】1563167
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】FR
    (81)【指定国】
      AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
    
      
        
          (71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ  フランス
          (74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
        
      
      
        (72)【発明者】
          【氏名】ババ−アフマッド,  アベデラティフ
              
            
        
        (72)【発明者】
          【氏名】コリエ,  ベルトラン
              
            
        
        (72)【発明者】
          【氏名】ドゥール−ベール,  ドミニク
              
            
        
        (72)【発明者】
          【氏名】ベンドリンガー,  ローラン
              
            
        
      
    【テーマコード(参考)】
      4H006
    【Fターム(参考)】
      4H006AA02
      4H006AC13
      4H006AD13
      4H006BB14
      4H006BB15
      4H006BB17
      4H006BB19
      4H006BD40
      4H006BD51
      4H006BD84
      4H006EA02
      4H006EA03
    (57)【要約】
  本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン及びクロロメタン(40)を含む第1の組成物から2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を製造及び精製するための方法であって、
(a)第2の組成物を形成するために、前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させる工程;(b)(i)前記有機抽出剤及びクロロメタン(40)を含む第3の組成物;並びに(ii)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を含む流れを形成するために、前記第2の組成物を抽出蒸留する工程;(c)前記有機抽出剤を含む流れと、クロロメタン(40)を含む流れとを形成するために、好ましくは蒸留により、前記第3の組成物を回収及び分離する工程
を含む方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)及びクロロメタン(40)を含む第1の組成物を使用して2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法であって、
a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
  i)前記有機抽出剤及びクロロメタン(40)を含む第3の組成物;並びに
  ii)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を含む流れ
を形成する工程;
c)好ましくは蒸留により、前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れ及びクロロメタン(40)を含む流れを形成する工程であって;好ましくは前記有機抽出剤を含む流れが工程a)に再利用される工程
を含む方法。
【請求項2】
  前記第1の組成物、前記第2の組成物及び前記第3の組成物が、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)も含み;工程c)が、好ましくは蒸留により、前記第3の組成物の回収及び分離して、一方では、前記有機抽出剤を含む流れを、他方では、クロロエタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
  前記有機抽出剤が、炭化水素、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、チオアルキル、アミド及び複素環からなる群より選択される溶媒であるか;又は有機抽出剤が、ジフルオロジエチルシラン又はトリエチルフルオロシランであり;好ましくは、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルコール、複素環及びアルデヒドからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
  有機抽出剤が10から150℃の間の沸点を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
  前記有機抽出剤が、1.1以上の分離係数S1,2を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記分離係数が、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)
[式中、
γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表し;
P2は、クロロメタン(40)の飽和蒸気圧を表す]
により計算され、
有利には、分離係数は、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上である、方法。
【請求項6】
  前記有機抽出剤が、0.20以上の吸収容量C2,Sを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、前記吸収容量が、式C2,S=1/(γ2,S)
[式中、γ2,Sは、クロロメタン(40)の活量係数を表す]により計算され、
有利には、吸収容量C2,Sは、0.40以上、好ましくは0.50以上、より優先的には0.60以上、特に0.70以上、より具体的には0.80以上である、
方法。
【請求項7】
  前記有機抽出剤が、1.1以上の分離係数S1,2を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記分離係数が、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)
[式中、
γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表し;
P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す]
により計算され;有利には、分離係数は、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上であり;
好ましくは、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表す]により計算され;有利には、吸収容量C2,Sは、0.40以上、好ましくは0.50以上、より優先的には0.60以上、特に0.7以上、より具体的には0.80以上である、
方法。
【請求項8】
  第1の組成物が、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む共沸又は共沸様組成物であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
  前記有機抽出剤が、ギ酸メチル、2−メトキシ−1−プロペン、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、2−メチルピリジン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、バレロニトリル、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール及び1−プロポキシ−2−プロパノール;有利には、ギ酸メチル、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、酢酸sec−ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;好ましくは、ギ酸メチル、プロパノン、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;特に、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
  工程a)の前に、以下の工程:
i’)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物、クロロメタン(40)並びに任意選択的に重質不純物及び/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む組成物を使用又は提供する工程;好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物、クロロメタン(40)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び任意選択的に重質不純物を含む組成物を使用又は提供する工程;
ii’)工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物を除去し、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)並びに任意選択的に又はそうではなく重質不純物及び/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第1の流れを形成する工程;好ましくは、工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物を除去し、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び任意選択的に又はそうではなく重質不純物を含む第1の流れを形成する工程;
iii’)任意選択的に又はそうではなく、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収される前記第1の流れを蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第2の流れを;並びに、蒸留塔の底部で、重質不純物を含む流れを回収する工程であって、好ましくは、第2の流れが2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む工程
を含み、
工程ii’)で回収される前記第1の流れ及び工程iii’)で回収される前記第2の流れは、工程a)で使用される前記第1の組成物に相当することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
  2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造及び精製するための方法であって、
A)式(I)CX(Y)2−CX(Y)m−CHmXY[式中、X及びYは、独立して水素、フッ素又は塩素原子を表し、且つm=0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;及び/又は式(II)(CXnY3−n)CHpX1−pCHmX2−m[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;
B)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施する工程
を含む方法。
【請求項12】
  2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、有機抽出剤、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む組成物であって、前記有機抽出剤が、式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表し、P2は、クロロメタン(40)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.6超の分離係数S1,2を有し;好ましくは、前記有機抽出剤が、式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表す]により計算される0.8以上の吸収容量C2,Sを有し;且つ、
式S1,2=(γ1,S*P1)/(γ2,S*P2)[式中、γ1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表し、P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.6超の分離係数S1,2を有し;好ましくは、前記有機抽出剤が、式C2,S=1/(γ2,S)[式中、γ2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表す]により計算される0.8以上の吸収容量C2,Sを有する、組成物。
【請求項13】
  有機抽出剤が、ギ酸メチル、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、酢酸sec−ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;好ましくは、ギ酸メチル、プロパノン、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;特に、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択されることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
  組成物の総重量に対して、75重量%から99.99重量%の間の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、0.01重量%から25重量%の間のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び1重量%未満のクロロメタン(40)を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法に関する。本発明はまた、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造及び精製するための方法にも関する。
 
【背景技術】
【0002】
  ハイドロフルオロカーボン(HFC)、特にハイドロフルオロオレフィン(HFO)、例えば2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)は、冷却剤、伝熱流体、消火器、噴射剤、発泡剤、膨張剤、ガス誘電体、重合媒体又はモノマー、支持流体、研磨剤、乾燥剤及び発電装置用流体としての特性が知られている化合物である。HFOは、その低いODP(オゾン層破壊係数)及びGWP(地球温暖化係数)の値のために、HCFCに対する望ましい代替物として同定されている。
【0003】
  ハイドロフルオロオレフィンを製造するための方法の多くは、フッ素化及び/又は脱ハイドロハロゲン化反応を含む。これらの反応は、気相で行われ、目的とする用途に十分な純度の所望の化合物を得るために最終的には除去される必要のある不純物を生成する。
【0004】
  例えば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)を生成する文脈においては、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)のような不純物の存在が観察される。これらの不純物は、後者、即ち、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233xf)及び1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)に加えて、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン製造するための方法によって得ることが所望される主要な化合物の異性体である。1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)のそれぞれの沸点ゆえに、それらは、反応器中に蓄積し、よって、対象の生成物の形成を防ぎうる。
【0005】
  この種の反応混合物の精製は、先行技術によって知られている様々な技術、例えば蒸留によって行われうる。しかしながら、精製される化合物が非常に近い沸点を有するとき、又は、それらが共沸若しくは共沸様組成物を形成するとき、蒸留は効率的な方法ではない。よって抽出蒸留法が記載されている。
【0006】
  EP0864554は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−トランス−1−プロペン(1233zd)を含む混合物を、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−トランス−1−プロペンよりも高い沸点を有する溶媒の存在下での蒸留により精製するための方法を記載している。
【0007】
  国際公開第03/068716号は、ヘキサフルオロプロペンの存在下での蒸留により、ペンタフルオロエタン及びクロロペンタフルオロエタンを含む混合物からペンタフルオロエタンを回収するための方法を記載している。
【0008】
  国際公開第98/19982はまた、抽出蒸留により1,1−ジフルオロエタンを精製するための方法を記載している。該方法は、抽出剤を1,1−ジフルオロエタンと塩化ビニルの混合物に接触させることからなる。抽出剤は、10℃から120℃の沸点を有する炭化水素、アルコール及びクロロカーボンから選択される。米国特許公開第2015/291490号はまた、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンとクロロメタン(40)を分離するための方法も開示している。
【0009】
  国際公開第98/19982号で言及されているとおり、抽出剤の選択は、分離される生成物によっては複雑でありうる。よって、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための特定の方法を開発する必要性が依然として存在する。
 
【発明の概要】
【0010】
  2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法において、特定の動作条件の選択は、特定の不純物又はその異性体の存在を促進することを可能にする。1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)のような不純物の存在は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)のように、観察されうる。これらの不純物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造中に生成される中間化合物により誘発される副反応によるものであり、その除去が複雑であるような物理的特性を有しうる。本発明は、改善した純度の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造を可能にする。
 
【0011】
  第1の態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン及びクロロメタン(40)を含む第1の組成物を使用して2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を精製するための方法であって、
a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
  i)前記有機抽出剤及びクロロメタン(40)を含む第3の組成物;並びに
  ii)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を含む流れ
を形成する工程;
c)好ましくは蒸留により、前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れ及びクロロメタン(40)を含む流れを形成する工程であって;好ましくは前記有機抽出剤を含む流れが工程a)に再利用される工程
を含む方法を提供する。
 
【0012】
  好ましくは、工程b)で形成される2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れは回収される。この流れは、任意選択的に精製されて、特定の市販の仕様に適した純度を達成しうる。
 
【0013】
  好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物、前記第2の組成物及び前記第3の組成物はまた、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含み;工程c)は、好ましくは蒸留により、前記第3の組成物の回収及び分離して、一方では、前記有機抽出剤を含む流れを、他方では、クロロエタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを形成することである。
 
【0014】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、炭化水素、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、チオアルキル、アミド及び複素環からなる群より選択される溶媒であるか;又は有機抽出剤は、ジフルオロジエチルシラン又はトリエチルフルオロシランアミンであるか;好ましくは、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルコール、複素環及びアルデヒドからなる群より選択される。
 
【0015】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、10から150℃の間の沸点を有しうる。
 
【0016】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S
1,2を有し、前記分離係数は、式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)より計算され、式中、
  γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し;
  P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し;
  γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表し;
  P2は、クロロメタン(40)の飽和蒸気圧を表し;
有利には、分離係数は、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上である。
 
【0017】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C
2,Sを有し、前記吸収容量は式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sはクロロメタン(40)の活量係数を表す]により計算され;
有利には、吸収容量C
2,Sは、0.40以上、好ましくは0.50以上、より優先的には0.60以上、特に0.7以上、より具体的には0.80以上である。
 
【0018】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)に関して特定の分離係数及び吸収容量を有するようにも選択されうる。これは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)とトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の分離を、後者が精製される前記第1の組成物中に存在する場合に、促進させることを可能にする。よって、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S
1,2を有し、前記分離係数は、式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)より計算され、式中、
  γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し;
  P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し;
  γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表し;
  P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表し;有利には、分離係数は、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上であり;
好ましくは、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C
2,Sを有し、前記吸収容量は式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sはトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表す]により計算され;有利には、吸収容量C
2,Sは、0.40以上、好ましくは0.50以上、より優先的には0.60以上、特に0.7以上、より具体的には0.80以上である。
 
【0019】
  好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む共沸又は共沸様組成物である。
 
【0020】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、ギ酸メチル、−メトキシ−1−プロペン、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、2−メチルピリジン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、バレロニトリル、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール及び1−プロポキシ−2−プロパノール;有利には、ギ酸メチル、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、酢酸sec−ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;好ましくは、ギ酸メチル、プロパノン、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;特に、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択される。
 
【0021】
  好ましい実施態様によれば、工程b)で形成される2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れは回収され、クロロメタン(40)を含まない。用語「を含まない(free  of)」とは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れが、流れの総重量に基づき、50ppm未満、有利には20ppm未満、好ましくは10ppm未満の検討中の化合物を含むことを意味する。
 
【0022】
  好ましい実施態様によれば、前記方法は、工程a)の前に、以下の工程:
i’)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物、クロロメタン(40)並びに任意選択的に重質不純物及び/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む組成物を使用又は提供する工程;好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物、クロロメタン(40)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び任意選択的に重質不純物を含む組成物を使用又は提供する工程;
ii’)工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物を除去し、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)並びに任意選択的に又はそうではなく重質不純物及び/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第1の流れを形成する工程;好ましくは、工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点よりも低い沸点を有する不純物を除去し、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び任意選択的に又はそうではなく重質不純物を含む第1の流れを形成する工程;
iii’)任意選択的に又はそうではなく、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収される前記第1の流れを蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第2の流れを;並びに、蒸留塔の底部で、重質不純物を含む流れを回収する工程であって、第2の流れが2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む工程
を含んでもよく、
工程ii’)で回収される前記第1の流れ及び工程iii’)で回収される前記第2の流れは、工程a)で使用される前記第1の組成物に相当する。
 
【0023】
  本発明の第2の態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造及び精製するための方法が提供される。前記方法は、以下の工程を含む:
A)式CX(Y)
2−CX(Y)
m−CH
mXY(I)[式中、X及びYは、独立してH、F又はClを表し、且つm=0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;及び/又は式(CX
nY
3−n)CH
pX
1−pCH
mX
2−m(II)[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;
B)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、本発明による2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法を実施する工程。
 
【0024】
  第3の実施態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、有機抽出剤、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む組成物を提供し;前記有機抽出剤は、式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)[式中、γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表し、P2は、クロロメタン(40)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.6超の分離係数S
1,2を有し;好ましくは、前記有機抽出剤は、式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表す]により計算される0.8以上の吸収容量C
2,Sを有し;並びに
式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)[式中、γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表し、P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.6超の分離係数S
1,2を有し;好ましくは、前記有機抽出剤は、式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表す]により計算される0.8以上の吸収容量C
2,Sを有する。
 
【0025】
  好ましい実施態様によれば、前記組成物において、有機抽出剤は、ギ酸メチル、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、酢酸sec−ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;好ましくは、ギ酸メチル、プロパノン、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナール;特に、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択される。
 
【0026】
  好ましい実施態様によれば、前記組成物は、組成物の総重量に対して、75重量%から99.99重量%の間の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、0.01重量%から25重量%の間のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び1重量%未満のクロロメタン(40)を含む。
 
 
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1a−cは、本発明の特定の実施態様による2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法を行うための装置を概略的に表す。
 
【
図2】
図2は、本発明の特定の実施態様による−3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法を行うための装置を概略的に表す。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0028】
  本明細書で使用される用語「炭化水素」とは、直鎖状又は分岐状のC
1−C
20アルカン、C
3−C
20シクロアルカン、C
2−C
20アルケン、C
3−C
20シクロアルケン又はC
6−C
18アレーン化合物を指す。例えば、用語「アルカン」とは、nが1から20の間である式C
nH
2n+2の化合物を指す。用語「C
1−C
20アルカン」は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン及びデカン、又はそれらの異性体を含む。用語「C
2−C
20アルケン」とは、一又は複数の炭素−炭素二重結合を含み、2から20の炭素原子を含む炭化水素ベースの化合物を指す。用語「C
3−C
20シクロアルカン」とは、3から20の炭素原子を含む飽和した炭化水素ベースの環を指す。用語「C
6−C
18アリール」とは、6から18の炭素原子を含む環状又は芳香族の炭化水素ベースの化合物を指す。用語「C
3−C
20シクロアルケン」とは、3から20の炭素原子を含み、且つ、一又は複数の炭素−炭素二重結合を含む環状又は芳香族の炭化水素ベースの化合物を指す。
 
【0029】
  用語「アルキル」とは、1から20の炭素原子を含む、直鎖状又は分岐状アルカンに由来する一価のラジカルを意味する。用語「シクロアルキル」とは、3から20の炭素原子を含む、シクロアルカンに由来する一価のラジカルを意味する。用語「アリール」とは、6から18の炭素原子を含む、アレーンに由来する一価のラジカルを意味する。用語「アルケニル」とは、2から20の炭素原子及び少なくとも一の炭素−炭素二重結合の一価のラジカルを意味する。用語「アルキニル」とは、2から20の炭素原子及び少なくとも一の炭素−炭素三重結合の一価のラジカルを意味する。用語「ハロゲン」とは、−F、−Cl、−Br又は−I基を指す。用語「シクロアルケニル」とは、3から20の炭素原子を含む、シクロアルケンに由来する一価のラジカルを意味する。C
1−C
20アルキル、C
2−C
20アルケニル、C
2−C
20アルキニル、C
3−C
20シクロアルキル、C
3−C
20シクロアルケニル及びC
6−C
18アリール置換基は、一又は複数の−OH、ハロゲン、−NR
aC(O)R
b、−C(O)NR
aR
b−CN、−NO
2、−NR
aR
b、−OR
a、−SR
a、−CO
2R
a、−OC(O)OR
a、−OC(O)R
a、−C(O)H又は−C(O)R
a置換基で任意選択的に置換されてもよく、ここで、R
a及びR
bは、互いに独立して、水素、非置換C
1−C
20アルキル、非置換C
2−C
20アルケニル、非置換C
2−C
20アルキニル、非置換C
3−C
20シクロアルキル、非置換C
3−C
20シクロアルケニル又は非置換C
6−C
18アリールである。置換基−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−C(O)NR
aR
b、R
a及びR
bは、それらが結合する窒素原子又は官能基と共に、飽和又は不飽和で、芳香族又は非芳香族の、4から10員の複素環を形成しうる。
 
【0030】
  用語「ハロ炭化水素」とは、R
aがC
1−C
20アルキル、C
2−C
20アルケニル、C
2−C
20アルキニル、C
3−C
20シクロアルキル、C
3−C
20シクロアルケニル及びC
6−C
18アリールから選択され、且つ、Xが塩素、フッ素、臭素又はヨウ素原子を表す、式R
aXの化合物を指す。C
1−C
20アルキル、C
2−C
20アルケニル、C
2−C
20アルキニル、C
3−C
20シクロアルキル、C
3−C
20シクロアルケニル及びC
6−C
18アリール置換基は、任意選択的に、R
a及びR
bが上記の通りである、一又は複数の−OH、ハロゲン、−NR
aC(O)R
b、−C(O)NR
aR
b−CN、−NO
2、−NR
aR
b、−OR
a、−SR
a、−CO
2R
a、−OC(O)OR
a、−OC(O)R
a、−C(O)H又は−C(O)R
a置換基で置換されていてもよい。
 
【0031】
  用語「アルコール」とは、少なくとも一の水素原子がヒドロキシル基−OHで置き換えられている、上記の炭化水素又はハロ炭化水素を指す。
 
【0032】
  用語「ケトン」とは、少なくとも一又は複数のカルボニル官能基R
c−C(O)−R
d[式中、R
c及びR
dは、互いに独立して、C
1−C
20アルキル、C
2−C
20アルケニル、C
2−C
20アルキニル、C
3−C
20シクロアルキル、C
3−C
20シクロアルケニル又はC
6−C
18アリールであり、且つ、R
a及びR
bが上記の通りであり、R
c及びR
dが、場合により、一緒に結合して、それが結合するカルボニル基と共に、4から10員の、好ましくは4から7員の環状ケトンを形成する、一又は複数の−OH、ハロゲン、−NR
aC(O)R
b、−C(O)NR
aR
b−CN、−NO
2、−NR
aR
b、−OR
a、−SR
a、−CO
2R
a、−OC(O)OR
a、−OC(O)R
a、−C(O)H又は−C(O)R
a置換基で任意選択的に置換されてもよい]を含む炭化水素を指す。環状ケトンはまた、一又は複数の炭素−炭素二重結合を含みうる。環状ケトンはまた、任意選択的に、上記の一又は複数の置換基で置換されていてもよい。
 
【0033】
  用語「アミン」とは、R
c及びR
dが上記の通りである、少なくとも一又は複数のアミン官能基−NR
cR
dを含む炭化水素を指し、R
c及びR
dは、場合によっては、一緒に結合して、それらが結合する窒素原子と共に、4から10員の芳香族又は非芳香族の複素環を形成する。
 
【0034】
  用語「エステル」とは、R
c及びR
dが上記の通りである、式R
c−C(O)−O−R
dの化合物を指し、R
c及びR
dは、場合によっては、一緒に結合して、エステル基と共に、4から20の炭素原子を含む環を形成する。
 
【0035】
  用語「エーテル」とは、R
c及びR
dが上記の通りである、式R
c−O−R
dの化合物を指し、R
c及びR
dは、場合によっては、一緒に結合して、それらが結合する酸素原子と共に、4から20の炭素原子を含む複素環を形成する。
 
【0036】
  用語「アルデヒド」とは、少なくとも一又は複数の−C(O)−H官能基を含む化合物を指す。
 
【0037】
  用語「ニトリル」とは、少なくとも一又は複数の−CN官能基を含む化合物を指す。
 
【0038】
  用語「カーボネート」とは、R
c及びR
dが上記の通りである、式R
c−O−C(O)−O−R
dの化合物を指す。
 
【0039】
  用語「チオアルキル」とは、R
c及びR
dが上記の通りである、式R
cSR
dの化合物である。
 
【0040】
  用語「アミド」は、R
c及びR
dが上記の通りである、式R
cC(O)NR
eR
dの化合物に関し、R
eは、R
cと同一の置換基によって定義され、R
c及びR
dは、場合によっては、一緒に結合して、それらが結合するアミド基−C(O)N−と共に、4から10員の、好ましくは4から7員の環状アミドを形成する。環状アミドはまた、一又は複数の炭素−炭素二重結合を含みうる。環状アミドはまた、任意選択的に、上記の一又は複数の置換基で置換されていてもよい。
 
【0041】
  用語「複素環」とは、4から10員の炭素ベースの環を表し、その少なくとも一の環員は、O、S、P及びNから選択されるヘテロ原子である。環は、一若しくは複数の炭素−炭素二重結合又は一若しくは複数の炭素−ヘテロ原子二重結合又は一若しくは複数のヘテロ原子−ヘテロ原子二重結合を含みうる。好ましくは、複素環は、上記のような1、2、3、4又は5のヘテロ原子を含みうる。特に、複素環は、酸素、窒素及び硫黄から選択される1、2又は3のヘテロ原子を含みうる。好ましくは、複素環は、4から6員の炭素ベースの環であってもよく、その1、2又は3の環員は、O及びNから選択されるヘテロ原子である。複素環は、任意選択的に、R
a及びR
bが以下の通りである、−OH、ハロゲン、−NR
aC(O)R
b、−C(O)NR
aR
b−CN、−NO
2、−NR
aR
b、−OR
a、−SR
a、−CO
2R
a、−OC(O)OR
a、−OC(O)R
a、−C(O)H及び−C(O)R
aから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい。
 
【0042】
  用語「共沸組成物」とは、単一物質のように作用し、且つ、液相中で気相中と同一の状態に組成物を維持する固定温度で沸騰する二以上の化合物の液体混合物を表す。用語「共沸様組成物」とは、一定の沸点を有するか又は、沸騰若しくはエバポレーションに供されたときに分画しない傾向を有する二以上の化合物の液体混合物を表す。用語「有機抽出剤」とは、少なくとも一の炭素原子を含む化合物を指す。
 
【0043】
  第1の態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法に関する。精製プロセスは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン及びクロロメタン(40)を含む第1の組成物で開始して行われる。
 
【0044】
  好ましくは、前記方法は以下の工程を含む:
a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
  i)前記有機抽出剤及びクロロメタン(40)を含む第3の組成物;並びに
  ii)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
c)好ましくは蒸留により、前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れ及びクロロメタン(40)を含む流れを形成する工程。
 
【0045】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤を含む流れは、本発明の方法の工程a)に再利用される。
 
【0046】
  好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含みうる。よって、前記第2の組成物はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含みうる。よって、前記第3の組成物はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含みうる。有利には、本方法の工程c)は、前記第3の組成物を好ましくは蒸留により回収及び分離し、一方では、前記有機抽出剤を含む流れを、他方では、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを形成することからなりうる。
 
【0047】
  よって、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第1の組成物を使用して2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を精製するための方法であって、
a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
  i)前記有機抽出剤、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及びクロロメタン(40)を含む第3の組成物;並びに
  ii)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)を含む流れ
を形成する工程;
c)好ましくは蒸留により、前記第3の組成物を回収及び分離して、一方では、前記有機抽出剤を含む流れを、他方では、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを形成する工程であって;好ましくは前記有機抽出剤を含む流れが工程a)に再利用される工程
を含む方法でありうる。
 
【0048】
  前記第1の組成物は、第1の組成物の総重量に対して、重量で、75%から99.99%の間の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、80%から99.9%の間、好ましくは85%から99.8%の間、特に90%から99.5%の間の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含みうる。
 
【0049】
  前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1%未満のクロロメタン(40)、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、1から5000ppmの間、好ましくは1から2000ppmの間、特に10から1500ppmの間のクロロメタン(40)を含みうる。
 
【0050】
  前記第1の組成物は、同一のものを含有するとき、第1の組成物の総重量に対して、重量で、0.01%から25%の間のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、有利には、第1の組成物の総重量に対して、重量で、0.1%から20%の間、好ましくは0.2%から15%の間、特に0.5%から10%の間、より具体的には3%から10%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含みうる。
 
【0051】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、炭化水素、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、チオアルキル、アミド及び複素環からなる群より選択される溶媒でありうる。あるいは、前記有機抽出剤は、ジフルオロジエチルシラン又はトリエチルフルオロシランでありうる。好ましくは、前記有機抽出剤は、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルコール、複素環及びアルデヒドからなる群より選択される溶媒である。好ましくは、複素環は、4から6員の炭素ベースの環であってもよく、その1、2又は3の環員はO及びN、好ましくはNから選択されるヘテロ原子である。
 
【0052】
  第1の組成物がトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)からなるとき、有機抽出剤は、前記化合物と2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)の分離を可能にするように選択されうる。よって、本方法は、一方では、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234yf)、他方では、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の分離を可能にしうる。
 
【0053】
  好ましくは、炭化水素は、2,2−ジメチルブタン、3−メチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、2,3−ジメチルヘキサン、エチルシクロヘキサン、エチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルベンゼン及びスチレンからなる群より選択される。
 
【0054】
  好ましくは、炭化水素は、クロロエタン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン、トリクロロフルオロメタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロエチレン、2−クロロ−2−フルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、2−クロロプロパン、ブロモエタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ヨードメタン、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、1,1−ジクロロエタン、2−ブロモプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、クロロブロモメタン、2−クロロブタン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、3−ブロモプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、ヨードエタン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、テトラクロロメタン、1−クロロブタン、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、トリクロロエタン、1,1−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、2−ヨードプロパン、ジクロロブロモメタン、2−ブロモブタン、2,2−ジフルオロテトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロヘキサン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、塩化イソアミル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、1−ブロモブタン、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロエタン、1−ヨードプロパン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シス−1,3−ジクロロプロペン、2,2−ジクロロブタン、ブロモトリクロロメタン、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、2−ブロモ−2−メチルブタン、トランス−1,3−ジクロロプロペン、2−フルオロトルエン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、3,3,3−トリクロロ−1−プロペン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、2−ブロモペンタン、塩化トリクロロアセチル、2,3−ジクロロブタン、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、テトラクロロエテン、1,2−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,2,2−トリクロロプロパン、1,2−ジクロロブタン、1,2,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1−ブロモペンタン、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1−ヨードブタン、1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン、1,1,2−トリクロロプロパン、1,3−ジクロロブタン、ペンタクロロフルオロエタン、1,2−ジブロモプロパン、1,2,3−トリクロロプロペン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロペンタン及びトリブロモメタンからなる群より選択される。
 
【0055】
  好ましくは、アルコールは、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、tert−ブタノール、2,2−ジフルオロエタノール、2−アリルオキシエタノール、2−メチル−2−ブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、3−フルオロプロパノール、2−クロロエタノール、2−メトキシ1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−オクタンジオール、2−クロロ−1−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−エトキシ−1−プロパノール、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、2,3−ジメチルブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール及び2−アミノフェノールからなる群より選択される。
 
【0056】
  好ましくは、ケトンは、プロパノン、ブタノン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン及び4−メチル−2−ヘキサノンからなる群より選択される。
 
【0057】
  好ましくは、アミンは、エチルアミン、イソプロピルアミン、エチルメチルアミン、2−アミノ−2−メチルプロパン、n−プロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジエチルアミン、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、1−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、3−メチル−2−ブタンアミン、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、n−ペンチルアミン、n−メチルヒドロキシルアミン、ジプロピルアミン、2−エトキシエタンアミン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、ピリジン、1,2−ジアミノエタン、1,2−プロパンジアミン、2−エチルブチルアミン、n−エチルエチレンジアミン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン及びジメチルエタノールアミンからなる群より選択される。
 
【0058】
  好ましくは、エステルは、ギ酸メチル、酢酸メチル、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ギ酸n−プロピル、ギ酸イソプロピル、tert−ブチルアセテート、プロピオン酸エチル、sec−ブチルアセテート、炭酸ジエチル、n−ブチルアセテート、ブロモ酢酸メチルエステル及びヘキサン酸メチルからなる群より選択される。
 
【0059】
  好ましくは、エーテルは、2,2,2−トリフルオロエチルメチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル  メチルエーテル、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、エトキシエタン、ジメトキシメタン、メチル  シクロプロピルエーテル、2−エトキシプロパン、メチル  t−ブチルエーテル、エチル  1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、クロロメトキシメタン、ジイソプロピルエーテル、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−エトキシブタン、1−メトキシ−2−メチルブタン、2,2−ジメトキシプロパン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジ−n−プロピルエーテル、1−エトキシブタン、1−メトキシペンタン、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピル  イソブチルエーテル、1,1−ジエトキシエタン、トリメトキシメタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチル  メチルエーテル、2,2−ジエトキシプロパン、イソブチル  tert−ブチルエーテル、sec−ブチル  tert−ブチルエーテル、1,1−ジエトキシプロパン、2−メトキシエタノール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、メトキシシクロヘキサン、エトキシエタノール、ジ−n−ブチルエーテル、1−エトキシヘキサン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン及び1,1,1−トリエトキシエタンからなる群より選択される。
 
【0060】
  好ましくは、アルデヒドは、アセトアルデヒド、エタンジアール、イソブタノール、メチルグリオキサール、2−メチルブタナール、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール及びヘキサナールからなる群より選択される。
 
【0061】
  好ましくは、ニトリルは、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル及び(メチレンアミノ)アセトニトリルからなる群より選択される。
 
【0062】
  好ましくは、カーボネートは炭酸ジエチルである。
 
【0063】
  好ましくは、アミドはエタンチオアミドである。
 
【0064】
  好ましくは、チオアルキルは、エタンチオール、硫化ジメチル、2−プロパンチオール、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、tert−ブチルチオール、1−プロパンチオール、チオフェン、2−ブタンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、硫化ジエチル、ブタンチオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、テトラヒドロチオフェン及び1−ペンタンチオールからなる群より選択される。
 
【0065】
  好ましくは、複素環は、フラン、1,2−エポキシプロパン、ジオキサン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、1,3,5−トリオキサン、n−メチルモルホリン、2−メチルピラジン、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、2,6−ジメチルモルホリン及び3−フルフラールからなる群より選択される。
 
【0066】
  前記有機抽出剤は、クロロエタン、エチルアミン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン、アセトアルデヒド、トリクロロフルオロメタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、2,2,2−トリフルオロエチル  メチルエーテル、1,1−ジクロロエチレン、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル  メチルエーテル、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、エチルメチルアミン、硫化ジメチル、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジメトキシメタン、2−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ヨードメタン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチルシクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、n−プロピルアミン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ジメチルブタン、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチル  t−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、1,1−ジクロロエタン、エチル  1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、クロロメトキシメタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、n−メチルプロピルアミン、3−メチルペンタン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、クロロブロモメタン、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、3−ブロモプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、ヨードエタン、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−ブチルアミン、1−クロロブタン、ブタノン、2,4−ジメチルペンタン、シクロヘキサン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソロピルアミン、チオフェン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、1,1−ジクロロプロパン、2−メチル−1−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−プロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、2,2−ジフルオロテトラクロロエタン、硫化ジエチル、1−エトキシブタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、2−メトキシエタンアミン、2,2−ジフルオロエタノール、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピル、イソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、メチルシクロヘキサン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロエタン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、1−ヨードプロパン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、シス−1,3−ジクロロプロペン、2,2−ジクロロブタン、n−ペンチルアミン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチル  メチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロエタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピペリジン、1−ブロモ−2−クロロエタン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、トランス−1,3−ジクロロプロペン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、3,3,3−トリクロロ−1−プロペン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、2,3−ジメチルヘキサン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、2,3−ジクロロブタン、sec−ブチル  tert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,2−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,1−ジエトキシプロパン、1,2,2−トリクロロプロパン、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジクロロブタン、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、1,2,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1−ヨードブタン、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−ジブロモエタン、クロロベンゼン、エチルシクロヘキサン、ブロモ酢酸メチルエステル、1,1,2−トリクロロプロパン、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、2−クロロ−1−プロパノール、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、1,3−ジクロロブタン、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、1,2−ジブロモプロパン、2−ヘプタンアミン、1,2,3−トリクロロプロペン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、3−フルフラール、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1,1,2,2,3−ペントクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、1,2−ジクロロペンタン、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン又は1−プロポキシ−2−プロパノールであってもよい。
 
【0067】
  有利には、前記有機抽出剤は、クロロエタン、エチルアミン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン、アセトアルデヒド、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、硫化ジメチル、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチル  シクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、n−プロピルアミン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、エタンジアール、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチル  t−ブチルエーテル、プロパノン、酢酸メチル、エチル  1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン,1−  プロパンチオール、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−ブチルアミン、1−クロロブタン、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、2−メチル−1−プロパンチオール、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−プロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、硫化ジエチル、1−エトキシブタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチル  メチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピペリジン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチル  tert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、sec−ブチル  tert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、2−メトキシエタノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、2−ヘプタンアミン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、3−フルフラール、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン又は1−プロポキシ−2−プロパノールであってもよい。
 
【0068】
  好ましくは、前記有機抽出剤は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、2−メトキシ−1−プロペン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、エタンジアール、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、プロパノン、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、ジフルオロジエチルシラン、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、硫化ジエチル、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、2−アリルオキシエタノール、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、ピリジン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチル  tert−ブチルエーテル、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、2−エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、n−ブチルアセテート、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、エトキシエタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、バレロニトリル、2−ヘプタンアミン、1−エトキシヘキサン、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール又は1−プロポキシ−2−プロパノールであってもよい。
 
【0069】
  特に、前記有機抽出剤は、ギ酸メチル、−メトキシ−1−プロペン、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、2−メチルピリジン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、バレロニトリル、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール又は1−プロポキシ−2−プロパノールであってもよい。
 
【0070】
  特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンと、有機抽出剤、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第3の組成物との最適な分離を可能にするためには、有機抽出剤は、ギ酸メチル、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、酢酸sec−ブチル、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール又はヘキサナールでありうる。
 
【0071】
  よって、クロロメタン及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンから分離されうる。
 
【0072】
  使用される有機抽出剤は、前記第1の組成物中に存在する化合物の機能として選択されうる。よって、有機抽出剤は、特定の組成物について確立された分離係数及び吸収容量の機能として選択されうる。これら二つの基準の他に、有機抽出剤の選択は、任意選択的に、他の商業又は環境基準、例えば有機抽出剤の費用、市場でのその利用可能性、及びその毒性又は燃焼特性に基づきうる。さらに、特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための本方法の工程b)及びc)で使用される蒸留塔の機能を最適化するために、有機抽出剤の沸点は、10℃から200℃、有利には10℃から190℃、好ましくは10℃から180℃、特に10℃から170℃、優先的には10℃から160℃、より優先的には10℃から150℃でありうる。
 
【0073】
  好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S
1,2を有し、前記分離係数は、式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)より計算され、式中、
γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し;
γ
2,Sは、クロロメタン(40)の活量係数を表し;
P2は、クロロメタン(40)の飽和蒸気圧を表す。
 
【0074】
  上記のような2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/クロロメタンの組合せについて計算される前記分離係数は、1.2以上、有利には1.4以上、より有利には1.6以上、好ましくは1.8以上、より優先的には2.0以上である。
 
【0075】
  前記有機抽出剤は、式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表す]により計算される0.20以上の吸収容量C
2,Sを有しうる。有利には、上記のような2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/クロロメタンの組合せについて計算される吸収容量C
2,Sは、0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.60以上、特に1.0以上、より具体的には1.1以上、優先的には1.2以上である。
 
【0076】
  よって、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/クロロメタンの組合せについて、前記有機抽出剤は、1.1超、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数S
1,2を有し;0.20以上、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.80以上、特に1.0以上、より具体的には1.1以上、優先的には1.2以上の吸収容量C
2,Sを有する。
 
【0077】
  好ましい実施態様によれば、組成物がトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含有するとき、前記有機抽出剤は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)に対して特定の分離係数を有するように選択されうる。2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の組合せについては、分離係数は式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)
[式中、
γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し;
P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し;
γ
2,Sは、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表し;
P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す]
で計算されうる。
 
【0078】
  この場合、分離係数S
1,2は、1.1以上、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上でありうる。
 
【0079】
  前記有機抽出剤は、式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表す]により計算される0.20以上の吸収容量C
2,Sを有しうる。有利には、吸収容量C
2,Sは、0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.60以上、特に0.80以上、より具体的には0.9以上、優先的には1.0以上である。
 
【0080】
  前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む共沸又は共沸様組成物でありうる。好ましくは、前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む共沸又は共沸様組成物である。この特定の組成物中の化合物のそれぞれの含有量は、化合物のそれぞれの個別の含有量を参照して上記に表されるとおりである。
 
【0081】
  よって、第2の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)、前記有機抽出剤、及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含みうる。好ましくは、第2の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)、前記有機抽出剤、及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含みうる。
 
【0082】
  よって、前記有機抽出剤は:
−  式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)[式中、γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表し、且つ、P2は、クロロメタン(40)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.1以上の分離係数S
1,2;好ましくは、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数;
−  式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のクロロメタン(40)の活量係数を表す]により計算され0.20以上の吸収容量C
2,S;有利には、0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.80以上、特に1.0以上の吸収容量;
−  式S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)[式中、γ
1,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの活量係数を表し、P1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの飽和蒸気圧を表し、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表し、且つ、P2は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の飽和蒸気圧を表す]により計算される1.1以上の分離係数S
1,2;有利には、1.2以上、好ましくは1.4以上、より優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数;
−  式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の活量係数を表す]により計算される0.20以上の吸収容量C
2,S;有利には、0.40以上、好ましくは0.60以上、より優先的には0.80以上、特に1.0以上の吸収容量C
2,S
を有しうる。
 
【0083】
  例えば、前記有機抽出剤は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/クロロメタン(40)のバイナリーカップル(binary  couples)について、1.2以上の分離係数を有するように、且つ0.4以上の吸収容量を有するように、選択されうる。よって、前記有機抽出剤は、クロロエタン、エチルアミン、ブロモフルオロメタン、1−ブロモ−1,2−ジフルオロエチレン、アセトアルデヒド、1−クロロ−1,1−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、フラン、ギ酸メチル、イソプロピルアミン、2−メトキシ−1−プロペン、ジエチルエーテル、1,2−エポキシプロパン、エタンチオール、2−クロロ−2−フルオロプロパン、エトキシエテン、1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン、硫化ジメチル、2−クロロプロパン、ブロモエタン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、2−アミノ−2−メチルプロパン、メチル  シクロプロピルエーテル、3−クロロプロペン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン、n−プロピルアミン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、エタンジアール、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチル  t−ブチルエーテル、プロパノン、酢酸メチル、エチル  1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、メチルグリオキサール、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、1−ブチルアミン、1−クロロブタン、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブタンチオール、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、2−メチル−1−プロパンチオール、酢酸イソプロピル、2−ヨードプロパン、ジ−n−プロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、硫化ジエチル、1−エトキシブタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピル  イソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチル  メチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、ピペリジン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、トルエン、酢酸sec−ブチル、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−メチル−1,2−エタンジアミン  2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチル  tert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、sec−ブチル  tert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、2−メトキシエタノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチルベンゼン、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、2−ヘプタンアミン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、3−フルフラール、n,n−ジエチルエチレンジアミン、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,2−ジメチルベンゼン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、ジメチルエタノールアミン及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択されうる。
 
【0084】
  例えば、前記有機抽出剤は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/クロロメタン(40)のバイナリーカップルについて、1.4以上の分離係数を有するように、且つ0.6以上の吸収容量を有するように、選択されうる。よって、前記有機抽出剤は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、2−メトキシ−1−プロペン、エトキシエテン、ジメトキシメタン、1−クロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、エタンジアール、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、プロパノン、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、ジフルオロジエチルシラン、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、硫化ジエチル、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、2−アリルオキシエタノール、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、ピリジン、n−メチルモルホリン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチル  tert−ブチルエーテル、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、2−エチルブチルアミン、炭酸ジエチル、n−ブチルアセテート、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、エトキシエタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、n−エチルモルホリン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、バレロニトリル、2−ヘプタンアミン、1−エトキシヘキサン、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択されうる。
 
【0085】
  例えば、前記有機抽出剤は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/クロロメタン(40)のバイナリーカップルについて、1.6以上の分離係数を有するように、且つ0.8以上の吸収容量を有するように、選択されうる。よって、前記有機抽出剤は、ギ酸メチル、−メトキシ−1−プロペン、エトキシエテン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、2−メチルブタナール、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、炭酸ジエチル、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、2−メチルピリジン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ヘキサナール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−メチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、バレロニトリル、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール及び1−プロポキシ−2−プロパノールからなる群より選択されうる。
 
【0086】
  より具体的には、前記有機抽出剤は、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルエーテル、エトキシエテン、ジメトキシメタン、n−プロピルアミン、メチル  t−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、テトラヒドロフラン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、2−エトキシ−2−メチルプロパン、酢酸エチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3−ペンチルアミン、2−メトキシエタンアミン、tert−ブチルアセテート、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、sec−ブチルアセテート、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、炭酸ジエチル、n−ブチルアセテート、1−エトキシ−2−プロパノール及びヘキサナールからなる群より選択されうる。特に、前記有機抽出剤は、ギ酸メチル、プロパノン、ブタノン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール又はヘキサナール、より具体的には、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、酢酸n−ブチル、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール又はヘキサナールでありうる。
 
【0087】
  特定の実施態様によれば、本発明の方法の工程b)で分離される2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む流れは、続いて精製又は液化されて貯蔵される。この実施態様によれば、微量の有機抽出剤が、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む流れに存在してもよい。前記流れ中の微量の有機抽出剤は、10ppm未満、好ましくは1ppm未満、特に500ppb未満、より具体的には100ppb未満である。
 
【0088】
  よって、本発明の方法は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製することを可能にする。有利には、本発明の精製方法の工程b)で得られる、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ中のクロロメタン(40)及び/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の含有量は、前記第1の組成物中のその又はそれらの含有量未満である。有利には、本発明の精製方法の工程b)で得られる、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ中のクロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の含有量は、前記第1の組成物中のそのそれぞれの含有量未満である。例えば、クロロメタン(40)及び/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の含有量は、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減少されうる。好ましくは、本発明の精製方法の工程b)で得られる2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れは、クロロメタン(40)及び/又はトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を、これ又はこれらの化合物が前記第1の組成物中に存在するときは、含まなくてもよい。特に、本発明の精製方法の工程b)で得られる2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れは、クロロメタン(40)を含まなくてもよく、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)の含有量は、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減少されうる。含有量は、重量パーセントで表される。
 
【0089】
  好ましい実施態様によれば、本発明の精製方法の工程a)で使用される前記第1の組成物は、使用前に精製されうる。特に、前記第1の組成物が、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物及び任意選択的に重質不純物を含む場合、該方法は、工程a)の前に、以下の工程:
i’)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物、及びクロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、及び任意選択的に又はそうではなく重質不純物を含む組成物を使用及び提供する工程;
ii’)工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を除去し、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、及び任意選択的又はそうではなく重質不純物を含む第1の流れを形成する工程;
iii’)任意選択的に又はそうではなく、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収される前記第1の流れを蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第2の流れを;並びに、蒸留塔の底部で、重質不純物を含む流れを回収する工程
を含み、
工程ii’)で回収される前記第1の流れ及び工程iii’)で回収される前記第2の流れは、工程a)で使用される前記第1の組成物に相当する。
 
【0090】
  好ましくは、本方法は、工程a)の前に以下の工程:
i’)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物、及びクロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、及び任意選択的に又はそうではなく重質不純物を含む組成物を使用及び提供する工程;
ii’)工程i)からの前記組成物を蒸留して、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフ
ルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を除去し、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、及び任意選択的に又はそうではなく重質不純物を含む第1の流れを形成する工程;
iii’)任意選択的に又はそうではなく、工程ii’)において蒸留塔の底部で回収される前記第1の流れを蒸留し、塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第2の流れを;並びに、蒸留塔の底部で、重質不純物を含む流れを回収する工程;
を含み、
工程ii’)で回収される前記第1の流れ及び工程iii’)で回収される前記第2の流れは、工程a)で使用される前記第1の組成物に相当する。
 
【0091】
  2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンより低い沸点を有する前記不純物は、トリフルオロメタン(F23)、モノフルオロメタン(F41)、ジフルオロメタン(F32)、ペンタフルオロエタン(F125)、1,1,1−トリフルオロエタン(F143a)、トリフルオロプロピン又は1−クロロ−ペンタフルオロエタン(F115)でありうる。重質不純物は、例えば、1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236ea)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(227ca)、シス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−Z)、及び対象の組成物又は流れに存在する化合物の一つに由来するダイマー又はトリマー、例えばヘキサフルオロブテン(1336)、ヘプタフルオロブテン(1327)、オクタフルオロブテン(338)、ノナフルオロペンテン(1429)又はヘプタフルオロペンテン(1447)のようなC4又はC5炭化水素を含有しうる。
 
【0092】
  第2の態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法を提供する。加えて、この方法は、その精製を含みうる。
 
【0093】
  よって、本発明は、
A)式(I)CX(Y)
2−CX(Y)
m−CH
mXY[式中、X及びYは、独立してH、F又はClを表し、且つm=0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;及び/又は式(II)(CX
nY
3−n)CH
pX
1−pCH
mX
2−m[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;
B)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、本発明による2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法を実施する工程
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法を提供する。
 
【0094】
  よって、本方法は、
A)式(I)CX(Y)
2−CX(Y)
m−CH
mXY[式中、X及びYは、独立してH、F又はClを表し、且つm=0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;及び/又は式(II)(CX
nY
3−n)CH
pX
1−pCH
mX
2−m[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;
B)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、本発明による2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法を実施する工程
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法を提供する。
 
【0095】
  好ましい実施態様によれば、
A)式(I)CX(Y)
2−CX(Y)
m−CH
mXY[式中、X及びYは、独立してH、F又はClを表し、且つm=0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;及び/又は式(II)(CX
nY
3−n)CH
pX
1−pCH
mX
2−m[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;
B)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、
  a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
  b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
    i)前記有機抽出剤とクロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第3の組成物;並びに
    ii)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
  c)前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れと、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れとを形成する工程であって;好ましくは前記有機抽出剤を含む流れが工程a)に再利用される工程
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法を実施する工程
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法が提供される。
 
【0096】
  好ましくは、本方法は、
A)式(I)CX(Y)
2−CX(Y)
m−CH
mXY[式中、X及びYは、独立してH、F又はClを表し、且つm=0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;及び/又は式(II)(CX
nY
3−n)CH
pX
1−pCH
mX
2−m[式中、Xは、互いに独立して、Cl、F、I又はBrであり;Yは、互いに独立して、H、Cl、F、I又はBrであり;nは1、2又は3であり;且つmは0、1又は2であり;且つpは0又は1である]の化合物の触媒の存在下でフッ素化する工程;
B)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れを回収する工程;
C)工程B)で回収される流れを使用して、
  a)前記第1の組成物を少なくとも一の有機抽出剤と接触させて第2の組成物を形成する工程;
  b)前記第2の組成物を抽出蒸留して、
    iii)前記有機抽出剤とクロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第3の組成物;並びに
    iv)2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む流れ
を形成する工程;
  c)前記第3の組成物を回収及び分離して、前記有機抽出剤を含む流れと、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れとを形成する工程であって;好ましくは前記有機抽出剤を含む流れが工程a)に再利用される工程
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法を実施する工程
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法を提供する。
 
【0097】
  特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れは、フッ化水素酸を含みうる。この場合、工程C)の前に、工程B)で回収される流れは、予備蒸留B1’)されて蒸留塔の底部のHFを除去しうる。2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れ;好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む流れは、蒸留塔の上部で回収される。蒸留塔の上部で回収される後者の流れは、その後、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法の工程C)を施される。
 
【0098】
  特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物を含みうる。この場合、工程C)の前に、工程B)で回収される流れは、任意選択的に工程B1’)の後で、予備蒸留B2’)を施されてもよく、蒸留塔の上部で、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンより低い沸点を有する前記不純物を除去し、蒸留塔の底部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第1の流れを;好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第1の流れを形成する。蒸留塔の底部で回収される後者の流れは、その後、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法の工程C)を施されうる。
 
【0099】
  特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れは、重質不純物を含みうる。この場合、工程C)の前に、工程B)で回収される流れは、任意選択的に工程B1’)及びB2’)の後で、予備蒸留B3’)を施されてもよく、蒸留塔の底部で、前記重質不純物を除去し、蒸留塔の上部で回収される、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及び任意選択的に又はそうではなくトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む第1の流れを形成する。好ましくは、第1の流れは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む。蒸留塔の上部で回収される後者の流れは、その後、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法の工程C)を施される。
 
【0100】
  特定の実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法の工程B)で回収される流れはまた、HClも含みうる。塩酸は、該方法の他の工程から独立して、工程B1’の前又は後に、蒸留によって回収されうる。
 
【0101】
  より具体的には、工程A)は、1,1,2,3−テトラクロロプロペン、2,3,3,3,−テトラクロロプロペン、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、1,3,3,3−テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタクロロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを使用して、好ましくは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,2,3,テトラクロロプロペン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン及び/又は2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンを使用して;特に1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(240db)を使用して行われる。
 
【0102】
  図1aは、本発明の特定の実施態様による2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための方法を行うための装置の簡潔なスキームを概略的に表す。触媒、式(I)CX(Y)
2−CX(Y)
m−CH
mXYの化合物の存在下、フッ素化反応由来の、及び/又は、混合物、触媒、式(II)(CX
nY
3−n)CH
pX
1−p=CH
mX
2−mの化合物の存在下、触媒フッ素化由来の混合物が1で得られる。この特定の実施態様において、混合物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物及び重質不純物を含む。混合物は、パイプ3を介して蒸留塔2へ移される。2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの沸点より低い沸点を有する不純物は、蒸留塔2の上部で回収され、パイプ5を介して、焼却炉又は精製装置15へ運ばれる。蒸留塔の底部で得られ、混合物の他の構成要素を含む残留物は、パイプ4を介して第2の蒸留塔6へ運ばれる。6で行われる蒸留は、重質不純物を混合物の他の構成要素から分離することを目的とする。よって、蒸留動作条件は、この目的に適している。重質不純物は蒸留塔8の底部で回収され、他の構成要素は蒸留塔の上部で回収され、パイプ7を介して抽出蒸留塔9に運ばれる。9で行われる抽出蒸留は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを上記の混合物の他の構成要素から分離することを目的とする。抽出蒸留装置9には、本出願に記載の方法に従って選択された有機抽出剤17が供給されている。2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンは抽出蒸留塔9の上部で回収され、パイプ11を介して、10で貯蔵又は精製される。抽出蒸留装置9の上部で回収される混合物は特に、有機抽出剤17、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む。抽出蒸留装置9の底部で回収される混合物は、12のパイプを介して、有機抽出剤を存在する他の化合物から分離することを目的とする蒸留装置13へ運ばれる。有機抽出剤は、蒸留装置13の底部で回収され、パイプ16を介して抽出蒸留装置9へ再利用される。蒸留装置13の上部で回収される化合物は、パイプ14を介してパイプ5へ運ばれて、15で焼却又は精製される。
 
【0103】
  1で提供される混合物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンより低い沸点を有する不純物を含まないことがある。この場合、
図1bに示されるように、混合物1は、パイプ3を介して蒸留塔6へ運ばれて、
図1aに関して上で説明されるように処理される。
図1cに示される別の特定の実施態様において、混合物1は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含みうる。この場合、混合物は、抽出蒸留塔9へ直接運ばれて、そこで、
図1aに関して上で説明されるように処理される。
 
【0104】
  図2は、本発明の特定の実施態様による2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための方法を行うための装置を概略的に示す。フッ化水素酸21は、反応器23中で1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(240db)22と接触する。2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を特に含む、得られる混合物は、反応器出口で回収され、パイプ24を介して蒸留塔25へ運ばれる。混合物はまた、HCl、HF及び重質不純物又は2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンより低い沸点を有する不純物を含みうる。HF及び任意選択的に重質不純物を含む蒸留塔の底部で得られた流れは、パイプ26を介して精製装置27へ運ばれて、23で任意選択的に再利用されるHFを精製する。混合物の他の構成要素は、パイプ28を介して、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するための精製装置29へ運ばれる。精製装置29は、
図1a〜1bで説明される装置のいずれかである。
 
【0105】
  2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための本方法で使用される触媒は、例えば、遷移金属酸化物又はこのような金属の誘導体又はハロゲン化物又はオキシハライドとすることができる。例えば、FeCl
3、オキシフッ化クロム、クロム酸化物(随意でフッ素化処理を施す)、及びフッ化クロム並びにこれらの混合物を挙げることができる。他の可能な触媒は、炭素上に支持された触媒、アンチモン系触媒、及びアルミニウム系触媒(例えばAlF
3及びAl
2O
3、アルミニウムオキシフルオリド及びフッ化アルミニウム)である。
 
【0106】
  一般に、オキシフッ化クロム、フッ化アルミニウム又はオキシフルオリド、又はCr、Ni、Fe、Zn、Ti、V、Zr、Mo、Ge、Sn、Pb、Mg若しくはSbといった金属を含有する任意選択的に担持された触媒を使用することができる。
 
【0107】
  この点については、国際公開第2007/079431号(第7ページ、第1〜5及び第28〜32行)及びEP939071(段落[0022])、国際公開第2008/054781号(第9ページ、第22行から第10ページ、第34行)及び国際公開第2008/040969号(請求項1)を参照することができ、これらは参照が明示的になされている。
 
【0108】
  触媒は、特に好ましくはクロムベースの、特にクロムを含む混合触媒を主成分とする。
 
【0109】
  一実施態様によれば、クロムとニッケルを含む混合触媒が使用される。Cr/Niのモル比(金属元素に基づく)は、通常、0.5〜5、例えば0.7〜2、例えば約1である。触媒は、重量で、0.5%から20%のニッケルを含有しうる。
 
【0110】
  金属は、金属形態又は誘導体形態で、例えば酸化物、ハロゲン化物又はオキシハライドとして存在するができる。このような誘導体は、好ましくは触媒金属の活性化により得られる。
 
【0111】
  担体は、好ましくは、アルミニウム、例えば米国特許第4902838記載された又は上述の活性化方法により得られた、ハロゲン化アルミニウム及びアルミニウムオキシハライドといった、アルミナ、活性アルミナ、アルミニウム誘導体により構成される。
 
【0112】
  触媒は、任意選択的に活性化している担体上において、活性化又は非活性化形態のクロム及びニッケルを含みうる。
 
【0113】
  国際公開第2009/118628号(特に、第4ページ、第30行から第7ページ、第16行)が参照され、本明細書中で明記されている。
 
【0114】
  別の好ましい実施態様は、クロムとMg及びZnから選ばれた少なくとも一つの元素とを含む混合触媒に基づいている。Mg又はZn/Crの原子比は、好ましくは0.01から5である。
 
【0115】
  触媒は、好ましくは、使用前に空気、酸素、又は塩素及び/又はHFで活性化される。
 
【0116】
  触媒は、好ましくは、空気又は酸素及びHFを用いて、100〜500℃、好ましくは250〜500℃、特に300〜400℃の温度で活性化される。活性化の時間は、好ましくは、1〜200時間、 特に1〜50時間である。
 
【0117】
  この活性化に続いて、酸化剤、HF及び有機化合物の存在下における最終的なフッ素化活性化工程が行われうる。
 
【0118】
  HF/有機化合物のモル比は、好ましくは2〜40であり、酸化剤/有機化合物のモル比は、好ましくは0.04〜25である。最終的な活性化の温度は、好ましくは300〜400℃であり、その継続時間は、好ましくは6〜100時間である。
 
【0119】
  気相フッ素化反応は、
−  3:1から150:1、好ましくは4:1から125:1、特に好ましくは5:1から100:1の式(I)及び/又は(II)のモル比のHF/化合物で;
−  3から100秒、好ましくは4から75秒、特に5から50秒の接触時間で(触媒の体積を流入する流れ全体で除し、運転温度及び運転圧に合わせて調整する);
−  大気圧から20バール、好ましくは2から18バール、より具体的には3から15バールの範囲の圧力で;
−  200〜450℃、好ましくは250〜400℃、及び特に280〜380℃の温度(触媒床の温度)で
で行われうる。
 
【0120】
  反応工程の持続時間は、典型的には10から8000時間、好ましくは50から5000時間、特により好ましくは70から1000時間である。
 
【0121】
  酸化剤、好ましくは酸素は、フッ素化反応中に任意選択的に添加されてもよい。酸素/有機化合物のモル比は、0.005から2、好ましくは0.01から1.5でありうる。酸素は、純粋な形態で、又は空気若しくは酸素/窒素混合物の形態で導入されうる。酸素は塩素と置き換えられてもよい。
 
【0122】
有機抽出剤を選択するための方法
  有機抽出剤の選択は、COSMOTHERMソフトウェアで実行されるCosmo−RSモデルを使用して決定される。この選択されたバイナリーカップルに関して、分離係数は、以下の等式を介して、研究された溶媒のそれぞれについて計算される:
S
1,2=(γ
1,S*P1)/(γ
2,S*P2)
[式中、
γ
1,Sは、無限希釈の検討中の有機抽出剤中の第1の化合物の活量係数を表し;
P1は、第1の化合物の飽和蒸気圧を表し;
γ
2,Sは、無限希釈の検討中の有機抽出剤中のバイナリーカップルの第2の化合物の活量係数を表し;
P2は、第2の化合物の飽和蒸気圧を表す]。
 
【0123】
  吸収容量はまた、研究された溶媒のそれぞれに関して、及び検討中のバイナリーカップル(1,2)に関しても計算される。吸収容量は、式C
2,S=1/(γ
2,S)[式中、γ
2,Sは、無限希釈の前記有機抽出剤中の検討中の二次結合の第2の化合物の活量係数を表す]を介して計算される。
 
【0124】
  計算は、研究された各有機抽出剤について繰り返される。最小の分離係数及び吸収容量の値は、検討中のバイナリーカップル(1,2)の第1の化合物と第2の化合物との十分な分離を可能にするように同定される。飽和蒸気圧は、25℃の温度で考慮される。
 
【実施例】
【0125】
実施例1
  2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを精製するために、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/クロロメタン(40)のバイナリーカップル及び2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン/トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)のバイナリーカップルを、有機抽出剤の選択に考慮する。Cosmo−RSモデルにより得られた情報に基づき、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)を含む混合物の抽出蒸留に関して、以下の表1に示す溶媒を試験した。
【0126】
  上の表1にまとめた、有機抽出剤を用いて行われた抽出蒸留は、一方に、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、他方に、クロロメタン(40)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)及び有機抽出剤の分離をもたらした。分離後、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)は、有機抽出剤中の溶液に残る。後者を蒸留により回収し、よって、クロロメタン(40)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze−E)と分離した。
 
 
【国際調査報告】