特表2018-538346(P2018-538346A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-5383462,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの調製方法及び不純物を含まない2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのリサイクル方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538346(P2018-538346A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの調製方法及び不純物を含まない2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンのリサイクル方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/386 20060101AFI20181130BHJP
   C07C 21/18 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   C07C17/386
   C07C21/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2018-533077(P2018-533077)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(85)【翻訳文提出日】2018年8月20日
(86)【国際出願番号】EP2016080944
(87)【国際公開番号】WO2017108518
(87)【国際公開日】20170629
(31)【優先権主張番号】1563164
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ババ−アフマッド, アベデラティフ
(72)【発明者】
【氏名】コリエ, ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥール−ベール, ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ベンドリンガー, ローラン
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AD13
4H006BC51
4H006BD40
4H006BD53
4H006BD84
4H006EA03
(57)【要約】
本発明は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の組成物から、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための方法であって、第2の組成物を形成するために前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させる工程、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、前記有機抽出剤と、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れとを含む第3の組成物を形成するために前記第2の組成物の抽出蒸留を行う工程を含む、方法に関する。
【選択図】図1a−d
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の組成物から、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための方法であって、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物、
ii) 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物を回収及び分離し、前記有機抽出剤を含む流れと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れとを形成する工程
を含む、方法。
【請求項2】
工程c)で分離された有機抽出剤を含む流れが工程a)へリサイクルされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程b)で形成された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む前記流れが蒸留塔の上部で回収されること、及び任意選択的に2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造のための方法へリサイクルされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記有機抽出剤が、炭化水素、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、スルホキシド、硫酸塩、チオアルキル、アミド、複素環及びホスフェートからなる群より選択される溶媒であること、又は有機抽出剤がペルフルオロブタン酸であることを特徴とし、好ましくは前記有機抽出剤は、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、カーボネート、スルホキシド、アミド、複素環及びホスフェートからなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記有機抽出剤が50から200℃の間の沸点を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記有機抽出剤が1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる前記少なくとも1種の化合物の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる前記少なくとも1種の化合物の飽和蒸気圧を表す)
により計算され、
分離係数S1,2は有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記有機抽出剤は0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量が式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物の無限希釈の活量係数を表す)により計算されることを特徴とし、
吸収容量C2,Sは有利には0.5以上、好ましくは0.75以上、さらに優先的には1.0以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記有機抽出剤が1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数が式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の飽和蒸気圧を表す)
により計算されることを特徴とし、
分離係数S1,2が有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上であり、
かつ、
前記有機抽出剤が0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記有機抽出剤が、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、メチルグリオキサール、酢酸エチル、ブタノン、プロピオニトリル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、n,n−ジメチルプロパンアミド、マロン酸ジメチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択されることを特徴とし、好ましくは、前記有機抽出剤が、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン及び1−メトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記有機抽出剤が1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数が式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の飽和蒸気圧を表す)
により計算されることを特徴とし、
分離係数S1,2が、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上であり、
かつ、
前記有機抽出剤が0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sが、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機抽出剤が、イソプロピルメチルアミン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、テトラヒドロフラン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、ジメトキシプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、2−メチルピペラジン、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、酢酸2−エトキシエチル、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−メトキシ−3−ジメチルピラジン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジグリム、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2,2−ジエトキシエタンアミン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−オクタノン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、フタル酸ジヘキシル、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−プロピルシクロヘキサノン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択されることを特徴とし、好ましくは、前記有機抽出剤が、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸n−ブチル及び1−エトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記有機抽出剤が、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、n,n−ジメチルプロパンアミド、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びジエチルマロン酸からなる群より選択されることを特徴とし、好ましくは、前記有機抽出剤が、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール及びジアセトンアルコールからなる群より選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第1の組成物が、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)とを含む共沸又は共沸様組成物であること、又は第1の組成物が、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含む共沸又は共沸様組成物であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法であって、以下の工程:
A) 反応器内における、触媒の存在下での、式(I) CX(Y)−CX(Y)−CHXY(式中、X及びYは独立に、水素、フッ素又は塩素原子を表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化、及び/又は触媒の存在下での、式(CX3−n)CH1−pCH2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) リサイクル反応ループのパージにより得られ、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
C) 工程B)で回収された流れの蒸留と、蒸留塔上部での1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンを含む流れ、並びに、蒸留塔底部での2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
D) 工程C)で回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを用いて、請求項1から8のいずれか一項に記載の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの精製方法を実施する工程;並びに
E) 工程D)で実施された精製方法の工程b)で形成され回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れを工程A)へリサイクルする工程
を含む、方法。
【請求項15】
HF、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン及び1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)も含む、工程B)で回収された流れが、工程C)の蒸留を行う前に、以下の工程:
i) 前記液体組成物を低温分離して、第1のHFリッチ相と、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する第2の有機相とを形成する工程;
ii) 前記第2の有機相の蒸留を行い、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)とを含有する第1の流れを、有利には蒸留塔の上部で形成し、回収工程、並びに、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む第2の流れを、有利には蒸留塔の底部で形成し、回収する工程;
iii) 前記第2の流れの回収と、それを使用する、工程D)の実施
に従って処理されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と、1.6以上の分離係数S1,2を有する有機抽出剤とを含み、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の無限希釈の活量係数を表し、P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の飽和蒸気圧を表す)により計算される組成物であって、好ましくは、前記有機抽出剤は1.0以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表す)により計算される組成物であって、好ましくは、前記有機抽出剤が、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、メチルグリオキサール、酢酸エチル、ブタノン、プロピオニトリル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、n,n−ジメチルプロパンアミド、マロン酸ジメチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され、特に、前記有機抽出剤が、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン及び1−メトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される、組成物。
【請求項17】
全組成に対して45mol%〜65mol%の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と35mol%〜55mol%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含む共沸又は共沸様組成物。
【請求項18】
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)と、1.6以上の分離係数S1,2を有する有機抽出剤とを含み、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の無限希釈の活量係数を表し、P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の飽和蒸気圧を表す)により計算される組成物であって、好ましくは、前記有機抽出剤は1.0以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、好ましくは、前記有機抽出剤が、イソプロピルメチルアミン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、テトラヒドロフラン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、−ジメトキシプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、2−メチルピペラジン、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、酢酸2−エトキシエチル、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−メトキシ−3−メチルピラジン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジグリム、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2,2−ジエトキシエタンアミン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−オクタノン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、フタル酸ジヘキシル、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−プロピルシクロヘキサノン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され、特に、前記有機抽出剤が、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸n−ブチル及び1−エトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの調製方法に関する。より具体的には、本発明は、精製を含む2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの調製方法及びその反応により得られる2−クロロ−3,3,3−テトラフルオロプロペンのリサイクル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイドロフルオロカーボン(HFC)、特に、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)などのハイドロフルオロオレフィン(HFO)は、冷却剤、伝熱流体、消火器、噴射剤、発泡剤、膨張剤、ガス誘電体、重合媒体又はモノマー、担体流体、研磨剤、乾燥剤、及び発電装置用流体としての特性が知られている化合物である。HFOは、その低いODP(オゾン層破壊係数)及びGWP(地球温暖化係数)値のために、HCFCの望ましい代替物とみなされている。
【0003】
ハイドロフルオロオレフィンを製造するための方法の大半は、フッ素化及び/又は脱ハロゲン化水素反応を伴う。この種の反応は気相中で実施され、不純物を生成する。そのため、目的の用途に十分な程度の純度で所望の化合物を得るために、これを除去する必要がある。
【0004】
例えば2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)を製造する状況では、例えば1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)といった不純物の存在が観察される。このような不純物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造する方法を経て得られることが望ましい主な化合物の異性体であって、上記の他には、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233xf)及び1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)である。1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)のそれぞれの沸点を考慮すると、これらの化合物は反応器へリサイクルされた生成物のループ内に蓄積し、ゆえに目的の生成物の形成を妨げる。
【0005】
この種の反応混合物の精製は、先行技術から知られている種々の技術、例えば蒸留により実施され得る。しかし、精製する化合物の沸点が近すぎるか、又はこれらの化合物が共沸又は共沸様組成物を形成する場合、蒸留は効率的な方法ではない。したがって、抽出蒸留法が記載されている。
【0006】
EP第0864554号には、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−トランス−1−プロペン(1233zd)とを含む混合物を、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−トランス−1−プロペンの沸点よりも高い沸点を有する溶媒の存在下で、蒸留により精製するための方法が開示されている。
【0007】
国際公開第03/068716号には、ペンタフルオロエタンとクロロペンタフルオロエタンとを含む混合物から、ヘキサフルオロプロペンの存在下、蒸留によってペンタフルオロエタンを回収するための方法が開示されている。
【0008】
国際公開第98/19982号にはまた、1,1−ジフルオロエタンを抽出蒸留によって精製するための方法が開示されている。この方法は、抽出剤を1,1−ジフルオロエタンと塩化ビニルとの混合物と接触させることにある。抽出剤は、10℃から120℃の間の沸点を有する炭化水素、アルコール、及びクロロカーボンから選択される。
【0009】
国際公開第98/19982号に記載されているように、分離すべき生成物次第では、抽出剤の選択は複雑であることが判る。したがって、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための特定の方法を開発する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0010】
2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法において、特定の操作条件の選択が、特定の不純物又はその異性体の存在を助長し得る。1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)といった不純物の存在が観察されることもある。これらの不純物は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造中に生成する中間化合物によって誘発される副反応から生じ得、それらの2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)との分離が複雑であることを証明するような物性を有し得る。したがって、不純物の存在を制限するために反応ループを処理する必要がある。さらに、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造の他に、優れた純度で製造された2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の回収及びリサイクルを可能にする。
【0011】
第1の態様によれば、本発明は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の組成物から、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための方法であって、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物
ii) 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物を回収及び分離し、前記有機抽出剤を含む流れと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れとを形成する工程
を含む方法を提供する。
【0012】
好ましくは、有機抽出剤を含む流れは、工程a)へリサイクルすることができる。好ましくは、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れは、それを構成する1種以上の生成物を精製することができるように、焼却又は回収され得る。
【0013】
第1の好ましい実施態様によれば、工程c)で分離された有機抽出剤は、工程a)へリサイクルされる。
【0014】
好ましい実施態様によれば、工程b)で形成された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む前記流れは、蒸留塔の底部で回収され、任意選択的に2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造のためのプロセスへリサイクルされる。
【0015】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、炭化水素、ハロ炭化水素(halohydrocarbon)、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、スルホキシド、硫酸塩、チオアルキル、アミド、複素環及びホスフェートからなる群より選択される溶媒であり、又は有機抽出剤は、ペルフルオロブタン酸である。
【0016】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、50から200℃の間の沸点を有する。
【0017】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる前記少なくとも1種の化合物の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる前記少なくとも1種の化合物の飽和蒸気圧を表す)により計算され、
分離係数S1,2は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上である。
【0018】
本特許出願において、25℃の温度での飽和蒸気圧が念頭に置かれている。
【0019】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、
吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.8以上、より具体的には1.0以上である。
【0020】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の飽和蒸気圧を表す)により計算され;
分離係数S1,2は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上であり、
かつ、
前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し、吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上である。
【0021】
したがって、特定の実施態様によれば、前記有機抽出剤は、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、メチルグリオキサール、酢酸エチル、ブタノン、プロピオニトリル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、n,n−ジメチルプロパンアミド、マロン酸ジメチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択することができ;好ましくは、前記有機抽出剤は、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン及び1−メトキシ−2−プロパノールからなる群より選択することができる。好ましくは、この特定の実施態様は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)との効率的な分離を可能にし得る。
【0022】
特定の実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し;
γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の飽和蒸気圧を表す)により計算され、
分離係数S1,2は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上であり、
かつ、
前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有することができ、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.8以上、特に1.0以上である。
【0023】
したがって、特定の実施態様において、前記有機抽出剤は、イソプロピルメチルアミン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、テトラヒドロフラン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、−ジメトキシプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、2−メチルピペラジン、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、酢酸2−エトキシエチル、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−メトキシ−3−ジメチルピラジン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジグリム、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2,2−ジエトキシエタンアミン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−オクタノン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、フタル酸ジヘキシル、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−プロピルシクロヘキサノン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され得;好ましくは、前記有機抽出剤は、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸n−ブチル及び1−エトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される。好ましくは、この特定の実施態様は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)との効率的な分離を可能にし得る。
【0024】
特定の実施態様によれば、前記有機抽出剤は、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、n,n−ジメチルプロパンアミド、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びジエチルマロン酸からなる群より選択することができ;好ましくは、前記有機抽出剤は、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール及びジアセトンアルコールからなる群より選択することができる。好ましくは、この特定の実施態様は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の効率的かつ同時の分離を可能にし得る。
【0025】
特定の実施態様によれば、第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)とを含む共沸若しくは共沸様組成物であり;又は第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含む共沸若しくは共沸様組成物である。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを製造するための方法が提供される。前記方法は、以下の工程:
A) 反応器内、触媒の存在下での、式CX(Y)−CX(Y)−CHXY (I)(式中、X及びYは独立に、H、F又はClを表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化;及び/又は触媒の存在下での、式(CX3−n)CH1−pCH2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) 好ましくはリサイクル反応ループのパージにより得られ、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
C) 工程B)で回収された流れの蒸留と、蒸留塔上部での1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンを含む流れ、並びに、蒸留塔底部での2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
D) 工程C)で回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを使用し、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための本発明による方法を実施する工程;並びに
E) 工程D)で実施された精製方法の工程b)で形成され回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れを工程A)へリサイクルする工程
を含む。
【0027】
好ましい実施態様によれば、工程C)で蒸留塔の上部において回収され、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンを含む流れは、例えば反応ループ、すなわち工程A)へリサイクルされ得る。
【0028】
好ましくは、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法は、反応器とリサイクル反応ループとを含む装置内で実施される。前記ループは、パージされ得る。
【0029】
好ましい実施態様によれば、工程B)で回収され、HF、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン及び1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)を含む流れは、工程C)の蒸留を行う前に、以下の工程:
i) 前記液体組成物を低温分離して、第1のHFリッチ相と、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する第2の有機相とを形成する工程;
ii) 前記第2の有機相の蒸留を行い、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)とを含む第1の流れを、有利には蒸留塔の上部で形成し、回収する工程、並びに、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第2の流れを、有利には蒸留塔の底部で形成し、回収する工程;
iii) 前記第2の流れの回収と、それを使用しての工程D)の実施
に従って処理される。
【0030】
別の態様によると、本発明は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)と、1.6以上の分離係数S1,2を有する有機抽出剤とを含む方法を提供し、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1プロペン(1233xf)の無限希釈の活量係数を表し、P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)の飽和蒸気圧を表す)により計算され、好ましくは、前記有機抽出剤は、1.0以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zdE)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、好ましくは、前記有機抽出剤は、イソプロピルメチルアミン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、テトラヒドロフラン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、−ジメトキシプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、2−メチルピペラジン、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、酢酸2−エトキシエチル、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−メトキシ−3−ジメチルピラジン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジグリム、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2,2−ジエトキシエタンアミン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−オクタノン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、フタル酸ジヘキシル、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−プロピルシクロヘキサノン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され、前記有機抽出剤は、特に、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸n−ブチル及び1−エトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される。
【0031】
別の態様によると、本発明は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と、1.6以上の分離係数S1,2を有する有機抽出剤とを含む組成物を提供し、前記分離係数は、式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の無限希釈の活量係数を表し、P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の飽和蒸気圧を表し、γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表し、P2は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の飽和蒸気圧を表す)により計算され、好ましくは、前記有機抽出剤は、1.0以上の吸収容量C2,Sを有し、前記吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)の無限希釈の活量係数を表す)により計算され、好ましくは、前記有機抽出剤は、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、メチルグリオキサール、酢酸エチル、ブタノン、プロピオニトリル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、n,n−ジメチルプロパンアミド、マロン酸ジメチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され、前記有機抽出剤は、特に、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン及び1−メトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される。
【0032】
別の態様によると、本発明は、全組成に対して45mol%〜65mol%の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、35mol%〜55mol%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含む共沸又は共沸様組成物を提供する。
【0033】
別の態様によると、本発明は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)と、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、n,n−ジメチルプロパンアミド、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択される有機抽出剤とを含む組成物を提供し、好ましくは、有機抽出剤は、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール及びジアセトンアルコールからなる群より選択される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1a-d】本発明の特定の実施態様に従って2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製する方法を実施するための装置を概略的に示す。
図2】本発明の特定の実施態様に従って2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を実施するための装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書で使用される用語「炭化水素」は、直鎖状又は分岐状のC−C20アルカン、C−C20シクロアルカン、C−C20アルケン、C−C20シクロアルケン又はC−C18アレーン化合物を指す。例えば、用語「アルカン」は、式C2n+2(式中、nは1〜20の間である)の化合物を指す。用語「C−C20アルカン」は、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、及びデカン又はそれらの異性体を含む。用語「C−C20アルケン」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含み、かつ、5〜20個の炭素原子を含む炭化水素系化合物を指す。用語「C−C20シクロアルカン」は、3〜20個の炭素原子を含む飽和炭化水素系環を指す。用語「C−C18アリール」は、6〜18個の炭素原子を含む芳香族炭化水素系化合物を指す。用語「C−C20シクロアルケン」は、5〜20個の炭素原子を含み、かつ、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む環状炭化水素系化合物を指す。
【0036】
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を含む、直鎖状又は分岐状のアルカンから誘導される一価の基をいう。用語「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子を含む、シクロアルカンから誘導される一価の基をいう。用語「アリール」は、6〜18個の炭素原子を含む、アレーンから誘導される一価の基をいう。用語「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合からなる一価の基をいう。用語「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素三重結合からなる一価の基をいう。用語「ハロゲン」は、−F、−Cl、−Br又は−I基を指す。用語「シクロアルケニル」は、3〜20個の炭素原子を含む、シクロアルケンから誘導される一価の基を指す。C−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル、及びC−C18アリール置換基を、1つ以上の−OH、ハロゲン、−P(O)(OR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H、−C(O)R又は−S(O)R置換基で任意選択的に置換することができ、ここで、R及びRは、互いに独立に水素、無置換C−C20アルキル、無置換C−C20アルケニル、無置換C−C20アルキニル、無置換C−C20シクロアルキル、無置換C−C20シクロアルケニル又は無置換C−C18アリールである。置換基−NRにおいて、R及びRは、それらが結合している窒素原子と共に、飽和又は不飽和、芳香族又は非芳香族の5〜10員複素環を形成し得る。
【0037】
用語「ハロ炭化水素」は、式RX(式中、Rは、C−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル、及びC−C18アリールから選択され、Xは、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素原子である)の化合物を指す。C−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル、及びC−C18アリール置換基を、1つ以上の−OH、ハロゲン、−P(O)(OR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H、−C(O)R又は−S(O)R置換基(ここで、R及びRは、上で定義した通りである)で任意選択的に置換することができる。
【0038】
用語「アルコール」は、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基−OHで置き換えられている、上で定義した炭化水素又はハロ炭化水素を指す。
【0039】
用語「ケトン」は、少なくとも1つ以上のカルボニル官能基R−C(O)−R(ここで、R及びRは、互いに独立にC−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル又はC−C18アリールであり、1つ以上の−OH、ハロゲン、−P(O)(OR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H、−C(O)R又は−S(O)R置換基で任意選択的に置換され得、ここでR及びRは上で定義した通りであり、R及びRは場合により結合して、それらが結合しているカルボニル基と共に、4〜10員、好ましくは4〜7員の環状ケトンを形成することができる)を含む炭化水素を指す。環状ケトンは、1つ以上の炭素−炭素二重結合も含むことができる。環状ケトンを、上で定義した1つ以上の置換基で任意選択的に置換することができる。
【0040】
「アミン」という用語は、少なくとも1つ以上のアミン官能基−NR(ここで、R及びRは、上で定義した通りであり、R及びRは場合により結合して、それらが結合している窒素原子と共に、4〜10員の芳香族又は非芳香族複素環を形成する)を含む炭化水素を指す。
【0041】
用語「エステル」は、式R−C(O)−O−R(式中、R及びRは、上で定義した通りであり、R及びRは場合により結合して、エステル基と共に、4〜20個の炭素原子を含む環を形成する)の化合物を指す。
【0042】
用語「エーテル」は、式R−O−R(式中、R及びRは、上で定義した通りであり、R及びRは場合により結合して、それらが結合している酸素原子と共に、4〜20個の炭素原子を含む複素環を形成する)の化合物を指す。
【0043】
用語「アルデヒド」は、少なくとも1つ以上の−C(O)−H官能基を含む化合物を指す。
【0044】
用語「ニトリル」は、少なくとも1つ以上の−CN官能基を含む化合物を指す。
【0045】
用語「カーボネート」は、式R−O−C(O)−O−R(式中、R及びRは、上で定義した通りである)の化合物を指す。
【0046】
用語「スルホキシド」は、式RS(O)R(式中、R及びRは、上で定義した通りである)の化合物を指す。
【0047】
用語「硫酸塩」は、式RS(O)の化合物を指す。
【0048】
用語「チオアルキル」は、式RSR(式中、R及びRは、上で定義した通りである)の化合物を指す。
【0049】
用語「アミド」は、式RC(O)NR(式中、R及びRは、上で定義した通りであり、Rは、Rと同じ置換基で定義され、R及びRは場合により結合して、それらが結合しているアミド基−C(O)N−と共に、4〜10員、好ましくは4〜7員の環状アミドを形成する)の化合物を指す。環状アミドは、1つ以上の炭素−炭素二重結合も含むことができる。また、環状アミドを、1つ以上の上で定義した置換基で任意選択的に置換してもよい。
【0050】
用語「複素環」は、4〜10員炭素系環であり、その少なくとも1つの環員がO、S、P及びN.からなる群より選択されるヘテロ原子であるものをいう。環は、1つ以上の炭素−炭素二重結合又は1つ以上の炭素−ヘテロ原子二重結合又は1つ以上のヘテロ原子−ヘテロ原子二重結合を含み得る。好ましくは、複素環は、上で定義した1、2、3、4又は5個のヘテロ原子を含む。特に、複素環は、酸素、窒素及び硫黄から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含んでいてもよい。好ましくは、複素環は、4〜6員炭素系環であり、その1、2又は3つの環員がO及びNから選択されるヘテロ原子、好ましくはOである。複素環を、−OH、ハロゲン、−P(O)(OR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−CN、−NO、−NR、−OR、−SR、−CO、−OC(O)OR、−OC(O)R、−C(O)H、−C(O)R及び−S(O)R(ここで、R及びRは、上で定義した通りである)から選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換してもよい。
【0051】
用語「ホスフェート」は、式RO)P(O)(式中、Rは、上で定義した通りである)の化合物を指す。
【0052】
用語「共沸組成物」とは、単一の物質のような挙動を示し、液相と気相が同じ組成を維持して一定温度で沸騰する、2種以上の化合物の液体混合物をいう。用語「共沸様組成物」とは、一定の沸点を有するか又は沸騰若しくは蒸発に供された場合に分画しない傾向を有する、2種以上の化合物の液体混合物をいう。
【0053】
第1の態様によれば、本発明は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)を精製するための方法に関する。精製方法は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第1の組成物から開始して実施される。
【0054】
好ましくは、前記方法は、以下の工程:
a) 前記第1の組成物を少なくとも1種の有機抽出剤と接触させて、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物
ii) 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記第3の組成物を回収及び分離し、前記有機抽出剤を含む流れと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れとを形成する工程
を含む。
【0055】
あるいは、工程c)は、任意選択とすることができる。
【0056】
好ましくは、前記有機剤を含む流れは、工程a)へリサイクルされる。
【0057】
好ましくは、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れは、その成分の1つを抽出し精製することができるように、焼却又は回収され得る。
【0058】
前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種、少なくとも2種又は全種の化合物とを含み得る。
【0059】
前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して50重量%から99.99重量%の間の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、有利には該第1の組成物の総重量に対して55重量%から99.9重量%の間、好ましくは55重量%から95重量%の間、特に60重量%から90重量%の間の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含み得る。
【0060】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して0.01重量%から50重量%の間のE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、有利には該第1の組成物の総重量に対して0.01重量%から40重量%の間、好ましくは0.01重量%から30重量%の間、特に0.01重量%から20重量%の間のE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)を含み得る。
【0061】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して0.01重量%から50重量%の間の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)、有利には該第1の組成物の総重量に対して0.01重量%から40重量%の間、好ましくは0.01重量%から30重量%の間、特に0.01重量%から20重量%の間の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)を含み得る。
【0062】
同じものを含有する場合、前記第1の組成物は、該第1の組成物の総重量に対して0.01重量%から15重量%の間の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)、有利には該第1の組成物の総重量に対して0.01重量%から10重量%の間、好ましくは0.01重量%から7重量%の間、特に0.01重量%から5重量%の間の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)を含み得る。
【0063】
特定の実施態様によれば、前記有機抽出剤は、炭化水素、ハロ炭化水素、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、ニトリル、カーボネート、スルホキシド、硫酸塩、チオアルキル、アミド、複素環及びホスフェートからなる群より選択される溶媒である。前記有機抽出剤はまた、ペルフルオロブタン酸であってもよい。好ましくは、前記有機抽出剤は、アルコール、ケトン、アミン、エステル、エーテル、アルデヒド、カーボネート、スルホキシド、アミド、複素環及びホスフェートからなる群より選択される溶媒である。
【0064】
前記有機抽出剤は、少なくとも1つの炭素原子を含む化合物を指す。
【0065】
好ましくは、炭化水素は、シクロヘキサン、1,3,5−トリエチルベンゼン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、1−メチルシクロヘキセン、1,4−ジメチルベンゼン、スチレン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン及び1,3−ジエテニルベンゼンからなる群より選択される。
【0066】
好ましくは、ハロ炭化水素は、2−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、1,1−ジクロロエタン、2−ブロモプロパン、2−クロロブタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、2−ブロモブタン、1−フルオロヘキサン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、1,2−ジクロロプロパン、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、塩化イソアミル、1−クロロ−4−フルオロブタン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、1−ブロモブタン、2,2−ジクロロブタン、シス−1,3−ジクロロプロペン、2−ブロモ−2−メチルブタン、トランス−1,3−ジクロロプロペン、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、2−ブロモペンタン、2,3−ジクロロブタン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、1,2,2−トリクロロプロパン、1,2−ジクロロブタン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1−ブロモペンタン、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1,3−ジクロロブタン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、1,2−ジクロロペンタン、1−ブロモヘキサン、1,2,3−トリクロロプロパン、1,4−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,4−ジクロロブタン、2−クロロピリジン、ブロモシクロヘキサン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジクロロベンゼン、1−クロロオクタン、1−フルオロデカン、2−クロロ−1,4−ジメチルベンゼン及び1,4−ジブロモブタンからなる群より選択される。
【0067】
好ましくは、アルコールは、メタノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、2,2−ジフルオロエタノール、プロパノール、2−アリルオキシエタノール、2−ブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、3−フルオロプロパノール、2−クロロエタノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−クロロ−1−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−イソプロポキシエタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−フランメタノール、2−ブトキシエタノール、2−アミノプロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、2−(エチルチオ)エタノール、プロピレングリコール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1,2−ブタンジオール、グリコール及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールからなる群より選択される。
【0068】
好ましくは、ケトンは、プロパノン、ブタノン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、5−ヘキセン−2−オン、4−メチル−2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、2,3−ヘプタンジオン、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、2−オクタノン、シクロヘプタノン、ジヒドロキシアセトン及び2−プロピルシクロヘキサノンからなる群より選択される。
【0069】
好ましくは、アミンは、2−メトキシエタンアミン、n−メチルヒドロキシルアミン、2−エトキシエタンアミン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、1,2−ジアミノエタン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ジメチルエタノールアミン、1,4−ブタンジアミン、エタノールアミン及びジエチルプロパノールアミンからなる群より選択される。
【0070】
好ましくは、エステルは、酢酸メチル、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、ギ酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、酢酸sec−ブチル、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、ヘキサン酸メチル、クロロ酢酸イソプロピル、酢酸2−エトキシエチル、アセト酢酸メチル、ヘプタン酸メチル、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、マロン酸ジメチル、フタル酸ジヘキシル、硫酸ジメチル、酢酸2−ブトキシエチル、トリメチルホスフェート、安息香酸メチル及びマロン酸ジエチルからなる群より選択される。
【0071】
好ましくは、エーテルは、クロロメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、トリメトキシメタン、2−メトキシエタノール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、エトキシエタノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン及びジエチレングリコールモノエチルエーテルからなる群より選択される。
【0072】
好ましくは、アルデヒドは、エタンジアール、イソブタナール、メチルグリオキサール、2−メチルブタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、3−ヒドロキシブタナール及びフルフラールからなる群より選択される。
【0073】
好ましくは、ニトリルは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル及び3−メチルプロパンニトリルからなる群より選択される。
【0074】
好ましくは、カーボネートは、ジエチルカーボネートである。
【0075】
好ましくは、スルホキシドは、ジメチルスルホキシド及びジエチルスルホキシドからなる群より選択される。
【0076】
好ましくは、硫酸塩は、硫酸ジメチルである。
【0077】
好ましくは、アミドは、ジメチルホルムアミド、2,2,2−トリフルオロアセトアミド及びn,n−ジメチルプロパンアミドを含む。
【0078】
好ましくは、チオアルキルは、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールである。
【0079】
好ましくは、複素環は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン及び3−フルフラールからなる群より選択される。
【0080】
好ましくは、ホスフェートは、例えばトリメチルホスフェートである。
【0081】
用いる有機抽出剤は、前記第1の組成物中に存在する化合物に応じて選択することができる。したがって、有機抽出剤は、特定の組成物について確立された分離係数及び吸収容量に応じて選択することができる。これらの2つの基準に加えて、有機抽出剤の選択は、有機抽出剤のコスト、市場での入手可能性、及びその毒性又は可燃性特性などの他の商業上又は環境上の基準に任意選択的に基づいてもよい。さらに、特定の実施態様によれば、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための本発明の方法の工程b)及びc)で用いる蒸留塔の機能を最適化するためには、有機抽出剤の沸点が50℃〜200℃、有利には50℃〜190℃、好ましくは50℃〜180℃、特に50℃〜160℃、優先的には50℃〜150℃、さらに優先的には75℃〜150℃であり得る。
【0082】
好ましい実施態様によれば、前記有機抽出剤は、1.1以上の分離係数S1,2を有し、前記分離係数は式S1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、前記有機抽出剤中2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの無限希釈の活量係数を表し、
P1は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物の飽和蒸気圧を表す)により計算される。
【0083】
本特許出願において、25℃の温度での飽和蒸気圧が念頭に置かれている。分離係数S1,2は、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上である。
【0084】
前記有機抽出剤は、0.20以上の吸収容量C2,Sを有し得、前記吸収容量は式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、前記有機抽出剤中の、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zd)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物の無限希釈の活量係数を表す)により計算される。吸収容量C2,Sは、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0,以上、より具体的には1.4以上、優先的には1.6以上である。したがって、前記有機抽出剤は、1.1以上、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数S1,2;及び0.20以上、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.8以上、特に1.0以上、より具体的には1.4以上、優先的には1.6以上の吸収容量C2,Sを有し得る。
【0085】
好ましくは、前記有機抽出剤は、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、n,n−ジメチルプロパンアミド、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され得る。特に、前記有機抽出剤は、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール及びジアセトンアルコールからなる群より選択され得る。
【0086】
前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物であり得る。前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも2種又は全種の化合物とを含む組成物であり得る。第1の共沸又は共沸様組成物中の各化合物の含有量は、上記の通りである。
【0087】
前記第1の組成物中の除去すべき化合物(単数又は複数)に応じて、前記分離係数及び前記吸収容量は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される化合物のうち1種とからなる特定のバイナリーカップル(binary couple)について計算され得る。したがって、抽出蒸留工程b)における使用に適した前記有機抽出剤を選択するには、例えば、前記第1の組成物が2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)を含むのであれば、これらの2種の化合物バイナリーカップルについて、又は前記第1の組成物が2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)及びE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)を含むのであれば、これらの2種の化合物バイナリーカップルについて、分離係数及び吸収容量を計算する。分離係数S1,2は、2種以上の化合物を分離する有機抽出剤の能力を決定することを可能にする。吸収容量C2,Sは、対象としている化合物間の分離を得るのに使用される溶媒の量を決定することを可能にする。以下に詳述するすべての第1の組成物について、前記有機抽出剤は、1.1以上、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数S1,2を有し得、かつ/又は前記有機抽出剤は、0.25以上、有利には0.5以上、好ましくは0.75以上、さらに優先的には1.0以上、より具体的には1.4以上、優先的には1.6以上の吸収容量C2,Sを有し得る。
【0088】
好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを有する組成物であってもよい。この特定の組成物中の各化合物の含有量は、各化合物の個々の含有量に関して上に示した通りである。したがって、第2の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と、前記有機抽出剤とを含み得る。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含む第1の組成物を分離するために、1.1以上の分離係数S1,2及び0.2以上の吸収容量C2,Sを有する有機抽出剤が使用され得、前記有機抽出剤は、エタンジアール、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、プロパノン、酢酸メチル、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、クロロメトキシメタン、イソブタナール、メタノール、テトラヒドロフラン、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、酢酸エチル、エタノール、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−プロパノール、アセトニトリル、ペンタフルオロ−1−プロパノール、tert−ブタノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メチルブタナール、2−メトキシエタンアミン、2,2−ジフルオロエタノール、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、n−メチルヒドロキシルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、1,3,5−トリオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、ペルフルオロブタン酸、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2−メトキシ−1−プロパノール、ヘキサナール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−クロロ−1−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、3−フルフラール、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、ジメチルエタノールアミン、クロロ酢酸イソプロピル、2−ヘプタノン、ヘプタナール、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、シクロヘキサノン、酢酸2−エトキシエチル、3−ヒドロキシブタナール、2−(メチルアミノ)エタノール、1,4−ブタンジアミン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、フルフラール、ジグリム、2,2,2−トリフルオロアセトアミド、2−(ジエチルアミノ)エタノール、3−メトキシプロパンニトリル、2,3−ヘプタンジオン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−フランメタノール、2−ブトキシエタノール、エタノールアミン、アセト酢酸メチル、2−オクタノン、2−アミノプロパノール、ヘプタン酸メチル、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−アミノ−1−ブタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、シクロヘプタノン、ジヒドロキシアセトン、マロン酸ジメチル、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、2−(エチルチオ)エタノール、フタル酸ジヘキシル、プロピレングリコール、硫酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1,2−ブタンジオール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され得る。
【0089】
有利には、前記有機抽出剤は、1.2以上の分離係数S1,2及び0.4以上の吸収容量C2,Sを有し、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、クロロメトキシメタン、イソブタナール、メタノール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、酢酸エチル、エタノール、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−プロパノール、アセトニトリル、ペンタフルオロ−1−プロパノール、tert−ブタノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メチルブタナール、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、1,3,5−トリオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、ペルフルオロブタン酸、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、4,4,4−トリフルオロブタノール、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、3−フルフラール、4−メチル−2−ヘキサノン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、ジメチルエタノールアミン、2−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、シクロヘキサノン、酢酸2−エトキシエチル、3−ヒドロキシブタナール、2−(メチルアミノ)エタノール、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、フルフラール、ジグリム、3−メトキシプロパンニトリル、2−(エチルアミノ)エタノール、ジアセトンアルコール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−フランメタノール、アセト酢酸メチル、2−アミノプロパノール、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−アミノ−1−ブタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、シクロヘプタノン、マロン酸ジメチル、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、硫酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1,2−ブタンジオール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され得る。
【0090】
好ましくは、前記有機抽出剤は、1.4以上の分離係数S1,2及び0.6以上の吸収容量C2,Sを有し、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、イソブタナール、ギ酸イソプロピル、メチルグリオキサール、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、酢酸イソプロピル、2−メトキシエタンアミン、プロピオニトリル、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、ジオキサン、3−ペンタノン、2−ペンタノン、トリメトキシメタン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、ジエチルカーボネート、5−ヘキセン−2−オン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1,3−プロパンジアミン、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、(メチレンアミノ)アセトニトリル、3−フルフラール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、シクロヘキサノン、酢酸2−エトキシエチル、3−ヒドロキシブタナール、2−(メチルアミノ)エタノール、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、フルフラール、3−メトキシプロパンニトリル、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、2−アミノプロパノール、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、マロン酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され得る。
【0091】
特に、前記有機抽出剤は、1.6以上の分離係数S1,2及び0.8以上の吸収容量C2,Sを有し、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、メチルグリオキサール、酢酸エチル、ブタノン、プロピオニトリル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、3−フルフラール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、フルフラール、3−メトキシプロパンニトリル、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、n,n−ジメチルプロパンアミド、マロン酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され得る。
【0092】
より具体的には、前記有機抽出剤は、1.6以上の分離係数S1,2及び1.0以上の吸収容量C2,Sを有し、エタンジアール、プロパノン、酢酸メチル、メチルグリオキサール、酢酸エチル、ブタノン、プロピオニトリル、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、ジエチルカーボネート、2−メトキシ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、n,n−ジメチルプロパンアミド、マロン酸ジメチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、トリメチルホスフェート及びマロン酸ジエチルからなる群より選択され得る。
【0093】
有利には、前記有機抽出剤は、プロパノン、酢酸メチル、酢酸エチル、ブタノン、ジオキサン、トリメトキシメタン、1,3−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、1,2−ジアミノエタン及び1−メトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される。
【0094】
好ましい実施態様によれば、前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)とE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)とを含む組成物であり得る。この特定の組成物中の各化合物の含有量は、各化合物の個々の含有量に関して上に示した通りである。したがって、第2の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)と、前記有機抽出剤とを含み得る。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)とE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)とを含む第1の組成物を分離するために、1.1以上の分離係数S1,2及び0.2以上の吸収容量C2,Sを有する有機抽出剤が使用され得、前記有機抽出剤は、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、1,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、ペルフルオロシクロヘキサン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、3−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、2−プロパンチオール、1,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2−エトキシプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、ペルフルオロ−n−ヘキサン、酢酸メチル、1,1−ジクロロエタン、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、クロロメトキシメタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエタン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、トリクロロメタン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、2,3−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、n−メチルプロピルアミン、3−メチルペンタン、1,1−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、メタノール、テトラヒドロフラン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ジフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1−プロパンチオール、クロロブロモメタン、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、ヘキサン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、3−ブロモプロペン、2,3−ジクロロ−1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2−フルオロエタン、1−ブロモプロパン、1,1−ジフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、メチルグリオキサール、1,1,2−トリクロロ−1,2−ジフルオロエタン、ヨードエタン、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1,2−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン、ペルフルオロメチルシクロヘキサン、テトラクロロメタン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、1−クロロブタン、エタノール、ブタノン、2,4−ジメチルペンタン、シクロヘキサン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、2−プロパノール、アセトニトリル、ペンタフルオロ−1−プロパノール、tert−ブタノール、ペルフルオロヘプタン、1,3−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロプロパン、1−メトキシ−2−メチルブタン、1,1−ジクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、シクロヘキサン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3,3−トリクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、2−ブタンチオール、1,2−ジメトキシエタン、1,1,1−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、3−メチル−2−ブタンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、トリクロロエタン、ジエトキシメタン、1,1−ジクロロプロパン、2−メチル−1−プロパンチオール、酢酸イソプロピル、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、2−ヨードプロパン、ジクロロブロモメタン、ジ−n−プロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、2,2−ジフルオロテトラクロロエタン、ジエチルスルフィド、1−エトキシブタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、1,3−ジクロロ−1,2,3−トリフルオロプロパン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、2−メチルブタナール、2−メトキシエタンアミン、1,2−ジクロロプロパン、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1,1,1−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、メチルシクロヘキサン、1−クロロ−4−フルオロブタン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1,2−トリクロロ−2−フルオロエタン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、1−ヨードプロパン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、1,1,3−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、トリメトキシメタン、2,2−ジクロロブタン、シス−1,3−ジクロロプロペン、n−ペンチルアミン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチルメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−2−ペンテン、ブロモトリクロロメタン、n−メチルヒドロキシルアミン、ペルフルオロオクタン、1,1,1,2−テトラクロロ−2−フルオロエタン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、1−ブロモ−2−クロロエタン、イソブタノール、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、酢酸sec−ブチル、トランス−1,3−ジクロロプロペン、2−フルオロトルエン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、3,3,3−トリクロロ−1−プロペン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、2,3−ジメチルヘキサン、1,1,1,2−テトラクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、塩化トリクロロアセチル、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2,3−ジクロロブタン、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,1,3,3−テトラクロロ−1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、ペルフルオロブタン酸、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3−トリフルオロプロパン、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、テトラクロロエテン、3−メチル−3−ペンタノール、1,2−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,1−ジエトキシプロパン、1,2,2−トリクロロプロパン、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジクロロブタン、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、ペルフルオロノナン、オクタン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、1,2,2,3−テトラクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1,2−ジクロロ−2−ブテン、1−ヨードブタン、ヘキサナール、1−エトキシ−2−プロパノール、1,2−ジブロモエタン、4−メチル−2−ペンタノール、クロロベンゼン、エチルシクロヘキサン、ブロモ酢酸メチルエステル、臭化ペルフルオロオクチル、1,1,2−トリクロロプロパン、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、2−クロロ−1−プロパノール、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、1,3−ジクロロブタン、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、ペンタクロロフルオロエタン、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ジメチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、n−エチルモルホリン、1−メチルピペラジン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ペンタノール、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、1,2−ジブロモプロパン、1,2,3−トリクロロプロペン、2−ヘプタンアミン、1,2,3−トリメチルシクロヘキサン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、ペルフルオロ−n−デカン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、3−フルフラール、2,6−ジメチルピリジン、1,1,3,3−テトラクロロ−1−フルオロプロパン、1,2−ジメチルベンゼン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,2,2,3−ペンタクロロ−3,3−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、1,2−ジクロロペンタン、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、2−アミノフェノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、ジメチルエタノールアミン、クロロ酢酸イソプロピル、n−ノナン、2−ヘプタノン、1−ヘキサンチオール、1,1,1,3,3−ペンタクロロ−2,2−ジフルオロプロパン、1,2−プロパンジチオール、ヘプタナール、
ジメチルホルムアミド、2,6−ジメチルピラジン、2−イソプロポキシエタノール、ジエチルジスルフィド、2−メチルピペラジン、1−メチルシクロヘキサノール、1−ブロモヘキサン、シクロヘキサノン、n,n−ジ−2−プロペニル−2−プロペン−1−アミン、ヘキサクロロエタン、1−ヘプタンアミン、2,3−ジメチルピラジン、酢酸2−エトキシエチル、1,2,3−トリクロロプロパン、3−ヒドロキシブタナール、1−ヘキサノール、2−(メチルアミノ)エタノール、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、1−クロロ−2−メチルベンゼン、2−ピリミジンアミン、2−ヘプタノール、2−メトキシ−3−メチルピラジン、ジブチルアミン、ペンタクロロエタン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、1,4−ジクロロ−トランス−2−ブテン、3−エトキシ−1−プロパノール、1,1,1,3,3−ペンタクロロ−3−フルオロプロパン、シクロヘキサノール、1,4−ジクロロブタン、3−メトキシ−1−ブタノール、フルフラール、3−クロロトルエン、ジグリム、1−クロロ−4−メチルベンゼン、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、3−メトキシプロパンニトリル、2,2−ジエトキシエタンアミン、1,3,5−トリメチルベンゼン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、n,n,n’,n’−テトラエチルメタンジアミン、2−クロロピリジン、ブロモシクロヘキサン、2,3−ヘプタンジオン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,3−ジブロモプロパン、2−メチルシクロヘキサノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,3−プロパンジチオール、チオフェノール、1,2,4−トリメチルベンゼン、エトキシベンゼン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−フランメタノール、2−ブトキシエタノール、エタノールアミン、アセト酢酸メチル、2−オクタノン、2−アミノプロパノール、1,4−ジクロロベンゼン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n−デカン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−クロロフェノール、2−アミノ−1−ブタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1−ヘプタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、ペルフルオロ−n−ドデカン、1,5−ペンタンジアミン、1−メチル−2−イソプロピルベンゼン、2−オクタノール、シクロヘプタノン、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、1,2−ジクロロベンゼン、1,1,1,2,2,3−ヘキサクロロ−3−フルオロプロパン、ベンジルメチルアミン、n,n−ジメチルベンジルアミン、マロン酸ジメチル、フェノール、ジヨードメタン、1−クロロオクタン、シクロヘキサンメタノール、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、1−クロロ−2,4−ジメチルベンゼン、2−(エチルチオ)エタノール、1−エトキシ−2−メチルベンゼン、アニリン、1−ブロモ−4−メチルベンゼン、2−エチル−1−ヘキサノール、tert−ブチルシクロヘキシルアミン、フタル酸ジヘキシル、1−フルオロデカン、2−クロロ−1,4−ジメチルベンゼン、プロピレングリコール、硫酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルプロパノールアミン、2−メチルフェノール、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、1−オクタノール、2−ブロモピリジン、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1,2−ブタンジオール、2−ブロモフェノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、m−トルエンチオール、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロ−3−フルオロプロパン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、2−プロピルシクロヘキサノン、1,4−ジブロモブタン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ジエテニルベンゼン、安息香酸メチル、1−オクタンチオール、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され得る。
【0095】
有利には、前記有機抽出剤は、1.2以上の分離係数S1,2及び0.4以上の吸収容量C2,Sを有し得、イソプロピルメチルアミン、エタンジアール、2−クロロ−2−メチルプロパン、2−プロパンチオール、2−エトキシプロパン、1−クロロ−2,2−ジフルオロプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、1,1−ジクロロエタン、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブロモプロパン、クロロメトキシメタン、ジフルオロジエチルシラン、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、tert−ブチルチオール、イソブタナール、テトラヒドロフラン、1−プロパンチオール、2−クロロブタン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、1−ブロモプロパン、メチルグリオキサール、2−エトキシ−2−メチルプロパン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、1−クロロ−3−フルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、1−ブチルアミン、酢酸エチル、1−クロロブタン、エタノール、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、2−プロパノール、アセトニトリル、tert−ブタノール、1−メトキシ−2−メチルブタン、シクロヘキセン、2,2−ジメトキシプロパン、2−クロロ−2−メチルブタン、1,2−ジクロロエタン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、2−ブタンチオール、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、1,1−ジクロロプロパン、2−メチル−1−プロパンチオール、酢酸イソプロピル、1,2−ジクロロ−2−フルオロプロパン、ジ−n−プロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、2−ブロモブタン、ジエチルスルフィド、1−エトキシブタン、1−フルオロヘキサン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、2−メチルブタナール、2−メトキシエタンアミン、1,2−ジクロロプロパン、プロパノール、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、3−クロロペンタン、トリクロロアセトアルデヒド、2−アリルオキシエタノール、ブタンチオール、塩化イソアミル、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、1−クロロ−4−フルオロブタン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、1−ブロモ−3−フルオロプロパン、ジオキサン、1−ブロモブタン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、2,2−ジクロロブタン、シス−1,3−ジクロロプロペン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、イソブタノール、2−ブロモ−2−メチルブタン、ジプロピルアミン、2−エトキシエタンアミン、トリエチルフルオロシラン、1−メチルシクロヘキセン、酢酸sec−ブチル、トランス−1,3−ジクロロプロペン、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−3−フルオロプロパン、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、ピリジン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、イソブチルtert−ブチルエーテル、2−ブロモペンタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、2,3−ジクロロブタン、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−ブロモ−3−メチルブタン、1,3−ジクロロ−トランス−2−ブテン、1,3−ジクロロプロパン、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、テトラヒドロチオフェン、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、1,2,2−トリクロロプロパン、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジクロロブタン、4,4,4−トリフルオロブタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、1−ペンタンチオール、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、3−フルオロプロパノール、5−ヘキセン−2−オン、2,3−ジクロロ−2−メチルブタン、1,1−ジエトキシ−n,n−ジメチルメタンアミン、2−メチルピリジン、1−ブロモペンタン、2−メトキシ−1−プロパノール、1,2−ジクロロ−2−ブテン、ヘキサナール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、ブロモ酢酸メチルエステル、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、1,3−ジクロロブタン、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ジメチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、n−エチルモルホリン、1−メチルピペラジン、1,4−ジメチルベンゼン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、2−ヘプタンアミン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、1−クロロ−3−ブロモプロパン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、3−フルフラール、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、スチレン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、1,2−ジクロロペンタン、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、ジメチルエタノールアミン、クロロ酢酸イソプロピル、2−ヘプタノン、1−ヘキサンチオール、1,2−プロパンジチオール、ヘプタナール、ジメチルホルムアミド、2,6−ジメチルピラジン、2−イソプロポキシエタノール、ジエチルジスルフィド、2−メチルピペラジン、1−メチルシクロヘキサノール、1−ブロモヘキサン、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、2,3−ジメチルピラジン、酢酸2−エトキシエチル、3−ヒドロキシブタナール、1−ヘキサノール、2−(メチルアミノ)エタノール、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−ピリミジンアミン、2−ヘプタノール、2−メトキシ−3−ジメチルピラジン、ジブチルアミン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、1,4−ジクロロ−トランス−2−ブテン、3−エトキシ−1−プロパノール、シクロヘキサノール、1,4−ジクロロブタン、3−メトキシ−1−ブタノール、フルフラール、ジグリム、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、3−メトキシプロパンニトリル、2,2−ジエトキシエタンアミン、1,3,5−トリメチルベンゼン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2−クロロピリジン、ブロモシクロヘキサン、2,3−ヘプタンジオン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,3−ジブロモプロパン、2−メチルシクロヘキサノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,3−プロパンジチオール、エトキシベンゼン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−フランメタノール、2−ブトキシエタノール、アセト酢酸メチル、2−オクタノン、2−アミノプロパノール、1,4−ジクロロベンゼン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−クロロフェノール、2−アミノ−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、2−オクタノール、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、マロン酸ジメチル、1−クロロオクタン、シクロヘキサンメタノール、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、2−(エチルチオ)エタノール、1−エトキシ−2−メチルベンゼン、アニリン、2−エチル−1−ヘキサノール、tert−ブチルシクロヘキシルアミン、フタル酸ジヘキシル、1−フルオロデカン、2−クロロ−1,4−ジメチルベンゼン、硫酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルプロパノールアミン、2−メチルフェノール、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、1−オクタノール、2−ブロモピリジン、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1,2−ブタンジオール、2−ブロモフェノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、2−プロピルシクロヘキサノン、1,4−ジブロモブタン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ジエテニルベンゼン、安息香酸メチル、1−オクタンチオール、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され得る。
【0096】
好ましくは、前記有機抽出剤は、1.4以上の分離係数S1,2及び0.6以上の吸収容量C2,Sを有し得、イソプロピルメチルアミン、2−エトキシプロパン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、イソブタナール、テトラヒドロフラン、ギ酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、メチルグリオキサール、2−エトキシ−2−メチルプロパン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、2−エトキシブタン、2−プロパノール、tert−ブタノール、1−メトキシ−2−メチルブタン、2,2−ジメトキシプロパン、1−エトキシ−2−メチルプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、ジ−n−プロピルエーテル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−エトキシブタン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メチルブタナール、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、プロピオニトリル、2−アリルオキシエタノール、1−メトキシペンタン、プロピオン酸エチル、2−ブタノール、1,2−ジメトキシプロパン、イソプロピルイソブチルエーテル、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、イソブタノール、ジプロピルアミン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,3,5−トリオキサン、ピリジン、n−メチルモルホリン、3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジアミノエタン、ブチロニトリル、1−ブタノール、sec−ブチルtert−ブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、1,1−ジエトキシプロパン、2−メトキシエタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−クロロ−1,1−ジメトキシエタン、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、5−ヘキセン−2−オン、2−メチルピリジン、2−メトキシ−1−プロパノール、ヘキサナール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、3−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ジメチルピラジン、2−エトキシ−1−プロパノール、1−ペンタノール、n−エチルモルホリン、1−メチルピペラジン、1,3−プロパンジアミン、ジ−n−ブチルエーテル、バレロニトリル、(メチレンアミノ)アセトニトリル、2−ヘプタンアミン、2,3−ジメチルブタノール、1−エトキシヘキサン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、3−フルフラール、2,6−ジメチルピリジン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、ジメチルエタノールアミン、クロロ酢酸イソプロピル、2−ヘプタノン、ヘプタナール、ジメチルホルムアミド、2,6−ジメチルピラジン、2−イソプロポキシエタノール、2−メチルピペラジン、1−メチルシクロヘキサノール、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、2,3−ジメチルピラジン、酢酸2−エトキシエチル、1−ヘキサノール、2−(メチルアミノ)エタノール、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−ヘプタノール、2−メトキシ−3−ジメチルピラジン、ジブチルアミン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、シクロヘキサノール、3−メトキシ−1−ブタノール、フルフラール、ジグリム、2−(ジエチルアミノ)エタノール、3−メトキシプロパンニトリル、2,2−ジエトキシエタンアミン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2,3−ヘプタンジオン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、アセト酢酸メチル、2−オクタノン、2−アミノプロパノール、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−アミノ−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、2−オクタノール、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、マロン酸ジメチル、シクロヘキサンメタノール、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、2−(エチルチオ)エタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、tert−ブチルシクロヘキシルアミン、フタル酸ジヘキシル、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、1−オクタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−プロピルシクロヘキサノン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され得る。
【0097】
特に、前記有機抽出剤は、1.6以上の分離係数S1,2及び0.8以上の吸収容量C2,Sを有し得、イソプロピルメチルアミン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、テトラヒドロフラン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、tert−ブタノール、2,2−ジメトキシプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、2−アリルオキシエタノール、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、3−ペンタノール、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1,2−オクタンジオール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、ジメチルエタノールアミン、2−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、2−メチルピペラジン、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、酢酸2−エトキシエチル、2−(メチルアミノ)エタノール、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−ヘプタノール、2−メトキシ−3−ジメチルピラジン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、シクロヘキサノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジグリム、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2,2−ジエトキシエタンアミン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2−(エチルアミノ)エタノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−オクタノン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−アミノ−1−ブタノール、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、マロン酸ジメチル、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、フタル酸ジヘキシル、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−プロピルシクロヘキサノン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され得る。
【0098】
より具体的に、前記有機抽出剤は、1.6以上の分離係数S1,2及び1.0以上の吸収容量C2,Sを有し得、イソプロピルメチルアミン、メチルt−ブチルエーテル、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、2−ブタンアミン、n−メチルプロピルアミン、テトラヒドロフラン、1−ブチルアミン、酢酸エチル、ブタノン、ギ酸n−プロピル、−ジメトキシプロパン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメトキシエタン、3−メチル−2−ブタンアミン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、3−ペンチルアミン、n−メチルブチルアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、2−メトキシエタンアミン、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジメトキシプロパン、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、2−メトキシ−1−プロパンアミン、トリメトキシメタン、n−ペンチルアミン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、2−エトキシエタンアミン、酢酸sec−ブチル、n−メチル−1,2−エタンジアミン、2,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−エチルブチルアミン、ジエチルカーボネート、酢酸n−ブチル、2−ヘキサノン、n−エチルエチレンジアミン、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ヘキサンアミン、ヘキシルアミン、メトキシシクロヘキサン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、シクロヘキシルアミン、n−エチル−2−ジメチルアミノエチルアミン、エトキシエタノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−メチルピペラジン、1,3−プロパンジアミン、2−ヘプタンアミン、n,n−ジエチルエチレンジアミン、4−メチル−2−ヘキサノン、1,1,1−トリエトキシエタン、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、4−メチルピリジン、n,n’−ジエチル−1,2−エタンジアミン、2,6−ジメチルモルホリン、ヘキサン酸メチル、2−プロポキシエタノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−ヘプタノン、ジメチルホルムアミド、2−イソプロポキシエタノール、2−メチルピペラジン、シクロヘキサノン、1−ヘプタンアミン、酢酸2−エトキシエチル、1,4−ブタンジアミン、2,4−ジメチルピリジン、2−メトキシ−3−ジメチルピラジン、4−メトキシ−4−メチルペンタン−2−オン、3−エトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、ジグリム、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2,2−ジエトキシエタンアミン、2−メトキシ−n−(2−メトキシエチル)エタンアミン、2−(エチルアミノ)エタノール、3−オクタノン、ジアセトンアルコール、ジエチルアミノプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−オクタノン、ヘプタン酸メチル、トリエチレンジアミン、n,n−ジメチルプロパンアミド、2−プロピル−1−メトキシプロパン酸、1,5−ペンタンジアミン、シクロヘプタノン、3,4−ジメチルピリジン、1−オクタンアミン、ベンジルメチルアミン、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン、フタル酸ジヘキシル、ジエチルプロパノールアミン、酢酸2−ブトキシエチル、ジエチルスルホキシド、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、4−メチルベンゼンメタンアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2−プロピルシクロヘキサノン、トリメチルホスフェート、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル及び2−メトキシピリミジンからなる群より選択され得る。
【0099】
優先的には、前記有機抽出剤は、ジエチルアミン、プロパノン、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ブタノン、ジエトキシメタン、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル、ジオキサン、3−ペンタノン、1,1−ジエトキシエタン、2−ペンタノン、n−ペンチルアミン、1,3−ジオキサン、酢酸sec−ブチル、1,2−ジアミノエタン、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸n−ブチル及び1−エトキシ−2−プロパノールからなる群より選択される。
【0100】
前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む共沸又は共沸様組成物であり得る。
【0101】
前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも2種又は全種の化合物とを含む共沸又は共沸様組成物であり得る。第1の共沸又は共沸様組成物中の各化合物の含有量は、上記の通りである。
【0102】
特に、前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含む共沸又は共沸様組成物であり得る。この特定の組成物中の各化合物の含有量は、各化合物の個々の含有量に関して上に示した通りである。前記共沸又は共沸様組成物は、所与の温度及び所与の圧力で得られる。好ましくは、前記共沸又は共沸様組成物は、全組成に対して45mol%〜65mol%の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と35mol%〜55mol%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含み得る。したがって、第2の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)と、該バイナリーカップル(binary couple)の第2の化合物である1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)を用いて分離係数及び吸収容量が計算される場合、上で定義した前記有機抽出剤とを含み得る。
【0103】
特定の実施態様によれば、前記第1の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)とE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)とを含む共沸又は共沸様組成物であり得る。この特定の組成物中の各化合物の含有量は、各化合物の個々の含有量に関して上に示した通りである。したがって、第2の組成物は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zdE)と、1.1以上、有利には1.2以上、好ましくは1.4以上、さらに優先的には1.6以上、特に1.8以上、より具体的には2.0以上の分離係数S1,2を好ましくは有する前記有機抽出剤とを含んでもよく;かつ/又は前記有機抽出剤は、0.20以上、有利には0.40以上、好ましくは0.60以上、さらに優先的には0.80以上、特に1.0以上、より具体的には1.4以上、優先的には1.6以上の吸収容量C2,Sを有してもよい。前記有機抽出剤は、バイナリーカップルの第2の化合物であるE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zdE)を用いて分離係数及び吸収容量が計算される場合、上で定義した通りであり得る。
【0104】
好ましい実施態様によれば、有機抽出剤と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物とを含む前記第3の組成物は、蒸留に供されて、有機抽出剤と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物とに分離される。E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物は、焼却炉又はそれらの化合物の1種を精製するための装置に送られ得る。
【0105】
特定の実施態様によれば、本発明の方法の工程b)で分離された2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れは、リサイクルされ、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法において使用される。これは、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンがフッ素化によって2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを形成することができるため、本方法の全体的な効率を改善することを可能にする。好ましくは、本実施態様において、微量の有機抽出剤が2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れ中に存在する。好ましくは、有機抽出剤は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法において使用される触媒の不活性化を防ぐか又は最小限にするように選択される。
【0106】
したがって、本発明の方法は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製することを可能にする。有利には、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む、本発明の精製方法の工程b)から得られた流れ中の、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、前記第1の組成物中の含有量に満たない。例えば、いずれか1種の化合物の含有量を、50%、有利には75%、好ましくは90%、特に95%、より具体的には98%減らすことができる。含有量は、重量パーセントで表される。好ましくは、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む、本精製方法の工程b)で得られた流れは、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物が前記第1の組成物中に存在する場合、これ又はこれらを含まなくてよい。用語「含まない」とは、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れが、対象としている化合物を該流れの総重量に基づいて50ppm未満、有利には20ppm未満、好ましくは10ppm未満含むことを意味する。
【0107】
好ましい実施態様によれば、本発明の方法の工程a)で用いられる前記第1の組成物は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための方法の実施中に、ループのパージから得られる。反応ループ又はその一部のパージは、例えば2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンがフッ素化又は脱フッ化水素化反応により得られる場合、それを精製するための本発明の方法において使用する前に、予め精製しておくことができる。この場合、反応ループ又はその一部のパージは、HF、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むであろう。したがって、本発明の方法は、工程a)の前に、以下の工程:
i) 前記液体組成物を低温分離して、第1のHFリッチ相と、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する第2の有機相とを形成する工程;
ii) 前記第2の有機相の蒸留を行い、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)と1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)とを含有する第1の流れを、有利には蒸留塔の上部で形成し、回収する工程と、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第2の流れを、有利には蒸留塔の底部で形成し、回収する工程;
iii’) 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)を精製するための本発明の方法の工程a)で使用される前記第1の組成物に対応する前記第2の流れの回収
を含んでもよい。
【0108】
工程ii’)で形成され、回収された、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)と1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)とを含有する第1の流れは、反応ループへリサイクル、すなわち下記の工程A)へリサイクルされ得る。
【0109】
工程ii’)で回収された第2の流れが重質不純物を含有する場合、それを蒸留により任意選択的に除去してもよい。この場合、重質不純物は、蒸留塔の底部で回収され、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)を精製するための本発明の方法の工程a)で使用される前記第1の組成物に対応する第2の流れは、蒸留塔の上部で回収される。重質不純物は、その後焼却してもよい。
【0110】
第2の態様によれば、本発明は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法を提供する。さらに、本方法は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造のためのフッ素化反応において2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをリサイクルするために、その精製も含み得る。したがって、本発明は、以下の工程:
A) 反応器内、触媒の存在下での、式CX(Y)−CX(Y)−CHXY (I)(式中、X及びYは独立に、H、F又はClを表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化;及び/又は触媒の存在下での、式(CX3−n)CH1−pCH2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) 1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
C) 工程B)で回収された流れの蒸留と、蒸留塔上部での1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンを含む流れ、並びに、蒸留塔底部での2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
D) 工程C)で回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを使用し、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための本発明による方法を実施する工程;並びに
E) 工程D)で実施された精製方法の工程b)で形成され回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れを工程A)へリサイクルする工程
を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法を提供する。
【0111】
工程C)で回収された1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンを含む流れは、工程A)へリサイクルすることができる。
【0112】
したがって、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法は、以下の工程:
A) 反応器内、触媒の存在下での、式CX(Y)−CX(Y)−CHXY (I)(式中、X及びYは独立に、H、F又はClを表し、m=0又は1である)の化合物のフッ素化;及び/又は触媒の存在下での、式(CX3−n)CH1−pCH2−m (II)(式中、Xは、互いに独立にCl、F、I又はBrであり、Yは、互いに独立にH、Cl、F、I又はBrであり;nは、1、2又は3であり;mは、0、1又は2であり;pは、0又は1である)の化合物のフッ素化;
B) 1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
C) 工程B)で回収された流れの蒸留と、蒸留塔上部での1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンを含む流れ、並びに、蒸留塔底部での2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れの回収;
D) 工程C)で回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを使用し、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを精製するための本発明による方法を実施する工程であって、以下の工程を含む、工程:
a) 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れを少なくとも1種の有機抽出剤と接触させ、第2の組成物を形成する工程;
b) 前記第2の組成物の抽出蒸留を行って、
i) 前記有機抽出剤と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物とを含む第3の組成物、
ii) 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れ
を形成する工程;
c) 前記有機抽出剤を含む流れと、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れとを含む前記第3の組成物を回収及び分離する工程;
E) 工程D)で実施された精製方法の工程b)で形成され回収された、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む流れを工程A)へリサイクルする工程
を含む。
【0113】
好ましくは、工程c)で分離された有機抽出剤は、工程a)へリサイクルされる。
【0114】
好ましくは、工程c)で分離された、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物を含む流れは、焼却するか又はその1種以上の成分を精製するために、回収される。
【0115】
好ましい実施態様によれば、工程B)で回収された流れは、HFと1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)も含み、工程C)の蒸留を行う前に、以下の工程:
i) 前記流れを低温分離して、第1のHFリッチ相と、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する第2の有機相とを形成する工程;
ii) 前記第2の有機相の蒸留を行い、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)と1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)とを含有する第1の流れを、有利には蒸留塔の上部で形成し、回収する工程と、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む第2の流れを、有利には蒸留塔の底部で形成し、回収する工程;
iii’) 前記第2の流れの回収と、それを使用する工程D)の実施
に従って処理される。
【0116】
工程ii’)で形成され回収された、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)と1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)とを含有する第1の流れは、工程A)へリサイクルされ得る。
【0117】
より具体的には、工程A)は、1,1,2,3−テトラクロロプロペン、2,3,3,3−テトラクロロプロペン、1,1,3,3−テトラクロロプロペン、1,3,3,3−テトラクロロプロペン、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタクロロプロパン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンから開始して、好ましくは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン、1,1,2,3−テトラクロロプロペン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン及び/又は2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンから開始して、特に1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(240db)から開始して実施される。
【0118】
図1aは、本発明の特定の実施態様による2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の精製方法を実施するための装置を概略的に表す。HFと、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)と、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)と、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物が1で提供される。この組成物は、1種以上の重質不純物も含み得る。この組成物は、2で冷却され、HFを含む上相、並びに、1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)と、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)と、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、重質不純物とを含む下側の有機相を形成する。HFを含む上相は、3へ、すなわち触媒フッ素化反応器へリサイクルされるが、下側の有機相は、パイプ4を通って蒸留塔5に移される。5で実施される蒸留は、蒸留塔上部での1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)と1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)とを含む流れのパイプ7経由の回収を可能にし、これらは3へ、すなわち触媒フッ素化反応器へリサイクルすることができる。蒸留塔5の底部で回収された流れは、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、重質不純物とを含む。この流れは、重質不純物を除去するために、パイプ8を通って蒸留塔6へ運ばれる。このような不純物は、蒸留塔6の底部で回収され、パイプ10を通って装置11に運ばれる。装置11は、焼却炉、熱酸化装置又は精製装置であってもよい。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む流れは、蒸留塔6の上部で回収され、パイプ9を通って抽出蒸留塔12へ運ばれる。この蒸留塔12は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)を精製することを可能にし、これは、蒸留塔の上部で回収され、パイプ13を通って3へ、すなわち触媒フッ素化反応器へリサイクルされる。抽出蒸留塔12には、パイプ17を通って有機抽出剤19が供給される。前記有機抽出剤、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物は、抽出蒸留塔12の底部で回収され、パイプ14を通って蒸留塔15へ移され、分離される。有機抽出剤は、蒸留塔15の底部で回収され、パイプ17を通って抽出蒸留装置12へリサイクルされる。E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物は、パイプ16を通って抽出蒸留装置11へ移される。
【0119】
図1bは、重質不純物を全く含まない組成物からの2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の精製方法を実施するための装置を概略的に表す。この特定のケースでは、蒸留塔5の底部で回収された流れは、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含む。この流れはその後、パイプ8を通って抽出蒸留塔12へ直接運ばれる。
【0120】
2で回収された下側の有機相が2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含むが1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)及び1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)を含まない場合は、下側の有機相は、図1cに示すように、パイプ4を通って抽出蒸留塔12へ運ばれる。
【0121】
1に運ばれた組成物が2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを本質的に含む場合、前記組成物は、有機抽出剤19の存在下、図1dに示すように、直接抽出蒸留に供され得る。このようにして、組成物は、抽出蒸留塔12に移され、蒸留塔12の上部で2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)を分離回収し、パイプ13を通って3へリサイクルされる。有機抽出剤19、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される前記少なくとも1種の化合物は、図1aに関連して説明したように処理される。
【0122】
図2は、本発明の特定の実施態様に従って2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を実施するための装置を概略的に示す。フッ化水素酸21を、反応器23内で1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(240db)22と接触させる。HF、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、HCl、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、並びに、E−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(236fa)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む流れは、反応器出口で回収され、蒸留塔25へ運ばれる。この流れはまた、重質不純物、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(245cb)、及び1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(1234ze)も含み得る。HClと2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを含む流れは、蒸留塔の上部で回収され、パイプ26を通って、例えば蒸留塔など、HClと2,3,3,3−テトラフルオロプロペンとを分離することができる精製装置28に運ばれる。蒸留塔の底部で得られた流れの一部、好ましくは蒸留塔の底部で得られた流れの総重量に対して50重量%未満が、パイプ27を通って、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233xf)を精製するための装置29へ運ばれる。精製装置29は、図1a〜1dに示した装置のいずれであってもよい。
【0123】
2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための本発明の方法で使用される触媒は、例えば遷移金属酸化物又はそのような金属の誘導体、ハロゲン化物若しくはオキシハロゲン化物を含む金属ベースとするものであってもよい。例えば、FeCl、オキシフッ化クロム、酸化クロム(任意選択的にフッ素化処理を施す)及びフッ化クロム、並びにこれらの混合物を挙げることができる。他の可能な触媒は、炭素担持触媒、アンチモン系触媒及びアルミニウム系触媒(例えばAlF及びAl、オキシフッ化アルミニウム及びフッ化アルミニウム)である。
【0124】
一般に、オキシフッ化クロム、フッ化アルミニウム又はオキシフッ化アルミニウム又は、任意選択的に、Cr、Ni、Fe、Zn、Ti、V、Zr、Mo、Ge、Sn、Pb、Mg若しくはSbなどの金属を含有する担持触媒を使用することができる。
【0125】
この点に関して、参照が明示的になされている国際公開第2007/079431号(第7頁、第1〜5行及び第28〜32行)及びEP第939071号(第0022段落)、国際公開第2008/054781号(第9頁、第22行〜第10頁、第34行)及び国際公開第2008/040969号(請求項1)を参照することができる。
【0126】
触媒は、さらに特に好ましくはクロム系であり、より具体的にはクロムを含む混合触媒である。
【0127】
一実施態様によれば、クロムとニッケルとを含む混合触媒が使用される。Cr/Niのモル比(金属元素に基づく)は通常、0.5〜5、例えば0.7〜2、例えば約1である。触媒は、0.5重量%〜20重量%のニッケルを含有し得る。
【0128】
金属は、金属形態で、又は、例えば酸化、ハロゲン化若しくはオキシハロゲン化誘導体といった誘導体の形態で存在してもよい。このような誘導体は好ましくは、触媒金属の活性化により得られる。
【0129】
担体は、アルミニウム、例えばアルミナ、活性化アルミナ若しくは、例えば米国特許第4902838号に記載されている、ハロゲン化アルミニウム及びオキシハロゲン化アルミニウムなどのアルミニウム誘導体で、好ましくは構成されるか又は上述の活性化方法により得られる。
【0130】
触媒は、任意選択的に活性化に供された、活性化又は非活性化形態のクロム及びニッケルを担体上に含むことができる。
【0131】
本明細書において参照が明示的になされている、国際公開第2009/118628号(特に第4頁、第30行〜第7頁、第16行)を参照することができる。
【0132】
別の好ましい実施態様は、クロムと、Mg及びZnから選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する混合触媒に基づいている。Mg又はZn/Crの原子比率は、好ましくは0.01〜5である。
【0133】
触媒は好ましくは、使用前に空気、酸素若しくは塩素で、及び/又はHFで活性化される。
【0134】
好ましくは、触媒は、100〜500℃、好ましくは250〜500℃、より具体的には300〜400℃の温度で空気又は酸素及びHFで活性化される。活性化時間は、好ましくは1〜200時間、より具体的には1〜50時間である。
【0135】
このような活性化に、酸化剤、HF及び有機化合物の存在下での最終フッ素化活性化工程が続いてもよい。
【0136】
HF/有機化合物モル比は、好ましくは2〜40であり、酸化剤/有機化合物モル比は、好ましくは0.04〜25である。最終活性化の温度は、好ましくは300〜400℃であり、その継続時間は、好ましくは6〜100時間である。
【0137】
気相フッ素化反応を、
- 3:1〜150:1、好ましくは4:1〜125:1、さらに特に好ましくは5:1〜100:1のHF/式(I)及び/又は(II)の化合物モル比で;
- 3〜100秒、好ましくは4〜75秒、より具体的には5〜50秒の接触時間(触媒の体積を流入流全体で除し、運転温度及び圧力に合せて調整したもの)で;
- 大気圧〜20bar、好ましくは2〜18bar、より具体的には3〜15barの範囲の圧力で;
- 200〜450℃、好ましくは250〜400℃、より具体的には280〜380℃の温度(触媒床の温度)で
実施することができる。
【0138】
反応工程の継続時間は、典型的には10〜8000時間、好ましくは50〜5000時間、さらに特に好ましくは70〜1000時間である。
【0139】
酸化剤、好ましくは酸素は、フッ素化反応中に任意選択的に添加されてもよい。酸素/有機化合物モル比は、0.005〜2、好ましくは0.01〜1.5であり得る。酸素は、純粋な形態で、又は空気若しくは酸素/窒素混合物の形態で導入してもよい。酸素はまた、塩素で置き換えてもよい。
【0140】
有機抽出剤の選択方法
有機抽出剤の選択は、Cosmothermソフトウェアに実装されたCosmo−RSモデルを用いて決定される。この選択されたバイナリーカップルに対して、以下の式によって、試験した各溶媒について、分離係数が計算される。
1,2=(γ1,SP1)/(γ2,SP2)(式中、
γ1,Sは、対象としている有機抽出剤中の第1の化合物1の無限希釈の活性係数を表し、
P1は、第1の化合物1の飽和蒸気圧を表し、
γ2,Sは、対象としている有機抽出剤中のバイナリーカップルの第2の化合物2の無限希釈の活量係数を表し、
P2は、第2の化合物2の飽和蒸気圧を表す。)
【0141】
吸収容量は、各試験溶媒及び対象としているバイナリーカップル(1,2)ついても計算される。吸収容量は、式C2,S=1/(γ2,S)(式中、γ2,Sは、試験した前記有機抽出剤中の対象としているバイナリーカップルの第2の化合物の無限希釈の活量係数を表す)によって計算される。
【0142】
試験有機抽出剤ごとに計算を繰り返す。対象としているバイナリーカップル(1,2)の第1の化合物と第2の化合物との間の十分な分離を可能にするために、最小分離係数及び吸収容量値が特定される。25℃の温度での飽和蒸気圧が念頭に置かれている。
【実施例】
【0143】
実施例1
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)との間の分離が対象とされる。Cosmo−RSモデルにより得られる情報に基づいて、以下の表1に示す溶媒を、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)とを含む混合物の抽出蒸留について試験した。
表1−有機抽出剤の吸収容量及び分離係数
【0144】
実施例2
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)とE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)との間の分離が対象とされる。Cosmo−RSモデルにより得られる情報に基づいて、以下の表2に示す溶媒を、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)とE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)とを含む第1の組成物の抽出蒸留について試験した。
表2−有機抽出剤の吸収容量及び分離係数
【0145】
実施例3
一方の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)と、もう一方のE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)との間の分離が対象とされる。Cosmo−RSモデルにより得られる情報に基づいて、以下の表3に示す溶媒を、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)及びE−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(1233zdE)を含む第1の組成物の抽出蒸留について試験した。
表3−有機抽出剤の吸収容量及び分離係数
【0146】
これらの結果は、組成物の総重量に対して60重量%〜90重量%の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)、5重量%〜25重量%の1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd)、及び5重量%〜15重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(245fa)を含む混合物を使用して確認された。組成物の残りは、試験有機抽出剤によって形成される。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
【国際調査報告】