特表2019-500571(P2019-500571A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-500571(P2019-500571A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(54)【発明の名称】自然回転対流方式暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 13/02 20060101AFI20181207BHJP
   F24H 9/20 20060101ALI20181207BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20181207BHJP
   H05B 3/44 20060101ALI20181207BHJP
【FI】
   F24D13/02
   F24H9/20 Z
   H05B3/00 310D
   H05B3/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-551732(P2018-551732)
(86)(22)【出願日】2016年11月18日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月15日
(86)【国際出願番号】KR2016013307
(87)【国際公開番号】WO2017104985
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】10-2015-0181152
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】518213857
【氏名又は名称】カン、 ビョン ホ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】カン、 ビョン ホ
【テーマコード(参考)】
3K058
3K092
3L072
【Fターム(参考)】
3K058AA71
3K058BA01
3K058CB13
3K058CE12
3K058CE16
3K092PP06
3K092QA01
3K092QB02
3K092QB14
3K092RA03
3K092RB11
3K092RB13
3K092RC06
3K092RC07
3K092UA04
3K092VV40
3L072AA04
3L072AB10
3L072AC02
3L072AD13
3L072AE03
3L072AE07
3L072AF01
3L072AG01
(57)【要約】
簡素な構造を介して、床や天井など位置による温度偏差がほとんどない室内暖房を実現し、施工が容易であり、維持管理が容易であり、優秀な熱効率性及び使用便宜性を提供する自然回転対流方式暖房システムに係り、多数のブラケット(110)を、一定間隔で縦に配置して形成し、建築物内壁に近接するように、建築物床面に一定間隔に設ける設置柱(100)と、建築物の内壁に沿ってつながっていくように配置されるように、各ブラケット(110)に据え置いて設ける発熱体(200)と、発熱体(200)に電源を印加し、発熱体(200)の発熱動作を制御するメイン制御部(300)と、を含んで構成することが特徴である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のブラケット(110)を、一定間隔で縦に配置して形成し、建築物内壁に近接するように、建築物床面に一定間隔に設ける設置柱(100)と、
建築物の内壁に沿ってつながっていくように配置されるように、前記ブラケット(110)の各々に据え置いて設ける発熱体(200)と、
前記発熱体(200)に電源を印加し、発熱体(200)の発熱動作を制御するメイン制御部(300)と、によって構成され、
前記発熱体(200)によって暖められた空気は、発熱体上部に上昇し、周辺の冷たい空気は、発熱体下部に流入しながら自然回転対流現象が具現され、建築物内部の暖房がなされることを特徴とする自然回転対流方式暖房システム。
【請求項2】
前記発熱体(200)は、両端部が閉塞され、内部が真空状態を維持する配管(210)と、
前記配管(210)の内部に収容され、電気の導通によって発熱する発熱線(220)と、
前記発熱線(220)に電気導通がなされるように連結される電線(230)と、
前記電線(230)に連結されて電源を供給する連結線(240)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の自然回転対流方式暖房システム。
【請求項3】
前記メイン制御部(300)は、外部電源から電源を供給され、前記発熱体(200)に電気を供給する電源供給部(310)と、
前記発熱体(200)の発熱による暖房温度を設定する温度調節部(320)と、
前記発熱体(200)の発熱による暖房時間を設定する時間調節部(330)と、
前記温度調節部(320)で設定された温度と、前記時間調節部(330)で設定された時間と、を表示するディスプレイ(340)と、
前記電源供給部(310)の温度と、建築物内部温度とをそれぞれ検出するセンサ部(351,352)と、
前記温度調節部(320)、時間調節部(330)及びセンサ部(351,352)で提供される信号により、前記電源供給部(310)を介して行われる電気供給を制御するマイコン(360)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の自然回転対流方式暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然回転対流方式暖房システムに係り、さらに詳細には、電気発熱体を利用して、空気が対流するとき、空間を回転するように方向性を誘導する自然回転対流方式で、建築物の室内暖房がなされるようにすることにより、室内空間の上下はもとより、位置による温度偏差をほとんどなくし、熱気の強制循環装置や、上下温度偏差を減らすための別途の空調装置が必要ない簡素した構造を介して施工が容易であり、維持管理が容易であり、優秀な熱効率性及び使用便宜性を提供することができる自然回転対流方式暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
「オンドル」は、部屋床を暖かくする韓国の伝統的な家屋暖房方法であり、部屋クドゥルとも言う。すなわち、韓国の代表的な伝統住宅の形態である韓屋は、焚口で火をつけ、焚口で生成された熱気を含んだ熱い煙が、部屋床に敷かれたオンドル石の下を通りながら暖房され、その煙は、オンドル石端の煙突に抜ける方式で暖房がなされたが、かような暖房方式がまさにオンドル暖房である。
【0003】
前述のようなオンドル暖房方式は、焚口から直接的な熱源を除去した後にも、オンドル石の熱気が比較的長期間持続するという長所がある一方、クドゥル(部屋床)が割れたり壊れたりすれば、煙が室内に流入し、一酸化炭素中毒を起こすことがあり、就寝前に火をつけ、その残留温気で一夜を過ごすためには、必要以上過量に熱を加えなければならないという不都合があり、オンドルの構造上、焚口近くと焚口から遠目とにおいて温度差が発生するという短所があった。特に、オンドルは、就寝などのために、身体と触れる床面暖房に重点を置きながら、空気暖房効率は落ち、火鉢などを併用したりした。
【0004】
かような伝統式オンドル暖房方式を改善するための温水ボイラーが開発されながら、近代化後、ほとんどのアパートや住宅のような建築物は、焚口及びオンドル石を代替し、コイル式パイプを部屋床に埋め込み、ボイラーによって加熱された温水を部屋床に埋め込んだパイプ内に循環させて暖房を行う温水オンドル暖房方式が現在まで使用されている。
【0005】
一方、都心のアパートや一般住宅のような建築物の場合には、オンドル暖房のために温水を加熱するボイラーの燃料である練炭、石油やガスなどの供給が円滑である一方、山間奥地や島嶼地域などは、ボイラーの燃料になる石油やガスの供給が円滑ではないために、いまだに焚口を利用する伝統式オンドル暖房が頻繁に施工されている実情である。
【0006】
しかし、伝統式オンドル暖房の場合にも、暖房用燃料として主に使用される木が、自然保護による各種規制により、過去のように低廉に求めることができず、暖房用燃料の供給が円滑ではないという問題点があった。
【0007】
また、住宅、アパート、商業建物のような一般建築物だけではなく、畜舎や温室、ビニールハウス、工場のような多様な建築物で暖房を必要とする場合が多いが、かような住宅外建築物の場合には、規模、構造的特性及び環境的要因により、オンドル暖房施工時、大規模工事費が発生するだけでなく、工事期間が長くなるという問題点により、住宅外建築物の暖房には、主に対流型暖房機が使用される。
【0008】
液体と気体とを加熱すれば、加熱された物質は、軽くなって上に上がり、冷たい物質は下に下りながら、全体温度が上がることになるが、かように物質が直接移動しながら熱が移動することを対流と言う。
【0009】
一方、加熱によって生じた密度差により、流体移動が自然になされて熱が伝達されるとき、それを自然対流と言い、温風機などによって強制的に流体を移動させて熱を伝達することを強制対流と言うが、住宅外建築物の場合には、主に、温風機などを利用した強制対流方式で暖房がなされている実情である。
【0010】
前述のような強制対流方式の暖房がなされる最も代表的な例がビニールハウス暖房であるが、その代表的な従来技術について述べれば、次の通りである。
【0011】
韓国登録実用新案公報第20−0233821号には、添付図面の図8のように、ケース内部の一側空間部に電熱線を形成し、他側空間部に送風機を形成し、ビニールトンネル内の温度を感知する温度センサと、温度設定のための温度調節スイッチからなる制御装置と、により、前述の電熱線及び送風機が作動するように構成し、送風機によるトンネル内空気循環と、電熱線による空気加熱とにより、トンネル内床の暖房がなされる構成を特徴とするビニールハウストンネル床内暖房装置が掲載されている。
【0012】
他の例として、韓国登録実用新案公報第20−0264833号には、添付図面の図9のように、温水循環装置を介して温水を循環させ、室内を暖房するボイラーにおいて、前記ボイラーと連結された給水管と配水管との内部に充填された熱媒体が、循環ポンプによって複層に形成された多数個の熱供給器に循環されると共に放射される高熱は、高速で回転する換気ファンにより、ビニールハウス内部に供給される手段;及び内筒と外筒とからなる前記ボイラー内部に、数本のパイプ;を形成し、熱媒体である食用油が充填と加熱とを反復しながら、循環ポンプによって循環されるように構成することを特徴としたビニールハウス用暖房装置が掲載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述のような従来技術の暖房装置は、強制対流過程にもかかわらず、人為的に供給される熱気が、自然対流現象によって上方へ上昇し、天井部分から蓄積されながら、床と天井との温度偏差が大きくなる。そのために、上下空気も人為的に混ぜるために、撹拌機など別途の追加装置を介して、上下空気を強制対流させて温度偏差を減らしている。
【0014】
また、室内に人為的に供給される熱風により、室内暖房がなされることにより、暖房時間が持続されることにより、酸素密度が低くなり、それにより、室内空気が濁ってしまうという問題点がある。
【0015】
また、空気が濁った室内に、新鮮な外部空気を供給するためには、換気を頻繁に行わなければならないが、室内空気を暖める方式で暖房がなされた状態で、換気のために外部空気を室内に供給すれば、熱風供給によって暖められた室内空気が早く冷却されることにより、暖房効率性が落ち、それにより、熱風供給のためのボイラーなどの稼動時間をさらに長くしなければならないために、それによる燃料コストやエネルギー使用コストの増大による経済的負担が加重されるという問題点もあった。
【0016】
また、ボイラーを利用して暖房を行う場合、熱媒体を加熱して循環させるためには、ボイラーとポンプとを必要とすることにより、施工費が多く必要となるだけではなく、施工過程が複雑になり、作動過程において、作動騷音を誘発するために、建築物室内にボイラーを設ける場合、騷音による不快感を誘発することにより、室内設置が困難であり、ボイラー管理のための別途のボイラー室を必要とすることにより、空間を多く占めるという問題点があった。
【0017】
同時に、暖房が必要な建築物内部空間が広い場合には、大容量のボイラーを設けなければならないが、ボイラーの容量が大きくなる場合、ボイラーの維持、管理に相当なノウハウを必要とするために、資格証を具備した専門家による管理が不可避であり、専門家採用による人件費支出などにより、ボイラーの運営費、維持費が増大するという問題点もあった。
【0018】
同時に、ほとんどのボイラーは、効率性及び便宜性のために、油のような化石燃料を使用することにより、有害ガスが含まれた排気ガスが排出され、大気汚染を誘発するために、環境的でも望ましくないだけではなく、容量が大きくなるほど熱効率性が下がるために、暖房効率性が低く、燃料費支出が増大するというようなさまざまな問題点があった。
【0019】
また、排気ガスの排出される煙筒が詰まったり、それ以外の問題が発生し、煙筒を介した排気ガスの排出が円滑になされない場合、排気ガスが室内に流入することにより、室内空気を汚染させるという問題点があった。
【0020】
特に、床面全体に配管を設け、全空間において空気が上側だけに上昇し、天井部分に熱気が蓄積されながらエネルギー浪費が少なくなかった。
【0021】
従って、従来技術の欠点である暖房空間内の上層部及び床部のように、位置による高い温度偏差、施工の便宜性、維持管理の容易性、低い熱効率性、及び使用便宜性を改善することができる暖房システムの開発が切実である実情である。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の自然回転対流方式暖房システムは、前述のような従来の問題点を解消するために発明したものであり、多数のブラケット110を、一定間隔で縦に配置して形成し、建築物内壁に近接するように、建築物床面に一定間隔に設ける設置柱100;建築物の内壁に沿ってつながっていくように配置されるように、前記各ブラケット110に据え置いて設ける発熱体200;及び前記発熱体200に電源を印加し、発熱体200の発熱動作を制御するメイン制御部300を含んで構成し、前記発熱体200によって暖められた空気は、発熱体上部に上昇し、周辺の冷たい空気は、発熱体下部に流入しながら自然回転対流現象が具現され、建築物内部の暖房がなされることを特徴とする。
【0023】
また、前記発熱体200は、両端部が閉塞され、内部が真空状態を維持する配管210;前記配管210の内部に収容され、電気の導通によって発熱する発熱線220;前記発熱線220に電気導通がなされるように連結される電線230;及び前記電線230に連結されて電源を供給する連結線240を含むことが望ましい。
【0024】
また、前記メイン制御部300は、外部電源から電源を供給され、前記発熱体200に電気を供給する電源供給部310;前記発熱体200の発熱による暖房温度を設定する温度調節部320;前記発熱体200の発熱による暖房時間を設定する時間調節部330;前記温度調節部320で設定された温度と、前記時間調節部330で設定された時間と、を表示するディスプレイ340;前記電源供給部310の温度と、建築物内部温度とをそれぞれ検出するセンサ部351,352;並びに前記温度調節部320、時間調節部330及びセンサ部351,352で提供される信号により、前記電源供給部310を介して行われる電気供給を制御するマイコン360を含むことが望ましい。
【0025】
本発明は簡素した構造を介して下上など位置による温度偏差をほとんど無くすだけでなく施工が容易であり、維持管理が容易であり、優秀な熱効率性及び使用便宜性を提供することができる目的を果たすことができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のような本発明の自然回転対流方式暖房システムは、電気を利用した発熱体を利用し、自然回転対流方式で暖房することにより、外部冷気が室内中心部に流入することを遮断し、対流する室内空気が別途の循環装置なしにも、回転方向性を有するようにし、床と天井とはもとより、中心部とエッジとの温度偏差がほとんどないようにし、室内空気質の低下を防止するだけではなく、頻繁な換気が不要であり、室内温度を適正に維持することができるという利点がある。
【0027】
また、施工過程が非常に簡素であり、施工費が低廉なだけではなく、暖房のためのエネルギー消費量が少ないために、運営費が大きく節減され、簡素な構造を有することにより、専門的な技術的ノウハウなしにも、維持、管理が容易なだけではなく、簡単な回路構成を介して、過熱防止など安全装置を設けることができるために、非常に経済的でありつつも効率的であり、使用便宜性にもすぐれるという利点がある。
【0028】
また、暖房熱を得るための化石燃料の燃焼過程が不要であり、環境汚染物質を含んだ排気ガス発生がなく、熱気を強制循環させるための送風装置が不要であり、作動騷音がないために、システムの全構成要素を室内に設けることができるようになり、効率的な空間利用が可能なだけではなく、親環境的でありながら、快適な使用を可能にするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の自然回転対流方式暖房システムの実施形態による構成を示した構成図である。
図2】本発明の自然回転対流方式暖房システムの実施形態による設置柱と発熱体との結合状態を示した斜視図である。
図3】本発明の自然回転対流方式暖房システムの他の実施形態による設置柱と発熱体との結合状態を示した斜視図である。
図4】本発明の自然回転対流方式暖房システムの実施形態による発熱体の構成を示した断面図である。
図5】本発明の自然回転対流方式暖房システムの実施形態によるメイン制御部の構成を示したブロック図である。
図6】本発明の自然回転対流方式暖房システムの実施形態による暖房熱循環を示した例示図である。
図7】本発明の自然回転対流方式暖房システムのさらに他の実施形態による設置柱と発熱体との設置状態を示した断面例示図である。
図8】従来技術の暖房装置を示した例示図である。
図9】従来技術の暖房装置を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の自然回転対流方式暖房システムは、多数のブラケット110を、一定間隔で縦に配置して形成し、建築物A内壁に近接するように、建築物床面に一定間隔に設ける設置柱100と、建築物の内壁に沿ってつながっていくように配置されるように、前記各ブラケット110に据え置いて設ける発熱体200と、前記発熱体200に電源を印加し、発熱体200の発熱動作を制御するメイン制御部300と、を含む。
【0031】
前記設置柱100は、所定幅を有した縦長形態の板材からなり、内面に一定間隔でブラケット110を縦に配置して形成し、下端部を建築物の床面に固設する。
【0032】
前記ブラケット110は、一側が設置柱100内面に固定されると共に、他側には、前記発熱体200を、強制嵌め込み方式により、嵌めこんだり外したりすることができる開放部を形成し、前記発熱体200を強制嵌め込み方式で結合したとき、ブラケット110自体の弾性により、内部に嵌めこまれた発熱体200が堅固に固定されるように、弾性を有する金属材または耐熱性を有した合成樹脂材で形成することが望ましい。
【0033】
また、前記ブラケット110は、縦一定間隔で配置され、各ブラケット110に据え置かれる各発熱体200の放熱面積を十分に確保することにより、発熱体200周辺空気との熱交換が円滑になされるようにし、熱効率性にすぐれ、周辺温度上昇にかかる時間を短縮させることができる。
【0034】
具体的には、各発熱体200が縦に据え置かれながら、上側にある発熱体200は、それぞれ下側発熱体200が温度を上昇させて密度を落とし、気圧が低くなった空気と熱交換を行いながら、温度上昇時間が下方へ行くほど短くなり、空気上昇力も増幅させる。
【0035】
また、縦据え置きを介して、上方へ上がるほど温度が高く、密度及び気圧は低くなりながら、急激に上昇する空気により、相対的に低い温度、並びに高い密度及び気圧を有した床部分空気が、縦据え置きを介して確保された熱交換空間に持続的に押し出される。
【0036】
それは、発熱体200を介して暖められた高温の空気は、上側中央部分に移動しながら室内空気を暖め、下側の冷たい空気は、発熱体200方向に流入して暖められ、上側中央部分に移動する過程で、室内空気を暖めながら、冷えた空気は、再び下側に移動する回転方向性が作られる自然回転対流現象を具現するからである。
【0037】
前記ブラケット110間の間隔は、15cmいし30cmの間隔に設け、ブラケット110の数は、3個ないし5個で形成することが望ましいが、それに限定するものではないということをあらかじめ明らかにしておく。
【0038】
前記設置柱100の下端部は、設置柱100が設けられる建築物の種類により、設置が容易になるように、結合手段をさらに具備することが望ましい。
【0039】
すなわち、ビニールハウスのように、建築物と一体になった室内床面がなく、地面を室内床として使用する建築物の場合には、添付図面の図2のように、設置柱100下端部に楔形状によってなる結合手段121を形成することにより、設置柱100を、地面に所定深に埋設し、設けやすくすることが望ましい。
【0040】
一方、一般建築物のように、建築物と一体になった室内床面がある場合には、添付図面の図3のように、室内床面に設置柱100を容易に真っ直ぐに立設けるように、設置柱100の下端部にアンカーボルトのような締結手段を利用して固定自在なフランジ形態の結合手段122をさらに具備することが望ましい。
【0041】
前記発熱体200は、添付図面の図4のように、両端部が閉塞され、内部が真空状態を維持する配管210と、前記配管210の内部に収容され、電気の導通によって発熱する発熱線220と、前記発熱線220に電気導通がなされるように連結される電線230と、前記電線230に連結されて電源を供給する連結線240と、を含む。
【0042】
前記配管210は、放熱性にすぐれる素材から構成し、内部真空化のための両端部閉塞のためには、配管210の両端部に、気密部材210aを投入し、一体になるように構成することにより、配管210内部に設置された発熱線220が加熱されれば、配管210内部が真空状態であるために、配管210内部での熱損失を最小化させ、発熱線220で発散される熱が、そのまま配管210外表面を介して放出されることにより、高い熱効率を達成することができる。
【0043】
前記気密部材210aは、優秀な気密性と水密性とを維持することができるシリコン、ウレタンフォーム、発布剤、ゴム、合成樹脂のうちいずれか一つを選択使用することが望ましいが、それらに限定するものではなく、配管210の成形過程において、両端部が完全に詰まった形態に事前製作して使用することが可能であることを、前もって明らかにしておく。
【0044】
前記発熱線220は、電気の導通によって熱を発散する線材であり、耐熱性が高く、電気伝導度と熱伝導度とが高く、軽くて、熱膨脹係数が低く、耐久性にすぐれるカーボンファイバから形成されたカーボン発熱線220や、シリコン熱線あるいはニッケルクロム合金線などが可能であり、前記発熱線220は、被覆あるいは露出されて構成され、何本もが撚られて構成され、編織された状態のものも使用されるということはということは言うまでもない。
【0045】
前記電線230は、プラス電源に連結されるプラス電線230と、マイナス電源に連結されるマイナス電線230とから構成され、前記プラス電線230と発熱線220との一側が電気が導通されるように、連結線240によって連繋され、前記マイナス電線230と発熱線220との他側が電気が導通されるように、連結線240によって連繋されて構成される。
【0046】
前記連結線240は、電線230あるいは発熱線220と同一材質であるように、電気が導通自在であるならば、いずれも可能である。
【0047】
前記発熱体200は、30℃ないし60℃の表面発熱を可能にすることが望ましいものであるが、それに限定するものではなく、発熱体200の発熱温度が高く、建築物の構造上、発熱体200が、人の近接可能なところに設けられる場合には、発熱体200との接触によるやけど防止のために、発熱体200周辺には、発熱体200と一定間隔離隔され、発熱体200との接触を防止する安全網400をさらに具備することが望ましい。
【0048】
前記メイン制御部300は、添付図面の図5のように、外部電源から電源を供給され、前記発熱体200に電気を供給する電源供給部310と、前記発熱体200の発熱による暖房温度を設定する温度調節部320と、前記発熱体200の発熱による暖房時間を設定する時間調節部330と、前記温度調節部320で設定された温度と、前記時間調節部330で設定された時間とを表示するディスプレイ340と、前記電源供給部310の温度と、建築物内部温度とをそれぞれ検出するセンサ部351,352と、前記温度調節部320、時間調節部330及びセンサ部351,352で提供される信号により、前記電源供給部310を介して行われる電気供給を制御するマイコン360と、を含む。
【0049】
前記電源供給部310は、外部電源から電源を供給され、前記発熱体200に電気を供給するために、電線230に連結するが、外部電源から発熱体200に供給される電気供給を遮断するように、前記マイコン360によって制御されるスイッチを具備することが望ましい。
【0050】
前記温度調節部320は、数字入力可能なキーパッドを備えたスイッチ、またはトグル形態に構成し、前記マイコン360入力部と連結され、暖房温度設定のためのユーザ命令をマイコン360に入力することができるように構成する。
【0051】
前記時間調節部330は、数字入力可能なキーパッドを備えたスイッチ、またはトグル形態に構成し、前記マイコン360入力部と連結され、暖房時間設定のためのユーザの命令をマイコン360に入力することができるように構成する。
【0052】
前記ディスプレイ340は、LCD(liquid crystal display)で構成し、ユーザが前記温度調節部320と時間調節部330とを介して入力する入力値を容易に識別することができるように、数字や文字でもって出力する。
【0053】
前記センサ部351,352は、前記電源供給部310の温度を検出する第1センサ351と、前記発熱体200による暖房がなされる建築物内部温度を検出する第2センサ352とを含んで構成される。
【0054】
前記第1センサ351は、前記電源供給部310に直接設けられ、電源供給部310表面温度を検出し、その温度検出値をマイコン360に提供することにより、電源供給部310から発熱体200に電気供給がなされる過程での電源供給部310過熱が感知される場合、マイコン360が電源供給部310のスイッチを制御し、電源供給を遮断することにより、電源供給部310過熱による火災発生危険を抑制する。
【0055】
前記第2センサ352は、前記発熱体200による暖房がなされる建築物内部温度の検出を可能にするように、建築物の室内空気流入自在に形成されたメイン制御部300を構成する外部ケース370内部に設けるか、あるいは温度検出値をマイコン360に提供するように、マイコン360入力部と連結線240で連結され、メイン制御部300の外部ケース370と離隔されて設けることにより、建築物内部温度を検出し、その温度検出値をマイコン360に提供する。
【0056】
前記マイコン360は、制御プログラム内蔵が可能なマイクロプロセッサであり、前記温度調節部320、時間調節部330及びセンサ部351,352から入力データを受け入れて解釈し、温度と時間とを比較、分析、計算し、前記発熱体200への電気供給を制御すると共に、前記ディスプレイ340を介して、制御データ値を出力する。
【0057】
本発明の自然回転対流方式暖房システムは、添付図面の図1のように、建築物A内部の内壁に沿って、一定間隔に設ける柱100を設けた後、各設置柱100に形成されたブラケット110に発熱体200を据え置いて設け、前記発熱体200は、外部電源を供給されるメイン制御部300によって電源が印加されて発熱がなされるように、メイン制御部300と連設される。
【0058】
従って、前述のように設けられた本願発明の自然回転対流方式暖房システムを利用して、建築物内部を暖房するときは、まず、メイン制御部300に具備された温度調節部320を介して、暖房しようとする建築物内部暖房温度を設定し、一定時間だけ暖房しようとする場合には、メイン制御部300に具備された時間調節部330を介して、暖房時間を設定する。
【0059】
前述のように、温度調節部320と時間調節部330との設定が完了すれば、メイン制御部300のマイコン360は、温度調節部320においてユーザが設定した温度設定値によるデータと、時間調節部330においてユーザが設定した時間によるデータとを比較、分析、計算し、前記発熱体200に電源を供給する。
【0060】
発熱体200に電源供給がなされれば、発熱体200を構成する配管210が加熱されながら外表面に熱が放出され、それにより、発熱体200周辺空気が暖められる。
【0061】
特に、前記発熱体200は、多数のブラケット110により、縦方向に配設されることにより、各発熱体200周辺で加熱された空気は、縦方向に配設された発熱体200の垂直上方に加速されながら上昇し、それにより、建築物の床(下側)の冷たい空気が発熱体200の下部に方向性を取ることができる十分な量が流入し、上側に移動した空気は、室内中央部を経て、再び下側に移動して循環されることにより、迅速であって自然な自然回転対流現象が具現される。
【0062】
従って、添付図面の図6のように、建築物内部に設けられた発熱体200によって発生する自然回転対流現象により、建築物内部空気は、自然に循環されながら暖房がなされるために、酸素密度の低下を防止し、快適な室内空気を維持しながら、室内温度の偏差が小さい建築物内部の均一な暖房がなされる。
【0063】
一方、前述のように暖房がなされる過程において、メイン制御部300に具備されたセンサ部351,352で検出された建築物内部温度が、前記温度調節部320で設定された温度より低い場合には、メイン制御部300により、発熱体200に供給される電源出力を増大させることにより、発熱体200がさらに高い温度で発熱し、建築物内部温度が高くなる。
【0064】
一方、前記センサ部351,352で検出された建築物内部温度が、前記温度調節部320で設定された温度より高い場合には、メイン制御部300により、発熱体200に供給される電源出力を低下させるか、あるいは電源供給を遮断することにより、発熱体200の発熱温度が低くなるか、あるいは発熱が停止し、建築物内部の室内温度が低くなることにより、建築物内部温度調節が簡便になされる。
【0065】
また、前記センサ部351,352で検出された建築物内部温度により、メイン制御部300から発熱体200に供給される電気供給が自動制御されることにより、不要な電力消耗を防止し、効率的なエネルギー使用がなされる。
【0066】
本発明の自然回転対流方式暖房システムは、建築物の内壁に沿って設けることにより、空間活用性にすぐれつつも、施工が簡便であり、住宅、アパート、商業建物など一般建築物だけではなく、畜舎や温室、ビニールハウス、工場など多様な建築物の暖房にも活用可能であり、建築物の面積対比施工費が非常に低廉なだけではなく、効率的なエネルギー使用を介して、暖房費が大きく節減されるという長所があり、メイン制御部300の操作が非常に簡便になされることにより、使用便宜性にすぐれるだけではなく、過熱防止機能などを具備することにより、過熱による火災発生危険などを低減させることができ、優秀な安全性を有するという長所もある。
図1
図2
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【国際調査報告】