特表2019-501329(P2019-501329A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-501329(P2019-501329A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(54)【発明の名称】速度型機関用の構成要素および方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/18 20060101AFI20181214BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20181214BHJP
   F01D 25/12 20060101ALI20181214BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20181214BHJP
【FI】
   F01D5/18
   F01D9/02 102
   F01D25/12 E
   F02C7/18 A
   F02C7/18 C
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-528671(P2018-528671)
(86)(22)【出願日】2016年12月2日
(85)【翻訳文提出日】2018年7月27日
(86)【国際出願番号】EP2016079545
(87)【国際公開番号】WO2017093461
(87)【国際公開日】20170608
(31)【優先権主張番号】15197795.6
(32)【優先日】2015年12月3日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16182826.4
(32)【優先日】2016年8月4日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・フェルバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ロヴィス・フリッペン
(72)【発明者】
【氏名】アイケ・ロイター
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202CA07
3G202CB02
3G202GA08
3G202GB01
3G202JJ02
3G202JJ25
(57)【要約】
本発明は、例えば頂側部などの第1の側部(1)および例えば底側部などの第2の側部(2)を備えるガスタービン(200)などの速度型機関用の構成要素(100)に関する。この構成要素(100)は、構成要素(100)を貫通して流体を案内するための内部チャネル(20)のメッシュ(5)をさらに備え、メッシュ(5)のチャネル(10)と流体連通状態にある流体入口が、第1の側部(1)および第2の側部(2)のそれぞれに設けられ、メッシュ(5)は、構成要素(100)に進入する流体が少なくとも部分的に、メッシュ(5)内の対向し合う方向(FD)にしたがって案内されるように、第1の側部(1)の流体入口(10)を起点とするチャネル(20)と、第2の側部(2)の流体入口(10)を起点とするチャネル(20)とが交絡するようにさらに配置および構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば頂側部などの第1の側部(1)および例えば底側部などの第2の側部(2)を備えるガスタービン(200)などの速度型機関用の構成要素(100)であって、前記構成要素(100)は、前記構成要素(100)を貫通して流体を案内するための内部チャネル(20)のメッシュ(5)をさらに備え、前記メッシュ(5)のチャネル(10)と流体連通状態にある流体入口が、前記第1の側部(1)および前記第2の側部(2)のそれぞれに設けられ、前記メッシュ(5)は、前記構成要素(100)に進入する流体が少なくとも部分的に、前記メッシュ(5)内の対向し合う方向(FD)にしたがって案内されるように、前記第1の側部(1)の前記流体入口(10)を起点とするチャネル(20)と前記第2の側部(2)の前記流体入口(10)を起点とするチャネル(20)とが交絡するようにさらに配置および構成される、構成要素(100)。
【請求項2】
前記第1の側部(1)は頂側部であり、前記第2の側部(2)は底側部であり、前記頂側部および前記底側部は、相互に対向して配置される、請求項1に記載の構成要素(100)。
【請求項3】
前記第1の側部(1)および前記第2の側部(2)に複数の流体入口(10)を備える、請求項1または2に記載の構成要素(100)。
【請求項4】
前記メッシュのチャネル(20)が、前記第1の側部と前記第2の側部との間のほぼ全距離にわたって前記流体入口(10)から延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項5】
前記チャネル(20)は、流体流方向(FD)に対応する方向において前記メッシュ(5)のより小さなチャネル(21)へと先細になるかまたは続いている、請求項1から4のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項6】
前記メッシュ(5)は、前記チャネル(20)が分岐されるように構成され、かつ各チャネルが複数の流体出口(15)へと続くように構成される、請求項5に記載の構成要素(100)。
【請求項7】
前記チャネル(20)は、冷却チャネルであり、前記メッシュ(5)は、前記第1の側部(1)と前記第2の側部(2)との間に均質的に分布する、請求項1から6のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項8】
前記チャネル(20、21)は冷却チャネルであり、前記メッシュ(5)は、前記第1の側部(1)と前記第2の側部(2)との間に非均質的に延在し、前記メッシュ(5)は、意図された運転において前記構成要素(100)がさらされる個別の熱負荷に対して適合化される、請求項1から7のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項9】
前記メッシュ(5)の密度が、低い熱負荷にさらされる表面領域に比べてある特定の高い熱負荷にさらされる前記構成要素(100)の表面領域において高くなっている、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項10】
前記チャネル(20、21)は冷却チャネルであり、表面冷却を促進するために、前記構成要素(100)の表面(7)に向かって開口するように配置および構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項11】
前記構成要素(100)はタービン(200)のブレードまたはベーンであり、前記チャネル(20、21)は、前記構成要素(100)を貫通して冷却流体を案内するための冷却チャネルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の構成要素(100)を備えるタービン(200)。
【請求項13】
選択的レーザ溶融法または電子ビーム溶融法が製造のために利用される、請求項1から11のいずれか一項に記載の構成要素(100)を加法的に製造する方法。
【請求項14】
前記メッシュ(5)の設計が、コンピュータ支援ソフトウェアおよび/またはシミュレーションにより、以下の数量、すなわち各構成要素またはその材料の流体温度、流体質量流量、熱伝導率、熱膨張率、ヤング率、耐クリープ性、または耐引裂き性に関して最適化される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
加法的製造および前記設計最適化の組合せが、従来型の設計および製造方法の制約を解消することによって、前記メッシュおよび/または前記構成要素に対する非確定的設計解決策を実現するために利用される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却チャネルなどの内部チャネルメッシュをとりわけ備える、ガスタービンなどの速度型機関用の構成要素に関する。さらに、本発明は、同構成要素を加法的に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
好ましくは、上述の構成要素は、選択的レーザ溶融法および/または電子ビーム溶融法などの粉床法により製造される。
【0003】
これらの方法は、例えば粉末材料から部品もしくは構成要素を作製、試作、または製造するための比較的よく知られた方法である。かかる方法のための従来の装置または構成は、通常は製造プラットフォームまたは作製プラットフォームを備え、このプラットフォーム上に、基材または原料粉末の層が供給された後にそれらが例えばレーザ光線のエネルギーなどにより溶融され、その後硬化されることによって、構成要素が層ごとに作製される。層厚さは、粉体床の上を例えば自動的に移動して余剰材料を除去するワイパーによって決定される。典型的な層厚さは、20μmまたは40μmからの範囲である。製造中に、前記レーザ光線は表面中を走査し、製造すべき構成要素の形状にしたがってCADファイルにより決定され得る選択領域内で粉末を溶融する。
【0004】
ガスタービンのブレードまたはベーンなどのタービン構成要素は、高温ガスにさらされることにより引き起こされる高い熱負荷に抵抗するために、意図された動作中に冷却される必要がある。ガスタービンの流路ハードウェアは、現行では例えば各機関のエネルギー効率を高めるために、意図された動作中に最高で1500℃の温度に耐えることが必要とされる。
【0005】
したがって、冷却空気または別の冷却流体の所定部分が、例えば内部からこの構成要素を通して案内される。したがって、構成要素が冷却され、次いで前記流体は、専用出口開口からこの構成要素を出て、例えば気膜冷却またはしみ出し冷却を実現する。それにより、当然ながら構成要素の安定性が維持されなければならない。これは、タービンのベーンまたはブレードの場合には、これらの構成要素が動作中に圧力負荷または吸込み負荷などの高い機械負荷にもさらされるため、特に重要である。
【0006】
冷却空気は、通常は標準的な作動流体流から分岐されるため、経済的に適用されなければならない。なぜならば、流体流の「冷却部分」は、構成要素のエネルギー変換またはエネルギー発生に寄与しないからである。したがって、通常は、最大熱負荷にさらされる構成要素の特定の「ホットスポット」に対して主に冷却機構を適用することが適切である。
【0007】
例えば、先行技術は、複数の冷却原理、特にタービン構成要素の蛇行冷却、しみ出し冷却、および気膜冷却に関して記載している。
【0008】
ガスタービン構成要素冷却構成は、例えば特許文献1から知られている。
【0009】
しかし、例えば耐候性要件および/または経済的要件ならびに産業的変化などにより関連機械の燃料消費量を可能な限り削減しなければならないため、ターボマシン用の冷却原理の改善に対する厳しい要求が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】英国特許出願公開第2443116号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、既述の問題に対処する改良された構成要素および/または冷却原理を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
既述の目的は、独立請求項の対象により達成される。有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0013】
本発明は、例えば頂側部などの第1の側部および例えば底側部などの第2の側部を備えるガスタービンなどの速度型機関用の構成要素に関する。この構成要素は、構成要素を通して冷却流体などの流体を案内するための内部チャネルのメッシュまたはウェブをさらに備える。
【0014】
好ましくは、第1の側部および第2の側部は、構成要素の外方長さまたは外方寸法を画定する。
【0015】
好ましくは、前記チャネルは、冷却チャネルに関する。この目的において、既述の流体は、好ましくは意図される動作中に構成要素の冷却を実行するように意図された冷却流体である。
【0016】
構成要素は、第1の側部に流体入口を備え、この流体入口は、メッシュのチャネルの少なくともいくつかと流体連通状態にある。
【0017】
構成要素は、第2の側部に流体入口を備え、この流体入口は、メッシュのチャネルの少なくともいくつかと流体連通状態にある。
【0018】
好ましくは、流体入口は、第1の側部および第2の側部にそれぞれ設けられる。
【0019】
メッシュは、構成要素に進入する流体が少なくとも部分的に、メッシュ内で対向し合う方向にしたがって案内されるように、第1の側部の流体入口を起点とするまたは第1の側部に設けられたチャネルと、第2の側部の流体入口を起点とするまたは第2の側部に設けられたチャネルとが交絡するようにさらに配置および構成される。
【0020】
「交絡する」という語は、チャネル経路が、例えば第1の側部および/または第2の側部に対して直交する面内において見た場合に少なくとも部分的にメッシュ内において重畳するまたは共線的に延在することを意味する。
【0021】
それにより、有利には、構成要素のある特定の効率的かつ均質的な冷却を可能にする改良された、および新規の発想が提示される。さらに、提示される発想は、顕著なフェールセーフ特性(以下を参照)をもたらし、動作中の構成要素の適切な機械的安定性を維持することを可能にする。
【0022】
さらに具体的には、蛇行冷却チャネルまたは蛇行冷却パイプと既知のしみ出し冷却との間の移行が提示され得る。
【0023】
冷却流体が、構成要素を冷却するために好ましくは第1の側部および第2の側部から、すなわち好ましくは構成要素の頂側部または頂面および底側部または底面から構成要素の内部に特に進入し得る。したがって、好ましくは先行技術に対する本構成要素の特定の利点は、本発明によれば流体が好ましくは両側面にて構成要素に進入し得ることにより、構成要素の冷却効果が均質化され得る点である。これは、冷却流体が底側部または第1の側部のみから各タービンブレードに進入することができ、一方でその後に対向する側の先端側部または第2の側部にて構成要素から出る先行技術に比べて、より効果的な冷却をもたらす。これにより、冷却流体が構成要素の先端部に進入する場合に、冷却流体は高温まで既に加熱されているので、著しいおよび/または不利な温度勾配が、構成要素の底部から先端部にかけて発生し得る。換言すれば、構成要素に対するおよび構成要素内における冷却が既に実行されてからより長い時間が経過すればするほど、冷却効果はより低下する。
【0024】
したがって、構成要素の先端部では冷却効果は弱く、熱的影響は、不十分な冷却により主に先端部で発生し得る。提示する原理は、機関またはタービンの流路における構成要素の実際の適用に応じて所要の冷却機能に適合化され得る内部チャネルメッシュが提供される点で、さらに改善される。
【0025】
一実施形態では、第1の側部は、構成要素の例えば先端部などの頂側部であり、第2の側部は、例えば基部などの底側部である。頂側部および底側部および/またはメッシュの各チャネルもしくは分岐路は、相互に対して180°の角度で反転されるなど、相互に対向して配置される。この形状は、構成要素の洗練されたかつ効率的な冷却を特に可能にし得る。
【0026】
一実施形態では、構成要素は、第1の側部に複数の流体入口を、および第2の側部に複数の流体入口を備える。この実施形態により、提示される冷却チャネルメッシュは、例えば冷却流体などを効果的に供給され、冷却流体は、有利な様式で構成要素内においてメッシュを経由して分配され得る。さらに、冷却チャネルの交絡形状が、適切な様式で実現され得る。
【0027】
一実施形態では、内部チャネルは冷却チャネルであり、流体は冷却流体である。
【0028】
一実施形態では、チャネルは、構成要素の第1の側部と第2の側部との間の距離にほぼわたって流体入口から延在する。この実施形態は、本発明の問題を解消するためにさらに有利であり得る。
【0029】
一実施形態では、チャネルは、構成要素の第1の側部と第2の側部との間の距離の半分以上にわたって流体入口から延在する。
【0030】
一実施形態では、チャネルは、流体流方向または流体流進路に対応する方向においてメッシュの(さらに)より小さなチャネル、すなわち例えばより小さな直径または断面積を有する内部チャネルへと先細になるかまたは続いている。この実施形態により、構成要素から流体流への有利な熱伝達が特に可能となる。
【0031】
一実施形態では、メッシュを形成するまたは備えるチャネルは、規則的または変則的な分岐パターンのフラクタル様式に配置され、より大きな直径の通路からより小さな直径の通路に流体流を送る。
【0032】
一実施形態では、メッシュは、チャネルおよび/またはより小さなチャネルが分岐され、それぞれが複数の流体出口に続くように構成される。この実施形態は、冷却空気が節減され得ること、およびさらに構成要素に対する気膜冷却が促進され得ること、により特に有利であり、例えば構成要素の表面が適切に冷却される。
【0033】
一実施形態では、チャネルは、冷却チャネルであり、メッシュは、第1の側部と第2の側部との間に(少なくとも実質的に)均質的に分布する。それにより、例えば均質的に冷却される構成要素の表面などが実現され得る。換言すれば、構成要素を冷却するために消費される冷却流体が効果的に使用され、構成要素が、過剰なまたは破壊的な熱負荷にさらされることから防がれ得る。
【0034】
一実施形態では、メッシュは、第1の側部と第2の側部との間に非均質的に延在する。
【0035】
一実施形態では、メッシュは、意図された動作において構成要素がさらされるか、またはさらされることが予想される個別の熱負荷に対して適合化される。メッシュは、例えば特定の高い熱負荷の構成要素の表面領域において高密度化される。
【0036】
一実施形態では、内部チャネルメッシュの密度は、低い熱負荷にさらされる表面領域に比べてある特定の高い熱負荷にさらされる構成要素の表面領域において高くなっている。
【0037】
前記高密度化は、好ましくはメッシュが、動作中により高い温度にさらされることが予想される構成要素の領域内に多数のチャネルをおよび例えばより小さなチャネルを有して構成されることを意味する。
【0038】
一実施形態では、チャネルは、構成要素の気膜冷却またはしみ出し冷却などの表面冷却を促進するために構成要素の表面に向かって開口するように配置および構成される。好ましくは、冷却チャネルは、より大きなチャネルがより小さなチャネルへと続きかつ先細になり、より小さなチャネルのそれぞれが構成要素の表面に続くように構成される。
【0039】
一実施形態では、構成要素は、ガスタービンの流路ハードウェア内に適用される一部品である。
【0040】
一実施形態では、構成要素は、タービンのブレードまたはベーンであり、チャネルは、構成要素を通して冷却流体を案内するための冷却チャネルである。
【0041】
本発明のさらなる一態様は、かかる構成要素を備えるガスタービンなどのタービンに関する。
【0042】
本発明のさらなる一態様は、構成要素を加法的に製造する方法に関し、選択的レーザ溶融法または電子ビーム溶融法が、この加法的製造のために利用される。
【0043】
一実施形態では、メッシュの設計は、コンピュータ支援ソフトウェアおよび/またはシミュレーションにより、以下の数量、すなわち各構成要素またはその材料の流体温度、流体質量流量、熱伝導率、熱膨張率、ヤング率、耐クリープ性、耐引裂き性、および/またはさらなる機械的、熱的、および/または材料固有の特性もしくは数量に関して最適化される。
【0044】
一実施形態では、加法的製造および設計最適化の組合せが、従来型の設計および製造方法または各技術の制約を解消することによってメッシュおよび/または構成要素に対する非確定的設計解決策を実現するために利用される。
【0045】
さらに、本発明は、以下の態様に関する。
1. 構成要素の対向し合う外方壁部間に配置された複数の冷却チャネルを備える、速度型機関用の構成要素。冷却チャネルは、構成要素の頂部表面と底部表面との間に少なくとも部分的に延在し、各冷却チャネルは、構成要素の効果的な冷却を実現するためにより小さなチャネルのウェブへと続く。
2. 構成要素は、冷却流体が構成要素の頂部表面および底部表面の冷却チャネルに進入し得るように構成される、態様1に記載の構成要素。
3. 冷却チャネルは、冷却チャネルが頂部表面および/または底部表面を起点として先細になるように配置および構成される、態様1または2に記載の構成要素。
4. より小さなチャネルは、気膜冷却を促進するために構成要素の外方壁部に向かって開口するように配置および構成される、態様1から3のいずれか1つに記載の構成要素。
【0046】
本明細書において既述の構成要素またはタービンに関する利点、特徴、および/または実施形態は、さらに既述の方法に関係し得る。
【0047】
さらなる特徴、適切なもの、および有利な改良物が、図面に関連する例示の実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明による本発明の構成要素の概略長手方向断面図である。
図2図1のイメージの一部のさらなる詳細図である。
図3】本発明による構成要素の概略斜視図である。
図4】構成要素の概略断面図である。
図5】構成要素を備えるタービンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
同様の要素、同種の要素、および同等に動作する要素は、図面において同一の参照数字を与えられ得る。
【0050】
図1は、構成要素100の少なくとも一部を概略的に示す。構成要素100は、好ましくはガスタービンなどの速度型機関の流路ハードウェアの一部品である。最も好ましくは、構成要素は、ガスタービンのブレードまたはベーンを構成する。
【0051】
特に、図1は、構成要素100の内部チャネル20のメッシュ5またはウェブを示す。チャネル20は、主要チャネルであってもよい。これらのチャネルは、適切には意図された動作中に構成要素を冷却するために、構成要素を通して流体流を案内するための冷却チャネルである。メッシュ5は、構成要素100の第1の側部1と第2の側部2との間に延在する。チャネル20は、特に冷却空気などの冷却流が貫通して案内される場合に、構成要素100を内部から冷却するための内部冷却チャネルに相当する。しかし、構成要素を冷却するための冷却空気は、最高で600℃の温度を有し得る。これは、構成要素の十分な冷却と、例えば構成要素の動作中における最高で1500℃またはそれ以上の温度などの過剰な熱負荷からの適切な保護と、を依然として可能にし得る。
【0052】
好ましくは、第1の側部1は構成要素100の頂側部または先端部を示し、好ましくは、第2の側部は構成要素100の底部または基側部を示す。
【0053】
第1の側部1および第2の側部2に、複数の流体入口10が図示される(図1の矢印を参照)。
【0054】
第1の側部に設けられた入口10同士は、好ましくは相互に隣接して配置され、メッシュ5のチャネル20内へと続く。同じことが、第2の側部2に設けられた流体入口10にも当てはまる。したがって、例えば第1の側部1の流体入口10を経由してメッシュ5に進入する冷媒流体(明示せず)が、第2の側部、すなわち構成要素100の別のセクションに向かって送られる。
【0055】
ブレードまたはベーンなどのガスタービン構成要素100の場合には、第1の側部1および第2の側部2は、好ましくは構成要素の吸込み側側部4および圧力側側部3を画定する(以下の数字3、4を参照)。圧力側側部3および吸込み側側部4は、構成要素の流動表面または作動表面を形成してもよく、それぞれ図1のイメージの平面の上に延在し得る。
【0056】
メッシュ5は、例えば上面図で見た場合に構成要素100全体にわたり実質的に均質的に分布または配設される。したがって、ほぼ均質な冷却効果が実現され得る。
【0057】
好ましくは、図1は、ブレードまたはベーンの既述の吸込み側側部および圧力側側部が重畳するまたはメッシュ5にわたり延在する(上記を参照)ような、構成要素のエアロフォイルの長手方向断面を示す。
【0058】
特に図1では、チャネル20がさらにより小さなチャネル21へと先細になるか、またはさらにより小さなチャネル21に続くことが示される。チャネル21は、副チャネルであってもよい。
【0059】
メッシュ5を形成するまたは備えるチャネル20、21は、規則的または不規則的な分岐パターンのフラクタル様式に配置されてもよく、より大きなチャネル20からより小さな直径のチャネルまたは通路21に流体流を送るように配置されてもよい。
【0060】
逆配置された流体入口10を起点とするかまたは逆配置された流体入口10へと流体連通されるチャネル20、21は、好ましくは交絡され、すなわち相互に対向して位置する側部1、2の流体入口10を起点とするこれらのチャネルは、好ましくは流体連通されずに延在方向におよび任意の認知可能な方向に重畳する。好ましくは、一方の側部(すなわち第1の側部1または第2の側部2)を起点とするチャネルのみが、効果的な冷却を可能にするために流体連通状態にある。
【0061】
換言すれば、メッシュ5は、構成要素100に進入する例えば冷媒などの流体が少なくとも部分的に、メッシュ5内で対向し合う流れ方向FDにしたがって案内されるように、第1の側部の流体入口を起点とするチャネルと、第2の側部の流体入口を起点とするチャネルとが交絡されるようにさらに配置および構成され得る(前記流れ方向を示す図1および図2の相互に対向して配列された矢印を参照)。
【0062】
流体入口10を経由しておよび流れ方向FDにしたがい構成要素に進入する冷却流体(図面では明示されない)が、構成要素100を適切に冷却する。流体がメッシュ5を通ってさらに流れていくほど、冷却効率はより低下する。この効果は、第2の側部2を起点とする第2のチャネル20(左から右)と、第1の側部1の中間チャネル20が太線で示されることにより例示的に示される。各チャネル20が構成要素100内へとさらに延在するにつれて、この太線表示は冷却効果に連動して細くなっていく。既述のようなチャネル20、21の交絡的形状によって、構成要素100には、第1の側部1からおよび第2の側部2からのメッシュ5が行きわたり得る。したがって、構成要素の全てのセクションは、第1の側部1および第2の側部2のそれぞれから構成要素100に進入する冷却流体による冷却効果同士が同等となることにより、均質的におよび/または均一な効率で冷却され得る。
【0063】
チャネル20、21はさらにパイプを構成し得る。
【0064】
好ましくは、チャネル20は、構成要素100の第1の側部1と第2の側部2との間の距離の半分超にわたり流体入口から延在する。
【0065】
したがって好ましくは、チャネル20は、構成要素100の第1の側部1と第2の側部2との間の距離(図1の構成要素または図示されたセクションの鉛直方向長さを参照)の50%超、60%超、70%超、またはより好ましくは80%超にわたり延在する。
【0066】
さらに好ましくは、チャネル20は、さらにより小さなチャネル21へと分岐するか、または続く。数字「6」は、メッシュ5の内部チャネルの分岐路を特に示し、例えば流れ方向FDに対応する方向へとチャネル20を通して案内される冷却流体は、より小さなチャネル21に進入し得る。
【0067】
流れ方向FDは、図1で流体入口10を指す矢印により具体的に示される。
【0068】
例えば図1および図2などに示されるように、メッシュおよび/またはその分岐路は、第1の側部1から第2の側部2までなどの3つの個別の空間方向において、もしくはそれにしたがって、または横断(水平)方向にしたがって少なくとも部分的に交絡されてもよい。
【0069】
さらに換言すれば、チャネル20、21は、任意の認知可能かつ実際的な流れ方向にしたがって交絡されてもよい。
【0070】
好ましくは、小さいチャネル21は、メッシュ5または網状構造体を形成または構成する。小さいチャネル21は冷却流路と共に、構成要素100の主要壁部または表面7に向かって続くか、または開口する。さらに、構成要素100の各入口10に、チャネル20は、好ましくはより小さなチャネル21に続き、最終的に複数の出口15に続く。それにより、気膜冷却またはさらにはしみ出し冷却が促進され得る。
【0071】
図には明示しないが、チャネル21は、例えばさらにより小さなチャネル(明示せず)へと先細になるか、または続いていてもよい。
【0072】
チャネル20およびチャネル21の直径は、構成要素100の動作中の熱展開に関する個別の必要に応じて変更され得る。チャネル21は、生物工学的幾何学形状、生物測定学的幾何学形状、または生物工学的に設計もしくは改良された幾何学形状を有してもよく、あるセクションから細くされてもよく、より小さなまたは小さいチャネル21がチャネル20に連結されるか、またはその逆となる。
【0073】
図2は、図1のイメージの部分またはセクションをさらに詳細に示す。例えば、流体出口15が、チャネル20、21の端部を含むチャネル20およびより小さなチャネル21に沿った部位にて等距離に設けられることが示される。
【0074】
チャネル20、21は冷却チャネルであり、一般的には、例えば構成要素100の圧力側側部3および吸込み側側部4を形成する構成要素の表面などの気膜冷却などの表面冷却を促進するために、構成要素100の表面(明示せず)に向かって開口するように配置および構成される。メッシュ5の全体にわたり高密度アレイで設けられた複数の流体出口15が存在することにより、構成要素のいわゆるしみ出し冷却さえもが促進され得る。さらに、構成要素100の表面に続くメッシュ5の、および複数の出口15を備える既述の設計は、小さなチャネル21にあり得る欠陥によって構成要素全体の冷却特性が著しくは影響を被ることがなくなり、最悪でも局所的な影響に留まり得るため、構成要素100のフェールセーフ特性に関して有利となる。提案されるメッシュ構造の交絡特性により、構成要素の同一部分が、好ましくはメッシュ網の種々の分岐路またはチャネル20を経由して、種々の側部1、2から冷媒流体を供給される。この独自の特徴により、1つまたは複数の供給チャネルが詰まるまたは故障することがあっても、前記部分への冷媒供給の途絶が防止される。
【0075】
さらに、構成要素の内部から外部または表面領域にかけて、より大きなチャネルからさらに分岐されたより小さなチャネルへと前進することにより、任意の局所的な裂け目または故障が、漸増的に大きくなっていく直径のチャネル路を開くことになり、より多量の冷媒流体を局所的に吐出し、そこでの冷却を強化する。したがって、かかる欠陥は自己回復され得る。
【0076】
図2は、構成要素(図1を参照)の第1の側部1を起点とし得るチャネル20aを左側に示す。チャネル20aは、既述のように、第1の側部1にて対応する流体入口に適切に流体連通される。同じことが、図2の右側に示されるチャネル20cについても当てはまる。チャネル20aとチャネル20cとの間に、図2は、構成要素100の第2の側部2の流体入口10を起点とするチャネル20bを示す(中央において図2のイメージの底部を参照)。上記に示すように、第2の側部2からチャネル20bにちょうど進入する冷却流体により、有利な冷却効果が可能となり、一方ではチャネル20aおよび20cの図示するセクションを通して案内される冷却流体は、高温へと予め加熱され得るためより弱い冷却効果を有し得る。しかし、平均的には、例えば図2で左から右に見た場合などに、前記冷却流体により実行される構成要素100の冷却は、内部冷却チャネル20、21の既述の交絡形状により有効となり得る。
【0077】
当然ながら、既述の効果は、構成要素100の効果的な冷却が主要チャネル20同士の間の領域内でも促進され得るように、やはり交絡されたより小さなチャネル21の交絡形状によって強化される。特に、図2において底部(すなわち第2の側部2)から頂部(すなわち第1の側部1)に見た場合に、隣接し合うチャネル20同士の分岐路6またはより小さなチャネル21は、既述の交絡形状を具現化するように交互する。
【0078】
メッシュ5の既述の設計の代替例としては、出口15は、任意にまたは非等距離に設けられても、製造されても、または配置されてもよい。この構成は、メッシュ形状が具体的に予測または測定された(個別の)熱負荷に対して適合化される場合には有利となり得る。例えば、タービンブレードが、通常は前縁または圧力側側部(例えば図1および図2における左側部または左エッジを参照)にて最高温度にさらされる。
【0079】
図3は、例えばガスタービン内に適用された対応するブレードまたはベーンのタービンエアロフォイルとしての構成要素の具体的な実施形態を示す。チャネル20の交絡形状が、簡略的な様式で具体的に示され、推定される流体流方向FDが、破線矢印で示される。入口10も示されるが、チャネル用の入口パイプは明示していない。好ましくは、第1の側部1における流体入口10または対応するチャネルの個数は、第2の側部2に設けられた入口の対応する個数に等しい。しかし、流体入口10および/または流体出口15の個数は、追加的にまたは代替的に個々の冷却要件に対して適合化されてもよい。
【0080】
図4は、第1の側部1および/または第2の側部2あるいは対応する表面に対して平行とされた、構成要素100の概略側面図または概略断面図である。流体入口10の密度、およびそれと共に好ましくは(主要)冷却チャネル20の密度は、構成要素100の動作において予想される温度分布にしたがって様々であってもよい(上記参照)。特に、前縁7または対応する表面領域の付近において、構成要素100は、図示したようにメッシュ5中に有するチャネル20、21の個数を増やしてもまたは高密度化してもよい。前記高密度メッシュ構造は、好ましくは構成要素100のさらなる領域に比較してより高い熱負荷(が予想されること)を理由として提供される。通常は、構成要素100の前縁(図4の数字7を参照)が、意図された動作中に特に高い熱負荷にさらされる。このようにすることで、前縁7および/または吸込み側側部4に、構成要素100は高密度の内部チャネル20、21を備える。
【0081】
したがって、内部チャネル20、21の設計または分布は、図に示すものとは対照的に均質であってもよく、より高密度のメッシュが、例えば既述のように構成要素100の前縁7および/または吸込み側側部などのホットスポットに設けられてもよい。
【0082】
したがって、冷却チャネル20、21の分布および/または設計は、例えば図4などに示すように構成要素の断面に沿って、ならびに例えば図1および図2などに示すように構成要素の長手方向断面に沿って多様であってもよい。
【0083】
図5は、構成要素100を備える、好ましくはガスタービンであるタービンを概略的に示す。タービンブレードまたはタービンベーンの場合に、タービンは既述のように複数の構成要素100を備える。これは、様々なタービン段50を示す図5に示され、各タービン段50は、複数のブレード構成要素を備える。さらに、既述の構成要素100はタービン200のベーンとして存在してもよく、構成要素の動作において各ベーンを冷却するための対応するメッシュが設けられる。
【0084】
図面には明示しないが、構成要素100は、燃焼器構成要素の部品またはタービンの燃焼チャンバの部品など、速度型機関または流体流タービンの流路ハードウェアの他の部品に関係してもよい。
【0085】
構成要素100は、本明細書において説明されるようなチャネル20、21の既述のメッシュ5と共に、選択的レーザ溶融法または電子ビーム溶融法により好ましくは加法的に製造される。
【0086】
好ましくは、メッシュ5は、コンピュータ支援ソフトウェアおよび/またはシミュレーション手段により設計および/または最適化される。それにより、特に以下の側面および/またはパラメータ、すなわち流体温度、流体質量流量、熱伝導率、熱膨張率、ヤング率、耐クリープ性、耐引裂き性、および/または各構成要素もしくはその材料のさらなる機械的、熱的、および/または材料固有の特性もしくは数量が、計算および/または最適化され得る。特に、最適化ソフトウェアは、メッシュの上記に上げた設計および/または構成要素のさらなる側面に関する標的機能に対して作用する一般的最適化アルゴリズムを含み得る。したがって、メッシュ、交絡形状、および/またはチャネルの最適化された設計は、非常に変則的であってもよく、好ましくは確定的設計アプローチにより導出できないものであってもよい。最適化アルゴリズムおよび加法的製造の組合せが、反直観的であり得る、前例のないものであり得る、および/または確定的設計アプローチによるアクセスが不可能であり得る構成要素の設計および動作性能の領域におけるそれぞれ相乗的利点を引き出すためにさらに提供される。したがって、構成要素またはメッシュ設計の利点は、(非従来型の)加法的製造技術を適用することによってのみ実現または助長され得る。
【0087】
本発明の保護範囲は、本明細書において上記に示した例に限定されない。本発明は、各新規の特徴および特徴の各組合せにおいて具現化され、具体的にはこの組合せには、この特徴または特徴の組合せが特許請求の範囲にまたは例において明示されない場合でも、特許請求の範囲に述べられる任意の特徴のあらゆる組合せが含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 第1の側部
2 第2の側部
3 圧力側側部
4 吸込み側側部
5 メッシュ
6 分岐路
7 前縁
10 流体入口
15 流体出口
20 内部チャネル
20a チャネル
20b チャネル
20c チャネル
21 より小さなチャネル、内部チャネル
50 タービン段
100 構成要素
200 ガスタービン、タービン
FD 流れ方向
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2017年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば頂側部などの第1の側部(1)および例えば底側部などの第2の側部(2)を備えるガスタービン(200)などの速度型機関用の構成要素(100)であって、前記構成要素(100)は、前記構成要素(100)を貫通して流体を案内するための内部チャネル(20)のメッシュ(5)をさらに備え、前記メッシュ(5)のチャネル(10)と流体連通状態にある流体入口が、前記第1の側部(1)および前記第2の側部(2)のそれぞれに設けられ、前記メッシュ(5)は、前記構成要素(100)に進入する流体が少なくとも部分的に、前記メッシュ(5)内の対向し合う方向(FD)にしたがって案内されるように、前記第1の側部(1)の前記流体入口(10)を起点とするチャネル(20)と前記第2の側部(2)の前記流体入口(10)を起点とするチャネル(20)とが交絡するようにさらに配置および構成され、前記チャネル(20)は、流体流方向(FD)に対応する方向において前記メッシュ(5)のより小さなチャネル(21)へと先細になるかまたは続いており、前記メッシュ(5)は、前記チャネル(20)が分岐されるように構成され、かつ各チャネルが複数の流体出口(15)へと続くように構成される、構成要素(100)。
【請求項2】
前記第1の側部(1)は頂側部であり、前記第2の側部(2)は底側部であり、前記頂側部および前記底側部は、相互に対向して配置される、請求項1に記載の構成要素(100)。
【請求項3】
前記第1の側部(1)および前記第2の側部(2)に複数の流体入口(10)を備える、請求項1または2に記載の構成要素(100)。
【請求項4】
前記メッシュのチャネル(20)が、前記第1の側部と前記第2の側部との間のほぼ全距離にわたって前記流体入口(10)から延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項5】
前記チャネル(20)は、冷却チャネルであり、前記メッシュ(5)は、前記第1の側部(1)と前記第2の側部(2)との間に均質的に分布する、請求項1から4のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項6】
前記チャネル(20、21)は冷却チャネルであり、前記メッシュ(5)は、前記第1の側部(1)と前記第2の側部(2)との間に非均質的に延在し、前記メッシュ(5)は、意図された運転において前記構成要素(100)がさらされる個別の熱負荷に対して適合化される、請求項1から5のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項7】
前記メッシュ(5)の密度が、低い熱負荷にさらされる表面領域に比べてある特定の高い熱負荷にさらされる前記構成要素(100)の表面領域において高くなっている、請求項1から6のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項8】
前記チャネル(20、21)は冷却チャネルであり、表面冷却を促進するために、前記構成要素(100)の表面(7)に向かって開口するように配置および構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項9】
前記構成要素(100)は、タービン(200)のブレードまたはベーンであり、前記チャネル(20、21)は、前記構成要素(100)を貫通して冷却流体を案内するための冷却チャネルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の構成要素(100)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の構成要素(100)を備えるタービン(200)。
【請求項11】
選択的レーザ溶融法または電子ビーム溶融法が製造のために利用される、請求項1から9のいずれか一項に記載の構成要素(100)を加法的に製造する方法。
【請求項12】
前記メッシュ(5)の設計が、コンピュータ支援ソフトウェアおよび/またはシミュレーションにより、以下の数量、すなわち各構成要素またはその材料の流体温度、流体質量流量、熱伝導率、熱膨張率、ヤング率、耐クリープ性、または耐引裂き性に関して最適化される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
加法的製造および前記設計最適化の組合せが、従来型の設計および製造方法の制約を解消することによって、前記メッシュおよび/または前記構成要素に対する非確定的設計解決策を実現するために利用される、請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】