(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-501595(P2019-501595A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(54)【発明の名称】狭帯域のインターネット・オブ・シングスのためのユーザープレーンの最適化
(51)【国際特許分類】
H04W 76/19 20180101AFI20181214BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20181214BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W48/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-535102(P2018-535102)
(86)(22)【出願日】2016年1月8日
(85)【翻訳文提出日】2018年8月10日
(86)【国際出願番号】CN2016070502
(87)【国際公開番号】WO2017117807
(87)【国際公開日】20170713
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン ヤンジー
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン ユッシ−ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー シーン
(72)【発明者】
【氏名】ヒエタラハティ ハンヌ ペトリ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067CC14
5K067FF03
5K067GG01
5K067HH23
(57)【要約】
ユーザ端末(UE)とネットワークアクセスノード(eNB又はCIoT基地局)のいずれも、ローカルメモリにUEコンテキストを記憶する。UEとネットワークアクセスとの間の指定された通信に基づいて、UEコンテキストが有効であることを示すタイマーが開始される。UEをアイドルモードから接続モードに移行するため、第1および第2の手続から選択が行われる。この選択は前記タイマーおよび少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準(例えば、コンテキストバリディティエリア、無線条件、CEレベル等)に基づく。そしてデータが、選択された手続を介して取得された無線接続に基づいて送信または受信される。ここで、第1の手続と第2の手続のうちのいずれか一方のみが、記憶されているUEコンテキストを利用する。上記手続きの間、UEはCIoT基地局に、UEコンテキストを記憶していることを示す情報を送信することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末コンテキストをローカルメモリに記憶することと、
ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に自動的に基づいて、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを示すタイマーを開始することと、
前記タイマーと少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とに基づいて、前記ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるために、第1の手続と第2の手続との間で選択することと、
その後、前記選択された第1または第2の手続を介して取得された無線接続で、データを送信または受信することと、
を含み、ここで前記第1の手続と第2の手続のうちのいずれか一方のみが、前記記憶されているユーザ端末コンテキストを利用する、方法。
【請求項2】
前記第1の手続はRRC connection resume手続であり、前記タイマーが満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされる場合に選択され、
前記第2の手続はRRC connection setup手続であり、前記RRC connection setup手続の間に前記ユーザ端末のための新しいユーザ端末コンテキストが確立される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とは、前記ユーザ端末が指定されたコンテキストバリディティエリア内で動作していることである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準は、少なくとも1つの最低限の無線条件、および/または、少なくとも1つの最低限のCEレベルを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記タイマーはコンテキストバリディティタイマーであり、
前記コンテキストバリディティタイマーのための値と、前記指定されたコンテキストバリディティエリアとは、ブロードキャストシグナリングまたは専用のシグナリングを介して前記ユーザ端末に通知される、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ端末と前記ネットワークアクセスノードとの間の前記指定された通信は、
RRC connection suspend メッセージと、
RRC connection resume メッセージと、
RRC connection reconfiguration メッセージと、
RRC connection setup メッセージと、
RRC connection release メッセージと、
ユーザデータと、
のうちの何れかを含む、請求項1から5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
前記ネットワークアクセスノードからのシグナリングによって前記選択が無効にされ、前記記憶されているユーザ端末コンテキストを使用しないことにされた場合、前記タイマー及び前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準に関わらず、前記第2の手続が選択される、請求項1から6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
前記方法は前記ユーザ端末を動作させる方法であり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記ユーザ端末が前記第1の手続を選択する場合、前記第1の手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを前記ユーザ端末が前記CIoT基地局に示すことを含む、
請求項1から7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
前記方法は前記ネットワークアクセスノードを動作させる方法であり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記CIoT基地局が前記第1の手続を選択する場合、前記第1の手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効である旨の通知を前記ユーザ端末から前記CIoT基地局が受信することを含む、請求項1から7の何れかに記載の方法。
【請求項10】
コンピュータ可読プログラムを記憶する少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサとを備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ可読プログラムと共に、前記装置に少なくとも、
ユーザ端末コンテキストを前記少なくとも1つのメモリに記憶することと、
ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に自動的に基づいて、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを示すタイマーを開始することと、
前記タイマーと少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とに基づいて、前記ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるために、第1の手続と第2の手続との間で選択を行うことと、
その後、前記選択された第1または第2の手続を介して取得された無線接続で、データを送信または受信することと、
を実行させ、ここで前記第1の手続と第2の手続のうちのいずれか一方のみが、前記記憶されているユーザ端末コンテキストを利用する、装置。
【請求項11】
前記第1の手続はRRC connection resume手続であり、前記タイマーが満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされる場合に選択され、
前記第2の手続はRRC connection setup手続であり、前記RRC connection setup手続の間に前記ユーザ端末のための新しいユーザ端末コンテキストが確立される、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とは、前記ユーザ端末が指定されたコンテキストバリディティエリア内で動作していることである、請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準は、少なくとも1つの最低限の無線条件、および/または、少なくとも1つの最低限のCEレベルを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記タイマーはコンテキストバリディティタイマーであり、
前記コンテキストバリディティタイマーのための値と前記指定されたコンテキストバリディティエリアとは、ブロードキャストシグナリングまたは専用のシグナリングを介してユーザ端末に通知される、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記ユーザ端末と前記ネットワークアクセスノードとの間の前記指定された通信は、
RRC connection suspend メッセージと、
RRC connection resume メッセージと、
RRC connection reconfiguration メッセージと、
RRC connection setup メッセージと、
RRC connection release メッセージと、
ユーザデータと、
のうちの何れかを含む、請求項10から14の何れかに記載の装置。
【請求項16】
前記ネットワークアクセスノードからのシグナリングによって前記選択が無効にされ、前記記憶されたユーザ端末コンテキストを使用しないことにされた場合前記タイマー及び前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準に関わらず、前記第2の手続が選択される、請求項10から15の何れかに記載の装置。
【請求項17】
前記装置は前記ユーザ端末であり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記ユーザ端末が前記第1の手続を選択する場合、前記第1の手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを前記ユーザ端末が前記CIoT基地局に示すことを含む、
請求項10から16の何れかに記載の装置。
【請求項18】
前記装置は前記ネットワークアクセスノードであり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記CIoT基地局が前記第1の手続を選択する場合、前記第1の手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効である旨の通知を前記ユーザ端末から前記CIoT基地局が受信することを含む、
請求項10から16の何れかに記載の装置。
【請求項19】
コンピュータ可読命令のプログラムを記憶しているメモリであって、
少なくとも1つのプロセッサによって前記プログラムが実行されると、ホスト通信デバイスに少なくとも、
ユーザ端末コンテキストを前記通信デバイスのローカルメモリに記憶することと、
ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に自動的に基づいて、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを示すタイマーを開始することと、
前記タイマーと少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とに基づいて、前記ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるために、第1の手続と第2の手続との間で選択することと、
その後、前記選択された第1または第2の手続を介して取得された無線接続に基づいて、データを送信または受信することと、
を実行させ、ここで前記第1の手続と第2の手続のうちのいずれか一方のみが、前記記憶されているユーザ端末コンテキストを利用する、メモリ。
【請求項20】
前記第1の手続はRRC connection resume手続であり、前記タイマーが満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされる場合に選択され、
前記第2の手続はRRC connection setup手続であり、前記RRC connection setup手続の間に前記ユーザ端末のための新しいユーザ端末コンテキストが確立される、請求項19に記載のメモリ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とは、前記ユーザ端末が指定されたコンテキストバリディティエリア内で動作していることである、請求項19または請求項20に記載のメモリ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準は、少なくとも1つの最低限の無線条件、および/または、少なくとも1つの最低限のCEレベルを含む、請求項21に記載のメモリ。
【請求項23】
前記タイマーはコンテキストバリディティタイマーであり、
前記コンテキストバリディティタイマーのための値と、前記指定されたコンテキストバリディティエリアとは、ブロードキャストシグナリングまたは専用のシグナリングを介して前記ユーザ端末に通知される、
請求項21に記載のメモリ。
【請求項24】
前記ユーザ端末と前記ネットワークアクセスノードとの間の前記指定された通信は、
RRC connection suspend メッセージと、
RRC connection resume メッセージと、
RRC connection reconfiguration メッセージと、
RRC connection setup メッセージと、
RRC connection release メッセージと、
ユーザデータと、
のうちの何れかを含む、請求項19から請求項23の何れかに記載のメモリ。
【請求項25】
前記ネットワークアクセスノードからのシグナリングによって前記選択が無効にされ、前記記憶されたユーザ端末コンテキストを使用しないことにされた場合前記タイマー及び前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準に関わらず、前記第2の手続が選択される、請求項19から請求項24の何れかに記載のメモリ。
【請求項26】
前記ホスト通信デバイスは前記ユーザ端末であり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記ユーザ端末が前記第1の手続を選択する場合、前記第1の手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを前記ユーザ端末がCIoT基地局に示すことを含む、
請求項19から請求項25の何れかに記載のメモリ。
【請求項27】
前記ホスト通信デバイスは前記ネットワークアクセスノードであり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記CIoT基地局が前記第1の手続を選択する場合、前記第1の手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効である旨の通知を前記ユーザ端末から前記CIoT基地局が受信することを含む、
請求項19から請求項25の何れかに記載のメモリ。
【請求項28】
ユーザ端末コンテキストを記憶するメモリ手段と、
前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを示すタイミング手段と、
前記ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるために、第1の手続と第2の手続との間で選択を行う選択手段と、
前記選択された第1または第2の手続を介して取得された無線接続で、データを送信および/または受信する無線手段と、
を備える装置であって、
前記タイマー手段はユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に基づいて自動的に開始され、
前記選択は、前記タイマーと、少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とに基づき、
前記第1の手続と第2の手続のうちのいずれか一方のみが、前記記憶されたユーザ端末コンテキストを利用する、
装置。
【請求項29】
前記第1の手続はRRC connection resume手続であり、前記タイミング手段が満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準が満たされる場合に前記選択手段によって選択され、
前記第2の手続はRRC connection setup手続であり、前記RRC connection setup手続の間に前記ユーザ端末のための新しいユーザ端末コンテキストが確立される、
請求項28に記載の装置。
【請求項30】
無線接続を一時停止するために無線リソース接続シグナリングを送信することと、
ユーザ端末コンテキストをローカルメモリに記憶することと、
を含み、前記無線リソース接続シグナリングはコンテキストバリディティタイムとコンテキストバリディティエリアとのうちの少なくとも1つを含む、
方法。
【請求項31】
前記無線リソース接続シグナリングは、無線リソースの接続リリースシグナリングを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
コンピュータ可読プログラムを記憶する少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサとを備える装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ可読プログラムと共に、前記装置に少なくとも、
無線接続を一時停止するために無線リソース接続シグナリングを送信することと、
ユーザ端末コンテキストをローカルメモリに記憶することと、
を実行させ、
前記無線リソース接続シグナリングは、コンテキストバリディティタイムとコンテキストバリディティエリアとのうちの少なくとも1つを含む、
装置。
【請求項33】
前記無線リソース接続シグナリングは、無線リソースの接続リリースシグナリングを含む、請求項32に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の発明は無線通信に関するものであり、特に、CIoT(Cellular Internet of Things)でより一般的になる可能性のある、スモールデータパケットのための無線アクセスの確立に関するものである。
【0002】
IoT(Internet of Things)の通信プロトコルの進歩に向け、3GPP(3rd Generation Partnership Project)は新たなリリース13WI(work item)を承認した。その目的は、セルラー方式の狭帯域IoTのための無線アクセスを規定することである。大部分において、これは進化型UMTS無線アクセス(LTE(またはLong Term Evolution)として知られているE−UTRA)のバリエーションに基づいている。このWIは、改良された屋内カバレッジエリア、通信遅延を許容しうること、によって特徴づけられる、膨大な数の低スループットデバイスのためのサポート、かなりの低コスト且つ低いデバイス消費電力、最適化されたネットワークアーキテクチャに対処するものである。
【0003】
さらに、超低複雑性、電力制約、低データレートのIoTデバイスをサポートするアーキテクチャの強化へのリサーチもあり、これらの強化は、効率性の高い周波数の操作、不定期なスモールデータの送信をサポートするものである。従来のセルラー方式のシグナリングは、比較的大きなデータが送信されることを前提に発展した。そして、RRC(Radio Resource Control;無線リソース)接続を設定するためのシグナリングオーバーヘッドは、通信されるデータと比較して大きくなかった。バックグランドで継続的に動作する'常駐'アプリケーションの出現で、やり取りされるデータ量はさらに小さくなった。しかし、そのソリューションは先行の典型的な事象を度々適用するため、データチャネルの割当てのためのネットワーク全体のネゴシエーションの再構築よりも、データ通信の間のインアクティブ期間の方が長くなってしまった。さらに抜本的な再検討をすることがIoTには必要である。なぜなら、多くのIoTデバイスとのアクティブなデータ通信の間に、かなり大きな遅延期間が生じる可能性があるためである。なお、セルラー無線スペクトルを使用するIoTを、CIoT(cellular IoT; セルラーIoT)という。
【0004】
いくつかの提案の概要が、3GPP TR 23.720 v1.1.0 (2015-10)で示されている。ソリューション2では、前もって確立したNAS(network access stratum)セキュリティを用いる不定期なスモールデータの送信をテーマにしている。移動体のMO(mobile originated)スモールデータの送信の場合、携帯機器(例えばUE(ユーザ端末))がアタッチ手続を行い、そのAS(access stratum)コンテキストを要求した後にRRC接続を確立し、NASメッセージ(新たな形式では)を送信する。ここで、このNASメッセージは、暗号化されたIE(information element)に含まれるスモールデータパケットを運ぶ。C−SGN(cellular serving gateway node)は、このNASメッセージの暗号化されていない部分から、UEに割り当てられる鍵、シーケンス番号、識別子を取得する。そして、このC−SGNは、これら鍵、シーケンス番号、識別子を使用してUEセキュリティコンテキストを特定する。ここで、このセキュリティコンテキストは、スモールデータパケットの受信者に渡すためにそのスモールデータパケットを復号する。
【0005】
同じ3GPP TR 23.720の文書でも、RRC接続を設定するためのユーザープレーン(user-plane)ソリューションであるソリューション18の詳細が示されている。ソリューション18には、RRC suspend手続が含まれている。このRRC suspend手続により、RRC−IDLEモードや類似のRRC resume手続では、UEがそのAS(access stratum)コンテキスト(一般的には、UE(ユーザ端末)コンテキストともいう)を確保する。
図1にはこのRRC suspend手続が示されており、これは3GPP TR 23.720 v1.1.0.の
図6.18.1.3-1から再作成したものである。ソリューション18のため、ネットワークのMME(mobility management entity)及びeNB(E−UTRAネットワーク基地局)はUEそれ自身と同様に、ベアラ関連情報と共にUEコンテキストを記憶する。ASコンテキストまたはUEコンテキストはUEセキュリティコンテキストを含む。
【0006】
ソリューション18の潜在的利点は、UEがスモールデータパケットを送信する必要がある場合に、そのUEコンテキストを要求してRRC-CONNECTED モードに戻る必要がないことであろう。一方、これは効率的なことであり、その両方ともUEコンテキスト利用可能性(UEコンテキストが利用可能であるか否か)を正しく認識しているUE及びネットワークに、完全に依存する。この前提が有効でない場合、同期されたコンテキストを取得するためにシグナリングの交換が必要となる。例えば、UEが、有効なUEコンテキストを有していないeNBに対してRRC connection resume手続を開始する場合、X2インターフェースを介した(eNBからeNBへの)ノーマルなRRC connection setup手続またはコンテキストのフェッチ(fetch)手続を使用した解決は、シグナリングオーバーヘッドの劇的な増加やアクセス遅延を意味するであろう。
【0007】
一方、eNBがそのカバレッジの下で莫大な数のUEに関するUEコンテキストを維持する場合、メモリ要求はかなりのものになる。eNBが、自身のシグナリングエリア外に移動したUEコンテキストを記憶する場合には、より一層そのことがいえる。
【0008】
本願の第1の態様によれば、ユーザ端末コンテキスト(UEコンテキスト)をローカルメモリに記憶することと、ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に自動的に基づいて、前記UEコンテキストが有効であることを示すタイマーを開始することと、前記タイマーと少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とに基づいて、ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるための第1の手続と第2の手続との間の選択を行うことと、その後、前記選択された第1または第2の手続を介して取得された無線接続でデータの送信または受信を行うこと(ここで、前記第1および第2の手続のいずれか1つのみが前記記憶されているUEコンテキストを利用する)を含む方法が存在する。
【0009】
本願の第2の態様によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶する少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサとを備える装置が存在する。この第2の態様では、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリと前記コンピュータ可読プログラムと共に、前記装置に少なくとも、ユーザ端末コンテキストを前記少なくとも1つのメモリに記憶することと、ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に自動的に基づいて、前記記憶されているUEコンテキストが有効であることを示すタイマーを開始することと、前記タイマーと少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とに基づいて、ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるための第1の手続と第2の手続との間の選択を行うことと、その後、前記選択された第1または第2の手続を介して取得された無線接続でデータの送信または受信を行うこと(ここで、前記第1および第2の手続のいずれか1つのみが前記記憶されているUEコンテキストを利用する)を実行させる。
【0010】
本願の第3の態様によれば、コンピュータ可読命令のプログラムを記憶するメモリが存在し、前記コンピュータ可読命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ホスト通信デバイスに少なくとも、ユーザ端末コンテキストを前記通信デバイスのローカルメモリに記憶することと、ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に自動的に基づいて、前記記憶されているUEコンテキストが有効であることを示すタイマーを開始することと、前記タイマーと少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準とに基づいて、前記ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるための第1の手続と第2の手続との間の選択を行うことと、その後、前記選択された第1または第2の手続を介して取得された無線接続でデータの送信または受信を行うこと(ここで、前記第1および第2の手続のいずれか1つのみが前記記憶されているUEコンテキストを利用する)とを実行させる。
【0011】
本願の第4の態様によれば、メモリ手段と、タイミング手段と、選択手段と、無線手段とを備える装置があり、前記メモリ手段は、ユーザ端末コンテキストを記憶するためのものであり、前記タイミング手段は、前記記憶されているUEコンテキストが有効であることを示すためのものであり、ここで、前記タイミング手段はユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に基づいて自動的に開始される、前記選択手段は、ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させるために、第1の手続と第2の手続との間で選択を行う。この選択はタイマーと、少なくとも1以上の他の所定のバリディティ基準とに基づく。前記無線手段は、前記選択された第1または第2の手続を介して取得した無線接続で、データを送信または受信するためのものである。ここでは、第1の手続と第2の手続のうちのいずれか一方のみが、記憶されたUEコンテキストを利用する。
【0012】
本願の第5の態様によれば、無線接続を一時停止するための無線リソース接続シグナリングを送信することと、ユーザ端末コンテキストをローカルメモリに記憶することとを含む方法が存在し、前記無線リソース接続シグナリングは、コンテキストバリディティタイムとコンテキストバリディティエリアのうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
本願の第6の態様によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶する少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサとを備える装置が存在する。第6の態様では、少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータ可読プログラムと共に、前記装置に少なくとも、無線接続を一時停止するための無線リソース接続シグナリングを送信することと、ユーザ端末コンテキストをローカルメモリに記憶することとを実行させ、前記無線リソース接続シグナリングは、コンテキストバリディティタイムとコンテキストバリディティエリアのうちの少なくとも1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来技術のシグナリング図であり、3GPP TR 23.720 v1.1.0の
図6.18.1.3-1を再作成したものである。CIoTの目的のために検討されたRRC suspend手続を示す。
【0015】
【
図2】本願のいくつかの実施形態によるものであり、ネットワークアクセスノード、UE、その他の間のシグナリングを示す図である。
【0016】
【
図3】UE及び/またはネットワークアクセスノードの視点からの上記内容をいくつか概略化した処理フロー図である。
【0017】
【
図4】上記内容のいくつかを実用化するのに適したいくつかの装置/デバイスを示したハイレベルな概略図である。
【0018】
3GPP TR 23.720 v1.1.0に詳述されているソリューション18は、先行のRRC接続からの情報を後続のRRC connection setupのために再利用し、シグナリングオーバーヘッドとネットワークでの関連する処理負荷とを軽減する。このシグナリングオーバーヘッドの軽減は、これらRRC Suspend及びRRC Resumeのオプション、新しいCIoTのIDLE(アイドル)状態での改良されたUE動作の対応導入によっても実現される。ここで、この新しいCIoTのIDLE状態では、関連するAS情報が、UEのIDLEモード移行時に常に記憶される。この記憶はRRC suspend手続をトリガにして行われ、その記憶されたAS情報は、この新しいタイプのUEによる、その後の接続設定(connection setup)のために再利用される。
【0019】
上述のとおり、UE及び/またはネットワークは、UEコンテキスト利用可能性の間違った認識(incorrect knowledge)を有してしまう可能性がある。これらUE及びネットワークのいずれかは、UEコンテキストの不整合を是正するため、追加的で望ましくないシグナリングの交換を引き起こす。そして、シグナリングオーバーヘッドを増加させ、遅延を追加して、RRC connectionと再確立されたUEを取得する。この懸念事項を解決するため、ソリューション18を特別に追加する本願の実施形態は、以下の前提から始まる。
[A]UEは、このUP(user-plane;ユーザープレーン)ソリューションのためにRRC_IDLEモードでASコンテキスト/UEコンテキストを保持する場合がある(この特有のRRC_IDLEモードは、別名、拡張RRC_IDLE(拡張RRCアイドル)その他の類似名称で知られるようになった。)
[B]RRC Connection Suspend タイプの手続は、UEがASコンテキスト/UEコンテキストを保存する間の、RRC_CONNECTED状態から上記RRC_IDLE状態への移行に使用される。
[C]UEのセキュリティは、RRC Suspend及びRRC resume手続の間終始継続され、UEコンテキストは変化しない。
[D]RRC Resume タイプの手続は、上記のRRC_IDLE状態からRRC_CONNECTED状態への移行に使用される。そして、ネットワーク(特にeNB)と同様にUEに前もって保存された情報は、RRC接続を再開するときに使用される。
[E]RRC Suspendタイプの手続とRRC Resumeタイプの手続は、新しいメッセージと共に新たな処理となる場合がある。また、これらの一方または両方は、現存するLTEの手続にある新たな情報要素を使用して実行される場合がある。
[F]RRC接続を再開するためのメッセージでは、UEは、eNBによって使用される識別子を提供し、記憶された情報にアクセスする。ここで、この記憶された情報は、RRC接続を再開するために要求される。
[G]RRC Resumeタイプの手続が失敗した場合(ASコンテキスト/UEコンテキストがなかった場合等)、UEは新たなRRC connection setupを開始することができる。これは、従来のRRC establishment の手続または、それらを短縮化もしくは最適化した形式を介して行われる。
[H]承認された伝搬ブロックが多重化等を許可した場合、RRC connectionに使用されるDRB(data radio bearer)は、接続再開要求と多重化される場合がある。
[I]DRB(data radio bearer)は、狭帯域IoTで確立される。
[J]UP(user-plane)ソリューションのため、PDCP(packet data convergence protocol)のヘッダー圧縮が、インターネットプロトコル(IP)タイプのトラフィックに使用される場合がある。
【0020】
UE及び/またはネットワークが、RRC Suspend及びRRC Resumeのやり取りの間でUEコンテキスト利用可能性の間違った認識を有するときに生じうる問題を回避するため、本願の実施形態は、本明細書でコンテキストバリディティタイム(context validity time)及びコンテキストバリディティエリア(context validity area)と称するものを取り入れる。これらは、UEのRRC接続を一時停止させるのに使用されるRRC release手続でまず最初に取り入れられる。コンテキストバリディティタイムとコンテキストバリディティエリアに関する情報に基づいて、RRC resumeタイプの手続が現時刻に現エリアで成功可能か否か、または、UEが不定期なスモールデータパケット等を送受信するためのデータを有しているときには、代替としてノーマルなRRC connection setup手続 (サービス要求)を実行させるべきかを、UEは判断することができる。本願のさらに詳しい実施形態では、コンテキスト利用可能性指標(context availability indication)のための特定のUE−仕様条件(specific condition)をさらに詳述する。ここで、このコンテキスト利用可能性指標は、UEがその判断に基づいてRRC Resumeタイプの手続を試みる1つの指標である。
【0021】
UE及びCIoT基地局(eNB)の両方が、これら自身のコンテキストバリディティタイマーを維持している。ここで、このコンテキストバリディティタイマーは、同期して動作することが理想的であるが、互いに無関係に動作している。ある1つの実施形態では、このタイマーはネットワークからの専用シグナリングに基づいてスタートする。例えば、UEが以下のいずれかを受信した場合である。RRC connection suspendメッセージ、RRC connection resumeメッセージ、RRC connection reconfigurationメッセージ、RRC connection setupメッセージ、RRC connection releaseメッセージ等を受信した場合である。ある実施形態では、このタイマーはまた、ネットワークからのデータ送信に基づいてスタートする。記憶されたUEコンテキストは、このタイマーの終了によって有効でなくなる(リリース、一時停止、ローカルメモリからの削除、使用中からの停止による)。もちろん、タイマーが依然として特定の命令によって実行されていても(まだタイマーが終了していない)、記憶されたUEコンテキストがリリースされる場合、これを無効にすることができる。そのため、ネットワークは専用のシグナリングを介してUEにブロードキャストまたは通信する場合がある。一旦このタイマーが開始すると、特定の実施形態では、ネットワークからのブロードキャストまたは専用のシグナリング、コントロールプレーンソリューション(例えば、3GPP TR 23.720のソリューション2、ここで、これはアタッチ手続の間のパケットデータネットワークPDN/IPの接続設定を要しないシグナリングオンリーのソリューションである)の開始、ノーマルなサービス要求手続(例えば、ノーマルなRRC Connection Setup手続)の開始によって停止される。
【0022】
タイマー用の値は、様々な実施形態において、セルの至る場所で共通の値でありうる。ここでこのセルは、システム情報に含まれるネットワークによってブロードキャストされる。追加的または代替的に、他の実施形態では、この値は専用のシグナリングでUEに伝達されうる。さらに/または、公開されている無線の仕様や事前にeNB及びUEに知らされているものに従い、規定されている場合もある。
【0023】
コンテキストバリディティエリアは、記憶されているUEコンテキストが有効なエリアを示す。例えば、セル、周波数帯、特定要素の搬送波、特定周波数、トラッキングエリア、UEコンテキストが有効なローミングエリア又はローカルエリアを、ネットワークはUEに示す。追加的または代替的に、ネットワークはUEコンテキストを示してもよい。ここで、このUEコンテキストは、コンテキストフェッチコマンドまたはコンテキストフェッチリクエストを用いれば、常にどこでも、有効になる。UEがシグナリングされたコンテキストバリディティエリアから移動する場合、UEは、指定されたコンテキストバリディティエリア外への移動に関する情報を、シグナリングを介してネットワークに知らせることができる。非限定的なある1つの実施形態では、これは例えばUEによって達成される。ここで、このUEは、新しいトラッキングエリアに移動する場合、MME(mobility management entity)からネットワークへのコンテキストリリース手続を開始する。この場合、ネットワークはコンテキストを削除できる。しかしながら、UEは、コンテキストバリディティエリア外ではRRC resume手続を使用できない(移動先のエリアに対して有効な新しいUEコンテキストを取得していないため)。そのため、UE及びネットワークは、UEがコンテキストバリディティエリア外に移動してしまうと、保存されたコンテキストをリリース、一時停止、削除その他使用を中止する場合がある。UEがバリディティエリア外に移動したことをネットワークに知らせる他の例として、バリディティエリアがUEのトラッキングエリアにいる場合、UEがそのトラッキングエリアの更新メッセージを新しいエリアに送信する前(または後)に、UEから移動元のエリアに直接知らせてもよい。代替的に、UEは、移動元へのこの追加的なメッセージを省略することができる。そして、バリディティエリア外に移動した場合には単に古いコンテキストの使用を中止する。また、タイマーも最終的に満了する。
【0024】
UEが、記憶されたUEコンテキストを使用するRRC接続の再開を望む場合、いくつかの実施形態では、特定の条件に一致した場合にのみ、使用可能な記憶されているUEコンテキストを有する旨を、UEはネットワークに示すであろう。これらの条件は、バリディティ基準(validity criterion)とも称することができる。例えば、予めネットワークによって示された特定のコンテキストバリディティエリア(例えば、特定のセル、帯域、搬送波、周波数、トラッキングエリア、ローミングエリア、ローカルエリア)でUEが動作している等の条件である。他の条件として無線条件がある。例えば、最低限の信号電力および/または信号品質等を有している等である。さらに、最低限のCE(coverage enhancement)レベルを有している等の条件であってもよい。CEレベルは無線技術では周知であり、一般的に、不十分なカバレッジのエリアに位置する特定の無線デバイスと無線接続するための、特定の無線パラメータの追加的エフォートのレベルまたは適合レベルを意味する。これら条件のあらゆる組み合わせが、自身のUEコンテキストを保存しているUEに予め通知されていてもよい。
【0025】
これらの実施形態にしたがうUE及び/またはネットワークの特定の動作は、公開されている無線のスタンダード技術/仕様で詳細に示されている場合がある。例えば、上記の無線の仕様は、RRC接続を一時停止するため、RRC Connection Releaseメッセージにこの新しいコンテキストバリディティタイム及びコンテキストバリディティエリアの情報を追加することを必須事項としてもよい。RRC connection の一時停止手続のために採用された新しいRRCメッセージが存在する場合、このコンテキストバリディティ関連情報をそのRRCメッセージに追加してもよい。追加的または代替的に、コンテキストバリディティタイムとコンテキストバリディティエリア情報をブロードキャストシステム情報に追加する旨、無線の仕様が要求してもよい。ここで、このブロードキャストシステム情報は、このセルの下で動作している全UE共通である。前述のとおり、様々な例示において、このコンテキストバリディティエリア情報はセル、帯域、搬送波、周波数、トラッキングエリア、ローミングエリア、ローカルエリアであってよく、また、コンテキストフェッチコマンドまたはコンテキストフェッチリクエストを用いて、どこでも/いつでも使用可能になりえる、あらゆる時間/場所であってよい。
【0026】
図2は、UE10、CIoT基地局(CIoT−BS)20、C−SGN(cellular serving gateway)30、P−GW(packet gateway)40の間のシグナリングを示す図の非限定的な例示である。
図2の記載に先行し、UE10はネットワーク/CIoT−BS20とRRC接続を確立しており、このネットワーク/CIoT−BS20にとって有効なUEコンテキストが存在している。
図1のステップ1と同様に、ネットワークがRRC接続を一時停止することを決定し、
図1のeNBとMMEとの間のメッセージ2と同様に、C−SGN30にUE context deactivateメッセージ202を送信する。C−SGN30はその後、Release Access Bearer Request メッセージ203をP−GW40に送信する。これに応答して、Release Access Bearer Responseメッセージ204が返ってくる。この応答メッセージ204の受信に基づき、C−SGN30はCIoT−BS20に受信確認(Ack)205を送信する。これにより、UEコンテキストは無効になる。
【0027】
受信確認205をトリガにして、CIoT−BS20はUE10に、RRC connection releaseメッセージ206を送信する。コンテキストバリディティタイマーの値と、コンテキストバリディテイエリアに関する情報とが(システム情報等によって)まだ提供されていない場合、RRC connection releaseメッセージ206がこの情報をUE10に伝えてもよい。このメッセージ206をトリガにして、UE10は、CIoT−BS20と同様、UEコンテキストバリディティタイマー201−UEをスタートさせ、CIoT−BS20自身のローカルコンテキストバリディティタイマー210−NWをスタートさせる。また一方、これらのタイマー201−UE/210−NWはこれら各自のエンティティを実行している。ここで、この各自のエンティティは、UE10及びCIoT−BS20のローカルメモリにUEコンテキストを記憶している。(ただし、上記の他のイベントが、UE10及びCIoT−BS20にUEコンテキストを削除することを許可する場合は記憶していないかもしれない。例えば、指定されたコンテキストバリディティエリアの外にUEが移動している場合は、UEコンテキストを削除することが許可されることがある。)スタートされたタイマーと共に、UE10はRRC IDLEモードまたは状態211に入る。ここで、この状態211は、ECM IDLEモードであると理解してもよい。UE10へのダウンリンク(DL)データがある場合、C−SGN30も、
図2に示すようにUE10がRRC IDLEモードまたはECM IDLEモードにあることを察知する。そして、新しいデータがアップリンク上でUE10から送信されたのか、ダウンリンク上でUE10に送信されたのかに関わらず、記憶されたUEコンテキストを使用してRRC接続を再開する。
【0028】
UE10は、コンテキストバリディティタイム値をタイマーに適用する。ここで、このタイマーはネットワークからの専用のシグナリングによってスタートされる。具体的には、RRC connection suspend、RRC connection resume、RRC connection reconfiguration、RRC connection setup、及び/またはRRC connection releaseのシグナリング(例えば、新たなRRCシグナリングまたは従来のRRCシグナリングに追加された新たな情報のいずれか)である。このタイマーも、UEから/UEへのデータ送信に基づいてスタートしてもよい。データ送信には、成功したデータ送信、ユーザープレーンを介したデータ送信、及び/またはコントロールプレーンを介したデータ送信が含まれる。タイマーが開始されると、UEは、RRC connection用にそのUEコンテキストを記憶する。ここで、このRRC connectionは、専用のシグナリングまたはデータ送信に対応している。
【0029】
UE10は、ネットワークからのブロードキャスト信号及び/または専用のシグナリング、コントロールプレーンソリューションの開始、及び/またはノーマルなサービス要求(RRC connection establishment)に基づいて、このコンテキストバリディティタイマーを停止することができる。
【0030】
タイマーの満了、シグナリングされたコンテキストバリディティエリアからの転出、いずれか最初に起こったものに基づいて、UE10は記憶されたASコンテキストをリリース、一時停止、その他使用の停止をすることができる。
【0031】
UE10が、UEコンテキストが使用可能かどうかに基づいて送信すべきアップリンデータ(ULデータ)を有している場合、UE10はいつでも、ノーマルなRRC connection setup手続(サービス要求)、または、RRC resume手続のいずれかを実行することができる。有効なUEコンテキストがない場合(例えば、タイマーが満了していたり、UEが既にコンテキストバリディティエリアにいない場合)、UEは、(従来の)RRC Connection Setup手続を実行してサービス要求をすることができる。有効なUEコンテキストがある場合(UEコンテキストが記憶されており、タイマーがまだ満了しておらず、UEがコンテキストバリディティエリアにいる場合)、UE10は記憶されているUEコンテキストを使用してRRC Resumeタイプの手続を実行するであろう。そして、この手続においてUE10は、PHYレイヤ(physical layer)、MACレイヤ(media access control)、RRC(radio resource control)、及び/またはNAS(network access stratum)シグナリングを介して、ネットワーク/CIoT−BS20にコンテキスト利用可能性を示すであろう。
【0032】
本願のいくつかの実施形態、特に「背景」セクションに記載されているソリューション18に適用された記載内容は、UE10及びネットワーク/CIoT−BS20双方でのUEコンテキストのハンドリングを最適化することの技術的効果を示している。本願に従うASコンテキストマネージメントのアプローチに基づいて、コンテキストバリディティはUEとネットワーク/eNBとの間で同期することができ、そのため、適切なシグナリング手続が開始されて、不要なシグナリング交換を回避できる。ここで、この不要なシグナリング交換は、コンテキスト利用可能性に関するUEとネットワークとの間に何らかの不整合があった場合にも要求される。さらに、本発明の技術的効果は、本願の実施形態によって、ネットワーク(eNB;CIoT−BS)が最適な方法でメモリを管理することを可能にすることによって、ネットワーク(eNB;CIoT−BS)のサポートできるUEの数が増加することである。
【0033】
図3は、
図2のCIoT−BS20等のネットワークアクセスノード及びUE10、双方の視点からみた上記態様のいくつかを概略化した処理フロー図である。
図3のブロック302は、少なくともUEコンテキストをローカルメモリに記憶するステップと共に開始する。そして、ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に自動的に基づいて、UEコンテキストが有効なことを示すタイマーを開始する。これに関連し、UEが
図3の処理を実行している場合、コンテキストはUEのローカルメモリに記憶される。そして同様に、ネットワークアクセスノードがその処理を実行している場合にも、UEコンテキストはアクセスノードのローカルメモリに記憶される。
【0034】
図3では引き続きブロック304の処理を行う。本方法を実行している通信デバイスは、第1の手続と第2の手続との間で選択を行い、ユーザ端末をアイドルモードから接続モードに移行させる。この選択はタイマーに基づいている。ここで、このタイマーは有効であり、またさらに、少なくとも1以上の他の所定のバリディティ基準を満たしている。
【0035】
図3では最終的に、通信デバイスが、選択された第1の手続または第2の手続を介して取得した無線接続に基づいて、(ユーザの)データを送信または受信する。ここでは、第1の手続と第2の手続のうちのいずれか一方のみが、記憶されているUEコンテキストを利用する。
【0036】
図3の1つの特定の実施形態では、第1の手続はRRC(Radio Resource Control) connection resumeであり、タイマーが満了しておらず、かつ、所定のバリディティ基準の少なくとも1つを満たしている場合に選択される。一方、第2の手続はRRC connection setup手続であり、この手続の間に、ユーザ端末用のためのUEコンテキストが確立される。
【0037】
この実施形態または他の実施形態では、少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準は、UEが指定のコンテキストバリディティエリア内で動作している、及び/または、UEが少なくとも1つの最低限の無線条件を満たすところにいる、及び/または、UEが少なくとも1つの最低限のCEレベルのところにいる、である。
【0038】
上記の例示では、タイマーはコンテキストバリディティタイマーであり、そのコンテキストバリディティタイマーの値と指定されたコンテキストバリディティエリアとは、ブロードキャストシグナリングまたは専用のシグナリングを介してUEに通知される。
【0039】
ブロック302に記載の指定された通信として、例えば、RRC connection suspendメッセージ、RRC connection resumeメッセージ、RRC connection reconfigurationメッセージ、RRC connection setupメッセージ、RRC connection releaseメッセージ、ユーザデータ、があるといえる。ブロック304の選択が、ネットワークアクセスノードからの(ブロードキャストまたは専用の)シグナリングによって無効にされ、記憶されているUEコンテキストを使用しないようにされた場合、UE及びCIoT−BSはタイマーや少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準に関わらず第2の手続を使用することができる。
【0040】
図3の一連のステップを実行しているのがUE(ユーザ端末)であり、タイマーが満了しておらず、少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準を満たしていることに基づいて、UEが第1の手続を選択する場合、第1の手続は、記憶されているUEコンテキストが有効であることをUEがCIoT−BSに示すことを含む。
図3の一連のステップを実行しているのがCIoT−BSであり、タイマーが満了しておらず、少なくとも1つの他の所定のバリディティ基準を満たしている(例えば、ここでは、ネットワークがUEのためのダウンリンクデータ(DLデータ)を有しているため、RRC接続が再開される等)ことに基づいて、CIoT−BSが第1の手続を選択する場合、第1の手続は、記憶されているUEコンテキストが有効である旨の通知をUEからCIoT−BSが受信することを含む。
【0041】
図3に関連するこれらいくつかの態様は、単独またはあらゆる様々な組み合わせで実行される。
【0042】
図4は、UE10及びCIoT−BS20等、
図2に示されたネットワークアクセスノード20及びUE10のいくつかの構成要素を説明する概略図である。無線システム/セルにおいて、無線ネットワークは、UE10などと称されうる移動通信デバイスのような装置が、ノードB(基地局)のような無線ネットワーク・アクセスノードを通じて、無線リンク11を介して通信できるようにされている。ノードBは、具体的には、CIoT−BSのようにUE10のために動作することのできるeNB20である。ネットワークはネットワーク制御要素(NCE、図示せず)を含むことができる。NCEはMME/S−GWの機能を有していてもよく、別のネットワークへの接続を提供する。そのような別のネットワークは、電話ネットワークおよび/またはデータ通信ネットワーク(例えばインターネット)であってもよい。
【0043】
UE10も次のものを備える:コンピュータまたはデータプロセッサ(DP)10D等のコントローラ;コンピュータ命令のプログラム(PROG)10Cを有形に格納するメモリ(MEM)10B等で具現化されるコンピュータ可読メモリ媒体;一つ以上のアンテナを介してeNB20と双方向の無線通信をするための、RF送信機/受信機の組み合わせ10D等の適合する無線インターフェース。タイマー10Fは別に示されている。しかし、いくつかの実施形態では、ソフトウェアまたはDP10A自身の一部として実装することも可能である。
【0044】
無線の状態が適正基準のうちの1つ以上を満たしている場合、記憶されているコンテキストの使用を決定する前に、UE10とリモートUEとの間の無線リンクを、リンク品質についてチェックすることができる。ここで、このチェックは、その測定値(例えば、受信された信号電力または信号品質)を何らかの最小閾値と比較することによって行う。
【0045】
ネットワークアクセスノード20も次のものを備える:コンピュータまたはデータプロセッサ(DP)20A等のコントローラ;コンピュータ命令のプログラム(PROG)20Cを有形に格納するメモリ(MEM)20B等で具現化されるコンピュータ可読メモリ媒体;一つ以上のアンテナを介してUE10(その他複数のUEも同様)と通信するための、RF送信機/受信機の組み合わせ20D等の一つ以上の適合する無線インターフェース。ネットワークアクセスノード20は、UE10のタイマーと同期して動作するノード20自身のタイマー20Eを備える。両タイマーは、互いに直接同期するというより、むしろ上記の共通の外部イベントに基づいてスタート及びストップをする。ネットワークアクセスノード20は、NCEへのデータパス/制御パス(図示せず)を介して接続している。また、このパスはインターフェースとして実装されていてもよい。ネットワークアクセスノード20は、他のデータパス/制御パスを介してその他のネットワークアクセスノード/eNBとの接続することができる。これは、異なるインターフェースとして実装されてもよい。
【0046】
PROG 10C/20Cの少なくともいずれかは、関連するDP10A/20Aに実行される時に、デバイスが、上に例示的に詳細に説明された、本発明の例示的実施形態に従った処理を行うことを可能にするプログラム命令を含んでいる。つまり、様々な実施形態は、少なくともその一部がコンピュータソフトウェアにより実装されることができる。そのようなソフトウェアは、UE 10のDP10A、ネットワークアクセスノード20のDP20Aにより実行されることが可能である。これら様々な実施形態は、ハードウェアや、ソフトウェア及びハードウェア及び(ファームウェア)の組み合わせにより実装される場合もある。
【0047】
様々な例示的な実施形態では、UE10及び/又はネットワークアクセスノード20は、RRCモジュール、RFフロントエンド等の専用プロセッサを備えてもよい。さらに、様々な例示的な実施形態の内容にしたがって動作するように構成される1つ以上のモジュールを備えてもよい。
【0048】
コンピュータ可読MEM 10B/20Bは、ローカルな技術環境に適したあらゆるタイプのものであってよい。例えば、半導体ベースのメモリデバイス、フラッシュメモリ、磁気メモリデバイス・システム、光学式メモリデバイス・システム、固定式・移動式メモリ等の1以上の適切なデータ格納技術を用いて実装されてもよい。非包括的なコンピュータ可読記憶媒体/メモリのさらに詳細な例示を以下に示す:1以上の有線を有する電気的接続、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EPROM(erasable programmable read-only memory)またはフラッシュメモリ、光ファイバー、携帯型のCD−ROM(compact disc read-only memory)、光学式記憶デバイス、磁気記録デバイス、その他のこれらの適切な組み合わせ。
【0049】
DP10A/20Aは各々の技術環境に適した任意のものであってもよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を非限定的な実施例として含んでもよい。無線インターフェース(例えば、無線10D/20D)はローカルな技術的環境に適したものであれば何であってもよく、個々の送信機、受信機、送受信機、これらの組み合わせ等適切な通信技術を使用して実装可能である。
【0050】
一般に、UE10の様々な実施形態は以下のものを含んでもよい:スマートフォン、M2M(machine-to-machine)通信デバイス、携帯電話,無線通信機能を備える携帯情報端末(PDA),無線通信機能を備えるポータブルコンピュータ,無線通信機能を備える、デジタルカメラ等の撮像装置,無線通信機能を備えるゲーム機器,無線通信機能を備える音楽格納・再生装置,無線インターネットアクセスとブラウジング可能なインターネット装置,以上の機能の組合せを備えるポータブルユニットまたは装置。ただし、これらに限定されない。これらのいずれも、携帯型デバイス、ウェアラブルデバイス、それらの全て又は一部に内蔵されるデバイス、車両または固定して取り付けた通信デバイス、その他同様のデバイスとして実装可能である。
【0051】
前述した説明は一例に過ぎないという点に留意しなくてはならない。当業者であれば、種々の代替や変更を考え出すことができる。例えば、種々の従属請求項に記載した特徴は、あらゆる適切な組合せにおいて互いに組み合わせることができる。加えて、上記の異なる実施形態による特徴を選択的に組み合わせ、本明細書には詳述されていない、他の実施形態とは別の実施形態とすることが可能である。したがって、本出願での記述は、添付の請求項に記載する範囲内にあるこうした代替、変更、及び変形の全てを包含しているものである。
【手続補正書】
【提出日】2018年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末コンテキストをローカルメモリに記憶することと、
少なくとも1つの所定のバリディティ基準に基づいて、前記ユーザ端末を、前記ユーザ端末コンテキストが保持される拡張アイドルモードから接続モードに移行させる手続を開始することと、
その後、前記手続を介して取得された無線接続で、データを送信または受信することと、
を含み、ここで、
前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準は、前記ユーザ端末が指定されたコンテキストバリディティエリア内で動作していることであり、
前記手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストを利用する、
方法。
【請求項2】
前記指定されたコンテキストバリディティエリアは、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効なエリアを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを示すタイマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記手続は、RRC connection resume手続と、RRC connection setup手続とから選択される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記RRC connection resume手続は、前記タイマーが満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準が満たされる場合に選択され、
前記RRC connection resume手続が選択されない場合は、前記RRC connection setup手続が選択され、前記RRC connection setup手続の間に、前記ユーザ端末のための新しいユーザ端末コンテキストが確立される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記タイマーはコンテキストバリディティタイマーであり、
前記コンテキストバリディティタイマーのための値と、前記指定されたコンテキストバリディティエリアとは、ブロードキャストシグナリングまたは専用のシグナリングを介して前記ユーザ端末に通知される、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記タイマーは、ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に基づいて自動的に開始され、
前記ユーザ端末と前記ネットワークアクセスノードとの間の前記指定された通信は、
RRC connection suspend メッセージと、
RRC connection resume メッセージと、
RRC connection reconfiguration メッセージと、
RRC connection setup メッセージと、
RRC connection release メッセージと、
ユーザデータと、
のうちの何れかを含む、請求項3又は6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ端末コンテキストを記憶する手段と、
少なくとも1つの所定のバリディティ基準に基づいて、前記ユーザ端末を、前記ユーザ端末コンテキストが保持される拡張アイドルモードから接続モードに移行させる手続を開始する手段と、
前記手続が開始した後に、前記手続を介して取得された無線接続で、データを送信または受信する手段と、
を備え、ここで、
前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準は、前記ユーザ端末が指定されたコンテキストバリディティエリア内で動作していることであり、
前記手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストを利用する、
装置。
【請求項9】
前記指定されたコンテキストバリディティエリアは、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効なエリアを示す、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを示すタイマーを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記手続は、RRC connection resume手続と、RRC connection setup手続とから選択される、請求項8から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記RRC connection resume手続は、前記タイマーが満了しておらず、かつ、前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準が満たされる場合に選択され、
前記RRC connection resume手続が選択されない場合は、前記RRC connection setup手続が選択され、前記RRC connection setup手続の間に、前記ユーザ端末のための新しいユーザ端末コンテキストが確立される、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準は、少なくとも1つの最低限の無線条件、および/または、少なくとも1つの最低限のCEレベルを含む、請求項8から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記タイマーはコンテキストバリディティタイマーであり、
前記コンテキストバリディティタイマーのための値と前記指定されたコンテキストバリディティエリアとは、ブロードキャストシグナリングまたは専用のシグナリングを介してユーザ端末に通知される、
請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記タイマーは、ユーザ端末とネットワークアクセスノードとの間の指定された通信に基づいて自動的に開始され、
前記ユーザ端末と前記ネットワークアクセスノードとの間の前記指定された通信は、
RRC connection suspend メッセージと、
RRC connection resume メッセージと、
RRC connection reconfiguration メッセージと、
RRC connection setup メッセージと、
RRC connection release メッセージと、
ユーザデータと、
のうちの何れかを含む、請求項10又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記ネットワークアクセスノードからのシグナリングによって前記選択が無効にされ、前記記憶されたユーザ端末コンテキストを使用しないことにされた場合、前記タイマー及び前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準に関わらず、前記RRC connection setup手続が選択される、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は前記ユーザ端末であり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記ユーザ端末が前記RRC connection resume手続を選択する場合、前記RRC connection resume手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効であることを前記ユーザ端末が前記CIoT基地局に示すことを含む、
請求項11又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は前記ネットワークアクセスノードであり、
前記ネットワークアクセスノードはCIoT基地局であり、
前記タイマーが満了しておらず、前記少なくとも1つの所定のバリディティ基準が満たされていることに基づいて、前記CIoT基地局が前記RRC connection resume手続を選択する場合、前記RRC connection resume手続は、前記記憶されているユーザ端末コンテキストが有効である旨の通知を前記ユーザ端末から前記CIoT基地局が受信することを含む、
請求項11又は16に記載の装置。
【請求項19】
無線接続を一時停止するために無線リソース接続シグナリングを送信する手段と、
ユーザ端末コンテキストを記憶する手段と、
を備え、
前記無線リソース接続シグナリングは、コンテキストバリディティタイムとコンテキストバリディティエリアとのうちの少なくとも1つを含む、
装置。
【請求項20】
前記無線リソース接続シグナリングは、無線リソースの接続リリースシグナリングを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1から7のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項22】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1から7のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】