(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-502451(P2019-502451A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(54)【発明の名称】眼圧を測定するための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 3/16 20060101AFI20190104BHJP
【FI】
A61B3/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-531525(P2018-531525)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(85)【翻訳文提出日】2018年6月15日
(86)【国際出願番号】FI2016050871
(87)【国際公開番号】WO2017103330
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】20155973
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】FI
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】514056252
【氏名又は名称】アイケア フィンランド オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メッケーリ、パウリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ハウリスト、ラミ
(72)【発明者】
【氏名】ラウダソヤ、マッティ
(72)【発明者】
【氏名】プッキ、ユッシ
(72)【発明者】
【氏名】ヘラーネン、テーム
(72)【発明者】
【氏名】クッコネン、アリ
(72)【発明者】
【氏名】サルコラ、ミカ
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA20
4C316FA11
4C316FB12
(57)【要約】
眼圧を測定するための本発明の装置は、管状プローブ基部(105)と、プローブ(3)の速度の変化から眼内の眼圧を得るために眼の表面と接触可能なプローブ(3)とを有する機能部(100)を含む。プローブ(3)は管状プローブ基部(105)の内側にある。プローブ(3)は、部分的に磁性材料で形成される。誘導コイル(101,102)はプローブ(3)に特定の速度を与える。この装置はまた、プローブ(3)の速度の変化を測定する手段と、測定データを処理して表示する手段と、制御動作とを有する。この装置は、プローブ(3)を管状プローブ基部(105)の内部に保持する手段(6)と、測定のためにプローブ(3)を放出する手段とを主な特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼圧を測定するための装置であって、
管状プローブ基部(105)と、
プローブの速度の変化から眼内の眼圧を得るために前記眼の表面と接触可能なプローブ(3)であって、前記プローブ(3)は前記管状プローブ基部105の内部にあり、前記プローブ(3)は部分的に磁性材料である、プローブ(3)と、
前記プローブ(3)に特定の速度を与える誘導コイル(101,102)と、
前記プローブ(3)の速度の変化を測定する手段と、
前記測定データを処理して表示する手段と、
制御動作と、
前記プローブ(3)を前記管状プローブ基部(105)の内部に保持する手段(6)と、前記測定のために前記プローブ(3)を放出する手段(8)と
を備える機能部(100)を含み、
前記プローブ(3)を保持する前記手段(6)が磁気回路であり、前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が電磁コイルであることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記磁気回路(6)が前記プローブ基部(105)の後部の後ろに配置され、前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が前記プローブ基部(105)の前記後部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記磁気回路(6)が前記プローブ基部(105)の後部の後ろに配置され、前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が前記プローブ基部(105)の前記後部に配置されていることを特徴とし、フレームパイプ(9)と前記磁気回路(6)との間に集中部(10)があり、この集中部(10)は前記磁気回路(6)を所定の位置に保持することをさらに特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プローブ(3)を前記管状プローブ基部(105)の内部に保持する前記手段(6)と前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が一体化され、それにより前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)は、前記プローブ(3)を前記管状プローブ基部(105)の内部に保持する前記手段(6)の周囲に放出コイルの形で巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記手段(101,102)のうちの1つは、前記装置内で電源が投入された場合、前記プローブ(3)を所定の位置に保持するための保持器としても動作するように意図されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記プローブ(3)の衝突およびリバウンドにおいて運動エネルギーがどれだけ失われまたは得られたかに比例して測定結果を補正するための手段を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼圧を測定するための装置に関する。それは管状プローブ基部と、管状プローブ基部の内側にあるプローブの速度の変化から眼内の眼圧を得るために眼の表面と接触可能なプローブとを有する機能部を含む。プローブは、部分的に磁性材料である。誘導コイルはプローブに特定の速度を与える。この装置はまた、プローブの速度の変化を測定する手段と、測定データを処理して表示する手段と、制御動作と、測定のために管状プローブ基部の内部にプローブ(3)を保持する手段とを有する。
【背景技術】
【0002】
トノメトリは眼圧を測定するための方法であり、測定に使用する装置は眼圧計と呼ばれている。様々な種類の眼圧計が存在する。接触型トノメトリでは、測定中に角膜との物理的接触がある。プローブは角膜の表面に向けられ、その弾性は様々な方法を用いて測定される。ゴールドマン眼圧計とシェッツ眼圧計は眼圧計の例である。
【0003】
最も一般的に使用される原理の2つは、眼の表面のある領域をアプラネートするために必要な力の測定、または既知の力によってアプラネートされる領域の直径の測定である。これらの方法は、患者の協力が必要であり、全身麻酔なしには適用できない。
【0004】
米国特許第5148807号明細書、第5279300号明細書、および第5299573号明細書に記載されているような、角膜の表面に接触せず、代わりに、水または空気ジェットあるいは様々な種類の波を用いて眼圧を測定する方法が開発されている。これらの方法は技術的に複雑で高価である。エアジェットの原理で動作するメータは、眼科医によって広く使用されているが、その費用はより広く一般開業医が使用することを妨げている。
【0005】
リバウンドトノメトリは接触型トノメトリの一種であり、部分的に磁性材料であるプローブが誘導コイルシステムによって眼に向かって加速される。眼の角膜と接触すると、プローブは減速し始め、眼から跳ね返る。その結果、他のコイルに電圧が誘起され、動きのパラメータの測定データから眼圧が算出される。
【0006】
このような眼圧計の従来技術として、米国特許第6,093,147号明細書が挙げられる。これは、眼球に衝突する水平方向に一定速度で推進され、プローブの速度を連続的に決定するための装置を含むプローブを含む。開示された眼圧計は水平測定に適している。
【0007】
先行技術のリバウンド眼圧計の問題点は、眼圧計装置のプローブが傾斜した方向に移動する測定は、傾けられたときにプローブが装置から落下する傾向があるため、確実に行うことができないことである。これは、プローブが装置から落下するのを防ぐ、例えば機械的手段によっておよび/または駆動電流を調節することによって、および広いプローブホルダを使用することによってプローブが落下するのを防止しなければ、患者が直立した姿勢で測定を行わなければならないことを意味する。
【0008】
しかし、いくつかの状況では、患者が眼科手術中であるような非垂直位置にあるときに眼圧測定を行うことが必要になる。その結果、傾斜測定、特に垂直測定は、トノメトリにおいて非常に有用で望ましい特徴である。
【0009】
米国特許第5176139号明細書は、自由落下するボールをまぶたに落とし、ボールのリバウンドの高さを測定するリバウンド技術に基づく方法を開示する。ボールのリバウンド量は、眼圧の大きさによって変化し、眼圧の大きさはボールリバウンドの量に対して判断される。本方法は、ボールが落下するのを防止し、ボールを最上位置に保持するためのばね係止を有することにより、上記の問題を機械的に解決する。ばね係止を押すと、ボールは測定のために放出される。患者は測定中に、仰向けになっても(寄りかかって)、座ってもよい。
【0010】
中国特許第104274153A号明細書は、ソフトタッチ眼圧水平または垂直測定装置および方法の先行技術として述べられており、装置は小型の磁気針圧力測定プローブと、フロントエンド装置と、駆動調整回路とを含む。この装置は、永久磁石および鉄心が設けられた電気ソレノイド構造に接続された磁気誘導コイルを有する。電源がオンになると、コイルに電流を流すことによって垂直測定中にプローブが落下するのを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5148807号明細書
【特許文献2】米国特許第5279300号明細書
【特許文献3】米国特許第5299573号明細書
【特許文献4】米国特許第6093147号明細書
【特許文献5】中国特許第104274153A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、電源がオンであるかオフであるかにかかわらず、プローブが眼圧計内に留まる眼圧計装置の必要性がある。また、すべての種類の測定において、リバウンド型プローブの動きをより容易に制御することができる眼圧計装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
眼圧を測定するための本発明の装置は、管状プローブ基部と、プローブの速度の変化から眼内の眼圧を得るために眼の表面と接触可能なプローブとを有する機能部を含む。プローブは管状プローブ基部の内側にある。プローブは、部分的に磁性材料である。誘導コイルはプローブに特定の速度を与える。この装置はまた、プローブの速度の変化を測定する手段と、測定データを処理して表示する手段と、制御動作と、測定のために管状プローブ基部の内部にプローブを保持する手段とを有する。この装置は、プローブを保持する手段が磁気回路であり、プローブを放出する手段が電磁コイルであることを主な特徴とする。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の特徴を有する。
【0015】
傾斜測定とは、測定中にプローブが水平面と比較して角度を形成する方向に移動するような位置に眼圧計を用いて測定を行う測定を意味する。この角度が90°である垂直測定は傾斜測定の特別な場合と見なされ、測定中にプローブが垂直に(すなわち、水平面に垂直に)移動するような位置で眼圧計を用いて測定が行われる。
【0016】
現在、従来のリバウンド眼圧計装置では、測定コイルがプローブを引き戻しているため装置が傾いていても電源がオンの場合、プローブは眼圧計から落下しない。しかし、測定を行う臨床医は、測定のために装置を傾斜させる前に電源をオンにすることを忘れているかもしれず、これは、プローブが落下するのを防止する追加の手段がない場合、患者の眼にプローブが入る危険性がある。
【0017】
本発明の装置では、垂直および他の傾斜測定は、プローブ基部内の眼圧計内にプローブを保持するための本発明の手段により、リスクフリーである。プローブは、電源がオンであるかオフであるかに関係なく、眼圧計のプローブ基部の内部に留まる。
【0018】
プローブをプローブ基部の内部に保持する手段は、例えば、本発明のような磁気回路であってもよいし、機械式係止または摩擦ブレーキであってもよい。
【0019】
本発明の装置の開発においては、重力のプローブへの影響を制御することに焦点が当てられてきた。本発明の装置では、傾斜度の関数としてプローブへの重力の影響も変化するので、傾斜度の関数として駆動電流を減少させることによって、傾斜/垂直測定を行うことができる。
【0020】
眼圧は、測定コイル内の誘起電圧から検査される動きパラメータから決定される。
【0021】
また、傾斜/垂直測定中にプローブをプローブ基部の内部に保持する本発明の改良は、電源がオフのときにも装置の使い勝手を改善する。さらに、本発明は、簡単で経済的で精密な測定基本構造として装置を保持し、これにより、協力できない患者においても眼圧を測定することができる。さらに、本発明の装置は、測定が迅速であり、局所麻酔も特別に訓練されたオペレータも必要としないので、広範な健診運動にも適している。測定中の装置の位置は、安全性の高い方法で水平および傾斜/垂直測定の可能性を含めてより柔軟になった。
【0022】
次に、本発明は、本発明がこれに限定されないいくつかの例示的な実施形態および添付図面によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】
図1Aは、本発明の眼圧計の実施形態で使用することができる第1のタイプのプローブを示す。
【
図1B】
図1Bは、本発明の眼圧計の実施形態で使用することができる第2のタイプのプローブを示す。
【
図1C】
図1Cは、本発明の眼圧計の第1の実施形態を示し、保持機構が磁石であり、放出アクチュエータが電磁コイルである。
【
図2】
図2は、本発明の眼圧計の第2の実施形態を示し、保持機構が磁石であり、放出アクチュエータが電磁コイルである。
【
図3】
図3は、本発明の眼圧計の第3の実施形態を示し、保持機構が磁石であり、放出アクチュエータが電磁コイルである。
【
図4】
図4は、本発明の眼圧計の第4の実施形態を示し、保持機構が磁石であり、放出アクチュエータが電磁コイルである。
【
図5】
図5は眼圧計を示し、保持機構は磁石によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイルである。
【
図6】
図6は、眼圧計を示し、保持機構は磁石によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイルである。
【
図7】
図7は、眼圧計を示し、保持機構は磁石によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイルである。
【
図8】
図8は、眼圧計を示し、保持機構は磁石によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイルである。
【
図9】
図9は、眼圧計を示し、保持機構は立体物によって引き起こされる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは圧電素子、空気膜、油圧膜または電磁コイルである。
【
図10】
図10は、眼圧計を示し、保持機構は機械式留め具であり、放出アクチュエータが圧電素子、空気膜、油圧膜または電磁コイルである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1Aは、眼圧を測定するための本発明の装置の実施形態、すなわち眼圧計で使用することができるプローブ3を示す。プローブ3は、鋼などの磁性材料の後部32と、プラスチック材料などの非磁性材料の前部31とで形成されている。プローブ3の前部31は、眼圧の測定の際に眼に衝突する先端部4を有する。
【0025】
図1Bは、眼圧を測定するための本発明の装置の実施形態、すなわち眼圧計で使用することができるプローブ3を示す。プローブ3は、部分的に磁性材料であり、プローブ3は、眼圧の測定の際に眼に衝突する先端部4を有する。
【0026】
図1Cは、本発明の眼圧計の機能部100の第1の実施形態を示し、
図1Aおよび
図1Bのプローブ3を使用することができる。
【0027】
機能部100は、眼圧計に属する他の部品と共に、眼圧計ケースの内部にある。眼圧計における他の部品の例は、眼に衝突するためにプローブが発射される距離を調整する手段、装置がその動作電力を得るバッテリ、装置の電子機器が組み立てられる回路基板、表示部、処理ユニット、および外部充電装置が接続可能なソケットである。距離を調節するための手段は、調節可能な額支持体であってもよい。眼圧計の機能部100のみが図面に示されている。眼圧計の上記の部品は、WO公報第03/105681号に詳細に示されている。
【0028】
機能部100はフレームパイプ9を有し、その内部にプローブ3の周囲に内管があり、これは部分的に磁性材料である。以下、内管をプローブ基部105と称する。
【0029】
プローブ3は、プローブ基部105の前端にある駆動誘導コイルシステム101によって眼に向かって加速される。プローブ3を押す力は、コイル101に供給される電圧によってコイル101に発生する。従って、前方コイル101に電力が供給され、プローブ3が動き始め、眼に衝突する。眼の角膜と接触すると、プローブ3は減速し始め、眼から跳ね返る。
【0030】
その結果、眼圧に依存する電圧が別のコイル102に誘起される。コイル101および102は、コイルフレーム106に取り付けられている。
【0031】
この電圧およびプローブ3の速度などの他のパラメータは、後方コイル102によって検出され、記録され、データ処理ユニット(図示せず)で処理される。可動プローブ3のパラメータの測定データからアルゴリズムを用いて眼圧を算出し、その結果を眼圧計の表示部に表示する。
【0032】
本発明の眼圧計はまた、プローブの衝突およびリバウンドにおいて運動エネルギーがどれだけ失われまたは得られたかに比例して測定結果を補正するための手段を含むことができる。
【0033】
プローブ3に発射力を与える前方コイル101の代わりに、後方コイル102を使用することも可能である。
【0034】
コイル101および102のうちの1つは、眼圧計に電源が投入されたときに、プローブ3を所定の位置に保持するための保持器としても機能するように意図される。
【0035】
衝撃が発生し、測定結果が得られた後、眼圧計の動き、または他の理由のためにプローブ3が外れる恐れがある。これは、本発明の
図1Cの実施形態では、磁気回路6(磁石など)を使用することによって防止され、磁気回路6は、プローブ基部105の後部(プローブ3の先端4に対して装置の反対側の端部)の後ろに配置できる。一旦プローブ3がプローブ基部105に装填されると、磁気回路6は、装置の任意の位置でプローブ基部105の内部にプローブ3を保持する。
【0036】
磁気回路6は、永久磁石からなることができる。測定中に磁気回路6の影響を相殺するために、放出コイル8のようなプローブを放出するための手段がフレームパイプ9の周りに配置される。これにより、プローブ3が移動することができる。フレームパイプ9は、装置の機能部100のケースとして機能する。
【0037】
測定中に放出コイル8に電流が流入すると、結果として生じる磁界が、磁気回路6の磁界の影響を打ち消してプローブ3が移動することができる。
【0038】
放出コイル8の制御機能は、眼圧計の電気回路基板に組み込まれている。放出コイル8は電源から電力を得て、放出コイル8と駆動コイル101に流入する電流が測定中に流れる。
【0039】
電磁コイルの位置、形状、寸法、材料、層および巻き線は固定されておらず、場合によって適合させることができる。同様に、磁石6の位置、形状、寸法、材料およびグレードは固定されておらず、場合によって適合させることができる。
【0040】
図2は、本発明の眼圧計の第2の実施形態を示す。この実施形態では、
図1Bの第1の実施形態と同様に、放出コイル8がフレームパイプ9に巻き付けられているが、フレームパイプは2つの部分、すなわち、後方フレーム部9Aと前方フレーム部9Bに分割されている。
【0041】
図3は、本発明の眼圧計の第3の実施形態を示す。フレームパイプ9は、
図1Cと同様の1つの部品内にある。フレームパイプ9と磁気回路6との間の集中部10は、磁石6を所定の位置に取り付けて保持するのを容易にする。
【0042】
図4の実施例は
図1Cの実施例に対応しているが、放出コイル8は磁石6の周囲に直接巻かれており、プローブ基部105内にプローブ3を保持する手段6が、プローブ3を放出する手段8と一体化されている。
【0043】
図4Bは、周りに放出コイル8が巻き付けられた磁石6の断面図である。
【0044】
図5は、眼圧計を示し、保持機構は磁石によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイルである。
【0045】
磁石6は磁界を生成し、プローブ3は磁界に平行に回転する。旋回するため、プローブはプローブ基部105に接触し、プローブ3とプローブ基部105との接触領域間に摩擦を引き起こす。摩擦は、プローブ3が移動し装置から落下するのを防止する。測定の間、電流が放出コイル8に流入し、発生した磁界が磁気回路6の影響を打ち消す。その結果、プローブは移動することができる。
【0046】
図6は、眼圧計を示し、保持機構は磁気回路6によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイル8である。ここで、磁気回路6は機能部100のフレームパイプ9上にあり、放出コイル8はフレームパイプ9の内側にある。放出コイル8は、コイルフレーム106の後部の外側にある。
【0047】
図7は、眼圧計を示し、保持機構は磁気回路6によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイル8である。ここで、磁気回路6の位置は、
図6と同様に放出コイル8の周囲にあり間にフレームパイプ9があるが、磁気回路6および放出コイル8は、駆動コイル101と測定コイル102との間の機能部100の前部にある。
【0048】
図8は、眼圧計を示し、保持機構は保持磁石によって生じる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは電磁コイルである。磁石6の周りにある放出コイル8は、機能部100の後部の外側にあり、組み合わせはフレームパイプ9に取り付けられている。
【0049】
磁石6は、磁石6の近傍に配置された磁性材料11を介して誘導される磁界を発生する。磁界はプローブ3に作用し、プローブ3は磁界に平行に回転しようとする。旋回するため、プローブ3はプローブ基部105に接触し、プローブ基部105とプローブ3との接触領域間に摩擦を引き起こす。摩擦は、プローブ3が移動し装置から落下するのを防止する。測定の間、電流が放出コイル8に流入し、発生した磁界が磁石6の影響を打ち消す。これにより、プローブ3が移動することができる。
【0050】
図9は、眼圧計を示し、保持機構は立体物によって引き起こされる摩擦ブレーキであり、放出アクチュエータは圧電素子、空気膜、油圧膜または電磁コイルである。
【0051】
立体物12はプローブ3と接触しており、プローブ3と立体物12との接触領域間に摩擦を生じる。摩擦はプローブ3を保持するため、プローブ3は移動したり、装置から落下したりすることができない。測定の間、放出アクチュエータ8’は立体物12を移動させ、それにより立体物はもはやプローブ3に接触しない。その結果、摩擦がなく、プローブ3は移動することができる。
【0052】
放出アクチュエータ8’は、機能部100の後部のフレームパイプ9上にあり、立体物は、部分的に放出アクチュエータ8’の内部にあるプローブ3の後端に接触する。
【0053】
図10は、眼圧計を示し、保持機構は機械式留め具であり、放出アクチュエータが圧電素子、空気膜、油圧膜または電磁コイルである。
【0054】
プローブ3の後部にはノッチ13がある。立体物12’がノッチ13上に配置され、これらは機械式留め具として共に作動する。留め具は、プローブ3が移動し装置から落下するのを防止する。測定の間、放出アクチュエータ8’は立体物12を持ち上げ、プローブ3は移動できる。
【0055】
放出アクチュエータ8’は機能部100の後部のフレームパイプ9上にあり、機械式留め具はプローブ3の後端にある。
【手続補正書】
【提出日】2017年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼圧を測定するための装置であって、
管状プローブ基部(105)と、
プローブの速度の変化から眼内の眼圧を得るために前記眼の表面と接触可能なプローブ(3)であって、前記プローブ(3)は前記管状プローブ基部105の内部にあり、前記プローブ(3)は部分的に磁性材料である、プローブ(3)と、
前記プローブ(3)に特定の速度を与える誘導コイル(101,102)と、
前記プローブ(3)の速度の変化を測定する手段と、
前記測定データを処理して表示する手段と、
制御動作と、
前記プローブ(3)を前記管状プローブ基部(105)の内部に保持する手段(6)と、前記測定のために前記プローブ(3)を放出する手段(8)と
を備える機能部(100)を含み、
前記プローブ(3)を保持する前記手段(6)が、前記プローブ(3)の前記先端(4)に対して前記装置の反対側の端部の前記プローブ基部(105)の後部の後ろに配置された、磁気回路であり、前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が電磁コイルであることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が前記プローブ基部(105)の前記後部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記磁気回路(6)が前記プローブ基部(105)の後部の後ろに配置され、前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が前記プローブ基部(105)の前記後部に配置されていることを特徴とし、フレームパイプ(9)と前記磁気回路(6)との間に集中部(10)があり、この集中部(10)は前記磁気回路(6)を所定の位置に保持することをさらに特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プローブ(3)を前記管状プローブ基部(105)の内部に保持する前記手段(6)と前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)が一体化され、それにより前記プローブ(3)を放出する前記手段(8)は、前記プローブ(3)を前記管状プローブ基部(105)の内部に保持する前記手段(6)の周囲に放出コイルの形で巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記手段(101,102)のうちの1つは、前記装置内で電源が投入された場合、前記プローブ(3)を所定の位置に保持するための保持器としても動作するように意図されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記プローブ(3)の衝突およびリバウンドにおいて運動エネルギーがどれだけ失われまたは得られたかに比例して測定結果を補正するための手段を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【国際調査報告】