特表2019-504998(P2019-504998A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-504998付加製造されるべき部材を検査するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-504998(P2019-504998A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(54)【発明の名称】付加製造されるべき部材を検査するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/04 20060101AFI20190125BHJP
   G01N 29/44 20060101ALI20190125BHJP
   B29C 64/30 20170101ALI20190125BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20190125BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20190125BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20190125BHJP
   B33Y 99/00 20150101ALI20190125BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20190125BHJP
【FI】
   G01N29/04
   G01N29/44
   B29C64/30
   B29C64/153
   B33Y10/00
   B33Y30/00
   B33Y99/00
   B29C64/268
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-539322(P2018-539322)
(86)(22)【出願日】2016年12月5日
(85)【翻訳文提出日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】EP2016079730
(87)【国際公開番号】WO2017129294
(87)【国際公開日】20170803
(31)【優先権主張番号】102016201291.6
(32)【優先日】2016年1月28日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ハーバーラント
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ユングブルート
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・クロイツァー
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ・ランマース
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ロレンツ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・レーゲナー
(72)【発明者】
【氏名】カトリン・シュパーリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ダニー・トムシャット
【テーマコード(参考)】
2G047
4F213
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047AC06
2G047BC07
2G047CA01
2G047GG33
4F213AP09
4F213AP20
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL67
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】
本発明は、付加製造されるべき部材(1)を検査するための方法に関するものであり、当該方法は、部材(1)の付加製造の間に、部材(1)の付加的に構築されるべき少なくとも1つの層(2)の機械的励起を行うステップ、部材(1)の機械的応答信号の測定を行うステップ、及び機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示及び/又は部材(1)の付加製造の中止を実施するステップ、を含んでいる。さらに、部材(1)の付加製造のための装置(100)が記載されており、当該装置は、部材(1)の少なくとも1つの付加的に構築された層(2)の機械的励起のためのユニット(4)、部材(1)の機械的応答信号を測定するための測定ユニット(5)、及び制御ユニット(6)を含んでおり、制御ユニット(6)は、機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は付加製造の中止を実施するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造されるべき部材(1)を検査するための方法であって、以下のステップ:
−前記部材(1)の付加的に構築された少なくとも1つの層(2)の機械的励起を、前記部材(1)の付加製造の間に行うステップ、
−前記部材(1)の機械的応答信号の測定を行うステップ、及び、
−前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は前記部材(1)の付加製造の中止を実施するステップであって、前記機械的応答信号は、警告の表示のため、及び/又は中止の実施のために、シミュレーションされた、又は算定された値と比較されるステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記機械的励起が、音響、振動、及び/又は揺動を用いて、例えば圧電的に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械的励起及び前記測定が、音響的共鳴解析若しくは揺動解析、音響放射解析、超音波検査又は振動検査の部分である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械的励起及び前記機械的応答信号の測定のために、前記部材(1)の特性周波数スペクトルが用いられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記層(2)内の構造上の不備(10)、又は前記部材(1)の部材基板(3)からの剥離(11)の結果、前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にあるように実施される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
付加製造されるべき前記部材(1)が、その上に前記部材(1)が付加的に製造される部材基板(3)と共に励起される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記機械的応答信号が、警告の表示及び/又は中止の実施のために、少なくとも1つの前もって付加的に構築された層(2’)の機械的応答信号と比較される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記機械的応答信号が、第1の所定の許容差範囲外にある場合には、警告が表示され、前記機械的応答信号が、第2の所定の許容差範囲外にある場合には、前記部材(1)の付加製造の中止が実施され、前記第2の所定の許容差範囲は、前記第1の所定の許容差範囲よりも大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の検査方法を含む付加製造方法であって、機械的応答信号が所定の許容差範囲内にある場合に、部材のための少なくとも1つのさらなる層(2’)の付加製造を含む付加製造方法。
【請求項10】
硬化ステップを含んでおり、前記部材(1)の付加的に構築された各層の硬化の間に、機械的励起が実施される、請求項9に記載の付加製造方法。
【請求項11】
前記部材(1)の製造のパラメータが、前記機械的応答信号から進められて、不備又は損傷を回避するために調整される、請求項9又は10に記載の付加製造方法。
【請求項12】
選択的レーザー溶融、選択的レーザー焼結、又は電子ビーム溶解を含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の付加製造方法。
【請求項13】
部材(1)の少なくとも1つの付加的に構築された層(2)の機械的励起のためのユニット(4)、前記部材(1)の機械的応答信号を測定するための測定ユニット(5)、及び、制御ユニット(6)を含んでおり、前記制御ユニット(6)は、前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は付加製造の中止を実施するように構成されている、部材(1)の付加製造のための装置(100)。
【請求項14】
前記測定ユニットが(5)、音響ピックアップ、振動ピックアップ、若しくは加速度ピックアップ、レーザー振動計、及び/又は圧電センサを含んでいる、請求項13に記載の装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、付加的に若しくは積層によって製造された、又は製造されるべき部材を検査するための方法と、部材の付加製造を行うための装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
当該部材は、タービンの構成要素、例えば高温ガスが噴射される、若しくは高温負荷が加えられるガスタービンの部分、及び/又はニッケルベース若しくはコバルトベースの超合金から成るワークピース若しくは部材であり得る。
【0003】
既知の付加的又は生成的製造方法は、特に選択的レーザー溶融(SLM)、選択的レーザー焼結(SLS)及び電子ビーム溶解(EBM)である。これらの方法においては、部材はしばしば層状に、粉体床において、粉体床を形成する粒子をレーザービーム又は電子ビームを用いて溶解することによって、露出し、溶解し、対応して構築される。
【0004】
付加製造システムは、例えば特許文献1に記載されている。
【0005】
これまで、例えば特にタービンブレードの製造において、鋳造方法によって製造された部材の品質には、付加的方法によっては、まだ到達し得なかった。特に、付加製造された部材の構造は、テンション、粒径、及び/又は構造上の欠陥に関して、鋳造によって若しくは方向性凝固のための方法によって製造された、又は製造可能な構造に対して不利である。ここでは、方向性凝固した構造とは、好ましくは粒界を有さない、又はせいぜい小さな角度の粒界を有する単結晶を表しており、また、長手方向に延在する粒界を有するが、横方向の粒界は有していない柱状結晶構造も表している。
【0006】
これまで、例えばSLMプロセスの間に生じる構造上の不備等の不備は、プロセスの完了後にようやく、先行技術に係る検査手法によって検出可能であった。製造パラメータの再調整、又は例えば構造上の欠陥による、製造中の部材の廃棄、及び/又は、部材基板からの部材の剥離は、これまで不可能であった。特に、このように部材を部材基板から剥離する、又は、層間剥離することは、結果として、部材と塗工機との衝突につながり、従って、設備又は装置の重大な損傷につながり得る。例えば熱応力によって誘導される、製造の間の部材の亀裂又は歪み等の構造上の不備も、検出不可能である。これまで、先行技術に係る付加製造方法における製造プロセスの中止は、例えばその他の、部材の構造に関連しない、重大な障害が確認される場合にのみ行われてきた。
【0007】
例えば、層が塗布及び/又は構築される度に、その後で部材を装置から取り外し、材料の欠陥を検査した後に、再び取り付けるということも単に可能ではあろうが、この方法は、時間的にあまりにも非効率であり、従って、適用することはできないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2015/112422号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の課題は、すでに製造の間に、付加製造されるべき、又は付加製造された部材の材料検査を可能にするような手段を記載することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本課題は、独立請求項の対象によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0011】
本発明の一態様は、付加的に若しくは積層によって製造されるべき、又は製造された部材を検査するための方法に関する。当該方法は部材の品質、特に材料品質を検査する方法であり得る。
【0012】
当該方法は、特に材料検査のための現場法であり得る。
【0013】
さらに、品質は、特に構造上の欠陥、及び/又は例えば部材基板からの剥離に関する部材の材料品質を表している。
【0014】
当該方法は、部材の製造の間の、部材の少なくとも1つの付加的に構築された層の機械的励起を含んでいる。
【0015】
付加製造の「間」という表現は、好ましくは部材の若しくは部材のための各層の硬化若しくは露出の後、又は間の時点と、部材が好ましくはまだ完成していない時点と、を示している。
【0016】
一実施形態において、当該方法は、部材の付加的に構築又は硬化された層それぞれの機械的励起を含んでいる。
【0017】
一実施形態において、当該方法は、部材の付加的に構築された複数の層の機械的励起を含んでいる。
【0018】
当該方法はさらに、特にこの時点までに構築された部材の機械的応答信号の測定を含んでいる。応答信号は、好ましくは部材の機械的挙動に関する情報、特に機械的励起又は励起に対する機械的応答挙動に関する情報を含んでいる。
【0019】
当該方法はさらに、機械的応答信号又は応答信号の1つ若しくは複数の測定値が、所定の許容差範囲外にある場合、警告の表示及び/又は部材の付加製造の中止の実施を含んでおり、機械的応答信号は、警告の表示のため、及び/又は中止の実施のために、シミュレーションされた、又は算定された値と比較される。当該値は、例えば有限要素解析等のシミュレーションに基づき得る。このシミュレーションされた、又は算定された値は、所定の許容差範囲を決定し得る。
【0020】
所定の許容差範囲は、好ましくは、機械的応答信号がこの所定の許容差範囲内にある限りにおいて、部材が十分な材料品質を有して、又は不備を生じずに製造又は構築されているという値の範囲を表している。
【0021】
一実施形態において、当該方法は、機械的応答信号又は応答信号の1つ若しくは複数の測定値が、所定の許容差範囲外にある場合、警告の表示又は部材の付加製造の中止の実施を含んでいる。
【0022】
一実施形態において、当該方法は、機械的応答信号又は応答信号の1つ若しくは複数の測定値が、所定の許容差範囲外にある場合、警告の表示を含んでいる。当該実施形態によると、所定の許容差範囲は、好ましくは第1の所定の許容差範囲である。
【0023】
一実施形態において、当該方法は、機械的応答信号又は応答信号の1つ若しくは複数の測定値が、所定の許容差範囲外にある場合、部材の付加製造の中止の実施を含んでいる。当該実施形態によると、所定の許容差範囲は、好ましくは第2の所定の許容差範囲である。
【0024】
一実施形態において、機械的応答信号が第1の所定の許容差範囲外にある場合、警告が表示される。
【0025】
一実施形態において、機械的応答信号が第2の所定の許容差範囲外にある場合、部材の付加製造の中止が実施される。
【0026】
一実施形態において、第2の所定の許容差範囲は、第1の所定の許容差範囲よりも大きい。
【0027】
これらの実施形態によって、有利なことに、製造プロセスの中止に関するより高い許容値が決定可能であり、警告を通じて、当該方法を用いる者に、例えば部材に(重大な)構造上の不備が生じた場合にも、当該方法を完全に中止すべきか否かを委ねることが可能である。
【0028】
以下において、所定の許容差範囲に言及する場合、特に第1の所定の許容差範囲又は第2の所定の許容差範囲を意味している。
【0029】
上述の実施形態に対応して、機械的応答信号の測定は、現在構築されている部材の各層又は複数の層が構築された後に実施され得る。
【0030】
一実施形態において、付加製造されるべき部材は、その上に部材が製造又は構築される部材基板と共に励起される。それに対応して、応答信号は、好ましくはそれまでに又は部分的に製造された部材、及び部材基板の機械的挙動又は機械的特性に関する情報を含んでいる。
【0031】
ここでは、「部材」と言う表現で、特に製造されるべき部材と、部分的又は完全に製造された部材及び任意で同じく部材基板と、を意味し得る。
【0032】
本発明のさらなる態様は、部材を付加製造するための装置に関するものであり、当該装置は、少なくとも1つの付加的に構築された部材の層の機械的励起、及び/又は部材基板と共に行う機械的励起のためのユニットを含んでいる。当該装置はさらに、部材の機械的応答信号を測定するための、又は部材基板と共に測定するための測定ユニットを含んでいる。当該装置は、部材基板を含み得る。当該装置はさらに、制御ユニットを含んでおり、当該制御ユニットは、機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は付加製造の中止を実施するように構成されている。
【0033】
一実施形態において、測定ユニットは、音響ピックアップ、振動ピックアップ、及び/又は加速度ピックアップ、レーザー振動計、及び/又は圧電センサを含んでいる。当該実施形態によると、部材は、材料検査のために特に合理的に、機械的に励起される。
【0034】
本発明では、利点として特に「早期警告システム」が記載されており、それによって特に、製造装置を損傷から守ることができる。さらに、警告の表示及び/又は中止の実施(プロセスの中止)によって、付加製造方法をより効率的にすることが可能である。なぜなら、すでに損傷を受けた、又は構造的に使用不可能である部材の付加的な構築のために、製造時間又は機械稼働時間をもはや「浪費」せずにすむからである。言い換えると、このような方法で、不要な機械稼働時間を消滅させる、又は、防止することができる。
【0035】
一実施形態において、機械的励起は、音響、振動、及び/又は揺動を用いて、例えば圧電的に実施される。
【0036】
一実施形態において、機械的励起及び/又は機械的応答信号の測定は、音響的共鳴解析又は揺動解析、音響放射解析、超音波試験及び/又は振動検査の部分である。このような方法で、部材の材料検査を特に合理的に行うことができる。
【0037】
上述の実施形態に対応して、当該ユニットは、装置の機械的励起のために、好ましくは記載された検査方法又は解析手法に対応して構成されている。記載された方法とは、好ましくは、当業者に知られている非破壊の材料検査方法である。
【0038】
一実施形態において、機械的励起及び/又は機械的応答信号の測定のために、部材の特性周波数スペクトル及び/又は部材プラットフォームが用いられる。好ましくは、記載された周波数スペクトルは、部材基板と少なくとも部分的にその上に構築された部材との特性スペクトルを表している。当該特性周波数スペクトルは、例えば部材の共鳴曲線であり得る。
【0039】
一実施形態において、当該方法は、層内の構造上の不備又は構造上の欠陥、及び/又は部材の部材基板からの剥離の結果として、機械的応答信号が所定の許容差範囲外にあるように実施され、及び/又は当該装置は、層内の構造上の不備又は構造的欠陥、及び/又は部材の部材基板からの剥離の結果として、機械的応答信号が所定の許容差範囲外にあるように構成されている。構造上の不備は、例えば亀裂、不完全性、部材の構造内における特定の粒径のシフト及び/又は形成であり得る。部材内の亀裂は、例えば単に、機械的応答信号又はその測定値の、目標値からの小さな逸脱につながるものに過ぎず、好ましくは、上述の第1の所定の許容差範囲のみが「超過」されるが、第2の所定の許容差範囲は「超過」されない。それに対して、部材の部材基板からの剥離は、好ましくは、応答信号が、第2の所定の許容差範囲も超過することにつながる(上記を参照のこと)。
【0040】
一実施形態において、警告の表示及び/又は中止の実施のために、機械的応答信号は機械的応答信号と、例えば特に、少なくとも1つの前もって、すなわち本来の層の前に、付加的に構築された層の1つ又は複数の測定値と、比較される。特に、目標と現実との比較が実施され得る。前もって構築された層の、上述の値又は測定値は、所定の許容差範囲を決定し得る。
【0041】
一実施形態において、好ましくは自動のパターン認識によって、機械的応答信号又はその測定値が、所定の許容差範囲内であるか、又は範囲外であるかが認識される。
【0042】
本発明のさらなる態様は、付加製造方法に関するものであり、当該方法は、付加製造されるべき部材の品質を検査するための上述の方法を含んでいる。付加製造方法は、機械的応答信号が所定の許容差範囲内にある場合、部材のための少なくとも1つのさらなる層の付加的な、又は積層による製造を含んでいる。
【0043】
一実施形態において、付加製造方法は、選択的レーザー溶融、選択的レーザー焼結、及び/又は電子ビーム溶解であるか、又はこれらを含んでいる。好ましくは、当該方法は、選択的レーザー溶融(SLM)のための方法である。
【0044】
一実施形態において、付加製造方法は、硬化ステップを含んでおり、機械的励起は(も)、部材の付加的に構築又は製造された各層の硬化の間に実施される。
【0045】
一実施形態において、機械的応答信号から出発して、部材の製造のパラメータが不備、又は例えば(さらなる)材料の損傷、装置の損傷、若しくはその結果としての損傷等の損傷を回避するために調整される。それによって、有利なことに、事情によっては、パラメータの調整によって、部材内又は部材上の製造の不備に現場で反応し、部材の新たな製造を断念することができる。
【0046】
本発明のさらなる態様は、記載された方法によって製造される、又は製造され得る部材に関する。
【0047】
上述の部材は、上述の製造方法によると、好ましくは特異性及び/又は特有の性質を有している。例えば、当該部材は、その構造特性又は表面特性に関して、別の方法で製造された、又は製造可能である表面又は構造を解析する関連した方法によって、区別され得る。このような方法は、例えば透過電子顕微鏡法、エネルギー分散型X線分析、及び/又はX線蛍光分析である。
【0048】
当該方法に関連する実施形態、特徴及び/又は利点は、同様に当該装置及び/又は当該部材にも関連し得るものであり、その逆も然りである。
【0049】
以下に、本発明のさらなる詳細を、図面を用いて説明する。同じ、又は対応する図面の要素には、各図面においてそれぞれ、同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】部材又はワークピースを付加製造するための装置の断面又は側面を概略的に示した図である。
図2】第1の実施形態に係る部材を検査するための方法の少なくとも一部を概略的に示した図である。
図3】さらなる実施形態に係る部材を検査するための方法の少なくとも一部を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、装置100を示している。装置100は、好ましくは部材又はワークピース1を付加製造するための装置である。
【0052】
装置100に基づいて、部材1の検査、特に材料検査のための方法を説明する。さらに、部材1の付加製造方法が示される、又は記載される。
【0053】
部材1は所定の、又は所望の形状に従って製造された、又は製造可能な3次元の物体であり得る。当該物体は、例えばSLM法(選択的レーザー溶融)等の付加製造方法に基づいて、各層が複数存在することによって(例えば図2の参照符号2及び2’を参照のこと)構築される。
【0054】
部材1は、例えばニッケルベース又はコバルトベースの超合金から成る、ガスタービンの高温ガス流路内の部分等のタービン構成要素であり得る。
【0055】
図1には、部材1が、好ましくは部分的にのみ完成していない状態で、すなわちその付加製造の間の状態で示されている。
【0056】
装置100は、部材プラットフォーム又は部材基板3を含んでいる。部材基板3は、例えば装置100の他の構成要素に対して沈下可能である。部材の、又は部材1のための各層の製造の後、部材基板3は、好ましくは層厚に対応する程度だけ沈下し、その後個々に、例えばレーザービームによって溶解し、硬化する。対応するレーザー装置又は硬化装置は、図面に明確には示されていない。
【0057】
選択的レーザー溶融(SLM法)では、硬化の範囲内で、粉体床がスキャンされ、及び/又は好ましくは所定の硬化形状若しくは露出形状に応じて硬化する。硬化に関する対応するデータは、好ましくは3次元CADファイルから直接取り出される。
【0058】
SLM法に対して代替的に、上述の付加製造法は、選択的レーザー焼結(SLS)又は電子ビーム溶解(EBM)であり得る。
【0059】
装置100はさらに、粉体供給部又は粉体供給装置20を含んでいる。
【0060】
装置100はさらに、粉体排出部又は粉体排出装置21を含んでいる。
【0061】
装置100は、さらに、塗工ユニット又はドクターブレード7を含んでいる。塗工ユニット7を用いて、粉体8は部材1のために、好ましくは粉体供給部20から取り出され、(層状に)各製造ステップのために、製造空間において、部材基板3上で分配される(図1における方向Aに沿った分配を参照のこと)。過剰の粉体8は、コーティングユニット7によって、粉体排出部21内に押し込まれる。
【0062】
粉体供給部20及び/又は粉体排出部21は、それらの側では、沈下可能なプラットフォーム(明確には示されていない)を含み得る。
【0063】
装置100はさらに、部材1の機械的励起のためのユニット4を有している。好ましくは、部材1は、機械的励起の際に、部材基板3と共に励起される。なぜなら、部材1又は部材1の各層は、好ましくは材料接続的又は冶金的に、部材基板3と結合しているからである。そのために、ユニット4は、好ましくは部材基板3の下側に配置されており、部材基板3と物理的に接続されている。ユニット4は、例えば音響、振動、又は揺動を生成することができる。それに応じて、ユニット4は、圧電素子であり得るか、圧電素子を含み得る。ユニット4はさらに、音響共鳴解析又は揺動解析、音響放出解析、振動検査、及び/又は超音波検査を用いて機械的励起を行うように設計され得る。
【0064】
特性周波数スペクトルは、部材基板3上の、例えば部材1の共鳴曲線等の、測定されるべき共鳴であり得る。
【0065】
特に、ユニット4は、好ましくは共鳴解析又は揺動解析を用いた材料検査又は構造検査の場合に、部材1を、特性周波数スペクトルを用いて、共鳴励起するように設計されていて良い。例えば、部材1の複数の異なる揺動モードが、ユニット4を通じて共鳴励起され得る。当該共鳴又は励起への応答として、好ましくは部材1の機械的応答信号が、部材基板3上で測定される。
【0066】
そのために、装置100はさらに、測定ユニット5を有している。測定ユニット5は、好ましくは部材基板3の下側に配置されている。測定ユニット5は、(それまでに)少なくとも部分的に製造された、又は構築された部材1の、1つ又は複数の機械的応答信号を測定、記録、又は登録するように設計されている。それに応じて、測定ユニット5は、音響ピックアップ、振動ピックアップ、又は加速度ピックアップを有し得る。特に、測定ユニット5は、レーザー振動計又は圧電センサを含み得る。
【0067】
応答信号又はそれに応じた測定値は、好ましくは部材基板3と共に部材1の揺動信号であり、当該揺動信号は、部材1の製造の進行に応じて、層から層へと、わずかに異なるのみである。
【0068】
装置100はさらに、制御ユニット6を有している。制御ユニット6は、ユニット4及び測定ユニット5と、合理的には電気的に接続されている。制御ユニット6は、好ましくは、機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合に、警告を表示する、及び/又は付加製造の中止を実施するように構成されている。
【0069】
提示されている方法は、部材1の付加製造の間における、1つ又は複数の付加的に構築された、又は製造された部材の層の機械的励起を含んでいる。
【0070】
好ましくは、機械的励起は部材1のための、それぞれ製造又は構築された層の硬化又は製造の後で行われる。代替的に、機械的励起を、部材1のための2つ以上の層の硬化又は製造の後で行っても良い。機械的励起は、例えば粉体8の硬化の間にも、レーザービームを用いて行われ得る。
【0071】
当該方法はさらに、機械的応答信号の測定を含んでいる。好ましくは、応答信号は、揺動挙動に関する情報、特に部材1と、部材1がその上に製造される部材基板3と、の固有周波数又は共鳴周波数に関する情報を含んでいる。
【0072】
さらに、当該方法は、機械的応答信号又はその1つ若しくは複数の測定値が、所定の許容差範囲外にある場合、警告の表示、及び/又はプロセス中止の実施若しくは部材の製造の中止の実施を含んでいる。
【0073】
所定の許容差範囲は、好ましくは例えば応答信号の、又は応答信号に関する揺動挙動についての測定値の範囲であって、その範囲内では、部材1が、少なくとも概ね不備無く構築されたと評価される値の範囲を表している。
【0074】
この場合、記載された方法の範囲内で、第1の所定の許容差範囲及び第2の所定の許容差範囲が決定又は定義され得る。その際、第2の所定の許容差範囲は、好ましくは第1の所定の許容差範囲よりも大きく、又は広く定義されている。
【0075】
第1及び第2の所定の許容差範囲は、好ましくは機械的応答信号が、例えば単に第1の所定の許容差範囲外にある場合には、利用者又は操作者に警告が出力されるように選択されている。機械的応答信号が、例えば同様に、第2の所定の許容差範囲外にある場合には、好ましくは製造プロセス全体が中止される。
【0076】
図2は、装置100(塗工ユニット、粉体供給部、及び、粉体排出部は、図1とは異なり図示されていない)の横断面又は側面を概略的に示している。図2は、特に、部材基板3上に部分的に製造された部材1を示している。さらに、現在又は最後に構築された、すなわち硬化された層2が示されている。層2は、前もって、すなわち層2の前に構築された層2’の上に製造され、構築され、又は、硬化したものである。
【0077】
層2’は、好ましくは、例えば結晶の欠陥、不完全性、シフト、又は、機械的励起によって検出可能なその他の不備のような重大な構造上の欠陥を有していない。それに対応して、層2‘の応答信号(明確には示されていない)は、記載の方法によって、好ましくは所定の許容差範囲内に収められており、警告を表示する必要も、製造プロセスを中止する必要もない。
【0078】
層2は、参照符号10が付された構造上の不備10(上記を参照のこと)を有している。合理的には、構造上の不備は、記載された方法を用いて、応答信号を通じて、有利には揺動挙動又は振動挙動の逸脱が、上述したように測定され得る程度に大きいか、又は重大である。すなわち、例えば応答信号の共鳴曲線は、予想される、又は目標の共鳴曲線から、対応する応答信号が好ましくは単に第1の所定の許容差範囲外にあるように逸脱している。それに従って、当該方法の利用者には、好ましくは警告が表示され、利用者は、製造プロセス全体を中止しなければならないか、又は例えば単に製造のパラメータを修正及び/又は調整すれば良いのかを、自身で決定することができる。
【0079】
上述の警告は特に適切であり得る。なぜなら、例えばその微細構造に関して使用不可能である部材1の完成は、不必要に機械の稼働時間と材料とを消費するからである。
【0080】
層2の応答信号は、起こり得る警告の表示及び/又は部材の製造の中止のために、例えば層2の真下に配置された層2’の対応する機械的応答信号と比較され得る。代替的又は付加的に、層2の応答信号は、警告の表示及び/又は部材の製造の中止のために、例えば応答信号に関する算定若しくはシミュレーションされた値又は測定値と比較され得る。上述の値は、部材のコンピュータを用いた構成及び/又は有限要素解析に由来し得る。
【0081】
図3は、装置100の断面又は側面を概略的に示している。図3は、図2と同様に、部材基板3上の、部分的に製造された部材1を示している。層2の製造の間、又は部材1の付加製造の別の時点において、部材1の部材基板3からの剥離が生じることが例示的に示されている(破線の円11を参照のこと)。このような剥離は、例えば塗工ユニット(図1の参照符号7を参照のこと)との衝突によって、装置100の損傷につながり得る。
【0082】
この剥離は、部材1の個々の層のみにおける構造上の不備(図2の参照符号10を参照のこと)と比べて、好ましくは応答信号の予想される応答信号からのより大きな逸脱につながるものであり、予想される応答信号は、適切に構築され、概ね構造上の不備を有さない部材の場合に、測定ユニット5によって測定されるものである。構造上の不備と比較して拡大した、応答信号の予想される応答信号からの逸脱と、第2の所定の許容差範囲の超過と、の理由は、好ましくは剥離による部材基板3と部材1との結合の固有周波数又は共鳴の比較的大きな変更にある。
【0083】
それに対応して、図3に係る部材1に関して、好ましくは第1の所定の許容差範囲外でも、第2の所定の許容差範囲外でもある応答信号が測定される。従って、部材1の製造は、好ましくは自動的に中止される。任意で、利用者には同様に警告が表示され得る。
【0084】
制御ユニット6は、例えばパターン認識を通じて応答信号を測定又は識別し、対応して、応答信号又は例えばそれに対応する測定値が、上述の所定の許容差範囲内にあるか、又は許容差範囲外にあるかを決定するように構成され得る。
【0085】
制御ユニット6を通じて、好ましくはさらに、上述の許容差範囲が決定又は数値設定され得る。さらに、制御ユニット6を通じて、機械的応答信号から出発して、部材の製造のパラメータを、例えば(さらなる)材料の損傷、装置の損傷、若しくはその結果としての損傷等の不備又は損傷を回避するために調整することが可能である。当該パラメータは、レーザー又は電子ビームのビームプロフィル、粉体輸送率、露出された領域の大きさ、露出速度、レーザー集束のパラメータ、レーザー出力、製造のための不活性ガスの流量、部材の連続して製造されるべき層の層厚若しくは重ねられた層の厚さ、及び/又は硬化のパラメータであり得る。
【0086】
本発明は、実施例を用いた説明によって当該実施例に限定されるものではなく、あらゆる新しい特徴と、あらゆる特徴の組み合わせとを含んでいる。これは特に、当該特徴又は当該組み合わせ自体が、請求項又は実施例に明確には記載されていないとしても、請求項における特徴のあらゆる組み合わせを含んでいる。
【符号の説明】
【0087】
1 部材
2、2’ 層
3 部材基板
4 ユニット
5 測定ユニット
6 制御ユニット
7 塗工ユニット
8 粉体
10 構造上の不備
11 剥離
20 粉体供給部
21 粉体排出部
100 装置
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2018年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造されるべき部材(1)を検査するための方法であって、以下のステップ:
部材基板(3)と共に、前記部材(1)の付加的に構築された少なくとも1つの層(2)の機械的励起を、前記部材(1)が前記部材基板上に付加製造されている間に行うステップ、
−前記部材(1)の機械的応答信号の測定を行うステップであって、前記機械的励起及び前記機械的応答信号の測定のために、前記部材(1)の特性周波数スペクトルが用いられるステップ、及び、
−前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は前記部材(1)の付加製造の中止を実施するステップであって、前記機械的応答信号は、警告の表示のため、及び/又は中止の実施のために、シミュレーションされた、又は算定された値と比較され、前記機械的応答信号が、警告の表示及び/又は中止の実施のために、少なくとも1つの前もって付加的に構築された層(2’)の機械的応答信号と比較されるステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記機械的励起が、音響、振動、及び/又は揺動を用いて、例えば圧電的に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械的励起及び前記測定が、音響的共鳴解析若しくは揺動解析、音響放射解析、超音波検査又は振動検査の部分である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記層(2)内の構造上の不備(10)、又は前記部材(1)の部材基板(3)からの剥離(11)の結果、前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にあるように実施される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記機械的応答信号が、第1の所定の許容差範囲外にある場合には、警告が表示され、前記機械的応答信号が、第2の所定の許容差範囲外にある場合には、前記部材(1)の付加製造の中止が実施され、前記第2の所定の許容差範囲は、前記第1の所定の許容差範囲よりも大きい、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載の検査方法を含む付加製造方法であって、機械的応答信号が所定の許容差範囲内にある場合に、部材のための少なくとも1つのさらなる層(2’)の付加製造を含む付加製造方法。
【請求項7】
硬化ステップを含んでおり、前記部材(1)の付加的に構築された各層の硬化の間に、機械的励起が実施される、請求項に記載の付加製造方法。
【請求項8】
前記部材(1)の製造のパラメータが、前記機械的応答信号から進められて、不備又は損傷を回避するために調整される、請求項又はに記載の付加製造方法。
【請求項9】
選択的レーザー溶融、選択的レーザー焼結、又は電子ビーム溶解を含む、請求項6からのいずれか一項に記載の付加製造方法。
【請求項10】
部材(1)の少なくとも1つの付加的に構築された層(2)の機械的励起のためのユニット(4)、前記部材(1)の機械的応答信号を測定するための測定ユニット(5)、及び、制御ユニット(6)を含んでおり、前記制御ユニット(6)は、前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は請求項1から9いずれか一項に係る付加製造の中止を実施するように構成されている、部材(1)の付加製造のための装置(100)。
【請求項11】
前記測定ユニットが(5)、音響ピックアップ、振動ピックアップ、若しくは加速度ピックアップ、レーザー振動計、及び/又は圧電センサを含んでいる、請求項10に記載の装置(100)。
【手続補正書】
【提出日】2018年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造されるべき部材(1)を検査するための方法であって、以下のステップ:
−部材基板(3)と共に、前記部材(1)の付加的に構築された少なくとも1つの層(2)の機械的励起を、前記部材(1)が前記部材基板上に付加製造されている間に行うステップ、
−前記部材(1)の機械的応答信号の測定を行うステップであって、前記機械的励起及び前記機械的応答信号の測定のために、前記部材(1)の特性周波数スペクトルが用いられるステップ、及び、
−前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は前記部材(1)の付加製造の中止を実施するステップであって、前記機械的応答信号は、警告の表示のため、及び/又は中止の実施のために、シミュレーションされた、又は算定された値と比較され、前記機械的応答信号が、警告の表示及び/又は中止の実施のために、少なくとも1つの前もって付加的に構築された層(2’)の機械的応答信号と比較されるステップ、
を含む方法。
【請求項2】
前記機械的励起が、音響、振動、及び/又は揺動を用いて、例えば圧電的に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械的励起及び前記測定が、音響的共鳴解析若しくは揺動解析、音響放射解析、超音波検査又は振動検査の部分である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記層(2)内の構造上の不備(10)、又は前記部材(1)の部材基板(3)からの剥離(11)の結果、前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にあるように実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記機械的応答信号が、第1の所定の許容差範囲外にある場合には、警告が表示され、前記機械的応答信号が、第2の所定の許容差範囲外にある場合には、前記部材(1)の付加製造の中止が実施され、前記第2の所定の許容差範囲は、前記第1の所定の許容差範囲よりも大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の検査方法を含む付加製造方法であって、機械的応答信号が所定の許容差範囲内にある場合に、部材のための少なくとも1つのさらなる層(2’)の付加製造を含む付加製造方法。
【請求項7】
硬化ステップを含んでおり、前記部材(1)の付加的に構築された各層の硬化の間に、機械的励起が実施される、請求項6に記載の付加製造方法。
【請求項8】
前記部材(1)の製造のパラメータが、前記機械的応答信号から進められて、不備又は損傷を回避するために調整される、請求項6又は7に記載の付加製造方法。
【請求項9】
選択的レーザー溶融、選択的レーザー焼結、又は電子ビーム溶解を含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の付加製造方法。
【請求項10】
部材(1)の少なくとも1つの付加的に構築された層(2)の機械的励起のためのユニット(4)、前記部材(1)の機械的応答信号を測定するための測定ユニット(5)、及び、制御ユニット(6)を含んでおり、前記制御ユニット(6)は、前記機械的応答信号が所定の許容差範囲外にある場合、警告を表示する、及び/又は請求項6から9いずれか一項に係る付加製造の中止を実施するように構成されている、部材(1)の付加製造のための装置(100)。
【請求項11】
前記測定ユニットが(5)、音響ピックアップ、振動ピックアップ、若しくは加速度ピックアップ、レーザー振動計、及び/又は圧電センサを含んでいる、請求項10に記載の装置(100)。
【国際調査報告】