(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-506029(P2019-506029A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(54)【発明の名称】ポーラ符号凍結ビットを使用するWTRU識別
(51)【国際特許分類】
H03M 13/13 20060101AFI20190201BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20190201BHJP
H04W 80/06 20090101ALI20190201BHJP
【FI】
H03M13/13
H04L1/00 B
H04W80/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-530003(P2018-530003)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(85)【翻訳文提出日】2018年8月7日
(86)【国際出願番号】US2016066489
(87)【国際公開番号】WO2017106246
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】62/266,975
(32)【優先日】2015年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】316012245
【氏名又は名称】アイディーエーシー ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンウォン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒュン・アン
【テーマコード(参考)】
5J065
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5J065AD03
5K014BA06
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
ポーラ符号化されたトランスポートブロックを送信するための方法および装置が、開示される。ポーラ符号の凍結ビットの位置を決定することができる。凍結ビットについての値を決定することができる。凍結ビットについての値は、無線送受信ユニット(WTRU)のアイデンティティ(ID)に基づくことができる。WTRUのIDに基づいた凍結ビット値を含むポーラ符号化されたトランスポートブロックを、WTRUに送信することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局によって実装される、ポーラ符号化されたトランスポートブロックを送信する方法であって、
ポーラ符号の凍結ビットの位置を決定するステップと、
前記凍結ビットについての値を決定するステップであって、前記凍結ビットについての前記値は、無線送受信ユニット(WTRU)識別(ID)に基づいている、ステップと、
前記WTRU IDに基づいた前記凍結ビット値を含むポーラ符号化されたトランスポートブロックを、前記WTRUへ送信するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記凍結ビットの前記位置は、ポーラ符号構成から決定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
fkを使用して、n=0からN−K−1までの第kの凍結入力位置を表し、vkを使用して、n=0からN−K−1までの前記凍結ビットの値を表すステップ
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
vkは、複数のWTRU IDの各1つに対して定義され、vk=ci,kである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記凍結ビットのサイズとci,kとが異なるという条件で、ci,kが、パンクチャリングされる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
iの値は、WTRU IDの関数である請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記WTRU IDは、セル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記WTRU IDは、グループIDである請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記WTRUは、凍結ビット値が前記WTRU IDと関連付けられている条件で、前記ポーラ符号化されたトランスポートブロックをデコードする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ポーラ符号の凍結ビットの位置を決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記凍結ビットについての値を決定するように構成された前記少なくとも1つのプロセッサであって、前記凍結ビットについての前記値は、無線送受信ユニット(WTRU)識別(ID)に基づく、前記少なくとも1つのプロセッサと、
前記WTRU IDに基づいた前記凍結ビット値を含むポーラ符号化されたトランスポートブロックを、前記WTRUに送信するように構成された送信機と
を備えた基地局。
【請求項11】
前記凍結ビットの前記位置は、ポーラ符号構成から決定される請求項10に記載の基地局。
【請求項12】
fkを使用して、n=0からN−K−1までの第kの凍結入力位置を表し、vkを使用して、n=0からN−K−1までの前記凍結ビットの値を表すように構成された前記少なくとも1つのプロセッサ
をさらに備えた請求項10に記載の基地局。
【請求項13】
vkは、複数のWTRU IDの各1つに対して定義され、vk=ci,kである請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
前記凍結ビットのサイズとci,kとが異なるという条件で、ci,kが、パンクチャリングされる請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
iの値は、WTRU IDの関数である請求項13に記載の基地局。
【請求項16】
前記WTRU IDは、セル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)である請求項15に記載の基地局。
【請求項17】
前記WTRU IDは、グループIDである請求項15に記載の基地局。
【請求項18】
前記WTRUは、凍結ビット値が前記WTRU IDと関連付けられている条件において、前記ポーラ符号化されたトランスポートブロックをデコードする請求項10に記載の基地局。
【請求項19】
基地局によって実装される、制御フォーマット同士を区別する方法であって、
ポーラ符号の凍結ビットについての位置を決定するステップと、
制御フォーマットを決定するステップと、
前記凍結ビットについての値を決定するステップであって、前記凍結ビットについての前記値は、前記決定された制御フォーマットの関数である、ステップと、
前記決定された凍結ビット値を使用した、制御フォーマット情報を含むポーラ符号化されたメッセージを送信するステップと
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポーラ符号化されたトランスポートブロックを送信する方法および装置が開示される。
【背景技術】
【0002】
本出願は、その内容が参照によって本明細書に組み込まれている、2015年12月14日に出願された米国特許仮出願第62/266,975号の利益を主張する。
【0003】
ポーラ符号(Polar Codes)は、エルダル・アリカン(Erdal Arikan)によって開発され、導入された。典型的なポーラ符号は、
【0004】
【数1】
【0005】
として定義され、ここで、
【0006】
【数2】
【0007】
は、入力符号ブロックのベクトルであり、
【0008】
【数3】
【0009】
は、出力符号ブロックのベクトルである。入力ブロックベクトルおよび出力ブロックベクトルはともに、同じ長さNを有し、0からN−1までのインデックスを付与され、ここで、N=2
nである。可変2進値を有する情報ビットの数は、Kによって表すことができる。可変2進値を有する情報ビットの位置は、集合Aによって表すことができる。入力ブロック内のいくつかのビットは、固定(fixed)または凍結値(frozen value)になるように設定することができ、これは、通常は0である。凍結値を有するビットの数は、N−Kとすることができる。凍結値を有するビットの位置は、集合A
cによって表すことができる。符号化率は、R=N/Kによって表すことができる。
【0010】
G
Nは、生成行列であり、
【0011】
【数4】
【0012】
としてさらに表すことができる。B
Nは、ビット反転行列であり、入力ブロックベクトルに対するビット反転演算は、積演算によって実行することができる。例えば、「001」は、ビット反転後、「100」に変換することができる。
【0013】
【数5】
【0014】
は、Fの第nのクロネッカ積であり、式1に示されるように定義することができる。
【0015】
【数6】
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Wang and Liu,“A Novel Puncturing Scheme for Polar Codes”
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
ポーラ符号化されたトランスポートブロックを送信するための方法および装置が、開示される。ポーラ符号の凍結ビットの位置を決定することができる。凍結ビットについての値を決定することができる。凍結ビットについての値は、無線送受信ユニット(WTRU)アイデンティティ(ID:識別)に基づくことができる。WTRU IDに基づいた凍結ビット値を含むポーラ符号化されたトランスポートブロックを、WTRUに送信することができる。
【0018】
ポーラ符号の凍結ビットについての位置を決定することができる。制御フォーマットを決定することができる。凍結ビットについての値を決定することができる。凍結ビットについての値は、決定された制御フォーマットの関数とすることができる。決定された凍結ビット値を使用した、制御フォーマット情報を含むポーラ符号化されたメッセージを送信することができる。
【0019】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて、例として与えられる、以下の説明から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】1つまたは複数の開示される実施形態を実装できる、例示的な通信システムのシステム図である。
【
図1B】
図1Aに示される通信システム内で使用できる、例示的な無線送受信ユニット(WTRU)のシステム図である。
【
図1C】
図1Aに示される通信システム内で使用できる、例示的無線アクセスネットワークおよび例示的コアネットワークのシステム図である。
【
図3】ポーラ符号についての数値結果を示す例を示す図である。
【
図4】ポーラ符号のフレーム誤り率(FER)性能を示すグラフである。
【
図5】ポーラ符号の凍結ビットを使用して、制御フォーマットを識別する例示的な方法を示す図である。
【
図6】ポーラ符号の凍結ビットを使用してWTRUを識別する例示的な方法を示す図である。
【
図7】ゼロ値凍結ビットとランダム値凍結ビットとの間のFER比較を示すグラフである。
【
図8】ポーラ符号の入力ビットの信頼性を示すグラフである。
【
図9】巡回冗長検査(CRC)ビットを割り当てるため、ポーラ符号化されたトランスポートブロックの信頼できるブロックを使用する例示的方法を示す図である。
【
図10】R=1/2、K=88であり、80ビットがパンクチャリングされる場合のFER比較を示すグラフである。
【
図11】ポーラ符号の信頼性の分布を示すグラフである。
【
図12】低符号化率のポーラ符号についてのパンクチャリングの例示的な方法を示す図である。
【
図13】ポーラ符号の入力ビットの固定値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1Aは、1つまたは複数の開示される実施形態を実装することができる、例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージング、放送などのコンテンツを複数の無線ユーザに提供する、多元接続システムとすることができる。通信システム100は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共用を通して、そのようなコンテンツにアクセスすることを可能することができる。例えば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、およびシングルキャリアFDMA(SC−FDMA)など、1つまたは複数のチャネルアクセス方法を利用することができる。
【0022】
図1Aに示されるように、通信システム100は、無線送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むことができるが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図していることが理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、無線環境において動作および/または通信するように構成された、任意のタイプのデバイスとすることができる。例として、WTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信および/または受信するように構成することができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、および家電製品などを含むことができる。
【0023】
通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bも含むことができる。基地局114a、114bの各々は、コアネットワーク106、インターネット110、および/または他のネットワーク112などの1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインターフェース接続するように構成された、任意のタイプのデバイスとすることができる。例として、基地局114a、114bは、基地送受信機局(BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、および無線ルータなどとすることができる。基地局114a、114bは、各々が、単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含むことができることが理解されよう。
【0024】
基地局114aは、RAN104の部分とすることができ、RAN104は、他の基地局、および/または基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどのネットワーク要素(図示されず)も含むことができる。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示されず)と呼ばれることがある、特定の地理的領域内において無線信号を送信および/または受信するように構成することができる。セルは、さらにセルセクタに分割することができる。例えば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタに分割することができる。したがって、一実施形態においては、基地局114aは、送受信機を3つ、すなわち、セルのセクタごとに1つずつ含むことができる。別の実施形態においては、基地局114aは、多入力多出力(MIMO)技術を利用することができ、したがって、セルのセクタごとに複数の送受信機を利用することができる。
【0025】
基地局114a、114bは、エアインターフェース116上において、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と通信することができ、エアインターフェース116は、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)とすることができる。エアインターフェース116は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立することができる。
【0026】
より具体的には、上で言及されたように、通信システム100は、多元接続システムとすることができ、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、およびSC−FDMAなどの、1つまたは複数のチャネルアクセス方式を利用することができる。例えば、RAN104内の基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用してエアインターフェース116を確立することができる、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)地上無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実装することができる。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/または進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含むことができる。
【0027】
別の実施形態においては、基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE−A)を使用してエアインターフェース116を確立することができる、進化型UMTS地上無線アクセス(E−UTRA)などの無線技術を実装することができる。
【0028】
他の実施形態においては、基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(すなわち、マイクロ波アクセス用の世界的相互運用性(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV−DO、暫定標準2000(IS−2000)、暫定標準95(IS−95)、暫定標準856(IS−856)、移動体通信用グローバルシステム(GSM)、GSMエボリューション用の高速データレート(EDGE)、およびGSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実装することができる。
【0029】
図1Aの基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントとすることができ、職場、家庭、乗物、およびキャンパスなどの局所的エリアにおける無線接続性を容易にするために、任意の適切なRATを利用することができる。一実施形態においては、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立することができる。別の実施形態においては、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立することができる。また別の実施形態においては、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−Aなど)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立することができる。
図1Aに示されるように、基地局114bは、インターネット110への直接的な接続を有することがある。したがって、基地局114bは、コアネットワーク106を介してインターネット110にアクセスする必要がないことがある。
【0030】
RAN104は、コアネットワーク106と通信することができ、コアネットワーク106は、音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数に提供するように構成された、任意のタイプのネットワークとすることができる。例えば、コアネットワーク106は、呼制御、請求サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイド通話、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供することができ、および/またはユーザ認証など、高レベルのセキュリティ機能を実行することができる。
図1Aには示されていないが、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを利用する他のRANと直接的または間接的に通信することができることが理解されよう。例えば、E−UTRA無線技術を利用することができるRAN104に接続されることに加えて、コアネットワーク106は、GSM無線技術を利用する別のRAN(図示されず)とも通信することができる。
【0031】
コアネットワーク106は、PSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするための、WTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとしての役割も果たすことができる。PSTN108は、基本電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含むことができる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイート内の伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、およびインターネットプロトコル(IP)など、共通の通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスからなるグローバルシステムを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを利用することができる1つまたは複数のRANに接続された、別のコアネットワークを含むことができる。
【0032】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのいくつかまたはすべては、マルチモード機能を含むことができ、すなわち、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンク上で異なる無線ネットワークと通信するための複数の送受信機を含むことができる。例えば、
図1Aに示されるWTRU102cは、セルラベースの無線技術を利用することができる基地局114aと通信するように、またIEEE802無線技術を利用することができる基地局114bと通信するように構成することができる。
【0033】
図1Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。
図1Bに示されるように、WTRU102は、プロセッサ118と、送受信機120と、送受信要素122と、スピーカ/マイクロフォン124と、キーパッド126と、ディスプレイ/タッチパッド128と、非リムーバブルメモリ130と、リムーバブルメモリ132と、電源134と、全地球測位システム(GPS)チップセット136と、他の周辺機器138とを含むことができる。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、上記の要素の任意のサブコンビネーションを含むことができることが理解されよう。
【0034】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他の任意のタイプの集積回路(IC)、および状態機械などとすることができる。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作することを可能にする他の任意の機能性を実行することができる。プロセッサ118は、送受信機120に結合することができ、送受信機120は、送信/受信要素122に結合することができる。
図1Bは、プロセッサ118と送受信機120を別個の構成要素として示しているが、プロセッサ118と送受信機120は、電子パッケージまたはチップ内に一緒に統合することができることが理解されよう。
【0035】
送信/受信要素122は、エアインターフェース116上において、基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信し、または基地局から信号を受信するように構成することができる。例えば、一実施形態においては、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナとすることができる。別の実施形態においては、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように構成された放射器/検出器とすることができる。また別の実施形態においては、送信/受信要素122は、RF信号および光信号の両方を送信および受信するように構成することができる。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように構成することができることが理解されよう。
【0036】
加えて、
図1Bにおいては、送信/受信要素122は単一の要素として示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含むことができる。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を利用することができる。したがって、一実施形態においては、WTRU102は、エアインターフェース116上において無線信号を送信および受信するための2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含むことができる。
【0037】
送受信機120は、送信/受信要素122によって送信されることになる信号を変調し、送信/受信要素122によって受信された信号を復調するように構成することができる。上で言及されたように、WTRU102は、マルチモード機能を有することができる。したがって、送受信機120は、WTRU102が、例えば、UTRAおよびIEEE802.11など、複数のRATを介して通信することを可能にするための、複数の送受信機を含むことができる。
【0038】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶表示(LCD)ディスプレイユニットもしくは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合することができ、それらからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力することもできる。加えて、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130および/またはリムーバブルメモリ132など、任意のタイプの適切なメモリからの情報にアクセスすることができ、それらにデータを記憶することができる。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスク、または他の任意のタイプのメモリ記憶デバイスを含むことができる。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、およびセキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含むことができる。他の実施形態においては、プロセッサ118は、サーバまたはホームコンピュータ(図示されず)上などに配置された、WTRU102上に物理的に配置されていないメモリからの情報にアクセスすることができ、それらにデータを記憶することができる。
【0039】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ることができ、WTRU102内の他の構成要素への電力の分配および/または制御を行うように構成することができる。電源134は、WTRU102に給電するための任意の適切なデバイスとすることができる。例えば、電源134は、1つまたは複数の乾電池(例えば、ニッケル−カドミウム(NiCd)、ニッケル−亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li−ion)など)、太陽電池、および燃料電池などを含むことができる。
【0040】
プロセッサ118は、GPSチップセット136に結合することもでき、GPSチップセット136は、WTRU102の現在ロケーションに関するロケーション情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成することができる。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース116上においてロケーション情報を受信することができ、および/または2つ以上の近くの基地局から受信されている信号のタイミングに基づいて、自らのロケーションを決定することができる。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の適切なロケーション決定方法を用いて、ロケーション情報を獲得することができることが理解されよう。
【0041】
プロセッサ118は、他の周辺機器138にさらに結合することができ、他の周辺機器138は、追加的な特徴、機能性、および/または有線もしくは無線接続性を提供する、1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含むことができる。例えば、周辺機器138は、加速度計、eコンパス、衛星送受信機、(写真またはビデオ用の)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、バイブレーションデバイス、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、およびインターネットブラウザなどを含むことができる。
【0042】
図1Cは、実施形態による、RAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上で言及されたように、RAN104は、エアインターフェース116上においてWTRU102a、102b、102cと通信するために、E−UTRA無線技術を利用することができる。RAN104は、コアネットワーク106と通信することもできる。
【0043】
RAN104は、eノードB140a、140b、140cを含むことができるが、RAN104は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のeノードBを含むことができることが理解されよう。eノードB140a、140b、140cは、各々が、エアインターフェース116上においてWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数の送受信機を含むことができる。一実施形態においては、eノードB140a、140b、140cは、MIMO技術を実装することができる。したがって、eノードB140aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信することができる。
【0044】
eノードB140a、140b、140cの各々は、特定のセル(図示されず)に関連付けることができ、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ならびにアップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成することができる。
図1Cに示されるように、eノードB140a、140b、140cは、X2インターフェース上において互いに通信することができる。
【0045】
図1Cに示されるコアネットワーク106は、モビリティ管理エンティティゲートウェイ(MME)142と、サービングゲートウェイ144と、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ146とを含むことができる。上記の要素の各々は、コアネットワーク106の部分として示されているが、これらの要素のうちのいずれの1つは、コアネットワークオペレータとは異なるエンティティによって所有および/または運営することができることが理解されよう。
【0046】
MME142は、S1インターフェースを介して、RAN104内のeノードB140a、140b、140cの各々に接続することができ、制御ノードとしての役割を果たすことができる。例えば、MME142は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期接続中における特定のサービングゲートウェイの選択などを担うことができる。MME142は、RAN104と、GSMまたはWCDMAなどの他の無線技術を利用する他のRAN(図示されず)との間の交換のためのコントロールプレーン機能を提供することもできる。
【0047】
サービングゲートウェイ144は、S1インターフェースを介して、RAN104内のeノードB140a、140b、140cの各々に接続することができる。サービングゲートウェイ144は、一般に、WTRU102a、102b、102cへユーザデータパケットをルーティングすること、およびWTRU102a、102b、102cからユーザデータパケットを転送することができる。サービングゲートウェイ144は、eノードB間ハンドオーバ中におけるユーザプレーンのアンカリング、ダウンリンクデータがWTRU102a、102b、102cに利用可能なときのページングのトリガ、ならびにWTRU102a、102b、102cのコンテキストの管理および記憶など、他の機能を実行することもできる。
【0048】
サービングゲートウェイ144は、PDNゲートウェイ146に接続することもでき、PDNゲートウェイ146は、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にすることができる。
【0049】
コアネットワーク106は、他のネットワークとの通信を容易にすることができる。例えば、コアネットワーク106は、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の陸線通信デバイスとの間の通信を容易にすることができる。例えば、コアネットワーク106は、コアネットワーク106とPSTN108との間のインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含むことができ、またはそれと通信することができる。加えて、コアネットワーク106は、ネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供することができ、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される他の有線または無線ネットワークを含むことができる。
【0050】
他のネットワーク112は、さらに、IEEE802.11ベースの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)160に接続することができる。WLAN160は、アクセスルータ165を含むことができる。アクセスルータは、ゲートウェイ機能性を含むことができる。アクセスルータ165は、複数のアクセスポイント(AP)170a、170bと通信することができる。アクセスルータ165とAP170a、170bとの間の通信は、有線イーサネット(IEEE802.3規格)、または任意のタイプの無線通信プロトコルを介することができる。AP170aは、エアインターフェース上において、WTRU102dと無線通信する。
【0051】
ポーラエンコーダの例が、
図2に示されている。この例においては、ポーラ符号のためのパラメータは、(N,K,A)=(8,5,{3,4,5,6,7})である。5つのビットu
4、u
6、u
5、u
3、u
7が、入力され、入力ビット系列のインデックス順序は、ビット反転操作によって、{3,4,5,6,7}から{6,1,5,3,7}に変更される。8つのビットx
0、x
1、...、x
7が、ポーラエンコーダから出力される。集合Aは、凍結されていないビットと呼ばれることがあり、集合A
cは、凍結ビットと呼ばれることがある。A={3,4,5,6,7}であるので、A
C={0,1,2}のビット位置は、0の凍結値を有する。符号化率は、R=N/K=5/8である。
【0052】
凍結ビットの位置の決定は、ポーラ符号の符号構成を使用して、実行することができる。入力ビットに対して、信頼性の順序を決定することができる。入力ビットのうちの最も信頼できないN−K個のビットを、凍結ビットとして選択することができる。
【0053】
ポーラ符号構成のためのいくつかの方法が、存在する。ポーラ符号構成のための1つの方法は、バタチャリア限界(Bhattacharyya bounds)符号構成である。バタチャリア限界符号構成は、簡単な方法であるが、他の方法よりも正確ではない。それは、数1000の範囲内にあることができる中間サイズのNに対しては、良好な性能を示す。以下は、バタチャリア限界符号構成の例示的な疑似コードである。
【0055】
上の疑似コードを参照すると、設計信号対雑音比(SNR)は、出力ビットの仮定されたSNRである。Fは、凍結ビットA
cについての位置からなる集合である。
【0056】
ポーラ符号のために利用可能ないくつかのデコーディングアルゴリズムが、存在する。1つのデコーディングアルゴリズムは、逐次除去(SC)と呼ばれる。u
kより前のビットu
0、...、u
k-1は、正しくデコードされたと仮定される。SCデコーディングのために、logN+1個のレイヤ、および各レイヤについてのN個のノードを実装することができる。ビットu
0からu
N-1まで、SCは、事前定義されたアルゴリズム組み合わせと、ノードの先に計算された尤度値からの順序とによって、ノードの尤度確率を再帰的に計算する。尤度確率の計算のために、FオペレーションおよびGオペレーションを実行することができる。SCの複雑度は、NlogNに比例する。
【0057】
巡回冗長検査(CRC)の使用を伴う、または伴わない、SCリスト(SCL)デコーディングを行うことができる。CRCを使用しないSCLデコーディングの場合、SCLデコーダは、L個の経路を追跡することができる。入力ビットのデコーディングの最終決定の前に、最も可能性のあるL個の経路を保つことができる。CRCを伴わないSCLデコーディングにおいて最も可能性のあるデコードされた系列が、選択される。SCLデコーディングの場合、候補を選択するために、CRCを使用することができる。CRCの連結は、外側ブロック符号として追加することができる。CRCが追加されたときは、CRC検査によって、選択を行うことができる。最も可能性のある経路を選択する代わりに、L個の経路のうちでCRC計算において誤り検出を有さない経路を、デコーディングのために選択することができる。SCLデコーディングの複雑度は、LNlogNに比例する。
【0058】
図3は、ポーラ符号についての数値結果の例を示している。この例についての条件は、(N,K,A)=(1024,512,A)、符号化率R=1/2、符号ブロックサイズ=1024ビット、2位相偏移変調(BPSK)、加法性白色ガウス雑音(AWGN)、SCL+CRCデコーダ、L=4、24ビットCRC、バタチャリア限界符号構成、設計SNR=0dB、x軸がE
b/N
0(dB)、y軸がフレーム誤り率(FER)である。
【0059】
ポーラデコーダが、凍結ビットの値を知らないとき、ポーラデコーダは、入力を正しくデコードすることができない。この特性は、セキュリティアプリケーションのために使用することができる。例えば、盗聴者が、凍結ビットの値を知らない場合、盗聴者は、入力をデコードすることができず、凍結ビットのすべての可能な値をデコードすることを試みる必要がある。
【0060】
ポーラ符号は、第5世代セルラシステムのチャネル符号化のための候補であることができ、ラージパケットサイズばかりでなく、ショートパケットサイズためにも使用されることが期待されている。ポーラ符号は、複雑度を高める代償を払って、長さLの値を増加させることによって、さらなる性能改善を提供することができる。
図4は、長さL=4およびL=32のケースにおける、ポーラ符号の性能を示している。ポーラ符号化は、L=4のとき、2dBよりも小さいE
b/N
0において、10
-2の目標フレーム誤り率(FER)を達成することができる。この性能は、3GPP LTEシステムにおいて、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のために現在使用されている、テールバイティング畳み込み符号化よりも優れている。
【0061】
L=4を用い、SCLデコーディングアルゴリズムを使用する、ポーラデコーディングの複雑度は、7の拘束長を用いたテールバイティング畳み込みデコーディングに匹敵することができる。ポーラ符号およびテールバイティング畳み込み符号のいくつかの複雑度は、以下の通りであり、ポーラ符号については、Nlog(N)=128×4×log(128)=3584であり、テールバイティング畳み込み符号については、64×1×42×2=5376であり、テールバイティング畳み込み符号については、1つのメトリック更新、2つの反復、および入力情報ビットと同じデコーディング深度(=42)が、仮定される。
【0062】
3GPP LTEシステムにおいては、リソース割り当て情報、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロセス情報、および変調符号化方式(MCS)情報などの制御情報を伝えるために、PDCCHが、使用される。PDCCHから制御情報を獲得するために、ブラインドデコーディングが、必要とされ、WTRUは、共通またはWTRU固有の探索空間の事前定義された位置において、可能なPDCCH候補をブラインドでデコードすることを試みる。3GPP LTEリリース8におけるブラインドデコーディング試行の最大数は、44である。PDCCHのために使用されるチャネル符号は、拘束長7のテールバイティング畳み込み符号であり、PDCCHについての目標FERは、10
-2である。
【0063】
PDCCHを設計する際の検討事項は、ダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットを互いに区別するためのゼロパディングビットの挿入である。例えば、DCIフォーマット0/1Aのサイズは、いくつかの帯域幅については、DCIフォーマット1と同じであることができ、2つのフォーマットを区別する際に、混乱を引き起こすことがある。サイズが、DCIフォーマット0/1Aと区別することができるまで、DCIフォーマット1に、ゼロパディングビットを挿入することができる。
【0064】
新しい機能が、LTE仕様書に追加されたので、新しい制御情報を、PDCCH DCIフォーマットに追加することができ、アップデートごとに、ゼロパディングビットの使用を検討することができる。
【0065】
図5は、ポーラ符号の凍結ビットを使用して、制御フォーマットを識別する例示的な方法を示している。基地局は、510において、ポーラ符号の凍結ビットの位置を決定することができる。凍結ビットの位置は、例えば、ポーラ符号構成のプロセスから決定することができる。凍結ビットの位置は、f
kと呼ぶことができ、ここで、(k=0,1,...,N−K−1)である。凍結ビットの位置は、メモリ内にセーブすることができる。基地局は、メモリにアクセスして、凍結ビットの位置を取得することによって、凍結ビットの位置を決定することができる。
【0066】
基地局は、520において、使用する制御フォーマットを決定することができる。制御フォーマットは、ダウンリンクおよびアップリンクリソースのスケジューリング中に、ならびに制御情報の配信中に、決定することができる。
【0067】
基地局は、530において、少なくとも1つの凍結ビットについての値を決定することができる。凍結ビット値は、v
kと呼ぶことができ、ここで、(k=0,1,...,N−K−1)である。凍結ビット値は、v
k=c
i,kとして定義することができる。
【0068】
iの値は、制御フォーマットの関数とすることができる。制御フォーマット同士を区別するために、各制御フォーマットに対して、異なる凍結ビット値を使用することができる。例えば、c
i,kは、様々な符号、例えば、ウォルシュ−アダマール符号についての、c
i,kのうちでハミング距離を最大化する第iの符号語とすることができる。3GPP LTEの例においては、DCIフォーマット0/1Aの場合、i=0、c
0,k=0...m=1,1,...,1,1であり、DCIフォーマット1の場合、i=1、c
1,k=0...m=0,1,0,1,...,0,1である。別の例においては、c
i,kは、疑似ランダム系列、例えば、疑似雑音(PN)系列とすることができる。DCIフォーマット0/1Aの場合、i=0であり、1によって初期化され、DCIフォーマット1の場合、i=1であり、2によって初期化される。
【0069】
各制御フォーマットのための識別情報または値は、事前定義しておくことができ、基地局およびWTRUは、制御フォーマットの識別情報もしくは値を知ることができ、または制御フォーマットの識別情報もしくは値を用いるように構成することができる。基地局は、決定された制御フォーマットについての事前定義された値または識別情報を、凍結ビット値として使用することができる。したがって、凍結ビット値は、特定の制御フォーマットに対応することができる。
【0070】
基地局は、540において、制御フォーマット情報を含むポーラ符号化された送信を、WTRUに送信することができる。WTRUは、550において、凍結ビット値に基づいて、ポーラ符号化された送信をデコードし、制御フォーマットを識別することができる。WTRUは、対応する凍結ビット値を用いて、制御フォーマットのすべての可能なデコーディングを試みることができる。WTRUが、例えば、CRC検査によって、凍結ビット値をデコードすることに成功した場合、WTRUは、制御フォーマットを識別することができる。
【0071】
凍結ビットのサイズおよびc
i,kとが異なる場合、c
i,kをパンクチャリングすることができる。実施形態においては、制御フォーマットの区別のために、凍結ビットのただ1つの部分を使用することができる。
【0072】
図6は、ポーラ符号の凍結ビットを使用して、WTRUを識別する例示的な方法を示している。基地局は、610において、ポーラ符号についての凍結ビットの位置を決定することができる。凍結ビットの位置は、例えば、ポーラ符号構成のプロセスから決定することができる。凍結ビットの位置は、f
kと呼ぶことができ、ここで、(k=0,1,...,N−K−1)である。凍結ビットの位置は、メモリ内にセーブすることができる。基地局は、メモリにアクセスして、凍結ビットの位置を取得することによって、凍結ビットの位置を決定することができる。
【0073】
基地局は、620において、少なくとも1つの凍結ビットについての値を決定することができる。凍結ビットの値は、v
kと呼ぶことができ、ここで、(k=0,1,...,N−K−1)である。凍結ビットの値は、v
k=c
i,kとして定義することができる。
【0074】
iの値は、WTRU ID、例えば、WTRUのセル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)の関数とすることができる。WTRU同士を区別するために、各WTRU IDに対して、異なる凍結ビット値を使用することができる。これは、WTRU間の誤検出を防止し、1つのWTRUを別のWTRUから識別することを助けることができる。WTRU IDの代わりに、WTRUグループIDを使用することができる。WTRU IDの包含は、セキュリティ目的で使用することができる。制御チャネル設計のために、より低いフォールスアラーム確率、およびゼロパディングなしを、提供することができる。異なるWTRU間において、より安全な通信を期待することができる。実施形態においては、WTRU IDまたはWTRUグループIDのために、凍結ビットのただ1つの部分を使用することができる。
【0075】
WTRUおよび基地局は、WTRUのIDまたはグループIDを知ることができる。例えば、WTRUおよび基地局は、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順中に、WTRUのC−RNTIを知ることができる。基地局は、知られたWTRU IDまたはグループIDを、凍結ビット値として使用することができる。
【0076】
基地局は、630において、決定された凍結ビット値を使用して、ポーラ符号化された送信をWTRUに送信することができる。WTRUは、640において、それの割り当てられたWTRU IDに基づいて、ポーラ符号化された送信をデコードすることを試みることができる。ポーラ符号化された送信の凍結ビットの値が、WTRUのIDに対応するという条件において、WTRUは、送信がそれに対して宛てられていることを知る。凍結ビットの値が、WTRUのIDに対応しないという条件において、WTRUは、送信がそれに対して宛てられていないことを知る。
【0077】
図7は、以下のシミュレーション条件、すなわち、(N,K,A)=(128,42,A)(R=21/64)、BPSK、AWGN、SCL+CRCデコーダ、L=4または32、16ビットCRC、バタチャリア限界符号構成、AWGN、設計SNR=0dB、x軸:E
b/N
0(dB)、y軸:FERを使用した数値結果を示している。
図7に示されるように、ゼロ値の凍結ビットの使用と、ランダム値の凍結ビットの使用との間に顕著な性能差は、存在しない。
【0078】
SCLに基づいてポーラ符号をデコードする際、CRC検出による候補選択は、最良確率メトリックによる候補選択よりも著しいゲインを提供する。CRCは、誤り検出のために、データフレームに付加することができ、CRCは、追加のオーバヘッドと見なされないことがある。
【0079】
CRCは、ポーラデコーディングにおいて、重要な役割を実行する。CRC位置についての最も一般的なルールは、それを、ポーラ符号化器への入力ブロックのテールに配置することである。これは、現在のLTE仕様書に見出すことができるものと同様である。全情報ビットに対するCRC計算の後、最終結果が、末尾に付加される。ポーラ符号の入力ビットのテール部は、N=1024である、
図8に示されるように、良好な信頼性を有する傾向を示すが、信頼性順序に関して、ランダムに選択される。非凍結ビットを信頼性の昇順によってソートした場合、テールCRCビットのほとんどを、良好な部分に位置付けることができる。
図8に示されるグラフは、符号構成から獲得することができ、以下を、すなわち、x軸:0(最初の入力ビット)から1023(最後の入力ビット)までの入力ビットインデックス、y軸:0(最も信頼できない)から1(最も信頼できる)までの信頼性を仮定している。
【0080】
CRCは、ポーラ符号のSCLデコーディングにとって重要である。良好な信頼できるビットのCRCビットへの割り当ては、他の入力データビットの低減された信頼性を引き起こすことがある。したがって、CRCと入力データビットとの間の信頼性のバランスが、必要とされる。
【0081】
図9は、CRCビットを割り当てるために、ポーラ符号化されたトランスポートブロックの信頼できるブロックを使用する例示的な方法を示している。基地局は、910において、r
k上においてCRCビットの位置を選択することができる。変数r
kは、ポーラエンコーダへの入力の位置を表し、0からN−1までの値を有する。r
k(k=0,1,...,K−1)が、第(K−1−k)の最も信頼できる入力位置である場合、r
K-1は、最も信頼でき、r
0は、最も信頼できない。非凍結ビットの信頼性は、例えば、ポーラ符号構成のプロセスから決定することができる。基地局は、非凍結ビットの信頼性をメモリ内に記憶することができる。基地局は、非凍結ビットの信頼性をソートすることができる。基地局は、非凍結ビットのソートされた信頼性をメモリ内に記憶することができる。基地局は、CRC位置を選択する際に、ソートされた信頼性をメモリから取り出し、ソートされた信頼性を使用することができる。
【0082】
CRC位置は、r
k上において一様に選択することができる。sが、CRCの長さである場合、位置は、式2に示されるように、選択することができる。
【0084】
ここで、oは、オフセットであり、0から
【0088】
が、CRC位置として選択される。選択の開始位置は、信頼性順序の最後から位置付けることができ、以下の位置も、選択することができる。
【0090】
基地局は、920において、選択されたCRC位置を使用して、ポーラ符号化されたメッセージを送信することができる。WTRUは、ポーラ符号化されたメッセージを受信し、デコードすることができる。
【0091】
実施形態においては、CRCビットの位置を一様に選択するために、インターリービング方式を使用することができる。1つの例は、ビット反転インターリーバである。ビット反転は、m(2
m=M≧K)の長さを有するr
k上において、実行することができる。0からM−1までの入力インデックスが、CRCのための適切な出力位置を有する長さsが見つかるまで、ビット反転インターリーバに入力される。インターリーバの出力インデックスが、K−1よりも大きいとき、出力インデックスは、切り詰めることができる。Kのより小さい値が見出されるまで、ビット反転インターリーバへの元の入力インデックスは、インクリメントすることができ、K個の入力ビットのインターリービングの後、インターリーバからの出力ビットのうちのs個(例えば、任意の位置から開始するs個の連続位置)を、CRC位置として選択することができる。
【0092】
実施形態においては、s個のCRC位置を見つけるために、WCDMAダウンリンクレートマッチングアルゴリズムを使用して、K個の入力情報ビットのためのCRCの位置を一様に選択することができる。レートマッチングのためのパラメータとしてのパンクチャリング数または繰り返し数は、sとすることができ、レートマッチングから獲得されるパンクチャリングまたは繰り返し位置は、CRC位置のために使用することができる。
【0093】
入力ブロック長が、十分に長いとき、CRCビットの位置を変更することによる性能の差を見出すことは、難しいことがある。入力ブロック長が、小さく、全ブロック長に対するCRC長の比が、十分に大きいとき、性能の差を観察することができる。
【0094】
非特許文献1においてワン(Wang)およびリュー(Liu)によって開示されたパンクチャリングアルゴリズムは、良好な性能を示すことが知られている。このパンクチャリングアルゴリズムは、入力ビットの最後から、ビットの値を「0」に固定しなければならない。これらの固定された入力に対応する出力ビットが、存在し、それらが、パンクチャリングされる。入力ビットの位置は、出力ビットに対してビット反転の関係を有する。これらの固定値ビットは、凍結ビットに類似しており、良好な信頼できるビットを含む。
【0095】
図10は、K=88であり、パンクチャリングを用いる、または用いないときの、テールCRCの使用と、
図9に関して説明された方法の使用との間の比較を示している。
図10におけるパンクチャリングアルゴリズムは、ワンおよびリューによって開示されたパンクチャリングアルゴリズムに基づいている
以下のシミュレーション条件、すなわち、(N,K,A)=(256,88,A)(R=11/32、または80ビットがパンクチャリングされたときは、R=1/2)、BPSK、AWGN、SCL+CRCデコーダ、L=32、16ビットCRC、バタチャリア限界符号構成、AWGN、設計SNR=0dB、x軸:E
b/N
0(dB)、y軸:FERが、仮定される。パンクチャリングを用いない2つの方式間に観察される顕著な差は、存在しない。80ビットのパンクチャリング、および16ビットテールCRCは、情報入力ビットのための良好な信頼できるビットの不足を引き起こし、性能の悪化が、観察される。10
-4のFERにおいて、約0.25dBの性能差が、観察される。
【0096】
非特許文献1においてワンおよびリューによって開示されたパンクチャリングパターン(これ以降、「方式A」と呼ばれる)は、準一様パンクチャリング(QUP)よりも良好な性能を示し、追加の符号構成を必要としない。Pが、パンクチャリングビットの数であるとき、方式Aは、以下のように説明することができる。BR(N−1−i)、i=0,1,...,P−1として番号付けられた出力ビットの位置をパンクチャリングする。N−1−i、i=0,1,...,P−1として番号付けられた入力ビットの位置における値を、ゼロに固定する。BR()は、n(N=2
n)ビットの長さについてのビット反転関数である。例えば、4ビットの長さの場合、BR(2)=BR(0010
2)=0100
2=4である。ポーラ符号における出力ビットは、入力ビットとビット反転の関係を有する。パンクチャリングされた出力ビットに対応する入力ビットは、方式Aにおけるのと同様に、ゼロ値に固定されるべきである。したがって、入力ビットは、方式Aによって、入力ビットの最後から、ゼロに固定される。
【0097】
図11は、ポーラ符号の信頼性の分布を示している。一般に、ポーラ符号の入力ビットの終りの部分は、良好な信頼性を有する。方式Aは、良好な信頼性ビットを固定または凍結させることができる。符号化率が、低いときは、良好な信頼性を有するビットの数は、限られており、方式Aは、最後から連続的に入力ビットの値をゼロに固定することによって、パンクチャリング性能に悪影響を与えることがある。
【0098】
固定された入力ビットが、分布的方法で位置付けられる場合、性能を改善することができる。低レートのポーラ符号についてのパンクチャリングの必要性に関して言及されるべき1つのことは、2進ベースのポーラ符号については、いくつかの入力ブロックサイズの特定の符号化率を獲得することが、原則的に必要とされることである。例えば、入力ブロックサイズを256とする、2/5の符号化率が、使用される場合、通常は、出力ブロックサイズを1024とする、1/4の符号化率からのパンクチャリング以外に、方法が、存在しない。入力ブロックサイズが、256よりも小さい場合、出力ブロックサイズを512とする、2/5の符号化率を有することができる。例えば、入力ブロックサイズが、176であるとき、(512,176,A)ポーラ符号から72ビットをパンクチャリングすることによって、2/5の符号化率を有することができる。
【0099】
図12は、低符号化率のポーラ符号についてのパンクチャリングの例示的な方法を示している。基地局および/またはWTRUは、N−1−i、i=0,1,...,P−1として番号付けられた出力ビットの位置をパンクチャリングすることができる(1210)。基地局および/またはWTRUは、BR(N−l−i)、i=0,1,...,P−1として番号付けられた入力ビットの位置における値を、ゼロに固定することができる(1220)。
【0100】
入力ビットと出力ビットとの間の関係を考えると、最後からの出力ビットの連続パンクチャリングは、「準一様」のパターンを有する入力ビットにおける固定されたゼロ値に対応する。例えば、
図12を参照して上で説明された方法に従って、8ビットがパンクチャリングされる場合、入力ビットの固定値は、
図13に示されるように見え、すべての入力ビットにわたって分布することができ、終りの部分は、方式Aと比較して、あまり固定的ではない。
【0101】
図14は、方式Aと、
図12を参照して上で説明された方法との間の性能比較を示しており、以下のシミュレーション条件、すなわち、パンクチャリング前における(N,K,A)=(1024,256,A)(R=1/4)、BPSK、AWGN、SCL+CRCデコーダ、L=4、3GPP LTE16ビットCRC、バタチャリア限界符号構成、AWGN、設計SNR=0dB、384パンクチャード−>(640,256)(R=2/5)、x軸:E
b/N
0(dB)、y軸:FERを仮定する。10
-3のFERにおいて、約0.4dBのゲインを観察することができる。
【0102】
上では特徴および要素が特定の組み合わせで説明されたが、各特徴または要素は、単独で使用することができ、または他の特徴および要素との任意の組み合わせで使用することができることを当業者は理解されよう。加えて、本明細書で説明された方法は、コンピュータまたはプロセッサによって実行される、コンピュータ可読媒体内に包含された、コンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実装することができる。コンピュータ可読媒体の例は、(有線または無線接続上で送信される)電子信号、およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含むが、それらに限定されない。ソフトウェアと連携するプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数送受信機を実装することができる。
【手続補正書】
【提出日】2018年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
は、出力符号ブロックのベクトルである。入力ブロックベクトルおよび出力ブロックベクトルはともに、同じ長さNを有し、0からN−1までのインデックスを付与され、ここで、N=2
nである。可変2進値を有する情報ビットの数は、Kによって表すことができる。可変2進値を有する情報ビットの位置は、集合Aによって表すことができる。入力ブロック内のいくつかのビットは、固定(fixed)または凍結値(frozen value)になるように設定することができ、これは、通常は0である。凍結値を有するビットの数は、N−Kとすることができる。凍結値を有するビットの位置は、集合A
cによって表すことができる。符号化率は、R=
K/Nによって表すことができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
L=4を用い、SCLデコーディングアルゴリズムを使用する、ポーラデコーディングの複雑度は、7の拘束長を用いたテールバイティング畳み込みデコーディングに匹敵することができる。ポーラ符号およびテールバイティング畳み込み符号のいくつかの複雑度は、以下の通りであり、ポーラ符号については、N
Llog(N)=128×4×log(128)=3584であり、テールバイティング畳み込み符号については、64×1×42×2=5376であり、テールバイティング畳み込み符号については、1つのメトリック更新、2つの反復、および入力情報ビットと同じデコーディング深度(=42)が、仮定される。
【国際調査報告】