特表2019-507247(P2019-507247A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-507247付加製造方法又ははんだ付け、溶接、粉末及び部品のためのガンマ、ガンマ’−コバルト基合金
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-507247(P2019-507247A)
(43)【公表日】2019年3月14日
(54)【発明の名称】付加製造方法又ははんだ付け、溶接、粉末及び部品のためのガンマ、ガンマ’−コバルト基合金
(51)【国際特許分類】
   C22C 19/07 20060101AFI20190215BHJP
   C22F 1/10 20060101ALI20190215BHJP
   C22B 9/02 20060101ALI20190215BHJP
   B23K 35/30 20060101ALI20190215BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20190215BHJP
   C22C 30/00 20060101ALI20190215BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20190215BHJP
【FI】
   C22C19/07 G
   C22F1/10 J
   C22B9/02
   B23K35/30 310Z
   B23K35/30 320Z
   B22F1/00 M
   C22C30/00
   C22F1/00 621
   C22F1/00 630M
   C22F1/00 640A
   C22F1/00 640C
   C22F1/00 681
   C22F1/00 682
   C22F1/00 691B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-535360(P2018-535360)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(85)【翻訳文提出日】2018年7月6日
(86)【国際出願番号】EP2016080989
(87)【国際公開番号】WO2017118547
(87)【国際公開日】20170713
(31)【優先権主張番号】102016200135.3
(32)【優先日】2016年1月8日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ギンドルフ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・クラウゼ
【テーマコード(参考)】
4K001
4K018
【Fターム(参考)】
4K001AA07
4K001BA23
4K001DA01
4K018AA10
4K018BA04
4K018KA12
(57)【要約】
本発明は、
付加製造方法又ははんだ付け、溶接、粉末及び部品のためのガンマ、ガンマ’−コバルト基合金に関する。Co−7W−7Al−23Ni−2Ti−2Ta−12Cr−0.01B−0.1C−(0−0.1Si)に基づいたコバルト基合金を用いることによって、付加製造方法又は高温はんだ付けに特に良く適した合金が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に付加製造プロセス、はんだ付け又は溶接のための、コバルト基超合金であって、
少なくとも、重量パーセントで:
6%〜8%のタングステン(W)、特に7%のタングステン(W)、
6%〜8%のアルミニウム(Al)、特に7%のアルミニウム(Al)、
21%〜25%のニッケル(Ni)、特に23%のニッケル(Ni)、
1%〜3%のチタン(Ti)、特に2%のチタン(Ti)、
1%〜3%のタンタル(Ta)、特に2%のタンタル(Ta)、
10%〜14%のクロム(Cr)、特に12%のクロム(Cr)、
0.005%〜0.015%のホウ素(B)、特に0.010%の(B)、
0.05%〜0.15%の炭素(C)、特に0.10%の炭素(C)、
任意で0.05%〜0.15%のケイ素(Si)、特に0.10%のケイ素(Si)
を含む、特にそれらから成る、コバルト基超合金。
【請求項2】
請求項1に記載の合金が用いられる、部品の付加製造のためのプロセス。
【請求項3】
請求項1に記載の合金が用いられる、はんだ付けのための又は溶接のための方法。
【請求項4】
請求項1に記載の合金を含む粉末。
【請求項5】
少なくとも請求項1に記載の合金を含む、又は、請求項2若しくは3に記載のプロセス若しくは方法によって製造される、又は、請求項4に記載の粉末による、部品。
【請求項6】
特に、請求項1に記載の合金、又は、請求項5に記載の部品のための、熱処理のためのプロセスであって、
前記合金が、少なくとも、2段階の熱処理:
1573Kでの溶液熱処理、
1173Kでのγ’析出、及び、
その後、1073Kでの粒界炭化物析出、及び、炭化物、シリサイド等の粒界強化剤の析出を達成するために終結エージング熱処理、
を受ける、プロセス。
【請求項7】
特に、請求項1に記載の合金又は請求項5に記載の部品のための、熱処理のためのプロセスであって、
前記合金が、1423K及び1193Kの温度を用いる少なくとも2段階の熱処理における溶液熱処理及びγ’の析出、
最後に任意でホウ化物析出のための1073Kでの熱処理、
を受ける、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造(AM)プロセスにおいて又は高温部品のはんだ付け若しくは溶接において採用されるγ−γ’コバルト基超合金、粉末及び部品に関する。
【背景技術】
【0002】
γ’−硬化ニッケル基合金は、例えばガスタービンにおける、高温使用から知られている。ニッケル基合金は、高温ガス腐食を受け、それらの脆さのため困難によってのみ修復され得る。コバルト基合金の場合では、それらがこの点においてより良い特性を有することが知られている。しかしながら、ここでの不利点は、不安定なγ’相(Co、Ni)−3Tiに起因した、悪い機械的特性である。
【0003】
高温割れに関する問題は、これらのプロセスがγ、γ’−硬化ニッケル基超合金の場合において非常に注意深く実行されなくてはならないことである。
【0004】
合金系Co−Ni−W−Al−Ti−Ta−Crにおけるγ相の安定化につながる新しい発展は、機械的特性が、既知のγ−硬化合金Ni738のものに匹敵することを示す。
【0005】
付加製造プロセス及びはんだ付け又は溶接は、従来技術から知られており、また、γ’−硬化ニッケル基合金に関して採用される又は発展される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、上述の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題は、請求項1に記載の合金によって、請求項2に記載の付加製造及び高温はんだ付けのためのプロセス及び請求項3に記載のはんだ付け又は溶接のための方法、請求項4に記載の粉末及び請求項5に記載の部品によって、達成される。
【0008】
従属請求項は、さらなる優位点の達成のために任意の方法で互いに組み合わされ得るさらなる有利な措置を挙げる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
説明は、本発明の例示的実施形態のみを示す。
【0010】
付加製造において及びはんだ付け又は溶接において採用され得る析出硬化コバルト基合金が提案される。
【0011】
有利な組成は、Co−7W−7Al−23Ni−2Ti−2Ta−12Cr−0.01B−0.1C−(0−0.1Si)である。
【0012】
超合金における合金化元素チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)及びハフニウム(Hf)のせいで、酸素粒子圧力(particle pressure)は、プロセスの間に正確に制御されなくてはならない。
【0013】
タングステン(W)の割合は、密度のために、かなり低く維持される。
【0014】
アルミニウム(Al)の割合は、γ’含有量に起因した溶接性及び酸素感受性を低下させるために、かなり低く維持される。
【0015】
ニッケル(Ni)の割合は、クロム(Cr)との組み合わせにおけるγ相に関する安定性範囲を広げるために、高く維持される。
【0016】
チタン(Ti)の割合は、酸素感受性のために、かなり低く維持される。
【0017】
タンタル(Ta)の割合は、γ’相におけるタングステン(W)の割合を置き換えるため、及び、元素のホウ素(B)及びケイ素(Si)と一緒に粒界を強化するためを含み、中程度の範囲に維持される。
【0018】
クロム(Cr)の割合は、優れた酸素耐性及び高温ガス腐食耐性を確保するために、高く維持される。
【0019】
ホウ素(B)、炭素(C)及び/又はケイ素(Si)は、粒界強化剤を意味する。
【0020】
合金は、好ましくは、少なくとも、2段階の熱処理:
1573Kでの溶液熱処理、
1173Kでのγ’析出、及び、
その後、1073Kでの粒界炭化物析出、及び、
炭化物、シリサイド等の粒界強化剤の析出を達成するために終結エージング熱処理、
を受ける。
【0021】
さらなる有利な熱処理は、1423K及び1193Kの温度による2段階の熱処理における溶液熱処理及びγ’の析出である。
【0022】
これらの温度は、おおよその数字(+/−20K)である。
【0023】
終わりで、ホウ化物析出に関する1073Kでの好ましい熱処理が、任意で考えられるが、絶対に必要なわけではない。
【0024】
合金は、粉末形態で存在し得、また、溶接付加物質として用いられ得る。
【0025】
この粉末は、構成成分としてセラミック又は他の混合物を有し得る。
【0026】
はんだ付け、溶接において、又はAMにおいて、このタイプの合金又はこのタイプの粉末は、部品の一部又は全体を製造するために採用される。
【手続補正書】
【提出日】2018年8月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルト基超合金であって、
量パーセントで:
6%〜8%のタングステン(W)と、
6%〜8%のアルミニウム(Al)と、
21%〜25%のニッケル(Ni)と、
1%〜3%のチタン(Ti)と、
1%〜3%のタンタル(Ta)と、
10%〜14%のクロム(Cr)と、
0.005%〜0.015%のホウ素(B)と、
0.05%〜0.15%の炭素(C)と、
任意で0.05%〜0.15%のケイ素(Si)と、
残部のコバルト(Co)と、
から成る、コバルト基超合金。
【請求項2】
請求項1に記載の合金が用いられる、部品の付加製造のためのプロセス。
【請求項3】
請求項1に記載の合金が用いられる、はんだ付けのための又は溶接のための方法。
【請求項4】
請求項1に記載の合金を含む粉末。
【請求項5】
少なくとも請求項1に記載の合金を含む、又は、請求項4に記載の粉末による、部品。
【請求項6】
求項1に記載の合金、又は、請求項5に記載の部品のための、熱処理のためのプロセスであって、
前記合金が、少なくとも、2段階の熱処理:
1573Kでの溶液熱処理、
1173Kでのγ’析出、及び、
その後、1073Kでの粒界炭化物析出、及び、炭化物、シリサイド等の粒界強化剤の析出を達成するために終結エージング熱処理、
を受ける、プロセス。
【請求項7】
求項1に記載の合金又は請求項5に記載の部品のための、熱処理のためのプロセスであって、
前記合金が、1423K及び1193Kの温度を用いる少なくとも2段階の熱処理における溶液熱処理及びγ’の析出、
最後に任意でホウ化物析出のための1073Kでの熱処理、
を受ける、プロセス。
【国際調査報告】