特表2019-507394(P2019-507394A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-507394交通映像音声の受信及び分析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-507394(P2019-507394A)
(43)【公表日】2019年3月14日
(54)【発明の名称】交通映像音声の受信及び分析システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20190215BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20190215BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20190215BHJP
   H04N 5/915 20060101ALI20190215BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20190215BHJP
【FI】
   G08G1/00 J
   G08B25/04 C
   G08B25/00 510M
   H04N5/915
   H04N7/18 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-554555(P2017-554555)
(86)(22)【出願日】2017年8月16日
(85)【翻訳文提出日】2017年10月18日
(86)【国際出願番号】CN2017097655
(87)【国際公開番号】WO2018068579
(87)【国際公開日】20180419
(31)【優先権主張番号】201610888936.1
(32)【優先日】2016年10月12日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】512305671
【氏名又は名称】勝方光電科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】黄致豪
【テーマコード(参考)】
5C053
5C054
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C053FA11
5C053GB11
5C053JA22
5C053LA01
5C053LA14
5C054CA04
5C054CA05
5C054CC02
5C054EA05
5C054FC12
5C054FD02
5C054GD03
5C054HA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087DD03
5C087DD04
5C087DD13
5C087DD49
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
5H181AA01
5H181AA21
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181DD02
5H181EE15
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】本発明は、交通映像音声の受信及び分析システムを提供する。
【解決手段】前記交通映像音声の受信及び分析システムは、複数個の監視設備からなり、各前記監視設備はそれぞれ制御ユニットと、撮影ユニットと、保存ユニットと、分析ユニットと、からなる。撮影ユニットは制御ユニットと電気的に接続され、制御ユニットによって撮影機能を制御される。保存ユニットは制御ユニット及び撮影ユニットと電気的に接続され、撮影ユニットが撮影機能によって記録した映像を受信するとともに保存する。分析ユニットは制御ユニット及び保存ユニットと電気的に接続され、保存ユニットに保存された映像を読み取り、且つ予め設定した少なくとも一つの分析条件に基づき、前記映像に分析を行う。これにより、分析ユニットが前記映像に行う分析によって、事前予測や、事件中の判断或いは事後の交通事件の発生状況の記録が容易になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の監視設備からなる交通映像音声の受信及び分析システムであって、
各前記監視設備はそれぞれ、一つの制御ユニットと、一つの撮影ユニットと、一つの保存ユニットと、一つの分析ユニットと、からなり、
前記撮影ユニットは、前記制御ユニットと電気的に接続され、前記制御ユニットによって撮影機能を制御され、
前記保存ユニットは、前記制御ユニット及び前記撮影ユニットと電気的に接続され、前記撮影ユニットが撮影機能によって記録した映像を受信するとともに保存し、
前記分析ユニットは、前記制御ユニット及び前記保存ユニットと電気的に接続され、前記保存ユニットに保存された前記映像を読み取るとともに、予め設定された少なくとも一つの分析条件に基づき、前記映像の分析を行う
ことを特徴とする、交通映像音声の受信及び分析システム。
【請求項2】
前記複数個の分析条件の内、少なくとも一つの分析条件は、一つの移動物体を認識する条件である
ことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分析ユニットは、前記移動物体の認識条件に基づき一つの移動物体を認識した時、前記分析ユニットはシミュレーションの計算を行い、前記移動物体に対応するシミュレーションの移動経路を得る
ことを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
各前記監視設備は、さらに、一つの無線伝送ユニットを備え、前記制御ユニットと電気的に接続され、前記システムの任意の一台の監視設備は、前記無線伝送ユニットによって前記システムのもう一台の監視設備に情報を送信する
ことを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
各前記監視設備は、さらに、一つの無線伝送ユニットを備え、前記制御ユニットと電気的に接続され、前記システムの任意の一台の監視設備は、前記無線伝送ユニットによって前記システムのもう一台の監視設備に情報を送信する
ことを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
各前記監視設備の前記分析ユニットは、もう一台の監視設備のもう一つの映像を受信するとともに、前記監視設備の前記映像、及び前記もう一台の監視設備の前記もう一つの映像に基づき、シミュレーションの計算を行い、前記移動物体に対応した前記シミュレーションの移動経路を得る
ことを特徴とする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、さらに、一つの集音ユニットを備え、前記制御ユニット及び前記保存ユニットと電気的に接続され、前記制御ユニットによって録音機能を制御されるとともに、録音した音声信号を前記保存ユニットに保存する
ことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、さらに、一つの集音ユニットを備え、前記制御ユニット及び前記保存ユニットと電気的に接続され、被前記制御ユニットによって録音機能を制御されるとともに、録音した音声信号を前記保存ユニットに保存する
ことを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数個の分析条件中の内、少なくとも一つの分析条件は、一件の事故特徴の認識条件である
ことを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数個の分析条件の内、少なくとも一つの分析条件は、一件の事故特徴の認識条件である
ことを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数個の分析条件の内、少なくとも一つの分析条件は、一件の事故特徴の認識条件である
ことを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記分析ユニットは、前記事故特徴の認識条件に基づき一件の事故が発生したと判断した時、前記制御ユニットに一つの事件記録信号を送信し、前記制御ユニットが、前記事件記録信号に基づき、予め定めた時間範囲内の前記複数個の映像を一つの事件記録映像として保存させる
ことを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記分析ユニットは、前記事故特徴の認識条件に基づき一件の事故が発生したと判断した時、前記制御ユニットに一つの事件記録信号を送信し、前記制御ユニットが、前記事件記録信号に基づき、予め定めた時間範囲内の前記複数個の映像を一つの事件記録映像として保存させるとともに、前記予め定めた時間範囲内の前記複数個の音声信号を一つの事件記録音声として保存させる
ことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記分析ユニットは、前記事故特徴の認識条件に基づき一件の事故が発生したと判断した時、前記制御ユニットに一つの事件記録信号を送信し、前記制御ユニットに、前記事件記録信号に基づき、予め定めた定時間範囲内の前記複数個の映像を一つの事件記録映像として保存させるとともに、前記予め定めた時間範囲内の前記複数個の音声信号を一つの事件記録音声として保存させる
ことを特徴とする、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは、さらに、一つのサーバーを備え、ネットワークによって前記複数個の監視設備と接続させるとともに、前記複数個の監視設備が送信する情報を受信する
ことを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、さらに一つのサーバーを備え、ネットワークによって前記複数個の監視設備と接続させるとともに、前記複数個の監視設備が送信する情報を受信する
ことを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは、さらに、一つのサーバーを備え、ネットワークによって前記複数個の監視設備と接続されるとともに、前記複数個の監視設備が送信する情報を受信する
ことを特徴とする、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムは、さらに、一つの火災探知機を備え、前記制御ユニットと電気的に接続されるとともに、前記火災探知機が火災発生を探知した時、前記制御ユニットに警報信号を発し、ネットワークによって、前記制御ユニットに、前記サーバーに通報信号を発信させる
ことを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは、さらに、一つの火災探知機を備え、前記制御ユニットと電気的に接続されるとともに、前記火災探知機が火災発生を探知した時、前記制御ユニットに警報信号を発し、ネットワークによって、前記制御ユニットに、前記サーバーに通報信号を発信させる
ことを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは、さらに、一つの火災探知機を備え、前記制御ユニットと電気的に接続されるとともに、前記火災探知機が火災発生を探知した時、前記制御ユニットに警報信号を発し、ネットワークによって、前記制御ユニットに、前記サーバーに通報信号を発信させる
ことを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通映像音声の受信及び分析システムに関し、特にリモート識別探知器(例えば赤外線、ソナー、レーザーレーダー、磁場、電波障害探知器)及びライトフィールドのデータを録取する撮影器によって、映像(video)、深度データ(depth data)、音場(sound field)、磁場(magnetic field)、電磁妨害フィールド(EMI field)及びライトフィールド(light field)の撮影を行う機能を持つシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近代の工商業社会の次第なる発展に伴って、人々の交通手段に対する必要及び依存度は日を追うごとに高まっている。これほど高度に交通手段に依存している現代社会の中で、交通安全は依然として人々の生活において無視できない重要な一部分である。よく見られる危険な運転は、以下のような運転方法が含まれる。例えば、制限速度内で走行しない車両(スピードオーバー及び極端な低速)、勝手に車線変更すること、二重白線を越えること、前方車両と安全な距離を保たないことなどである。このような危険な運転行為は、自分と他人の安全を脅かすだけでなく、生死を分ける重大な交通事故を引き起こしかねない。それゆえに、交通事故の発生を予防するため、各運転者は交通法規を遵守するだけでなく、さらに、いつも道路の状況に注意している必要がある。
【0003】
効果的に交通状況を把握し、且つ事故発生後、十分に事件の原因及び責任の帰属を明らかにできるように、交通状況の分析及び通報システムは、撮影設備によって交通現場の映像を録取し、さらに前記映像の分析を行い、現場の状況を元に戻し、事故の原因を明らかにする。
【0004】
映像認識技術は、すでにこれらの交通状況の分析及び通報システムで広く使用されており、現在、単一の撮影設備の映像データに映像認識(例えば、ナンバープレート認識、車の流れ検知、人の顔検知/認識、位置検知、人の追跡、移動方向の検知、電子フェンス、遺留物、撮影設備カバー、人の顔検知等)が多く用いられており、認識ができてから、映像特徴(例えば、ナンバープレート番号、車両の色、車両の種類、車両メーカーの型番、大きい/小さい/バイクの数、物体の位置、物体のサイズ、方向等)の情報を保存及び表示する。また異なる特徴の認識結果を更に総合的な分析に利用しなければ、多くの計算のリソースが無駄になってしまうことに他ならない。
【0005】
さらに、従来の交通状況分析及び通報システムは、道路の現場に基本的な撮影設備がないだけでなく、前記複数個の撮影設備をネットワーク及び遠隔サーバーと接続させることによって、従来の交通状況分析及び通報システムが前述の映像認識等の計算を行おうとするとき時、すべての分析計算機能は遠隔サーバーに送信してから行われなければならなく、情報が返ってくるのが、非常に遅く、現場の状況に即時に反応することができず、理想とは程遠い。
【0006】
以上の説明から分かるように、従来の交通状況分析及び通報システムは、特性の異なる認識結果に対して更に総合的な分析利用ができず、且つすべての分析計算は、遠隔サーバーに送信してから行われなければならず、情報が返ってくるのが、非常に遅いため、如何にして、最もタイムリーな情報を直接得られて、且つ詳細で精密な分析作業ができ、設置の全体的なコストをも考慮した交通映像音声の受信及び分析システムを設計して提供することが、発明者がここで解決したいと考えた最も重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の交通状況分析及び通報システムの多くの欠点に鑑みて、発明者はこの業界に長年携わった経験に基づき、幾多の研究及び調整を経て、ついに本発明の交通映像音声の受信及び分析システムを開発設計することに至ったのであり、本発明によって従来の交通状況分析及び通報システムの多くの欠点を一挙に改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主要な目的は、交通映像音声の受信及び分析システムを提供することであり、前記交通映像音声の受信及び分析システムは、複数個の監視設備からなり、各前記監視設備はそれぞれ、一つの制御ユニットと、一つの撮影ユニットと、一つの保存ユニットと、一つの分析ユニットと、からなる。その内、前記撮影ユニットは、前記制御ユニットと電気的に接続され、前記制御ユニットによって撮影機能が制御される。前記保存ユニットは、前記制御ユニット及び前記撮影ユニットと電気的に接続され、前記撮影ユニットが撮影機能によって記録した映像を受信するとともに保存する。前記分析ユニットは、前記制御ユニット及び前記保存ユニットと電気的に接続され、前記保存ユニットに保存された前記映像を読み取るとともに、予め設定された少なくとも一つの分析条件に基づき、前記映像の分析を行う。このようにして、各前記監視設備は前記分析ユニットが前記映像に行った分析によって、事件を事前に予測することができ、事件発生中の判断或いは事件後に交通事件の発生状況を記録することが可能になる。
【0009】
本発明において、前記複数個の分析条件の内、少なくとも一つの分析条件は一つの移動物体を認識する条件であり、前記分析ユニットが前記移動物体の認識条件に基づき一つの移動物体を認識した時、前記分析ユニットはシミュレーションの計算を行い、前記移動物体に対応するシミュレーションの移動経路が得られる。このようにして、前記分析ユニットが行った前記シミュレーションの計算によって、各種交通手段さらには歩行者が移動する過程の中で、予めその移動する可能性のある経路を計算し、且つ更に事前に交通状況を予測する評価基礎とすることを、もう一つの目的とする。
【0010】
本発明の各前記監視設備は、さらに、一つの無線伝送ユニットを備え、前記無線伝送ユニットは前記制御ユニットと電気的に接続され、前記システムの任意の一台の監視設備は、前記無線伝送ユニットによって前記システムのもう一台の監視設備に情報を送信することが可能である。このようにして、各前記監視設備は互いに情報を共有する方式によって、異なる角度で撮影された映像が得られるとともに、総合分析を行い、各種分析の精確性及び信頼性を高めることを、さらに別の目的とする。
【0011】
本発明の各前記監視設備の前記分析ユニットは、もう一台の監視設備のもう一つの映像を受信することが可能であり、また、前記監視設備の前記映像、及び前記もう一台の監視設備の前記もう一つの映像に基づき、シミュレーションの計算を行い、前記移動物体に対応する前記シミュレーションの移動経路を得る。このようにして、異なる角度で得られた映像を総合分析することによって、前記シミュレーションの移動経路の予測結果を更に精確にすることを、さらに別の目的とする。
【0012】
本発明の前記システムは、さらに、一つの集音ユニットを備え、前記集音ユニットは、前記制御ユニット及び前記保存ユニットと電気的に接続され、前記制御ユニットによって録音機能が制御されるとともに、録音した一つの音声信号を前記保存ユニットに保存することによって、映像以外にも、前記音声信号に関係する分析条件が加わることで、さらに事件発生直後の分析判断の精確性を高めることを、さらに別の目的とする。
【0013】
本発明の前記複数個の分析条件の内、少なくとも一つの分析条件は、一件の事故の特徴の認識条件であり、前記分析ユニットが前記事故特徴の認識条件に基づき一件の事故が発生したと判断した時、前記制御ユニットに一つの事件記録信号を送信し、前記制御ユニットに、前記事件記録信号に基づき、予め定めた時間範囲内の前記複数個の映像を一つの事件記録映像として保存させるとともに、前記予め定めた時間範囲内の前記複数個の音声信号を一つの事件記録音声として保存させることによって、事件発生前後の音声及び映像を前記事件記録音声及び前記事件記録映像として保存し、事件後責任の帰属を明らかにするのを容易にすることを、さらに別の目的とする。
【0014】
本発明の前記システムは、さらに、一つのサーバーを備え、前記サーバーは、ネットワークによって前記複数個の監視設備と接続され、前記複数個の監視設備が送信した情報を受信することによって、前記事件記録音声及び前記事件記録映像を前記サーバーに送信することができるだけでなく、前記サーバーが前記事件記録音声及び前記事件記録映像を長期保存でき、さらに、前記サーバーに設けられたハードディスクによって、更に複雑で、各前記監視設備が本来は行うことができなかった分析計算を行うことを可能にすることを、さらに別の目的とする。
【0015】
本発明の前記システムは、さらに、一つの火災探知機を備え、前記火災探知機は前記制御ユニットと電気的に接続され、前記火災探知機が火災の発生を検知した時、前記制御ユニットに一つの警報信号を発することができ、前記制御ユニットに、ネットワークによって前記サーバーに通報信号を発信させることによって、前記システムは、一般的な交通事件の予測、通報及び記録に用いられるだけでなく、さらに一歩進んで、火災警報等の機能をも提供することが可能であり、付加価値を大いに向上させることを、さらに別の目的とする。
【0016】
ここで補足しておきたいのは、本発明の交通映像音声の受信及び分析システムは、更に全面的かつ、普及した設置ができるため、更に完全に整った交通安全ネットワークを構築できる。本発明は、さらに、前記交通映像音声の受信及び分析システムを街灯設備及び街灯ポールに設置することによって、街灯設備の普及性のゆえに、余分な費用を費やす必要がなく、或いは余分な空間を占領することがなく、迅速に本発明の交通映像音声の受信及び分析システムを設置することができ、現代のインフラ拡張時に直面する経費及び空間利用の問題を効果的に解決することを、さらに別の目的とする。
【0017】
本発明の目的、技術の特徴、及びその効果について、さらに一歩進んで理解できるように、ここでは図を参照しながら実施例を挙げ、詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の好ましい実施例のシステム構造図である。
図2】本発明の監視設備を交差点の信号機に使用した状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明実施例内の図を参照しつつ、本発明実施例における技術考案についてはっきり、且つ完全な説明を行う。説明される実施例は、本発明の一部分の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないということは明らかである。本発明内の実施例に基づき、本領域の一般的な技術者が、創作でない前提の下で得たその他すべての実施例も、すべて本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0020】
本発明の交通映像音声の受信及び分析システム1について、図1及び図2を参照する。本発明の交通映像音声の受信及び分析システム1は、複数個の監視設備11からなり、各前記監視設備11はそれぞれ、一つの制御ユニット111(例えば中央処理装置、Central Processing Unit、CPUともいう)と、一つの撮影ユニット112と、一つの保存ユニット113(例えば記憶装置或いはハードディスク)と、一つの分析ユニット114と、一つの集音ユニット116と、からなる。本発明の実施例の一つにおいて、各前記監視設備11をそれぞれ信号機2に設置することができる。本発明は決してこれに限られるわけではなく、本発明のその他の好ましい実施例において、更に全面的に、至る所に本発明の交通映像音声の受信及び分析システム1を設置し、更に完全な交通安全ネットワークを形成するために、また、各前記監視設備11を、街灯設備に設置することができる。これにより、街灯設備が普及しているために、余分な費用を費やす、或いは余分な空間を占領する必要がなく、迅速に本発明の交通映像音声の受信及び分析システム1を設置することができ、現代のインフラ拡張時に直面する経費及び空間利用の問題を効果的に解決することができる。
【0021】
上記のように、本発明の好ましい実施例において、前記撮影ユニット112及び前記集音ユニット116は、いずれも前記制御ユニット111と電気的に接続され、前記制御ユニット111が制御されることによって撮影機能或いは録音機能を達成することができる。前記保存ユニット113は、前記制御ユニット111、及び前記撮影ユニット112、及び前記集音ユニット116と、電気的に接続され、前記撮影ユニット112が撮影機能によって記録した映像を受信及び保存する、及び/または、前記集音ユニット116が録音した音声信号を受信及び保存する。前記分析ユニット114は、前記制御ユニット111、及び前記保存ユニット113と、電気的に接続され、前記保存ユニット113に保存された前記映像を読み取る、及び/または、前記保存ユニット113に保存された前記音声信号を読み取る。
【0022】
再び図1及び図2を参照する。前記分析ユニット114は予め設定した少なくとも一つの分析条件に基づいて、前記映像に分析を行うことが可能である。例えば、本発明の好ましい実施例において、前記複数個の分析条件の内の少なくとも一つの分析条件が、一つの移動物体が識別条件なら、前記分析ユニット114が、前記移動物体の識別条件に基づき一つの移動物体3(例えば歩行者、車両、さらにはドローン)を識別した時、前記分析ユニット114はシミュレーションの計算を行い、前記移動物体3に対応する一つのシミュレーションの移動経路を得る。これによって、前記分析ユニット114が行う前記シミュレーションの計算によって、各種交通手段、さらに歩行者が移動する過程において、予めその移動する可能性のある経路を計算しやすくすることができ、且つ更に一歩進んで交通状況を事前に予測できる評価基準とすることができる。例を挙げるならば、もし特定の車両が非常な速度で走行し、且つ予測したシミュレーションの経路上にその他の物体が存在する場合、潜在的な危険があると判断されるかもしれない。あるいは、識別した前記移動物体3が一台のドローン(Drone、またはUnmanned Aerial Vehicle、簡単にUAVとも呼ばれる)である場合、その進行する方向を判断すると、逐次最寄りの航空管制区(例えば空港周辺または重要な政府機関の所在地等)に、予め警告を知らせることが可能であり、前記ドローンの操作者に、前記ドローンの航路を変えるように通知することが可能である。本発明を実施する時は、以上に例示した使用方式に限られず、技術領域に属する技術者が思いつくような変化も、すべて本発明の保護範疇に含まれるということは、上記からも明らかである。
【0023】
交通事故の主な特徴は、集音の音量が突然大きくなったり、明らかに認識可能な衝突音を記録したり、車の流れが急に遅くなる或いは止まったり、二つ以上の移動物体3が交錯した事故や、渋滞時間外或いは信号で停車している時以外に道路上に遺留物が見つかった場合(車両がぶつかってから道路上に停車している場合)や、事故発生後の渋滞や、事故が発生後車の流れで車道が変わることや、物体の加速度が突然に速くなる(車両或いは人が突き飛ばされる)等の特長がある。再び図1及び図2を参照する。以上の特徴は、前記撮影ユニット112及び前記集音ユニット116によって得られ、また前記分析ユニット114によって分析が行われる。簡単に言うと、本発明はシミュレーションの移動経路の計算に応用できるだけでなく、事故分析にも用いることが可能である。更に具体的に言うと、本発明のその他の応用例の内、前記複数個の分析条件の内、少なくとも一つの分析条件は、一つの事故特徴認識条件(上記の衝突音、交錯事故或いは遺留物等のような特徴は、認識される特徴が多ければ多いほど、交通事故が発生したと判定できる確率がさらに高くなる)である。前記分析ユニット114が前記事故の特徴認識条件に基づき、一件の事故が発生したと判断した時、前記制御ユニット111に一つの事件記録信号を発信し、前記制御ユニット111は、前記事件記録信号に基づき、予め定められた時間の範囲内の前記複数個の映像を一件の事件記録の映像として保存させ、さらに、前記予め定められた時間範囲内の前記複数個の音信号を一件の事件として音声を記録し保存させる。
【0024】
上記を受けて、一般的に言うと、このような連続記録の監視システムは、得られたすべての映像、及び/または、音声信号を長期にわたって保存することはなく、後から得られた映像、及び/または、音声信号が継続的にかぶさり、元々保存されていた内容に取って代わる。本発明は、上記の前記事件記録信号によって、事故が発生した疑いがある場合、予め定めた一定の時間範囲内(例えば、自ら事故が発生したと判断した時間点から、前3分間、後7分間を計測する等できるが、これに限られるわけではない)の前記複数個の映像と、音声信号をそれぞれ一件の事件として記録映像や、事件記録音声を保存する。これにより、保存したものに、常態且つ連続的に得られた後からの記録がかぶさり、取って代わられることがない。これにより、事件が発生する前後の音声及び映像を前記事件記録音声及び前記事件記録映像として保存することが可能であり、事件後に事件の責任を明らかにするのに都合が良い。
【0025】
再び図1を参照する。本発明の好ましい実施例において、各前記監視設備11は、さらに、一つの無線伝送ユニット115を備える。前記無線伝送ユニット115は、前記制御ユニット111と電気的に接続され、前記システム1の任意の一台の監視設備11は、前記制御ユニット111の制御の下、前記無線伝送ユニット115によって前記システム1のもう一つの監視設備11に情報を送信することが可能である。詳しく言うと、各前記監視設備11の各前記前記分析ユニット114は、保存ユニット113からの映像及び音声信号を読み取り保存できるだけでなく、更に互いに情報を共有する方式によって、異なる角度、距離の映像及び音声信号が得られ、総合分析が行え、各種分析の精度及び信頼性を向上させることができる。特記しておきたいのは、上記の総合分析はリアルタイムビデオスティッチング(Real time video stitching)等の技術によって達成することができ、リアルタイムビデオスティッチングは、3D深度データ、3D映像、2D映像、レーダー及びその他のセンサーを使用する必要がある。具体的に言うと、本発明の好ましい実施例において、各前記監視設備11は、各前記無線伝送ユニット115と共有して得られた映像によって、さらにリアルタイムビデオスティッチング技術によって、各撮影ユニット112が録取した異なる角度、位置の映像を、即座につぎ合わせ、一つのフルサイズ(例えば180度をカバーした視角)の映像或いは特定の角度の映像を作り上げる。実際の使用において、これらの技術を用いることには多くのメリットがある。例えば、一部の都市は、ドローンに対して比較的厳しい管制規制範囲を設定しているため、その規制範囲の内容は、ドローンの操縦者がドローンを操縦している時、前記ドローンがその視界の範囲内にあるようにすることを要求するものであるかもしれない。本発明の技術がこのような地区で使用される時、ドローンの操縦者は各前記無線伝送ユニット115によって、シミュレーション後の映像を得ることができ、随時視覚によって前記ドローンの飛行状況を知ることができる。
【0026】
さらに、上記のように、本発明の前記分析ユニット114が、シミュレーションの計算を行うことによって、移動物体3に対応するシミュレーションの移動経路が得られる。本発明の好ましい実施例において、各前記監視設備11は、各前記無線伝送ユニット115によって互いに情報を共有することができるため、前記分析ユニット114が前記シミュレーションの計算を行っている時、もう一台の監視設備11のもう一つの映像を受信することができるとともに、前記監視設備11の前記映像、及び前記もう一台の監視設備11の前記もう一つの映像に基づき、シミュレーションの計算を行うことができ、前記移動物体3に対応する前記シミュレーションの移動経路を得ることが可能である。これによって、異なる角度で得られた映像を総合分析(例えば前記のリアルタイムビデオスティッチング)をすることによって、前記シミュレーションの移動経路の予測結果を更に精確にすることが可能である。
【0027】
再び図1を参照する。本発明の好ましい実施例において、前記システム1は、さらに、一つのサーバー12を備える。前記サーバー12は、ネットワークによって前記複数個の監視設備11と互いに接続され、前記複数個の監視設備11が発する情報を受信することができる。これによって、前記事件記録音声及び前記事件記録映像を、前記サーバー12に送信し、前記サーバー12によって前記事件記録音声及び前記事件記録映像を長期保存できるだけでなく、さらに前記事件記録音声及び前記事件記録映像を前記サーバー12に保存した後、前記保存ユニット113内の保存空間を開けることができ、引き続き使用することが可能である。更に言うと、本発明の各前記監視設備11そのものは基本的な分析計算ができるが、コストを考慮すると、各前記監視設備11に複雑な計算を処理できるだけの設備を設置することを期待するのは難しいため、本発明は、前記事件記録音声及び前記事件記録映像を前記サーバー12に送信することによって、また前記サーバー12に一律に設置したハイエンドのソフトウェア、ハードウェアによって、更に複雑な、各前記監視設備11では本来できない分析計算をすることが可能である。これによって、良好な分業効果が期待できる。つまり、各前記監視設備11間で、各前記無線伝送ユニット115を利用して互いに情報を共有するとともに、基本的な計算を行い、最もタイムリーで、じかに得られた情報を提供することが可能である。さらに、もっと詳細で、精密な分析や、データの長期保存を行いたい場合、関係する情報を前記サーバー12に送信して行う。この方法によって、すべての分析をリモートターミナルに送信して分析を行わなければならず、情報が返ってくるとき、遅延するという、従来の方法における欠点を効果的に防止することが可能であり、その外にも精密計算を行うことができ、更に同時に設置の全体的なコストをも考慮したものである。
【0028】
加えて、再び図1を参照する。更に前記システム1の安全通報を完全なものにするため、本発明の好ましい実施例において、前記システム1は、さらに、一つの火災探知機117(Flame detector)を備える。一般的に言うと、燃焼材質が異なることや、温度環境等の条件に基づき、火炎は異なる波長のスペクトルを放出するため、火災探知機117もまた対応して各種タイプが設計されており、例えば、近い赤外線を探知する探知器(nfra−red (IR) based flame detectors)、紫外線を探知する探知器(ultra−violet (UV) based flame detectors)或いは二つを当時に用いる、さらにはデュアルバンドの紫外線炎探知器(dual band infrared flame detector)またはトリバンド赤外線炎探知器(tri−band infrared flame detector)等の各種タイプがある。以上列挙したものは、前記複数個の各種タイプの探知器を示したにすぎず、すべて本発明の火災探知機117として用いることができるが、本発明の火災探知機117は以上に列挙したものだけに限られるわけではなく、前記の技術に熟練した技術者は、本発明が示した技術内容に基づき、その他のタイプの探知器を採用して行う同じような変更もすべて本発明の言う「火災探知機117」の保護範疇に含まれることは言うまでもない。
【0029】
上記のように、前記火災探知機117は前記制御ユニット111と電気的に接続され、前記火災探知機117が火災の発生を探知した時、前記制御ユニット111に警報信号を発することができ、それから前記制御ユニット111に、ネットワーク(例えば、無線伝送ユニット115)によって前記サーバー12に通報信号を送信させることができる。詳しく言うと、もし交通事故によって火災(例えば車両発火燃焼)が引き起こされた場合、この時前記システム1は通報を行うことは、言うまでもない。前記と同様に、本発明の各前記監視設備11は、また街路灯等の設備に広く装着することが可能であるため、設備が普及している地区において、地区の火災予防警報或いは通報システムの一環とすることができる。このように、前記システム1は一般的な交通事件の予測に用いられるだけでなく、通報及び記録にも用いられ、さらに火災警報等の機能をも提供することが可能であり、その付加価値を大いに向上させる。
【0030】
以上に述べたことは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明が主張する権利範囲は、決してこれに限られるわけではなく、本領域の技術者は、本発明が示す技術内容に基づき、思いつくような変更も、すべて本発明の保護範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 システム
11 監視設備
111 制御ユニット
112 撮影ユニット
113 保存ユニット
114 分析ユニット
115 無線伝送ユニット
116 集音ユニット
117 火災探知機
12 サーバー
2 信号機
3 移動物体
図1
図2
【国際調査報告】