特表2019-507844(P2019-507844A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-507844内燃機関において空気質量を求める方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-507844(P2019-507844A)
(43)【公表日】2019年3月22日
(54)【発明の名称】内燃機関において空気質量を求める方法
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20190222BHJP
   G01F 1/00 20060101ALI20190222BHJP
【FI】
   F02D45/00 366B
   F02D45/00 358P
   G01F1/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-544522(P2018-544522)
(86)(22)【出願日】2016年11月23日
(85)【翻訳文提出日】2018年8月23日
(86)【国際出願番号】EP2016078596
(87)【国際公開番号】WO2017144132
(87)【国際公開日】20170831
(31)【優先権主張番号】102016202803.0
(32)【優先日】2016年2月24日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トアステン クニッテル
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン セテシャック
【テーマコード(参考)】
2F030
3G384
【Fターム(参考)】
2F030CC14
2F030CE04
3G384BA04
3G384BA08
3G384CA01
3G384CA04
3G384DA12
3G384EB02
3G384EB14
3G384EC06
3G384ED06
3G384FA02Z
3G384FA28Z
3G384FA56Z
3G384FA64Z
(57)【要約】
本発明は、内燃機関の吸込路に配置された空気質量計を有する内燃機関において、補正した空気質量流量値を求める方法に関する。この方法は、吸込路に空気質量流量がまだ存在しない少なくとも1つの第1時点に、内燃機関の冷間始動条件を特定するステップと、少なくとも第1時点に、空気質量計を用いて少なくとも1つの基準信号を形成するステップと、空気質量計の少なくとも1つの基準信号から、少なくとも1つの空気質量流量オフセットを求めるステップと、を含む。開示された方法はさらに、少なくとも1つの第1時点とは異なりかつ内燃機関の動作持続時間内にある少なくとも1つの第2時点に、空気質量計を用いて測定信号を形成するステップと、空気質量計のこの測定信号から空気質量流量値を求めるステップと、少なくとも1つの空気質量流量オフセットおよび空気質量流量値から、補正した空気質量流量値を求めるステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸込路に配置された空気質量計を有する内燃機関において、補正した空気質量流量値を求める方法であって、
前記吸込路に空気質量流量がまだ存在しない少なくとも1つの第1時点に、前記内燃機関の冷間始動条件を特定するステップと、
前記少なくとも1つの第1時点に、前記空気質量計を用いて少なくとも1つの基準信号を形成するステップと、
前記空気質量計の前記少なくとも1つの基準信号から、少なくとも1つの空気質量流量オフセットを求めるステップと、
前記少なくとも1つの第1時点とは異なりかつ前記内燃機関の動作持続時間内にある少なくとも1つの第2時点に、前記空気質量計を用いて測定信号を形成するステップと、
前記空気質量計の前記測定信号から空気質量流量値を求めるステップと、
前記少なくとも1つの空気質量流量オフセットおよび前記空気質量流量値から、前記補正した空気質量流量値を求めるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの空気質量流量オフセットから、補正空気質量流量値を求めるステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
複数の第1時点に求めた複数の空気質量流量オフセットから前記補正空気質量流量値を求める、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記補正した空気質量流量値を求めるステップを、前記空気質量流量値から前記補正空気質量流量値を減算することによって行う、請求項2を引用する請求項3記載の方法。
【請求項5】
求めた前記補正空気質量流量値の予め設定した割合を前記空気質量値から減算する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記予め設定した割合は、約50%から約99%の範囲内、特に約70%から約95%の範囲内にある、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記予め設定した割合は、前記測定信号を形成するために配置された空気質量計の感度および/または未加工の特性曲線に依存する、請求項5を引用する請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記冷間始動条件の特定は、
前記内燃機関の点火が起動されたことを特定すること、および/または
前記内燃機関の回転数がゼロであることを特定すること、および/または
前記内燃機関の温度が、予め設定した閾値温度未満であることを特定すること、および/または
前記内燃機関の前記温度が、周囲空気温度前後の予め設定した範囲内にあることを特定すること
を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの空気質量流量オフセットを求めるステップおよび/または前記空気質量値を求めるステップは、前記空気質量計の予め設定した特性曲線に基づく、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記空気質量計の前記予め設定した特性曲線は、少なくとも部分的に非線形である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
求めた前記少なくとも1つの空気質量流量オフセットが、求めた前記補正空気質量流量値から、予め設定した値だけ逸脱している場合、前記補正空気質量流量値を求める際に、求めた前記空気質量流量オフセットを考慮する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関において、供給される空気質量を求める方法に関し、特に、内燃機関において、求めた空気質量のエラーを補正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気質量計は、内燃機関において、吸い込まれて内燃機関のシリンダに供給される空気の質量を求めるために使用される。空気質量計は一般に、過給器と、吸込管路の上流に配置されたエアーフィルタとの間に配置される。空気質量計は、例えばいわゆる温度差法を用いて空気質量を求めることができる。さらに、加熱装置を用いて空気質量計の領域の温度を可能な限りに一定に維持して、加熱装置の給電電圧および測定した温度から空気質量流量を求めることに基づく空気質量計が公知である。空気質量計を動作させる別の方法は、例えば、ホットワイヤアネモメータによる測定または超音波伝播時間測定である。
【0003】
空気質量計は、動作中、実際の空気質量流量にはもはや完全には対応しない信号を出力することがある。このようなエラーを含む信号は、動作持続時間が長くなるのに伴って増大することがあり、これによって内燃機関の、特に排気ガス再循環のもはや最適ではない制御が生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、内燃機関において実際の空気質量を求める方法を提供して、この方法により、内燃機関において実際の空気質量流量を可能な限りに正確に求められるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項1の特徴的構成によって解決される。有利な実施形態は、下位請求項に示されている。
【0006】
本発明の根底にある着想は、内燃機関の冷間始動時に、すなわち吸込管路に空気質量流量が存在しない時点に、空気質量計を用いて測定を行い、この空気質量計から供給される基準信号を、対応する空気質量流量オフセットに換算することである。例えば、エラーを有する空気質量計は、冷間始動・測定時点に、低い空気質量流量値を示す信号を形成する。しかしながら、本発明による方法によれば、求めた空気質量流量オフセットは、内燃機関の動作中に空気質量計を用いて連続的に検出される空気質量流量値において考慮され、相応に補正されることが可能である。より正確に言えば、冷間始動時に空気質量計によって供給される空気質量流量オフセットを、別に求められる複数の空気質量値において補正に使用することができる。
【0007】
内燃機関の吸込路に配置された空気質量計を有する内燃機関の補正した空気質量流量値を求める本発明の方法は、空気質量流量が吸込路にまだ存在しない少なくとも1つの第1時点に内燃機関の冷間始動条件を特定するステップを含む。本発明による方法はさらに、少なくとも1つの第1時点に空気質量計を用いて少なくとも1つの基準信号を形成するステップと、空気質量計の少なくとも1つの基準信号から少なくとも1つの空気質量流量オフセットを求めるステップと、を含む。本発明による方法はさらに、少なくとも1つの第1時点とは異なりかつ内燃機関の動作持続時間内にある少なくとも1つの第2時点に空気質量計を用いて測定信号を形成するステップと、空気質量計の測定信号に基づいて空気質量流量値を求めるステップと、少なくとも1つの空気質量流量オフセットおよび空気質量流量値から、補正した空気質量流量値を求めるステップと、を含む。
【0008】
少なくとも1つの第1時点は、好適には内燃機関の冷間始動の少し前にある。例えば、少なくとも1つの第1時点は、内燃機関の点火の起動と、内燃機関の始動開始との間の時間区間内にある。すなわち、空気質量計の基準信号は、内燃機関の始動の少し前に供給される。この第1時点に前提とするのは、内燃機関の吸込路に空気質量流量が存在せず、したがって空気質量流量値がゼロであることである。
【0009】
空気質量計の信号からの空気質量流量値の算出は、空気質量計の予め設定した特性曲線によって行われる。空気質量計には、例えば予め求めたマップが、例えば信号が空気質量流量に対してプロットされている線図の形で格納されている。この信号特性曲線は、好適には少なくとも部分的に非線形である。例えば、この信号特性曲線は実質的にべき根関数に類似している。
【0010】
本明細書に開示する方法は、有利な実施形態においてさらに、少なくとも1つの空気質量流量オフセットから補正空気質量流量値を求めるステップを含む。好適には、異なる第1時点に求めた複数の空気質量流量オフセットから、例えば、平均した空気質量流量オフセットを補正空気質量流量値として算出する。例えば、補正空気質量流量値は、複数の空気質量流量オフセットの算術平均である。
【0011】
本明細書に開示する方法の別の有利な実施形態によれば、空気質量流量値から補正空気質量流量値を減算することにより、補正した空気質量流量値を求める。この減算により、空気質量計によって求めた信号と、この信号から計算した空気質量流量値とが補正されて、第1時点に発生している空気質量流量エラーが考慮され、この空気質量流量エラーが内燃機関の動作中に空気質量流量計の信号を評価する際に算入されるようになる。したがって、実際の空気質量流量値をより正確に求めることができ、これによって、内燃機関の制御、特に排気ガス再循環に関する制御をさらに改善することできる。
【0012】
内燃機関の補正した空気質量流量値を求める有利な一方法では、補正空気質量流量値の予め設定した割合だけを空気質量流量値から減算する。補正質量流値全体を減算する際には、エラーが過剰に補償される。このような理由から、補正空気質量流量値の予め設定した割合が、約50%から約99%の範囲内、特に約70%から約95%の範囲内にあるようにすると有利である。
【0013】
別の有利な実施形態では、補正空気質量流量値の予め設定した割合は、例えば、空気質量計の感度および/または未加工の特性曲線に依存する。例示的な実施形態では、空気質量計を較正した後、内燃機関制御に用いられる対応する記録を作成することができ、この記録は、これに付属しかつこの較正に依存する予め設定した(パーセントの)割合をそれぞれ空気質量計に対して提示することができる。
【0014】
好適には、内燃機関の冷間始動条件の特定は、内燃機関の点火が起動されたことを特定することを含む。加えてまたは代替的に、内燃機関の冷間始動条件の特定は、内燃機関の回転数がゼロであることを特定することを含み、かつ/または、内燃機関の温度(例えば内燃機関の油温または水温)が、予め設定した閾値温度未満であることを特定することを含む。例えば、内燃機関の油温が、周囲空気温度前後の所定の範囲(例えば±10℃)内にある場合、内燃機関の冷間始動条件を求めることができる。
【0015】
本発明の開示の枠内において「空気質量流量値」という用語は、吸込路内の実際の空気質量流量を例えば単位[kg/h]で示す値のことをいう。さらに、「空気質量流量オフセット」という用語は、内燃機関の冷間始動の前に求めた空気質量流量値であって、内燃機関の動作持続時間中に算出される空気質量流量値を求める際に考慮される空気質量流量値のことをいう。すなわち、空気質量流量オフセットは、空気質量流量が存在しない場合の空気質量計の補正値または較正値を表すものである。ここで説明している、空気質量計が形成する測定信号および基準信号は、独立した制御ユニット、例えば内燃機関の制御ユニットにより、対応する空気質量流量値に換算される信号のことである。例えば、空気質量計の測定信号および基準信号は、いわゆるSENT(Single Edge Nibble Transmission)信号である。
【0016】
本発明による方法の別の特徴および実施形態は、ただ1つの図を以下のように参照することにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】内燃機関の例示的な空気質量流量が時間に対してプロットされている例示的な線図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、内燃機関(図示しない)の3つの動作持続時間10,20,30を例示する線図が示されている。これらの3つの動作持続時間10,20,30の間、内燃機関内では異なる空気質量流量が発生し、したがって異なる空気質量流量値が発生する。
【0019】
内燃機関の回転数がまだゼロである時点t01と、この内燃機関の回転数が再びゼロになるt10との間の期間は、第1動作持続時間10を示している。同様に、時点t02と時点t20との間の期間または時点t03と時点t30との間の期間は、それぞれ第2動作持続時間20または第3動作持続時間30を示している。
【0020】
第1時点t11には、内燃機関の冷間始動条件が検出される。例えば、内燃機関の点火が起動され、したがってこの第1時点t11では、内燃機関の吸込路に配置された空気質量計(図示しない)に流れが当たっていることが特定される。空気質量計は、内燃機関の吸込路内の実際の空気質量流量を示す信号を形成するように構成されている。例えば、第1時点t11は、内燃機関が始動される時点t01の約200ms前にある。
【0021】
したがって、第1時点t11には空気質量計によって第1基準信号が形成され、例えばエンジン制御部に供給される。エンジン制御部は、第1時点t11に形成した第1基準信号から、第1空気質量流量オフセットを形成することができる。第1空気質量流量オフセットは、空気質量計によって誤って示された空気質量流量値を表す空気質量流量値である。この空気質量流量オフセットは、一般的に単位[kg/h]で示される。
【0022】
第1動作持続時間10の間、空気質量計は、内燃機関の吸込路内の実際の空気質量流量を都度示す測定信号を連続して形成する。例えば、空気質量計は、第1時点t11とは異なりかつ第1動作持続時間10内にある第2時点t21に測定信号を形成し、この信号が内燃機関の制御部に供給される。この制御部は、空気質量計のこの測定信号から、対応する空気質量流量値を求める。
【0023】
制御部は、前に求めた第1空気質量流量オフセットと、第2時点t21に対して求めた実際の空気質量流量値とを用いて、補正した空気質量流量値を求めることができる。これは、例えば、実際の空気質量流量値から第1空気質量流量オフセットを減算することによって行われる。
【0024】
内燃機関が停止された後、この方法は、内燃機関の新たな冷間始動の少し前にある別の第1時点t12に新たな基準信号を形成することができ、エンジン制御部は、この基準信号から第2空気質量流量オフセットを求めることができる。この別の第1時点t12も、時点t02における第2動作持続時間20の内燃機関の冷間始動の少し前に、例えば時点t02の200ms前にある。第2動作持続時間20中、制御部は連続して、例えば別の第2時点t22に、第2空気質量流量オフセットを考慮して、補正した空気質量流量値を求めることができる。
【0025】
この方法は、内燃機関の第3動作持続時間30の間にも同様に進行することができ、別の第1時点t13には、空気質量計によって第3基準信号が形成され、この第3基準信号から第3の空気質量流量オフセットが求められる。次に、別の第2時点t23には、第3空気質量流量オフセットを考慮して、補正された空気質量流量オフセットを求めることができる。
【0026】
好適には、本発明は次のように構成される。すなわち、3つの第1時点t11,t12,t13に求めた3つの空気質量流量オフセットから補正空気質量流量値を求め、それぞれの動作サイクル10、20、30において、第2時点t21,t22,t23において補正した空気質量流量値を算出するため、それぞれの空気質量流量オフセットの代わりに、この補正空気質量流量値を使用するように構成される。
【0027】
別の実施形態では、それぞれ、第2時点t21,t22,t23において、補正した空気質量流量値を求める際に、空気質量流量オフセット全体、すなわち各空気質量流量オフセットの100%をそれぞれ使用することができる。しかしながら、これはその都度、エラーの過度の補償につながり得る。このような理由から、補正した空気質量流量値を求める際に、それぞれ求めた空気質量流量オフセットの予め設定した割合だけを考慮し、例えば減算することが好ましい。この予め設定した割合は、例えば、それぞれの空気質量流量オフセットの約80%である。
【0028】
同様に、補正した空気質量流量値を求める際に、複数の空気質量流量オフセットから求められる補正空気質量流量値を、所定の割合だけ、例えば約90%で考慮するようにこの方法を構成することが可能である。
【0029】
本発明による方法の別の有利な実施形態では、求めた空気質量流量オフセットを評価して、求めた空気質量流量オフセットが、予め設定した値だけ、例えば50%を超えて、求めた補正空気質量流量値から逸脱している場合、この求めた空気質量流量オフセットを、補正空気質量流量値の連続的な算出に組み入れないようにすることが可能である。したがって、このように逸脱する空気質量流量オフセットは記憶されない。複数の空気質量流量オフセットから求めた補正空気質量流量値が、例えば約5kg/hになるが、新たに求めた空気質量流量オフセットが約8kg/hになる場合、補正空気質量流量値を特定するための連続的な平均化の際に、この逸脱する空気質量流量オフセットを算入させないようにこの方法を構成することができる。
図1
【国際調査報告】