特表2019-508713(P2019-508713A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-508713(P2019-508713A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(54)【発明の名称】支持体の検出
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20190301BHJP
【FI】
   G01N35/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-554637(P2018-554637)
(86)(22)【出願日】2016年1月7日
(85)【翻訳文提出日】2018年9月10日
(86)【国際出願番号】US2016012426
(87)【国際公開番号】WO2017119884
(87)【国際公開日】20170713
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】518244644
【氏名又は名称】レアサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルシャヴスカヤ パウリナ
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー エドワード
(72)【発明者】
【氏名】クアル スティーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ゾイベルト ロナルド シー
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058EA02
2G058EA05
2G058EA07
2G058EB01
2G058ED02
2G058ED07
2G058ED10
(57)【要約】
本開示は、スキャナ内で支持体の表面を検出するためのシステムおよび方法に向けられている。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッカチップを含むピッカを支持体に向けて駆動し、
駆動ステップ中に、少なくとも1つの出力値を提供し、
支持体をピッカチップで接触させ、
接触ステップ中に、接触値を提供し、
支持体をピッカチップで過移動させ、
過移動ステップ中に、少なくとも1つの過移動値を提供する、ことを含む、方法であって、
前記少なくとも1つの出力値は、駆動ステップ中のピッカチップと支持体の間の予想される距離の変化によるものであり、
前記接触値は、接触ステップ中のピッカチップと支持体の間の予想されるよりも小さい距離の変化によるものである、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
過移動は、約1μmから約1mmの範囲である、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
過移動の範囲は、約3、5、7、または、10μmである、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記位置検出器は、センサ、および、目標プレートを含み、前記センサは、前記支持体に対して固定されており、前記目標プレートは、前記ピッカに固定的に取り付けられている、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記センサは、誘導的、機械的、容量的、光学的、または、音響的である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
基準駆動を実行し、ピッカは、支持体を越えて駆動され、
基準駆動ステップ中に、少なくとも1つの基準出力値、または、値の範囲を得る、ことをさらに含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記少なくとも1つの基準出力値、または、値の範囲と前記少なくとも1つの過移動値の差を計算することによって、支持体を位置決めするステップをさらに含む、方法
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
支持体の位置は、前記少なくとも1つの基準出力値、または、値の範囲と前記少なくとも1つの過移動値の差が、閾値に等しいか、この閾値よりも大きい箇所にある、方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法において、
前記少なくとも1つの基準出力値、または、値の範囲、および、前記少なくとも1つの過移動値が、等しくない箇所を決定することによって、支持体を位置決めするステップをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記少なくとも1つの基準出力値、または、値の範囲、および、前記少なくとも1つの過移動値が、等しくない箇所は、前記接触値に対応している、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
計算出力を得るために、前記少なくとも1つの出力値に基づいて数学的計算を実行し、
計算過移動を得るために、前記少なくとも1つの過移動値に基づいて数学的計算を実行すること、をさらに含み。
前記計算出力は、実質的に安定しており、
前記計算過移動は、実質的に安定している、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
基準駆動を実行し、前記ピッカは、支持体の上方に駆動され、
基準駆動ステップ中に、少なくとも1つの基準出力値、または、値の範囲を得る、ことをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
駆動ステップおよび再駆動ステップが、x-軸線、y-軸線、z-軸線の1つに沿って実行される、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、
前記位置検出器は、エンコーダである、方法
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、
駆動ステップは、ピッカを第1の位置から第2の位置に移動させることを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、
ピッカに、接触ステップの前に、第2の位置から第3の位置に移動するように命令することをさらに含み
ピッカは、接触値を与えるピッカによる支持体との接触により、第2の位置から第3の位置までの全距離を移動しない、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記第1の位置と前記第2の位置の間の距離は、前記第2の位置と前記第3の位置の間の距離に等しい、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記予想される値は、前記第1の位置から前記第2の位置までのピッカの移動に基づいて知られた値である、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、
接触ステップ後、設定量、ピッカを後退させることをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
前記後退ステップは、保持位置として記録される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、支持体の検出に関し、さらに詳しくは、スキャナ内でスライド表面を検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェル、ウェルプレート、スライド、チューブ等のような支持体(substrate)内または上の懸濁液から目標分析物を隔絶させるために、または、支持体から懸濁液、溶液、試薬液を隔絶させるために、ピッカ、または、ピッカシステムを使用することができる。その結果、実施者、研究者、および、懸濁液について従事する者は、支持体表面を効果的かつ正確に検出するためのシステムおよび方法を追求し続けている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】例のスキャナを示す。
図2A図1のスキャナのサブシステムを示す。
図2B図1のスキャナのサブシステムを示す。
図3】支持体上の3つの異なる位置で得られる第2の出力を示す。
図4A】重ね合わされた第1の出力および第2の出力を示す。
図4B図4Aの第1の出力と第2の出力の差を示す。
図5A】出力を示す。
図5B】出力を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示は、スキャナ内で支持体の表面を検出するためのシステムおよび方法に向けられている。
【0005】
スキャナおよびサブシステムの一般的な説明
図1は、カバーが除去されているスキャナ100の等角図である。スキャナ100は、ピッカチップ(picker tip)104を有するピッカ(picker)102を含む。ピッカ102は、試料の残りから目標検出物または目標材料を隔絶させるための装置である。ピッカ102は、z-ピッカモータシステムによってz-軸線に沿って駆動されることができ、z-ピッカモータシステムは、粗z-モータ116および微z-モータ114の少なくとも1つを含むのがよい。
【0006】
スキャナ100はまた、バフィーコートのような試料、または、試薬液のような流体を含む支持体(図示せず)を保持し、支持するためのスライドホルダ106を含む。スキャナ100はまた、第1の対物レンズ110および偏向検出器108を含むタレット112を含むのがよく、タレット112は、望むときに、第1の対物レンズ110および偏向検出器108を支持体の下にもたらすように回転する。タレットは、1つよりも多い対物レンズを含むことができ、各対物レンズは、望むときに、異なる拡大レベルを有する。偏向検出器108は、触覚的(すなわち、接触または圧力センサ)、容量的、光学的、音響的(すなわち、音)等であることができる。z-軸線タレットモータ118が、例えば、支持体またはスライドホルダ106に近づくように、または、支持体またはスライドホルダ106から遠ざかるように、z-軸線に沿ってタレット112を駆動させる。
【0007】
スライドモータ120が、スライドホルダ106を移動させ、それによって、支持体(図示せず)を水平方向または直交方向に移動させるように作動されるのがよい。ピッカ102は、粗z-モータ116および微z-モータ114を含むのがよいz-ピッカモータシステムに連結されているのがよい。微z-モータ114は、振動を誘導し、振動誘導構成要素(すなわち、ボイスコイル、超音波トランスデューサ等)であるのがよく、ピッカチップ104(例えば、圧電モータ等)を駆動させるために、約1−20μmステップ、または、その組み合わせで移動する駆動構成要素であるのがよい。
【0008】
図2Aおよび図2Bは、図1に示されているピッキングおよび画像形成システムのサブシステム200を示している。図2Aは、サブシステム200の正面図を示しており、図2Bは、サブシステム200の等角図を示している。サブシステム200は、センサ202、および、目標プレート204を含む位置検出器を含む。センサ202は、機械的(スイッチ)、電気的(リニアエンコーダ)、容量的、光学的(レーザ)、音響的、誘導的(線形可変差動変圧器)等であることができる。サブシステム200はまた、ピッカチップ104を含むピッカ102を含み、また、支持体を支持するためのスライドホルダ106を含むのがよい。スライドホルダ106は、センサ202から固定z-距離にあるのがよく、目標プレート204は、それぞれ、スライドホルダ106、および、センサ202に対してz-軸線に沿って移動可能であるのがよい。さらに、目標プレート204は、ピッカ102に、直接的に(すなわち、ピッカ102の構成要素に取り付けられて)であろうと、間接的に(すなわち、ピッカ102に取り付けられてプレートまたはブラケットに取り付けられて)であろうと、ピッカ102に固定的に取り付けられているのがよい。サブシステム200はまた、基準プレート220を含むのがよく、基準プレート220は、センサ202およびスライドホルダ206の少なくとも1つから固定z-距離にあるのがよい。サブシステム200はまた、z-ピッカモータシステムを含み、目標プレート204およびピッカ102は、z-ピッカモータシステムによってz-軸線に沿って駆動される。z-ピッカモータシステムは、粗z-モータ116および微z-モータ114の少なくとも1つを含むのがよい。微z-モータ114は、圧電モータであるのがよい。微z-モータ114は、約0.001〜500μmの移動範囲を有し、粗z-モータ116は、約1−50mmの移動範囲を有する。さらに、z-ピッカモータシステムは、ピッカ102をz-軸線に沿って振動させるための振動誘導構成要素を有するのがよい。振動誘導構成要素は、ボイスコイル、超音波トランスデューサ、または、圧電モータであるのがよい。ピッカ102は、約10kHz以下の周波数で振動するのがよく、約1−20μmの振幅を有するのがよい。
【0009】
z-ピッカモータシステム、センサ202、および、目標プレート204は、閉鎖フィードバックループを形成することができ、それによって、位置検出器は、センサ202と目標プレート204の間の距離によって決定される電圧出力を提供する。位置検出器の電圧出力は、増幅器によって増幅され、次いで、制御盤に入力され、制御盤は、第2の電圧出力を提供し、z-ピッカモータシステムにフィードバックする。次いで、z-ピッカモータシステムは、制御盤からの第2の電圧出力に基づいて、センサ202と目標プレート204の間の距離を所望の距離に調節することができる。この距離と第2の電圧出力の関係は、第2の出力が、知られた距離に関係しているように、すでに較正されており、それによって、目標プレート204を、センサ202に近づくように、または、センサ202から遠ざかるように駆動させることで、所望の距離が提供される。例えば、第2の出力電圧が、1.0Vであるときに、目標プレート204とセンサ202は、互いに1.0mm離れていることができる。しかしながら、所望の距離が2μmであるときには、目標プレート204とセンサ202が互いに2μmであるときの出力電圧は3.1Vあると知られているので、目標プレート204は、第2の出力電圧が3.1Vになるまで、センサ202に近づくように駆動されるのがよい。
【0010】
ピッカ102は、例えばコネクタプレート210によってx-yテーブル208に連結されるのがよい。x-yテーブル208は、x-軸線モータ216、y-軸線モータ214、および、ベースプレート226に連結されるのがよい。ベースプレート226は、少なくとも1つのポスト218によって基準プレート220に連結されるのがよい。基準プレート220は、静止しており、x-軸線、y-軸線、および、z-軸線上の運動の基準とされる点または平面として作用する。基準プレート220は、ピッカ102の移動および制御時に、ピッカ102の内部であろうと外部であろうと、振動の影響を抑制するために、スキャナ内で振動プレート(図示せず)上に取り付けられるのがよい。センサ202は、センサマウント206によってベースプレート226に連結されるのがよい。
【0011】
粗z-モータ116は、継手228によってピッカ102に連結されるのがよい。継手228はまた、粗zーテーブルキャリッジ224に連結されるのがよい。粗zーテーブルベース222は、粗zーテーブルキャリッジ224のためのガイドとして作用することができ、また、スライドホルダ206に対する粗z-モータ116の最遠の移動を制限するためのストップ212を含むのがよい。
【0012】
例の方法1
支持体を位置決めするための方法は、保持位置から、スライドホルダ106に向けて、少なくとも部分的にスライドホルダ106を越えて、ピッカチップ104を含むピッカ102を駆動させることを含む。代替的には、ピッカチップ104を含むピッカ102は、保持位置から支持体に向けて、保持位置が支持体の上方にあるように、支持体に接触することなく、かつ、支持体を越えることなしに、駆動されてもよい。駆動ステップ中、第1の出力が、位置検出器によって得られる。次いで、ピッカチップ104を含むピッカ102は、保持位置に戻され、または、後退される。次いで、支持体(図示せず)は、スライドホルダ中に挿入される。次いで、ピッカチップ104を含むピッカ102は、ピッカチップが少なくとも支持体に接触するまで、保持位置から支持体に向けて再駆動される。再駆動中、第2の出力が、位置検出器によって得られる。
【0013】
接触後、ピッカチップ104を含むピッカ102は、閾値に達するまで、過移動する。支持体(図示せず)は、第1の出力と第2の出力の差を較正することによって、第1の出力と第2の出力の差が、(250ADCカウントのような)閾値に等しいか、これよりも大きくなる箇所、または、第1の出力と第2の出力が等しくならない箇所に、位置決めされるのがよい。第1の出力と第2の出力は、後の比較、分析、および/または、使用のために、プロットされ、メモリに記憶され、あるいは、任意の適当な仕方でデータが保持されるのがよい。第1の出力および第2の出力は、電圧、電流等であるのがよい。
【0014】
上記のサブシステムは、z-軸線に沿って駆動されるものとして説明されているけれども、サブシステムは、配向または適当なレイアウトに基づいて、x-軸線、y-軸線、または、z-軸線の1つに沿って駆動されるのがよい。例えば、サブシステムが、z-軸線に沿って駆動するときには、保持位置は、スライドホルダ106の上方または下方にあるのがよい。
【0015】
図3は、支持体上の3つの異なる位置で得られた第2の出力を示している。線302は、ピッカチップ104を含むピッカ102が、中間部分であるのがよい最も堅い支持体の部分に接触するときの第2の出力を示している。線304は、ピッカチップ104を含むピッカ102が、中の堅さを有する支持体の部分に接触するときの第2の出力を示している。線306は、ピッカチップ104を含むピッカ102が、最小の堅さを有する支持体の部分に接触するときの第2の出力を示している。提供されている例では、線302、304、306におけるブレークポイントの移動は、支持体の傾斜によるものである。
【0016】
図4Aは、重ね合わせて配置された第1の出力402および第2の出力404を示している。第2の出力が第1の出力から分かれる点は、支持体がピッカチップ104を含むピッカ102で接触される点である。図4Bは、第1の出力と第2の出力の差を示している。この場合に、検出アルゴリズムは、第1の出力と第2の出力の差が、過移動中、250ADCカウントのような閾値に達したときに完了される。同様に、移動およびデータ記録も停止される。
【0017】
例の方法2
支持体を位置決めするための方法は、保持位置から、スライドホルダ106に向けて、ピッカチップ104を含むピッカ102を駆動させることを含む。駆動ステップ中、ピッカチップ104を含むピッカ102は、例えば、第1の位置から第2の位置まで、ステップ式に移動される。知られた出力が、第1の位置から第2の位置までのピッカ102の移動に基づいて決定される。次いで、ピッカチップ104を含むピッカ102は、第2の位置から第3の位置まで移動されるように命令される。しかしながら、ピッカチップ104を含むピッカ102は、2の位置から第3の位置までの移動中全距離を移動しない。
【0018】
図5Aは、予想される出力(破線)と重ね合わされたられた実際の出力502を示している。ピッカチップ104を含むピッカ102は、第1の位置504から第2の位置506に移動する。次いで、ピッカチップ104を含むピッカ102は、第3の位置506まで移動するように命令され、位置検出器から得られる値は、破線に従うことが予想され、それによって、第3の位置506の値が得られる。しかしながら、移動中、ビッカ102が支持体に接触すると、したがって、出力は、予想される値から逸れる。接触後、ピッカチップ104を含むピッカ102は、閾値に達するまで過移動する。支持体(図示せず)は、実際の出力と予想される出力の差を較正することによって、実際の出力と予想される出力の差が、(250ADCカウントのような)閾値に等しいか、これよりも大きくなる箇所、または、実際の出力と予想される出力が等しくならない箇所に、位置決めされるのがよい。
【0019】
例の方法3
図5Bは、保持位置から、スライドホルダ106に向けて、少なくとも部分的にスライドホルダ106を越えて、ピッカチップ104を含むピッカ102を駆動させることを含む、支持体を位置決めするための方法を示している。駆動ステップ中、数学的計算値、かかる二次導関数等が、計算出力を得るために、位置検出器によって得られた少なくとも1つの出力値に基づいて実行される。計算出力は、実質的に安定的である。ピッカチップ104を含むピッカ102が支持体に接触するときに、スパイク522が、少なくとも1つの接触値の数学的計算中に達成される。接触後、および、少なくともいくつかの過移動中、計算的な過移動値が、数学的計算によって得られ、これは再び、例えば、駆動ステップ中の計算出力、または、スパイク522および駆動ステップ中の計算出力の両方と異なる値に対して実質的に安定的である。
【0020】
過移動は、ピッカチップ104を含むピッカ102が支持体に接触した後でさえ起こるピッカチップ104を含むピッカ102の引き続きの駆動である。過移動は、駆動および接触という少なくとも2つのステップの後に実行されるステップであり得る。少なくとも接触後、過移動は、約3、5、7、または、10μmのような距離を含む、約1μmから約1mmの範囲であり得る。
【0021】
目標分析物は、収集されるのがよく、一旦収集された後、目標分析物は、任意の適当な分析方法、さらに詳しくは、細胞内または細胞外たんぱく質ラベリングを含む細胞内分析または技術;たんぱく質または核酸マイクロアレイ等の核酸分析;FISH;およびbDNA分析を使用して、分析されることができる。これらの技術は、分析の前に、目標分析物の隔絶、透過性化、および、固定を必要とする。ラベリングされることができる細胞内たんぱく質のいくつかには、クリトケラチン(CK)、アクチン、Arp2/3、コロニン、ジストロフィン、FtsZ、ミオシン、スペクトリン、チューブリン、コラーゲン、カデプシンD、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、Akt1、Akt2、c-myc、カスパーゼ、サバイビン、p27kip、FOXC2、BRAF、Phospho-Akt1、Phospho-Akt2、Phospho-Erk1/2、Erk1/2、P38 MAPK、ビメンチン、ER、PgR、P13K、pFAK、KRAS、ALKH1、Twist1、Snail1、ZEB1、Slug、Ki-67、M30、MEGEA3、リン酸体受容器キナーゼ、修正ヒストン、クロマチン関連たんぱく質、および、MAGE等がある。固定、透過性化、および、ラベリングのために、固定試薬(例えば、ホルムアルデヒド、ホルマリン、メタノール、アセトン、パラホルムアルデヒド、または、グルタルアルデヒド)、洗剤(例えば、サポニン、ポリオキシエチレン、ジギトニン、オクチルβ−グルコシド、オクチルβ−チオグルコシド、1-S-オクチル-β−D−チオピラノシド、ポリソルベート-20、CHAPS、CHAPSO、(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル−ポリエチレングリコール、または、オクチルフェノールエチレンオキシド)、または、ラベリング試薬(例えば、蛍光標識抗体、PAP染色、または、ヘマトキシンおよびエオシン染色)を使用することができる。
【0022】
本願で説明され、検討されている方法およびシステムは、血液、骨髄、嚢胞液、腹水、大便、精液、脳脊髄液、乳頭吸引液、膣分泌物、粘膜分泌物、房水、硝子体液、嘔吐物、および、任意の他の生理学的流体または半固体と共に使用されることができることを理解すべきである。目標分析物は、卵子、循環腫瘍細胞(CTC)、胎児細胞(すなわち、栄養芽細胞、有核赤血球、胎児白血球、胎児赤血球等)、循環内皮細胞、免疫細胞(すなわち、ナイーブまたはメモリB細胞、または、ナイーブまたはメモリT細胞)、小胞、リポソーム、核酸、生体分子、包囲された膜を有する天然に存在する、または、人工的に作成された顕微鏡的ユニット、寄生体、微生物、または、炎症性細胞、のような細胞であることができることも理解すべきである。
【0023】
これまでの記載は、説明の目的で、本開示の完全な理解を提供するために特定の命名法を使用した。しかしながら、当業者には、本願に記載されているシステムおよび方法を実施するために、特定の詳細は必要とされないことが理解されるであろう。特定の実施形態のこれまでの記載は、例示および説明目的で、例として提供されている。特定の実施形態のこれまでの記載は、本開示を網羅するもの、また、本開示を説明されている正確な形態に制限するものであることを意図しない。上記の教示に鑑みて、多くの変更および変形が可能である。実施形態は、本開示の原理を最もよく説明し、それによって、考えられる特別な使用に適するような種々の変更により、本開示および種々の実施形態を当業者がもっともよく利用することができるようにするために、示され、記載されている。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0024】
100 スキャナ
102 ピッカ
104 ピッカチップ
106 スライドホルダ
108 偏向検出器
200 サブシステム
202 センサ
204 目標プレート
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2018年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッカチップを含むピッカと、
スライドホルダと、
位置検出器と、を含むシステムであって、前記位置検出器は、
前記スライドホルダに対して少なくとも1つの軸線上で設定距離に固定されたセンサと、
前記ピッカチップに対して少なくとも1つの軸線上で設定距離に固定された目標プレートと、を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記スライドホルダは、目標分析物を含む支持体を保持するように構成されており、該システムは、
前記ピッカを前記支持体に向けて、また、前記目標プレートを前記センサに向けて駆動させ、
前記支持体を前記ピッカチップで接触させ、
前記支持体を前記ピッカチップで過移動させる、
ように構成された制御器をさらに含む、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記センサは、誘導的、機械的、容量的、光学的、または、音響的である、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記センサは、エンコーダである、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記センサは、前記スライドホルダに対してzー軸線に沿って前記設定距離に固定されており、前記目標プレートは、前記ピッカチップに対してzー軸線に沿って前記設定距離に固定されている、システム。
【請求項6】
ピッカチップを含むピッカと、
スライドホルダと、
位置検出器と、を含むシステムであって、前記位置検出器は、
前記スライドホルダに対して少なくとも1つの軸線上で設定距離に固定されたセンサと、
前記ピッカチップに対して少なくとも1つの軸線上で設定距離に固定された目標プレートと、を含む、システムを準備し、
前記ピッカを前記支持体に向けて、また、前記目標プレートを前記センサに向けて駆動させ、
前記支持体を前記ピッカチップで接触させ、
前記支持体を前記ピッカチップで過移動させる、ステップを含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記駆動ステップ、前記接触ステップ、および、前記過移動ステップは、zー軸線に沿って実行される、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法において、該方法は、第1の軸線に沿った位置を決定することによって、第1の軸線に沿って前記支持体を位置決めするステップをさらに含み、該位置決めステップは、以下のうちの1つ、
(i) 前記過移動ステップ中に前記位置検出器によって得られる電流または電圧出力が、前記駆動ステップ中に前記位置検出器によって得られる電流または電圧出力に等しくない(ii) 前記過移動ステップ中に前記位置検出器によって得られる電流または電圧出力と前記駆動ステップ中に前記位置検出器によって得られる電流または電圧出力の差が、所定の閾値よりも大きいか、これに等しいこと、
(iii) 予想されるよりも小さい電流または電圧出力が、ピッカが第2の位置から第3の位置に移動するように指示されるときに、前記位置検出器によって得られ、前記ピッカは、前記支持体に接触し、それによって、前記第2の位置と前記第3の位置の間の全距離を移動せず、予想される値は、ピッカが駆動ステップ中に第1の位置から第2の位置に移動するときに得られ、第1の位置と第2の位置は、第2の位置と第3の位置と距離が等しい、または、
(iv) 前記駆動ステップ中および前記過移動ステップ中に前記位置検出器から得られる電流または電圧出力からのずれが生じ、該ずれは、前記接触ステップ中に得られる電流または電圧出力である、
が生じる、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記目標分析物を、前記ピッカチップで前記支持体から隔絶させることをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の方法において、
前記システムが、zー軸線に沿って前記ピッカで前記駆動ステップ、前記接触ステップ、および、前記過移動ステップの少なくとも1つを実行するための圧電モータをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項6に記載の方法において、
前記システムが、前記ピッカチップと反対側の前記支持体の側に偏向検出器をさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項6に記載の方法において、
前記システムが、少なくとも1つの軸線に沿って前記ピッカで前記駆動ステップ、前記接触ステップ、および、前記過移動ステップの少なくとも1つを実行するための少なくとも1つのモータをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項6に記載の方法において、
前記目標分析物を、前記ピッカチップで前記支持体から隔絶させることをさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項6に記載の方法において、
前記接触ステップ後、設定量、前記ピッカを後退させることをさらに含む、方法。
【請求項15】
請求項6に記載の方法において、
前記センサは、誘導的、機械的、容量的、光学的、音響的、または、エンコーダである、方法。
【請求項16】
請求項6に記載の方法において、
前記センサは、前記スライドホルダに対してzー軸線に沿って前記設定距離に固定されており、前記目標プレートは、前記ピッカチップに対してzー軸線に沿って前記設定距離に固定されている、方法。
【国際調査報告】