(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-510660(P2019-510660A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(54)【発明の名称】エンボス加工ローラ用マガジン及び該マガジンを備えたエンボス加工装置
(51)【国際特許分類】
B31F 1/07 20060101AFI20190322BHJP
【FI】
B31F1/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-549949(P2018-549949)
(86)(22)【出願日】2017年3月21日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月21日
(86)【国際出願番号】EP2017056647
(87)【国際公開番号】WO2017162640
(87)【国際公開日】20170928
(31)【優先権主張番号】UA2016A002030
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】504004902
【氏名又は名称】フアビオ・ペリニ・ソシエタ・ペル・アチオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100064388
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】パオリネッリ,アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ムケッティ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】リッチ,マウロ
【テーマコード(参考)】
3E078
【Fターム(参考)】
3E078AA02
3E078BB51
3E078BC06
3E078DD09
(57)【要約】
エンボス加工ローラ(R;251〜257)用のマガジン(245)は、整列方向に沿って相互に隣接する、エンボス加工ローラ用の複数の支持シート(249;249A〜249E)を備えている。マガジンは、さらに、シート(249;249A〜249E)を操作方向(f247)にガイドするガイドシステム(5)を有する。前記シート(249;249A〜249E)には、相互に連結及び解放するように相互連結部材(25,27)が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンボス加工ローラ(R;251〜257)用のマガジン(245)であって、
・整列方向に沿って相互に隣接する、エンボス加工ローラ用の複数の支持シート(249;249A〜249E)と、
・操作方向(f247)で、シート(249;249A〜249E)をガイドするガイドシステム(5)と
を備え、
各シートを他のシートとは独立してマガジン(245)から引き出すために、シート(249;249A〜249E)に相互連結部材(25,27)を設け、相互に連結され、かつ、相互に解放されるようにした
ことを特徴とするエンボス加工ローラ用マガジン。
【請求項2】
前記シートが、操作方向(f247)と平行でない挿入及び引出し方向(F)に沿った動きによって、マガジンから引き出され、かつ、マガジンに挿入され得る
ことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項3】
相互連結部材が、挿入及び引出し方向(F)に沿った連結及び解放動作によって、シート(249;249A〜249E)が相互に連結され、かつ、解放されることを可能にするように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のマガジン。
【請求項4】
挿入及び引出し方向(F)が、操作方向(f247)に実質的に直交している
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のマガジン。
【請求項5】
シート(249)が、好ましくはシートの整列方向に従って、マガジン(245)内で移動可能なキャリッジ(247)のセクション(1)に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項6】
ガイドシステムが、それらの間にキャリッジ(247)用の移送空間(7)を画定する二つの長手方向平行ガイド(5)を備え、
キャリッジの各シート(249;249A〜249E)に、長手方向ガイド(5)に係合する係合要素(23)を設けた
ことを特徴とする請求項5に記載のマガジン。
【請求項7】
各長手方向ガイド(5)が、その長手方向伸長部に沿った中間位置にギャップ(17)を備え、
二つのガイドのギャップが、挿入及び引出し方向(F)に整列され、移動空間(7)からのシート(249;249A〜249E)の引き出し及び移動空間(7)内へのシートの挿入のための引出し及び挿入ステーション(21)を画定する
ことを特徴とする請求項6に記載のマガジン。
【請求項8】
さらに、二つの長手方向ガイド部材(19A,19B)を備え、
前記ガイド部材は、長手方向ガイド(5)から分離され得、かつ、連続長手方向ガイドを形成するように、長手方向ガイドのギャップ内に挿入され、それらと整列されるように構成され得る
ことを特徴とする請求項7に記載のマガジン。
【請求項9】
二つのガイド部材(19A,19B)が、連結バー(20)によって相互に連結される
ことを特徴とする請求項8に記載のマガジン。
【請求項10】
二つの長手方向ガイド部材(19A,91B)が、引出し及び挿入ステーション(21)に位置するシート(249;249A〜249E)に選択的に結合され得る
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のマガジン。
【請求項11】
前記長手方向ガイド部材(19A,19B)の少なくとも一つが、長手方向ガイド部材(19A,19B)及びそれに連結されたシート(249;249A〜249E)を、挿入及び引出し方向(F)に動かすように構成され、かつ、配置された第一モータ(41)に接続されている
ことを特徴とする請求項10に記載のマガジン。
【請求項12】
さらに、シート(249)を挿入及び引出し方向(F)に動かすための横方向ガイドシステム(29)を備え、
横方向ガイドシステムが引出し及び挿入ステーション(21)でのびている
ことを特徴とする請求項7〜11の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項13】
各長手方向ガイド部材(19A,19B)に、横方向ガイドシステム(29)と係合する係合部材(37A,37B,39A,39B)が設けられている
ことを特徴とする請求項12に記載のマガジン。
【請求項14】
シートが、操作方向(f245)にシート(245)を動かすための第二モータ(15)が設けられたモータ駆動補助セクション(3)に固定され得る
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載のマガジン。
【請求項15】
・支持構造体(201)と、
・エンボス突起(209P)が設けられた少なくとも一つのエンボス加工ローラ(209)と、
・エンボス加工ローラと共にエンボスニップ(217)を画定する少なくとも一つの加圧ローラ(213)と、
・支持構造体(201)に一体的に設けられた請求項1〜14の何れか一項に記載のエンボス加工ローラ(R;251〜257)用マガジン(245)と
を備えていることを特徴とするエンボス加工装置。
【請求項16】
さらに、エンボス加工ローラを前記エンボス加工ローラ用マガジン(245)から、及びエンボス加工ローラ用マガジン(245)に向けて移送するための操作部材(241)を備えている
ことを特徴とする請求項15に記載のエンボス加工装置。
【請求項17】
・少なくとも一つのウェブ材料のプライ(V1;V2)を、エンボスニップ(217)を通して供給し、ウェブ材料のプライを、エンボス加工ローラ及び加圧ローラを用いてエンボス加工するステップと、
・ウェブ材料のプライ(V1;V2)をエンボス加工している間に、一つ又は複数のエンボス加工ローラをマガジン(245)から取り出し、及び/又はマガジン(245)に挿入するステップと
を備えていることを特徴とする請求項15又は16のエンボス加工装置の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ材料、例えば、特にマルチプライセルロース材料の加工用装置の分野の改良に関する。より詳細には、本発明は、特に、薄葉紙用のエンボス加工機械又は装置及びその部品又は構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロール紙材料の製品、例えば、トイレットペーパーロール、キッチンタオルロール、紙製ハンカチ、ペーパーナプキン等では、セルロース紙は、通常、一対のスチールローラ又は、スチール若しくは他の比較的剛性の材料で形成されたローラと、ゴムのような降伏する材料で覆われたローラとで構成された一対のローラで形成されたエンボスニップを通してプレスすることによって、エンボス加工される。スチールローラは、加圧ローラの弾性的に降伏するコーティングに入り込む複数の突起部を有する。
エンボス加工ローラと加圧ローラとの間の圧力は、エンボス加工ローラと加圧ローラとの間のエンボスニップを通過するセルロース材料のウェブに恒久的な変形を生じさせる。その中の少なくとも一つ、その中の幾つか、又は全てがエンボス加工された二つ又はそれ以上のプライは、その後、マルチプライウェブ材料を形成するために一緒に結合される。
ウェブ材料はロールを形成するために巻き回され得る。また、ウェブ材料は、ナプキン又はハンカチ等を形成するために切断して折り畳まれ得る。
【0003】
各プライは、セルロース材料の一つ又は複数の層で構成され得る。
【0004】
エンボスパターンは、装飾的目的及び機能的目的の両方を有する。機能的な観点からみると、エンボス加工は、ウェブ材料を形成する複数のプライを結合するために、その上に接着剤が塗布される限られた領域を形成する。エンボス加工の別の目的は、ウェブ材料の全体の厚みを増加させ、柔軟性及び吸入能力を増加させ、かつ、当業者に公知の他の機能を増加させることにある。
【0005】
一般的に言うと、エンボス加工装置は、少なくとも一つのプライ上にエンボス加工を施す装置であり、場合によっては、少なくとも一つのプライ上、好ましくは、一つ又は複数のプライに形成された少なくとも幾つかのエンボス突起の頂面上に塗布した接着剤を使用して、ラミネーション加工によって二つ又はそれ以上のプライを結合する。
【0006】
近年のティッシュペーパー製造ラインの要求を満たすためには、例えば、トイレットペーパーの製造からキッチンタオルの製造に、又は、その逆に切り替えるために、ウェブ材料のパターンを変化させ、かつ、その技術的及び機能的特徴を変更する目的で、エンボス加工装置のエンボス加工ローラを交換しなければならない。実際、エンボス加工は、審美的目的だけでなく、幾つかの場合、機能的目的も有するので、トイレットペーパーの製造に適したエンボスパターンは、キッチンタオルの製造に必ずしも適しているとは限らず、逆もまた同じである。また、セルロースプライの堅さ、坪量及び容量は、製造すべき製品のタイプに依存して異なり、異なる製品には、異なるエンボスパターンが要求され得る。
【0007】
ローラ交換をより簡単にかつ迅速に行うための特別な解決手段を有するエンボス加工ユニット又は装置が研究されている。
【0008】
国際公開WO-A-2015/150452公報は、交換加工なエンボス加工ローラ用のマガジンが設けられた、エンボス加工装置又はエンボス及びラミネート加工装置の例を開示している。この方法では、エンボス加工装置に搭載された一つ又は複数のエンボス加工ローラを、マガジンに収容された他のエンボス加工ローラと交換することが可能である。この目的のために、エンボス加工ローラをマガジンから、エンボス加工装置が設けられているエンボス加工ローラ用支持部材に移送し、かつ、その逆の操作を行う特別な操作部材が設けられている。国際公開WO-A-2015/150452号公報に開示されている幾つかの実施例では、整列方向に沿って相互に隣接した複数のエンボス加工ローラ支持シートが設けられたキャリッジと、支持シートの整列方向に平行な操作方向にキャリッジをガイドするガイドシステムとを備えたエンボス加工ローラ用マガジンが設けられている。
【0009】
このマガジンは、エンボス加工装置を、より効率的に、かつ、汎用性があるものにするために特に有用であり、エンボス加工ローラの交換を迅速に行うことを可能にする。
【0010】
しかし、エンボス加工ローラの交換をより簡単にし、より効率的に、かつ、迅速にし、さらに、エンボス加工装置の能力を向上させるために、エンボス加工ローラマガジン及び前記マガジンを備えたエンボス加工装置のさらなる改良が依然として求められている。
【発明の概要】
【0011】
一つの特徴によれば、整列方向に沿って相互に隣接する複数のエンボス加工ローラ用支持シートを備えたエンボス加工ローラ用マガジンが開示される。また、ガイドシステムが、操作方向にシートをガイドするために設けられる。操作方向に従って動きによって、各シートを所定のステーション、例えば、エンボス加工ローラを前記シートから取り出し、エンボス加工装置に入れることができるステーション、又は、エンボス加工装置から取り出されたエンボス加工ローラをマガジンシートに配置することができるステーションに選択的に動かすことが可能になる。さらに、又は選択的に、ステーションは、シングルローラをマガジンから取り出すか、又はマガジンに挿入するために、シートをマガジンから取り出し、かつ、マガジンに入れることができるステーションであり得る。シートには、相互に連結され、かつ、解放されるように相互連結部材が設けられ得る。幾つかの実施例では、相互連結部材は、操作方向と平行でない挿入及び排出方向に沿った固定及び解放動作によって、シートを相互に接続及び解放できるように構成される。これは本質的に、例えば、一方のシートを他方のシートに対して動かすことによって相互に結合し、かつ、相互に解放するようにシート上に形成された形状のプロファイルを用いた形状結合によって達成され得る。
【0012】
別の特徴によれば、エンボス加工装置は、複数のエンボス加工突起が設けられた少なくとも一つのエンボス加工ローラと、エンボス加工ローラと共にエンボス加工ニップを画定する少なくとも一つの加圧ローラと、上述したエンボス加工ローラ用マガジンを備えている。
【0013】
有利には、エンボス加工ローラ用マガジンは、エンボス加工装置の支持構造体と一体的にされ得る。また、支持構造体は、複数のシングルローラをマガジンから取り出し、それらを例えば、支持構造体に設けられた作業シートの作業位置に移送し、さらに、シングルエンボス加工ローラを作業位置から外し、それらをマガジンに移送するように構成され、かつ、配置された作業部材を、直接的又は間接的に支持し得る。
【0014】
上述したタイプのマガジン及びエンボス加工装置によって、エンボス加工装置の著しい操作柔軟性が達成され得る。マガジンは、エンボス加工ユニットの動作中に、シングルエンボス加工ローラを引き出し及び挿入することを可能にし得る。この方法では、同一のエンボス加工装置との組み合わせて多数のエンボス加工ローラを使用することが可能になり、従って、高い操作柔軟性を達成する。さらにまた、エンボス加工ローラは、エンボス加工装置上で簡単に迅速に交換され得、従って、公知の解決手段に対して、同じエンボス加工装置において選択的に使用され得るエンボス加工ローラの数が増加し、メンテナンス時間を可能な限り短くし、従って、停止時間及びその結果生じる生産ロスを低減する。
【0015】
マガジン及びそこからエンボス加工ローラを引き出すシステムによって、エンボス加工装置の動作中に、エンボス加工装置と組み合わされたエンボス加工ローラを清掃し、交換し、維持することが可能になる。
【0016】
さらに別の特徴にすれば、支持構造体、複数のエンボス突起が設けられた少なくとも一つのエンボス加工ローラ、前記エンボス加工ローラと共にエンボス加工ニップを画定する少なくとも一つの加圧ローラ、支持構造体と一体にされたエンボス加工ローラ用マガジン、及びシングルエンボス加工ローラを作動位置からマガジンシートに及びその逆に移送するために支持構造体上に移動可能に設けられた操作部材を備えたエンボス加工装置を管理する方法が提供される。
【0017】
前記方法は、有利には、少なくとも一つのウェブ材料プライをエンボス加工ニップを通して供給し、エンボス加工ローラ及び加圧ローラを用いてウェブ材料プライをエンボス加工するステップ、及びウェブ材料プライをエンボス加工している間に、一つ又は複数のエンボス加工ローラをマガジンから引き出し、及び/又はそれをマガジンに挿入するステップを有し得る。
【0018】
マガジン及びエンボス加工装置のさらに有利な特徴及び実施例は、本明細書の不可欠な部分を形成する添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0019】
本発明は、発明の非限定的実施例を示す以下の説明及び図面によってより良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明によるマガジンが挿入され得るエンボス加工装置の側面図である。
【
図1A】
図1におけるIAで示す部分の詳細の拡大図である。
【
図1B】
図1におけるIBで示す部分の詳細の拡大図である。
【
図2】
図1のエンボス加工装置におけるエンボス加工ローラの交換サイクルの一工程を示す。
【
図3】マガジンの内部に配置されたキャリッジのシートの一つにローラが配置された状態のマガジンの平面図である。
【
図3A】
図3におけるIIIA−IIIA線断面図を示している。
【
図4】
図3と同じ平面図であり、ローラ用支持キャリッジの部分を引き出す工程を示している。
【
図5】
図3における符号Vで示した部分の詳細の拡大図である。
【
図6】
図3における符号VIで示した部分の詳細の拡大図である。
【
図7】
図3のVII-VII線から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1、
図1A、
図1B及び
図2は、本発明によるエンボス加工ローラ用マガジンを組み込むことができるエンボス加工装置の一実施例を示している。ここに示したエンボス加工装置は、接着された多層ウェブ材料を製造するために、二つのエンボス加工ローラ及び二つの加圧ローラに加えて、接着ユニットを備えている。しかしながら、以下に示すエンボス加工ローラ用マガジンの新規な特徴は、様々なタイプのエンボス加工装置、例えば、接着ユニットを備えていないエンボス加工装置、一つのエンボス加工ローラ及び加圧ローラだけを備えたエンボス加工装置、又は、協働する二対以上のエンボス加工ローラ及び加圧ローラを備えたエンボス加工装置にも有利に使用され得ることは理解されるべきである。
【0022】
図1及び
図2は、エンボス加工装置の概略側面図を示しており、より詳細には、
図1は、ウェブ材料Nの製造工程中のエンボス加工装置200を示している。ウェブ材料Nは、二つの連続プライV1及びV2を接着することにより得ることができる。
図1においてP1及びP2は、プライV1及びV2の経路を全体として示している。他の実施例では、ウェブNのプライの数は二つ以上でもよく、プライ用の二つ以上の供給経路を設けてもよい。
【0023】
各プライV1及びV2は、相互に重ねられ、場合によっては、例えば、エンボス加工装置200の上流に配置されたプライ接着ユニット又はエンボス加工ユニットによって相互に接着された一つ又はそれ以上のレイヤー、シート又は構成要素で形成され得る。
【0024】
図示実施例では、エンボス加工装置200は、全体が符号201で示された支持構造体を備えている。支持構造体は、二つのサイドフランク203及び基部構造体205を備え得る。
【0025】
幾つかの実施例では、第一エンボス加工ローラ207及び第二エンボス加工ローラ209が、支持構造体201の二つのフランク203の間に配置され得る。
【0026】
第一エンボス加工ローラ207には、
図1Aの拡大詳細図に示すように複数のエンボス突起207Pが設けられ得、同時に、第二エンボス加工ローラ209には、
図1Bの拡大図に示すように、複数のエンボス突起209Pが設けられ得る。
【0027】
第一エンボス加工ローラ207は、第一加圧ローラ211と協動し得る。幾つかの実施例では、加圧ローラ211は、降伏材料、好ましくは、例えば、ゴム等の弾性のある降伏材料で形成された外側層211で被覆され得る。第二エンボス加工ローラ209は、第二加圧ローラ213と協働し得る。幾つかの実施例では、加圧ローラ213も、降伏材料、特に、弾性のある降伏材料で形成された外側層213Aで被覆され得る。
【0028】
符号207X,209X、211X及び213Xは、二つのエンボス加工ローラ207,209及び二つの加圧ローラ211、213の回転軸線を各々示している。これらの軸線は、実質的に相互に平行である。
【0029】
第一エンボス加工ローラ207及び第一加圧ローラ211の間には、第一エンボス加工ニップ215が形成され、該第一エンボス加工ニップ215を第一プライVIが通過して、第一エンボス加工ローラ207の突起207Pによってエンボス加工される。加圧ローラ211に、外側降伏被覆層211Aが設けられている場合、突起207Pは第一加圧ローラ211に対して押圧され、降伏被覆層211Aに入り込み、プライV1を恒久的に変形する。
【0030】
第二エンボス加工ローラ209と第二加圧ローラ213との間には、第二プライV2が通過する第二エンボスニップ217が形成される。第二加圧ローラ213に対して加圧される第二エンボス加工ローラ209の突起209Pの効果で、第二プライV2は、第一プライV1と同様にエンボス加工される。この段位エンボス加工ローラに、弾性降伏被覆層213Aが設けられている場合、エンボス加工突起209Pが降伏被覆層に入り込み、プライV2を恒久的に変形させる。
【0031】
二つの加圧ローラ211及び213は、以下に説明する目的のために、各エンボス加工ローラ207及び209に向けて又はそこから離れる方向に動くことを可能にするアーム又は他の部材によって支持され得る。作動装置(図示せず)、例えば、シリンダ・ピストン式作動装置が、第一加圧ローラ211を第一エンボス加工ローラ207に対して押圧するため、及び第二加圧ローラ213を第二エンボス加工ローラ209に対して押圧するために使用され得る。
【0032】
幾つかの実施例では、二つのエンボス加工ローラ207及び209は、先端・先端法で動作するように構成され得、即ち、ウェブ材料のプライを、二つのエンボス加工ローラ207及び209間に形成されるニップ219においてお互いに押し付けるために相互に向き合って配置された突起207P及び209Pを備える。
【0033】
他の実施例では、エンボス加工装置200は、エンボス加工ローラ209に対して押圧されるラミネート加工ローラ221を備え、エンボス加工ローラ209とラミネート加工ローラ221との間にラミネートニップ223を形成する。これにより、二つのプライV1及びV2は、第二エンボス加工ローラ209とラミネート加工ローラ221との間でラミネート加工され得る。ニップ219において、エンボス加工ローラ207及び209は、相互に僅かに離間され、その結果、二つのプライV1及びV2は相互に接触しない。この場合、エンボス加工装置は、プライV2のエンボス突起がプライV1のエンボス突起間に入れ子にされ、逆もまた同様にされる、所謂、入れ子式技術に従って、エンボス加工された材料を生成し得る。
【0034】
幾つかの実施例では、エンボス加工装置200bは、選択的に、先端・先端モードと入れ子モードで動作するように構成され得る。この目的のために、エンボス加工ローラは、例えば、その軸線を中心に角度方向に移動可能にされ得、及び/又はそららの軸線に平行に移動可能にされ得、ラミネート加工ローラは、選択的に、作動位置及び非作動位置の間で移動され得る。
【0035】
エンボス加工装置200は、接着剤ディスペンサ225を有し得る。接着剤ディスペンサ225は、接着剤供給源227と、接着剤供給源227から接着剤を取り出す第一スクリーンローラ又はアニロックスローラ229と、スクリーンローラ229から接着剤を受け取り、第二エンボス加工ローラ209に付着したエンボス加工されたプライV2の部分に接着剤を塗布する第二プレートローラ又は塗布ローラ231とを有し得る。概して、接着剤は、少なくともエンボス加工ローラ209に設けられたエンボス突起209Pの幾つかの前面の位置で、エンボス突起209Pによってエンボス加工されたプライの部分に塗布される。
【0036】
幾つかの実施例では、接着剤ディスペンサ225は、例えば、固定構造体201の構成要素によって支持されたガイド235に沿って、両矢印f233に沿って可動するスライド又はキャリッジ233に設けられる。両矢印f233に沿った動きは、不図示の適切な作動装置、例えば、シリンダ・ピストン式作動装置、電気モータ又は任意の他の適切な作動装置を用いて制御され得る。
【0037】
幾つかの実施例では、一つ又は複数の直立部材237がキャリッジ233に関連付けられており、前記直立部材237は、実質的に垂直に延び、そこにガイドが設けられ得る。前記ガイドは、直立部材237に沿った両矢印f239に従うスライド239の動きをガイドする。幾つかの実施例では、二つの直立部材237が、フランク203の近くに設けられ得、各スライド239が、各直立部材に配置され得る。図面では、一つの直立部材及びスライドだけが示されているが、第二の直立部材及び第二のスライドが図面に示した直立部材及びスライドの後ろにあることは理解されるべきである。
【0038】
適切な作動装置(図示せず)は、両矢印f239に沿ったスライド239又は各スライド239の上方及び下方への動きを制御するために設けられ得る。例えば、この目的のために、モータ、例えば、電気又は油圧モータを用いて作動されるネジ付き棒が設けられ得る。スライドに支持されたナットが、ネジ付き棒に噛合し得る。他の実施例では、少なくとも一方がモータで作動されるプーリの周りで駆動される歯付きベルト又は他の連続可撓性部材を備えた機構が設けられ得る。スライド239は、連続可撓性部材のブランチに固定され得、その結果、ベルトの動きにより、スリアドが垂直方向に動かされる。別の実施例では、スライド239又は各スライド239の垂直方向の動きは、ラック・ピニオン機構を用いて、例えば、直立部材237に固定ラックを設け、スライドにモータ駆動されるピニオンを設けることによって提供され得る。二つの直立部材及び二つのスライドが設けられる場合、昇降機構が二重にされ得、昇降機構は、二つのスライド239を同時に昇降するために、適切に調節して、電子的に同期され得る。
【0039】
有利な実施例では、各スライド239は、エンボス加工装置200に設けられたエンボス加工ローラ207及び/又は209を、以下に説明するマガジンに収容された他のエンボス加工ローラに交換するために、エンボス加工ローラを動かすための各操作部材241を支持する。二つ又はそれ以上のスライド239が設けられている場合、一組のハンドル部材241が、エンボス加工ローラを動かすための操作装置を形成する。
【0040】
エンボス加工ローラ交換サイクルの以下の説明から明らかになるように、操作装置241は、例えば、有利には水平方向及び垂直方向の複合動作を有する。これにより、加工移送動作によってエンボス加工ローラがマガジンに移送され得る位置まで、エンボス加工ローラを各加圧ローラから、及び/又は他のエンボス加工ローラから離す方向に動かすことが可能になる。
【0041】
キャリッジ233の実施可能な位置を示す
図1及び
図2を比較することで分かるように、両矢印f233に沿ったキャリッジ233の動きにより、直立部材237が水平方向に動く。従って、スライド239及び操作装置241も、キャリッジ233と一緒に水平に移動することができる。
【0042】
さらにまた、上述したように、スライド239は、例えば、下降位置及び上昇位置の間で移動可能である。
【0043】
従って、スライド239及び操作装置241は、以下に説明するサイクルでエンボス加工ローラを交換するように、それらを動かすために、相互に直交する二つの移動軸線、即ち、水平軸線及び垂直軸線に従って動く。
【0044】
複数の交換可能なエンボス加工ローラ用のマガジン245が、基部構造体205と関連付けられ得、各ローラは、
図1に示した構成では、基礎構造体201のフランク203間に設けられた二つのエンボス加工ローラ207及び209の一方又は他方に置き換わり得る。
【0045】
図示実施例では、マガジン245は、基礎構造体205の中に収容される。幾つかの実施例では、マガジン245は、両矢印f247によって示された移動方向に従った移動運動をするキャリッジ247を有し得、マガジン245内に収容された交換可能なエンボス加工ローラの一方又は他方を選択することができるようにしている。以下の説明で明らかになるように、両矢印f247に従った移動方向により、ローラをマガジンから引き出し、ローラをマガジンに挿入するために、エンボス加工ローラ、即ち、キャリッジのシートを、ステーション21(
図4)に位置決めすることが可能になる。この方法では、エンボス加工装置200の動作中にシングルローラがマガジンから引き出され、かつ、その中に挿入される。
【0046】
図示実施例では、マガジン245は、5つのエンボス加工ローラ支持シートを備え、シートは、符号249A、249B、249C、249D及び249Eで示されている。
図1の構成では、マガジン245は、4つのエンボス加工ローラ251、243、255及び257を収容しており、これらは夫々、支持シート249A、249B、249D及び249Eに収容されている。
図1の状態では、中間シート249Cは空であり、中心位置に配置され、接着ローラ231のほぼ下方にある。
【0047】
図1に示すように、この実施例では、基礎構造体205は、方向f247において、キャリッジの長さより大きな寸法を有し、その結果、シート249A〜249Eの一方又は他方を、キャリッジ233をエンボス加工ローラ207,209から離すことによって、基礎構造体205の上部に形成され得る通路261に対応して移動させるために、キャリッジが基礎構造体205の内部で移動できるようになる。エンボス加工ローラは、以下に説明するように、通路261を通してマガジン245へ、そして、マガジン245から移動される。
【0048】
装置内にあるエンボス加工ローラ207及び209は、作動位置において、フランク203間に一体的に収容され得る。エンボス加工ローラ207及び209は、有利には、フランク203に設けられた中心部材(図示せず)によって保持され、回転駆動され得る。他の実施例では、エンボス加工ローラは、エンボス加工ローラをエンボス加工装置から引き出すために、そして、エンボス加工装置に挿入するために、公知の解放可能な支持部材によって支持され得る。中心部材及び解放可能な支持部材の実施例は、国際公開第WO2015/150452号公報に開示されており、その内容は本明細書に一体的に組み込まれる。
概して、装置内にあるエンボス加工ローラ207及び209の一方若しくは他方、又は両方を、マガジン245内にあるエンボス加工ローラ251〜257の一方又は他方に交換するために、操作装置241は、エンボス加工ローラ207又は209、251〜257の何れか一つに係止し、それらを以下に説明するように動かすように構成される。
【0049】
図1において、エンボス加工装置200は、作動状態で示されており、一対のエンボス加工ローラ207及び211並びに209及び213の間で別々にエンボス加工するために、第一プライV1及び第二プライV2がエンボス加工ローラに向けて矢印f1及びf2に従って前方に動く。エンボス加工されたプライは、エンボス加工ローラ209とラミネート加工ローラ221との間で接着され、かつ、ラミネート加工され、従って、矢印fNに従って、下流のステーション、例えば、不図示の巻戻しステーションに向けて前方に動くマルチプライウェブ材料Nが形成される。プライV1及びV2を一緒に結合するために、加圧ローラ213は、エンボス加工ローラ209に対して押圧され、同時に、加圧ローラ211がエンボス加工ローラ207に対して押圧され、かつ、ラミネート加工ローラ221がエンボス加工ローラ209に対して押圧される。
【0050】
エンボス加工ローラ207及び209の一つ又は両方を、マガジン245に配置された他のエンボス加工ローラに交換すべき時は、始めに、プライV1及びV2の供給が中断され、エンボス加工装置200の様々なローラの動きが停止される。キャリッジ233は、エンボス加工ローラ207及び209並びに加圧ローラ211及び213から離れる方向に移動され得る。
図2は、マガジン245の空シート294Cの上の通路271を残して、キャリッジ233を一対のフランク203及びエンボス加工ローラ207及び209から離れる方向に動かした工程を示している。
【0051】
次のステップで、操作装置241は、基礎構造体205の内部、即ち、エンボス加工装置200の通常動作中にそれが収容されたままになる空間の下側位置から上昇され得る。操作装置241は、上側エンボス加工ローラ209のカラー即ち、環状突起部265とほぼ同じ高さにある支持要素241Aの位置まで上昇される。以下の操作の詳細な説明については、国際公開WO-A-2015/150452号に開示されている内容が参照される。
【0052】
別の実施例では、操作部材241及びその移動システムは、マガジンが閉鎖され、エンボス加工装置200が動作している時に、操作部材がマガジンの外側に留まり得るように構成され得る。この方法では、マガジンの内部及びそこの収容されているローラは、ウェブ材料のプライV1及びV2の製造によって生成されるセルロース繊維又は他の屑の侵入に対してより良好に保護される。
【0053】
マガジン245の柔軟性及び性能を向上させるために、シート249A〜249Eを支持する
図1及び
図2に概略的に示されているだけのキャリッジ247に対する新規が構造が提供される。マガジン245の詳細について
図3〜
図11を参照して以下に説明する。
【0054】
一般的に言うと、マガジン245のキャリッジ247は、相互に連結し、かつ、相互に解放され得る単一セクションに細分され得る。マガジン245の一部分は、キャリッジ247の引き出し及び挿入セクション用のステーションを形成し、各セクションは、各々エンボス加工ローラ用の少なくとも一つのシートを有する。この方法では、エンボス加工ローラの装填及び取り出し位置で、マガジンからキャリッジ247の単一セクションを引き出すことが可能である。この位置で、例えばブリッジクレーンを使用して、マガジンから引き出されたシートに配置されているエンボス加工ローラを取り外し、別のローラと取り換えることができる。これら全ての操作は、マガジンの内部に、エンボスユニットの動作と、装着され動作しているエンボス加工ローラの、マガジン内にあるキャリッジのセクションのシートに配置されたローラへの交換との両方を可能にするのに適したキャリッジの複数のセクションが存在したままの状態で実行され得る。より具体的には、エンボス加工装置が、エンボス加工装置に装着されたエンボス加工ローラを通常通りに動作させている間に、キャリッジのセクションは引き出され得る。従って、エンボス加工装置は、マガジンの内部又は外部でのローラの交換操作とは独立して作動する。マガジン及びエンボス加工装置が協働するステップは、エンボス加工ローラの一つ又は両方を交換するステップだけである。
【0055】
より具体的には、幾つかの実施例によれば、キャリッジ247は、複数のセクション1を備え、各セクション1は、エンボス加工ローラ用の少なくとも一つのシート249を画定する部材を備えている。シートは、二つの対向する一対の支持面によって形成され得、各対が、キャリッジ247のセクション1に配置される各ローラRを支持するクレードルを画定する。図示実施例では、各ローラRには、支持ベアリングCが設けられ、前記支持ベアリングCはローラの回転軸Pに連結されたままであり、従って、ローラRと一緒にエンボス加工装置200から除去される。図示実施例では、各シート249は、ローラRの各ベアリングCを支持するように構成されている。
シート249を形成する二対の支持表面は、バー2によって連結されたプロファイル250又は他の構成要素に固定される。添付図面の図示実施例では、キャリッジの各セクション1の二つのプロファイル250は、二つのバー2によって相互に連結されているが、別の実施例では、異なる数の連結バー2を設けてもよく、例えば、一つの適切な形状のバー又は実質的に平行な三つ又はそれ以上のバー2を設けてもよいことは理解されるべきである。
【0056】
図3〜
図11には、エンボス加工ローラ207,209及び251〜257の何れか一つであり得る一つのエンボス加工ローラRだけが示されている。また、キャリッジ247は、連結された一連のセクション1の中の最も遠いセクション1に連結された補助セクション3を備えている。
【0057】
キャリッジ247は、特に
図3及び
図4に示すように二つの長手方向平行ガイド5の間に画定されたキャリッジ247用の移動空間7に配置されている。図示実施例では、各長手方向ガイド5には、各ピニオン11と係合するラック9が設けられている。二つのピニオン11は、シャフト13と同軸であり、かつ、キー係合されており、シャフト13は、キャリッジ247の操作方向f247における動きを制御するモータ15によって回転され得る。モータ15及びシャフト13は、キャリッジ247の補助セクションに設けられている。
【0058】
別の実施例では、操作方向f247にキャリッジ247を動かすために、別の機構、例えば、ベルトシステムやネジ付きバーシステム等の別のシステムが使用され得る。
【0059】
各長手方向ガイド5は、その長手方向中間位置、例えば、限定するものではないがそのほぼ中間にギャップ17を備えている(特に
図5参照)。ギャップ17は、キャリッジ247の一部を形成する引出し及び挿入セクション1用の引き出し及び挿入ステーションを画定している。二つの長手方向ガイド部材19A及び19Bがギャップ17に挿入され、これらガイド部材は、以下に説明するように、挿入及び引出し方向Fに動かされるセクション1の一つに、その都度、係合するように構成されている。引出し及び挿入ステーションは、符号21によって概略的に示されている(
図4)。長手方向ガイド部材19A及び19Bは、特に
図8及び
図9に示すように、バー20を用いて相互に連結されている。図示実施例では、三つのバー20が設けられているが、他の実施例では、異なる数のバー、例えば、一つ、二つ、四つ又はそれ以上のバー20が設けられ得る。
【0060】
キャリッジ247の各セクション1は、長手方向ガイド5に係合する係合要素23を有する。図示実施例では、長手方向ガイド5は、C字型プロファイル5C(
図3及び
図3A参照)を備え、係合要素23は、前記プロファイル5Cの中に挿入されるホイールを備える。各セクション1は、好ましくは、各ガイド5用の複数のホイールを有する。別の実施例では、係合要素23は、異なる方法で構成され得、例えば、角柱長手方向ガイド5に係合するシューの形態で構成され得る。
【0061】
長手方向ガイド部材19A及び19Bは、例えば
図10及び
図11に示すように、同じ係合要素23によって係合されるような形状を有する。例えば、長手方向ガイド部材19A及び19Bは、長手方向ガイド5のプロファイル5Cと同じか、実質的に同じC字型プロファイルを有し得る。
【0062】
別の実施例では、係合要素23並びにガイド部材19A及び19Bは、異なる方法で形成され得る。例えば、ガイド部材19A及び19Bはダブテール継手であり得、又は、他の適当な形状であり得る。また、係合要素23は、ガイド部材19A及び19Bにスライド係合するシューであり得る。
【0063】
長手方向ガイド部材19A及び19Bが長手方向ガイド5のギャップ17に挿入されると、ガイド部材19A及び19Bは、長手方向ガイド5と共に、連続する長手方向ガイドを形成し、その結果、キャリッジ247の様々なセクション1が、キャリッジ247の移動空間7の全長に沿って移動し得るようになる。この目的のために、長手方向ガイド部材19A及び19Bは、符号5Cで示すC字型プロファイル片を有し、長手方向ガイド部材19A及び19Bを長手方向ガイド5に整列させた時にC字状の連続プロファイルを形成する。
【0064】
セクション1は、クイック連結及び解放システムを用いて、相互に連結することができ、かつ、補助セクション3に連結することができる。セクション1及び3は、好ましくは、挿入及び引出し方向F(
図3及び
図4)におけるセクション1及び3の単純な相互移動によって相互に連結できる連結部材を有する。挿入及び引出し方向Fは、実質的に、マガジンの空間7におけるキャリッジ247の操作方向f247に直交している。
【0065】
図示実施例では、各セクション1は、その両側に、即ち、ガイド5に隣接して、二つの付属部材25及び27を備え、これら付属部材25及び27の各々は、キャリッジ247のセクション1の挿入及び引出し方向Fに延びる溝を画定する。二つの付属部材25及び27によって画定された溝は、相互に向き合っており、付属部材25によって形成された溝は下方に開口し、付属部材27によって形成された溝は上方に開口している。この方法では、二つの付属部材25及び27が、矢印Fに沿った単純な動作によって相互に連結され、かつ、解放され得る。
【0066】
この構成によって、各セクション1を、矢印F方向の動きで、移動空間7の中に挿入し、かつ、そこから引き出すことが可能になり、その動きが、セクション1の隣接するセクションへの自動連結を生じさせ、かつ、隣接するセクションからの自動解放を生じさせる。キャリッジ247の各セクション1は、それに隣接する二つのセクション1から独立してマガジン245から引き出すことができ、かつ、再度挿入することができ、また、同じ位置にある他のセクション1と置き換えられ得る。
【0067】
単純な方法で各セクション1を挿入し、かつ、引出すために、引出しステーション21にあるセクションは、有利には、係合部材23を用いて、二つの長手方向ガイド部材19A及び19Bと係合したままの状態に保たれる(
図10及び
図11参照)。長手方向ガイド部材19A及び19Bにおける引出しステーション21に配置されたセクション1の係合要素23を挿入することによって、セクション1はガイド部材19A及び19Bと係合する。従って、長手方向ガイド部材19A及び19Bは、セクション1と共に挿入及び引出し方向Fに引き出される。
【0068】
幾つかの実施例では、各長手方向ガイド部材19A及び19Bは、挿入及び引出し方向Fと平行にのびる横方向ガイドシステム29と係合するように係合部材に関連付けされ得る。横方向ガイドシステム29は、相互に平行な一つ又は複数のトラック、溝又は他の長手方向ガイド要素を備え、長手方向ガイド部材19A及び19Bに固定された、そのシュー、ホイール又は他の係合部材が係合する。
【0069】
例えば、二つの平行なトラックが設けられ得、これらのトラックが、二つの長手方向部分19A及び19Bに固定されたシュー又はホイールと協働する。選択的に、ガイドシステムは、地面に固定されたローラコンベアを有し得、ローラコンベアは、それと係合するための係合部材と協働し、係合部材は、長手方向ガイド部材19A及び19Bに一体的に設けられている。
【0070】
図示実施例では、より複雑な横方向ガイドシステム29が設けられており、このガイドシステム29は、一対の外側トラック31A及び31B並びに一対の内側トラック33A及び33Bを備え、内側トラック33A及び33Bは、外側トラック31A及び31Bの間に、それに平行に設けられている(
図8及び
図9参照)。長手方向ガイド部材19Bによって支持された成形ホイール37A及び37Bは、外側トラック31A及び31Bと係合し得る。長手方向ガイド部材19Aに一体的に設けられたシュー39A及び39Bは、内側トラック33A及び33Bと係合し得る(
図5、
図5A及び
図5B参照)。
【0071】
図5、
図5B及び
図5Bに示すように、シュー39A及び39Bは、より良好な支持及びより良好な反作用力を得るために、引出し方向Fにおいて相互に互い違いに配置され得る。
【0072】
ピニオン43を駆動するモータ41は、長手方向ガイド部材19Aに固定されている。ピニオン43は、横方向ガイドシステム29に一体的に設けられ得るラック45と噛み合う。図示実施例では、ラック45は、トラック33Bと隣接し、それに平行である。この方法では、モータ41の回転により、引出しセクション21に整列しているセクション1が引出し方向Fに移動する。
【0073】
上述した構成により、キャリッジ247は、マガジン245に配置されたエンボス加工ローラを交換するために、以下に説明するように動作し得る。キャリッジ247は、モータ15によって、矢印f247に従って、引出されるべきセクション1が引出しステーション21に到達するまで動かされる。その移動は、長手方向ガイド5に沿ったものであり、長手方向ガイド5の中間ギャップ17は、一時的に長手方向ガイド5と整列し、かつ、バー20で相互に連結されたガイド部材19A及び19Bによって閉鎖されている。例えば、シート249に配置されたエンボス加工ローラRを除去又は交換するために引き出されるべきセクション1が引出しステーション21の位置にある時、モータ41は駆動される。モータ41は、移動ガイドシステム29に沿って選択されたセクション1を動かす。シュー39A及び39Bは、ラック45と協働するピニオン44のスラスト力下で、移動をガイドするのに適した反作用力を与える。セクション1は、係合要素23によって、二つの長手方向ガイド部材19A及び19Bと一時的に連結される。前記長手方向ガイド部材は、バー20及び、移動ガイドシステム29と係合するための係合部材(シュー39A及び39B並びに成形ホイール37A及び37B)と共にスライドを実質的に形成する。この方法では、セクション1並びにバー29によって相互に連結された長手方向ガイド部材19A及び19Bは、方向Fにおける単一スライドとして形成する。各シート249で支持されたエンボス加工ローラRを備えたセクション1は、シュー33A及び33B並びにホイール31A及び31Bによって、移動ガイドシステム29に沿って支持される。矢印Fに従った引出し動作によって、相互連結部材25及び27の形状のために、長手方向ガイド部材19A及び19Bに固定されたセクション1が、二つの隣接するセクション1から自動的に解放される。
【0074】
一度、キャリッジ247のセクション1が、二つの長手方向ガイド5の間の移動空間7の外側に持ってこられると、そのセクションは、マガジン245が組み込まれたエンボス加工装置の外側にくる。この位置で、引出しセクション1上にあるエンボス加工ローラRは除去され得、かつ、他のエンボス加工ローラと交換され得る。このステップにおいて、エンボス加工ローラの操作は公知の方法、例えば、ブリッジクレーンを用いて、又はグランド操作システムを用いて実行され得る。
エンボス加工ローラRが交換されると、セクションの引出しのために説明した動作と反対の動作で、長手方向ガイド部材19A及び19Bを再び長手方向ガイド5と整列させて、セクション1が移動空間7の中に再び挿入され得る。これにより、長手方向ガイドの連続性が復元され、必要に応じて別のステーション1を引出しステーションまで持ってくるために、矢印f247に沿ってキャリッジ247を移動させることが可能になる。
【0075】
このように構成したマガジン及びキャリッジ247を用いて、例えば、エンボス加工装置の動作中に、簡単で迅速な方法で、マガジン245の一つ又は複数のエンボス加工ローラを、他のエンボス加工ローラに交換することが可能になる。
【0076】
マガジン245には、特に、エンボス加工装置200によって生成されるプライV1及びV2から落下し得る塵及びセルロースファイバから、その中に収容されたエンボス加工ローラを保護するために、閉鎖システム、例えば、側壁及び/又は上壁が設けられ得る。閉鎖システムは、マガジン245からキャリッジ247のセクション1を引き出す必要がある時、又はマガジンにセクション1を挿入する必要がある時に、開放され得る。
【0077】
上述した実施例では、キャリッジ247の単一セクション1は、挿入及び引出し方向Fに従った簡単な動きにより、溝25及び57のおかげで、相互に連結又は解放され得るが、他の実施例では、必要に応じて、固定及び解放作動装置を備えた異なる機械的部材を用いて、セクション1を相互に、かつ、補助セクション3に連結することが可能である。例えば、セクション1を連結するために相互に連結し、かつ、適当な作動装置を用いて相互に分離する結合部材が設けられ得る。作動装置は、例えば、ステーション21の固定位置に配置され得、また、各作動装置が各セクション1に設けられ得、必要に応じて、補助セクション3に設けられ得る。
【国際調査報告】