特表2019-510917(P2019-510917A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-510917流体流システムに使用されるサセプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-510917(P2019-510917A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(54)【発明の名称】流体流システムに使用されるサセプタ
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/24 20060101AFI20190322BHJP
   F01N 5/02 20060101ALI20190322BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20190322BHJP
【FI】
   F01N3/24 L
   F01N5/02 Z
   F01N3/20 K
   F01N3/24 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-545972(P2018-545972)
(86)(22)【出願日】2017年3月2日
(85)【翻訳文提出日】2018年10月5日
(86)【国際出願番号】US2017020518
(87)【国際公開番号】WO2017151970
(87)【国際公開日】20170908
(31)【優先権主張番号】62/302,482
(32)【優先日】2016年3月2日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヴァリー、マーク・デー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ、リチャード・ティー
(72)【発明者】
【氏名】プラダン、ジェームス・エヌ
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AA18
3G091AB02
3G091AB05
3G091AB06
3G091AB13
3G091BA04
3G091CA05
(57)【要約】

加熱流体流システムに利用されるサセプタが提供される。一形態において、サセプタは、導管内に配置され、少なくとも1つの加熱エレメントから放射エネルギーを吸収し、導管及び/又は他の構成要素の壁の少なくとも1つにより放射エネルギーが吸収されることを抑制する。他の形態において、サセプタは、吸収し導管の外壁により放射エネルギーが吸収させることを抑制する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流を送ることに使用する導管であって、
前記導管の外側境界を規定し、前記導管を通る流体流を可能にするように構成された少なくとも1つの壁と、
加熱された前記導管に近接して配置され、前記流体流を加熱するように動作可能な少なくとも1つの加熱エレメントと、
前記加熱エレメントに隣接して配置され、前記少なくとも1つの前記加熱エレメントからの放射エネルギーを吸収し、放射エネルギーが前記導管の少なくとも1つの壁によって吸収されることを抑制するために適合されたサセプタと、
を具備する導管。
【請求項2】
前記流体流を加熱するために適合された複数の加熱エレメントをさらに具備する請求項1記載の導管。
【請求項3】
前記サセプタは、放射エネルギーが隣接する加熱エレメントにより吸収されることを抑制するために適合される請求項2記載の導管。
【請求項4】
前記サセプタは、少なくとも1つの加熱エレメントに支持構造を提供する請求項1記載の導管。
【請求項5】
前記サセプタは、支持部材により前記導管の少なくとも1つの壁から離間され、支持される請求項1記載の導管。
【請求項6】
前記サセプタは、前記導管の少なくとも1つの壁の内側に配置された少なくとも1つのサセプタ壁を具備し、前記サセプタ壁は、前記導管の少なくとも1つの壁の厚みより薄い請求項1記載の導管。
【請求項7】
前記サセプタは、前記サセプタからの放射熱の移動を低減する反射材料を具備する請求項1記載の導管。
【請求項8】
前記サセプタは、前記導管の少なくとも1つの壁から隔離される請求項1記載の導管。
【請求項9】
前記サセプタは、同心円状ルーバ、放射ブレード、円周フィン、ライナ、螺旋状部材、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択された構成を具備する請求項1記載の導管。
【請求項10】
前記流体流内で前記導管の下流に配置された第2加熱エレメントをさらに具備する請求項1記載の導管。
【請求項11】
前記サセプタは、前記第2加熱エレメントと前記少なくとも1つの加熱エレメントとの間に配置される請求項10記載の導管。
【請求項12】
請求項1記載の前記導管を有するディーゼルエンジン排気システムであって、前記システムは、
前記ディーゼル排気システムの触媒システムより上流に配置され、排気流体流を送るために適合された前記導管と、
前記導管の少なくとも一部を規定する外壁に近接して配置された少なくとも1つの加熱エレメントと、
前記加熱エレメントに隣接して配置され、前記少なくとも1つの加熱エレメントからの放射エネルギーを吸収し、前記放射エネルギーが前記導管の外壁により吸収されることを抑制するために適合されたサセプタと
を具備する。
【請求項13】
前記流体流を加熱するために適合された複数の加熱エレメントをさらに具備する請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項14】
前記サセプタは、前記少なくとも1つの加熱エレメントに支持構造を提供する請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項15】
前記サセプタは、同心円状ルーバ、放射ブレード、円周フィン、ライナ、螺旋状部材、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択された構成を具備する請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項16】
前記サセプタは、支持部材により前記外壁から隔離される請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項17】
前記サセプタは、前記サセプタからの放射熱の移動を低減する反射材料を具備する請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項18】
前記サセプタは、前記導管の少なくとも1つの壁の内側に配置された少なくとも1つのサセプタ壁を具備し、前記サセプタ壁は、前記導管の少なくとも1つの壁の厚みより薄い請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項19】
前記サセプタは、前記導管の少なくとも1つの壁から隔離される請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項20】
前記サセプタと前記導管の前記外壁との間の断熱材をさらに具備する請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【請求項21】
前記サセプタは、断熱ブランケットと一対とされる請求項12記載のディーゼルエンジン排気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディーゼル排気や後処理システムのような、流体流用途、例えば車両の排気システムのための加熱及び検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本部分の記述は、本開示に関する背景情報を単に提供するものであり、従来技術を構成するものではない可能性がある。
【0003】
エンジンの排気系のような過渡的な流体流用途において物理センサを使用することは、振動や熱サイクルのような過酷な環境条件のため困難である。既知の温度センサは、管状エレメントを保持する支持ブラケットにその後溶接されるサーモウェルの内部に鉱物で絶縁されたセンサを含んでいる。残念ながら、この設計は、安定に至るまでに長時間を要し、振動の多い環境では物理センサが損傷する可能性がある。
【0004】
物理センサは、多くの用途において実際の抵抗素子温度の不確実性も提示し、その結果、ヒータ電力の設計に大きな安全マージンがしばしば適用される。したがって、一般に低ワット密度を提供する物理的センサと共に使用されるヒータは、大きなヒータサイズとコスト(抵抗素子の表面領域に亘って同じヒータ電力が広がる)を犠牲にして、ヒータが損傷するリスクを低減する。
【0005】
さらに、既知の技術は、温度制御ループにおいて、外部センサからのオン/オフ制御又はPID制御を使用する。外部センサは、配線とセンサ出力と間の熱抵抗による固有の遅延を有している。どんな外部センサも、構成要素の欠陥モードのポテンシャルを高め、システム全体に任意の機械的マウントの制限を設定する。
【0006】
流体流システムにおけるヒータの1つの用途は、車両排気であり、これらは、大気中への種々のガスの望ましくない放出や他の汚染物質の放出の低減を補助するため内燃エンジンに結合される。これら排気システムは、ディーゼル微粒子フィルタ(diesel particulate filters :DPF)、触媒コンバータ、選択式触媒還元(selective catalytic reduction:SCR)、ディーゼル酸化物触媒(diesel oxidation catalyst :DOC)、リーンNOxトラップ(lean NOx trap :LNT)、アンモニアスリップ触媒、又は改質器などの後処理装置を典型的に含んでいる。DPF、触媒コンバータ、及びSCRは、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PMs)、及び排気ガス中に含まれる未燃焼炭化水素(HCs)を捕捉する。ヒータは、排気温度を上昇させて触媒を活性化するため、及び/又は排気システムにおいて捕捉された粒子状物質、又は未燃焼炭化水素を燃焼させるため定期的又は所定の時間に活性化されてもよい。
【0007】
ヒータは、排気管又は排気システムの容器などの構成要素に一般に設置される。ヒータは、排気管内に複数の加熱エレメントを含み、典型的には同じ熱出力を提供するために同じ目標温度に制御される。しかしながら、温度勾配は、典型的には、隣接する加熱エレメントからの異なる熱放射、及び加熱エレメントを流れる異なる温度の排気ガスのような、異なる運転条件のために生じる。例えば、下流加熱エレメントは、上流加熱エレメントによって加熱されたより高い温度を有する流体に曝されるので、一般に上流エレメントよりも高い温度を有する。さらに、中間加熱エレメントは、隣接する上流及び下流加熱エレメントからより多くの熱放射を受ける。
【0008】
ヒータの寿命は、最も過酷な加熱条件下にあり、最初に故障する加熱エレメントの寿命に依存する。どの加熱エレメントが最初に故障するかを知らずにヒータの寿命を予測することは困難である。すべての加熱エレメントの信頼性を向上させるために、加熱エレメントは、加熱エレメントのいずれかの故障を回避する安全率で動作するように典型的に設計される。したがって、あまり過酷でない加熱条件下にある加熱エレメントは、典型的には、それらの最大利用可能な熱出力をはるかに下回る熱出力を生成するように動作される。
【発明の概要】
【0009】
本開示において、装置は加熱された流体流内でサセプタとして機能するため、すなわち、他の高質量システムエレメントにより吸収されるであろう加熱エレメントからの放射エネルギーを吸収するため、及び吸収されたエネルギーを加熱されている流体の流れに移すため使用される。したがって、温度上昇の速度は、暖機中の流体流内の構造エレメントなどの高質量エレメントにより吸収される放射力を低減することにより改善することができる。一形態において、流体流を通すために使用される導管が提供され、この導管は、導管の外側境界を規定する少なくとも1つの壁を有し、導管内を流体流が通ることを可能とするために形成される。少なくとも1つの加熱エレメントは、加熱された導管に近接して配置され、流体流を加熱するために動作可能である。サセプタは、ヒータに隣接して配置され、加熱エレメントの少なくとも1つからの放射エネルギーを吸収するために適合され、導管の少なくとも1つの壁により放射エネルギーが吸収されることを抑制する。
【0010】
他の形態において、排気流体流を送るために適合された導管を含むディーゼルエンジン排気システムが提供される。導管はディーゼル排気システムの触媒システムより上流に配置される。ディーゼルエンジン排気システムは、導管の少なくとも一部を規定する外壁に近接して配置された少なくとも1つの加熱エレメント、及び導管内に配置され、少なくとも1つの加熱エレメントからの放射エネルギーを吸収し、放射エネルギーが導管の外壁により吸収されることを抑制するために適合されたサセプタをさらに含む。
【0011】
適用性のさらなる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。説明及び特定の実施例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示が十分に理解され得るため、添付の図面を参照して、例として与えられた様々な形態について説明する。
【0013】
図1図1は、本開示の原理が適用されるディーゼルエンジン及び排気後処理システムの用途を例示する概略図。
図2A図2Aは、本開示の教示による加熱された流体流用途内に実装されたサセプタの一形態を例示する側断面図。
図2B図2Bは、本開示の教示による図2Aのサセプタを例示する正面断面図。
図3図3は、本開示の教示による加熱された流体流用途内に実装されたサセプタの他の形態を例示する側断面図。
図4図4は、本開示の教示による加熱された流体流用途内に実装されたサセプタのさらなる他の形態を示す側断面図。
図5図5は、本開示の教示による加熱された流体流用途内に実装されたサセプタのさらなる他の形態を示す側断面図。
図6図6は、本開示の教示による加熱された流体流用途内に実装されたサセプタの他の形態を示す側断面図。
図7図7は、本開示の教示による加熱された流体流用途内に実装されたサセプタの他の形態を示す側断面図。 本明細書に記載された図面は、説明目的のみのためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、本質的に単に例示的なものであり、本開示、用途、又は使用を限定するものではない。図面を通して、対応する参照符号は、同様の又は対応する部分及び特徴を示すことが理解されるべきである。
【0015】
図1を参照すると、例示されたエンジンシステム10は、一般に、ディーゼルエンジン12、オルタネータ14(又は幾つかの用途では発電機)、ターボチャージャ16、及び排気後処理システム18を含む。排気後処理システム18は、ターボチャージャ16の下流に配置され、排気ガスが大気に放出される前に、ディーゼルエンジン12からの排気ガスを処理する。排気後処理システム18は、所望の結果を達成するため、排気流体の流れをさらに処理するために動作可能な1つ又は複数の追加の構成要素、装置、又はシステムを含むことができる。図1に示す例において、排気後処理システム18は、加熱システム20と、ディーゼル酸化触媒(DOC)22と、ディーゼル微粒子フィルタ装置(DPF)24と、選択式触媒還元装置(SCR)26を含んでいる。排気後処理システム18は、その中のヒータセンブリ28を受ける上流排気導管32、DOC22とDPF24が設けられた中間排気導管34及びSCR26が配置された下流排気導管36を含む。
【0016】
本明細書に図示されかつ説明されたエンジンシステム10は単なる例示であり、したがって、NOx吸着材、又はアンモニア酸化触媒などの他の構成要素が含まれてもよく、DOC22、DPF24、及びSCR26のような他の構成要素は使用しなくてもよい。ディーゼルエンジン12が示されているが、本開示の教示は、ガソリンエンジン及び他の流体流用途にも適用可能であることを理解されたい。したがって、ディーゼル機関の用途は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。このような変形は、本開示の範囲内にあると解釈されるべきである。
【0017】
加熱システム20は、DOC22の上流に配置されたヒータセンブリ28と、ヒータセンブリ28の動作を制御するヒータ制御モジュール30とを含む。ヒータセンブリ28は、1つ以上のヒータを含むことができ、少なくとも1つの抵抗発熱体を含む。ヒータセンブリ28は、作動中に流体の流れを加熱するために排気流体の流路内に配置される。ヒータ制御モジュール30は、典型的には、ヒータセンブリ28からの入力を受けるために適合された制御装置を含む。ヒータセンブリ28の動作の制御の例は、ヒータセンブリを“オン”及び“オフ”にすること、単一ユニットとしてのヒータセンブリ28への電力を調整すること、及び/又は、利用可能であれば、抵抗加熱エレメントの個々又はグループのような、別々のサブコンポーネントへの電力を調整すること、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0018】
1つの形態において、ヒータ制御モジュール30は制御装置を含む。制御装置は、ヒータセンブリ28の少なくとも1つのヒータと通信する。制御装置は、排気流体流、排気流体流の質量速度、少なくとも1つの電気ヒータの上流の流れ温度、少なくとも1つの電気ヒータの下流の流れ温度、少なくとも1つの電気ヒータへの電力入力、加熱システムの物理的特性に由来するパラメータ、及びそれらの組み合わせ含まれるが、これらに限定されない少なくとも1つの入力を受けるために適合される。ヒータは、排気流体を加熱するのに適した任意のヒータとすることができる。例示的な電気ヒータは、バンドヒータ、裸線抵抗加熱エレメント、ケーブルヒータ、カートリッジヒータ、積層ヒータ、ストリップヒータ、及び管状ヒータを含むが、これらに限定されない。
【0019】
図1に示すシステムは、ヒータセンブリ28より下流に配置されたDOC22を含む。DOC22は、排気ガス中の一酸化炭素や未燃炭化水素を酸化するための触媒として働く。さらに、DOC22は、一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO2)に変換する。DPF24は、排気ガスからディーゼル粒子状物質(PM)又は煤を除去することを助けるため、DOC22の下流に配置される。SCR26は、DPF24の下流に配置され、触媒を用いて、窒素酸化物(NOx)を窒素(N2)及び水に変換する。尿素水溶液噴射装置27は、尿素水溶液を排気ガスの流れに噴射するため、DPF24の下流でSCR26の上流に配置される。尿素水溶液がSCR26で還元剤として使用される場合、NOxは、N2、H2O及びCO2に還元される。
【0020】
図2A及び2Bを参照すると、流体流用途内に使用されるサセプタの一形態が例示され、参照符号200により全体として示されている。図示されるように、導管202は、その内部に位置されたサセプタ200を含み、図1に例示されるような流体流システム又は排気システムに適合されることが可能である。導管202は、流体流を通すように動作可能であり、本例においては、円錐壁204、缶壁208、及びパイプ壁206を含んでいる。サセプタ200は、導管202の内部に配置され、より具体的には、導管202の外側境界を規定する円錐壁204、缶壁208及びパイプ壁206に沿い、流体流が導管202内を通ることが可能に形成されている。
【0021】
さらに示されるように、少なくとも1つの加熱エレメント210が、流体流を加熱するために導管202に近接して配置される。本開示の教示には、任意の形式のヒータを使用することができることを理解されたい。サセプタ200は、円錐壁204、缶壁208、及びパイプ壁206により吸収されるであろう放射エネルギーを吸収することができるように、図示するように導管202に比べて比較的薄い壁で囲まれたエレメントである。この例示的な形態において、様々な壁204、206、及び208は、より高い熱質量を有し、その熱の一部が外部環境、例えば対流又は絶縁ジャケットを通る伝導で失われるので、多くの熱は、流れに移らないであろう。サセプタ200は、構造支持体212による適用要求に従って、円錐壁204、缶壁208、及び管壁206によって支持され、それらから離間され得る。別の形態において、サセプタ200は、サセプタからの熱移動を低減するように適合された反射材料(図示せず)を含んでいる。さらに別の形態では、サセプタ200は、導管202の壁204、206、208のうちの1つ又は全てから隔離されることができる。
【0022】
別の形態において、ディーゼルエンジン排気システムは、ディーゼル排気システムの触媒システムの上流に位置する排気流体流を送るように適合された導管202を含む。少なくとも1つの加熱エレメント210が、導管202の少なくとも一部を規定する外壁に近接して配置される。この形態では、サセプタ200は、導管202内に配置され、放射エネルギーが導管202の外壁によって吸収されるのを吸収するように適合される。
【0023】
図2A及び図2Bに示すような一形態において、導管202は、流体流を加熱するために設けられた複数の加熱エレメント210を含んでいる。さらに、複数の加熱エレメント210は、ヒータの下流に配置され、1つ以上の時間期間中にヒータの下流の流れの温度を上昇させるために適合されてもよい。別の形態において、サセプタ200は、少なくとも1つの加熱エレメント210からの放射エネルギーを吸収し、サセプタ200が放射エネルギーを吸収している加熱エレメント210に隣接する少なくとも1つの加熱エレメント210によって放射エネルギーが吸収されるのを抑制するために適合される。
【0024】
別の形態において、支持部材212は、少なくとも1つの加熱エレメント210と、流体流れに晒される別の構造部材との間に配置される。例えば、サセプタ200は、加熱エレメント210のための支持構造として働くことができる。さらに、サセプタ200は、導管の壁によって放射エネルギーが吸収されるのを抑制又は防止する目的で働き、導管は、制御装置及びスイッチングハードウェア、又はサセプタ200が存在しない場合に放射エネルギーを吸収する他の構成要素を収容する。
【0025】
このようなサセプタ200の利点は、全体的により速く、かくして流体及び任意の下流の構成要素のより効率的な加熱である。排気加熱システムの1つの例示的な用途において、排気ガス後処理触媒を温度まで加熱する時間が望まれる場合がある。典型的には、システムのコールドスタートアップ時に、現在の触媒は閾値温度に達するまで有効ではない。この温度に達するまで、後処理システムは排気ガスの処理(例えば、SCR触媒でNOxを除去する)には有効ではない。触媒の温度上昇率を増加させることにより、最適に機能する排気ガス後処理システムを備えていないエンジンの運転時間を短縮することができ、本開示の教示に従ったサセプタの使用で、エンジン及び後処理システムによって放出される総汚染量を同様に低減することができる。
【0026】
サセプタの別の形態として、同心円状ルーバ230、放射ブレード240(圧縮ステージに類似)、円周フィン250、ライナ260、又は螺旋状部材270が図3図7に示されている。これらの代替形態のサセプタは単なる例示であり、本開示の教示に従って加熱速度を増加させるために、流体流加熱用途においてサセプタとして機能するため、幾何学的形状及び材料を使用することができる。
【0027】
サセプタの追加の変形例は、例示する方法により、缶又はパイプ壁に面する側を反射材料から外すことによって、又は導管の壁から面を絶縁することによってサセプタの効率を向上させることを含むことができる。これにより、熱がサセプタから缶壁を通って外気に移動するのを制限し、代わりに熱を排気ガスに戻すのに役立つ。周囲の構成要素/空気に対する熱損失を低減するために、サセプタは缶壁及び/又は加熱エレメントから適切に隔離されるべきである。
【0028】
さらに、サセプタを缶壁とエレメントとの間に配置し、より良好な機械的耐久性のためにより厚いシートメタルを設けることができる(熱的性能と構造的堅牢性との間のトレードオフが問題である場合)。
【0029】
さらに、それと缶壁との間に断熱材を有するサセプタは、ヒータの外側に別の断熱装置を設ける必要性を低減できる。あるいは、サセプタは、特に非常に寒い条件において、特別な断熱のために、断熱ブランケット(図示せず)と一対にすることができる。
【0030】
したがって、様々な異なる形態のヒータ、センサ、制御システム、及び関連する装置及び方法が、流体流システムで使用するためにここに開示されている。異なる形態の多くは、互いに組み合わせることができ、また、本明細書に記載されたデータ、方程式、及び構成に特有の追加の特徴を含むこともできる。そのような変形は、本開示の範囲内にあると解釈されるべきである。
【0031】
本開示の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本開示の内容から逸脱しない変形は、本開示の範囲内にあるものとする。そのような変形は、開示の精神及び範囲からの逸脱と見なすべきではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】