特表2019-511058(P2019-511058A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-511058(P2019-511058A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(54)【発明の名称】スマートカードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20190322BHJP
   G06K 19/073 20060101ALI20190322BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20190322BHJP
【FI】
   G06K19/077 196
   G06K19/073 054
   G06K19/077 244
   G06K19/077 164
   G06K19/077 144
   B42D25/305 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-549970(P2018-549970)
(86)(22)【出願日】2017年3月24日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月20日
(86)【国際出願番号】EP2017057107
(87)【国際公開番号】WO2017162867
(87)【国際公開日】20170928
(31)【優先権主張番号】62/312,803
(32)【優先日】2016年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1607030.2
(32)【優先日】2016年4月22日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】517124778
【氏名又は名称】ズワイプ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スネル, デヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィン, ホセ イグナシオ ヴィンターゲルスト
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005MA05
2C005MA19
2C005NA08
2C005NB03
2C005NB09
2C005RA15
(57)【要約】
スマートカードの製造方法は、接触パッドとの接続のための接点113を有するフレキシブル回路112を提供する工程であって、セキュアエレメントがフレキシブル回路に電気的に接続される工程と、拡張ブロック118を通る導電路134を介して接触パッド120上の接点121をフレキシブル回路112上の接点113に接続する工程とを含む。フレキシブル回路を封入するカード本体122を提供するために、積層プロセスがフレキシブル回路に適用される。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートカードであって、
フレキシブル回路を封入するカード本体と、
前記カード本体から露出した接点を有する接触パッドと、
前記接触パッドと前記フレキシブル回路との間の前記カード本体内に配置された拡張ブロックであり、前記接触パッドの前記接点が前記導電性経路を介して前記フレキシブル回路に電気的に接続されるように導電路を画定する拡張ブロックと、そして
前記カード本体内に配置され、前記フレキシブル回路に電気的に接続されたセキュアエレメントであり、前記接触パッドと重ならないセキュアエレメントと
を備えるスマートカード。
【請求項2】
前記拡張ブロックが、少なくとも200μm、好ましくは少なくとも300μmの高さを有する、請求項1に記載のスマートカード。
【請求項3】
前記拡張ブロックが、複数の貫通孔を画定する電気絶縁材料のブロックを備え、前記貫通孔を介して前記導電路が延びている、請求項1または2に記載のスマートカード。
【請求項4】
前前記拡張ブロックが、機械的接続、導電性接着接続、および金属はんだ接続のうちの1つによって前記フレキシブル回路の接点および/または前記接触パッドの接点に電気的に接続されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項5】
前記スマートカードは、生体認証モジュールをさらに備え、前記生体認証モジュールは、前記スマートカードのベアラの身元を認証し、前記カードの前記ベアラの認証に応答して、前記スマートカードの前記セキュアエレメントにデータを送信するよう命令するように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項6】
前記スマートカードが、前記セキュアエレメントと通信するように構成されたアンテナを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項7】
前記カード本体が、プラスチック材料から形成され、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリウレタン(PU)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項8】
スマートカードを製造する方法であって、
接触パッドとの接続のための接点を有し、セキュアエレメントとの接続のために構成されたフレキシブル回路を提供する工程と、
拡張ブロックを通る導電路を介して接触パッド上の接点をフレキシブル回路基板上の接点に電気的に接続する工程と、
前記セキュアエレメントが前記接触パッドと重ならないようにセキュアエレメントをフレキシブル回路基板に電気的に接続する工程と、そして
フレキシブル回路を封入するカード本体を提供するために、フレキシブル回路に積層プロセスを適用する工程と
を含む方法。
【請求項9】
前記拡張ブロックをフレキシブル回路基板に電気的に接続する前に、前記拡張ブロックを前記接触パッドに電気的に接続する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記カード本体から積層材料を除去して前記接触パッドの前記表面を露出させる工程をさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、生体認証モジュールを前記フレキシブル回路に電気的に接続する工程をさらに含み、前記生体認証モジュールが、前記スマートカードのベアラの前記身元を認証し、前記スマートカードの前記ベアラの認証に応答して前記スマートカードの前記セキュアエレメントにデータを送信するよう命令するように構成されている、請求項8、9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記積層プロセスが、少なくとも150℃の温度で適用される熱積層プロセスである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
スマートカードを製造する方法であって、
接触パッドとの接続のための接点を有するフレキシブルスマートカード回路を封入するカード本体を提供する工程であり、セキュアエレメントが前記カード本体内に配置され前記フレキシブル回路に電気的に接続されており、前記接点を露出する前記カード本体内に空洞が形成されているカード本体を提供する工程と、
前記空洞内に、そこを通る経路を画定する拡張ブロック、および接点を有する接触パッドを挿入する工程と、そして
前記拡張ブロックの前記経路を介して前記接触パッド上の接点を前記フレキシブル回路上の前記接点に電気的に接続する工程と
を含む方法。
【請求項14】
前記拡張ブロックと前記接触パッドとを前記空洞に挿入する前に、前記拡張ブロックを前記接触パッドに電気的に接続する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記接点を電気的に接続する工程が、金属はんだ接続を形成する工程を含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記電気的接続が、機械的接続または導電性接着接続を含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項17】
前記カード本体を提供する工程が、前記カード本体から材料を除去して前記空洞を形成し前記接点を露出させる工程を含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記接触パッド上の接点を、前記拡張ブロックの前記経路を介して前記フレキシブル回路上の前記接点に電気的に接続した後に、前記カード本体に積層プロセスを適用することをさらに含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記カード本体を提供する工程が、前記カード本体を積層プロセスによって形成する工程を含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートカードおよびその製造方法に関し、より詳細には、スマートカードから露出される構成要素を、製造中にスマートカードの埋め込み型回路基板に取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカードという用語は、一般に、1つ以上の集積回路が埋め込まれた任意のポケットサイズのカードを指す。一般的なスマートカードのアプリケーションの例としては、支払カード、アクセスカードなどが挙げられる。
【0003】
接触パッドは、外部装置との電気的接触を可能にするスマートカードの指定された表面領域である。スマートカードが支払カード等の場合など、機密データを含む場合、セキュアエレメントがデータの記憶および処理に使用される。セキュアエレメントは、アプリケーションコードおよびアプリケーションデータを安全に記憶し、管理できるセキュアメモリおよび実行環境を提供する耐タンパチップである。セキュアエレメントは、カードに記憶されたデータへのアクセスが認証された場合にのみ提供されることを保証する。従来のスマートカードでは、セキュアエレメントは、接触パッドとセキュアエレメントとが単一のユニットを形成するように、接触パッドの背面に取り付けられている。接触パッドもセキュアエレメントも含む結合されたユニットは、しばしば接触モジュールと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スマートカード技術の最近の進展は、指紋センサなどの生体認証センサをスマートカードに組み込むことを可能にし、セキュリティの向上を可能にした。生体認証センサは、検出された生体認証データを読み取り、これをユーザ検証のためのマイクロコントローラに供給し、検証されると、マイクロコントローラは、セキュアエレメントが接触パッドを通して支払端末などと通信するように命令し、または可能にする。これは、生体認証モジュールがセキュアエレメントと直接通信することを必要とする。しかし、従来の接触モジュールのセキュアエレメントは完全に封入されており、相互作用する容易な方法はない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、スマートカードが、上記の生体認証などの追加のセキュリティ対策を含む場合、スマートカード内に接触パッドとセキュアエレメントとを別々に、すなわち各構成要素が、スマートカードの回路基板上のそれ自身の「不動産」を占有するように構成することは好都合であることが分かった。この構成は、生体認証モジュールによるセキュアエレメントのより簡単な制御を可能にする。例えば、セキュリティの低いアプリケーションでは、生体認証モジュールによって制御される単純なスイッチをセキュアエレメントと接触パッドとの間に設け、通信を許可または禁止することができる。しかし、この構成はまた、製造上の困難さを生じさせる。
【0006】
第1の態様から見ると、本発明は、スマートカードであって、フレキシブル回路を封入するカード本体と、カード本体から露出した接点を有する接触パッドと、接触パッドとフレキシブル回路との間のカード本体内に配置された拡張ブロックであり、接触パッドの接点がフレキシブル回路上の接点に導電路を介して電気的に接続されるように導電路を画定する拡張ブロックと、カード本体内に配置されフレキシブル回路に電気的に接続されたセキュアエレメントであり、接触パッドと重ならないセキュアエレメントとを備えるスマートカードを提供する。
【0007】
このスマートカードでは、接触パッドは、拡張ブロックによって依然として接触パッドを回路に電気的に接続している間に、カード本体から正しい高さで露出されるためにフレキシブル回路から持ち上げられている。したがって、接触パッドの外面は、好ましくは、スマートカードの外面と同一平面にあり、拡張ブロックは、電気的接続を提供するのと同様に、接触パッドと回路との間の正確な間隔を確保する。したがって、この構成は、セキュアエレメントが接触パッドのすぐ後ろ以外のどこかに配置されることを可能にし、それにより、セキュアエレメントとスマートカード内の他の構成要素との間の境界面がより簡単になる。
【0008】
上記の実施形態は接触パッドに関するものであるが、フレキシブル回路に接続され、スマートカードの本体から露出されることが要求される他の要素に対しても同じ構成が採用されてもよいことが理解されよう。
【0009】
スマートカードの厚さは、好ましくは、ISO/IEC7816によって規定されたスマートカードの厚さである約30ミル(〜762μm)である。同様に、スマートカードは、好ましくは、またISO/IEC7816によって規定されたスマートカードの寸法である3.375インチ(〜86mm)の高さおよび2.125インチ(〜54mm)の幅を有する。
【0010】
種々の構成において、拡張ブロックは、少なくとも200μm、好ましくは、少なくとも300μmの高さを有することができる。好ましくは、拡張部材の高さは350μm〜450μmである。拡張ブロックは、好ましくは、762μm未満の高さ、すなわちISO/IEC7816スマートカードの、および好ましくは、500μm未満の厚さを有する。
【0011】
拡張ブロックは、種々の形態をとり得る。例えば、一実施形態では、拡張ブロックは、複数の導電路を画定する電気絶縁材料のブロックを含む。拡張ブロックは貫通孔を含むことができ、導電路は貫通孔を通って延びる。例えば、導電路は、貫通孔の壁に形成された導電性メッキによって画定されてもよい。この構成では、材料の本体は、導電路を互いに絶縁しながら接触パッドを支持する。
【0012】
1つの構成では、接触パッドおよび/またはフレキシブル回路の接点に接続するために、貫通孔の近隣または上方に別の接点を設けることができる。接点は、導電路が拡張ブロックを通って1つの接点から別の接点へ延びるように貫通孔を覆うように配置することができる。あるいは、接点は、貫通孔を覆わないように配置され、導電路に電気的に接続されて、1つの接点と別の接点との間に電気的接続を形成してもよい。あるいは、またはさらに、貫通孔は、金属はんだまたは導電性エポキシのような導電性材料で充填されていてもよい。
【0013】
拡張ブロックは、任意の適切な手段によって、フレキシブル回路の接点および/または接触パッドの接点に電気的に接続することができる。例えば、フレキシブル回路および/または接触パッドとの電気的接続は、(表面実装技術などの)機械的接続、導電性接着接続、および金属はんだ接続のうちのいずれか1つを含むことができる。
【0014】
電気的接続の形成温度(例えば、硬化温度または溶融温度またはリフロー温度)は、カード本体の材料の溶融温度よりも低くてもよい。したがって、電気的接続を形成しても、カードの変形は生じない。一実施形態では、電気的接続は、150℃よりも低い、好ましくは140℃よりも低い形成温度を有し得る。
【0015】
カードの十分な寿命を保証するために、従来のはんだ付けができないスマートカードに一般に使用される材料の温度感受性に注意する必要がある。例えば、最も一般的なはんだは、溶融するためには約240℃を超す温度に加熱しなければならないが、積層カードを製造するのに使用される最も一般的な材料であるポリ塩化ビニル(PVC)は、ほんの160℃だけの溶融温度(および、ほんの80℃だけのガラス転移温度)を有する。積層カード用の充填剤としても一般に使用されているポリウレタン(PU)は、約240℃の温度への暴露によってもダメージを受け得る。
【0016】
積層後に接触パッドおよび/または拡張ブロックが追加される場合、上記のスマートカードは、カード本体の材料の過熱を避けるために、低温材料を用いて接触パッドおよびフレキシブル回路を拡張ブロックに導電的に接合することができる。低温の電気的接続の使用は、カード材料のいかなる物理的変形も回避する。あるいは、接触パッドおよび拡張ブロックは、カード材料の近傍にない間に、すなわち、カード本体内のその場にない間に、電気的に接続されてもよい。これにより、低温の電気的接続を使用する必要性を否定する一方で、カード材料の物理的変形を回避する。
【0017】
電気的接続は、導電性接着剤を含むことができ、導電性接着剤は、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも低い硬化温度を有することができる。例示的な導電性接着剤には導電性エポキシが含まれ、1つの好ましい実施形態では、接続は異方性導電性フィルム(ACF)を含む。しかし、電気的接続を提供するために、もちろん他の非溶融性の導電性樹脂を使用してもよい。
【0018】
電気的接続は、一般に加熱を必要としない表面実装技術を介する接続などの機械的接続を含むことができる。これは、熱的または物理化学的プロセスを必要としないという利点を有し、準備または待機時間なく室温製造を可能にする。1つの例示的な機械的接続は、エラストマーコネクタ(Zebraコネクタ(登録商標)ともいう)である。エラストマーコネクタは、対応する端子のそれぞれのステージにかみ合う交互の導電性および非導電性のステージを各々有する、嵌合された雄型端子および雌型端子を備える。
【0019】
別の例では、機械的接続は、拡張ブロックの表面に一致するように変形するように構成される埋め込み型導電性スタブを含むことができる。例えば、1つの構成では、スタブは、例えば、その表面に形成されたメッキに電気的に接続するように、拡張ブロックに形成された貫通孔に圧入するように構成することができる。スタブは、例えば、炭素または銀または銅製であり得る。あるいは、スタブは、かみ合いに(例えば貫通孔内に)圧入された後、加熱されて、はんだがリフローして永久的な接続を形成するように、はんだ材料製であり得る。
【0020】
電気的接続がはんだ接続を含む場合、はんだ接続を形成するはんだ材料は、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも低いリフロー温度を有することがあり、種々の実施形態では、はんだ材料の溶融温度は、カード本体を構成する材料の溶融温度よりも低いことがある。
【0021】
はんだ材料を使用する場合、はんだ材料はスズ−ビスマスはんだであってもよい。このようなはんだは、約139℃の一般的な溶融温度を有する。これは、PVCの160℃の溶融温度よりも低い。
【0022】
金属はんだ材料を使用することにより、カードが接触パッドとフレキシブル回路との間に金属−金属接続を採用することが可能になり、スマートカードに最大寿命を提供するための高い耐久性を提供する。−例えば、一般的な支払カードは、3年の最小寿命を有しなければならない。
【0023】
はんだまたは導電性接着剤のいずれかが使用される場合、はんだまたは導電性接着剤は、拡張ブロックの貫通孔を少なくとも部分的に充填してもよく、一実施形態では、貫通孔を介して、接触パッドの接点とフレキシブル回路との間に連続的接続が形成されてもよい。
【0024】
接触パッドに加えて1つ以上の構成要素をフレキシブル回路に接続することもできる。これらの構成要素は、カード本体内に埋め込まれてもよく(例えば、積層プロセス前に取り付けられてもよい)、カード本体から露出されてもよい。
【0025】
例えば、セキュアエレメントは、フレキシブル回路に接続されてもよい。セキュアエレメントは、好ましくは、カード本体内に埋め込まれる。フレキシブル回路は、拡張ブロックを介してセキュアエレメントと接触パッドとの間の通信を可能にするように構成することができる。上記のように、回路は、好ましくは、セキュアエレメントが拡張ブロックに接続された接触パッドと重ならないように(すなわち、スマートカードの面と直角な方向に見て)配置される。
【0026】
別の例では、生体認証モジュールをフレキシブル回路に接続することができる。生体認証モジュールは、カードのベアラの生体認証特性を検出して、記憶された生体認証データに基づいてその身元を認証するように構成することができる。生体認証モジュールは、カードのベアラの認証に応答してスマートカードのセキュアエレメントにデータを送信するように命令するように構成されてもよい。1つの特定の実施形態では、生体認証は指紋である。
【0027】
生体認証モジュールは、積層の前または後に、またはその2つの組合せで取り付けられてもよい。例えば、生体認証モジュールは、処理ユニットおよび生体認証センサを含むことができる。生体認証モジュールの処理ユニットは、カード本体内に埋め込まれていてもよく(すなわち、積層プロセスなどの前に回路に接続された)、生体認証モジュールのセンサは、カード本体から露出されていてもよい。この配置は、積層または他の製造技術の間に経験した高圧および温度による、センサ内の傷つきやすい構成要素がダメージを受けることを防止する。
【0028】
回路は、好ましくは、生体認証モジュール(そして特に、その処理ユニット)とセキュアエレメントおよび/または接触パッドとの間の通信を可能にするように構成される。別の実施形態では、回路は、セキュアエレメントと外部デバイスとの間の通信を許可または防止するためのスイッチを含むことができる(例えば、スイッチはセキュアエレメントと接触パッドの間に配置され得る)。次いで、回路は、好ましくは、生体認証モジュール(そして特に、その処理ユニット)がスイッチを制御することを許可するように構成される。
【0029】
接触パッドに加えて、スマートカードは、アンテナをさらに備えることができる。アンテナは、好ましくは、セキュアエレメントと通信するように構成される。したがって、スマートカードは、接触トランザクションも非接触トランザクションも許可することができる。
【0030】
スマートカードは、アンテナに接続された近距離無線通信(NFC)トランスポンダを含むことができる。スマートカードは、好ましくは、スマートカード内のエネルギー蓄積構成要素を用いて受信RF信号を整流しエネルギーを蓄積するように構成されたエネルギー収集回路を含む。
【0031】
カード本体は、プラスチック材料、好ましくはPVCおよび/またはPUから形成することができる。例えば、カード本体は、フレキシブル回路の両側にPVC層を備えることができ、PVC層の間に中間層を備える。中間層は、PVCまたはPUなどのプラスチック材料を含むことができる。
【0032】
種々の実施形態では、フレキシブル回路は、好ましくは、プラスチック材料上に印刷されるフレキシブルプリント基板である。プラスチック材料は、好ましくは、積層温度よりも高い溶融温度を有し、および/または積層によってダメージを受けない。例示的なプラスチック材料としては、ポリイミド、ポリエステルおよびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が挙げられる。
【0033】
第2の態様から見ると、本発明は、スマートカードを製造する方法であって、接触パッドに接続するための接点を有しセキュアエレメントに接続するように構成されたフレキシブル回路を提供する工程と、拡張ブロックを通る導電路を介して接触パッド上の接点をフレキシブル回路基板上の接点に電気的に接続する工程と、セキュアエレメントが接触パッドと重ならないようにセキュアエレメントをフレキシブル回路基板に電気的に接続する工程と、フレキシブル回路を封入するカード本体を提供するために、フレキシブル回路に積層プロセスを適用する工程とを含む方法を提供する。
【0034】
積層プロセス前の、接触パッド上の接点によるフレキシブル回路基板上の接点への拡張ブロックの経路を介した電気的な接続は、カード材料のあらゆる物理的変形を回避させる。
【0035】
種々の実施形態では、スマートカードは第1の態様に記載のスマートカードであり、その好ましい特徴のいずれか1つ以上またはすべてをこの方法にも適用することができる。
【0036】
上記のように、種々の形態の電気的接続を用いて、接点の一方または両方を拡張ブロックに接続することができる。例えば、電気的接続は、機械的接続、導電性接着接続、金属はんだ接続、またはそれらの組合せのうちのいずれか1つであり得る。
【0037】
電気的接続が導電性接着剤を使用する場合、本方法は、導電性接着剤を接触パッドの1つ以上またはすべての接点、拡張ブロックの片側または両側、およびフレキシブル回路の接点に塗布する工程を含むことができる。導電性接着剤は、導電性エポキシを含むことができ、好ましくは、異方性導電性フィルム(ACF)である。
【0038】
電気的接続が機械的接続を使用する場合、1つ以上の拡張ブロック、接触パッド、フレキシブル回路およびカード本体が機械的接続を備えてもよい。したがって、電気的に接続するステップは、好ましくは、接触パッドを拡張ブロックに機械的に電気的に接続するステップ、および/または拡張ブロックをフレキシブル回路またはカード本体に機械的に電気的に接続するステップを含む。
【0039】
一実施形態では、拡張ブロックは穴を含み、機械的接続は、フレキシブル回路および接触パッドの一方または両方の接点上に形成された導電性突起を含む。機械的に電気的に接続するステップは、突起を拡張ブロックの穴に圧入するステップを含むことができる。オプションとして、穴は貫通孔であってもよいが、あるいは、電気的に接続されたブラインドホールであってもよい。1つの構成では、機械的接続が、導電性突起を導電性ライニングに電気的に接続して接触パッドと回路との間に電気的接続を形成するように、穴は導電性ライニングを有する。オプションとして、導電性突起ははんだ材料から形成されてもよい。
【0040】
電気的接続がはんだ接続を使用する場合、電気的に接続するステップは、好ましくは、はんだ材料をリフローさせて電気的接続を形成させるためにはんだ材料を加熱する工程を含む。はんだのリフロー温度は、好ましくは、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも高い温度である。1つの構成では、拡張ブロックは、貫通孔を含み、本方法は、貫通孔を通して接触パッドの接点とフレキシブル回路の接点との間の電気的接続をはんだに形成させる工程を含む。
【0041】
積層プロセスをフレキシブル回路に適用する工程は、フレキシブル回路を積層シートの間に挟んで、プレ積層カード本体を形成するステップを含むことができる。フレキシブル回路は、積層シートの間に挟まれる前に中間層に入れられてもよい。接触パッドの表面を覆う積層シートは、積層前に打ち抜いて、接触パッドを露出させる穴を形成することができる。プレ積層カード本体を圧縮して加熱して、単一の積層カード本体を形成することができる。
【0042】
積層プロセスは、約150℃よりも高い温度で行われてもよい。一般的な積層温度はしばしば200℃よりも低い。例えば、一実施形態では、積層は、160℃〜190℃の温度で行われてもよい。
【0043】
カード本体は、熱積層に適したプラスチック材料から形成することができる。例えば、カード本体は、PVCおよび/またはPUの1つ以上の層を含むことができる。一実施形態では、カード本体は、フレキシブル回路の両側に外層(例えば、PVC層)を備え、外層の間に中間層を備える。中間層は、PVCまたはPUなどのプラスチック材料、またはシリコーンなどの他の材料を含むことができる。中間層は、液体または半固体/ペレット化材料を含むことができる。
【0044】
本方法は、接触パッドをカード本体の表面上に露出させるステップを含むことができる。これは、接触パッドが露出されるようにカード本体から積層材料を除去する工程を含むことができる。積層材料の除去は、フライス加工などの任意の適切なプロセスによって行うことができる。接触パッドとカードリーダーとの間の良好な電気的接触を確保するために、材料の除去が必要なことがある。積層プロセスの前に積層シートに穴が形成されたとしても、積層プロセス中に積層材料が接触パッド上で溶融し、積層材料の薄層が接触パッド上に形成されることがある。積層材料のこの薄層は、上記のように除去することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、セキュアエレメントをフレキシブル回路に接続することができる。この場合、セキュアエレメントは、好ましくは、積層プロセスの前に、すなわちカード本体内に封入されるように接続される。
【0046】
いくつかの実施形態では、生体認証モジュールをフレキシブル回路に接続することができる。生体認証モジュールは、積層プロセスの前または後に、またはその2つの組合せで取り付けられてもよい。例えば、生体認証モジュールは、処理ユニットおよび生体認証センサを含むことができる。生体認証モジュールの処理ユニットは、積層前に回路に接続され、センサは積層後に取り付けられてもよい。
【0047】
第3の態様から見ると、本発明は、スマートカードを製造する方法であって、接触パッドとの接続のための接点を有するフレキシブル回路を封入するカード本体であり、セキュアエレメントがカード本体内に配置されフレキシブル回路に接続され、接点を露出させるカード本体内に空洞が形成されているカード本体を提供する工程と、そこを通る経路を画定する拡張ブロック、および接点を有する接触パッドを空洞内に挿入する工程と、そして拡張ブロックの経路を介して接触パッド上の接点をフレキシブル回路上の接点に電気的に接続する工程とを含む、スマートカードを製造する方法を提供する。
【0048】
接点を電気的に接続するステップは、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも低い温度で行われてもよい。経路は、導電性材料によって充填されるべき導電路または貫通孔であってもよい。
【0049】
拡張ブロックおよび接触パッドは、空洞内への挿入前に電気的に接続されてもよい。これは、カード材料のいかなる物理的変形も回避し、したがって、カード本体を形成する材料の溶融温度をよりも高い温度で行われてもよい。拡張ブロックは、任意の適切な手段によって接触パッドの接点に電気的に接続することができる。例えば、接触パッドとの電気的接続は、機械的接続(表面実装技術を介するなど)、導電性接着接続、および金属はんだ接続のいずれか1つを含むことができる。
【0050】
種々の実施形態では、スマートカードは第1の態様に記載のスマートカードであり、その好ましい特徴のいずれか1つ以上またはすべてをこの方法にも適用することができる。
【0051】
上記のように、種々の形態の電気的接続を用いて、接点の一方または両方を拡張ブロックに接続することができる。例えば、電気的接続は、機械的接続、導電性接着接続、金属はんだ接続、またはそれらの組合せのうちのいずれか1つであり得る。一実施形態では、接触パッドとフレキシブル回路とを電気的に接続するステップは、150℃よりも低い、好ましくは140℃よりも低い温度で行われてもよい。
【0052】
電気的接続が導電性接着剤を使用する場合、本方法は、導電性接着剤を接触パッドの1つ以上またはすべての接点、拡張ブロックの片側または両側、およびフレキシブル回路の接点に塗布する工程を含むことができる。このステップは、好ましくは、接触パッドを空洞内に挿入する前に行われてもよい。本方法は、好ましくは、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも低い温度で導電性接着剤を硬化させる工程をさらに含む。導電性接着剤は導電性エポキシを含むことができ、好ましくは、異方性導電性フィルム(ACF)である。
【0053】
電気的接続が機械的接続を使用する場合、1つ以上の拡張ブロック、接触パッド、フレキシブル回路およびカード本体が機械的接続を備えてもよい。したがって、電気的に接続するステップは、好ましくは、接触パッドを拡張ブロックに機械的に電気的に接続する工程、および/または拡張ブロックをフレキシブル回路またはカード本体に機械的に電気的に接続する工程を含む。ステップは、好ましくは、ほぼ周囲の温度で行われる。
【0054】
一実施形態では、拡張ブロックは穴を含み、機械的接続は、フレキシブル回路および接触パッドの一方または両方の接点上に形成された導電性突起を含む。機械的に電気的に接続するステップは、次いで、突起を拡張ブロックの穴に圧入する工程を含むことができる。オプションとして、穴は貫通孔であってもよいが、あるいは、電気的に接続されたブラインドホールであってもよい。1つの構成では、穴は、機械的接続が導電性突起を導電性ライニングに電気的に接続して接触パッドと回路との間に電気的接続を形成するように、導電性ライニングを有する。オプションとして、導電性突起は、はんだ材料から形成されてもよい。
【0055】
電気的接続がはんだ接続を使用する場合、電気的に接続するステップは、好ましくは、はんだ材料をリフローさせて電気的接続を形成させるためにはんだ材料を加熱する工程を含む。加熱は、好ましくは、カード本体を形成する材料の溶融温度よりも低い温度までである。接触パッドをフレキシブル回路に電気的に接続する工程は、超音波はんだ付けを使用することができ、すなわち、はんだ材料を溶融するために超音波エネルギーが使用される。超音波加熱プロセスを使用すると、熱のみを適用する場合よりも低い温度ではんだがリフローすることになる。1つの構成では、拡張ブロックは貫通孔を含み、本方法は、貫通孔を通して接触パッドの接点とフレキシブル回路の接点との間の電気的接続をはんだに形成させる工程を含む。
【0056】
カード本体を提供する工程は、カード本体から材料を除去して空洞を形成しフレキシブル回路の接点を露出させる工程を含むことができる。好ましくは、材料を除去するステップは、接触パッドおよび拡張ブロックがそこに収容されるときに接触パッドがカード本体の表面を越えて突出しないように十分に除去する工程を含む。
【0057】
材料を除去するステップは、回路の接点から材料を除去して、接触パッドまたは拡張ブロックとの接続のための平らな接触面を形成する工程を含むことができる。これは、良好な電気的接続を確保するために、はんだ付けまたは接着剤の接続が行われる場合に特に有用である。
【0058】
材料を除去するステップは、好ましくは、フレキシブル回路を露出させない、すなわち接点のみが露出される。
【0059】
材料の除去は、フライス加工などの任意の適切なプロセスによって実行することができる。フライス加工が記載されているが、空洞を形成する任意の適切な方法を使用することができることに留意されたい。例えば、空洞は代わりに、カード本体内で化学的にエッチングされてもよく、および/または積層プロセス前/中に少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0060】
材料を除去するステップは、カードが積層された後、または積層の前に、例えば、構成要素がすでに定位置にある場合に実行することができる。代替の実施形態では、カード本体は、空洞を形成するために材料の除去が必要とされないように形成されてもよい。例えば、空洞は、カードの積層前に切断されてもよく、または積層プロセス中に成形されてもよい。例えば、積層シートは、より長いフライス加工プロセスを避けるために積層前に打ち抜かれてもよい。
【0061】
カード本体を提供する工程は、カード本体を形成する工程を含むことができる。一実施形態では、カード本体は熱積層プロセスによって形成される。熱積層プロセスは、約150℃よりも高い温度で行われてもよい。一般的な積層温度はしばしば200℃よりも低い。例えば、一実施形態では、積層は、160℃〜190℃の温度で行われてもよい。
【0062】
カード本体は、熱積層に適したプラスチック材料から形成することができる。例えば、カード本体は、PVCおよび/またはPUの1つ以上の層を含むことができる。一実施形態では、カード本体は、フレキシブル回路の両側に外層(例えば、PVC層)を備え、外層の間に中間層を備える。中間層は、PVCまたはPUなどのプラスチック材料、またはシリコーンなどの他の材料を含むことができる。中間層は、液体または半固体/ペレット化材料を含むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、セキュアエレメントをフレキシブル回路に接続することができる。この場合、セキュアエレメントは、好ましくは、積層プロセスの前に、すなわちカード本体内に封入されるように、接続される。
【0064】
いくつかの実施形態では、生体認証モジュールをフレキシブル回路に接続することができる。生体認証モジュールは、積層プロセスの前または後に、またはその2つの組合せで取り付けられてもよい。例えば、生体認証モジュールは、処理ユニットおよび生体認証センサを含むことができる。生体認証モジュールの処理ユニットは積層前に回路に接続されてもよく、センサは積層後に取り付けられてもよい。
【0065】
本発明の特定の好ましい実施形態を、例示のみを意図して、添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】スマートカード用のフレキシブルプリント回路基板アセンブリである。
図2】スマートカードの接触パッドをフレキシブルプリント回路基板アセンブリに接続するための拡張部材の平面図である。
図3】スマートカードの接触パッドをフレキシブルプリント回路基板アセンブリに接続するための拡張部材の側面図である。
図4】スマートカードの接触パッドをフレキシブル回路基板アセンブリに接続するための代替の拡張部材の平面図である。
図5】スマートカードの接触パッドをフレキシブル回路基板アセンブリに接続するための代替の拡張部材の側面図である。
図6】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第1の方法のステップである。
図7】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第1の方法のステップである。
図8】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第1の方法のステップである。
図9】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第1の方法のステップである。
図10】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第1の方法のステップである。
図11】この方法によって製造されたスマートカードである。
図12】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第2の方法のステップである。
図13】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第2の方法のステップである。
図14】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第2の方法のステップである。
図15】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第3の方法のステップである。
図16】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第3の方法のステップである。
図17】接触パッドをスマートカード内のフレキシブルプリント回路基板アセンブリに取り付ける第3の方法のステップである。
【発明を実施するための形態】
【0067】
明確にするために、図1〜10および12〜17に示す種々の部分の厚さは、かなり誇張されていることに留意されたい。図に示すタイプのスマートカードの実施態様では、カードの幅は約86mmである一方、カードの厚さは1mm未満である。762μmの外面間の総厚は、ISO規格に基づいて一般的である。
【0068】
図1は、スマートカード102用のフレキシブルプリント回路基板アセンブリ(FPCBA)10を示す。回路基板アセンブリ10は、スマートカード102内に埋め込まれるべき種々の構成要素が取り付けられたフレキシブルプリント回路基板12を備える。これらの構成要素は、後記のような熱積層プロセス中に生じる温度および圧力に耐えることができる。
【0069】
図1には、両方ともフレキシブル回路基板12に接続されているセキュアエレメント14および指紋処理ユニット16が示されている。しかし、種々の実施形態では、これらのいずれも存在しないかもしれず、および/または、さらなる構成要素が存在するかもしれない。
【0070】
指紋処理ユニット16は、図10に示すエリア指紋リーダ130などの指紋センサ130に接続される場合、指紋認証モジュールの一部を形成する。処理ユニット16は、生体認証照合を合理的な時間内に実行できるように、非常に低電力かつ非常に高速であるように選ばれるマイクロプロセッサを備える。
【0071】
指紋認証エンジンは、指紋リーダ130に提示された指または親指をスキャンし、処理ユニット16を用いてスキャンされた指または親指の指紋を予め記憶された指紋データと比較するように構成される。次いで、スキャンされた指紋は、予め記憶された指紋データと一致するかどうかについて判定が行われる。
【0072】
一致と判定されると、指紋認証エンジンはセキュアエレメント14を認証して、接触パッド20を介して(図1に破線で示す)カードからのデータを送信する。FPCBA10上には、接触パッド20が拡張ブロック18を介して接続される複数の導電性接点13が形成されている。
【0073】
図2および3は、拡張ブロック18を示す。拡張ブロック18は、スマートカード102の面とほぼ直角な方向にフレキシブル回路基板12から離れるように延びる。拡張ブロック18は、約300μm〜400μmの高さを有する。
【0074】
拡張ブロック18は、貫通孔34が形成される電気絶縁部材32から形成されている。貫通孔34は、拡張ブロック18の一方の面から他方へ延びている。貫通孔34は、拡張ブロック18の一方の面から他方へ電気を導くように導電性ライニングによって並べられている。
【0075】
拡張ブロック18の各面には、複数の接点36、38が形成されている。拡張ブロックの上面に形成された接点36は、接触パッド20の接点21に対応するように構成されている。拡張ブロック18の下面に形成された接点38は、FPCBA10の接点13に対応するように構成されている。上面の接点36の各々は、貫通孔34の一方を介して下面の接点38に電気的に接続されている。したがって、接触パッド18が回路基板12の接点13および接触パッド20の接点21に接続されると、接触パッド20は回路基板12に電気的に接続される。
【0076】
接点36、38は、図2に示すように、貫通孔34に隣接して形成することができる。あるいは、図4および5に示すように、貫通孔34’が下面の接点38’から上面に形成された接点26’まで延びるように、貫通孔34’を接点36’、38’の中心に配置することができる。
【0077】
第1の製造方法に従って、積層カード本体22が最初に形成される。スマートカード102の本体22を形成するために、FPCBA10は、ポリウレタン(PU)充填材24に入れられ、2つのポリ塩化ビニル(PVC)シート26、28の間に挟まれる。2つのPVCシート26、28は、各々、約80μmの厚さを有し、FPCBA10およびPU充填材24によって形成された中間層は、約540μmの厚さを有する。次いで、予め積層されたカード本体を圧縮し、160℃〜190℃の温度に加熱して、単一の積層カード本体22を形成する。積層カード本体22を図6に示す。
【0078】
次に、積層されたカード本体22の中に空洞30がフライス加工される。空洞30は、接触パッド20の表面がカード本体22の表面と同一平面になるように、拡張ブロック18および接触パッド20を収容するのに十分な深さまでフライス加工される。フライス加工はまた、接点が、平坦化され拡張ブロック18を取り付けることができる均一の平らな表面を形成するように、FPCBA10の接点13を切り込む。空洞30を図7に示す。
【0079】
拡張ブロック18をスマートカードに取り付けるために、スズ−ビスマスはんだを使用して、拡張ブロック18の後部接点38上にはんだ小塊を形成する。次いで、図8に示すように、拡張ブロック18の接点38を回路基板12の接点13と整列するように、拡張ブロック18が空洞30内に挿入される。
【0080】
拡張ブロック18とFPCBA10との間に永久的接続を形成するために、超音波エネルギーを使用して、スズ−ビスマスはんだ小塊をそのリフロー温度よりも高く加熱する。スズ−ビスマスはんだを使用すると、カード本体22の材料にダメージを与えないその溶融温度(約139℃)よりも低い温度で構成要素をリフローすることができる。スズ−ビスマスはんだは、接触パッド20がFPCBA10のセキュアエレメント16および他の構成要素14と通信するために必要とされる接続を提供するのに十分導電性である。
【0081】
次に、接触パッド20が拡張ブロック18に接続される。再び、スズ−ビスマスはんだを使用して、拡張ブロック18の上面の接点36上にはんだ小塊34を形成する。次いで、図9に示すように、拡張ブロック18の上部接点36が接触パッド20の接点21と整列するように、接触パッド20が空洞30内に挿入される。超音波エネルギーをまた使用して、リフロー温度よりも高くスズ−ビスマスはんだ小塊34を加熱して、接触パッド20と拡張ブロック18との間の永久的接合を形成する。
【0082】
図10および11は、接触パッド20が、このように、拡張ブロック18を介してセキュアエレメント16に電気的に接続されている場合の組み立てられたカード102を示す。さらに、拡張ブロック18は、接触パッド20を、スマートカード本体22の前面と同一平面になるように、正しい高さで支持する。
【0083】
第2の製造方法に従って、空洞30を有するカード本体22が、第1の実施形態と同様に(図6および7に示すように)形成される。しかし、第2の製造方法では、拡張ブロック18と接触パッド20とが、積層カード本体22の空洞30内に挿入される前に接続されている。
【0084】
拡張ブロック18を接触パッド20に接続するために、はんだ小塊が拡張ブロック18の上部接点36上に形成される。次いで、図12および13に示すように、拡張ブロック18の上面の接点36が、接触パッド20の接点21と整列するように、接触パッド20が拡張ブロック18の上面に配置される。
【0085】
第1の製造方法と異なり、拡張ブロック18と接触パッド20とを接続するために、カード本体の材料の溶融温度よりも低い溶融温度を有するはんだを使用する必要はない。拡張ブロック18と接触パッド20とを、それらを空洞30に挿入する前に接続することによって、任意の適切なはんだ材料を使用することができる。さらに、拡張ブロック18と接触パッド20との間の接続を検査して良好な接触を確保することができる。
【0086】
拡張ブロック18および接触パッド20をスマートカードに取り付けるために、スズ−ビスマスはんだを使用して、拡張ブロック18の後部接点38上にはんだ小塊を形成する。次いで、図14に示すように、拡張ブロック18の接点38が回路基板12の接点13と整列するように、拡張ブロック18と接触パッド20とを空洞30に挿入する。
【0087】
拡張ブロック18とFPCBA10との間に永久的接続を形成するために、超音波エネルギーを使用して、スズ−ビスマスはんだ小塊をそのリフロー温度よりも高く加熱する。スズ−ビスマスはんだを使用することにより、カード本体22の材料にダメージを与えない溶融温度(約139℃)よりも低い温度で構成要素をリフローすることができる。スズ−ビスマスはんだは、接触パッド20がFPCBA10のセキュアエレメント16および他の構成要素14と通信するために必要とされる接続を提供するのに十分導電性である。
【0088】
したがって、組み立てられたカード102では、接触パッド20は、拡張ブロック18を介してセキュアエレメント16に電気的に接続される。さらに、拡張ブロック18は、接触パッド20を、カード本体22の前面と同一平面になるように、正しい高さで支持する。
【0089】
第1と第2の両製造方法において、カード本体22を形成した後に電気的接続を行う場合に、好ましくは、例えば、接触パッド20、拡張ブロック18とFPCBA10との間の電気的接続の形成温度(例えば、硬化温度、溶融温度またはリフロー温度)が、カード本体22の材料の溶融温度よりも低くなるようにする。従って、電気的接続を形成してもカード本体22が変形することはない。これを達成するために、電気的接続は150℃よりも低い、好ましくは140℃よりも低い形成温度を有することが期待される。
【0090】
例えば、最も一般的なはんだは、溶融するためには約240℃を超す温度に加熱しなければならないが、積層カードを製造するのに使用される最も一般的な材料であるポリ塩化ビニル(PVC)は、ほんの160℃だけの溶融温度(および、ほんの80℃だけのガラス転移温度)を有する。ラミネートカード用の充填材としても一般に使用されているポリウレタン(PU)は、約240℃の温度への暴露によってダメージを受ける。
【0091】
カード本体材料の過熱を避けるために、低融点はんだが使用される。低温の電気的接続の使用は、カード材料のいかなる物理的変形も回避する。
【0092】
代替的に(図示せず)、導電性接着剤を使用して、接触パッド20およびFPCBA10を拡張ブロック18に導電的に接合することができる。導電性接着剤は、好ましくは、カード本体22を形成する材料の溶融温度よりも低い硬化温度を有する。例示的な導電性接着剤には導電性エポキシが含まれ、1つの好ましい実施形態では、接続は異方性導電性フィルム(ACF)を含む。しかし、電気的接続を提供するために、もちろん他の非溶融性の導電性樹脂を使用してもよい。
【0093】
さらなる代替の接続(図示せず)は、接触パッド20およびFPCBA10を拡張ブロック18に導電的に接合するための機械的接続である。表面実装技術を介する接続などの機械的接続は、一般には加熱を必要としない。これは、熱的または物理化学的プロセスを必要としないという利点を有し、準備または待機時間なく室温製造を可能にする。1つの例示的な機械的接続は、エラストマーコネクタ(Zebraコネクタ(登録商標)ともいう)である。エラストマーコネクタは、対応する端子のそれぞれのステージにかみ合う交互の導電性および非導電性のステージを各々有する、嵌合された雄型端子および雌型端子を備える。
【0094】
あるいは、機械的接続は、拡張ブロック18の表面に一致するように変形するように構成される埋め込み型導電性スタブを含むことができる。スタブは、接点36、38に電気的に接続するように、拡張ブロック18に形成された貫通孔34に圧入するように構成することができる。スタブは、炭素または銀または銅製であり得る。あるいは、スタブは、かみ合いに(例えば貫通孔内に)圧入された後、加熱されて、はんだがリフローして永久的な接続を形成するように、はんだ材料製であり得る。
【0095】
図15〜17は、上記の第1および第2の方法の変形であるスマートカード102の第3の製造方法を示している。第1および第2の実施形態に関して説明した構成要素に対応する構成要素は、同じ参照番号を100増やしている。繰り返しを避けるために、これらの方法の間の相違点のみを以下に説明する。第1および第2の方法に関連する構成要素の説明は、第3の方法に関して以下に説明する対応する構成要素に適用される。
【0096】
第3の製造方法では、拡張ブロック118および接触パッド120は、取り付けられたプレ積層であり、カード本体122は、接触パッド120と拡張ブロック118とがFPCBA110に接続された後に積層される。はんだが使用されて、拡張ブロック118の上面の接点136上にはんだ小塊134を形成する。次いで、接触パッド120は、拡張ブロック118の上面の接点136が接触パッド120の接点121と整列するように、拡張ブロック118の上面に配置される。
【0097】
次に、拡張ブロック118がFPCBA110に接続される。再び、はんだが使用されて、拡張ブロック118の後部の接点138上にはんだ小塊134を形成する。次いで、拡張ブロック118は、図15に示すように、拡張ブロック118の接点138が、回路基板112の接点113と整列するように、FPCBA110の上面上に配置される。
【0098】
次いで、FPCBA110は、ポリウレタン(PU)充填材124に入れられ、2つのポリ塩化ビニル(PVC)シート126、128の間に挟まれる。2つのPVCシート126、128は各々約80μmの厚さを有し、FPCBA110およびPU充填材124によって形成された中間層は約540μmの厚さを有する。PVCシート128が積層前にPU充填材124の表面上に配置されるときに、接触パッド120が露出されるように、上部PVCシート128に穴が開けられる。
【0099】
次いで、予め積層されたカード本体を圧縮し、160℃〜190℃の温度に加熱して、図16に示すように、単一の積層カード本体122を形成する。
【0100】
接触パッド120を拡張ブロック118に、拡張ブロック118をFPCBA110に接続するために使用されるはんだは、接触パッドがFPCBAのセキュアエレメント116および他の構成要素114と通信するのに必要な接続を提供するのに十分な導電性でなければならない。はんだはまた、はんだが積層プロセス中に溶融しないように、カード本体122を積層するために使用される温度よりも高い溶融温度を有しなければならない。
【0101】
積層プロセス中に、上部PVCシート128の一部が溶融して、接触パッド120を覆う積層による薄い層を形成し、それがカードとの電気的接続を妨げることがあり得る。接触パッド120上で溶融した可能性のある積層材料は、接触パッド120の上および周囲で積層カード本体122に穴を開けることによって除去される。図17に示されるように、積層材料は、カード本体122の表面が露出されるように接触パッド120の表面から除去される。
【0102】
組み立てられたカードにおいて、接触パッド120は、拡張ブロック118を介してセキュアエレメント116に電気的に接続されている。さらに、拡張ブロック118は、接触パッド120を、カード本体122の前面と同一平面になるように、正しい高さで支持する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】