(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-511603(P2019-511603A)
(43)【公表日】2019年4月25日
(54)【発明の名称】射出成形によって得られたスポーツ用品の製造のための低温で剛直で延性であるポリアミド系組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 77/00 20060101AFI20190329BHJP
C08L 23/26 20060101ALI20190329BHJP
C08K 5/524 20060101ALI20190329BHJP
C08K 5/13 20060101ALI20190329BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20190329BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20190329BHJP
G02C 7/00 20060101ALI20190329BHJP
A63B 71/08 20060101ALI20190329BHJP
【FI】
C08L77/00
C08L23/26
C08K5/524
C08K5/13
A41D13/06
A41D13/00 115
G02C7/00
A63B71/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-548694(P2018-548694)
(86)(22)【出願日】2017年3月16日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】FR2017050606
(87)【国際公開番号】WO2017158301
(87)【国際公開日】20170921
(31)【優先権主張番号】1652298
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サバール,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】チプリアーニ,レジス
(72)【発明者】
【氏名】ロワイヤン,カリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】シュミネ,エレナ
(72)【発明者】
【氏名】ユスターシュ,ルネ−ポール
【テーマコード(参考)】
2H006
3B011
4J002
【Fターム(参考)】
2H006BA01
3B011AA01
3B011AA14
3B011AB11
3B011AB13
3B011AC04
4J002BB152
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4J002CL011
4J002CL021
4J002CL031
4J002CL051
4J002EJ036
4J002EW066
4J002FD076
4J002FD202
4J002GC00
4J002GK01
4J002GP00
(57)【要約】
特にスポーツ用品又は光学物品の製造のための、(A)65%〜95%、特に65%〜93%、特に65%〜90%の以下、即ち、その窒素原子に対する炭素原子の平均数が9より大きい、10〜90重量%の少なくとも1種の半結晶性ポリアミド、90〜10重量%の少なくとも1種の非晶質ポリアミドを含むポリアミドブレンド、(B)5%〜30%、特に7%〜30%、特に10%を超え30%までの少なくとも1種の衝撃改質剤又は少なくとも1種のコア−シェル体又はそれらの混合物、(C)0〜5%、特に0.1〜5%の、安定剤、着色剤、可塑剤、繊維、充填剤、加工助剤又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤を含む組成物であって、その合計は100%に等しく、該非晶質ポリアミドは、組成物が低温で十分に延性であり、剛性であり、特にISO 179 1eA規格に従って求められたDBT<0℃及びISO 178:2010規格に従って求められた900MPaを超える曲げ弾性率を有するように充分な割合で存在し、該組成物はPEBAを含まない該組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量で、
(A) 65%〜95%の以下を含むポリアミド混合物、
・ 10〜90重量%の少なくとも1種の半結晶性ポリアミドであって、その窒素原子に対する炭素原子の平均数が9より大きく、該半結晶性ポリアミドが式A/Zのものであり、該式中、
− Aは、少なくとも1種のアミノ酸の重縮合から得られた単位、少なくとも1種のラクタムの重縮合から得られた単位、及び
− 少なくとも1種のジアミンであって、該ジアミンは直鎖又は分岐の脂肪族ジアミン又はその混合物であるジアミン、及び
− 少なくとも1種のジカルボン酸であって、該二酸は直鎖又は分枝の脂肪族二酸であるジカルボン酸
(ただし、前記ジアミン及び前記二酸は4〜36個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子を含む)
の重縮合から得られる単位X.Y
から選択される脂肪族繰り返し単位であり、
− Zは、別の脂肪族繰り返し単位脂肪族繰り返し単位又はAとは異なるXY単位を表し、0〜20%含まれる、
半結晶性ポリアミド、
・ 90〜10重量%の少なくとも1種の非晶質ポリアミド、
(B) 7%〜30%、特に10%を超え30%までの少なくとも1種の衝撃改質剤又は少なくとも1種のコア−シェル体又はそれらの混合物
(C) 0〜5%、特に0.1〜5%の、安定剤、染料、可塑剤、繊維、充填剤、加工助剤又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤
を含み、その合計は100%に等しい組成物であって、
前記非晶質ポリアミドが、前記組成物が低温で十分に延性であり、かつ剛性であり、そして特に規格ISO 179 1eAに従って求められたTDB<0℃及び規格ISO 178:2010に従って求められた900MPaを超える曲げ弾性率を有するように充分な割合で存在し、前記組成物がPEBAを含まない、
組成物。
【請求項2】
前記半結晶性ポリアミドが前記非晶質PAと相溶性であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(B)が衝撃改質剤であり、前記組成物が実質的に透明でないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(B)がコア−シェル体であり、前記組成物が透明であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
(A)中の前記半結晶性ポリアミドが、40〜70%、特に50〜65%の割合で存在し、前記非晶質ポリアミドがそれぞれ30〜60%、特に35%〜50%で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記半結晶性ポリアミドが脂肪族半結晶性ポリアミドである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記脂肪族半結晶性ポリアミドが、PA11、PA12、PA1010、PA1012、特にPA11から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記非晶質ポリアミドが式B/X1Y1のポリアミドであり、該式中、
− Bは、少なくとも1種のアミノ酸の重縮合から得られた単位、少なくとも1種のラクタムの重縮合から得られた単位、及び少なくとも1種の脂肪族ジアミンと少なくとも1種の脂肪族二酸との重縮合から得られた単位から選択される脂肪族繰り返し単位であり、
− X1は脂環式ジアミンであり、
− Y1はジカルボン酸であり、二酸は、脂肪族二酸、脂環式二酸及び芳香族二酸から選択され、
前記ジアミン及び前記二酸が、4〜36個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子を含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記非晶質ポリアミドが、11/B10、12/B10、11/BI/BT、11/BI、特に11/B10から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記脂肪族半結晶性ポリアミドがPA11であり、前記非晶質ポリアミドが11/B10である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記衝撃改質剤が、ポリオレフィン又はいくつかのポリオレフィンの混合物から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリオレフィン又は前記ポリオレフィンの混合物が、無水マレイン酸官能基、カルボン酸官能基、カルボン酸無水物官能基、エポキシド官能基から選択される官能基を有し、特にエチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンエラストマー(EPR)、エラストマー性のエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー(EPDM)及びエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーから選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
Z=0である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
(B)が10%超〜20%、特に11%〜20%の割合の衝撃改質剤である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
(A) 75%〜90%
(B) 10%超〜20%、特に11%〜20%、
(C) 0.1%〜5%、
を含み、合計A+B+Cは100%に等しい、請求項13又は14に記載の組成物。
【請求項16】
前記半結晶性ポリアミド及び/又は前記非晶質ポリアミドが、部分的に又は完全にバイオベースである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
押出成形、射出成形、成型又は熱成形によって得られる物品の製造のための、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項18】
スポーツ用品、特にスキーブーツ又はスキーブーツの一部又はスタッド付きの硬質ブーツ、例えば、サッカー、ラグビー又はアメリカンフットボールのブーツ、ホッケーブーツ又はホッケーブーツの一部、又はランニングシューズ、ゴルフボール又はゴルフボールの一部、又はラクロススティック、又はホッケー用品、例えば、ヘルメット、及び頭部、肩、肘、手、膝、背中又は脛を保護するためのスポーツ用品、例えば、ヘルメット、手袋、肩パッド、肘パッド、膝パッド、脛パッドから選択される射出成形により得られる物品の製造のための、請求項17に記載の組成物の使用。
【請求項19】
光学物品、特に眼鏡又はゴーグル、特にスポーツをするときに使用される眼鏡又はゴーグル、例えば、保護眼鏡又はスキーゴーグルである、射出成形によって得られる物品の製造のための、請求項17に記載の組成物の使用。
【請求項20】
押出によって得られた物品、例えば、フィルムの製造のための、請求項17に記載の組成物の使用。
【請求項21】
物品、特にスキーブーツ又はローラーブレード又はホッケーブーツの一部、特にスキーブーツの一部、又は眼鏡又はゴーグル、特にスポーツ眼鏡又はゴーグル、特に保護眼鏡又はスキーゴーグルを熱成形するための、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項22】
その後に顆粒を得るために、構成成分(A)、(B)及び(C)を押出機中で230℃〜250℃の温度で溶融ブレンドする工程を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物の調製方法であって、顆粒はその後230℃〜330℃の間の温度で射出成形機に注入されて所望の物品を得る、方法。
【請求項23】
乾燥混合物の形態で、又は押出機での混合後に製造され得る請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物を含む、特に実質的に透明でない、繊維、布地、フィルム、シート、ロッド、チューブ又は射出成形された部品といった成形品。
【請求項24】
スポーツ用品、特にスキーブーツ又はスキーブーツの一部又はスタッド付きの硬質ブーツ、例えば、サッカー、ラグビー又はアメリカンフットボールのブーツ、ホッケーブーツ又はホッケーブーツの一部、又はランニングシューズ、ゴルフボール又はゴルフボールの一部、又はラクロススティック、又はホッケー用品、例えば、ヘルメット、又は頭部、肩、肘、手、膝、背中又は脛を保護するためのスポーツ用品、例えば、ヘルメット、手袋、肩パッド、肘パッド、膝パッド、脛パッドからなることを特徴とする、請求項23に記載の物品。
【請求項25】
光学物品、特に眼鏡又はゴーグル、特にスポーツをするときに使用される眼鏡又はゴーグル、例えば、保護眼鏡又はスキーゴーグルからなることを特徴とする、請求項23に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛性、延性、疲労強度、射出可能性及び熱成形性の有利な妥協点を有する、射出成形によって得られるスポーツ用品の製造のための、低温で剛性及び延性であるポリアミド系組成物、及びその使用に関する。
【0002】
本発明はまた、前記組成物の製造方法、並びに前記組成物で製造された物品、例えば、繊維、布地、フィルム、シート、ロッド、チューブ又は射出成形部品、特にスポーツ用品、特にスキーブーツ又はスキーブーツの一部又はスタッド付きの硬質ブーツ、例えば、サッカー、ラグビー又はアメリカンフットボールのブーツ、ホッケーブーツ又はホッケーブーツの一部、又はランニングシューズ、ゴルフボール又はゴルフボールの一部、又はラクロススティック、又はホッケー用品、例えば、ヘルメット、又は参加者が強い衝撃を受ける全ての種類のスポーツにおける頭部、肩、肘、手、膝、背中又は脛を保護するためのスポーツ用品、例えば、ヘルメット、手袋、肩パッド、肘パッド、膝パッド、脛パッド、光学物品、特に眼鏡又はゴーグル、特にスポーツをするときに使用される眼鏡又はゴーグル、例えば、保護眼鏡又はスキーゴーグルに関する。
【背景技術】
【0003】
スポーツ用品の製造業者は、いくつかの課題に直面している。
【0004】
用品は、使用中に消費されるエネルギーを可能な限り減らすために、より軽くなる方向に進化しなければならない。
【0005】
また、それらは、スポーツ選手が運動制御に必要な感覚を得ることができ、筋肉刺激を迅速に伝達することを可能にしなければならない。
【0006】
部品の剛性は、この部品の構成材料の弾性率及び壁厚の3乗に直接関連する。
【0007】
弾性率が高い材料は、部品の厚さを減らすことができ、したがって、スポーツ選手にとって必須の良好な弾性回復に必要な剛性を維持しながら、これらの部品の重量をかなり減らすことができる。
【0008】
多くのスポーツ用品では、良好な耐衝撃性(例えば、スキーブーツの低温衝撃)及び繰り返される応力に対する良好な耐性(例えば、フットボールブーツの靴底、肩パッド、肘パッド、膝パッド、脛パッドの曲がり)を保証することも必要である。
【0009】
この用品、特にスキーブーツは、ブーツ、特にブーツのつま先を足に完全に適合させることができるように、熱成形性を持たなければならない。
【0010】
同様に、本発明の組成物の剛性、耐衝撃性及び熱成形性の組合せは、光学用途に有利である。本発明の組成物は、特に、使用中の安全性及び快適性を高めるために、加熱後に顔(耳、鼻等)の形態に対し眼鏡又はゴーグルのフレームの形状を調整する可能性を提供する。
【0011】
また、用品は、容易に射出成形することができなければならず、外観が完璧で、様々な色で着色する能力を有する部品を得ることを可能にしなければならない。
【0012】
国際出願WO2014/037647号は、以下の一般式A/X.Yのコポリアミドを含む透明な組成物を記載しており、単位Xは、脂環式ジアミン単位を表し、この組成物は、特にスポーツシューズの靴底又は靴底の構成要素等の透明な成形品の製造に使用される。
【0013】
国際出願WO09/153534号には、特に様々な物品、例えば、眼鏡フレーム、眼鏡レンズ、電気、電子又はモーター自動車用装置、手術用機器、包装又はその他のスポーツ用品の製造のための非晶質ポリアミド、半結晶性ポリアミド及びエラストマーを含む組成物が記載されている。
【0014】
出願US2011/105697号は、スポーツ用品の製造のための透明物品の製造のための、非晶質ポリアミド、半結晶性ポリアミド及びエラストマーを0〜10%の割合で含む透明成形組成物を記載する。
【0015】
特許EP1227131号には、スキー板の頂部を装飾するための非晶質ポリアミド、半結晶性ポリアミド、及び柔軟性改質剤を含む透明組成物が記載されている。
【0016】
しかし、これらの組成物のいずれも、周囲温度における剛性、低温での延性及び疲労強度の間のほどよい特性を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第2014/037647号
【特許文献2】国際公開第2009/153534号
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/105697号明細書
【特許文献4】欧州特許第1227131号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、剛性、衝撃及び屈曲寿命の間の妥協点を示し、スポーツ用品の射出成形のために最適化された流動性及び熱成形性を有する、非晶質ポリアミド、半結晶性ポリアミド及び衝撃改質剤のブレンドの開発からなる。
【0019】
したがって、本出願人は、驚くべきことに、特定の範囲の非晶質ポリアミド、特定の範囲の半結晶性ポリアミド及び特定の範囲の衝撃改質剤を選択することにより、衝撃レベル、剛性、薄い部品の射出成形のための加工性間の良好な妥協点を有し、特にスポーツ用品の製造のために意図された優れた熱成形性を有する組成物の調製が可能になったことを見出した。
【0020】
本発明は、重量で、
(A) 65%〜95%、特に65%〜93%、特に65%〜90%の、以下を含むポリアミド混合物、
・ 10〜90重量%の少なくとも1種の半結晶性ポリアミドであって、その窒素原子に対する炭素原子の平均数が9より大きく、該半結晶性ポリアミドが式A/Zのものであり、該式中、
− Aは、少なくとも1種のアミノ酸の重縮合から得られた単位、少なくとも1種のラクタムの重縮合から得られた単位、及び − 少なくとも1種のジアミンであって、該ジアミンは直鎖又は分岐の脂肪族ジアミン又はその混合物であるジアミン、及び
− 少なくとも1種のジカルボン酸であって、該二酸は直鎖又は分枝の脂肪族二酸であるジカルボン酸
(ただし、前記ジアミン及び前記二酸は4〜36個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子を含む)
の重縮合から得られる単位X.Y
から選択される脂肪族繰り返し単位であり、
− Zは、別の脂肪族繰り返し単位又はAとは異なるXY単位を表し、
0〜20%含まれる、
半結晶性ポリアミド、
・ 90〜10重量%の少なくとも1種の非晶質ポリアミド、
(B) 5%〜30%、特に7%〜30%、特に10%を超え30%までの少なくとも1種の衝撃改質剤又は少なくとも1種のコア−シェル体又はそれらの混合物
(C) 0〜5%、特に0.1〜5%の、安定剤、染料、可塑剤、繊維、充填剤、加工助剤又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤
を含み、その合計は100%に等しい組成物であって、
前記非晶質ポリアミドが、前記組成物が低温で十分に延性であり、かつ剛性であり、そして特に規格ISO 179 1eAに従って求められたT
DB<0℃及び規格ISO 178:2010に従って求められた900MPaを超える曲げ弾性率を有するように充分な割合で存在し、前記組成物がPEBAを含まない、
特にスポーツ又は光学物品の製造のための組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の組成物(発明1)(切り欠かれ、調整されたバー)の延性−脆性遷移(T
DB)を示す。x軸:温度(℃)y軸:復元力(kJ/m
2)
【
図2】本発明の組成物(発明2)(切り欠かれ、調整されたバー)の延性−脆性遷移(T
DB)を示す。x軸:温度(℃)y軸:復元力(kJ/m
2)
【
図3】比較組成物1の延性−脆性遷移(T
DB)を示す。x軸:温度(℃)y軸:復元力(kJ/m
2)
【
図4】実施例5の本発明の組成物(発明1)及び比較組成物(比較1)を熱成形するための試験を示す。y軸:形成された部品(%単位)x軸:温度110℃〜145℃までの温度を結ぶ曲線は本発明(発明1)に対応する。115℃〜135℃までの温度を結ぶ曲線は、比較組成物(比較1)に対応する。
【
図5】本発明の組成物(発明1)の成形性を示す。この能力は、5%変形率でDMA(動的機械分析)によって評価した。左y軸:変形率(%)右y軸:温度(℃)x軸:時間(分)
【
図6】本発明の組成物(発明1)の成形性を示す。この能力は、10%変形率でのDMA(動的機械分析)によって評価した。左y軸:変形率(%)右y軸:温度(℃)x軸:時間(分)
【発明を実施するための形態】
【0022】
T
DBは、材料が延性挙動(材料の部分的な破壊)から脆性挙動(材料の完全な破壊)に移行する温度に対応する延性−脆性遷移温度である。したがって、延性−脆性遷移は、50%の脆性破壊(試料の脆弱な挙動)及び50%の部分的破壊(試料の延性挙動)及び延性挙動と脆弱な挙動との間の競合がある温度範囲として見ることができる。
【0023】
規格ISO 179 1eAに従って実施されるシャルピー衝撃試験により、復元力を得ることが可能になる。
【0024】
したがって、延性−脆性遷移(T
DB)は、温度の関数としての復元力の曲線の変曲点に対応する(図参照)。
【0025】
曲げ弾性率は23℃、相対湿度50%で15日間の調整した後に決定される。
【0026】
明細書全体を通して、(A)、(B)及び(C)の百分率は全て重量で与えられる。
【0027】
明細書全体を通して、提示される値の範囲の限界が含まれる。
【0028】
本発明の組成物の別の利点は、規格ISO6721−4:2008に従ってDMA(動的機械分析)で求められた弾性率が−40℃〜+30℃の間で安定したままであること、即ち、30℃における弾性率/−40℃における弾性率の比が、<1.3であることである。−40℃〜+30℃の範囲は、本発明の組成物の様々な用途の温度範囲に対応する。
【0029】
本発明の目的に関し、非晶質ポリアミドは、ガラス転移温度(融点(Tm)なし)のみを有する透明非晶質ポリアミド、又は非常に低い結晶化度を有し、ガラス転移温度及び融点を有し、規格ISO11357−3:2013に従って測定した示差走査熱量測定(DSC)における20K/分の速度での冷却工程中の結晶化エンタルピーが、30J/g未満、特に20J/g未満、好ましくは15J/g未満であるポリアミドを意味する。これらのポリアミドの規格ISO 11357−1:2009及びISO 11357−2:2013による20K/分の加熱速度でのDSCによって測定されたガラス転移温度(Tg)は75℃より高い。
【0030】
本発明の目的に関し、半結晶性ポリアミドは、規格ISO 11357−3:2013によるDSCにおける融点(Tm)を有し、2013年の規格ISO 11357−3により測定されたDSCにおける20K/分の速度での冷却工程中の結晶化エンタルピーが、30J/gより大きい、好ましくは40J/gより大きいポリアミドを意味する。
【0031】
本明細書で使用される「ポリアミド」という用語は、ホモポリアミド及びコポリアミドの両方を包含する。
【0032】
「延性」という用語は、破損することなく塑性変形する材料の能力を意味する。
【0033】
有利には、本発明の組成物は熱成形性組成物である。
【0034】
[成分(A)について]:
[半結晶性ポリアミド]:
窒素原子に対する炭素原子の平均数は9より大きい。
【0036】
PA−X.Y型のホモポリアミドの場合、窒素原子当たりの炭素原子の数は、X単位及びY単位の平均である。
【0037】
コポリアミドの場合、同じ原則に従って窒素1個当たりの炭素数が計算される。計算は、種々のアミド単位のモル比に基づいて行われる。
【0038】
[A:脂肪族繰り返し単位]
本発明の第1の変形例では、脂肪族繰り返し単位Aは、9〜12個の炭素原子を含むアミノカルボン酸の重縮合から得られる。したがって、それは、9−アミノノナン酸(9で示す)、10−アミノデカン酸(10で示す)、11−アミノウンデカン酸(11で示す)及び12−アミノドデカン酸(12で示す)から選択することができ、有利にはアミノカルボン酸は11−アミノウンデカン酸である。
【0039】
本発明の第2の変形例では、脂肪族繰り返し単位Aは、9〜12個の炭素原子を含むラクタムの重縮合から得られる。したがって、それは、デカノラクタム(10で示す)、ウンデカラクタム(11で示す)及びラウロラクタム又はラウリルラクタム(12で示す)から選択することができ、有利にはラクタムはウンデカノラクタムである。
【0040】
特により好ましくは、繰り返し単位Aは、単一のアミノカルボン酸又は単一のラクタムから得られる。
【0041】
それにもかかわらず、この同じ単位Aを得るために、2種以上のアミノカルボン酸の混合物、2種以上のラクタムの混合物のみならず、1種又は2種以上のアミノカルボン酸と1種又は2種以上のラクタムとの混合物を使用することを想定することも全く可能である。
【0042】
[A:繰り返し単位X.Y]
繰り返し単位X.Yは、少なくとも1種の直鎖又は分岐脂肪族ジアミン又は2種以上のそれらと少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸との混合物の重縮合から得られる単位である。
【0043】
ジアミンとジカルボン酸のモル比は優先的には化学量論的である。
【0044】
ジアミン及びジカルボン酸は各々4〜36個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子を含む。
【0045】
この繰り返し単位X.Yを得るために使用される脂肪族ジアミンは、少なくとも4個の炭素原子を含む線状主鎖を有する脂肪族ジアミンである。
【0046】
この線状主鎖は、必要に応じて、1つ以上のメチル置換基及び/又はエチル置換基を含むことができる。前記構造では、「分岐脂肪族ジアミン」という用語が使用される。主鎖が置換基を含まない場合、脂肪族ジアミンは「直鎖脂肪族ジアミン」と呼ばれる。
【0047】
それが主鎖にメチル置換基及び/又はエチル置換基を含むか否かにかかわらず、この繰り返し単位X.Yを得るために使用される脂肪族ジアミンは、4〜36個の炭素原子、有利には4〜18個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子、有利には6〜14個の炭素原子を含む。
【0048】
このジアミンが直鎖脂肪族ジアミンである場合、それは式H
2N−(CH
2)
x−NH
2に相当し、例えば、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘプタンジアミン、オクタンジアミン、ノナンジアミン、デカンジアミン、ウンデカンジアミン、ドデカンジアミン、トリデカンジアミン、テトラデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、オクタデカンジアミン及びオクタデセンジアミンから選択することができる。直前に言及した直鎖脂肪族ジアミンは、全て、規格ASTM D6866の意味の範囲内でバイオベースであることができる。
【0049】
このジアミンが分枝脂肪族ジアミンである場合、それは特に2−メチルペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン又は(2,2,4又は2,4,4)トリメチレンヘキサンジアミンであることができる。
【0050】
ジカルボン酸は直鎖又は分枝の脂肪族ジカルボン酸から選択することができる。
【0051】
ジカルボン酸が脂肪族かつ直鎖である場合、それはコハク酸(4)、ペンタン二酸(5)、アジピン酸(6)、ヘプタン二酸(7)、オクタン二酸(8)、アゼライン酸(9)、セバシン酸(10)、ウンデカン二酸(11)、ドデカン二酸(12)、ブラシル酸(13)、テトラデカン二酸(14)、ヘキサデカン二酸(16)、オクタデカン二酸(18)、オクタデセン二酸(18)、エイコサン二酸(20)、ドコサン二酸(22)及び36個の炭素を含む脂肪酸二量体から選択することができる。
【0052】
上記の脂肪酸二量体は、特に文献EP0471566号に記載されているように、長い炭化水素鎖を有する不飽和一塩基性脂肪酸(例えば、リノール酸及びオレイン酸)のオリゴマー化又は重合によって得られる二量化脂肪酸である。
【0053】
一例として、単位X.Yは、ポリデカメチレンドデカンアミド(PA−10.12)、ポリデカメチレンセバカンアミド(sebacanamide)(PA−10.10)及びポリデカメチレンドデカンアミド(PA−12.12)から選択され、有利には単位X.Yはポリデカメチレンセバカンアミド(PA−10.10)を表す。
【0054】
[Z:他のポリアミド]
Zは別のポリアミドを意味し、脂肪族繰り返し単位又はそれがAとは異なるという条件で上で定義された単位X.Yに対応することができる。
【0055】
存在するZの割合は、合計A+Zに対して0〜20重量%、特に0.1〜20%である。
【0056】
[非晶質ポリアミド]:
非晶質ポリアミドは、ホモポリアミド又はコポリアミドであることができる。非晶質ポリアミドは、脂肪族、脂環式及び芳香族ポリアミド又はそれらの混合物から選択される。
【0057】
特に、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、非晶質ポリアミドの少なくとも1種、又はさらに非晶質ポリアミドの各々)は、式Caジアミン・Cbジアミンに対応する少なくとも1つの単位を含む。
【0058】
繰り返し単位Caジアミン・Cbジアミンは、少なくとも1種の直鎖又は分岐脂肪族ジアミン、又は少なくとも1種の脂環式ジアミン又は少なくとも1種の芳香族ジアミン又はそれらの2種以上の混合物及び少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸又は少なくとも1種の脂環式ジカルボン酸又は少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の重縮合から得られた単位である。
【0059】
ジアミンとジカルボン酸とのモル比は優先的には化学量論的である。
【0060】
ジアミン及びジカルボン酸は各々4〜36個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子を含む。
【0061】
この繰り返し単位Caジアミン・Cb二酸を得るために使用される脂肪族ジアミンは、ジアミンXについて上で定義された通りである。
【0062】
脂環式ジアミンは、例えば、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)エタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)ブタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、又は「BMACM」又は「MACM」と一般に呼ばれる3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(以下、Bと示す)、一般に「PACM」と呼ばれるp−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(以後、Pと示す)、一般に「PACP」と呼ばれるイソプロピリデンジ(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン(以下「IPD」と示す)及び一般に「BAMN」と呼ばれる2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナンから選択することができる。
【0063】
これらの脂環式ジアミンの網羅的でないリストは、刊行物「脂環式ジアミン(Cycloaliphatic Amines)」(Encyclopedia of Chemical Technology、Kirk−Othmer、第4版(1992)、386〜405頁)に与えられている。
【0064】
芳香族ジアミンは、1,3−キシリレンジアミン及び1,4−キシリレンジアミンから選択することができる。
【0065】
ジカルボン酸は、直鎖又は分枝脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸から選択することができる。
【0066】
ジカルボン酸が脂肪族かつ直鎖である場合、それは二酸Yについて上で定義された通りである。
【0067】
ジカルボン酸が脂環式である場合、それは以下の炭素主鎖、即ち、ノルボルニルメタン、シクロヘキサン、シクロヘキシルメタン、ジシクロヘキシルメタン、ジシクロヘキシルプロパン、ジ(メチルシクロヘキシル)プロパン又はジ(メチルシクロヘキシル)プロパンを含むことができる。
【0068】
ジカルボン酸が芳香族である場合、それはテレフタル酸(Tで示す)、イソフタル酸(Iで示す)及びナフタレン酸から選択することができる。
【0069】
[(B)について]:
[衝撃改質剤について:
衝撃改質剤は、有利には、規格ISO 178に従って測定された100MPa未満の曲げ弾性率及び0℃未満のTg(DSCサーモグラムの変曲点において規格11357−2に従って測定される)を有するポリマー、特にポリオレフィンからなる。
【0070】
衝撃改質剤のポリオレフィンは、官能化されていても官能化されていなくてもよいし、官能化されている少なくとも1種及び/又は官能化されていない少なくとも1種の混合物であってもよい。単純化するために、ポリオレフィンを(B)と示し、官能化ポリオレフィン(B1)及び官能化されていないポリオレフィン(B2)を以下に記載した。
【0071】
官能化されていないポリオレフィン(B2)は、従来、アルファ−オレフィン又はジオレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、ブタジエンのホモポリマー又はコポリマーである。一例として、以下が挙げられる。
− ポリエチレンホモポリマー及びコポリマー、特にLDPE、HDPE、LLDPE(線状低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)及びメタロセンポリエチレン、
− プロピレンホモポリマー又はコポリマー、
− エチレン/アルファ−オレフィンコポリマー、例えば、エチレン/プロピレン、EPR(エチレン−プロピレンゴムの略語)及びエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)、
− スチレン/エチレン−ブテン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロックコポリマー又はスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、
− エチレンと、アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチルアクリレート)のような不飽和カルボン酸の塩又はエステル、又は酢酸ビニル(EVA)のような飽和カルボン酸のビニルエステルから選択される少なくとも1種の生成物とのコポリマー(コモノマーの割合は40重量%に達する可能性がある)。
【0072】
官能化ポリオレフィン(B1)は、反応性単位(官能基)を有するアルファ−オレフィンのポリマーであることができ、そのような反応性単位は酸、無水物又はエポキシ官能基である。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和エポキシド又は(メタ)アクリル酸等のカルボン酸又はその対応する塩又はエステル(後者は場合によりZn等の金属により完全に又は部分的に中和される)又は無水マレイン酸等のカルボン酸無水物によってグラフト化又は共重合又はターポリマー化された先のポリオレフィン(B2)を挙げることができる。官能化ポリオレフィンは、例えばPE/EPR混合物であり、その重量比は広い範囲、例えば、40/60〜90/10の範囲で変えることができ、前記混合物は無水物、特に無水マレイン酸によって、例えば、0.01重量%〜5重量%のグラフト化の程度で共グラフト化される。
【0073】
官能化ポリオレフィン(B1)は、グラフトの程度が、例えば、0.01重量%〜5重量%で、無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートでグラフト化された以下の(コ)ポリマーから選択することができる。
− PE、PP、例えば、35重量%〜80重量%のエチレンを含有する、エチレンとプロピレン、ブテン、ヘキセン又はオクテンとのコポリマー、
− エチレン/アルファ−オレフィンコポリマー、例えば、エチレン/プロピレン、EPR(エチレン−プロピレンゴムの略語)及びエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)、
− スチレン/エチレン−ブテン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロックコポリマー又はスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、
− 40重量%までの酢酸ビニルを含有する、エチレンと酢酸ビニル(EVA)とのコポリマー、
− 40重量%までのアルキル(メタ)アクリレートを含有する、エチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマー、
− 40重量%までのコモノマーを含有する、エチレンと酢酸ビニル(EVA)とアルキル(メタ)アクリレートのコポリマー。
【0074】
官能化ポリオレフィン(B1)は、無水マレイン酸でグラフト化され、次にモノアミノ化ポリアミド(又はポリアミドオリゴマー)と縮合される、プロピレンを主成分とするエチレン/プロピレンコポリマー(EP−A−0342066号に記載されている生成物)から選択することもできる。
【0075】
官能化ポリオレフィン(B1)は、少なくとも以下の単位、即ち、(1)エチレン、(2)アルキル(メタ)アクリレート又は飽和カルボン酸ビニルエステル及び(3)無水マレイン酸のような無水物又はグリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸又はエポキシのコポリマー又はターポリマーであることもできる。
【0076】
後者の種類の官能化ポリオレフィンの例としては、以下のコポリマーを挙げることができ、ここでエチレンは好ましくは少なくとも60重量%に相当し、ターモノマー(官能基)は、例えば、コポリマーの0.1重量%〜10重量%に相当する。
− エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸又は無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートコポリマー、
− エチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸コポリマー又はグリシジルメタクリレートコポリマー、
− エチレン/酢酸ビニル又はアルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸又は無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートコポリマー。
【0077】
先行するコポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸は、Zn又はLiで塩化されてもよい。
【0078】
(B1)又は(B2)中の「アルキル(メタ)アクリレート」という用語は、C1〜C8アルキルメタクリレート及びアクリレートを意味し、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート及びエチルメタクリレートから選択することができる。
【0079】
また、上記ポリオレフィン(B1)は、任意の適切な方法又は作用物質(ジエポキシ、二酸、過酸化物等)によって架橋されていてもよく、官能化ポリオレフィンという用語はまた、上記ポリオレフィンと、これらのポリオレフィンと反応することができる、二酸、二無水物、ジエポキシ等の二官能性試薬との混合物又は互いに反応することができる少なくとも2種の官能化ポリオレフィンの混合物を含む。
【0080】
上記コポリマー(B1)及び(B2)は、ランダム又はブロック様式で共重合されることができ、線状又は分枝構造を示す。
【0081】
また、これらのポリオレフィンの分子量、MFI指数及び密度は広い範囲で変わることができ、これは当業者には理解されるであろう。MFIは、メルトフローインデックスの略語である。これは、規格ASTM 1238に従って測定される。
【0082】
官能化されていないポリオレフィン(B2)は、有利には、ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマー、並びに任意のエチレンホモポリマー。又はエチレンとブテン、ヘキセン、オクテン、又は4−メチル−1−ペンテン等のより高級なアルファ−オレフィン型のコモノマーとのコポリマーから選択される。例えば、PP、高密度PE、中密度PE、線状低密度PE、低密度PE又は超低密度PEを挙げることができる。これらのポリエチレンは、「ラジカル」法に従って、「チーグラー」型の触媒に従って、又はより最近では「メタロセン」触媒に従って製造されることが当業者に知られている。
【0083】
官能化ポリオレフィン(B1)は、有利には、アルファ−オレフィン単位及び極性反応性官能基、例えば、エポキシ官能基、カルボン酸官能基又はカルボン酸無水物官能基を有する単位を含む任意のポリマーから選択される。そのようなポリマーの例として、出願人からのLotader(R)等のエチレン、アルキルアクリレート及び無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートのターポリマー、又は出願人からのOrevac(R)のような無水マレイン酸でグラフト化されたポリオレフィン、並びにエチレン、アルキルアクリレート及び(メタ)アクリル酸のターポリマーが挙げられる。ポリプロピレンのホモポリマー又はカルボン酸無水物でグラフト化され、次にポリアミド又はモノアミノ化ポリアミドオリゴマーと縮合させたポリプロピレンのコポリマーも挙げることができる。
【0084】
ポリアミドのMFI並びに(B1)及び(B2)のMFIは広い範囲で選択することができるが、それにもかかわらず、(B)の分散を容易にするために、ポリアミドのMFIは(B)のMFIよりも高いことが推奨される。
【0085】
[コア−シェル体について]
コア−シェル体は、好ましくは、球状ポリマー粒子の形態である。これらの粒子は、コア−シェル粒子又はコア−シェルポリマーとも呼ばれる。第1の層はコアを形成し、第2の層又は全ての後続の層はそれぞれのシェルを形成する。
【0086】
球状ポリマー粒子に関しては、それは20nm〜500nmの間の重量平均粒径を有する。好ましくは、ポリマーの重量平均粒径は20nm〜400nmの間、より好ましくは20nm〜350nmの間、有利には20nm〜300nmの間である。
【0087】
ポリマー粒子は、0℃未満のガラス転移温度を有するポリマー(A1)を含む少なくとも1つの層(A)及び60℃を超えるガラス転移温度を有するポリマー(B1)を含む別の層(B)を含む多層構造を有する。
【0088】
好ましくは、60℃を超えるガラス転移温度を有するポリマー(B1)は、多層構造を有するポリマー粒子の外層である。
【0089】
ポリマー粒子は、2つ又は3つ以上の工程等のいくつかの工程を有する方法によって得られる。
【0090】
好ましくは、層(A)における0℃未満のガラス転移温度を有するポリマー(A1)は、多層構造を有するポリマー粒子のコアを形成する多段階法の第1の工程中に製造される。好ましくは、ポリマー(A1)は、−5℃未満、より好ましくは−15℃未満、有利には−25℃未満のガラス転移温度を有する。
【0091】
好ましくは、60℃を超えるガラス転移温度を有するポリマー(B1)は、多層構造を有するポリマー粒子の外層を形成する多段階法の最後の工程の間に製造される。
【0092】
1つ以上の中間工程によって得られる1つ以上の追加の中間層が存在してもよい。
【0093】
いくつかの層を有するポリマーのガラス転移温度Tgは、例えば、熱機械分析としての動的方法によって評価することができる。
【0094】
ポリマー(A1)及び層(A)は、芳香族基を含有するモノマーを0重量%から50重量%未満含む。ポリマー(B1)及び層(B)は、芳香族基を含むモノマーを0重量%から50重量%未満含む。
【0095】
一実施形態によれば、ポリマー(B1)及び層(B)は、芳香族基を含むモノマーを含まない。
【0096】
0℃未満のガラス転移温度を有するポリマー(A1)については、それはイソプレン又はブタジエンから誘導されるポリマー単位を少なくとも50重量%含み、層(A)は多層構造を有するポリマー粒子の最内層である。換言すれば、ポリマー(A1)を含む層(A)は、ポリマー粒子のコアである。
【0097】
一例として、コアのポリマー(A1)は、イソプレンホモポリマー又はブタジエンホモポリマー、イソプレン/ブタジエンコポリマー、98重量%以下のビニルモノマーを有するイソプレンコポリマー及び98重量%以下のビニルモノマーを含むブタジエンコポリマーからなることができる。ビニルモノマーは、ポリマー(A1)が芳香族基を含有するモノマーを50重量%未満含む限り、スチレン、アルキルスチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート又はブタジエン又はイソプレン又はそれらの混合物であることができる。
【0098】
ポリマー(A1)は架橋していてもよい。本発明に使用される架橋モノマーとしては、ジビニルベンゼン及びジビニルトルエン等の多官能性ビニル芳香族化合物、エチレングリコールジメタクリレート及び1,3−ブタンジオールジアクリレート等の多価アルコール、トリメタクリレート、トリアクリレート、アリルアクリレート及びアリルメタクリレート等のアリルカルボキシレート並びにジアリルフタレート、ジアリルセバケート、トリアリルトリアジン等のジアリル化合物及びトリアリル化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
一実施形態によれば、コアはブタジエンホモポリマーである。
【0100】
別の実施形態によれば、コアはブタジエン/スチレンコポリマーである。
【0101】
より好ましくは、イソプレン又はブタジエンから誘導されるポリマー単位を少なくとも50重量%含むポリマー(A1)のガラス転移温度Tgは、−100℃〜10℃の間、さらにより好ましくは−80℃〜0℃の間、有利には−70℃〜−20℃の間である。
【0102】
ポリマー(B1)については、二重結合を含むモノマー及び/又はビニルモノマーから形成されるホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。好ましくは、ポリマー(B1)は、(メタ)アクリルポリマーである。
【0103】
好ましくは、ポリマー(B1)は、C1〜C12アルキル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも70重量%のモノマーを含む。さらにより好ましくは、ポリマー(B1)は、少なくとも80重量%のC1〜C4アルキルメタクリレートモノマー及び/又はC1〜C8アルキルアクリレートモノマーを含む。
【0104】
全てのうちで最も好ましくは、ポリマー(B1)が少なくとも60℃のガラス転移温度を有する限り、ポリマー(B1)のアクリルモノマー又はメタクリルモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びそれらの混合物から選択される。
【0105】
ポリマー(B1)は、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸、これらの酸から誘導されるアミド、例えば、ジメチルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリレート又はメタクリレート、2−アミノエチルアクリレート又はメタクリレート及びそれらの混合物から選択される官能性モノマーを含むことができる。
【0106】
有利には、ポリマー(B1)は、メチルメタクリレートに由来するモノマー単位を少なくとも70重量%含む。
【0107】
好ましくは、ポリマー(B1)のガラス転移温度Tgは60℃〜150℃の間である。ポリマー(B1)のガラス転移温度は、より好ましくは80℃〜150℃の間、有利には90℃〜150℃の間、より有利には100℃〜150℃の間である。
【0108】
好ましくは、ポリマー(B1)は、前の工程で製造されたポリマーにグラフト化される。
【0109】
特定の実施形態によれば、ポリマー(B1)は架橋される。
【0110】
コア−シェル体は、少なくとも2つの工程を含む多段階法によって得ることができる。そのような方法は、例えば、文献US2009/0149600号又はEP0722961号に記載されている。
【0111】
好ましくは、工程(A)中に生成された0℃未満のガラス転移温度を有するポリマー(A1)は、多段階法の第1の工程である。
【0112】
完全な多層ポリマーに対する工程(A)に含まれる層のポリマー(A1)の重量比raは、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%である。
【0113】
完全な多層ポリマーに対する工程(B)に含まれる外層のポリマー(B1)の重量比rbは、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも6重量%、より好ましくは少なくとも7重量%である。
【0114】
本発明によれば、ポリマー(B1)を含む外層(B)と完全な多層ポリマーとの間の比rbは、30重量%以下である。
【0115】
好ましくは、ポリマー(B1)と完全な多層ポリマーとの間の比率は、5重量%〜30重量%の間である。
【0116】
[(C)について]:
添加剤は、安定剤、染料、可塑剤、繊維、充填剤、加工助剤又はそれらの混合物から選択される。
【0117】
一例として、安定剤は、UV安定剤、有機安定剤又はより一般的には有機安定剤の組み合わせ、例えば、フェノール型の酸化防止剤(例えば、チバ−BASFからのIrganox 245又は1098又は1010の酸化防止剤の型)、亜リン酸塩型の酸化防止剤(例えば、チバ−BASFからのIrgafos(R) 126)及び任意の他の安定剤、例えば、HALS(これはヒンダードアミン光安定剤を意味する)(例えばチバ−BASFからのTinuvin 770)、UV吸収剤(例えば、チバからのTinuvin 312)又はリン系安定剤であることができる。クロンプトン(Crompton)社のNaugard 445等のアミン型の酸化防止剤、又はクラリアント社のNylostab S−EED等の多官能性安定剤を使用することもできる。
【0118】
この安定剤は、銅系安定剤等の無機安定剤であってもよい。そのような無機安定剤の例として、酢酸銅及びハロゲン化銅を挙げることができる。ちなみに、銀のような他の金属も任意に考慮することができるが、前記金属は有効性がより低いことが知られている。これらの銅系化合物は、典型的には、アルカリ金属、特にカリウムのハロゲン化物と組み合わされる。
【0119】
一例として、可塑剤は、ベンゼンスルホンアミド誘導体、例えば、n−ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA)、エチルトルエンスルホンアミド又はN−シクロヘキシルトルエンスルホンアミド;ヒドロキシ安息香酸のエステル、例えば、2−エチルヘキシルパラヒドロキシベンゾエート及び2−デシルヘキシルパラヒドロキシベンゾエート;テトラヒドロフルフリルアルコールのエステル又はエーテル、例えば、オリゴエチレンオキシテトラヒドロフルフリルアルコール;クエン酸又はヒドロキシマロン酸のエステル、例えば、オリゴエチレンオキシマロネートから選択される。
【0120】
可塑剤の混合物を使用することは、本発明の範囲外ではない。
【0121】
一例として、繊維は、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維、有利にはガラス繊維又は炭素繊維から選択することができる。
【0122】
一例として、充填剤は、シリカ、グラファイト、膨張黒鉛、カーボンブラック、ガラスビーズ、カオリン、マグネシア、スラグ、タルク、珪灰石、ナノフィラー(カーボンナノチューブ)、顔料、金属酸化物(酸化チタン)、金属、有利には珪灰石及びタルク、優先的にはタルクから選択することができる。
【0123】
一実施形態では、本発明は、PEBAを含まない、上記組成物に関する。
【0124】
有利には、曲げ弾性率は、規格ISO 178:2010に従って決定して、900MPaより大きい。
【0125】
一実施形態では、本発明は、前記半結晶性ポリアミドが前記非晶質PAと相溶性であることを特徴とする、前記組成物に関する。
【0126】
「前記半結晶性ポリアミドは前記非晶質PAと相溶性である」という表現は、Tg1を有する前記半結晶性PAとTg2を有する前記非晶質PAとこれら2種のPAの混合物が2つのTg値を有し、これら2つのTg値の位置は半結晶性PA及び非晶質PAの含有量に依存することを意味する。
【0127】
有利には、2つのポリアミドは互いに混和性でなければならない。
【0128】
この場合、単一のTg値のみが観察され、その位置は以下の式、即ち、Tg
final=(α
1/Tg
1+α
2/Tg
2)
−1(ここで、α
1及びα
2は各PAの重量パーセントを表す。)によって与えられる。
【0129】
一実施形態では、本発明は、(B)が衝撃改質剤であり、前記組成物が実質的に透明でないことを特徴とする、前記組成物に関する。
【0130】
「実質的に透明でない」という表現は、組成物が2mmの厚さのシート上の560nmにおける透過率が、規格ISO13486−2:2006に従って求められた75%未満であるような透明性を有することを意味する。
【0131】
この実施形態では、耐衝撃改質剤を使用するという事実により、実際に組成物は透明でない。
【0132】
一実施形態では、本発明は、(B)がコア−シェル体であり、組成物が透明であることを特徴とする、上で定義された組成物に関する。
【0133】
使用される「透明」という用語は、組成物が、2mmの厚さのシート上の560nmにおける透過率が、規格ISO13486−2:2006に従って求められた75%より高いような透明性を有することを意味する。
【0134】
この実施形態では、コア−シェル体を使用するという事実により、透明性を維持するか、又は前記組成物を透明にすることが可能になる。
【0135】
一実施形態では、本発明は、(B)が衝撃改質剤とコアーシェル体との混合物であり、組成物が実質的に透明でないことを特徴とする、上で定義された組成物に関する。
【0136】
衝撃改質剤及びコア−シェル体との重量比は、0.1/99.9〜99.9/0.1である。
【0137】
有利には、(A)中の半結晶性ポリアミドは、本発明の組成物中に、40%〜70%、特に50%〜65%の割合で存在し、非晶質ポリアミドはそれぞれ30%〜60%、特に35%〜50%で存在する。
【0138】
有利には、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、非晶質ポリアミドの少なくとも1種、又はさらには非晶質ポリアミドの各々)は、式(Caジアミン).(Cb二酸)に対応する少なくとも1つの単位を含み、Caジアミンは上で定義された通りであり、Cbは脂肪族二酸(特に上で定義された通りである)であり、半結晶性ポリアミド(又は組成物が半結晶性ポリアミドの混合物を含む場合、半結晶性ポリアミドの少なくとも1種、又はさらに少なくとも半結晶性ポリアミドの各々)は、上で定義されたポリアミドのいずれか1種から選択される。この非晶質ポリアミドは、ホモポリアミド又はコポリアミドであることができる。
【0139】
例えば、Caジアミンは、デカンジアミン(a=10)、ドデカンジアミン(a=12)、PACM及びMACMから選択され、及び/又はCb二酸は、セバシン酸(b=10)、ドデカン二酸(b=12)、テトラデカン二酸(b=14)及びオクタデカン酸(b=18)から選択される。
【0140】
好ましくは、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、少なくとも1種の非晶質ポリアミド、又はさらに非晶質ポリアミドの各々)は、それがホモポリアミドである場合、PA MACM.10、PA PACM.10、PA MACM.12、PA PACM.12、PA MACM.14、PA PACM.14、PA MACM.18、PA PACM.18であり、それがコポリアミドである場合、PA 11/MACM.10、PA 11/PACM 10、PA 11/MACM.12、PA 11/PACM.12、PA 11/MACM.14、PA 11/PACM.14、PA 11/MACM.18、PA 11/PACM.18、PA 12/MACM.10、PA 12/PACM.10、PA 12/MACM.12、PA 12/PACM.12、PA 12/MACM.14、PA 12/PACM.14、PA 12/MACM.18、PA 12/PACM.18、PA 10.10/MACM.10、PA10.10/PACM.10、PA 10.10/MACM.12、PA 10.10/PACM.12、PA 10.10/MACM.14、PA 10.10/PACM.14、PA 10.10/MACM.18、PA 10.10/PACM.18、PA 10.12/MACM.10、PA 10.12/PACM.10、PA 10.12/MACM.12、PA 10.12/PACM.12、PA 10.12/MACM.14、PA 10.12/PACM.14、PA 10.12/MACM.18、PA 10.12/PACM18、PA 12.10/MACM.10、PA 12.10/PACM.10、PA 12.10/MACM.12、PA 12.10/PACM.12、PA 12.10/MACM.14、PA 12.10/PACM.14、PA 12.10/MACM.18、PA 12.10/PACM.18、PA 12.12/MACM.10、PA 12.12/PACM.10、PA 12.12/MACM.12、PA 12.12/PACM.12、PA 12.12/MACM.14、PA 12.12/PACM.14、PA 12.12/MACM.18、PA 12.12/PACM.18、PA 10.14/PACM.10、PA 10.14/MACM.12、PA 10.14/PACM.12、PA 10.14/MACM.14、PA 10.14/PACM.14、PA 10.14/MACM.18、PA 10.14/PACM.18、PA 12.14/MACM.10、PA 12.14/PACM.10、PA 12.14/MACM.12、PA 12.14/PACM.12、PA 12.14/MACM.14、PA 12.14/PACM.14、PA 12.14/MACM.18、PA 12.14/5PACM.18、PA PACM.10/MACM.10、PA PACM.12/MACM.12、PA PACM.14/MACM.14、PA 11/PACM.10/MACM.10、PA 11/PACM12/MACM.12、PA11/PACM.14/MACM.14A、P12/PACM.10/MACM.10、PA12/PACM.12/MACM.12、又はPA 12/PACM.14/MACM.14である。
【0141】
一実施形態では、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、非晶質ポリアミドの少なくとも1種、又はさらには非晶質ポリアミドの各々)は、式(Caジアミン).(Cb二酸)に対応する少なくとも1つの単位を含み、Caジアミンは脂環式(特に上で定義された通りである)であり、Cb二酸は上で定義された通りであり、半結晶性ポリアミド(又は組成物が半結晶性ポリアミドの混合物を含む場合、半結晶性ポリアミドの少なくとも1種、又はさらに少なくとも半結晶質ポリアミドの各々)は、上で定義されたポリアミドのいずれか1種から選択される。例えば、Caジアミンは、PACM又はMACMであり、及び/又はCb二酸は、セバシン酸(b=10)、ドデカン二酸(b=12)、テトラデカン二酸(b=14)及びオクタデカン酸(b=18)から選択される。この非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、非晶質ポリアミドの少なくとも1種、又はさらに非晶質ポリアミドの各々)は、ホモポリアミド又はコポリアミドであることができる。好ましくは、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、非晶質ポリアミドの少なくとも1種、又はさらに非晶質ポリアミドの各々)は、
【0142】
好ましくは、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、少なくとも1種の非晶質ポリアミド、又はさらには非晶質ポリアミドの各々)は、それがホモポリアミドである場合、PA MACM.10、PA PACM.10、PA MACM.12、PA PACM.12、PA MACM.14、PA PACM.14、PA MACM.18、PA PACM.18であり、それがコポリアミドである場合、PA 11/MACM.10、PA 11/PACM 10、PA 11/MACM.12、PA 11/PACM.12、PA 11/MACM.14、PA 11/PACM.14、PA 11/MACM.18、PA 11/PACM.18、PA 12/MACM.10、PA 12/PACM.10、PA 12/MACM.12、PA 12/PACM.12、PA 12/MACM.14、PA 12/PACM.14、PA 12/MACM.18、PA 12/PACM.18、PA 10.10/MACM.10、PA10.10/PACM.10、PA 10.10/MACM.12、PA 10.10/PACM.12、PA 10.10/MACM.14、PA 10.10/PACM.14、PA 10.10/MACM.18、PA 10.10/PACM.18、PA 10.12/MACM.10、PA 10.12/5 PACM.10、PA 10.12/MACM.12、PA 10.12/PACM.12、PA 10.12/MACM.14、PA 10.12/PACM.14、PA 10.12/MACM.18、PA 10.12/PACM18、PA 12.10/MACM.10、PA 12.10/PACM.10、PA 12.10/MACM.12、PA 12.10/PACM.12、PA 12.10/MACM.14、PA 12.10/PACM.14、PA 12.10/MACM.18、PA 12.10/PACM.18、PA 10 12.12/MACM.10、PA 12.12/PACM.10、PA 12.12/MACM.12、PA 12.12/PACM.12、PA 12.12/MACM.14、PA 12.12/PACM.14、PA 12.12/MACM.18、PA 12.12/PACM.18、PA 10.14/PACM.10、PA 10.14/MACM.12、PA 10.14/PACM.12、PA 10.14/MACM.14、PA 10.14/PACM.14、PA 10.14/MACM.18、PA 10.14/PACM.18、PA 12.14/MACM.10、PA 12.14/PACM.10、PA 12.14/MACM.12、PA 12.14/PACM.12、PA 12.14/MACM.14、PA 12.14/PACM.14、PA 12.14/MACM.18、PA 12.14/PACM.18、PA PACM.10/MACM.10、PA PACM.12/MACM.12、PA PACM.14/MACM.14、PA 11/PACM.10/MACM.10、PA 11/PACM12/MACM.12、PA 11/PACM.14/MACM.14、PA 12/PACM.10/MACM.10、PA 12/PACM.12/MACM.12、又はPA 12/PACM.14/MACM.14である。
【0143】
一実施形態では、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、非晶質ポリアミドの少なくとも1種、又はさらには非晶質ポリアミドの各々)は、式(Caジアミン).(Cb二酸)に対応する少なくとも1つの単位を含み、Caジアミンは脂環式(特に上で定義された通りである)であり、Cb二酸は芳香族二酸(特に上で定義された通りである)であり、半結晶性ポリアミド(又は組成物が半結晶性ポリアミドの混合物を含む場合、半結晶性ポリアミドの少なくとも1種、又はさらに少なくとも半結晶質ポリアミドの各々)は、上で定義されたポリアミドのいずれか1種から選択される。例えば、Caジアミンは、PACM又はMACMであり、及び/又はCb二酸は、テレフタル酸又はイソフタル酸である。この非晶質ポリアミドは、ホモポリアミド又はコポリアミドであることができる。好ましくは、非晶質ポリアミド(又は組成物が非晶質ポリアミドの混合物を含む場合、非晶質ポリアミドの少なくとも1種、又はさらには非晶質ポリアミドの各々)は、PA MACM.I、PA PACM.I、PA MACM.I/MACM.T、PA PACM.I/PACM.T、PA 12/MACM.I、PA 12/PACM.I、PA 12/MACM.I/MACM.T、PA 12/PACM.I/PACM.T、PA 11/MACM.I、PA 11/PACM.I、PA 11/MACM.I/MACM.T、PA 11/PACM.I/PACM.T、10.10/MACM.I、10.10/PACM.I、PA 10.10/MACM.I/MACM.T、10.10/PACM.I/PACM.T、10.12/MACM.I、10.12/PACM.I、PA 10.12/MACM.I/MACM.T、10.12/PA PACM.I/PACM.T、12.10/MACM.I、12.10/PA PACM.I、PA 12.10/MACM.I/MACM.T、12.10/PACM.I/PACM.T、12.12/MACM.I、12.12/PACM.I、PA 12.12/MACM.I/MACM.T、12.12/PACM.I/PACM.T、12.14/MACM.I、12.14/PACM.I、PA 12.14/MACM.I/MACM.T、12.14/PACM.I/PACM.T、10.14/MACM.I、10.14/PACM.I、PA 10.14/MACM.I/MACM.T又は10.14/PACM.I/PACM.Tである。
【0144】
有利には、上で定義された組成物の半結晶性ポリアミドは、特にPA11、PA12、PA1010、PA1012、特にPA11から選択される脂肪族ポリアミドである。
【0145】
一実施形態では、本発明は、非晶質ポリアミドが式B/X
1Y
1のポリアミドであり、
− Bは、少なくとも1種のアミノ酸の重縮合から得られた単位、少なくとも1種のラクタムの重縮合から得られた単位、及び少なくとも1種の脂肪族ジアミンと少なくとも1種の脂肪族二酸との重縮合から得られた単位から選択された脂肪族繰り返し単位であり、
− X
1は脂環式ジアミンであり、
− Y
1はジカルボン酸であり、前記二酸は、脂肪族二酸、脂環式二酸及び芳香族二酸から選択され、
前記ジアミン及び前記二酸は4〜36個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子を含む、上記で定義された組成物に関する。
【0146】
上記式B/X
1Y
1のポリアミドの種々の構成要素B、X
1及びY
1は、上記組成物の単位A、X及びYとそれぞれ同じ定義を有する。
【0147】
有利には、式B/X
1Y
1のポリアミドは、後者がコポリアミドに相当する場合は、上で定義された通りである。
【0148】
有利には、本発明は、非晶質ポリアミドが11/B10、12/B10、11/BI/BT、11/BI、特に11/B10から選択される、上で定義された組成物に関する。
【0149】
有利には、本発明は、脂肪族ポリアミドがPA11であり、非晶質ポリアミドが11/B10である、上で定義された組成物に関する。
【0150】
有利には、本発明は、衝撃改質剤が、ポリオレフィン又はいくつかのポリオレフィンの混合物から選択され、特にポリオレフィン又はポリオレフィンの混合物が、無水マレイン酸官能基、カルボン酸官能基、カルボン酸無水物官能基、エポキシド官能基から選択される官能基を有し、特にエチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレンエラストマー(EPR)、エラストマー性のエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー(EPDM)及びエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーから選択される。
【0151】
1つの有利な実施形態では、本発明は、Z=0である上で定義された組成物に関する。
【0152】
1つの有利な実施形態では、本発明は、(B)が10%超〜20%、特に11%〜20%の割合の衝撃改質剤である、上で定義された組成物に関する。
【0153】
1つの有利な実施形態では、本発明は、Z=0であり、(B)が10%超〜20%、特に11%〜20%の割合の衝撃改質剤である、上で定義された組成物に関する。
【0154】
一実施形態では、本発明は、非晶質ポリアミドが式B/X
1Y
1のポリアミドであり、
− Bは、少なくとも1種のアミノ酸の重縮合から得られた単位、少なくとも1種のラクタムの重縮合から得られた単位、及び少なくとも1種の脂肪族ジアミンと少なくとも1種の脂肪族二酸との重縮合から得られた単位であり、
− X
1は脂環式ジアミンであり、
− Y
1はジカルボン酸であり、前記二酸は、脂肪族二酸、脂環式二酸及び芳香族二酸から選択され、
前記ジアミン及び前記二酸は4〜36個の炭素原子、有利には6〜18個の炭素原子を含み、式B/X
1Y
1のポリアミドは、後者がコポリアミドに相当する場合には上で定義した通りであり、半結晶性ポリアミドは、PA11、PA12、PA1010、PA1012、特にPA11から選択される脂肪族ポリアミドであり、Zは0に等しく、組成物の前記構成成分(B)は、特に10%超〜20%、特に11%〜20%の割合の衝撃改質剤であり、組成物は透明でない、上で定義された組成物に関する。
【0155】
1つの有利な実施形態では、本発明は、Zが0に等しく、組成物の前記構成成分(B)は、特に10%超〜20%、特に11%〜20%の割合の衝撃改質剤であり、組成物は、
(A) 75%〜90%
(B) 10%超〜20%、特に11%〜20%、
(C) 0.1%〜5%、
を含み、合計A+B+Cは100%に等しい、上で定義された組成物に関する。
【0156】
1つの有利な実施形態では、本発明は、半結晶性ポリアミド及び/又は非晶質ポリアミドが、部分的に又は完全にバイオベースである、上で定義された組成物に関する。
【0157】
「バイオベース」という用語は、規格ASTM D6852−02の意味で理解され、より優先的には規格ASTM D6866の意味で理解される。
【0158】
規格ASTM D6852は、組成物中の天然起源の生成物の部分を示し、一方、規格ASTM D6866は、即ち、バイオマスに由来する再生可能な有機炭素を測定するための方法及び条件を特定する。
【0159】
別の態様によれば、本発明は、押出成形、射出成形、成型又は熱成形によって得られる物品の製造のための、上で定義された組成物の使用に関する。
【0160】
組成物について上で詳細に与えられた全ての技術的特徴は、その使用に対して有効である。
【0161】
1つの有利な実施形態では、本発明は、スポーツ用品、特にスキーブーツ又はスキーブーツの一部又はスタッド付きの硬質ブーツ、例えば、サッカー、ラグビー又はアメリカンフットボールのブーツ、ホッケーブーツ又はホッケーブーツの一部、又はランニングシューズ、ゴルフボール又はゴルフボールの一部、又はラクロススティック、又はホッケー用品、例えば、ヘルメット等、及び頭部、肩、肘、手、膝、背中又は脛を保護するためのスポーツ用品、例えば、ヘルメット、手袋、肩パッド、肘パッド、膝パッド、脛パッドから選択される射出成形により得られる物品の製造のための、上で定義された組成物の使用に関する。
【0162】
1つの有利な実施形態では、本発明は、光学物品、特に眼鏡又はゴーグル、特にスポーツをするときに使用される眼鏡又はゴーグル、例えば、保護眼鏡又はスキーゴーグルである、射出成形によって得られる物品の製造のための、上で定義された組成物の使用に関する。
【0163】
1つの有利な実施形態では、本発明は、押出によって得られた、フィルム等の物品の製造のための、上で定義された組成物の使用に関する。
【0164】
1つの有利な実施形態では、本発明は、物品、特にスキーブーツ又はローラーブレード又はホッケーブーツの一部、特にスキーブーツの一部、又は眼鏡又はゴーグル、特にスポーツ眼鏡又はゴーグル、特に保護眼鏡又はスキーゴーグルを熱成形するための、上で定義された組成物の使用に関する。
【0165】
別の態様によれば、本発明は、その後顆粒を得るために、構成成分(A)、(B)及び(C)を押出機中で230℃〜250℃の温度で溶融ブレンドする工程を含む上で定義された組成物の調製方法に関し、顆粒は230℃〜330℃の間の温度で引き続き射出成形機に注入して所望の物品を得る。
【0166】
組成物に関して上で詳細に与えられた全ての技術的特徴は、方法に対して有効である。
【0167】
別の態様によれば、本発明は、乾燥混合物の形態で、又は押出機での混合後に製造され得る上で定義された組成物を含む、特に実質的に透明でない例えば、繊維、布地、フィルム、シート、ロッド、チューブ又は射出成形された部品といった成形品に関する。
【0168】
組成物に関して上で詳細に与えられた全ての技術的特徴は、その物品に対して有効である。
【0169】
1つの有利な実施形態では、本発明は、スポーツ用品、特にスキーブーツ又はスキーブーツの一部又はスタッド付きの硬質ブーツ、例えば、サッカー、ラグビー又はアメリカンフットボールのブーツ、ホッケーブーツ又はホッケーブーツの一部、又はランニングシューズ、ゴルフボール又はゴルフボールの一部、又はラクロススティック、又はホッケー用品、例えば、ヘルメット、又は頭部、肩、肘、手、膝、背中又は脛を保護するためのスポーツ用品、例えば、ヘルメット、手袋、肩パッド、肘パッド、膝パッド、脛パッドからなることを特徴とする、上で定義された物品に関する。
【0170】
1つの有利な実施形態では、本発明は、光学物品、特に眼鏡又はゴーグル、特にスポーツをするときに使用される眼鏡又はゴーグル、例えば、保護眼鏡又はスキーゴーグルからなることを特徴とする、上で定義された物品に関する。
【実施例】
【0171】
[実施例1:11/B10及びPA11混合物]
本発明の組成物(表1参照):
比率は重量で示す。
【0172】
【表1】
【0173】
Fusabond(R) 493は、デュポンによって販売されているエラストマー型のポリオレフィン(マレイン化エチレン−オクテン)である。
Irgafos(R) 126は、チバ−BASFによって販売されている亜リン酸塩系酸化防止剤である。
Irganox(R) 245は、チバ−BASFによって販売されているフェノール型酸化防止剤である。
Tafmer MH5020は三井化学から販売されている官能化ポリオレフィンである。
【0174】
(23℃、相対湿度50%で15日間調整した後)ISO 178:2010に従う曲げ弾性率を決定し、表IIに示す。
【0175】
【表2】
【0176】
[実施例2:延性−脆性遷移]
延性−脆性遷移は、ISO 179 1eA規格に従って決定した。
【0177】
本発明の組成物(I 1:発明1)のT
DBは、−20℃未満である(T≧−20℃の延性挙動)。
【0178】
本発明の組成物(I 2:発明2)のT
DBは、−10℃〜−20℃の間である。
【0179】
組成物C1:比較1のT
DBは、約15〜20℃にほぼ等しい。
【0180】
図1〜3及び表IIを参照のこと。
【0181】
[実施例3:ノッチ感度(細い切り欠き付きの3点曲げ)
ノッチ感度は、切り欠かれたバーの3点曲げ試験(23℃、相対湿度50%で15日間調整した後の内部アルケマ法)により、2000mm/分の速度で−10℃、−20℃及び30℃で評価した。
【0182】
本発明の組成物I 1(発明1)、I 3(発明3)及びI 4(発明4)は、−30℃で2000mm/分の速度で延性挙動を示す。
【0183】
本発明の組成物I 2(発明2)は、−20℃で2000mm/分の速度で延性挙動を示す。
【0184】
比較組成物C 1(比較1)は−20℃で2000mm/分の速度で脆い。
【0185】
[実施例4:V−ノッチ付き及び無しのロスフレックス(ross flex)]
サイクル数:250000
温度:−10℃
曲げ周波数:100サイクル/分
屈曲角:60°
試験片の調整:70℃で7日間
ノッチ:片側のみ(V字型、深さ1mm、ノッチ先端の半径0.25mm)。
【0186】
ノッチ付で250000サイクル後、本発明の配合物I 1(発明1)、I 3(発明3)及びI 4(発明4)は、ノッチから始まる割れた領域を示す。それにもかかわらず、バーは壊れない。
【0187】
ノッチ無しで250000サイクル後、本発明の配合物I 1(発明1)、I 3(発明3)及びI 4(発明4)は、破損も亀裂もない。
【0188】
[実施例5:熱成形]
熱成形試験は、厚さ2mmの押出シート上に本発明の組成物I 1(発明1)を用いてヨーグルトポット型の型で実施した。深さは3cmに設定した。成形サイクルの前にシートの温度を変えた。
【0189】
結果を
図4に示す。
【0190】
加工性ウインドウは、本発明の組成物についてはより広い。
o 比較組成物:8℃
o 本発明の組成物:15℃。
【0191】
本発明の組成物の成形性はまた、DMA(動的機械分析)によって評価した。
装置:DMA Q800−2
ツール:幅2mm、厚さ0.5mmのバーへの張力
試験プロトコル:
− 23℃で0.1%というわずかな変形率で試験を開始。
− 急激な昇温を行う。
− T=90℃では、変形を加える(5%又は10%)。
− 5分の等温線(まだ5%又は10%の変形率)。
− 変形率を5%又は10%に維持しながら、5℃/分で23℃まで冷却。
− 23℃で応力を解放する。
− 残留変形率を測定する。
【0192】
この残留変形率が高いほど、材料の成形性は大きい。
【0193】
結果を
図5及び
図6に示す。
【国際調査報告】