【実施例】
【0078】
開示されるナノ粒子について、ここまでは大まかに述べており、以下の実施例を参照することで、これについてより容易に理解されるところとなるが、実施例は、ある特定の態様および実施形態を説明する目的で含めているにすぎず、開示されるナノ粒子を一切限定するものでない。
【0079】
(実施例1)
ナノ粒子エマルジョンプロセス
以下に記載するプロセスでは、油相の固体含有量の増大を使用する。プロセスの全体的なフローチャートを
図1に示し、プロセスの流れ図を
図2Aおよび2Bに示す。乳化した油相の溶媒含有量を低減することにより、ナノ粒子(NP)の硬化時にクエンチ流体へと損なわれる薬物は、より少なくなる。過度に粘稠になると、約100nmの液滴に乳化し得る能力が制限されかねないので、これを回避するために、固体および溶媒系を選択する。比較的小さい分子量のコポリマー(約16kDa〜5kDaのPLA−PEG)を使用することで、製剤は、高い固体含有量で十分に低い粘性を保つことが可能になる。薬物を溶液中に高濃度に保つために、適切な溶媒和力を有する溶媒系を選択する。共溶媒系(通常は79:21の酢酸エチル:ベンジルアルコール)の使用により、80:20のポリマー:活性剤配合で、連続溶液に50%までの固体が見込まれる。
【0080】
活性剤とポリマー(コポリマーおよびリガンドを有するコポリマー)の混合物から構成される有機相を形成する。有機相を、界面活性剤、およびいくらかの溶解した溶媒から構成される水相と、概ね1:5の比(油相:水相)で混合する。高い薬物添加量を実現するために、有機相中の約30%の固体を使用する。
【0081】
活性剤とポリマー(ホモポリマー、コポリマー、およびリガンドを有するコポリマー)の混合物で構成された有機層を形成する。組成および有機溶媒を表1に列挙する。有機相は、界面活性剤、およびいくらかの溶解した溶媒から構成される水相と、概ね1:5の比(油相:水相)で混合される。一次エマルジョンは、単純に混合しながら、またはローターステーターホモジナイザーの使用によって、2つの相の組合せによって形成される。次いで、一次エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの使用によって微細エマルジョンに形成する。次いで、微細エマルジョンを、脱イオン水に、混合しながら加えることによって、クエンチする。クエンチ:エマルジョン比は、概ね8.5:1である。次いで、25%(wt%)のTween80の溶液をクエンチに加え、全体的に概ね2%のTween80を達成する。これは、カプセル化されていない遊離の薬物を溶解させるのに役立ち、またこれによって、ナノ粒子単離プロセスが実施可能になる。次いで、遠心分離または限外濾過/ダイアフィルトレーションのいずれかによってナノ粒子を単離する。
【0082】
一連の標準のナノエマルジョン条件を以下のとおりに示す。
【0083】
【表1】
【0084】
(実施例2)
材料および方法
別段指摘しない限り、本明細書における実施例の部に記載するすべての実験に、以下の材料および方法を使用した。
【0085】
ペプチド合成
CEM Liberty Blueマイクロ波補助自動ペプチド合成装置において、標準のFmoc/tBu固相ペプチド合成(SPPS)を使用して、ペプチド合成を行った。市販品供給元(Novabiochem、Anaspec、Bachem、Chem−Impex)からすべてのアミノ酸を入手した。Rinkアミド樹脂(Novabiochem、カリフォルニア州サンディエゴ)を、活性剤N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(Sigma−Aldrich)、Oxyma Pure(Novabiochem)、および塩基としてのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)と共に使用した。N末端Fmoc基の除去は、ジメチルホルムアミド(DMF)中にて20vol%のピペリジンを使用して実現した。別段指摘しない限り、すべてのペプチドが、N末端においてアセチル化され、C末端においてアミド化された。アセチル化は、DMF中15vol%の無水酢酸(Sigma−Aldrich)溶液を使用して実施した。ペプチドが合成された後、樹脂を20mLのジクロロメタン(DCM)で3回洗浄し、真空下で乾燥した。2.5vol%のトリイソプロピルシラン(TIS、Sigma−Aldrich)、2.5vol%の水、2.5wt%のジチオトレイトール(DTT)、および92.5vol%のトリフルオロ酢酸(TFA、Alfa Aesar)からなる溶液を用い、1〜2時間かけて、ペプチドを切断した。樹脂を濾別し、窒素流を使用してTFA溶液を濃縮した。約20体積の冷ジエチルエーテルを使用して、TFA溶液からペプチドを沈殿させ、遠心分離によって収集し、冷エーテル(3回、各20mL)で摩砕した。
【0086】
ペプチドジスルフィド形成
ペプチドを20%のDMSO/に1mg/mLで溶解させ、室温で撹拌することにより、システイン含有粗ペプチドを酸化させて、対応するジスルフィドとした。反応をLC/MSによってモニターした。完了後、固相抽出(2gのSep−Pak tC18カートリッジ、Waters)を使用して粗ペプチドを単離し、凍結乾固した。ペプチドを水/アセトニトリルに溶解させ、0.1%のTFAを含有するアセトニトリル/水の勾配を用い、250×21.2mmのC18カラム(Phenomenex)を使用する逆相HPLCによって精製した。純粋な画分をプールし、凍結乾燥し、LCMSによって純度が90%を超えていることを判定した。エレクトロスプレー質量分析を使用して、正確なペプチド構造を確認した。本明細書で報告するすべてのペプチドが、予想されたm/z値を有した。
【0087】
ラクタム生成
部位特異的なラクタム形成を確実にするために、本発明者らは、他の側鎖を保護されたままに、ペプチドを固体支持体に結合されたままにしておきながら、緩酸切断を使用して除去することのできる、メチルトリチル(Mtt)および2−フェニルイソプロピルオキシ(O−2PhiPr)保護基を使用した。94%のDCM、5%のTIS、および1%のTFAの混合物を、ゆっくりと樹脂にかけた。遊離Mttは、濃い黄色/橙色の色調を有するので、保護基の遊離は、観察することができる。黄色の色調が認められ、再び薄らぐまで、樹脂に切断溶液をかけた。樹脂をDCM(20mL、3回)およびDMF(20mL、3回)で洗浄した。次に、樹脂を20mLのDMFに浸した後、PyBOP(3当量)およびDIEA(9当量)を加えた。溶液を6時間震盪し、次いでDCM(20mL、3回)で洗浄し、上述のとおりに切断した。
【0088】
P
2−ビオチン二量体合成
Fmoc−PEG Biotin NovaTag樹脂(Novabiochem)を使用して、P
2−ビオチン二量体を合成した。ペプチドを切断し、上で報告したとおりに酸化させ、BS(PEG)5(PEG化ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート)(ThermoFisher Scientific)を使用して、リシン残基の遊離アミンを介して二量体化した。二量体化反応は、DMF中で、塩基としてのDIEA(6当量)を用いて実施し、次いで、水に希釈し、RP−HPLCによって精製して、P
2−ビオチン−二量体を得た。この試薬は、P
2競合ELISAにおいて使用した。予測MWは、5167.9、逆重畳積分による質量:5167.6であり、イオン実測値は、1292.9および1723.5であった。
【0089】
ペプチドに対するDBCOコンジュゲーションの典型的な手順
粗ペプチドを、(適用可能であれば)ジスルフィド酸化後の銅不使用クリック化学反応のために、DBCOにコンジュゲートさせた。P
1(22.96mg、11.88μmol)を1.2mLの無水DMFに溶解させた。DBCO−PEG5−NHSエステル(12.4mg、17.8μmol、1.5当量)を、0.3mLの無水DMFに溶解させ、ペプチド溶液に加えた後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(12.4uL、71.3μmol、6当量)を加えた。反応液を、LCMSによってモニターしながら、1時間撹拌した。1時間後、出発材料が消費され、生成物を、アセトニトリル(0.1%のTFA)および水(0.1%のTFA)を使用するRP−HPLCによって精製した。
【0090】
LC−MSによるペプチドのインタクト質量測定
アセトニトリル(0.02%のTFA、0.08%のギ酸)および水(0.02%のTFA、0.08%のギ酸)を移動相として使用するAgilent 1200 HPLCを備えたC18 Jupiter(C)カラム(250×2mm、5μm、300Å、Phenomenex)に、試料を0.5mL/分で注入した。方法は、10分かけて5%〜75%へのアセトニトリルの線形勾配とし、ペプチドは、3〜10分の範囲内で溶離させ、Agilent 6220 TOFへと誘導された。エレクトロスプレー条件は、気体温度350℃、毛管電圧3500V、およびフラグメンター 120Vからなるものとした。m/z質量範囲は、100〜3000Daとした。取得ソフトウェアは、MassHunter(Agilent)とした。
【0091】
DBCO−アルデヒドリンカーの合成
DBCO−PEG4−アミン(19.24mg、0.037mmol)をDMF(700uL)に溶解させた後、p−ホルミル安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(9.1mg、0.037mmol)およびDIEA(38.4uL、0.22mmol)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌し、その後、LCMSによって完了が示された。粗生成物をRP−HPLCによって精製し、純粋な生成物を凍結乾燥して、11.3mgの純粋な生成物を得た(収率47%)。予測MWは、655.75、MW+1実測値=656.296であった。
【0092】
EGFの還元的アルキル化
以前に報告されているものと同様の方法を使用して、組換えヒトEGF(R&D systems)をDBCO−アルデヒドにコンジュゲートさせた。EGFの溶液(6.4mg、7.95mL、PBS中0.806mg/ml)を1mLの酢酸ナトリウム緩衝液(500mM、pH5.5)と合わせた。DBCO−アルデヒド(9.92mg、15当量)を950uLのDMFに溶解させ、EGF溶液に加えた。反応液を30分間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(100uL、THF中1M)を加えて、最終濃度を10mMとした。反応液を室温で終夜撹拌した。反応をLCMSによってモニターし、所望の生成物への概ね70%の変換がUVによって検出されたとき、完了したと判定した(予測MW 6986.92、実測MW 6986.9)。Amicon Ultra 5K Centrifugal Filter Device(EMD Millipore)を使用して反応混合物を濃縮し、所望の生成物をZeba Spin Column、7K MWCO(ThermoFisher)で精製した。最終生成物の濃度をUV分析によって決定した。DBCO部分の完全性を、10当量の4−アジドアニリン塩酸塩との反応によって試験した。EGF−DBCOのアジドアニリンとの完全な反応が、LCMSによって観察された(予測MW 7121.06、実測MW 7120.85)。
【0093】
PLA−PEG−アジドの合成
130℃のモノマー融解条件下で2−エチルヘキサン酸スズ(II)を触媒として使用するD,L−ラクチドの開環重合において、市販品として入手可能なα−ヒドロキシ−ω−アジド−ポリエチレングリコール(HO−PEG−アジド、Rapp Polymere)をマクロ開始剤として使用した。得られるPLA−PEG−アジドをジクロロメタンに溶解させ、次いで、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)およびヘプタン(70/30v/v)中に沈殿させることにより回収した。
【0094】
PLA−Cy5の合成
10kDaのPLA−COOH(1グラム、0.1mmol)を10mLのDMSOに溶解させ、最終濃度を100mg/mLとした。これに、Cy5−アミン(0.058g、0.1mmol)、PyBOP(0.052g、0.1mmol)、およびDIEA(0.087mL、0.5mmol)を加えた。カップリング反応をLCMSによってモニターし、完了後、生成物をMBTE中20%のヘプタンに沈殿させることにより精製した。得られる青色の固体を濾別し、MTBE中20%のヘプタンで洗浄した。
【0095】
ナノ粒子調製
PLA−Cy5が添加されたナノ粒子の水性懸濁液中での調製についての一般エマルジョン手順は、次のとおりである。19.8%のポリマーと0.2%のPLA−Cy5とを含む20%の固体(wt%)で構成された有機相を形成した。有機溶媒は、酢酸エチル(EA)およびベンジルアルコール(BA)であり、BAが有機相の20%(wt%)を占める。有機相を、水中0.25%のコール酸ナトリウムと2%のBAと4%のEA(wt%)とから構成された水相と、概ね1:5の比(有機相:水相)で混合した。一次粗エマルジョンは、単純に混合しながら、またはローターステーターホモジナイザーの使用によって、2つの相の組合せによって形成された。次いで、一次エマルジョンを、高圧ホモジナイザーの使用によって微細エマルジョンに形成した。次いで、微細エマルジョンを、冷えた(0〜5℃)脱イオン水に混合しながら加えることによりクエンチした。クエンチ:エマルジョン比は、概ね10:1であった。次いで、クエンチにTween−80の35%(wt%)溶液を加えて、Tween−80を全体で概ね4%とした。ナノ粒子を、限外濾過/ダイアフィルトレーションによって単離および濃縮した。
【0096】
ポリマーの特徴付け
ポリマーの数平均分子量、重量平均分子量、および多分散性指数を、Tosoh Biosciences EcoSEC(Model HLC−8320GPC)におけるサイズ排除クロマトグラフによって決定した。試料をTSKgel Column(4.6mm×15cm、3um、Tosoh Biosciences #W00013)に注入し(10uL、1mg/mL)、35℃にて0.25mL/分で実施した。
【0097】
ナノ粒子サイズ分析
Wyatt DynaProプレートリーダーにおいて、158°で散乱させた830nmレーザーを用いた、25℃の希薄水性懸濁液の動的光散乱(DLS)によって、粒度分布を決定した。粒径分析は、三通りに実施しており、平均粒径の平均値を報告する。すべての試料について、三通りの測定の標準偏差は、3nm以下であった。
【0098】
ゼータ電位分析
Brookhaven InstrumentsのPALS Zeta Potential Analyzerにおいて、ゼータ電位を決定した。試料を1mMのNaCl溶液に希釈して、最終濃度を約1mg/mLのナノ粒子とした。各試料1.7mLをキュベットに加え、各キュベットをBrookhaven ZetaPlusに入れ、次いで、25℃で5分間平衡化した後、測定を行った。
【0099】
ELISA
組換えヒトEGFR(5μg/mL、R&D Systems)を、0.1Mの炭酸/炭酸水素緩衝液(Sigma−Aldrich)中にて、4℃で一晩かけて、96ウェルプレート上に捕捉した。PBS中2%のBSAを用い、プレートを室温で2時間かけてブロックした。EGFR結合をめぐってEGFと競合することがわかっている、EGFRを標的とするペプチドおよびナノ粒子について、ペプチドおよびナノ粒子(標的化および非標的化)の段階希釈物を、アッセイ緩衝液(PBS中2%のBSA、0.05%のTween−20)中で0.7nMのビオチン化組換えヒトEGF(Molecular Probes)と共に室温で90分間インキュベートした。P
2リガンドに由来するペプチドおよび標的化ナノ粒子については、ペプチドおよびナノ粒子(標的化および非標的化)の段階希釈物を、アッセイ緩衝液中で1nMのP
2−ビオチン二量体および50nMの組換えヒトEGF(R&D Systems)と共に室温で90分間インキュベートした。プレートを、0.05%のTween−20を含有するPBS(PBS−T)で3回洗浄し、次いで、アッセイ緩衝液に希釈したストレプトアビジン−HRP(Thermo Fisher Scientific)の1:10,000希釈物と共に、室温で90分間インキュベートした。プレートをPBS−Tでさらに3回洗浄し、次いで、TMB基質(BioFx)と共に室温で15分間インキュベートした。反応を停止溶液(BioFx)で停止させ、マイクロプレートリーダー(SpectraMax M5e、Molecular Devices)において450nmで吸光度を読み取った。
【0100】
スクリーニングELISA
異なるフォーマットのEGFR結合ELISAを開発して、EGFとの競合が報告されているペプチドをスクリーニングした。以前に記載したELISA法でのように、組換えヒトEGFR(5μg/mL、R&D Systems)を、0.1Mの炭酸/炭酸水素緩衝液(Sigma−Aldrich)中にて、4℃で一晩かけて、96ウェルプレート上に捕捉した。PBS中2%のBSAを用い、プレートを室温で2時間かけてブロックした。ペプチドを、アッセイ緩衝液(PBS中2%のBSA、0.05%のTween−20)中にて、100uMという1段階の濃度で、0.7nMのビオチン化組換えヒトEGF(Molecular Probes)と共に、室温で90分間インキュベートした。ペプチドが100%DMSO保存液として復元されたため、アッセイにおけるDMSOの最終濃度は、すべての試料について2%となった。プレートを、0.05%のTween−20を含有するPBS(PBS−T)で3回洗浄し、次いで、アッセイ緩衝液に希釈したストレプトアビジン−HRP(Piece)の1:10,000希釈物と共に、室温で90分間インキュベートした。プレートをPBS−Tでさらに3回洗浄し、次いで、TMB基質(BioFx)と共に室温で15分間インキュベートした。反応を停止溶液(BioFx)で停止させ、マイクロプレートリーダー(SpectraMax M5e、Molecular Devices)において450nmで吸光度を読み取った。
【0101】
細胞培養
EGFRを過剰発現するヒト表皮癌細胞株A431(ATCC)を、10%のウシ胎児血清(FBS)および100単位/mLのペニシリン−ストレプトマイシンで補充したRPMI培地(組織培養試薬はすべて、Thermo Fisher Scientific製)において、37℃、5%CO2雰囲気中で培養した。
【0102】
表面結合
培養したA431細胞を、2×10
6細胞/mLでPBS中5%BSAに再懸濁した。Cy5にコンジュゲートさせた標的化および非標的化ナノ粒子を段階希釈したものを、V底96ウェルプレートにおいてA431細胞と共に4℃で1時間インキュベートした。試料を氷冷PBSで3回洗浄して、非結合ナノ粒子を除去し、氷冷PBSに再懸濁した。試料をAccuri C6フローサイトメーター(BD Biosciences)で分析した。
【0103】
内部移行アッセイ
表面結合アッセイでのように、培養したA431細胞を、2×10
6細胞/mLでPBS中5%BSAに再懸濁した。Cy5にコンジュゲートさせた標的化および非標的化ナノ粒子を段階希釈したものを、V底96ウェルプレートにおいて、A431細胞と共に、37℃で様々な時間をかけてインキュベートした。試料を氷冷PBSで3回洗浄して、非結合ナノ粒子を除去した。各試料の半分を氷冷PBSに再懸濁し、Accuri C6で分析して、表面に結合したナノ粒子蛍光を発生させた。試料の残りの半分は、0.2Mの酢酸および0.5MのNaCl酸洗浄緩衝液で5分間処理した。次いで、試料を遠心分離し、氷冷PBSに再懸濁し、Accuri C6において、保持された蛍光について分析した。
【0104】
SPR
Biacore T200機器(GE Healthcare)において、表面プラズモン共鳴(SPR)結合研究を実施した。概ね10,000RUの抗Fc抗体(GE Healthcare、カタログ番号BR100839)を、CM5デキストランコーティッド金センサーチップ(GE Healthcare、カタログ番号BR100530)のフローセル1および2のそれぞれに、アミンカップリングによって固定した。Fcでタグ付けされた組換えヒトEGFR(rhEGFR−Fc、R&D systems、カタログ番号344−ER−050)をPBS中に10μg/mLで復元し、フローセル2に捕捉した。接触時間および得られたrhEGFR−Fc捕捉量は、分析物の性質、すなわち、ペプチドまたはナノ粒子のどちらであったかにより様々であった。EGF存在下で分析物の結合を試験するとき、rhEGF(R&D Systems、カタログ番号236−EG)のPBS中溶液を、rhEGFR−Fcの一面に予備注入してから、分析物を導入した。
【0105】
ペプチド結合アッセイを、0.05体積%の界面活性剤P20および5体積%のDMSOで補充した10mMのPBS緩衝液中にて、25℃で実施した。ペプチドをrhEGFR−Fc表面の全面に60秒間注入した後、60秒間解離させ(緩衝液注入)、10秒パルスの3M MgCl
2で再生させた。試験する各ペプチドの各濃度について、新たなrhEGFR−Fc表面を作製した。ペプチド結合データを、1:1ラングミュア動態モデルに適合させて、相互作用のオンレート(k
a)、オフレート(k
d)、および/または平衡結合定数(KD)を取得することにより分析した。
【0106】
ナノ粒子結合アッセイを、10mMのHBS−EP+緩衝液(GE Healthcare、カタログ番号BR100669)中にて、25℃で実施した。ナノ粒子をrh EGFR−Fc表面の全面に60秒間注入した後、60秒間解離させ、10秒パルスの3M MgCl
2で再生させた。試験する各ナノ粒子の各濃度について、新たなrhEGFR−Fc表面を作製した。ナノ粒子センソグラムは、ナノ粒子と標的との間の結合相互作用が多価的な性質をもつために、1:1ラングミュア動態モデルにぴたりと適合させることができなかった。その代わりとして、ナノ粒子結合データを、注入終了後の単一時点における結合応答対濃度のプロットとして示した。
【0107】
Cy5のin vitro放出動態
生理的シンク条件下でin vitroのPLA−Cy5放出動態を決定した。ナノ粒子をリン酸緩衝溶液(PBS)中10%のポリソルベート20に懸濁させ、37℃の水浴中で穏やかに撹拌しながらインキュベートした。定期的に、一定分量の懸濁液を除去し、264,000gで30分間超遠心分離した。上清および超遠心分離前の懸濁液の試料を蛍光(ex650nm、em670nm)分析し、上清中に放出されたPLA−Cy5濃度を、遠心分離していない試料中の合計濃度と比較することにより、放出パーセントを算出した。
【0108】
(実施例3)
クリック化学反応が可能にしたナノ粒子
臨床開発および大規模製造では、受容体を標的とするナノ粒子が、PEG末端において低分子量標的化リガンドに共有結合によってコンジュゲートさせたPLA−PEGを含む標的化ポリマーを組み込むことにより生成される。ナノエマルジョン製造プロセスの際、標的化リガンドは、親水性PEG鎖と共に、ナノ粒子の表面に配向される。標的化ポリマーの合成は、大規模ナノ粒子生成にとって望ましいものの、これには、数百ミリグラムからグラム量の標的化リガンドと、かなりの化学的な手間が必要となる場合があり、これが、より多種類の分子を評価する妨げとなりかねない。したがって、本発明者らは、ナノ粒子にコンジュゲートさせた異なる標的化分子のより迅速かつリガンド効率のよいスクリーニングを可能にする表面コンジュゲーション戦略を開発した。
【0109】
ナノ粒子表面コンジュゲーションを可能にするために、本発明者らは、ほとんどの標的化リガンド中に見出される官能基に対してオルソゴナルとなっており、ナノ粒子の水性懸濁液と適合しており、ナノ粒子保存液の長期貯蔵に対して安定となるであろう、種々の化学事象を探索した。銅を媒介としたアルキン−アジド付加環化化学(CuAAC)は、当初は有望な戦略のように思われたが、この手法は、いくつかの反応条件の評価にもかかわらず、典型的にはスクリーニングにかけられた様々なリガンド(低分子、ペプチド、タンパク質)との適合性に一貫性がないことが判明した。反応が効率よく進まなかったこともあれば、反応中に、リガンドを主体とするかなりの不純物が形成されたこともあった。コンジュゲーション後の分子構造の特徴付けがかなりの難題となることによって、リガンド分解の潜在的可能性が高くなり、したがって、この化学事象は、受容体を標的とするナノ粒子の評価に不適切であるとみなされた。
【0110】
最も信頼度が高く効率のよい化学事象は、歪み促進型アジドアルキン付加環化(SPAAC)であった。この手法では、PEG末端に、その後ナノ粒子表面に表出するアジド基を呈する、大規模単一バッチのPLA−PEG−アジドポリマーが合成された。このポリマーが組み込まれているナノ粒子は、表面上にいくつかのアジド基を有し、対応する歪みアルキン官能基を含有するリガンドに、種々の密度で結合させることができる。本発明者らは、反応性と安定性のバランスがとれており、水への溶解性があり、市販品として入手可能であることから、ジベンゾシクロオクチン(DBCO)を選択した。このようにして、多くの標的化リガンドを1桁のミリグラム量で合成し、ナノ粒子コンジュゲートとしての結合についてスクリーニングすることができる。
【0111】
HO−PEG−アジドからの、オクタン酸スズを触媒とした開環重合(
図3Aおよび3B)によって、PLA−PEG−アジドを合成した。ナノ粒子の大部分を占めたポリマーの特性に見合ったポリマー(16kDaのPLA、5kDaのPEG)を作製した。このポリマー上のアジド官能基の完全性は、市販品として入手可能なDBCOアミンとの反応によって確認した(
図4A)。未反応のDBCOは、紫外線(UV)A280および質量分析の両方によって検出され、生成物のPLA−PEG−アジド−DBCOは、クロマトグラムのPLGA−PEG溶離領域におけるA280をモニターすることにより検出される。PLA−PEG−アジドは、280nmの吸光を伴わないため、吸光度の増大は、反応が進行し、DBCO部分のUV特性がポリマーに移動したことを示す(
図4B)。DBCO部分の吸光性は、トリアゾール環が形成されたときに減少しており、したがって、ポリマーUV吸光度は、出発遊離DBCOと同じ強度には達しなかったことに留意すべきである。この分析によって、アジド官能基が重合条件の間に変化しなかったことが実証され、DBCOアミンの99%の消費が観察された。
【0112】
フローサイトメトリーおよび他のアッセイにおけるナノ粒子検出を可能にするために、本発明者らは、ナノ粒子構造に蛍光標識を組み込もうと努力を尽くした。クリック化学反応によって、ナノ粒子をリガンドとフルオロフォアの両方で効率よく修飾することが可能になるが、ナノ粒子の表面は、標的化リガンドだけで修飾して、非特異的結合を防ぐことが好ましかった。したがって、ナノ粒子コアに安定してカプセル化することのできるCy5蛍光ペイロードを合成した。10kDaのPLA−カルボン酸ポリマーを、Cy5−アミンフルオロフォア誘導体にコンジュゲートさせた。このポリマーは、疎水性であり、アッセイ条件下で多くはナノ粒子内にカプセル化されたままとなる十分な分子量を有する。これは、in vitro放出法を使用して確認しており、
図26に示されるとおり、T=0時点でのCy5の4%の放出に続いて、48時間かけて10%未満のCy5が示された。
【0113】
実施例1および2に記載したとおり、ナノ粒子をナノエマルジョンプロセスによって作製した。簡潔に述べると、ナノ粒子成分(PLA−PEG、PLA−PEG−アジド、およびPLA−Cy5)をすべて、ベンジルアルコールと酢酸エチルとからなる有機相に溶解させた。有機相を、界面活性剤を含有する水相と乳化させ、エマルジョンを高圧ホモジナイザーに通して、所望の液滴サイズを得た。大幅に過剰の水に希釈して、エマルジョン液滴から溶媒を抽出し、粒子を形成することにより、最終エマルジョンを作り出した。最終ステップは、タンジェンシャルフロー濾過とし、カプセル化されていない成分および溶媒を除去した。表2に示すとおり、30%(PLA−PEGポリマーに対するモル%)のアジドポリマーおよびPLA−Cy5ポリマー(全ポリマーの1重量%)を含めても、粒径または多分散性には、こうした構成要素を含まないナノ粒子に比べて、ほとんど影響がないように思われた。
【0114】
【表2】
【0115】
ナノ粒子の最終水性懸濁液は、DBCO−アミンを代用リガンドとして使用することにより、アジド官能基の表面表出および反応性について特徴付けた。アジド基は、ナノ粒子表面上の全PEG末端基の30%に相当すると予想される。PEG鎖のすべてがナノ粒子の表面に表出した場合、化学量論量のDBCOアミンが完全に消費されるはずである。実際に、反応は、非常に効率的であり、概ね100%のDBCO−アミンが消費され、アジド官能基がナノ粒子表面にほぼ定量的に表出したことが示された(
図4C)。同じ30%のナノ粒子に対して、より少ない化学量論のDBCOリガンドを使用して、表面にコンジュゲートされたリガンドのレベルが異なるナノ粒子を生成することができる。本発明者らにより、試験した0.25%〜30%の範囲にかけて、DBCOリガンドの概ね定量的なコンジュゲーションが観察された。反応液は、4℃で終夜インキュベートして、ナノ粒子分解およびCy5ペイロード放出を最小限に抑えた。
【0116】
したがって、アジドナノ粒子およびDBCO試薬の使用が、ナノ粒子表面上に種々のレベルで標的化リガンドを導入する有効な方法であることが決定された。コンジュゲーションの効率が高いことで、余分なリガンドを必要とせずに済み、コンジュゲーション後の精製は、簡略化され、遊離リガンドが結合アッセイの妨げとなるリスクは、最小限に抑えられる。加えて、投入リガンド化学量論を様々にすることにより、所望のリガンドレベルを正確かつ容易に制御することができる。
【0117】
(実施例4)
EGF標的化ナノ粒子
こうした研究の陽性対照を設けるために、EGFRの天然におけるリガンドである上皮成長因子(EGF)を、共有結合によってDBCOにつないで、ナノ粒子表面へのコンジュゲーションを可能にした(
図5)。EGFは、概ね6kDaの、53アミノ酸のタンパク質である。(NHSエステルなどの)アミド結合を形成する試薬を無秩序に使用してEGFアミノ基(リシンおよびN末端アミン)を修飾すると、EGFRに対するEGF親和性は、損なわれかねない。EGFの選択的なN末端修飾を、二官能性DBCO−アルデヒドリンカーを用いた還元的アルキル化によって実現した。アルデヒドリンカーを種々の条件下でEGFと反応させ、生成物をLCMSによって分析した。10〜15当量のアルデヒドおよび10mMのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いたpH5.5での還元的アルキル化では、単一アルキル化EGFが大部分を占める結果となり、二重アルキル化または無修飾EGFがそれぞれ10%〜20%となった(表3)。反応はすべて、50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中10%のDMF(v/v)中で進めた。生成物分布は、LC/MS(280nmでのUV吸収)によって測定した。
【0118】
【表3】
【0119】
還元剤の濃度を増すことで、EGFの消費はより多くなったものの、これによって、より高い割合の二重アルキル化生成物も生じた。二重アルキル化生成物は、活性がより低い場合もあり、またはナノ粒子の架橋につながりかねなかったため、望ましくなかった。加えて、未修飾EGFは、ナノ粒子にコンジュゲートされないはずであり、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、その後、除去し得る。得られるDBCO−EGFを、残りの試薬から、脱塩カラムを使用して精製し、次いで、遠心濃縮装置を使用して濃縮した。DBCO部分の完全性は、DBCO−EGF生成物をアジド−アニリン塩酸塩(AAHC)と反応させることにより確認した。単一および二重修飾DBCO−EGFは、AAHCに効率よくコンジュゲートされたが、未修飾EGFは、インタクトなままとなった(
図6および表4)。
【0120】
【表4】
【0121】
次に、DBCO−EGFリガンドを、概ね2.5%のリガンド密度(例えば、12のうち1つのアジドがEGFリガンドとコンジュゲートされることになる)で、アジドナノ粒子にコンジュゲートさせ、得られるコンジュゲートを、サイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。単一および二重標識DBCO−EGF成分は、ナノ粒子に効率よく結合したが、未修飾EGFは、そのままとなり、SECによって除去された。
【0122】
(実施例5)
EGF−NPの組換えEGFRへの結合
EGFナノ粒子(EGF−NP)の結合特性を、表面プラズモン共鳴(SPR、またはBiacore)によって、また競合ELISAアッセイを使用して評価した。ELISAアッセイでは、ナノ粒子または遊離EGFリガンドを、組換えヒトEGFR−Fcでコートされた96ウェルプレート上への結合をめぐって、市販品として入手可能なビオチン−EGFコンジュゲートと競合させた。組換えヒトEGFR(5μg/mL、R&D Systems)を、0.1Mの炭酸/炭酸水素緩衝液(Sigma−Aldrich)中にて、4℃で一晩かけて、96ウェルプレート上に捕捉した。PBS中2%のBSAを用い、プレートを室温(RT)で2時間かけてブロックした。ペプチドを、アッセイ緩衝液(PBS中2%のBSA、0.05%のTween−20)中にて、100uMで、0.7nMのビオチン化組換えヒトEGF(Molecular Probes)と共に、室温で90分間インキュベートした。ペプチドが100%DMSO保存液として復元されたため、アッセイにおけるDMSOの最終濃度は、すべての試料について2%となった。プレートを、0.05%のTween−20を含有するPBS(PBS−T)で3回洗浄し、次いで、アッセイ緩衝液に希釈したストレプトアビジン−HRP(Piece)の1:10,000希釈物と共に、室温で90分間インキュベートした。プレートをPBS−Tでさらに3回洗浄し、次いで、TMB基質(BioFx)と共に室温で15分間インキュベートした。反応を停止溶液(BioFx)で停止させ、マイクロプレートリーダー(SpectraMax M5e、Molecular Devices)において450nmで吸光度を読み取った。
図7に、この分析の結果を示す。ELISAによって示されるとおり、ナノ粒子および遊離EGF−DBCOリガンドは、96ウェルプレート上にコートされた組換えヒトEGFR−Fc融合タンパク質への結合をめぐって、市販品として入手可能なビオチン−EGFと競合する。DBCO−EGFリガンドは、EGFRへの結合が未修飾EGFの概ね2分の1であり(例えば、2倍の高さのIC
50)、DBCO修飾化学反応が結合親和性に及ぼす影響は最小限に抑えられたことが示された(
図7A)。ナノ粒子−EGFコンジュゲートは、IC
50が未修飾EGFの概ね10倍の高さであり、DBCO−EGFの4倍の高さであった。しかし、ナノ粒子表面にコンジュゲートさせたEGFは、ナノ粒子の3次元構造およびサイズのために、すべてがEGFRと接触するとは予想されなかったことを考えると、これはまったく意外ではない。したがって、EGFのナノ粒子へのコンジュゲーションは、その結合親和性をそれほど変化させなかった。未修飾アジドナノ粒子は、EGFRへの結合をめぐって、EGF−ビオチンと競合せず、非特異的ナノ粒子結合は実証されなかった。
【0123】
SPRをオルソゴナルな方法として使用して、組換えEGFR−Fc融合タンパク質に結合する未修飾EGFおよびEGF−ナノ粒子コンジュゲートを特徴付けた。
図7Bに示されるとおり、DBCOで修飾したEGFは、ELISAデータに一致して、センソグラムがわずかに変化している。EGFナノ粒子では、分析物の分子質量がより大きいために、未修飾EGFに比べて明確に大きい応答が得られる。非官能化アジドナノ粒子では、EGFR−Fcでコートされた表面への結合が最小限となり、EGFナノ粒子の応答が、特異的な受容体結合の結果として生じることを示している。ナノ粒子のEGFR受容体表面との相互作用が多価的な性質をもち、ナノ粒子の分子量を正確に特徴付けることが困難であるために、この相互作用については平衡結合定数(K
D)を決定しなかった。しかし、SPR曲線の結合動態から、多価的な結合相互作用に関して予想される、緩徐なオフレートを伴う密な相互作用が示唆される。
【0124】
(実施例6)
低分子量EGFRリガンドスクリーニング
EGFが、EGFRに対するナノ粒子標的化の信頼度の高い概念実証リガンドとして働くが、本発明者らは、ナノ粒子製造プロセスに適合する、より低分子量のリガンドを探索した。最初の手法として、天然におけるリガンドEGFおよびTGFα(トランスフォーミング成長因子アルファ)の10アミノ酸長の重複ペプチド断片を合成し、EGFR競合ELISAおよびSPRを使用して、EGFRへの結合についてスクリーニングした。残念なことに、また合成された断片のいくつかがEGFR結合能を保持したことを示した報告とは対照的に、作製したペプチドはいずれも、どちらの方法によってもEGFRへの結合を示さなかった(表5および6)。
【0125】
【表5】
【0126】
【表6】
【0127】
文献を見直すと、いくつかのペプチド(MW範囲1200〜1900)がEGFRに結合すると報告されていたことが明らかになった。そのペプチドのすべてを合成し、EGFR結合について、SPRを使用して評価した(表7)。すべてがEGFRへの結合をめぐってEGFと競合すると報告されてはいないので、これらのペプチドのスクリーニングに競合ELISAは使用しなかった。驚いたことに、報告されたペプチドの少数だけが、EGFRへの再現可能な結合を示した。
図8Aおよび8Bに、これらペプチドについてのSPR結合データの概要を示す。合成された17種のうち5種のペプチドにおいてのみ、ベースラインを上回る結合シグナルが得られ、これらのうち3種だけが、50μM未満の濃度で飽和性結合を示した。全5種の結合性ペプチドおよび抜粋した他の非結合性ペプチドを、C末端側のリシン側鎖にDBCO部分を付けて(Gly−Glyスペーサーを含む)再合成し、次いで、5%および10%のリガンド密度(ナノ粒子1個あたり約225個および450個のリガンド)で、アジドナノ粒子にコンジュゲートさせた。
【0128】
【表7】
【0129】
ナノ粒子のEGFR−Fcへの結合を、SPRを使用して評価した。
図8Bに、ナノ粒子コンジュゲートの結合センソグラムを示す。EGF−NPに匹敵するナノ粒子結合シグナルが、P
1について実証され、わずかに弱めの結合がP
2について観察された。しかし、他のペプチド−ナノ粒子コンジュゲートについての結合は、こうした条件下で認められなかった。P
2は、どちらのリガンド密度でもEGFRに結合しなかったものの、ナノ粒子にコンジュゲートさせたP
1の10mol%での結合応答は、より強くなっており、動態は、5%および10%でのP
2ナノ粒子より急速であるように思われる(オンおよびオフレート)。P
1が示したより急速な動態によって、P
1だけがより高い(10%)リガンド密度でナノ粒子のEGFRへの結合を媒介することができた理由の説明をつけることができる。本発明者らは、粒子により多く添加することでP
1の局所濃度を増大させると、このリガンドが示した実際の動態にもかかわらず、結合する機会がこれによってより多くなると考えている。肝要な結合要素を特定するために、P
1をさらに研究した。
【0130】
(実施例7)
P
1の構造活性関係性
ペプチド構造の環状部分内のアミノ酸に対してアラニンスキャンを行って、どのアミノ酸が結合に肝要であったかを判定した。ペプチド内の各アミノ酸を、個々にアラニンにより置き換えた。P
1は、EGFとの競合を示したため、EGF競合ELISAを使用して、EGFRへの結合について評価した(
図9Aおよび表8)。データから、アラニンで変異させたペプチドでは結合が低減したため、このペプチド配列におけるほとんどのアミノ酸が、ペプチドのEGFRへの最適な結合に必要となったことが示された。しかし、1種のアミノ酸(Leu6)は、アラニンに変更されたとき、P
1よりわずかに高い親和性を有するペプチドをもたらした(P
1−3)。引き続いて、P
1−3上の隣接するアミノ酸のアラニンスキャンを行った。4つの隣接する残基のうちの3つも、アラニンで変異させたペプチドにおけるEGFR結合の低減によって実証されるとおり、EGFRへの結合において重要な役割を果たしていた。しかし、1位におけるアラニンは、P
1−3に比べてごくわずかな親和性の向上を示した。
【0131】
【表8】
【0132】
すべてのアラニンスキャンペプチドを10mol%でナノ粒子にコンジュゲートさせ、結合について、EGF競合ELISAを使用して評価した。P
1−3(Leu6−Ala)コンジュゲートは、P
1コンジュゲートに比べて、EGFR結合の増強を示した。
図9Bに示されるとおり、P
1−3ナノ粒子の親和性は、P
1ナノ粒子の概ね20倍増大し、この単一アミノ酸変異が、遊離リガンド親和性にはそれほど影響を及ぼさないものの、ナノ粒子にコンジュゲートさせたとき、EGFRへの結合の予想外の向上につながったことが示された。
【0133】
SPR分析を実施して、P
1およびP
1−3ナノ粒子のEGFRへの結合を比較した。1mg/mLのナノ粒子濃度でのP
1およびP
1−3ナノ粒子のセンソグラムは、5%の密度で最小限の結合、10%のリガンド密度でより強固な結合を実証している(
図9C)。加えて、10%のP
1−3ナノ粒子は、10%のP
1ナノ粒子に比べて著しく緩徐なオフレートを示した。したがって、遊離ペプチド親和性のわずかな向上によって、ナノ粒子結合特性に有意な変化がもたらされた。
【0134】
EGFR結合の促進がP
1−3ナノ粒子によって実現されたが、このリガンドは、EGFとエピトープが共通しており、このため、標的化ナノ粒子がin vivoで天然リガンドと競合するはめになりかねない。加えて、本発明者らは、ナノ粒子表面の装飾が最小限に抑えられるような、より低密度で強固なナノ粒子結合を実現することのできるリガンドを所望したが、これは、粒子の秘匿性および長期循環を維持するために重要となり得る。N−メチルアミノ酸ならびに他の天然および非天然アミノ酸点変異による置き換えを含む、P
1−3の追加の類似体を作製したが、得られるペプチドはいずれも、P
1−3をさらに超えるEGFR結合は一切示さなかった(表9)。
【0135】
【表9】
【0136】
(実施例8)
P
2の構造活性関係性
ナノ粒子結合を媒介することが実証された別の文献EGFR結合性ペプチドであるP
2は、EGFもEGFRに結合しているとき、親和性の増強を有することが報告された。しかし、本発明者らの手では、このペプチドの親和性のSPR分析をEGF存在下または非存在下で行うと、互角のK
Dが明らかになった(表10)。
【0137】
【表10】
【0138】
興味深いことに、5%および10%の両方のリガンド密度でのP
2のナノ粒子コンジュゲートは、結合したEGFの存在下で、EGFRへの結合の増強を示した(
図10および
図11)。さらに、EGFとP
2の両方を含んだ二重標的化ナノ粒子について、相乗効果が認められた(
図12)。EGFRは、EGF結合後に安定化される立体構造変化を経て、EGFR二量体化を可能にする、より「開いた」立体配置に変形することが知られている。もとのペプチドは、EGF存在下でのファージディスプレイによって発見され、リポソームコンジュゲートとして研究された。したがって、結合エピトープは、結合状態または非結合状態のEGFRに存在し得るが、エピトープは、EGFRがEGFに結合された状態にあるとき、より接触可能になり、より弱い立体的阻害での、ナノ粒子、リポソーム、またはファージ粒子の接近が可能となり得る。
【0139】
標的化ナノ粒子送達には、EGFと競合しなかったリガンドが望ましかったため、P
2をさらに評価して、その特性を理解し、結合親和性を最適化した。これらの特色をうまくモジュレートして、ナノ粒子結合が向上するようにした。
【0140】
CuAACを使用してアジドナノ粒子にコンジュゲートさせることを目的とした、C末端プロパルギルグリシン部分を有する、ペプチドP
2の類似体が、当初作製された。しかし、後の研究において、SPAAC化学がより効率的であり、コンジュゲーションの際にリガンドの不純物をより発生しにくいことが明らかになったため、アルキンをDBCO部分により置き換えた。やはり、このC末端部分を含有する遊離リガンドを評価して、ペプチドについての構造活性関係性を評価した。
【0141】
P
2に関するアラニンスキャン分析によって、ペプチド構造の肝要な成分が強調された(
図13および表11)。詳細には、環状構造および1つの芳香族残基(Trp8)が、結合にとって最も肝要であった。他の重要な残基には、他の芳香族残基(Trp5)および残基9〜11(Gly−Arg−Glu)が含まれた。残基4、6、および7、ならびに隣接アミノ酸1、2、13、および14(環状部分の外側)は、アラニンに変更されても、結合に対してほとんど乃至まったく影響がなかった。特に、Pro2のアラニンによる置き換え(P
2−2)は、控えめながらより高い親和性のペプチドをもたらすように思われた。トランケーション分析では、コアに結合する要素が、システインの間の残基内に含有されていたことが示され、これにより、アラニンスキャン分析が裏付けられた(表12)。
【0142】
【表11】
【0143】
【表12】
【0144】
ある特定の位置を他のアミノ酸にさらに変異させて、各位置において受け容れられ得る同様のアミノ酸の範囲を決定した(表13)。
【0145】
【表13】
【0146】
予想されたとおり、アラニン置換に寛容であった残基は、結合にほとんど影響を及ぼすことなく、他のアミノ酸に同様に変更することができた。ジスルフィド架橋をモジュレートする、または置き換えることができるかを判定するために、一連のラクタムおよびジスルフィド環化ペプチド類似体を作製した。ジアミノ酪酸(Dab)とアスパラギン酸残基との間の内部アミド結合形成の一例を、
図14に示す。ラクタム環化ペプチドはすべて、かなりの活性を失っており、極性がより強めのアミド結合環化は、ペプチド構造内で十分に許容されなかったことが示された(表14)。
【0147】
【表14】
【0148】
Cys−Cysジスルフィドを他のジスルフィド結合により置き換えることで、結合の度合いが様々である類似体が作製された。選択されたシステイン類似体を
図15に示し、システイン類似体が結合に及ぼした影響を
図16および表14に示す。主鎖とジスルフィドとの間に追加のメチレンを有するホモシステイン(homocys)を含めることは、結合に対して有害であると思われ、より大きな大環状分子は好適でなかったことが示唆された。ペニシラミン(pen)を含めることは、Cysと組み合わせた場合のみ許容されたが、しかし、PenPen類似体は、親Cys−Cysペプチドと親和性が互角であった。
【0149】
結合親和性を向上させる試みにおいて、ペプチド結合にとって肝要な芳香族残基を、個々に、種々の芳香族アミノ酸により置き換えした(表15)。芳香族残基は、EGFRとの重要な接触の媒介となるため、受容体との接触が向上しているまたは付加されている代替官能基を導入することにより、結合を増強することが可能となり得る。それほど肝要でないトリプトファン残基においてフェニルアラニンによる置き換えを行うと、結合の一部が保持されたが、しかし、より肝要なTrp8位では、フェニルアラニンが許容されなかった。各トリプトファンを、個々に、15種の非天然アミノ酸による置き換えも行った。これらのうちの、各位置における1種のアミノ酸が、わずかな親和性の向上を示した。5位における2−インダノイル−グリシン残基によって、トリプトファンに比べてわずかに増強された結合を得ることができたが、しかし、8位におけるこの残基では、結合が完全に無効になった。8位では、5−メトキシトリプトファンが、トリプトファンより概ね2倍良好であったが、しかし、5位におけるこのアミノ酸の合成は、不成功であった。
【0150】
【表15-1】
【0151】
【表15-2】
【0152】
P
2ペプチド類似体およびナノ粒子コンジュゲートの評価の際に、追加のアッセイを開発して、SPRに対してオルソゴナルなアッセイを用意した。これらのペプチドは、EGFと競合しないため、ビオチン化された新規な二量体型のP
2を合成した(
図17)。EGF存在下でのこのペプチドは、競合ELISAフォーマットで使用するための良好なトレーサーである。
図18に、競合する遊離ペプチドP
2または1%もしくは5%のリガンド密度のNPコンジュゲートからの結果を示す。特に、P
2は、ナノ粒子にコンジュゲートさせたとき、モル濃度ベースでEGFR結合の向上を示しており、親和性がわずかに低下した天然リガンドEGFとは対照的である。ナノ粒子へのコンジュゲーション、および結果として起こる、多価的な結合によるオフレートの低下は、おそらく、急速なオンレートおよび緩徐なオフレートの結果として生じる高親和性結合を有するEGFリガンドに対してよりも、急速なオンレートおよびオフレートを有するペプチドリガンドに対して、より影響力をもつ。別個の動態プロファイルを有するリガンドを組み合わせると、相乗的なナノ粒子結合を得ることができる(
図19)。
【0153】
構造活性関係性研究において作製された多くの類似体のうち、3種をさらに評価した。それら3種のペプチド(P
2−2、P
2−102、およびP
2−55)をDBCOコンジュゲートとして合成し、親ペプチド(P
2)と比較した。2つの芳香族変異P
2−98およびP
2−101を組み合わせて、1種のペプチド(P
2−102)とした。P
2−2は、アラニンスキャンシリーズから生まれ、P
2−55には、Pen−Pen環化が組み込まれている。
図20に示す、これら3種の類似体のSPR分析では、3種すべてにおいて、親ペプチドより親和性が向上していることが示された(P
2と比べたP
2−2、P
2−102、P
2−55)。ここでも、EGFの存在下または非存在下でのK
Dに、有意差はなかった(表16)。
【0154】
【表16】
【0155】
これら3種の類似体のナノ粒子コンジュゲートを1%および5%のリガンド密度で調製し、SPRおよび/またはP
2競合ELISAによって評価した。センソグラムデータを適合させてK
Dを導こうとするのではなく、SPRデータを、2分間の注入後に観察された、濃度依存的な結合応答を表す「スナップショット」プロットに変換した(
図21A、21B)。こうしたプロットのためのセンソグラム応答データを捕捉レベルで標準化して、実験の差を考慮に入れた。親P
2にコンジュゲートさせたナノ粒子(5%)についての捕捉正規化された応答を、すべて5%のリガンド密度の新たな類似体と比較すると、EGFの非存在下では、3種すべての類似体について、結合はそれほど向上せず、EGFの存在下では、アラニンおよび芳香族類似体についてはそれほど向上せず、Pen類似体については結合が大きく増大したことが明らかになった(
図21C)。ペニシラミンは、アミノ酸のベータ炭素上にgem−ジメチル基を含有しており、このために、立体構造の柔軟性が低減される。このペプチドが、遊離リガンドとして他の類似体に対して優れた結合親和性を表示さなかったことを考えると、このより強固なペプチド構造によって結合動態が変化し、これが、ナノ粒子結合に影響を及ぼし得る可能性がある。
【0156】
【表17】
【0157】
ELISAデータを、表17に示している。P
2競合ELISAの結果は、SPRデータと一致した。P
2ELISAでは、トレーサーの高親和性結合にEGFが必要となり、したがって、ナノ粒子結合を+/−EGFでアセスメントすることができない。結果は、5%のリガンド密度で、3種すべての類似体コンジュゲートについて、親和性が控えめながら向上したことを示している。
【0158】
ナノ粒子コンジュゲートとしての3種すべての類似体で中程度の向上があったことを踏まえて、2種または3種すべての類似体の特色が単一ペプチド配列に組み込まれているハイブリッド配列を合成し、遊離リガンドおよびナノ粒子コンジュゲートとして評価した。遊離リガンドのK
Dを分析すると、親和性に対してそれほど影響がないことが明らかになる。一般に、芳香族残基を含めると、親和性が向上するように思われ、遊離リガンド親和性はすべて、EGFの存在に対して非感受性であった(表16)。
【0159】
ハイブリッドペプチドのナノ粒子コンジュゲートは、対照的に、結合に多少の有意差を示した。
図22に、3種の二重、および1種の三重変異体のSPRスナップショットプロットを示す。最も顕著な傾向は、芳香族残基を含めると、EGF結合の非存在下で、ナノ粒子コンジュゲートのEGFRへの結合が劇的に向上することである。Ala2とPenの組合せは、結合にマイナスの影響を及ぼすように思われる。これは、PenおよびAla2置換だけを含有する二重変異体(P
2−2/55)を、芳香族置換を含むものと比較することで強調される。このナノ粒子は、EGFの存在下では控えめながらEGFR結合を示すが、しかし、単独での受容体への結合は非常に弱い。芳香族置換を含有するすべてのナノ粒子が、EGF結合の際に、最小限の結合変化を示し、芳香族置換を有する二重および三重変異体リガンドは、全体的なナノ粒子結合の向上を示す。
【0160】
表18に示す、P
2競合ELISAは、同様の結果を実証し、Ala2−Penは、5%で、親ペプチド−ナノ粒子コンジュゲートに比べて相対的に変化しなかったが、芳香族置換を含有するハイブリッド類似体は、IC
50値がより低くなっていた。芳香族残基を含有するリガンドは、もとの親ペプチドに比べて親和性が向上していたが、単一置換を有するペプチドと実質的に差がなかった(表16)。したがって、ナノ粒子結合の明白な向上を、単にリガンド親和性だけによって説明することはできない。
【0161】
【表18】
【0162】
(実施例9)
フローサイトメトリー分析
PLA−Cy5が組み込まれているペプチドナノ粒子コンジュゲートを、さらに、ヒト上皮癌A
431細胞の表面に発現されたEGFRへの結合について、フローサイトメトリーによって評価した。ナノ粒子を、EGFの存在下または非存在下で、A
431細胞と共に4℃でインキュベートし、次いで洗浄して、あらゆる非結合ナノ粒子を除去した。ナノ粒子結合をフローサイトメーターで分析した。4℃では、EGFR受容体内部移行が最小限に抑えられ、観察されるシグナルは、主として、細胞表面結合によるものである。
【0163】
図23A〜23Cに、フローサイトメトリー実験からの代表的なデータを示し、完全なデータを
図24に示す。
図23Aおよび23Bでは、Pen置換を有するナノ粒子コンジュゲートについての結合曲線が比較される。EGFの存在下では、すべてのコンジュゲートが十分に結合したが、EGFの非存在下では、Pen/芳香族および三重変異体だけが十分に結合した。細胞結合データの略式プロットと、SPRデータである
図22からの略式プロットとの間には、高度な一致がある。ペニシラミンおよび芳香族を含有する二重変異体、ならびに三重変異体は、最も強力な結合性ナノ粒子であり、詳細には、EGFの存在下または非存在下で、ほぼ同等な結合を示した。
【0164】
EGF、P
1−3、および三重ハイブリッドナノ粒子コンジュゲートを、直接比較した(
図23C)。同等なリガンド添加量では試験していないものの、結果は、リガンド選択および最適化手法によって、比較的高い親和性の、EGFRの天然におけるリガンドにコンジュゲートさせたナノ粒子と同様の程度にEGFR発現細胞を結合することのできる、2種のナノ粒子コンジュゲートが生み出されたことを示している。
【0165】
これらのリガンドおよびナノ粒子コンジュゲートを、室温でのSPRおよび4℃でのフローサイトメトリーを使用してスクリーニングおよび最適化した。SPRとフローサイトメトリーデータの比較的強い相関にもかかわらず、本発明者らは、これらのナノ粒子をin vivoで評価しようと考え、したがって、生理的温度でのその結合をアセスメントした。本発明者らは、37℃でのナノ粒子のA
431細胞への結合および内部移行を評価した。表面に結合した粒子および内部移行した粒子を含めた合計結合ナノ粒子を、30分間のインキュベート後にアセスメントした(
図25A)。次いで、各試料の一部を酸で処理して、表面に結合したナノ粒子を除去した。ナノ粒子と関連する残りの蛍光シグナルは、内部移行した画分を表す(
図25B)。興味深いことに、3種すべてのナノ粒子が、30分までに30〜60%内部移行しており、効率よく結合および内部移行することがわかった。
【0166】
(実施例10)
ペプチドおよびナノ粒子の特徴付け
抜粋した官能化および非官能化ナノ粒子の粒径およびゼータ電位を表19に示し、選択されたペプチドおよびペプチド−DBCOコンジュゲートの予測および実測分子量を表20に示す。
【0167】
【表19】
【0168】
【表20】
【0169】
均等物
当業者は、単に通例の実験法を使用して、本明細書に記載されている開示されるナノ粒子の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、確認することができる。このような均等物は、下記の特許請求の範囲によって包含されるものとする。
【0170】
参照による組込み
本明細書において引用した全ての特許、公開された特許出願、ウェブサイト、および他の参照文献の全内容は、参照によりその全体が明確に本明細書において組み込まれている。