特表2019-512426(P2019-512426A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-512426(P2019-512426A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】カップリングヘッド
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/04 20060101AFI20190419BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20190419BHJP
   B01D 46/24 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
   B60T17/04 A
   F16J15/06 E
   B01D46/24 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-551458(P2018-551458)
(86)(22)【出願日】2017年3月27日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月20日
(86)【国際出願番号】EP2017057226
(87)【国際公開番号】WO2017167702
(87)【国際公開日】20171005
(31)【優先権主張番号】102016003656.7
(32)【優先日】2016年3月30日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】サチン ソナー
(72)【発明者】
【氏名】パンカジ ケアナー
(72)【発明者】
【氏名】マヘシュ シャハプア
【テーマコード(参考)】
3D049
3J040
4D058
【Fターム(参考)】
3D049BB17
3D049CC03
3D049HH03
3D049HH43
3J040AA17
3J040BA03
3J040EA01
3J040HA03
4D058JA02
4D058KC14
4D058KC33
4D058KC52
4D058KC63
4D058KC74
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA11
4D058QA23
4D058SA20
(57)【要約】
本発明は、カップリングシステム(K)用、特に牽引車両および被牽引車両の空気圧式のブレーキ装置を空気圧的に接続するカップリングシステム(K)用のカップリングヘッド(1)であって、カップリングヘッドハウジング(2)と、フィルタインサート(3)と、シール要素(4)と、を備え、カップリングヘッドハウジング(2)は、少なくとも1つの第1の連結ポート(5)と、少なくとも1つの第2の連結ポート(6)とを有し、第1の連結ポート(5)は、フィルタインサート凹部(7)を形成しており、フィルタインサート凹部(7)内には、フィルタインサート(3)が装入されており、かつシール要素(4)は、通常運転状態では、シールするようにフィルタインサート(3)に当接し、バイパス運転状態では、シール要素(4)とフィルタインサート(3)との間のバイパスを開放する、カップリングヘッド(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップリングシステム(K)用、特に牽引車両および被牽引車両の空気圧式のブレーキ装置を空気圧的に接続するカップリングシステム(K)用のカップリングヘッド(1)であって、
カップリングヘッドハウジング(2)と、
フィルタインサート(3)と、
シール要素(4)と、
を備え、
前記カップリングヘッドハウジング(2)は、少なくとも1つの第1の連結ポート(5)と、少なくとも1つの第2の連結ポート(6)とを有し、
前記第1の連結ポート(5)は、フィルタインサート凹部(7)を形成しており、前記フィルタインサート凹部(7)内には、前記フィルタインサート(3)が装入されており、かつ
前記シール要素(4)は、通常運転状態では、前記フィルタインサート(3)にシールするように当接し、バイパス運転状態では、前記シール要素(4)と前記フィルタインサート(3)との間を開放してバイパスを形成する、
カップリングヘッド(1)。
【請求項2】
前記シール要素(4)は、半径方向に対向して取り巻くようにして延びるシールリップ(8)を有することを特徴とする、請求項1記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項3】
前記シールリップ(8)は、組み立てられた状態において前記フィルタインサート(3)の外周面に当接されていることを特徴とする、請求項2記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項4】
前記シールリップ(8)は、前記カップリングヘッドハウジング(2)のハウジング内部に向かって方向付けられていることを特徴とする、請求項2または請求項3記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項5】
前記フィルタインサート(3)は、前記カップリングヘッドハウジング(2)内に固定されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項6】
前記フィルタインサート(3)は、固定手段、特にねじ(9)により固定されていることを特徴とする、請求項5記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項7】
組み立てられた状態において、前記固定手段は、前記フィルタインサート(3)の、前記第1の連結ポート(5)の開口とは反対側の端部に配置されていることを特徴とする、請求項6記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項8】
前記固定手段は、組み立てられた状態において前記フィルタインサート凹部(7)の長手方向軸線に関して同軸に配置されていることを特徴とする、請求項7記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項9】
前記フィルタインサート(3)は、逆流バイパス開口(10)と、前記フィルタインサート(3)の内部に配置されたダイヤフラム(11)とを有し、前記ダイヤフラム(11)は、前記逆流バイパス開口(10)を前記通常運転状態ではシールするように閉鎖し、逆流バイパス状態では前記逆流バイパス開口(10)を開放することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のカップリングヘッド(1)。
【請求項10】
組み立てられた状態において、前記固定手段は、前記ダイヤフラム(11)を前記フィルタインサート(3)内に固定することを特徴とする、請求項9および請求項6から8までのいずれか1項記載のカップリングヘッド(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップリングシステム用、特に牽引車両および被牽引車両の空気圧式のブレーキ装置を空気圧的に接続するカップリングシステム用のカップリングヘッドに関する。
【0002】
この種の牽引車両は、例えば、空気圧式のブレーキ装置を有する貨物自動車等の商用車両であり得る。
【0003】
従来技術において、牽引車両および被牽引車両のブレーキ装置を空気圧的に接続するカップリングヘッドを有するカップリングシステムが、既に公知である。これらのシステムは、カップリングヘッドを貫流する圧縮空気をろ過するフィルタユニットを有している。
【0004】
この種のカップリングヘッドは、例えば独国特許出願公開第19931162号明細書(DE 199 31 162 A1)または独国特許出願公開第2833834号明細書(DE 28 33 834 A1)において公知である。
【0005】
独国特許出願公開第102009036619号明細書(DE 10 2009 036 619 A1)において、例えば牽引車両および被牽引車両のブレーキ装置を空気圧的に接続するカップリングヘッドであって、弁装置が設けられており、弁装置は、フィルタユニットの汚れが所定のレベルになると、フィルタユニットをバイパス接続により切り換え、カップリングヘッドを通って流動する圧縮空気が、もはやフィルタユニットのフィルタを通らず、バイパス接続を通って流動するようにしたカップリングヘッドが公知である。
【0006】
独国特許出願公開第102011002129号明細書(DE 10 2011 002 129 A1)において、フィルタ要素を迂回する常時開いたバイパスを備えるカップリングヘッドが公知である。しかし、この解決手段は、構造形態に起因して圧縮空気流の変向、特にバイパス運転時の順方向流内で圧縮空気流の変向を必要とする。しかし、所望されているのは、より単純な流動案内である。
【0007】
それゆえ本発明の課題は、冒頭で挙げた形態のカップリングヘッドを有利に発展させること、特に、順方向流時(場合によっては逆方向流時も)のカップリングヘッドの改善された流動案内および非常機能が可能であるように発展させることである。
【0008】
上記課題は、本発明により、請求項1の特徴を備えるカップリングヘッドにより解決される。請求項1によれば、カップリングシステム用のカップリングヘッドは、カップリングヘッドハウジングと、フィルタインサートと、シール要素と、を備え、カップリングヘッドハウジングは、少なくとも1つの第1の連結ポートと、少なくとも1つの第2の連結ポートとを有し、第1の連結ポートは、フィルタインサート凹部を形成しており、フィルタインサート凹部内には、フィルタインサートが装入されており、かつシール要素は、通常運転状態では、シールするようにフィルタインサートに当接し、バイパス運転状態では、シール要素とフィルタインサートとの間のバイパスを開放するようにした。
【0009】
本発明は、バイパス運転状態、すなわち、順方向流(第1の連結ポートを通り、次いでフィルタユニットを通る流入)時にフィルタユニットの汚れが所定のレベルを超過した状態では、供給される圧縮空気が、フィルタインサートを迂回流動するという基本思想に基づいている。圧縮空気は、むしろ、バイパス運転中、シール要素とフィルタインサートの外面との間をこれらに沿って流動することが望ましい。これにより、圧縮空気がフィルタインサートに流入すらせず、フィルタインサートからその後変向される必要もないという利点が生じる。むしろ空気が、直接、フィルタインサートを迂回し、シール要素とフィルタインサートとの間の、リング状に形成されていることができるバイパス開口を通って貫流可能であれば、十分である。これにより、圧縮空気流の変向はもはや不要である。この種の構成は、カップリングヘッドの減寸、特にカップリングヘッドハウジングの減寸も可能にする。シール要素は、単純なデザインを有し、例えばカップリングヘッドハウジング内に設けられたリング溝内に保持されていることができる。
【0010】
特にカップリングヘッドは、牽引車両および被牽引車両の空気圧式のブレーキ装置を空気圧的に接続するカップリングシステム用のカップリングヘッドであり得る。
【0011】
さらにシール要素は、ラジアル方向に取り巻くようにして延びるシールリップを有していてもよい。これにより、シール要素のシールリップをフィルタインサートに一様に当接させることが可能である。このことは、通常運転状態においてバイパスを確実に封止することにもつながる。
【0012】
さらにシールリップは、組み立てられた状態においてフィルタインサートの外面に当接されていてもよい。これにより、通常運転状態においてバイパスの確実な封止が達成されるので、バイパスは、常時開放されているわけではない。
【0013】
さらにシールリップは、カップリングヘッドハウジングのハウジング内部に向かって方向付けられていてもよい。これにより、通常運転状態のためにも、別の運転状態、例えば逆方向流運転のためにも、バイパスの確実で信頼性の高い封止が達成される。
【0014】
さらにフィルタインサートは、別途カップリングヘッドハウジング内に固定されていてもよい。これにより、シール要素とは独立した固定が可能となる。
【0015】
さらにフィルタインサートは、固定手段により固定されていてもよい。これにより、ハウジング内でのフィルタインサートの簡単で信頼性の高い固定が可能となる。
【0016】
固定手段は、例えばねじであってよい。ねじの使用は、低コストである。それというのも、ねじは規格部品であるからである。例えばセルフタッピングねじの使用が可能である。それというのも、セルフタッピングねじは、自らのねじ山を自身でカップリングヘッドハウジング内にねじの組み付け時に切るからである。
【0017】
さらに、組み立てられた状態において、固定手段は、フィルタインサートの、第1の連結ポートの開口とは反対側の端部に配置されていてもよい。このことは、安定した位置固定を可能にするとともに、簡単な組み付けも可能にする。それというのも、固定手段をフィルタインサートに通して取着することが可能であるからである。フィルタインサートは、フィルタインサートベースあるいはフィルタインサート底部において固定可能である。
【0018】
さらに固定手段は、組み立てられた状態においてフィルタインサート凹部の長手方向軸線に関して同軸に配置されていてもよい。これにより、フィルタインサートの中央での固定が可能となる。このことは、フィルタインサートにかかる負荷を一様にし、かつカップリングヘッドハウジング内での好適な固定を可能にする。
【0019】
さらにフィルタインサートは、逆流バイパス開口と、フィルタインサートの内部に配置されたダイヤフラムとを有し、ダイヤフラムは、逆流バイパス開口を通常運転状態ではシールするように閉鎖し、逆流バイパス状態では逆流バイパス開口を開放することが可能である。これにより逆流運転のためにも、すなわち、空気がカップリングヘッドの内部から外部にフィルタインサートを通して第1の連結ポートに向かって流動する運転時においても、逆流バイパスを介して非常機能を提供することが可能となる。この逆流は、被牽引車両ブレーキ装置に流入する制御空気であり得る。この制御空気は、カップリングヘッドを介して戻し案内されることができ、その後、例えば牽引車両の被牽引車両制御弁において放出される。
【0020】
組み立てられた状態において、上述の固定手段が、ダイヤフラムをフィルタインサート内に固定していてもよい。これにより、単一の固定手段により、フィルタインサートも、ダイヤフラムも固定され、このことは、部品数を減少させ、組み立てを容易にする。基本的には、別の可能性による固定も可能である。
【0021】
而るに本発明のさらなる詳細および利点について、図面に示した一実施例を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るカップリングヘッドの一実施例を上方から見た斜視図である。
図2図1に示したカップリングヘッドを下方から見た斜視図である。
図3図1に示したカップリングヘッドの(長手方向軸線に沿った)断面図である。
図4図1に示したカップリングヘッドの順方向流運転の概略図である。
図5図1に示したカップリングヘッドの逆方向流運転の概略図である。
【0023】
図1は、牽引車両(例えば貨物車)および被牽引車両(トレーラ)の空気圧式のブレーキ装置を空気圧的に接続するカップリングシステムKの本発明に係るカップリングヘッド1の一実施例を上方から見た斜視図である。
【0024】
図2は、図1に示したカップリングヘッド1を下方から見た斜視図であり、図3は、図1に示したカップリングヘッド1の(長手方向軸線に沿った)断面図である。
【0025】
カップリングヘッド1は、カップリングヘッドハウジング2、フィルタインサート3およびシール要素4を備えている。
【0026】
図示の実施例では、カップリングヘッド1は、被牽引車両に組み付けられている。
【0027】
カップリングヘッドハウジング2は、第1の連結ポート5および第2の連結ポート6を有している。
【0028】
第1の連結ポート5は、フィルタインサート凹部7を形成している。
【0029】
フィルタインサート凹部7内には、フィルタインサート3が装入されている。
【0030】
シール要素4は、カップリングヘッドハウジング2内でリング溝内に保持されている。
【0031】
通常運転状態では、図3に示すように、シール要素4が、シールするようにフィルタインサート3に当接している。
【0032】
シール要素4は、しかし、フィルタインサート3を固定するものではない。
【0033】
さらにシール要素4は、半径方向に対向してフィルタインサート3の周面を取り巻くようにして延びるシールリップ8を有し、シールリップ8は、カップリングヘッドハウジング2のハウジング内部に向かって方向付けられている。
【0034】
シールリップ8は、図3に示すように、組み立てられた状態および通常運転状態では、フィルタインサート3の外面に当接されている。
【0035】
フィルタインサート3は、別途カップリングヘッドハウジング2内に固定されており、具体的には、本実施の形態ではねじ9として構成された固定手段により固定されている。
【0036】
その際、ねじ9は、セルフタッピングねじである。
【0037】
さらにフィルタインサート3は、半径方向に対向して取り巻くようにして配置されるフィルタスクリーン3aを、フィルタインサート3の円柱状または円錘状の外壁3b内に有している。
【0038】
組み立てられた状態において、ねじ9は、フィルタインサート3の、第1の連結ポート5の開口とは反対側の端部、つまりフィルタインサート底部3cに、フィルタインサート凹部7の長手方向軸線に関して同軸に配置されている。
【0039】
フィルタインサート3は、さらに逆流バイパス開口10を有している。
【0040】
逆流バイパス開口10は、フィルタインサート3のフィルタインサート底部3c内に存在している。
【0041】
さらにフィルタインサート3の内部には、ダイヤフラム11が配置されている。
【0042】
ダイヤフラム11は、フィルタインサート3の内部でフィルタインサート3のフィルタインサート底部3cに載置されており、逆流バイパス開口10を通常運転状態で覆っている。
【0043】
図3に看取可能であるように、組み立てられた状態において、ダイヤフラム11は、フィルタインサート3内に固定され、具体的には同じくねじ9により固定されている。
【0044】
基本的には、しかし、ねじ9を用いたフィルタインサート3およびダイヤフラム11の固定は、1つの可能な実施の形態にすぎず、基本的には、別の固定方法も可能であることを附言しておく。
【0045】
フィルタインサート3とシール要素4との間に形成可能な環状間隙は、カップリングヘッド1の順方向流バイパス開口12である。シール要素4のシールリップ8の下方では、順方向流バイパス開口12の環状間隙が拡幅している。それというのも、ここでは、フィルタインサート3がフィルタインサート凹部7の壁まで延在していないからである。
【0046】
カップリングヘッド1の機能は、以下に記載の通りである。
【0047】
第1の連結ポート5は、図示の実施例では、被牽引車両を牽引車両の空気圧式のブレーキ系または空気圧系に連結するために用いられる。
【0048】
第2の連結ポート6は、被牽引車両の空気圧式のブレーキ系または空気圧系に接続されている。
【0049】
図4は、図1に示したカップリングヘッド1の順方向流運転の概略図である。
【0050】
通常運転中は、第1の連結ポート5を通った圧縮空気が、フィルタインサート3を通って流動する。このことは、図4に符号FF1を付した矢印により示してある(圧縮空気流フォワードフロー(Forward Flow)通常運転)。
【0051】
フィルタインサートにより、圧縮空気流中に存在する粒子は堰き止められ、粒子が引き続き被牽引車両の空気圧式のシステム内に到達してしまうことは防止される。
【0052】
運転時間の経過とともに、これによりフィルタインサート3は、閉塞を進行させ、ある時点で閉塞あるいは目詰まりするに至る。この時点は、カップリングヘッドのフィルタユニットが所定のレベルの汚れに達し、フィルタユニットが交換またはクリーニングされるべきときである。
【0053】
非常機能(例えば整備工場までの走行)を可能にすべく、圧縮空気は、バイパス運転状態ともいうこの非常運転時、シール要素4とフィルタインサート3との間を、順方向流バイパス開口12を通って貫流することができる。
【0054】
このことは、図4に符号FF2を付した矢印により示してある(圧縮空気流フォワードフローバイパス運転状態)。
【0055】
圧縮空気流フォワードフロー通常運転のときも、圧縮空気流フォワードフローバイパス運転状態のときも、ダイヤフラム11は、シールするように圧縮空気流によりフィルタインサート底部3cに向かって押圧されるので、これらの状態において逆流バイパス開口10は、密にダイヤフラム11により閉鎖されている。
【0056】
図5は、図1に示したカップリングヘッド1の逆方向流運転の概略図である。
【0057】
カップリングヘッド1の通常の逆流運転中、圧縮空気流は、フィルタインサート3のフィルタスクリーンを通して案内される。
【0058】
このことは、図5に符号RF1を付した矢印により示してある(圧縮空気流リターンフロー(Return Flow)通常運転)。
【0059】
カップリングヘッド1の、逆流バイパス状態ともいう非常逆流運転中、圧縮空気流は、フィルタインサート底部3cと、フィルタインサート底部3cに存在する、フィルタインサート3の逆流バイパス開口10とを通して案内される。
【0060】
この状態において圧縮空気がフィルタインサート3の外部から内部に流動することにより、ダイヤフラム11は、逆流バイパス開口10が開放されるように内側に向かって押圧される。
【0061】
このことは、図5に符号RF2を付した矢印により示してある(圧縮空気流リターンフロー逆流バイパス状態)。
【符号の説明】
【0062】
1 カップリングヘッド
2 カップリングヘッドハウジング
3 フィルタインサート
3a フィルタスクリーン
3b 外壁
3c フィルタインサート底部
4 シール要素
5 第1の連結ポート
6 第2の連結ポート
7 フィルタインサート凹部
8 シールリップ
9 ねじ
10 逆流バイパス開口
11 ダイヤフラム
12 順方向流バイパス開口
K カップリングシステム
FF1 圧縮空気流フォワードフロー通常運転
FF2 圧縮空気流フォワードフローバイパス運転状態
RF1 圧縮空気流リターンフロー通常運転
RF2 圧縮空気流リターンフロー逆流バイパス状態
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】