特表2019-512429(P2019-512429A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-512429(P2019-512429A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】容器を保持するための保持装置
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/24 20060101AFI20190419BHJP
   B65G 47/86 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
   B67C3/24
   B65G47/86 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-562612(P2017-562612)
(86)(22)【出願日】2017年3月22日
(85)【翻訳文提出日】2018年1月30日
(86)【国際出願番号】EP2017056762
(87)【国際公開番号】WO2017162710
(87)【国際公開日】20170928
(31)【優先権主張番号】102016105265.5
(32)【優先日】2016年3月22日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランドラー ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス マティアス
【テーマコード(参考)】
3E079
3F072
【Fターム(参考)】
3E079AB01
3E079EE01
3E079GG10
3F072AA07
3F072AA27
3F072KC06
(57)【要約】
本発明は、容器(6)を保持するための、好ましくは飲料充填工場の搬送装置で容器(6)を保持するための保持装置(1)であって、締結部(2)と、締結部(2)に旋回可能に接続されて、容器(6)を保持するための閉位置へ動かされるとともに容器(6)の挿入および取り出しのための開位置へ動かされうる二つの把持アーム(3)とを包含する保持装置に関しており、予荷重を受けた弾性ボウ(4)が把持アーム(3)の間に配設され、弾性ボウ(4)が、把持アーム(3)が開位置にある第1位置へ、また把持アーム(3)が閉位置にある第2位置へ動かされ、第1位置での弾性ボウ(4)の予荷重が把持アーム(3)を開位置に保持して、第2位置での弾性ボウ(4)の予荷重が把持アーム(3)を閉位置に保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(6)を保持するための、好ましくは飲料充填工場の搬送装置で容器(6)を保持するための保持装置(1)であって、締結部(2)と、前記締結部(2)に旋回可能に接続されて、前記容器(6)を保持するための閉位置に動かされうるとともに前記容器(6)の挿入と取り出しのための開位置に動かされうる二つの把持アーム(3)とを包含し、予荷重を受けた弾性ボウ(4)が前記把持アーム(3)の間に配設され、前記弾性ボウ(4)が、前記把持アーム(3)が前記開位置にある第1位置に、また前記把持アーム(3)が前記閉位置にある第2位置に動かされうる、保持装置において、
前記第1位置での前記弾性ボウ(4)の予荷重が前記把持アーム(3)を前記開位置に保持し、前記第2位置での前記弾性ボウ(4)の予荷重が前記把持アーム(3)を前記閉位置に保持する、
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項2】
前記第1および第2位置が安定位置であり、前記弾性ボウ(4)が、前記二つの位置の一方から前記他方の位置の方向に弾性変形される時に、位置を切り替える特定の変形度を超えると自発的に前記他方の位置をそれぞれ取ることを特徴とする、請求項1に記載の保持装置(1)。
【請求項3】
前記弾性ボウ(4)が、前記第1位置で第1予荷重方向(44)に予荷重を受けるとともに前記第2位置で第2予荷重方向(46)に予荷重を受け、前記第1予荷重方向(44)と前記第2予荷重方向(46)とが実質的に反対方向を指していることを特徴とする、請求項1または2に記載の保持装置(1)。
【請求項4】
前記弾性ボウ(4)が、スプリング、特にキャッチスプリング、特に好ましくはリーフスプリングの形態で設けられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項5】
前記締結部(2)と各把持アーム(3)との間にそれぞれ接続エリア(42)が設けられ、前記接続エリア(42)が前記弾性ボウ(4)の一部であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項6】
前記締結部(2)と把持アーム(3)との間の前記接続エリア(42)が、好ましくは一体ヒンジの形態の可撓性ウェブによってそれぞれ設けられることを特徴とする、請求項5に記載の保持装置(1)。
【請求項7】
前記接続エリア(42)を備える前記弾性ボウ(4)と前記締結部(2)とがフレーム(5)、好ましくは連続フレーム(5)を形成し、前記フレーム(5)により形成される中空部(50)が好ましくは包囲されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の保持装置(1)。
【請求項8】
前記締結部(2)と前記把持アーム(3)と前記接続エリア(42)と前記弾性ボウ(4)とが単体として形成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項9】
前記保持装置(1)に保持される前記容器(6)が前記弾性ボウ(4)と前記二つの把持アーム(3)とにより保持され、好ましくは前記弾性ボウ(4)と前記把持アーム(3)の各々とが、保持される前記容器(6)とのただ一つの接触エリア(60)をそれぞれ形成することを特徴とする、請求項8に記載の保持装置(1)。
【請求項10】
前記弾性ボウ(4)を前記第1位置から前記第2位置へ変形させるための前記弾性変形が前記弾性ボウ(4)への直接的な力の印加により実行されうることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項11】
前記弾性ボウ(4)を前記第2位置から前記第1位置へ変形させるための前記弾性変形が前記把持アームを介して前記弾性ボウ(4)に作用する曲げモーメントにより実行されうることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【請求項12】
保持される前記容器(6)が、前記容器(6)を保持するための前記閉位置と容器(6)の挿入および取り出しのための前記開位置との間で交替させるアクチュエータの役割を果たし、前記容器(6)が好ましくは、前記把持アーム(3)を閉じるために前記弾性ボウ(4)に押圧され、前記把持アーム(3)を開くために前記保持装置(1)から引き出されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の保持装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を保持するための、好ましくは飲料充填工場で搬送装置に容器を保持するための保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料充填工場で容器を保持するための保持装置は、従来技術から周知である。「ベースハンドリング」としても知られる、容器をベースエリアで支持する保持装置と、例えばネックリングの下で把持することにより容器をネックエリアで保持する他の周知の保持装置との間には、大まかな区別が設けられている。後者の方法は、「ネックハンドリング」としても知られている。
【0003】
容器がネックエリアで保持される時には、保持される容器は例えば、変位または旋回されうるように構成されている把持アームによって保持される。この場合には、アクチュエータ、例えば空気シリンダや電気アクチュエータにより、または機械的ガイドにより、把持アームが能動制御―つまり開閉される。
【0004】
たいていの場合、容器を保持するための保持装置は、少なくとも容器を移動または搬送する役割を果たす容器搬送装置の可動部に配設される。それゆえ、把持アームの能動制御を可能にするため、容器搬送装置の静止部と可動部との間に精巧な接触要素が設けられる必要がある。これは、このような容器搬送装置の複雑性とともに製造および運転費用を高める。
【0005】
工作物を導入することにより把持具またはその把持アームを閉状態へ動かすことはさらに周知であり、工作物は、保持装置へ導入される時にアクチュエータを押圧し、こうして把持アームが閉じられる。特許文献1および特許文献2に記されているように、このような保持装置は機械的に複雑で費用のかかる設計であり、多数の部品で構成される。
【0006】
特許文献3から、容器を把持するための単体クランプが周知である。クランプは、固定位置を有する。これが容器を把持するには、容器をクランプへ押入することが必要である。こうして硬い把持アームが拡開され、これは、クランプの拡開から生じる把持アームの閉鎖力に抗して容器が変位されなければならないことを意味する。こうして容器が挿入される際に容器には大きな力が加えられ、それゆえこのような保持装置は、脆弱および/または変形容易であるか薄壁である容器を把持または保持するのに適していない。少なくとも、使用可能な容器の表面が傷つけられることで容器の品質を低下させる傾向が見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2008 020 489号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第38 02 838号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2015 218 204号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
周知の従来技術を継承して、本発明の目的は、容器を保持するための、好ましくは飲料充填工場で搬送装置に容器を保持するための改良型保持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を備える、好ましくは飲料充填工場で容器を保持するための装置により達成される。さらに有利な発展例は従属請求項から得られる。
【0010】
したがって、容器を保持するための、好ましくは飲料充填工場の搬送装置で容器を保持するための保持装置が提案され、装置は、締結部と、締結部に旋回可能に接続されて、容器を保持するための閉位置に動かされるとともに容器の挿入および取り出しのための開位置に動かされる二つの把持アームとを包含し、予荷重を受けた弾性ボウが把持アームの間に配設され、弾性ボウは、把持アームが開位置にある第1位置と、把持アームが閉位置にある第2位置とに動かされる。本発明によれば、第1位置での弾性ボウの予荷重は把持アームを開位置に保持するとともに、第2位置での弾性ボウの予荷重は把持アームを閉位置に保持する。
【0011】
第1位置でのボウの予荷重が把持アームを開位置に保持して第2位置でのボウの予荷重が把持アームを閉位置に保持するという事実のため、把持アームが開位置に保持されている時には、保持される容器が安全に挿入されるか、取り出される容器が保持装置から安全に取り出され、加えて、把持アームが閉位置に保持されている場合には、補助なしで、つまり把持アームを開位置および/または閉位置に保持するための独立した特殊なロック装置を保持装置に設ける必要なく、保持される容器が保持装置により保持されうる。さらに、把持アームの位置を制御するための付加的な装置を不要にすることが可能である。とりわけ、駆動要素とアクチュエータユニットと制御装置とをその能動制御器とともに不要にすることが可能である。こうして保持装置は特に簡単および/または軽量の設計であり、それに応じて低費用で生産されうる。制御要素と把持アームとの間に接続エリアが設けられないため、清掃が困難であって汚れが蓄積するギャップや隙間も生じない。ゆえに保持装置は特に容易に清掃されうる。その結果、食品または医薬品の生産など厳しい衛生要件を伴う用途にも使用されうる。
【0012】
付加的に、永久的に閉位置に保持されている把持アームの予荷重に抗して容器が保持装置に押入されるか装置から引き出される必要がないので、保持される容器の引き渡しと受け取りとが、好ましくはほぼ力を伴わずに極めて丁寧に行われる。代わりに、第1位置でのボウの予荷重が把持アームを開位置に保持する時に、把持される容器は装置へ移動され、第2位置でのボウの予荷重が把持アームを閉位置に保持する時には、装置へ移動された容器が把持または保持されうる。
【0013】
さらに、保持装置を有する、容器を搬送および/または処理するための搬送または処理装置における本発明による保持装置の使用によって、第一には搬送または処理装置で変位されなければならない質量が低く抑えられ、第二には電気または光学ケーブルおよび/または空気チューブなど、とりわけ把持アームを制御するための精巧な接触要素を不要にすることが可能であるので、このような搬送または処理装置は簡単な設計を有して高い費用効果で運転されうる。
【0014】
さらに好適な実施形態において、第1および第2位置は安定位置であり、弾性ボウが二つの位置の一方から他方の位置の方向に変形される時に、位置を切り替える特定の変形度を超えるとそれぞれ自発的に他方の位置を取る。この手段によって、自動切り替えの、好ましくは自動開放および/または自動閉鎖の保持装置が設けられる。言い換えると、この手段により、開位置と閉位置との間で把持アームの位置を交替させる能動的な操作装置を使用しない受動的な保持装置が形成されるのである。加えて、弾性ボウの二つの安定位置のため、ロック装置または類似物を必要とせずに、把持アームがそれぞれ開閉位置で安定的に保持される。こうして弾性ボウは、二つの安定位置の間で交替しうる弾性キャッチスプリングのように機能する。
【0015】
弾性ボウが弾性特性を有するために、弾性ボウは少なくとも、弾性、好ましくは高弾性の材料、好ましくはプラスチックまたは金属合金を包含する。
【0016】
把持アームが開閉位置に特に確実に保持されるため、好適な実施形態において、弾性ボウは、第1位置では第1予荷重方向に予荷重を受けるとともに第2位置では第2予荷重方向に予荷重を受け、第1予荷重方向と第2予荷重方向とは実質的に反対方向を指している。
【0017】
さらに好適な実施形態において、弾性ボウは、スプリング、特にキャッチスプリング、特に好ましくはリーフスプリングの形態で設けられる。この手段により、弾性ボウは第1および/または第2位置で高い予荷重を有するため、把持アームは開位置または閉位置に確実に保持される。加えて、弾性ボウを第1位置から第2位置へ、また逆に変位させるのに必要とされる力はわずかである。これはさらに、特に簡単に低費用でボウが生産されることを可能にする。
【0018】
弾性ボウが第1位置と第2位置とを取ること、つまりこれらの位置の間で変位可能である、および/または弾性変形可能であることを可能にするため、さらに好適な実施形態では、締結部と各把持アームとの間にそれぞれ接続エリアが設けられ、接続エリアは弾性ボウの一部である。言い換えると、その際に弾性ボウは二つの接続エリアと中央ボウとから形成される。
【0019】
有利で好適なさらなる発展例では、締結部と把持アームとの間の接続エリアが、好ましくは一体ヒンジの形態の可撓性ウェブによってそれぞれ設けられる。これは、弾性ボウが良好な可撓性を有することを可能にする。加えて、それ自体の弾性変形に基づくウェブの予荷重のため、ウェブは第一にボウの予荷重に寄与するとともに、第二に第1および/または第2位置での弾性ボウの安定的な配置に寄与する。特に簡単な製造のため、および/または接続エリアおよびボウに特に均一な弾性変形を付与するため、これらは好ましくは同じ材料を包含し、好ましくは単体として形成される。
【0020】
接続エリアを備える弾性ボウと締結部とがフレーム、好ましくは連続フレームを形成し、フレームにより形成される中空部が好ましくは包囲されていると、特に有利である。
【0021】
さらに好適な実施形態において、締結部と把持アームと接続エリアと弾性ボウとは単体として形成される。この手段により、保持装置は、好ましくは単一の生産ステップにおいて特に簡単で費用効果の高い方法で製造されうる。加えて、保持装置はその際に清掃が特に容易であり、ゆえに無菌システムなど厳しい衛生要件を伴う用途には理想的である。
【0022】
特に費用効果の高い効率的な製造を可能にするため、保持装置は、好ましくは射出成形、選択的レーザ焼結、選択的レーザ溶融、フライス加工、レーザもしくは水ジェット切断、ステレオリソグラフィ、または粉末射出成形によって、単一の生産ステップで好ましくは形成される。
【0023】
保持される容器の、保持装置における確実で正確な配置および保持のため、保持装置に保持される容器は弾性ボウと二つの把持アームとにより保持され、好ましくは弾性ボウと把持アームの各々とはそれぞれ、保持される容器とのただ一つの接触エリアを形成する。言い換えると、保持される容器は少なくとも三つの接触エリアで保持装置と接触しているのである。代替的に、保持される容器と弾性ボウおよび/または把持アームとの間に幾つかの接触エリアが設けられてもよく、または容器が二つの把持アームのみにより保持されて、容器が各把持アームとの少なくとも一つの接触エリアを形成してもよい。
【0024】
さらに好適な実施形態において、弾性ボウを第1位置から第2位置へ変形させるための弾性変形は、弾性ボウへの直接的な力の印加により実行されうる。好ましくは、弾性ボウを第1位置から変形させるための力は、容器により弾性ボウに印加される。この手段により、容器が保持装置へ移送される時の把持アームの位置は、容器の挿入により閉位置へ受動的に動かされる。
【0025】
さらに好適な実施形態において、弾性ボウを第2位置から第1位置へ変形させるための弾性変形は、把持アームを介して弾性ボウに作用する曲げモーメントにより実行されうる。好ましくは容器が保持装置から取り出される時に、容器により把持アームに印加される力により曲げモーメントが発生することが好ましい。このようにして、把持アームは閉位置から開位置へ受動的に変位されうる。
【0026】
保持される容器が、容器を保持するための閉位置から容器の挿入および取り出しのための開位置との間で交替させるアクチュエータとしての役割を果たす場合に、保持装置の特に簡単な設計が可能となり、容器は、把持アームを閉じるため好ましくは弾性ボウに押圧され、保持装置から引き出されると把持アームを開く。この手段により、保持装置への挿入後に容器が確実に保持されるとともに、容器が取り出される時に保持装置が開いて容器を離す。言い換えると、保持装置、つまり把持アームの位置は、容器により、とりわけ容器の挿入と取り出しにより制御されるのである。
【0027】
本発明のさらに好適な実施形態は、以下の図の記載により一層詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】容器を保持するための保持装置の概略側方斜視図であり、保持装置の把持アームが弾性ボウによって開位置に保持されている。
図2図1の保持装置の概略平面図である。
図3】把持アームが弾性ボウにより閉位置に保持されている状態における図1の保持装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
好適な実施形態の例が、図の助けを借りて以下に記載される。図では、同一または類似であるか同一の作用を有する要素が同一の参照符号で指定され、冗長性を回避するためこれらの反復的な記載は一部省略される。
【0030】
図1は、飲料充填工場で容器(不図示)を保持するための保持装置1の概略側方斜視図を示す。保持装置1は例えば、飲料充填装置内で容器をネックエリアにより搬送する役割を果たし、保持装置1は、処理または搬送される容器を保持する、および/または次の搬送または処理装置へこれを移送するため、例えば搬送スターホイール、回転充填機、および/または蓋締機に配設されうる。
【0031】
保持装置1は、容器の実際の保持のために設けられて、閉位置で容器を保持する二つの把持アーム3を有する。把持アーム3は締結部2に旋回可能に接続されるため、容器が保持される閉位置から、容器が保持装置1から取り出されてさらなる容器が収納のため保持装置1へ挿入される開位置へ把持アーム3が動かされる。締結部2は、上述した飲料充填工場の搬送または処理装置の一つに保持装置1を締結するための締結箇所20を有する。
【0032】
締結箇所20から離れて、薄壁ウェブの形態の二つの接続エリア42が締結部2に接続されている。接続エリア42は一体ヒンジとしても設計されうる。
【0033】
接続エリア42の各々を介して、保持される容器を把持するための把持アーム3が締結部2に接続される。ウェブとして設計される接続エリア42はこうして弾性ジョイントとして機能するため、把持アーム3は締結部2に旋回可能に装着されている。把持アーム3の間には弾性ボウ4が配設されている。このボウ4は薄壁リーフスプリングとして形成され、第1予荷重方向44に予荷重を受けている状態では第1安定位置にある。ボウ4の位置が把持アーム3の位置を決定する。ボウ4は第1安定位置にあるため、把持アーム3は容器の挿入および取り出しのための開位置にある。
【0034】
図1に示されている実施形態において、接続エリア42はボウ4の一部として機能するため、このボウ4は接続エリア42と中央ボウ40とで構成される。接続エリア42と中央ボウ40とは実質的に同じ断面積を有する。
【0035】
付加的に、接続エリア42を備えるボウ4と締結部2とはフレーム5を形成するため、フレーム5により中空部50が包囲される。このフレーム形状は、ボウ4の良好な弾性変形性を可能にし、同時に、搬送される容器の搬送のための安定したホルダが用意されうる。
【0036】
図2は、図1の保持装置1の平面図を概略的に示す。この図面で、ボウ4はやはり第1安定位置にある。中央ボウ40は第1予荷重方向44に湾曲している。この手段により、ボウ4と接続された把持アーム3は互いに離れた状態に保たれるため、その間の間隔は、保持される容器6の直径より大きい。見やすくするため、容器6は、保持装置1の閉状態で容器が取る位置に概略的に示されている。保持される容器6の直径は二つの把持アーム3の間の間隔より小さいため、把持アーム3からの抵抗を受けることなく容器6が保持装置1へ挿入されるかこれから取り出されうる。
【0037】
図3は、把持アーム3が閉位置にある状態で図1および2の保持装置1の平面図を概略的に示す。この状態で、弾性ボウ4は第2安定位置において第1予荷重方向44と反対の方向である第2予荷重方向46に予荷重を受けている。
【0038】
この場合に、中央ボウ40は第2予荷重方向46に湾曲している。保持装置1により保持されている容器6はこうして把持アーム3と弾性ボウ4とによって保持される。ゆえに容器6は、把持アーム3および弾性ボウ4との接触エリア60を形成する。好ましくはちょうど三つの接触エリア60、すなわち各把持アーム3との一つずつの接触エリア60と中央ボウ40との一つの接触エリア60とが設けられる。こうして、規定の保持方法を容器に付与するとともに、規定の挿入および取り出し方法を達成する規定の接触エリア60を形成することが可能である。
【0039】
代替的に、二つの把持アーム3のみによって容器6が保持されてもよい。したがってこれらは二つの接触エリア60を形成する。
【0040】
ボウ4の第1位置と、ボウ4の第2位置と、これらの位置の各々から生じる把持アーム3の位置との間の良好な比較を可能にするため、図2に示されている開位置での保持装置1が図3では破線7により概略的に表されている。
【0041】
図2に示されている把持アーム3の開位置から図3に示されている把持アーム3の閉位置に交替させるには、弾性ボウ4が第1位置から第2位置へ動かされなければならない。第2予荷重方向46で弾性ボウ4に力が印加されると、第2予荷重方向46に弾性ボウが弾性変形する。位置を切り替える特定の変形度に弾性ボウ4が達すると、スナップ動作により自発的に第2安定位置となる。弾性ボウ4に印加される力は好ましくは、挿入される容器6を介して直接的に印加されうる。保持装置1に挿入されると、容器6はボウ4を第2予荷重方向46に押圧するため、弾性ボウ4が弾性変形を受け、位置を切り替える変形度を超えると、スナップ動作で第2安定位置となる。
【0042】
図3に示された把持アーム3の閉位置から図2に示された把持アーム3の開位置に交替させるには、弾性ボウ4が第2位置から第1位置へ動かされなければならない。第1予荷重方向44で弾性ボウ4に力が印加されると、第1予荷重方向44に弾性ボウが弾性変形する。位置を切り替える特定の変形度に弾性ボウ4が達すると、スナップ動作で自発的に第1安定位置となる。弾性ボウ4に印加される力は好ましくは、保持装置1からの容器6の取り出しにより生じて把持アーム3を介してボウ4に作用する曲げモーメントにより印加されうる。取り出される際に、取り出される容器6は、二つの把持アーム3を押して離れさせる。こうして離された把持アーム3はレバーアームとして弾性ボウ4に作用するため、曲げモーメントを受けることにより、第1予荷重方向44の弾性変形を受ける。位置を切り替える変形度を超えると、スナップ動作で第2安定位置になる。
【0043】
ゆえに弾性ボウ4は、二つの安定位置の間で切り替わる弾性キャッチスプリングのように機能する。
【0044】
適用可能な範囲で、発明の分野を逸脱することなく、実施形態例に記載された個々の特徴すべてが互いに組み合わされる、および/または、交換されうる。
【符号の説明】
【0045】
1 保持装置
2 締結部
20 締結箇所
3 把持アーム
4 弾性ボウ
40 中央ボウ
42 接続エリア
44 第1予荷重方向
46 第2予荷重方向
5 フレーム
50 中空部
6 容器
60 接触エリア
7 破線
図1
図2
図3
【国際調査報告】