特表2019-512632(P2019-512632A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-512632加熱電力の軸ゾーニング用システムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-512632(P2019-512632A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】加熱電力の軸ゾーニング用システムと方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20190419BHJP
   F01N 5/02 20060101ALI20190419BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20190419BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
   F01N3/20 K
   F01N5/02 A
   F01N3/24 L
   H05B3/00 310D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-545959(P2018-545959)
(86)(22)【出願日】2017年3月2日
(85)【翻訳文提出日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】US2017020513
(87)【国際公開番号】WO2017151966
(87)【国際公開日】20170908
(31)【優先権主張番号】62/302,482
(32)【優先日】2016年3月2日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヴァリー、マーク
(72)【発明者】
【氏名】プラダン、ジェームス・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ザング、サンホン
【テーマコード(参考)】
3G091
3K058
【Fターム(参考)】
3G091AA18
3G091AB02
3G091AB05
3G091AB13
3G091BA22
3G091CA05
3G091EA15
3G091EA21
3G091FA04
3G091HA15
3K058AA22
3K058AA45
3K058AA71
3K058CA05
3K058CA23
3K058CB13
3K058CE02
3K058CE12
3K058CE13
3K058CE23
(57)【要約】

排気システム用のヒータシステムが提供される。ヒータシステムは、排気導管内に配置されたヒータを含む。ヒータは、前記排気導管内に配置された複数の加熱エレメントを含む。加熱制御モジュールは、各加熱エレメントに特有の動作条件に従って、複数の加熱エレメントが異なるように制御する。他の形態において、排気システムのヒータシステムは、複数の加熱エレメントに代えて複数の加熱ゾーンを有する。前記加熱制御モジュールは、各加熱ゾーンに特有の動作条件に従って前記複数の加熱ゾーンを制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気システム用のヒータシステムであって、
排気システムの排気導管内に配置されたヒータ、前記排気導管の軸方向に沿って配置された複数の加熱エレメントを含む前記ヒータと、
前記複数の加熱エレメントの少なくとも2つに特有の少なくとも1つの動作条件に従って互いに異なるように前記複数の加熱エレメントの少なくとも2つを制御するために動作可能なヒータ制御モジュールと、
を具備するヒータシステム。
【請求項2】
前記排気導管内の上流に配置された複数の加熱エレメントと、前記排気導管の下流に配置された複数の加熱エレメントと、
を具備する請求項1記載のヒータシステム。
【請求項3】
前記ヒータ制御モジュールは、上流の前記加熱エレメントを下流の前記加熱エレメントより高電力レベル及び低い温度で制御する
請求項2記載のヒータシステム。
【請求項4】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱エレメントの少なくとも1つの動作パラメータを取得するために動作可能な動作パラメータ取得モジュールを含む
請求項3記載のヒータシステム。
【請求項5】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱エレメントの少なくとも1つの動作パラメータを取得するために動作可能な仮想検知モジュールを含む
請求項3記載のヒータシステム。
【請求項6】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱エレメントの少なくとも1つの動作パラメータを記憶するために動作可能なヒータ性能特性データ記憶モジュールを含む
請求項3記載のヒータシステム。
【請求項7】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱エレメントの少なくとも1つの動作条件に従って前記複数の加熱エレメントの少なくとも1つの信頼性を決定するために動作可能な信頼性決定モジュールを含む
請求項3記載のヒータシステム。
【請求項8】
前記信頼性決定モジュールは、前記複数の加熱エレメントの平均信頼性を決定する
請求項7記載のヒータシステム。
【請求項9】
前記ヒータ制御モジュールは、目標温度、加熱サイクル、及びこれらの組み合わせの1つにおいて前記決定された信頼性に基づき加熱エレメントを決定するために動作可能な目標温度及び加熱サイクル決定モジュールを含む
請求項7記載のヒータシステム。
【請求項10】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱エレメントのそれぞれに提供される電力レベルを制御し、前記目標温度を達成するに十分な決定された前記加熱サイクルに基づき前記複数の加熱エレメントのそれぞれをオン及びオフに切り替える電力制御及びスイッチングモジュールを含む
請求項9記載のヒータシステム。
【請求項11】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱エレメントの少なくとも1つの過渡条件を決定するための制御アルゴリズムを含む
請求項3記載のヒータシステム。
【請求項12】
前記ヒータ制御モジュールは、異なる目標温度、異なる加熱サイクル、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つに達するため、前記複数の加熱エレメントのそれぞれを制御するために動作可能である
請求項3記載のヒータシステム。
【請求項13】
前記排気導管の軸方向に沿って配置された複数の加熱エレメントの複数のゾーンをさらに具備し、
前記ヒータ制御モジュールは、複数の加熱ゾーンの特有の少なくとも2つの動作条件の少なくとも1つに従って、前記複数の加熱ゾーンの少なくとも2つが互いに異なるように制御するため動作可能とされる
請求項1記載のヒータシステム。
【請求項14】
前記複数の加熱ゾーンは、前記排気導管内の上流に配置され、前記複数の排気ゾーンは前記排気導管内の下流に配置される
請求項13記載のヒータシステム。
【請求項15】
前記ヒータ制御モジュールは、上流の前記加熱ゾーンを下流の前記加熱ゾーンより高電力レベルおよび低い温度で制御する
請求項14記載のヒータシステム。
【請求項16】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱ゾーンの少なくとも1つの動作パラメータを取得するために動作可能な動作パラメータ取得モジュールを含む
請求項15記載のヒータシステム。
【請求項17】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱ゾーンの少なくとも1つの動作パラメータを取得するために動作可能な仮想検知モジュールを含む
請求項15記載のヒータシステム。
【請求項18】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱ゾーンの少なくとも1つの動作パラメータを記憶するために動作可能なヒータ性能特性データ記憶モジュールを含む
請求項15記載のヒータシステム。
【請求項19】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱ゾーンの少なくとも1つの動作条件に従って前記複数の加熱ゾーンの少なくとも1つの信頼性を決定するために動作可能な信頼性決定モジュールを含む
請求項15記載のヒータシステム。
【請求項20】
前記信頼性決定モジュールは、前記複数の加熱ゾーンの平均信頼性を決定するために動作可能である
請求項19記載のヒータシステム。
【請求項21】
前記ヒータ制御モジュールは、決定された信頼性に基づき各加熱ゾーンの目標温度、加熱サイクル、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを、決定するために動作可能な目標温度及び加熱サイクル決定モジュールを含む
請求項19記載のヒータシステム。
【請求項22】
前記ヒータ制御モジュールは、前記ヒータに提供される電力を制御するために動作可能で、目標温度を十分に達成するため、決定された前記加熱サイクルに基づき前記複数の加熱ゾーンのそれぞれのオン及びオフを切り替える電力制御及びスイッチングモジュールを含む
請求項21記載のヒータシステム。
【請求項23】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱ゾーンの少なくとも1つの過渡条件を決定するための制御アルゴリズムを含む
請求項15記載のヒータシステム。
【請求項24】
前記ヒータ制御モジュールは、前記複数の加熱ゾーンのそれぞれが異なる目標温度、異なる加熱サイクル、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つに達するように制御するために動作可能である
請求項15記載のヒータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディーゼル排気や後処理システムのような、流体流用途、例えば車両の排気システムのための加熱及び検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本部分の記述は、本開示に関する背景情報を単に提供するものであり、従来技術を構成しない可能性がある。
【0003】
エンジンの排気系のような過渡的な流体流用途において物理センサを使用することは、振動や熱サイクルのような過酷な環境条件のため困難である。既知の温度センサは、管状エレメントを保持する支持ブラケットにその後溶接されるサーモウェルの内部に鉱物で絶縁されたセンサを含んでいる。残念ながら、この設計は、安定に至るまでに長時間を要し、振動の多い環境では物理センサが損傷する可能性がある。
【0004】
物理センサは、多くの用途において実際の抵抗素子温度の不確実性も提示し、その結果、ヒータ電力の設計に大きな安全マージンがしばしば適用される。したがって、一般に低ワット密度を提供する物理的センサと共に使用されるヒータは、大きなヒータサイズとコスト(抵抗素子の表面領域に亘って同じヒータ電力が広がる)を犠牲にして、ヒータが損傷するリスクを低減する。
【0005】
さらに、既知の技術は、温度制御ループにおいて、外部センサからのオン/オフ制御又はPID制御を使用する。外部センサは、配線とセンサ出力と間の熱抵抗による固有の遅延を有している。どんな外部センサも、構成要素の欠陥モードのポテンシャルを高め、システム全体に任意の機械的マウントの制限を設定する。
【0006】
流体流システムにおけるヒータの1つの用途は、車両排気であり、これらは、大気中への種々のガスの望ましくない放出や他の汚染物質の放出の低減を補助するため内燃エンジンに結合される。これら排気システムは、ディーゼル微粒子フィルタ(diesel particulate filters :DPF)、触媒コンバータ、選択式触媒還元(selective catalytic reduction:SCR)、ディーゼル酸化物触媒(diesel oxidation catalyst :DOC)、リーンNOxトラップ(lean NOx trap :LNT)、アンモニアスリップ触媒、又は改質器などの後処理装置を典型的に含んでいる。DPF、触媒コンバータ、及びSCRは、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PMs)、及び排気ガス中に含まれる未燃焼炭化水素(HCs)を捕捉する。ヒータは、排気温度を上昇させて触媒を活性化するため、及び/又は排気システムにおいて捕捉された粒子状物質、又は未燃焼炭化水素を燃焼させるため定期的又は所定の時間に活性化されてもよい。
【0007】
ヒータは、排気管又は排気システムの容器などの構成要素に一般に設置される。ヒータは、排気管内に複数の加熱エレメントを含み、典型的には同じ熱出力を提供するために同じ目標温度に制御される。しかしながら、温度勾配は、典型的には、隣接する加熱エレメントからの異なる熱放射、および加熱エレメントを流れる異なる温度の排気ガスのような、異なる運転条件のために生じる。例えば、下流加熱エレメントは、上流加熱エレメントによって加熱されたより高い温度を有する流体に曝されるので、一般に上流エレメントよりも高い温度を有する。さらに、中間加熱エレメントは、隣接する上流及び下流加熱エレメントからより多くの熱放射を受ける。
【0008】
ヒータの寿命は、最も過酷な加熱条件下にあり、最初に故障する加熱エレメントの寿命に依存する。どの加熱エレメントが最初に故障するかを知らずにヒータの寿命を予測することは困難である。すべての加熱エレメントの信頼性を向上させるために、加熱エレメントは、典型的には、加熱エレメントのいずれかの故障を低減及び/又は回避する安全率で動作するように設計される。したがって、あまり過酷でない加熱条件下にある加熱エレメントは、典型的には、それらの最大利用可能な熱出力をはるかに下回る熱出力を生成するように動作される。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、排気システムの排気導管内に配置されたヒータを含む排気システム用のヒータシステムを提供する。ヒータは、排気管の軸方向に沿って配置された複数の加熱エレメントを含む。ヒータシステムは、複数の加熱エレメントのうちの少なくとも2つの加熱エレメントに特有の少なくとも1つの動作条件に従って、複数の加熱エレメントの少なくもと2つが互いに異なるように制御するために動作可能なヒータ制御モジュールを含む。
【0010】
別の形態において、排気システムの排気管内に配置されたヒータを含む排気システム用のヒーターステムが提供される。ヒータは、排気管の軸方向に沿って配置された複数のゾーンを含む。このシステムはさらに、複数の加熱ゾーンの少なくとも2つに特有の少なくとも1つの動作条件に従って、複数の加熱ゾーンの少なくとも2つが互いに異なるように制御するために動作可能なヒータ制御モジュールを含む。
【0011】
適用性のさらなる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。説明及び特定の実施例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示が十分に理解され得るため、添付の図面を参照して、例として与えられた様々な形態について説明する。
【0013】
図1図1は、本開示の原理が適用されるディーゼルエンジン及び排気後処理システムの概略図。
図2図2は、本開示の教示に従って構成された上流排気導管内に設置されたヒータアセンブリの斜視図。
図3図3は、図1の上流側排気導管内に設置されたヒータアセンブリの斜視、断面図。
図4図4は、流れ方向の温度分布を示す別のヒータアセンブリの斜視、断面図。
図5図5は、本開示の教示に従って構成され動作する加熱システムのヒータ制御モジュールの概略図。
図6図6は、ヒータアセンブリの加熱エレメントに亘って均一な温度を達成するために、各加熱エレメントの最大有能電力と実際の電力出力とを比較するグラフ。 本明細書に記載された図面は、説明目的のみのためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、本質的に単に例示的なものであり、本開示、用途、又は使用を限定するものではない。図面を通して、対応する参照符号は、同様の又は対応する部分及び特徴を示すことが理解されるべきである。
【0015】
図1を参照すると、例示されたエンジンシステム10は、一般に、ディーゼルエンジン12、オルタネータ14(又は幾つかの用途では発電機)、ターボチャージャ16、及び排気後処理システム18を含む。排気後処理システム18は、ターボチャージャ16の下流に配置され、排気ガスが大気に放出される前に、ディーゼルエンジン12からの排気ガスを処理する。排気後処理システム18は、所望の結果を達成するため、排気流体の流れをさらに処理するために動作可能な1つ又は複数の追加の構成要素、装置、又はシステムを含むことができる。図1に示す例において、排気後処理システム18は、加熱システム20と、ディーゼル酸化触媒(DOC)22と、ディーゼル微粒子フィルタ装置(DPF)24と、選択式触媒還元装置(SCR)26を含んでいる。排気後処理システム18は、その中のヒータアセンブリ28を受ける上流排気導管32、DOC22とDPF24が設けられた中間排気導管34及びSCR26が配置された下流排気導管36を含む。
【0016】
本明細書に図示されかつ説明されたエンジンシステム10は単なる例示であり、したがって、NOx吸着材、又はアンモニア酸化触媒などの他の構成要素が含まれてもよく、DOC22、DPF24、及びSCR26のような他の構成要素は使用しなくてもよい。さらに、ディーゼルエンジン12が示されているが、本開示の教示は、ガソリンエンジン及び他の流体流用途にも適用可能であることを理解されたい。したがって、ディーゼル機関の用途は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。このような変形は、本開示の範囲内にあると解釈されるべきである。
【0017】
加熱システム20は、DOC22の上流に配置されたヒータアセンブリ28と、ヒータアセンブリ28の動作を制御するヒータ制御モジュール30とを含む。ヒータアセンブリ28は、1つ以上の電気ヒータを含むことができ、少なくとも1つの抵抗発熱体を含む。ヒータアセンブリ28は、作動中に流体の流れを加熱するために排気流体の流路内に配置される。ヒータ制御モジュール30は、典型的には、ヒータアセンブリ28からの入力を受けるように構成された制御装置を含む。ヒータアセンブリ28の動作の制御の例は、ヒータアセンブリをオン及びオフにすること、単一ユニットとしてのヒータアセンブリ28への電力を調整すること、及び/又は、利用可能であれば、抵抗加熱エレメントの個々又はグループのような、別々のサブコンポーネントへの電力を調整すること、及びそれらの組み合わせを含むことができる。
【0018】
1つの形態において、ヒータ制御モジュール30は制御装置を含む。制御装置は、ヒータアセンブリ28の少なくとも1つの電気ヒータと通信する。制御装置は、排気流体流、排気流体流の質量速度、少なくとも1つの電気ヒータの上流の流れ温度、少なくとも1つの電気ヒータの下流の流れ温度、少なくとも1つの電気ヒータへの電力入力、加熱システムの物理的特性に由来するパラメータ、及びそれらの組み合わせ含まれるが、これらに限定されない少なくとも1つの入力を受けるために適合される。少なくとも1つの電気ヒータは、排気流体を加熱するのに適した任意のヒータとすることができる。例示的な電気ヒータは、バンドヒータ、裸線抵抗加熱エレメント、ケーブルヒータ、カートリッジヒータ、積層ヒータ、ストリップヒータ、及び管状ヒータを含むが、これらに限定されない。
【0019】
図1に示すシステムは、ヒータアセンブリ28より下流に配置されたDOC22を含む。DOC22は、排気ガス中の一酸化炭素や未燃炭化水素を酸化するための触媒として働く。さらに、DOC22は、一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に変換する。DPF24は、排気ガスからディーゼル粒子状物質(PM)又は煤を除去することを助けるため、DOC22の下流に配置される。SCR26は、DPF24の下流に配置され、触媒を用いて、窒素酸化物(NOx)を窒素(N)及び水に変換する。尿素水溶液噴射装置27は、尿素水溶液を排気ガスの流れに噴射するため、DPF24の下流でSCR26の上流に配置される。尿素水溶液がSCR26で還元剤として使用される場合、NOxは、N、HO及びCOに還元される。
【0020】
図2及び3を参照すると、ヒータアセンブリ28の一形態は、排気導管32内に配置され、複数の加熱エレメント38を含んで示されている。複数の加熱エレメント38は、例示されるように管状ヒータのような加熱コイルの形態であってもよく、上流排気導管32の経線の軸Xに沿って配置される。複数の加熱エレメント38は、バンドヒータ、裸線抵抗加熱素子アセンブリ、ケーブルヒータ、カートリッジヒータ、積層ヒータ、ストリップヒータ、又は管状ヒータなどの任意のタイプの構造で提供されてもよい。したがって、管状ヒータの例示は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。一形態において、ヒータアセンブリ28は、ブラケット40により上流排気導管32に取付けられる。別の形態において、ヒータアセンブリ28は、上流排気導管の軸方向に沿って配置された複数の加熱ゾーンを含むことができる。各加熱ゾーンは、少なくとも1つの抵抗加熱素子を含む。
【0021】
複数の加熱エレメント38は、測定又は推定によって所定の性能特性を示すことができる。複数の加熱エレメント38の性能特性は、所定の電圧又は特定のプロセスフロー条件下での複数の加熱エレメント38の熱流束密度を含む。熱流束は、単位時間当たりの所与の表面を通る熱エネルギーの割合である。熱流束密度は、ワット密度(ワット/mm)で測定された単位面積当たりの熱消費率である。熱流束又は熱流束密度は、温度、転送効率、及び寿命(及び結果として信頼性)を含み、複数の加熱エレメント38の性能を予測するための有用な情報を提供する。より高い束密度を有する加熱エレメント38は、一般に、速い温度上昇を提供し、より低い高い束密度を有する加熱エレメント38よりもより小さな表面積(従って、製造コストがより低い)を有する。しかしながら、より高い束密度を有する加熱エレメント38は、一般に、より高い熱応力及び疲労のために寿命が短く且つ信頼性が低い。
【0022】
図4を参照すると、複数の加熱エレメント38を含むヒータアセンブリ28を通って排気ガスが流れるとき、上流加熱エレメント42における排気ガスの温度は、一般に、下流加熱エレメント44での排気ガスの温度よりも低い。上流と下流の加熱エレメント42、44が同一の熱流束を生成するように制御される場合、加熱エレメント38の上流の流れは加熱されていないので、上流加熱エレメント42は、一般に下流加熱エレメント44よりも温度が低い。しかし、上流加熱エレメント42が下流加熱エレメント44よりも高い熱流束密度を出力するために同じ温度に制御される場合、上流加熱エレメント42において増加された熱流密度は、サイクルの様々なポイントで、上流加熱エレメント42の加熱及び冷却率を高め、熱ストレスがより高くなり、熱疲労による寿命が短くなる。
【0023】
従って、上流加熱エレメント42の熱流束密度を単純に増加させる代わりに、本発明のヒータ制御モジュール30は、所望の加熱サイクル、加熱速度及び目標温度を提供するため、複数の加熱エレメント38に亘る熱勾配及び異なる熱放射を考慮して、複数の加熱エレメント38に特有の動作パラメータに基づき、複数の加熱エレメント38を独立して積極的に制御し、ヒータ性能を改善し、信頼性を向上させる。ヒータ制御モジュール30は、本開示の範囲内において、加熱エレメント38のうちの少なくとも2つを独立して、又は複数の加熱エレメント38のいずれかを独立して、又は加熱エレメント38のそれぞれを独立して制御することができることを理解されたい。
【0024】
複数の加熱エレメント38は、ヒータアセンブリ28の製造及び制御を単純化するため、同じ物理的特性、及び所与の出力レベルでの同じ熱流束密度を有するように設計されてもよい。或いは、複数の加熱エレメント38は、所与の電力レベルで異なるワット密度を提供するため、異なるサイズ及び物理的特性を有するように設計されてもよい。いずれの場合においても、複数の加熱エレメント38は、ヒータアセンブリ28の信頼性を向上させ、熱勾配および熱放射を考慮して異なる熱流密度を提供するため、ヒータ制御モジュール30によって制御される。
【0025】
図5を参照すると、ヒータ制御モジュール30は、複数の加熱エレメント38のそれぞれに固有の少なくとも1つの動作条件に従って、ヒータアセンブリ28の複数の加熱エレメント38を互いに異なるように制御して、改善された加熱性能及び信頼性を達成する。ヒータ制御モジュール30は、動作パラメータ取得モジュール50と、信頼性決定モジュール52と、目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54と、電力制御及びスイッチングモジュール56とを含む。オプションとして、ヒータ制御モジュール30は、仮想検知モジュール58と、上述のヒータ性能特性データ記憶モジュール59とを含んでもよい。信頼性決定モジュール52、目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54、及び仮想検知モジュール58などの例を含む様々なモジュールは、任意であり得ることも理解されるべきである。
【0026】
動作パラメータ取得モジュール50は、複数のセンサ60、62、64から複数の加熱エレメント38の少なくとも1つに固有の動作パラメータを取得する。パラメータは、温度センサ60によって測定された(又は計算された)加熱エレメント38の温度と、流量センサ62によって測定された排気ガス流量とを含むが、これに限定されるものではない。
【0027】
仮想検知モジュール64は、エンジン制御モジュール(ECM)64からデータを受け、幾つかの動作パラメータを推定又は予測し、動作パラメータの幾つかを仮想的に検出することができる。例えば、ECM64から得られたデータは、排気流量及びヒータ入口温度を含むことができる。仮想検知モジュール58は、ECM64からのデータに基づき、ヒータ出口温度を推定することができる。推定データは、より正確な信頼性推定のため、動作パラメータ取得モジュール50に送ることができる。
【0028】
いくつかの用途において、排気システムは、次のような異なるモードの下で動作させることができる。正常(非能動的な再生ではないがおそらく受動的な再生);加熱モード(又は暖機モード)- -エンジンは、能動的再生(active regeneration)を達成するために後処理温度を上昇させる;コールドモード(又はコールドスタートモード) - - NOxは低温状態で積極的に蓄えられる;重負荷モード - - より高い排気温度で、貯蔵されたNOxの放出を可能にする。付加的な動作モードは、米国公開公報2014/0130481に記載されており、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
例えば、仮想検知モジュール58は、複数の加熱エレメント38の少なくとも1つの動作パラメータを受けることができる。例えば、仮想検知モジュール58は、特定のモードに関する情報を受信し、各加熱エレメント38に利用可能な熱流束密度のポテンシャルの正確さを増加するため、各加熱エレメント38の排気口の温度を推定することができる。したがって、仮想検出モジュール58は、各加熱エレメント38に用いられる吸気口の温度を知るだけでなく、各加熱エレメント38から出てくる温度、すなわち、次の加熱エレメント38の吸気口の温度を推定することができる。温度の推定は、周囲の環境への損失を含む、各加熱エレメント38の排気口の温度を予測するためのエネルギーバランス(エネルギーの保存)に基づいてもよい。
【0030】
信頼性決定モジュール52は、各加熱エレメント38に特有の動作パラメータに基づいて、特定の電力レベルについて各加熱エレメント38の信頼性を決定する。信頼性決定モジュール52は、個々の加熱エレメント38に特有の性能特性データを記憶するヒータ性能特性データ記憶モジュール59からデータを受けてもよい。複数の加熱エレメント38は、同じ仕様に従って製造することができるが、製造ばらつきや偏差のため、熱流束密度などの同じ加熱性能を提供できない可能性がある。したがって、製造ばらつきや偏差に関するパラメータを予め決定してヒータ性能特性データ記憶モジュール59に記憶させておき、より正確な信頼度計算を行うため、信頼性決定モジュール52に供給してもよい。
【0031】
各加熱エレメント38の信頼性は、ヒータアセンブリ28を上流排気導管32に取り付ける取り付けブラケット40によって課される振動又は物理的負荷のような他の要因によっても影響を受ける可能性がある。加熱エレメント38が構造部材としても扱われるかどうかは、加熱エレメント38の信頼性に影響を及ぼす。したがって、これら要因の影響は、信頼性決定をより正確に行うため、ヒータ性能特性データ記憶モジュール59に予め記憶しておいてもよい。
【0032】
信頼性決定モジュール52は、信頼性パラメータと動作パラメータとの間の関係に基づいて、複数の加熱エレメント38の期待信頼性を決定してもよい。この関係は、経験的データ又は実験に基づいて上流加熱エレメント42に直接利用可能である。例えば、関係は、加熱エレメント38の較正された加速寿命試験(Calibrated Accelerated Life Testing : CALT)を実行することによって得てもよい。加速寿命試験は、短期間で障害の可能性のあるモードと障害を明らかにするために、通常のサービスパラメータより多い応力、歪み、温度などの条件にかけて製品を試験するプロセスである。本形態において、CALTは、加熱サイクルと所与の電力レベル又は所与の動作環境のための時間との関係を提供するために使用してもよい。したがって、CALTは、各加熱エレメント38の信頼性と動作パラメータとの間の関係を提供する。信頼性データは、より厳しい動作条件を経験する加熱エレメント38のみに提供されてもよい。
【0033】
上流及び下流加熱エレメント42、44の信頼性が決定された後、信頼性決定モジュール52は、上流及び下流加熱エレメント42、44の信頼性を平均化することによって平均信頼性を決定する。平均信頼性に関する情報は、目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54に送られる。
【0034】
目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54は、同一平均信頼性に基づき上流及び下流の加熱エレメント42、44の目標温度、並びに加熱サイクルを計算する。目標温度は、複数の加熱エレメント38が同じ平均信頼性を達成することを可能にする。中間の加熱エレメント39について、上流及び下流加熱エレメント42、44からの値の補間は、目標温度を決定するために使用されてもよい。
【0035】
目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54は、所与の所望の電力レベル及び流量について同じ平均信頼性を得るため、各加熱エレメント38の目標温度を計算する。目標温度は、他のシステム変数の変化の中で経時的に変化し得る電力レベルの変化に応答して絶えず更新されてもよい。この動的計算は、実際の流量、電力レベル、及びこれらの量の設計値を含むが、これに限定されない複数のパラメータに基づいて加熱エレメント38の目標温度をより正確に決定することを可能にする。したがって、動作中の加熱システム20内の所与のヒータアセンブリ28の信頼性を向上させることができる。
【0036】
目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54は、信頼性を改善するためにリアルタイム目標温度計算を実行することも可能である。例えば、信頼性決定モジュール52は、ヒータの信頼性及び所望の電力レベルのスイッチング周波数の影響に対するdi/dt(経時的な電流の変化、又はdV/dt、経時的な電圧の変化)の影響を決定してもよい。目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54は、所望の電力レベルに対応する目標温度をより高い信頼性で決定する。目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54は、所望の電力レベルを生成する様々な加熱エレメント38のため、特定の目標温度を維持するための加熱サイクル数もより高い信頼性で決定する。
【0037】
別の形態において、目標温度及び加熱サイクル決定モジュール54は、2つのモジュールであってもよい。電力制御及びスイッチングモジュール58は、各加熱エレメント38に供給される電力レベルを制御し、目標温度を達成するために、計算された加熱サイクルに基づいて加熱エレメント38を切り替える。電力制御及びスイッチングモジュール56は、加熱エレメント38のスイッチングを、計算された加熱サイクルに基づき「オン」状態と「オフ」状態とを制御する。平均電力密度は、加熱エレメント38の信頼性を向上させるレベルまで低減することができる。より速いスイッチングは、一般に、より長い寿命を容易にするが、スイッチング速度は、耐久性を向上させるために選択される。各加熱エレメント38は、加熱エレメント38の最適信頼性を確保しながら、最大平均熱流束密度を有するように制御することができる。
【0038】
ヒータ制御モジュール30は、全ての加熱エレメント38に亘る合計の熱流束密度が増加する限り、複数の加熱エレメント38に亘って一定の耐久性を維持するため、上流排気導管32内の軸方向の位置に基づき加熱エレメント38の熱流束密度を制御して変化させる。第1番目から後の加熱エレメント38の変化された熱流束密度は、異なるゾーンで目標温度を異なるように設定することによって、より小さい物理的空間内で一定の耐久性を維持し、パワーを増加させることができる。したがって、複数の加熱エレメント38に亘って一定の耐久性/信頼性を維持しながら、増加された利用可能な熱流束密度を提供するため、複数の加熱エレメント38を操作することが可能である。特定の加熱エレメント38に特有の操作パラメータは、厳密に監視され、最適な信頼性のための熱出力が常に調整されているため、安全率は要求されないかもしれない。
【0039】
複数の加熱エレメント38は、異なる目標温度に制御されてもよい、これにより各発熱に固有のパラメータを考慮して、複数の加熱エレメント38の一様な温度を維持するための異なる熱出力(熱流束密度)を発生させることができる。各加熱エレメント38は、同じ大きな熱流束密度を有するように設計することができ、エンジンのコールドスタート中に同時にフルパワーにターンオンすることができる。加熱エレメント38が目標温度に達した後、加熱エレメント38を適切な電力レベルに切り替えて、加熱エレメント38を目標温度に維持することができる。したがって、ヒータアセンブリ28は、より大きな熱流束密度を生成して排気ガスを急速に加熱することができ、安全限界に達したとき、個々の加熱エレメント38をオフにすることができる。
【0040】
図6を参照すると、グラフは、バーAによって示されるように、同じ高電力レベルを有するように設計された各加熱エレメント38を有することができる複数の軸方向に配置された加熱エレメント38を含むヒータアセンブリ28を示す。複数の加熱エレメント38は、材料温度限界に達したとき、又は、他の動作パラメータが低下した電力を指示するとき、バーBによって示されるような適切なレベルに低下するよう切り替えることができる。バーBは、定常状態での各加熱エレメント38のヒータ電力、又は一定のシース(sheath)温度を維持する簡単な過渡状態をも示す。各加熱エレメント38の耐久性は熱サイクルの数及び大きさ、並びにdi/dt(経時的な電流の変化)などの過渡条件によって影響され得る。各加熱エレメント38の最大kWは、過渡条件に基づいて変化し得る。例えば、加熱エレメント38が冷えている場合、はるかに高い電力密度をより短期間に利用することができる。電力密度は、時間が経つに従って低減することができる。さらに、加熱エレメント38への電力の供給の速度は、ヒータアセンブリ28の損傷を防ぐため、より遅くなるように調整することができる。したがって、ヒータ制御モジュール30は、耐久性/信頼性の向上を考慮して複数の加熱エレメント38の少なくとも1つの過渡条件を取得するため制御アルゴリズムを含んでいる。ヒータ制御モジュール30を用いて個々の加熱エレメント38のオン/オフ及び電力のアップ及びダウンを制御するヒータ制御モジュール30を用いることにより、ヒータ性能は、動作条件、及び容量や耐久性のようなヒータ構造の制約に基づき最適化されることが可能であり、これにより、全ての加熱エレメント38の最適信頼性を得ることができる。
【0041】
本開示は、より小さい領域においてより多くの熱流束密度を生成するという利点を有する。増加した熱流束密度は、加熱エレメント38のサイズの減少、加熱エレメント38のコストの低減、及びエンジンのコールドスタート中により速い加熱をもたらすことができる。したがって、本開示は、マルチゾーンヒータアセンブリ28のための加熱エレメント38の信頼性、サイズ、及び出力をバランスさせ、それにより改善された加熱結果を達成する。
【0042】
本開示は、過渡条件にも適応することができ、また、故障した加熱エレメント38へのより良い適応を提供することができる。加熱エレメント38、又はその関連する電力要素が故障すると、残りの加熱エレメント38は、失われた電力の一部を供給するため制御されることができる。加熱エレメント38の信頼性が低い場合、又は加熱エレメント38が故障した場合、特定の加熱エレメント38は、熱流密度を低減するために電力を供給することができる。残りの加熱エレメント38の出力は、特定の加熱エレメント38から低減された熱流束を補償するために調整することができる。したがって、ヒータアセンブリ28全体は、低減された信頼性に特定のヒータを合わせることなく、所望の総パワー出力を生成し続けることができる。
【0043】
本開示のさらに別の形態において、加熱エレメント38は、所望の増加したワット密度(より小さいサイズを有し、それによって製造コストを低減する)を提供するため、制御されることができる。個々の加熱エレメント38から出力される熱流束は、動作パラメータ取得モジュール50によって取得された動作データに従って、動作中に異なって制御され、調整されてもよい。各加熱エレメント38からの熱流束は、所望の熱流束及び改善された信頼性を達成するため、電力制御及びスイッチングモジュール56を用いて加熱エレメント38を「オン」及び「オフ」に切り換えて、変えられてもよい。加熱システム20は、所与の電力レベル及び所望の信頼性レベルのため、より小さい(従って、より低コストの)加熱エレメント38を可能にする。各加熱エレメント38について、加熱エレメント38の温度、最大温度と最小温度との差、最大冷却速度、加熱サイクルの数(「制御サイクル」及び「機械サイクル」の両方)、及び最大電力又は加熱速度を経時的に追跡することができる。加熱エレメント38からの熱出力は、これらの変化したパラメータに従って調整されてもよい。
【0044】
ディーゼル排気の流体流用途が本明細書に例示及び説明されたが、様々な形態の軸方向加熱が、任意の数の用途に適用されてもよく、流体の流れに沿った、様々な加熱/出力分布、又はシステムの機能性、を提供することができることを理解されたい。例えば、より小さい物理的空間において電力を増加させるため、1つの加熱エレメントから次の加熱エレメントへの電力密度を変化させるために、軸方向加熱を用いることができる。別の形態において、一定の要素シース又はワイヤ温度を維持するため、出力密度を変化させることができる。さらに、異なるエンジン速度及びトルクでの軸方向出力分布のマップを作成することができ、次いで、使用中の実際のエンジン条件に基づいて出力変動を制御することができる。したがって、本明細書に例示され、記載された様々な形態は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0045】
本開示の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本開示の内容から逸脱しない変形は、本開示の範囲内にあるものとする。そのような変形は、開示の精神および範囲からの逸脱と見なすべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】