特表2019-512859(P2019-512859A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-512859(P2019-512859A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】直流海底ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/14 20060101AFI20190419BHJP
   H01B 9/00 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
   H01B7/14
   H01B9/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-563753(P2018-563753)
(86)(22)【出願日】2017年10月11日
(85)【翻訳文提出日】2018年8月27日
(86)【国際出願番号】CN2017105769
(87)【国際公開番号】WO2018099191
(87)【国際公開日】20180607
(31)【優先権主張番号】201611078251.7
(32)【優先日】2016年11月29日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518306104
【氏名又は名称】重慶泰山電纜有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chongqing Taishan Cable Co., Ltd
(71)【出願人】
【識別番号】518306115
【氏名又は名称】国網山東省電力公司烟台供電公司
【氏名又は名称原語表記】STATE GRID SHANDONG ELECTRIC POWER COMPANY YANTAI POWER SUPPLY COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】518306126
【氏名又は名称】山東電工電気集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG ELECTRICAL ENGINEERING & EQUIPMENT GROUP CO., LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】512218795
【氏名又は名称】国家電網公司
【氏名又は名称原語表記】State Grid Corporation of China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】祁 登権
(72)【発明者】
【氏名】席 菲菲
(72)【発明者】
【氏名】周 忠義
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲ティン▼▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】田 書然
【テーマコード(参考)】
5G311
【Fターム(参考)】
5G311FA01
5G311FB01
5G311FC03
(57)【要約】
直流海底ケーブルは六角形の支持コア(1)を備え、六角形の支持コア(1)の一辺の長さが3.3mm−3.7mmであり、六角形の支持コア(1)の外側に第一のワイヤー層(2)が設置され、第一のワイヤー層(2)が6本の第一のワイヤーのシングルワイヤー(2a)を含み、6本の第一のワイヤーのシングルワイヤー(2a)が支持コア(1)と撚り合せて円形になり、各第一のワイヤーのシングルワイヤー(2a)の断面面積が28.50mm−29.5mmである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流海底ケーブルであって、六角形の支持コア(1)を備え、前記六角形の支持コア(1)の一辺の長さが3.3mm−3.7mmであり、
前記六角形の支持コア(1)の外側に第一のワイヤー層(2)が設置され、前記第一のワイヤー層(2)が6本の第一のワイヤーのシングルワイヤー(2a)を含み、前記6本の第一のワイヤーのシングルワイヤー(2a)が支持コア(1)と撚り合せて円形になり、各前記第一のワイヤーのシングルワイヤー(2a)の断面面積が28.50mm−29.5mmであり、
前記第一のワイヤー層(2)の外側に第二のワイヤー層(3)が設置され、前記第二のワイヤー層(3)が12本の第二のワイヤーのシングルワイヤー(3a)を含み、前記12本の第二のワイヤーのシングルワイヤー(3a)が前記第一のワイヤー層(2)と撚り合せて円形になり、各前記第二のワイヤーのシングルワイヤー(3a)の断面面積が8mm−10mmであり、
前記第二のワイヤー層(3)の外側に第三のワイヤー層(4)が設置され、前記第三のワイヤー層(4)が18本の第三のワイヤーのシングルワイヤー(4a)を含み、前記18本の第三のワイヤーのシングルワイヤー(4a)が前記第二のワイヤー層(3)と撚り合せて円形になり、各前記第三のワイヤーのシングルワイヤー(4a)の断面面積が6.5mm−8.5mmであり、
前記第三のワイヤー層(4)の外側に第四のワイヤー層(5)が設置され、前記第四のワイヤー層が24本の第四のワイヤーのシングルワイヤー(5a)を含み、前記24本の第四のワイヤーのシングルワイヤー(5a)が前記第三のワイヤー層(4)と撚り合せて円形になり、各前記第四のワイヤーのシングルワイヤー(5a)の断面面積が5.5mm−7.5mmである、前記直流海底ケーブル。
【請求項2】
前記第一のワイヤー層(2)の断面面積が200mm−202mmであり、前記第二のワイヤー層(3)の断面面積が313.2mm−315.2mmであり、前記第三のワイヤー層(4)の断面面積が451.2mm−453.2mmであり、前記第四のワイヤー層(5)の断面面積が614.2mm−616.2mmであることを特徴とする
請求項1に記載の直流海底ケーブル。
【請求項3】
前記第四のワイヤー層(5)の外側に第五のワイヤー層(6)が設置され、前記第五のワイヤー層(6)が30本の第五のワイヤーのシングルワイヤー(6a)を含み、前記第五のワイヤーのシングルワイヤー(6a)が前記第四のワイヤー層(5)と撚り合せて円形になり、各前記第五のワイヤーのシングルワイヤー(6a)の断面面積が5.5mm−7.5mmであり、
前記第五のワイヤー層(6)の外側に第六のワイヤー層(7)が設置され、第六のワイヤー層(7)が36本の第六のワイヤーのシングルワイヤー(7a)を含み、第六のワイヤーのシングルワイヤー(7a)が前記第五のワイヤー層(6)と撚り合せて円形になり、各前記第六のワイヤーのシングルワイヤー(7a)の断面面積が6.8mm−8.2mmであることを特徴とする
請求項1に記載の直流海底ケーブル。
【請求項4】
前記第五のワイヤー層(6)の断面面積が803mm−805mmであり、前記第六のワイヤー層(7)の断面面積が1074mm−1076mmであることを特徴とする
請求項3に記載の直流海底ケーブル。
【請求項5】
前記第六のワイヤー層(7)の外側に半導電性シールド(9)が設置され、前記半導電性シールド9の外側に架橋ポリエチレン絶縁層(10)が設置され、前記架橋ポリエチレン絶縁層(10)の外側に絶縁シールド層(11)が設置されることを特徴とする
請求項4に記載の直流海底ケーブル。
【請求項6】
前記絶縁シールド層(11)の外側に半導電性防水緩衝層(12)が設置され、前記半導電性防水緩衝層(12)の外側に合金リードシース(13)が設置され、前記合金リードシース(13)の外側に半導電性PEシース(14)が設置され、前記半導電性PEシース(14)の外側にライナー層(15)が設置されることを特徴とする
請求項5に記載の直流海底ケーブル。
【請求項7】
前記ライナー層(15)の外側にスチールワイヤー外装層(16)が設置され、前記スチールワイヤー外装層(16)が複数本のスチールワイヤー(16a)を含み、前記スチールワイヤーの直径が3.0mm、5.0mm、6.0mm又は8.0mmであることを特徴とする
請求項6に記載の直流海底ケーブル。
【請求項8】
前記スチールワイヤー外装層(16)内に光ケーブル(17)が設置され、前記光ケーブル(17)の両側に充填ストリップが設置され、
前記充填ストリップの外径がスチールワイヤー(16a)の外径と同じであり且つ光ケーブル(17)の外径より大きく、前記スチールワイヤー外装層(16)の外側に被覆層(18)が設置されることを特徴とする
請求項7に記載の直流海底ケーブル。
【請求項9】
前記直流海底ケーブルの断面は3000mm−4000mmであることを特徴とする
請求項1−8のいずれか一項に記載の直流海底ケーブル。
【請求項10】
各ワイヤーのシングルワイヤーの間に防水接着剤が設置され、各層の間に半導電性防水テープが設置されることを特徴とする
請求項9に記載の直流海底ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2016年11月29日に出願された出願番号201611078251.7の中国特許出願の優先権を主張し、上記中国特許出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、海底ケーブル技術分野に関し、具体的に直流海底ケーブルに関する。
【背景技術】
【0003】
グローバルインテリジェントインターネットは高電圧、大容量及び通信伝送と切り離すことができなく、超高電圧直流送電は、低コスト、低損失、電力損失がない。さらに、電力ネットワークは接続が便利で、制御及び調整が容易であり、長距離送電に広く使用される。高電圧直流送電は、電力ネットワークの電気エネルギー品質レベルに影響を与えることなく、海上風力発電、潮力発電、太陽光発電などの不安定な電源と電力システムを接続させることができ、そのため、直流送電を使用することは非常に必要である。
【0004】
しかし、現在の高電圧直流海底ケーブル技術は油浸紙絶縁油入り海底ケーブルに留まり、この油浸紙絶縁油入り海底ケーブルは防水効果が悪く、敷設が落差により制限され、また、海底ケーブルは油漏れが発生した場合、応急修理が困難であり、さらに、耐食性と引張り強度が悪く、これによりケーブルの耐用年数が短くなり、コストが増加する。
【0005】
したがって、当業者は、防水効果を効果的に向上させることができる直流海底ケーブルの開発に取り組んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の上記欠点に鑑み、本発明の実施例は防水効果を効果的に向上させることができる直流海底ケーブルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例の技術的解決策は以下のように実現される。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は直流海底ケーブルを提供し、六角形の支持コアを備え、六角形の支持コアの一辺の長さが3.3mm−3.7mmであり、
六角形の支持コアの外側に第一のワイヤー(Shaped Wires、型線)層が設置され、第一のワイヤー層が6本の第一のワイヤーのシングルワイヤー(single wire、単線とも呼ばれている)を含み、6本の第一のワイヤーのシングルワイヤーが支持コアと撚り合せて円形になり、各第一のワイヤーのシングルワイヤーの断面面積が28.50mm−29.5mmであり、
第一のワイヤー層の外側に第二のワイヤー層が設置され、第二のワイヤー層が12本の第二のワイヤーのシングルワイヤーを含み、12本の第二のワイヤーのシングルワイヤーが第一のワイヤー層と撚り合せて円形になり、各第二のワイヤーのシングルワイヤーの断面面積が8mm−10mmであり、
第二のワイヤー層の外側に第三のワイヤー層が設置され、第三のワイヤー層が18本の第三のワイヤーのシングルワイヤーを含み、18本の第三のワイヤーのシングルワイヤーが第二のワイヤー層と撚り合せて円形になり、各第三のワイヤーのシングルワイヤーの断面面積が6.5mm−8.5mmであり、
第三のワイヤー層の外側に第四のワイヤー層が設置され、第四のワイヤー層が24本の第四のワイヤーのシングルワイヤーを含み、24本の第四のワイヤーのシングルワイヤーが第三のワイヤー層と撚り合せて円形になり、各第四のワイヤーのシングルワイヤーの断面面積が5.5mm−7.5mmである。
【0009】
防水性能をさらに向上させるために、一つの実施形態として、第一のワイヤー層の断面面積が200mm−202mmであり、第二のワイヤー層の断面面積が313.2mm−315.2mmであり、第三のワイヤー層の断面面積が451.2mm−453.2mmであり、第四のワイヤー層の断面面積が614.2mm−616.2mmである。
【0010】
構造をコンパクト化させるために、一つの実施形態として、第四のワイヤー層の外側に第五のワイヤー層が設置され、第五のワイヤー層が30本の第五のワイヤーのシングルワイヤーを含み、第五のワイヤーのシングルワイヤーが第四のワイヤー層と撚り合せて円形になり、各第五のワイヤーのシングルワイヤーの断面面積が5.5mm−7.5mmであり、
第五のワイヤー層に第六のワイヤー層が設置され、第六のワイヤー層が36本の第六のワイヤーのシングルワイヤーを含み、第六のワイヤーのシングルワイヤーが第五のワイヤー層と撚り合せて円形になり、各第六のワイヤーのシングルワイヤーの断面面積が6.8mm−8.2mmである。
【0011】
さらにコンパクト化を高め、防水効果を向上させるために、一つの実施形態として、第五のワイヤー層の断面面積が803mm−805mmであり、第六のワイヤー層の断面面積が1074mm−1076mmである。
【0012】
一つの実施形態として、第六のワイヤー層の外側に半導電性シールドが設置され、半導電性シールドの外側に架橋ポリエチレン絶縁層が設置され、架橋ポリエチレン絶縁層の外側に絶縁シールド層が設置される。
【0013】
一つの実施形態として、絶縁シールド層の外側に半導電性防水緩衝層が設置され、半導電性防水緩衝層の外側に合金リードシース(lead sheath)が設置され、合金リードシースの外側に半導電性ポリエチレン(PE:Polyethylene)シースが設置され、半導電性PEシースの外側にライナー層が設置される。
【0014】
引張り強度を高めるために、一つの実施形態として、ライナー層の外側にスチールワイヤー外装層が設置され、スチールワイヤー外装層が複数本のスチールワイヤーを含み、スチールワイヤーの直径が3.0mm、5.0mm、6.0mm又は8.0mmである。
【0015】
光電複合性能を有するとともに耐用年数を延長するために、一つの実施形態として、スチールワイヤー外装層内に光ケーブルが設置され、光ケーブルの両側に充填ストリップが設置され、
充填ストリップの外径がスチールワイヤーの外径と同じであり且つ光ケーブルの外径より大きく、スチールワイヤー外装層の外側に被覆層が設置される。
【0016】
この構造が大断面ケーブルに使用されるため、直流海底ケーブルの断面は3000mm−4000mmである。
【0017】
防水効果をさらに向上させるために、一つの実施形態として、各ワイヤーのシングルワイヤーの間に防水接着剤が設置され、各層間に半導電性防水テープが設置される。
【0018】
本発明の実施例で説明される技術的解決策の有益な効果は以下の通りである。
【0019】
本発明の実施例によって提供される直流海底ケーブルは、防水効果を効果的に向上させ、敷設が落差により制限されるという難題を克服し、一方で、長距離、高出力、大容量の要求を満たすことができ、さらに、耐食性と引張り強度を効果的に向上させ、ケーブル耐用年数を延長させ、コストを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例による直流海底ケーブルの構造図
図2】本発明の実施例による図1のA位置の部分拡大図
図3】本発明の実施例による工場ジョイントの具体的な実施形態の構造図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術的な解決策と利点をより明確に説明するために、以下に本発明の実施例における図面を組み合わせて本発明の実施例における技術的解決策を明確で、全面的に説明し、明らかに、説明した実施例は本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに得た全ての他の実施例は、全て本発明の保護範囲に属する。
【0022】
以下に図面と実施例を組み合わせて本発明をさらに説明する。
【0023】
図1図3に示すように、直流海底ケーブルは、六角形の支持コア1を備え、六角形の支持コア1の一辺の長さが3.3mm−3.7mmであり、一つの選択可能な実施形態として、本実施例では、六角形の支持コア1の一辺の長さが3.5mm。
【0024】
六角形の支持コア1の外側に第一のワイヤー層2が設置され、第一のワイヤー層2の断面面積が200mm−202mmであり、本実施例では、第一のワイヤー層2の断面面積が201.1mmである。第一のワイヤー層2が6本の第一のワイヤーのシングルワイヤー2aを含み、6本の第一のワイヤーのシングルワイヤー2aが支持コア1と撚り合せて円形になり、各第一のワイヤーのシングルワイヤー2aの断面面積が28.50mm−29.5mmであり、本実施例では、第一のワイヤーのシングルワイヤー2aの断面面積が29mmである。
【0025】
第一のワイヤー層2の外側に第二のワイヤー層3が設置され、第二のワイヤー層3の断面面積が313.2mm−315.2mmであり、本実施例では、第二のワイヤー層3の断面面積が314.2mmであり、第二のワイヤー層3が12本の第二のワイヤーのシングルワイヤー3aを含み、12本の第二のワイヤーのシングルワイヤー3aが第一のワイヤー層2と撚り合せて円形になり、各第二のワイヤーのシングルワイヤー3aの断面面積が8mm−10mmであり、本実施例では、各第二のワイヤーのシングルワイヤー3aの断面面積が9mmである。
【0026】
第二のワイヤー層3の外側に第三のワイヤー層4が設置され、第三のワイヤー層4の断面面積が451.2mm−453.2mmであり、本実施例では、第三のワイヤー層4の断面面積が452.4mmである。第三のワイヤー層4が18本の第三のワイヤーのシングルワイヤー4aを含み、18本の第三のワイヤーのシングルワイヤー4aが第二のワイヤー層3と撚り合せて円形になり、各第三のワイヤーのシングルワイヤー4aの断面面積が6.5mm−8.5mmであり、本実施例では、各第三のワイヤーのシングルワイヤー4aの断面面積が7.7mmである。
【0027】
第三のワイヤー層4の外側に第四のワイヤー層5が設置され、第四のワイヤー層5の断面面積が614.2mm−616.2mmであり、本実施例では、第四のワイヤー層5の断面面積が615.8mmである。第四のワイヤー層が24本の第四のワイヤーのシングルワイヤー5aを含み、24本の第四のワイヤーのシングルワイヤー5aが第三のワイヤー層4と撚り合せて円形になり、各第四のワイヤーのシングルワイヤー5aの断面面積が5.5mm−7.5mmであり、各第四のワイヤーのシングルワイヤー5aの断面面積が6.8mmである。
【0028】
第四のワイヤーのシングルワイヤー5の外側に第五のワイヤー層6が設置され、第五のワイヤー層6の断面面積が803mm−805mmであり、本実施例では、第五のワイヤー層6の断面面積が804.2mmである。第五のワイヤー層6は30本の第五のワイヤーのシングルワイヤー6aを含み、第五のワイヤーのシングルワイヤー6aが第四のワイヤー層5と撚り合せて円形になり、各第五のワイヤーのシングルワイヤー6aの断面面積が5.5mm−7.5mmであり、本実施例では、第五のワイヤーのシングルワイヤー6aの断面面積が6.3mmである。
【0029】
第五のワイヤー層6の外側に第六のワイヤー層7が設置され、第六のワイヤー層7の断面面積が1074mm−1076mmであり、本実施例では、第六のワイヤー層7の断面面積が1075.2mmである。第六のワイヤー層7が36本の第六のワイヤーのシングルワイヤー7aを含み、第六のワイヤーのシングルワイヤー7aが第五のワイヤー層6と撚り合せて円形になり、各第六のワイヤーのシングルワイヤー7aの断面面積が6.8mm−8.2mmであり、本実施例では、第六のワイヤーのシングルワイヤー7aの断面面積が7.5mmである。
【0030】
第六のワイヤー層7の外側に半導電性シールド9が設置され、本実施例では、半導電性シールド9は押出された半導電性シールド材料である。半導電性シールド9の外側に架橋ポリエチレン絶縁層10が設置され、架橋ポリエチレン絶縁層10の外側に絶縁シールド層11が設置される。本実施例では、架橋ポリエチレン絶縁層10は高電圧直流ケーブルに専用され、該材料の電気的性能、物理的性能が全て高電圧直流ケーブルの絶縁を満たすことができ、且つ空間電荷の形成を大きく減少させる。以上の要求を満たすために、非極性架橋ポリエチレン絶縁材料を使用し、この材料が良好な加工性能を有するとともに、機械的性能及び電気的性能に優れ、その構造が以下の通りである。
【0031】
--[--CH2--CH2--]n---[CH2--CH--]---[CH2--CH2--]x----[CH2--CH--[CH2--CH2--]a-
/

/
--[--CH2--CH2--]m---[CH2--CH--]--[CH2--CH2--]y----[CH2--CH--[CH2--CH2--]b--
【0032】
中間は架橋結合であり、過酸化物によって開始され、フリーラジカルを形成し、フリーラジカル間に架橋結合が形成され、線状高分子によって3次元立体高分子が形成される。
【0033】
該絶縁材料の主な性能は次の表に示される。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
絶縁シールド層11の外側に半導電性防水緩衝層12が設置され、本実施例では、半導電性防水緩衝層12は高い水膨張率を有する半導電性防水テープを使用する。半導電性防水緩衝層12の外側に合金リードシース13が設置され、本実施例では、合金リードシース13は径方向防水層であって押出された高品質の鉛合金材料を使用する。合金リードシース13の外側に半導電性PEシース14が設置され、本実施例では、半導電性PEシース14はリードシースが製造中に損傷されることを防止するために押出される。半導電性PEシース14の外側にライナー層15が設置される。本実施例では、ライナー層15はPPロープとケーブル専用の改質アスファルトで作られる。
【0037】
本製品はケーブル金属シースの表面(リードシースの表面、スチールワイヤーの表面)に耐食性に優れたケーブル改質アスファルトが注入され、該アスファルトが特殊な配合を採用し、良好な粘着性能を有する。
【0038】
改質アスファルトの配合は表3に示される。
【0039】
【表3】
【0040】
ライナー層15の外側にスチールワイヤー外装層16が設置され、スチールワイヤー外装層16は複数本のスチールワイヤー16aを含み,スチールワイヤー16aの直径が3.0mm、5.0mm、6.0mm又は8.0mmである。本製品の引張り層は粗い丸又はフラットスチールワイヤー(二層又は一層)及び亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっきスチールワイヤーを使用し、粗い丸スチールワイヤーの直径が5.0mmm、6.0mm又は8.0mmであってもよい。フラットスチールワイヤーの厚さは3.0mm、5.0mm、6.0mmであってもよい。本実施例では、粗い丸スチールワイヤーを使用し、その直径が6.0mmである。
【0041】
通常の状況では、海底ケーブルの敷設深さに応じて、300メートル未満の場合は一般的に単層スチールワイヤーで外装し、300メートル以上の場合は二層リバーススチールワイヤーで外装する。スチールワイヤーの外装はケーブルの敷設深さを満たし、海底ケーブルが大きな引張強さに耐えることを確保することができる。該材料の耐食性は一般的な溶融亜鉛メッキチールワイヤーの8.76倍である。メッキ層は犠牲アノードの電気化学的保護と腐食生成物の膜保護との二重の役割を利用するので、保護膜が形成されると腐食されず、ケーブルの耐用年数を大幅に延長させる。
【0042】
本発明に係る高電圧、超大断面、大容量及び通信伝送は主に長距離海底送電用電力ケーブルに適するとともに、水中送電及び配電システムと機器接続に適する。本発明は高電圧及び超高圧架橋ポリエチレン絶縁直流海底ケーブルを提供する。このケーブルは良い耐食性、高い引張強さ、高い耐水性を有するので、海水に長時間浸すことができ、敷設落差の制限を受けず、長距離、高出力の海底電力直流送電システムの要求を完全に満たし、電力、通信及び海底ケーブル運用監視目標を実現することができる。
【0043】
スチールワイヤー外装層16内に光ケーブル17が設置され、光ケーブル17の両側に充填ストリップが設置され、充填ストリップの外径がスチールワイヤー16aの外径と同じであり且つ光ケーブル17の外径より大きく、スチールワイヤー外装層16の外側に被覆層18が設置される。本実施例では、被覆層18はアスファルト、PPロープ、アスファルト、PPロープ、アスファルト、不織布テープで構成される。
【0044】
各ワイヤーのシングルワイヤー間に防水接着剤が設置され、各層間に半導電性防水テープが設置される。本実施例では、光ケーブルはシングルモードファイバとマルチモードファイバを使用し、外層がステンレススチールルーズチューブとPEシースであり、ルーズチューブ内が防水ペーストで満たされている。光ケーブルが機械的外力の作用を受けないために、光ケーブルの外径が外装用スチールワイヤーの外径より小さく、光ケーブルが対称的に配置され、且つ光ケーブルの両側に丸いPEストリップで保護する。光ケーブルが複合される時に内層スチールワイヤーと同じ層に撚り合わせられ、一定の余長を残す。
【0045】
光電複合目的は、電気エネルギーを輸送するとともに状態監視、遠隔制御、早期警報機能を実行することができるという能力を備え、電力伝送とリアルタイム監視を実現することである。直流海底ケーブルのシースの欠陥、障害、異常な過熱及び火災の発生を効果的に識別し、ケーブルが一定の早期障害予測能力を備えるようにする。
【0046】
本発明の導体構造は標準GB/T3956−2008の範囲になく、大断面、高電圧、大容量伝送、海底ケーブル敷設環境の要求を満たすことを考えると、製品構造設計を行う必要があり、いくつかの構造設計を分析及び比較することにより、最終的に最良の解決策を選択する。
【0047】
1)押圧円形+防水構造であって、国際GB/T3956−2008の規定に従い、第二種類の押圧円形撚り合せ導体構造は要求を満たすことができるが、超大断面導体の押圧円形撚り合せワイヤーのシングルワイヤーの直径が太く、押圧された後に外径が大きく、ワイヤー直径の間の隙間を埋めることが容易ではなく、防水効果が良くなく、且つ導体の押圧充填係数が90%以上に達することが困難である。大きな欠陥が存在し、使用に適しない。
【0048】
2)分割導体+防水構造であって、分割導体は高圧ケーブルの標準要求に従い、一般的に800mm以上の場合に分割導体を使用するが、分割導体+防水材料を使用した海底ケーブルの防水効果が悪く、国内外ではこの構造を使っていなく、使用にも適しない。
【0049】
3)円形+ワイヤー+防水構造であって、中心は押圧円形撚り合せ導体を使用し、各層の外にワイヤーで撚り合せ、この構造は製造が安定していなく、加工効果が良くなく、且つ円形導体とワイヤーとのインタフェースにおける防水効果が良くなく、防水要求を満たすことが困難であり、使用に適しない。
【0050】
4)ワイヤー+防水構造であって、多角形の撚り合せ導体が中心に撚り合わせると引き抜きにくく、より安定するので、中心導体は円形導体の代わりに六角型導体を使用する。円形導体を使用すると引き抜かれやすい。導体の撚り合せ方式は1+6+12+18+24+30+36の正規撚り合わせである。
【0051】
導体の撚り合せ層間にワイヤー導体が使用され、この構造は加工された後に外径が小さく、且つ導体押圧係数が0.9以上に達することができ、ワイヤー間の隙間に防水材料を充填することが容易であり、導体構造が安定しており、且つ超大断面の防水構造を満たし、ソフトジョイント導体の溶接が回復しやすいため、この構造は最適なオプション解決策である。
【0052】
本実施例では、ケーブルの防水層構造は縦方向防水層と径方向防水層を含み、縦方向防水層が導体内部及び絶縁線コアの外部に含まれ、導体内部に防水接着剤が使用され又は防水性が高く、水浸透の場合に要する防水性能を満たす。導体絶縁線コアの外部に防水性能が高い半導電性防水テープが使用され、該防水材料が水と接触すると急速に膨張するので、水の縦方向への浸出を効果的に防止し、良好な縦方向防水効果を達成する。ケーブルの縦方向防水層は一層の押出された合金リードシースを使用し、該金属シースは密なシームレスチューブであり、チューブの外壁に一層の耐腐食性アスファルトがコーティングされ、その外部に一層の半導電性PEシースが押出され、該総合防水層は良好な径方向防水効果だけでなく、優れた耐食性を有し、これによりケーブルが海底で安全に運用されることが十分に保証される。
【0053】
直流海底ケーブルの断面は3000mm−4000mmである。本実施例では、導体構造は3500mmであり、構成が1+6+12+18+24+30+36本であり、合計で127コアがあり、導体の総断面面積が3499.7mmであり、導体の外径が68.7mmである。本発明の構造は大断面(3000mm−4000mm)ケーブルに使用される。このような大断面導体を製造する時に本発明の構造を使用すると、防水効果を効果的に高め、敷設が落差により制限されるという課題を克服し、長距離、高出力、大容量の要求を満たし、耐食性と引張り強度を効果的に向上させ、ケーブル耐用年数を延長させ、コストを低減させることができる。しかし、本構造が3000mm−4000mmmより小さい小断面ケーブルに使用されると、以上の有益な効果をもたらせないだけでなく、耐用年数がより短くなり、効果もより悪くなる。そのため、本層状構造は3000mm−4000mmの大断面ケーブルのみに対して上記の有益な効果を効果的に奏することができる。従来技術は架橋ポリエチレン絶縁材料を使用することで敷設落差による問題を解決することができるが、ケーブルは使用される時に安定性が悪く、本実施例では、架橋ポリエチレン絶縁材料を本発明の六角形の支持コア1とワイヤー層と組み合わせて使用することにより、安定性を効果的に向上させ、且つ層状構造と組み合わせて使用し、さらに安定性を向上させる(大断面導体のみに対する)。
【0054】
本発明は工場ジョイント(ソフトジョイント)によって2本の導体を一緒に溶接することができる。工場ジョイント(ソフトジョイント)は専用のジョイント装置を使用し、押出加硫の形態を含み、導体のジョイントは低抵抗の銀溶接棒を使用し、階層化転位溶接の方式で溶接される。金属化合物の化学反応熱を熱源として用い、過熱の(還元された)溶融金属により、直接的又はたは間接的に発熱して溶接する。全溶接は、タングステンアルゴンアーク溶接法を用い、導体全体を溶接し、導体の溶接ビードが扇状となり、溶接する時にアルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスを保護ガスとし、導体の過度酸化を防止し、導体の溶接によりケーブルの引張り強度と電気的性能が要求を満たすことを確保する。絶縁ジョイント装置は二軸スクリュー押出機を使用し、新しい改質された架橋ポリエチレン絶縁材料及び半導電性シールド材料を層ごとに回復し、ケーブル本体の性能が一致する効果を達成する。リードシース及び半導電性PEシースを回復する場合、予め作られたリードチューブで溶接して回復し、専用のリードシース引き抜き金型を使用し、溶接されたリードシースを外径が本体の外径に近くなるように引き抜き、その後半導電性PEシースを回復する。後続の製造工程を容易に実行するように、ケーブルのソフトジョイントの外径が本体の外径に近いことを確保する。
【0055】
導体溶接100において、長距離海底ケーブルの製造の肝要なステップは導体溶接である。2本のケーブルの接続を実現する第一のステップは、一般的に発熱溶接、全溶接、階層化転位溶接に分ける。その溶接引張強度がケーブル本体の85%に達する必要がある。インナーシールド層回復エリア20において、導体溶接が回復された後に研磨処理を行い、該エリアにおいてインナーシールドの回復を行う。絶縁層回復エリア30において、該エリアで前の工程の直後に専用の金型、専用の押出装置を使用して絶縁層の回復を完了し、加硫する。絶縁シールド層回復エリア40において、一般的には絶縁層が回復された後に外径が本体の外径より大きいため、外径が本体の外径に近くなるまで精密に研削し、仕上げ研磨する必要がある。インナーシールド保留部50において、2本のケーブルのインナーシールド保留部位はジョイントのインナーシールドと本体のインナーシールドとの互換性が良くなるためのものである。ストレスコーン60において、絶縁を回復する時に、精密に研削されたストレスコーンが必要であり、その目的はソフトジョイントの絶縁と本体絶縁インタフェースを過度に滑らかにし、絶縁インタフェースでの電界分布を改善することである。絶縁層シールド保留部70において、インナーシールド保留部と同様に、絶縁が回復された後に半導電性ペイントを塗装する。リードシース及び半導電性PEシースの回復80において、後続の製造を容易に行うために、リードシースに外径及び半導電性PEシースの外径を回復させるように制御し、ソフトジョイントの外径が本体の外径に近く、且つ物理的性能を満たすことを確保する。
【0056】
以上は、本発明の最適的な実施例に過ぎなく、本発明を制限せず、当業者は創作的な労働をせずに本発明の概念に基づいて様々な変更と変化をすることができる。従来技術の基礎上、当業者が本発明の概念に基づいて論理的な分析、推理または限られた実験により得られる技術案は、本発明の保護範囲以内に含まれるべきなものである。
【0057】
(産業上の利用可能性)
本発明の実施例で説明された直流海底ケーブルは、六角形の支持コアを備え、六角形の支持コアの一辺の長さが3.3mm−3.7mmであり、六角形の支持コアの外側に第一のワイヤー層が設置され、第一のワイヤー層が6本の第一のワイヤーのシングルワイヤーを含み、6本の第一のワイヤーのシングルワイヤーが支持コアと撚り合せて円形になり、各第一のワイヤーのシングルワイヤー(2a)の断面面積が28.50mm−29.5mmである。本発明の実施例で説明された直流海底ケーブルは、防水効果を効果的に向上させ、敷設が落差に制限されるという難題を克服し、一方で、長距離、高出力、大容量の要求を満たすことができ、さらに、耐食性と引張り強度を効果的に向上させ、ケーブル耐用年数を延長させ、コストを低減させる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】