特表2019-513633(P2019-513633A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-513633容器を処理するための装置および飲料充填システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-513633(P2019-513633A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(54)【発明の名称】容器を処理するための装置および飲料充填システム
(51)【国際特許分類】
   B67C 7/00 20060101AFI20190510BHJP
   B65G 47/86 20060101ALI20190510BHJP
【FI】
   B67C7/00
   B65G47/86 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-562626(P2017-562626)
(86)(22)【出願日】2017年4月7日
(85)【翻訳文提出日】2018年1月30日
(86)【国際出願番号】EP2017058363
(87)【国際公開番号】WO2017174772
(87)【国際公開日】20171012
(31)【優先権主張番号】102016106378.9
(32)【優先日】2016年4月7日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェーンフェルダー マルクス
【テーマコード(参考)】
3E079
3F072
【Fターム(参考)】
3E079AB01
3E079BB03
3E079FF03
3F072AA07
3F072KC01
3F072KC09
3F072KC13
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの容器(6)を処理するための装置、好ましくは、容器(6)を充填および/または封止するための飲料充填システム(9)に関し、処理対象の容器(6)を処理するために、処理カルーセルの周辺領域に配置された少なくとも1つの処理ユニットを備えた、回転軸(30)の周りで回転する処理カルーセルと、容器(6)を前記処理ユニットでの処理中に保持する、処理カルーセル上に配置され処理ユニットに割り当てられた容器ホルダ(11)を備え、容器ホルダ(11)に割り当てられ、回転軸(30)に対して半径方向に変位可能な容器搬送レセプタクル(10)が、処理対象の容器(6)を上流の処理カルーセルから受け取り、および/または処理済となった容器(6)を下流の処理カルーセルに搬送するために配設される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの容器(6)を処理するための装置であって、好ましくは、容器(6)を充填および/または封止するための飲料充填システム(9)であり、処理対象の容器(6)を処理するために、処理カルーセルの周辺に配置された少なくとも処理ユニットを有する、回転軸(30)の周りで回転する処理カルーセルと、容器(6)を前記処理ユニットでの処理中に保持する、処理カルーセル上に配置され処理ユニットに割り当てられた容器ホルダ(11)を備え、
処理対象の容器(6)を上流の処理カルーセルから受け取る、および/または処理済となった容器(6)を下流の処理カルーセルに搬送するための、容器ホルダ(11)に割り当てられ、回転軸(30)に対して半径方向に変位可能な容器搬送レセプタクル(10)を特徴とする装置。
【請求項2】
前記容器搬送レセプタクル(10)は、処理対象の容器(6)を上流の処理カルーセルから受け取るための半径方向に拡張した位置へと変位可能であり、処理対象の容器(6)を容器ホルダ(11)に搬送するための半径方向に後退した位置へと変位可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記容器搬送レセプタクル(10)は、処理済みの容器(6)が前記容器ホルダ(11)から前記容器搬送レセプタクル(10)へと搬送され得るように、半径方向に後退した位置から変位可能であり、また、前記容器搬送レセプタクル(10)は、処理済みの容器(6)を下流の処理カルーセルに搬送するために半径方向に拡張した位置へと変位可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記容器搬送レセプタクル(10)は、内部に保持された容器(6)が、容器搬送レセプタクル(10)の半径方向に後退した位置において前記容器搬送レセプタクル(10)から前記容器ホルダ(11)へと搬送されるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記容器搬送レセプタクル(10)は、回転軸(30)の方向で見ると前記容器ホルダ(11)の上または前記容器ホルダ(11)の下に配置され、好ましくは前記容器ホルダ(11)は上流のおよび/または下流のカルーセルの容器ホルダ(74)と同じ高さにあることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
容器搬送レセプタクル(10)は、容器(6)が保持されているときにスリップしないように固定するための、好ましくはスパイク(12)、少なくとも1つの刻み目および/または少なくとも1つの摩擦増強材である固定手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
容器搬送レセプタクル(10)は容器(6)を少なくとも部分的に支持するための少なくとも1つの隆起要素(13)を有し、前記容器ホルダ(11)は、好ましくは前記少なくとも1つの隆起要素(13)を収容するための1つの凹部(14)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記処理カルーセルが回転するときに前記容器搬送レセプタクル(10)の半径方向位置を制御するために非回転制御ガイド(15)が配設され、前記制御ガイド(15)は好ましくはカム曲線を有し、前記容器搬送レセプタクル(10)は、前記制御ガイド(15)と係合する制御要素(16)を有し、特に好ましくは容器の正接の引き渡しおよび/または受け取りを可能にすることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記容器搬送レセプタクル(10)は処理カルーセルの回転軸(30)の方向に変位可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記容器搬送レセプタクル(10)および/または容器ホルダ(11)は、容器(6)を受け取りまたは取り入れるための開位置と、容器(6)を保持するための閉位置の間で切り替え可能であり、容器搬送レセプタクル(10)および/または容器ホルダ(11)の位置は好ましくは制御要素、好ましくは切り替えカム(18)によって制御され得ることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記処理ユニットは、充填済み容器(6)を封止するための、好ましくは容器(6)をねじ蓋で封止するためのキャップ締めヘッド(5)として提供される、および/または、前記処理ユニットは、充填対象の容器(6)を充填するための充填要素(4)として提供されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
容器(6)に充填製品を充填する飲料充填システム(9)であって、充填対象の容器(6)を充填するためのフィラーカルーセル(7)と、充填済み容器(6)を封止するためのキャッパーカルーセル(8)を備え、前記フィラーカルーセル(7)と前記キャッパーカルーセル(8)は互いから離間しており、前記フィラーカルーセル(7)はその周辺領域に、充填中に充填対象の容器を保持するためのそれぞれ割り当てられた容器ホルダ(74)を備えた充填要素の形態の処理ユニットを有し、前記キャッパーカルーセル(8)はその周辺領域に、封止中に充填済み容器を保持するためのそれぞれ割り当てられた容器ホルダ(11)を有する封止要素の形態の処理ユニットを有し、
前記フィラーカルーセル(7)および/または前記キャッパーカルーセル(8)の周辺領域において、容器搬送レセプタクル(10)が各容器ホルダ(11,74)に割り当てられ、前記フィラーカルーセル(7)から充填済み容器(6)を受け取るために、および/または充填済み容器(6)を前記キャッパーカルーセル(8)に搬送するために、回転軸(30)に対して半径方向に変位可能となるように配置されていることを特徴とする飲料充填システム。
【請求項13】
前記キャッパーカルーセル(8)の容器ホルダ(11)と前記フィラーカルーセル(7)の容器ホルダ(74)は同じ高さに配置されることを特徴とする請求項12に記載の飲料充填システム(9)。
【請求項14】
容器(6)は、容器ネック(62)に配置された好ましくは環状であり好ましくは容器支持リング(60)またはセキュリティーリング(64)である突起によって、容器ホルダ(11,74)上に支持されることを特徴とする請求項12または13に記載の飲料充填システム(9)。
【請求項15】
容器ホルダ(11,74)および/または容器搬送レセプタクル(10)は、開位置と閉位置の間で切り替え可能であることを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の飲料充填システム(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を処理するための装置に関し、好ましくは、飲料充填システムにおいて容器を充填して封止するための装置およびそのような装置を備えた飲料充填システムに関する。
【背景技術】
【0002】
容器を処理するための、従来型の連続したカルーセルのシーケンスを備えた飲料充填システムにおいて、処理対象の容器は、通常は搬送用スターホイールによって、容器が処理を受けるカルーセルの間で搬送される。充填対象の容器は、フィラーカルーセル内のロータリーフィラー内の該当する充填製品を充填され、次に、充填済み容器はキャッパーカルーセル内の下流のロータリーキャッパー内でキャップを締められる。フィラーカルーセルとキャッパーカルーセルの間での充填済み容器の搬送は、1以上の搬送用スターホイールによって行われ、その結果、資材と資源の使用が増加し、必要なフロアスペースと投資費用も増加する。
【0003】
高性能のシステムにおいて、充填製品は、容器がフィラーカルーセルからフィラーアウトフィードスターホイールへと搬送される場合、および/または容器が搬送スターホイールからキャッパーカルーセルへと搬送される場合にこぼれる可能性がある。これは、容器および容器内に収容された充填製品に及ぼされる負荷の変化によるか、または、充填製品に働く遠心力の急激な変化による可能性がある。この望ましくない挙動は、特に、コンパクトなシステムを望む故の、フィラーカルーセルおよびキャッパーカルーセルの直径よりも直径が小さい搬送用スターホイールの場合に特に発生する。
【0004】
搬送スターホイールの介在は、容器に、付加的な方向の変化、および容器経路に沿った異なるカルーセル間での搬送を蒙らせ、それはしたがって、方向変化するたびに、また搬送ごとに、充填製品に作用する力の方向を変えさせ、それにより、液面振動(slosh over)しがちになる。方向と搬送の変化はさらに、材料へのストレスを増加させる可能性があり、それは、最終処理済みの容器に、望ましくない傷または変色した領域として表れる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知の従来技術から開始して、本発明の目的は、さらに改良された容器を処理するための装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を備えた容器を処理するための装置によって達成される。さらなる有利な展開は、従属請求項から生じる。
【0007】
したがって、少なくとも1つの容器を処理するための装置、好ましくは、容器を充填および/または封止するための飲料充填システムが提案され、システムは、処理対象の容器を処理するための、カルーセルの周辺に配置された少なくとも1つの処理ユニットを有する、回転軸の周りで回転する処理カルーセルと、容器を処理ユニットでの処理中に保持する、処理カルーセル上に配置され処理ユニットに割り当てられた容器ホルダを備えている。本発明によれば、容器ホルダに割り当てられ、回転軸に対して半径方向に変位可能な容器搬送レセプタクルが、処理対象の容器を上流の処理カルーセルから受け取り、および/または処理済となった容器を下流の処理カルーセルに搬送するために配設される。
【0008】
処理対象の容器を受け入れるおよび/または搬送するための、容器ホルダに割り当てられた容器搬送レセプタクルが、カルーセルの回転軸に対して半径方向に変位可能に配置されているという事実により、上流の処理カルーセルの容器ホルダによって保持される容器が、その容器ホルダから、容器搬送レセプタクルによって取り外されて、容器搬送レセプタクルが割り当てられている容器ホルダに直接搬送され得る。容器搬送レセプタクルはさらに、この容器ホルダから該当する容器を取り外して、次にそれを下流の処理カルーセルに搬送することもできる。したがって、処理カルーセル間の、例えば搬送スターホイールの形態の付加的な搬送装置を省くことが可能となる。それにより、充填済みであるが未封止の容器が経なければならない方向変換の回数を減少させて、液面振動の傾向を減少させることが可能である。さらに、異なる搬送装置間の容器の搬送回数を減少させることも可能であり、それは、容器への材料ストレスの低減、よって容器の品質の向上に反映され得る。特に、最終処理済みの容器の壁部の変色した領域または傷の発生を低減することが可能である。
【0009】
さらに、搬送スターホイールの介在が省かれるため、システム全体がよりコンパクトに、コスト効率良く、また、エネルギー効率が良く設計され得る。
【0010】
処理カルーセル間の直接の搬送により、引き渡しまたは受け取りが処理カルーセル間で直接行われ、それが、処理カルーセルの意図された性能に応じた最小必要直径を規定する。したがって、2つの処理カルーセル間の直接搬送によって、生じる遠心力が、システムの性能によって規定される最大レベルまで低減され得る。
【0011】
容器搬送レセプタクルが、処理カルーセル上に、半径方向に変位可能になるように配置されているという事実により、容器搬送レセプタクルは処理ユニットの下の位置から変位でき、その結果、容器搬送レセプタクルによって保持される容器が移動する軌道、すなわち半径範囲が、容器搬送レセプタクルを変位させることによって変えられ得る。これにより、容器搬送中の容器の動きの、突然および/または揺動する変化が回避または緩和され得る。その結果、容器の開口部および/または容器の外部の関連する汚染ならびに装置および/または装置を含むシステムの部分の汚染を伴う液面振動のリスクを排除または低減することが可能となる。
【0012】
容器搬送レセプタクルは半径方向に変位可能であるため、半径方向位置の適切な制御により、処理対象の容器の引継ぎまたは引き渡し中の、処理カルーセルの処理ユニットどうしの衝突の回避がさらに達成され得る。したがって、2つの処理カルーセルは互いから離間しており、引継ぎまたは引き渡しは容器搬送レセプタクルによって実行される。
【0013】
さらに、この構成により、処理対象の容器がそこから取り外される処理カルーセルから容器を搬送するための、または処理済みの容器がそこに搬送される処理カルーセルに容器を搬送するための搬送スターホイールを省略することが可能であるため、システムはよりコンパクトに設計され得る。これにより、容器が、処理ユニットによる処理のための、処理ユニット下方の正しい位置に、単純な方式で変位され得るということも達成される。特に、処理対象の容器、または処理済みの容器の穏やかな搬送が達成され得る。
【0014】
容器搬送レセプタクルの半径方向拡張により、容器搬送レセプタクルが該当する処理カルーセルの回転軸周りに回転する半径範囲が増加し、その結果、この処理カルーセルの回転角内で容器に作用する遠心力が低減され、それにより相応に穏やかな容器の搬送が達成され得る。
【0015】
処理対象の容器は、こうして処理カルーセルの通常のピッチサークルの半径方向外側の位置で容器搬送レセプタクルによって受け入れられることができ、次に容器搬送レセプタクルは、処理カルーセルのピッチサークルに対して半径方向に後退され得る。処理が完了すると、新たに処理された容器は後続の搬送装置に、好ましくは、処理カルーセルのピッチサークルの半径方向外側位置に更新された容器搬送レセプタクルの半径方向拡張に支援されて搬送され得る。
【0016】
したがって、介在する搬送スターホイールを省くことが可能であり、特に、処理対象の容器を受け入れる別の処理カルーセル、または処理済みの容器の搬送先の処理カルーセルが、第1の処理カルーセルのピッチサークル直径とは異なる直径を有している場合にも、介在する搬送スターホイールを省くことが可能である。これにより、システム全体は、よりコンパクトに設計され得る。さらに、変位可能な容器搬送レセプタクルに補助されて、容器の搬送の位置でより大きな半径範囲を生成できるため、容器の搬送は穏やかな方式で行われる。2つの該当するピッチサークルの半径範囲はそれにより、互いに対して適合される。こうして、処理カルーセルは、例えば比較的小さいピッチサークル直径を有することができ、他方で同時に搬送時により大きな半径範囲が提供され、容器に作用する半径方向加速が低減され得る。装置が、開いた容器を受け入れるものであれば、例えば、処理ユニットがキャップ締めヘッドとして設計されたものであれば、それにより液面振動のリスクは低減されることができ、同時にコンパクトなシステムが提供され得る。
【0017】
これによりさらに、処理カルーセルの標準ピッチサークル直径と比べて、事実上ほぼ線形である、より大きい半径範囲を提供することが可能である。この搬送領域において、容器は、封止前の充填済み容器のヘッドスペースへの窒素の滴下導入等の中間処理を受けることができる。
【0018】
したがって、容器それぞれの装置による、処理カルーセルを介した、上流の処理カルーセルから下流の処理カルーセルへの搬送は、3つの連続した処理カルーセル間の搬送として達成され得る。これらの処理カルーセルにおいて、非常に多様な可能な処理が提供でき、こうして処理対象の容器は連続してその処理を受ける。
【0019】
該当する処理カルーセルは例えば、以下の可能な処理のうち少なくとも1つを提供できる:枢動、回転、ラベル付け、収縮処理、ブロー処理、延伸ブロー成形、開封、ドーム切断、洗浄、減菌、活性化、すすぎ(ガス状および/または流体)、洗い流しシャワー処理、暖め、加熱、冷却、吹出し、防火処理、静電荷除去、予備充填、最終充填、予備封止具での予備封止、封止、第1の封止部品の取り付けおよび/または第2の封止部品の取り付け。
【0020】
容器搬送レセプタクルは好ましくは、上流の処理カルーセルから処理対象の容器を受け入れるための半径方向に拡張した位置へと変位でき、また、容器ホルダへの処理対象の容器を受け入れるための半径方向に後退した位置へと変位できる。こうして上流の処理カルーセルからの容器の直接の搬送が達成され得る。そのような構成において、容器搬送レセプタクルは典型的にロータリーキャッパー上に配置されている。
【0021】
容器搬送レセプタクルは好ましくは、処理済みの容器が容器ホルダから容器搬送レセプタクルに搬送され得るように、半径方向に後退した位置から変位でき、また、容器搬送レセプタクルは、処理済みの容器を下流の処理カルーセルに搬送するために半径方向に拡張した位置に変位できる。そのような構成において、容器搬送レセプタクルは典型的にロータリーフィラー上に配置される。
【0022】
一つの好ましい実施形態において、容器搬送レセプタクルによって保持された容器は、容器搬送レセプタクルの半径方向に後退した位置において容器搬送レセプタクルから容器ホルダに搬送される。それにより容器搬送レセプタクルは容器ホルダへの、または容器ホルダからの、容器の搬送のみのために配設される。処理ユニットによる処理中に容器に作用し得る如何なる力も、こうして容器ホルダによって吸収される。容器搬送ユニットは、搬送中にのみ容器を保持しなければならず、処理中に発生する力を支える必要はないため、相応に単純な設計を有し得る。
【0023】
別の好ましい実施形態において、容器搬送レセプタクルは回転軸の方向で見ると容器ホルダの上または容器ホルダの下に配置される。これにより2つの容器ホルダそれぞれは、同じ位置で容器を受け入れまたは保持できる。この場合、処理カルーセルの容器ホルダと、上流または下流の処理カルーセルの容器ホルダは好ましくは、上昇または下降動作によって付加的な力が容器に作用しないように同じ高さに配置され、それにより、液面振動の傾向がさらに低減され得る。
【0024】
容器が、容器の容器ネック上の、好ましくは環状で好ましくはセキュリティーリングの形態の突起によって、処理カルーセルの容器ホルダ上におよび/または上流または下流の処理カルーセルの容器ホルダ上に支持されるように容器搬送レセプタクルが設計されていると特に有利である。これにより、容器がその高さに対して、言い換えると、回転軸の方向に対する容器の位置が、意図するまたは予め決まった位置にあることが保証され得る。
【0025】
一つの好ましい設計において、容器ホルダは、処理対象の容器の高さが、容器搬送レセプタクルへの搬送前に処理対象の容器が配置されていたのと同じ高さとなるように処理カルーセル上に配置され得る。「高さ」という用語は、本明細書において、装置を備えたシステムがその上に配置される床面高さからの容器の距離として理解される。これにより、処理対象の容器が常に正しい処理位置にあることが達成される。
【0026】
好ましいさらなる展開において、容器搬送レセプタクルは、容器が保持されているときにスリップしないように固定するための、好ましくはスパイク、刻み目および/または摩擦増強材である固定手段を有する。これにより容器は、搬送中に発生する力にもかかわらず固定状態で保持され得る。スパイクは、発生する遠心力により容器がスリップして外れることも防止できる。固定手段は例えば容器の支持リングと接するか、または係合する。
【0027】
代替的に、スリップおよび/または回転しないように固定するための、例えば把持または締結装置の形態のその他の手段が配設されてもよい。
【0028】
別の好ましい実施形態において、容器搬送レセプタクルは容器を少なくとも部分的に支持するための少なくとも1つの隆起要素を有し、好ましくはその隆起要素を収容するための少なくとも1つの凹部が配設されている。処理対象の容器または処理済みの容器がその上に部分的に支持される少なくとも1つの隆起要素を容器搬送レセプタクルが有するという事実により、処理対象の容器または処理済みの容器が引継ぎまたは引き渡し中に下方にスリップすることを防止することが可能となる。言い換えると、容器は昇降動作なしに、特に、意図せぬまたは制御されない昇降動作なしに一定の高さで運ばれ得る。さらに、容器を保持するために容器ホルダに配設された容器の領域が空いた状態を保つことも保証される。
【0029】
容器ホルダが、少なくとも1つの隆起要素を収容するための凹部を有していれば、さらに有利で好ましい設計が得られる。これにより、容器が、容器ホルダに搬送されるまでずっと、隆起要素に邪魔されずに正しい配向にあることが保証され、また、この正しい配向で容器搬送レセプタクルから搬送されることが保証され得る。
【0030】
一つの好ましい実施形態において、制御ガイドは非回転カム曲線を有し、容器搬送レセプタクルは、制御ガイドと係合する制御要素を有する。これにより、別個の電気的および/または空圧駆動なしで、制御曲線に沿った容器搬送レセプタクルの自動後退および拡張を提供することが可能となる。さらに、制御ガイドがカム曲線を有するという事実により、容器搬送レセプタクルの半径方向位置の、揺れや突然の動きのない、漸進的で連続した変化を提供することが可能となる。キャリアの回転により、容器搬送レセプタクルはカム曲線の形状に応じた半径方向位置を採り、それにより容器搬送レセプタクルの位置は処理カルーセルの回転角に対して可変となる。ここで「カム曲線」という用語は、少なくとも1つの領域に異なる半径範囲を有する円形の基本形状を有する曲線として理解され、結果として得られる曲線はその行程に沿って急カーブや角部を有していない。
【0031】
代替的に、容器搬送レセプタクルの変位は他の手段によって達成されてもよく、それは例えば、油圧式、空圧式、電気アクチュエータによって、および/または付加的なリンケージおよび/またはピストンおよびシリンダーを備えた機構によるものでよい。
【0032】
制御要素によって、摩擦効果および/または締結が容器搬送レセプタクルの運動を妨げることなく、容器搬送レセプタクルは制御ガイドに正確に追従できる。制御要素は好ましくは、その中に制御ガイドが係合する凹部として配設されてもよく、または、制御ガイドと接触するローラーとして配設されてもよく、および/または容器搬送レセプタクルに接続されたレバーアームによって提供されてもよい。
【0033】
制御要素は好ましくは、処理カルーセルの回転軸に対して半径方向内側にある容器搬送レセプタクルの領域、したがって、容器が保持されている半径方向外側の領域の反対側に配置される。
【0034】
一つの好ましい実施形態において、容器搬送レセプタクルはさらに、処理カルーセルの回転軸の方向、すなわち、上方向および/または下方向にも変位可能である。これにより、容器が保持されている高さ、すなわち装置が配置されている床からの容器の距離を、システムの要求に従って調節することが可能である。容器ホルダと、容器搬送レセプタクルが処理対象の容器を受け取る搬送ステーションに高さの差がある場合、この高さの差は、回転軸の方向における容器搬送レセプタクルの変位によって克服され、充填対象の容器は、搬送ステーションから容器ホルダへと搬送され得る。容器は、必要な場合、例えば、処理ユニットが処理カルーセルの回転の方向に変位可能でない場合、容器搬送レセプタクルによって保持されながら処理ユニットに直接送達されてもよい。
【0035】
特に、容器が特段に固定して保持されるために、容器搬送レセプタクルおよび/または容器ホルダは、開位置と、容器を保持するための閉位置の間で切り替え可能であってよい。容器搬送レセプタクルおよび/または容器ホルダの位置は好ましくは制御要素によって、好ましくは切り替えカムによって制御され得る。
【0036】
一つの好ましい実施形態において、処理ユニットは、容器を封止するための、好ましくは容器をねじ蓋で封止するためのキャップ締めヘッドとして提供されるか、または、処理ユニットは、容器を充填するための充填要素として提供される。これにより、充填装置のピッチサークル直径が、キャップ締めヘッドを含む処理カルーセルのピッチサークル直径よりもかなり大きくなければならない故に他の方式では配設される必要がある、封止対象の容器を搬送するための搬送スターホイールを省くことが可能となる。結果としてシステムはより少ない空間を占有し、システム内で容器が費す時間が短縮される。
【0037】
上記の目的はさらに、請求項12の特徴を備えた飲料充填システムによって達成される。有利なさらなる展開は、従属請求項から生じる。
【0038】
このように、容器に充填製品を充填する飲料充填システムが提案され、システムは、充填対象の容器を充填するためのフィラーカルーセルと、充填済み容器を封止するためのキャッパーカルーセルを備え、フィラーカルーセルとキャッパーカルーセルは互いから離間しており、フィラーカルーセルはその周辺領域に、充填中に充填対象の容器を保持するためのそれぞれ割り当てられた容器ホルダを備えた充填要素の形態の処理ユニットを有し、キャッパーカルーセルはその周辺領域に、封止中に充填済み容器を保持するためのそれぞれ割り当てられた封止要素の形態の処理ユニットを有する。本発明によれば、フィラーカルーセルおよび/またはキャッパーカルーセルの周辺領域において、容器搬送レセプタクルが各容器ホルダに割り当てられ、フィラーカルーセルから充填済み容器を受け取るためにおよび/または充填済み容器をキャッパーカルーセルに搬送するために、回転軸に対して半径方向に変位可能となるように配置されている。
【0039】
上記で説明した有利な効果は、そのような飲料充填システムの場合にも同様に働く。
【0040】
特に、フィラーカルーセルとキャッパーカルーセルが異なるピッチサークル直径を有する場合、処理カルーセル間での容器の引き渡しまたは受け取りは、半径方向に変位可能な容器搬送レセプタクルによって、搬送位置において大きな半径範囲が提供され得るため、穏やかな方式で行われ得る。2つの該当する処理カルーセルのピッチサークルの半径範囲はそれにより、引き渡しまたは受け取り時に等しくなる。
【0041】
それにより、容器の直接の搬送と処理の両方が、2つのカルーセルの部分間に衝突を起さずに安全に行われるということがさらに達成され得る。搬送位置において、容器ホルダは半径方向に拡張した位置にあり、処理位置において容器ホルダは半径方向に後退した位置にある。
【0042】
特に、容器の充填の後に、例えば充填済み容器のヘッドスペースへの窒素の滴下導入等の中間処理がフィラーカルーセル上で提供される場合、窒素の滴下導入のための窒素投与ユニットとキャッパーヘッドの間で容器が移動しなければない距離が特に短くなり得るため、さらに改善された充填結果が達成され得る。同じ投与量で移動距離がより短ければ、瓶のヘッドスペースから蒸発または逸出する窒素の量が少なくなり、その結果、容器が封止されてから容器の内部に相応により高い圧力が生じる。
【0043】
別の好ましい実施形態において、容器を収容するためのキャッパーカルーセルの容器ホルダとフィラーカルーセルの容器ホルダは同じ高さに配置される。これにより、容器が第1の容器ホルダから第2の容器ホルダに搬送されるときに、高さの変化を経なくてもよいということが達成されることができ、それはさらに、充填済みだが未封止の容器からの充填製品の漏出のリスクを低減する。
【0044】
別の好ましい実施形態により、容器が、容器ネックに配置された好ましくは環状であり好ましくは容器支持リングまたはセキュリティーリングである突起によってフィラーカルーセルの容器ホルダおよび/またはキャッパーカルーセルの容器ホルダ上に支持されている場合、容器はその高さに対して、言い換えると回転軸の方向に対する容器の位置が、常に意図するまたは予め決まった位置にあることが保証され得る。
【0045】
本発明の好ましいさらなる実施形態が、以下の図面の説明によってより完全に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】ロータリーフィラーと、充填済み容器を続いて封止するための下流のロータリーキャッパーが配設され、容器搬送レセプタクルが半径方向に拡張した位置で示される、模式的に表された充填対象の容器に充填製品を充填するための飲料充填システムの模式平面図である。
図2】容器搬送レセプタクルが半径方向に後退した位置にある図1のロータリーキャッパーの模式図である。
図3図1の相貫線A−Aに沿った飲料充填システムの一部の模式断面図である。
図4図2の相貫線B−Bに沿ったキャッパーカルーセルの一部の模式断面図である。
図5】容器搬送レセプタクルが半径方向に拡張した位置にある図1の飲料充填システムの一部の模式平面図である。
図6】容器搬送レセプタクルが半径方向に後退した位置にある図1の飲料充填システムの一部の模式平面図である。
図7】飲料充填システムの別の実施形態の詳細の模式斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
好ましい実施形態の例を、図面によって以下に説明する。図面において、同一または同様である、または同一の効果を有する要素は同一の参照記号で示される。これらの要素の冗長な反復した説明を避けるために、これらの要素は部分的に省かれている。
【0048】
図1は、模式的に表された容器6の充填のための飲料充填システム9の平面図を模式的に示し、充填製品を充填されることになっている容器6を充填するためのロータリーフィラー2と、充填済み容器6を続いて封止するための下流のロータリーキャッパー3が配設されている。
【0049】
ロータリーフィラー2は、回転軸20周りに回転するフィラーカルーセル7の形態の処理カルーセルを有し、処理カルーセルの周辺領域に、充填プロセス中に充填される対象である容器6を収容するための少なくとも1つの容器ホルダ74が配置され、また、容器ホルダ74には、充填対象の容器6を充填するための少なくとも1つの充填要素(図1には図示せず)が割り当てられている。
【0050】
ロータリーキャッパー3は、回転軸30周りに回転するキャッパーカルーセル8の形態の処理カルーセルを有し、その周辺領域には、キャップ締めプロセス中に充填済み容器6を収容するための少なくとも1つの容器ホルダ11が配置され、容器ホルダ11には、容器封止具で充填済み容器6をキャップ締めするためのキャッピング要素(図1には図示せず)が割り当てられている。
【0051】
フィラーカルーセル7とキャッパーカルーセル8は互いから離間しており、その結果、フィラーカルーセル7のフィラーピッチサークル70とキャッパーカルーセル8のキャッパーピッチサークル80が互いに交差することも正接することもない。容器6の搬送方向で見ると、フィラーカルーセル7は、上流のステーションから来る充填対象の容器6がフィラーカルーセル7の容器ホルダに搬送される容器インフィード72の下流にある。容器インフィード72は例えば、搬送スターホイールまたはコンベヤーベルトの形態で提供され得る。
【0052】
充填済み容器6をフィラーカルーセル7からキャッパーカルーセル8へと搬送するために、容器搬送レセプタクル10が配設される。図面に示された例示的実施形態において、容器搬送レセプタクル10は、充填済み容器6をフィラーカルーセル7から受け取るためにキャッパーカルーセル8上に配置されている。図示していない別の例示的実施形態において、容器搬送レセプタクル10はフィラーカルーセル7上に配置され、充填済みの容器6はキャッパーカルーセル8に搬送される。図示していないさらに別の例示的実施形態において、容器搬送レセプタクル10はフィラーカルーセル7とキャッパーカルーセル8の両方に配置されてもよく、充填済み容器の搬送は、フィラーカルーセル7上に配置された容器搬送レセプタクル10から、キャッパーカルーセル8上に配置された容器搬送レセプタクル10への引き渡しによって行われ得る。
【0053】
こうして、異なる可能な処理を提供する処理カルーセル間での容器6の搬送が達成可能となる。既に言及した可能な充填およびキャップ締め処理に加えて、該当する処理カルーセルは例えば、以下の可能な処理のうち少なくとも1つを提供できる:枢動、回転、ラベル付け、収縮処理、ブロー処理、延伸ブロー成形、開封、ドーム切断、洗浄、減菌、活性化、すすぎ(ガス状および/または流体)、洗い流しシャワー処理、暖め、加熱、冷却、吹出し、防火処理、静電荷除去、予備充填、最終充填、予備封止具での予備封止、第1の封止部品の取り付けおよび/または第2の封止部品の取り付け。
【0054】
例示的実施形態に示す、キャッパーカルーセル8上に配設された容器搬送レセプタクル10は、それぞれ、フィラーカルーセル7上のその容器ホルダ74から充填済み容器6を取り外し、次にそれを、後続のキャップ締めプロセスを可能にするためにキャッパーカルーセル8上の容器ホルダ11に搬送するために、回転軸30に対して半径方向に変位可能である。
【0055】
図示されている例示的実施形態において、容器搬送レセプタクル10の半径方向位置は、容器搬送レセプタクル10上に配置されており、またロータリーキャッパー3上に非回転に配置された制御ガイド15と連通する制御要素16によって制御される。この場合、制御ガイド15は、容器搬送レセプタクル10の半径方向位置の変化が、突然の動きなく連続方式で行われ得るように、カム曲線の形態に設計されている。これにより、充填済みだが未封止の容器6内の充填製品がこぼれることを抑止することが可能である。
【0056】
図1に示す位置において、容器搬送レセプタクル10は半径方向に拡張した位置にあり、その位置でフィラーピッチサークル70に対して正接または交差し、フィラーカルーセル7から充填済み容器6を受け取ることができる。フィラーカルーセル7とキャッパーカルーセル8は反対方向に回転するため、搬送対象の容器6は搬送時にフィラーカルーセル7の容器ホルダ74から穏やかに分離して、容器搬送レセプタクル10によって受け入れられる。
【0057】
容器搬送レセプタクル10を、キャッパーカルーセル8の回転軸30に対して半径方向に案内するために、例えば図3および4に示すように、キャッパーカルーセル8上に、容器搬送レレプタクルガイドが、滑り軸受17の形態で配設される。さらに、容器ホルダ11は、封止の対象の容器6が、容器搬送レセプタクル10が半径方向に後退した位置にあるときに(図4参照)容器搬送レセプタクル10から受け取られ得るように設計されキャッパーカルーセル8上に配置されている。キャッパーカルーセル8の外側に、キャッパーカルーセル8と同心に配置された外側ガイド84によって、容器6は、キャップ締めプロセス中に、容器6がスリップまたは回転することを防止するため、また、容器6の上方に配置されているキャップ締めヘッド5に対する容器6の中心位置が維持されることを保証するために、容器ホルダ11内に押し込まれる。容器の搬送の方向で見ると、外側ガイド84を有するキャッパーカルーセル8の処理領域に続いて、容器アウトフィード82がある。図示された例示的実施形態において、容器アウトフィード82は線状の形態である。代替的に、容器アウトフィード82は別の形態、例えば、容器6のさらなる処理、好ましくは容器6のラベル付けのための付加的な処理カルーセルとして、または搬送スターホイールの形態で提供されてもよい。
【0058】
図2は、図1のロータリーキャッパー3を模式的に示し、容器搬送レセプタクル10は半径方向に後退した位置にある。この前に、容器6のフィラーカルーセル7からの搬送に引き続いて、容器搬送レセプタクル10は制御ガイド15を介して半径方向に後退した位置に変位されており、その結果、容器搬送レセプタクル10はこのとき容器ホルダ11の下にあり、容器6は容器ホルダ11によって保持されている。外側ガイド84は、容器6がスリップまたは回転することを防止するため、また、容器6の上方に配置されているキャップ締めヘッド(ここでは図示せず)に対する容器6の中心位置が維持されることを保証するために、容器ホルダ11内に押し込まれる。
【0059】
図3は、フィラーカルーセル7からキャッパーカルーセル8への充填済み容器6の搬送の瞬間における、図1の相貫線A−Aに沿った、図1の飲料充填システム9の断面図を模式的に示す。フィラーカルーセル7の充填要素4によって予備充填されている充填済み容器は依然としてフィラーカルーセル7の容器ホルダ74に保持されており、容器6は、容器ネック62上に配置された容器支持リング60を介して容器ホルダ74上に支持されている。
【0060】
図3において、キャッパーカルーセル8の容器搬送レセプタクル10は半径方向に拡張した位置にあり、その結果、キャップ締めヘッド5と、その下に同心に配置された容器ホルダ11に対して半径方向外側に変位している。容器搬送レセプタクル10は半径方向に拡張した位置にあるため、容器搬送レセプタクル10は容器6も把持して、容器6を容器ホルダ74の下に保持する。容器6が搬送された後で容器6が下方にスリップすることを防止するために、また、容器6が同じ高さで受け入れられることを可能にするために、容器搬送レセプタクル10は隆起要素13を有し、その上に容器支持リング60が、搬送中および搬送後に支持される。
【0061】
フィラーカルーセル7の容器ホルダ74とキャッパーカルーセル8の容器ホルダ11は共通の高さに配置され、その結果、容器6が容器ホルダ74から容器ホルダ11に搬送されるときに容器6は高さの変化を経験しない。
【0062】
容器搬送レセプタクル10が容器ホルダ11の下に配置されているため、容器6は、容器支持リング60の下で容器ホルダ74,11によって、容器6の容器ネック62と同じ高さ位置で保持され、容器6は、いずれの場合にも、特にそれぞれの処理中にも、すなわち特にフィラーカルーセル7内での充填中およびキャッパーカルーセル8内での封止中に、容器支持リング60によって容器ホルダ74,11上に支持される。これにより容器6は、ロータリーフィラー2からロータリーキャッパー3に容器搬送レセプタクル10によって直接搬送され、いずれの場合にも処理中に容器6は、容器ネック62と同じ高さ位置で容器ホルダ11および74によって保持される。容器ホルダ74と容器ホルダ11はそれにより、特に単純で、例えば同一でもある設計を有し得る。
【0063】
容器搬送レセプタクル10は制御ガイド15の溝内で案内されるローラーの形態の制御要素16を介して確実に案内され、容器の搬送のための半径方向に拡張した位置に保持される。制御ガイド15がキャッパーカルーセル8の下に配置されているという事実により、キャップ締めヘッド5への容易なアクセスと、キャッパーカルーセル8の単純な設計を提供することが可能である。代替的に、制御ガイド15は、容器搬送レセプタクル10またはキャッパーカルーセル8の半径方向内側および/または上に配置されてもよい。
【0064】
図4は、図2のキャッパーカルーセル8の、図2の相貫線B−Bに沿った模式断面図を示す。制御ガイド15によって、容器ホルダ10は半径方向に後退した位置に変位しており、その結果、容器6はこのときキャップ締めヘッド5の下に同心に配置され容器ホルダ11によって保持されている。それにより容器支持リング60は、キャップ締めプロセス中に容器6が回転またはスリップすることを防止し容器封止具がねじ込まれるか巻き締め封止具の巻き締め時に容器6にトルクがかかるときに容器6を支持する、容器ホルダ11上に配置されたスパイク12と接触する。
【0065】
外側ガイド84によって、処理カルーセル2の回転軸30に対する容器6の半径方向位置の外側限界が固定され、容器6が容器搬送レセプタクル11内に押し込まれる。
【0066】
図5は、図1の飲料充填システム9の一部の平面図を模式的に示し、容器搬送レセプタクル10は搬送位置、すなわち半径方向に拡張した位置にある。この位置は、図1および図3に示した容器搬送レセプタクル10の位置に実質的に対応する。
【0067】
容器(ここでは図示せず)が保持されるキャッパーカルーセル8上に配置された容器搬送レセプタクル10の保持領域と、フィラーカルーセル上に配置された容器ホルダ74の保持領域はこの場合、互いに整列している。容器搬送レセプタクル10は半径方向に拡張した位置にあるため、キャッパーカルーセル8上に配置された容器ホルダ11から半径方向外側に変位している。容器を保持するために、容器搬送レセプタクル10は締結アーム100を有し、それらはそれぞれ隆起要素13を有する。代替的に、隆起要素13は締結アーム100のうち一方のみに配置されてもよい。隆起要素13は、例えば容器搬送レセプタクル10の締結部の間の中央に配置された突起等のその他の形態で配設されてもよい。
【0068】
図6は、図2の飲料充填システム9の一部の平面図を模式的に示し、容器搬送レセプタクル10は処理位置、すなわち半径方向に後退した位置にある。ここで、容器搬送レセプタクル10の保持領域と、容器ホルダ11の保護領域は互いに整列している。容器ホルダ11上に配設された凹部14により、隆起要素13が容器ホルダ11に衝突することなく、容器搬送レセプタクル10が半径方向に後退した位置へと半径方向内側に変位され得ることが達成される。
【0069】
図7は、図1の飲料充填システム9の設計と実質的に設計が対応する、飲料充填システム9のさらなる実施形態の詳細の斜視断面図を模式的に示す。この例示的実施形態において、処理対象の容器6は容器支持リング60を有していない。この場合、容器6上に形成され、その裏側に、容器が引き続いて閉じられたときに容器封止具の不正開封防止バンドが係合するセキュリティーリング64が、容器を容器ホルダ11および容器ホルダ74上に支持するための突起として用いられる。容器ホルダ74および容器ホルダ11はこうして、いずれの場合にもセキュリティーリング64の直下、すなわち容器6上の同じ位置で容器6を保持する。
【0070】
図1の装置1とは対照的に、図7に示す実施形態において、ここでは半径方向に後退した位置で示される容器搬送レセプタクル10は、容器ホルダ11より上に配置されている。容器搬送レセプタクル10は付加的に、開位置と閉位置の間で変位可能でありその位置が切り替えカム18の切り替えによって制御される2つの締結アーム100を有する。
【0071】
図7において、締結アーム100は閉位置で示されている。締結アーム100は、ロータリーキャッパー3の駆動要素(図示せず)による制御カムの駆動によって開位置へと枢動され、容器6はそれにより解放されて、その結果容器6は今や容器ホルダ11のみによって保持されている。ここでキャップ締めヘッド5が、容器6を容器封止具で閉じるために容器6または容器6の口部上へと下降され得る。締結アーム100が開位置へと外向きに枢動されているため、アームと、容器6に施されるまたは取り付けられることになっているキャップ締めヘッドまたは容器封止具いずれとの間にも衝突の危険はない。
【0072】
図7に示された実施形態において、ロータリーフィラー2は切り替え可能な容器ホルダ74も有する。このため、容器ホルダ74の2つの保持アーム740はフィラーカルーセル7に枢設されている。容器6を保持するために、保持アーム740は、図7に示す開位置から閉位置に、ロータリーフィラー2上に配設された駆動ユニット(図には示さず)によって切り替えられる。すると保持アーム740は容器6を、セキュリティーリング64の下の容器ネック62で把持し、その結果、容器6はセキュリティーリング64によって保持アーム740上に支持される。
【0073】
フィラーカルーセル7の容器ホルダ74内に保持された容器6が、キャッパーカルーセル8の容器ホルダ11に搬送されるとき、開位置にある容器搬送レセプタクル10は、制御ガイド15によって半径方向に拡張した位置に変位され、その結果容器ホルダ74と容器搬送レセプタクル10は、上記で説明したように互いに整列する。したがって、容器6が対向する側部から保持アームによって把持され得るように、容器6のネックの各側部に1つの締結アーム100が存在する。次に容器搬送レセプタクル10は切り替えカム18の切り替えによって閉位置に切り替えられ、その結果、容器搬送レセプタクル10の締結アーム100が容器6をセキュリティーリング64の上で把持する。次に、容器ホルダ74の保持アーム740が、容器ホルダ74が開位置となるように、容器6から遠ざかる方向に枢動される。容器6は今や容器搬送レセプタクル10のみによって保持されている。容器搬送レセプタクル10は次に、容器ホルダ11と整列するように、半径方向に後退した位置に変位され、そこで容器6は容器ホルダ11内に押し込まれる。容器搬送レセプタクル10は次に開位置に切り替えられ、その結果、締結アーム100は容器6から解除され、容器6はキャップ締めプロセス中に容器ホルダ11にのみによって保持される。ロータリーフィラー2からロータリーキャッパー3への容器6の搬送はこうして、直接的に、また、さらなる別個の搬送スターホイールの介在なしで行われる。
【0074】
代替的に、容器搬送レセプタクル10の締結アーム100は、例えば付加的なトルク支持を提供するために、封止プロセス中に閉じた状態を保ってもよい。この実施形態において、容器搬送レセプタクル10の締結アーム100は、封止プロセスの後事の段階まで、または封止プロセス後まで開けられない。
【0075】
容器搬送レセプタクル10は、封止済みの後続の容器6の、下流の搬送装置への引き続いた搬送、例えば、封止済み容器6の、搬送スターホイールまたはコンベヤーベルトへの搬送にも用いられてもよい。
【0076】
例示的実施形態で説明された全ての個々の特徴は、適用される範囲で、本発明の分野から逸脱せずに、互いに組み合わされても、および/または交換されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 容器搬送レセプタクル
100 締結アーム
11 容器ホルダ
12 スパイク
13 隆起要素
14 凹部
15 制御ガイド
16 制御要素
17 滑り軸受
18 切り替えカム
2 ロータリーフィラー
20 回転軸
3 ロータリーキャッパー
30 回転軸
4 充填要素
5 キャップ締めヘッド
6 容器
60 容器支持リング
62 容器ネック
64 セキュリティーリング
7 フィラーカルーセル
70 フィラーピッチサークル
72 容器インフィード
74 容器ホルダ
740 保持アーム
8 キャッパーカルーセル
80 キャッパーピッチサークル
82 容器アウトフィード
84 外側ガイド
9 飲料充填システム
A−A 相貫線
B−B 相貫線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2018年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
容器搬送レセプタクルは好ましくは、上流の処理カルーセルから処理対象の容器を受け入れるための半径方向に拡張した位置へと変位でき、また、容器ホルダへの処理対象の容器の搬送のための半径方向に後退した位置へと変位できる。こうして上流の処理カルーセルからの容器の直接の搬送が達成され得る。そのような構成において、容器搬送レセプタクルは典型的にロータリーキャッパー上に配置されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
それにより、容器の直接の搬送と処理の両方が、2つのカルーセルの部分間に衝突を起さずに安全に行われるということがさらに達成され得る。搬送位置において、容器搬送レセプタクルは半径方向に拡張した位置にあり、処理位置において容器搬送レセプタクルは半径方向に後退した位置にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
図4は、図2のキャッパーカルーセル8の、図2の相貫線B−Bに沿った模式断面図を示す。制御ガイド15によって、容器搬送レセプタクル10は半径方向に後退した位置に変位しており、その結果、容器6はこのときキャップ締めヘッド5の下に同心に配置され容器ホルダ11によって保持されている。それにより容器支持リング60は、キャップ締めプロセス中に容器6が回転またはスリップすることを防止し容器封止具がねじ込まれるか巻き締め封止具の巻き締め時に容器6にトルクがかかるときに容器6を支持する、容器ホルダ11上に配置されたスパイク12と接触する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
外側ガイド84によって、処理カルーセル2の回転軸30に対する容器6の半径方向位置の外側限界が固定され、容器6が容器ホルダ11内に押し込まれる。
【国際調査報告】