特表2019-513655(P2019-513655A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-513655モバイル装置の状態管理及び位置特定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-513655(P2019-513655A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(54)【発明の名称】モバイル装置の状態管理及び位置特定
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20190510BHJP
   B66B 1/46 20060101ALI20190510BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20190510BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20190510BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20190510BHJP
【FI】
   B66B1/18 L
   B66B1/46 Z
   B66B3/00 M
   H04M11/00 301
   H04Q9/00 301B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-552757(P2018-552757)
(86)(22)【出願日】2016年4月6日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月27日
(86)【国際出願番号】IB2016000589
(87)【国際公開番号】WO2017175019
(87)【国際公開日】20171012
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Otis Elevator Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ウェズィコウスキー,リュシアン
(72)【発明者】
【氏名】スコヴィル,ブラッドリー アーマンド
(72)【発明者】
【氏名】チャップマン,アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,エリック シー
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
3F303CA10
3F303CB28
3F502JA08
3F502KA01
3F502MA07
5K048BA47
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB12
5K048FC04
5K048HA04
5K048HA06
5K201BA01
5K201CC04
5K201CC09
5K201EB07
5K201ED04
5K201ED08
5K201ED09
(57)【要約】
モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステム及び方法が提供される。方法は、モバイル装置の現在の状態を特定することと、モバイル装置から目的地要求を受信することと、目的地要求と現在の状態に基づいてエレベータかごを配送することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理する方法であって、
モバイル装置の現在の状態を特定することと、
前記モバイル装置から目的地要求を受信することと、
前記目的地要求及び前記現在の状態に基づいて、エレベータかごを配送することと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記目的地要求は目的フロアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在の状態を特定することは、前記モバイル装置の位置を特定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記モバイル装置の前記位置を特定することは、
前記モバイル装置を使用して、前記モバイル装置が通信可能な複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することであって、前記複数の無線装置には、建物内に設置された装置と前記建物内の他のモバイル装置とが含まれる、前記複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することと、
前記比較に基づいて、前記モバイル装置の前記位置を特定することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記モバイル装置の前記位置を特定することは、
前記モバイル装置と前記建物内に設置されたリアルタイム位置測定システムとの無線接続を確立することと、
前記リアルタイム位置測定システムを使用して、前記モバイル装置が接続している前記リアルタイム位置測定システムの一部に基づいて、前記モバイル装置の前記位置を特定することと、
エレベータコントローラにて、前記リアルタイム位置測定システムから前記位置を受信することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記モバイル装置の前記位置を特定することは、前記建物全体に分散された三辺測量、三角測量、GPS、差分GPS、WiFi受信器、Bluetooth受信器、センサ、ビーコン、及びアクセスポイントのうちの1つ以上を使用することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記現在の状態を特定することは、
前記モバイル装置の過去の状態の記録を受信することと、
前記モバイル装置の位置を受信することと、
前記記録、位置、及び目的地要求に基づいて、前記モバイル装置の前記現在の状態を生成することと、
前記モバイル装置の前記現在の状態に基づいて、エレベータサービスを提供することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記モバイル装置の前記過去の状態の記録に、前記現在の状態を記憶することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記エレベータサービスは、エレベータを呼び出さないこと、エレベータを呼び出すこと、第2のエレベータを呼び出すこと、及び前記モバイル装置の前記位置近くにエレベータを駐車させることから成るグループから選ばれる少なくとも1つである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記モバイル装置の前記現在の状態は、エレベータを使用する意図がない状態、何もせずにエレベータに接近している状態、手動呼び出し要求状態、自動呼び出し要求状態、エレベータを待機している状態、エレベータに乗車した状態、及び目的フロアで降車した状態のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステムであって、
目的地要求を生成及び送信するように構成された、現在の状態及び位置を含む少なくとも1つのモバイル装置と、
前記モバイル装置の前記位置及び現在の状態を特定するために分析及び使用されるセンサデータを収集するように構成された少なくとも1つのセンサと、
エレベータコントローラ、及び少なくとも1つのエレベータかごとを備えるエレベータシステムであって、前記エレベータコントローラは、前記モバイル装置の前記位置、現在の状態、及び目的地要求に基づいて、前記1つ以上のエレベータかごを配送する、前記エレベータシステムと、
を備える、前記システム。
【請求項12】
前記現在の状態は、前記モバイル装置の位置が定義された状態であり、前記モバイル装置の前記位置は、無線検出システムを使用して建物内で特定される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、内部にプログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を含み、プロセッサにより実行可能な前記プログラム命令は、
モバイル装置の現在の状態を特定することと、
前記モバイル装置から目的地要求を受信することと、
前記目的地要求及び前記現在の状態に基づいて、エレベータかごを配送することと、
を前記プロセッサに実行させる、前記コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
追加プログラム命令を含む前記コンピュータプログラム製品であって、前記プロセッサにより実行可能な前記追加プログラム命令は、
前記モバイル装置の位置を特定することを前記プロセッサに実行させる、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
追加プログラム命令を含む前記コンピュータプログラム製品であって、前記プロセッサにより実行可能な前記追加プログラム命令は、
前記モバイル装置を使用して、前記モバイル装置が通信可能な複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することであって、前記複数の無線装置には、建物内に設置された装置と前記建物内の他のモバイル装置とが含まれる、前記複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することと、
前記比較に基づいて、前記モバイル装置の前記位置を特定することと、
を前記プロセッサに実行させる、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
追加プログラム命令を含む前記コンピュータプログラム製品であって、前記プロセッサにより実行可能な前記追加プログラム命令は、
前記モバイル装置と前記建物内に設置されたリアルタイム位置測定システムとの無線接続を確立することと、
前記リアルタイム位置測定システムを使用して、前記モバイル装置が接続している前記リアルタイム位置測定システムの一部に基づいて、前記モバイル装置の前記位置を特定することと、
エレベータコントローラにて前記リアルタイム位置測定システムから前記位置を受信することと
を前記プロセッサに実行させる、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
追加プログラム命令を含む前記コンピュータプログラム製品であって、前記プロセッサにより実行可能な前記追加プログラム命令は、
前記建物全体に分散された三辺測量、三角測量、GPS、差分GPS、WiFi受信器、Bluetooth受信器、センサ、ビーコン、及びアクセスポイントのうちの1つ以上を使用し、前記モバイル装置の前記位置を特定することを前記プロセッサに実行させる、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
追加プログラム命令を含む前記コンピュータプログラム製品であって、前記プロセッサにより実行可能な前記追加プログラム命令は、
前記モバイル装置の過去の状態の記録を受信することと、
前記モバイル装置の位置を受信することと、
前記記録、位置、及び目的地要求に基づいて、前記モバイル装置の前記現在の状態を生成することと、
前記モバイル装置の前記現在の状態に基づいて、エレベータサービスを提供することと
を前記プロセッサに実行させる、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
追加プログラム命令を含む前記コンピュータプログラム製品であって、前記プロセッサにより実行可能な前記追加プログラム命令は、
前記モバイル装置の前記過去の状態の記録に、前記現在の状態を記憶することを前記プロセッサに実行させる、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
追加プログラム命令を含む前記コンピュータプログラム製品であって、前記プロセッサにより実行可能な前記追加プログラム命令は、
エレベータを呼び出さないこと、エレベータを呼び出すこと、第2のエレベータを呼び出すこと、及び前記モバイル装置の前記位置近くにエレベータを駐車させることから成るグループから、前記エレベータサービスを選ぶことと、
エレベータを使用する意図がない状態、何もせずにエレベータに接近している状態、手動呼び出し要求状態、自動呼び出し要求状態、エレベータを待機している状態、エレベータに乗車した状態、及び目的フロアで降車した状態のうちの1つ以上を、前記モバイル装置の前記現在の状態に含めることと
を前記プロセッサに実行させる、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示される内容は、概してエレベータシステムと共にモバイル装置を使用することに関し、より具体的には、エレベータシステムに関連してモバイル装置の位置及び状態を特定することに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なエレベータインターフェース装置は、既知の固定位置に設置される。例えば、エレベータ呼び出しボタンは、エレベータのドア近くの建物の壁に通常設置される。このような固定のインターフェース装置を使用することは、本質的に、ユーザに課題をもたらし得る。特に、建物内のユーザの具体的な位置を特定することは、固定のインターフェース位置における少数の定置呼び出し入力に基づいて計算することに、あまり適さない。
【0003】
いくつかのエレベータシステムでは、ユーザのスマートフォンのアプリケーションにより、ユーザは、固定のインターフェース装置から離れてエレベータ呼び出しを行うことができる。しかし、これらのアプリケーションは通常、ユーザの位置、またはユーザが位置するフロアを特定することはできない。従って、この建物内の追跡能力の欠如を補うために、ユーザは通常、現在のフロアと所望する目的フロアの両方を入力しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、ユーザをより良く追跡できる方法及びシステムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理する方法が提供される。方法は、モバイル装置の現在の状態を特定することと、モバイル装置から目的地要求を受信することと、目的地要求と現在の状態に基づいてエレベータかごを配送することとを含む。
【0006】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、目的地要求は目的フロアを含むことが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0007】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、現在の状態を特定することは、モバイル装置の位置を特定することを含むことが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0008】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の位置を特定することは、モバイル装置を使用して、モバイル装置が通信可能な複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することであって、複数の無線装置には、建物内に設置された装置と建物内の他のモバイル装置とが含まれる、複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することと、比較に基づいて、モバイル装置の位置を特定することと、を含むことが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0009】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の位置を特定することは、モバイル装置と建物内に設置されたリアルタイム位置測定システムとの無線接続を確立することと、リアルタイム位置測定システムを使用して、モバイル装置が接続しているリアルタイム位置測定システムの一部に基づいてモバイル装置の位置を特定することと、エレベータコントローラにてリアルタイム位置測定システムから位置を受信することと、を含むことが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0010】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の位置を特定することは、建物全体に分散された三辺測量、三角測量、GPS、差分GPS、WiFi受信器、Bluetooth受信器、センサ、ビーコン、及びアクセスポイントのうちの1つ以上を使用することを含むことが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0011】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、現在の状態を特定することは、モバイル装置の過去の状態の記録を受信することと、モバイル装置の位置を受信することと、記録、位置、及び目的地要求に基づいて、モバイル装置の現在の状態を生成することと、モバイル装置の現在の状態に基づいて、エレベータサービスを提供することと、を含むことが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0012】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の過去の状態の記録に、現在の状態を記憶することが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0013】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、エレベータサービスは、エレベータを呼び出さないこと、エレベータを呼び出すこと、第2のエレベータを呼び出すこと、及びモバイル装置の位置近くにエレベータを駐車させることから成るグループから選ばれる少なくとも1つであることが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0014】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の現在の状態は、エレベータを使用する意図がない状態、何もせずにエレベータに接近している状態、手動呼び出し要求状態、自動呼び出し要求状態、エレベータを待機している状態、エレベータに乗車した状態、及び目的フロアで降車した状態のうちの1つ以上を含むことが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0015】
一実施形態によれば、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステムが提供される。システムは、目的地要求を生成及び送信するように構成された、現在の状態及び位置を含む少なくとも1つのモバイル装置と、モバイル装置の位置及び現在の状態を特定するために分析及び使用されるセンサデータを収集するように構成された少なくとも1つのセンサと、エレベータコントローラと、少なくとも1つのエレベータかごとを含むエレベータシステムであって、エレベータコントローラは、モバイル装置の位置、現在の状態、及び目的地要求に基づいて、1つ以上のエレベータかごを配送する、エレベータシステムと、を含む。
【0016】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、現在の状態は、モバイル装置の位置が定義された状態であることと、モバイル装置の位置は、無線検出システムを使用して建物内で特定されることとが、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0017】
一実施形態によれば、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、内部にプログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を含み、プロセッサにより実行可能なプログラム命令は、モバイル装置の現在の状態を特定することと、モバイル装置から目的地要求を受信することと、目的地要求及び現在の状態に基づいて、エレベータかごを配送することと、をプロセッサに実行させる。
【0018】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の位置を特定することをプロセッサに実行させる、プロセッサにより実行可能な追加プログラム命令が、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0019】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置を使用して、モバイル装置が通信可能な複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することであって、複数の無線装置には、建物内に設置された装置と建物内の他のモバイル装置とが含まれる、複数の無線装置からの複数の無線周波数信号強度を比較することと、比較に基づいて、モバイル装置の位置を特定することとを、プロセッサに実行させる、プロセッサにより実行可能な追加プログラム命令が、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0020】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置と建物内に設置されたリアルタイム位置測定システムとの無線接続を確立することと、リアルタイム位置測定システムを使用して、モバイル装置が接続しているリアルタイム位置測定システムの一部に基づいてモバイル装置の位置を特定することと、エレベータコントローラにてリアルタイム位置測定システムから位置を受信することとを、プロセッサに実行させる、プロセッサにより実行可能な追加プログラム命令が、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0021】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の位置を特定するために、建物全体に分散された三辺測量、三角測量、GPS、差分GPS、WiFi受信器、Bluetooth受信器、センサ、ビーコン、及びアクセスポイントのうちの1つ以上を使用することを、プロセッサに実行させる、プロセッサにより実行可能な追加プログラム命令が、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0022】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の過去の状態の記録を受信することと、モバイル装置の位置を受信することと、記録、位置、及び目的地要求に基づいて、モバイル装置の現在の状態を生成することと、モバイル装置の現在の状態に基づいて、エレベータサービスを提供することとを、プロセッサに実行させる、プロセッサにより実行可能な追加プログラム命令が、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0023】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、モバイル装置の過去の状態の記録に現在の状態を記憶することを、プロセッサに実行させる、プロセッサにより実行可能な追加プログラム命令が、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0024】
前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、またはその代替として、エレベータを呼び出さないこと、エレベータを呼び出すこと、第2のエレベータを呼び出すこと、及びモバイル装置の位置近くにエレベータを駐車させることから成るグループからエレベータサービスを選ぶことと、エレベータを使用する意図がない状態、何もせずにエレベータに接近している状態、手動呼び出し要求状態、自動呼び出し要求状態、エレベータを待機している状態、エレベータに乗車した状態、及び目的フロアで降車した状態のうちの1つ以上を、モバイル装置の現在の状態に含めることとを、プロセッサに実行させる、プロセッサにより実行可能な追加プログラム命令が、さらなる実施形態に含まれ得る。
【0025】
前述の特徴及び要素は、他に明示されない限り、非排他的に多様な組み合わせで組み合わせることができる。これらの特徴及び要素、並びにその動作は、下記の説明及び添付図面に照らすことにより、より明らかになるであろう。しかし下記の説明及び図面は、本質的に例示及び説明を意図し、限定する意図はないことを理解されたい。
【0026】
前述及び他の特徴、及び本開示の利点は、添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、エレベータシステムを示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステムを示す。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステムを使用する方法の異なるステップにおけるユーザを示す。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステム及び方法を使用するユーザを示す。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステム及び方法と共に使用する、モバイルデバイスの可能な異なる位置及び状態を示す。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理する方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書において図示され説明されるように、本開示の様々な特徴が提示される。様々な実施形態は、同一または同様の特徴を有することができ、従って同一または同様の特徴は、同一の参照番号でラベル付けされ得るが、特徴が示される図を示す異なる第1の数字が先頭に付けられる。従って、例えば、図Xに示される要素「a」は、「Xa」とラベル付けされ得、図Zにおける同様の特徴は、「Za」とラベル付けされ得る。同様の参照番号が一般的な意味で使用されてもよいが、様々な実施形態が説明され、様々な特徴には、当業者によって理解される変化、変更、修正などが含まれてもよく、明記されていてもそうでなくても、当業者には理解されよう。
【0029】
本明細書において説明される実施形態は、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理する方法及びシステムに関する。例えば、1つ以上の実施形態によれば、ユーザの状態を感知または検出し、ユーザの状態を管理して、自動呼び出しを含む高度な機能を提供するシステムが提供される。
【0030】
様々なユーザ状態のいくつかの実施例には、ユーザが位置するフロア、ユーザが特定のエレベータに乗車または降車する意図、エレベータを使用する意図がない状態、何もせずにエレベータに接近している状態、手動呼び出し要求状態、自動呼び出し要求状態、エレベータを待機している状態、エレベータに乗車した状態、及び目的フロアで降車した状態が含まれるが、これらに限定されない。提供され得るいくつかの利点に、自動呼び出し管理、救急隊に送るユーザ追跡、及びスマートエレベータ駐車が含まれる。
【0031】
さらに、1つ以上の実施形態によれば、ユーザのフロアの場所、及びフロア上のx、y位置を学習する方法が提供される。フロアの場所及びフロア上の位置は、モバイル装置の現在の状態と共に使用することができ、またモバイル装置の現在の状態を特定するために使用することができる。例えば、一実施形態によれば、モバイル装置は、他のモバイル装置を含む複数の無線装置からの平均RF信号強度を比較して、建物内の自身の位置を特定するのに役立てる。具体的には、一実施形態によれば、多数の無線装置は、異なる無線装置にてモバイル装置からの信号を比較することにより、モバイル装置が位置する場所を特定するように、相互に調整する。さらに別の実施形態によれば、エレベータシステムは、第3者のリアルタイム位置測定システムと接続され、モバイル装置はリアルタイム位置測定システムと直接通信することができる。1つ以上の利点には、ユーザが自身のモバイル装置上のアプリケーションに開始フロアを入力する必要がないことが含まれる。さらに、別の実施形態によれば、ユーザの開始フロアを知ることにより、ユーザが事前に設定した自動呼び出しを引き起こすことができる。別の実施形態によれば、システムは、ユーザを正しいエレベータに案内し、さらにユーザの最終目的地まで案内するのに役立ち得る。
【0032】
ここで図面を参照すると、図1は、1つ以上の実施形態による、エレベータシステム100を示す。建物102に設置されたエレベータシステム100が示される。いくつかの実施形態において、建物102は、オフィスビル、または物理的に互いの近くに位置してもしなくてもよいオフィスビルの集合であり得る。建物102は、多数のフロアを含み得る。建物102に入る人々は、ロビーのフロア、または任意の他のフロアに入ることができ、エレベータ104などの1つ以上の搬送装置により目的フロアへ行くことができる。
【0033】
エレベータ104は、コントローラ106などの1つ以上のコンピューティング装置に接続され得る。コントローラ106は、エレベータ104に対応付けられた1つ以上のエレベータかご(例えばかご104−1、104−2)の配送動作を制御するように構成され得る。異なるフロアに対応する異なるエレベータ列におけるエレベータかご間での調整を可能にするために、エレベータかご104−1及び104−2は、同じ昇降路または異なる昇降路に配置され得る。例示を容易にするため、エレベータシステム100の他の構成要素(例えば駆動装置、釣合おもり、安全装置など)は描かれてないことが理解されよう。
【0034】
モバイル装置108も図1に示される。モバイル装置108には、電話、PDA、ウェアラブル電子装置、RFIDタグ、ラップトップ、タブレット、腕時計、または任意の他の既知の携帯モバイル装置など、通常人が携行できる装置が含まれ得る。図1に示されるように、モバイル装置108は、プロセッサ108−2と、メモリ108−1と、通信モジュール108−3とを含み得る。プロセッサ108−2は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理装置、及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイなどの任意の種類のコンピュータプロセッサ、またはこれらの組み合わせであり得る。メモリ108−1は、実行可能命令を含む、モバイル装置108内に有形に具現化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体の一例であり、実行可能命令は、例えばファームウェアとしてここに記憶される。通信モジュール108−3は、本明細書においてさらに詳しく説明されるように、1つ以上の通信プロトコルを実施し得る。
【0035】
図1に示されるように、コントローラ106は、プロセッサ106−2と、メモリ106−1と、通信モジュール106−3とを含み得る。プロセッサ106−2は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理装置、及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイなどの任意の種類のコンピュータプロセッサ、またはこれらの組み合わせであり得る。メモリ106−1は、実行可能命令を含む、コントローラ106内に有形に具現化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体の一例であり、実行可能命令は、例えばファームウェアとしてここに記憶される。通信モジュール106−3は、本明細書においてさらに詳しく説明されるように、1つ以上の通信プロトコルを実施し得る。
【0036】
モバイル装置108及びコントローラ106は、相互に通信する。1つ以上の実施形態によれば、モバイル装置108とコントローラ106の間の通信は、選択された通信の種類に応じて、送信器、変換器、受信器、及び他の送信及び処理要素などの他のシステムを通して行われる。例えば、モバイル装置108及びコントローラ106は、互いに近接している(例えば閾値距離内である)時に、相互に通信し得る。モバイル装置108及びコントローラ106は、802.11x(WiFi(登録商標))、短距離無線(Bluetooth(登録商標))、または任意の他の既知の種類の無線通信などの無線ネットワークを介して、通信し得る。いくつかの実施形態において、コントローラ106は、キオスク、ビーコン、ホール呼び設備器具、ランタン、ブリッジ、ルータ、ネットワークノードなどのネットワーク化された要素を含み得る、またはネットワーク化された要素に対応付けられ得る(例えば通信可能に接続され得る)。ネットワーク化された要素は、1つ以上の通信プロトコルまたは通信規格を使用して、モバイル装置108と通信し得る。例えば、ネットワーク化された要素は、近距離通信(NFC)、または任意の種類の既知の有線もしくは無線通信手段を使用して、モバイル装置108と通信し得る。1つ以上の別の実施形態によれば、ネットワーク化された要素は、セルラネットワークにより、または建物の外の多数の他の装置を通るインターネットを介して、モバイル装置108と通信し得る。
【0037】
別の実施形態において、コントローラ106は、建物102の外に存在するモバイル装置108と通信を確立し得る。この接続は、非限定的な実施例として、GPS、三角測量、または信号強度検出を含む様々な技術により確立され得る。確立され得る通信接続には、セルラ接続、WiFi接続、Bluetooth接続、ピアツーピア接続、衛星接続、NFC接続、他の無線接続、さらにはEthernet(登録商標)ケーブル、同軸ケーブル、または他のデータケーブルを使用する有線接続が含まれるが、これらに限定されない。これらの通信接続は、プライベートの安全な直接通信リンクから、複数の異なるサーバ、スイッチなどを通るインターネットを介したデータ伝送にまで至る多数の異なるネットワークを使用して、モバイル装置108との間でデータを伝送し得る。前述の通信を可能にするような技術により、ユーザ及びシステムに対し、最も効率的な乗客の流れを確立する時間がより多く提供され、ユーザがシステムと対話するために立ち止まる必要性が排除され得る。
【0038】
モバイル装置、コントローラ、及びエレベータを使用して、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理する方法及びシステムの実施態様が、図2〜6を参照して説明される。
【0039】
図2を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置208の位置及び状態に基づいてエレベータシステム204を管理するシステム200が示される。システム200は、少なくとも1つのエレベータ204と、モバイル装置208と、ロビーセンサ211と、エレベータセンサ212とを含む。センサ211、212は、ユーザの存在及び位置を検出するのに使用可能な任意の既知のセンサであり得る。例えば、センサ211、212は、モバイル装置208と無線で通信する通信装置であり得る。通信プロセスは、モバイル装置208の位置を特定するために処理され得るデータを提供する。別の実施形態によれば、センサ211、212は、ユーザの存在及び位置を検出するために処理され得る画像データを収集する画像センサであり得る。さらに、センサ211、212は、マイクロフォン、重量計測装置、または他の既知の無線装置などの他のセンサ類であり得る。1つ以上の実施形態によれば、システム200はまた、複数のモバイル装置208、タッチスクリーン、固定ディスプレイ、及び/またはセンサを含み得る。エレベータ204は、1つ以上のかご204−1、204−2、並びにコントローラ206を含む。エレベータコントローラ206は、エレベータ204内に示されるが、図1に示されるように他の場所に配置されてもよい。
【0040】
ここで図3(A)〜(C)を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置308の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステムを使用する方法の中の異なる段階におけるユーザ340が示される。示されるように、ユーザ340は、モバイル装置308を携行する。図3(A)に示されるように、ユーザは、センサ311により検出可能なエレベータに接近する。センサ311は、建物内のどこにでも配置することができる。例えば、センサ311は、建物の廊下、エレベータロビー、エレベータかご、及びユーザを追跡可能な他のどの場所にでも、配置することができる。センサの種類は、ユーザ及び/またはモバイル装置の位置を特定するのに使用可能な任意の既知のセンサ種類であり得る。例えば、センサは、Bluetooth、WiFi、ローカルセルホットスポット、または他の形態の無線通信を使用して、モバイル装置に信号を送信する通信センサであり得る。センサはまた、画像センサ、温度センサ、または収集されたデータを処理してユーザ位置を提供することができる他の種類のセンサの組み合わせであり得る。
【0041】
さらに、示されるように、ユーザ340は、より近くに牽引されているエレベータ306に近づき、特定の位置条件が一旦満たされると、コマンドがトリガされ得る。例えば、1つ以上の実施形態によれば、ユーザのモバイル装置308がセンサ311の無線範囲内である時、エレベータ306を呼び出すコマンドがトリガされる。例えば、図3(B)に示されるように、ユーザ340がエレベータ306に近づくと、ユーザのモバイル装置308は呼び出し要求を送信した。従って、図3(C)に示されるように、モバイル装置308がセンサ311の無線通信範囲に入った時の早期検出及び要求のおかげで、遅延がない場合に限り、ユーザ340はエレベータに直接入ることができる。
【0042】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステム404を管理するシステム400及び方法を使用するユーザ406を示す。示されるように、ユーザ406のモバイル装置408は、異なるフロア上の異なる場所に設けられた複数の異なるセンサ402、418、422、432、及びエレベータ内のいくつかのセンサと、無線で通信する。例えば、ユーザのモバイル装置408は、建物の1階にあるセンサ402、建物の2階にあるセンサ418、及び建物の3階にあるセンサ422と通信し得る。さらに、ユーザのモバイル装置は、エレベータ404内に配置された任意のセンサ432と通信し得る。モバイル装置408とセンサとの距離が増加するにつれて、通常、信号の強度及び明瞭度の比例的劣化、並びにノイズの増加が生じる。1つ以上の実施形態によれば、劣化は、マルチパス信号伝送をもたらす環境によるものである。また、建物内の他の無線伝送及び設備からのノイズは、対象信号をさらに劣化させる。建物の1階に配置されたモバイル装置408と建物の2階に配置されたセンサ418のように、モバイル装置408とセンサが建物のフロアにより分離されている場合、この信号強度及び明瞭度の劣化及び過剰ノイズは通常、より顕著である。モバイル装置408上またはエレベータコントローラ上に位置するソフトウェアは、モバイル装置408とセンサ402、418、422、432との間の相対的信号強度、明瞭度、及び/またはノイズレベルを分析し、どのセンサ402、418、422、432にモバイル装置は最も近いかを特定する。一実施形態において、モバイル装置は通常、信号強度が最も高く、明瞭度が最も大きく、及び/またはノイズレベルが最も低いセンサ402、418、422、432に、最も近い。センサ402、418、422、432とモバイル装置408との間の信号の変化は分析され、モバイル装置408からセンサが離れている程度を特定するのに使用され得る。モバイル装置408とセンサ422との間に存在する特定の距離を示すために、センサ402、418、422、432の信号プロファイルはマッピングされ得る。各センサからのこれらの信号プロファイルを使用することにより、モバイル装置408及びユーザ406の位置を正確に予測する能力が提供される。1つ以上の実施形態によれば、方法及びシステムは、ノイズが原因で、時間平均化を実施しなければならない場合がある。平均値により、値、及び複数の信号の比較に基づく結果的決定において、信用性を高めることが可能となる。
【0043】
センサ432がエレベータ404の内部に設置される場合、エレベータの金属壁及びエレベータシャフトの壁はファラデーケージとして機能し得、信号強度、明瞭度をさらに低下させ、ノイズを増加させることに留意されたい。図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理するシステム及び方法における、モバイル装置の異なる位置及び状態を示す。
【0044】
まず図5を参照すると、例示的な一実施形態において、モバイル装置を携行しているユーザは、建物の駐車場500、または建物の外にある他の場所505に到着し得る。次に、モバイル装置を携行しているユーザは、建物の玄関510を通って、ロビー515へ行き、場合によってはいくつか階段520を上り、その後アクセスコントロール525を通る。アクセスコントロールまたはユーザのモバイル装置はそこで、どのエレベータまたはエレベータ列を使用するべきかを、ユーザに指示し得る。一実施形態において、この割り当ては、プロセスの後半に行われてもよい。次に、モバイル装置を携行しているユーザは、エレベータ530まで進むことができ、前に指示されたエレベータの前535に自身を位置づけ得る。さらに、モバイル装置を携行しているユーザは、エレベータ540に乗車し得る。さらに、モバイル装置は降車し、スカイロビーエレベータ列545から他のエレベータに乗車し得る。ここでまた、モバイル装置は、スカイロビーから行われた第2の呼び出しに対応するエレベータ550の前に並び得る。モバイル装置は、エレベータ555に乗車し、エレベータ列560内の所望する場所に到着する。そこから、モバイル装置は、ユーザのオフィス565に到着したと検出され得る。別の実施形態によれば、モバイル装置は、モバイルクレデンシャル及びキーパッド570を含んでもよい。
【0045】
図5を参照すると、いくつかの項目が削除され、いくつかの他の項目が追加されていることを除けば、上記に論述された実施形態と実質的に同様の実施形態が示される。特に、この実施形態では、ロビー部分515及びアクセス制御525の両方が削除されていることが理解できよう。さらに、この実施形態では、顔認識522、割り当て及び通知532、顔認識及び人数計測542、及びロビー受付544が追加されている。
【0046】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、モバイル装置の位置及び状態に基づいてエレベータシステムを管理する方法600のフロー図を示す。方法600は、モバイル装置の現在の状態を特定すること(動作605)を含む。方法600は、モバイル装置から目的地要求を受信すること(動作610)をさらに含む。さらに、方法600は、目的地要求及び現在の状態に基づいて、エレベータかごを配送すること(動作615)を含む。
【0047】
別の実施形態によれば、ステートマシンにおいてモバイル装置が自身の現在の状態を管理する方法が提供され得る。方法は、過去の状態、及び新たな状態に遷移するイベントに基づく。エレベータシステムまたはモバイル装置は、状態遷移に基づいて作動し、好適なサービスを提供する。エレベータシステムはまた、全ユーザの現在の状態を管理し得る。
【0048】
別の実施形態によれば、方法は、エレベータコントローラにて、リアルタイム位置測定システムから位置を受信することを含み得る。1つ以上の実施形態によれば、場所の異なる二層化が対象である。モバイル装置/人がどのフロアにいるかを確実に把握しているはずである第1の場所が、エレベータに提供される。別の対象の場所は、全てのエレベータと相対的なフロア上のユーザの位置であり、これにより、情報に基づいたより良い決定が行われる。別の実施形態によれば、システムはまた、要求が入力された後、ユーザがエレベータに乗車したことを確認するために、ユーザの位置を追跡する。
【0049】
本開示は、限られた数の実施形態のみに関連して詳しく説明されたが、本開示がそのような開示された実施形態に限定されないことは、容易に理解されよう。むしろ本開示は、前述されていないが、本開示の範囲に相応する任意の数の変形、変更、代替、組み合わせ、部分的組み合わせ、または均等な調整を組み込むように修正することができる。さらに、本開示の様々な実施形態が説明されたが、本開示の態様は、説明された実施形態のうちのいくつかのみを含み得ることを理解されたい。
【0050】
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定する意図はない。本明細書において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別に明示されない限り、複数形も含むことが意図される。用語「comprises(備える)」及び/または「comprising(備える)」は、本明細書において使用される場合、述べられる特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらの群の存在もしくは追加を除外しないことが、さらに理解されよう。
【0051】
下記の特許請求の範囲における全ての手段またはステップと機能要素の対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に特許請求される他の特許請求要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または動作を含む意図がある。本明細書の記述は、例示及び説明目的で提示されているが、包括的である、または開示される形態の実施形態に限定的である意図はない。本開示の範囲から逸脱することなく、数多くの変更及び変形が、当業者には明らかであろう。実施形態は、本開示の原理及び実際的応用を最も良く説明し、他の当業者が、意図する特定用途に適した様々な変更を伴う様々な実施形態を理解できるように、選択され、記載された。
【0052】
本実施形態は、統合の任意の可能な技術的詳細レベルにおけるシステム、方法、及び/またはコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本開示の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(複数可)を含み得る。
【0053】
コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのモバイル装置上で、または部分的にユーザのモバイル装置上で実行され得る、あるいは部分的にユーザのモバイル装置上及び部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で、実行され得る。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのモバイル装置に接続され得る、または外部コンピュータへ接続され得る(例えばインターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを介して)。いくつかの実施形態では、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本開示の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をカスタマイズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0054】
図面中のフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を例示する。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定される論理機能(複数可)を実行するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、または命令部分を表し得る。いくつかの代替的な実施態様では、ブロックに記される機能は、図面に記される順番以外でも起こり得る。例えば、連続して示される2つのブロックは実際には、実質的に同時に実行されてもよく、または、関与する機能に応じてブロックが時々逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/またはフローチャート図解の各ブロック、並びにブロック図及び/またはフローチャート図解内のブロックの組み合わせは、指定される機能もしくは動作を実行する、または専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースシステムにより実施可能であることにも留意されたい。
【0055】
様々な実施形態の説明は、例示目的で提示されているが、包括的である、または開示される実施形態に限定的である意図はない。説明される実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、数多くの変更及び変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際的応用、または市場で見出される技術に対する技術的改良を最もよく説明し、他の当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるように、選ばれた。
【0056】
従って、本開示は、前述の説明によって限定されるものと理解されるべきではないが、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】