(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-513937(P2019-513937A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(54)【発明の名称】ターボ機械トレインおよびターボ機械トレインの連結方法
(51)【国際特許分類】
F01D 13/00 20060101AFI20190510BHJP
F01D 19/00 20060101ALI20190510BHJP
F02C 6/02 20060101ALI20190510BHJP
【FI】
F01D13/00
F01D19/00 A
F02C6/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-553356(P2018-553356)
(86)(22)【出願日】2017年3月15日
(85)【翻訳文提出日】2018年12月6日
(86)【国際出願番号】EP2017056118
(87)【国際公開番号】WO2017178185
(87)【国際公開日】20171019
(31)【優先権主張番号】16164886.0
(32)【優先日】2016年4月12日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィト・フェルトマン
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ベンナウアー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・シンドラー
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071BA02
3G071CA01
3G071FA02
(57)【要約】
ターボ機械トレイン(9)は、固定的に取り付けられたスロット付きホイール(5)をそれぞれ有する2つのシャフト部と、2つの回転速度センサと制御装置とを有する第1のオーバーランニングクラッチ(7)とを有する。クラッチは、第1のシャフト部を第2のシャフト部との間で連結および分離するように設計される。第1の回転速度センサ(11)は、第1のスロット付きホイールの回転速度を測定する。第2の回転速度センサ(12)は、第2のスロット付きホイールの回転速度を測定する。制御装置(14)は、第1のシャフト部と第2のシャフト部との間の角度差を決定し、測定された回転速度および角度差に基づいて決定された加速値で、ターボ機械を加速し、2つのシャフト部が所定の目標連結角度で互いに連結するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械トレインであって、前記ターボ機械トレインは、
第1のターボ機械、および第1のシャフト部(1)に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイール(4)を有する第1のシャフト部(1)と、
第2のターボ機械、および第2のシャフト部(2)に固定的に取り付けられた第2のスロット付きホイール(5)を有する第2のシャフト部(2)と、
前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度と等しい場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)に連結し、かつ前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度より低い場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)から切り離すよう設計された第1のオーバーランニングクラッチ(7)と、
前記第1のスロット付きホイール(4)の回転速度を測定するよう設計された第1の回転速度計(11)と、前記第2のスロット付きホイール(5)の回転速度を測定するよう設計された第2の回転速度計(12)と、前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い前記第2のシャフト部(2)の回転速度において、および前記第2のシャフト部(2)の前記回転速度より低い前記第1のシャフト部(1)の回転速度において、前記第1のシャフト部(1)および前記第2のシャフト部(2)の間の角度差を決定し、2つのシャフト部(1,2)が所定の目標連結角度で相互連結するように、測定された回転速度および前記角度差に基づいて決定された加速値で前記第1のターボ機械および/または前記第2のターボ機械を加速するよう設計された制御装置(14)と、を備え、
前記スロット付きホイール(4〜6)は、前記ターボ機械トレイン(9)の外周に沿って不均一に分布して配置された多数のスロットを有し、前記制御装置(14)は、不均一に分布した前記スロットを参照することによって2つの隣接するシャフト部(1〜3)の間の角度差を決定するよう設計されている、ターボ機械トレイン。
【請求項2】
前記ターボ機械トレイン(9)が、
第3のターボ機械、および第3のシャフト部(3)に固定的に取り付けられた第3のスロット付きホイールを有する第3のシャフト部(3)と、
前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度と等しい場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)に連結し、かつ前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度がより低い場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)から切り離すよう設計された第2のオーバーランニングクラッチ(8)と、
前記第3のスロット付きホイール(6)の回転速度を測定するよう設計された第3の回転速度計(13)と、
を有し、
前記制御装置(14)が、前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い前記第3のシャフト部(3)の回転速度において、および前記第3のシャフト部(3)の回転速度より低い前記第2のシャフト部(2)の回転速度において、前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の角度差を決定し、所定の第2の目標連結角度で前記第2のシャフト部(2)が第3のシャフト部(3)と結合するように、前記第2のスロット付きホイール(5)および前記第3のスロット付きホイール(6)の測定された回転速度および前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の前記角度差に基づいて決定された第2の加速値で前記第2のターボ機械および/または前記第3のターボ機械を加速するよう設計されている、請求項1に記載のターボ機械トレイン。
【請求項3】
前記制御装置(14)は、前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度の1/5より低い前記第2のシャフト部(2)の回転速度で前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)に目標連結角度で連結するよう設計され、および/または前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度の1/5より低い前記第3のシャフト部(3)の回転速度で前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)に目標連結角度で連結するよう設計されている、請求項1または2に記載のターボ機械トレイン。
【請求項4】
前記スロット付きホイール(4〜6)がフランクによって区切られた多数のスロットを有し、かつ前記回転速度計(11〜13)は、それぞれの回転速度を測定するために前記フランクを検知するよう設計されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボ機械トレイン。
【請求項5】
前記制御装置(14)は、それぞれのターボ機械の加速中に新しい角度差を決定し、かつそれぞれの目標連結角度が達成されるように、新たに測定された回転速度および新しい角度差に基づいて決定された新しい加速値で前記それぞれのターボ機械を加速するよう設計されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のターボ機械トレイン。
【請求項6】
ターボ機械トレイン(9)を連結する方法であって、前記ターボ機械トレイン(9)は、
第1のターボ機械、および第1のシャフト部(1)に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイール(4) を有する第1のシャフト部(1)と、
第2のターボ機械、および第2のシャフト部(2)に固定的に取り付けられた第2のスロット付きホイール(5)を有する第2のシャフト部(2)と、
前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度と等しい場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)に連結し、かつ前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度より低い場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)から切り離すよう設計された第1のオーバーランニングクラッチ(7)と、
を有し、
前記方法は、
a)前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い回転速度で前記第2のシャフト部(2)を回転するステップ、および前記第2のシャフト部(2)の回転速度より低い回転速度で前記第1のシャフト部(1)を回転するステップと、
b)前記第1のスロット付きホイール(4)および前記第2のスロット付きホイール(5)の回転速度を測定するステップと、
c)前記第1のシャフト部(1)および前記第2のシャフト部(2)の間の角度差を測定するステップと、
d)2つのシャフト部(1,2)を所定の目標連結角度で相互連結するように、測定された回転速度および前記角度差に基づいて決定された加速値で前記第1のターボ機械および/または前記第2のターボ機械を加速するステップと
を有し、
前記スロット付きホイール(4〜6)が前記ターボ機械トレイン(9)の外周に沿って不均一に分布して配置された多数のスロットを有し、および不均一に分布した前記スロットを参照することによって2つの隣接するシャフト部(1〜3)の間の角度差が決定される、方法。
【請求項7】
前記ターボ機械トレイン(9)が、
第3のターボ機械、および第3のシャフト部(3)に固定的に取り付けられた第3のスロット付きホイールを有する第3のシャフト部(3)と、
前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度と等しい場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)に連結し、かつ前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度がより低い場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)から切り離すよう設計された第2のオーバーランニングクラッチ(8)と、
を有し、
前記方法が
a1)前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い回転速度で前記第3のシャフト部(3)を回転するステップ、および前記第3のシャフト部(3)の回転速度より低い回転速度で前記第2のシャフト部(2)を回転するステップと、
b1)前記第3のスロット付きホイール(6)の回転速度を測定するステップと、
c1)前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の角度差を測定するステップと、
d1)2つの前記シャフト部(2,3)を所定の第2目標連結角度で相互連結するように、前記第2のスロット付きホイール(5)および前記第3のスロット付きホイール(6)の測定された回転速度および前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の前記角度差に基づいて決定された加速値で前記第2のターボ機械および/または前記第3のターボ機械を加速するステップと、
を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップa)における前記第2のシャフト部(2)および/またはステップa1)における前記第3のシャフト部(3)が前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度の1/5より低い回転速度で回転する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記スロット付きホイール(4〜6)がフランクによって区切られた多数のスロットを有し、それぞれの回転速度を測定するために前記フランクが検知される、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ターボ機械トレイン(9)の始動中、および/または前記ターボ機械トレイン(9)のシャットダウン中に少なくとも1つの前記シャフト部(1,2)が前記ターボ機械トレイン(9)の残りから分離される場合に、前記方法が実行される、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップd)および/またはステップd1)において、それぞれのターボ機械の加速中に新しい角度差が決定され、およびそれぞれの目標連結角度が達成されるように、新たに測定された回転速度および新しい角度差に基づいて決定された新しい加速値で前記それぞれのターボ機械が加速される、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えば発電所などのターボ機械を備えたターボ機械トレインは、ターボ機械トレインの回転中に振動を生成するように励起される。しかし、ターボ機械トレインの振動は、その寿命を短くするため不利である。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械トレインは、クラッチを用いてシャフト部に分割することができ、シャフト部は、分離状態において互いに独立して回転し、連結状態で一緒に回転することができる。例えば、一方のシャフト部がガスタービンを有し、他方のシャフト部の蒸気タービンをその廃熱で駆動することができる。ガスタービンの始動時には、蒸気タービンを駆動するための十分な廃熱はまだない。蒸気タービンの内部の通気を防止するために、従来、蒸気タービンを有するシャフト部がガスタービンを有するシャフト部の回転速度まで加速されたときにのみ、2つのシャフト部は、相互連結されていた。蒸気火力発電所では、例えば、蒸気タービンを有する2つのシャフト部を、クラッチを用いて連結および分離することもできる。蒸気火力発電所の発熱により大量の蒸気を抽出する場合、シャフト部を切り離して、2つの蒸気タービンの一方を蒸気の貫流にさらす必要がないようにすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ターボ機械の振動挙動は、2つのシャフト部の連結角度に依存することが証明されている。良好な振動挙動を持つ目標の連結角度をより正確に導入することができれば、ターボ機械の振動が少なくなる。
【0004】
従って、本発明の目的は、2つのシャフト部の所望の目標の連結角度が確実かつ高精度に達成される2つのシャフト部を連結する方法を創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるターボ機械トレインは、第1のターボ機械、および第1のシャフト部に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイールを有する第1のシャフト部と、第2のターボ機械、および第2のシャフト部に固定的に取り付けられた第2のスロット付きホイールを有する第2のシャフト部と、第1のシャフト部の回転速度が第2のシャフト部の回転速度に等しい場合に第1のシャフト部を第2のシャフト部に連結するように、かつ第1のシャフト部の回転速度が第2のシャフト部の回転速度よりも低い場合に第2のシャフト部から第1のシャフトを切り離すように設計された第1のオーバーランニングクラッチと、第1のスロット付きホイールの回転速度を測定するよう設計された第1の回転速度計と、第2のスロット付きホイールの回転速度を測定する第2の回転速度計と、ターボ機械の公称回転速度よりも低い第2のシャフト部の回転速度において、および第2のシャフト部の回転速度よりも低い第1のシャフト部の回転速度において第1のシャフト部と第2のシャフト部との角度差を決定するよう設計され、かつ2つのシャフト部が所定の目標連結角度で相互連結するように、測定された回転速度および角度差に基づいて決定された加速値で第1のターボ機械および/または第2のターボ機械を加速するよう設計された制御装置と、有する。
【0006】
ターボ機械トレインを連結するための本発明の方法は、ターボ機械トレインが、第1のターボ機械、および第1のシャフト部に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイールを有する第1のシャフト部と、第2のターボ機械、および第2のシャフト部に固定的に取り付けられた第2のスロット付きホイールを有する第2のシャフト部、第1のシャフト部の回転速度と第2のシャフト部の回転速度とが等しい場合に、第1のシャフト部を第2のシャフト部に連結し、かつ第1のシャフト部の回転速度が第2のシャフト部の回転速度より低い場合に第2のシャフト部から第1のシャフト部を切り離すように設計された第1のオーバーランニングクラッチと、を備え、a)ターボ機械トレインの公称回転速度よりも低い回転速度で第2のシャフト部を回転し、第2のシャフト部の回転速度よりも低い回転速度で第1のシャフト部を回転させるステップと、b)第1のスロット付きホイールおよび第2のスロット付きホイールの回転速度を測定するステップと、c)第1のシャフト部と第2のシャフト部との間の角度差を測定するステップと、d)2つのシャフト部が所定の目標連結角度で相互連結するように、測定された回転速度および角度差に基づいて決定された加速値で第1のターボ機械および/または第2のターボ機械を加速するステップと、を有する。
【0007】
スロット付きホイールはそれぞれのシャフト部に固定的に接続されているため、スロット付きホイールの測定された回転速度は、それぞれのスロット付きホイールに固定的に接続されたシャフト部の回転速度と同じである。2つのスロット付きホイールの測定された回転速度と角度差に基づいて、加速値を計算することができ、それに基づいて2つのシャフト部が所定の目標連結角度で相互連結される。スロット付きホイールの回転数を測定した結果として、スロット付きホイールのスロット数が多いため、シャフト部の回転速度を高精度に求めることができる。これは特に、ターボ機械トレインの公称回転速度よりも低い低回転速度に適用される。回転速度の精度が高いことから、加速値も高い精度で確立することができ、その結果、2つのシャフト部の目標連結角度を確実に高い精度で達成することができる。
【0008】
加速値は、正および負の両方であり、これは、それぞれのシャフト部のより速い回転およびより遅い回転を意味することができる。この場合、2つのシャフト部を連結するために、第1のシャフト部をより速く回転させることができ、および/または第2のシャフト部をよりゆっくりと回転させることができる。第1のシャフト部をより速く回転させ、第2のシャフト部をよりゆっくりと回転させた場合、2つの加速値、各シャフト部ごとに1つの値が計算される。
【0009】
スロット付きホイールは、ターボ機械トレインの円周に沿って不均一に分布して配置された多数のスロットを有し、制御装置は、不均一に分布したスロットを参照することによって、2つの隣接するシャフト部間の角度差を決定するように設計される。その結果、特に簡単な方法で角度差を求めることができる。特に、各シャフト部に別のマーキングを付けることで、それを基準に角度差を決定する必要はない。
【0010】
ターボ機械トレインは、第3のターボ機械および第3のシャフト部に固定的に取り付けられた第3のスロット付きホイールを有する第3のシャフト部と、第2のシャフト部の回転速度が第3のシャフト部の回転速度と等しい場合に第2のシャフト部を第3のシャフト部に連結し、第2のシャフト部の回転速度が第3のシャフト部の回転速度よりも低い場合に第2のシャフト部を第3のシャフト部から切り離すように設計された第2のオーバーランニングクラッチと、第3のスロット付きホイールの回転速度を測定するように設計された第3の回転速度計とを有することが好ましく、制御装置は、ターボ機械トレインの公称回転速度よりも低い第3のシャフト部の回転速度で、および第3のシャフト部の回転速度よりも低い第2のシャフト部の回転速度において、第2のシャフト部と第3のシャフト部との間の角度差を決定するように設計され、第2のシャフト部を所定の第2の目標連結角度で第3のシャフト部に連結するように、第2のスロット付きホイールおよび第3のスロット付きホイールの測定された回転速度、および第2のシャフト部と第3のシャフト部との間の角度差に基づいて決定された第の加速値で第2のターボ機械および/または第3ターボ機械を加速するよう設計されている。
【0011】
第1および第2のシャフト部の連結について説明したことは、第2および第3のシャフト部の連結にも同様に当てはまる。
【0012】
ターボ機械トレインの公称回転速度の1/5よりも低い第2のシャフト部の回転速度において、制御装置は、好ましくは、第1のシャフト部を第2のシャフト部に連結するように設計され、かつ/またはターボ機械トレインの公称回転速度の1/5よりも低い第3のシャフト部の回転速度において、第2のシャフト部を第3のシャフト部にそれぞれの目標連結角度で連結するよう設計されている。このような低回転速度では、回転速度を高精度に測定することができ、その結果、それぞれの目標連結角度を高精度に達成することができる。
【0013】
スロット付きホイールは、好ましくは、フランクによって区切られた多数のスロットを有し、それぞれの回転速度を測定するために、回転速度計はフランクを検出するように設計されている。フランクを検出することにより、スロット付きホイールの回転速度を、特に高い精度で有利に測定することができる。
【0014】
制御装置は、それぞれのターボ機械の加速中に、新しい角度差を決定し、新しく測定された回転速度および新しい角度差に基づいて決定された新しい加速値で各ターボ機械を加速するように設計されることが好ましいく、それぞれの目標連結角度が達成される。その結果、目標連結角度が達成できる精度をさらに高めることができる。この場合、新しい加速値は、繰り返し、または連続的に決定することもできる。
【0015】
ターボ機械トレインは、好ましくは、第3のターボ機械、および第3のシャフト部に固定的に取り付けられた第3のスロット付きホイールを有する第3のシャフト部と、第2のシャフト部の回転速度が第3のシャフト部の回転速度と等しい場合に第2のシャフト部を第3のシャフト部に連結し、第2のシャフト部の回転速度が第3のシャフト部の回転速度より低い場合に第2のシャフト部を第3のシャフト部から切り離すよう設計された第2のオーバーランニングクラッチと、を有し、方法は、好ましくは、a1)ターボ機械トレインの公称回転速度よりも低い回転速度で第3のシャフト部を回転させ、第3のシャフト部の回転速度よりも低い回転速度で第2のシャフト部を回転させるステップ、b1)第3のスロット付きホイールの回転速度を測定するステップ、c1)第2のシャフト部と第3のシャフト部との間の角度差を測定するステップ、d1)2つのシャフト部が所定の第2の目標連結角度で相互連結するように、第2のスロット付きホイールおよび第3のスロット付きホイールの測定された回転速度および第2のシャフト部と第3のシャフト部との間の角度差に基づいて決定された加速値で第2のターボ機械および/または第3のターボ機械を加速するステップを特徴とする。
【0016】
ステップa)における第2のシャフト部および/またはステップa1)における第3のシャフト部は、好ましくは、ターボ機械トレインの公称回転速度の1/5よりも低い回転速度で回転される。
【0017】
スロット付きホイールは、好ましくは、フランクによって区切られた多数のスロットを有し、それぞれの回転速度を測定するために、フランクが感知されることが好ましい。スロット付きホイールは、ターボ機械トレインの円周に沿って不均一に分布して配置された多数のスロットを有し、2つの隣接するシャフト部間の角度差は、不均一に分布したスロットを参照することによって決定される。
【0018】
この方法は、ターボ機械の始動中および/またはガスタービントレインの停止中に少なくとも1つのシャフト部がターボ機械トレインの残りから切り離された場合に実施されることが好ましい。ステップd)および/またはd1)において、各ターボ機械の加速中に新たな角度差が決定され、それぞれの目標連結角度が達成されるように、新しく測定された回転および新たな角度差に基づいて決定された新しい加速値でそれぞれのターボ機械が加速されることが好ましい。この場合、ステップd)の前にステップd)が実行されるか、又はステップd)を行う前にステップd1)が実行される。
【0019】
以下の文章では、本発明を添付の概略図を参照してより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この図から明らかなように、ターボ機械トレイン9は、第1のシャフト部1と第2のシャフト部2とを有する。第1のシャフト部1は、第1のターボ機械(図示せず)と、第1のシャフト部1に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイール4とを有する。第2のシャフト部2は、第2のターボ機械(図示せず)と、第2のシャフト部2に固定的に取り付けられた第2のスロット付きホイール5とを有する。例えば、第1のターボ機械と第2のターボ機械はいずれも蒸気タービンとすることができる。ターボ機械トレイン9は、第1のシャフト部1と第2のシャフト部2との間に配置された第1のオーバーランニングクラッチ7を有し、第1のオーバーランニングクラッチ7は、第1のシャフト部1の回転速度が第2のシャフト部2の回転速度と等しい場合に第1のシャフト部を第2のシャフト部に連結し、第1のシャフト部1の回転速度が第2のシャフト部2の回転速度より低い場合に第1のシャフト部1を第2のシャフト部2から切り離すよう設計されている。
【0022】
ターボ機械トレイン9は、第1のスロット付きホイール4の回転速度を測定するように設計された第1の回転速度計11を有し、第1のスロット付きホイール4が第1のシャフト部1に固定的に取り付けられているため、第1のシャフト部1の回転速度も測定することができる。
【0023】
ターボ機械トレイン9は、第2のスロット付きホイール5の回転速度を測定するように設計された第2の回転速度計12を有し、第2のスロット付きホイール5が第2のシャフト部2に固定的に取り付けられているため、第2のシャフト部2の回転速度も測定することができる。
【0024】
ターボ機械トレイン9は、ターボ機械トレイン9の公称回転速度よりも低い第2のシャフト部の2の回転速度における、および第2のシャフト部2の回転速度よりも低い第1のシャフト部1の回転速度における、第1のシャフト部1と第2のシャフト部2との間の角度差を決定するように設計された制御装置14を有し、制御装置14は、2つのシャフト部1,2が所定の目標連結角度で連結するように、測定された回転速度および角度差に基づいて決定された加速値で第1のターボ機械および/または第2のターボ機械を加速するよう設計されている。この目的のために、ターボ機械トレイン9は、第1の回転速度計11によって測定された回転速度を制御装置14に伝達するための第1の信号ライン15と、第2の回転速度計12によって測定された回転速度を制御装置14に伝達するための第2の信号ライン16と、第3の回転速度計13によって測定された回転速度を制御装置14に伝達するための第3の信号ライン17とを備えている。さらに、ターボ機械トレイン9は、各シャフト部1〜3の回転速度を制御する制御ライン18を有する。例えば、ターボ機械の質量流量は、制御ライン18によって制御することができる。
【0025】
目標連結角度は、この場合、連結されたシャフト部1,2の動作中の振動ができるだけ小さくなるように予め決定されている。この目的のために、例えば、異なる目標連結角度に対する振動が特に有限要素法によってコンピュータによって決定され、次いで、ターボ機械トレイン9の最低引張り荷重が生じる目標連結角度が選択される。振動は異なる目標連結角度で実験的に決定され、最小引張り荷重が発生する目標連結角度が選択された実験データからも考えられる。
【0026】
この図から明らかなように、ターボ機械トレイン9は、第3のシャフト部3を有している。第3のシャフト部3は、発電機10と、第3のターボ機械(図示せず)と、第3のシャフト部3に固定的に取り付けられた第3のスロット付きホイール6とを有する。例えば、第3のターボ機械は、ガスタービンとすることができる。ターボ機械トレイン9は、第2のシャフト部2と第3のシャフト部3との間に配置された第2のオーバーランニングクラッチ8を有し、第2のオーバーランニングクラッチ8は、第2のシャフト部2の回転速度が第3のシャフト部3の回転速度と等しい場合に第2のシャフト部2と第3のシャフト部3とを連結し、第2のシャフト部2の回転速度が第3のシャフト部3の回転速度より低い場合に第2のシャフト部2を第3のシャフト部3から切り離すよう設計されている。ターボ機械トレイン9は、第3のスロット付きホイール6の回転速度を測定するために設計された第3の回転速度計13を有し、第3のスロット付きホイール6が第3のシャフト部3に固定的に取り付けられているため、第3のシャフト部3の回転速度も測定することができる。制御装置14は、ターボ機械トレイン9の公称回転速度よりも低い第3のシャフト部3の回転速度において、および第3のシャフト部3の回転速度よりも低い第2のシャフト部2の回転速度において、第2のシャフト部2と第3のシャフト部3との間の角度差を決定するように設計されており、第2のシャフト部2が第3のシャフト部3と所定の第2の目標連結角度で連結されるように、測定された第2のスロット付きホイール5および第3のスロット付きホイール6の回転速度および第2のシャフト部2と第3のシャフト部3との間の角度差に基づいて決定された第2の加速値で第2のターボ機械および/または第3のターボ機械を加速するよう設計されている。この場合、第2の目標連結角度は、目標連結角度と同様の方法で決定することができる。
【0027】
例えば、2極発電機の場合の公称回転速度は、グリッド周波数、例えば50Hzまたは60Hzである。これに対応して、4極発電機の場合の公称回転速度は、グリッド周波数の半分、例えば25Hzまたは30Hzである。
【0028】
制御装置は、ターボ機械トレイン9の公称回転速度の1/5より低い第2のシャフト部2の回転速度で、第1のシャフト部1を第2のシャフト部2に連結するように、かつ/またはターボ機械トレイン9の公称回転速度の1/5よりも低い第3のシャフト部3の回転速度で、第2のシャフト部2を第3のシャフト部3にそれぞれの目標連結角度で連結するよう設計されている。公称回転速度は、例えば、45Hz〜85Hzとすることができる。ターボ機械トレインが始動する場合には、特に第2のシャフト部2の回転速度が1Hz〜5Hzの間で、第1のシャフト部1は、第2のシャフト部2に連結される。ターボ機械トレインが止まる場合には、特に、第2のシャフト部2の公称回転速度が1Hz〜10Hzの間で、第1のシャフト部1は、第2のシャフト部2に連結される。ターボ機械トレインが始動する場合には、特に、第3のシャフト部3の回転速度が1Hz〜5Hzの間で、第2のシャフト部2は、第3のシャフト部3に連結される。ターボ機械トレインが止まる場合には、特に、第3のシャフト部3の回転速度が1Hz〜10Hzで、第2のシャフト部2は、第3のシャフト部3に連結される。
【0029】
スロット付きホイール4〜6は、フランクによって区切られた多数のスロットを有し、回転速度計11〜13は、それぞれの回転速度を測定するためにフランクを検知するように設計されている。フランクは基本的に半径方向に伸びることができる。その結果、フランクを特に高い信号勾配で検出することができ、その結果回転速度を特に高い精度で測定することができる。
【0030】
スロット付きホイール4〜6は、ターボ機械トレイン9の円周に沿って不均一に分布して配置された多数のスロットを有し、制御装置14は、不均一に分布したスロットを参照することによって、隣接する2つのシャフト部1〜3の角度差を決定するよう設計されている。例えば、不均一な分布のために、少なくとも1つのスロットを省略することができまる。残りのスロットとは異なる、ターボ機械トレインの周方向の幅を有する少なくとも1つのスロットを設けることもできる。また、残りの隣接スロットの対とは異なる周方向の幅を有する少なくとも1対の隣接スロットの間隔を設計することが可能である。例えば、スロット付きホイール4〜6それぞれに対して45〜75のスロットを設けることができる。
【0031】
制御装置は、それぞれのターボ機械の加速中に新しい角度差を決定し、それぞれの目標連結角度が達成されるように、新しく測定された回転速度および新しい角度差に基づいて決定される新しい加速値で各ターボ機械を加速するように設計される。
【0032】
一例として、第1のターボ機械、および第1のシャフト部1に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイール4を有する第1のシャフト部1と、第2のターボ機械、および第2のシャフト部2に固定的に取り付けられた第2のシャフト部2と、第1のシャフト部1の回転速度が第2のシャフト部2の回転速度と等しい場合に第1のシャフト部1と第2のシャフト部2とを連結し、第1のシャフト部1の回転速度が第2のシャフト部2の回転速度よりも低い場合に、第1のシャフト部1を第2のシャフト部2から切り離すよう設計された第1のオーバーランニングクラッチ7とを有するターボ機械9を連結する方法は、以下のステップによって実行される。a)特に45Hz〜85Hzの間であるターボ機械トレインの公称回転速度よりも低い回転速度、特に1Hz〜10Hzの回転速度で第2のシャフト部2を回転させるステップと、第2のシャフト部2の回転速度よりも低い回転速度で第1のシャフト部1を回転させるステップ、b)第1のスロット付きホイール4および第2のスロット付きホイール5の回転速度を測定するステップであって、スロット付きホイール4〜6は、特に45〜75の多数のスロットを有し、これらのスロットは、基本的に半径方向に延びるフランクによって画定され、フランクは、それぞれの回転速度を測定するために検知される。c)第1のシャフト部1と第2のシャフト部2との間の角度差を測定するステップであって、スロットは、ターボ機械トレイン9の円周に沿って不均一に分布して配置され、角度差は、不均一に分布されたスロットを参照することによって決定される。d)2つのシャフト部1,2が所定の目標連結角度で相互連結されるように、測定された回転速度および角度差に基づいて決定される加速値で第1のターボ機械および/または第2のターボ機械を加速するステップであって、ターボ機械の加速中に新しい角度差が決定され、目標連結角度が達成されるように、新しく測定された回転速度および新しい角度差に基づいて決定される新しい加速値でそれぞれのターボ機械が加速される。
【0033】
本発明は、好ましい例示的な実施形態によって完全に図示され、説明されたが、本発明は、開示された実施例によって限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、これらから当業者は他の変形例を導くことができるだろう。
【符号の説明】
【0034】
1 第1のシャフト部
2 第2のシャフト部
3 第3のシャフト部
4 第1のスロット付きホイール
5 第2のスロット付きホイール
6 第3のスロット付きホイール
7 第1のオーバーランニングクラッチ
8 第2のオーバーランニングクラッチ
9 ターボ機械トレイン
10 発電機
11 第1の回転速度計
12 第2の回転速度計
13 第3の回転速度計
14 制御装置
15 第1の信号ライン
16 第2の信号ライン
17 第3の信号ライン
18 制御ライン
【手続補正書】
【提出日】2019年1月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械トレインであって、前記ターボ機械トレインは、
第1のターボ機械、および第1のシャフト部(1)に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイール(4)を有する第1のシャフト部(1)と、
第2のターボ機械、および第2のシャフト部(2)に固定的に取り付けられた第2のスロット付きホイール(5)を有する第2のシャフト部(2)と、
前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度と等しい場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)に連結し、かつ前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度より低い場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)から切り離すよう設計された第1のオーバーランニングクラッチ(7)と、
前記第1のスロット付きホイール(4)の回転速度を測定するよう設計された第1の回転速度計(11)と、前記第2のスロット付きホイール(5)の回転速度を測定するよう設計された第2の回転速度計(12)と、前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い前記第2のシャフト部(2)の回転速度において、および前記第2のシャフト部(2)の前記回転速度より低い前記第1のシャフト部(1)の回転速度において、前記第1のシャフト部(1)および前記第2のシャフト部(2)の間の角度差を決定し、2つのシャフト部(1,2)が所定の目標連結角度で相互連結するように、測定された回転速度および前記角度差に基づいて決定された加速値で前記第1のターボ機械および/または前記第2のターボ機械を加速するよう設計された制御装置(14)と、を備え、
前記スロット付きホイール(4〜6)は、前記ターボ機械トレイン(9)の外周に沿って不均一に分布して配置された多数のスロットを有し、前記制御装置(14)は、不均一に分布した前記スロットを参照することによって2つの隣接するシャフト部(1〜3)の間の角度差を決定するよう設計されている、ターボ機械トレイン。
【請求項2】
前記ターボ機械トレイン(9)が、
第3のターボ機械、および第3のシャフト部(3)に固定的に取り付けられた第3のスロット付きホイールを有する第3のシャフト部(3)と、
前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度と等しい場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)に連結し、かつ前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度がより低い場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)から切り離すよう設計された第2のオーバーランニングクラッチ(8)と、
前記第3のスロット付きホイール(6)の回転速度を測定するよう設計された第3の回転速度計(13)と、
を有し、
前記制御装置(14)が、前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い前記第3のシャフト部(3)の回転速度において、および前記第3のシャフト部(3)の回転速度より低い前記第2のシャフト部(2)の回転速度において、前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の角度差を決定し、所定の第2の目標連結角度で前記第2のシャフト部(2)が第3のシャフト部(3)と結合するように、前記第2のスロット付きホイール(5)および前記第3のスロット付きホイール(6)の測定された回転速度および前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の前記角度差に基づいて決定された第2の加速値で前記第2のターボ機械および/または前記第3のターボ機械を加速するよう設計されている、請求項1に記載のターボ機械トレイン。
【請求項3】
前記制御装置(14)は、前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度の1/5より低い前記第2のシャフト部(2)の回転速度で前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)に目標連結角度で連結するよう設計され、および/または前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度の1/5より低い前記第3のシャフト部(3)の回転速度で前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)に目標連結角度で連結するよう設計されている、請求項2に記載のターボ機械トレイン。
【請求項4】
前記スロット付きホイール(4〜6)がフランクによって区切られた多数のスロットを有し、かつ前記回転速度計(11〜13)は、それぞれの回転速度を測定するために前記フランクを検知するよう設計されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボ機械トレイン。
【請求項5】
前記制御装置(14)は、それぞれのターボ機械の加速中に新しい角度差を決定し、かつそれぞれの目標連結角度が達成されるように、新たに測定された回転速度および新しい角度差に基づいて決定された新しい加速値で前記それぞれのターボ機械を加速するよう設計されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のターボ機械トレイン。
【請求項6】
ターボ機械トレイン(9)を連結する方法であって、前記ターボ機械トレイン(9)は、
第1のターボ機械、および第1のシャフト部(1)に固定的に取り付けられた第1のスロット付きホイール(4) を有する第1のシャフト部(1)と、
第2のターボ機械、および第2のシャフト部(2)に固定的に取り付けられた第2のスロット付きホイール(5)を有する第2のシャフト部(2)と、
前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度と等しい場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)に連結し、かつ前記第1のシャフト部(1)の回転速度が前記第2のシャフト部(2)の回転速度より低い場合に前記第1のシャフト部(1)を前記第2のシャフト部(2)から切り離すよう設計された第1のオーバーランニングクラッチ(7)と、
を有し、
前記方法は、
a)前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い回転速度で前記第2のシャフト部(2)を回転するステップ、および前記第2のシャフト部(2)の回転速度より低い回転速度で前記第1のシャフト部(1)を回転するステップと、
b)前記第1のスロット付きホイール(4)および前記第2のスロット付きホイール(5)の回転速度を測定するステップと、
c)前記第1のシャフト部(1)および前記第2のシャフト部(2)の間の角度差を測定するステップと、
d)2つのシャフト部(1,2)を所定の目標連結角度で相互連結するように、測定された回転速度および前記角度差に基づいて決定された加速値で前記第1のターボ機械および/または前記第2のターボ機械を加速するステップと
を有し、
前記スロット付きホイール(4〜6)が前記ターボ機械トレイン(9)の外周に沿って不均一に分布して配置された多数のスロットを有し、および不均一に分布した前記スロットを参照することによって2つの隣接するシャフト部(1〜3)の間の角度差が決定される、方法。
【請求項7】
前記ターボ機械トレイン(9)が、
第3のターボ機械、および第3のシャフト部(3)に固定的に取り付けられた第3のスロット付きホイールを有する第3のシャフト部(3)と、
前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度と等しい場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)に連結し、かつ前記第2のシャフト部(2)の回転速度が前記第3のシャフト部(3)の回転速度がより低い場合に前記第2のシャフト部(2)を前記第3のシャフト部(3)から切り離すよう設計された第2のオーバーランニングクラッチ(8)と、
を有し、
前記方法が
a1)前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度より低い回転速度で前記第3のシャフト部(3)を回転するステップ、および前記第3のシャフト部(3)の回転速度より低い回転速度で前記第2のシャフト部(2)を回転するステップと、
b1)前記第3のスロット付きホイール(6)の回転速度を測定するステップと、
c1)前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の角度差を測定するステップと、
d1)2つの前記シャフト部(2,3)を所定の第2目標連結角度で相互連結するように、前記第2のスロット付きホイール(5)および前記第3のスロット付きホイール(6)の測定された回転速度および前記第2のシャフト部(2)および前記第3のシャフト部(3)の間の前記角度差に基づいて決定された加速値で前記第2のターボ機械および/または前記第3のターボ機械を加速するステップと、
を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップa)における前記第2のシャフト部(2)および/またはステップa1)における前記第3のシャフト部(3)が前記ターボ機械トレイン(9)の公称回転速度の1/5より低い回転速度で回転する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スロット付きホイール(4〜6)がフランクによって区切られた多数のスロットを有し、それぞれの回転速度を測定するために前記フランクが検知される、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ターボ機械トレイン(9)の始動中、および/または前記ターボ機械トレイン(9)のシャットダウン中に少なくとも1つの前記シャフト部(1,2)が前記ターボ機械トレイン(9)の残りから分離される場合に、前記方法が実行される、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップd)および/またはステップd1)において、それぞれのターボ機械の加速中に新しい角度差が決定され、およびそれぞれの目標連結角度が達成されるように、新たに測定された回転速度および新しい角度差に基づいて決定された新しい加速値で前記それぞれのターボ機械が加速される、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】