特表2019-514210(P2019-514210A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-514210半導体ウエハの洗浄方法及び洗浄装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-514210(P2019-514210A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(54)【発明の名称】半導体ウエハの洗浄方法及び洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20190510BHJP
【FI】
   H01L21/304 648G
   H01L21/304 643D
   H01L21/304 642E
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2018-552004(P2018-552004)
(86)(22)【出願日】2016年4月6日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月29日
(86)【国際出願番号】CN2016078510
(87)【国際公開番号】WO2017173588
(87)【国際公開日】20171012
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン フゥイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン フーファ
(72)【発明者】
【氏名】チェン フーピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シー
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン シァオイェン
(72)【発明者】
【氏名】ジン イーヌォ
(72)【発明者】
【氏名】ジャ ヂャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シェ リァンヂー
(72)【発明者】
【氏名】リー シュェジュン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA09
5F157AB02
5F157AB03
5F157AB13
5F157AB33
5F157AB34
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC13
5F157BB01
5F157BB11
5F157BB73
5F157BB79
5F157CD05
5F157CD06
5F157CD11
5F157CD24
5F157CD33
5F157CE05
5F157CE06
5F157CE21
5F157CE36
5F157CF06
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF50
5F157CF52
5F157DA21
5F157DB01
(57)【要約】
超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板上のパターン構造に損傷を与えることなく前記半導体基板を洗浄する方法であって、前記基板と前記超音波/高周波超音波装置との間の空間に液体を塗布し、前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、前記超音波/高周波超音波装置を駆動し、前記液体において、前記基板上の前記パターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定し、電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出、または、前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出し、検出された前記電源オン期間を既定期間τと比較、または、検出された前記電源オフ期間を既定期間τと比較、または、検出された各波形の振幅を既定値と比較し、検出された電源オン期間が既定期間τより長い場合、または、検出された前記電源オフ期間が前記既定期間τより短い場合、または、前記検出された振幅の波形に、前記既定値より大きい振幅の波形がある場合、前記超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波/高周波超音波装置を用いて基板上のパターン構造に損傷を与えることなく前記基板を洗浄する方法であって、
前記基板と前記超音波/高周波超音波装置との間の空間に液体を塗布し、
前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、前記超音波/高周波超音波装置を駆動し、
前記液体において、前記基板上の前記パターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、
気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定し、
電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出し、
検出された電力Pおよび周波数fの前記電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オン期間が前記既定期間τより長い場合、前記超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、
検出された前記電源オフ期間を前記既定期間τと比較し、検出された前記電源オフ期間が前記既定期間τより短い場合、前記超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、
前記基板が洗浄されるまで上記のステップを繰り返すことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出するステップは、
前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を減衰させるステップと、
前記振幅が減衰される正弦波を矩形波に変換するステップと、
前記電源オン期間のパルス信号を高レベル信号に変換し、前記電源オフ期間の低レベル信号を維持するステップと、
前記既定期間τ及び既定期間τと比較するための高レベル及び低レベルの期間を測定するステップとを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
減衰率は、5〜100の範囲で設定されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
実際の電源オン期間はτ−τと等しく、τは高レベルの測定時間であり、τは前記超音波/高周波超音波電源が停止後、超音波/高周波超音波電源が数回振動する期間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
検出された電力Pおよび周波数fの前記電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オン期間が前記既定期間τより長い場合、前記超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、
実際の電源オン期間を前記既定期間τと比較し、実際の前記電源オン期間が前記既定期間τより長い場合、前記超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
超音波/高周波超音波装置を用いて基板上のパターン構造に損傷を与えることなく前記基板を洗浄する方法であって、
前記基板と前記超音波/高周波超音波装置との間の空間に液体を塗布し、
前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、前記超音波/高周波超音波装置を駆動し、
前記液体において、前記基板上の前記パターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、
気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、その超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定し、
前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出し、
各波形の検出された前記振幅と、通常運転時の波形の振幅より大きな既定値とを比較し、前記検出された振幅の波形に、既定値より大きい振幅の波形がある場合、前記超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、
前記基板が洗浄されるまで上記のステップを繰り返すことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を減衰させるステップと、
アナログDC基準電圧Vref+とVref−を取得するステップと、
減衰振幅VinをアナログDC基準電圧Vref+とVref−とを比較して、減衰振幅Vinが基準電圧Vref+、Vref−を超える場合、超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信するステップとを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する装置であって、
前記半導体基板を保持するチャックと、
前記半導体基板に隣接して配置される前記超音波/高周波超音波装置と、
前記半導体基板と、前記半導体基板と前記超音波/高周波超音波装置との間の隙間に薬液を噴射する少なくとも一つのノズルと、
超音波/高周波超音波電源と、
前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、前記超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、前記半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定するホストコンピュータと、
電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出する検出システムとを備え、検出された電力Pおよび周波数fでの電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オン期間が前記既定期間τより長い場合、前記検出システムが前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信し、前記ホストコンピュータが、前記アラーム信号を受信して前記超音波/高周波超音波電源を停止し、検出された前記電源オフ期間を既定期間τとを比較し、検出された前記電源オフ期間が前記既定期間τより短い場合、前記検出システムが前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信し、前記ホストコンピュータが、アラーム信号を受信して前記超音波/高周波超音波電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項9】
前記検出システムは、電圧減衰回路と、整形回路と、メイン制御部と、通信回路と、電力回路とを備えていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記電圧減衰回路が、前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を減衰させることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記電圧減衰回路の減衰率は5〜100の範囲に設定されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
波形が前記電圧減衰回路を通過すると、前記波形(正弦波)が前記整形回路に入力され、前記整形回路は、前記正弦波を矩形波に変換することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項13】
メイン制御部は、パルス変換モジュールと周期測定モジュールとを備えており、前記パルス変換モジュールは、τ時間のパルス信号を高レベル信号に変換し、τ時間の低レベル信号はそのままに維持し、前記周期測定モジュールは、カウンタを使って前記高レベルおよび低レベルの時間を測定することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記メイン制御部は、測定された電源オン期間を既定期間τと比較し、前記測定された電源オン期間が前記既定期間τより長い場合、前記メイン制御部は前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信し、前記メイン制御部は、測定された電源オフ期間を既定期間τとを比較し、前記測定された電源オフ期間が前記既定期間τより短い場合、前記メイン制御部は前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項15】
実際の電源オン期間はτ−τであり、τは前記周期測定モジュールによって算出された時間であり、τは、前記ホストコンピュータが前記超音波/高周波超音波電源を停止した後、前記超音波/高周波超音波電源が数回振動する期間であり、前記メイン制御部は、前記実際の電源オン期間を前記既定期間τと比較し、前記実際の電源オン期間が前記既定期間τより長い場合、前記メイン制御部が前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記通信回路は、前記ホストコンピュータへのインタフェースとして確立されており、前記通信回路は、前記ホストコンピュータとのRS232/RS485シリアル通信を可能にしていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項17】
前記電力回路はDC15Vを目標電圧に変換することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項18】
前記超音波/高周波超音波装置はさらにノズルと結合され、前記半導体基板に隣接して配置されており、前記超音波/高周波超音波装置のエネルギーは、前記ノズルから液柱を通して前記半導体基板に伝達されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項19】
超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する装置であって、
前記半導体基板を保持するチャックと、
前記半導体基板に隣接して配置される前記超音波/高周波超音波装置と、
前記半導体基板と、前記半導体基板と前記超音波/高周波超音波装置との間の隙間に薬液を噴射する少なくとも一つのノズルと、
超音波/高周波超音波電源と、
前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、前記超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、前記半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定するホストコンピュータと、
前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出する検出システムとを備え、検出された各波形の振幅を既定値と比較し、前記検出された振幅の波形に、既定値より大きい振幅の波形がある場合、検出システムは、ホストコンピュータにアラーム信号を出力し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して超音波/高周波超音波電源を停止し、前記既定値は、通常の動作時の波形振幅よりも大きい値であることを特徴とする装置。
【請求項20】
前記検出システムは、電圧減衰回路と、振幅検出回路と、メイン制御部と、通信回路と、電力回路とを備えていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記電圧減衰回路が、前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を減衰させることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記振幅検出回路は、基準電圧生成回路と比較回路とを備えており、前記基準電圧生成回路は、メイン制御部からのデジタル入力を、アナログDC基準電圧Vref+、Vref−に変換し、前記比較回路は、電圧減衰回路から出力された減衰振幅Vinを基準電圧Vref+、Vref−と比較し、前記減衰振幅VinがアナログDC基準電圧Vref+とVref−を超える場合、前記振幅検出回路が前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信することを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記超音波/高周波超音波装置はさらにノズルと結合され、前記半導体基板に隣接して配置されており、前記超音波/高周波超音波装置のエネルギーは、前記ノズルから液柱を通して前記半導体基板に伝達されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項24】
超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する装置であって、
少なくとも一つの半導体基板を保持するカセットと、
前記カセットを保持するタンクと、
前記タンクの外壁に取り付けられた超音波/高周波超音波装置と、
前記半導体基板を浸漬するための前記タンク内に薬液を充填する少なくとも一つの注入口と、
前記超音波/高周波超音波電源と、
前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、前記超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、前記半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定するホストコンピュータと、
電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出する検出システムとを備え、検出された電力Pおよび周波数fでの電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オン期間が前記既定期間τより長い場合、前記検出システムが前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信し、前記ホストコンピュータが、前記アラーム信号を受信して前記超音波/高周波超音波電源を停止し、検出された前記電源オフ期間を既定期間τとを比較し、検出された前記電源オフ期間が前記既定期間τより短い場合、前記検出システムが前記ホストコンピュータにアラーム信号を送信し、前記ホストコンピュータが、アラーム信号を受信して前記超音波/高周波超音波電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項25】
前記検出システムは、電圧減衰回路と、整形回路と、メイン制御部と、通信回路と、電力回路とを備えていることを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する装置であって、
少なくとも一つの半導体基板を保持するカセットと、
前記カセットを保持するタンクと、
前記タンクの外壁に取り付けられた超音波/高周波超音波装置と、
前記半導体基板を浸漬するための前記タンク内に薬液を充填する少なくとも一つの注入口と、
前記超音波/高周波超音波電源と、
前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、前記超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、前記半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定するホストコンピュータと、
前記超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出する検出システムとを備え、検出された各波形の振幅を既定値と比較し、前記検出された振幅の波形に、既定値より大きい振幅の波形がある場合、検出システムは、ホストコンピュータにアラーム信号を出力し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して超音波/高周波超音波電源を停止し、前記既定値は、通常の動作時の波形振幅よりも大きい値であることを特徴とする装置。
【請求項27】
前記検出システムは、電圧減衰回路と、振幅検出回路と、メイン制御部と、通信回路と、電力回路とを備えていることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハの洗浄方法および洗浄装置に関し、より具体的には、洗浄工程において、超音波または高周波超音波装置(ultra or mega sonic device)によって生成される気泡キャビテーションを制御し、半導体ウエハ全体に安定した、または、制御されたキャビテーションを発生させることにより、半導体ウエハ上の微細粒子をデバイス構造に損傷を与えることなく効率的に除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、複数の異なる処理工程を経てトランジスタおよび相互接続要素を製造することによって、半導体ウエハ上に製造または加工される。近年トランジスタは、フィン電界効果トランジスタ(Fin Field Effect Transistor ;finFET)のように二次元から三次元に構築されるものがある。半導体ウエハに伴うトランジスタ端子同士を電気的に接続するために、半導体装置の一部として誘電材料に導電性(例えば、金属)のトレンチ、ビアホール(via)などが形成される。トレンチおよびビアホールは、トランジスタ間、および、半導体装置の内部回路と半導体装置の外部回路との電気信号および電力を接続する。
【0003】
半導体ウエハ上におけるfinFETおよび相互接続要素の形成工程では、例えばマスキング、エッチング、および、堆積工程を経て、所望の半導体装置の電子回路が形成される。特に、複数のマスキングおよびプラズマエッチング工程を行うことによって、トランジスタのフィンおよび/または相互接続要素のトレンチやビアホールとして機能する半導体ウエハの誘電層に、finFETおよび/または陥凹領域のパターンを形成することができる。ポストエッチングまたはフォトレジストアッシングにおいて、フィン構造および/またはトレンチやビアホールにおける粒子および異物を除去するために、湿式洗浄工程が必要となる。特に装置製造ノードが14nmまたは16nm、或いは、それ以上移動する場合に、フィンおよび/またはトレンチおよびビアホールの側壁損失は、臨界寸法の維持に重要となる。側壁損失を低減または排除するには、適度に希釈された化学薬品、または、場合によっては脱イオン水のみを使用することが重要となる。しかし、通常、希釈された化学薬品や脱イオン水では、フィン構造および/またはトレンチやビアホール内の粒子を効率的に除去できない。したがって、これらの粒子を効率的に除去するには、超音波または高周波超音波などの機械的な力が必要である。超音波または高周波超音波は、ウエハ構造に機械的な力を加える気泡キャビテーションを発生させるが、トランジットキャビテーションやマイクロ噴流などの激しいキャビテーションによって、これらパターン構造が破損する。したがって、安定したまたは制御されたキャビテーションを維持することは、機械的な力を損傷限界内に制御すると同時に粒子の効率的な除去を行うために重要なパラメータとなる。
【0004】
米国特許第4326553号には、ノズルに結合されて半導体ウエハを洗浄する高周波超音波エネルギーが開示されている。流体は加圧され、高周波超音波トランスデューサによって高周波超音波エネルギーが流体に加えられる。ノズルは、超音波/高周波超音波の周波数で振動する洗浄用流体をリボン状に噴射させて表面に衝突させるための形状を有している。
【0005】
米国特許第6039059号には、音波エネルギーを流体に伝達する細長いプローブを振動させるエネルギー源が開示されている。一構成において、流体がウエハの両側に噴射される一方、プローブは上側近傍に配置されている。別の構成では、短いプローブの先端面が表面近傍に配置されており、ウエハが回転する際にその表面上をプローブが移動する。
【0006】
米国特許第6843257B2号には、ウエハ表面に平行な軸を中心に回転するロッドを振動させるエネルギー源が開示されている。ロッド表面に、エッチングにより螺旋溝などを形成する。
【0007】
洗浄工程において、安定したまたは制御されたキャビテーションを半導体ウエハ全体に発生させることで、半導体ウエハ上のデバイス構造が損傷することなく効率的に微細粒子を除去するには、超音波または高周波超音波装置によって発生する気泡キャビテーションを制御する方法が必要である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一方法は、安定した気泡キャビテーションを維持させることによって、パターン構造を有する半導体ウエハに損傷を与えることのない超音波または高周波超音波洗浄を可能とする。前記安定した気泡キャビテーションは、音波電源を、τよりも短い時間(time interval)だけ電力Pに設定し、音波電源を、τよりも長い時間だけ電力Pに設定し、半導体ウエハが洗浄されるまで上記のステップを繰り返すように制御され、電力Pはゼロに等しい、または、電力Pよりはるかに小さく、τは、気泡内部の温度が臨界内破(implosion)温度まで上昇する時間であり、τは、気泡内部の温度が臨界内破温度よりはるかに低い温度まで低下する時間である。
【0009】
本発明の別の方法は、安定した気泡キャビテーションを維持させることによって、パターン構造を有する半導体ウエハに損傷を与えることのない超音波または高周波超音波洗浄を可能とする。安定した気泡キャビテーションは、音波電源を、τよりも短い時間だけ周波数fに設定し、音波電源を、τよりも長い時間だけ周波数fに設定し、半導体ウエハが洗浄されるまで上記のステップを繰り返すように制御され、fは、fよりもはるかに高く、2倍または4倍高い方がよく、τは、気泡内部の温度が臨界内破温度まで上昇する時間であり、τは、気泡内部の温度が臨界内破温度よりはるかに低い温度まで低下する時間である。
【0010】
本発明の別の方法は、パターン構造内の空間よりも小さな気泡サイズの安定した気泡キャビテーションを維持させることによって、パターン構造を有する半導体ウエハが損傷することのない超音波または高周波超音波洗浄を可能とする。パターン構造内の空間よりも小さな気泡サイズの安定した気泡キャビテーションは、音波電源を、τよりも短い時間だけ電力Pに設定し、音波電源を、τよりも長い時間だけ電力Pに設定し、半導体ウエハが洗浄されるまで上記のステップを繰り返すように制御され、Pはゼロに等しい、または,電力Pよりはるかに小さく、τは、気泡サイズがパターン構造内の空間と等しいかそれより大きい臨界サイズに増加するまでの時間であり、τは、気泡サイズがパターン構造内の空間よりはるかに小さいサイズに減少するまでの時間である。
【0011】
本発明の別の方法は、パターン構造内の空間よりも小さな気泡サイズの安定した気泡キャビテーションを維持させることによって、パターン構造を有する半導体ウエハが損傷することのない超音波または高周波超音波洗浄を可能とする。パターン構造内の空間よりも小さな気泡サイズの安定した気泡キャビテーションは、音波電源を、τよりも短い時間だけ周波数fに設定し、音波電源を、τよりも長い時間だけ周波数fに設定し、半導体ウエハが洗浄されるまで上記のステップを繰り返すように制御され、fは、fよりもはるかに高く、2倍または4倍高い方がよく、τは、気泡サイズがパターン構造内の空間と等しいかそれより大きい臨界サイズに増加するまでの時間であり、τは、気泡サイズがパターン構造内の空間よりはるかに小さいサイズに減少するまでの時間である。
【0012】
本発明の別の方法は、安定した気泡キャビテーションを維持するために超音波または高周波超音波電源の稼働状態をモニタリングすることによって、パターン構造を有する半導体ウエハに損傷を与えることのない超音波または高周波超音波洗浄を可能とする。前記方法は、以下のステップを含む。半導体ウエハと超音波または高周波超音波装置との間の空間に液体を塗布し、前記超音波または高周波超音波電源を周波数f及び電力Pに設定して、前記超音波または高周波超音波装置を駆動し、前記液体において、前記半導体ウエハ上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波または高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波または高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定し、電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出し、検出された電力Pおよび周波数fの前記電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オン期間が既定期間τより長い場合、前記超音波または高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、検出された前記電源オフ期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オフ期間が既定期間τより短い場合、前記超音波または高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、半導体ウエハが洗浄されるまで上記のステップを繰り返す。
【0013】
本発明の別の方法は、安定した気泡キャビテーションを維持する超音波または高周波超音波電源の稼働状態をモニタリングすることによって、パターン構造を有する半導体ウエハに損傷を与えることのない超音波または高周波超音波洗浄を可能とする。前記方法は、以下のステップを含む。半導体ウエハと超音波または高周波超音波装置との間の空間に液体を塗布し、前記超音波または高周波超音波電源を周波数f及び電力Pに設定して、前記超音波または高周波超音波装置を駆動し、前記液体において、前記半導体ウエハ上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、前記超音波または高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、前記超音波または高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定し、前記超音波または高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出し、各波形の検出された振幅と、通常運転時の波形の振幅より大きな既定値とを比較し、前記検出された振幅の波形に、既定値より大きい振幅の波形がある場合、前記超音波または高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、半導体ウエハが洗浄されるまで上記のステップを繰り返す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】超音波または高周波超音波装置を用いたウエハ洗浄装置の一例を示す図である。
図1B】超音波または高周波超音波装置を用いたウエハ洗浄装置の一例を示す図である。
図2A】超音波または高周波超音波トランスデューサの各種形状を示す図である。
図2B】超音波または高周波超音波トランスデューサの各種形状を示す図である。
図2C】超音波または高周波超音波トランスデューサの各種形状を示す図である。
図2D】超音波または高周波超音波トランスデューサの各種形状を示す図である。
図2E】超音波または高周波超音波トランスデューサの各種形状を示す図である。
図2F】超音波または高周波超音波トランスデューサの各種形状を示す図である。
図2G】超音波または高周波超音波トランスデューサの各種形状を示す図である。
図3】ウエハ洗浄工程における気泡キャビテーションを示す図である。
図4A】ウエハ洗浄工程中のウエハ上のパターン構造に損傷を与えるトランジットキャビテーションを示す図である。
図4B】ウエハ洗浄工程中のウエハ上のパターン構造に損傷を与えるトランジットキャビテーションを示す図である。
図5A】ウエハ洗浄工程中の気泡内部の熱エネルギーの変化を示す図である。
図5B】ウエハ洗浄工程中の気泡内部の熱エネルギーの変化を示す図である。
図5C】ウエハ洗浄工程中の気泡内部の熱エネルギーの変化を示す図である。
図6A】ウエハ洗浄方法の一例を示す図である。
図6B】ウエハ洗浄方法の一例を示す図である。
図6C】ウエハ洗浄方法の一例を示す図である。
図7A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図7B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図7C】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図8A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図8B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図8C】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図8D】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図9A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図9B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図9C】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図9D】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図10A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図10B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図11A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図11B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図12A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図12B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図13A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図13B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図14A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図14B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図15A】ウエハ洗浄工程中のウエハ上のパターン構造に損傷を与える安定キャビテーションを示す図である。
図15B】ウエハ洗浄工程中のウエハ上のパターン構造に損傷を与える安定キャビテーションを示す図である。
図15C】ウエハ洗浄工程中のウエハ上のパターン構造に損傷を与える安定キャビテーションを示す図である。
図16】超音波または高周波超音波装置を使用するウエハ洗浄装置の別の例を示す図である。
図17】超音波または高周波超音波装置を使用するウエハ洗浄装置の別の例を示す図である。
図18A】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図18B】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図18C】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図19】ウエハ洗浄方法の別の例を示す図である。
図20】音波電源の稼働状態を監視するための制御システムの一例を示す図である。
図21】音波電源の稼働状態を監視するための検出システムの一例を示す図である。
図22】音波電源の稼働状態を監視するための検出システムの別の例を示す図である。
図23A】音波電源の稼働状態を監視するための電圧減衰回路の一例を示す図である。
図23B】音波電源の稼働状態を監視するための電圧減衰回路の一例を示す図である。
図23C】音波電源の稼働状態を監視するための電圧減衰回路の一例を示す図である。
図24A】音波電源の稼働状態を監視するための整形回路の一例を示す図である。
図24B】音波電源の稼働状態を監視するための整形回路の一例を示す図である。
図24C】音波電源の稼働状態を監視するための整形回路の一例を示す図である。
図25A】音波電源の稼働状態を監視するためのメイン制御部の一例を示す図である。
図25B】音波電源の稼働状態を監視するためのメイン制御部の一例を示す図である。
図25C】音波電源の稼働状態を監視するためのメイン制御部の一例を示す図である。
図26】ホストコンピュータが音波電源を停止した後、音波電源が数回振動している様子を示す図である。
図27A】音波電源の稼働状態を監視するための振幅検出回路の一例を示す図である。
図27B】音波電源の稼働状態を監視するための振幅検出回路の一例を示す図である。
図27C】音波電源の稼働状態を監視するための振幅検出回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aおよび図1Bは、超音波または高周波超音波装置を使用するウエハ洗浄装置の一例を示している。ウエハ洗浄装置は、ウエハ1010と、回転駆動機構1016によって回転されるウエハチャック1014と、洗剤または脱イオン水1032等の液体を供給するノズル1012と、超音波/高周波超音波装置1003と、超音波/高周波超音波電源とを備えている。超音波/高周波超音波装置1003は、さらに、共振器1008に音響的に結合された圧電トランスデューサ1004を備えている。圧電トランスデューサ1004は、振動するように電気的に励起され、共振器1008は液体に高周波音響エネルギーを伝達する。超音波/高周波超音波エネルギーによって発生した気泡キャビテーションは、ウエハ1010上の粒子を振動させる。これにより異物はウエハ1010の表面から振動により隔離され、ノズル1012から供給される液体1032の流動によってウエハ1010の表面から除去される。
【0016】
また、図2A図2Gは、本発明による超音波/高周波超音波装置の上面図である。図1および図1Bに示した超音波/高周波超音波装置1003の代わりに、異なる形状の超音波または高周波超音波装置2003、すなわち、図2Aに示す三角形または扇形状のもの、図2Bに示す矩形のもの、図2Cに示す八角形のもの、図2Dに示すような楕円形のもの、図2Eに示す半円形のもの、図2Fに示す四分円形のもの、図2Gに示す円形のものを使用してもよい。
【0017】
図3は、圧縮段階の気泡キャビテーションを示す。気泡3052は、その形状が球状Aからリンゴ状の形状Gへと徐々に圧縮され、最終的に気泡3052が内破状態Iに到達しマイクロ噴流を形成する。図4Aおよび図4Bに示すように、マイクロ噴流は非常に荒々しく(数千気圧および数千℃に達することもある)、特にフィーチャーサイズtが70nm以下に収縮すると、ウエハ4010上の微細パターン構造4034に損傷を与えうる。
【0018】
図5A図5Cには、本発明による気泡キャビテーションの簡略モデルが示されている。音波正圧が気泡に作用するにつれて、気泡の体積が減少する。この体積が収縮する過程で、音波圧力Pが気泡に作用し、機械的作用が気泡内にて熱エネルギーに変換され、気泡内の気体および/または蒸気の温度が上昇する。
【0019】
理想的な気体の状態式は以下のように表すことが出来る。
/T=pv/T (1)
【0020】
ここで、pは圧縮前の気泡内の圧力であり、vは圧縮前の気泡の初期体積であり、Tは圧縮前の気泡内の気体温度であり、Pは圧縮時の気泡内の圧力であり、Vは圧縮時の気泡の体積であり、Tは圧縮時の気泡内の気体温度である。
【0021】
計算を単純化するために、圧縮時に気体の温度が変化しない、または、圧縮が非常にゆっくりで、気泡周辺の液体によって温度上昇が相殺されると仮定する。この場合、一回の気泡圧縮(体積Nユニットから体積1ユニットまたは圧縮比=N)の、音波圧力Pによる機械的作用wは以下のように表すことが出来る。
【数1】
【0022】
ここで、Sはシリンダ断面の面積、x0はシリンダの長さ、Pは圧縮前のシリンダ内部の気体圧力である。上記式(2)では、圧縮時の温度上昇の要因を考慮していないため、気泡内の圧力は実際には温度上昇により高くなる。したがって、音波圧力による実際の機械的作用は、式(2)によって計算されるものよりも大きくなる。
【0023】
全ての音波圧力による機械的作用が部分的に熱エネルギーに変換され、部分的に気泡内の高圧気体および蒸気の機械的エネルギーに変換されると仮定し、この熱エネルギーが全体的に気泡内の気体の温度上昇に寄与し(気泡周辺の液体分子にエネルギーの伝達がない)、気泡内部の気体の質量が圧縮の前後で一定であると仮定すると、一回の気泡の圧縮後の温度上昇 Tは以下の式で表すことが出来る。
ΔT=Q/(mc)=βw/(mc)=βSxln(x)/(mc) (3)
上記式で、Qは機械的作用から変換された熱エネルギーであり、βは音波圧力によるトータルの機械的作用に対する熱エネルギーの比であり、mは気泡内部の気体の質量であり、cは気体比熱係数である。β=0.65、S=1E−12m、x=1000m=1E−3m(圧縮比N=1000)、p=1kg/cm=1E4kg/m、m=8.9E−17kg(水素ガスの場合)、c=9.9E3J/(kgk)を上記式(3)に代入すると、T=50.9kとなる。
【0024】
最初の圧縮後の気泡内の気体温度Tは以下の通り計算される。
=T+ΔT=20C+50.9C=70.9C (4)
【0025】
図5Bに示すように、気泡が最小サイズの1マイクロメートルに達したとき。このような高温下では、気泡周辺の液体分子には蒸発するものもある。その後、音波圧力が負になり、気泡サイズが拡大し始める。この逆の過程において、圧力Pを有する高温の気体および蒸気は、周囲の液体表面に作用する。同時に図5Cに示すように、音波圧力Pが、気泡膨張方向に引っ張るため、負の音波圧力Pも部分的に周囲の液体に作用する。これらの作用が恊働する結果、気泡内部の熱エネルギーが完全に放出されたり機械的エネルギーに変換されたりすることができないため、元の気体温度Tまたは液体温度にまで気泡内部の気体の温度を冷却することができない。キャビテーションの第一サイクルが終了した後、図6Bに示すように、気泡内の気体の温度Tは、TとTの間になる。または、Tを以下のように表すことができる。
=T1−δT=T+ΔT−δT (5)
【0026】
ここで、δTは気泡が一回膨張した後の温度低下であり、δTは、ΔTより低い。
【0027】
気泡キャビテーションの第二サイクルが最小気泡サイズに達すると、気泡内の気体および/または蒸気の温度Tは、
T3=T2+ΔT=T+ΔT−δT+ΔT=T+2ΔT−δT (6)
【0028】
気泡キャビテーションの第二サイクルが終了すると、気泡内の気体および/または蒸気の温度Tは、
T4=T3−δT=T+2ΔT−δT−δT=T+2ΔT−2δT (7)
【0029】
同様に、気泡キャビテーションのn番目サイクルが最小気泡サイズに達すると、気泡内の気体および/または蒸気の温度T2n−1は、
2n−1=T+nΔT-(n−1)δT (8)
【0030】
気泡キャビテーションのn番目サイクルが終了すると、気泡内の気体および/または蒸気の温度T2nは、
2n=T+nΔT−nδT=T+n(ΔT−δT) (9)
【0031】
気泡キャビテーションのサイクル数nが増加するにつれ、気体および蒸気の温度が上昇する。したがって、図6Cに示すように、気泡表面上の分子がより多くバブル6082の内部に蒸発し、気泡6082のサイズを拡大させる。最終的に、圧縮時の気泡内部の温度は、内破温度T(通常、Tは数千℃と同等に高い)に達し、図6Cに示すように、激しいマイクロ噴流6080が形成される。
【0032】
式(8)から、内破サイクル数nは以下のように表すことができる。
=(T−T−ΔT)/(ΔT-δT)+1 (10)
【0033】
式(10)から、内破期間τは以下のように表すことができる。
τ=n=t((T−T−ΔT)/(ΔT-δT)+1)
=n/f=((T−T−ΔT)/(ΔT-δT)+1)/f (11)
ここで、tは超音波/高周波超音波の周期であり、fは周波数である。
【0034】
式(10)および(11)により、内破サイクル数nおよび内破期間τを計算することができる。Ti=3000℃、T=50.9℃、T=20℃、f=500KHz、f=1MHz、f=2MHzと仮定し、内破サイクル数n、内破期間τ、および、(ΔT−δT)の関係を表1に示す。
【表1】
【0035】
ウエハ上のパターン構造に対する損傷を回避するために、安定したキャビテーションを維持しなければならず、気泡内破またはマイクロ噴流を回避しなければならない。図7A図7Cには、本発明の、安定した気泡キャビテーションを維持させることによって、パターン構造を有するウエハが損傷することのない超音波または高周波超音波洗浄を可能とする方法が示されている。図7Aは、電源出力の波形を示しており、図7Bはキャビテーションの各サイクルに対応する温度曲線を示しており、図7Cはキャビテーションの各サイクルにおける気泡サイズの拡大を示している。気泡内破を回避するための本発明による操作処理ステップは以下の通りである。
【0036】
ステップ1:超音波/高周波超音波装置を、チャックまたはタンクに設置されたウエハまたは基板の表面に隣接させる。
【0037】
ステップ2:ウエハと超音波/高周波超音波装置との間に薬液または気体(水素、窒素、酸素、または、CO)でドープした水を充填する。
【0038】
ステップ3:チャックを回転させるか、ウエハを振動させる。
【0039】
ステップ4:電源を周波数f及び電力Pに設定する。
【0040】
ステップ5:気泡内部の気体や蒸気の温度が内破温度Tに達する前(式(11)で計算された時間がτ<τに達する前)に、電源出力をゼロワットに設定する。これにより、液体または水の温度が気泡内部の気体温度よりもはるかに低くなるため、気体温度が冷却し始める。
【0041】
ステップ6:気泡内の気体温度が室温Tまで低下する、または、時間(ゼロ電力時間)がτに達した後、再度電源を周波数fおよび電力Pに設定する。
【0042】
ステップ7:ウエハが洗浄されるまで、ステップ1からステップ6を繰り返す。
【0043】
ステップ5では、気泡の内破を回避するために、期間τが、τよりも短くなければならず、τは式(11)を使って算出することができる。
【0044】
ステップ6では、気泡内の気体温度を室温または液体温度まで下げる必要はなく、室温または液体温度より高い特定の温度であってもよいが、内破温度Tより大幅に低い温度であることが好ましい。
【0045】
式(8)および(9)によれば、(ΔT−δT)がわかっていれば、Tを算出できる。しかし一般的に、(ΔT−δT)は直接算出または測定することは容易ではない。内破期間τは以下の方法により実験的に導出することができる。
【0046】
ステップ1:表1に基づいて、実験計画(DOE)の条件として5つの異なる期間τを選択する。
【0047】
ステップ2:τとして、少なくともτの少なくとも10倍、好ましくは一回目のスクリーンテストでτの100倍を選択する。
【0048】
ステップ3:電力Pを一定値に固定して上記五つの条件で特定のパターン構造を有するウエハを別々に洗浄する。ここで、Pは連続モード(非パルスモード)で継続すると、ウエハ上のパターン構造が確実に損傷する出力である。
【0049】
ステップ4:SEMS、または、AMAT SEMヴィジョンや日立IS3000などのウエハパターン損傷検査器具を用いて上記五つのウエハの損傷状況を検査すれば、内破期間τを一定の範囲内に設定することができる。
【0050】
内破期間τの範囲を狭めるためにステップ1から4を再度行ってもよい。内破期間τを把握した後、期間τを、安全マージンのために0.5τより小さい値に設定してもよい。実験データの一例を以下に説明する。
【0051】
パターン構造は、55nmのポリシリコンゲート線である。超音波/高周波超音波の周波数は1MHzであり、ウエハ内の、および、ウエハからウエハのエネルギー量をより均一にするために、Prosys社製の超音波/高周波超音波装置をギャップ振動モード(PCT/CN2008/073471参照)で稼働させた。他の実験パラメータおよび最終的なパターン損傷データを以下の表2にまとめる。
【表2】
【0052】
τ=2ms(または、2000サイクル数)では、加工寸法55nmのパターン構造に1216もの箇所に損傷をもたらしたが、τ=0.1ms(または、100サイクル数)では、加工寸法55nmのパターン構造の損傷箇所がゼロ(0)箇所であった。したがって、τは、0.1msと2msとの間の数字であり、この範囲を狭めるために更に詳細なテストが必要になる。超音波または高周波超音波出力密度および周波数に関連するサイクル数は、電力密度が大きいほど、サイクル数が少なくなり、周波数が低いほどサイクル数が少なくなることは明らかである。以上の実験結果から、超音波または高周波超音波の電力密度が0.1watts/cmより大きく、超音波または高周波超音波の周波数が1MHz以下と仮定すると、損傷のないサイクル数が2000未満であると想定できる。周波数が1MHzより大きな範囲に上がるか、電力密度が0.1watts/cm未満になれば、サイクル数が上昇することが予想される。
【0053】
τがわかれば、上述と同様のDEO法に基づいて、期間τを短くすることができる。すなわち、期間τを固定し、期間τを短くしていきパターン構造に損傷が見られるまでDOEを継続させる。期間τが短くなると、気泡内の気体および/または蒸気の温度が充分に冷却されず、気泡内の気体および蒸気の平均温度が徐々に高くなり、最終的には気泡内破を引き起こす。この内破が引き起こされる時間を臨界冷却時間という。臨界冷却時間τがわかった後、同様に、期間τを2τより大きい値に設定することにより安全マージンを確保することができる。
【0054】
また、図8A図8Dには、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ4において超音波/高周波超音波電源を周波数fに設定し、電力の波形の振幅が変化するように設定する点を除いて、図7Aに示す方法と同様である。図8Aには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源を周波数fに設定し、電力の波形の振幅が増加するように設定する別のウエハ洗浄方法が示されている。図8Bには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源を周波数fに設定し、電力の波形の振幅が縮小するように設定する別のウエハ洗浄方法が示されている。図8Cには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源を周波数fに設定し、電力の波形の振幅がまず縮小し、その後で増加するように設定する別のウエハ洗浄方法が示されている。図8Dには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源を周波数fに設定し、電力の波形の振幅がまず増加し、その後で縮小するように設定する別のウエハ洗浄方法が示されている。
【0055】
また、図9A図9Dには、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ4において超音波/高周波超音波電源の周波数が変化するように設定する点を除いて、図7Aに示す方法と同様である。図9Aには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fより高い周波数fに設定し、後に周波数fに設定する別のウエハ洗浄方法を示す。図9Bには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、後に周波数fより高い周波数fに設定する別のウエハ洗浄方法を示す。図9Cには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、その後周波数f3より高い周波数fに設定し、最後に周波数fに設定する別のウエハ洗浄方法を示す。図9Dには、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fより高い周波数fに設定し、その後周波数fに設定し、最後に周波数fに設定する別のウエハ洗浄方法を示す。
【0056】
図9Cに示す方法と同様に、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、その後周波数fに設定し、最後に周波数fに設定してもよく、ここで、fはfより小さく、fはfより小さい。
【0057】
また、図9Cに示す方法と同様に、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、その後周波数fに設定し、最後に周波数fに設定してもよく、ここで、fはfより小さく、fはfより小さい。
【0058】
また、図9Cに示す方法と同様に、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、その後周波数fに設定し、最後に周波数fに設定してもよく、ここで、fはfより小さく、fはfより小さい。
【0059】
また、図9Cに示す方法と同様に、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、その後周波数fに設定し、最後に周波数fに設定してもよく、ここで、fはfより小さく、fはfより小さい。
【0060】
また、図9Cに示す方法と同様に、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、その後周波数fに設定し、最後に周波数fに設定してもよく、ここで、fはfより小さく、fはfより小さい。
【0061】
また、図9Cに示す方法と同様に、ステップ4において、超音波/高周波超音波電源をまず周波数fに設定し、その後周波数fに設定し、最後に周波数fに設定してもよく、ここで、fはfより小さく、fはfより小さい。
【0062】
図10A図10Bには、本発明の、安定した気泡キャビテーションを維持させることによって、パターン構造を有するウエハが損傷することのない超音波/高周波超音波洗浄を可能とする別の方法が示されている。図10Aは、電源出力の波形を示しており、図10Bはキャビテーションの各サイクルに対応する温度曲線を示している。本発明による操作処理ステップは以下の通りである。
【0063】
ステップ1:超音波/高周波超音波装置を、チャックまたはタンクに設置されたウエハまたは基板の表面に隣接させる。
【0064】
ステップ2:ウエハと超音波/高周波超音波装置との間に薬液または気体でドープした水を充填する。
【0065】
ステップ3:チャックを回転させるか、ウエハを振動させる。
【0066】
ステップ4:電源を周波数f及び電力Pに設定する。
【0067】
ステップ5:気泡内部の気体と蒸気の温度が内破温度Tに達する(合計期間τの経過する)前に、電源出力を周波数f及び出力P(Pより小さい)に設定する。これにより、液体または水の温度が気泡内部の気体温度よりもはるかに低くなるため、気体温度が冷却し始める。
【0068】
ステップ6:気泡内の気体温度が室温Tに近い特定の温度まで低下する、または、時間(ゼロ電力時間)がτに達した後、再度電源を周波数fおよび電力Pに設定する。
【0069】
ステップ7:ウエハが洗浄されるまで、ステップ1からステップ6を繰り返す。
【0070】
ステップ6では、図10Bに示すように、電力Pにより気泡内部の気体の温度を室温まで冷却することができないため、後段階のτタイムゾーンに温度差ΔTが生じるはずである。
【0071】
また、図11A図11Bには、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ5において超音波/高周波超音波電源を周波数fより低いfに設定し、電力をPより小さいPに設定する点を除いて、図10Aに示す方法と同様である。fはfよりも低いので、気泡内のガスまたは蒸気の温度はより速く上昇する。したがって、PはPよりも大幅に小さく設定するべきであり、気泡内のガスおよび/または蒸気の温度を下げるためには5倍または10倍小さいのが好ましい。
【0072】
また、図12A図12Bには、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ5において超音波/高周波超音波電源を周波数fより高いfに設定し、電力をPと同等のPに設定する点を除いて、図10Aに示す方法と同様である。
【0073】
また、図13A図13Bには、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ5において超音波/高周波超音波電源を周波数fより高いfに設定し、電力をPより小さいPに設定する点を除いて、図10Aに示す方法と同様である。
【0074】
また、図14A図14Bには、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ5において超音波/高周波超音波電源を周波数fより高いfに設定し、電力をPより高いPに設定する点を除いて、図10Aに示す方法と同様である。fはfよりも高いので、気泡内のガスまたは蒸気の温度はゆっくりと上昇する。したがって、図14Bに示すように、PはPより若干高くなることもあるが、気泡内のガスおよび蒸気の温度は、温度ゾーンτで温度ゾーンτより低くなるようにしなければならない。
【0075】
図4Aおよび図4Bには、パターン構造が激しいマイクロ噴流によって損傷することが示されている。図15Aおよび図15Bは、安定したキャビテーションであってもウエハ上のパターン構造が損傷する可能性があることを示している。気泡キャビテーションが続くと、気泡内部の気体および蒸気の温度が上昇するため、図15Aに示すように、気泡15046のサイズもまた増加する。図15Bに示すように、気泡15048の大きさがパターン構造の空間Wのよりも大きくなると、図15Cに示すように、気泡キャビテーションの膨張力によって、ウエハ15010のパターン構造15034を損傷させる可能性がある。本発明による洗浄方法は以下の通りである。
【0076】
ステップ1:超音波/高周波超音波装置を、チャックまたはタンクに設置されたウエハまたは基板の表面に隣接させる。
【0077】
ステップ2:ウエハと超音波/高周波超音波装置との間に薬液または気体でドープした水を充填する。
【0078】
ステップ3:チャックを回転させるか、ウエハを振動させる。
【0079】
ステップ4:電源を周波数fと電力Pに設定する。
【0080】
ステップ5:気泡のサイズがパターン構造の空間Wの寸法と同じになる前に(期間τの経過)、電源出力をゼロワットに設定する。これにより、液体または水の温度が気泡内部の気体温度よりもはるかに低くなるため、気体温度が冷却し始める。
【0081】
ステップ6:気泡内の気体温度が低下しつづけて室温Tまで下がる、または、時間(ゼロ電力時間)がτに達した後、再度電源を周波数fおよび電力Pに設定する。
【0082】
ステップ7:ウエハが洗浄されるまで、ステップ1からステップ6を繰り返す。
【0083】
ステップ6では、気泡内の気体温度を室温まで下げる必要はなく、どの温度であってもよいが、内破温度Tより大幅に低い温度であることが好ましい。ステップ5では、気泡の膨張力がパターン構造が破損または損傷しない限り、気泡の大きさをパターン構造の寸法より若干大きくすることができる。期間τは、以下の方法を用いて実験的に導出することができる。
【0084】
ステップ1:表1と同様に、実験計画(DOE)の条件として5つの異なる期間τを選択する。
【0085】
ステップ2:τとして、少なくともτの少なくとも10倍、好ましくは一回目のスクリーンテストでτの100倍を選択する。
【0086】
ステップ3:電力Pを一定値に固定して上記五つの条件で特定のパターン構造を有するウエハを別々に洗浄する。ここで、Pは連続モード(非パルスモード)で継続すると、ウエハ上のパターン構造が確実に損傷する出力である。
【0087】
ステップ4:SEMS、または、AMAT SEMヴィジョンや日立IS3000などのウエハパターン損傷検査器具を用いて上記五つのウエハの損傷状況を検査すれば、損傷時間τを一定の範囲内に設定することができる。
【0088】
損傷時間τの範囲を狭めるためにステップ1から4を再度行ってもよい。損傷期間τを把握した後、期間τを、安全マージンのために0.5τより小さい値に設定してもよい。
【0089】
図7から図14に記載された全ての洗浄方法は、図15に記載の方法に適用または組み合わせてもよい。
【0090】
図16に、超音波/高周波超音波装置を用いたウエハ洗浄装置を示す。ウエハ洗浄装置は、ウエハ16010と、回転駆動機構16016によって回転されるウエハチャック16014と、洗剤または脱イオン水16060を供給するノズル16064と、ノズル16064に連結された超音波/高周波超音波装置16062と、超音波/高周波超音波電源とを備えている。超音波/高周波超音波装置16062によって生成された超音波/高周波超音波は、化学薬品または水の液柱16060を介してウエハに伝達される。図7から図15に記載された全ての洗浄方法は、図16に記載の洗浄装置において使用されてもよい。
【0091】
図17に、超音波/高周波超音波装置を用いたウエハ洗浄装置を示す。ウエハ洗浄装置は、ウエハ17010と、洗浄タンク17074と、洗浄タンク17074に保持され、ウエハ17010を保持するウエハカセット17076と、洗剤17070と、洗浄タンク17074の外壁に取り付けられた超音波/高周波超音波装置17072と、超音波/高周波超音波電源とを備えている。少なくとも一つの注入口から、洗剤17070を洗浄タンク17074に充填し、ウエハ17010を浸漬する。図7から図15に記載された全ての洗浄方法は、図17に記載の洗浄装置において使用されてもよい。
【0092】
また、図18A図18Cには、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ5を除いて、図7Aに示す方法と同様である。気泡内部の気体や蒸気の温度が内破温度Tに達する前(式(11)で計算された時間がτ<τに達する前)に、電源出力を正の値または負のDC値に設定して、超音波/高周波超音波装置の振動を維持または停止する。これにより、液体または水の温度が気泡内部の気体温度よりもはるかに低くなるため、気体温度が冷却し始める。前記正の値または負の値は、電力Pに等しくても小さくてもよい。
【0093】
また、図19には、本発明による超音波/高周波超音波装置を用いたウエハの洗浄方法の別の実施形態が示されている。上記方法は、ステップ5を除いて、図7Aに示す方法と同様である。気泡内部の気体や蒸気の温度が内破温度Tに達する前(式(11)で計算された時間がτ<τに達する前)に、電源出力をfと同じ周波数で、fと逆位相に設定する。これにより、気泡によるキャビテーションを迅速に停止する。これにより、液体または水の温度が気泡内部の気体温度よりもはるかに低くなるため、気体温度が冷却し始める。前記正の値または負の値は、電力Pに等しくても小さくてもよい。上記の動作中、気泡キャビテーションを迅速に停止させるために、電源出力を周波数fとは異なる周波数でfと逆位相に設定してもよい。
【0094】
一般的に、本発明に開示する方法では、0.1MHz〜10MHzの周波数の超音波/高周波超音波を適用してもよい。
【0095】
上記の実施形態では、電力、周波数、電源オン期間(τ)および電源オフ期間(τ)のような音波電源の重要な処理パラメータはすべて、電源制御部に予め設定されているが、ウエハ洗浄工程におけるリアルタイムでの監視はされていない。ウエハ洗浄工程において、音波電源の動作に異常が発生するとパターン構造への損傷を回避することができない。したがって、音波電源の稼働状態をリアルタイムで監視する装置および方法が必要となる。パラメータが正常範囲内にない場合は、音波電源を停止して、アラーム信号が送信され報告されるべきである。
【0096】
図20には、本発明の超音波/高周波超音波装置を用いたウエハ洗浄工程において、音波電源の動作パラメータを監視するための検出システムを備えた制御システムの一例が示されている。上記例示的な制御システムは、ホストコンピュータ2080、音波電源2082、音波トランスデューサ2003、検出システム2086、および通信ケーブル2088を備えている。ホストコンピュータ2080は、電力設定P、電源オン期間設定τ、電力設定P、電源オフ期間設定τ、周波数設定などの音波パラメータ設定、及び、電源投入コマンドなどの制御コマンドを音波電源2082に送信する。コマンドを受信後、音波電源2082は音波波形を生成し、当該音波波形を音波トランスデューサ2003に送信してウエハ2010を洗浄する。一方、ホストコンピュータ2080からのパラメータ設定および音波電源2082からの実際の出力は、検出システム2086によって読み取られる。検出システム2086は、音波電源2082からの実際の出力を、ホストコンピュータ2080からのパラメータ設定と比較する。比較結果は、通信ケーブル2088を介してホストコンピュータ2080に送信される。音波電源2082からの実際の出力が、ホストコンピュータ2080からのパラメータ設定と異なる場合、検出システム2086はホストコンピュータ2080にアラーム信号を送信する。ホストコンピュータ2080は、アラーム信号を受信し、音波電源2082を停止してウエハ2010のパターン構造へのさらなる損傷を防止する。
【0097】
図21には、本発明の超音波/高周波超音波装置を用いたウエハ洗浄工程において、音波電源の動作パラメータを監視するための検出システムの一例が示されている。検出システムは、電圧減衰回路2190と、整形回路2192と、メイン制御部(FPGA)2194と、通信回路(RS232/485)2196と電力回路2198とを備えている。
【0098】
図23A図23Cは、本発明の電圧減衰回路の一例を示している。図23Bに示すように、音波電源2082からの音波信号出力が読み込まれた際に、振幅の値は比較的高い値である。電圧減衰回路2190は、図23Cに示すように、二つの演算増幅器23102および23104を用いて波形の振幅を縮小する。電圧減衰回路2190の減衰率は5〜100の範囲、好ましくは20に設定されている。電圧の減衰は以下の式で表すことができる。
out=(R/R)*Vin
=200k,R=R=R=10Kとすれば、Vout=(R/R)*Vin=Vin/20
上記式において、Voutは電圧減衰回路2190により出力される振幅値であり、V inは電圧減衰回路2190により入力される振幅値であり、R、R、R、Rは、二つの演算増幅器23102および23104の抵抗である。
【0099】
電圧減衰回路2190の出力端は、整形回路2192に接続されている。電圧減衰回路2190から出力された波形は、整形回路2192に入力され、メイン制御部(FPGA)2194によって処理できるように正弦波を矩形波に変換する。図24a〜24Cには、本発明に係る整形回路の一実施形態が示されている。図24Aに示すように、整形回路2192は、ウィンドウコンパレータ24102と、ORゲート24104とを備えている。Vcal−<Vin<Vcal+であれば、Vout=0であり、そうでなければVout=1である。ここで、vcalとvcal+は二つの閾値であり、Vinは整形回路の入力値であり、Voutは整形回路の出力値である。当該波形(正弦波)が電圧減衰回路2190を通過すると、整形回路2192に入力される。図24Cに示されるように、整形回路2192は、正弦波を矩形波に変換する。
【0100】
整形回路2192から出力された矩形波は、メイン制御部(FPGA)2194に入力される。図25A〜25Cは、本発明のメイン制御部(FPGA)の実施形態を示す。図25Aに示されるように、メイン制御部(FPGA)2194は、パルス変換モジュール25102と周期測定モジュール25104とを備えている。図25Bおよび図25Cに示すように、パルス変換モジュール25102は、τ時間のパルス信号を高レベル信号に変換し、τ時間の低レベル信号はそのままである。パルス変換モジュール25102の回路シンボルを図25Aに示す。ここでClk_Sysは、50MHzのクロック信号であり、Pulse_Inは入力信号、Pulse_Outは出力信号である。周期測定モジュール25104は、カウンタを使って高レベルおよび低レベルの時間を測定するものである。周期測定モジュール25104の回路シンボルを図25Aに示す。ここでClk_Sysは、50MHzのクロック信号であり、Pulse_Inは入力信号であり、Pulse_Outは出力信号である。
τ=Counter_H*20ns,τ=Counter_L*20ns.
ここでCounter_Hは、高レベルの数であり、Counter_Lは低レベルの数である。
【0101】
メイン制御部(FPGA)2194は、算出された電源オン期間を既定期間τと比較する。算出された電源オン期間が既定期間τより長い場合、メイン制御部(FPGA)2194はホストコンピュータ2080にアラーム信号を送信する。ホストコンピュータ2080は、アラーム信号を受信し、音波電源2082を停止する。メイン制御部(FPGA)2194は、算出された電源オフ期間を既定期間τと比較する。算出された電源オフ期間が既定期間τより短い場合、メイン制御部(FPGA)2194はホストコンピュータ2080にアラーム信号を送信する。ホストコンピュータ2080は、アラーム信号を受信し、音波電源2082を停止する。メイン制御部(FPGA)2194は、Altera Cyclone IV EP4CE22F17C6Nを選択すればよい。
【0102】
図26に示されるように、装置自体の特性に起因して、音波電源2082は、ホストコンピュータ2080が音波電源2082を停止させた後も数回振動する。この数回振動する時間τはメイン制御部(FPGA)2194により測定される。時間τは実験によって求めることができる。したがって、実際の電源オン期間はτ−τとなる。ここで、τは周期測定モジュール25104によって算出された時間であり、τは、ホストコンピュータ2080が音波電源2082を停止した後、音波電源2082が数回振動する期間である。メイン制御部(FPGA)2194は、実際の電源オン期間を既定期間τと比較する。実際の電源オン期間が既定期間τより長い場合、メイン制御部(FPGA)2194はホストコンピュータ2080にアラーム信号を送信する。
【0103】
図21に示すように、通信回路2196は、ホストコンピュータ2080へのインタフェースとして確立されている。通信回路2196は、ホストコンピュータ2080とのRS232/RS485シリアル通信を可能にしており、ホストコンピュータ2080からパラメータ設定を読み出し、ホストコンピュータ2080に比較結果を送信する。
【0104】
図21に示すように、システム全体に対してDC1.2V、DC3.3V、DC5Vを供給するために、電力回路2198は、DC15Vをターゲット電圧に変換するように設計されている。
【0105】
図22には、本発明の超音波/高周波超音波装置を用いたウエハ洗浄工程において、音波電源の動作パラメータを監視するための検出システムの別の一例が示されている。検出システムは、電圧減衰回路2290と、振幅検出回路2292と、メイン制御部(FPGA)2294と、通信回路(RS232/485)2296と、電力回路2298とを備えている。
【0106】
図23A図23Cは、本発明の電圧減衰回路の一例を示す図である。図23Bに示すように、音波電源2082からの音波信号出力が読み込まれた際に、振幅の値は比較的高い値である。電圧減衰回路2290は、図23Cに示すように、二つの演算増幅器23102および23104を用いて波形の振幅を縮小する。電圧減衰回路2290の減衰率は5〜100の範囲、好ましくは20に設定されている。
【0107】
図27A図27Cは、本発明の振幅検出回路の一例を示す図である。振幅検出回路2292は、基準電圧生成回路と比較回路とを備えている。図27Bに示すように、基準電圧生成回路は、メイン制御部(FPGA)2294からのデジタル入力を、D/A変換部27118によって図27Cに示すようにアナログDC基準電圧Vref+、Vref−に変換する。比較回路は、ウィンドウコンパレータ27114とANDゲート27116とを用いて、電圧減衰回路2190から出力された減衰振幅Vinを基準電圧Vref+、Vref−と比較する。減衰振幅Vinが基準電圧Vref+、Vref−を超える場合、振幅検出回路2292はホストコンピュータ2080にアラーム信号を送信し、ホストコンピュータ2080は、アラーム信号を受信し、音波電源2082を停止してウエハ2010のパターン構造へのさらなる損傷を防止する。
【0108】
本発明は、超音波/高周波超音波装置を用いて基板上のパターン構造に損傷を与えることなく基板を洗浄する方法を提供するものであり、以下のステップを含んでいる。
【0109】
ステップ1: 基板と超音波/高周波超音波装置との間の空間に液体を塗布し、
【0110】
ステップ2: 超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、超音波/高周波超音波装置を駆動し、
【0111】
ステップ3: 液体において、基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、
【0112】
ステップ4: 気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定し、
【0113】
ステップ5: 電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出し、
【0114】
ステップ6: 検出された電力Pおよび周波数fの前記電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オン期間が既定期間τより長い場合、超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、
【0115】
ステップ7: 検出された前記電源オフ期間を既定期間τと比較し、検出された前記電源オフ期間が既定期間τより短い場合、超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、
【0116】
ステップ8:基板が洗浄されるまで、ステップ1からステップ7を繰り返す。
【0117】
一実施形態では、ステップ5は、超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を減衰させるステップと、振幅が減衰される正弦波を矩形波に変換するステップと、前記電源オン期間のパルス信号を高レベル信号に変換し、前記電源オフ期間の低レベル信号を維持するステップと、前記既定期間τ及び既定期間τと比較するための高レベル及び低レベルの期間を測定するステップとを含んでいる。
【0118】
減衰率は、5〜100の範囲で設定され、好ましくは20である。
【0119】
一実施形態において、実際の電源オン期間はτ−τと等しく、τは高レベルの測定時間であり、τは超音波/高周波超音波電源が停止後、超音波/高周波超音波電源が数回振動する期間である。実際の電源オン期間を既定期間τとを比較し、実際の電源オン期間が既定期間τより長い場合、超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信する。本発明は、超音波/高周波超音波装置を用いて基板上のパターン構造に損傷を与えることなく基板を洗浄する別の方法を提供するものであり、以下のステップを含んでいる。
【0120】
ステップ1: 基板と超音波/高周波超音波装置との間の空間に液体を塗布し、
【0121】
ステップ2: 超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、超音波/高周波超音波装置を駆動し、
【0122】
ステップ3: 液体において、基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、
【0123】
ステップ4: 気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定し、
【0124】
ステップ5: 超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出し、
【0125】
ステップ6: 各波形の検出された振幅と、通常運転時の波形の振幅より大きな既定値とを比較し、前記検出された振幅の波形に、既定値より大きい振幅の波形がある場合、超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信し、
【0126】
ステップ7:基板が洗浄されるまで、ステップ1からステップ6を繰り返す。
【0127】
一実施形態では、前記方法はさらに、超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を減衰させるステップと、アナログDC基準電圧Vref+とVref−を取得するステップと、減衰振幅VinをアナログDC基準電圧Vref+及びVref−と比較して、減衰振幅Vinが基準電圧Vref+、Vref−を超える場合、超音波/高周波超音波電源を停止してアラーム信号を送信するステップとを含んでいる。
【0128】
本発明は、超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する装置を提供するものであり、チャックと、超音波/高周波超音波装置と、少なくとも一つのノズルと、超音波/高周波超音波電源と、ホストコンピュータと、検出システムとを備える。チャックは、半導体基板を保持する。超音波/高周波超音波装置は、半導体基板に隣接して配置される。少なくとも一つのノズルは、前記半導体基板と、前記半導体基板と前記超音波/高周波超音波装置との間の隙間に薬液を噴射する。ホストコンピュータは、超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、その超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定する。検出システムは電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出し、検出された電力Pおよび周波数fでの電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された電源オン期間が既定期間τより長い場合、検出システムがホストコンピュータにアラーム信号を送信し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して超音波/高周波超音波電源を停止し、検出された電源オフ期間を既定期間τとを比較し、検出された電源オフ期間が既定期間τより短い場合、検出システムがホストコンピュータにアラーム信号を送信し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して超音波/高周波超音波電源を停止する。
【0129】
一実施形態において、超音波/高周波超音波装置はさらにノズルと結合され、半導体基板に隣接して配置されており、超音波/高周波超音波装置のエネルギーは、ノズルから液柱を通して半導体基板に伝達される。
【0130】
本発明は、超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する別の装置を提供するものであり、チャックと、超音波/高周波超音波装置と、少なくとも一つのノズルと、超音波/高周波超音波電源と、ホストコンピュータと、検出システムとを備える。チャックは、半導体基板を保持する。超音波/高周波超音波装置は、半導体基板に隣接して配置される。少なくとも一つのノズルは、前記半導体基板と、前記半導体基板と前記超音波/高周波超音波装置との間の隙間に薬液を噴射する。ホストコンピュータは、超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、その超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定する。検出システムは、超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出し、検出された各波形の振幅を既定値と比較し、前記検出された振幅の波形に、既定値より大きい振幅の波形がある場合、検出システムは、ホストコンピュータにアラーム信号を出力し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して、超音波/高周波超音波電源を停止する。ここで、既定値は、通常の動作時の波形振幅よりも大きい値である。
【0131】
一実施形態において、超音波/高周波超音波装置はさらにノズルと結合され、半導体基板に隣接して配置されており、超音波/高周波超音波装置のエネルギーは、ノズルから液柱を通して半導体基板に伝達される。
【0132】
本発明は、超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する別の装置を提供するものであり、カセットと、タンクと、超音波/高周波超音波装置と、少なくとも一つの注入口と、超音波/高周波超音波電源と、ホストコンピュータと、検出システムとを備える。カセットは、少なくとも一つの半導体基板を保持する。タンクはカセットを保持する。超音波/高周波超音波装置は、タンクの外壁に装着されている。少なくとも一つの注入口は、前記半導体基板を浸漬するための前記タンク内に薬液を充填する。ホストコンピュータは、超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、その超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定する。検出システムは電力Pおよび周波数fでの電源オン期間と電源オフ期間を別々に検出し、検出された電力Pおよび周波数fでの電源オン期間を既定期間τと比較し、検出された電源オン期間が既定期間τより長い場合、検出システムがホストコンピュータにアラーム信号を送信し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して超音波/高周波超音波電源を停止し、検出された電源オフ期間を既定期間τとを比較し、検出された電源オフ期間が既定期間τより短い場合、検出システムがホストコンピュータにアラーム信号を送信し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して超音波/高周波超音波電源を停止する。
本発明は、超音波/高周波超音波装置を用いて半導体基板を洗浄する別の装置を提供するものであり、カセットと、タンクと、超音波/高周波超音波装置と、少なくとも一つの注入口と、超音波/高周波超音波電源と、ホストコンピュータと、検出システムとを備える。カセットは、少なくとも一つの半導体基板を保持する。タンクはカセットを保持する。超音波/高周波超音波装置は、タンクの外壁に装着されている。少なくとも一つの注入口は、前記半導体基板を浸漬するための前記タンク内に薬液を充填する。ホストコンピュータは、超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに設定し、超音波/高周波超音波装置を駆動し、液体において、半導体基板上のパターン構造を気泡キャビテーションで破壊する前に、超音波/高周波超音波電源の出力をゼロに設定し、気泡内の温度が設定温度まで冷却された後、その超音波/高周波超音波電源を周波数fおよび電力Pに再び設定する。検出システムは、超音波/高周波超音波電源によって出力される波形の振幅を検出し、検出された各波形の振幅を既定値と比較し、前記検出された振幅の波形に、既定値より大きい振幅の波形がある場合、検出システムは、ホストコンピュータにアラーム信号を出力し、ホストコンピュータは、アラーム信号を受信して、超音波/高周波超音波電源を停止する。ここで、既定値は、通常の動作時の波形振幅よりも大きい値である。
【0133】
本発明の具体的な実施形態、実施例、および、適用に関して説明したが、本発明から逸脱することなく種々の修正および変形例が可能であることは当業者には明らかであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4A
図4B
図5A-5C】
図6A-6C】
図7A-7C】
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A-10B】
図11A-11B】
図12A-12B】
図13A-13B】
図14A-14B】
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
図26
図27A
図27B
図27C
【手続補正書】
【提出日】2017年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する方法であって、
前記半導体ウエハに液体を塗布し、
タイマーに基づいて、所定の第一期間にわたって音響エネルギーを前記液体に供給するように、トランスデューサの電源を、第一周波数および第一電力レベルに制御し、
前記タイマーに基づいて、所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーが供給されないように前記トランスデューサの電源を制御し、所定のサイクル数の間、前記第一および第二期間を交互に適用し、
前記電源の電源オン期間を検出し、
前記電源オン期間が第一既定値を超える場合に、前記電源を停止することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記電源オン期間が第一既定値を超える場合に、アラーム信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電源の電源オフ期間を検出し、
前記電源オフ期間が第二既定値未満である場合に、前記電源を停止することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電源オフ期間が第二既定値未満である場合に、アラーム信号を送信することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電源の電源オン期間を検出するステップにおいて、
前記電源から出力される波形の振幅を減衰させ、
減衰波形を矩形波に変換し、
前記矩形波の部分の電力を高レベル信号に変換し、
高レベル信号の長さを測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記振幅の減衰率は5〜100であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電源オン期間は、測定された高レベル信号の長さよりも小さい値として決定されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記電源オン期間はτを、測定された高レベル信号の長さとし、τを、前記電源が停止した後に電源が複数回にわたって振動する時間としたとき、−τとして決定されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する方法であって、
前記半導体ウエハに液体を塗布し、
タイマーに基づいて、所定の第一期間にわたって音響エネルギーを前記液体に供給するように、トランスデューサの電源を、第一周波数および第一電力レベルに制御し、
前記タイマーに基づいて、所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーが供給されないように前記トランスデューサの電源を制御し、所定のサイクル数の間、前記第一および第二期間を交互に適用し、
前記電源の電源オフ期間を検出し、
前記電源オフ期間が既定値未満である場合に、前記電源を停止することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記電源オフ期間が前記既定値未満である場合に、アラーム信号を送信することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する方法であって、
前記半導体ウエハに液体を塗布し、
タイマーに基づいて、所定の第一期間にわたって音響エネルギーを前記液体に供給するように、トランスデューサの電源を、第一周波数および第一電力レベルに制御し、
前記タイマーに基づいて、所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーが供給されないように前記トランスデューサの電源を制御し、所定のサイクル数の間、前記第一および第二期間を交互に適用し、
前記電源から出力される波形の振幅を検出し、
前記振幅が既定振幅を超える場合に、前記電源を停止することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記振幅が前記既定振幅を超える場合に、アラーム信号を送信することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記振幅の検出ステップにおいて、
前記電源から出力される波形の振幅を減衰させ、
前記減衰波形の正の最大値を第一基準電圧と比較し、
前記減衰波形の負の最大値を第二基準電圧と比較することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記既定振幅は、通常の動作時の波形振幅よりも大きい値であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する装置であって、
前記半導体ウエハを保持するように構成されたウエハホルダと、
前記半導体ウエハに液体を塗布するように構成された注入口と、
音響エネルギーを液体に供給するように構成されたトランスデューサと、
前記トランスデューサの電源と、
タイマーを備えた電源用コントローラであって、前記コントローラは前記タイマーに基づいて前記トランスデューサを制御することにより、
所定の第一期間にわたって、第一周波数および第一電力レベルで、音響エネルギーを前記液体に供給し、
所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーを供給しないように構成されており、
前記コントローラは、所定のサイクル数の間、前記第一期間および第二期間を交互に適用するように構成されており、
検出システムを備え、前記検出システムは、
前記電源の電源オン期間を検出し、
前記電源オン期間が第一既定値を超える場合に、前記電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項16】
前記検出システムは、前記電源オン期間が前記第一既定値を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記検出システムはさらに、
前記電源の電源オフ期間を検出し、
前記電源オフ期間が第二既定値未満である場合に、前記電源を停止するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記検出システムは、前記電源オフ期間が前記第二既定値を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記検出システムは、
前記電源から出力される波形の振幅を減衰させるように構成された電圧減衰回路と、
減衰波形を矩形波に変換するように構成された整形回路と、
前記矩形波の部分の電力を高レベル信号に変換するように構成されたパルス変換回路と、
高レベル信号の長さを測定するように構成された周期的測定回路とを備えていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記減衰回路の減衰率は5〜100であることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記検出システムは、前記電源オン期間を測定された高レベル信号の長さよりも小さい値として決定するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記電源オン期間は、τを、測定された高レベル信号の長さとし、τを、前記電源が停止した後に電源が複数回にわたって振動する時間としたとき、τ−τとして決定されることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記検出システムは、前記パルス変換回路に電力を供給するように構成された電力回路をさらに備えていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記電力回路はDC15Vを目標電圧に変換するように構成されていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記検出システムは、前記コントローラに停止信号を送信するように構成された通信回路をさらに備えていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項26】
前記通信回路はRS232またはRS485シリアル通信を実装していることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記トランスデューサはさらに注入口と結合され、前記半導体ウエハに隣接して配置されており、前記トランスデューサの音響エネルギーは、前記注入口から液柱を通して前記半導体ウエハに伝達されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項28】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する装置であって、
前記半導体ウエハを保持するように構成されたウエハホルダと、
前記半導体ウエハに液体を塗布するように構成された注入口と、
音響エネルギーを液体に供給するように構成されたトランスデューサと、
前記トランスデューサの電源と、
タイマーを備えた電源用コントローラであって、前記コントローラは前記タイマーに基づいて前記トランスデューサを制御することにより、
所定の第一期間にわたって、第一周波数および第一電力レベルで、音響エネルギーを前記液体に供給し、
所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーを供給しないように構成されており、
前記コントローラは、所定のサイクル数の間、前記第一期間および第二期間を交互に適用するように構成されており、
検出システムを備え、前記検出システムは、
前記電源の電源オフ期間を検出し、
前記電源オフ期間が既定値未満である場合に、前記電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項29】
前記検出システムは、前記電源オフ期間が前記既定値を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する装置であって、
前記半導体ウエハを保持するように構成されたウエハホルダと、
前記半導体ウエハに液体を塗布するように構成された注入口と、
音響エネルギーを液体に供給するように構成されたトランスデューサと、
前記トランスデューサの電源と、
タイマーを備えた電源用コントローラであって、前記コントローラは前記タイマーに基づいて前記トランスデューサを制御することにより、
所定の第一期間にわたって、第一周波数および第一電力レベルで、音響エネルギーを前記液体に供給し、
所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーを供給しないように構成されており、
前記コントローラは、所定のサイクル数の間、前記第一期間および第二期間を交互に適用するように構成されており、
検出システムを備え、前記検出システムは、
前記電源から出力される波形の振幅を検出し、
前記振幅が既定振幅を超える場合に、前記電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項31】
前記検出システムは、前記振幅が前記既定振幅を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記検出システムは、
前記電源から出力される波形の振幅を減衰させるように構成された電圧減衰回路と、
振幅検出回路とを備え、前記振幅検出回路は、
前記減衰波形の正の最大値を第一基準電圧と比較し、
前記減衰波形の負の最大値を第二基準電圧と比較するように構成されていることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記トランスデューサはさらに注入口と結合され、前記半導体ウエハに隣接して配置されており、前記トランスデューサの音響エネルギーは、前記注入口から液柱を通して前記半導体ウエハに伝達されることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項34】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する装置であって、
少なくとも一つの半導体ウエハを保持するように構成されたカセットと、
前記カセットを保持するように構成されたタンクと、
前記半導体ウエハを浸漬するための前記タンク内に液体を充填するように構成された少なくとも一つの注入口と、
音響エネルギーを液体に供給するように構成されたトランスデューサと、
前記トランスデューサの電源と、
タイマーを備えた電源用コントローラであって、前記コントローラは前記タイマーに基づいて前記トランスデューサを制御することにより、
所定の第一期間にわたって、第一周波数および第一電力レベルで、音響エネルギーを前記液体に供給し、
所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーを供給しないように構成されており、
前記コントローラは、所定のサイクル数の間、前記第一期間および第二期間を交互に適用するように構成されており、
検出システムを備え、前記検出システムは、
前記電源の電源オン期間を検出し、
前記電源オン期間が第一既定値を超える場合に、前記電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項35】
前記検出システムは、前記電源オン期間が前記第一既定値を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記検出システムはさらに、
前記電源の電源オフ期間を検出し、
前記電源オフ期間が第二既定値未満である場合に、前記電源を停止するように構成されていることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記検出システムは、前記電源オフ期間が前記第二既定値を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する装置であって、
少なくとも一つの半導体ウエハを保持するように構成されたカセットと、
前記カセットを保持するように構成されたタンクと、
前記半導体ウエハを浸漬するための前記タンク内に液体を充填するように構成された少なくとも一つの注入口と、
音響エネルギーを液体に供給するように構成されたトランスデューサと、
前記トランスデューサの電源と、
タイマーを備えた電源用コントローラであって、前記コントローラは前記タイマーに基づいて前記トランスデューサを制御することにより、
所定の第一期間にわたって、第一周波数および第一電力レベルで、音響エネルギーを前記液体に供給し、
所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーを供給しないように構成されており、
前記コントローラは、所定のサイクル数の間、前記第一期間および第二期間を交互に適用するように構成されており、
検出システムを備え、前記検出システムは、
前記電源の電源オフ期間を検出し、
前記電源オフ期間が既定値未満である場合に、前記電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項39】
前記検出システムは、前記電源オフ期間が前記既定値を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
パターン構造を有する半導体ウエハを洗浄する装置であって、
少なくとも一つの半導体ウエハを保持するように構成されたカセットと、
前記カセットを保持するように構成されたタンクと、
前記半導体ウエハを浸漬するための前記タンク内に液体を充填するように構成された少なくとも一つの注入口と、
音響エネルギーを液体に供給するように構成されたトランスデューサと、
前記トランスデューサの電源と、
タイマーを備えた電源用コントローラであって、前記コントローラは前記タイマーに基づいて前記トランスデューサを制御することにより、
所定の第一期間にわたって、第一周波数および第一電力レベルで、音響エネルギーを前記液体に供給し、
所定の第二期間にわたって液体に音響エネルギーを供給しないように構成されており、
前記コントローラは、所定のサイクル数の間、前記第一期間および第二期間を交互に適用するように構成されており、
検出システムを備え、前記検出システムは、
前記電源から出力される波形の振幅を検出し、
前記振幅が既定振幅を超える場合に、前記電源を停止することを特徴とする装置。
【請求項41】
前記検出システムは、前記振幅が前記既定振幅を超える場合にアラーム信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【国際調査報告】