特表2019-515828(P2019-515828A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-515828(P2019-515828A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(54)【発明の名称】航海手段用の帆装
(51)【国際特許分類】
   B63H 9/06 20060101AFI20190524BHJP
   B63B 15/00 20060101ALI20190524BHJP
   B63B 15/02 20060101ALI20190524BHJP
   B63H 9/04 20060101ALI20190524BHJP
【FI】
   B63H9/06 A
   B63B15/00 A
   B63B15/02 A
   B63H9/04 A
   B63H9/04 Z
   B63H9/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-551810(P2018-551810)
(86)(22)【出願日】2017年3月28日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月19日
(86)【国際出願番号】IB2017051772
(87)【国際公開番号】WO2017178913
(87)【国際公開日】20171019
(31)【優先権主張番号】102016000038117
(32)【優先日】2016年4月13日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518343338
【氏名又は名称】ストランバ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ,ミングッチ
(57)【要約】
本発明は、−航海手段の船体の長手及び垂直方向において延在する対称面と一致することを意図とした基準面と;少なくとも1つの翼と;−前記翼を支持して、翼が風を捕らえるときに翼によって発生する空力的揚力により与えられる推進力を、航海手段の船体に伝達することができる少なくとも1つの剛性支持体と;−互いと向かい合って第1及び第2の主要面を備える翼と、−第1の操作形態において、その際、少なくとも第1又は第2の表面の主要部分が基準面の第1の側面部に面し、第2の操作形態において、その際、前記主要部分が、基準面の反対側に面している、少なくとも翼を支持することができる剛性支持体と;−第1から第2の操作位置へ及び逆もまた同様に切り替えるための翼摺動経路を備える剛性支持体を備える航海手段用帆装(2)に関するものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航海手段用の帆装(2)であり:
−前記航海手段の船体の長手及び垂直方向において延在する対称面と一致することを意図とした基準面と;
−少なくとも1つの翼と、
−前記翼を支持して、前記翼が風を捕らえるときに前記翼によって発生する空力的揚力により与えられる推進力を、前記航海手段の前記船体に伝達することができる少なくとも1つの剛性支持体と;
−互いと向かい合って第1及び第2の主要面を備える前記翼と;
−第1の操作形態において、その際、少なくとも前記第1又は第2の表面の主要部分が、前記基準面の第1の側面部に面し、第2の操作形態において、その際、前記主要部分が、前記基準面の反対側に面している、少なくとも前記翼を支持することができる前記剛性支持体と、を備える帆装であって;
前記剛性支持体が、前記第1から前記第2の操作位置へ及び逆もまた同様に切り替えるための翼摺動経路を備える帆装。
【請求項2】
各支持体が、単一の翼のみを支持することを特徴とする、請求項1に記載の帆装。
【請求項3】
前記剛性支持体を通じて前記航海手段の前記船体に伝達されて前記推進力を発生させることを目的とした、空力的揚力を調整する手段を備え、前記調整手段が、前記2つの操作形態間で前記翼(4)の変位のために少なくとも作動手段(17)を備え、所望により、それらは、前記揚力の調節手段を更に備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の帆装。
【請求項4】
前記剛性支持体が、前記基準面に対する少なくとも2つの対向部分、及び前記2つの対向部分を持つ少なくとも1つの接続部分を有する少なくとも1つのマストを備え、前記2つの対向部分及び前記接続部分が、前記摺動経路を画定することを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項5】
前記2つの対向部分(9)が、少なくとも1つの基本的には直線状の伸長部を備え、好ましくは前記接続部分(10)が、少なくとも1つの湾曲した伸長部を備える、請求項4に記載の帆装。
【請求項6】
前記マストが、前記基準面に対して対称的な「U」又は「O」の形状であることを特徴とする、請求項5に記載の帆装。
【請求項7】
前記翼(4)が、非対称の翼形を有することを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項8】
前記翼形が、前記支持体(3)に対する近位部(11)及び前記支持体(3)からの遠位部分(12)を備え、前記近位部分(11)が、前記遠位部分(12)より大きな幅を有し、前記翼形が、主要面のうち一方では凹面であることが好ましく、他方では凸面であることが好ましい、請求項7に記載の帆装。
【請求項9】
前記翼が、前記第1及び第2の操作形態の両方において、前記基準面の方向に向きを持った少なくとも1つの最大空力的揚力を発生させるために、方向づけられた方法で前記支持体に連結されている、又は、前記第1及び第2の操作形態の両方において、前記基準面から離れた向きを持った空力的揚力を発生させるために方向づけられることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項10】
前記最大空力的揚力の方向の一方から他方へ、及び逆もまた同様に切り替えるために、前記翼を分解して再組立することができることを特徴とする、請求項9に記載の帆装。
【請求項11】
前記翼(4)が、好ましくは前記基準面に垂直な平面に沿って分割される複数のモジュール(13)と、好ましくは隣接するモジュールを有する各モジュール(13)から着脱可能な連結用の連結手段(14)を備え、各モジュール(13)が、少なくとも所定の角度まで、隣接するモジュールに対して自由に回転する、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項12】
請求項3及び4による場合、前記駆動手段(17)が、前記翼(4)と前記マスト(3)との間に着脱可能な接続部用の複数の連結要素を備え、より好ましくは各前記モジュール(13)用の少なくとも1つの連結要素を備え、各前記モジュール(13)が、選択的に前記マスト(3)に連結可能であり、かつ前記マスト(3)から着脱可能であることが好ましく、前記連結要素が、前記マスト(3)の延長方向に沿って摺動可能である、請求項11に記載の帆装。
【請求項13】
前記連結要素は、所定の角度まで、好ましくは約180°の角度まで、少なくとも前記マスト(3)に基本的に垂直な平面上で自由に回転し、前記翼(4)が、前記マスト(3)に対して、少なくとも前記所定の角度に相当する範囲まで回転が可能である、請求項12に記載の帆装。
【請求項14】
前記連結要素が、前記翼(3)及び/又は前記マスト(4)から着脱可能であり、前記連結要素が、T字形状を有し、前記翼(3)に対して、並びに/又は、前記マストへ/からの前記連結要素の取り付け、及び、前記連結要素の取り外しのために、前記マスト(4)に対して回転可能である、請求項12又は13に記載の帆装。
【請求項15】
請求項1〜14のうちいずれか一項に記載の帆装を備える航海手段(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
その最も一般的な態様において、本発明は、航海分野に関し、特に航海手段用の帆装に関するものである。
【0002】
より詳細には、本発明は、マスト、少なくとも1つの空力的揚力を発生させるための要素、及び艤装を備える前記形式の帆装に関するものである。
【0003】
本発明はまた、このような帆装を備える航海手段に関するものである。
【背景技術】
【0004】
航海分野において、特に航海手段の分野において、異なる種類の帆装が、数世紀にわたり開発されており、すべては基本的に少なくとも1つのマストを備え、少なくとも1つの帆がマスト及びいわゆる艤装と一体となり、言い換えると、そのシステムは、帆、並びに、ロープ、コード、及び紐だけでなく、所望によりブーム、及び帆を制御するための似た要素を備えるものを制御するのに適している。
【0005】
異なる帆装の形式の中で、いわゆるバミューダ又はマルコーニ・リグは、特に、より速い速度及びより大きな風上の作動角度を含む、異なる視点に基づきより有利であったため、ポルトガルの帆装及びラテンの帆装と比較してそれ自体を確立した。
【0006】
要約すると、バミューダの帆装は、マスト、マストの後方にある三角形の帆、ブームを操作する帆、同様に上述した形式の他の艤装によって基本的に形成される。
【0007】
さらに近頃、バミューダ帆装を基礎として、いわゆる「ウイングセール」技術が開発されており、その中で、古典的な帆、又はそれらの一部は、翼、すなわち、空力的揚力値に影響力がある大きな厚みを備える剛性要素によって置き換えられている。
【0008】
特に、対称形の翼又は非対称形の翼を備える帆装が普及している。
【0009】
原理上は、対称形の翼は、速度に関して、従来の帆を装備した大型船に可能とされた同一艤装を可能にするが、それらは縮帆もたたむこともできない。
【0010】
実際には、剛性翼構造体は、その表面を減らすこと、正確には縮帆ができず、また、それは、翼が帆のようにたたむことができず、正確には収めることができない。
【0011】
したがって、翼に関するあらゆる形式の介入に対して、外部の支持体を使用することが必要であり、そのため、実際には、大型船のマストを取り除くことが必要である。
【0012】
したがって、対称形の翼に関する解決策としては、競技又は短距離帆走に使用されることである。
【0013】
他方では、非対称の翼は、空力的揚力の非常に高い値に到達することを可能し、その高い値のため、速度記録の業績を得るためにも、特別に設計された非対称の翼が特定の競技を専用とするボートで使用される。
【0014】
しかしながら、それらは、速度に関して非常に高い性能を誇るが、非対称の翼を備える帆装を装備した大型船は、典型的な帆走の艤装を可能とせず、したがって、それらの使用は、前記のように、特定の競技に制限され限定されたままである。
【0015】
また、この場合、縮帆も、たたむこともできない。
【0016】
イタリア国発明特許第1404515号(特許文献1)に記載されている帆走装置もまた公知であり、その中で、逆U字形状を有するマストと帆は一体となり、それは、剛性の欠如、及びとにかく不十分なリーチ張力という欠点をもつ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】イタリア国発明特許第1404515号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の基礎をなしている技術的課題は、従来技術に対する前述の1つ以上の欠点を解決するような構造的及び機能的な特徴を有する航海手段用の帆装を提供することににあった。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、前記課題は、
−航海手段の船体の長手及び垂直方向において延在する対称面と一致することを意図とした基準面と;
−少なくとも1つの翼と、
−前記翼を支持して、翼が風を捕らえるときに翼によって発生する空力的揚力により与えられる推進力を、航海手段の船体に伝達することができる少なくとも1つの剛性支持体と;
−互いに向かい合って、少なくとも1つの空力的揚力、好ましくは、前記表面によって入射することが好ましい所定の方向である、少なくとも1方向の所定の最適方向から得られる風との相互作用による、少なくとも1方向の所定の方向で最大揚力を発生させるように協働することが可能な第1及び第2の主要面を備える翼と、
−第1の操作形態において、その際、少なくとも第1又は第2の表面の主要部分が、基準面の第1の側面部に対向し、第2の操作形態において、その際、前記主要部分が、基準面の反対側に対向している、少なくとも翼を支持することが可能な剛性支持体と、を備える航海手段用の帆装によって解決され;
剛性支持体は、第1から第2の操作位置へ及び逆もまた同様に切り替えるための翼摺動経路を備える。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つの第1の操作形態における翼の位置は、基準面に対して少なくとも1つの第2の操作形態における位置に対称的である。
【0021】
前記の対称的方向は、好ましい実施形態における帆装が前記平面に対して対称的であるが、帆装が非対称であることを除外しないことに留意されたい。
【0022】
マストは、連結と分離が可能な固定継手及び接続部の両方を意図した、航海手段の船体に連結部分を備えることが好ましい。
【0023】
好適な本発明の特徴によると、各支持体は1つの翼のみを支持し、これは、翼が交換可能であることを除外せず、その場合には、支持体が、単一の翼を同時に支持する。したがって、支持体は、翼の同一面上に常に風を捕らえるために、基準面の一方又は他方から交互に、一方の操作形態から切り替える翼(又はその主要部分)を支持することが可能であり、そして、それは両構成においてタックとしての機能を果たす。
【0024】
一般的に、帆装は、剛性支持体による航海手段の船体に伝達されて推進力を発生させることを目的とした、空力的揚力を調整する手段を備えることが好ましく、調整手段は、2つの操作形態間で翼の変位のために少なくとも作動手段を備え、所望により、それらは、揚力の調節手段を更に備える。したがって、揚力を「調整する」ことは、例えば、一方の操作形態から他方へ切り替える場合にその方向を変更し、又は、その大きさを調節することを含むことに留意されたい。
【0025】
いくつかの本発明の好適な実施形態によれば、剛性支持体は、基準面に対して少なくとも2つの対向部分(好ましくは対称形の)を有する少なくとも1つのマスト、及び2つの対向部分の少なくとも1つの接続部を備え、前記2つの対向部分及び接続部分が、前記摺動経路を画定する。
【0026】
この場合、好ましくは、前記2つの対向部分は、少なくとも1つの基本的には直線状の伸長部を備え、ここでは、好ましくは前記接続部が、少なくとも1つの湾曲した伸長部を備える。
【0027】
好適な実施形態の中で、我々が前記基準面に対して対称的な「U」又は「O」の形状をしたマストについて言及する。
【0028】
一般的で好適な本発明の特徴によれば、前記翼は、非対称の翼形を有する。
【0029】
この場合、好ましくは前記翼形が、前記支持体の近位部分、及び前記支持体の遠位部分を備え、ここで、前記近位部分は、前記遠位部分より大きな幅を有し、前記翼形は、主要面のうち一方では凹面であることが好ましく、他方では凸面であることが好ましい。
【0030】
一般的で好適な本発明の特徴によれば、翼は、第1及び第2の操作形態の両方において、基準面の方に向かう少なくとも1つの最大空力的揚力を発生させるために、方向付けられた方法で支持体に連結されるか、又は、第1及び第2の操作形態の両方において、基準面から離れた向きを持った空力的揚力を発生させるために方向付けられる。これは、揚力方向に、入射角が考慮された基準面で入射することを、方向付けによって可能にすることを意味する。入射角が調節手段によって調節され得ても、調節によって、揚力方向を基準面と平行にすることも考慮される。
【0031】
一般的に、前記最大空力的揚力の方向の一方から他方へ、及び逆もまた同様に切り替えるために、翼を分解して再組立することができることが好ましい。
【0032】
いくつかの好適な実施形態によれば、前記翼は、好ましくは前記基準面に垂直な平面に沿って分割される複数のモジュールと、好ましくは隣接するモジュールを有する各モジュールから着脱可能な連結用の連結手段を備え、各モジュールは、少なくとも所定の角度まで、隣接するモジュールに対して自由に回転する。
【0033】
この場合、好ましくは、前記連結手段は、ヒンジ、スナップ式連結手段、フック、接着式連結手段、弾性式連結手段、切り離し式連結手段、ジッパーを含むグループから選択される。
【0034】
いくつかの好適な実施形態によれば、前記駆動手段は、前記翼と前記マストとの間に着脱可能な接続部用の複数の連結要素を備え、より好ましくは各前記モジュール用の少なくとも1つの連結要素を備え、各前記モジュールは、選択的に前記マストに連結可能であり、かつ前記マストから着脱可能であることが好ましく、前記連結要素は、前記マストの延長方向に沿って摺動可能である。
【0035】
この場合、少なくとも前記連結要素は、所定の角度まで、好ましくは約180°の角度まで、少なくとも前記マストに基本的に垂直な平面上で自由に回転し、前記翼は、前記マストに対して、少なくとも前記所定の角度に相当する範囲まで回転が可能であることが好ましい。
【0036】
好ましくは、前記連結要素は、前記翼及び/又は前記マストから着脱可能であり、前記連結要素は、T字形状を有し、前記翼に対して、並びに/又は、前記マストへ/からの前記連結要素の取り付け、及び、前記連結要素の取り外しのために、前記マストに対して回転可能である。
【0037】
一般的な好適な特徴によれば、揚力調整手段は、ロープ、コード及び紐、機械式作動手段、電気式作動手段、空気式作動手段、カウンタウエイトシステム又はこのような手段の組み合わせからなる手段を含む手動操作手段を備えるグループから選択される。
【0038】
本発明によれば、前記課題は、航海手段が、いかなる大型船、ボート、又は船、多胴船さえを意味する前記形式の帆装を備える航海手段によっても解決される。
【0039】
前記表現「翼形」とは、翼又はモジュールに垂直な、及び翼自体又はモジュール自体の中心線に平行な平面によってなる、前記翼又は前記モジュールの一部分を言及するものである。
【0040】
実際には、本発明によれば、従来の帆の代わりに翼を備える航海手段用の帆装が提供され、このように、空力的揚力の発生のための要素も、同様に空力的揚力に影響力を与える厚みを備える。
【0041】
さらに、本発明によれば、前記翼は、剛体、半剛体、軟質又は膨張式、固体又は中空体でもよく、したがって、また、前記モジュールは、剛体、軟質又は膨張可能材料、固体又は中空体から作製されることができる。
【0042】
マストは、自由な一端部及び少なくとも1つの支え部を介して航海手段と一体となる一端部を具備する逆U字形状を有してもよく、又は、マストはU字形状(直線状)を備えてもよく、又は、O字のような閉鎖形状を備えてもよく、前記2つの対向部分のうち1つが延在する単一の支え部、又は、上述の2つの対向部分が延在する(直接的な連結)2つの支え部、又は、それぞれ、前記少なくとも1つの接続部が延在する(間接的な連結)単一の支え部を有し、上述の閉鎖形状部を備える場合、前記マストは、第2の接続部も備え、好ましくは少なくとも1つの湾曲した伸長部を有し、前記2つの対向部分との間に延在する。他の形状を除外しない。
【0043】
したがって、前述によれば、本発明による帆装は、基準面の一方から他方へ、より好ましくは航海手段の一方から他方へ前記翼の移動を可能とし、スターボードタック及びポートタックの両方で、翼自体が常に同じ側面、好ましくは前記翼の凹側面上に風を捕らえることを可能とする。
【0044】
さらに、前述によれば、前記翼のモジュール方式は、すでにマストと一体となった翼(縮帆可能)でも、組立てた翼の一つ以上のモジュールを取り外して目標値に至るまでその翼表面を調整するのと同様に、所望の翼表面を有するような複数のモジュールを組立てて、航行が可能である間に収めることを可能にする。
【0045】
更に、本発明の特徴及び効果は、好ましいが非排他的な実施形態の以下の詳細な説明からより明らかに記載され、添付図面を用いてその中で、非限定的な実施例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明による、マスト、第1の位置に複数のモジュールを備える移動可能かつモジュール式の翼、及び艤装を備える帆装を装備した航海手段を図によって示す。
図1-2】2つの異なる方向によるマスト上にある翼組立体の図1における平面P2に従って断面図を図によって示す。
図1-3】2つの異なる方向によるマスト上にある翼組立体の図1における平面P2に従って断面図を図によって示す。
図2】関連する拡大詳細図を伴う、第2の位置に前記翼を有した図1における航海手段を示す。
図3図2における航海手段の翼の前記マストと平行して、平面に沿った長手方向断面図を示す。
図4図1における航海手段の翼及びマストのモジュールの前記マストに垂直な平面に沿った断面図を示す。
図5】マストからモジュールを取り外す操作の中の3つの異なる瞬間における図4の断面を示す。
図6】マストから翼のモジュールの取り外しの中の図1における航海手段を示す。
図7】モジュールの取り外し後の図6における航海手段を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
前記図に関して、参照番号1は、本発明による、マスト3、翼4、及び揚力の調整用手段を備える帆装2を装備した航海手段を一般に示す。
【0048】
本発明による航海手段は、大型船、ボート又は船、及び、船体6及びデッキ7によって基本的に形成された本体5で表される図での実施例に従うもののような、どんなタイプでもよい。
【0049】
帆装1は、対称面P1を含み、航海手段の長手及び垂直方向に延在している対称面、即ち、船首から船尾まで延在する垂直面と一致する。しかしながら、船体の対称面が本件に関して非対称の帆装に対する基準面のみである実施形態では、除外されない。
【0050】
詳細には、マスト3は、好ましくは着脱可能であり、航海手段1の本体5との連結用の2つの支え部8を備え、そこから2つの部分9が延在し、平面P1に対して対向して、接続部10によって連続して接合される。
【0051】
図の実施例によれば、2つの対向部分9は、接続部10が基本的に湾曲しているのに対して、基本的に直線状であり、したがって、マスト3は、逆U字形状を全体として有し、航海手段1の本体5上で閉じられる。
【0052】
対向部分9及び接続部10は、マストの全ての延長部に沿って、対向部分の一方から他方へ及び逆もまた同様に翼の摺動による通路を考慮に入れる摺動経路18(図5で最もよく示される)を画定し、このように面P1に対してその方向の逆転をもたらす。マスト3の対向部分9のどちらか一方での、翼又はその主要部分の位置付けは、前記第1及び第2の操作形態である。
【0053】
本発明により、翼4は、以下で明らかとなるように、マスト3と着脱自在に一体となり、マスト3に沿って少なくとも翼の移動用の作動手段(17)及び作動手段に関する作動制御手段(19)を含む上述した調整手段のおかげでマスト3自体の2つの対向部分9の間を移動可能である。
【0054】
本発明により、翼4は、図の凹部−凸部形状の実施例によると、おそらく薄板状の凹部−凸部は、平凸の、非対称で両凸の、又は、対称で平坦な翼形のような異なる翼形を考慮する可能性を排除しないが、非対称の翼形を有する。
【0055】
図の実施例によれば、翼4の翼形、及びこのような翼自体は、マスト3に対する近位部11及びマスト3からの遠位部分12を備え、その際、近位部分11は、遠位部分12より大きな幅を有する。
【0056】
それでも尚、翼4を参照すると、本発明により、それは、マスト3に垂直な平面に沿って有利に分割される複数のモジュール13、及び、隣接するモジュールと各モジュール13の連結用の連結手段14を備える点に留意する必要がある。
【0057】
連結手段14は、その隣接した各モジュールに、所与のモジュール13の着脱可能な連結をもたらし、例えば、ヒンジ、スナップ式連結手段、フック、接着式連結手段、弾性式連結手段、切り離し式連結手段、又はジッパーからなってもよく、図における実施例では、連結手段14は、ヒンジによって表されている。
【0058】
特に、図の実施例によれば、隣接モジュールにおける対の対向した通路が、隣接モジュールでのすべての対抗した通路を着脱自在に係合する単一のピンでさえ、異なる数の通路及びピンを提供する可能性を排除しないが、ヒンジ形状における連結手段14は、2つの隣接モジュール13に対して、各モジュール用の一対の通路15、そして隣接モジュールにおける対の対向した通路を含む。
【0059】
本発明により、各モジュール13は、少なくとも所定の角度まで隣接するモジュールに対して自由に回転し、このように、翼3は、マスト3上で摺動するために曲がり、2つの対向部分9の一方から他方へと切り替えることが可能である点に留意する必要がある。
【0060】
駆動手段に関しては、参照番号17で示され、それらは、翼4の着脱可能な接続用の複数の連結要素をマスト3に有利に備え、好ましくは翼4の各モジュール13用の少なくとも1つの連結要素を備え、したがって、翼4をマスト3に連結する場合でも、翼4そしてマスト3から所望のモジュール13を選択的に取り除くか、又は、翼4にそしてマスト3にモジュール13を連結することが可能であり、したがって帆走(縮帆)している間、翼のモジュール数未満の複数の連結要素を設ける可能性を排除しないが、しかしながらモジュールを相互に連結している点に留意する必要がある。
【0061】
詳細には、移動手段17、及び、このような連結要素は、図の実施例にて示すように、例えばその上に又はその中に、その進行方向に沿ったマスト3によって画定される摺動経路18に沿って摺動自在であり、摺動経路は、後者の場合では、拡張する底部を有する溝を設けた形状を有し、溝は例えばT字断面を有する。
【0062】
加えて、移動手段17、及びこのような連結要素は、マスト3に対して、特に平面上で基本的にマスト3と直交して、少なくとも所定の角度A(図1−2及び1−3)、好ましくは約180°の角度、即ち、翼4が基本的に平面P1と平行である整列位置に対して約−90°〜+90°の角度まで、自由に回転する。
【0063】
角度Aは、揚力に影響を及ぼし、そのため、それは、船体に対して翼を固定するロープ91のような空力的移動90の調整手段により、使用者の要求通り調節されることができる。
【0064】
このような方法で、翼4は、前記角度と同じ距離まで、マスト3に対して回転することができ、連結要素は、マスト3に対して移動可能であり、更には翼4自体に固定される。この点に関しては、翼4の、したがってモジュール13のマスト3への前記着脱可能な連結に対して、駆動手段17、及びこのような連結要素は、翼から及び/又はマストから着脱可能であるという点に留意する必要がある。
【0065】
図の実施例によれば、駆動手段17、及び、このような連結要素は、マスト3から着脱可能であると示され、特に、それらは、マスト3に/から翼を留めるか又は外すために、翼及びマストに対してT形状を伴って回転可能であると示される。
【0066】
駆動手段17上の作動制御手段に関しては、それらが、ケーブル、ロープ、及び紐、又は機械式作動手段、電気式作動手段、空気圧式作動手段と同様にカウンタウエイトシステム若しくはこのような手段の組み合わせを備える手段のような、手動作動手段でもよい点に留意する必要がある。
【0067】
図の実施例は、ロープの形態での制御手段19を示す。
【0068】
図の実施例はまた、矢印によって、翼、翼自体のモジュール、翼及びモジュール駆動手段、並びに制御手段が行う動きを示す。
【0069】
図1−2に関しては、風が矢印Wの方向の翼に影響を与える場合、後方には、空力的揚力、即ち、矢印Lの方向の推力を発生させることを図によって示す。この推力は、マストによって船体に伝達され、このように推進力Tを発生させることによって、舵95を用いて所望の方向に維持する。
【0070】
本実施例では、翼4は、調節角度Aに依存した揚力に対する角度により、揚力Lが平面Pから離れて導かれこのように方向付けられたマスト3と一体となる。船尾での風の場合には、一方が、P1と平行の揚力Lを有するようになる可能性がある。
【0071】
翼4は、第1の及び第2の操作形態の両方にタック対向平面P1として用いられる主要面4a、及び4aと反対側のもう一方の主要面4bを有する.
【0072】
図1−3の実施例では、翼の(特に実施例に示される非対称の凹部/凸部の表面4a及び4bの)方向は、2つの操作形態における図1−2でのそれと比較して逆である。これにより、揚力Lは、この場合には同じ風の条件で平面P1の方へ方向づけられる。
【0073】
図1−2の方向から図1−3の方向へ及び逆もまた同様に切り替えるために、翼4をマストから取り外すことができて、反転した表面4a及び4bによって再組立てすることができ、翼と同様に、前記2つの方向のうち一方のみによって翼をマスト3と連結できる帆装を考慮することができる。
【0074】
前記説明にすでに記載された本発明の利点は、航海手段用の帆装及び同様の帆装を備える航海手段は設けられ、従来技術による帆装を装備した航海手段によって達成されるこれらと比較して、より高い全体的性能を可能とすることを観察することによって要約されることができる。
【0075】
本発明による帆装及び航海手段は、著しく増加した空力的揚力(予測通りでは20%〜50%)によって、事実、常に翼の同じ側面上に風を捕らえることを可能にし、それによって、風向により近い様々な角度の経路をたどることが可能な速度に関する、及び、向かい風の観点からの性能を増強させる。
【0076】
そのうえ、逆にしたUのような本帆装の実施形態に特に関連して、操作形態において基準面P1からの翼がより遠いものは(即ち図示の例においてより広いU)、図示の例のような端で船体に連結されるマストを有する好ましい事例と並んで、単一マストの解決策と比較して航海手段の床面積がより大きく、船員の場所は、マスト、ブーム、及び/又は航海手段の本体に関するいくつかの艤装の配置によっては、もはや束縛又は制限されない。
【0077】
さらに、翼のモジュール方式のため、艤装の操作及び航海手段の非艤装は、現行の翼と比較して相当に容易になる。
【0078】
翼モジュール方式は、艤装した航海手段及びマストに装着され一体となった翼による航行中でさえ、翼自体の表面、したがって、所望の場合、空力的揚力を発生させる要素の表面を変更することも可能にする。
【0079】
いくつかの変更及び修正は、本発明に対する当該技術分野における当業者により作製されてもよく、図示及び記載された実施形態において、不確定及び特定の必要条件に応えるため、すべては以下の請求項に記載の本発明の保護の範囲内にある。
図1
図1bis
図1ter
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2018年4月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
その最も一般的な態様において、本発明は、航海分野に関し、特に航海手段用の帆装に関するものである。
【0002】
より詳細には、本発明は、マスト、少なくとも1つの空力的推力を発生させるための要素、及び艤装を備える前記形式の帆装に関するものである。
【0003】
本発明はまた、このような帆装を備える航海手段に関するものである。
【背景技術】
【0004】
航海分野において、特に航海手段の分野において、異なる種類の帆装が、数世紀にわたって開発されており、すべては基本的に少なくとも1つのマストを備え、少なくとも1つの帆がマスト及びいわゆる艤装と一体となり、言い換えると、そのシステムは、帆、並びに、ロープ、コード、及び紐だけでなく、所望によりブーム、及び帆を制御するための似た要素を備えるものを支配するのに適している。
【0005】
異なる帆装の形式の中で、いわゆるバミューダ又はマルコーニ・リグは、特に、より速い速度及びより大きな風上の作動角度を含む、異なる視点に基づきより有利であったため、ポルトガルの帆装及びラテンの帆装と比較してそれ自体を確立した。
【0006】
ラテン帆装の実施例としては、仏国特許出願公開第285341号(特許文献1)に存在する。
【0007】
要約すると、バミューダの帆装は、マスト、マストの後方にある三角形の帆、ブームを操作する帆、同様に上述した形式の他の艤装によって基本的に形成される。
【0008】
さらに近頃、バミューダ帆装を基礎として、いわゆる「ウイングセール」技術が開発されており、その中で、古典的な帆、又はそれらの一部は、翼、すなわち、空力的推力値に影響力がある大きな厚みを備える剛性要素によって置き換えられている。
【0009】
特に、対称形の翼又は非対称形の翼を備える帆装が普及している。
【0010】
原理上は、対称形の翼は、速度に関して、従来の帆を装備した大型船に可能とされた同一艤装を可能にするが、それらは縮帆もたたむこともできない。
【0011】
実際には、剛性翼構造体は、その表面を減らすこと、正確には縮帆ができず、また、それは、翼が帆のようにたたむことができず、正確には収めることができない。
【0012】
したがって、翼に関するあらゆる形式の介入に対して、外部の支持体を使用することが必要であり、そのため、実際には、大型船のマストを取り除くことが必要である。
【0013】
したがって、対称形の翼に関する解決策としては、競技又は短距離帆走に使用されることである。
【0014】
他方では、非対称の翼は、空力的推力の非常に高い値に到達することを可能し、その高い値のため、速度記録の業績を得るためにも、特別に設計された非対称の翼が特定の競技を専用とするボートで使用される。
【0015】
しかしながら、それらは、速度に関して非常に高い性能を誇るが、非対称の翼を備える帆装を装備した大型船は、典型的な帆走の艤装を可能とせず、したがって、それらの使用は、前記のように、特定の競技に制限され限定されたままである。
【0016】
また、この場合、縮帆も、たたむこともできない。
【0017】
イタリア国発明特許第1404515号(特許文献2)に記載されている帆走装置もまた公知であり、その中で、逆U字形状を有するマストと帆は一体となり、それは、剛性の欠如、及びとにかく不十分なリーチ張力という欠点をもつ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】仏国特許出願公開第285341号
【特許文献2】イタリア国発明特許第1404515号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の基礎をなしている技術的課題は、従来技術に対する前述の1つ以上の欠点を解決するような構造的及び機能的な特徴を有する航海手段用の帆装を提供することににあった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、前記課題は、
−前記航海手段の船体の長手及び垂直方向において延在する対称面と一致することを意図とした基準面と;
−少なくとも1つの翼と、
−前記翼を支持して、翼が風を捕らえるときに翼によって発生する空力的推力により与えられる推進力を、航海手段の船体に伝達することができる少なくとも1つの剛性支持体と;
−互いに向かい合って、少なくとも1つの空力的推力、好ましくは、前記表面によって入射することが好ましい所定の方向である、少なくとも1方向の所定の最適方向から得られる風との相互作用による、少なくとも1方向の所定の方向で最大推力を発生させるように協働することが可能な第1及び第2の主要面を備える翼と、
−第1の操作形態において、その際、少なくとも第1又は第2の表面の主要部分が、基準面の第1の側面部に面し、第2の操作形態において、その際、前記主要部分が、基準面の反対側に面している、少なくとも翼を支持することができる前記剛性支持体と、を備える航海手段用の帆装によって解決され;
剛性支持体が、第1から第2の操作位置へ及び逆もまた同様に切り替えるための翼摺動経路を備える。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの第1の操作形態における翼の位置は、基準面に対して少なくとも1つの第2の操作形態における位置に対称的である。
【0022】
前記の対称的方向は、好ましい実施形態における帆装が前記平面に対して対称的であるが、帆装が非対称であることを除外しないことに留意されたい。
【0023】
マストは、連結と分離が可能な固定継手及び接続部の両方を意図した、航海手段の船体に連結部分を備えることが好ましい。
【0024】
好適な本発明の特徴によると、各支持体は1つの翼のみを支持し、これは、翼が交換可能であることを除外せず、その場合には、支持体が、単一の翼を同時に支持する。したがって、支持体は、翼の同一面上に常に風を捕らえるために、基準面の一方又は他方から交互に、一方の操作形態から他方へ切り替える翼(又はその主要部分)を支持することが可能であり、そして、それは両構成においてタックとしての機能を果たす。
【0025】
一般的に、帆装は、剛性支持体による航海手段の船体に伝達されて推進力を発生させることを目的とした、空力的推力を調整する手段を備えることが好ましく、調整手段は、2つの操作形態間で翼の変位のために少なくとも作動手段を備え、所望により、それらは、推力の調節手段を更に備える。したがって、推力を「調整する」ことは、例えば、一方の操作形態から他方へ切り替える場合にその方向を変更し、又は、その大きさを調節することを含むことに留意されたい。
【0026】
いくつかの本発明の好適な実施形態によれば、剛性支持体は、基準面に対して少なくとも2つの対向部分(好ましくは対称形の)を有する少なくとも1つのマスト、及び2つの対向部分の少なくとも1つの接続部を備え、前記2つの対向部分及び接続部分が、前記摺動経路を画定する。
【0027】
この場合、好ましくは、前記2つの対向部分は、少なくとも1つの基本的には直線状の伸長部を備え、ここでは、好ましくは前記接続部が、少なくとも1つの湾曲した伸長部を備える。
【0028】
好適な実施形態の中で、我々が前記基準面に対して対称的な「U」又は「O」の形状をしたマストについて言及する。
【0029】
一般的で好適な本発明の特徴によれば、前記翼は、非対称の翼形を有する。
【0030】
この場合、好ましくは前記翼形が、前記支持体の近位部分、及び前記支持体の遠位部分を備え、ここで、前記近位部分は、前記遠位部分より大きな幅を有し、前記翼形は、主要面のうち一方では凹面であることが好ましく、他方では凸面であることが好ましい。
【0031】
一般的で好適な本発明の特徴によれば、翼は、第1及び第2の操作形態の両方において、基準面の方に向かう少なくとも1つの最大空力的推力を発生させるために、方向付けられた方法で支持体に連結されるか、又は、第1及び第2の操作形態の両方において、基準面から離れた向きを持った空力的推力を発生させるために方向付けられる。これは、推力方向に、入射角が考慮された基準面で入射することを、方向付けによって可能にすることを意味する。入射角が調節手段によって調節され得ても、調節によって、推力方向を基準面と平行にすることも考慮される。
【0032】
一般的に、前記最大空力的推力の方向の一方から他方へ、及び逆もまた同様に切り替えるために、翼を分解して再組立することができることが好ましい。
【0033】
いくつかの好適な実施形態によれば、前記翼は、好ましくは前記基準面に垂直な平面に沿って分割される複数のモジュールと、好ましくは隣接するモジュールを有する各モジュールから着脱可能な連結用の連結手段を備え、各モジュールは、少なくとも所定の角度まで、隣接するモジュールに対して自由に回転する。
【0034】
この場合、好ましくは、前記連結手段は、ヒンジ、スナップ式連結手段、フック、接着式連結手段、弾性式連結手段、切り離し式連結手段、ジッパーを含むグループから選択される。
【0035】
いくつかの好適な実施形態によれば、前記駆動手段は、前記翼と前記マストとの間に着脱可能な接続部用の複数の連結要素を備え、より好ましくは各前記モジュール用の少なくとも1つの連結要素を備え、各前記モジュールは、選択的に前記マストに連結可能であり、かつ前記マストから着脱可能であることが好ましく、前記連結要素は、前記マストの延長方向に沿って摺動可能である。
【0036】
この場合、少なくとも前記連結要素は、所定の角度まで、好ましくは約180°の角度まで、少なくとも前記マストに基本的に垂直な平面上で自由に回転し、前記翼は、前記マストに対して、少なくとも前記所定の角度に相当する範囲まで回転が可能であることが好ましい。
【0037】
好ましくは、前記連結要素は、前記翼及び/又は前記マストから着脱可能であり、前記連結要素は、T字形状を有し、前記翼に対して、並びに/又は、前記マストへ/からの前記連結要素の取り付け、及び、前記連結要素の取り外しのために、前記マストに対して回転可能である。
【0038】
一般的な好適な特徴によれば、推力調整手段は、ロープ、コード及び紐、機械式作動手段、電気式作動手段、空気式作動手段、カウンタウエイトシステム又はこのような手段の組み合わせからなる手段を含む手動操作手段を備えるグループから選択される。
【0039】
本発明によれば、前記課題は、航海手段が、いかなる大型船、ボート、又は船、多胴船さえを意味する前記形式の帆装を備える航海手段によっても解決される。
【0040】
前記表現「翼形」とは、翼又はモジュールに垂直な、及び翼自体又はモジュール自体の中心線に平行な平面によってなる、前記翼又は前記モジュールの一部分を言及するものである。
【0041】
実際には、本発明によれば、従来の帆の代わりに翼を備える航海手段用の帆装が提供され、このように、空力的推力の発生のための要素も、同様に空力的推力に影響力を与える厚みを備える。
【0042】
さらに、本発明によれば、前記翼は、剛体、半剛体、軟質又は膨張式、固体又は中空体でもよく、したがって、また、前記モジュールは、剛体、軟質又は膨張可能材料、固体又は中空体から作製されることができる。
【0043】
マストは、自由な一端部及び少なくとも1つの支え部を介して航海手段と一体となる一端部を具備する逆U字形状を有してもよく、又は、マストはU字形状(直線状)を備えてもよく、又は、O字のような閉鎖形状を備えてもよく、前記2つの対向部分のうち1つが延在する単一の支え部、又は、上述の2つの対向部分が延在する(直接的な連結)2つの支え部、又は、それぞれ、前記少なくとも1つの接続部が延在する(間接的な連結)単一の支え部を有し、上述の閉鎖形状部を備える場合、前記マストは、第2の接続部も備え、好ましくは少なくとも1つの湾曲した伸長部を有し、前記2つの対向部分との間に延在する。他の形状を除外しない。
【0044】
したがって、前述によれば、本発明による帆装は、基準面の一方から他方へ、より好ましくは航海手段の一方から他方へ前記翼の移動を可能とし、スターボードタック及びポートタックの両方で、翼自体が常に同じ側面、好ましくは前記翼の凹側面上に風を捕らえることを可能とする。
【0045】
さらに、前述によれば、前記翼のモジュール方式は、すでにマストと一体となった翼(縮帆可能)でも、組立てた翼の一つ以上のモジュールを取り外して目標値に至るまでその翼表面を調整するのと同様に、所望の翼表面を有するような複数のモジュールを組立てて、航行が可能である間に収めることを可能にする。
【0046】
更に、本発明の特徴及び効果は、好ましいが非排他的な実施形態の以下の詳細な説明からより明らかに記載され、添付図面を用いてその中で、非限定的な実施例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明による、マスト、第1の位置に複数のモジュールを備える移動可能かつモジュール式の翼、及び艤装を備える帆装を装備した航海手段を図によって示す。
図1-2】2つの異なる方向によるマスト上にある翼組立体の図1における平面P2に従って断面図を図によって示す。
図1-3】2つの異なる方向によるマスト上にある翼組立体の図1における平面P2に従って断面図を図によって示す。
図2】関連する拡大詳細図を伴う、第2の位置に前記翼を有した図1における航海手段を示す。
図3図2における航海手段の翼の前記マストと平行して、平面に沿った長手方向断面図を示す。
図4図1における航海手段の翼及びマストのモジュールの前記マストに垂直な平面に沿った断面図を示す。
図5】マストからモジュールを取り外す操作の中の3つの異なる瞬間における図4の断面を示す。
図6】マストから翼のモジュールの取り外しの中の図1における航海手段を示す。
図7】モジュールの取り外し後の図6における航海手段を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
前記図に関して、参照番号1は、本発明による、マスト3、翼4、及び推力の調整手段を備える帆装2を装備した航海手段を一般に示す。
【0049】
本発明による航海手段は、大型船、ボート又は船、及び、船体6及びデッキ7によって基本的に形成された本体5で表される図での実施例に従うもののような、どんなタイプでもよい。
【0050】
帆装1は、対称面P1を含み、航海手段の長手及び垂直方向に延在している対称面、即ち、船首から船尾まで延在する垂直面と一致する。しかしながら、船体の対称面が本件に関して非対称の帆装に対する基準面のみである実施形態では、除外されない。
【0051】
詳細には、マスト3は、好ましくは着脱可能であり、航海手段1の本体5との連結用の2つの支え部8を備え、そこから2つの部分9が延在し、平面P1に対して対向して、接続部10によって連続して接合される。
【0052】
図の実施例によれば、2つの対向部分9は、接続部10が基本的に湾曲しているのに対して、基本的に直線状であり、したがって、マスト3は、逆U字形状を全体として有し、航海手段1の本体5上で閉じられる。
【0053】
対向部分9及び接続部10は、マストの全ての延長部に沿って、対向部分の一方から他方へ及び逆もまた同様に翼の摺動による通路を考慮に入れる摺動経路18(図5で最もよく示される)を画定し、このように面P1に対してその方向の逆転をもたらす。マスト3の対向部分9のどちらか一方での、翼又はその主要部分の位置付けは、前記第1及び第2の操作形態である。
【0054】
本発明により、翼4は、以下で明らかとなるように、マスト3と着脱自在に一体となり、マスト3に沿って少なくとも翼の移動用の作動手段(17)及び作動手段に関する作動制御手段(19)を含む上述した調整手段のおかげでマスト3自体の2つの対向部分9の間を移動可能である。
【0055】
本発明により、翼4は、図の凹部−凸部形状の実施例によると、おそらく薄板状の凹部−凸部は、平凸の、非対称で両凸の、又は、対称で平坦な翼形のような異なる翼形を考慮する可能性を排除しないが、非対称の翼形を有する。
【0056】
図の実施例によれば、翼4の翼形、及びこのような翼自体は、マスト3に対する近位部11及びマスト3からの遠位部分12を備え、その際、近位部分11は、遠位部分12より大きな幅を有する。
【0057】
それでも尚、翼4を参照すると、本発明により、それは、マスト3に垂直な平面に沿って有利に分割される複数のモジュール13、及び、隣接するモジュールと各モジュール13の連結用の連結手段14を備える点に留意する必要がある。
【0058】
連結手段14は、その隣接した各モジュールに、所与のモジュール13の着脱可能な連結をもたらし、例えば、ヒンジ、スナップ式連結手段、フック、接着式連結手段、弾性式連結手段、切り離し式連結手段、又はジッパーからなってもよく、図における実施例では、連結手段14は、ヒンジによって表されている。
【0059】
特に、図の実施例によれば、隣接モジュールにおける対の対向した通路が、隣接モジュールでのすべての対抗した通路を着脱自在に係合する単一のピンでさえ、異なる数の通路及びピンを提供する可能性を排除しないが、ヒンジ形状における連結手段14は、2つの隣接モジュール13に対して、各モジュール用の一対の通路15、そして隣接モジュールにおける対の対向した通路を含む。
【0060】
本発明により、各モジュール13は、少なくとも所定の角度まで隣接するモジュールに対して自由に回転し、このように、翼3は、マスト3上で摺動するために曲がり、2つの対向部分9の一方から他方へと切り替えることが可能である点に留意する必要がある。
【0061】
駆動手段に関しては、参照番号17で示され、それらは、翼4の着脱可能な接続用の複数の連結要素をマスト3に有利に備え、好ましくは翼4の各モジュール13用の少なくとも1つの連結要素を備え、したがって、翼4をマスト3に連結する場合でも、翼4そしてマスト3から所望のモジュール13を選択的に取り除くか、又は、翼4にそしてマスト3にモジュール13を連結することが可能であり、したがって帆走(縮帆)している間、翼のモジュール数未満の複数の連結要素を設ける可能性を排除しないが、しかしながらモジュールを相互に連結している点に留意する必要がある。
【0062】
詳細には、移動手段17、及び、このような連結要素は、図の実施例にて示すように、例えばその上に又はその中に、その進行方向に沿ったマスト3によって画定される摺動経路18に沿って摺動自在であり、摺動経路は、後者の場合では、拡張する底部を有する溝を設けた形状を有し、溝は例えばT字断面を有する。
【0063】
加えて、移動手段17、及びこのような連結要素は、マスト3に対して、特に平面上で基本的にマスト3と直交して、少なくとも所定の角度A(図1−2及び1−3)、好ましくは約180°の角度、即ち、翼4が基本的に平面P1と平行である整列位置に対して約−90°〜+90°の角度まで、自由に回転する。
【0064】
角度Aは、推力に影響を及ぼし、そのため、それは、船体に対して翼を固定するロープ91のような空力的移動90の調整手段により、使用者の要求通り調節されることができる。
【0065】
このような方法で、翼4は、前記角度と同じ距離まで、マスト3に対して回転することができ、連結要素は、マスト3に対して移動可能であり、更には翼4自体に固定される。
【0066】
この点に関しては、翼4の、したがってモジュール13のマスト3への前記着脱可能な連結に対して、駆動手段17、及びこのような連結要素は、翼から及び/又はマストから着脱可能であるという点に留意する必要がある。
【0067】
図の実施例によれば、駆動手段17、及び、このような連結要素は、マスト3から着脱可能であると示され、特に、それらは、マスト3に/から翼を留めるか又は外すために、翼及びマストに対してT形状を伴って回転可能であると示される。
【0068】
駆動手段17上の作動制御手段に関しては、それらが、ケーブル、ロープ、及び紐、又は機械式作動手段、電気式作動手段、空気圧式作動手段と同様にカウンタウエイトシステム若しくはこのような手段の組み合わせを備える手段のような、手動作動手段でもよい点に留意する必要がある。
【0069】
図の実施例は、ロープの形態での制御手段19を示す。
【0070】
図の実施例はまた、矢印によって、翼、翼自体のモジュール、翼及びモジュール駆動手段、並びに制御手段が行う動きを示す。
【0071】
図1−2に関しては、風が矢印Wの方向の翼に影響を与える場合、後方には、矢印Lの方向に空力的推力を発生させることを図によって示す。この推力は、マストによって船体に伝達され、このように推進力Tを発生させることによって、舵95を用いて所望の方向に維持する。
【0072】
本実施例では、翼4は、調節角度Aに依存した推力に対する角度により、推力Lが平面Pから離れて導かれこのように方向付けられたマスト3と一体となる。船尾での風の場合には、一方が、P1と平行の推力Lを有するようになる可能性がある。
【0073】
翼4は、第1の及び第2の操作形態の両方にタック対向平面P1として用いられる主要面4a、及び4aと反対側のもう一方の主要面4bを有する.
【0074】
図1−3の実施例では、翼の(特に実施例に示される非対称の凹部/凸部の表面4a及び4bの)方向は、2つの操作形態における図1−2でのそれと比較して逆である。これにより、推力Lが、この場合には同じ風の条件で平面P1の方へ方向付けられる。
【0075】
図1−2の方向から図1−3の方向へ及び逆もまた同様に切り替えるために、翼4をマストから取り外すことができて、反転した表面4a及び4bによって再組立てすることができ、翼と同様に、前記2つの方向のうち一方のみによって翼をマスト3と連結できる帆装を考慮することができる。
【0076】
前記説明にすでに記載された本発明の利点は、航海手段用の帆装及び同様の帆装を備える航海手段は設けられ、従来技術による帆装を装備した航海手段によって達成されるこれらと比較して、より高い全体的性能を可能とすることを観察することによって要約されることができる。
【0077】
本発明による帆装及び航海手段は、著しく増加した空力的推力(予測通りでは20%〜50%)によって、事実、常に翼の同じ側面上に風を捕らえることを可能にし、それによって、風向により近い様々な角度の経路をたどることが可能な速度に関する、及び、向かい風の観点からの性能を増強させる。
【0078】
そのうえ、逆にしたUのような本帆装の実施形態に特に関連して、操作形態において基準面P1からの翼がより遠いものは(即ち図示の例においてより広いU)、図示の例のような端で船体に連結されるマストを有する好ましい事例と並んで、単一マストの解決策と比較して航海手段の床面積がより大きく、船員の場所は、マスト、ブーム、及び/又は航海手段の本体に関するいくつかの艤装の配置によっては、もはや束縛又は制限されない。
【0079】
さらに、翼のモジュール方式のため、艤装の操作及び航海手段の非艤装は、現行の翼と比較して相当に容易になる。
【0080】
翼モジュール方式は、艤装した航海手段及びマストに装着され一体となった翼による航行中でさえ、翼自体の表面、したがって、所望の場合、空力的推力を発生させる要素の表面を変更することも可能にする。
【0081】
いくつかの変更及び修正は、本発明に対する当該技術分野における当業者により作製されてもよく、図示及び記載された実施形態において、不確定及び特定の必要条件に応えるため、すべては以下の請求項に記載の本発明の保護の範囲内にある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航海手段用の帆装(2)であり:
−前記航海手段の船体(6)の長手及び垂直方向において延在する対称面と一致することを意図とした基準面(P1)と;
−空力的推力(L)の発生用の翼形を有するという点で従来の帆とは異なり、また、同じ前記空力的推力に影響を及ぼす厚さを有する、少なくとも1つの翼(4)と、
−前記翼を支持して、前記翼が風を捕らえるときに前記翼によって発生する空力的推力により与えられる推進力を、前記航海手段の前記船体に伝達することができる少なくとも1つの剛性支持体(3)と;
−互いと向かい合って第1及び第2の主要面(4a、4b)を備える前記翼と;
−第1の操作形態において、その際、少なくとも前記第1又は第2の表面の主要部分が、前記基準面(P1)の第1の側面部に面し、第2の操作形態において、その際、前記主要部分が、前記基準面の反対側に面している、少なくとも前記翼を支持することができる前記剛性支持体(3)と、を備える帆装であって;
前記剛性支持体が、前記第1から前記第2の操作位置へ及び逆もまた同様に切り替えるための翼摺動経路(18)を備え;
前記支持体は、前記翼自体が常に同じ前記側面上に風を捕らえることが可能であるように、一方の操作形態から切り替える際に前記基準面の一方又は他方から交互に前記翼(又はその主要部分)を支持することが可能であり、そして、それは両構成においてタックとしての機能を果たす帆装。
【請求項2】
前記経路が、前記基準面に対して前記翼方向の反転を引き起こすのに適していることを特徴とする、請求項1に記載の帆装。
【請求項3】
各支持体が、単一の翼のみを支持することを特徴とする、請求項1に記載の帆装。
【請求項4】
前記剛性支持体を通じて前記航海手段の前記船体に伝達されて前記推進力を発生させることを目的とした、空力的推力を調整する手段を備え、前記調整手段が、前記2つの操作形態間で前記翼(4)の変位のために少なくとも作動手段(17)を備え、所望により、それらは、前記推力の調節手段を更に備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の帆装。
【請求項5】
前記剛性支持体が、前記基準面に対する少なくとも2つの対向部分、及び前記2つの対向部分を持つ少なくとも1つの接続部分を有する少なくとも1つのマストを備え、前記2つの対向部分及び前記接続部分が、前記基準面に対して前記翼の前記反転が生じるように構成される前記摺動経路を画定することを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項6】
前記2つの対向部分(9)が、少なくとも1つの基本的には直線状の伸長部を備え、好ましくは前記接続部分(10)が、少なくとも1つの湾曲した伸長部を備える、請求項5に記載の帆装。
【請求項7】
前記マストが、前記基準面に対して対称的な「U」又は「O」の形状であることを特徴とする、請求項5に記載の帆装。
【請求項8】
前記翼(4)が、非対称の翼形を有することを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項9】
前記翼形が、前記支持体(3)に対する近位部(11)及び前記支持体(3)からの遠位部分(12)を備え、前記近位部分(11)が、前記遠位部分(12)より大きな幅を有し、前記翼形が、主要面のうち一方では凹面であることが好ましく、他方では凸面であることが好ましい、請求項8に記載の帆装。
【請求項10】
前記翼が、前記第1及び第2の操作形態の両方において、前記基準面の方向に向きを持った少なくとも1つの最大空力的推力を発生させるために、方向づけられた方法で前記支持体に連結されている、又は、前記第1及び第2の操作形態の両方において、前記基準面から離れた向きを持った空力的推力を発生させるために方向づけられることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項11】
前記翼は、前記最大空力的推力の方向の一方から他方へ、及び逆もまた同様に切り替えるために、支持体の取り付け及び取り外しが可能であることを特徴とする、請求項10に記載の帆装。
【請求項12】
前記翼(4)が、好ましくは前記基準面に垂直な平面に沿って分割される複数のモジュール(13)と、好ましくは隣接するモジュールを有する各モジュール(13)から着脱可能な連結用の連結手段(14)を備え、各モジュール(13)が、少なくとも所定の角度まで、隣接するモジュールに対して自由に回転する、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の帆装。
【請求項13】
請求項4及び5による場合、前記駆動手段(17)が、前記翼(4)と前記マスト(3)との間に着脱可能な接続部用の複数の連結要素を備え、より好ましくは各前記モジュール(13)用の少なくとも1つの連結要素を備え、各前記モジュール(13)が、選択的に前記マスト(3)に連結可能であり、かつ前記マスト(3)から着脱可能であることが好ましく、前記連結要素が、前記マスト(3)の延長方向に沿って摺動可能である、請求項12に記載の帆装。
【請求項14】
前記連結要素は、所定の角度まで、好ましくは約180°の角度まで、少なくとも前記マスト(3)に基本的に垂直な平面上で自由に回転し、前記翼(4)が、前記マスト(3)に対して、少なくとも前記所定の角度に相当する範囲まで回転が可能である、請求項13に記載の帆装。
【請求項15】
前記連結要素が、前記翼(3)及び/又は前記マスト(4)から着脱可能であり、前記連結要素が、T字形状を有し、前記翼(3)に対して、並びに/又は、前記マストへ/からの前記連結要素の取り付け、及び、前記連結要素の取り外しのために、前記マスト(4)に対して回転可能である、請求項13又は14に記載の帆装。
【請求項16】
請求項1〜15のうちいずれか一項に記載の帆装を備える航海手段(1)。
【国際調査報告】