【課題を解決するための手段】
【0019】
この課題は、独立特許請求項の特徴を備えた本発明によって解決される。本発明の有利な発展例は、個別にまたは組み合わせて実現化され得、それは、従属請求項に提示されており、ならびに/または、以下の明細書および詳細な実施形態に提示されている。
【0020】
以下において使用されているように、「有する」、「含む(comprise)」、もしくは「含む(include)」という用語、または、それらの文法上の任意の変形例は、非排他的に使用されている。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴以外に、この文脈において説明されているエンティティの中にはさらなる特徴が存在していないという状況、および、1個または複数のさらなる特徴が存在しているという状況の両方を表している可能性がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを含む(A comprises B)」、および「AはBを含む(A includes B)」という表現は、B以外に他のエレメントがAの中に存在しないという状況(すなわち、Aは専らおよび排他的にBだけから構成されているという状況)、および、B以外に、エレメントC、エレメントCおよびD、または、さらに別のエレメントなどのような、1個または複数のさらにエレメントが、エンティティAの中に存在しているという状況の両方を表している可能性がある。
【0021】
さらに、「少なくとも1個」、「1個または複数」という用語、または、特徴またはエレメントが1回もしくは2回以上存在し得ることを示す同様の表現は、典型的に、それぞれの特徴またはエレメントを導入するときに1回だけ使用されることになることが留意されるべきである。以下では、ほとんどのケースでは、それぞれの特徴またはエレメントを参照するときに、「少なくとも1個」または「1個もしくは複数」という表現は、それぞれの特徴またはエレメントが1回または2回以上存在し得るという事実にもかかわらず、繰り返されないことになる。
【0022】
さらに、以下において使用されているように、「好ましくは」、「より好ましくは」、「とりわけ」、「さらに具体的には」、「具体的には」、「より具体的には」という用語、または、同様の用語は、代替的な可能性を制限することなく、任意の特徴を伴って使用されている。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、決して、特許請求の範囲を制限することは意図していない。当業者は認識することになるように、本発明は、代替的な特徴を使用して実施され得る。同様に、「本発明の実施形態では」または同様の表現によって導入される特徴は、任意の特徴であることが意図されており、本発明の代替的な実施形態に関していかなる制限を課すものではなく、本発明の範囲に関していかなる制限を課すものではなく、また、そのようにして導入される特徴と本発明の他の任意の特徴または非任意の特徴を組み合わせることの可能性に関していかなる制限を課すものではない。
【0023】
本発明の第1の態様では、少なくとも1個の対象物の位置を決定するための検出器が開示されている。
【0024】
「対象物」は、一般的に、生物および非生物から選ばれる任意の対象物であることが可能である。したがって、例として、少なくとも1個の対象物は、1個もしくは複数の物品、および/または、1個もしくは複数の物品のパーツを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、対象物は、1個もしくは複数の生物、および/または、1個または複数の生物のパーツ、例えば、人間、例えば、ユーザ、および/または動物の1個もしくは複数の身体のパーツであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。
【0025】
本明細書で使用されているように、「位置」という用語は、空間内の対象物および/または対象物の少なくとも1個の部分の場所および/または配向に関する少なくとも1つの情報を表している。したがって、少なくとも1つの情報は、対象物の少なくとも1個のポイントと少なくとも1個の検出器との間の少なくとも1個の距離を暗示することが可能である。さらに詳細に下記に概説されることになるように、距離は、縦方向座標であることが可能であり、または、対象物のポイントの縦方向座標を決定することに寄与することが可能である。追加的にまたは代替的に、対象物および/または対象物の少なくとも1個の部分の場所および/または配向に関する1つまたは複数の他の情報が決定され得る。例として、対象物および/または対象物の少なくとも1個の部分の少なくとも1個の横方向座標が決定され得る。したがって、対象物の位置は、対象物および/または対象物の少なくとも1個の部分の少なくとも1個の縦方向座標を暗示することが可能である。追加的にまたは代替的に、対象物の位置は、対象物および/または対象物の少なくとも1個の部分の少なくとも1個の横方向座標を暗示することが可能である。追加的にまたは代替的に、対象物の位置は、空間内の対象物の配向を示す、対象物の少なくとも1個の配向情報を暗示することが可能である。
【0026】
したがって、例として、検出器は、座標系を構成することが可能であり、その座標系において、光学軸は、z軸を形成しており、また、その座標系において、追加的に、x軸およびy軸も設けられ得、x軸およびy軸は、z軸に対して垂直になっており、また、互いに対して垂直になっている。例として、検出器、および/または、検出器の一部は、この座標系の中の特定の点に存在することが可能であり、例えば、この座標系の原点などに存在することが可能である。この座標系において、z軸に対して平行または逆平行の方向は、縦方向とみなされ得、また、z軸に沿った座標は、縦方向座標と考えられ得る。縦方向に対して垂直の任意の方向は、横方向と考えられ得、また、x座標および/またはy座標は、横方向座標と考えられ得る。
【0027】
代替的に、他のタイプの座標系も使用され得る。したがって、例として、極座標系も使用され得、極座標系において、光学軸は、z軸を形成しており、また、極座標系において、z軸からの距離および極角度は、追加的な座標として使用され得る。繰り返しになるが、z軸に対して平行または逆平行の方向は、縦方向と考えられ得、また、z軸に沿った座標は、縦方向座標と考えられ得る。z軸に対して垂直の任意の方向は、横方向と考えられ得、極座標および/または極角度は、横方向座標と考えられ得る。
【0028】
本明細書で使用されているように、光学的な検出のための検出器は、一般的に、少なくとも1つの対象物の位置に関する少なくとも1つの情報を提供するように適合されたデバイスである。検出器は、据置型デバイスまたはモバイルデバイスであることが可能である。さらに、検出器は、スタンドアロンデバイスであることが可能であり、または、コンピュータ、車両、もしくは任意の他のデバイスなどのような、別のデバイスの一部を形成することが可能である。さらに、検出器は、ハンドヘルド式デバイスであることが可能である。検出器の他の実施形態も実行可能である。
【0029】
検出器は、任意の実行可能な方式で、少なくとも1つの対象物の位置に関する少なくとも1つの情報を提供するように適合され得る。したがって、情報は、例えば、電子的に、視覚的に、聴覚的に、または、それらの任意の組み合わせで提供され得る。情報は、検出器のデータストレージもしくは別々のデバイスの中にさらに記憶され得、および/または、少なくとも1つのインターフェース、例えば、ワイヤレスインターフェースおよび/またはワイヤーバウンドインターフェースなどを介して提供され得る。
【0030】
検出器は、
− 対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定するための少なくとも1つの縦方向光学センサであって、層セットアップ(layer setup)を有しており、少なくとも2つのp型半導体層、少なくとも2つのn型半導体層、および、少なくとも3つの個々の電極層を含み、p型半導体層、および、n型半導体層は、少なくとも2つの個々のPN構造を形成しており、PN構造のそれぞれは、電極層のうちの少なくとも2つの間に位置しており、それによって、少なくとも2つのフォトダイオードを形成している、少なくとも1つの縦方向光学センサ
を含み、
− 2つのフォトダイオードのそれぞれは、少なくとも1つの縦方向センサ領域を有しており、縦方向光学センサは、光ビームによる縦方向センサ領域の照射に依存するように、少なくとも2つの縦方向センサ信号を発生させるように設計されており、縦方向センサ信号は、照射の合計パワーが同じであることを所与として、縦方向センサ領域の中の光ビームのビーム断面に依存しており、
検出器は、また、
− 縦方向センサ信号を評価することによって、対象物の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成されている、少なくとも1つの評価デバイス
を含む。
【0031】
本明細書では、上記に列挙されているコンポーネントは、別々のコンポーネントであることが可能である。代替的に、上記に列挙されているようなコンポーネントのうちの2つ以上は、1つのコンポーネントへ一体化され得る。さらに、少なくとも1つの評価デバイスは、伝送デバイスおよび縦方向光学センサから独立した別々の評価デバイスとして形成され得るが、好ましくは、縦方向センサ信号を受け取るために縦方向光学センサに接続され得る。代替的に、少なくとも1つの評価デバイスは、縦方向光学センサの中へ完全にまたは部分的に一体化され得る。
【0032】
本明細書で使用されているように、「縦方向光学センサ」は、一般的に、光ビームによるセンサ領域の照射に依存するように、少なくとも1つの縦方向センサ信号を発生させるように設計されているデバイスであり、縦方向センサ信号は、照射の合計パワーが同じであることを所与として、いわゆる「FiP効果」にしたがって、センサ領域の中の光ビームのビーム断面に依存している。
【0033】
本明細書で使用されているように、「センサ信号」は、一般的に、照射に応答して、縦方向光学センサおよび/または横方向光学センサによって、とりわけ、フォトダイオードによって発生される、任意の記憶可能なおよび伝送可能な信号を表している。したがって、例として、センサ信号は、少なくとも1つの電子信号であることが可能であり、または、それを含むことが可能であり、少なくとも1つの電子信号は、デジタル電子信号および/もしくはアナログ電子信号であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。センサ信号は、少なくとも1つの電圧信号および/もしくは少なくとも1つの電流信号であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。さらに、生のセンサ信号が使用され得るか、または、検出器、光学センサ、もしくは、任意の他のエレメントが、センサ信号を処理もしくは事前処理するように適合され得るかのいずれかであり、それによって、二次的なセンサ信号を発生させ、二次的なセンサ信号は、また、フィルタリングなどによる事前処理などのような、センサ信号として使用され得る。
【0034】
縦方向センサ信号は、一般的に、縦方向位置を示す任意の信号であることが可能であり、縦方向位置は、また、深さとして示され得る。例として、縦方向センサ信号は、デジタル信号および/もしくはアナログ信号であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。例として、縦方向センサ信号は、電圧信号および/もしくは電流信号であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、縦方向センサ信号は、デジタルデータであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。縦方向センサ信号は、単一の信号値および/または一連の信号値を含むことが可能である。縦方向センサ信号は、2つ以上の個々の信号を組み合わせることによって、例えば、2つ以上の信号を平均することによって、および/または、2つ以上の信号の商を形成することなどによって導出される、任意の信号をさらに含むことが可能である。縦方向光学センサおよび縦方向センサ信号の考えられる実施形態に関して、WO2012/110924A1に開示されているような光学センサが参照され得る。
【0035】
明示的に特定されていなければ、本明細書で使用されているような「光学センサ」という用語、または、光学センサの任意の一部、例えば、高感度領域、または、それに関連する任意の特徴など、例えば、センサ信号などは、縦方向光学センサおよび横方向光学センサのうちの一方または両方を表すことが可能である。本発明によれば、縦方向光学センサは、対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定するために使用され、また、評価デバイスを用いることによって、対象物の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するために使用され、一方、横方向光学センサは、対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの横方向位置を決定するために使用され、また、横方向センサ信号を評価するための評価デバイスを用いることによって、対象物の横方向座標x、yのうちの少なくとも1つを決定するために使用される。本明細書では、横方向光学センサは、好ましくは、対象物の空間的位置の2つのラテラルコンポーネントの両方をとりわけ同時に提供することができることによって、「位置敏感型検出器」(PSD)として機能するために構成され得る。したがって、結果として、対象物の少なくとも1つの縦方向座標を対象物の少なくとも1つの横方向座標と組み合わせることによって、上記に定義されているような対象物の3次元の位置が、評価デバイスを使用することによって決定され得る。
【0036】
本明細書で使用されているように、光学センサは、一般的に、例えば、光ビームによって発生される照射および/または光スポットを検出するなど、光ビームを検出するための感光性デバイスを表している。本明細書でさらに使用されているように、光スポットは、一般的に、可視のまたは検出可能な、光ビームによる対象物の丸形または非丸形の照射を表している。光スポットにおいて、光は、完全にもしくは部分的に散乱され得、または、簡単に伝送され得る。さらに詳細に下記に概説されているように、光学センサは、対象物および/または対象物の少なくとも1個の部分の少なくとも1個の縦方向座標を決定するように適合され得、対象物の少なくとも1個の部分は、例えば、少なくとも1個の光ビームがそこから検出器に向けて進行する、対象物の少なくとも1個の部分などである。
【0037】
本明細書で使用されているように、「センサ領域」という用語は、一般的に、2次元のまたは3次元の領域を表しており、それは、必ずしもそうであるわけではないが、好ましくは、連続的であり、また、連続的な領域を形成することが可能であり、センサ領域は、照射に依存するように、少なくとも1つの測定可能な特性を変化させるように設計されている。例として、前記少なくとも1つの特性は、センサ領域が、例えば、単独で、または、光学センサの他のエレメントと相互作用して、光電圧および/または光電流および/またはいくつかの他のタイプの信号を発生させるように設計されていることによって、電気的な特性を含むことが可能である。とりわけ、センサ領域は、センサ領域の照射に依存するように、均一な信号、好ましくは、単一の信号を発生させるように具現化され得る。したがって、センサ領域は、均一な信号、例えば、電気信号が発生される、縦方向光学センサの最小単位であることが可能であり、均一な信号は、好ましくは、例えば、センサ領域の部分的な領域に関して、部分的な信号にもはや細分化されていない可能性がある。縦方向光学センサは、1つまたは他の複数のそのようなセンサ領域を有することが可能であり、後者のケースでは、例えば、複数のそのようなセンサ領域が2次元のおよび/または3次元のマトリックス配置で配置されている。
【0038】
「光ビーム」という用語は、一般的に、特定の方向へ放出された光の量を表している。したがって、光ビームは、光ビームの伝播の方向に対して垂直の方向に所定の延在を有する光線の束であることが可能である。好ましくは、光ビームは、1個もしくは複数のガウシアン光ビームであることが可能であり、または、それを含むことが可能であり、ガウシアン光ビームは、1個または複数のガウシアンビームパラメータ、例えば、ビームウエスト、レイリー長、もしくは、任意の他のビームパラメータのうちの1つもしくは複数など、または、ビーム直径および/もしくは空間内のビーム伝播の発達を特徴付けるのに適しているビームパラメータの組み合わせによって、特徴付けられ得る。
【0039】
光ビームは、対象物自身によって放出され得、すなわち、対象物から起こることが可能である。追加的にまたは代替的に、光ビームの別の起源も実行可能である。したがって、さらに詳細に以下に概説されるように、1つまたは複数の照射源が設けられ得、1つまたは複数の照射源が、例えば、所定の特質を有する1つまたは複数の一次的な光線またはビームなどのような、1つまたは複数の一次的な光線またはビームを使用することなどによって、対象物を照射する。後者のケースでは、対象物から検出器へ伝播する光ビームは、対象物、および/または、対象物に接続された反射デバイスによって、反射される光ビームであることが可能である。
【0040】
本発明の文脈において提案される縦方向光学センサおよび方法は、具体的には、いわゆる「FiP」効果を実装するものとして考えられ得、それは、WO2012/110924A1および/またはWO2014/097181A1にさらに詳細に説明されている。ここでは、「FiP」は、信号iが発生され得、それは、照射の合計パワーPが同じであることを所与として、光子密度、光子束、および、したがって、入射ビームの断面φ(F)に依存するという効果をほのめかす。結果的に、縦方向座標を決定することは、縦方向座標zを直接的に決定することを暗示している可能性があり、光スポットのサイズを画定する1個または複数のパラメータを決定することを暗示している可能性があり、または、同時にまたは段階的に、両方を暗示している可能性がある。
【0041】
さらに、FiP効果は、WO2012/110924A1に開示されているように、光ビームの適当な変調に依存することが可能であり、または、光ビームの適当な変調によって強調され得る。したがって、好ましくは、検出器は、そのうえ、照射を変調させるための少なくとも1つの変調デバイスを有することが可能である。したがって、検出器は、異なる変調のケースでは、とりわけ、少なくとも2つの縦方向センサ信号が異なる変調周波数を含むケースでは、少なくとも2つの縦方向センサ信号を検出するように設計され得る。このケースでは、評価デバイスは、少なくとも2つの変調された縦方向センサ信号を評価することによって、対象物の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成され得る。したがって、照射の合計パワーが同じであることを所与として、少なくとも1つの縦方向センサ信号が照射の変調の変調周波数に依存し得るように、縦方向光学センサは設計され得る。さらに、検出器は、代替的に、または、好ましくは、追加的に、異なる変調のケースでは、とりわけ、少なくとも2つの横方向センサ信号が異なる変調周波数を含むケースでは、少なくとも2つの横方向センサ信号を検出するように設計され得る。このケースでは、評価デバイスは、少なくとも2つの変調された横方向センサ信号を評価することによって、対象物の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成され得る。したがって、少なくとも1つの横方向センサ信号がまた照射の変調の変調周波数に依存し得るように、横方向光学センサが設計され得る。
【0042】
上記に概説されているように、少なくとも1つの縦方向センサ信号は、光ビームによる照射の合計パワーが同じであることを所与として、FiP効果にしたがって、少なくとも1つの縦方向光学センサのセンサ領域の中の光ビームのビーム断面に依存する。本明細書で使用されているように、「ビーム断面」という用語は、一般的に、特定の場所において光ビームによって発生される光ビームまたは光スポットの側方延在を表している。円形の光スポットが発生されるケースでは、半径、直径、または、ガウシアンビームウエスト、もしくは、ガウシアンビームウエストの2倍が、ビーム断面の測定値として機能することが可能である。非円形の光スポットが発生されるケースでは、任意の他の実行可能な方式で、例えば、非円形の光スポットと同じ面積を有する円形の断面(それは、等価ビーム断面とも称される)を決定することなどによって、断面が決定され得る。この点において、例えば、光学レンズによって影響を与えるように、材料がフォーカルポイントにまたはフォーカルポイントの近くに位置し得るときなどに、光起電力材料などのような、対応する材料が、最小の可能な断面を有する光ビームによって衝突され得る条件の下で、縦方向センサ信号の極値、すなわち、最大または最小、とりわけ、全域的極値の観察を用いることが可能であり得る。極値が最大であるケースでは、この観察は、プラスのFiP効果として命名され得、一方、極値が最小であるケースでは、この観察は、マイナスのFiP効果として命名され得る。
【0043】
「層セットアップ」という用語は、一般的に、多数の層を含む配置を表している。層は、一方が他方の上に配置され得る。とりわけ、層セットアップは、例えば、順次、それぞれの層を別の層の上に適用することによって製造され得る。例えば、層は、蒸着方法、好ましくは、コーティング方法によって適用され得る。層セットアップは、モノリシックであることが可能である。縦方向光学センサは、少なくとも2つのp型半導体層、少なくとも2つのn型半導体層、および、少なくとも3つの個々の電極層を含む。p型半導体層およびn型半導体層は、少なくとも2つの個々のPN構造を形成しており、PN構造のそれぞれは、電極層のうちの少なくとも2つの間に位置しており、それによって、少なくとも2つのフォトダイオードを形成している。PN構造は、少なくとも1つの電極層によって分離され得る。縦方向光学センサは、多数nのPN構造を含むことが可能である。PN構造のそれぞれは、少なくとも2つの電極層の間に位置し得、この実施形態では、縦方向光学センサが少なくともn+1の電極層を含むことができるようになっている。一般的に使用されているように、「PN構造」という用語は、n型半導体層およびp型半導体層を含み、p−n接合に基づく、電子デバイスを表している。最新技術から知られているように、n型半導体層では、電荷キャリアは、圧倒的に電子によって提供されるが、p型半導体層では、電荷キャリアは、圧倒的に正孔によって提供される。p型半導体層およびn型半導体層は、テルル化カドミウム(CdTe)を含むことが可能である。本明細書で使用されているように、「フォトダイオード」は、導電性材料、とりわけ、半導体材料を含む、公知の電子的なエレメントを表しており、導電性材料は、pn接合またはPIN構造を示し、すなわち、フォトダイオードの内側に少なくとも2つのタイプの材料を示し、少なくとも2つのタイプの材料は、異なる種類のドーピングを含み、「p型」および「n型」材料として命名されており、それは、真性「i」型領域によってさらに分離され得る。
【0044】
縦方向光学センサは、少なくとも2つの真性半導体層を含むことが可能である。また、真性半導体層は、以下ではi型半導体層として示されている。真性半導体層のそれぞれは、p型半導体層のうちの1つとn型半導体層のうちの1つとの間に位置し得、それによって、少なくとも2つの個々のPIN構造を形成している。PIN構造のそれぞれは、電極層のうちの少なくとも2つの間に位置し得、それによって、少なくとも2つのフォトダイオード、とりわけ、PINダイオードを形成している。縦方向光学センサは、多数n個のPIN構造を含むことが可能である。PIN構造のそれぞれは、少なくとも2つの電極層の間に位置し得、この実施形態では、縦方向光学センサが少なくともn+1個の電極層を含むことができるようになっている。
【0045】
縦方向光学センサは、少なくとも1つの真性半導体層を含むことが可能である。真性半導体層は、p型半導体層のうちの1つとn型半導体層のうちの1つとの間に位置し得、それによって、少なくとも1つのPIN構造を形成している。縦方向光学センサは、少なくとも1つのPIN構造および少なくとも1つのPN構造を含むことが可能である。PIN構造およびPN構造は、電極層のうちの少なくとも2つの間に位置し得、それによって、少なくとも2つのフォトダイオード、とりわけ、PINダイオードおよびPNダイオードを形成している。
【0046】
一般的に使用されているように、「PIN構造」という用語は、n型半導体層とp型半導体層との間に位置している真性半導体層(i型半導体層)を含む電子デバイスを表している。最新技術から知られているように、n型半導体層では、電荷キャリアは、圧倒的に電子によって提供されるが、p型半導体層では、電荷キャリアは、圧倒的に正孔によって提供される。代替的に、「nipダイオード」、「NIPダイオード」、または「n−i−pダイオード」という用語もここで使用され得る。さらなる代替例として、とりわけ、有機材料が関与するケースにおいて、「バルクヘテロ接合(bulk heterojunction)」という用語も使用され得る。
【0047】
PIN構造は、薄膜ソーラーセルの形態で配置され得る。とりわけ、本発明の目的のために使用されているようなp型半導体層は、ダイヤモンド状構造を示すことが可能であり、したがって、複数の四価原子を含む。結果として、p型半導体層は、ダイヤモンド(C)、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、またはゲルマニウム(Ge)のうちの1つまたは複数から選択され得る。代替的に、p型半導体層は、修正されたダイヤモンド状構造を示すことが可能であり、ダイヤモンド状構造の四価原子のうちの1つまたは複数が、原子組み合わせによって置換され得、それは、とりわけ、修正された構造の中の4つの価電子の平均に影響を与える可能性がある。例として、周期表のIII族およびV族のそれぞれからの1つの化学元素を含むIII−V化合物は、この目的のために適切である可能性がある。その理由は、共同で2x4=8の価電子を含む2つの四価原子が、したがって、3+5=8の価電子によって交換され得るからである。さらなる例として、I族およびIII族のそれぞれからの1つの化学元素、ならびに、VI族からの2つの化学元素を含む、I−III−VI
2化合物も使用され得る。その理由は、4x4=16の価電子を共同で含む4つの四価原子が、ここで、1+4+(2x6)=16の価電子によって交換され得るからである。しかし、他の種類の組み合わせも実行可能であり得る。
【0048】
したがって、p型半導体層は、好ましくは、以下のものを含む群から選択され得る。
− III−V化合物、とりわけ、アンチモン化インジウム(InSb)、窒化ガリウム(GaN)、ヒ化ガリウム(GaAs)、インジウム−ガリウム−ヒ素(InGaAs)、またはアルミニウム−ガリウム−リン化物(AlGaP);
− II−VI化合物、とりわけ、テルル化カドミウム(CdTe)、または、水銀テルル化カドミウム(HgCdTe、「MCT」とも略される)、それは、CdTeおよびHgTeのII−VI三元合金と考えられ得る;
− I−III−VI
2化合物、とりわけ、銅インジウム硫化物(CuInS
2;CIS)、および、より好適には、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、それは、セレン化銅インジウム(CIS)およびセレン化銅ガリウム(CuGaSe
2)の固溶体と考えられ得、したがって、CuIn
xGa
(1−x)Se
2の化学式を構成し、ここで、xは、0(すなわち、純粋なCuGaSe
2)から1(すなわち、純粋なCIS)まで変化することが可能である;
− I
2−II−IV−VI
4化合物、とりわけ、銅亜鉛スズ硫化物(CZTS)、セレン化銅亜鉛スズ(CZTSe)、または、銅亜鉛スズ硫黄セレンカルコゲナイド(CZTSSe);および
− ハライドペロブスカイト化合物、特に、アルカリカチオンを含む化合物、または、とりわけ、有機−無機のハライドペロブスカイト、例えば、メチルアンモニウム金属ハライドなど(CH
3NH
3MX
3、ここで、Mは、二価金属、例えば、PbまたはSnなどであり、X=Cl、Br、またはIである)、好ましくは、メチルアンモニウムヨウ化鉛(CH
3NH
3PbI
3)。
【0049】
ここで、希化学元素、例えば、インジウム(In)など、または、有毒な化学元素、例えば、カドミウム(Cd)などのいずれも含まない、CZTSなどのような化合物が、特に好適である可能性がある。しかし、さらなるタイプの化合物および/または追加的な例も実行可能であり得る。
【0050】
しかし、加えて、さらなる考慮事項は、入射光ビームの波長の関数として特に吸収率に関するアドレス指定されたp型半導体層の感度に関するものであり得る。この点において、上述のI−III−VI
2化合物CISおよびCIGS、ならびに、上述のI
2−II−IV−VI
4化合物CZTS、CZTSe、およびCZTSSeは、780nmから1300nmの可視スペクトル範囲およびNIRスペクトル範囲の両方の中で、とりわけ、関連の目的のために使用され得る。しかし、とりわけ、1300nmを上回る、より長い波長に関して、II−VI化合物InSbおよびHgCdTe(MCT)が、好適な選択肢であることが可能である。
【0051】
さらに、このタイプの薄膜ソーラーセルの中のn型半導体層は、好ましくは、硫化カドミウム(CdS)を含むか、または、とりわけ、有毒なカドミウム(Cd)を回避するために、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、または水酸化亜鉛(ZnOH)のうちの1つもしくは複数を含むことが可能である。
【0052】
真性半導体層、p型半導体層、およびn型半導体層のうちの1つまたは複数は、アモルファスシリコン(「a−Si」とも略される)、アモルファスシリコンを含む合金、微結晶シリコン、またはテルル化カドミウム(CdTe)のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。アモルファスシリコンを含む合金は、シリコンおよび炭素を含むアモルファス合金、または、シリコンおよびゲルマニウムを含むアモルファス合金であることが可能である。一般的に使用されているように、「アモルファスシリコン」という用語は、シリコンの非晶質同素形態に関連している。最新技術からさらに知られているように、アモルファスシリコンは、層として、特に薄膜として、適当な基板の上にそれを蒸着することによって取得され得る。しかし、他の方法も適用可能であり得る。
【0053】
さらに、アモルファスシリコンは、水素を使用することによって不動態化され得、この適用によって、アモルファスシリコンの中のダングリングボンドの数が数桁も低減され得る。結果として、水素化アモルファスシリコン(通常は「a−Si:H」と略される)は、低い量の欠陥を示すことが可能であり、したがって、光学的なデバイスのためにそれを使用することを可能にする。好適な実施形態では、p型半導体層、真性半導体層、およびn型半導体層は、a−Si:Hに基づくことが可能である。真性半導体層の厚さは、100nmから300nm、とりわけ、150nmから200nmであることが可能である。
【0054】
アモルファスシリコンを含むPINダイオードの形態で提供される光起電力ダイオードは、一般的に、非線形の周波数応答を示すことが知られている。結果として、プラスのおよび/またはマイナスのFiP効果が、縦方向センサの中に観察可能であり得、それは、そのうえ、0Hzから50kHzの光ビームの変調周波数の範囲の中で実質的に周波数に依存しないことが可能である。上述の特徴の発生を実証する実験結果が、より詳細に下記に提示される。さらに、アモルファスシリコンを含む光学的な検出器は、それぞれの半導体材料の豊富さの特定の利点、容易な生産ルートの特定の利点、および、他の公知のFiPデバイスと比較してかなり高い信号対雑音比の特定の利点を示すことが可能である。
【0055】
さらに、PINダイオードの外部量子効率−対−入射ビームの波長の挙動を考慮することは、PINダイオードがとりわけ適切であり得る入射ビームの波長範囲についての洞察を提供することが可能である。本明細書では、「外部量子効率」という用語は、現在のセンサの中の光電流に寄与し得る光子束の割合を表している。結果として、アモルファスシリコンを含むPINダイオードは、380nmから700nmに延在し得る波長範囲の中の外部量子効率に関して、とりわけ高い値を示すことが可能であり、一方、外部量子効率は、この範囲の外側の波長に関して、とりわけ、380nmを下回る波長に関して、すなわち、UV範囲の波長に関して、および、700nmを上回る波長に関して、とりわけ、NIR範囲の中の波長に関して、低下し得、それによって、無視できるほどに小さく800nmを上回っている。結果的に、入射ビームが、可視スペクトル範囲のほとんどをカバーする範囲の中の、特に、380nmから700nmの波長を有するときに、アモルファスシリコンが半導体層のうちの少なくとも1つの中にあるPINダイオードは、好ましくは、少なくとも1つの対象物の光学的な検出のために、本発明による検出器の中に用いられ得る。
【0056】
代替的に、さらなるPINダイオードが設けられ得、それは、入射ビームがUVスペクトル範囲の中の波長を有することが可能であるときに、好ましくは、本発明による検出器の中で用いられ得る。本明細書で使用されているように、「UVスペクトル範囲」という用語は、1nmから400nm、とりわけ、100nmから400nmの電磁スペクトルの区分をカバーすることが可能であり、また、ISO規格ISO−21348によって推奨されるような複数の範囲に細分化され得、ここで提供される代替的なPINダイオードは、400nmから315nmの紫外線A範囲(「UVA」と略される)、および/または、315nmから280nmの紫外線B範囲(「UVB」と略される)に関して、とりわけ適切であることが可能である。この目的のために、代替的なPINダイオードは、上記および/または下記に説明されているようなアモルファスシリコンを含むPINダイオードと同じまたは同様の配置を示すことが可能であり、アモルファスシリコン(a−Si)または水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)は、それぞれ、シリコンおよび炭素のアモルファス合金(a−SiC)によって、または、好ましくは、水素化アモルファスシリコン炭素合金(a−SiC:H)によって、少なくとも部分的に交換され得る。この種類の代替的なPINダイオードは、好ましくは、280nmから400nmの完全なUVAおよびUVB波長範囲にわたって、UV波長範囲の中の高い外部量子効率を示すことが可能である。本明細書では、水素化アモルファスシリコン炭素合金(a−SiC:H)は、好ましくは、典型的に、プロセスガスとしてSiH
4およびCH
4を使用することによって、プラズマ増強蒸着プロセスの中で作り出され得る。しかし、a−SiC:Hを提供するための他の生産方法も適用可能であり得る。
【0057】
先行技術から知られているように、水素化アモルファスシリコン炭素合金a−SiC:Hを含む層は、通常は、水素化アモルファスシリコンa−Si:Hを含む層の中の電子移動度と比較して著しく小さい可能性のある正孔移動度を示すことが可能である。したがって、a−SiC:Hを含む層は、pがドープされた正孔抽出層として用いられ得、とりわけ、光ビームがデバイスに進入することができるデバイスの側に配置され得る。この配置の結果として、正孔が光電流に寄与することができるために進行しなければならない可能性のある距離が、かなり低減され得る。したがって、結果的に、p型半導体層が、2nmから40nmの厚さ、好ましくは、4nmから10nmの厚さ、例えば、約5nmなどの厚さを示し得る、本発明による検出器の中にPINダイオードを提供することが有利であり得る。例えば、p型半導体層は、10nmの厚さを示すことが可能である。n型半導体層は、20nmの厚さを示すことが可能である。i型半導体層は、好ましくは、a−SiC:Hを含むことも可能であり、300nmから500nmの厚さを示すことが可能である。さらに、UVスペクトル範囲の中の波長、特に、UVAスペクトル範囲および/またはUVBスペクトル範囲の中の波長を有する特定の光ビームは、この種類の薄いp型半導体層を含むPINダイオードの側部に衝突することが可能であり、この中に吸収され得る。それに加えて、この種類の薄い層は、さらに、電子が層を横断することを可能にし、したがって、PINダイオードの隣接するi−タイプ半導体層の中へ電子が進入することを可能にすることができる。本明細書では、好ましくは、a−SiC:Hを含むことも可能なi型半導体層は、等しく、2nmから20nmの厚さ、好ましくは、4nmから10nmの厚さ、例えば、約5nmなどの厚さを示すことが可能である。しかし、半導体層のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的にa−SiC:Hを含むことができる、他の種類のPINダイオードも実行可能であり得る。
【0058】
上記に説明されているように、光電流の生産に関与する非線形の効果は、これらの種類の半導体層を含むPINダイオードを装備している縦方向センサの中のFiP効果の発生の基礎を構成することが可能である。結果として、この種類の縦方向センサは、例えば、UVスペクトル範囲の中の光学的な現象を観察することができるために、とりわけ、UV応答が必要とされ得る用途において使用され得、または、例えば、UVスペクトル範囲の中の少なくとも1つの波長を放出することができるアクティブターゲットが使用され得るときなどに、適切であり得る。
【0059】
代替的に、さらなるPINダイオードが設けられ得、それは、入射ビームがNIRスペクトル範囲の中の波長を有することが可能であるときに、好ましくは、本発明による検出器の中で用いられ得る。本明細書で使用されているように、「NIRスペクトル範囲」という用語は、「IR−A」とも略され得、ISO規格ISO−21348によって推奨されるように、760nmから1400nmの電磁スペクトルの区分をカバーすることが可能である。この目的のために、代替的なPINダイオードは、上記および/または下記に説明されているようなアモルファスシリコンを含むPINダイオードと同じまたは同様の配置を示すことが可能であり、アモルファスシリコン(a−Si)または水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)は、それぞれ、微結晶シリコン(μc−Si)、好ましくは、水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)、または、ゲルマニウムおよびシリコンのアモルファス合金(a−GeSi)、好ましくは、水素化アモルファスゲルマニウムシリコン合金(a−GeSi:H)のうちの1つによって、少なくとも部分的に交換され得る。このさらなる種類のPINダイオードは、760nmから1400nmのNIR波長範囲、とりわけ、少なくとも、760nmから1000nmのNIR波長範囲を少なくとも部分的にカバーすることができる波長範囲にわたって、高い外部量子効率を示すことが可能である。例として、μc−Siを含むPINダイオードは、おおよそ500nmから1100nmに延在する波長範囲にわたって、無視できない量子効率を有している。
【0060】
本明細書では、水素化微結晶シリコン(μc−Si:H)は、好ましくは、SiH4およびCH4のガス状混合物から作り出され得る。結果として、微結晶を含む基板の上の2相材料が取得され得、微結晶は、5nmから30nmの典型的なサイズを有しており、互いに対して10nmから200nmの間隔を離して配置された基板材料の規則正しい列同士の間に位置している。しかし、μc−Si:Hを提供するための別の生産方法も適用可能であり得るが、それは、必ずしもそうであるわけではないが、μc−Si:Hの代替的な配置につながる可能性がある。さらに、水素化アモルファスゲルマニウムシリコン合金(a−GeSi:H)は、好ましくは、共通の反応炉の中のプロセスガスとして、SiH4、GeH4、およびH2を使用することによって作り出され得る。ここでもまた、a−GeSi:Hを提供するための他の生産方法も実行可能であり得る。
【0061】
μc−Si:Hおよびa−GeSi:Hの両方をa−Si:Hと比較すると、μc−Si:Hおよびa−GeSi:Hを含む半導体層は、同様のまたは増加した乱れにより誘起される電荷キャリアの局在を有することが可能であり、したがって、かなり非線形の周波数応答を示す。上記に説明されているように、これは、これらの種類の半導体層を含むPINダイオードを装備している縦方向センサの中のFiP効果の発生の基礎を構成することが可能である。結果として、この種類の縦方向センサは、例えば、夜間の見通しまたは霧の見通しなどにおいて、とりわけ、NIR応答が必要とされ得る用途において使用され得、または、例えば、NIRスペクトル範囲の中の少なくとも1つの波長を放出するアクティブターゲットが使用され得るときなどに、例えば、NIR照射源を使用することによって動物または人間が乱されないままにされ得るときに、それが有利であり得るケースにおいて、適切であり得る。
【0062】
縦方向光学センサは、少なくとも部分的に透明であることが可能であり、とりわけ、透明であるかまたは半透明であることが可能である。層セットアップは、層が層セットアップの中に配置されている順序で、入射光ビームによって横断されるように適合され得る。層セットアップの中の層のそれぞれは、少なくとも部分的に透明であるかまたは透光性であることが可能である。したがって、真性半導体層は、可能な限り小さい厚さを有することが可能である。とりわけ、真性半導体層は、100nmから300nmの厚さ、とりわけ、150nmから200nmの厚さを有する、薄膜層であることが可能である。真性半導体層の厚さは、高性能タンデム形セルの中で使用されるような層厚さと同様に選ばれ得る。したがって、薄い真性半導体層を使用することは、少なくとも部分的に透明な縦方向光学センサを製造することを可能にすることができる。
【0063】
検出器は、少なくとも1つのイメージングデバイスおよび/または少なくとも1つのPSDをさらに含むことが可能である。縦方向光学センサおよびイメージングデバイスおよび/またはPSDは、共通の光学軸の上に配置され得る。縦方向光学センサおよびイメージングデバイスおよび/またはPSDは、スタックの中に、分離されたデバイスとして、または、モノリシックデバイスとして、配置され得る。
【0064】
例えば、縦方向光学センサおよびイメージングデバイスおよび/またはPSDは、スタックの中に配置され得る。イメージングデバイスおよび/またはPSDは、対象物から透明な縦方向光学センサの後ろの検出器へ伝播する光の方向に位置することが可能である。このケースでは、PSDは、標準的な象限検出器、または、不透過性のシリコンベースのPSDであることが可能である。追加的にまたは代替的に、例として、本発明による検出器は、R.A. Street (Ed.): Technology and Applications of Amorphous Silicon, Springer−Verlag Heidelberg, 2010, pp. 346−349に開示されている1つまたは複数のPSDを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、イメージングデバイスは、公知のCCDセンサおよび/またはCMOSセンサなどのような、不透明な無機材料に基づくことが可能である。
【0065】
例えば、PSDは、対象物から縦方向光学センサの前の検出器へ伝播する光の方向に配置され得る。PSDは、少なくとも部分的に透明であるかまたは半透明であることが可能である。半透明のPSDは、金属−絶縁体−半導体(MIS)レイアウトを使用することによって実現化され得る。PSDは、少なくとも1つの感光エリア、とりわけ、光活性層を含むことが可能である。光活性層は、シリコンベースであることが可能であり、とりわけ、PSDの光活性層は、a−Si:H、a−SiGe:H、a−Se:H、およびμc−Si:Hのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。PSDは、PIN構造を有することが可能である。本明細書では、a−Se:Hを含む光活性層は、X線またはIR波長領域において高感度であることが可能である。PSDが少なくとも部分的に透明であるかまたは半透明であるように、PIN構造の真性半導体層が設計され得る。とりわけ、真性半導体層の厚さは、100nmから2000nm、とりわけ、400nmから700nmであることが可能である。PSDは、少なくとも4つの電極を含むことが可能である。電極は、延在された平行な電極として設計され得る。電極は、スパッタされたまたは大気圧力で化学蒸着(APCVD)された透明導電酸化物(TCO)を含むことが可能である。とりわけ、電極は、低伝導層、とりわけ、酸化インジウムスズ(ITO)、または、フッ素がドープされた酸化スズ(FTO)を含むことが可能である。PSDは、正方形または象限検出器を有することが可能である。例えば、PSDは、PSDの表面の上の正方形または象限のそれぞれの辺に沿って配置されている4つの電極を有するテトラ−ラテラルタイプPSDであることが可能である。例えば、PSDは、PSDの2つの表面のそれぞれの上の4つの電極の対、とりわけ、PSDの前面の上の1対の電極、および、PSDの背面の上の1対の電極を有する、デュオ−ラテラルタイプPSDであることが可能であり、電極の対は、直角に配置されている。このタイプのPSDは、テトラ−ラテラルPSD設計と比較して、改善した線形性および感度を有することが可能である。
【0066】
好適な実施形態では、縦方向光学センサおよび横方向光学センサは、モノリシックデバイスの中に配置され得、とりわけ、縦方向光学センサおよび横方向光学センサは、1つの層セットアップの中に配置され得る。とりわけ、縦方向光学センサおよび横方向光学センサは、1つの層セットアップとして製造され得る。そのような配置は、検出器を小型化することを可能にすることができる。
【0067】
例えば、層セットアップの中の層のそれぞれは、入射光ビームによって横断されることになるセットアップの中の最後の層を除いて、少なくとも部分的に透明であるかまたは透光性であることが可能である。例えば、層セットアップは、FiPデバイスとしての役割を果たすように構成された層を含むことが可能である。例えば、層セットアップは、少なくとも2つのFiPデバイスを含むことが可能であり、とりわけ、層セットアップは、複数のFiPデバイスを含むことが可能である。層セットアップの最後の層は、横方向光学センサ、とりわけ、PSD、例えば、不透過性のシリコンベースのPSDであることが可能である。FiPデバイスおよび横方向光学センサの層セットアップ配置は、検出器を小型化することを可能にすることができる。層セットアップは、光ビームの伝播の方向に、横方向光学センサに加えて、少なくとも1つの追加的な層を含むことが可能であり、少なくとも1つの追加的な層は、入射光ビームによって横断されなくてもよい。
【0068】
例えば、入射光ビームによって横断されることになる層セットアップの第1の層は、透明なPSDとして設計され得る。PSDの設計に関して、上記に説明されているように、対象物から縦方向光学センサの前の検出器へ伝播する光の方向に配置され得るPSDの説明が参照され得る。
【0069】
2つの隣接するPN構造および/またはPIN構造は、共通の電極層として、電極層のうちの1つを共有することが可能である。例えば、入射光ビームの伝播の方向に、第1の電極層は、第1のPN構造に隣接して配置され得る。入射光ビームの伝播の方向に、第1のPN構造の層は、以下の順序、すなわち、p型半導体層、n型半導体層を有することが可能である。任意に、少なくとも1つの真性半導体層は、p型半導体層とn型半導体層との間に配置され得る。第2の電極層は、第1のPN構造と第2のPN構造との間に配置され得る。入射光ビームの伝播の方向に、第2のPN構造の層は、以下の順序、すなわち、n型半導体層、p型半導体層を有することが可能である。任意に、少なくとも1つの真性半導体層は、p型半導体層とn型半導体層との間に配置され得る。第3の電極層が、第2のPN構造に続いて配置され得る。第1および第2の電極層は、第1のPN構造とともに、第1のフォトダイオードを形成することが可能である。第3および第2の電極層は、第2のPN構造とともに、第2のフォトダイオードを形成することが可能である。そのような配置は、検出器を小型化することを可能にすることができる。
【0070】
PSDは、1次元の位置センシング(1D−PSD)のために、および/または、2次元の位置センシング(2D−PSD)のために設計され得る。1D−PSDは、横方向座標xまたはyのうちの1つを決定するように構成され得る。2D−PSDは、横方向座標xおよびyの両方を同時に決定するように構成され得る。例えば、PSDは、a−Si:H、μc−Si:H、CdTe、ナノ粒子材料、または有機材料のうちの1つまたは複数を含む薄膜検出器として設計され得る。上記に概説されているように、PSD、とりわけ、2D−PSDは、対象物から縦方向光学センサの前の検出器へ伝播する光の方向に配置され得る。追加的にまたは代替的に、層セットアップの最後の層は、PSD、とりわけ、2D−PSDであることが可能である。例えば、2D−PSDは、PSDの表面の上の正方形または象限のそれぞれの辺に沿って配置されている4つの電極を有するテトラ−ラテラルタイプPSDであることが可能である。テトラ−ラテラルタイプ2D−PSDは、電界歪みに起因するx、y−座標の歪みを被る可能性がある。したがって、PSDは、電界歪みを防止するために、構造化された電極を含むことが可能である。
【0071】
しかし、構造化された電極を使用することは、検出器設計の複雑性の高まりを結果として生じさせる可能性がある。それに加えて、電界歪みは、センサ領域の中の大きいスポットサイズにおいて、完全には除外されることができない。そのうえ、縦方向光学センサをPSDの前に配置するケースでは、PSDは、より大きいノイズ寄与を有することになる。その理由は、PSDのエリア抵抗が、非PSD検出器と比較して、本来的により高いノイズを結果として生じさせるからである。縦方向光学センサは、FiPデバイスとして、同時に、PSDとして、動作するように適合され得る。とりわけ、検出器は、縦方向光学センサとして、同時に、横方向光学センサとして動作するように適合された、組み合わせられたデバイスを含むことが可能である。縦方向光学センサは、FiPデバイスとして、同時に、1次元の位置センシングのために適合されたPSDとして、動作するように適合され得る。PSDとして動作するために、縦方向光学センサの少なくとも1つの電極は、スプリット電極として設計され得る。例えば、スプリット電極は、少なくとも2つのパーツを含むことが可能である。スプリット電極のパーツの電流の関係および/または比率は、電流のサイズから独立していることが可能であり、また、位置を決定するために使用され得る。詳細に関して、例えば、WO2014/097181A1が参照され得る。FiPデバイスとして動作するために、スプリット電極全体の合計電流が使用され得る。例えば、縦方向光学センサは、2つのセルを含むことが可能であり、それぞれのセルは、少なくとも1つのPIN構造および/またはPN構造ならびに2つの電極層を含むことが可能である。2つのセルは、電極層のうちの1つを共有することが可能であり、2つのセルが共通の電極層を有するようになっている。共通の電極層は、共通のアノードとして設計され得る。それぞれのセルは、FiPデバイスとして、同時に、1D−PSDとして構成され得る。それぞれのセルは、a−Si:H薄膜検出器、μc−Si:H、CdTe、ナノ粒子薄膜検出器、または有機薄膜検出器のうちの1つまたは複数などのような、半透明の薄膜検出器を含むことが可能である。1D−PSDは、PSDの表面の上に少なくとも2つの電極を含むことが可能である。1D−PSDの表面の上の2つの電極は、カソードとして設計され得る。2つのセルは、互いに対して90°だけ回転され得、一方のセルが横方向座標xを決定するように適合され、他方のセルが横方向座標yを決定するように適合されるようになっている。アノード電極層およびカソード電極層の電極接触は、互いに反対側に、セルの2つの側に配置され得る。2D−PSDの場合とは異なり、1D−PSD機能は、それぞれのセルの電極のうちの1つが高いシート抵抗を備えて作製されている場合には、幾何学的に容易に実現され得る。
【0072】
FiPデバイスとして、同時に、PSDとして動作するように適合されるように、縦方向光学センサを設計することは、検出器設計を簡単化することを可能にすることができる。それに加えて、FiPデバイスとして、同時に、PSDとして動作するように適合されるように、縦方向光学センサを設計することは、検出器コンポーネントの量、ひいては、部品表の上のエレメントを低減させることを可能にすることができる。さらに、2D−PSDの代わりに1D−PSDを使用することは、同じセンサ挙動を示す2つのセルおよび両方のセルにノイズが分配され得るので、有利である可能性がある。さらに、2D−PSDの代わりに1D−PSDを使用することは、歪みが防止されるので、有利である可能性がある。
【0073】
層セットアップは、不透過性のまたは透明な基板、例えば、ガラス、結晶シリコン、または、透明なもしくは不透明な有機ポリマーの層を含む、少なくとも1つの基板層をさらに含むことが可能である。例えば、層セットアップの第1の層、または、層セットアップの最後の層のうちの一方または両方は、基板層として設計され得る。
【0074】
同じ極性を有する2つの隣接する電極層は、絶縁層によって互いから分離され得る。絶縁層は、少なくとも部分的に透明であるか、または、少なくとも部分的に透光性であることが可能である。絶縁層は、ガラス、石英、または透明な有機ポリマーのうちの1つの層を含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、縦方向光学センサは、少なくとも1つのスペーサ層、とりわけ、光学スペーサ層を含むことが可能であり、スペーサ層は、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードを分離するように設計されている。スペーサ層は、ガラス、石英、または透明な有機ポリマーのうちの1つの層を含むことが可能である。適当な厚さの光学スペーサ層および/または少なくとも1つの絶縁層を使用することは、2つのPN構造および/またはPIN構造の間の距離を設定することを可能にすることができる。そのような実施形態では、縦方向光学センサは、少なくとも1つの絶縁層および/またはスペーサ層を有することが可能であり、層セットアップは、第4の電極層をさらに含む。第1および第2の電極層は、第1のPN構造および/またはPIN構造とともに、第1のフォトダイオードを形成することが可能である。第3および第4の電極層は、第2のPN構造および/またはPIN構造とともに、第2のフォトダイオードを形成することが可能である。入射光ビームの伝播の方向に、第1のPN構造の層は、以下の順序、すなわち、p型半導体層、任意に真性半導体層、n型半導体層を有することが可能である。入射光ビームの伝播の方向に、第2のPN構造の層は、以下の順序、すなわち、p型半導体層、任意に真性半導体層、n型半導体層を有することが可能である。
【0075】
フォトダイオードのそれぞれは、個別にアドレス指定されるように構成され得る。電極層のそれぞれは、接続可能であり、また、別々にアドレス指定可能であり得る。したがって、フォトダイオードのうちの1つによって発生される光電流は、別のフォトダイオードによって発生される光電流から別々に決定され得る。第1のフォトダイオードは、少なくとも第1の縦方向センサ信号を発生させるように設計され得、第2のフォトダイオードは、少なくとも第2の縦方向センサ信号を発生させるように設計され得、評価デバイスは、第1の縦方向光学センサ信号および第2の縦方向センサ信号を同時に決定するように適合され得る。第1の縦方向光学センサ信号が第2の縦方向光学センサ信号から独立し得るように、フォトダイオードは配置され得る。したがって、対象物の縦方向座標を明確に決定することが可能であり得る。
【0076】
電極層は、導電性材料を含むことが可能である。電極層は、少なくとも部分的に透明であることが可能である。電極層は、透明導電酸化物(TCO)、とりわけ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素がドープされた酸化スズ(FTO)、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛(AZO)、アンチモン酸化スズ(ATO)のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。電極層のうちの少なくとも1つは、反射電極として設計され得る。反射電極は、入射光ビームによって横断されることになる層セットアップの最後の層として配置され得る。層セットアップは、光ビームの伝播の方向に、反射電極に加えて、少なくとも1つの追加的な層を含むことが可能であり、少なくとも1つの追加的な層は、入射光ビームによって横断されなくてもよい。
【0077】
一般的に使用されているように、「部分的に透明である」という用語は、それぞれの層またはデバイスが入射光ビームによって横断されるように適合されていることを表している。一般的に、層またはデバイスは、透明であるか、半透明であるか、または不透明であることが可能である。したがって、例として、層は、透明であることが可能であり、光ビームのパワーの50%よりも多く、好ましくは、少なくとも90%、および、より好ましくは、少なくとも99%を伝送するように適合され得るか、または、層は、半透明であることが可能であり、光ビームのパワーの少なくとも1%、好ましくは、少なくとも10%、および、より好ましくは、少なくとも25%から最大50%まで伝送するように適合され得る。
【0078】
層セットアップの層、とりわけ、層セットアップのフォトダイオードは、1つまたは複数の所定の波長範囲にわたって、透明であるかまたは半透明であることが可能である。フォトダイオードのそれぞれは、異なるスペクトル感度を提供することが可能である。したがって、例として、少なくとも2つのフォトダイオードのそれぞれは、異なるスペクトル感度を有することが可能である。本明細書で使用されているように、スペクトル感度という用語は、一般的に、対応するフォトダイオードのそれぞれのセンサ信号が、光ビームの同じパワーに関して、光ビームの波長とともに変化することが可能であるという事実を表している。したがって、一般的に、同じ種類の光学センサのうちの少なくとも2つは、それらのスペクトルの特性に関して異なることが可能である。この実施形態は、一般的に、それぞれのフォトダイオードに関して、異なるタイプの光学フィルタおよび/または異なるタイプの吸収材料を使用することによって実現され得る。例えば、フォトダイオードのそれぞれは、異なる材料に基づくことが可能である。好ましくは、フォトダイオードは、同じ材料に基づくことが可能である。
【0079】
それらのそれぞれのスペクトル感度に関して異なる少なくとも2つのフォトダイオードを使用するケースでは、評価デバイスは、一般的に、異なるスペクトル感度を有するフォトダイオードのセンサ信号を比較することによって、光ビームの色を決定するように適合され得る。本明細書で使用されているように、「色を決定する」という表現は、一般的に、光ビームについての少なくとも1つのスペクトル情報を発生させる工程を表している。少なくとも1つのスペクトル情報は、波長、具体的には、ピーク波長;色座標、例えば、CIE座標などからなる群から選択され得る。
【0080】
光ビームの色の決定は、当業者に一般的に知られているさまざまな方式で実施され得る。したがって、フォトダイオードのスペクトル感度は、色空間における座標系に広がることが可能であり、フォトダイオードによって提供される信号は、例えば、CIE座標を決定する方式から、当業者に知られているように、この色空間における座標を提供することが可能である。
【0081】
例として、検出器は、層セットアップの中に、同じ種類の2つ、3つ、または、それ以上のフォトダイオードを含むことが可能である。そのうちの、フォトダイオードのうちの少なくとも2個、好ましくは、少なくとも3個が、異なるスペクトル感度を有することが可能である。さらに、評価デバイスは、異なるスペクトル感度を有するフォトダイオードの信号を評価することによって、光ビームに関する少なくとも1つの色情報を発生させるように適合され得る。例として、スペクトル的に高感度のフォトダイオードである同じ種類の少なくとも3つのフォトダイオードが、層セットアップの中に含有され得る。したがって、例えば、スペクトル的に高感度のフォトダイオードは、少なくとも1個の赤感性のフォトダイオードを含むことが可能であり、赤感性のフォトダイオードは、スペクトルの範囲600nm<λr<780nmの中に最大吸収波長λrを有しており、スペクトル的に高感度のフォトダイオードは、少なくとも1個の緑感性のフォトダイオードをさらに含み、緑感性のフォトダイオードは、スペクトルの範囲490nm<λg<600nmの中に最大吸収波長λgを有しており、スペクトル的に高感度のフォトダイオードは、少なくとも1個の青感性のフォトダイオードをさらに含むことが可能であり、青感性のフォトダイオードは、スペクトルの範囲380nm<λb<490nmの中に最大吸収波長λbを有する。例として、スペクトル的に高感度のフォトダイオードである同じ種類の少なくとも2つのフォトダイオードが、層セットアップの中に含有され得る。スペクトル的に高感度のフォトダイオードは、NIR波長領域の中の第1のスペクトル範囲の中の最大吸収波長を有する少なくとも1つの第1のフォトダイオードと、第1のスペクトル範囲とは異なる、NIR波長領域の中の第2のスペクトル範囲の中の最大吸収波長を有する少なくとも1つの第2のフォトダイオードとを含むことが可能である。
【0082】
評価デバイスは、少なくとも2個の色座標、好ましくは、少なくとも3個の色座標を発生させるように適合され得、色座標のそれぞれは、スペクトル的に高感度の光学センサのうちの1個の信号を正規化値によって割ることによって決定される。例として、正規化値は、すべてのスペクトル的に高感度のフォトダイオードの信号の総和を含有することが可能である。追加的にまたは代替的に、正規化値は、白色検出器の検出器信号を含有することが可能である。
【0083】
少なくとも1つの色情報は、色座標を含有することが可能である。少なくとも1つの色情報は、例として、CIE座標を含有することが可能である。
【0084】
好適な少なくとも2個の、より好ましくは、少なくとも3個のスペクトル的に高感度のフォトダイオードに加えて、検出器は、少なくとも1個の白色フォトダイオードをさらに含むことが可能であり、白色フォトダイオードは、すべてのスペクトル的に高感度のフォトダイオードの吸収範囲の中の光を吸収するように適合され得る。したがって、例として、白色フォトダイオードは、可視光スペクトル範囲の全体にわたる光を吸収する吸収スペクトルを有することが可能である。
【0085】
検出器は、対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの少なくとも1つの横方向位置を決定するための少なくとも1つの横方向光学センサをさらに含むことが可能であり、横方向光学センサは、少なくとも1つの横方向センサ信号を発生させるように設計され得、評価デバイスは、横方向センサ信号を評価することによって、対象物の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成され得る。本明細書で使用されているように、「横方向光学センサ」という用語は、一般的に、対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの横方向位置を決定するように適合されているデバイスを表している。位置という用語に関して、上記の定義が参照され得る。したがって、好ましくは、横方向位置は、検出器の光学軸に対して垂直の少なくとも1次元の少なくとも1つの座標であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。例として、横方向位置は、例えば、横方向光学センサの感光センサ表面の上など、光学軸に対して垂直の平面の中に光ビームによって発生される光スポットの位置であることが可能である。例として、平面の中の位置は、デカルト座標および/または極座標で与えられ得る。他の実施形態も実行可能である。横方向光学センサの考えられる実施形態に関して、WO2014/097181A1が参照され得る。しかし、他の実施形態も実行可能であり、さらに詳細に下記に概説される。
【0086】
横方向光学センサは、少なくとも1つの横方向センサ信号を提供することが可能である。本明細書では、横方向センサ信号は、一般的に、横方向位置を示す任意の信号であることが可能である。例として、横方向センサ信号は、デジタル信号および/またはアナログ信号であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。例として、横方向センサ信号は、電圧信号および/または電流信号であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、横方向センサ信号は、デジタルデータであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。横方向センサ信号は、単一の信号値および/または一連の信号値を含むことが可能である。横方向センサ信号は、2つ以上の個々の信号を組み合わせることによって、例えば、2つ以上の信号を平均することによって、および/または、2つ以上の信号の商を形成することなどによって導出される、任意の信号をさらに含むことが可能である。
【0087】
上記に概説されているように、横方向光学センサは、PSDであることが可能である。縦方向光学センサおよび横方向光学センサは、モノリシックデバイスの中に配置され得る。層セットアップは、横方向光学センサとして作用するように適合されている少なくとも1つの層をさらに含むことが可能である。そのような配置は、検出器を小型化することを可能にすることができる。1つの実施形態では、横方向光学センサとして作用するように適合されている層は、不透明であり得、また、入射光ビームによって横断されることになるセットアップの中の最後の層として配置され得る。この実施形態では、層セットアップの最後の層は、不透過性の横方向光学センサであることが可能である。例えば、PSDは、標準的な象限検出器、または、不透過性のシリコンベースのPSDであることが可能である。例えば、位置敏感型デバイスは、公知のCCDセンサおよび/またはCMOSセンサなどのような、不透明な無機材料に基づくことが可能である。1つの実施形態では、横方向光学センサとして作用するように適合されている層は、少なくとも部分的に透明であるかまたは透光性であることが可能である。横方向光学センサとして作用するように適合されている層は、入射光ビームによって横断されることになるセットアップの中の第1の層として配置され得る。しかし、層セットアップの中の他の位置も実行可能である。
【0088】
本明細書で使用されているように、「評価デバイス」という用語は、一般的に、情報、すなわち、対象物の位置に関する少なくとも1つの情報を発生させるように設計されている任意のデバイスを表している。例として、評価デバイスは、1つもしくは複数の集積回路、例えば、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または1つもしくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、および/または1つもしくは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または1つもしくは複数のデータ処理デバイス、例えば、1つもしくは複数のコンピュータ、好ましくは、1つもしくは複数のマイクロコンピュータおよび/またはマイクロコントローラなどであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。追加的なコンポーネントが含まれ得、それは、例えば、1つもしくは複数の事前処理デバイスおよび/またはデータ収集デバイスなど、例えば、センサ信号を受け取りおよび/または事前処理するための1つまたは複数のデバイス、例えば、1つもしくは複数のADコンバータ、および/または、1つもしくは複数のフィルタなどである。本明細書で使用されているように、センサ信号は、一般的に、縦方向センサ信号、および、適用可能である場合には、横方向センサ信号のうちの1つを表すことが可能である。さらに、評価デバイスは、1つまたは複数のデータストレージデバイスを含むことが可能である。さらに、上記に概説されているように、評価デバイスは、1つまたは複数のインターフェース、例えば、1つもしくは複数のワイヤレスインターフェース、および/または、1つもしくは複数のワイヤーバウンドインターフェースを含むことが可能である。
【0089】
少なくとも1つの評価デバイスは、少なくとも1つのコンピュータプログラム、例えば、情報を発生させる工程を実施または支持する少なくとも1つのコンピュータプログラムなどを実施するように適合され得る。例として、センサ信号を入力変数として使用することによって、対象物の位置への所定の変換を実施することができる、1つまたは複数のアルゴリズムが実装され得る。
【0090】
評価デバイスは、とりわけ、センサ信号を評価することによって情報を発生させるように設計され得る少なくとも1つのデータ処理デバイス、とりわけ、電子的なデータ処理デバイスを含むことが可能である。したがって、評価デバイスは、センサ信号を入力変数として使用するように設計されており、また、これらの入力変数を処理することによって対象物の横方向位置および縦方向位置に関する情報を発生させるように設計されている。処理することは、並列に、その後に、または、さらには組み合わせられて行われ得る。評価デバイスは、例えば、少なくとも1つの記憶されたおよび/または公知の関係を計算および/または使用することなどによって、これらの情報を発生させるための任意のプロセスを使用することが可能である。センサ信号の他に、1つまたは複数のさらなるパラメータおよび/または情報が、前記関係、例えば、変調周波数についての少なくとも1つの情報に影響を及ぼすことが可能である。関係は、経験的に、分析的に、または、その他、半経験的に決定され得るかまたは決定可能であり得る。とりわけ、好ましくは、関係は、少なくとも1つの較正曲線、少なくとも1つのセットの較正曲線、少なくとも1つの関数、または、上述の可能性の組み合わせを含む。1つまたは複数の較正曲線が、例えば、1セットの値、および、その関連の関数値の形態で、例えば、データストレージデバイスおよび/またはテーブルの中に記憶され得る。しかし、代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの較正曲線は、また、例えば、パラメータ化された形態で、および/または、関数式として記憶され得る。センサ信号を情報に処理するための別々の関係が使用され得る。代替的に、センサ信号を処理するための少なくとも1つの組み合わせられた関係も実行可能である。さまざまな可能性が考えられ、また、組み合わせられ得る。
【0091】
例として、評価デバイスは、情報を決定する目的のためのプログラミングの観点から設計され得る。評価デバイスは、とりわけ、少なくとも1つのコンピュータ、例えば、少なくとも1つのマイクロコンピュータを含むことが可能である。そのうえ、評価デバイスは、1つまたは複数の揮発性のまたは不揮発性のデータメモリを含むことが可能である。データ処理デバイス、とりわけ、少なくとも1つのコンピュータの代替例として、または、それに加えて、評価デバイスは、例えば、電子的なテーブル、および、とりわけ、少なくとも1つのルックアップテーブルなどの情報を決定するように設計されている1つもしくは複数のさらなる電子コンポーネント、および/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または少なくとも1つのデジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むことが可能である。
【0092】
上記に説明されているように、検出器は、少なくとも1つの評価デバイスを有している。例えば、評価デバイスが、少なくとも1つの照射源を制御するように、および/または、検出器の少なくとも1つの変調デバイスを制御するように設計されていることによって、とりわけ、少なくとも1つの評価デバイスは、完全にまたは部分的に検出器を制御または駆動するように設計され得る。評価デバイスは、とりわけ、少なくとも1つの測定サイクルを実施するように設計され得、少なくとも1つの測定サイクルにおいて、1つまたは複数のセンサ信号、例えば、複数のセンサ信号などがピックアップされ、それは、例えば、照射の異なる変調周波数において連続的な複数のセンサ信号などである。
【0093】
上記に説明されているように、評価デバイスは、少なくとも1つのセンサ信号を評価することによって、対象物の位置に関する少なくとも1つの情報を発生させるように設計され得る。対象物の前記位置は、静的であることが可能であるか、または、対象物の少なくとも1つの移動、例えば、検出器またはそのパーツと対象物またはそのパーツとの間の相対的な移動を含むことさえも可能である。このケースでは、相対的な移動は、一般的に、少なくとも1つの線形移動および/または少なくとも1つの回転移動を含むことが可能である。また、移動情報は、例えば、異なる時間にピックアップされた少なくとも2つの情報の比較によって取得され得、例えば、少なくとも1つの場所情報が、少なくとも1つの速度情報および/または少なくとも1つの加速度情報、例えば、対象物またはそのパーツと検出器またはそのパーツとの間の少なくとも1つの相対速度についての少なくとも1つの情報を含むことが可能であるようになっている。とりわけ、少なくとも1つの場所情報は、一般的に、対象物またはそのパーツと検出器またはそのパーツとの間の距離についての情報、とりわけ、光路長さ;対象物またはそのパーツと任意の伝送デバイスまたはそのパーツとの間の距離または光学的な距離についての情報;検出器またはそのパーツに対する対象物またはそのパーツの位置決めについての情報;検出器またはそのパーツに対する対象物および/またはそのパーツの配向についての情報;対象物またはそのパーツと検出器またはそのパーツとの間の相対的な移動についての情報;対象物またはそのパーツの2次元のまたは3次元の空間的構成についての情報、とりわけ、対象物の幾何学形状または形態から選択され得る。したがって、一般的に、少なくとも1つの場所情報は、例えば、対象物または少なくとも1つのそのパーツの少なくとも1つの場所についての情報;対象物またはそのパーツの少なくとも1つの配向についての情報;対象物またはそのパーツの幾何学形状または形態についての情報、対象物またはそのパーツについての情報、対象物またはそのパーツの加速度についての情報、検出器の可視範囲の中の対象物またはそのパーツの存在または不存在についての情報からなる群から選択され得る。
【0094】
少なくとも1つの場所情報は、例えば、少なくとも1つの座標系の中で、例えば、検出器またはそのパーツがその中に存在する座標系の中で特定され得る。代替的にまたは追加的に、場所情報は、また、単純に、例えば、検出器またはそのパーツと対象物またはそのパーツとの間の距離を含むことが可能である。上述の可能性の組み合わせも考えられる。
【0095】
光学センサおよび評価デバイスを含む、上述のデバイスのうちの2個以上は、1個または複数のデバイスに完全にまたは部分的に一体化され得ることがさらに留意されるべきである。一般的に、評価デバイスは、光学センサのうちの少なくとも1つの中へ完全にまたは部分的に一体化され得る。追加的にまたは代替的に、評価デバイスは、共通のデバイスに完全にまたは部分的に一体化され得、共通のデバイスは、両方の機能を果たし、また、例として、1個または複数のハードウェアコンポーネント、例えば、1個もしくは複数のASICおよび/または1個もしくは複数のFPGAおよび/または1個もしくは複数のDSPなどを含むことが可能である。また、追加的にまたは代替的に、評価デバイスは、例えば、ソフトウェアコンポーネントの1つまたは複数を使用することによって、完全にまたは部分的に実装され得る。また、一体化の程度は、評価の速度および最大周波数に対する影響を有する可能性がある。したがって、上記に概説されているように、検出器は、また、カメラとして完全にまたは部分的に具現化され得、および/または、静止イメージを獲得するのに適したカメラ、もしくは、ビデオクリップを獲得するのに適したカメラの中で使用され得る。
【0096】
上述の実施形態のうちの1つまたは複数による検出器は、さまざまな方式で、修正されて改善され得、または、さらには最適化され得、それは、以下に簡潔に議論されることになり、また、それは、当業者が認識することになるように、さまざまな任意の組み合わせで実装され得る。
【0097】
そのうえ、検出器は、照射を変調させるための、とりわけ、定期的な変調のための少なくとも1つの変調デバイスを有することが可能であり、とりわけ、定期的なビーム中断デバイスを有することが可能である。照射の変調は、照射の合計パワーが、とりわけ、1つまたは複数の変調周波数によって、好ましくは、周期的に変化させられる、プロセスを意味するように理解されるべきである。とりわけ、定期的な変調は、照射の合計パワーの最大値と最小値との間で実現され得る。最小値は、0であることが可能であるが、>0であることも可能であり、例として、完全な変調が実現される必要がないようになっている。変調は、例えば、少なくとも1つの変調デバイスが前記ビーム経路の中に配置されていることによって、例えば、対象物と光学センサとの間のビーム経路の中で実現され得る。しかし、代替的にまたは追加的に、変調は、また、例えば、少なくとも1つの変調デバイスが前記ビーム経路の中に配置されていることによって、対象物を照射するための任意の照射源(さらにより詳細に以下に説明されている)と対象物との間のビーム経路の中に実現され得る。これらの可能性の組み合わせも考えられる。少なくとも1つの変調デバイスは、例えば、ビームチョッパ、または、いくつかの他のタイプの周期的なビーム中断デバイスを含むことが可能であり、定期的なビーム中断デバイスは、例えば、少なくとも1つのインタラプタブレードまたはインタラプタホイールを含み、それは、好ましくは、一定の速度で回転し、したがって、周期的に照射を中断することが可能である。しかし、代替的にまたは追加的に、1つまたは複数の異なるタイプの変調デバイス、例えば、電気光学的な効果および/または音響光学的な効果に基づく変調デバイスを使用することも可能である。また、繰り返しになるが、代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの任意の照射源自身は、例えば、前記照射源自身が、変調された強度および/もしくは合計パワー、例えば、周期的に変調された合計パワーを有することによって、および/または、前記照射源が、パルス状照射源として、例えば、パルス状レーザーとして具現化されていることによって、変調された照射を発生させるように設計され得る。したがって、例として、少なくとも1つの変調デバイスは、また、全体的にまたは部分的に照射源の中へ一体化され得る。さまざまな可能性が考えられる。
【0098】
したがって、検出器は、とりわけ、異なる変調のケースでは、少なくとも2つの縦方向センサ信号を検出するように設計され得、とりわけ、それぞれに異なる変調周波数において、少なくとも2つの縦方向センサ信号を検出するように設計され得る。評価デバイスは、少なくとも2つの縦方向センサ信号から幾何学的情報を発生させるように設計され得る。WO2012/110924A1およびWO2014/097181A1に説明されているように、曖昧性を解消することが可能であり、および/または、例えば、照射の合計パワーが一般的に知られていないという事実を考慮に入れることが可能である。例として、検出器は、0.05Hzから1MHzの周波数、例えば、0.1Hzから10kHzの周波数によって、対象物の照射の変調、および/または、検出器の少なくとも1つのセンサ領域、例えば、少なくとも1つの縦方向光学センサの少なくとも1つのセンサ領域などの照射の変調を引き起こすように設計され得る。上記に概説されているように、この目的のために、検出器は、少なくとも1つの変調デバイスを含むことが可能であり、少なくとも1つの変調デバイスは、少なくとも1つの任意の照射源の中へ一体化され得、および/または、照射源から独立していることが可能である。したがって、少なくとも1つの照射源は、それ自身によって、照射の上述の変調を発生させるように適合され得、および/または、少なくとも1つの独立した変調デバイスが存在することが可能であり得、それは、例えば、変調された伝達性を有する少なくとも1つのチョッパおよび/または少なくとも1つのデバイスなど、例えば、少なくとも1つの電気光学的なデバイス、および/または、少なくとも1つの音響光学的なデバイスなどである。
【0099】
本発明によれば、それは、上記に説明されているような光学的な検出器に少なくとも1つの変調周波数を適用するために有利である可能性がある。しかし、変調周波数を光学的な検出器に適用することなく、縦方向センサ信号を直接的に決定することも、依然として可能である可能性がある。より詳細に下記に実証されるように、変調周波数の適用は、対象物についての所望の縦方向の情報を獲得するために、多くの関連の環境の下で必要とされない可能性がある。したがって、結果として、光学的な検出器は、空間的検出器の単純でコスト効率の良いセットアップにさらに寄与し得る変調デバイスを含むことが必要とされない可能性がある。さらなる結果として、空間的光変調器は、周波数分割多重化モードよりもむしろ時間分割多重化モードにおいて、または、それらの組み合わせで使用され得る。
【0100】
参照により含まれているさまざまな上述の出願に議論されているように、具体的には、WO2014/097181A1に議論されているように、曖昧性が、フォーカルポイントの前後の等しい距離における光スポットのサイズの中に存在している。したがって、具体的には、この曖昧性を解消するために、縦方向光学センサの層セットアップは、少なくとも2つのフォトダイオード、とりわけ、少なくとも2つのFiPデバイスを含み、フォトダイオードは、光ビームの1つまたは複数のビーム経路に沿って、層セットアップの中の異なる位置に位置決めされている。したがって、2つ以上のフォトダイオードによって取り出される少なくとも2つの縦方向センサ信号および/または結果を比較することによって、フォーカルポイントが、フォトダイオードの前に(ビームは典型的に幅広くなっている)、フォトダイオードの後ろに(ビームは典型的に幅狭くなっている)、またはその間に位置しているかが決定され得、後者の場合は、3つ以上のフォトダイオードの使用を必要とすることが多い。したがって、具体的には、評価デバイスは、フォトダイオードのうちの少なくとも2つの縦方向センサ信号を評価することによって、対象物の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。フォトダイオードのうちの少なくとも2つは、光ビームの少なくとも1つのビーム経路に沿って、異なる位置に位置決めされ得、対象物と少なくとも2つのフォトダイオードとの間の光路長さが同一でないようになっている。
【0101】
検出器は、1つまたは複数の追加的な光学エレメントをさらに含むことが可能である。例として、検出器は、伝送デバイスの文脈においてさらに詳細に以下に概説されるように、1つもしくは複数のレンズ、および/または、1つもしくは複数の平坦なもしくは湾曲した反射エレメントを含むことが可能である。しかし、具体的には、検出器は、フィルタエレメントの少なくとも1つの光学フィルタとも称される、少なくとも1つの波長選択的なエレメントをさらに含むことが可能である。例として、少なくとも1つの光学フィルタは、少なくとも1つの透過フィルタもしくは吸収フィルタ、少なくとも1つの格子、少なくとも1つのダイクロイックミラー、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である。他のタイプの波長選択的なエレメントも使用され得る。
【0102】
上記に概説されているように、検出器は、1つまたは複数の追加的な光学エレメントなどのような、1つまたは複数の追加的なエレメントをさらに含むことが可能である。さらに、検出器は、少なくとも1つのハウジングの中へ完全にまたは部分的に一体化され得る。検出器は、具体的には、少なくとも1つの伝送デバイスを含むことが可能であり、伝送デバイスは、縦方向光学センサおよび/または横方向光学センサの上に光ビームをガイドするように適合されている。伝送デバイスは、少なくとも1つのレンズ、好ましくは、少なくとも1つの焦点調整可能なレンズ;少なくとも1つのビーム偏向エレメント、好ましくは、少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビームスプリッティングエレメント、好ましくは、ビームスプリッティングキューブまたはビームスプリッティングミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステムのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0103】
上記に概説されているように、検出器は、1個または複数の光学的なエレメント、例えば、1個もしくは複数のレンズ、および/または、1個もしくは複数の屈折エレメント、1個もしくは複数のミラー、または、1個もしくは複数のダイヤフラムなどをさらに含むことが可能である。例えば、光ビームのビームパラメータ、光ビームの幅、または、光ビームの方向のうちの1つまたは複数を修正することなどによって、光ビームを修正するように適合されている、これらの光学的なエレメントは、以上および以下では、「伝送エレメント」または「伝送デバイス」とも称されることになる。したがって、検出器は、少なくとも1個の伝送デバイスをさらに含むことが可能であり、伝送デバイスは、例えば、光ビームを偏向させること、フォーカスすること、またはデフォーカスすることのうちの1つまたは複数などによって、光ビームを縦方向光学センサの上にガイドするように適合され得る。具体的には、伝送デバイスは、1個もしくは複数のレンズ、および/または、1個もしくは複数の湾曲したミラー、および/または、1つもしくは複数の他のタイプの屈折エレメントを含むことが可能である。
【0104】
検出器が1個または複数の伝送デバイスを含むケースでは、少なくとも1個の伝送デバイスは、具体的には、少なくとも1つの焦点距離を有することが可能である。この場合に、焦点距離は、固定されているかまたは可変であり得る。後者のケースでは、具体的には、1個または複数の焦点調整可能なレンズは、少なくとも1個の伝送デバイスの中に含まれ得る。この文脈では、例として、2014年12月9日に出願された欧州特許出願第14196944.4号が参照され得、その内容全体は、参照により本明細書に含まれる。また、ここに開示されている焦点調整可能なレンズは、本発明による検出器の少なくとも1個の任意の伝送デバイスの中で使用され得る。
【0105】
本明細書で使用されているように、「焦点調整可能なレンズ」という用語は、一般的に、制御された方式で焦点調整可能なレンズを通過する光ビームの焦点位置を修正するように適合されている光学エレメントを表している。焦点調整可能なレンズは、1個もしくは複数のレンズおよび/または1個もしくは複数の湾曲したミラーなどのような、調節可能なまたは調整可能な焦点距離を備える1個または複数のレンズエレメントであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。1個または複数のレンズは、例として、両凸形レンズ、両凹形レンズ、平凸形レンズ、平凹形レンズ、凸凹形レンズ、または凹凸形レンズのうちの1個または複数を含むことが可能である。1個もしくは複数の湾曲したミラーは、凹形ミラー、凸形ミラー、または、1個もしくは複数の湾曲した反射表面を有する任意の他のタイプのミラーのうちの1個もしくは複数であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。当業者が認識することになるように、それらの任意の組み合わせが、一般的に実行可能である。ここでは、「焦点位置」は、一般的に、光ビームが最も狭い幅を有する位置を表している。さらに、光学的な設計点の当業者には明らかであるように、「焦点位置」という用語は、一般的に、広がりまたはレイリー長などのような、他のビームパラメータを表すことが可能である。したがって、例として、焦点調整可能なレンズは、少なくとも1個のレンズであることが可能であり、または、それを含むことが可能であり、少なくとも1個のレンズの焦点距離は、例えば、外部影響光、制御信号、電圧、または電流などによって、制御された方式で変化または修正され得る。また、焦点位置の変化は、切り替え可能な屈折率を含む光学エレメントによって実現され得、それは、それだけでフォーカシングデバイスであることが可能ではないが、それにもかかわらず、光ビームの中へ設置されるときに、固定焦点レンズのフォーカルポイントを変化させることが可能である。この文脈においてさらに使用されるように、「制御された方式で」という用語は、一般的に、焦点調整可能なレンズの上に及ぼされ得る影響に起因して修正が起こるという事実を表しており、焦点調整可能なレンズに外部影響を及ぼすことによって、例えば、デジタル制御信号、アナログ制御信号、制御電圧、または制御電流のうちの1個または複数などのような、制御信号を、焦点調整可能なレンズに適用することなどによって、焦点調整可能なレンズを通過する光ビームの実際の焦点位置、および/または、焦点調整可能なレンズの焦点距離が、1個または複数の所望の値に調節され得るようになっている。具体的には、焦点調整可能なレンズは、レンズまたは湾曲したミラーなどのような、レンズエレメントであることが可能であり、または、それを含むことが可能であり、その焦点距離は、電気的な制御信号などのような、適当な制御信号を適用することによって調節され得る。焦点調整可能なレンズの例は、文献の中で知られており、また、市販されている。例として、Optotune AG、CH−8953 Dietikon、Switzerlandによって入手可能であるような、調整可能なレンズ、好ましくは、電気的に調整可能なレンズが参照され得、それは、本発明の文脈において用いられ得る。さらに、Varioptic、69007 Lyon、Franceから市販されているような、焦点調整可能なレンズも使用され得る。焦点調整可能なレンズについての再検討のために、具体的には、流体効果に基づいて、例えば、N. Nguyen:“Micro−optofluidic Lenses: A review“, Biomicrofluidics,4,031501(2010)、および/または、Uriel Levy,Romi Shamai:“Tunable optofluidic devices“, Microfluid Nanofluid,4,97(2008)が参照され得る。しかし、それ加えてまたは代替的に、焦点調整可能なレンズの他の原理が使用され得ることが留意されるべきである。
【0106】
焦点調整可能なレンズのさまざまな原理が、当技術分野で知られており、本発明の中で使用され得る。したがって、第1に、焦点調整可能なレンズは、少なくとも1個の透明な成形可能材料を、好ましくは、その形状を変化させることができる成形可能材料を含むことが可能であり、したがって、機械的な影響および/または電気的な影響などのような、外部影響に起因して、その光学的な特性および/または光学的な境界面を変化させることが可能である。影響を及ぼすアクチュエータは、具体的には、焦点調整可能なレンズの一部であることが可能である。追加的にまたは代替的に、焦点調整可能なレンズは、少なくとも1個の制御信号を焦点調整可能なレンズに提供するための1個または複数のポートを、例えば、1個または複数の電気的なポートなどを有することが可能である。成形可能材料は、具体的には、透明な液体および透明な有機材料、好ましくは、ポリマー、より好ましくは、電気活性ポリマーからなる群から選択され得る。さらに、組み合わせも可能である。したがって、例として、成形可能材料は、親水性の液体および親油性の液体などのような、2個の異なるタイプの液体を含むことが可能である。他のタイプの材料も実行可能である。焦点調整可能なレンズは、成形可能材料の少なくとも1個の境界面を成形するための少なくとも1個のアクチュエータをさらに含むことが可能である。アクチュエータは、具体的には、焦点調整可能なレンズのレンズゾーンの中の液体の量を制御するための液体アクチュエータ、または、成形可能材料の境界面の形状を電気的に変化させるように適合された電気アクチュエータからなる群から選択され得る。焦点調整可能なレンズの1個の実施形態は、静電的な焦点調整可能なレンズである。したがって、焦点調整可能なレンズは、少なくとも1個の液体および少なくとも2個の電極を含むことが可能であり、液体の少なくとも1個の境界面の形状は、好ましくはエレクトロウェッティングによって、電圧または電流の一方または両方を電極に印加することによって変化可能である。追加的にまたは代替的に、焦点調整可能なレンズは、1個または複数の電気活性ポリマーの使用に基づくことが可能であり、その形状は、電圧および/または電界を印加することによって変化させられ得る。
【0107】
1個の焦点調整可能なレンズまたは複数の焦点調整可能なレンズが使用され得る。したがって、焦点調整可能なレンズは、単一レンズエレメントまたは複数の単一レンズエレメントであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、例えば1個または複数のモジュールの中などで相互接続される複数のレンズエレメントが使用され得、それぞれのモジュールは、複数の焦点調整可能なレンズを有する。したがって、例として、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズは、例えば、C.U. Muradeら, Optics Express, Vol. 20, No. 16, 18180−18187 (2012)に開示されているような、マイクロレンズアレイなどのような少なくとも1個のレンズアレイであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。単一の焦点調整可能なレンズなどのような、他の実施形態も実行可能である。
【0108】
少なくとも1個の焦点調整可能なレンズは、さまざまな方式で使用され得る。したがって、具体的には、少なくとも1個の任意の伝送デバイスの中に少なくとも1個の焦点調整可能なレンズを使用することによって、z座標の決定における曖昧性が解消され得る。したがって、例えば、WO2014/097181A1に説明されているように、光ビームのビームウエストまたはビーム直径、具体的には、ガウシアン光線のビームウエストまたはビーム直径は、フォーカルポイントの前後において対称になっており、したがって、光スポットのサイズが1つだけの縦方向位置において決定されるケースでは、曖昧性が存在する。したがって、WO2014/097181A1において提案されているように、曖昧性を解消するために、および、曖昧でない方式で対象物の少なくとも1つのz座標を決定するために、異なる位置の中への光スポットのサイズが決定され得、それは、本発明の文脈においても可能である。この目的のために、例として、2個または3個以上の縦方向光学センサが使用され得、それは、さらに詳細に下記に説明されることになるように、好ましくは、光学的なビーム経路に沿って異なる位置に位置決めされており、および/または、それは、異なる部分的なビーム経路の中に位置決めされている。しかし、追加的にまたは代替的に、少なくとも1個の任意の焦点調整可能なレンズが使用され得、本発明による評価が、少なくとも2個の異なる調節、すなわち、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズの少なくとも2個の異なる焦点位置によって起こることが可能である。焦点位置をシフトすることによって、上述の曖昧性が解消され得る。その理由は、1つのケースでは、焦点位置の前の一定の距離において測定され、また、第2のケースでは、焦点位置の後ろの一定の距離において測定される、ビームスポットのサイズは、焦点位置が変化されるときに異なった振る舞いをすることになるからである。したがって、例えば、WO2014/097181A1の
図5Aまたは
図5Bを見たときに当業者が容易に導出することができるように、一方のケースでは、光スポットのサイズは増加することになり、他方のケースでは、減少することになり、または、その逆も同様である。
【0109】
したがって、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズを使用することによって、ビームスプリッタ、または、2個以上の部分的なビーム経路へのビーム経路のスプリッティングが、回避され得る。さらに、1個または複数の非透明な光学センサが使用され得る。少なくとも1個の焦点調整可能なレンズが、2個以上のイメージを連続して記録するために使用され得、それは、例として、評価デバイスに関する入力信号として使用され得る。それによって、例えば、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズの異なるレンズ焦点により2個以上のイメージを連続して記録することによって、1個だけのビーム経路を備えた検出器またはカメラが実現化され得る。イメージは、少なくとも1個の評価デバイスに関する入力として使用され得る。
【0110】
第2に、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズが、異なる対象物平面の中のイメージを記録するために使用され得る。したがって、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズの焦点距離を変化させることによって、3Dイメージングが起こることが可能である。
【0111】
したがって、一般的に、少なくとも1個の任意の伝送デバイスは、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズを含むことが可能である。検出器、具体的には、評価デバイスは、異なる対象物平面の中のイメージを連続的に記録するように構成され得る。追加的にまたは代替的に、検出器、具体的には、評価デバイスは、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズの少なくとも2個の異なる調節において獲得された少なくとも2個の異なる縦方向センサ信号を評価することによって、異なる縦方向座標zを有する対象物の少なくとも2個の異なるパーツの縦方向座標を決定するように構成され得る。検出器、具体的には、評価デバイスは、少なくとも1個の焦点調整可能なレンズの少なくとも2個の異なる調節において取得された結果を比較することによって、少なくとも1つの縦方向座標zの決定における曖昧性を解消するように構成され得る。
【0112】
さらに、追加的にまたは代替的に、少なくとも1個の伝送デバイスは、少なくとも1個のマルチレンズシステム、例えば、レンズの少なくとも1個のアレイ、具体的には、少なくとも1個のマイクロレンズアレイを含むことが可能である。本明細書で使用されているように、「マルチレンズ」システムは、一般的に、複数のレンズを表しており、「レンズのアレイ」は、パターンで、例えば、矩形、円形、六角形、または星形形状のパターンなどで、具体的には、検出器の光学軸に対して垂直な平面の中に配置されている複数のレンズを表している。「マイクロレンズアレイ」は、サブミリメートル範囲の直径または等価直径を有する、例えば、1mm未満の、具体的には、500μm以下の、より具体的には、300μm以下などの直径または等価直径を有する、レンズのアレイを表している。任意に、少なくとも1個のメインレンズなどのような、少なくとも1個のさらなるレンズと関連して、少なくとも1個のマルチレンズシステム、具体的には、レンズの少なくとも1個のアレイ、より具体的には、少なくとも1個のマイクロレンズアレイを使用することによって、検出器は、ライトフィールドカメラおよび/またはプレノプティックカメラのうちの一方または両方として具現化され得る。本明細書で使用されているように、「ライトフィールド検出器」は、一般的に、好ましくは同時に、少なくとも2個の異なる対象物平面からの情報を記録するように構成されている光学検出器を表している。さらに、本明細書で使用されているように、「ライトフィールドカメラ」は、一般的に、好ましくは同時に、少なくとも2個の異なる対象物平面からのイメージを記録するように構成されているカメラを表している。本明細書でさらに使用されているように、「プレノプティック検出器」は、一般的に、異なるフォーカルポイントを有する複数のレンズおよび/または複数の湾曲したミラー、例えば、検出器の光学軸に対して垂直な平面の中に位置している複数のレンズおよび/または複数の湾曲したミラーなどを有する検出器を表している。同様に、本明細書で使用されているように、「プレノプティックカメラ」は、一般的に、異なるフォーカルポイントを有する複数のレンズおよび/または複数の湾曲したミラー、例えば、カメラの光学軸に対して垂直な平面の中に位置している複数のレンズおよび/または複数の湾曲したミラーなどを有するカメラを表している。ライトフィールド検出器および/またはライトフィールドカメラのオプティクスは、具体的には、少なくとも1個のメインレンズまたはメインレンズシステム、および、追加的に、少なくとも1個のマルチレンズシステム、具体的には、レンズの少なくとも1個のアレイ、より具体的には、少なくとも1個のマイクロレンズアレイを含むことが可能である。ライトフィールド検出器および/またはライトフィールドカメラは、少なくとも1個の光学センサ、例えば、少なくとも1個のCCDおよび/またはCMOSセンサなどをさらに含み、光学センサは、具体的には、イメージセンサであることが可能である。イメージを記録する間に、第1の対象物平面の中の対象物は、焦点の合った状態になっていることが可能であり、イメージ平面が、マルチレンズシステム、具体的には、レンズの少なくとも1個のアレイ、より具体的には、少なくとも1個のマイクロレンズアレイの平面のレンズと一致することができるようになっている。この対象物平面の上に焦点を合わせられたイメージは、それぞれのレンズの下の、例えば、それぞれのマイクロレンズの下の非線形のセンサ信号または強度を加算することによって取得され得る。
【0113】
対象物から出現する光ビームは、最初に、少なくとも1つの伝送デバイスを通って、その後に、単一の透明な縦方向光学センサ、または、透明な縦方向光学センサのスタックを通って、最後にそれがイメージングデバイスの上に衝突するまで、進行することが可能である。伝送デバイスは、対象物から検出器へ、光学センサへ伝播する光を給送するように設計され得、この給送は、イメージングの手段によって、または、その他、伝送デバイスの非イメージング特性によって、任意に実現され得る。とりわけ、伝送デバイスは、また、電磁放射線が横方向光学センサおよび/または縦方向光学センサに給送される前に、電磁放射線を収集するように設計され得る。それに加えて、少なくとも1つの伝送デバイスは、イメージング特性を有することが可能である。結果的に、伝送デバイスは、少なくとも1つのイメージングエレメント、例えば、少なくとも1つのレンズ、および/または、少なくとも1つの湾曲したミラーを含む。その理由は、そのようなイメージングエレメントのケースでは、例えば、センサ領域の上の照射の幾何学形状が、伝送デバイスと対象物との間の相対的な位置決め、例えば、距離に依存し得るからである。本明細書で使用されているように、対象物から出現する電磁放射線がセンサ領域に完全に伝送されるように、例えば、とりわけ、対象物が検出器の可視範囲の中に配置されている場合に、センサ領域の上に完全に焦点を合わせられるように、伝送デバイスは設計され得る。
【0114】
一般的に、検出器は、少なくとも1つのイメージングデバイス、すなわち、少なくとも1つのイメージを獲得することができるデバイスをさらに含むことが可能である。イメージングデバイスは、さまざまな方式で具現化され得る。したがって、イメージングデバイスは、例えば、検出器ハウジングの中の検出器のパーツであることが可能である。しかし、代替的にまたは追加的に、イメージングデバイスは、また、検出器ハウジングの外側に、例えば、別々のイメージングデバイスとして配置され得る。また、代替的にまたは追加的に、イメージングデバイスは、検出器に接続されるか、または、検出器のパーツにも接続され得る。好適な配置では、透明な縦方向光学センサおよびイメージングデバイスのスタックが、共通の光学軸に沿って整合されており、光ビームは共通の光学軸に沿って進行する。したがって、光ビームが、透明な縦方向光学センサのスタックを通って、イメージングデバイスの上にそれが衝突するまで進行するように、イメージングデバイスを光ビームの光路の中に位置させることが可能であり得る。しかし、他の配置も可能である。
【0115】
本明細書で使用されているように、「イメージングデバイス」は、一般的に、対象物またはそのパーツの1次元の、2次元の、または3次元のイメージを発生させることができるデバイスとして理解される。とりわけ、検出器は、少なくとも1つの任意のイメージングデバイスの有無にかかわらず、カメラとして完全にまたは部分的に使用され得、カメラは、例えば、IRカメラ、またはRGBカメラ、すなわち、赤色、緑色、および青色として指定される3つの基本色を3つの別々の接続の上に送達するように設計されたカメラなどである。したがって、例として、少なくとも1つのイメージングデバイスは、ピクセル化された有機カメラエレメント、好ましくは、ピクセル化された有機カメラチップ;ピクセル化された無機カメラエレメント、好ましくは、ピクセル化された無機カメラチップ、より好ましくは、CCD−チップまたはCMOS−チップ;モノクロームのカメラエレメント、好ましくは、モノクロームのカメラチップ;マルチカラーカメラエレメント、好ましくは、マルチカラーカメラチップ;フルカラーカメラエレメント、好ましくは、フルカラーカメラチップからなる群から選択される少なくとも1つのイメージングデバイスであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。イメージングデバイスは、モノクロームのイメージングデバイス、マルチクロームのイメージングデバイス、および、少なくとも1つのフルカラーイメージングデバイスからなる群から選択される少なくとも1つのデバイスであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。マルチクロームのイメージングデバイス、および/または、フルカラーイメージングデバイスは、当業者が認識するように、フィルタ技法を使用することによって、および/または、真性色感度または他の技法を使用することによって、発生され得る。イメージングデバイスの他の実施形態も可能である。
【0116】
イメージングデバイスは、対象物の複数の部分的な領域を、連続的におよび/または同時にイメージングするように設計され得る。例として、対象物の部分的な領域は、対象物の1次元の、2次元の、または3次元の領域であることが可能であり、それは、例えば、イメージングデバイスの分解能限界によって境界を定められており、電磁放射線がそれから出現する。この文脈において、イメージングは、対象物のそれぞれの部分的な領域から出現する電磁放射線が、例えば、検出器の少なくとも1つの任意の伝送デバイスによって、イメージングデバイスの中へ給送されることを意味すると理解されるべきである。電磁線は、対象物自身によって、例えば、発光放射線の形態で発生され得る。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの検出器は、対象物を照射するための少なくとも1つの照射源を含むことが可能である。
【0117】
とりわけ、イメージングデバイスは、順次、例えば、スキャニング方法によって、とりわけ、少なくとも1つの行スキャンおよび/またはラインスキャンを使用して、複数の部分的な領域を順次イメージングするように設計され得る。また、しかし、複数の部分的な領域が同時にイメージングされる例示的な実施形態に関して、他の実施形態も可能である。イメージングデバイスは、対象物の部分的な領域のこのイメージングの間に、部分的な領域に関連付けられる信号、好ましくは、電子信号を発生させるように設計されている。信号は、アナログ信号および/またはデジタル信号であることが可能である。例として、電子信号は、それぞれの部分的な領域に関連付けられ得る。したがって、電子信号は、同時に、または、その他、時間的に互い違いに発生され得る。例として、行スキャンまたはラインスキャンの間に、対象物の部分的な領域に対応する一連の電子信号を発生させることが可能であり、それは、例えば、一列につなぎ合わせられている。さらに、イメージングデバイスは、電子信号を処理および/または事前処理するための1つもしくは複数のフィルタおよび/またはアナログ−デジタル−コンバータなどのような、1つまたは複数の信号処理デバイスを含むことが可能である。
【0118】
対象物から出現する光は、対象物自身の中に起こることが可能であるが、任意に、異なる起源を有することも可能であり、この起源から対象物へ、および、その後に光学センサに向けて伝播することが可能である。後者のケースは、例えば、少なくとも1つの照射源が使用されることによって、影響を与えられ得る。照射源は、さまざまな方式で具現化され得る。したがって、照射源は、例えば、検出器ハウジングの中の検出器のパーツであることが可能である。しかし、代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの照射源は、また、検出器ハウジングの外側に、例えば、別々の光源として配置され得る。照射源は、対象物から別々に配置され得、所定の距離から対象物を照射することが可能である。また、代替的にまたは追加的に、照射源は、対象物に接続されているか、または、対象物のパーツであることさえも可能であり、例として、対象物から出現する電磁放射線が、照射源によって直接的に発生され得るようになっている。例として、少なくとも1つの照射源は、対象物の上および/または中に配置され得、電磁放射線を直接的に発生させることが可能であり、電磁放射線によってセンサ領域が照射される。この照射源は、例えば、周囲光源であることが可能であり、もしくは、それを含むことが可能であり、および/または、人工的な照射源であることが可能であり、もしくは、それを含むことが可能である。例として、少なくとも1つの赤外線エミッター、および/または、可視光のための少なくとも1つのエミッター、および/または、紫外光のための少なくとも1つのエミッターが、対象物の上に配置され得る。例として、少なくとも1つの発光ダイオード、および/または、少なくとも1つのレーザーダイオードが、対象物の上および/または中に配置され得る。照射源は、とりわけ、1つまたは複数の以下の照射源、すなわち、レーザー、とりわけ、レーザーダイオード(しかし、原理的には、代替的にまたは追加的に、他のタイプのレーザーも使用され得る);発光ダイオード;白熱ランプ;ネオンライト;火炎源;熱源;有機光源、とりわけ、有機発光ダイオード;構造化された光源を含むことが可能である。代替的にまたは追加的に、他の照射源も使用され得る。例えば、多くのレーザーが少なくともおおよそそうであるように、ガウシアンビームプロファイルを有する1つまたは複数の光ビームを発生させるように、照射源が設計されている場合には、とりわけ好適である。任意の照射源のさらに考えられる実施形態に関して、WO2012/110924A1およびWO2014/097181A1のうちの1つが参照され得る。さらに、他の実施形態も実行可能である。
【0119】
少なくとも1つの任意の照射源は、一般的に、紫外線スペクトル範囲、好ましくは、200nmから380nmの範囲;可視スペクトル範囲(380nmから780nm);赤外線スペクトル範囲、好ましくは、780nmから3.0マイクロメートルの範囲のうちの少なくとも1つの中の光を放出することが可能である。最も好ましくは、少なくとも1つの照射源は、可視スペクトル範囲の中の、好ましくは、500nmから780nmの範囲の中の、最も好ましくは、650nmから750nm、または、690nmから700nmにおいて、光を放出するように適合されている。本明細書では、とりわけ、したがって、十分な信号対雑音比を有する高分解能評価を可能にし得る高い強度で、それぞれの照射源によって照射され得る縦方向センサがセンサ信号を提供することができることを保証するように、照射源が、縦方向センサのスペクトル感度に関連し得るスペクトル範囲を示すことが可能であるときに、とりわけ好適である。
【0120】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1個の対象物の位置を決定するための検出器システムが開示されている。検出器システムは、本発明による少なくとも1個の検出器、例えば、上記に開示されている実施形態のうちの1つもしくは複数による少なくとも1個の検出器、または、さらに詳細に下記に開示されている実施形態のうちの1つもしくは複数による少なくとも1個の検出器を含む。検出器システムは、少なくとも1つの光ビームを検出器に向けて方向付けするように適合された少なくとも1個のビーコンデバイスをさらに含み、ビーコンデバイスは、対象物に取り付け可能である、対象物によって保持可能である、および、対象物に一体化可能であるのうちの少なくとも1つである。その考えられる実施形態を含む、ビーコンデバイスに関するさらなる詳細が、下記に与えられることになる。したがって、少なくとも1個のビーコンデバイスは、少なくとも1個のアクティブビーコンデバイスであることが可能であり、または、それを含むことが可能であり、それは、レーザー、LED、または電球などのような、1個または複数の光源などのような1個または複数の照射源を含む。例として、照射源によって放出される光は、300〜500nmの波長を有することが可能である。追加的にまたは代替的に、少なくとも1個のビーコンデバイスは、例えば、1個または複数の反射エレメントを含むことなどによって、1個または複数の光ビームを検出器に向けて反射させるように適合され得る。さらに、少なくとも1個のビーコンデバイスは、光ビームを散乱させるように適合された1個または複数の散乱エレメントであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。この場合に、弾性的なまたは非弾性的な散乱が使用され得る。少なくとも1個のビーコンデバイスが一次的な光ビームを検出器に向けて反射および/または散乱させるように適合されているケースでは、ビーコンデバイスは、光ビームのスペクトル特性を、影響を受けていない状態のままにするように適合され得、または、代替的に、例えば、光ビームの波長を修正することなどによって、光ビームのスペクトル特性を変化させるように適合され得る。
【0121】
本発明のさらなる態様では、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが開示されている。ヒューマンマシンインターフェースは、上記に開示されている実施形態による、および/または、さらに詳細に下記に開示されている実施形態のうちの1つもしくは複数による、少なくとも1個の検出器システムを含む。その場合に、少なくとも1個のビーコンデバイスは、直接的にまたは間接的に、ユーザに取り付けられているか、またはユーザによって保持されるかのうちの少なくとも1つであるように適合されている。ヒューマンマシンインターフェースは、検出器システムによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計されており、ヒューマンマシンインターフェースは、少なくとも1つの情報を位置に割り当てるように設計されている。
【0122】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つのエンターテイメント機能を実施するためのエンターテイメントデバイスが開示されている。エンターテイメントデバイスは、上記に開示されている実施形態による、および/または、さらに詳細に下記に開示されている実施形態のうちの1つもしくは複数による、少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含む。エンターテイメントデバイスは、少なくとも1つの情報がヒューマンマシンインターフェースを用いてプレイヤによって入力されることを可能にするように構成されている。エンターテイメントデバイスは、情報にしたがってエンターテイメント機能を変化させるようにさらに構成されている。
【0123】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1個の移動可能な対象物の位置をトラッキングするためのトラッキングシステムが開示されている。トラッキングシステムは、上記に開示されているような、および/または、さらに詳細に下記に開示されているような、検出器システムを参照する実施形態のうちの1つまたは複数による、少なくとも1個の検出器システムを含む。トラッキングシステムは、少なくとも1個のトラックコントローラをさらに含む。トラックコントローラは、対象物の特定の時点における一連の位置をトラッキングするように適合されている。
【0124】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1個の対象物のイメージングに関するカメラが開示されている。カメラは、上記に開示されているような、または、さらに詳細に下記に開示されているような、検出器を参照する実施形態のうちのいずれか1つによる少なくとも1個の検出器を含む。
【0125】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1個の対象物の少なくとも1個の位置を決定するためのスキャニングシステムが提供される。本明細書で使用されているように、スキャニングシステムは、少なくとも1個の対象物の少なくとも1個の表面に位置する少なくとも1個のドットを照射するために、および、少なくとも1個のドットとスキャニングシステムとの間の距離についての少なくとも1つの情報を発生させるために構成されている少なくとも1個の光ビームを放出するように適合されているデバイスである。少なくとも1個のドットとスキャニングシステムとの間の距離についての少なくとも1つの情報を発生させる目的のために、スキャニングシステムは、本発明による検出器のうちの少なくとも1個を含み、例えば、上記に列挙されている実施形態のうちの1個または複数に開示されているような検出器、および/または、下記の実施形態のうちの1個または複数に開示されているような検出器のうちの少なくとも1個などを含む。
【0126】
したがって、スキャニングシステムは、少なくとも1個の照射源を含み、少なくとも1個の照射源は、少なくとも1個の対象物の少なくとも1個の表面に位置する少なくとも1個のドットを照射するように構成されている少なくとも1個の光ビームを放出するように適合されている。本明細書で使用されているように、「ドット」という用語は、例えば、スキャニングシステムのユーザによって、照射源によって照射されるように選択され得る、対象物の表面の一部の上のエリア、具体的には、小さいエリアを表している。好ましくは、ドットは、あるサイズを示すことが可能であり、そのサイズは、一方では、スキャニングシステムによって含まれる照射源と、ドットがその上に位置し得る対象物の表面の一部との間の距離に関する値を可能な限り正確にスキャニングシステムが決定することを可能にするために、可能な限り小さくなっていることが可能であり、また、そのサイズは、他方では、スキャニングシステムのユーザまたはスキャニングシステム自身が、とりわけ、自動的な手順によって、対象物の表面の関連部分の上のドットの存在を検出することを可能にするために、可能な限り大きくなっていることが可能である。
【0127】
この目的のために、照射源は、人工的な照射源を含むことが可能であり、とりわけ、少なくとも1個のレーザー供給源および/または少なくとも1個の白熱ランプおよび/または少なくとも1個の半導体光源、例えば、少なくとも1個の発光ダイオード、とりわけ、有機発光ダイオードおよび/または無機発光ダイオードを含むことが可能である。例として、照射源によって放射する光は、300〜500nmの波長を有することが可能である。その一般的に画定されたビームプロファイル、および、取り扱い性の他の特性の理由で、照射源として少なくとも1個のレーザー供給源を使用することがとりわけ好適である。本明細書では、単一のレーザー供給源を使用することは、とりわけ、それが、ユーザによって容易に保管可能および輸送可能であり得るコンパクトなスキャニングシステムを提供するために重要である可能性があるケースでは、好適である可能性がある。したがって、照射源は、好ましくは、検出器の構成要素部であることが可能であり、また、したがって、とりわけ、検出器に一体化され、例えば、検出器のハウジングなどに一体化され得る。好適な実施形態では、とりわけ、スキャニングシステムのハウジングは、例えば、読み易い様式などで、距離関連の情報をユーザに提供するように構成されている、少なくとも1個のディスプレイを含むことが可能である。さらに好適な実施形態では、とりわけ、スキャニングシステムのハウジングは、それに加えて、少なくとも1個のボタンを含むことが可能であり、少なくとも1個のボタンは、スキャニングシステムに関連する少なくとも1個の機能を動作させるように構成され得、例えば、1個または複数の動作モードを設定するように構成され得る。さらなる好適な実施形態では、とりわけ、スキャニングシステムのハウジングは、それに加えて、少なくとも1個の締結ユニットを含むことが可能であり、少なくとも1個の締結ユニットは、スキャニングシステムをさらなる表面に締結するように構成され得、それは、例えば、ラバーフット、ベースプレートまたはウォールホルダーなどであり、そのようなものは、磁気材料を含むベースプレートまたはホルダーとして、とりわけ、距離測定の精度を向上させるために、および/または、ユーザによるスキャニングシステムの操作性を向上させるために含む。
【0128】
とりわけ、スキャニングシステムの照射源は、したがって、対象物の表面に位置する単一のドットを照射するように構成され得る単一のレーザービームを放出することが可能である。したがって、本発明による検出器のうちの少なくとも1個を使用することによって、少なくとも1個のドットとスキャニングシステムとの間の距離についての少なくとも1つの情報が発生され得る。しかし、好ましくは、スキャニングシステムによって含まれるような照射システムと、照射源によって発生されるような単一のドットとの間の距離は、例えば、少なくとも1個の検出器によって含まれるような評価デバイスを用いることなどによって決定され得る。しかし、スキャニングシステムは、とりわけ、この目的のために適合され得る追加的な評価システムをさらに含むことが可能である。代替的にまたはそれに加えて、スキャニングシステムのサイズ、とりわけ、スキャニングシステムのハウジングのサイズが考慮に入れられ得、したがって、ハウジングの前方縁部または後方縁部などのような、スキャニングシステムのハウジングの上の特定のポイントと単一のドットとの間の距離が、代替的に決定され得る。
【0129】
代替的に、スキャニングシステムの照射源は、2個の個々のレーザービームを放出することが可能であり、2個の個々のレーザービームは、ビームの放出の方向同士の間に、直角などのようなそれぞれの角度を提供するように構成され得、それによって、同じ対象物の表面に位置する2個のそれぞれのドット、または、2個の別々の対象物における2個の異なる表面に位置する2個のそれぞれのドットが、照射され得る。しかし、2個の個々のレーザービーム同士の間のそれぞれの角度に関する他の値も実行可能であり得る。この特徴は、とりわけ、間接的な測定機能のために用いられ、例えば、間接的な距離を導出するために用いられ得、その間接的な距離は、例えば、スキャニングシステムとドットとの間の1個または複数の障害物の存在などに起因して、直接的にアクセスすることができないか、または、そうでなければ、到達することが困難である可能性がある。したがって、例として、それは、2個の個々の距離を測定することによって、および、ピタゴラスの公式を使用することによって高さを導出することによって、対象物の高さに関する値を決定するように実行可能であり得る。とりわけ、対象物に対して所定のレベルを維持することができるように、スキャニングシステムは、ユーザによって所定のレベルを維持するために使用され得る、少なくとも1個のレベリングユニット、とりわけ、一体型のバブルバイアルをさらに含むことが可能である。
【0130】
さらなる代替例として、スキャニングシステムの照射源は、複数の個々のレーザービームを放出することが可能であり、例えば、レーザービームのアレイなどを放出することが可能であり、レーザービームのアレイは、互いに対して、それぞれのピッチ、とりわけ、規則的なピッチを示すことが可能であり、また、少なくとも1個の対象物の少なくとも1個の表面の上に位置するドットのアレイを発生させるように配置され得る。この目的のために、ビームスプリッティングデバイスおよびミラーなどのような、特別に適合された光学エレメントが設けられ得、それは、説明されているレーザービームのアレイの発生を可能にすることができる。とりわけ、照射源は、1個または複数の移動可能なミラーを使用することによって、エリアまたは体積をスキャンするように方向付けされ、周期的または非周期的に、光ビームを再方向付けすることが可能である。照射源は、構造化された光源をこのように提供するために、マイクロミラーのアレイを使用してさらに再方向付けされ得る。構造化された光源は、ポイントまたはフリンジなどのような光学的な特徴を投影するために使用され得る。
【0131】
したがって、スキャニングシステムは、1個または複数の対象物の1個または複数の表面の上に設置されている1個または複数のドットの静的な配置を提供することが可能である。代替的に、スキャニングシステムの照射源、とりわけ、1個または複数のレーザービーム、例えば、レーザービームの上述のアレイなどは、とりわけ、マイクロミラーの上述のアレイの中に含まれたマイクロミラーなどのような1個または複数のミラーを移動させることによって、時間の経過とともに変化する強度を示し得る1個または複数の光ビーム、および/または、時間の経過にしたがって放出の方向が交互になり得る1個または複数の光ビームを提供するように構成され得る。その結果、照射源は、スキャニングデバイスの少なくとも1個の照射源によって発生されるときに交互になる特徴を有する1個または複数の光ビームを使用することによって、少なくとも1個の対象物の少なくとも1個の表面の一部をイメージとしてスキャンするように構成され得る。とりわけ、スキャニングシステムは、したがって、少なくとも1個の行スキャンおよび/またはラインスキャンを使用し、例えば、1個または複数の対象物の1個または複数の表面をシーケンシャルにまたは同時にスキャンすることなどが可能である。非限定的な例として、スキャニングシステムは、例えば、生産環境において、安全レーザースキャナの中で使用され得、および/または、例えば、3Dプリンティング、ボディースキャニング、品質制御などと関連して、対象物の形状を決定するために使用されるような3Dスキャニングデバイスの中で使用され得、建設用途において、例えば、レンジメータとして使用され得、ロジスティクスの用途において、例えば、小包のサイズまたは体積を決定するために使用され得、家庭内用途において、例えば、掃除用ロボットまたは芝刈り機ロボットにおいて使用され得、または、スキャニング工程を含み得る他の種類の用途において使用され得る。
【0132】
任意の伝送デバイスは、上記に説明されているように、好ましくは、連続的に、対象物から検出器に伝播する光を、少なくとも2個の光学センサに給送するように設計され得る。上記に説明されているように、この給送は、任意に、伝送デバイスのイメージングによって、または、非イメージング特性によって、達成され得る。とりわけ、また、伝送デバイスは、電磁放射が光学センサのうちの1個または複数に給送される前に、電磁放射を収集するように設計され得る。また、任意の伝送デバイスは、さらに詳細に下記に説明されているように、例えば、所定の光学的な特性を有する光ビーム、例えば、所定のまたは正確に公知のビームプロファイルを有する光ビーム、例えば、少なくとも1個のガウシアンビーム、とりわけ、公知のビームプロファイルを有する少なくとも1個のレーザービームを提供するように設計された照射源によって、全体的にまたは部分的に、少なくとも1個の任意の照射源の構成要素部であることが可能である。
【0133】
任意の照射源の考えられる実施形態に関して、WO2012/110924A1が参照され得る。さらに、他の実施形態も実行可能である。対象物から出てくる光は、対象物自身の中から生じることが可能であるが、また、任意に、異なる起源を有することが可能であり、この起源から対象物へ、また、その後で横方向および/または縦方向光学センサに向けて伝播することが可能である。例えば、後者は、少なくとも1個の照射源が使用されることによって達成され得る。例えば、この照射源は、周囲の照射源であることが可能であり、もしくは、それを含むことが可能であり、および/または、人工的な照射源であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。例として、検出器自身は、少なくとも1個の照射源を含むことが可能であり、例えば少なくとも1個のレーザーおよび/または少なくとも1個の白熱ランプおよび/または少なくとも1個の半導体照射源、例えば、少なくとも1個の発光ダイオード、とりわけ、有機発光ダイオードおよび/または無機発光ダイオードを含むことが可能である。一般的に規定されているそのビームプロファイル、および、取り扱い性の他の特性の理由で、1個または複数のレーザーを照射源またはその一部として使用することは、とりわけ好適である。照射源自身は、検出器の構成要素部であることが可能であり、または、その他、検出器から独立して形成され得る。照射源は、とりわけ、検出器に、例えば、検出器のハウジングに一体化され得る。代替的にまたは追加的に、少なくとも1個の照射源は、また、少なくとも1個のビーコンデバイスに一体化され得、または、ビーコンデバイスのうちの1個または複数に一体化され得、および/または、対象物に一体化され得、または、対象物に接続され得、または、対象物に空間的に連結され得る。
【0134】
したがって、前記光がそれぞれのビーコンデバイス自身の中において生じるオプションの代替として、または、追加的に、ビーコンデバイスから出てくる光は、照射源から出てくることが可能であり、および/または、照射源によって励起され得る。例として、ビーコンデバイスから出てくる電磁光は、ビーコンデバイス自身によって放出され得、および/または、ビーコンデバイスによって反射され得、および/または、それが検出器に給送される前に、ビーコンデバイスによって散乱され得る。このケースでは、電磁放射の放出および/または散乱は、スペクトル的な影響なしに達成され得、または、そのような影響を伴って達成され得る。したがって、例として、波長シフトが、また、例えば、StokesまたはRamanにしたがって、散乱の間に起こる可能性がある。そのうえ、光の放出は、例えば、一次的な照射源によって励起され得、例えば、ルミネッセンス、とりわけ、燐光および/または蛍光を発生させるように励起されている対象物、または、対象物の部分的な領域によって励起され得る。また、原理的には、他の放出プロセスも可能である。反射が起こる場合には、対象物は、例えば、少なくとも1個の反射領域を有することが可能であり、とりわけ、少なくとも1個の反射表面を有することが可能である。前記反射表面は、対象物自身の一部であることが可能であるが、また、例えば、対象物に接続されているかまたは空間的に連結されているリフレクタであることが可能であり、例えば、対象物に接続されているリフレクタプラークであることが可能である。少なくとも1個のリフレクタが使用される場合には、それは、次に、例えば、検出器の他の構成要素部から独立して、対象物に接続されている検出器の一部ともみなされ得る。
【0135】
ビーコンデバイスおよび/または少なくとも1個の任意の照射源は、一般的に、紫外線スペクトル範囲、好ましくは、200nmから380nmの範囲;可視光スペクトル範囲(380nmから780nm);赤外線スペクトル範囲、好ましくは、780nmから3.0マイクロメートルの範囲のうちの少なくとも1個の範囲内の光を放出することが可能である。サーマルイメージングアプリケーションに関して、ターゲットは、遠赤外線スペクトルの範囲、好ましくは、3.0マイクロメートルから20マイクロメートルの範囲の中の光を放出することが可能である。最も好ましくは、少なくとも1個の照射源は、可視光スペクトル範囲、好ましくは、500nmから780nmの範囲、最も好ましくは、650nmから750nm、または、690nmから700nmの範囲内にある光を放出するように適合されている。
【0136】
とりわけ、例えば、丸形の、楕円形の、または異なって構成された断面を有する光スポットが光学センサのセンサ領域の上に作り出されるように、光学センサへの、すなわち、縦方向光学センサおよび/または横方向光学センサへの光ビームの給送が実現され得る。例として、検出器は、対象物がその中で検出され得る視覚範囲、とりわけ、立体角範囲および/または空間的範囲を有することが可能である。好ましくは、例えば、対象物が検出器の視覚範囲の中に配置されている場合に、光スポットが、光学センサのセンサ領域の上に完全に配置されるように、任意の伝送デバイスは設計されている。例として、センサ領域は、この条件を確実にするために、対応するサイズを有するように選ばれ得る。
【0137】
さらに、本発明は、検出器、例えば、本発明による検出器など、例えば、上記に開示されているような、または、さらに詳細に下記に開示されているような、検出器を参照する実施形態のうちの1つまたは複数による検出器などを使用することによって、少なくとも1個の対象物の位置を決定するための方法を開示している。さらに、他のタイプの検出器も使用され得る。
【0138】
方法は、以下の方法工程を含み、方法工程は、所与の順序で実施され得、または、異なる順序で実施され得る。さらに、列挙されていない1個または複数の追加的な方法工程が存在し得る。さらに、方法工程のうちの1つ、2つ以上、または、さらにはすべてが、繰り返して実施され得る。
【0139】
方法工程は、以下の通りである。
− 対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定するための少なくとも1つの縦方向光学センサを使用することによって、少なくとも2つの縦方向センサ信号を発生させる工程であって、縦方向光学センサは、層セットアップを有しており、縦方向光学センサは、少なくとも2つのp型半導体層、少なくとも2つのn型半導体層、および、少なくとも3つの個々の電極層を含み、p型半導体層およびn型半導体層は、少なくとも2つの個々のPN構造を形成しており、PN構造のそれぞれは、電極層のうちの少なくとも2つの間に位置しており、それによって、少なくとも2つのフォトダイオードを形成しており、2つのフォトダイオードのそれぞれは、少なくとも1つの縦方向センサ領域を有しており、縦方向光学センサは、光ビームによる縦方向センサ領域の照射に依存するように、少なくとも2つの縦方向センサ信号を発生させるように設計されており、縦方向センサ信号は、照射の合計パワーが同じであることを所与として、縦方向センサ領域の中の光ビームのビーム断面に依存している、工程、ならびに、
− 少なくとも1つの評価デバイスを使用することによって、縦方向センサ信号を評価し、対象物の縦方向位置についての少なくとも1つの情報を発生させる工程。
【0140】
詳細、オプション、および定義に関して、上記に議論されているような検出器が参照され得る。したがって、具体的には、上記に概説されているように、方法は、本発明による検出器、例えば、上記に与えられているかまたはさらに詳細に下記に与えられている実施形態のうちの1つまたは複数による検出器などを使用することを含むことが可能である。
【0141】
本発明のさらなる態様では、本発明による検出器、例えば、上記に与えられているかまたはさらに詳細に下記に与えられている実施形態のうちの1つまたは複数による検出器の使用が提案されており、それは、交通技術における位置測定;エンターテイメントの用途;セキュリティの用途;監視の用途;安全の用途;ヒューマンマシンインターフェースの用途;トラッキングの用途;写真撮影の用途;少なくとも1個の飛行時間検出器との組み合わせの使用;構造化された光源との組み合わせの使用;ステレオカメラとの組み合わせの使用;マシンビジョンの用途;ロボットの用途;品質制御の用途;製造の用途;構造化された照射源との組み合わせの使用;ステレオカメラとの組み合わせの使用からなる群から選択された使用の目的のためのものである。
【0142】
検出器は、1個または複数の信号処理デバイス、例えば、少なくとも1個の信号を処理および/もしくは事前処理するための1個もしくは複数のフィルタおよび/またはアナログ−デジタル−コンバータを含むことが可能である。1個または複数の信号処理デバイスは、光学センサに完全にまたは部分的に一体化され得、および/または、独立したソフトウェアコンポーネントおよび/またはハードウェアコンポーネントとして、完全にまたは部分的に具現化され得る。
【0143】
対象物は、一般的に、生物であってもよく、または、非生物であってもよい。さらには、検出器システムは、少なくとも1個の対象物を含むことが可能であり、それによって、対象物は、検出器システムの一部を形成している。好ましくは、しかし、対象物は、少なくとも1個の空間的次元において、検出器から独立して移動することが可能である。
【0144】
対象物は、一般的に、任意の対象物であることが可能である。1個の実施形態では、対象物は、リジッドの対象物であることが可能である。例えば、対象物が非リジッドの対象物である実施形態、または、その形状を変化させ得る対象物などの、他の実施形態も実行可能である。
【0145】
さらに詳細に下記に概説されることになるように、本発明は、具体的には、人の位置および/または運動をトラッキングするために使用され得、例えば、マシンの制御、ゲーミング、または、スポーツのシミュレーションなどの目的のために使用され得る。この実施形態または他の実施形態では、具体的には、対象物は、スポーツ用品、好ましくは、ラケット、クラブ、バットからなる群から選択される物品;衣類;帽子;靴からなる群から選択され得る。
【0146】
本発明の一態様では、上記に概説されているように、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが開示されている。ヒューマンマシンインターフェースは、本発明による少なくとも1個の検出器システムを含み、例えば、上記に開示されている実施形態のうちの1つもしくは複数による、および/または、さらに詳細に下記に開示されている実施形態のうちの1つもしくは複数による、少なくとも1個の検出器システムを含む。ビーコンデバイスは、ユーザに直接的にまたは間接的に取り付けられること、および、ユーザによって直接的にまたは間接的に保持されること、のうちの少なくとも1つとなるように適合されている。ヒューマンマシンインターフェースは、検出器システムによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計されている。ヒューマンマシンインターフェースは、さらに、少なくとも1つの情報を位置に割り当てるように設計されている。
【0147】
本発明の一態様では、上記に概説されているように、少なくとも1個のエンターテイメント機能を実施するためのエンターテイメントデバイスが開示されている。エンターテイメントデバイスは、本発明による少なくとも1個のヒューマンマシンインターフェースを含む。エンターテイメントデバイスは、さらに少なくとも1つの情報がヒューマンマシンインターフェースを用いてプレイヤによって入力されることを可能にするように設計されている。エンターテイメントデバイスは、さらに情報にしたがってエンターテイメント機能を変化させるように設計されている。
【0148】
上記に概説されているように、本発明のさらなる態様では、少なくとも1個の移動可能な対象物の位置をトラッキングするためのトラッキングシステムが開示されている。トラッキングシステムは、本発明による少なくとも1個の光学検出器を含み、例えば、上記に開示されている実施形態のうちの1つまたは複数による、および/または、さらに詳細に下記に開示されている実施形態のうちの1つまたは複数によるものなどを含む。トラッキングシステムは、少なくとも1個のトラックコントローラをさらに含み、トラックコントローラは、特定の時点における対象物の一連の位置をトラッキングするように適合されている。
【0149】
したがって、一般的に、本発明によるデバイス、例えば、検出器は、さまざまな使用の分野において適用され得る。具体的には、検出器は以下のものからなる群から選択される使用の目的に適用され得る。すなわち、それは、交通技術における位置測定;エンターテイメントの用途;セキュリティの用途;ヒューマンマシンインターフェースの用途;トラッキングの用途;写真撮影の用途;少なくとも1個の空間のマップを発生させるためのマッピングの用途、例えば、部屋、建物、および街路からなる群から選択される少なくとも1個の空間のマップを発生させるためのマッピングの用途など;モバイルの用途;ウェブカム;オーディオデバイス;ドルビーサラウンドオーディオシステム;コンピュータ周辺デバイス;ゲーミングの用途;カメラまたはビデオの用途;セキュリティの用途;監視の用途;自動車の用途;輸送の用途;医療の用途;スポーツの用途;マシンビジョンの用途;車両の用途;飛行機の用途;船舶の用途;宇宙船の用途;建物の用途;建築の用途;地図製作の用途;製造の用途;少なくとも1個の飛行時間検出器と組み合わせた使用である。追加的にまたは代替的に、ローカルポジショニングシステムおよび/またはグローバルポジショニングシステムにおける用途も挙げることが可能であり、特に、ランドマークを基礎とする位置決めおよび/またはナビゲーション、具体的には、車または他の車両(例えば、列車、オートバイ、自転車、貨物輸送のためのトラックなど)、ロボットにおける使用のための、または、歩行者による使用のためのものも挙げることが可能である。さらに、インドアポジショニングシステムは、例えば、家庭内アプリケーションに関して、および/または、製造技術において使用されるロボットなどに関して、考えられる用途として挙げられ得る。
【0150】
したがって、第1に、本発明によるデバイスは、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートパネル、または、他の据置型コンピュータ,モバイルもしくはウェアラブルコンピュータ、または通信の用途において使用され得る。したがって、本発明によるデバイスは、性能を向上させるために、少なくとも1個のアクティブ光源と組み合わせられ得、例えば、可視光範囲または赤外線スペクトル範囲にある光を放出する光源などと組み合わせられ得る。したがって、例として、本発明によるデバイスは、カメラおよび/またはセンサとして使用され得、例えば、環境、対象物、および生物をスキャンするためのモバイルソフトウェアと組み合わせて使用され得る。さらには、本発明によるデバイスは、イメージング効果を高めるために、従来のカメラなどのような、2Dカメラと組み合わせられ得る。本発明によるデバイスは、さらに、監視のために、および/もしくは、記録目的のために使用され得、または、モバイルデバイスを制御するための入力デバイスとして、特に、音声および/またはジェスチャー認識と組み合わせて使用され得る。したがって、具体的には、ヒューマンマシンインターフェースとして作用する本発明によるデバイス(入力デバイスとも称される)は、モバイルの用途において使用され得、例えば、モバイルフォンなどのようなモバイルデバイスを介して、他の電子デバイスまたはコンポーネントを制御するためなどのために使用され得る。例として、少なくとも1個の本発明によるデバイスを含むモバイルの用途は、テレビジョンセット、ゲームコンソール、音楽プレイヤもしくは音楽デバイス、または、他のエンターテイメントデバイスを制御するために使用され得る。
【0151】
さらに、本発明によるデバイスは、ウェブカム、または、コンピューティングの用途のための他の周辺デバイスにおいて使用され得る。したがって、例として、本発明によるデバイスは、イメージング、記録、監視、スキャニング、または運動検出に関するソフトウェアと組み合わせて使用され得る。ヒューマンマシンインターフェースおよび/またはエンターテイメントデバイスの文脈において概説されているように、本発明によるデバイスは、顔表現および/または身体表現によってコマンドを与えることに関して、とりわけ有用である。本発明によるデバイスは、例えば、マウス、キーボード、タッチパッド、マイクロホンなどのような他の入力発生デバイスと組み合わせられ得る。さらに、本発明によるデバイスは、例えば、ウェブカムを使用することなどによって、ゲーミングに関する用途において使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、バーチャルトレーニングの用途および/またはビデオ会議において使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、特に、ヘッドマウントディスプレイを装着しているときに、バーチャルリアリティまたはオーグメンテッドリアリティの用途において使用される手、腕、または対象物を認識またはトラッキングするために使用され得る。
【0152】
さらに、本発明によるデバイスは、部分的に上記に説明されているように、モバイルオーディオデバイス、テレビジョンデバイス、およびゲーミングデバイスにおいて使用され得る。具体的には、本発明によるデバイスは、電子デバイスまたはエンターテイメントデバイスなどのためのコントロールまたは制御デバイスとして使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、例えば、2Dディスプレイ技法および3Dディスプレイ技法において、視線検出またはアイトラッキングに関して使用され得、特に、オーグメンテッドリアリティの用途のために、および/または、ディスプレイが見られているかどうかを認識するために、および/または、どの視点からディスプレイが見られているかを認識するために、透明なディスプレイとともに使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、特に、ヘッドマウントディスプレイを装着しているときに、バーチャルリアリティまたはオーグメンテッドリアリティの用途に関連して、部屋、境界線、障害物を探索するために使用され得る。
【0153】
さらに、本発明によるデバイスは、DSCカメラなどのようなデジタルカメラの中で使用され得、または、デジタルカメラとして使用され得、および/または、SLRカメラなどのようなレフレックスカメラの中で使用され得、または、レフレックスカメラとして使用され得る。これらの用途に関して、上記に開示されているように、モバイルフォンなどのようなモバイルの用途における、本発明によるデバイスの使用が参照され得る。
【0154】
さらに、本発明によるデバイスは、セキュリティまたは監視の用途のために使用され得る。したがって、例として、少なくとも1個の本発明によるデバイスは、1個または複数のデジタル電子機器および/またはアナログ電子機器と組み合わせられ得、1個または複数のデジタル電子機器および/またはアナログ電子機器は、(例えば、銀行または博物館における監視の用途に関して)対象物が所定のエリアの中または外側にある場合に、信号を与えることになる。具体的には、本発明によるデバイスは、光学的な暗号化のために使用され得る。本発明による少なくとも1個のデバイスを使用することによる検出は、IR、X線、UV−VISなどのような、波長を補完する他の検出デバイス、レーダーまたは超音波検出器と組み合わせられ得る。本発明によるデバイスは、さらに、アクティブ赤外線光源と組み合わせられ得、低い光の周囲の中での検出を可能にする。本発明によるデバイスは、一般的に、アクティブ検出器システムと比較して有利である。その理由は、例えば、レーダーの用途、超音波の用途、LIDARまたは同様のアクティブ検出器デバイスにおいてそうであるように、具体的には、本発明によるデバイスは、第三者によって検出され得る信号をアクティブに送ることを回避するからである。したがって、一般的に、本発明によるデバイスは、移動している対象物を認識されずに検出不可能にトラッキングするために使用され得る。追加的に、本発明によるデバイスは、一般的に、従来のデバイスと比較して、不正操作されにくく、また過敏になりにくい。
【0155】
さらに、本発明によるデバイスを使用することによる3D検出の容易さおよび精度を所与として、本発明によるデバイスは、一般的に、顔、身体、および人の認識および識別のために使用され得る。その場合に、本発明によるデバイスは、パスワード、指紋、虹彩検出、音声認識、または他の手段などのような、識別目的またはパーソナライゼーション目的のための他の検出手段と組み合わせられ得る。したがって、一般的に、本発明によるデバイスは、セキュリティデバイスおよび他のパーソナライズされた用途において使用され得る。
【0156】
さらに、本発明によるデバイスは、製品の識別のための3Dバーコードリーダーとして使用され得る。
【0157】
上述のセキュリティおよび監視の用途に加えて、本発明によるデバイスは、一般的に、空間およびエリアの監視およびモニタリングのために使用され得る。したがって、本発明によるデバイスは、空間およびエリアを監視およびモニタリングするために使用され得、また、例として、禁止エリアが侵入された場合にアラームをトリガまたは実行するために使用され得る。したがって、一般的に、本発明によるデバイスは、建物監視または博物館における監視目的のために使用され得、任意に、他のタイプのセンサと組み合わせて使用され得、例えば、モーションセンサまたは熱センサと組み合わせて、イメージインテンシファイアーまたはイメージエンハンスメントデバイスおよび/または光電子増倍管と組み合わせて使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、公共空間または混雑した空間において使用され、駐車場における盗難などのような犯罪行為などの潜在的に危険な活動、または、空港における持ち主不明の手荷物などのような、持ち主不明の対象物を検出することが可能である。
【0158】
さらに、本発明によるデバイスは、有利には、ビデオおよびカムコーダーの用途などのようなカメラの用途において適用され得る。したがって、本発明によるデバイスは、モーションキャプチャおよび3Dムービー記録のために使用され得る。その場合に、本発明によるデバイスは、一般的に、従来の光学的なデバイスを上回る多数の利点を提供する。したがって、本発明によるデバイスは、一般的に、光学コンポーネントに関して、より低い複雑さしか必要としない。したがって、例として、レンズの数は、例えば、1個のレンズだけを有する本発明によるデバイスを提供することなどによって、従来の光学的なデバイスと比較して低減され得る。低減された複雑さに起因して、例えば、モバイルの用途などに関して、非常にコンパクトなデバイスが可能である。高い品質を備える2個以上のレンズを有する従来の光学システムは、一般的に、例えば、体積の大きいビームスプリッタを一般的に必要とすることなどに起因して、体積が大きい。さらに、本発明によるデバイスは、一般的に、オートフォーカスカメラなどのような、フォーカス/オートフォーカスデバイスのために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、また、光学顕微鏡において、特に、共焦点顕微鏡において使用され得る。
【0159】
さらに、本発明によるデバイスは、一般的に、自動車技術および輸送技術の技術分野において適用可能である。したがって、例として、本発明によるデバイスは、距離センサおよび監視センサとして使用され得、例えば、アダプティブクルーズコントロール、緊急ブレーキアシスト、車線逸脱警報、サラウンドビュー、ブラインドスポット検出、リアクロストラフィックアラート、および、他の自動車および交通の用途などに関して使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、また、例えば、本発明による検出器を使用することによって得られる位置情報の1次時間微分および2次時間微分を分析することなどによって、速度測定および/または加速度測定のために使用され得る。この特徴は、一般的に、自動車技術、輸送技術、または、一般的な交通技術に適用可能であり得る。他の技術分野における用途も実行可能である。インドアポジショニングシステムにおける特定の用途は、輸送中の乗客の位置決めの検出であることが可能であり、より具体的には、エアバッグなどのような安全システムの使用を電子的に制御する。エアバッグの使用は、乗客がそれなりに位置する場合には妨害され得るので、エアバッグの使用が重傷を引き起こすことになる。
【0160】
これらの用途または他の用途では、一般的に、本発明によるデバイスは、スタンドアロンのデバイスとして使用され得、または、他のセンサデバイスと組み合わせて、例えば、レーダーおよび/または超音波デバイスと組み合わせて使用され得る。具体的には、本発明によるデバイスは、自動運転および安全性問題に関して使用され得る。さらに、これらの用途では、本発明によるデバイスは、赤外線センサ、音波センサであるレーダーセンサ、2次元カメラ、または、他のタイプのセンサと組み合わせて使用され得る。これらの用途では、一般的に、本発明によるデバイスのパッシブな性質が有利である。したがって、本発明によるデバイスは、一般的に、信号を放出することを必要としないので、アクティブセンサ信号と他の信号供給源との干渉のリスクが回避され得る。本発明によるデバイスは、具体的には、標準的なイメージ認識ソフトウェアなどのような、認識ソフトウェアと組み合わせて使用され得る。したがって、本発明によるデバイスによって提供されるような信号およびデータは、典型的に、平易に処理することが可能であり、したがって、一般的に、LIDARなどのような確立されたステレオビジョンシステムよりも低い計算しか必要としない。低い空間要求を所与として、カメラなどのような、本発明によるデバイスは、車両の中の事実上任意の場所に設置され得、例えば、ウィンドウスクリーンの上、フロントフードの上、バンパーの上、ライトの上、ミラーの上、または、他の場所などに設置され得る。本発明によるさまざまな検出器、例えば、本発明の中に開示されている効果に基づく1個または複数の検出器などは、例えば、車両を自律的に運転することを可能にするために、または、アクティブセーフティコンセプトの性能を向上させるなどのために、組み合わせられ得る。したがって、本発明によるさまざまなデバイスは、本発明による1個もしくは複数の他のデバイスおよび/または従来のセンサと組み合わせられ得、例えば、リアウィンドウ、サイドウィンドウ、またはフロントウィンドウのようなウィンドウの中に、バンパーの上に、または、ライトの上などに組み合わせられ得る。
【0161】
本発明による少なくとも1個の検出器などのような、本発明による少なくとも1個のデバイスを、1個または複数の雨検出センサと組み合わせることも可能である。これは、本発明によるデバイスが、一般的に、具体的には、激しい雨の間に、レーダーなどのような従来のセンサ技法よりも有利であるという事実に起因している。少なくとも1個の本発明によるデバイスを、レーダーなどのような少なくとも1個の従来のセンシング技法と組み合わせることは、天候条件にしたがって正しい信号の組み合わせを選定するためのソフトウェアを可能にすることができる。
【0162】
さらに、本発明によるデバイスは、一般的に、ブレーキアシストおよび/もしくはパーキングアシストとして使用され得、および/または、速度測定に関して使用され得る。速度測定は、例えば、交通制御において他の車の速度を測定するために、車両の中に一体化され得、または、車両の外側に使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、駐車場の中で空いている駐車スペースを検出するために使用され得る。
【0163】
さらに、本発明によるデバイスは、医療システムおよびスポーツの分野において使用され得る。したがって、医療技術の分野において、手術用ロボティクス、例えば、内視鏡において使用するための手術用ロボティクスを挙げることが可能である。その理由は、上記に概説されているように、本発明によるデバイスは、低い体積しか必要とせず、他のデバイスに一体化され得るからである。具体的には、最大でも1個のレンズだけを有する本発明によるデバイスが、内視鏡などのような医療用デバイスにおいて、3D情報をキャプチャするために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、動きのトラッキングおよび分析を可能にするために、適当なモニタリングソフトウェアと組み合わせられ得る。これは、内視鏡または外科用メスなどのような、医療用デバイスの位置の瞬間的なオーバーレイを可能にすることができ、例えば、磁気共鳴イメージング、X線イメージング、または超音波イメージングから取得される、医療用イメージングからの結果を伴う。これらの用途は、具体的には、正確な場所情報が重要である治療において、例えば、脳外科手術において、長距離診断および遠隔医療において価値がある。さらに、本発明によるデバイスは、3Dボディースキャニングにおいて使用され得る。ボディースキャニングは、医療の文脈において適用可能であり得、例えば、口腔外科、形成外科、肥満症治療手術、または美容整形外科などにおいて適用可能であり、または、それは、筋筋膜性疼痛症候群、癌、身体醜形障害、または、さらなる疾患の診断などのような、医療診断の文脈において適用され得る。ボディースキャニングは、スポーツ機器の人間工学的な使用またはフィットを査定するために、スポーツの分野においてさらに適用され得る。
【0164】
ボディースキャニングは、例えば、衣服の適切なサイズおよびフィッティングを決定するために、服飾の文脈においてさらに使用され得る。この技術は、オーダーメイドの衣服の文脈において使用され得、または、インターネットから、または、マイクロキオスクデバイスもしくはカスタマーコンシェルジュデバイスなどのような、セルフサービスショッピングデバイスにおいて、衣服または靴を注文する文脈において使用され得る。服飾の文脈において、ボディースキャニングは、しっかりと正装している顧客をスキャンするために特に重要である。
【0165】
さらに、本発明によるデバイスは、人数カウントシステムの文脈において使用され得、例えば、エレベーター、列車、バス、車、もしくは飛行機の中の人々の数をカウントするために使用され得、または、玄関、ドア、通路、小売店、スタジアム、エンターテイメント開催地、博物館、図書館、公共の場所、映画館、もしくは劇場などを通過する人々の数をカウントするために使用され得る。さらに、人数カウントシステムの3D機能は、高さ、重量、年齢、または体力などのような、カウントされた人々についてのさらなる情報を取得または推定するために使用され得る。この情報は、ビジネスインテリジェンスメトリクスに関して使用され得、および/または、人々がカウントされ得る局所をさらに最適化し、それをより魅力的で安全にするために使用され得る。小売業環境において、本発明によるデバイスは、人数カウントの文脈において、常連客または横切る買い物客を認識するために使用され得、ショッピングの行動を査定するために使用され得、購入をする訪問客のパーセンテージを査定するために使用され得、スタッフシフトを最適化するために使用され得、または、訪問客当たりのショッピングモールのコストをモニタリングするために使用され得る。さらに、人数カウントシステムは、身体計測調査のために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、輸送の長さに応じて、乗客に自動的に請求するために、公共輸送システムにおいて使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、子供の遊び場において使用され得、怪我をした子供、または、危険な活動に取り組んでいる子供を認識するために使用され得、遊び場のおもちゃとの追加的な相互作用を可能にするために使用され得、遊び場のおもちゃなどの安全な使用を確実にするために使用され得る。
【0166】
さらに、本発明によるデバイスは、表面が平面的になっているかどうかを査定するために、指示されたように対象物を整列させるために、または、対象物を置くために、対象物または壁までの距離を決定するレンジメータなどのような、建設用ツールにおいて使用され得、または、建築環境などにおいて使用するための検査カメラにおいて使用され得る。
【0167】
さらに、本発明によるデバイスは、例えば、トレーニング、遠隔インストラクション、または競争の目的などのために、スポーツおよびエクササイズの分野において適用され得る。具体的には、本発明によるデバイスは、ダンス、エアロビクス、フットボール、サッカー、バスケットボール、ベースボール、クリケット、ホッケー、陸上競技、水泳、ポロ、ハンドボール、バレーボール、ラグビー、相撲、柔道、フェンシング、ボクシング、ゴルフ、カーレーシング、レーザータグ、戦場シミュレーションなどの分野において適用され得る。本発明によるデバイスは、スポーツおよびゲームの両方において、ボール、バット、剣、モーションなどの位置を検出するために使用され得、例えば、ゲームをモニタリングするために、審判をサポートするために、または、スポーツにおける特定の状況の判定のために、具体的には、自動的な判定のために使用され得、例えば、ポイントまたはゴールが実際に入ったかどうかを判定することなどのために使用され得る。
【0168】
さらに、本発明によるデバイスは、自動車レーシング、または自動車運転手トレーニング、または自動車安全トレーニングなどの分野で使用され、車の位置、または、車のトラックの位置、または、以前のトラックもしくは理想的なトラックからの偏差を決定することが可能である。
【0169】
本発明によるデバイスは、楽器の練習をサポートするためにさらに使用され得、とりわけ、遠隔レッスン、例えば、フィドル、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ベース、ハープ、ギター、バンジョー、またはウクレレ、鍵盤楽器、例えば、ピアノ、オルガン、キーボード、ハープシコード、ハーモニウム、またはアコーディオンなど、および/または、打楽器、例えば、ドラム、ティンパニ、マリンバ、シロフォン、ヴィブラフォン、ボンゴ、コンガ、ティンバレス、ジャンベ、またはタブラなどのような、弦楽器のレッスンをサポートするためにさらに使用され得る。
【0170】
本発明によるデバイスは、トレーニングを促すために、および/または、動きを監視および補正するためにリハビリテーションおよび理学療法においてさらに使用され得る。その場合に、本発明によるデバイスは、また、距離診断に関して適用され得る。
【0171】
さらに、本発明によるデバイスは、マシンビジョンの分野において適用され得る。したがって、本発明によるデバイスのうちの1個または複数は、例えば、自動運転および/またはロボットの作業に関するパッシブ制御ユニットとして使用され得る。移動しているロボットと組み合わせて、本発明によるデバイスは、自律的な移動、および/または、パーツの欠陥の自律的な検出を可能にすることができる。また、本発明によるデバイスは、製造および安全性の監視のために使用され得、例えば、それに限定されないが、ロボット、生産パーツ、および生物との間の衝突を含む、事故を回避するなどのために使用され得る。ロボットは、人間が認識されないときに、人間を深刻に傷つける可能性があるので、ロボティクスにおいて、人間とロボットの安全で直接的な相互作用が問題となる場合が多い。本発明によるデバイスは、ロボットが対象物および人間をより良好かつ迅速に位置決めすることを助けることが可能であり、また、安全な相互作用を可能にする。本発明によるデバイスのパッシブな性質を所与として、本発明によるデバイスは、アクティブデバイスよりも有利である可能性があり、および/または、レーダー、超音波、2Dカメラ、IR検出などのような既存の解決策に対して相補的に使用され得る。本発明によるデバイスの1個の特定の利点は、信号干渉の可能性が低いことである。したがって、複数のセンサが、信号干渉のリスクなしに、同じ環境で同時に動作することが可能である。したがって、本発明によるデバイスは、一般的に、例えば、それに限定されないが、自動車、採鉱、鉄鋼などのような、高度に自動化された生産環境において有用である可能性がある。また、本発明によるデバイスは、生産における品質制御のために使用され得、例えば、品質制御または他の目的のために、2Dイメージング、レーダー、超音波、IRなどのような他のセンサと組み合わせて使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、例えば、製品の表面平坦性を監視するために、または、マイクロメートルの範囲からメートルの範囲までの特定の寸法の遵守を監視するためなどに、表面品質の査定のために使用され得る。他の品質制御の用途も実行可能である。製造環境において、本発明によるデバイスは、大量の廃棄材料を回避するための複雑な3次元の構造を有する、食物または木材などのような天然物を加工するために特に有用である。さらに、本発明によるデバイスは、タンク、サイロなどの充填レベルをモニタリングするために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、紛失パーツ、不完全パーツ、弛緩したパーツ、または低品質パーツなどに関する複雑な製品を検査するために使用され得、例えば、プリント回路基板の自動的な光学的検査、アセンブリまたはサブアセンブリの検査、工学的コンポーネントの検証、エンジンパーツ検査、木材品質検査、ラベル検査、医療用デバイスの検査、製品配向の検査、パッケージング検査、または食物パック検査などにおいて使用され得る。
【0172】
さらに、本発明によるデバイスは、車両、列車、飛行機、船舶、宇宙船、および、他の交通の用途において使用され得る。したがって、交通の用途の文脈において、上述の用途の他にも、航空機および車両などのためのパッシブトラッキングシステムを挙げることが可能である。移動している対象物の速度および/または方向をモニタリングするための、本発明による少なくとも1個の検出器などのような、本発明による少なくとも1個のデバイスの使用も実行可能である。具体的には、陸において、海において、および、宇宙空間を含む空において高速に移動している対象物のトラッキングを挙げることが可能である。本発明による少なくとも1個のデバイス、例えば、本発明による少なくとも1個の検出器などは、具体的には、静置式デバイスの上に、および/または、可動式のデバイスの上に装着され得る。少なくとも1個の本発明によるデバイスの出力信号は、例えば、別の対象物の自律的な移動またはガイドされた移動のためのガイディングメカニズムと組み合わせられ得る。したがって、衝突を回避するための用途、または、トラッキングされている対象物と操縦されている対象物との間の衝突を可能にするための用途も実行可能である。本発明によるデバイスは、一般的に、低い計算パワーが必要とされ、応答が速いことに起因して、有用および有利であり、また、一般的に、例えばレーダーのようなアクティブシステムと比較して、検出および阻害することがより困難な検出システムのパッシブな性質に起因して、有用および有利である。本発明によるデバイスは、それに限定されないが、例えば、速度制御および航空交通制御デバイスにとって、とりわけ有用である。さらに、本発明によるデバイスは、道路課金に関する自動化された通行料徴収システムにおいて使用され得る。本発明によるデバイスは、一般的に、パッシブ用途において使用され得る。パッシブ用途は、港湾または危険エリアにおける船舶の誘導、および、着陸または出発時における航空機のための誘導を含み、固定された既知のアクティブなターゲットが、正確な誘導のために使用され得る。それは、危険ではあるが明確に規定されたルートにおける車両の運転に関して利用され得、例えば、採鉱車両などに関して使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、例えば、車、列車、飛行物体、または動物などのような、迅速にアプローチする対象物を検出するために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、対象物の速度または加速度を検出するために使用され得、または、時間に応じて、その位置、速度、および/または加速度のうちの1個または複数をトラッキングすることによって、対象物の移動を予測するために使用され得る。
【0173】
さらに、上記に概説されているように、本発明によるデバイスは、ゲーミングの分野において使用され得る。したがって、本発明によるデバイスは、同じまたは異なるサイズ、色、形状などの複数の対象物を用いる使用に関してパッシブであることが可能であり、例えば、移動をそのコンテンツに組み込むソフトウェアと組み合わせされた移動検出に関してパッシブであることが可能である。とりわけ、グラフィック出力の中へ移動を実装する際の用途が実行可能である。さらに、例えば、ジェスチャー認識または顔認識のために本発明によるデバイスのうちの1個または複数を使用することなどによって、コマンドを与えるための本発明によるデバイスの用途も実行可能である。本発明によるデバイスは、例えば、低い光条件の下で作業するために、または、周囲条件の改善が必要とされる他の状況における作業するために、アクティブシステムと組み合わせられ得る。追加的にまたは代替的に、本発明によるデバイスのうちの1個または複数と、1個または複数のIR光源またはVIS光源との組み合わせも可能である。また、本発明による検出器と特殊デバイスの組み合わせも可能であり、それは、特殊デバイスは、システムおよびそのソフトウェアによって、例えば、および、それに限定されないが、特別な色、形状、他のデバイスに対する相対位置、移動の速度、光、デバイスの上の光源を変調させるために使用される周波数、表面特性、使用される材料、反射特性、透明度、吸収特質などによって、容易に区別され得る。デバイスは、他の可能性の中でも、スティック、ラケット、クラブ、銃、ナイフ、ホイール、リング、ステアリングホイール、ボトル、ボール、ガラス、花瓶、スプーン、フォーク、キューブ、ダイス、フィギュア、人形、テディー、ビーカー、ペダル、スイッチ、グローブ、宝飾品、楽器、または、楽器を演奏するための補助デバイス、例えば、ピックもしくはドラムスティックなどに似ていることが可能である。他のオプションも実行可能である。
【0174】
さらに、本発明によるデバイスは、例えば、高温またはさらなる光放出プロセスなどに起因して、自分自身で光を放出する対象物を検出および/またはトラッキングするために使用され得る。光を放出する部分は、排気ストリームなどであることが可能である。さらに、本発明によるデバイスは、反射する対象物をトラッキングするために使用され得、また、これらの対象物の回転または配向を分析するために使用され得る。
【0175】
さらに、本発明によるデバイスは、一般的に、建築、建設、および地図製作の分野において使用され得る。したがって、一般的に、1個または複数の本発明によるデバイスは、例えば、田舎または建物などの、周囲環境エリアを測定および/またはモニタリングするために使用され得る。その場合に、1個または複数の本発明によるデバイスは、他の方法およびデバイスと組み合わせられ得、または、単に、建築プロジェクトの進捗および精度、変化する対象物、家屋などをモニタリングするために使用され得る。本発明によるデバイスは、スキャンされた環境の3次元モデルを発生させるために使用され得、地上または空の両方からから、部屋、街路、家屋、コミュニティ、または風景のマップを構築するようになっている。考えられる適用分野は、建設、地図製作、不動産管理、または土地測量などであることが可能である。例として、本発明によるデバイスは、建物、農業生産環境、例えば、田畑、生産プラント、または風景などをモニタリングするために、救援活動を支持するために、または、1個または複数の人または動物などを発見もしくはモニタリングするために、マルチコプターにおいて使用され得る。
【0176】
さらに、本発明によるデバイスは、CHAIN(Cedec Home Appliances Interoperating Network)などのような、家庭用電気製品の相互接続ネットワークの中で使用され得、家庭での基礎的な電気製品関連のサービス、例えば、エネルギーまたは負荷管理、遠隔診断、ペット関連の電気製品、子供関連の電気製品、子供監視、電気製品関連の監視、高齢者または病人に対するサポートもしくはサービス、ホームセキュリティ、および/または、監視、電気製品動作の遠隔制御、および、自動的なメンテナンスサポートを相互接続し、自動化し、および制御することが可能である。さらに、本発明によるデバイスは、空気調節システムなどのような加熱または冷却システムにおいて使用され得、特に、1個または複数の人の場所に応じて、部屋のどの部分が特定の温度または湿度まで持っていかれるかを探すことが可能である。さらに、本発明によるデバイスは、家事のために使用され得るサービスロボットまたは自律的なロボットなどのような、家庭内ロボットにおいて使用され得る。本発明によるデバイスは、複数の異なる目的のために使用され得、例えば、衝突を回避するために、または、環境をマッピングするために使用され得るが、また、ユーザを識別するためにも使用され得、所与のユーザに関して、セキュリティ目的に関して、または、ジェスチャー認識もしくは顔の認識に関して、ロボットの性能をパーソナル化するために使用され得る。例として、本発明によるデバイスは、掃除用ロボット、床清掃ロボット、ドライスイーピングロボット、衣服にアイロンをかけるためのアイロンロボット、動物排泄用ロボット、例えば、猫排泄用ロボット、侵入者を検出するセキュリティロボット、芝刈り機ロボット、自動化されたプールクリーナー、雨樋クリーニングロボット、窓掃除ロボット、おもちゃのロボット、テレプレゼンスロボット、動くことの少ない人々に交わりを提供するソーシャルロボット、または、スピーチを手話に、または、手話をスピーチに変換するロボットにおいて使用され得る。高齢者などのような、動くことの少ない人々の文脈において、本発明によるデバイスを備える家事ロボットは、対象物を拾い上げるために使用され得、対象物を輸送するために使用され得、また、安全な方式で対象物およびユーザと相互作用するために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、有害な材料もしくは対象物とともに動作し、または、危険な環境において動作する、ロボットにおいて使用され得る。非限定的な例として、本発明によるデバイスは、ロボットまたは無人の遠隔制御された車両において使用され得、特に、災害の後に、化学材料または放射性材料などのような有害な材料とともに動作し、または、地雷もしくは不発弾などのような、他の有害な対象物、または、潜在的に有害な対象物とともに動作し、または、燃えている対象物もしくは災害後のエリアの近くなどのような、安全でない環境において動作し、安全でない環境を調査する。
【0177】
さらに、本発明によるデバイスは、家事デバイス、モバイルデバイス、またはエンターテイメントデバイスにおいて使用され得、例えば、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、ウィンドウブラインドもしくはシャッタ、家庭用アラーム、空気調節デバイス、加熱デバイス、テレビジョン、オーディオデバイス、スマートウォッチ、モバイルフォン、フォン、食洗器、またはストーブなどにおいて使用され得、人の存在を検出し、デバイスのコンテンツまたは機能をモニタリングし、または、人と相互作用し、および/または、さらなる家事デバイス、モバイルデバイス、またはエンターテイメントデバイスを備える人についての情報を共有する。
【0178】
本発明によるデバイスは、農業においてさらに使用され得、例えば害虫、雑草、および/または、感染した作物プラントを完全にまたは部分的に検出および選別し、作物プラントは、菌類または昆虫によって感染され得る。さらに、作物を収穫するために、本発明によるデバイスは、鹿などのような動物を検出するために使用され得、その動物は、そうでなければ、収穫デバイスによって傷つけられる可能性がある。さらに、本発明によるデバイスは、田畑または温室の中の植物の成長をモニタリングするために使用され得、とりわけ、田畑または温室の中の所与の領域に関して、または、さらには、所与の植物に関して、水または肥料または作物保護製品の量を調節するために使用され得る。さらに、農業バイオテクノロジーにおいて、本発明によるデバイスは、植物のサイズおよび形状をモニタリングするために使用され得る。
【0179】
さらに、本発明によるデバイスは、化学物質または汚染物質を検出するためのセンサ、エレクトロニックノーズチップ、細菌もしくはウィルスなどを検出するための微生物センサチップ、ガイガーカウンタ、触覚センサ、または熱センサなどと組み合わせられ得る。これは、例えば、危険なタスクまたは困難なタスクを取り扱うように構成されているスマートロボットを構築する際に使用され得、例えば、高度な感染患者を治療する際に、高度に危険な物質を取り扱いまたは除去する際に、高度に放射性のエリアもしくは化学物質流出などのような、高度に汚染されたエリアをクリーニングする際などに使用され得、または、農業における害虫駆除のために使用され得る。
【0180】
1個または複数の本発明によるデバイスは、例えば、CADまたは同様のソフトウェアなどと組み合わせて、対象物のスキャニングのためにさらに使用され得、例えば、アディティブマニュファクチャリングおよび/または3Dプリンティングなどのために使用され得る。その場合に、例えば、x方向、y方向、もしくはz方向において、または、これらの方向の任意の組み合わせにおいて、例えば同時に、本発明によるデバイスの高い寸法精度が使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、パイプライン検査ゲージなどのような、検査およびメンテナンスにおいて使用され得る。さらに、生産環境において、本発明によるデバイスは、悪い所定の形状の対象物、例えば、自然に育った対象物、例えば、形状もしくはサイズによる選別野菜または他の天然物など、または、肉などのような、切断製品、または、処理工程のために必要とされる精度よりも低い精度で製造されている対象物とともに作業するように使用され得る。
【0181】
さらに、本発明によるデバイスは、ローカルナビゲーションシステムにおいて使用され得、インドアスペースまたはアウトドアスペースを通して、車両またはマルチコプターなどを自律的にまたは部分的に自律的に移動させることを可能にする。非限定的な例は、対象物をピックアップしてそれらを異なる場所に設置するための自動化された保管庫を通って移動する車両を含むことが可能である。インドアナビゲーションは、ショッピングモール、小売店、博物館、空港、または列車の駅においてさらに使用され得、モバイルグッズ、モバイルデバイス、手荷物、顧客または従業員の場所をトラッキングし、または、マップの上の現在の位置などのような、場所特有の情報、または、売上などに関する情報を、ユーザに供給する。
【0182】
さらに、本発明によるデバイスは、オートバイの安全運転を確実にするために使用され得、例えば、速度、勾配、近づいてくる障害物、道路の凹凸、または曲線などをモニタリングすることによって、オートバイに関する運転支援をすることなどのために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、衝突を回避するために、列車または路面電車において使用され得る。
【0183】
さらに、本発明によるデバイスは、ハンドヘルド式デバイスにおいて使用され得、例えば、ロジスティクスプロセスを最適化するために、パッケージングまたは小包をスキャンするために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、さらにハンドヘルド式デバイスにおいて使用され得、例えば、パーソナルショッピングデバイス、RFIDリーダー、病院または健康環境において使用するためのハンドヘルド式デバイス、例えば、医療使用などのためのハンドヘルド式デバイスにおいて使用され得、または、患者に関連する情報もしくは患者の健康に関連する情報、または、小売業または健康環境に関するスマートバッジなどを取得し、交換し、または記録するために使用され得る。
【0184】
上記に概説されているように、本発明によるデバイスは、製造用途、品質制御用途、または識別用途において、さらに使用され得、例えば、製品識別またはサイズ識別などにおいて使用され得る(例えば、最適な場所またはパッケージを見出すために、また、廃棄物を低減させるために使用され得る)。さらに、本発明によるデバイスは、ロジスティクスの用途において使用され得る。したがって、本発明によるデバイスは、コンテナまたは車両への最適化された積載またはパッキングのために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、製造の分野において表面損傷をモニタリングまたは制御するために使用され得、レンタル車両などのような、レンタル対象物をモニタリングまたは制御するために使用され得、および/または、保険の用途のために、例えば、損傷の査定のために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、材料、対象物、またはツールのサイズを識別するために使用され得、例えば、最適な材料の取り扱いのために、特に、ロボットと組み合わせて使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、生産におけるプロセス制御に関して使用され得、例えば、タンクの充填レベルを観察するために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、それに限定されないが、タンク、パイプ、反応器、ツールなどのような、製品資産のメンテナンスのために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、3D品質マークを分析するために使用され得る。さらに、本発明によるデバイスは、歯のインレー、歯列矯正具、プロテーゼ、または衣服などのような、オーダーメイドのグッズを製造する際に使用され得る。また、本発明によるデバイスは、ラピッドプロトタイピングまたは3Dコピーなどのために、1個または複数の3Dプリンタと組み合わせられ得る。さらに、本発明によるデバイスは、例えば、海賊品防止および模倣品防止の目的などのために、1個または複数の物品の形状を検出するために使用され得る。
【0185】
したがって、具体的には、本出願は、写真撮影の分野に適用され得る。したがって、検出器は、写真撮影デバイスの一部であることが可能であり、具体的には、デジタルカメラの一部であることが可能である。具体的には、検出器は、3D写真撮影に関して使用され得、具体的には、デジタル3D写真撮影に関して使用され得る。したがって、検出器は、デジタル3Dカメラを形成することが可能であり、または、デジタル3Dカメラの一部であることが可能である。本明細書で使用されているように、写真撮影は、一般的に、少なくとも1個の対象物のイメージ情報を獲得する技術を表している。本明細書でさらに使用されているように、カメラは、一般的に、写真撮影を実施するように適合されているデバイスである。本明細書でさらに使用されているように、デジタル写真撮影という用語は、一般的に、照射の強度および/または色を示す電気信号、好ましくは、デジタル電気信号を発生させるように適合されている複数の感光性エレメントを使用することによって、少なくとも1個の対象物のイメージ情報を獲得する技術を表している。本明細書でさらに使用されているように、「3D写真撮影」という用語は、一般的に、3次元空間的な少なくとも1個の対象物のイメージ情報を獲得する技術を表している。したがって、3Dカメラは、3D写真撮影を実施するように適合されているデバイスである。カメラは、一般的に、単一の3Dイメージなどのような、単一のイメージを獲得するために適合され得、または、一連のイメージなどのような、複数のイメージを獲得するように適合され得る。したがって、カメラは、ビデオカメラであることも可能であり、ビデオカメラは、ビデオの用途のために適合され得、例えば、デジタルビデオシーケンスを獲得するように適合され得る。
【0186】
したがって、一般的に、本発明は、少なくとも1個の対象物をイメージングするためのカメラをさらに表しており、具体的には、デジタルカメラ、より具体的には、3Dカメラまたはデジタル3Dカメラを表している。上記に概説されているように、イメージングという用語は、本明細書で使用されているように、一般的に、少なくとも1個の対象物のイメージ情報を獲得することを表している。カメラは、本発明による少なくとも1個の検出器を含む。カメラは、上記に概説されているように、単一のイメージを獲得するように適合され得、または、イメージシーケンスなどのような、複数のイメージを獲得するように適合され得、好ましくは、デジタルビデオシーケンスを獲得するように適合され得る。したがって、例として、カメラは、ビデオカメラであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。後者のケースでは、カメラは、好ましくは、イメージシーケンスを記憶するためのデータメモリを含む。
【0187】
本発明の中で使用されているように、「位置」という表現は、一般的に、対象物の1個または複数のポイントの絶対的な位置および配向のうちの1個または複数に関する少なくとも1つの情報を表している。したがって、具体的には、位置は、検出器の座標系において決定され得、例えば、デカルト座標系において決定され得る。しかし、追加的にまたは代替的に、極座標系および/または球面座標系などのような、他のタイプの座標系が使用され得る。
【0188】
上記に概説されているように、および、さらに詳細に下記に概説されることになるように、本発明は、好ましくは、ヒューマンマシンインターフェースの分野、スポーツの分野、および/またはコンピュータゲームの分野において適用され得る。したがって、好ましくは、対象物は、スポーツ用品、好ましくは、ラケット、クラブ、バットからなる群から選択される物品、衣類、帽子、靴からなる群から選択され得る。他の実施形態も実行可能である。
【0189】
本明細書で使用されているように、対象物は、一般的に、生物および非生物から選ばれる任意の対象物であることが可能である。したがって、例として、少なくとも1個の対象物は、1個もしくは複数の物品、および/または、1個もしくは複数の物品のパーツを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、対象物は、1個もしくは複数の生物、および/または、1個または複数の生物のパーツ、例えば、人間、例えば、ユーザ、および/または動物の1個もしくは複数の身体のパーツであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。
【0190】
検出器の座標系であり得る、対象物の位置を決定するための座標系に関して、検出器は、座標系を構成することが可能であり、その座標系において、検出器の光学軸は、z軸を形成しており、また、その座標系において、追加的に、x軸およびy軸も設けられ得、x軸およびy軸は、z軸に対して垂直になっており、また、互いに対して垂直になっている。例として、検出器、および/または、検出器の一部は、この座標系の中の特定の点に存在することが可能であり、例えば、この座標系の原点などに存在することが可能である。この座標系において、z軸に対して平行または逆平行の方向は、縦方向とみなされ得、また、z軸に沿った座標は、縦方向座標と考えられ得る。縦方向に対して垂直の任意の方向は、横方向と考えられ得、また、x座標および/またはy座標は、横方向座標と考えられ得る。
【0191】
代替的に、他のタイプの座標系も使用され得る。したがって、例として、極座標系も使用され得、極座標系において、光学軸は、z軸を形成しており、また、極座標系において、z軸からの距離および極角度は、追加的な座標として使用され得る。繰り返しになるが、z軸に対して平行または逆平行の方向は、縦方向と考えられ得、また、z軸に沿った座標は、縦方向座標と考えられ得る。z軸に対して垂直の任意の方向は、横方向と考えられ得、極座標および/または極角度は、横方向座標と考えられ得る。
【0192】
検出器は、少なくとも1個の対象物および/またはその一部の位置に関する少なくとも1つの情報を提供するように構成されたデバイスであることが可能である。したがって、位置は、好ましくは、検出器の座標系において、対象物もしくはその一部の位置を完全に説明する情報を表すことが可能であり、または、位置を部分的にのみ説明する部分的な情報を表すことが可能である。検出器は、一般的に、光ビーム、例えば、ビーコンデバイスから検出器に向けて伝播する光ビームなどを検出するように適合されたデバイスであることが可能である。
【0193】
評価デバイスおよび検出器は、単一のデバイスに完全にまたは部分的に一体化され得る。したがって、一般的に、評価デバイスも、検出器の一部を形成することが可能である。代替的に、評価デバイスおよび検出器は、別々のデバイスとして完全にまたは部分的に具現化され得る。検出器は、さらなるコンポーネントを含むことが可能である。
【0194】
検出器は、据置型デバイスまたはモバイルデバイスであることが可能である。さらに、検出器は、スタンドアロンデバイスであることが可能であり、または、コンピュータ、車両、または任意の他のデバイスなどのような、別のデバイスの一部を形成することが可能である。さらに、検出器は、ハンドヘルド式デバイスであることが可能である。検出器の他の実施形態も実行可能である。
【0195】
検出器は、具体的には、プレノプティックカメラまたはライトフィールドカメラに匹敵する、検出器のレンズまたはレンズシステムの後ろのライトフィールドを記録するために使用され得る。したがって、具体的には、検出器は、例えば同時に、複数の焦点面の中のイメージを獲得するように適合されたライトフィールドカメラとして具現化されている。本明細書で使用されているように、ライトフィールドという用語は、一般的に、インサイドカメラなどのような検出器の内側の光の空間的な光伝播を表している。具体的には、光学センサのレイヤセットアップを有する、本発明による検出器は、検出器またはカメラの中に、例えば、レンズの後ろなどに、ライトフィールドを直接的に記録する能力を有することが可能である。複数のセンサは、レンズから異なる距離においてイメージを記録することが可能である。例えば、「デプス−フローム−フォーカス」または「デプス−フローム−デフォーカス」などのような、畳み込みベースのアルゴリズムを使用して、レンズの後ろの光の伝播方向、焦点、および広がりが、モデル化され得る。レンズの後ろの光のモデル化された伝播から、レンズに対するさまざまな距離におけるイメージが抽出され得、被写界深度が最適化され得、さまざまな距離において焦点の合った状態になっているピクチャが抽出され得、または、対象物の距離が計算され得る。さらなる情報が抽出され得る。
【0196】
検出器の内側の、例えば、検出器のレンズの後ろなどの、光伝播がモデル化および/または記録されると、光伝播のこの知識は、多数の利点を提供する。したがって、ライトフィールドは、検出器によってキャプチャされるシーンの1個または複数の光ビームに関するビームパラメータの観点から記録され得る。例として、記録されたそれぞれの光ビームに関して、例えば、1個または複数のガウシアンビームパラメータなど、例えば、ビームウエスト、フォーカルポイントとしての最小ビームウエスト、レイリー長、または、他のビームパラメータなど、2個以上のビームパラメータが記録され得る。光ビームのいくつかの表現が使用され得、それにしたがって、ビームパラメータが選ばれ得る。
【0197】
例として、光伝播のこの知識は、イメージ処理技法を使用してイメージスタックを記録した後に、観察者位置をわずかに修正することを可能にする。単一のイメージでは、対象物は、別の対象物の後ろに隠され得、見ることができない。しかし、隠された対象物によって散乱された光がレンズに到達し、また、レンズを通して、センサのうちの1個または複数に到達する場合には、レンズに対する距離および/もしくは光学軸に対するイメージ平面を変化させることによって、または、さらには、非平面的なイメージ平面を使用することによって、対象物を見えるようにすることができる。観察者位置の変化は、ホログラムにおいてみることと比較され得、観察者位置を変化させることは、イメージをわずかに変化させる。
【0198】
例えば、レンズの後ろの光伝播をモデル化することなどによる、検出器の内側の光伝播の知識は、それぞれの個々の光学センサによって記録されたそれぞれのイメージを記憶する従来の技術と比較して、よりコンパクトにイメージ情報を記憶することをさらに可能にすることができる。光伝播のメモリデマンドは、モデル化された光ビームの数と光ビーム当たりのパラメータの数を掛けたものに対応する。光ビームに関する典型的なモデル関数は、ガウシアン関数、ローレンツ関数、ベッセル関数、特に、球ベッセル関数、物理学において回折効果を説明されるために典型的に使用される他の関数、または、デプス−フローム−デフォーカス技法において使用される典型的な拡がり関数、例えば、点拡がり関数、線拡がり関数、またはエッジ拡がり関数などであることが可能である。
【0199】
いくつかの光学センサの使用は、イメージを記録した後のイメージ処理工程において、レンズエラーを補正することをさらに可能にする。光学的な計器は、レンズエラーが修正される必要があるときに、高価であり構築が難しいことが多い。これらは、特に、顕微鏡および望遠鏡において問題がある。顕微鏡では、典型的なレンズエラーは、光学軸に対して異なる距離の光線が異なって歪められるというものである(球面収差)。望遠鏡では、焦点を変化させることは、大気中の変化する温度から起こり得る。較正工程におけるエラーを決定することによって、ならびに、次いで、ピクセルおよびセンサの固定されたセットなどのような固定されたイメージ処理を使用することによって、または、光伝播情報を使用する、より入り組んだ処理技法を使用することによって、球面収差などのような静的エラー、または、生産からのさらなるエラーが補正され得る。レンズエラーが、強力に時間依存型であり、すなわち、望遠鏡において天候条件に依存するケースでは、レンズエラーは、レンズの後ろの光伝播を使用することによって、拡大された被写界深度イメージを計算することによって、デプス−フローム−フォーカス技法およびその他を使用することによって、補正され得る。
【0200】
上記に概説されているように、本発明による検出器は、さらに、色検出を可能にすることができる。いくつかの光学センサのスタックの中の色検出に関して、単一のスタックは、いわゆるベイヤーパターンに等しいかまたは同様の、異なる吸収特性を有する光学センサを有することが可能であり、色情報が、補間技法によって取得され得る。さらなる方法は、交互の色のセンサを使用することであり、スタックの中の異なるセンサは、異なる色を記録することが可能である。ベイヤーパターンでは、色は、同じ色のピクセル同士の間で補間され得る。センサのスタックでは、色および輝度などのようなイメージ情報が、また、補間技法によって取得され得る。
【0201】
評価デバイスは、1つもしくは複数の集積回路、例えば、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または、1つもしくは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または、1つもしくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、および/または、1つもしくは複数のデータ処理デバイス、例えば、1つもしくは複数のコンピュータ、好ましくは、1つもしくは複数のマイクロコンピュータおよび/またはマイクロコントローラなどであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。追加的なコンポーネントが含まれ得、それは、例えば、1つもしくは複数の事前処理デバイスおよび/またはデータ収集デバイスなど、例えば、センサ信号を受け取りおよび/または事前処理するための1つまたは複数のデバイス、例えば、1つもしくは複数のADコンバータ、および/または、1つもしくは複数のフィルタ、および/または、とりわけロックイン測定に基づく1つまたは複数の位相高感度電子エレメントなどである。さらに、評価デバイスは、1個または複数の測定デバイス、例えば、電流および/または電圧を測定するための1個または複数の測定デバイスなどを含むことが可能である。さらに、評価デバイスは、1個または複数のデータストレージデバイスを含むことが可能である。さらに、評価デバイスは、1個または複数のインターフェース、例えば、1個もしくは複数のワイヤレスインターフェース、および/または、1個もしくは複数のワイヤーバウンドインターフェースを含むことが可能である。
【0202】
少なくとも1個の評価デバイスは、少なくとも1個のコンピュータプログラム、例えば、本発明による方法の方法工程のうちの1個もしくは複数、または、さらにはすべてを実施または支持するように適合された少なくとも1個のコンピュータプログラムなどを実施するように適合され得る。例として、センサ信号を入力変数として使用することによって、対象物の位置を決定することができる、1個または複数のアルゴリズムが実装され得る。
【0203】
評価デバイスは、少なくとも1個のさらなるデータ処理デバイスに接続され得、または、それを含むことが可能であり、少なくとも1個のさらなるデータ処理デバイスは、光学センサおよび/または評価デバイスによって得られる情報などのような、情報を表示すること、可視化すること、分析すること、配布すること、通信すること、または、さらに処理することのうちの1個または複数のために使用され得る。データ処理デバイスは、例として、ディスプレイ、プロジェクタ、モニタ、LCD、TFT、ラウドスピーカ、マルチチャネルサウンドシステム、LEDパターン、または、さらなる可視化デバイスのうちの少なくとも1個に接続され得、または、それを組み込むことが可能である。それは、通信デバイスまたは通信インターフェース、コネクタまたはポートのうちの少なくとも1個にさらに接続され得、または、それを組み込むことが可能であり、それは、Eメール、テキストメッセージ、電話、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、赤外線またはインターネットインターフェース、ポートまたは接続部のうちの1個または複数を使用して、暗号化された情報または暗号化されていない情報を送ることができる。それは、プロセッサ、グラフィックプロセッサ、CPU、Open Multimedia Applications Platform(OMAP(商標))、集積回路、Apple AシリーズまたはSamsung S3C2シリーズの製品、マイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサなどのようなシステム−オン−チップ、1個または複数のメモリブロック、例えば、ROM、RAM、EEPROM、またはフラッシュメモリなど、タイミング供給源、例えば、発振器もしくは位相同期ループ、カウンタタイマ、リアルタイムタイマ、またはパワーオン−リセット−ジェネレーターなど、電圧調整器、電力管理回路、またはDMAコントローラのうちの少なくとも1個にさらに接続され得、または、それを組み込むことが可能である。個々のユニットは、AMBAバスなどのようなバスによって、さらに接続され得る。
【0204】
評価デバイスおよび/またはデータ処理デバイスは、例えば、シリアルインターフェースもしくはシリアルポート、または、パラレルインターフェースもしくはパラレルポート、USB、Centronics Port、FireWire、HDMI(登録商標)、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、RFID、Wi−Fi、USART、もしくはSPIのうちの1個または複数など、または、アナログインターフェースまたはアナログポート、例えば、ADCもしくはDAC、または、標準化されたインターフェースもしくは標準化されたポートのうちの1個または複数などによって、CameraLinkなどのようなRGBインターフェースを使用する2Dカメラデバイスなどのようなさらなるデバイスに接続され、またはさらなる外部インターフェースまたは外部ポートを有し得、または、それらを有することが可能である。さらに、評価デバイスおよび/またはデータ処理デバイスは、プロセッサ間インターフェースもしくはプロセッサ間ポート、FPGA−FPGA−インターフェース、または、シリアルインターフェースポートもしくはパラレルインターフェースポートのうちの1個または複数によって接続され得る。さらに、評価デバイスおよびデータ処理デバイスは、光学ディスクドライブ、CD−RWドライブ、DVD+RWドライブ、フラッシュドライブ、メモリカード、ディスクドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク、またはソリッドステートハードディスクのうちの1個または複数に接続され得る。
【0205】
評価デバイスおよび/またはデータ処理デバイスは、1個または複数のさらなる外部コネクタ、例えば、フォンコネクタ、RCAコネクタ、VGAコネクタ、雄雌同体コネクタ、USBコネクタ、HDMI(登録商標)コネクタ、8P8Cコネクタ、BCNコネクタ、IEC60320 C14コネクタ、光ファイバコネクタ、Dサブミニチュアコネクタ、RFコネクタ、同軸コネクタ、SCARTコネクタ、XLRコネクタのうちの1個または複数などによって接続され得、または、それらを有することが可能であり、および/または、これらのコネクタのうちの1個または複数のための少なくとも1個の適切なソケットを組み込むことが可能である。
【0206】
本発明による検出器、評価デバイス、またはデータ処理デバイスのうちの1個または複数を組み込む単一のデバイス、例えば、光学センサ、光学システム、評価デバイス、通信デバイス、データ処理デバイス、インターフェース、システム−オン−チップ、ディスプレイデバイス、またはさらなる電子デバイスのうちの1個または複数などを組み込む単一のデバイスの考えられる実施形態は、モバイルフォン、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、テレビジョン、ゲームコンソール、または、さらなるエンターテイメントデバイスである。さらなる実施形態では、さらに詳細に下記に概説されることになる3Dカメラ機能性は、デバイスのハウジングまたは外見における顕著な相違なしに、従来の2Dデジタルカメラとともに利用可能なデバイスの中に一体化され得、ユーザにとっての顕著な相違は、3D情報を取得および/または処理することの機能性だけであることが可能である。
【0207】
具体的には、検出器および/またはその一部、例えば、評価デバイスおよび/またはデータ処理デバイスなどを組み込む実施形態は、3Dカメラの機能性に関して、ディスプレイデバイス、データ処理デバイス、光学センサ、任意のセンサオプティクス、および、評価デバイスを組み込む、モバイルフォンであることが可能である。本発明による検出器は、具体的には、エンターテイメントデバイスおよび/または通信デバイスの中に、例えば、モバイルフォンなどの中に一体化するのに適切であることが可能である。
【0208】
本発明のさらなる実施形態は、検出器またはその一部、例えば、自動車において使用するための、自動運転において使用するための、または、Daimler社のIntelligent Driveシステムなどのようなカーセーフティシステムにおいて使用するための、デバイスの中の評価デバイスおよび/またはデータ処理デバイスの組み込みであることが可能であり、例として、光学センサ、任意の1個または複数の光学システム、評価デバイス、任意の通信デバイス、任意のデータ処理デバイス、任意の1個または複数のインターフェース、任意のシステム−オン−チップ、任意の1個もしくは複数のディスプレイデバイス、または、任意のさらなる電子デバイスのうちの1個または複数を組み込むデバイスは、車両、車、トラック、列車、自転車、飛行機、船舶、オートバイの一部であることが可能である。自動車の用途において、自動車設計へのデバイスの一体化は、外部または内部からの最小の可視性で、光学センサ、任意のオプティクス、またはデバイスを一体化することを必要とする可能性がある。検出器またはその一部、例えば、評価デバイスおよび/またはデータ処理デバイスなどは、自動車設計の中へのそのような一体化のために特に適切であることが可能である。
【0209】
本明細書で使用されているように、光という用語は、一般的に、可視光スペクトルの範囲、紫外線スペクトルの範囲、および赤外線スペクトルの範囲のうちの1つまたは複数の中の電磁放射線を表している。この場合に、可視光スペクトルの範囲という用語は、一般的に、380nmから780nmまでのスペクトルの範囲を表している。赤外線スペクトルの範囲という用語は、一般的に、780nmから1mmまでの範囲の中の、好ましくは、780nmから3.0マイクロメートルまでの範囲の中の電磁放射線を表している。紫外線スペクトルの範囲という用語は、一般的に、1nmから380nmまでの範囲の中の、好ましくは、100nmから380nmまでの範囲の中の電磁放射線を表している。好ましくは、本発明の中で使用されるような光は、可視光、すなわち、可視光スペクトルの範囲の中の光である。
【0210】
光ビームという用語は、一般的に、特定の方向へ放出および/または反射された光の量を表している。したがって、光ビームは、光ビームの伝播の方向に対して垂直の方向に所定の延在を有する光線の束であることが可能である。好ましくは、光ビームは、1個または複数のガウシアン光ビームであることが可能であり、または、それを含むことが可能であり、ガウシアン光ビームは、1個または複数のガウシアンビームパラメータ、例えば、ビームウエスト、レイリー長、もしくは、任意の他のビームパラメータのうちの1つもしくは複数など、または、ビーム直径および/もしくは空間内のビーム伝播の発達を特徴付けるのに適しているビームパラメータの組み合わせによって、特徴付けられ得る。
【0211】
上記に概説されているように、本発明は、さらに、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェースに関する。提案されるようなヒューマンマシンインターフェースは、上記に述べられている実施形態のうちの1つもしくは複数の中の上述の検出器、または、さらに詳細に下記に述べられているような検出器が、情報および/またはコマンドをマシンに提供するために、1人または複数のユーザによって使用され得るという事実を使用することが可能である。したがって、好ましくは、ヒューマンマシンインターフェースは、制御コマンドを入力するために使用され得る。
【0212】
一般的に、本明細書で使用されているように、ユーザの少なくとも1つの位置は、全体ユーザの位置、および/または、ユーザの身体の一部のうちの1個もしくはそれ以上の位置に関する、1つまたは複数の情報を暗示することが可能である。したがって、好ましくは、ユーザの位置は、検出器の評価デバイスによって提供されるようなユーザの位置に関する1つまたは複数の情報を暗示することが可能である。ユーザ、ユーザの身体の一部、または、ユーザの複数の身体の一部は、1個または複数の対象物としてみなされ得、その位置は、少なくとも1個の検出器デバイスによって検出され得る。この場合に、正確に1個の検出器が提供され得、または、複数の検出器の組み合わせが提供され得る。例として、ユーザの複数の身体の一部の位置を決定するために、および/または、ユーザの少なくとも1個の身体の一部の位置を決定するために、複数の検出器が提供され得る。
【0213】
本発明による検出器は、1個または複数の他のタイプのセンサまたは検出器とさらに組み合わせられ得る。したがって、検出器は、少なくとも1個の追加的な検出器をさらに含むことが可能である。少なくとも1個の追加的な検出器は、少なくとも1個のパラメータを検出するように適合され得、例えば、周囲環境のパラメータ、例えば、周囲環境の温度および/または輝度など;検出器の位置および/または配向に関するパラメータ;検出されることになる対象物の状態を特定するパラメータ、例えば、対象物の位置など、例えば、空間内の対象物の絶対的な位置および/または対象物の配向、のうちの少なくとも1個を検出するように適合され得る。したがって、一般的に、追加情報を得るために、および/または、測定結果を検証するために、または、測定エラーもしくはノイズを低減させるために、本発明の原理は、他の測定原理と組み合わせられ得る。
【0214】
具体的には、本発明による検出器は、少なくとも1個の飛行時間(ToF)検出器をさらに含むことが可能であり、少なくとも1個の飛行時間(ToF)検出器は、少なくとも1個の飛行時間測定を実施することによって、少なくとも1個の対象物と検出器との間の少なくとも1個の距離を検出するように適合されている。本明細書で使用されているように、飛行時間測定は、一般的に、信号が2個の対象物の間を伝播するのに必要とする時間に基づく測定、または、一方の対象物から第2の対象物へ、そして、その逆へ、信号が伝播するのに必要とする時間に基づく測定を表している。本ケースにおいて、信号は、具体的には、音響信号または電磁信号のうちの1個または複数であることが可能であり、例えば、光信号であることが可能である。飛行時間検出器は、結果的に、飛行時間測定を実施するように適合されている検出器を表している。飛行時間測定は、さまざまな技術分野において周知であり、例えば、市販の距離測定デバイスにおいて、または、超音波流量計などのような市販の流量計において周知である。飛行時間検出器は、さらに、飛行時間カメラとして具現化され得る。これらのタイプのカメラは、レンジイメージングカメラシステムとして市販されており、それは、既知の光の速度に基づいて対象物同士の間の距離を分解することができる。
【0215】
現在利用可能なToF検出器は、一般的に、パルス信号の使用に基づいていており、任意に、CMOSセンサなどのような1個または複数の光センサと組み合わせられる。光センサによって作り出されるセンサ信号は積分され得る。積分は、2個の異なる時点において開始することが可能である。距離は、2個の積分結果の間の相対的な信号強度から計算され得る。
【0216】
さらに、上記に概説されているように、ToFカメラは、公知であり、また、一般的に、本発明の文脈においても使用され得る。これらのToFカメラは、ピクセル化された光センサを含有することが可能である。しかし、それぞれのピクセルは、一般的に、2個の積分を実施することを可能にしなければならないので、ピクセル構築は、一般的により複雑になり、市販のToFカメラの分解能は、かなり低い(典型的に、200x200ピクセル)。40cmを下回る距離、および、数メートルを上回る距離は、典型的に、検出することが困難であり、または、検出することが不可能である。そのうえ、1周期の中のパルスの相対的なシフトしか測定されないので、パルスの周期性は、不明確な距離につながる。
【0217】
ToF検出器は、スタンドアロンのデバイスとして、典型的に、さまざまな短所および技術的な課題に直面している。したがって、一般的に、ToF検出器は、より具体的には、ToFカメラは、光路の中の雨および他の透明な対象物の影響を受ける。その理由は、パルスが過度に速く反射され得、雨滴の後ろの対象物が隠され、または、部分的な反射では、積分が誤った結果につながることになるからである。さらに、測定におけるエラーを回避するために、および、パルスを明確に区別することを可能にするために、ToF測定に関して、低い光条件が好適である。明るい太陽光などのような、明るい光は、ToF測定を不可能にする可能性がある。さらに、パルスは、反射されて戻されるように、および、依然としてカメラによって検出可能であるように、十分に明るくなければならないので、典型的なToFカメラのエネルギー消費はむしろ高い。しかし、パルスの輝度は、目もしくは他のセンサにとって有害となり得るか、または、2個以上のToF測定が互いに干渉するときに、測定エラーを引き起こす可能性がある。要約すると、現在のToF検出器は、具体的には、現在のToFカメラは、低分解能、距離測定における曖昧性、限定的な使用範囲、限定的な光条件、光路の中の透明な対象物に対する感度、天候条件に対する感度、および、高いエネルギー消費などのような、いくつかの不利益に悩まされている。これらの技術的な課題は、一般的に、日常の用途に関して、例えば、車における安全用途、日常の使用のためのカメラ、または、ヒューマンマシンインターフェースなどに関して、具体的には、ゲーミングの用途における使用に関して、現在のToFカメラの適性を低下させている。
【0218】
本発明による検出器と組み合わせて、両方のシステムの利点および能力が、有益な方式で組み合わせられ得る。したがって、検出器は、明るい光条件において利点を提供することが可能であるが、ToF検出器は、一般的に、低い光条件においてより良好な結果を提供する。したがって、組み合わせられたデバイスは、すなわち、少なくとも1個のToF検出器をさらに含む本発明による検出器は、両方の単一のシステムと比較して、光条件に関して、より高い許容度を提供する。これは、例えば、車または他の車両などにおいて、安全用途に関して特に重要である。
【0219】
具体的には、検出器は、本発明による検出器を使用することによって実施された少なくとも1個の測定を補正するために、少なくとも1個のToF測定を使用するように設計され得、またその逆も同様である。さらに、ToF測定の曖昧性は、検出器を使用することによって解消され得る。
【0220】
少なくとも1個の任意のToF検出器は、基本的に、本発明による検出器の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得る。具体的には、単一のToF検出器またはToFカメラであり得る、少なくとも1個のToF検出器は、単一の光学センサと、または、センサスタックなどのような複数の光学センサと組み合わせられ得る。さらに、検出器は、また、1個または複数のイメージングデバイス、例えば、CCDチップおよび/またはCMOSチップのような1個または複数の無機のイメージングデバイス、好ましくは、1個または複数のフルカラーCCDチップまたはフルカラーCMOSチップを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、検出器は、1個または複数のサーモグラフィックカメラをさらに含むことが可能である。
【0221】
上記に概説されているように、ヒューマンマシンインターフェースは、複数のビーコンデバイスを含むことが可能であり、複数のビーコンデバイスは、ユーザに直接的にまたは間接的に取り付けられている、および、ユーザによって直接的にまたは間接的に保持されている、のうちの少なくとも1つとなるように適合されている。したがって、ビーコンデバイスは、任意の適切な手段によって、例えば、適当な固定デバイスなどによって、ユーザに独立してそれぞれ取り付けられ得る。追加的にまたは代替的に、ユーザは、ユーザの手の中に、ならびに/または、少なくとも1個のビーコンデバイス、および/もしくは、身体の一部の上にビーコンデバイスを含有する衣料品を着用することによって、少なくとも1個のビーコンデバイス、または、ビーコンデバイスのうちの1個もしくは複数を保持および/または担持することが可能である。
【0222】
ビーコンデバイスは、一般的に、少なくとも1個の検出器によって検出され得る、および/または、少なくとも1個の検出器によって検出を促進させる、任意のデバイスであることが可能である。したがって、上記に概説されているように、または、さらに詳細に下記に概説されることになるように、ビーコンデバイスは、例えば、少なくとも1個の光ビームを発生させるための1個または複数の照射源を有することなどによって、検出器によって検出されることになる少なくとも1個の光ビームを発生させるように適合されたアクティブビーコンデバイスであることが可能である。追加的にまたは代替的に、ビーコンデバイスは、例えば、別々の照射源によって発生される光ビームを反射するように適合された1個または複数の反射エレメントを提供することなどによって、パッシブビーコンデバイスとして完全にまたは部分的に設計され得る。少なくとも1個のビーコンデバイスは、恒久的にまたは一時的に、直接的または間接的に、ユーザに取り付けられ得、および/または、ユーザによって担持もしくは保持され得る。1個または複数の取り付け手段を使用することによって、および/または、ユーザ自身によって、例えば、少なくとも1個のビーコンデバイスを手に保持しているユーザによって、および/または、ビーコンデバイスを着用しているユーザなどによって、取り付けは起こることが可能である。
【0223】
追加的にまたは代替的に、ビーコンデバイスは、対象物に取り付けられている、および、ユーザによって保持されている対象物に一体化されている、のうちの少なくとも1つであることが可能であり、それは、本発明の意味において、ビーコンデバイスを保持しているユーザのオプションの意味の中に含まれるべきである。したがって、さらに詳細に下記に概説されることになるように、ビーコンデバイスは、コントロールエレメントに取り付けられ得、または、コントロールエレメントに一体化され得、コントロールエレメントは、ヒューマンマシンインターフェースの一部であることが可能であり、コントロールエレメントは、ユーザによって保持または担持され得、コントロールエレメントの配向が、検出器デバイスによって認識され得る。したがって、一般的に、本発明は、また、本発明による少なくとも1個の検出器デバイスを含む検出器システムを表しており、それは、さらに、少なくとも1個の対象物を含むことが可能であり、ビーコンデバイスは、対象物に取り付けられている、対象物によって保持されている、および、対象物に一体化される、のうちの1つである。例として、対象物は、好ましくは、コントロールエレメントを形成することが可能であり、コントロールエレメントの配向は、ユーザによって認識され得る。したがって、検出器システムは、上記に概説されているように、または、さらに詳細に下記に概説されているように、ヒューマンマシンインターフェースの一部であることが可能である。例として、ユーザは、1つまたは複数の情報をマシンに伝送するために、例えば、1つまたは複数のコマンドをマシンに伝送するためなどに、特定の方式でコントロールエレメントをハンドルすることが可能である。
【0224】
代替的に、検出器システムは、他の方式で使用され得る。したがって、例として、検出器システムの対象物は、ユーザとは異なっており、または、ユーザの身体の一部とは異なっていることが可能であり、また、例として、ユーザから独立して移動する対象物であることが可能である。例として、検出器システムは、装置および/または産業プロセス、例えば、製造プロセスおよび/またはロボティクスプロセスなどを制御するために使用され得る。したがって、例として、対象物は、マシンおよび/またはマシンパーツ、例えば、ロボットアームであることが可能であり、その配向は、検出器システムを使用することによって検出され得る。
【0225】
ヒューマンマシンインターフェースは、検出器デバイスが、ユーザの位置、または、ユーザの少なくとも1個の身体の一部の位置に関する少なくとも1つの情報を発生させるように適合され得る。具体的には、少なくとも1個のビーコンデバイスをユーザに取り付ける様式が知られているケースでは、少なくとも1個のビーコンデバイスの位置を評価することによって、ユーザのまたはユーザの身体の一部の位置および/または配向に関する少なくとも1つの情報が得られ得る。
【0226】
ビーコンデバイスは、好ましくは、ユーザの身体または身体の一部に取り付け可能であるビーコンデバイス、および、ユーザによって保持され得るビーコンデバイスのうちの1個である。上記に概説されているように、ビーコンデバイスは、アクティブビーコンデバイスとして完全にまたは部分的に設計され得る。したがって、ビーコンデバイスは、検出器に伝送されることになる少なくとも1個の光ビームを発生させるように適合された少なくとも1個の照射源、好ましくは、公知のビーム特性を有する少なくとも1個の光ビームを含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、ビーコンデバイスは、照射源によって発生される光を反射するように適合された少なくとも1個のリフレクタを含むことが可能であり、それによって、検出器に伝送されることになる反射光ビームを発生させる。
【0227】
対象物は、検出器システムの一部を形成することが可能であり、対象物は、一般的に、任意の形状を有することが可能である。好ましくは、上記に概説されているように、検出器システムの一部である対象物は、例えば手動などでユーザによって取り扱われ得るコントロールエレメントであることが可能である。例として、コントロールエレメントは、グローブ、ジャケット、帽子、シュー、ズボンおよびスーツ、手によって保持され得るスティック、バット、クラブ、ラケット、ステッキ、玩具銃などのような玩具からなる群から選択される少なくとも1個のエレメントであることが可能であり、または、それを含むことが可能である。したがって、例として、検出器システムは、ヒューマンマシンインターフェースの一部、および/または、エンターテイメントデバイスの一部であることが可能である。
【0228】
本明細書で使用されているように、エンターテイメントデバイスは、以下では1人または複数人のプレイヤとも称される、1人または複数人のユーザのレジャーおよび/またはエンターテイメントの目的を果たすことができるデバイスである。例として、エンターテイメントデバイスは、ゲーミングの目的、好ましくは、コンピュータゲーミングの目的を果たすことが可能である。したがって、エンターテイメントデバイスは、コンピュータ、コンピュータネットワーク、またはコンピュータシステムの中へ実装され得、または、1個または複数のゲーミングソフトウェアプログラムを走らせる、コンピュータ、コンピュータネットワーク、またはコンピュータシステムを含むことが可能である。
【0229】
エンターテイメントデバイスは、本発明による少なくとも1個のヒューマンマシンインターフェースを含み、例えば、上記に開示されている実施形態のうちの1個または複数によるヒューマンマシンインターフェース、および/または、下記に開示されている実施形態のうちの1個または複数によるヒューマンマシンインターフェースなどを含む。エンターテイメントデバイスは、ヒューマンマシンインターフェースを用いてプレイヤによって少なくとも1つの情報が入力されることを可能にするように設計されている。少なくとも1つの情報は、エンターテイメントデバイスのコントローラおよび/もしくはコンピュータに伝送され得、ならびに/または、エンターテイメントデバイスのコントローラおよび/もしくはコンピュータによって使用され得る。
【0230】
少なくとも1つの情報は、好ましくは、ゲームの進行に影響を与えるように適合された少なくとも1個のコマンドを含むことが可能である。したがって、例として、少なくとも1つの情報は、プレイヤおよび/またはプレイヤの1個または複数の身体部分の少なくとも1個の配向に関する少なくとも1つの情報を含むことが可能であり、それによって、プレイヤがゲーミングのために必要とされる特定の位置および/または配向および/またはアクションをシミュレートすることを可能にする。例として、以下の動き、すなわち、ダンス;ランニング;ジャンプ;ラケットのスイング;バットのスイング;クラブのスイング;対象物を別の対象物に向けること、例えば、モデルガンをターゲットに向けることなどのうちの1個または複数が、シミュレートされ得、また、エンターテイメントデバイスのコントローラおよび/またはコンピュータに伝達され得る。
【0231】
一部としてまたは全体としてのエンターテイメントデバイスは、好ましくは、エンターテイメントデバイスのコントローラおよび/またはコンピュータは、情報にしたがってエンターテイメント機能を変化させるように設計されている。したがって、上記に概説されているように、ゲームの進行は、少なくとも1つの情報にしたがって影響を受ける可能性がある。したがって、エンターテイメントデバイスは、1個または複数のコントローラを含むことが可能であり、1個または複数のコントローラは、少なくとも1個の検出器の評価デバイスから分離されていてもよく、および/または、1個または複数のコントローラは、少なくとも1個の評価デバイスに完全にまたは部分的に同一になっていてもよく、または、さらには、1個または複数のコントローラは、少なくとも1個の評価デバイスを含んでいてもよい。好ましくは、少なくとも1個のコントローラは、1個または複数のコンピュータおよび/またはマイクロコントローラなどのような、1個または複数のデータ処理デバイスを含むことが可能である。
【0232】
さらに本明細書で使用されているように、トラッキングシステムは、少なくとも1個の対象物および/または対象物の少なくとも1個の部分の一連の過去の位置に関する情報を集めるように適合されているデバイスである。追加的に、トラッキングシステムは、少なくとも1個の対象物または対象物の少なくとも1個の部分の少なくとも1個の予測される未来の位置および/または配向に関する情報を提供するように適合され得る。トラッキングシステムは、少なくとも1個のトラックコントローラを有することが可能であり、少なくとも1個のトラックコントローラは、電子デバイスとして、好ましくは、少なくとも1個のデータ処理デバイスとして、より好ましくは、少なくとも1個のコンピュータまたはマイクロコントローラとして、完全にまたは部分的に具現化され得る。繰り返しになるが、少なくとも1個のトラックコントローラは、少なくとも1個の評価デバイスを完全にもしくは部分的に含むことが可能であり、および/または、少なくとも1個の評価デバイスの一部になっていてもよく、および/または、少なくとも1個の評価デバイスに完全にまたは部分的に同一になっていてもよい。
【0233】
トラッキングシステムは、本発明による少なくとも1個の検出器を含み、例えば、上記に列挙されている実施形態のうちの1個または複数に開示されているような少なくとも1個の検出器、および/または、下記の実施形態のうちの1個または複数に開示されているような少なくとも1個の検出器などを含む。トラッキングシステムは、少なくとも1個のトラックコントローラをさらに含む。トラックコントローラは、例えば、データのグループまたはデータペアを記録することなどによって、特定の時点における対象物の一連の位置をトラッキングするように適合されており、それぞれのデータのグループまたはデータペアは、少なくとも1個の位置情報および少なくとも1個の時間情報を含む。
【0234】
トラッキングシステムは、本発明による少なくとも1個の検出器システムをさらに含むことが可能である。したがって、少なくとも1個の検出器、および、少なくとも1個の評価デバイス、および、任意の少なくとも1個のビーコンデバイスの他に、トラッキングシステムは、対象物自身または対象物の一部をさらに含むことが可能であり、例えば、ビーコンデバイスまたは少なくとも1個のビーコンデバイスを含む少なくとも1個のコントロールエレメントなどを含むことが可能であり、コントロールエレメントは、トラッキングされることになる対象物に直接的にまたは間接的に取り付け可能または一体化可能である。
【0235】
トラッキングシステムは、トラッキングシステム自身の1個または複数、および/または、1個または複数の別々のデバイスの1個または複数のアクションを開始させるように適合され得る。後者の目的に関して、トラッキングシステムは、好ましくは、トラックコントローラは、1個または複数の無線インターフェースおよび/もしくは有線結合インターフェース、ならびに/または、少なくとも1個のアクションを開始させるための他のタイプ制御接続を有することが可能である。好ましくは、少なくとも1個のトラックコントローラは、対象物の少なくとも1個の実際の位置にしたがって少なくとも1個のアクションを開始させるように適合され得る。例として、アクションは、対象物の未来の位置の予測;少なくとも1個のデバイスを対象物に向けること;少なくとも1個のデバイスを検出器に向けること;対象物を照射すること;検出器を照射することからなる群から選択され得る。
【0236】
トラッキングシステムの用途の例として、トラッキングシステムは、第1の対象物および/または第2の対象物が移動し得るものであったとしても、少なくとも1個の第1の対象物を少なくとも1個の第2の対象物に連続的に向けるために使用され得る。考えられる例は、繰り返しになるが、ロボティクスなどのような、産業用途において見出され得、および/または、例えば、製造ラインまたは組み立てラインにおいて製造している間などに、物品が移動しているとしても、物品に対して連続的に作業を行うための用途において見出され得る。追加的にまたは代替的に、トラッキングシステムは、照射目的のために使用され得、例えば、対象物が移動し得るとしても、照射源を対象物に連続的に向けることによって、対象物を連続的に照射することなどのために使用され得る。さらなる用途は、通信システムにおいて見出され得、例えば、トランスミッターを移動している対象物に向けることによって、移動する対象物についての情報を連続的に伝送するための通信システムにおいて見出され得る。
【0237】
検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、エンターテイメントデバイス、またはトラッキングシステムは、少なくとも1個の照射源をさらに含むことが可能であり、または、少なくとも1個の照射源に関連して使用され得る。具体的には、少なくとも1個の照射源は、少なくとも1個の構造化されたまたはパターン化された照射源であることが可能であり、または、それを含むことが可能である。構造化された照射源の使用は、対象物の位置検出の分解能を増加させることが可能であり、および/または、コントラストを増加させることが可能である。
【0238】
提案されるデバイスおよび方法は、この種類の公知の検出器を上回る多数の利点を提供する。縦方向光学センサの1つの層セットアップの中に2つのPINフォトダイオードを位置させることは、小型化を可能にし、また、少なくとも1つの対象物の位置を信頼性高く曖昧性なしに決定することを可能にする。縦方向光学センサの透明な層セットアップを使用することによって、横方向光学センサ、とりわけ、従来のイメージングデバイスおよび/またはPSDを、同じビーム経路の中に位置させることが可能であり、横方向光学センサが、縦方向光学センサの後ろに配置される。それに加えて、(半)透明なPSDデバイスを使用することによって、横方向光学センサおよび縦方向光学センサを同じビーム経路の中に位置させることが可能であり、横方向光学センサは、少なくとも1つの縦方向光学センサの前に位置し得、ならびに/または、縦方向光学センサおよび横方向光学センサは、1つの層セットアップの中にモノリシックに設計され得る。結果として、(半)透明なPSDデバイスとFiPセンサとのそのような組み合わせは、とりわけ、小型化、ロバストネス、決定時間、決定精度、およびコスト効率の良さのうちの1つまたは複数に関して、性能の改善を示す3Dセンシング概念を現実化することができる検出器を提供するのに適している可能性がある。
【0239】
全体的に、本発明の文脈において、以下の実施形態が、好適であるとみなされる。
【0240】
実施形態1:少なくとも1つの対象物の位置を決定するための検出器であって、
− 対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定するための少なくとも1つの縦方向光学センサであって、層セットアップを有しており、少なくとも2つのp型半導体層、少なくとも2つのn型半導体層、および、少なくとも3つの個々の電極層を含み、p型半導体層、および、n型半導体層は、少なくとも2つの個々のPN構造を形成しており、PN構造のそれぞれは、電極層のうちの少なくとも2つの間に位置しており、それによって、少なくとも2つのフォトダイオードを形成している、少なくとも1つの縦方向光学センサ
を含み、
2つのフォトダイオードのそれぞれは、少なくとも1つの縦方向センサ領域を有しており、縦方向光学センサは、光ビームによる縦方向センサ領域の照射に依存するように、少なくとも2つの縦方向センサ信号を発生させるように設計されており、縦方向センサ信号は、照射の合計パワーが同じであることを所与として、縦方向センサ領域の中の光ビームのビーム断面に依存しており、
検出器は、また、
− 縦方向センサ信号を評価することによって、対象物の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成されている、少なくとも1つの評価デバイス
を含む、検出器。
【0241】
実施形態2:縦方向光学センサは、少なくとも1つの真性半導体層を含み、真性半導体層は、p型半導体層のうちの1つとn型半導体層のうちの1つとの間に位置しており、それによって、少なくとも1つのPIN構造を形成している、実施形態1に記載の検出器。
【0242】
実施形態3:縦方向光学センサは、少なくとも2つの真性半導体層を含み、真性半導体層のそれぞれは、p型半導体層のうちの1つとn型半導体層のうちの1つとの間に位置しており、それによって、少なくとも2つの個々のPIN構造を形成している、実施形態2に記載の検出器。
【0243】
実施形態4:真性半導体層、p型半導体層、およびn型半導体層のうちの1つまたは複数は、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンを含む合金、微結晶シリコン、ゲルマニウム(Ge)、銅インジウム硫化物(CIS)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、銅亜鉛スズ硫化物(CZTS)、セレン化銅亜鉛スズ(CZTSe)、銅亜鉛スズ硫黄セレンカルコゲナイド(CZTSSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、水銀テルル化カドミウム(HgCdTe)、ヒ化インジウム(InAs)、インジウム−ガリウム−ヒ素(InGaAs)、アンチモン化インジウム(InSb)、有機−無機のハライドペロブスカイト、および、固溶体、および/または、ドープされたそれらの変形形態のうちの1つまたは複数を含む、実施形態2または3に記載の検出器。
【0244】
実施形態5:アモルファスシリコンを含む合金は、シリコンおよび炭素を含むアモルファス合金、または、シリコンおよびゲルマニウムを含むアモルファス合金である、実施形態4に記載の検出器。
【0245】
実施形態6:アモルファスシリコンは、水素を使用することによって不動態化されている、実施形態4または5に記載の検出器。
【0246】
実施形態7:真性半導体層は、100nmから300nm、とりわけ、150nmから200nmの厚さを有している、実施形態2から6のいずれか1つに記載の検出器。
【0247】
実施形態8:縦方向光学センサは、少なくとも部分的に透明である、実施形態1から7のいずれか1つに記載の検出器。
【0248】
実施形態9:層セットアップは、層が層セットアップの中に配置されている順序で、入射光ビームによって横断されるように適合されている、実施形態8に記載の検出器。
【0249】
実施形態10:層セットアップの中の層のそれぞれは、少なくとも部分的に透明であるかまたは透光性である、実施形態8または9に記載の検出器。
【0250】
実施形態11:層セットアップの中の層のそれぞれは、入射光ビームによって横断されることになるセットアップの中の最後の層を除いて、少なくとも部分的に透明であるかまたは透光性である、実施形態8から10のいずれか1つに記載の検出器。
【0251】
実施形態12:2つの隣接するPIN構造は、共通の電極層として、電極層のうちの1つを共有している、実施形態1から11のいずれか1つに記載の検出器。
【0252】
実施形態13:同じ極性を有する2つの隣接する電極層は、絶縁層によって互いから分離されている、実施形態1から12のいずれか1つに記載の検出器。
【0253】
実施形態14:絶縁層は、ガラス、石英、または透明な有機ポリマーのうちの1つの層を含む、実施形態13に記載の検出器。
【0254】
実施形態15:フォトダイオードのそれぞれは、個別にアドレス指定されるように構成されている、実施形態1から14のいずれか1つに記載の検出器。
【0255】
実施形態16:第1のフォトダイオードは、少なくとも第1の縦方向センサ信号を発生させるように設計されており、第2のフォトダイオードは、少なくとも第2の縦方向センサ信号を発生させるように設計されており、評価デバイスは、第1の縦方向光学センサ信号および第2の縦方向センサ信号を同時に決定するように適合されている、実施形態15に記載の検出器。
【0256】
実施形態17:電極層は、導電性の材料を含み、電極層は、少なくとも部分的に透明であり、電極層は、透明導電酸化物(TCO)、とりわけ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素がドープされた酸化スズ(FTO)、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛(AZO)、アンチモン酸化スズ(ATO)のうちの1つまたは複数を含む、実施形態1から16のいずれか1つに記載の検出器。
【0257】
実施形態18:縦方向光学センサは、少なくとも1つのスペーサ層を含み、スペーサ層は、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードを分離するように設計されている、実施形態1から17のいずれか1つに記載の検出器。
【0258】
実施形態19:検出器は、対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの少なくとも1つの横方向位置を決定するための少なくとも1つの横方向光学センサをさらに含み、横方向光学センサは、少なくとも1つの横方向センサ信号を発生させるように設計されており、評価デバイスは、横方向センサ信号を評価することによって、対象物の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成されている、実施形態1から18のいずれか1つに記載の検出器。
【0259】
実施形態20:縦方向光学センサおよび横方向光学センサは、モノリシックデバイスの中に配置されている、実施形態1から19のいずれか1つに記載の検出器。
【0260】
実施形態21:層セットアップは、横方向光学センサとして作用するように適合されている少なくとも1つの層をさらに含む、実施形態20に記載の検出器。
【0261】
実施形態22:横方向光学センサとして作用するように適合されている層は、不透明であり、また、入射光ビームによって横断されることになる層セットアップの中の最後の層として配置されている、実施形態20または21に記載の検出器。
【0262】
実施形態23:横方向光学センサとして作用するように適合されている層は、少なくとも部分的に透明であるかまたは透光性である、実施形態20から22のいずれか1つに記載の検出器。
【0263】
実施形態24:横方向光学センサとして作用するように適合されている層は、入射光ビームによって横断されることになるセットアップの中の第1の層として配置されている、実施形態22または23に記載の検出器。
【0264】
実施形態25:検出器は、それぞれ異なる変調周波数において、少なくとも2つの縦方向センサ信号を検出するように構成されており、評価デバイスは、少なくとも2つの縦方向センサ信号を評価することによって、縦方向座標を決定するように構成されている、実施形態1から24のいずれか1つに記載の検出器。
【0265】
実施形態26:検出器は、それぞれ異なる変調周波数において、少なくとも2つの横方向センサ信号を検出するように構成されており、評価デバイスは、少なくとも2つの横方向センサ信号を評価することによって、横方向座標を決定するように構成されている、実施形態1から25のいずれか1つに記載の検出器。
【0266】
実施形態27:光ビームは、変調された光ビームである、実施形態1から26のいずれか1つに記載の検出器。
【0267】
実施形態28:検出器は、照射を変調させるための少なくとも1つの変調デバイスをさらに有している、実施形態1から27のいずれか1つに記載の検出器。
【0268】
実施形態29:実施形態1から28のいずれか1個に記載の検出器であって、少なくとも1個の伝送デバイスをさらに含み、伝送デバイスは、光学センサの上に光ビームをガイドするように適合されている、検出器。
【0269】
実施形態30:伝送デバイスは、少なくとも1つのレンズ、好ましくは、少なくとも1つの焦点調整可能なレンズ;少なくとも1つのビーム偏向エレメント、好ましくは、少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビームスプリッティングエレメント、好ましくは、ビームスプリッティングキューブまたはビームスプリッティングミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステムのうちの1つまたは複数を含む、実施形態29に記載の検出器。
【0270】
実施形態31:縦方向光学センサは、FiPデバイスとして、同時に、位置敏感型デバイスとして、とりわけ、1次元の位置センシングのために適合されている位置敏感型デバイスとして、動作するように適合されている、実施形態1から30のいずれか1つに記載の検出器。
【0271】
実施形態32:縦方向光学センサは、2つのセルを含み、それぞれのセルは、少なくとも1つのPIN構造および/またはPN構造、ならびに、少なくとも2つの電極層を含み、2つのセルは、互いに対して90°だけ回転されており、一方のセルが横方向座標xを決定するように適合され、他方のセルが横方向座標yを決定するように適合されるようになっている、実施形態31に記載の検出器。
【0272】
実施形態33:少なくとも1個の対象物の位置を決定するための検出器システムであって、実施形態1から32までのいずれか1個に記載の少なくとも1個の検出器を含み、少なくとも1個の光ビームを検出器に向けて方向付けするように適合されている少なくとも1個のビーコンデバイスをさらに含み、ビーコンデバイスは、対象物に取り付け可能であること、対象物によって保持可能であること、および、対象物の中へ一体化可能であることのうちの少なくとも1個になっている、検出器システム。
【0273】
実施形態34:少なくとも1つの情報をユーザとマシンとの間で交換するためのヒューマンマシンインターフェースであって、実施形態33に記載の少なくとも1個の検出器システムを含み、少なくとも1個のビーコンデバイスは、直接的または間接的のうちの少なくとも1個によって、ユーザに取り付けられてユーザによって保持されるように適合されており、ヒューマンマシンインターフェースは、検出器システムによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計されており、ヒューマンマシンインターフェースは、少なくとも1つの情報を位置に割り当てるように設計されている、ヒューマンマシンインターフェース。
【0274】
実施形態35:少なくとも1個のエンターテイメント機能を実施するためのエンターテイメントデバイスであって、実施形態34に記載の少なくとも1個のヒューマンマシンインターフェースを含み、少なくとも1つの情報がヒューマンマシンインターフェースを介してプレイヤによって入力されることを可能にするように設計されており、情報にしたがってエンターテイメント機能を変化させるように設計されている、エンターテイメントデバイス。
【0275】
実施形態36:少なくとも1つの対象物の位置を決定するための方法であって、検出器を参照する実施形態1から35のいずれか1つに記載の少なくとも1つの検出器が使用され、方法は、
− 対象物から検出器へ進行する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定するための少なくとも1つの縦方向光学センサを使用することによって、少なくとも2つの縦方向センサ信号を発生させる工程であって、縦方向光学センサは、層セットアップを有しており、縦方向光学センサは、少なくとも2つの真性半導体層、少なくとも2つのp型半導体層、少なくとも2つのn型半導体層、および、少なくとも3つの個々の電極層を含み、真性半導体層のそれぞれは、p型半導体層のうちの1つとn型半導体層のうちの1つとの間に位置しており、それによって、少なくとも2つの個々のPIN構造を形成しており、PIN構造のそれぞれは、電極層のうちの少なくとも2つの間に位置しており、それによって、少なくとも2つのフォトダイオードを形成しており、2つのフォトダイオードのそれぞれは、少なくとも1つの縦方向センサ領域を有しており、縦方向光学センサは、光ビームによる縦方向センサ領域の照射に依存するように、少なくとも2つの縦方向センサ信号を発生させるように設計されており、縦方向センサ信号は、照射の合計パワーが同じであることを所与として、縦方向センサ領域の中の光ビームのビーム断面に依存している、工程と、
− 少なくとも1つの評価デバイスを使用することによって、縦方向センサ信号を評価し、対象物の縦方向位置についての少なくとも1つの情報を発生させる工程と
を含む、方法。
【0276】
実施形態37:少なくとも1個の移動可能な対象物の位置をトラッキングするためのトラッキングシステムであって、検出器システムを参照する実施形態1から36のいずれか1個に記載の少なくとも1個の検出器システムを含み、少なくとも1個のトラックコントローラをさらに含み、トラックコントローラは、特定の時点における対象物の一連の位置をトラッキングするように適合されている、トラッキングシステム。
【0277】
実施形態38:少なくとも1個の対象物の少なくとも1個の位置を決定するためのスキャニングシステムであって、検出器を参照する実施形態1から37のいずれか1個に記載の少なくとも1個の検出器を含み、少なくとも1個の対象物の少なくとも1個の表面に位置する少なくとも1個のドットの照射のために構成されている少なくとも1個の光ビームを放出するように適合されている少なくとも1個の照射源をさらに含み、少なくとも1個の検出器を使用することによって、少なくとも1個のドットとスキャニングシステムとの間の距離についての少なくとも1つの情報を発生させるように設計されている、スキャニングシステム。
【0278】
実施形態39:少なくとも1個の対象物をイメージングするためのカメラであって、検出器を参照する実施形態1から38のいずれか1個に記載の少なくとも1個の光学検出器を含む、カメラ。
【0279】
実施形態40:検出器に関する実施形態1から39のいずれか1個に記載の検出器の使用であって、交通技術における位置測定;エンターテイメントの用途;セキュリティの用途;監視の用途;安全の用途;ヒューマンマシンインターフェースの用途;トラッキングの用途;写真撮影の用途;少なくとも1個の飛行時間検出器との組み合わせの使用;構造化された光源との組み合わせの使用;ステレオカメラとの組み合わせの使用;マシンビジョンの用途;ロボットの用途;品質制御の用途;製造の用途;構造化された照射源との組み合わせの使用;ステレオカメラとの組み合わせの使用からなる群から選択された使用の目的のための、検出器の使用。
【0280】
本発明のさらなる任意の詳細および特徴は、従属請求項に関連して下記に続く好適な例示的な実施形態の説明から明らかである。この文脈において、特定の特徴は、単独で、または、いくつかの組み合わせで実装され得る。本発明は、例示的な実施形態に限定されない。例示的な実施形態は、図の中に概略的に示されている。個々の図における同一の参照番号は、同一のエレメント、もしくは、同一の機能を備えるエレメント、または、それらの機能に関して互いに対応しているエレメントを表している。