特表2019-518510(P2019-518510A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワテリオ エルティーデイーの特許一覧

<>
  • 特表2019518510-薬の容器に用いるスマートキャップ 図000005
  • 特表2019518510-薬の容器に用いるスマートキャップ 図000006
  • 特表2019518510-薬の容器に用いるスマートキャップ 図000007
  • 特表2019518510-薬の容器に用いるスマートキャップ 図000008
  • 特表2019518510-薬の容器に用いるスマートキャップ 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-518510(P2019-518510A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(54)【発明の名称】薬の容器に用いるスマートキャップ
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/02 20060101AFI20190614BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20190614BHJP
【FI】
   A61J7/02
   A61J1/05 315Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-559249(P2018-559249)
(86)(22)【出願日】2017年5月17日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月9日
(86)【国際出願番号】IL2017050554
(87)【国際公開番号】WO2017199255
(87)【国際公開日】20171123
(31)【優先権主張番号】62/337,620
(32)【優先日】2016年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518185347
【氏名又は名称】ワテリオ エルティーデイー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(72)【発明者】
【氏名】カプラン,ニムロッド
(72)【発明者】
【氏名】ベントコフスキ,ヤコブ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047DD10
4C047GG24
4C047KK17
4C047KK28
4C047NN07
4C047NN08
4C047NN20
(57)【要約】
本発明の薬の容器のキャップは、一つ以上の圧力センサ、空気供給装置、制御装置からなる。制御装置は、圧力センサの形で1度目の空気圧測定情報を容器内部から受け取り、空気供給装置を制御して所定の時間に所定の圧力で空気を供給し、圧力センサの形で2度目の空気圧測定情報を容器内部から受け取り、1度目と2度目の測定情報を使用して出力動作を行うものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から構成させる薬の容器のキャップ;
一つ以上の圧力センサ
空気供給装置
制御装置で以下の設定を行うもの
最初の空気圧測定情報を薬の容器の内部から受け取るもので、一つ以上の圧力センサからなるものであり、
空気供給装置が所定の圧力で所定の時間に空気を供給するものであり、
2度目の空気圧測定情報を薬の容器の内部から受け取るもので、一つ以上の圧力センサからなるものであり、
1度目と2度目の空気圧の測定を使用して出力させるものである、
キャップ。
【請求項2】
請求項1で使用するキャップであり、その中の制御装置が以下の動作を行うもの;
外部のプロセッサに1度目と2度目の空気圧の測定情報を送り、当該測定情報にしたがって容器内部の薬の量や、容器のサイズや、薬の種類に関するデータを測定するものである。
【請求項3】
請求項1および2のキャップで、その制御装置が以下を実行するもの;
薬の容器のサイズに関する情報を受信し、
容器内部の薬の種類に関するデータを受信するもの
【請求項4】
請求項1から3のキャップで、薬に関するデータに錠剤で処方された場合の錠剤のサイズの情報と、容器内の錠剤の数量についての測定を含むもの。
【請求項5】
請求項1から4のキャップで、薬の種類に関するデータが粉末もしくは液体という薬の形態の情報を含み、容器内の薬の量に関する測定情報を含むもの。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一に記載のキャップで、取り付けセンサと制御機器が以下のように実装されているもの;
容器が開閉した場合に取り付けセンサによりシグナルを受信するもの
さらにシグナルを受信して1度目の空気圧測定情報を受信するもの。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一に記載のキャップで、薬品、ダイエットサプリメント、乳児用ミルク、ビタミン剤のいずれかを保管するのに適した容器に適合するキャップであるもの。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一に記載のキャップで、空気供給装置にエアポンプや圧力空気タンクを含むもの。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一に記載のキャップで、薬のサイズに関する情報を制御装置と通信することでユーザーインターフェースを介して受信するもの。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一に記載のキャップで、薬の容器のサイズに関する情報が外部の制御装置から送られ、当該外部制御装置が以下のように実装されるもの;
画像取り込み装置から容器の画像を一枚または複数枚受信するもの、又は
当該画像から薬の容器のサイズを測定するもの。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一に記載のキャップで薬の種類に関連するデータを制御装置と通信を行いユーザーインターフェースを介して受け取るもの。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一に記載のキャップで、薬の種類に関するデータを外部の生業装置から受け取るもので、当該外部制御装置が以下のように実装されるもの;
薬に関する一枚または複数枚の画像を受け取るもの
そして、当該画像に基づいたデータから薬の種類に関する測定を行うもの。
【請求項13】
請求項9または11で使用されるキャップで、キャップを含むユーザーインターフェースと制御装置と通信を行うモバイルデバイスのユーザーインターフェースを有するもの。
【請求項14】
請求項13のキャップで制御装置が以下のように実装されるもの;
薬の容器の中の薬の量に関連する情報がユーザーインターフェースに反映されるもの。
【請求項15】
請求項13のキャップで、薬の量や、所定のレベル以下の量の場合にアラートを通知し、前回の服用(減少)から所定の時間経過後に制御装置により薬の量を測定して薬の服用のアラートを通知するといった、薬の量に関する情報が含まれているもの。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一に記載のキャップで、以下の機能が制御装置に実装されるもの;
薬の容器の中の最初の薬の量の測定
2度目の薬の量を測定する時間の設定
薬の容器の中の2度目の薬の量の測定
1度目と2度目の量の比較
比較の結果に応じてユーザーインターフェースにアラートを通知する。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一に記載のキャップで、外部装置とワイヤレスで通信できる通信装置を備えたもの。
【請求項18】
薬の容器内部の薬の量を測定する手法を実装したコンピュータで以下を備えるもの;
薬の容器のサイズに関する情報の受信
容器内部の薬の種類に関連するデータの受信
容器内部から1度目の空気圧力測定情報を受け取るもので、一つ以上の圧力センサを持つもの
空気供給装置を制御して所定の圧力で所定の時間空気を供給するもの
容器内部から2度目の空気圧力測定情報を受け取るもので、一つ以上の圧力センサを持つもの
1度目と2度目の空気圧力測定情報を元に、薬の容器の内部の薬の量、容器のサイズ、薬の種類に関するデータを測定するもの。
【請求項19】
請求項18の手法を実装したコンピュータで、薬の種類に関するデータと、錠剤を処方された場合の錠剤のサイズの測定と、容器内部の錠剤の量を測定することができるもの。
【請求項20】
請求項18又は19の手法を実装したコンピュータで薬の種類に関するデータと、薬の形態が粉末やシロップの場合の容器内部の薬の量の測定ができるもの。
【請求項21】
請求項18から20のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、以下を機能を実装するもの;
取り付けセンサの形態で薬の容器が開閉時のシグナルを受信できるもの
当該シグナルに従って1度目の空気圧測定の情報を受け取るもの。
【請求項22】
請求項18から21のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、そのキャップが薬品、ダイエットサプリメント、乳児用ミルク、ビタミン剤のいずれかを保管するのに適した容器に適合するものであるもの。
【請求項23】
請求項18から22のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、薬のサイズに関する情報が、ユーザーインターフェースを介して制御装置と通信を行い受け取ることができるもの。
【請求項24】
請求項18から23のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、以下の機能を持つもの;
画像取り込み装置から1枚または複数枚の容器の画像を受け取る
当該画像に基づいて薬の容器を測定するもの。
【請求項25】
請求項18から24のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、薬の種類に関するデータをユーザーインターフェースを介して受け取るもの。
【請求項26】
請求項18から25のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、以下を実装するもの;
1枚または複数枚の容器の画像を受け取る
当該画像に基づいて薬の種類に関するデータを測定する。
【請求項27】
請求項18から26のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、ユーザーインターフェース上で容器の中の薬の量に関連する情報を取得するもの。
【請求項28】
請求項27の手法を実装したコンピュータで、薬の量や、所定のレベル以下の量の場合にアラートを通知し、前回の服用(減少)から所定の時間経過後に制御装置により薬の量を測定して薬の服用のアラートを通知するといった、薬の量に関する情報が含まれているもの
【請求項29】
請求項18から28のいずれか一に記載の手法を実装したコンピュータで、以下を実装するもの;
薬の容器の中の最初の薬の量の測定
2度目の薬の量を測定する時間の設定
薬の容器の中の2度目の薬の量の測定
1度目と2度目の量の比較
そして、仮に比較の結果2度目の量が1度目と同量または所定の量と異なる場合に、ユーザーインターフェースにアラートを送信するもの
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬の容器に用いるスマートキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
日々多くの人が薬やビタミン剤を一時的な病気・慢性的な疾患・痛み・予防のために、錠剤・シロップ・粉末の形で服用している。そういった薬やダイエットサプリメントやビタミン剤の容器としては通常小さな薬用のガラスの瓶や、プラスチックのボトルといったものが使用されており、服用時にそこから定められた分量を取り出して使用する。
【0003】
プラスチックの袋の場合は服用した量が明確にわかるものの、瓶やボトルの場合は錠剤の服用量や残量が一目でわかることはない。今日の患者は自分の記憶や書き残した記録を頼りにして、そこから服用した分量を量っているのが現状である。このことから、使用者が正しい量の薬やダイエットサプリメントを図れるように、容器から取り出した薬の量を自動的に記録できることが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の形態は薬の容器のキャップであり、そのキャップには少なくとも圧力センサ、空気供給装置、制御装置を含むものである。制御装置は、容器内部からの最初の空気圧を測定する圧力センサからなる部分と、所定の時間に所定の圧力で空気を供給する空気供給装置の制御部分、および容器内部からの2度目の空気圧を測定する圧力センサからなる部分、また1度目と2度目の空気圧測定を使用して出力操作を実施する。
【0005】
本形態において制御装置は、1度目と2度目の空気圧力測定値を外部のプロセッサに送信し、当該空気圧力測定値から容器内の薬の量を測定し、容器のサイズや薬の種類に関するデータを測定する。さらに本形態においては制御装置は容器内部の薬の種類に関するデータを受信するように設定可能である。
【0006】
本形態では、薬の種類に関するデータには錠剤のサイズや錠剤の数量の測定値を含むものである。またさらに、容器内の当該薬が粉末状もしくはシロップといった形態に関する情報や、容器内の量の測定値を含むものである。また薬のサイズについて情報をユーザーインターフェースを通じて制御装置が受け取ることができる。さらに本形態のインターフェースは、キャップ内のものと、制御装置と通信を行うモバイルデバイスのユーザーインターフェースからなるものである。
【0007】
本形態では、キャップにセンサを取り付けるものであり、取り付けたセンサにより容器の開閉のシグナルの受信を受け取り、またそのシグナルに従い最初の空気圧の測定結果を受け取るものである。本形態のキャップは医薬品、ダイエットサプリメント、幼児用調合乳、ビタミン剤などを保存する容器の上部に適合するものである。
【0008】
本形態では、容器のサイズのデータは外部の制御装置から送られてくるものであり、当該制御装置は画像の取り込み装置から容器の画像を一枚もしくは複数受信し、当該一枚もしくは複数の画像から容器を特定するように設定するものである。
【0009】
本形態では、空気供給装置は少なくともエアポンプと空気用圧力タンクの1組を含むものである。
【0010】
本形態では、薬の種類に関するデータは制御装置と通信を行うユーザーインターフェースを通じで受け取るものである。本形態では薬の種類に関するデータは外部の制御装置から受け取るものであり、画像の取り込み装置から薬の画像を一枚もしくは複数受信し、当該画像から薬の種類を特定するものである。
【0011】
本形態では当該制御装置は容器内の薬の量をユーザーインターフェース上に表示するものである。本形態では、薬の量に関する情報とは、薬の量や、所定の分量を下回る量の場合のアラートや、前回の所定の薬の量の減少から所定の時間を経過時に服用を促すアラートを制御装置で行うものを含むものである。
【0012】
本形態では、制御装置は容器内の薬の最初の量の測定、容器内の薬の量の再度の測定、最初の量と2度目の測定量の比較、そして比較の結果によりアラートを送るように設定されるものである。
【0013】
本形態ではキャップが外部の装置とワイヤレスで通信可能な通信装置を搭載しうる。
【0014】
本発明に関連しうるものとして、薬の容器に入っている薬の量を測定するコンピューターの実装方法がある。また本形態で含まれる可能性があるものとして、容器のサイズの情報の受領、容器内部の薬の種類に関するデータの受領、圧力センサの形態容器内部からの1度目の空気圧の測定結果を受領するもの、所定の時間に所定の圧力で空気を供給する空気供給装置の制御部分、圧力センサの形態で容器内部からの2度目の空気圧の測定結果を受領するもの、受け取った1度目と2度目の空気圧の測定情報から薬の量や容器のサイズや薬の種類に関するデータを測定するものがある。
【0015】
本形態では、取り付けたセンサにより容器の開閉のシグナルの受信を受け取る手法を含みうる。またそのシグナルに従い1度目の空気圧の測定結果を受け取る手法が含まれうる。
【0016】
本形態では、画像の取り込み装置から容器の画像を一枚もしくは複数受信する手法および当該一枚もしくは複数の画像から容器を特定する手法を含みうる。
【0017】
本形態では、画像の取り込み装置から薬の画像を一枚もしくは複数受信する手法および当該一枚もしくは複数の画像から薬の種類を特定する手法を含みうる。
【0018】
本形態では、ユーザーインターフェース上に容器内部の薬の量に関連した情報を表示する手法を含む。
【0019】
本形態でさらに含まれる可能性のあるものとして、容器内の薬の最初の量の測定、再度の測定時間の設定、容器内の薬の量の再度の測定、最初の量と2度目の測定量の比較、そして比較の結果最初の量と2度目の測定量が同量であった場合、または2度目の測定量が所定の量とは異なる場合にユーザーインターフェースにアラートを送る機能が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の主な部分は特許請求の範囲の項目において明確記述されている。しかしながらその目的や利点とともに、構成及び動作について以下の詳細を図面と共に参照することで最もよく理解できると考える。
【0021】
図1A図1A は、発明の実施形態に基づいて薬の容器のためのキャップを含む構成要素の構成図である。
図1B図IB は、本発明の形態における薬の容器のキャップである。
図1C図1C は、本発明の形態におけるキャップのついた容器である。
図2図2 は、本発明の形態において容器内部の薬の量を測定するためのフローチャートである。
図3図3A は、本発明の形態における容器の例である。図3B は、錠剤薬やカプセル薬を含んだ例である。
【0022】
本図は説明を単純かつ明確にするために、実際のサイズと異なることに注意をいただきたい。例えば、わかりやすくするために他の要素よりもサイズを大きく描写している部分がある。また図中で類似もしくは対応する箇所を示すために参照番号が重複することに留意をいただきたい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では本発明について全てを理解するために必要な多くの詳細な説明を記載してある。しかしながら本発明で記述する技術はこのような詳細な知識がなくとも実施しうるものである。本発明について明確性を保つために、周知の手法、手順、構成、モジュール、装置、回路については割愛した。各形態における特徴や要素は他の実施形態における特徴や要素と組み合わせることも可能である。明確性を保つために、同一または類似の特徴や要素については繰り返して説明を行わないものである。
【0024】
本発明の実施形態において、「プロセッシング」「コンピューティング」「計算」「測定」「設置」「分析」「チェック」などの用語はコンピュータの操作や処理、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、またはその他のコンピュータデバイスで、実行する命令を補完するコンピュータのレジストリやメモリ、その他の非一時的な記録媒体内部のデータを操作して物理的なもの(例 電気)に変えるものである。本発明の実施形態において例えば「複数」は文字通り「複数」であり「2つ以上」を指すように、示した言葉に限定されるものではない。「複数」という言葉は明細書の説明において2つ以上の部分、デバイス、要素、装置、パラメーターなどを意味する。明示的に述べていない限り、ここで記述する本実施形態の順序に制約されるものではない。さらに、ここで記述する実施の手法や要素については同時に実行することも可能である。
【0025】
本発明のいくつかの部分はスマートキャップに関するものであり、カップに取り付けられたディスプレイまたは利用者のモバイルデバイスに容器内に残っている薬の量などを使用者に表示できるものである。本明細書で記載する用語の「薬」とは、薬品、ダイエットサプリメント(例アスリート、女性、年配者用)、乳児用粉ミルク、ビタミン剤などの経口摂取する一切を含むものである。本発明におけるスマートキャップは、薬の使用量を記録することができ、所定の服用を守らなかった場合に使用者に注意を促すことができるものである。例えば本スマートキャップ を使えば、使用者が容器から薬を取り出した際に容器に残っている錠剤の数を計算することができ、所定の時間で減少した薬の数(少なくとも1つ以上薬を取り出した場合)を計算することが可能である。仮に所定の時間を超えたり、薬の数が不正確な場合は、スマートキャップがカップに取り付けたディスプレイまたは使用者のモバイルデバイスを通じて、使用者に注意を促すことができる。
【0026】
ここで本発明の形態である薬の容器のキャップを含んだ構成を示すハイレベルブロックダイアグラムを記述した図1を参照したい。キャップ100には少なくとも一つ以上の圧力センサ110、空気供給装置120、制御装置130が実装される。キャップ100には図 IB と 1Cで示すキャップのハウジング105も利用できる。また、キャップ100には一つ以上の通信装置140、取り付けセンサ150、ユーザーインターフェース160を実装する形態も考えられる。さらにキャップ100にはバッテリー115を取り付けることもできる(図IB参照)。
【0027】
圧力センサ110は集積回路の圧力センサ(例 ROHM半導体のBM1383AGLV)や、マイクロエレクロメカニカルセンサ(MEMS)や、ナノ圧力センサ(例 ST Microelectronics LPS22HB)のような、密閉された容器の空気圧を測定するタイプの圧力センサである。
【0028】
空気供給装置120は、エアーポンプ(例 村田製作所(株)製の高速で高圧力だが目立たないエアーポンプ)と圧力エアータンクからなる。空気供給装置120は所定の圧力を容器5(図1C参照)に送るように設定することができる。
【0029】
制御装置130はプロセッサ132と、プロセッサ132で実行される命令を格納するためのメモリ134を含む。プロセッサ132は汎用のマイクロコントローラーが利用できる。メモリ132は不揮発性メモリ(例 フラッシュメモリ)を使用して、容器の薬の量の測定を行う命令を格納したり、その他の本発明の実施に関する命令を格納できるように設定する。
【0030】
通信装置140はモバイルデバイス10や外部プロセッサ20のような外部装置とワイヤレスで通信できるように設定する。モバイルデバイス10は、例えばスマートフフォン、タブレット、ノートパソコン、ワイヤレスゲートウェイ(例 病院やクリニック)などが該当する。外部プロセッサ20は外部のプロセッシングやコンピューティング装置であり、例えばクラウドベースのプロセッシングまたはコンピューティグサービス、サーバー、CPUなどが該当する。通信装置140は、直接もしくはモバイルデバイス10を経由して外部のプロセッサ20との通信に利用する。通信装置140で使用するプロトコルの例としては、Bluetooth登録商標、 Bluetooth登録商標 smart、 BLE、 Li-Fi、 Wi-Fi、IEEE 802.11標準、ANT、ZigBee、近距離無線通信(NFC)などの標準化された適合しうる通信プロトコルや周波数(帯域)が考えられるがこの例に限定されるものではない。例えば、近距離無線通信ではマグネットNFCや無線IDタグ(RFID)が考えられる。本発明における実施形態としては、可聴域もしくは不可聴域の周波数のソニックやウルトラソニック技術を使って通信を行うことが考えられるが、これに限るものではない。
【0031】
取り付けセンサ150は、キャップ100と容器5の脱着を感知することができるセンサである。例えば、取り付けセンサ150は閉じる際に容器の側面に押し付けられるように設置されたボタンが考えられる(図IB参照)。別の例としては光学センサ、静電容量センサ、加速度計などが考えられる。取り付けセンサ150は閉めた時の角度、つまりキャップがどれだけきつく締められたかを計測することも可能である。
【0032】
ユーザーインターフェース160はユーザーが制御装置130からの情報を受け取ったり、情報を送ったりできるディスプレイやオーディオデバイスを含むものである。ユーザーインターフェース160は、アイコンの点滅用のランプ(例 LEDランプ)、小型スクリーン、ボタン、スピーカー、マイクなどからなるものである。ユーザーインターフェース160は図IBで記述のとおりキャップのハウジング105の外部を含むものである
【0033】
ここで本発明の実施形態である薬の容器のキャップを構成例を図IBで示す。キャップ100はキャップ100を構成する様々な部分を保持するためのキャップ型のハウジング105を有する。ハウジング105は空気供給ユニット120(例 エアーポンプ)や、通信装置140(例 Bluetooth)と通信を行う制御装置130、さらに圧力センサ110(例 気圧センサ)からなる。ハウジング105はさらにバッテリー115や取り付けセンサ150(例 スイッチ)を加えることができる。キャップ105はさらにユーザーインタフェース160などの形態を加えうる。ユーザーインターフェース160は図1Cで示すようにハウジング105上の光るアイコン164用のLEDランプ162を加えうる。ユーザーインターフェース160は図1Cで示すボタン166から構成される。
【0034】
ここで本発明の実施形態として容器内の薬の量を測定するためのフローチャートを示した図2を参照する。図2で示す手法はプロセッサ132、外部プロセッサ20、モバイルデバイス10のプロセッサ、もしくはその組み合わせによって実施可能である。図2で示す方法のいくつかはプロセッサ132により実行されるものであり、その他は外部プロセッサ20またはモバイルデバイス10のプロセッサにより実行される。210のステップでは容器のサイズに関する情報を受けとる。例えば図3Aで示すような容器の高さH、半径(r)、直径(D)、側面(L)といったサイズをユーザーインターフェースが受け取る。またユーザーインターフェース160のボタンを使用してサイズを入力することも可能である。その他の方法としてはユーザーはデバイス10のアプリケーションにログインして容器のサイズを入力することができ、この情報はキャップのプロセッサ132とやりとりされる。入力されたサイズは通信装置140を介してモバイルデバイス10からキャップ100に送られる。通信内容の情報は入力したサイズや容器のボリュームなどのパラメーターとなる。
【0035】
本発明の実施形態においては、薬の容器のサイズの情報は外部プロセッサ20やモバイルデバイス10のプロセッサにより自動的に送られるものである。外部制御装置は画像取り込み装置(例 モバイルデバイス10のカメラ)から一枚もしくは複数枚の画像を受け取るように設定することができ、当該画像に基づき薬の容器のサイズを測定することができる。これに加えて、画像には認証コード(例 バーコード)を含めることにより外部の制御装置で認識ができるほか、データーベースのルックアップテーブルに保存した薬の容器のサイズと関連づけることができる。
【0036】
ステップ240では容器内部の薬の種類に関するデータを受け取る。本実施形態においては薬の種類に関するデータは、薬の形態(例 錠剤、粉末、シロップ)、錠剤の大きさ(図3B参照)、ID番号、シリアル番号、FDA登録番号などが含まれるものである。薬の種類に関するデータは、ユーザーインターフェース160やモバイルデバイス10のユーザーインターフェースのようなユーザーインタフェースより受け取る。ユーザーはユーザーインターフェース160のボタンを使用してデータを入力することも可能である。それ以外にもユーザーのデバイス10のアプリケーションにログインしてデータを入力することも可能である。
【0037】
本実施形態では、薬の種類に関するデータは外部プロセッサ20やモバイルデバイス10のプロセッサなどの外部の制御装置により自動的に送られる。また外部制御装置は画像取り込み装置から一枚もしくは複数枚の薬に関する画像を受け取るように設定することができ、当該画像に基づき薬の種類を判別することも可能である。また何らかの画像解析手法により画像を解析して薬の種類に関するデータを取り出すことも可能である。例えば、外部制御装置は当該薬の形態が錠剤か、粉末か、シロップかを測定することが可能である。仮に錠剤であれば、外部制御装置により当該錠剤の形状とサイズが測定され、錠剤表面の識別マークを読み取り、ルックアップテーブル内の関連する情報を検索する。
【0038】
ステップ230では、容器5内部からの最初の空気圧力測定の情報は圧力センサ110により送られる。また圧力センサ110は容器5内部の圧力レベルPiも測定可能である。また最初の空気圧力測定はキャップ100が容器5に閉じられている時のみ実行するように設定する。プロセッサ132は薬の容器の開閉について取り付けセンサ150でシグナルを送ることができる。また最初の空気圧力測定はプロセッサ132によりシグナルが送られた時にのみ実行される。
【0039】
ステップ240において、空気供給装置120は所定の圧力で空気供給を制御する。ステップ250では、2回目の空気圧力測定P2は圧力センサ110から情報を受け取る。空気供給装置120は圧力P2が所定のレベルに達するまで容器5に空気を供給する。時間tiはP1からP2に圧力が達するための時間である。時間tiは事前に設定することができる。
【0040】
本実施形態ではプロセッサ132は1度目と2度目の圧力測定情報を次の処理のために外部のプロセッサに送ることができる。さらに、プロセッサ132は1度目と2度目の圧力測定情報を受け取り、容器内部の薬の量を測定することも可能である。
【0041】
ボックス250では、1度目と2度目の圧力測定情報から薬の容器内部の薬の量や、容器のサイズや、薬の種類に関するデータを測定することが可能である。薬の容器内部の薬の量はプロセッサ132や外部プロセッサ20やモバイルデバイス10により測定することができる。本実施形態において薬の種類に関連して受け取ったデータには、錠剤の特定のサイズもふくまれる。したがって、薬の量の測定には容器内部の錠剤の数量の測定も含まれる。薬の種類に関するデータには粉末やシロップなどの形状も含まれる。したがって薬の量の測定には容器内部の薬の分量の測定も含まれる。
【0042】
プロセッサ132、外部プロセッサ20、モバイルデバイス10のプロセッサは以下の手順もしくは同様の手順で薬の量を計算する。

(1) 容器内部のボリュームV1の計算

(2) (薬が錠剤の時)各錠剤の量V2を計算する

(3a)(薬が粉末またはシロップの時)I と同じ式で容器内部の薬の量Vmを計算する。

【数1】

(3b) (薬が錠剤の時)IIの式を使って容器に残っている錠剤の数を計算する

【数2】

同じ業界の人には理解できると思うが、手順1-3は例に過ぎず、薬の容器の内部の薬の量の計算には別の式も利用できる。
【0043】
ステップ260で容器内部の薬の量に関する情報をユーザーインターフェースに表示する。薬の量に関する情報には、薬の量、所定の量を下回る際のアラート(例 リマインダなど)、制御装置によって決められた薬の量において前回の利用(減少)から所定の時間を経過した際のアラート(例リマインダなど)、所定の減少量通りに正しく減少しなかった場合のアラート、光るアイコン(例アイコン164)を使用したキャップ100、モバイルデバイス10の画面などを含む。
【0044】
本実施形態では、薬の容器内の最初の量の測定や、2度目に計測する時間を設定する方法も含む。プロセッサは設定した時間に2度目の容器内の薬の量を測定し、1度目の測定値と2度目の測定値が同じ量である場合、また所定の時間経過後に薬の量が減っていない場合にユーザーインターフェースにアラートを送ることができる。例えば、所定の時間経過後に薬の量が減っていない場合、アラートがユーザーデバイスに送られ、さらに例えばキャップ100のアイコンと錠剤のアイコンが光ったり、モバイルデバイス10に服用を促す通知を送ることができる。さらに別の例で言えば、仮に2度目の測定量が所定の量と異なっていた(多いまたは少ない)場合、例えばキャップの100と手のアイコンが光ったりユーザーのデバイス10にメッセージを送り、誤用の注意を喚起することができる。
【0045】
本発明の主な機能はここに描写および詳細を載せているが、同業者の方であれば多くの修正や、代替案や、変更が現れることが予想される。そこで特許請求の範囲には真の発明精神にのっとりそういった修正案や変更案をすべて含むものと理解をいただければ幸いである。
【符号の説明】
【0046】
5:容器
10:モバイルデバイス
20:外部プロセッサ
100:キャップ
105:ハウジング
110:圧力センサ
115:バッテリー
120:空気供給装置
130:制御装置
132:プロセッサ
134:メモリ
140:通信装置
150:取り付けセンサ
160:ユーザーインターフェース
162:LEDランプ
164:アイコン
166:ボタン
210:ステップでは容器のサイズに関する情報を受けとる。
220:ステップでは容器内部の薬の種類に関するデータを受け取る。
230:ステップでは、容器5内部からの最初の空気圧力測定の情報は圧力センサ110により送られる。
240:ステップにおいて、空気供給装置120は所定の圧力で空気供給を制御する。
250:ステップでは、2回目の空気圧力測定P2は圧力センサ110から情報を受け取る。
250:ボックスでは、1度目と2度目の圧力測定情報から薬の容器内部の薬の量や、容器のサイズや、薬の種類に関するデータを測定することが可能である。
260:ステップで容器内部の薬の量に関する情報をユーザーインターフェースに表示する。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
【国際調査報告】