(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-519184(P2019-519184A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(54)【発明の名称】回転子の動的バランシングのための空洞を有する回転子を具備する電気機械
(51)【国際特許分類】
H02K 1/27 20060101AFI20190614BHJP
H02K 15/16 20060101ALI20190614BHJP
H02K 7/04 20060101ALI20190614BHJP
H02K 1/22 20060101ALI20190614BHJP
【FI】
H02K1/27 501L
H02K15/16 A
H02K7/04
H02K1/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-558722(P2018-558722)
(86)(22)【出願日】2017年4月10日
(85)【翻訳文提出日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2017058561
(87)【国際公開番号】WO2017194254
(87)【国際公開日】20171116
(31)【優先権主張番号】1654216
(32)【優先日】2016年5月12日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(71)【出願人】
【識別番号】517357424
【氏名又は名称】マヴェル ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MAVEL S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ボワソン、 ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ゴーサン、 ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ファブレ、 ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ベットーニ、 ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】ディブ、 ヴィサム
【テーマコード(参考)】
5H601
5H607
5H615
5H622
【Fターム(参考)】
5H601AA23
5H601CC01
5H601CC15
5H601CC17
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD22
5H601DD42
5H601GA24
5H601GA25
5H601GA32
5H601GC02
5H601GC12
5H601JJ05
5H601JJ10
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB26
5H607CC01
5H607DD02
5H607EE40
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB07
5H615BB14
5H615PP02
5H615PP07
5H615SS54
5H622AA03
5H622CA02
5H622CA06
5H622CA10
5H622CB03
5H622PP03
5H622PP07
(57)【要約】
本発明は、固定子および回転子(10)を備えた電気機械に関し、この回転子は、回転子シャフト(12)に配置された複数の薄板(14)の積層体を具備する回転子本体(20)によって形成されている。本発明によれば、回転子は、少なくとも1つのアーム(52)を備えた少なくとも1つの空洞(36)を含み、少なくとも1つの空洞(36)は、少なくとも1つのバランスウエイトを保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子および回転子(10)を備え、前記回転子が、回転子シャフト(12)に配置された複数の薄板(14)の積層体を具備する回転子本体(20)で形成されている電気機械であって、
前記回転子は、少なくとも1つのアーム(52)を備えた少なくとも1つの空洞(36)を有し、前記少なくとも1つの空洞(36)は、前記回転子の動的バランスをとる少なくとも1つのバランスウエイト(38)を保持することを特徴とする、電気機械。
【請求項2】
複数の前記アームは、前記空洞の縁部(42;44,46;48,50)から前記空洞の中心(M)に向かって延びていることを特徴とする、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
複数の前記アーム(52)は、周方向に互いに120°ずらされていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気機械。
【請求項4】
複数の前記アーム(52)は、前記空洞の中心(M)から距離Eだけ離れた端部(34)を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項5】
複数の前記アーム(52)の端部は、凹状に湾曲した表面(56)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の電気機械。
【請求項6】
前記バランスウエイト(38)は、複数の前記アーム(52)の端部(54)の間に内接する横断面を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項7】
前記空洞(38)は閉じた断面を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項8】
前記空洞(38)は多角形の閉じた断面を有することを特徴とする、請求項7に記載の電気機械。
【請求項9】
前記空洞(38)は五角形の閉じた断面を有することを特徴とする、請求項7または8に記載の電気機械。
【請求項10】
前記空洞(38)は、前記積層体の打ち抜き(40)によって形成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項11】
前記空洞(38)は、前記回転子の長手方向軸に沿って、かつ実質的に前記長手方向軸に平行に配設されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項12】
前記空洞(38)は、前記回転子の前記シャフト(12)を受け入れる穴(18)の近傍に位置されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械に関し、詳細には電気機械の回転子の動的バランシングのための空洞を備えた電気機械の回転子に関する。
【0002】
さらに詳細には、本発明は可変リラクタンス同期機に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に電気機械は、互いに同軸に配設された固定部(固定子)および回転部(回転子)を含んでいる。
【0004】
このような機械の回転子は、製造公差、機械設計、材料分布などによって生じるアンバランスによって損害を受ける。
【0005】
この回転子が高速で回転するとき、これらのアンバランスは、機械の不具合、または回転子もしくは機械に劣化をもたらし得る、振動を発生させる。
【0006】
さらにこれらの振動は、機械の使用を不快にすることがある騒音源である。
【0007】
したがって、これらの振動現象を防止するために、回転子のアンバランスを大きく低減させること、または除去することが必要である。
【0008】
この目的のため、各機械のために確立された仕様(騒音レベル、振動周波数など)に応じて、回転子の動的バランシングの規定がある。
【0009】
特にフランス特許第1341204号により、材料を取り除くことによって回転子をバランスさせることが知られている。より正確には、回転子のアンバランスに対処するために、回転子本体が、穿孔または切削で加工される。
【0010】
このような、材料を取り除くことによるバランシングは、少なからず難点を有する。
【0011】
実際、取り除く材料の量によっては、回転子の機械的特性を大きく損ねる危険がある。
【0012】
さらに、加工によって生じる金属粒子が、機械の動作を妨げることがある。これらの粒子は、回転子および/または固定子の磁気部に引き寄せられ、動作に障害を生じさせ、さらには2つの部品を互いに対して動かなくする。
【0013】
回転子をバランスさせるために、回転子本体に材料を加えることも知られている。
【0014】
不均衡を補正するために使用される材料は、回転子に塗布する際に機能し、塗布後に硬化して回転子に機械的に接着し得るペースト状であってもよい。。
【0015】
しかし、バランシングペーストを加えることによるバランシングは、実行が困難である。なぜなら、回転子に塗布した後に、気温、湿度などの外部パラメータに依存するペーストの乾燥時間が必要だからである。
【0016】
したがって、大きく変動する時間の間、回転子を保管する必要がある。
【0017】
これは複雑な物流に関わり、すでに高い製造コストを増加させる。
【0018】
使用される材料は、回転子をバランスさせるように調整された、クリップ、ねじなどの金属ウエイトであってもよい。
【0019】
例として、フランス特許出願第2421498号により詳しく記載されているように、これらの金属ウエイトは、クランプまたは接着剤で回転子上の軸方向ピンに固定される穴あきシートが考えられる。
【0020】
材料を追加することによるバランシングにおいて、回転子が非常に高い角加速度または角減速度を受ける場合や機械の老朽化によって、ペーストまたは調整したウエイトが回転子から外れ、その後回転子のバランスが失われる場合がある。したがってこのバランスの損失は、機械の動作および使用者の快適さに有害である振動を誘発する。
【0021】
さらに、外れたペーストまたは調整したウエイトは、回転子の回転を妨げて機械に深刻な不具合を生じさせることがある。
【0022】
これらの難点は、可変リラクタンス電気機械の場合に、さらに重要である。
【0023】
このような機械は、回転子に設けられたフラックスバリアの近傍に収容されている永久磁石を保持する、回転子を含んでいる。
【0024】
回転子を形成する少量の材料、およびバランシングを実現するためにこの材料を取り除くことを本来の空間であるフラックスバリア内で実行されなければならないという事実によって、この構成は材料を取り除くことによるバランシングをさらに困難にしている。
【0025】
特に材料の追加が、1つまたは複数のフラックスバリアに変化をもたらす場合、同様に磁石の磁気フラックスの伝播を妨げる危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、材料の追加で電気機械の正確な動作を妨げやすくすることなく、材料を追加して回転子をバランスさせることによって、上記で挙げた難点を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
この目的のため、本発明は、固定子および回転子を備えた電気機械に関し、この回転子は、回転子シャフトに配置された複数の薄板の積層体を具備する回転子本体で形成されている。この回転子は、少なくとも1つのアームを備えた少なくとも1つの空洞を有し、少なくとも1つの空洞は、回転子の動的バランスをとる少なくとも1つのバランスウエイトを保持することを特徴とする。
【0028】
複数のアームは、空洞の一方から空洞の中心に向かって延びてもよい。
【0029】
複数のアームは、周方向に互いに120°ずらしてもよい。
【0030】
複数のアームは、空洞の中心からある距離だけ離れた端部を有し得る。
【0031】
複数のアームの端部は、凹状に湾曲した表面を含んでもよい。
【0032】
バランスウエイトは、複数のアームの端部の間に内接する横断面を有し得る。
【0033】
空洞は、閉じた断面、好ましくは五角形の閉じた断面など、多角形の閉じた断面を有し得る。
【0034】
空洞は、積層体の打ち抜きで形成することができる。
【0035】
空洞は、回転子の長手方向軸に沿って、かつ実質的に長手方向軸に平行に配設することができる。
【0036】
空洞は、回転子のシャフトを受け入れる穴の近傍に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の他の特徴および利点は、単に非限定例として与えられる以下の説明を読むことで、ならびに添付の図面によって明らかになろう。
【
図1】
図2の1−1ラインに沿った、本発明の回転子の軸方向断面の概略図である。
【
図2】
図1の2−2ラインに沿った、本発明の回転子の径方向断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1および
図2に示す実施形態によると、回転電気機械は、固定子(図示せず)および回転子10を含んでいる。
【0039】
図1に示すように、この回転子は、知られているように、好ましくは強磁性で複数の磁気フラックス発生装置16を保持する複数の同一の薄板14の積層体が配置された、シャフト12を含んでいる。
【0040】
また
図2を参照すると、円形の複数の薄板14の積層体は、回転子シャフト12が貫通している中心穴18と、この積層体を完全に貫通している複数の軸方向開口部とを備えている。
【0041】
知られているように、積層体は、穴と開口部とが合致するよう、例えば接着剤、プレスなど任意の知られている方法で互いに組み合わせられる。
【0042】
このように組み合され、これらの積層体が、シャフト12を保持する回転子10の本体20を形成する。
【0043】
この構成は、以下でより詳細に説明するように、特に可変リラクタンス電気機械に適用される。
【0044】
この構成において、本体は、磁気フラックス発生装置16を収容する一組の第1の軸方向開口部と、磁気フラックスバリアを作り出す一組の別の軸方向開口部とを含んでいる。
【0045】
一組の第1の開口部22は、四辺形、ここでは矩形の形状である。この開口部22は、磁気フラックス発生装置16、ここでは本体と実質的に同じ長さを有する矩形ロッドの形状である永久磁石を受け入れる。これらの開口部を、以降では「ハウジング」と呼ぶ。
【0046】
ここでは3つであるこれらハウジング22は、穴18の中心Oから互いにある距離だけ離されて、径方向に並べて配置されている。
【0047】
この一組の3つのハウジングは、45°ずらされた4つの軸AA’,BB’,CC’およびDD’において、一組となって、O点の周りを周方向に繰り返され、O点の周りに規則的に連続して分布されている。
【0048】
したがって、
図2に示すように、各半軸(OA,OA’;OB,OB’;OC,OC’;OD,OD’)には3つの軸方向ハウジング22がそれぞれ存在し、それらの最長面は半軸に対して垂直で、これらの面の寸法は中心Oから積層体の周辺に向かって減少している。
【0049】
穴18に最も近いハウジング22は、穴との間に所定材料のブリッジ部24が残り、ハウジング同士の間には所定材料のブリッジ部26が存在する。
【0050】
穴18から最も遠いハウジング22は、本体の周縁部から、ある距離だけ離されている。
【0051】
他の一組の開口部は、打ち抜き穴28で構成され、実質的に一定の厚さ「e」で、径方向に傾斜して上記のハウジングから積層体縁部の近くまで延びている。
【0052】
これらの打ち抜き穴は、ハウジング22の側方縁部30から始まり、ハウジングの最長面の1つを通過する面から角度αで立ちあがり、周辺に達している。
【0053】
図2に示すように、これら傾斜した打ち抜き穴は、ハウジングに対して対称に配設されている。より正確には、一組の3つの傾斜した打ち抜き穴が、半軸の一方の側に存在し、同じ半軸の他方の側に、別の一組の3つの傾斜した打ち抜き穴が存在する。
【0054】
したがって各々は、平らな底部を有する実質的にV型の外形で形成されており、平らな底部はハウジング22によって形成され、V型の傾斜したアームは打ち抜き穴28によって形成されている。そして各半軸には、互いにある距離だけ離され、高さおよび幅の寸法が、穴から本体を周辺に向かって減少する、3つの重なったV型が形成される。
【0055】
したがって、所定材料のブリッジ部24,26以外に、各V型の傾斜した打ち抜き穴同士の間に固体部分32が存在し、さらに、一組の3つのV型のうちで穴に最も近い打ち抜き穴と、隣接する別の一組のV型のうちで最も穴に近い打ち抜き穴との間に、別の固体部分34が存在する。
【0056】
その結果、打ち抜き穴によって形成されるフラックスバリアが作り出される。そして磁石からの磁気フラックスは、所定材料のブリッジ部および固体部分のみを通ることができる。
【0057】
この本体は、シャフト12を受け入れる穴18の近傍で、所定材料のブリッジ部24において少なくとも1つのバランスウエイト38を受け入れる、少なくとも1つの空洞36をさらに備えている。
【0058】
図の例において、少なくとも1つの空洞が各半軸に設けられ、それによって等角度に8つの空洞が得られている。
【0059】
この空洞は、シャフト12と実質的に平行に、本体の一方の側面から他方の側面に延びていることが有利である。
【0060】
この空洞は、各積層体を打ち抜き40、それら積層体を互いに組み合わせることで得られる。
【0061】
図では空洞36は多角形、ここでは五角形の閉じた断面を有するが、円形断面など、他の任意の断面を想定してもよい。
【0062】
図3でより良好に確認できるように、ここでは不規則な形状である五角形の形状は、半軸に直交して交差し、好ましくは穴の曲率に対応する曲率を有するベース部42を備えている。不規則な形状である五角形の形状は、このベース部から、2つの傾斜した側面44,46が、半軸から分かれるよう傾斜して積層体の周縁部方向に向かい、屋根型を画定して五角形の形状に閉じる2つの傾斜した面48,50で終端している。
【0063】
この空洞は、少なくとも1つのアーム52、ここでは3つの同型のアームを備えており、これらのアームによって、空洞内で固定される少なくとも1つのバランスウエイト38を保持する。
【0064】
これらのアームは互いに対して120°で配設され、空洞の内部、好ましくは中心Mに向かう方向に延びる。
【0065】
図3に示すように、アームのうちの1つは、空洞のベース部42の中央部分において、その中央部分の面に直交し、2つの傾斜面48,50が交差する点に向かって、このアームの自由端部54が空洞の中心Mから距離Eになるまで垂直に延びている。
【0066】
2つの傾斜した面48,50の各々も、中心Mに向かってこの中心から距離Eの位置まで延びるアーム52を保持している。
【0067】
したがって、これら3つのアームの概略方向は、空洞の中心Mで合致する。
【0068】
バランスウエイト38は、自由アームの自由端の間で圧力嵌めされる、任意の断面を有し得る。
【0069】
例として、バランスウエイトは、距離Eよりもわずかに大きな半径を有する球体、または円形断面のロッドであってよく、それによってこの球体またはロッドは、アームの端部同士の間で内接する横断面を有し、摩擦によってこの端部54同士の間に保持される。
【0070】
球体または円形断面のロッドを伴うこの構成において、アーム52の端部54は、距離Eに対応する半径の、凹状に湾曲した表面56を有する。
【0071】
別の例において、バランスウエイトは、3つのアームの端部同士の間に嵌められる三角形または六角形など、3つのアームの端部同士の間の空間内に含まれる異なる断面であってもよい。
【0072】
回転子10をバランスさせるためには、まずバランスさせるべきアンバランスを明確にして、位置を突き止めることが必要である。
【0073】
この操作は、当業者によく知られている適切な機械で実行できる。これによって、一般的に計算によって、かつアンバランス補正規定に従って、回転子をバランスさせるために追加するバランスウエイトの量および位置を決定することが可能になる。
【0074】
したがって本発明による方法は、ここでは球の形状である1つまたは複数のバランスウエイトを、1つまたは複数の空洞36の中に加えることである。
【0075】
これによって、ブリッジおよび/または固体部分の磁気フラックスの伝播を妨げることなく、回転子のバランシングを実現することができる。
【0076】
さらにアームは、空洞内で球体を確実に保持する一方で、球体の製造公差を吸収することを可能にする、ある程度の弾力性を径方向および軸方向に有する。
【0077】
さらにこれらの空洞は、回転子の重量を軽減することを可能にして、それによってこの回転子の動的性能のみを改善し得る。
【国際調査報告】